JP6090337B2 - 移動通信システム、無線基地局装置、及び動作制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、移動通信システム、無線基地局装置、及び動作制御法に関する。
現在、携帯電話システムや無線LAN(Local Area Network)などの無線通信システムが広く利用されている。また、無線通信の分野では、通信速度や通信容量を更に向上させるべく、次世代の通信技術について継続的な議論が行われている。
例えば、標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる通信規格や、LTEをベースとしたLTE−A(LTE-Advance)と呼ばれる通信規格の標準化が完了若しくは検討されている。
また、3GPPでは、移動通信システムにおける検討モデル(マクロ基地局とピコ基地局とで重複したサービスエリアを有するモデル)において、ES(Energy Saving:省エネルギー)についての議論が行われた。
しかし、例えば、ESを実現するためにある基地局を休止させ、休止した基地局に隣接する隣接基地局における無線信号の送信電力を変化させると、当該隣接基地局から送信される無線信号が干渉となる場合がある。このような干渉などの問題によって、現実には移動通信システムにおいて効果的なESの実現には至っていない。
他方、移動通信システムにおいてはHetNet(Heterogenous Network )と呼ばれるネットワークが注目されつつある。HetNetは、例えば、マクロセルやピコセル、マイクロセルなど様々なサイズのセルが階層化されたネットワークである。HetNetにおいては、例えば、異なる通信方式(LTEと3Gなど)のセルや異なる周波数のセルが含まれる。このようにHetNetにおいてはセルが階層化されるため、例えば、移動通信システム全体の容量(キャパシティ)を向上させることができる。
ESまたは基地局の動作を制御する技術としては例えば以下のようなものがある。
すなわち、アクセスポイントをグループ化させ、配下となる端末との通信が少ないアクセスポイントをサーバによって停止させ、停止したアクセスポイントのエリアをカバーするように特定のアクセスポイントの電波出力をサーバによって増大させるようにした技術がある。この技術によれば、例えば、無線LANシステムの低消費電力化などを実現することができる。
また、交換機がシステム動作状態により無線基地局制御パターンテーブルを検索し、各無線基地局に対して動作パターンの指示を行うようにした技術もある。この技術によれば、例えば、トラヒックの集中や無線基地局の故障により発生する呼損を救済することができる。
また、送信電力制御を行う技術に関して例えば以下のようなものがある。
すなわち、周辺基地局における総送信電力に基づいて自基地局の総送信電力の状態を判定し、サービスエリアの状態および総送信電力の状態に基づいて自基地局における共通制御チャネルの送信電力を決定するようにした技術がある。この技術によれば、例えば、周辺基地局と協調しつつ共通制御チャネルの送信電力を自律的に設定することができる。
また、共通制御チャネルの受信品質の測定結果に基づいてサービスエリアの状態を判定し、隣接基地局におけるサービスエリアの状態を取得し、自局と隣接基地局のサービスエリアの状態に基づいて共通制御チャネルの送信電力を制御する技術もある。この技術によれば、例えば、サービスエリア全体での下り干渉量を低減させ、下り容量を増加させることができる。
3GPP TR36.902 V9.3.1 (2011-3)
しかしながら、上述したESまたは基地局の動作を制御する2つの技術は、例えば、サーバや交換機によって集中管理及び集中制御が行われる技術である。
ある特定の装置によって集中管理や集中制御が行われる場合、特定の装置が移動通信システム内に別途設置されるなど、設置のためのコスト(又は投資)がかかる場合がある。また、このような特定の装置が故障等により使用することができなくなると、アクセスポイントを停止させること等ができず、移動通信システム全体のESを実現することができなくなる。
また、上述したESまたは基地局の動作を制御する2つの技術は、例えば、アクセスポイントの停止などにより、ある特定のアクセスポイントや基地局の送信電力を増大させることになる。従って、これらの技術では上述した干渉の問題が発生する。
一方、送信電力制御を行う上述した2つの技術に関して、例えば、共通制御チャネルの送信電力を制御することができるものの、基地局自体の稼働は継続することになる。基地局の稼働による消費電力は実際には非常に大きい。従って、共通制御チャネルの送信電力を制御することによる消費電力削減効果は、基地局の稼働による全体の消費電力削減効果と比較して低いものとなる。
また、送信電力制御を行う上述した2つの技術は、上述した干渉の問題については何ら議論されていない。
そこで、本発明の一目的は、相互に連携して自律的な動作制御を行うことを可能にした移動通信システム、無線基地局装置、及び動作制御方法を提供することにある。
また、本発明の一目的は、移動通信システム全体の消費電力を削減するようにした移動通信システム、無線基地局装置、及び動作制御方法を提供することにある。
さらに、本発明の一目的は、干渉の問題を回避できるようにした移動通信システム、無線基地局装置、及び動作制御方法を提供することにある。
第1及び第2の無線基地局装置と端末装置とを備え、前記第1又は第2の無線基地局装置と前記端末装置の間で無線通信を行う移動通信通信システムにおいて、前記第1の無線基地局装置は、前記第1の無線基地局装置に隣接する前記第2の無線基地局装置との間で交換されるメッセージに基づいて、前記第1の無線基地局装置の稼働を休止させるか否かを制御する第1の制御部を備える。
相互に連携して自律的な動作制御を行うことを可能にした移動通信システム、無線基地局装置、及び動作制御方法を提供することができる。また、移動通信システム全体の消費電力を削減するようにした移動通信システム、無線基地局装置、及び動作制御方法を提供することができる。さらに、干渉の問題を回避できるようにした移動通信システム、無線基地局装置、及び動作制御方法を提供することができる。
以下、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における移動通信システム10の構成例を表わす図である。移動通信システム10は、第1及び第2の無線基地局装置100−1,100−2と端末装置200を備える。
第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における移動通信システム10の構成例を表わす図である。移動通信システム10は、第1及び第2の無線基地局装置100−1,100−2と端末装置200を備える。
第1の無線基地局装置100−1は、自局のサービス提供可能な範囲(例えばセル範囲と称する場合がある)において端末装置200と無線通信し、端末装置200に対して音声通信、映像配信、ブラウザの閲覧など様々なサービスを提供することができる。
また、第2の無線基地局装置100−2においても、自局のセル範囲において端末装置200と無線通信し、端末装置200に対して様々なサービスを提供することができる。
第1の無線基地局装置100−1は第1の制御部150を備える。第1の制御部150は、第1の無線基地局装置100−1に隣接する第2の無線基地局装置100−2との間でメッセージを交換し、交換される当該メッセージに基づいて、自局である第1の無線基地局装置100−1を休止させるか否かを制御する。
例えば、以下のようにして制御が行われる。すなわち、第1の制御部150は、無線通信を行っている端末装置200との間の通信状態に基づいて、第1の無線基地局装置100−1が休止条件を満たすか否かを判別する。
休止条件は、例えば、当該無線基地局装置が休止可能な状態であるか否かを判別するための条件であり、「一つのセル内のトラヒック量が低下し、一定時間定められた閾値内で推移した」などとすることができる。
そして、第1の制御部150は、休止条件を満たすと判別したときに、第2の無線基地局装置100−2から第2の休止宣言メッセージを受信していないと、第1の休止宣言メッセージを第2の無線基地局装置100−2に送信する。この場合、第1の休止宣言メッセージは、例えば、第1の無線基地局装置100−1において休止可能な状態であることを表わすメッセージである。また、第2の休止宣言メッセージは、例えば、第2の無線基地局装置100−2において休止可能な状態であることを表わすメッセージである。
