以下、遊技機の一種であるパチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機)の一実施形態を説明する。以下、パチンコ式スロットマシンを「パチスロ」と示す。
図1に示すように、パチスロ10は、前面に開口部を有する直方体状の本体11と、本体11の一側縁部に対して回動可能に軸支された前面扉12とを備えている。前面扉12の前面上部には、遊技演出としての表示演出を行う演出表示装置14が配設されている。演出表示装置14は、例えば液晶ディスプレイである。また、前面扉12には、遊技演出としての発光演出を行うランプ12a、及び遊技演出としての音声演出を行うスピーカ12bが配設されている。
前面扉12の前面中央には、中央パネル15が設けられているとともに、中央パネル15には、パチスロ10の機内部に配設されるドラムユニット13を透視可能な透視窓16が設けられている。ドラムユニット13は、左リール13Lと、中リール13Cと、右リール13Rとを有する。各リール13L,13C,13Rは、外周面に沿って複数種類の識別図柄(以下、単に「図柄」と示す)が配置されている。パチスロ10の機内部において、左リール13L、中リール13C、及び右リール13Rは、この順で遊技者から見て左から並ぶように配置されている。
図2に示すように、各リール13L,13C,13Rには、図柄番号z0〜z20の計21個の図柄が配置されている。各リール13L,13C,13Rに配置された図柄には、「ベル」を模した図柄(ベル図柄)、「REPLAY」の文字を模した図柄(リプレイ図柄)、「スイカ」を模した図柄(スイカ図柄1〜3)、「チェリー」を模した図柄(チェリー図柄1,2)がある。また、図柄には、「BAR」の文字を模した図柄(BAR図柄)、赤色の「7」の文字を模した図柄(赤セブン図柄)、青色の「7」の文字を模した図柄(青セブン図柄)がある。
図1に示すように、ドラムユニット13は、左リール13Lを回動及び停止させるステッピングモータと、中リール13Cを回動及び停止させるステッピングモータと、右リール13Rを回動及び停止させるステッピングモータとを備えている。各リール13L,13C,13Rは、各々に対応して設けられたステッピングモータにより独立して縦方向に回動及び停止されるようになっている。本実施形態では、各リール13L,13C,13Rが回転することにより、透視窓16において、図柄番号z0→図柄番号z1→図柄番号z2→…→図柄番号z20→図柄番号z0…のように、図柄番号の小さい図柄から順に、図柄が上方から下方に向かって縦方向に変動表示(スクロール表示)され、遊技としての変動ゲームが行われる。本実施形態において、各リール13L,13C,13Rは、複数種類の識別図柄を変位表示可能な複数の変位表示部として機能する。
透視窓16は、各リールにおいて連続する3つの図柄番号の図柄が表示可能な大きさで形成されている。このため、透視窓16には、各リール13L,13C,13Rが停止すると、複数の図柄のうち、連続する3つの図柄番号の図柄が上段、中段、及び下段の位置に停止表示される。各リール13L,13C,13Rには、回動位置を各別に検出するリールセンサSE1,SE2,SE3(図3に示す)がそれぞれ設けられている。
パチスロ10では、透視窓16から透視可能な図柄の表示領域において、停止表示される図柄の組み合わせを規定する複数(本実施形態では5本)の図柄停止ラインL1〜L5が設定されている。
図柄停止ラインL1(実線で示す)は、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定し得る図柄停止ラインである。図柄停止ラインL1は、図柄停止ラインL1上に停止表示された図柄の組み合わせが賞を付与する図柄の組み合わせ態様である場合、該図柄の組み合わせに応じた賞を付与することとして有効と判定する有効ラインとなる。以下の説明で、単に「入賞ライン」という場合には、図柄停止ラインL1を意味する。また、以下の説明では、各リール13L,13C,13Rの図柄が入賞ライン上に停止表示されること、及び各リール13L,13C,13Rの図柄が停止表示されて入賞ライン上に図柄の組み合わせが停止表示されることを単に「導出表示」と示す場合がある。
また、図柄停止ラインL2〜L5(破線で示す)は、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定し得ない図柄停止ラインである。図柄停止ラインL2〜L5は、これら図柄停止ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが賞を付与する態様と同一態様であったとしても、該図柄の組み合わせに応じた賞を付与しない無効ラインとなる。以下の説明で、単に「非入賞ライン」という場合には、図柄停止ラインL2〜L5を意味する。
本実施形態において、透視窓16には、左リール13Lの図柄を停止表示させる図柄停止位置として、上段、中段、及び下段の順に図柄停止位置D1〜D3が設定されている。透視窓16には、中リール13Cの図柄を停止表示させる図柄停止位置として、上段、中段、及び下段の順に図柄停止位置D4〜D6が設定されている。透視窓16には、右リール13Rの図柄を停止表示させる図柄停止位置として、上段、中段、及び下段の順に図柄停止位置D7〜D9が設定されている。
そして、入賞ラインである図柄停止ラインL1は、図柄停止位置D2,D5,D8によって形成されている。非入賞ラインである図柄停止ラインL2は、図柄停止位置D1,D4,D7によって形成されている。非入賞ラインである図柄停止ラインL3は、図柄停止位置D3,D6,D9によって形成されている。非入賞ラインである図柄停止ラインL4は、図柄停止位置D1,D5,D9によって形成されている。非入賞ラインである図柄停止ラインL5は、図柄停止位置D3,D5,D7によって形成されている。
また、中央パネル15には、変動ゲームに関わる各種の情報を報知する種情報表示部17が配設されている。種情報表示部17には、投入可能表示用ランプ、再遊技表示用ランプ、ウェイト表示用ランプ、状態ランプ、賭数表示部、貯留枚数表示部、賞枚数表示部、及びゲーム情報表示部が設けられている。
投入可能表示用ランプは、遊技媒体としてのメダルをベット可能な状態、及び投入したメダルをパチスロ10の機内部にクレジット(貯留データ)として記憶可能な状態のときに点灯する。投入可能表示用ランプは、変動ゲームを実行中であるときに消灯する。また、投入可能表示用ランプは、1回の変動ゲームにおいてベット可能な最大枚数のコインがベットされ、且つクレジットが上限枚数に達しているときに消灯する。以下の説明では、変動ゲームにおいてベットされたメダルの枚数を「ベット数(賭数)」と示し、1回の遊技においてベットを許容されるメダルの最大枚数を「最大ベット数(最大賭数)」と示す。後述するように、本実施形態における最大ベット数は、変動ゲームの開始に要する「規定ベット数(規定賭数)」でもある。本実施形態において、ボーナス遊技における最大ベット数は2枚であり、ボーナス遊技以外の一般遊技における最大ベット数は3枚である。
再遊技表示用ランプは、変動ゲームにおいて再遊技役としてのリプレイ役が入賞した場合に点灯する。ウェイト表示用ランプは、ウェイトタイム中に開始操作が検出された場合に点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、変動ゲームがあまり速く進行し過ぎてしまうことを規制するために設定された最短遊技時間であり、このウェイトタイム中に開始操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後に各リールの回転動作が開始するように設定されている。状態ランプは、変動ゲームの進行に合わせて点灯/消灯をする。
また、賭数表示部は、3つの発光部から構成されており、変動ゲームのベット数に応じてランプが点灯する。1ベットで1つのランプが点灯し、2ベットで2つのランプが点灯し、3ベットで全てのランプが点灯する。貯留枚数表示部は、機内部で貯留しているクレジット数を表示する。賞枚数表示部は、変動ゲーム中に入賞が発生した場合に、当該入賞に基づいて遊技者に付与されるメダルの枚数が表示される。
また、前面扉12の前面において、中央パネル15の右下方には、メダル投入口18が配設されている。メダル投入口18の奥方には、メダルの通過を検知するメダルセンサSE4(図3に示す)が配設されている。また、前面扉12の前面において、中央パネル15の左下方には、遊技者からみて左から順にBETボタン19と、MAXBETボタン20とが配設されている。BETボタン19は、パチスロ10の機内部に記憶されているクレジットから1枚のメダル分をベットするときに操作するボタンである。また、MAXBETボタン20は、パチスロ10の機内部に記憶されているクレジットから、最大ベット数までのメダル分をベットするときに操作するボタンである。
また、前面扉12の前面において、各BETボタン19,20の左下方には、精算スイッチ21が配設されている。精算スイッチ21は、ベットされたメダル、又は機内部に記憶されているクレジットを払い戻すときに操作するスイッチである。
精算スイッチ21の右方には、変動ゲームを開始する際に遊技者により操作されるスタートレバー22が配設されている。本実施形態のスタートレバー22は、変動ゲームを開始させる開始操作を可能な開始操作手段として機能する。また、スタートレバー22の右方には、ストップボタン23L,23C,23Rが配設されている。各ストップボタン23L,23C,23Rは、各リール13L,13C,13Rと各別に対応付けられているとともに、対応付けられた回転中のリールにおいて図柄を導出表示させる契機となる導出操作としての停止操作をそれぞれ可能である。したがって、各ストップボタン23L,23C,23Rは、導出操作手段として機能する。
また、前面扉12の前面における下部中央には、メダル排出口24が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口24から排出されたメダルを受ける受皿25が配設されている。
また、図1に破線で示すように、パチスロ10の機内部において、ドラムユニット13の下方には、投入されたメダルを貯留するためのホッパー26が配置されている。ホッパー26は、各リール13L,13C,13Rに導出表示された図柄の組み合わせが所定の図柄の組み合わせとなったことを条件として、貯留されているメダルをメダル排出口24から払い出す。パチスロ10の機内部には、メダル投入口18とホッパー26とを繋ぐようにメダルセレクター27が配設されている。
次に、本実施形態のパチスロ10において、入賞ライン上に停止表示可能な図柄の組み合わせ(役)について説明する。パチスロ10において、入賞ライン上に停止表示可能な図柄の組み合わせは、複数設定されている。なお、パチスロ10では、スタートレバー22の操作を契機とした内部抽選の結果として、入賞ライン上に停止表示可能な図柄の組み合わせ(役)が決定される。
例えば、[赤セブン・BAR・赤セブン]の図柄の組み合わせは、入賞ライン上に停止表示される場合にボーナス遊技を付与する図柄の組み合わせ(ボーナス役)である。ボーナス役に対応する図柄の組み合わせは、ボーナス停止目となる。ボーナス遊技は、メダルの払出し枚数が予め定めた規定数(本実施形態では40枚)を超える変動ゲームの終了に伴って終了される。
