JP6093198B2 - デバイスホルダ - Google Patents

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Description

本発明は、デバイスホルダに関する。
従来、ディスク装置などのデバイスを基板が搭載された本体シャーシ上に取り付ける手法として、ネジによりデバイスを本体シャーシに取り付ける手法が知られている。例えば、ネジにより取り付ける手法として、L字型のブラケットのネジ孔にネジを挿通させ、ブラケットを介してデバイスを本体シャーシに固定する手法が知られている。
ここで、図14の例を用いて、L字型のブラケットによりデバイスと本体シャーシとを固定する手法について説明する。図14は、L字型のブラケットによりデバイスと本体シャーシとを固定する手法例を説明する図である。図14に示すように、ブラケット1000には、側面および底面それぞれに2つずつネジ孔1100、1110が設けられ、デバイス2000の側面には、2つずつネジ穴2100が設けられ、本体シャーシ3000の上面には、計4つのネジ穴3100が設けられている。
このような構成のもと、ブラケット1000の側面の各ネジ孔1100を挿通したネジがデバイス2000の側面の各ネジ穴2100に螺合されるとともに、ブラケット1000の底面の各ネジ孔1110を挿通したネジが本体シャーシ3000の上面の各ネジ穴3100に螺合されることで、ブラケット1000を介してデバイス2000に本体シャーシ3000が固定される。なお、図14では、本体シャーシ3000の上面について、ブラケット1000およびデバイス2000周辺のみを切り取って表示したものである。
実用新案登録第3084250号公報
しかしながら、上記のデバイスと本体シャーシとをネジにより取り付ける手法では、ネジの取り付け作業による負担が大きいという課題があった。例えば、ネジを締める際には、ネジを締める作業とともに、ネジのトルクを調整する作業などを行う必要があるため、取り付け作業による作業者への負担や、作業時間が増加することで、コストが嵩むという問題があった(特にHDDなど、過大なトルクにてネジを締めると、ケースが変形してしまい、その結果、故障や性能低下の原因となるため、ネジ締結時のトルク管理が重要かつ必須となっている)。
また、上記のL字型のブラケットによりデバイスと本体シャーシとを固定する手法では、L字型のブラケットを設置するスペースが必要となるため、デバイスが搭載される装置内の高密度実装レイアウトに不向きであるという課題があった。例えば、図14の例では、ブラケットを設けるために、ブラケットの底面の面積(図14の斜線部参照)分のスペースを用意する必要があるため、高密度実装レイアウトに不向きであるという課題があった。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、取り付け作業の負担を軽減すると共にコスト低減を図り、高密度レイアウトに適したデバイスの取り付け手法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係るデバイスホルダは、デバイスに装着された状態で本体シャーシに取り付けられるデバイスホルダであって、前記デバイスホルダは、前記デバイスを保持する上板部および側板部から構成され、前記側板部は、前記デバイスに装着される際に、前記デバイスの側面に形成されたネジ穴部に挿入される突起部と、前記本体シャーシの上面に形成された取り付け孔に嵌入して、前記本体シャーシ上のコネクタに前記デバイスの端子が挿入されるスライド方向にスライド可能であり、該スライド方向にスライドすることで前記取り付け孔に係止する係止部と、を備えることを特徴とする。
発明によれば、ネジの取り付け作業を不要にしたことで、取り付け作業の負担を軽減し、さらに、ブラケットを用いることなくデバイスを取り付け可能としたことで、ブラケットを設けるためのスペースが不要となり、高密度レイアウトを実現することができる。このため、取り付け作業の負担を軽減し、高密度レイアウトに適したデバイスの取り付け手法を提供することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係るホルダを上面方向からみた上面斜視図である。 図2は、実施形態に係るホルダを背面方向から見た背面斜視図である。 図3は、実施形態に係るホルダの六面図である。 図4は、実施形態に係るホルダを電子デバイスに装着固定した状態の斜視図である。 図5は、実施形態に係る本体シャーシ(基板の高さ5mmの場合)の上面図である。 