その後、第1の制御部150は、第2の無線基地局装置100−2から第2の休止宣言メッセージを受信していないと判別したときからガードタイミング期間(又は所定期間)内において第2の休止宣言メッセージを受信していないとき、休止モードに移行する。
第1の無線基地局装置100−1は休止モードに移行すると、第2の無線基地局装置100−2との間のメッセージを交換するための処理ブロック(例えば第1の制御部150)については稼働を継続し、それ以外の処理ブロックは稼働を休止させる。
一方、第1の制御部150は、休止条件を満たしても、既に第2の無線基地局装置100−2から第2の休止宣言メッセージを受信していたり、ガードタイミング期間内に第2の休止宣言メッセージを受信するときは、第1の無線基地局装置100−1の稼働状態を継続する。
このように移動通信システム10においては、第1及び第2の無線基地局装置100−1,100−2は上位装置などにメッセージを送信することはなく、無線基地局装置間でメッセージを交換することで自局の稼働を休止するか否かを制御するようにしている。
従って、本移動通信システム10は、例えば、第1及び第2の無線基地局装置100−1,100−2間で相互に連携して、第1の無線基地局装置100−1自身が自律的にその稼働を休止させるか否かの動作を制御することができる。
また、本移動通信システム10においては、例えば、メッセージの交換によって、第1の無線基地局装置100−1の稼働を休止させることができる。従って、第1の無線基地局装置100−1の稼働を休止させた場合、第1の無線基地局装置100−1の稼働を継続させた場合や当該基地局装置100−1から送信される共通制御チャネルの送信電力を制御する場合と比較して、移動通信システム10全体の消費電力を大幅に減らすことができる。
さらに、本移動通信システム10においては、例えば、第1の無線基地局装置100−1の稼働を休止させた場合、第2の無線基地局装置100−2の送信電力を上げる制御などは行われない。従って、本移動通信システム10においては、第1の無線基地局装置100−1の稼働を休止させても、干渉の問題を回避させることが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態においては、以下の順番で説明する。
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態においては、以下の順番で説明する。
<1.移動通信システムの構成例>
<2.動作例>
<3.基地局の構成例>
<4.実施例1>
<5.実施例2>
<1.移動通信システムの構成例>
最初に第2の実施の形態における移動通信システムの構成例について説明する。図2は移動通信システム10の構成例を表わす図である。
<2.動作例>
<3.基地局の構成例>
<4.実施例1>
<5.実施例2>
<1.移動通信システムの構成例>
最初に第2の実施の形態における移動通信システムの構成例について説明する。図2は移動通信システム10の構成例を表わす図である。
移動通信システム10は無線基地局装置(以下においては「基地局」と称する場合がある)100−1〜100−3と端末装置(以下においては「端末」と称する場合がある)200−1〜200−3を備える。
各基地局100−1〜100−3は、端末200−1〜200−3と無線接続して無線通信を行う無線通信装置である。また、各基地局100−1〜100−3は、1又は複数のセル範囲(又はサービスエリア、或いは通信可能範囲)内において、端末200−1〜200−3に対して音声通信や映像配信などの種々のサービスを提供できる。
なお、図2において各基地局100−1〜100−3の周りにある円は、各基地局100−1〜100−3におけるセル範囲を示している。以下においては、このようなセル範囲のことを「セル」と称する場合がある。また、セル範囲だけでなく、当該セル範囲を有する基地局を含めて「セル」と称する場合もある。
端末200−1〜200−3は、各基地局100−1〜100−3と無線接続して、無線通信を行う無線通信装置である。端末200−1〜200−3は、例えば、フィーチャーフォンやスマートフォン、あるいはパーソナルコンピュータなどである。
図2の例では、2つの端末200−1,200−2が基地局100−1と接続して無線通信を行い、端末200−3が基地局100−3と接続して無線通信を行っている様子を表わしている。図2に示す移動通信システム10の構成は一例であり、移動通信システム10は2つの基地局又は4つ以上の基地局を備えるようにしてもよい。また、端末についても、移動通信システム10は4つ以上の端末を備えるようにしてもよい。
なお、基地局100−1〜100−3については、とくに断らない限り、基地局100と称する場合がある。また、端末200−1〜200−3についても、とくに断らない限り、端末200と称する場合がある。
<2.動作例>
以下、移動通信システム10における動作例について説明する。最初に、図3に示す簡易モデルを用いて移動通信システム10における動作例について簡単に説明する。
以下、移動通信システム10における動作例について説明する。最初に、図3に示す簡易モデルを用いて移動通信システム10における動作例について簡単に説明する。
図3はセルの構成例を表わす図である。中央にセルE(点線で示される)が配置され、セルEのセル範囲と重複するようにセルEに隣接する隣接セルA〜D,F〜I(太線で示される)が配置される。
セルEは休止条件を満足したとする。ここで休止条件は、例えば、「一つのセル内のトラヒック量が低下し、一定時間定められた閾値内で推移する」とする。セルEが休止条件を満足すると、隣接セルA〜D,F〜Iに対して休止宣言メッセージを送信する。例えば、セルEは休止宣言メッセージを送信することで休止宣言を行う。そして、セルEは、休止宣言メッセージを送信後、隣接セルA〜D,F〜Iにおいてトラヒックの低下がないとき、セルEの稼働を休止する。
言い換えると、例えば、セルEにおけるトラヒック量が一定時間において閾値以下に低下しているとき、隣接セルA〜D,F〜Iにおけるトラヒック量が一定時間において閾値より大きく増加しているとき、セルEの稼働を休止する。
以上がセルEを休止させるための条件(以下、休止条件と称する場合がある)となる。この場合において、セルEと隣接する隣接セル(1つのセルでもよいし、複数のセルでもよい)が同時に休止条件を満足し、隣接セルも同時に休止宣言を行った場合、「セルEを含め隣接セルは同時に稼働休止はしない」ものとする。
これは、隣接セルが同時に休止すると、サービスを提供することができない範囲が大きくなり、他のセルによってエリアを補完することができず、サービス性が損なわれてしまうためである。このように隣接セル間で同時に休止宣言が行われた場合、本移動通信システム10では、いずれかのセルの休止宣言を優先させることを許容するものとする。例えば、セルの識別情報の順番などによりいずれかのセルの休止宣言を優先させることもできる。
また、セルEが休止宣言メッセージを送信後、一定期間内において隣接セルA〜D,F〜Iから休止宣言メッセージを受信した場合、「セルEは休止宣言を放棄し、隣接セルA〜D,F〜Iの休止宣言を有効とする」ものとする。セルEは隣接セルA〜D,F〜Iからの休止宣言の方がセルE自身で宣言した休止宣言よりも早いと判断する。すなわち、隣接セルを同時に休止させないという原則に基づいて、一定期間内(又はガードタイミング内)の休止宣言についてはより早く休止宣言メッセージを送信したセルの休止宣言を有効とするようにしている。
以上、移動通信システム10における動作例について簡単に説明した。次に、基地局100(又はセル)において行われる基本動作について説明する。
<2.1 基本動作について>
図4及び図5は基本動作の例を表わすフローチャート、図6〜図9は基本動作の例を表わすシーケンス図をそれぞれ表わしている。
図4及び図5は基本動作の例を表わすフローチャート、図6〜図9は基本動作の例を表わすシーケンス図をそれぞれ表わしている。
このうち、図4はガードタイミング方式による動作例、図5はACK/NAK方式による動作例をそれぞれ表わすフローチャートである。本第2の実施の形態においては、ガードタイミング方式とACK/NAK方式の2つの方式がある。図4から説明する。
基地局100は通常運転モードで動作する(S10)。通常運転モードは、例えば、基地局100内における処理ブロックのすべての電源がオンになっている状態であり、基地局100が通常状態で稼働している状態である。
次に、基地局100は休止条件を満足するか否かを判別する(S11)。休止条件としては、例えば、上記した「一つのセル内のトラヒック量が低下し、一定時間定められた閾値内で推移する」を満足するか否かにより判別するようにしてもよい。