例えば、[青セブン/BAR/スイカ2・チェリー1,2・チェリー1,2/スイカ1,2]の図柄の組み合わせは、入賞ライン上に停止表示される場合に所定枚数(一般遊技では2枚、ボーナス遊技では2枚)のメダルを払い出す図柄の組み合わせ(チェリー役)である。チェリー役に対応する図柄の組み合わせは、チェリー停止目となる。
例えば、[スイカ1〜3・スイカ1〜3・スイカ1〜3]の図柄の組み合わせは、入賞ライン上に停止表示される場合に、所定枚数(一般遊技では6枚、ボーナス遊技では2枚)のメダルを払い出す図柄の組み合わせ(スイカ役)である。スイカ役に対応する図柄の組み合わせは、スイカ停止目となる。
例えば、[ベル・ベル・ベル]の図柄の組み合わせは、入賞ライン上に停止表示される場合に、所定枚数(一般遊技では9枚、ボーナス遊技では2枚)のメダルを払い出す図柄の組み合わせ(ベル役)である。ベル役に対応する図柄の組み合わせは、ベル停止目となる。
例えば、[リプレイ・赤セブン/チェリー1・BAR/スイカ1]の図柄の組み合わせは、入賞ライン上に停止表示される場合に、所定枚数(一般遊技では1枚、ボーナス遊技では2枚)のメダルを払い出す図柄の組み合わせ(こぼし役)である。こぼし役に対応する図柄の組み合わせは、こぼし停止目となる。
そして、本実施形態のパチスロ10において、各役に対応する図柄の組み合わせの何れとも異なる図柄の組み合わせは、入賞ライン上に停止表示される場合に、メダルの払出しが行われない図柄の組み合わせ(所謂はずれ)である。はずれに対応する図柄の組み合わせは、はずれ停止目となる。
また、[リプレイ・リプレイ・リプレイ]や[リプレイ・リプレイ・ベル]の図柄の組み合わせは、入賞ライン上に停止表示される場合に遊技者がメダルをベットすることなく機内部で自動的にベット数が設定されることで次の変動ゲームを行う再遊技(リプレイ遊技)を付与する図柄の組み合わせ(リプレイ役、再遊技役)である。リプレイ役に対応する図柄の組み合わせは、リプレイ停止目となる。再遊技では、遊技者がメダルを消費することなく変動ゲームを行うことができる一方で、メダルの払出しが行われない。
したがって、本実施形態において、チェリー役、スイカ役、ベル役、及びこぼし役は、入賞に基づいてメダルの払出しが行われる払出役となる。また、本実施形態において、チェリー役、スイカ役、ベル役、こぼし役、及びリプレイ役が小役となる。
また、本実施形態のパチスロ10は、各ストップボタン23L,23C,23Rによる停止操作がされた場合、予め定められた引込み範囲内に位置する図柄を入賞ライン上に停止表示させ、所定の図柄の組み合わせを導出表示させる図柄停止制御(所謂、すべり)を実行可能である。このため、パチスロ10では、ストップボタン23L,23C,23Rによる停止操作のタイミングでリールが停止し、図柄が導出表示されるとは限らず、停止操作のタイミングと該停止操作に対応するリールが停止するタイミングとが一致しない場合が生じ得る。
また、パチスロ10は、リプレイ役の決定確率(当選確率)を高確率へ変動させて、一般遊技を制御するRT機能(再遊技役確率変動機能)が搭載されている。一般遊技は、RT機能の作動態様に応じた内部状態に制御されるとともに、RT機能の作動中にはその種類に応じた状態に制御される。このため、一般遊技では、RT機能の非作動の状態であって、リプレイ役の合算の決定確率が低確率に設定された非RT状態に制御される場合がある。また、一般遊技では、RT機能の作動の状態であって、リプレイ役の合算の決定確率が非RT状態と比較して高確率へ変動されるRT状態に制御される場合がある。
本実施形態では、一般遊技の中でもボーナス役の決定後(ボーナス成立後)、ボーナス役に入賞するまでの間であって、ボーナス役の決定結果の情報(フラグ)の持ち越し中となるボーナス内部中の場合にRT状態に制御される。また、本実施形態では、一般遊技の中でもボーナス役に当選する迄であって、ボーナス役の決定結果の情報(フラグ)を持ち越し中ではないボーナス非内部中の場合に非RT状態に制御される。以下の説明では、一般遊技のうちボーナス内部中に行われる一般遊技を「ボーナス内部中遊技」と示し、一般遊技のうちボーナス非内部中に行われる一般遊技を「ボーナス非内部中遊技」と示す。
次に、パチスロ10の電気的構成を説明する。
図3に示すように、パチスロ10の機内部には、遊技の進行に関する各種の処理を行うとともに、該処理結果に応じて制御信号(制御コマンド)を出力する主制御基板40が配設されている。また、パチスロ10の機内部には、主制御基板40から入力する各種の制御信号に基づいて、遊技演出の実行に関する各種の処理を行う演出制御基板41が配設されている。演出制御基板41は、演出表示装置14による表示演出、ランプ12aによる発光演出、及びスピーカ12bによる音声演出の実行を制御する。
まず、主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU40aと、主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40cとを備えている。主制御用CPU40aには、リールセンサSE1〜SE3、メダルセンサSE4が接続されている。主制御用CPU40aには、各種情報表示部17が接続されている。主制御用CPU40aには、BETボタン19と、MAXBETボタン20と、精算スイッチ21と、スタートレバー22と、各ストップボタン23L,23C,23Rと、ホッパー26とが接続されている。
主制御用CPU40aには、接続されるメダルセンサSE4から該メダルセンサSE4でメダルを検知する毎に、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、接続されるBETボタン19、MAXBETボタン20、精算スイッチ21、スタートレバー22及びストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種の操作信号が入力される。
また、主制御用CPU40aには、左リール13Lを駆動するステッピングモータ、中リール13Cを駆動するステッピングモータ、及び右リール13Rを駆動するステッピングモータが接続されている(図示しない)。
主制御用CPU40aは、各ステッピングモータに対して、所定周期毎に駆動信号(パルス)を出力することにより励磁状態を切り替えて駆動させ、各リール13L,13C,13Rを各別に回動及び停止させる。なお、本実施形態のパチスロ10では、504回(ステップ)の信号出力により各リール13L,13C,13Rが1回転し、図柄番号z0〜z20の図柄の変動表示が一巡(一周)する。
そして、主制御用CPU40aは、左リール13Lにおける図柄番号z0の図柄が中段の図柄停止位置D2の通過を開始するタイミングを検知してリールセンサSE1が出力する第1位置信号を入力可能である。主制御用CPU40aは、リールセンサSE1から第1位置信号を入力してからの駆動信号の出力回数(ステップ数)から、図柄停止位置D2を通過中である図柄の図柄番号、又は図柄停止位置D2に停止表示されている図柄の図柄番号を特定できる。
主制御用CPU40aは、中リール13Cにおける図柄番号z0の図柄が中段の図柄停止位置D5の通過を開始するタイミングを検知してリールセンサSE2が出力する第2位置信号を入力可能である。主制御用CPU40aは、リールセンサSE2から第2停止信号を入力してからの駆動信号の出力回数(ステップ数)から、図柄停止位置D5を通過中である図柄の図柄番号、又は図柄停止位置D5に停止表示されている図柄の図柄番号を特定できる。
主制御用CPU40aは、右リール13Rにおける図柄番号z0の図柄が中段の図柄停止位置D8の通過を開始するタイミングを検知してリールセンサSE3が出力する第3位置信号を入力可能である。主制御用CPU40aは、リールセンサSE3から第3停止信号を入力してからの駆動信号の出力回数(ステップ数)から、図柄停止位置D8を通過中である図柄の図柄番号、又は図柄停止位置D8に停止表示されている図柄の図柄番号を特定できる。
また、主制御用CPU40aは、各種の抽選に用いる各種乱数の値を所定の制御周期毎に更新する乱数生成処理を実行する。乱数生成処理で生成される乱数には、変動ゲームにおいて導出表示可能な図柄の組み合わせ(役)を特定可能な識別図柄情報としての当選情報(例えば当選番号など)を決定するのに用いられる当選情報決定用乱数がある。本実施形態のパチスロ10には、当選情報t1〜t41の全41個の当選情報が設定されている。
各当選情報には、変動ゲームにおいて導出表示可能な図柄の組み合わせが1つ、又は複数対応付けられている。即ち、当選情報には、1つの役(所謂、条件装置)が対応付けられているか、又は複数の役を組み合わせた役組合せ(所謂、条件装置組合せ)が対応付けられている。したがって、パチスロ10では、1つの図柄の組み合わせを特定可能な当選情報が決定された場合には、1つの役に単独当選したことを意味する。その一方で、複数の図柄の組み合わせを特定可能な当選情報が決定された場合には、複数の役に重複当選したことを意味する。
本実施形態において、当選情報t1〜t9には、1つ又は複数のリプレイ役が対応付けられている。また、当選情報t10〜t34には、ベル役、及びこぼし役が対応付けられている。当選情報t35〜t37には、チェリー役、及びこぼし役が対応付けられている。当選情報t38には、スイカ役、及びこぼし役が対応付けられている。当選情報t39には、こぼし役が対応付けられている。当選情報t40には、ベル役、チェリー役、スイカ役、及びこぼし役が対応付けられている。当選情報t41には、ボーナス役が対応付けられている。
また、主制御用ROM40bには、メイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、変動ゲームの実行に関する処理の実行に用いられる各種のテーブルが記憶されている。このようなテーブルには、例えば複数の当選情報の中から当選情報を決定するための当選情報決定テーブルや、導出表示可能に決定されている図柄の組み合わせ(役)に応じて、各ストップボタン23L,23C,23Rの操作を契機として入賞ライン上に停止表示させる図柄を決定するための停止テーブルがある。また、主制御用ROM40bに記憶されているテーブルには、複数の停止テーブルの中から停止テーブルを選択(検索)するために用いられる選択テーブルがある。また、主制御用RAM40cには、前述したクレジットなど、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶される。
次に、当選情報決定テーブルについて説明する。
図4に示すように、本実施形態のパチスロ10には、内部状態毎の当選情報決定テーブルT0〜T2が用意されている。各当選情報決定テーブルT0〜T2は、内部状態に応じて主制御用CPU40aにより用いられる。例えば、当選情報決定テーブルT0(零)は、一般遊技のうちボーナス非内部中遊技(非RT状態)に対応付けられているとともに、当選情報決定テーブルT1は、一般遊技のうちボーナス内部中遊技(RT状態)に対応付けられている。また、当選情報決定テーブルT2は、ボーナス遊技に対応付けられている。
各当選情報決定テーブルT0〜T2には、決定(抽選)対象となる複数の当選情報に対して、当選情報決定用乱数の値が該乱数の値の取り得る数値の中から所定個数(乱数の値の範囲に基づく個数)ずつ振り分けられている。即ち、各当選情報決定テーブルT0〜T2には、各当選情報の決定確率(役毎の当選確率)が規定される。