図6は、実施形態に係るホルダ付きデバイスを本体シャーシに取り付ける際の斜視図である。 図7は、実施形態に係るホルダ付きデバイスを本体シャーシに固定する際の斜視図である。 図8は、実施形態に係るホルダ付きデバイスを本体シャーシに取り付けた状態の斜視図である。 図9は、実施形態に係るホルダ付きデバイスを本体シャーシ(基板の高さ5mmの場合)に固定した状態の側面図である。 図10は、実施形態に係るホルダを電子デバイスに装着固定した状態の正面図である。 図11は、実施形態に係る本体シャーシ(基板の高さ4mmの場合)の上面図である。 図12は、実施形態に係るホルダ付きデバイスを本体シャーシ(基板の高さ4mmの場合)に取り付ける際の斜視図である。 図13は、実施形態に係るホルダ付きデバイスを本体シャーシ(基板の高さ4mmの場合)に固定した状態の側面図である。 図14は、L字型のブラケットによりデバイスと本体シャーシとを固定する手法例を説明する図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
以下に、本発明にかかるデバイスホルダ(以下、ホルダという)および本体シャーシの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[ホルダの構成]
まず、図1〜5を用いて、実施形態に係るホルダ100の構成について説明する。図1は、実施形態に係るホルダを上面方向からみた上面斜視図である。図2は、実施形態に係るホルダを背面方向から見た背面斜視図である。図3は、実施形態に係るホルダの六面図である。図4は、実施形態に係るホルダを電子デバイスに装着固定した状態の斜視図である。
ホルダ100は、デバイス200のネジ穴210に円状突起部121A、121Bが挿入されることでデバイス200を保持し、該デバイス200を保持した状態で本体シャーシ300に取り付けられる。すなわち、ホルダ100では、ネジやブラケットなどを用いずに、デバイス200を本体シャーシ300に取り付けることができるので、デバイス200を本体シャーシ300に簡易に取り付けることができる。
図1〜図3に例示するように、実施形態に係るホルダ100は、樹脂製の素材をベースに、デバイス200を保持する上板部110および側板部120A、120Bから構成される。上板部110および側板部120A、120Bは、金型によりホルダ100全体として一体成形されている。このホルダ100は、デバイス200に装着された状態で、後述する本体シャーシ300に取り付けられるデバイス用のホルダである。なお、ホルダ100に装着されるデバイス200については、特に限定されるものではなく、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などでもよい。
上板部110は、第一のホールド部111および第二のホールド部112により構成される。第一のホールド部111は、略Y字形状に形成され、デバイス200装着時には、デバイス200の端子230側(つまり、後述する基板400のコネクタ410側)に位置することとなる。また、第二のホールド部112は、略T字形状に形成され、デバイス200装着時には、デバイス200の端子230と反対側(つまり、後述する基板400のコネクタ410と反対側)に位置することとなる。
また、側板部120A、120Bは、円状突起部121A、121Bと、第一の係止部122A、122Bと、第二の係止部123A、123Bと、突起部124A、124Bと、取り外し片125A、125Bと、棒状突起126A、126Bとを有する。
円状突起部121A、121Bは、側板部120A、120Bの内側に2つずつ、計4箇所で形成されている。円状突起部121A、121Bは、一定の高さを有する円柱状の突起であって、その断面ないし外周が円状に形成されており、真円形状のほか楕円形状であってもよく、後述するネジ穴部210の内径と比較して、外径(楕円状の場合は長径)が小さく形成されていればよい。つまり、デバイス200とホルダ100とは、ネジ穴部210の内径よりも外径が小さく外周が滑らかな略円状に構成されているので勘合の際にスムーズに適切な位置に移動可能であると共に、ホルダの円状突起部ピッチ寸法誤差とデバイスのネジ穴ピッチ寸法誤差を吸収するとともに、デバイス200の端子230と基板400のコネクタ410の嵌合誤差を吸収することができる構造となっている。また、この円状突起部121A、121Bは、金属ピン等の挿入ではなく、樹脂素材で構成されるホルダ100と一体成形されることで、円形の突起状に形成され、コスト低減に役立つように工夫されている。