図10は休止条件を判定するアルゴリズムの例を説明するための図である。図10では処理トラヒック量に着目した場合の例を表わしている。すなわち、基地局#Aは処理トラヒック量を測定する。そして、基地局#Aは、単位時間Tの間において、測定した処理トラヒック量が閾値#1から閾値#2(閾値#1>閾値#2)以下へ変動したことを検出したとき(又はトラヒックの変動量が閾値よりも低下したとき)、「一つのセル内のトラヒック量が低下し、一定時間定められた閾値内で推移する」を満たすと判定する。この場合、基地局#Aは、隣接基地局に休止宣言メッセージを送信する。これは、基地局#Aのトラヒック量が低下するとき、当該基地局に在圏する端末(またはユーザ)200の数は少なくなり、基地局#Aは稼働を休止することが可能な状態と判定することができる。
一般的な基地局の設計手法は、隣接基地局どうしがサービスエリアを補完するように設計される。基地局#Aのトラヒックが低下するとき、基地局#Aに隣接する隣接基地局においてもトラヒックの低下が想定される。このような場合、基地局#Aは休止するものの、隣接基地局によって基地局#Aのサービスエリアを補完するこができる。
なお、図10の例では処理トラヒック量を休止条件の判断指標としているが、例えば、端末200における参照信号の受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)を休止条件の判断指標とすることもできる。当該基地局のサービスエリアに在圏する端末200は隣接基地局(又は周辺基地局)のRSRPを測定し、当該基地局にRSRPを送信する。当該基地局は、RSRPに基づいて隣接基地局(又は周辺基地局)から十分な電力で無線信号を受信しているか否かにより、休止条件を満足するか否かを判定することができる。
休止条件の判断指標としては、RSRP以外にも、搬送波対雑音比(Carrier to Noise ratio)、信号雑音比(Signal-noise ratio)、希望波信号電力対干渉電力比(SIR(Signal to Interference power Ratio))、ビット当たりの信号電力と雑音密度の比Eb/NO(energy power bit to noise power spectral density ratio)などが用いられてもよい。あるいは、これらの指標が組み合わされたものを休止条件の判断指標としてもよい。
図4に戻り、基地局100は休止条件を満足しないとき(S11でNO)、通常運転モード(S10)に移行する。
一方、基地局100は休止条件を満足するとき(S11でYES)、隣接基地局から休止宣言受信済みか否かを判別する(S12)。
基地局100は、隣接基地局から休止宣言を受信していたとき(S12でYES)、隣接基地局に対して休止宣言メッセージを発信することなく、通常運転モード(S10)を継続する。この場合、隣接基地局からの休止宣言メッセージの方が基地局100における休止宣言メッセージ(後段のS13)より早いため、隣接基地局からの休止宣言を有効とし、基地局100は隣接基地局に休止宣言メッセージを送信しないことになる。
一方、基地局100は、隣接基地局から休止宣言メッセージを受信していないとき(S12でNO)、休止宣言メッセージを隣接基地局へ発信する(S13)。この場合、基地局100は、例えばトラヒック量が低下し、しかもS12の段階において隣接基地局は休止していないことが確認されているため(S12でNO)、隣接基地局に対して休止宣言メッセージを発信する。
なお、休止宣言メッセージには、当該基地局100において休止可能な状態にあるという意味付けの情報を含むものとする。休止宣言メッセージの例は後述する。
次に、基地局100はガードタイミング期間(又は所定期間)に隣接基地局から休止宣言メッセージを受信したか否かを判別する(S14)。この場合のガードタイミング期間は、例えば、S12の処理開始(又はS12の処理後)から開始され、予め決められた期間とする。
そして、基地局100は、ガードタイミング期間内に隣接基地局から休止宣言メッセージを受信したとき(S14でYESのとき)、基地局100の休止宣言メッセージを放棄し、S10に移行する。
上記したように、基地局100はガードタイミング期間内に隣接基地局から休止宣言メッセージを受信したとき、隣接基地局の休止宣言の方が自局の休止宣言よりも早いと判断し、発信した休止宣言メッセージを放棄し、隣接基地局からの休止宣言メッセージを有効とする。この場合、基地局100は休止宣言放棄メッセージを隣接基地局へ送信することで、自ら宣言した休止宣言の放棄を通知できる。
一方、基地局100はガードタイミング期間内に隣接基地局から休止宣言を受信しなかったとき(S14でNO)、休止モードに移行する(S15)。この場合、基地局100と隣接基地局は同時に休止することにはならず、隣接基地局どうしを同時に休止させない、という原則を満足するため、基地局100は休止モードに移行する。
なお、休止モードの状態のとき、基地局は、例えば、基地局間のメッセージ等を交換するためのインターフェイスであるX2インターフェイスを実行する処理ブロックについては稼働させ(電源がオン)、それ以外の処理ブロックは稼働が休止する(電源がオフ)状態となる。詳細については後述する。
上記した動作例においては、例えば、基地局100はガードタイミング期間内において隣接基地局からの休止宣言の有無により休止宣言の有効性を判断した。それ以外にも、休止宣言に対する隣接基地局からの応答により、休止宣言の有効性を判断してもよい。図5はACK/NAKを利用した場合の基本動作の例を表わすフローチャートである。
S10からS13までの動作はガードタイミング方式(図4)と同一である。基地局100は休止宣言メッセージを発信(S13)後、休止宣言メッセージに対するNAK(Negative Acknowledge:否定応答)を隣接基地局から受信したか否かを判別する(S17)。
隣接基地局がNAKを応答するというのは、例えば、隣接基地局の休止宣言の方が基地局100よりも早く休止宣言を行っている場合であり、隣接基地局は基地局100に対する休止宣言を許可しないことを表わしている。
従って、基地局100は隣接基地局からNAKを受信したとき(S17でYes)、基地局100は休止モードに移行しないで通常運転モードを継続する(S10)。なお、隣接基地局が複数あるとき、基地局100は1つの隣接基地局からNAKを受信した場合も、休止モードに移行せず、通常運転モードを継続する。
一方、基地局100は隣接基地局からACKを受信したとき(S17でNO)、休止モードに移行する(S15)。この場合は、例えば、隣接基地局は、基地局100の休止宣言を受け入れ、基地局100が休止してもよいことを基地局100に通知している。このような場合、基地局100は休止モードに移行する。なお、隣接基地局が複数ある場合、基地局100はすべての隣接基地局からACKを受け取ったとき、休止モードに移行するようにする。隣接基地局どうしで同時に休止させないためである。
次に、ガードタイミング方式とACK/NAK方式の動作シーケンス例について説明する。図6及び図7はガードタイミング方式、図8及び図9はACK/NAK方式の動作シーケンス例をそれぞれ表わしている。図6から図9は、図3に示すセルの簡易モデルにおける動作シーケンス例を表わしている。
図6の例では、基地局Eに対する隣接基地局A〜D,F〜Iが稼働中(S30)であるときにおいて、基地局Eが休止条件を満足している(S31、図4のS11でYES)。この場合において、基地局Eは隣接基地局A〜D,F〜Iから休止宣言を受信していないとき(S12でNO)、基地局Eは休止宣言メッセージ(図6では「休止宣言MSG」)を発信する(S13)。そして、基地局Eはガードタイミング期間において隣接基地局A〜D,F〜Iから休止宣言を受信していないため(図4のS14でNO)、休止モードに移行する(S32、図4のS16)。
図7の例では、基地局Eは隣接基地局A〜D,F〜Iに休止宣言メッセージを発信するものの(S13)、ガードタイミング期間内において、隣接基地局の1つである基地局Bから発信された休止宣言メッセージを受信している。基地局Eは、基地局Bによる休止宣言の方が自局の休止宣言よりも早いと判断し、基地局Bの休止宣言を有効と判断する。そして、基地局Eは、休止宣言メッセージを送信した隣接基地局D,Fに対して休止宣言放棄メッセージ(図7では、休止宣言放棄MSG)を発信する。この場合、基地局Eは通常運転モードを継続する。
他方、基地局Bはガードタイミング期間内において隣接基地局から休止宣言を受信しておらず、休止モード(S32)に移行する。
図8の例では、基地局Eは、休止条件を満足し(S31)、隣接基地局A〜D,F〜Iから休止宣言メッセージを受信していない(S12でNO)として、休止宣言メッセージを発信する(S13)。その後、基地局Eは隣接基地局A〜D,F〜IからACK(図中、「OK」)を受信する。基地局Eは全ての隣接基地局A〜D,F〜IからACKを受信したため、休止モード(S32)に移行することができる。