本実施形態の当選情報決定テーブルT0には、当選情報t1〜t39,t41に対して当選情報決定用乱数の値が振分けられている一方で、当選情報t40に対して当選情報決定用乱数の値が振分けられていない。当選情報決定テーブルT1には、当選情報t1〜t39に対して当選情報決定用乱数の値が振分けられている一方で、当選情報t40,t41に対して当選情報決定用乱数の値が振分けられていない。当選情報決定テーブルT2には、当選情報t1〜t39,t41に対して当選情報決定用乱数の値が振分けられていない一方で、当選情報t40に対して当選情報決定用乱数の値が振分けられている。
詳しく説明すると、当選情報決定テーブルT0は、一般遊技のうちボーナス非内部中遊技に対応付けられており、ボーナス役を決定対象としているとともに、ボーナス役の決定確率を高確率(例えば1/4)に規定している。また、当選情報決定テーブルT0は、はずれとなる場合がなく、ボーナス役及び小役の何れかを決定することを規定している。
一方、当選情報決定テーブルT1は、一般遊技のうちボーナス内部中遊技に対応付けられており、ボーナス役を決定対象としていないとともに、リプレイ役の決定確率(例えば1/2.6)及びはずれの確率(例えば1/65536)をボーナス役の決定確率分(例えば1/4)だけ高確率に規定している。即ち、当選情報決定テーブルT0,T1では、ボーナス内部中遊技におけるリプレイ役の決定確率(例えば1/2.6)が、ボーナス非内部中遊技の決定確率(例えば1/7.1)と比較して大きく高まるように当選情報決定乱数が振分けられている。一方、当選情報決定テーブルT0,T1では、リプレイ役以外の小役の決定確率がボーナス内部中遊技とボーナス非内部中遊技とで同一にとなるように、当選情報決定乱数が振分けられている。したがって、リプレイ役の決定確率が高確率抽選状態とされるボーナス内部中遊技では、再遊技が付与され易い分、遊技者が保有するメダルの消費を減少させる利益が遊技者に付与される。このようなボーナス内部中遊技は、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
また、当選情報決定テーブルT2は、ボーナス遊技に対応付けられており、リプレイ役、及びボーナス役を決定対象としていないとともに、小役の何れかを決定することを規定している。また、当選情報決定テーブルT2は、はずれとなる場合がなく、払出役の何れかを決定することを規定している。なお、ボーナス遊技中では、2ベットによる遊技のみが遊技者に許容される一方、各遊技で2枚のメダルの払出しが行われる。即ち、ボーナス遊技中には、遊技者が保有するメダルの増減が生じないようになっている。
本実施形態のパチスロ10において、ボーナス役の当選確率は、ボーナス役を対応付けた当選情報t41の決定確率となる。また、ベル役の決定確率は、ベル役を対応付けた当選情報t10〜t34,t40のそれぞれの決定確率の合算となる。チェリー役の決定確率は、チェリー役を対応付けた当選情報t35〜t37,t40のそれぞれの決定確率の合算となる。スイカ役の決定確率は、スイカ役を対応付けた当選情報t38,t40のそれぞれの決定確率の合算となる。こぼし役の決定確率は、こぼし役を対応付けた当選情報t10〜t40のそれぞれの決定確率の合算となる。
次に、図柄停止制御に用いられる停止テーブルについて説明する。本実施形態のパチスロ10では、複数種類(本実施形態では13種類)の停止テーブルが用意されている。各停止テーブルは、ストップボタン23L,23C,23Rの操作態様としての押順と、停止操作されたストップボタンとの組み合わせに対して各別に対応付けられている。
ここで、各ストップボタン23L,23C,23Rの押順について説明する。本実施形態では、6通りの押順がある。詳しく説明すると、押順には、ストップボタン23L→23C→23Rの順に停止操作する「左中右の押順」と、ストップボタン23L→23R→23Cの順に停止操作する「左右中の押順」がある。また、押順には、ストップボタン23C→23L→23Rの順に停止操作する「中左右の押順」と、ストップボタン23C→23R→23Lの順に停止操作する「中右左の押順」がある。また、押順には、ストップボタン23R→23L→23Cの順に停止操作する「右左中の押順」と、ストップボタン23R→23C→23Lの順に停止操作する「右中右の押順」がある。
以下の説明では、1回の変動ゲームにおける1番目(最初)の停止操作を第1停止操作といい、2番目の停止操作を第2停止操作といい、3番目(最後)の停止操作を第3停止操作という。また、ストップボタン23Lによる停止操作を「左停止操作」といい、ストップボタン23Cによる停止操作を「中停止操作」といい、ストップボタン23Rによる停止操作を「右停止操作」と示す。本実施形態のパチスロ10では、複数種類の押順の中で「左中右の押順」及び「左右中の押順」が第1操作態様としての標準押順(標準操作態様)として設定されている一方で、「左中右の押順」及び「左右中の押順」以外である複数の押順が第1操作態様とは異なる第2操作態様としての変則押順(変則操作態様)として設定されている。またストップボタン23Lは、特定導出操作手段となり、ストップボタン23C,23Rは、非特定導出操作手段となる。
図5に示すように、停止テーブルには、標準押順における左停止操作(第1停止操作)が行われたときに用いられる6種類の標準左停止テーブル1〜6がある。各標準左停止テーブル1〜6は、左停止操作がされたときに左リール13Lに対応する中段の図柄停止位置D2を通過中である図柄の図柄番号をもとに検索することで、最終的に中段の図柄停止位置D2(入賞ライン上)に停止表示させる図柄の図柄番号を特定可能に構成されている。
詳しく説明すると、各標準左停止テーブル1〜6では、「停止コマ数」の欄に示されるように、各図柄番号z0〜z20のうち、入賞ライン上に停止表示可能な図柄の図柄番号に「1(説明の便宜上「●」で示す)」が設定されている。その一方で、標準左停止テーブル1〜6では、「停止コマ数」の欄に示されるように、通過させる図柄の図柄番号に「0(説明の便宜上「↓」で示す)」が設定されている。そして、標準左停止テーブル1〜6では、判定対象とする図柄番号の次以降の図柄番号であって、図柄番号が大きくなる方向において最初に「1」が設定された図柄番号を検索することで、入賞ライン上に停止表示させる図柄の図柄番号を特定可能である。即ち、標準左停止テーブル1〜6では、停止受付時の図柄番号をもとに「ずらしコマ数」を特定可能である。例えば、標準左停止テーブル1において、図柄番号z9には、図柄番号z11(ずらしコマ数=2)が対応付けられている。同様に、例えば、標準左停止テーブル1において、図柄番号z11には、図柄番号z14(ずらしコマ数=3)が対応付けられている。
また、図6に示すように、停止テーブルには、変則押順における左停止操作(第2停止操作又は第3停止操作)が行われたときに用いられる1種類の変則左停止テーブル0がある。変則左停止テーブル0では、「検索ビット位置」の欄に示すように、各図柄番号z0〜z20に対して、第0〜第7ビット(ビット0〜7)の8ビットの数値である図柄検索データが対応付けられている。なお、説明の便宜上、変則左停止テーブル0では、停止表示を示す「1」を「●」で示し、通過を示す「0」を「↓」で示している。したがって、変則左停止テーブル0では、何れかの検索ビット位置において、判定対象とする図柄番号の次以降の図柄番号であって図柄番号が大きくなる方向において最初に「1」が設定された図柄番号を検索することで、入賞ライン上に停止表示させる図柄の図柄番号(即ち、ずらしコマ数)を特定可能である。
図7〜図9に示すように、停止テーブルには、変則押順における中停止操作(第1〜第3停止操作)が行われたときに用いられる変則中停止テーブル0がある。また、停止テーブルには、標準押順における中停止操作(第2停止操作又は第3停止操作)が行われたときに用いられる標準中停止テーブル1,2がある。各中停止テーブル0〜2では、「検索ビット位置」の欄に示すように、各図柄番号z0〜z20に対して、第0〜第7ビット(ビット0〜7)の8ビットの数値である図柄検索データが対応付けられている。なお、説明の便宜上、各中停止テーブル0〜2では、停止表示を示す「1」を「●」で示し、通過を示す「0」を「↓」で示している。また、標準中停止テーブル2において、第0,第2ビット(ビット0,2)に示す「−」は、未使用ビットであることを示している。したがって、各中停止テーブル0〜2では、何れかの検索ビット位置において、判定対象とする図柄番号の次以降の図柄番号であって、図柄番号が大きくなる方向において最初に「1」が設定された図柄番号を検索することで、入賞ライン上に停止表示させる図柄の図柄番号(即ち、ずらしコマ数)を特定可能である。
また、図10〜図12に示すように、停止テーブルには、変則押順における右停止操作(第1〜第3停止操作)が行われたときに用いられる変則右停止テーブル0がある。また、停止テーブルには、標準押順における右停止操作(第2停止操作又は第3停止操作)が行われたときに用いられる標準右停止テーブル1,2がある。各右停止テーブル0〜2では、「検索ビット位置」の欄に示すように、各図柄番号z0〜z20に対して、第0〜第7ビット(ビット0〜7)の8ビットの数値である図柄検索データが対応付けられている。なお、説明の便宜上、各右停止テーブル0〜2では、停止表示を示す「1」を「●」で示し、通過を示す「0」を「↓」で示している。また、標準右停止テーブル2において、第0,第2ビット(ビット0,2)に示す「−」は、未使用ビットであることを示している。したがって、各右停止テーブル0〜2では、何れかの検索ビット位置において、判定対象とする図柄番号の次以降の図柄番号であって、図柄番号が大きくなる方向において最初に「1」が設定された図柄番号を検索することで、入賞ライン上に停止表示させる図柄の図柄番号(即ち、ずらしコマ数)を特定可能である。
本実施形態において、変則押順用の各停止テーブルは、変則押順における押順に関係なく、停止操作された各ストップボタン23L,23C,23Rごとに共通の停止テーブルとされている。即ち、変則左停止テーブル0は、変則押順の中でも左停止操作が第2停止操作、及び第3停止操作の何れであっても共通して用いられる。同様に、変則中停止テーブル0は、変則押順の中でも中停止操作が第1〜第3停止操作の何れであっても共通して用いられるとともに、変則右停止テーブル0は、変則押順の中でも右停止操作が第1〜第3停止操作の何れであっても共通して用いられる。
以上のように、各停止テーブルは、導出表示可能な図柄を特定可能なデータテーブルである。そして、各停止テーブルには、各リール13L,13C,13Rのすべての図柄番号z0〜z20(変位表示位置)について、各図柄番号の図柄から引込み範囲内に位置する図柄のうち導出表示させる図柄を特定可能に構成されている。そして、左停止テーブル0〜6は、停止操作がされたときの各リール13L,13C,13Rの図柄番号(変位表示位置)に応じて導出表示させる識別図柄を特定可能となるように構成された導出表示データとなる。同様に、中停止テーブル0〜2、及び右停止テーブル0〜2において、各ビット位置に対応付けられたビットデータは、導出表示データとして把握できる。