また、第一の係止部122A、122Bは、側板部120A、120Bの外側に2つずつ、計4箇所で形成されている。この第一の係止部122A、122Bは、デバイス200の端子230と接続されるコネクタ410の高さに調整可能なように、側面視でL字型の階段形状に形成されており、本体シャーシ300の上面に形成された取り付け孔310A、310Bに嵌入される。
また、第二の係止部123A、123Bは、側板部120A、120Bの内側に1つずつ、計2箇所で形成されている。また、第二の係止部123A、123Bは、鉤型突出片1230をそれぞれ有する。また、第二の係止部123A、123Bは、本体シャーシ300の上面に形成された取り付け孔311A、311Bに嵌入される。
また、突起部124A、124Bは、側板部120A、120Bの4箇所において下方に突出しており、ホルダ100が本体シャーシ300に取り付けられた際には、本体シャーシ300の上面と当接する。
また、取り外し片125A、125Bは、側板部120A、120Bの上側面から内側に延設されたものであり、外側に向かって押圧されることで、側板部120A、120Bが押し広げられる。本体シャーシ300からホルダ100を取り外す場合には、取り外し片125A、125Bを外側方向に押し広げつつ、スライド方向と反対方向にホルダ100を移動させ、上方向に抜き出すことで取り外すことができる。
また、棒状突起126A、126Bは、側板部120A、120Bの内側の円状突起部121A、121B近傍に1つずつ設けられたものであり、ホルダ100にデバイス200が装着された場合には、先端がデバイス200の側面に当接する。棒状突起126A、126Bがデバイスの側面に当接することで、デバイス200の側面と、側板部120A、120Bとの間に隙間が生じる(後述する図9参照)。このように棒状突起は、前記の隙間を生じさせる役割等を有しており、図の記載や、その名称からは、直方体状の形態を想起させるようにもみえるが、必ずしも断面が長方形状ないし正方形状でなくてもよく、三角形や台形状、あるいは略円状ないし楕円形状であっても良い。
[デバイスに装着された状態のホルダの構成]
図4を参照して、デバイス200に装着された状態のホルダ100の構成について説明する。図4は、実施形態に係るホルダをデバイスに装着固定した状態の斜視図である。ここで、ホルダ100が装着されるデバイス200は、例えば、2.5インチ規格サイズのHDD、SSDを想定している。
図4に示すように、ホルダ100は、デバイス200の側面に設けられた4箇所のネジ穴210に各円状突起部121A、121Bが挿入されることで、デバイス200を保持している。ここで、上記したように、円状突起部121A、121Bの外径は、ネジ穴210の内径よりも小さいため、ホルダ100とデバイス200の取り付けが容易であり、ホルダの円状突起部ピッチ寸法誤差とデバイスのネジ穴ピッチ寸法誤差を吸収するとともに、デバイス200の端子230と基板400のコネクタ410の嵌合誤差を吸収することができる。なお、デバイス200の上面に4箇所のネジ穴220が設けられているが、本実施形態では、特に使用されない。
また、デバイス200の一端には、基板400のコネクタ410に挿入される端子230が設けられている。ここで、デバイス200がホルダ100に装着された状態において、端子230側に位置する第一のホールド部111が、上板部110の平面に対して、側板部120A、120Bがそれぞれ上下方向に相対するようしてねじれるように、変形しやすい略Y字形状に形成されているため、端子230がコネクタ410に挿入される際の取り付け誤差を吸収することができる。一方、デバイス200がホルダ100に装着された状態において、端子230に対して反対側に位置する第二のホールド部112は、上板部110の平面に対して、側板部120A、120Bがねじれる方向に変形し難い略T字形状に形成されているため、デバイスがしっかり保持され、外部からの振動や周辺のデバイスが発生する振動の影響を抑えるとともに、剛性を向上させることが可能である。
[本体シャーシの構成]
次に、図5を参照して、本体シャーシ300の構成について説明する。図5に示すように、本体シャーシ300は、左右に3つずつ取り付け孔310A、310B、311A、311Bが設けられている。このうち、取り付け孔310A、310Bは、略矩形形状であり、矩形の周縁における4隅のうちの一つの隅が延設された延設部3100を有する。また、取り付け孔311A、311Bは、略矩形形状であり、矩形の周縁における4辺のうちの一辺の中央付近が鉤型形状に延設された延設部3110を有する。