一方、図9の例では、基地局Eは休止宣言メッセージを発信するものの(S13)、隣接基地局の1つである基地局Dから休止宣言メッセージに対するNAKを受信する(S13−2)。この場合、基地局Eは休止宣言メッセージを発信した先行の隣接基地局が存在すると判断して、稼働状態(通常運転モード)を継続する(S30)。
基地局Dにおいては、例えば、隣接基地局から休止宣言メッセージを同時に受信したり、前後して受信したりする場合がある。しかし、このような場合でも、上述した「隣接基地局どうしについては同時に休止しない」という原則を考慮して、同時に受信した場合はいずれか一方、また、前後して受信した場合は先に受信した休止宣言に対してACKとし、後に受信した休止宣言メッセージに対してNAKとすることができる。
ACK/NAK方式だけでなく、ガードタイミング方式でも共通ではあるが、ある地域内に配置される複数の基地局が同時に休止宣言メッセージを発信する場合、発信された全ての休止宣言を許容することは当該地域における通信途絶に結び付く可能性がある。従って、当該地域における通信サービスを維持できる範囲において、ある基地局の休止宣言を許容し、それ以外を許容しない(又は拒絶、或いは排他)ようにすることができる。
このような処理が実現可能とするため、例えば、休止宣言メッセージ内に当該休止宣言を行った基地局の識別情報、或いは特定基地局に割り当てられた優位指定等の指標に基づいて、優先又は非優先の処理を行うことで、複数の休止宣言メッセージを受信した場合の処理を行うこともできる。
なお、図9の例では、基地局Eは基地局Bからの休止宣言メッセージと基地局Eからの休止宣言メッセージを受信しているが、基地局Eからの休止宣言メッセージに対してはNAKを返信することとしているため、基地局Eに対してNAKを返信している。もちろん、基地局Dは基地局Bからの休止宣言メッセージに対してACKを返信し、その後に受信した基地局Eからの休止宣言メッセージに対してNAKを返信してもよい。
基地局Bでは、休止宣言メッセージを発信し(S13)、すべての隣接基地局A,C〜IからACKを受け取ったため、休止モードに移行する(S32)。
なお、基地局Bが休止モードに移行する場合、基地局Bは、配下の端末200に対して呼を救済すべく、強制的にハンドオーバを行わせることができる。例えば、基地局Bは配下の端末200に休止モードに移行する旨を通知し、端末200は通信品質も最もよい隣接基地局を選択して通知し、基地局Bは通知を受けた隣接基地局に対して、端末200についてのハンドオーバ先である旨のメッセージを通知することもできる。或いは、基地局Bは配下の端末200に対して、稼働中の隣接基地局のいずれかをハンドオーバ先とするハンドオーバメッセージなどを送信することで、ハンドオーバ先を知らせてハンドオーバを行わせることもできる。
<2.2 再起動>
次に、休止中の基地局100が再起動する場合の動作例について説明する。図11は再起動を説明するための簡易モデルの例、図12は再起動のシーケンス例をそれぞれ表わしている。
次に、休止中の基地局100が再起動する場合の動作例について説明する。図11は再起動を説明するための簡易モデルの例、図12は再起動のシーケンス例をそれぞれ表わしている。
図11の例では、基地局#Aは休止中(又は休止モード中)であり、基地局#Aに隣接する隣接基地局#B〜#Eが稼働中(又は通常運転モード)である。この場合、基地局#Aが休止状態にあるため、隣接基地局#B〜#Eのトラヒック量も逓減していることが想定される。
このような場合において、例えば、隣接基地局#Bにおけるトラヒック量が単位時間内に閾値以上変動したとき、当該隣接基地局#Bは基地局#Aに起動メッセージを発信する(図12のS20)。隣接基地局#Bにおいてトラヒック量が増加しているのであれば、休止中の基地局#Aにおいてもトラヒック量が増加することが想定され、隣接基地局#Bが休止中の基地局#Aを起動させるべく、起動メッセージを発信するようにしている。
なお、休止中の基地局#Aは起動メッセージを受信すると、起動メッセージを送信した基地局#Bに対して、ACK(肯定応答、図中「OK」)を送信するようにしてもよい(S21)。
そして、基地局#Aは起動メッセージを受信すると、他の隣接基地局#C〜#Eに対して休止宣言解除メッセージを発信する(S22)。これにより、例えば、基地局#Aは隣接基地局#B〜#Eに対して発信した休止宣言を解除することができる。
基地局#Aは休止宣言解除メッセージを発信すると、休止モードから通常運転モード(又は稼働中)に移行する。また、隣接基地局#B〜#Eは休止宣言解除メッセージを受信することで、休止していた基地局#Aが稼働することを確認する。
休止中の基地局#Aを再起動させる再起動条件としては、例えば、休止条件と反対のアルゴリズムとすることができる。例えば、基地局#Bは処理トラヒック量に着目し、処理トラヒック量が単位時間内において閾値#3から閾値#4(閾値#4>閾値#3)以上変化したとき、再起動条件を満たすとして、基地局#Aに起動メッセージを送信する。
一方、基地局#Bは、処理トラヒック量が閾値#3から閾値#4以上変化しなかったとき、再起動条件を満たさないと判定して、基地局#Aに起動メッセージを送信しない、などとすることができる。
以上が基地局#Aにおける再起動の基本動作の例である。上記した例は「トラヒック量」に着目したが、これ以外にも、休止条件の判定アルゴリズム(例えば図10)と同様に、端末200の信号受信状態を示す種々の指標(RSRPやSIRなど)、あるいはこれらの組み合わせが用いられても良い。
なお、休止中の基地局#Aが再起動したとき、基地局#Aのセル範囲内に該当する呼については、基地局#Aへ強制的にハンドオーバを行わせることができる。
例えば、隣接基地局#Bは端末200から送信された受信品質に基づいて基地局#Aのセル範囲内に位置することを判断した場合に、端末200に対して基地局#Aへ強制的にハンドオーバするようメッセージを送信し、これによりハンドオーバを行わせることもできる。
<2.3 基地局における状態遷移>
上記したように本第2の実施の形態において、基地局100は新たに休止モードが定義される。休止モードは、例えば、3GPP仕様におけるX2インターフェイスを実行する処理ブロックが稼働状態となっており、それ以外の処理ブロックは稼働を休止している状態である。休止モードでもX2インターフェイスが稼働しているのは、例えば、隣接基地局から起動メッセージを受信できるようにするためである。休止モードでは、例えば、基地局100は隣接基地局から送信された起動メッセージの受信以外は稼働を休止させている。
上記したように本第2の実施の形態において、基地局100は新たに休止モードが定義される。休止モードは、例えば、3GPP仕様におけるX2インターフェイスを実行する処理ブロックが稼働状態となっており、それ以外の処理ブロックは稼働を休止している状態である。休止モードでもX2インターフェイスが稼働しているのは、例えば、隣接基地局から起動メッセージを受信できるようにするためである。休止モードでは、例えば、基地局100は隣接基地局から送信された起動メッセージの受信以外は稼働を休止させている。
図13は基地局100の状態遷移の例を表わす図である。基地局100は電源オフ状態(S25)のときに電源が投入されると、通常運転モード(通常動作モード,S10)に移行する。また、基地局100は通常運転モード(S10)において電源が切断されると電源オフ状態(S25)に移行する。
また、基地局100は、通常運転モード(S10)において休止条件(S11)を満たすと、隣接基地局へ休止宣言メッセージを発信する(S13)。そして、基地局100は、ガードタイミング期間内に隣接基地局から休止宣言メッセージを受信しないとき(S14で「なし」)、休止モード(S15,S32)へ移行する。
休止モード(S15,S32)へ移行した基地局100は、隣接基地局から起動命令(「起動」又は起動メッセージなど)を受信したとき(S20)、通常運転モード(S10)に移行する。
一方、基地局100はガードタイミング期間内に隣接基地局から休止宣言メッセージを受信すると(S14で「あり」)、隣接基地局へ休止宣言放棄メッセージを送信し(S26)、通常運転モード(S10)へ移行する。
<2.4 メッセージの例>
次に、基地局100間で交換される「休止宣言」、「休止宣言解除(放棄)」、「起動」、「休止宣言」に対する「ACK」及び「NAK」の各メッセージの例について説明する。図14(A)から図14(C)はかかるメッセージの構成例を表わす図である。