また、標準左停止テーブル1〜6、標準中停止テーブル1,2、及び標準右停止テーブル1,2は、各ストップボタン23L,23C,23Rが標準押順で操作されたときに用いられる第1導出表示データとなる。変則左停止テーブル0、変則中停止テーブル0、及び変則右停止テーブル0は、各ストップボタン23L,23C,23Rが標準押順とは異なる変則押順で操作されたときに用いられる第2導出表示データとなる。そして、各停止テーブルを記憶する主制御用ROM40bは、データ記憶手段として機能する。
次に、停止テーブルを選択するための選択テーブルについて説明する。
図13に示すように、選択テーブルには、第1停止操作が標準押順で行われた場合(第1停止操作が左停止操作である場合)に用いられる標準左選択テーブルがある。標準左選択テーブルでは、内部抽選の結果として決定されている当選情報毎に、標準左停止テーブル1〜6の中から1つの標準左停止テーブルが対応付けられている。また、標準左選択テーブルでは、内部抽選の結果として決定されている当選情報毎に、標準中停止テーブル及び標準右停止テーブルを選択するための選択テーブルである標準中右選択テーブル1〜4(選択条件1〜4)の中から1つの標準中右選択テーブルが対応付けられている。即ち、本実施形態では、標準左停止テーブルと、標準中右選択テーブル(検索条件)とが対応付けられていると把握することもできる。
標準左選択テーブルによれば、例えば当選情報t1〜t6の何れかが決定されている場合、標準左停止テーブル1と、標準中右選択テーブル1(選択条件1)とが選択される。即ち、本実施形態の標準左停止テーブルには、複数種類の当選情報で共通の標準左停止テーブルを含んでいる。また、標準左選択テーブルによれば、例えば当選情報t40が決定されている場合、標準左停止テーブル6と、標準中右選択テーブル3(選択条件3)とが選択される。
また、図14に示すように、選択テーブルには、第1停止操作が変則押順で行われた場合(第1停止操作が中停止操作、又は右停止操作である場合)に用いられる変則選択テーブルがある。変則選択テーブルでは、内部抽選の結果として決定されている当選情報毎に、変則左停止テーブル0と、該変則左停止テーブル0において参照すべき検索ビット位置を特定する「検索ビット位置データ」及び「補助検索ビット位置データ」とが対応付けられている。変則選択テーブルでは、内部抽選の結果として決定されている当選情報毎に、変則中停止テーブル0と、該変則中停止テーブル0において参照すべき検索ビット位置を特定する「検索ビット位置データ」及び「補助検索ビット位置データ」とが対応付けられている。変則選択テーブルでは、内部抽選の結果として決定されている当選情報毎に、変則右停止テーブル0と、該変則右停止テーブル0において参照すべき検索ビット位置を特定する「検索ビット位置データ」及び「補助検索ビット位置データ」とが対応付けられている。
ここで、「検索ビット位置データ」は、選択されている停止テーブルに特定される第0〜第7ビットのデータ(数値)のうち、最初に参照する検索ビット位置を特定するデータである。例えば、検索ビット位置データが「BIT6(第6ビット)」である場合、選択されている停止テーブルにおいて第6ビットのデータを参照することを示す。また、「補助検索ビット位置データ」は、選択されている停止テーブルにおいて、最初に検索ビット位置データに示される検索ビット位置を参照した結果として停止表示可能な図柄(図柄番号)が検索されなかった場合に、次に補助的に図柄検索を行う際に参照する検索ビット位置を特定するデータである。なお、「補助検索ビット位置データ」の欄に示す「−」は、補助的に図柄検索を行わないことから、特定のビット位置が対応付けられていないことを示す(即ち、補助検索要求なし)。
本実施形態の変則選択テーブルによれば、何れの当選情報が決定されている場合であっても、変則左停止テーブル0、変則中停止テーブル0、及び変則右停止テーブル0が選択されるようになっている。変則選択テーブルによれば、例えば当選情報t38が決定されている場合には、変則左停止テーブル0、変則中停止テーブル0、及び変則右停止テーブル0と、検索ビット位置データとして「BIT6(第6ビット)」と、補助検索ビット位置データとして「BIT7(第7ビット)」とが選択される。したがって、本実施形態では、第1停止操作が中停止操作、及び右停止操作の何れであっても共通の変則選択テーブルを参照することで、検索ビット位置データ、及び補助検索ビット位置データが共通化されている。また、停止テーブルには、複数種類の当選情報で共通の変則左停止テーブル0、変則中停止テーブル0、及び変則右停止テーブル0を含んでいる。
また、変則選択テーブルにおいて、補助検索ビット位置データには、検索ビット位置データとして設定されたビットに隣接するビット(即ち上位ビット又は下位ビット)が設定されている。例えば、変則選択テーブルにおいて、当選情報t38に設定された検索ビット位置データは「BIT6(第6ビット)」であり、このビットに隣接する「BIT7(第7ビット)」が補助検索ビット位置データとして設定されている。したがって、本実施形態のパチスロ10では、検索ビット位置データに示される検索ビット位置に代えて補助検索ビット位置データに示される検索ビット位置にて停止表示可能な図柄を検索する際の制御負担を軽減できる。
また、図15〜図18に示すように、選択テーブルには、上述のように標準中右選択テーブル1〜4がある。標準中右選択テーブル1〜4では、左リール13Lの図柄の図柄番号毎に、標準中停止テーブル及び標準右停止テーブルと、該各停止テーブルにおいて参照すべき検索ビット位置を特定する「検索ビット位置データ」及び「補助検索ビット位置データ」とが対応付けられている。なお、「左停止図柄番号(中央)」の欄に示す図柄番号は、第1停止操作としての左停止操作の結果として入賞ライン上に停止表示される図柄の図柄番号である。例えば、標準中右選択テーブル1によれば、図柄番号z6の図柄が入賞ライン上に停止表示されている場合、標準中停止テーブル2及び標準右停止テーブル2と、検索ビット位置データとして「BIT5(第5ビット)」と、補助検索ビット位置データとして「BIT4(第4ビット)」とが選択される。
また、標準中右選択テーブル1,3,4において、補助検索ビット位置データには、変則選択テーブルと同様に、検索ビット位置データとして設定されたビットに隣接するビット(即ち上位ビット又は下位ビット)が設定されている。特に、標準中右選択テーブル1において、補助検索ビット位置データに設定された検索ビット位置は、検索ビット位置データとしても設定される検索ビット位置である。このため、本実施形態のパチスロ10では、補助検索ビット位置データに基づき停止表示可能な図柄(図柄番号)を検索する場合と、検索ビット位置データに基づき停止表示可能な図柄(図柄番号)を検索する場合とで、停止テーブルのデータを共通化できる。
次に、演出制御基板41について詳しく説明する。
図3に示すように、演出制御基板41は、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU41aと、演出制御用CPU41aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM41bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM41cが設けられている。そして、演出制御用CPU41aには、演出表示装置14、ランプ12a、及びスピーカ12bが接続されている。
演出制御用CPU41aは、各種抽選で用いる各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、演出制御用ROM41bには、サブ制御プログラムが記憶されている。また、演出制御用ROM41bには、演出表示装置14の表示演出の態様を特定可能な表示演出パターン、スピーカ12bの音声演出の態様を特定可能な音声演出パターン、及びランプ12aの発光演出の態様を特定可能な発光演出パターンが記憶されている。また、演出制御用RAM41cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶される。具体的に、演出制御用RAM41cには、内部状態に係る状態情報(フラグなど)が演出制御用CPU41aにより記憶(設定)される。
そして、演出制御用CPU41aは、主制御基板40(主制御用CPU40a)から入力した各種のコマンドに基づいて遊技演出を実行させるように演出表示装置14、ランプ12a、及びスピーカ12bを制御する。遊技演出には、例えば、ベル役に対応する図柄の組み合わせを導出表示させるための各ストップボタン23L,23C,23Rの押順を遊技者に報知する演出(所謂、押順ナビ演出)や、スタートレバー22の操作を契機に導出表示可能に決定された図柄の組み合わせ(役)を示唆する演出などがある。また、演出制御用CPU41aは、パチスロ10の内部状態(ボーナス遊技中、ボーナス内部中、及びボーナス非内部中)に対応させて遊技演出を行わせることもできる。
以下、主制御用CPU40aがメイン制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理(遊技進行メイン処理)について説明する。
図19に示すように、主制御用CPU40aは、メダルのベット受付を開始する(ステップSm1)。次に、主制御用CPU40aは、パチスロ10の遊技状態をチェックする(ステップSm2)。ステップSm2において、主制御用CPU40aは、パチスロ10の遊技状態が一般遊技、及びボーナス遊技の何れであるかを特定する。
次に、主制御用CPU40aは、再遊技動作時であるか否かを判定する(ステップSm3)。主制御用CPU40aは、再遊技作動時ではない場合(ステップSm3:NO)、メダルセンサSE4からのメダル検知信号の入力、各BETボタン19,20からの操作信号の入力に基づいて主制御用RAM40cに記憶されている今回の変動ゲームにおけるベット数を設定するメダル管理を行う(ステップSm4)。即ち、ステップSm4において、主制御用CPU40aは、メダルセンサSE4からメダル検知信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されている今回の変動ゲームにおけるベット数に1加算する。また、ステップSm4において、主制御用CPU40aは、BETボタン19から操作信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されている今回の変動ゲームにおけるベット数に1加算するとともに、クレジットを1減算する。また、ステップSm4において、主制御用CPU40aは、MAXBETボタン20から操作信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されている今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数となるように加算するとともに、加算分だけクレジットを減算する。
主制御用CPU40aは、再遊技作動時である場合(ステップSm3:YES)、及びステップSm4の処理を終了した場合、今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致するか否かを判定する(ステップSm5)。なお、主制御用CPU40aは、再遊技動作時である場合(ステップSm3:YES)、前回の変動ゲームにおけるベット数を今回の変動ゲームにおけるベット数として主制御用RAM40cに再設定する。