上記した延設部3100は、ホルダ100が本体シャーシ300に取り付けられ、基板400上のコネクタ410にデバイス200の端子230が挿入された後、挿入位置からスライドしながら移動可能な方向であるスライド方向にスライドされた後、第一の係止部122Aと当接することで、ホルダ100を上方向に抜き出される動きを規制することができる。また、延設部3100は、ホルダ100が本体シャーシ300に取り付けられ、基板400上のコネクタ410にデバイス200の端子が挿入されるスライド方向にスライドされると、第二の係止部123A、123Bに引っかかることで、スライド方向と逆方向に抜き出される動きを規制することができる。
図5に示すように、本体シャーシ300には、基板400が搭載されている。基板400は、コネクタ410を有する。このコネクタ410は、本体シャーシ300に取り付けられたデバイス200の端子230と電気的に接続される。なお、ここでは、基板底面と本体シャーシ上面の隙間が5mmであるものとする。
[ホルダの取り付け]
次に、図6〜図10を参照して、本体シャーシ300にホルダ100を取り付けた際の動きについて説明する。図6は、実施形態に係るホルダ付きデバイスを本体シャーシに取り付ける際の斜視図である。図7は、実施形態に係るホルダ付きデバイスを本体シャーシに固定する際の斜視図である。図8は、実施形態に係るホルダ付きデバイスを本体シャーシに取り付けた状態の斜視図である。図9は、実施形態に係るホルダ付きデバイスを本体シャーシ(5mm)に固定した状態の側面図である。図10は、実施形態に係るホルダを電子デバイスに装着固定した状態の正面図である。
まず、図6を用いて、ホルダ付きデバイスの本体シャーシ300への取り付け方について説明する。図6に示すように、各第一の係止部122A、122Bが、本体シャーシの各取り付け孔310A、310Bに嵌入されるとともに、各第二の係止部123A、123Bが、各取り付け孔311A、311Bに嵌入される。
ここで、各第一の係止部122A、122Bおよび各第二の係止部123A、123Bが最初に嵌入される各取り付け孔310A、310B、311A、311Bにおける位置は、基板400のコネクタ410と反対側の位置になる。つまり、取り付け孔310A、310B、311A、311Bの開口部分が広くなっている、コネクタ410と反対側の位置に、各第一の係止部122A、122Bおよび各第二の係止部123A、123Bが嵌入される。
また、各第一の係止部122A、122Bおよび各第二の係止部123A、123Bが各取り付け孔310A、310B、311A、311Bに嵌入されると、突起部124A、124Bが本体シャーシ300の上面と接触している状態となる。
そして、図7、図8に示すように、各第一の係止部122A、122Bおよび各第二の係止部123A、123Bが各取り付け孔310A、310B、311A、311Bに嵌入されると、基板400上のコネクタ410にデバイス200の端子230が挿入されるスライド方向(図7の矢印の方向)にホルダ100およびデバイス200がスライドされ、端子230とコネクタ410とが電気的に接続される。
ホルダ100がスライド方向にスライドすると、各第一の係止部122A、122Bが各取り付け孔310A、310Bのコネクタ410側、すなわち、開口部分が狭くなっている側に移動する。そして、各第一の係止部122A、122Bは、延設部3100の底面と当接している状態となる。このため、本体シャーシ300をホルダ100から上方向に無理抜き取ろうとした場合であっても、各第一の係止部122A、122Bが延設部3100の底面に係止され、抜き取る動きを制限することができる。また、各取り付け孔310A、310Bの開口部分が狭くなっているため、第一の係止部122A、122Bと係止されてデバイス200をしっかり固定されている状態となり、周辺デバイスの振動による共振を防止するとともに、外部からの振動の影響を最小限に抑えることが可能である。
また、ホルダ100がスライド方向にスライドすると、各第二の係止部123A、123Bが各取り付け孔311A、311Bのコネクタ410側に移動する。この際、各第二の係止部123A、123Bは、延設部3110を乗り越えて取り付け孔311A、311Bのコネクタ410側に移動する。このため、本体シャーシ300からホルダ100をスライド方向と反対側に無理移動させようとした場合であっても、第二の係止部123A、123Bが延設部3110の側面に係止され、移動を制限することができる。このように、取り付け孔311A、311B周縁の延設部3110が鉤状になっているため、第二の係止部123A、123Bと係止されてデバイス200をしっかり固定されている状態となり、周辺デバイスの振動による緩みや外れを防止することができる。