次に、基地局100間で交換される「休止宣言」、「休止宣言解除(放棄)」、「起動」、「休止宣言」に対する「ACK」及び「NAK」の各メッセージの例について説明する。図14(A)から図14(C)はかかるメッセージの構成例を表わす図である。
X2インターフェイスでは、「Resource Status Request MSG」、「Resouce Status Response MSG」、及び「Resource Status Failure MSG」の各メッセージが定義されている。
図14(A)に示す「Resource Status Request MSG」は、例えば、リソース状況の送信を要求するメッセージを表わす。当該メッセージ内には、オプションの項目として、「Request Characteritstics」領域があり、当該領域に挿入される2ビットを用いて、「休止宣言」、「休止宣言解除(放棄)」、「起動」の各メッセージとすることができる。
図14(B)に示す「Resource Status Response MSG」は、例えば、「Resource Status Request MSG」に対する応答メッセージである。当該メッセージのオプション項目である「Criticality Diagonistic」領域を用いて、「ACK」メッセージとすることができる。
また、図14(C)に示す「Resource Status Failur MSG」は、例えば、「Resource Status Request MSG」に対してリソース状況の取得失敗を表わすメッセージである。当該メッセージのオプション項目である「Criticality Diagonistic」領域を用いて、「NAK」メッセージとすることができる。
<3.基地局の構成例>
次に基地局100の構成例について説明する。図15は基地局100のハードウェア構成例を表わし、図16は基地局100の機能ブロックの構成例を表わしている。
次に基地局100の構成例について説明する。図15は基地局100のハードウェア構成例を表わし、図16は基地局100の機能ブロックの構成例を表わしている。
図15に示すように、基地局100は、受信アンテナ101、送信アンテナ102、無線部110、制御部120、外部IF部130、及び電源部140を備える。また、図16に示すように、無線部110は受信部111と送信部112を含む。さらに、制御部120は、監視部121、状態処理部122、MSG送信部123、MSG受信部124、隣接基地局情報DB(データベース)125、ベースバンド部128、及びタイミング制御部129を含む。
なお、第1の実施の形態における第1の制御部150は、例えば、制御部120に対応する。
受信アンテナ101は、端末200から送信された無線信号を受信する。
受信部111は、受信アンテナ101で受信した無線信号を無線帯域の信号からベースバンド帯域の信号に変換する。受信部111では、無線信号を受信し、周波数変換処理などが行われるよう、分波器(Duplexer)、パワーアンプ(Power Amp)、高周波増幅器又はローノイズアンプ(Low Noise Amp)、直交変復調回路などを内部に備えるようにしてもよい。
送信部112は、制御部120から出力されたベースバンド信号をベースバンド帯域の信号から無線帯域の信号に変換する。送信部112においても、周波数変換処理や無線信号の送信処理などが行われるよう、分波器やパワーアンプ、ローノイズアンプ、直交変復調回路などを内部に備えるようにしてもよい。
送信アンテナ102は、送信部112から出力された無線信号を端末200に送信する。
監視部121は、基地局100において送受信されるデータパケットの通信データパケット量(以下、トラヒックと称する場合がある)を監視又は観測する。監視部121は観測したトラヒックを状態処理部122に出力する。
なお、監視部121は、配下の端末200にスケジューラによって割り当てるリソースブロック(Resource Block)数(又は無線リソース量)により、トラヒックを観測するようにしてもよい。スケジューラは、例えば制御部120内にあり、図16では図示されていないが、例えば監視部121やタイミング制御部129などが当該スケジューラであってもよい。
状態処理部122は、監視部121からトラヒックを受け取り、休止条件を満足するか否かを判定する。例えば、状態処理部122は、図10に示す休止条件の判定アルゴリズムにより判別する。
また、状態処理部122は、休止条件を満たすと判定したときにおいて、隣接基地局から休止宣言メッセージを受信していないとき、MSG送信部123に対して、「休止宣言メッセージ」(例えば図14(A))の送信を依頼する。
さらに、状態処理部122は、ガードタイミング期間内において隣接基地局から「休止宣言メッセージ」の受信の有無を判別し、基地局100について休止モードに移行可能か否かを判定する。状態処理部122は、ガードタイミング期間内において隣接基地局から「休止宣言メッセージ」を受信していないとき、電源部140に対して基地局100が休止モードとなるように依頼する。
一方、状態処理部122は、ガードタイミング期間内において隣接基地局から「休止宣言メッセージ」を受信したとき、既に送信した「休止宣言メッセージ」を無効にするため、MSG送信部123に対して「休止宣言放棄メッセージ」の送信を依頼する。
また、状態処理部122は、隣接基地局から「休止宣言メッセージ」を受信した(隣接基地局が休止モードのとき)後において、監視部121からトラヒックを受け取り、再起動条件を満たすと判定したとき、「休止宣言解除メッセージ」を当該隣接基地局へ送信するようMSG送信部123に依頼する。
さらに、状態処理部122は、当該基地局100が休止モードとなっているときにおいて、MSG受信部124を介して隣接基地局から「休止宣言解除メッセージ」を受信したとき、当該基地局100を休止モードから稼働状態(通常運転モード)に移行させるよう電源部140に依頼する。
MSG送信部123は、状態処理部122から各メッセージの送信の依頼を受けると、各メッセージを生成して隣接基地局に送信する。メッセージの種別としては、「休止宣言メッセージ」、「休止宣言放棄メッセージ」、「休止宣言解除メッセージ」、「ACKメッセージ」、「NAKメッセージ」などがある。
MSG受信部124は、隣接基地局から各メッセージを受信すると、各メッセージを受信したことを状態処理部122へ通知する。
隣接基地局情報DB125は、例えば、基地局100に隣接する隣接基地局の識別情報、隣接基地局の状態(休止モードか通常運転モードか)などの情報を記憶する。状態処理部122は隣接基地局情報DB125に適宜アクセスして、隣接基地局へ各メッセージを送信するときの送信先の識別情報を取得したり、隣接基地局の状態を記憶したりすることができる。
ベースバンド部128は、受信部111から出力されたベースバンド信号に対して、復調処理や誤り訂正復号化処理などを施して、データ等を抽出する。ベースバンド部128は抽出したデータ等を外部IF部130へ出力する。また、ベースバンド部128は、外部IF部130から出力されたデータ等に対して誤り訂正符号化処理、変調処理などを施してベースバンド信号を送信部112へ出力する。ベースバンド部128では、このような処理を行うことができるよう、誤り訂正符号化処理回路、誤り訂正復号化処理回路、変調処理回路、復調処理回路などを内部に備えるようにしてもよい。
タイミング制御部129は、例えば、ベースバンド部128から送信部112へベースバンド信号を出力するタイミングや、送信部112から送信アンテナ102を介して無線信号を送信するタイミングなどを制御する。また、タイミング制御部129は、ベースバンド部128から外部IF部130へデータなどを出力するタイミングなどを制御する。
外部IF部130は、例えば、基地局100の上位装置と接続されて、制御部120から出力されたデータなどを上位装置に送信可能な所定伝送フォーマットに変換する。外部IF部130は変換後のデータを上位装置に送信する。また、外部IF部130は、上位装置から送信された所定伝送フォーマットのデータを受信し、当該データから端末200に送信するデータを抽出して、制御部120に出力する。上位装置との間における所定伝送フォーマットしては、例えば、S1インターフェースなどがある。
また、外部IF部130は、MSG送信部123から出力された各メッセージを隣接基地局に送信可能な伝送フォーマットに変換し、当該隣接基地局に送信する。また、外部IF部130は、隣接基地局から送信された所定伝送フォーマットのデータを受信し、受信したデータから各メッセージを抽出する。隣接基地局との間における伝送フォーマットとしては、例えば、X2インターフェースがある。