今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致しない場合(ステップSm5:NO)、主制御用CPU40aは、ステップSm2の処理に移行する。なお、本実施形態において、一般遊技における最大ベット数は3枚であり、ボーナス遊技における最大ベット数は2枚である。即ち、ステップSm5において、主制御用CPU40aは、変動ゲームを開始可能な状態であるか否かを判定している。このように、本実施形態のパチスロ10では、最大ベット数のベットが行われることで変動ゲームを開始可能とするための開始可能条件が成立する。
一方、今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致する場合(ステップSm5:YES)、主制御用CPU40aは、スタートレバー22による開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップSm6)。ステップSm6において、主制御用CPU40aは、スタートレバー22から操作信号を入力した場合には肯定判定する一方で、スタートレバー22から操作信号を入力しない場合には否定判定するようになっている。開始操作を受け付けていない場合(ステップSm6:NO)、主制御用CPU40aは、ステップSm2の処理へ移行する。
一方、開始操作を受け付けた場合(ステップSm6:YES)、主制御用CPU40aは、当選情報を決定する(ステップSm7)。ステップSm7において、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから当選情報決定用乱数の値を取得するとともに、該取得した当選情報決定用乱数の値をもとに、当選情報決定テーブルT0〜T2のうちステップSm2で特定したパチスロ10の遊技状態に対応する当選情報決定テーブルを参照して1つの当選情報を決定する。なお、主制御用CPU40aは、一般遊技である場合、ボーナス内部中であるか否かを特定し、ボーナス内部中遊技であるときには当選情報決定テーブルT1を参照する一方で、ボーナス非内部中遊技であるときには当選情報決定テーブルT0を参照する。したがって、本実施形態の主制御用CPU40aは、変動ゲームにて導出表示可能な図柄の組み合わせ態様を特定可能な識別図柄情報としての当選情報を決定する情報決定手段として機能する。ステップSm7の処理は、パチスロ10において内部的に行う役抽選(内部抽選)となる。
なお、主制御用CPU40aは、決定した当選情報に基づいて、当選情報に対応付けられた役の種類を示す役情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定して内部状態を把握するようになっている。例えば、主制御用CPU40aは、当選情報t41(ボーナス役)を決定した場合、ボーナス役を示す役情報をボーナス役の入賞があるまで1回又は複数回の変動ゲームに亘って持ち越し、ボーナス内部中に制御する。一方、主制御用CPU40aは、当選情報t1〜t40(小役)を決定した場合、役情報を入賞の有無に関係なく1回の変動ゲームの終了により消去(クリア)する。
次に、主制御用CPU40aは、複数ある停止テーブルの中から初期停止テーブルを選択するとともに、選択した停止テーブルを主制御用RAM40cの所定の記憶領域に設定する(ステップSm8)。詳しく説明すると、主制御用CPU40aは、ステップSm7の処理で決定した当選情報をもとに変則選択テーブル(図14に示す)を参照して変則左停止テーブル0、検索ビット位置データ、及び補助検索ビット位置データを選択する。また、主制御用CPU40aは、ステップSm7の処理で決定した当選情報をもとに変則選択テーブルを参照して変則中停止テーブル0、検索ビット位置データ、及び補助検索ビット位置データを選択する。また、主制御用CPU40aは、ステップSm7の処理で決定した当選情報をもとに変則選択テーブルを参照して変則右停止テーブル0、検索ビット位置データ、及び補助検索ビット位置データを選択する。そして、主制御用CPU40aは、選択した各停止テーブル及び各ビット位置データを特定可能な情報(フラグなど)を主制御用RAM40cの所定の記憶領域に設定する。なお、ステップSm8の処理において、主制御用CPU40aは、補助検索要求なしの場合には、その旨を特定可能な情報(フラグなど)を主制御用RAM40cの所定の記憶領域に設定する。
このように、本実施形態のパチスロ10では、開始操作を契機として、各ストップボタン23L,23C,23Rが停止操作されたときに用いる変則押順用の停止テーブルや各ビット位置データを予めセット(設定)するようになっている。従って、主制御用CPU40aは、開始操作(ステップSm6)を契機に変則押順用の変則左停止テーブル0、変則中停止テーブル0、及び変則右停止テーブル0を所定の記憶領域に設定するデータ設定手段として機能する。
次に、主制御用CPU40aは、最短遊技時間(ウェイトタイム)が経過したか否かを判定する(ステップSm9)。最短遊技時間が経過していない場合(ステップSm9:NO)、主制御用CPU40aは、最短遊技時間が経過するまで待機する。最短遊技時間が経過している場合(ステップSm9:YES)、主制御用CPU40aは、各ステッピングモータに制御信号を出力して各リール13L,13C,13Rに回動(回転)を開始させ、変動ゲームを開始させる(ステップSm10)。なお、このとき、主制御用CPU40aは、当選情報の決定結果、及び変動ゲームが行われる内部状態を特定可能な変動ゲーム開始コマンドを演出制御基板41(演出制御用CPU41a)に出力する。
続けて、主制御用CPU40aは、各ストップボタン23L,23C,23Rの何れかによる停止操作を受け付けたか否かを判定する(ステップSm11)。ステップSm11において、主制御用CPU40aは、ストップボタン23L,23C,23Rの何れかから操作信号を入力した場合には肯定判定する一方で、ストップボタン23L,23C,23Rの何れかから操作信号を入力しない場合には否定判定する。
停止操作を受け付けた場合(ステップSm11:YES)、主制御用CPU40aは、入賞ライン上に停止表示させる図柄の図柄番号を決定し、該決定した図柄番号の図柄を入賞ライン上に停止表示させる図柄組合せ制御を実行する(ステップSm12)。なお、この図柄組合せ制御については、後に詳細に説明する。また、主制御用CPU40aは、各ストップボタン23L,23C,23Rの操作信号を入力すると、操作信号を入力したストップボタンを特定可能なコマンドを演出制御用CPU41aに出力する。
停止操作を受け付けていない場合(ステップSm11:NO)、及びステップSm12の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、各リール13L,13C,13Rの全てを停止させたか否かを判定する(ステップSm13)。各リール13L,13C,13Rのうち1つ以上のリールを停止させていない場合(ステップSm13:NO)、主制御用CPU40aは、ステップSm11の処理へ移行する。一方、各リール13L,13C,13Rの全てを停止させている場合(ステップSm13:YES)、主制御用CPU40aは、各リールにおいて、入賞ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせが何れかの役に対応するものであるか否か、及び対応する場合にはその役を判定する表示図柄判定を実行する(ステップSm14)。即ち、ステップSm14において、主制御用CPU40aは、ステップSm7の処理で決定した当選情報から特定可能な役に実際に入賞したか否か、及び入賞している場合に入賞した役(以下「入賞役」と示す)を判定している。
次に、主制御用CPU40aは、遊技者にメダルの払出しを行うか否かを判定する(ステップSm15)。ステップSm15において、主制御用CPU40aは、払出役に入賞している場合には肯定判定する一方で、払出役に入賞していない場合には否定判定する。メダルの払出しを行う場合(ステップSm15:YES)、主制御用CPU40aは、ホッパー26を駆動することにより、パチスロ10の遊技状態に応じて、入賞した役に定められた枚数のメダルを払い出させる(ステップSm16)。このように、パチスロ10では、各リール13L,13C,13Rに導出表示された図柄の組み合わせに応じて所定の遊技価値としてのメダルの払出しを発生可能である。
次に、主制御用CPU40aは、メダルの払出しを行わない場合(ステップSm15:NO)、及びステップSm16の処理を終了した場合、1回の変動ゲームを終了させる(ステップSm17)。即ち、本実施形態のパチスロ10では、図柄の組み合わせが導出表示されることによって遊技を終了可能となる。ステップSm17の処理において、主制御用CPU40aは、入賞と判定した図柄の組み合わせ(役)に応じて内部状態を移行させる制御や、入賞と判定したことを示す入賞指示コマンドを演出制御基板41に出力する制御を行う。この入賞指示コマンドは、変動ゲーム開始コマンドで指示される役の入賞を演出制御基板41に把握させる。その後、主制御用CPU40aは、1回の変動ゲームの実行に係る遊技進行メイン処理を終了し、再びステップSm1の処理へ移行する。
なお、主制御用CPU40aは、ボーナス役の入賞を判定する場合、次の変動ゲームからボーナス遊技中の制御を行う。このボーナス遊技中の制御において、主制御用CPU40aは、ボーナス遊技の開始後、1回目の変動ゲームから遊技者に払い出したメダルの計数を開始する。また、主制御用CPU40aは、ボーナス遊技中の払出枚数が最大払出数を超える変動ゲームの終了に伴ってボーナス遊技を終了させる。
次に、主制御用CPU40aが遊技進行メイン処理のサブルーチンとして実行する図柄組合せ制御(ステップSm12)について説明する。
図20に示すように、主制御用CPU40aは、遊技進行メイン処理のステップSm11で入力した操作信号に基づいて、各ストップボタン23L,23C,23Rの押順を特定する押順フラグ(操作態様情報)を主制御用RAM40cに記憶させる(ステップSa1)。
主制御用CPU40aは、今回の停止操作が第1停止操作であって、該第1停止操作がストップボタン23Lにより行われた場合、押順フラグに「1」を設定する。主制御用CPU40aは、今回の停止操作が第2停止操作であって、第1停止操作がストップボタン23Lにより行われ、且つ第2停止操作がストップボタン23Cにより行われた場合、押順フラグに「1」を設定する。主制御用CPU40aは、今回の停止操作が第2停止操作であって、第1停止操作がストップボタン23Lにより行われ、且つ第2停止操作がストップボタン23Rにより行われた場合、押順フラグに「2」を設定する。
主制御用CPU40aは、今回の停止操作が第1停止操作であって、該第1停止操作がストップボタン23Cにより行われた場合、押順フラグに「3」を設定する。主制御用CPU40aは、今回の停止操作が第2停止操作であって、第1停止操作がストップボタン23Cにより行われ、且つ第2停止操作がストップボタン23Lにより行われた場合、押順フラグに「3」を設定する。主制御用CPU40aは、今回の停止操作が第2停止操作であって、第1停止操作がストップボタン23Cにより行われ、且つ第2停止操作がストップボタン23Rにより行われた場合、押順フラグに「4」を設定する。