また、本体シャーシ300からホルダ100を取り外す場合には、取り外し片125A、125Bを外側方向(図8の矢印方向)に押し広げつつ、スライド方向と反対方向にホルダ100を移動させ、上方向に抜き出すことで取り外すことが可能となる。また、取り外し片125A、125Bが設けられていることで、工具を用いずに、取り付けロック解除ができる。
また、図9に示すように、基板底面と本体シャーシ上面の隙間が5mmである場合には、ホルダ100が本体シャーシ300に取り付けられた状態において、第一の係止部122A、122Bの当接面1220が、延設部3100の底面と当接されてデバイス200を固定している状態となる。このため、本体シャーシ300をホルダ100から上方向に無理抜き取ろうとした場合であっても、各第一の係止部122A、122Bが延設部3100の底面に係止され、抜き取る動きを制限することができる。なお、後述するが、基板底面と本体シャーシ上面の隙間が4mmである場合には、ホルダ100が本体シャーシ300に取り付けられた状態において、第一の係止部122A、122Bの当接面1221が、延設部3100の底面と当接されてデバイス200を固定している状態となる。
また、図10に示すように、棒状突起126A、126Bがデバイスの側面に当接することで、デバイス200の側面と、側板部120A、120Bとの間に隙間が生じている。このため、ホルダ100を本体シャーシ300に取り付ける際には、本体シャーシの取り付け孔310A、310B、311A、311Bの左右幅を僅かに狭め、棒状突起126A、126Bを支点として内側方向(図10の白抜き矢印の方向)に変形させ、テンションをかけることができる。このように、本体シャーシ300に取り付けた際に、ホルダ100を内側に変形させて、反作用の力で外側に向かうテンションをかけることで、ホルダ100と本体シャーシ300とがしっかり固定され、微振動を抑制することが可能である。
また、本実施形態のホルダ100は、基板底面と本体シャーシ上面の隙間が5mmである場合だけでなく、基板底面と本体シャーシ上面の隙間が4mmである場合であっても対応することが可能である。基板400aの底面と本体シャーシ上面の隙間が4mmである場合には、本体シャーシ300aの取り付け孔が変更されることとなる。ここで、図11を用いて、基板400aの底面と本体シャーシ上面の隙間が4mmである場合の本体シャーシ300aの取り付け孔について説明する。図11は、実施形態に係る本体シャーシ(基板の高さ4mmの場合)の上面図である図11に示すように、本体シャーシ300aは、図5の本体シャーシ300と比較して、取り付け孔310A、310Bの形状が変化しており、また、取り付け孔312A、312Bをさらに有する。
本体シャーシ300aの取り付け孔310A、310Bは、図5の本体シャーシ300の取り付け孔310A、310Bと比較して、細くなっている周縁部分が長手方向に伸びている。また、取り付け孔312A、312Bは、矩形形状で形成され、ホルダ100が本体シャーシ300に取り付けられると、ホルダ100の突起部124A、124Bが挿入される。
次に図12を用いて、ホルダ付きデバイスの本体シャーシ300aへの取り付け方について説明する。図12は、実施形態に係るホルダ付きデバイスを本体シャーシ(基板の高さ4mmの場合)に取り付ける際の斜視図である。図12に示すように、ホルダ100が本体シャーシ300に取り付けられる際に、図6と同様に、各第一の係止部122A、122Bが、本体シャーシの各取り付け孔310A、310Bに嵌入され、各第二の係止部123A、123Bが、各取り付け孔311A、311Bに嵌入される。
また、突起部124A、124Bが、ホルダ100が本体シャーシ300に取り付けられる際に、取り付け孔312A、312Bに挿入される。これは、高さが5mmの基板400よりも1mm低い基板400aの高さに対応するために、取り付け孔312A、312Bに挿入してホルダ100およびデバイスの高さを低くしている。つまり、高さが5mmの基板400である場合には、突起部124A、124Bを本体シャーシ300の上面に当接させるが、基板底面と本体シャーシ上面の隙間が4mmの基板400aである場合には、突起部124A、124Bを取り付け孔312A、312Bに挿入させることで、基板の400aのコネクタ410と合うように、デバイス200の高さを低くしている。