電源部140は、制御部120による制御に従って、基地局100の電源をオンにしたり、オフにしたりする。また、電源部140は、状態処理部122からの制御に従って、基地局100を休止モードにしたり、通常運転モードにしたりする。電源部140は、例えば、状態処理部122から休止モードへの移行の通知を受けると、外部IF部130とMSG受信部124、状態処理部122に対して電源を供給し、それ以外の処理ブロックは電源を供給しないようにする。これにより、例えば、基地局100は休止モードにおいてもX2インターフェイスの受信を行うことが可能となる。一方、電源部140は、例えば、休止モード中の基地局100において、通常運転モード(稼働中)への移行の通知を状態処理部122から受けると、基地局100のすべての処理ブロックに対して電源を供給する。
<4.実施例1>
次にこのように構成された移動通信システム10についての動作例について説明する。本第2の実施の形態における移動通信システム10においては、基地局間で休止宣言メッセージなどのメッセージを交換し、当該メッセージに基づいて基地局100自身で自局の稼働を休止させるか否かを制御するようにしている。
次にこのように構成された移動通信システム10についての動作例について説明する。本第2の実施の形態における移動通信システム10においては、基地局間で休止宣言メッセージなどのメッセージを交換し、当該メッセージに基づいて基地局100自身で自局の稼働を休止させるか否かを制御するようにしている。
これにより、例えば、各基地局の動作状態を集中制御するシステムや装置などを不要とし、基地局間で相互に連動した自律分散型の制御方法を行うことができる。また、例えば、新たなシステム導入による設置コストの増加を防止することを可能としている。
その際に、移動通信システム10では、現行の通信プロトコル(例えば図14(A)〜図14(C))を活用し、現行製品仕様への影響を最小限に留めることを可能にしている。この点からもコスト増加を防止することも可能となっている。
また、上記したように、移動通信システム10においては、休止宣言メッセージの交換などにより基地局間で相互に連携しながら基地局100の稼働を休止させることで、システム全体の消費電力を削減させている。その際に、隣接基地局では休止したサービスエリアをカバーすべく、送信電力を上げる制御などは行われず、隣接基地局間で干渉を発生させないようにしている。
特に、移動通信システム10においては、利用者の移動変動が大きい地域(例えば、観光地、過疎地、イベント会場周辺など)、昼夜の時間帯で通信トラヒック量の変化が大きい地域(例えば、ビジネス街、住宅街、港湾地域、山間部の道路、市場や教育施設周辺など)などで稼働する基地局の最適化を自律的に行いながら、省エネルギー効果をもたらすことができる。
以下においては、2つの実施例で具体的に説明しながら、移動通信システム10の動作例について説明する。
実施例1は、例えば、屋内(以下においては、閉空間と称する場合もある)に設置された屋内ワイヤレスシステムに対する適用例である。例えば、屋内に設置したフェムト基地局について、事務所において多くの人が一時的に集まる会議室や、残業時間帯や休日において人が存在しないエリアに応じて、フェムト基地局を休止させることで、通信設備の省エネルギー効果をもたらすことができる。
なお、フェムト基地局は、例えば、登録された端末200についてサービスの提供を許容し、登録されていない端末200についてはサービスの提供を許容しない基地局である。
図17は閉空間内における基地局(例えばフェムト基地局)100の設置形態の例を示す。例えば、図17に示すように事務所内の中央部に設置された基地局#Eのセル範囲においては、事務所内において人が最も多く存在し、それに応じて端末200を介して通信を行う人も多くなることが想定される。
本移動通信システム10においては、閉空間の中央部に設置された基地局#Eは休止させないようにし、それ以外の基地局#A〜#D,#F〜#Iについては休止させることを許容する。
これにより、例えば、移動通信システム10においては、当該閉空間における省エネルギー効果とサービス維持の適正化を図ることができる。もちろん、基地局#E以外にも、事務所内における人の移動状況などに応じて、基地局#Aを非休止指定の基地局としたり、基地局#Bを非休止指定の基地局とすることができる。
図18は実施例1における動作フローの例を表わしている。なお、図18の例は「ガードタイミング方式」の例を示しているが、「ACK/NAK方式」で動作してもよい。
基地局#Eは、通常運転モード(S10)のときにおいて、休止条件を満足すると(S11でYES)、自局が非休止指定基地局か否かを判別する(S40)。自局が非休止指定基地局として指定されているときは、当該基地局100は休止条件を満足しても休止モードに移行せず、休止しないようになっている。例えば、隣接基地局情報DB125などのメモリには、非休止指定基地局の識別情報が記憶される。状態処理部122は休止条件を満足していると判定したとき(S11でYES)、隣接基地局情報DB125にアクセスし、自局の識別情報が非休止指定基地局として指定された基地局の識別情報と一致するか否かにより判別できる。
自局が非休止指定基地局として指定されているとき(S40でYES)、基地局#Eは通常運転モードを継続する(S10)。一方、基地局#Eは、自局が非休止指定基地局として指定されていないとき(S40でNO)、S12以降の処理を行う。
例えば、基地局#Eが非休止指定基地局として指定されているとき、基地局#Eは通常運転モードを継続する(S10)。一方、非休止指定基地局として指定されていない基地局#A〜#D,#F〜#Iは、S40の処理を「NO」と判定し、休止モード(S32)に移行することを許容する。
例えば、夜間の無人状態から始業時に作業員が出勤したときの人の流れや屋内トラヒックの変動などにより、休止している基地局(例えば基地局#A〜#D,#F〜#I)を稼働させるための鍵となる基地局(例えば基地局#E)を非休止指定基地局とすることができる。
なお、本第2の実施の形態すべてにおいて共通しているが、実施例1における移動通信システム10は3GPPによる移動通信システムだけでなく、IEEE802シリーズや無線LAN、その他の移動通信システムに適用可能である。
<5.実施例2>
本第2の実施の形態における移動通信システム10は、例えば、HetNetにも適用可能である。HetNetは、例えば、大セル(又はラージセル)と小セル(又はスモールセル)が階層化されている移動通信システム10の一例である。
本第2の実施の形態における移動通信システム10は、例えば、HetNetにも適用可能である。HetNetは、例えば、大セル(又はラージセル)と小セル(又はスモールセル)が階層化されている移動通信システム10の一例である。
図19はHetNetの構成例を表わしている。図19の例では、3層構造になっており、マクロセル#Aが下位階層セル、マクロセル#A内にピコセル#Bが中位階層として配置され、さらに、ピコセル#B内にピコセル#Cが上位階層セルとして配置される。例えば、マクロセル#Aが大セルであり、ピコセル#B,#Cが小セルとなっている。
図20はこのような階層構造のネットワークにおける状態マトリックスの例を表わしている。例えば、上位階層のピコセル#Cを休止モードにし、それよりも下位階層のピコセル#Bとマクロセル#Aを稼働中(又は通常運転モード)とすることができる。また、上位階層のピコセル#Cと中位階層のピコセル#Bを休止モードにし、下位階層のマクロセル#Aを稼働中とすることもできる。
ただし、本HetNetの例では、中位階層のピコセル#Bだけ休止モードにし、上位階層と下位階層の2つのセル#A,#Cを稼働中にすることはしないようにしている。図19において、ピコセル#Bだけトラヒックが他の階層よりも高くなることは少なく、ピコセル#Bだけを稼働中にすると、ピコセル#Bに接続した呼の接続を維持することが不安定となることが想定されるからである。
3つのセル#A〜#Cについては図20に示す動作状態をとることを前提にして以下説明する。
図21は実施例2における動作シーケンス例を表わす図である。この例においては、中位階層セル(ピコセル#B)から送信される休止宣言メッセージは劣性とし、上位階層セル(ピコセル#C)から送信される休止宣言メッセージは優性とする。このような優劣が基地局100(又はセル)ごとに指定され、休止宣言メッセージに付加された基地局100(又はセル)の識別情報に基づいて優劣が判別できる。
図21の例では、上位階層のピコセル#Cは、休止条件を満足して休止可能状態(S31C)へ遷移する。そして、ピコセル#Cは、休止宣言メッセージを隣接基地局(上位階層のピコセル#Cからすると隣接基地局はピコセル#Bとなる)から受信済みでないため(S12)、休止宣言メッセージを送信する(S13−3)。この場合、休止宣言メッセージは上位階層のピコセル#Cからの送信されるため、優性の休止宣言メッセージとなる。