主制御用CPU40aは、今回の停止操作が第1停止操作であって、該第1停止操作がストップボタン23Rにより行われた場合、押順フラグに「5」を設定する。主制御用CPU40aは、今回の停止操作が第2停止操作であって、第1停止操作がストップボタン23Rにより行われ、且つ第2停止操作がストップボタン23Lにより行われた場合、押順フラグに「5」を設定する。主制御用CPU40aは、今回の停止操作が第2停止操作であって、第1停止操作がストップボタン23Rにより行われ、且つ第2停止操作がストップボタン23Cにより行われた場合、押順フラグに「6」を設定する。したがって、主制御用CPU40aは、押順フラグの値を参照することで、各ストップボタン23L,23C,23Rの押順を特定できる。
次に、主制御用CPU40aは、各ストップボタン23L,23C,23Rの押順に応じて必要な場合に停止テーブルを変更するための停止受付時の停止テーブル変更処理を行う(ステップSa2)。停止受付時の停止テーブル変更処理の詳細については後述する。
次に、主制御用CPU40aは、各リール13L,13C,13Rのうち、操作信号を入力したストップボタンに対応するリールを特定可能な停止リール情報(停止リール番号)を主制御用RAM40cに記憶させる(ステップSa3)。即ち、停止リール情報は、今回の図柄組合せ制御で制御対象とするリール(ステッピングモータ)を特定可能な情報となる。
次に、主制御用CPU40aは、制御対象としたリールにおける図柄停止位置のうち中段の図柄停止位置を通過中である図柄の図柄番号を取得して主制御用RAM40cに保存する(ステップSa4)。具体的に説明すると、主制御用CPU40aは、制御対象が左リール13Lである場合、図柄停止位置D2を通過中である図柄の図柄番号を取得する。主制御用CPU40aは、制御対象が中リール13Cである場合、図柄停止位置D5を通過中である図柄の図柄番号を取得する。主制御用CPU40aは、制御対象が右リール13Rである場合、図柄停止位置D8を通過中である図柄の図柄番号を取得する。即ち、主制御用CPU40aは、入賞ライン上を通過中である図柄の図柄番号を取得する。以下の説明では、入賞ラインを構成する図柄停止位置を通過中である図柄を単に「通過中図柄」と示す場合がある。各リール13L,13C,13Rにおいて通過中図柄が配置された位置は、変位表示位置となる。
次に、主制御用CPU40aは、予め定められた引込み範囲内に位置する図柄の中から入賞ライン上に停止表示可能な図柄の図柄番号を決定するコントロール制御を実行する(ステップSa5)。本実施形態のパチスロ10では、コントロール制御として、蹴飛ばし制御及び引込み制御を実行可能である。
蹴飛ばし制御は、予め定められた引込み範囲内に位置する図柄の中から、導出表示可能と決定されている図柄の組み合わせとは異なる図柄の組み合わせを構成し得る図柄を検索するとともに、引込み範囲内に位置する図柄のうち、検索した図柄とは異なる図柄を導出表示させるための制御である。換言すれば、蹴飛ばし制御は、予め定められた引込み範囲内に位置する図柄の中から、入賞ライン上に停止表示させることが禁止された図柄を停止表示させないように他の図柄を引込んで停止表示させるための制御である。なお、パチスロ10において、蹴飛ばし制御は、第3停止操作のときのみ行われるようになっている。
本実施形態において、一般遊技中の引込み範囲は、停止操作のタイミングに入賞ライン上を通過中である図柄を基準図柄とし、該基準図柄(図柄番号)から最大+4図柄(4コマ)の範囲である。本実施形態において、ボーナス遊技中の引込み範囲は、停止操作のタイミングに入賞ライン上を通過中である図柄を基準図柄とし、該基準図柄(図柄番号)から最大+1図柄(1コマ)の範囲である。
また、引込み制御は、予め定められた引込み範囲内に位置する図柄の中から、導出表示可能と決定されている図柄の組み合わせを構成し得る図柄を検索するとともに、該検索した図柄を導出表示させるための制御である。換言すれば、引込み制御は、予め定められた引込み範囲内に、入賞ライン上に停止表示させる対象となる図柄が存在する場合、該図柄を引込んで入賞ライン上に停止表示させるための制御である。したがって、コントロール制御を実行する主制御用CPU40aは、識別図柄検索手段として機能する。
主制御用CPU40aは、コントロール制御(引込み制御及び蹴飛ばし制御)を実行することにより、最終的に入賞ライン上に停止表示可能な図柄(図柄番号)を特定可能な停止制御データを作成する。停止制御データは、8ビットの数値からなるデータであり、第3ビットには引込み範囲内に位置する図柄のうち1図柄目(1コマ目,ずらしコマ数=1)が、第4ビットには2図柄目(2コマ目,ずらしコマ数=2)が対応付けられている。また、第5ビットには3図柄目(3コマ目,ずらしコマ数=3)が、第6ビットには4図柄目(4コマ目,ずらしコマ数=4)が、第7ビットには5図柄目(5コマ目,ずらしコマ数=5)が対応付けられている。なお、各停止制御データにおける第0〜第2ビットは、常に所定値(例えば0)が設定される未使用ビットである。停止制御データにおいて、第3〜第7ビットには、入賞ライン上に停止表示可能な図柄であるときには「1」が、入賞ライン上に停止表示不能な図柄(停止表示が禁止される図柄)であるときには「0」がセットされる。
次に、主制御用CPU40aは、ステップSa5の処理(コントロール制御)で作成された停止制御データをもとに、入賞ライン上に停止表示させる図柄の図柄番号を検索する停止位置検索処理を実行する(ステップSa6)。停止位置検索処理において、主制御用CPU40aは、停止操作されたときの通過中図柄と主制御用RAM40cに設定されている停止テーブルとに基づいて図柄番号を検索する。この停止位置検索処理の詳細については後述する。
次に、主制御用CPU40aは、第1停止操作であって且つ左停止操作(左リール第1停止)であるか否かを判定する(ステップSa7)。即ち、ステップSa7の処理において、主制御用CPU40aは、標準押順で第1停止操作が操作されたか否かを判定している。換言すれば、主制御用CPU40aは、標準押順における第2停止操作又は第3停止操作である場合や、変則押順における第1〜第3停止操作である場合、ステップSa7の処理で否定判定する。
第1停止操作であって且つ左停止操作である場合(ステップSa7:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに設定されている第2停止操作用の停止テーブル、及び第3停止操作用の停止テーブルを標準押順用の停止テーブルに変更するための停止テーブル変更処理を実行する(ステップSa8)。この標準押順用の停止テーブル変更処理の詳細については後述する。
第1停止操作であって且つ左停止操作ではない場合(ステップSa7:NO)、及びステップSa8の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、制御対象としたリールに対応するステッピングモータの動作を制御し、ステップSa6の処理で決定されている図柄番号の図柄を入賞ライン上に停止表示させる(ステップSa9)。したがって、主制御用CPU40aは、停止操作を契機として、該停止操作がされた各ストップボタンに対応するリールにおいて、予め定められた引込み範囲内に位置する図柄を、導出表示可能に決定している図柄の組み合わせに基づき導出表示させる導出制御手段として機能する。また、主制御用CPU40aは、表示部制御手段としても機能する。主制御用CPU40aは、停止操作されたときの各リール13L,13C,13Rの変位表示位置と主制御用RAM40cの所定の記憶領域に設定されている停止テーブルとに基づいて識別図柄を導出表示させているといえる。
次に、図柄組合せ制御における停止受付時の停止テーブル変更処理(ステップSa2)について説明する。
図21に示すように、主制御用CPU40aは、第1停止操作であって且つ左停止操作(左リール第1停止時)であるか否かを判定する(ステップSb1)。即ち、ステップSb1の処理において、主制御用CPU40aは、標準押順で第1停止操作がされたか否かを判定している。第1停止操作であって且つ左停止操作ではない場合(ステップSb1:NO)、主制御用CPU40aは、停止受付時の停止テーブル変更処理を終了する。
一方、第1停止操作であって且つ左停止操作である場合(ステップSb1:YES)、主制御用CPU40aは、遊技進行メイン処理のステップSm7の処理で決定された当選情報を取得する(ステップSb2)。次に、主制御用CPU40aは、ステップSb2の処理で取得した当選情報をもとに、標準左選択テーブル(図13に示す)を参照して標準左停止テーブル1〜6の中から1つの標準左停止テーブルを選択する。そして、主制御用CPU40aは、選択した標準左停止テーブルを主制御用RAM40cの所定の記憶領域に設定する。即ち、主制御用CPU40aは、選択した標準左停止テーブルを特定可能な情報(フラグなど)を主制御用RAM40cの所定の記憶領域に記憶させる。このように、ステップSb3の処理において、主制御用CPU40aは、ストップボタン23Lが標準押順で操作されたことを契機として設定済みである変則左停止テーブルを標準左停止テーブル1〜6の何れかに変更するようになっている。
次に、主制御用CPU40aは、図柄組合せ制御のステップSa4の処理で保存した図柄番号を主制御用RAM40cから読み出すとともに、該読み出した図柄番号をもとに、ステップSb3の処理で選択した標準左停止テーブルを検索して「ずらしコマ数」を特定し、主制御用RAM40cに保存する(ステップSb4)。その後、主制御用CPU40aは、停止受付時の停止テーブル変更処理を終了する。
次に、図柄組合せ制御における停止位置検索処理(ステップSa6)について詳しく説明する。
図22に示すように、主制御用CPU40aは、第1停止操作であって且つ左停止操作(左リール第1停止時)であるか否かを判定する(ステップSc1)。即ち、ステップSc1の処理において、主制御用CPU40aは、標準押順で第1停止操作がされたか否かを判定している。
第1停止操作であって且つ左停止操作である場合(ステップSc1:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されているずらしコマ数を取得する(ステップSc2)。ステップSc2の処理で取得するずらしコマ数は、停止受付時の停止テーブル変更処理におけるステップSb4の処理で主制御用RAM40cに保存されたずらしコマ数である。ステップSc2の処理を終了すると、主制御用CPU40aは、ステップSc3の処理に移行する。
一方、第1停止操作であって且つ左停止操作ではない場合(ステップSc1:NO)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに設定されている補助検索ビット位置データを取得する(ステップSc4)。なお、ステップSc4の処理で取得される補助検索ビット位置データは、変則押順で各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されている場合、遊技進行メイン処理のステップSm8の処理で主制御用RAM40cに設定された補助検索ビット位置データである。また、ステップSc4の処理で取得される補助検索ビット位置データは、標準押順で各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されている場合、図柄組合せ制御におけるステップSa8の処理(標準押順用の停止テーブル変更処理)で主制御用RAM40cに設定された補助検索ビット位置データである。