また、図13に示すように、基板底面と本体シャーシ上面の隙間が4mmである場合には、ホルダ100が本体シャーシ300aに取り付けられた状態において、第一の係止部122A、122Bの当接面1221が延設部3100の底面と当接されてデバイス200を固定している状態となる。
ここで、図13に示すように、第一の係止部の122A、122Bの当接面1221は、当接面1220と比較して基板400aから遠くに位置している。このため、当接面1220と延設部3100の底面とを係止させるために、図11に例示したように、本体シャーシ300aの取り付け孔310A、310Bは、図5の本体シャーシ300の取り付け孔310A、310Bと比較して、細くなっている周縁部分を長手方向に長くしている。これにより、各第一の係止部122A、122Bが延設部3100の底面に係止され、本体シャーシ300aをホルダ100から上方向に無理抜き取ろうとした場合であっても、抜き取る動きを制限することができる。
なお、上記では、基板底面と本体シャーシ上面の隙間が4mmである場合と、5mmである場合に対応できるように、第一の係止部122A、122Bの形状を2段階調整できる略L字型の階段形状としているが、これに限定されるものではなく、3段階以上調整できる階段形状とするようにしてもよい。
[実施形態による効果]
上述してきたように、本実施形態に係るホルダ100は、デバイス200を保持する上板部110および側板部120A、120Bから構成され、側板部120A、120Bは、デバイス200に装着される際に、デバイス200の側面に形成されたネジ穴210に挿入される円状突起部121A、121Bと、本体シャーシ300の上面に形成された取り付け孔310A、310B、311A、311Bに嵌入して、本体シャーシ300上のコネクタ410にデバイス200の端子230が挿入されるスライド方向にスライド可能であり、該スライド方向にスライドされることで取り付け孔310A、310B、311A、311Bに係止する第一の係止部122A、122Bおよび第二の係止部123A、123Bを備える。
このため、本実施形態に係るホルダ100では、ネジの取り付け作業を不要にしたことで、取り付け作業の負担を軽減し、さらに、ブラケットを用いることなくデバイス200を取り付け可能としたことで、ブラケットを設けるためのスペースが不要となり、高密度レイアウトを実現することができる。このため、取り付け作業の負担を軽減し、高密度レイアウトに適したデバイスの取り付け手法を提供することが可能である。
また、本実施形態に係るホルダ100では、ネジが不要であることから、コストダウンを図ることが可能である。また、ネジが無いことで、作業時に装置内部へネジ脱落などの心配が無く、さらに、ネジ締め作業時に発生する金属粉の発生が無くなり、これに起因する故障(短絡等)の心配が無い。また、ネジを締める作業が無くなり、工場組立や保守交換作業の時間短縮に繋がる。また、ネジを締める作業のトルク管理が不要となり、作業者の熟練の差などで生じてしまうバラツキが無くなる。
本実施形態に係るホルダ100では、上板部110が、装着されるデバイス200の端子230側の形状が略Y字形状であり、端子230と反対側の形状が略T字形状である。このため、上板部110について、デバイス200の端子230側は、変形しやすい略Y字形状に形成されているため、端子230がコネクタ410に挿入される際の取り付け誤差を吸収することができる。また、端子230と反対側は、変形し難い略T字形状に形成されているため、デバイスがしっかり保持され、外部からの振動や周辺のデバイスが発生する振動の影響を抑えるとともに、剛性を向上させることが可能である。
また、従来のブラケットを用いてネジ締めにてデバイスを固定する方法は、剛構造となる反面、HDDなどの内部に回転構造を持つデバイスを取り付けた場合は、動作時に発生する振動が他へ伝播しやすく、また、DVDドライブなどが近接する場合は、それから発生する振動の影響を受けやすい(共振)という短所がある、一方、本実施形態に係るホルダ100では、弾性を利用した柔構造であり、HDDなどを取り付けた場合は、動作時に発生する振動を吸収し、さらに、DVDドライブなどが近接する場合は、それから発生する振動の影響が受けにくくなるため、デバイスの故障や性能低下を少なくすることができる。
本実施形態に係るホルダ100では、突起部124A、124Bが、円状に形成されており、デバイス200ネジ穴210の内径と比較して外径が小さい。このため、ホルダ100とデバイス200の取り付けが容易であるとともに、デバイス200のネジ穴ピッチ寸法誤差を吸収することができる。