そして、ピコセル#Cは、ガードタイミング期間内において隣接基地局(ピコセル#B)から休止宣言メッセージを受信していないため、休止モードに移行する(S32C)。この場合、ピコセル#Cは、休止モード移行前において、自セルに接続された呼を救済するため、当該呼に対して、ピコセル#Bに強制的にハンドオーバさせている(S50)。
休止宣言メッセージの優性又は劣性は、基地局100の識別情報以外にも、地域ごとに定めた特定基地局(又は複数の基地局(又はセル))に割り当てた優位指定などの指標が休止宣言メッセージに付与されて、当該指標に基づいて判別することもできる。例えば、状態処理部122が休止宣言メッセージの送信とともに、自セル(又は自基地局)の識別情報も付与するようMSG送信部123に依頼することで、ピコセル#Cは優性の休止宣言メッセージを送信することができる。
図22は劣性の休止宣言メッセージが送信される場合の動作シーケンスの例を表わしている。
中位階層のピコセル#Bは休止可能状態へ遷移し(S31B)、隣接基地局(本例ではピコセル#C)から休止宣言メッセージを受信していないため(S12でNO)、休止宣言メッセージをマクロセル#Aとピコセル#Bに送信する(S13−4)。この場合、休止宣言メッセージは、ピコセル#Bからの休止宣言メッセージとなっているため、劣性となっている。
この場合、ピコセル#Bよりも上位階層セルであるピコセル#Cは、劣性の休止宣言メッセージに対して、休止宣言拒絶メッセージをピコセル#Bに送信する(S13−5)。これにより、例えば、ピコセル#Cは中位階層のピコセル#Bを休止させないようにすることができる。
上記したように、多重構造となっているHetNetにおいては、中位階層のセル(ピコセル#B)のみを休止モードにすることも可能である。しかし、構造上中位階層の欠落となり、ネットワークの構成と呼維持への不安定要因を内在させることにもなるため、本移動通信システム10では、中位階層のセルを休止させず、稼働状態を継続させるようにしている。
このようなことから、中位階層のセルから送信される休止宣言メッセージは劣性、上位階層のセルから送信される休止宣言メッセージは優性とし、劣性の休止宣言メッセージを受信した上位階層セルは拒絶メッセージを送信することで中位階層セルを休止させないことができる。
例えば、状態処理部122は、休止宣言メッセージを受信したとき、当該メッセージの送信元のセル(又は基地局100)の識別情報を隣接基地局情報DB125で確認する。そして、状態処理部122は、自セルより下位階層のセル(又は基地局100)からの休止宣言メッセージであることを確認したとき、休止宣言拒絶メッセージの送信をMSG受信部124に依頼する。
図23は上位階層セル(例えばピコセル#C)と中位階層セル(例えばピコセル#B)の状態遷移の例を表わしている。
上位階層のピコセル#Cは、稼働中(又は通常運転モード,S30C)において、休止条件を満足すると休止可能状態(S31C)へ遷移する。そして、ピコセル#Cは、休止可能状態において、ガードタイミング期間内において隣接基地局から休止宣言メッセージを受信しないときに休止モードへ遷移する(S32C)。
一方、中位階層のピコセル#Bは稼働中(S30B)において、例えば、休止条件を満足すると、休止可能状態(S31B)へ遷移する。
そして、中位階層のピコセル#Bは、休止可能状態(S31B)から直接休止モード(S32B)へ遷移せず、上位階層のピコセル#Cが休止モード(S32C)となったとき、休止モード(S32B)への遷移が可能となる。このように、中位階層のピコセル#Bは、上位階層のピコセル#Cの状態に応じて遷移する場合もある。
次に、実施例2における動作シーケンス例について説明する。
図24は、上位階層セルであるピコセル#Cが休止可能状態へ遷移し、その後、中位階層セルであるピコセル#Bが休止可能状態に遷移した場合の動作シーケンスの例を表わしている。
ピコセル#Cは、休止可能条件を満たすと休止可能状態(S31C)へ遷移する。そして、ピコセル#Cは、隣接基地局であるピコセル#Bから休止宣言メッセージを受信していないとき(S12でNO)、休止宣言メッセージを送信する(S13−3)。この場合の休止宣言メッセージは上位階層セルからの休止宣言メッセージであるため、優性となる。
ピコセル#Cは、例えばガードタイミング期間内において、隣接基地局から休止宣言メッセージを受信していないとき、ピコセル#Cに接続する呼を中位階層セルであるピコセル#Bに強制的にハンドオーバさせる(S50)。そして、ピコセル#Cは休止モードへ遷移する(S32C)。
一方、中位階層であるピコセル#Bは、ピコセル#Cに接続された呼に対するハンドオーバが行われた(S50)後、休止条件を満足すると休止可能状態へ遷移する(S31B)。
そして、ピコセル#Bは、隣接基地局から休止宣言メッセージを受信しているとき(S12でYES)、隣接基地局であるマクロセル#Aへ休止宣言メッセージを送信する(S13−4)。この場合の休止宣言メッセージは、中位階層セルからの休止宣言メッセージであるため劣性となる。このとき、ピコセル#Bは上位階層のピコセル#Cに対して休止宣言メッセージを送信しない。例えば、ピコセル#Cはピコセル#Bからすると上位階層のセルであって、すでに休止モードに移行しているからである。
なお、中位階層セルであるピコセル#Bでは、例えば、上位階層であるピコセル#Cから送信された休止宣言メッセージを受信したことを条件に(S12でYES)、休止宣言メッセージを送信する(S13−4)ことになる。
次に、ピコセル#Bは、中位階層のピコセル#Bと接続している呼をマクロセル#Aに強制的にハンドオーバさせ(S51)、休止モードへ移行する(S32B)。
図25と図26は上位階層セルであるピコセル#Cと中位階層セルであるピコセル#Bとがほぼ同時に休止可能状態(S31B,S31C)へ遷移した場合の動作シーケンス例を表わしている。
図25の例では、ピコセル#Cは休止宣言メッセージを送信後(S13−3)、隣接基地局から休止宣言メッセージを受信済みでないと判別すると(S12でNO)、休止宣言メッセージ(優性)を送信する(S13−3)。ピコセル#Cは、例えばガードタイミング期間において休止宣言メッセージを受信しないと、ピコセル#Cと接続する呼に対して強制的にハンドオーバを行わせ(S50)、休止モードへ移行する(S32C)。
一方、ピコセル#Bは、休止条件を満足して休止可能状態へ遷移した後(S31B)、休止宣言メッセージ(優性)を受信する(S13−3)。ピコセル#Bは、休止宣言メッセージの受信により(S12でYES)、休止宣言メッセージをマクロセル#Aに送信する(S13−4)。この例では、ピコセル#Bは、休止宣言メッセージを送信する前に、ピコセル#Cに接続された呼の自セルへのハンドオーバを行わせる(S50)。そして、ピコセル#Bも、休止モードへ移行する(S32B)。
図25の例では、ピコセル#B,#Cはほぼ同時に休止可能状態へ遷移するものの、休止宣言メッセージを受信したか否か(S12)を判別するタイミングが異なる場合の例である。
一方、図26に示す例は、休止宣言メッセージを受信した否かの判別(S12)もほぼ同時に行われる場合の例である。
すなわち、上位階層セルであるピコセル#Cは、隣接基地局であるピコセル#Bから休止宣言メッセージを受信済みでないとき(S12でNO)、休止宣言メッセージ(優性)を中位階層のピコセル#Bと下位階層のマクロセル#Aへ送信する(S13−3)。
次に、ピコセル#Bは、隣接基地局であるピコセル#Cから休止宣言メッセージ(優性)を受信しており(S12でYES)、休止宣言メッセージ(劣性)をピコセル#Cへ送信する(S13−4)。
この場合において、ピコセル#Cは、ピコセル#Bから休止宣言メッセージ(劣性)を受信するものの、劣性の休止宣言メッセージに対して休止宣言拒絶メッセージを送信する(S13−5)。
ピコセル#Bは、ピコセル#Cから休止宣言拒絶メッセージを受信すると、ガードタイミングの再設定を行う。例えば、ピコセル#Bはハンドオーバ(S50,S51)が行われる時間を稼ぐことができる。ピコセル#Cとピコセル#Bは、自セルに接続された呼の強制的なハンドオーバを行わせた後(S50,S51)、休止モードへ移行する(S32C,S32B)。
図25及び図26の例では、2つのピコセル#B,#Cがほぼ同時に休止可能状態(S31B,S31C)へ遷移しても、接続された呼をハンドオーバにより救済しながら(S50,S51)、休止モードへ遷移する例を表わしている。この際に、集中制御などが行われず、休止宣言メッセージの交換などによって、セル間(又は基地局間)において相互に連携し自律的にセルが休止モードへ遷移することができるようになっている。