次に、主制御用CPU40aは、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに設定されている検索ビット位置データを取得する(ステップSc5)。なお、ステップSc5の処理で取得される検索ビット位置データは、変則押順で各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されている場合、遊技進行メイン処理のステップSm8の処理で主制御用RAM40cに設定された検索ビット位置データである。また、ステップSc4の処理で取得される検索ビット位置データは、標準押順で各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されている場合、図柄組合せ制御におけるステップSa8の処理(標準押順用の停止テーブル変更処理)で主制御用RAM40cに設定された検索ビット位置データである。
次に、主制御用CPU40aは、ステップSc5の処理で取得した検索ビット位置データ、主制御用RAM40cに設定されている停止テーブル、及び通過中図柄の図柄番号をもとにテーブル停止指定位置検索を行う(ステップSc6)。ステップSc6の処理において、主制御用CPU40aは、通過中図柄の図柄番号をもとに、主制御用RAM40cに設定されている停止テーブルのうち、取得した検索ビット位置データから特定可能な検索ビット位置を5図柄分(5コマ分)にわたって検索し、入賞ライン上に停止表示させる図柄についてずらしコマ数を取得する。
なお、ステップSc6の処理では、引込み範囲内に位置する図柄の中に導出表示可能な図柄が存在しないことで、停止テーブルを検索した結果として入賞ライン上に停止表示させる図柄が検索されない場合が生じ得る。ステップSc6の処理で用いる停止テーブルは、変則押順で各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されている場合、遊技進行メイン処理のステップSm8の処理で主制御用RAM40cに設定された停止テーブルである。また、ステップSc6の処理で用いられる停止テーブルは、標準押順で各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されている場合、図柄組合せ制御におけるステップSa8の処理(標準押順用の停止テーブル変更処理)で主制御用RAM40cに設定された停止テーブルである。
そして、ステップSc3の処理において、主制御用CPU40aは、引込み範囲内に位置する図柄の図柄番号の中から入賞ライン上に停止表示可能な図柄の図柄番号(停止位置)を検索する停止可能位置検索を行う。ステップSc3の処理において、主制御用CPU40aは、ステップSc2の処理、又はステップSc6の処理で取得したずらしコマ数をもとに、図柄組合せ制御におけるステップSa5の処理で作成された停止制御データを参照し、ずらしコマ数目に示される図柄番号の図柄が入賞ライン上に停止表示可能な図柄であるか否かを判定する。即ち、主制御用CPU40aは、ずらしコマ数=1の場合に停止制御データの第3ビットを、ずらしコマ数=2の場合に停止制御データの第4ビットを、ずらしコマ数=3の場合に停止制御データの第5ビットを、ずらしコマ数=4の場合に停止制御データの第6ビットを、ずらしコマ数=5の場合に停止制御データの第6ビットを参照する。
そして、主制御用CPU40aは、ずらしコマ数目の図柄番号の図柄が入賞ライン上に停止表示可能な図柄(停止可能位置)であるか否かを判定する(ステップSc7)。主制御用CPU40aは、ステップSc3で参照した停止制御データのビットに停止表示可能であることを示す「1」が設定されている場合、ステップSc7を肯定判定する一方で、参照した停止制御データのビットに停止表示が禁止されていることを示す「0」が設定されている場合、ステップSc7を否定判定する。なお、主制御用CPU40aは、停止テーブルを検索した結果として入賞ライン上に停止表示させる図柄(ずらしコマ数)が検索されない場合についてもステップSc7を否定判定するようになっている。
ずらしコマ数目の図柄番号の図柄が入賞ライン上に停止表示可能な図柄である場合(ステップSc7:YES)、主制御用CPU40aは、ずらしコマ数目の図柄を入賞ライン上に停止表示させる図柄として決定し、該図柄の図柄番号を主制御用RAM40cに設定するとともに、停止位置検索処理を終了する。即ち、主制御用CPU40aは、入賞ライン上に停止表示させる図柄として、ずらしコマ数目の図柄を特定可能な情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに記憶させる。なお、停止位置検索処理において、主制御用RAM40cには、ステップSc2を経由して停止表示可能な図柄が決定された場合、第1停止操作である左停止操作を契機として左リール13Lに導出表示させる図柄(図柄番号)が設定される。また、停止位置検索処理において、主制御用RAM40cには、ステップSc4〜Sc6を経由して停止表示可能な図柄が決定された場合、第2,第3停止操作の何れかである左停止操作、又は第1〜第3停止操作の何れかである中,右停止操作を契機として対応するリールに導出表示させる図柄(図柄番号)が設定される。
一方、ずらしコマ数目の図柄番号の図柄が入賞ライン上に停止表示可能な図柄ではない場合(ステップSc7:NO)、主制御用CPU40aは、補助検索要求ありか否かを判定する(ステップSc8)。即ち、ステップSc8の処理において、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに補助検索要求なしであることを特定可能な情報が記憶されている場合には否定判定する一方で、補助検索要求なしであることを特定可能な情報が記憶されていない場合には肯定判定する。
補助検索要求なしの場合(ステップSc8:NO)、主制御用CPU40aは、停止制御データの第3〜第7ビットにおいて「1」が設定されているビットのうち、最も大きいビットに対応するずらしコマ数目の図柄を入賞ライン上に停止表示させる図柄として決定し、該図柄の図柄番号を主制御用RAM40cに設定する(ステップSc9)。即ち、停止位置検索処理において主制御用CPU40aは、補助検索要求なしの場合、コントロール制御によって検索された図柄の中から導出表示させる図柄を特定する。特に、主制御用CPU40aは、コントロール制御によって検索された図柄の中から、ずらしコマ数が最も大きくなる図柄、即ち通過中図柄(変位表示位置)から最も離れた図柄を導出表示させる図柄として特定するようになっている。その後、主制御用CPU40aは、停止位置検索処理を終了する。
一方、補助検索要求ありの場合(ステップSc8:YES)、主制御用CPU40aは、ステップSc4の処理で取得した補助検索ビット位置データ、主制御用RAM40cに設定されている停止テーブル、及び通過中図柄の図柄番号をもとに補助テーブル停止指定位置検索を行う(ステップSc10)。ステップSc10の処理において、主制御用CPU40aは、通過中図柄の図柄番号をもとに、主制御用RAM40cに設定されている停止テーブルのうち、取得した補助検索ビット位置データから特定可能な検索ビット位置を5図柄分(5コマ分)にわたって検索し、入賞ライン上に停止表示させる図柄のずらしコマ数を取得する。
なお、ステップSc10の処理では、引込み範囲内に位置する図柄の中に導出表示可能な図柄が存在しないことで、停止テーブルを補助的に検索した結果として入賞ライン上に停止表示させる図柄が検索されない場合が生じ得る。また、ステップSc10の処理で用いる停止テーブルは、変則押順で各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されている場合、遊技進行メイン処理のステップSm8の処理で主制御用RAM40cに設定された停止テーブルである。また、ステップSc10の処理で用いられる停止テーブルは、標準押順で各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されている場合、図柄組合せ制御におけるステップSa8の処理(標準押順用の停止テーブル変更処理)で主制御用RAM40cに設定された停止テーブルである。
次に、主制御用CPU40aは、引込み範囲内に位置する図柄の図柄番号の中から入賞ライン上に停止表示可能な図柄の図柄番号(停止位置)を検索する停止可能位置検索を行う(ステップSc11)。ステップSc11の処理において、主制御用CPU40aは、ステップSc3の処理と同様にして、ステップSc10の処理で取得したずらしコマ数をもとに、図柄組合せ制御におけるステップSa5の処理で作成された停止制御データを参照し、ずらしコマ数目に示される図柄番号の図柄が入賞ライン上に停止表示可能な図柄であるか否かを判定する。
そして、主制御用CPU40aは、ずらしコマ数目の図柄番号の図柄が入賞ライン上に停止表示可能な図柄(停止可能位置)であるか否かを判定する(ステップSc12)。主制御用CPU40aは、ステップSc11で参照した停止制御データのビットに停止表示可能であることを示す「1」が設定されている場合、ステップSc12を肯定判定する一方で、参照した停止制御データのビットに停止表示が禁止されていることを示す「0」が設定されている場合、ステップSc12を否定判定する。なお、主制御用CPU40aは、停止テーブルを検索した結果として入賞ライン上に停止表示させる図柄(ずらしコマ数)が検索されない場合についてもステップSc12を否定判定するようになっている。
ずらしコマ数目の図柄番号の図柄が入賞ライン上に停止表示可能な図柄である場合(ステップSc12:YES)、主制御用CPU40aは、ずらしコマ数目の図柄を入賞ライン上に停止表示させる図柄として決定し、該図柄の図柄番号を主制御用RAM40cに設定するとともに、停止位置検索処理を終了する。即ち、主制御用CPU40aは、入賞ライン上に停止表示させる図柄として、ずらしコマ数目の図柄を特定可能な情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに記憶させる。一方、主制御用CPU40aは、ずらしコマ数目の図柄番号の図柄が入賞ライン上に停止表示可能な図柄ではない場合(ステップSc12:NO)、ステップSc9の処理へ移行する。その後、主制御用CPU40aは、停止位置検索処理を終了する。
以上のように、停止位置検索処理を実行する主制御用CPU40aは、停止操作を契機として、停止操作がされたときの各リール13L,13C,13Rの通過中図柄(変位表示位置)と当選情報に対応付けられた停止テーブルとに基づいて各リール13L,13C,13Rに導出表示させる図柄を特定する図柄特定手段として機能する。そして、主制御用CPU40aは、停止操作を契機として検索ビット位置データに基づいて導出表示させる図柄を特定している。また、主制御用CPU40aは、検索ビット位置データに基づいて導出表示させる図柄を特定できなかった場合には、補助検索ビット位置データに基づいて導出表示させる図柄を特定している。したがって、検索ビット位置データに示される検索ビット位置における各停止テーブルのデータは、通常導出表示データとなる一方で、補助検索ビット位置データに示される検索ビット位置における各停止テーブルのビットデータは、通常導出表示データとは少なくとも一部が異なる図柄を特定する特別導出表示データとなる。