本実施形態に係るホルダ100では、側板部120A、120Bの内側に形成され、デバイス200に装着された際にデバイス200の側面に当接する棒状突起部126A、126Bをさらに備える。このため、ホルダ100を本体シャーシ300に取り付けた際には、棒状突起126A、126Bを支点として内側方向に変形させ、テンションをかけることができる結果、ホルダ100と本体シャーシ300とがしっかり固定され、微振動を抑制することが可能である。
第二の係止部123A、123Bは、取り付け孔の周縁に設けられた鉤型形状の延設部3110と係止する。このため、基板400上のコネクタ410にデバイス200の端子230が挿入されるスライド方向にスライドされた後に、第一の係止部122Aと当接することで、ホルダ100を上方向に抜き出される動きを規制することが可能である。
第一の係止部122A、122Bは、デバイス200の端子230と接続されるコネクタ410の高さに調整可能なように、階段形状に形成されている。このため、汎用性が向上し、基板400の高さの変化に容易に対応することが可能である。
上板部110および側板部120は、樹脂金型で一体成形されている。このため、ネジや板金ホルダを用いて固定する場合と比較して、軽量化を実現することができ、安価に製造することが可能であり、製造コストを削減することが可能である。
100 ホルダ
110 上板部
111 第一のホールド部
112 第二のホールド部
120A、120B 側板部
121A、121B 円状突起部
122A、122B 第一の係止部
123A、123B 第二の係止部
124A、124B 突起部
125A、125B 取り外し片
126A、126B 棒状突起
200 デバイス
210、220 ネジ穴
230 端子
300、300a 本体シャーシ
310A、310B、311A、311B 取り付け孔
3100、3110 延設部
400、400a 基板
410 コネクタ
1000 ブラケット

Claims (6)

  1. デバイスに装着された状態で本体シャーシに取り付けられるデバイスホルダであって、
    前記デバイスホルダは、前記デバイスを保持する上板部および側板部から構成され、
    前記側板部は、
    前記デバイスに装着される際に、前記デバイスの側面に形成されたネジ穴部に挿入される突起部と、
    前記本体シャーシの上面に形成された取り付け孔に嵌入して、前記本体シャーシ上のコネクタに前記デバイスの端子が挿入されるスライド方向にスライド可能であり、該スライド方向にスライドされることで前記取り付け孔に係止する係止部と、
    を備え
    前記上板部は、装着されるデバイスの端子側の形状が略Y字形状であり、前記端子と反対側の形状が略T字形状であることを特徴とするデバイスホルダ。
  2. デバイスに装着された状態で本体シャーシに取り付けられるデバイスホルダであって、
    前記デバイスホルダは、前記デバイスを保持する上板部および側板部から構成され、
    前記側板部は、
    前記デバイスに装着される際に、前記デバイスの側面に形成されたネジ穴部に挿入される突起部と、
    前記本体シャーシの上面に形成された取り付け孔に嵌入して、前記本体シャーシ上のコネクタに前記デバイスの端子が挿入されるスライド方向にスライド可能であり、該スライド方向にスライドされることで前記取り付け孔に係止する係止部と、
    を備え
    前記係止部は、前記デバイスの端子と接続されるコネクタの高さに調整可能なように、階段形状に形成されていることを特徴とするデバイスホルダ。
  3. 前記突起部は、円状に形成されており、前記ネジ穴部の内径と比較して外径が小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のデバイスホルダ。
  4. 前記側板部の内側に形成され、前記デバイスに装着された際に前記デバイスの側面に当接する棒状突起部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のデバイスホルダ。
  5. 前記係止部は、前記取り付け孔の周縁に設けられた鉤型形状部分と係止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のデバイスホルダ。
  6. 前記上板部および前記側板部は、樹脂金型で一体成形されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載のデバイスホルダ。
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