従って、HetNetに本移動通信システム10が適用された場合でも、各ピコセルは休止モードへ遷移することができるため、システム全体の消費電力の削減することもできる。その際に、休止するセルに接続された呼についてもハンドオーバにより救済されるため、端末200に対して継続したサービスの提供を行うことができる。
また、例えば、上位階層セル(例えばピコセル#C)は、それより下位階層のセル(例えば、中位階層セルのピコセル#Bや下位階層セルのマクロセル#A)から休止宣言メッセージを受信しても、当該休止宣言メッセージの受信の有無に拘わらず、自セルが休止条件を満足すると、休止することができる。
一方、例えば、中位階層セルや下位階層セルは、自セルが休止条件を満足しても、休止することはできず、自セルより上位の階層のセル(中位階層セルからすると上位階層セル、下位階層セルからすると中位階層セルと上位階層セル)から休止宣言メッセージを受信することで、休止することができる。これにより、例えば、階層構造のHetNetにおいて、「中間階層」の欠落による呼維持への不安定要素を取り除くことができる。
[その他の実施の形態]
次にその他の実施の形態について説明する。
次にその他の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態において、図19を用いてHetNetの一例を説明した。HetNetの構成としては、図19に示す構成以外にも、マクロセルとピコセル(又は大セルと小セル)の2層構造でもよいし、ピコセルが複数構造になった4層構造以上のものでもよい。また、複数構造のものが1つのマクロセル内に複数存在する構成でもよい。
いずれのHetNetにおいても、第2の実施の形態で説明した移動通信システム10を適用して実施することができる。この場合、例えば、図22で説明したように、中位階層セルからの休止宣言メッセージについては劣性とし、上位階層セルからの休止宣言メッセージは優性とする。そして、上位階層セルは劣性の休止宣言メッセージを受信すると、休止宣言拒絶メッセージを中位階層セルに返信する。中位階層セルでは、休止可能状態へ遷移したとき、上位階層セルからの優性の休止宣言メッセージを受信した後、休止モードへ移行することができる。このように、図19に示す構成以外のHetNetにおいても本移動通信システム10を適用することができる。
また、第2の実施の形態において、実施例1では非休止指定基地局について説明したが、このような基地局を実施例2において説明したHetNetに適用することも可能である。
10:移動通信システム 100:無線基地局装置(基地局)
120:制御部 121:監視部
122:状態処理部 123:MSG送信部
124:MSG受信部 130:外部IF部
140:電源部 150:第1の制御部
200:端末装置(端末)
120:制御部 121:監視部
122:状態処理部 123:MSG送信部
124:MSG受信部 130:外部IF部
140:電源部 150:第1の制御部
200:端末装置(端末)
Claims (12)
- 第1及び第2の無線基地局装置と
端末装置とを備え、前記第1又は第2の無線基地局装置と前記端末装置の間で無線通信を行う移動通信システムにおいて、
前記第1の無線基地局装置は、前記第1の無線基地局装置の通信状態と前記第1の無線基地局装置に隣接する前記第2の無線基地局装置との間で交換される稼動状態に関するメッセージとに基づいて、前記第1の無線基地局装置の稼働を休止させるか否かを制御する第1の制御部を備えることを特徴とする移動通信システム。 - 前記メッセージは、前記第1の無線基地局装置が休止可能な状態であることを表わす第1の休止宣言メッセージを含み、
前記第1の制御部は、前記第1の無線基地局装置と無線通信を行う前記端末装置との間の通信状態に基づいて、前記第1の無線基地局装置に隣接する前記第2の無線基地局装置に対して前記第1の休止宣言メッセージを送信することを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。 - 前記メッセージは前記第2の無線基地局装置が休止可能な状態であることを表わす第2の休止宣言メッセージを含み、
前記第1の制御部は、前記第1の無線基地局装置の通信状態に基づいて、前記第1の無線基地局装置が休止可能な状態であって、前記第2の無線基地局装置から前記第2の休止宣言メッセージを受信していないと判別したとき、前記第1の休止宣言メッセージを送信することを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。 - 前記第1の制御部は、前記第2の無線基地局装置から前記第2の休止宣言メッセージを受信していないと判別したときから所定期間内に前記第2の無線基地局装置から前記第2の休止宣言メッセージを受信しないとき、前記第1の無線基地局装置の稼働を休止させることを特徴とする請求項3記載の移動通信システム。
- 前記メッセージは前記第1の休止宣言メッセージに対して前記第1の無線基地局装置の休止を許可する肯定応答メッセージを含み、
前記第1の制御部は、前記第1の休止宣言メッセージを送信後、前記第2の無線基地局装置又は前記第1の無線基地局装置に隣接する第3の無線基地局装置から前記第1の休止宣言メッセージに対する前記肯定応答メッセージを受信したとき、前記第1の無線基地局装置の稼働を休止させることを特徴とする請求項3記載の移動通信システム。 - 前記第2の無線基地局装置は第2の制御部を備え、
前記メッセージは前記第2の無線基地局装置が休止可能な状態であることを表わす第2の休止宣言メッセージを含み、
前記第2の制御部は、前記第2の無線基地局装置と無線通信を行う前記端末装置と、前記第2の無線基地局装置の間における通信状態に基づいて、前記第1の無線基地局装置に対して前記第2の休止宣言メッセージを送信し、
前記第1の制御部による前記第1の休止宣言メッセージの送信と、前記第2の制御部による前記第2の休止宣言メッセージの送信が同時に行われたとき、前記第1及び第2の制御部は前記第1又は第2の無線基地局装置の稼働を同時に休止させないことを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。 - 前記第2の無線基地局装置は第2の制御部を備え、
前記メッセージは休止している前記第1の無線基地局装置を起動させる起動メッセージを含み、
前記第2の制御部は、前記第2の無線基地局装置と無線通信を行う前記端末装置との間の通信状態に基づいて前記起動メッセージを送信し、
前記第1の制御部は、前記起動メッセージを受信すると前記第1の無線基地局装置を稼働させることを特徴とする請求項3又は4に記載の移動通信システム。 - 前記第1の制御部は、前記第1の無線基地局装置が休止することが許容されないとき、前記第1の休止宣言メッセージを送信せず、前記第1の無線基地局装置が休止することが許容されるとき、前記通信状態に基づいて前記第1の休止宣言メッセージを送信することを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。
- 前記第1の無線基地局装置のセル範囲は前記第2の無線基地局装置のセル範囲を含み、前記第1の無線基地局装置は前記第2の無線基地局装置に対して上位階層の基地局、前記第2の無線基地局装置は前記第1の無線基地局装置に対して下位階層の基地局となることを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
- 前記第1の制御部は、前記第1の無線基地局装置の稼働を休止させるときは、前記第2の無線基地局装置から送信されたメッセージの受信以外は稼働を休止させることを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
- 端末装置と無線通信を行う無線基地局装置において、
通信状態と前記無線基地局装置に隣接する他の無線基地局装置との間で交換される稼動状態に関するメッセージとに基づいて、稼働を休止させるか否かを制御する第1の制御部を備えることを特徴とする無線基地局装置。 - 第1又は第2の無線基地局装置と端末装置の間で無線通信を行う移動通信システムにおける動作制御方法であって、
前記第1の無線基地局装置は、前記第1の無線基地局装置の通信状態と前記第1の無線基地局装置に隣接する前記第2の無線基地局装置との間で交換される稼動状態に関するメッセージとに基づいて、前記第1の無線基地局装置の稼働を休止させるか否かを制御することを特徴とする動作制御方法。
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