次に、図柄組合せ制御における標準押順用の停止テーブル変更処理(ステップSa8)について詳しく説明する。
図23に示すように、主制御用CPU40aは、遊技進行メイン処理のステップSm7の処理で決定された当選情報を取得するとともに、該取得した当選情報をもとに標準左選択テーブル(図13に示す)を参照して標準中右選択テーブル1〜4の中から1つを選択し、主制御用RAM40cに設定する(ステップSd1)。
次に、主制御用CPU40aは、停止位置検索処理において、第1停止操作である左停止操作を契機として導出表示させる図柄の図柄番号をもとにステップSd1の処理で設定した標準中右選択テーブルを参照して標準中停止テーブル及び標準右停止テーブルを選択する(ステップSd2)。即ち、主制御用CPU40aは、停止操作を契機として図柄が導出表示される場合、その導出表示される図柄に対応付けられた停止テーブルを示す情報を、次回以降の停止操作を契機として図柄を導出表示させるときに用いる停止テーブルを示す情報として主制御用RAM40cに記憶させる制御を可能である。特に、主制御用CPU40aは、今回の変動ゲームにおける最初の停止操作を契機として図柄が導出表示される場合、最初の停止操作がされたストップボタン23Lとは異なるストップボタン23C,23Rによる停止操作を契機として図柄を導出表示させるときに用いる停止テーブルを示す情報を全て主制御用RAM40cに記憶させる。本実施形態では、ストップボタン23Lが1の導出操作手段となり、ストップボタン23C,23Rが他の導出操作手段として機能する。
次に、主制御用CPU40aは、ステップSd2の処理で選択した停止テーブルを主制御用RAM40cの所定の記憶領域に設定する(ステップSd3)。即ち、主制御用CPU40aは、ステップSd2の処理で選択した停止テーブルを特定可能な情報(フラグなど)を主制御用RAM40cの所定の記憶領域に記憶させる。次に、主制御用CPU40aは、取得した当選情報をもとに標準左選択テーブル(図13に示す)を参照して検索ビット位置データを選択し、主制御用RAM40cに設定する(ステップSd4)。続けて、主制御用CPU40aは、取得した当選情報をもとに標準左選択テーブル(図13に示す)を参照して補助検索ビット位置データを選択し、主制御用RAM40cに設定する(ステップSd5)。その後、主制御用CPU40aは、標準押順用の停止テーブル変更処理を終了する。このように、主制御用CPU40aは、各ストップボタン23L,23C,23Rが標準押順で操作されたことを契機として、既に設定されている変則中停止テーブル及び変則右停止テーブルに代えて、標準中停止テーブル及び標準右停止テーブルを設定するようになっている。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、開始操作を契機として変則押順用の停止テーブルを一義的に設定するとともに、各ストップボタン23L,23C,23Rが標準押順で操作されたことを契機としてはじめて標準押順用の停止テーブルを設定する。このため、各ストップボタン23L,23C,23Rが標準押順で操作されなかった場合には、既に設定されている変則押順用の停止テーブルを用いて図柄を導出表示させればよいことから、停止操作の際に停止テーブルの設定が不要である状況を作り出すことができる。したがって、停止操作がなされたときの制御負担が増加することを抑制できる。
(2)引込み範囲内に位置する図柄のうち、図柄組合せ制御におけるコントロール制御(ステップSa5)によって検索された図柄の中から図柄を導出させる。したがって、決定されている当選情報に基づかない図柄が導出表示されてしまうことを抑制しつつ、各停止テーブルを用いて図柄を導出表示させることで、図柄の導出表示態様に変化を与えることができる。
(3)変則押順である場合(第1停止操作が左停止操作ではない場合)には、その後の押順に関係なく、停止操作された各ストップボタン23L,23C,23Rごとに共通の停止テーブルを用いている。このため、開始操作のときに停止テーブルを設定するための処理を簡略化できる。また、変則押順に含まれる押順毎に対応させて複数の停止テーブルを用意する構成と比較して、主制御用ROM40bの記憶領域を圧迫してしまうことを抑制できる。
(4)標準押順用の停止テーブルには、例えば当選情報t1〜t6などで共通である標準左停止テーブル1など、複数種類の当選情報で共通の停止テーブルがあることから、当選情報ごとに各別に停止テーブルを用意する構成と比較して、主制御用ROM40bの記憶領域を圧迫してしまうことを抑制できる。
(5)各停止テーブルでは、対応する各リール13L,13C,13Rの全ての図柄について、引込み範囲内に位置する図柄のうち導出表示させる図柄を特定可能である。したがって、各リール13L,13C,13Rの図柄毎ごとにデータテーブルを用意する構成と比較して、主制御用ROM40bの記憶領域を圧迫してしまうことを抑制できる。
(6)本実施形態では、停止操作を契機として、検索ビット位置データに示される検索ビット位置で停止テーブルを検索しても導出表示させる図柄を特定できなかった場合には、補助検索ビット位置データに示される検索ビット位置で停止テーブルを検索して図柄を特定し、特定された図柄が導出表示される。このため、検索ビット位置データに示される検索ビット位置における停止テーブルのデータ、及び補助検索ビット位置データに示される検索ビット位置における停止テーブルのデータによって導出表示させる図柄を特定することから、単一のデータを用いて図柄を特定する従来の構成と比較して、図柄の導出態様に変化を与えることができる。
(7)本実施形態では、検索ビット位置データ、及び補助検索ビット位置データに基づき停止テーブルを検索しても導出表示させる図柄を特定できなかった場合、引込み範囲内に位置する図柄のうちコントロール制御により検索された図柄の中から導出表示させる図柄が特定される。したがって、停止テーブルにおける2つの検索ビット位置のデータによっても導出表示させる図柄を特定できなかった場合であっても、決定されている当選情報との関係で導出表示できない図柄を導出表示させてしまうことを抑制できる。
(8)停止テーブルにおける2つの検索ビット位置のデータによっても導出表示させる図柄を特定できなかった場合、コントロール制御で検索された図柄の中から、停止操作がされたときの通過中図柄からもっとも離れた図柄が導出表示される。このため、図柄の導出態様に変化を与えることができる。
(9)停止テーブルには、複数種類の当選情報で共通の停止テーブルがあることから、当選情報ごとに停止テーブルを各別に用意する構成と比較して、主制御用ROM40bの記憶領域を圧迫してしまうことを抑制できる。
(10)停止操作がされた場合であって、既に図柄が導出表示されているときには、前回迄の停止操作を契機として導出表示された図柄に対応付けられた停止テーブルを用いて、今回の停止操作を契機として図柄を導出表示させることができる。したがって、識別図柄の導出態様に変化を与えることができる。
(11)特に、本実施形態のパチスロ10では、標準押順で各ストップボタン23L,23C,23Rが停止操作された場合、左リール13Lで導出表示された図柄に対応付けられた標準中停止テーブル、及び標準右停止テーブルを用いて、中リール13Cや右リール13Rにおいて図柄が導出表示される。従って、第1停止操作に対応して導出表示された図柄と、その後に導出表示される図柄との間に関連性を持たせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(12)今回の変動ゲームにおける最初の停止操作(左停止操作)を契機として図柄が導出表示される場合、残る各ストップボタン23C,23Rによる停止操作を契機に図柄を導出表示させるときに用いる標準中停止テーブル、及び標準右停止テーブルを全て主制御用RAM40cに設定する。したがって、停止テーブルを示す情報を記憶するための制御を簡略化できる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
(13)変則選択テーブルや標準中右選択テーブル1,3,4において、補助検索ビット位置データには、検索ビット位置データとして設定されたビットに隣接するビットが設定されている。このため、本実施形態のパチスロ10では、補助検索ビット位置データに基づいて停止表示可能な図柄を検索する際の制御負担を軽減できる。
(14)標準中右選択テーブル1において、補助検索ビット位置データに設定された検索ビット位置は、検索ビット位置データとしても設定される検索ビット位置である。このため、本実施形態のパチスロ10では、補助検索ビット位置データを用いる場合と、検索ビット位置データを用いる場合とで、停止表示可能な図柄(図柄番号)を検索するときの停止テーブルのデータを共通化できる。
・標準左停止テーブルは、各標準左停止テーブル1〜6にて特定しているデータを含む1つの停止テーブルとして構成してもよい。この場合、変則押順用の停止テーブルのように、検索ビット位置データにより検索対象とするビット位置を特定するようにしてもよい。
・変則左停止テーブル0、変則中停止テーブル0、及び変則右停止テーブル0は、検索ビット位置毎に別個の停止テーブルとして構成してもよい。
・停止テーブルとしては、通過中図柄の図柄番号毎に、引込み範囲分の図柄を検索可能な停止テーブルを各別に設けてもよい。
・標準左停止テーブルは、当選情報毎に各別に設けられていてもよい。
・標準左停止テーブル、標準中停止テーブル、及び標準右停止テーブルの個数を変更してもよい。また、変則左停止テーブル、変則中停止テーブル、及び変則右停止テーブルの個数を変更してもよい。
・変則選択テーブルは、変則左停止テーブルを選択するための選択テーブル、変則中停止テーブルを選択するための選択テーブル、及び変則右停止テーブルを選択するための選択テーブルとして各別に設けてもよい。
・コントロール制御のうち、引込み制御及び蹴飛ばし制御のうち一方を省略してもよい。また、コントロール制御を行わない構成としてもよい。
・当選情報の個数を変更してもよい。
・当選情報t1〜t41に対応付ける図柄の組み合わせ(役)の種類や個数は適宜変更できる。
・一般遊技のうち、ボーナス内部中遊技とボーナス非内部中遊技とで決定可能な当選情報の種類や個数を変更してもよい。
・遊技状態に応じた最大ベット数を変更してもよい。
・図柄停止ラインL2〜L5は、一部又は全部を入賞ラインとしてもよい。
・図柄の組み合わせ(役)が入賞ライン上に停止表示されたときのメダルの払出枚数を変更してもよい。
・本実施形態は、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いるパチンコ式スロット機(パチスロ機)に具体化してもよい。
以下、上記実施形態及び変形例から把握できる技術的思想を追記する。
(イ)前記通常導出表示データ、及び前記特別導出表示データの少なくとも一方は、前記導出操作手段の操作態様にかかわらず共通の導出表示データであることが好ましい。
(ロ)前記通常導出表示データ、及び前記特別導出表示データの少なくとも一方は、複数種類の識別図柄情報で共通の導出表示データを含むことが好ましい。
(ハ)前記導出表示データは、導出表示可能な識別図柄を特定可能なデータテーブルであって、該データテーブルには、前記変位表示部のすべての変位表示位置について、各変位表示位置から前記引込み範囲内に位置する識別図柄のうち導出表示させる識別図柄を特定可能に構成されていることが好ましい。