JP6089648B2 - スーパージャンクション構造を有する半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、第1半導体層に形成したトレンチ内に第2半導体層をエピタキシャル成長させてスーパージャンクション(以下、SJという)構造を形成する半導体装置の製造方法に関するものである。
SJ構造の半導体装置を製造する際には、例えばn+型シリコン基板の表面にn-型層をエピタキシャル成長させた半導体基板を用い、n-型層にトレンチを形成したのち、そのトレンチ内にp-型層をエピタキシャル成長させるという工程が行われる。そして、表面平坦化によってトレンチ外に形成されたp-型層を除去してトレンチ内にのみ残すことで、n-型層からなるn型カラムとp-型層からなるp型カラムが交互に繰り返されたPNカラムを有するSJ構造を形成している。
このような半導体装置を形成する場合、従来では、半導体基板の表面や端面(外縁部)および裏面を酸化膜などの絶縁膜で覆った状態でデバイス製造プロセスを行っている(例えば、特許文献1参照)。したがって、上記のようなSJ構造を有する半導体装置の場合においても、半導体基板の表面における無効領域(デバイス形成される有効領域の周辺領域)、半導体基板の端面および裏面に絶縁膜を形成してからトレンチを形成し、エピタキシャル成長を行っている。
特開2002−57094号公報
しかしながら、上記のように半導体基板の表面における無効領域や端面および裏面を絶縁膜で覆った状態でトレンチ内にp-型層を形成したときに、有効領域における外周側において内周側よりもp-型層の不純物濃度が濃くなることが確認された。この問題について、図7〜図10を参照して説明する。
図7に示すように、デバイス形成される有効領域J1とし、それよりも外周側となる周辺領域を無効領域J2としている。そして、図8に示すように、n+型シリコン基板J3の表面にn-型層J4を形成した半導体基板J5の表面における無効領域J2や端面および裏面を酸化膜などの絶縁膜J6で覆い、有効領域J1にトレンチJ7を形成すると共にp-型層J8を形成している。例えば、無効領域J2は半導体基板J5の端から約10mm設けられ、その範囲では絶縁膜J6で覆われることでp-型層J8が形成されないようになっている。
このような形態によってp-型層J8を形成し、有効領域J1における外周側と中央部において直径100μmの円内でのp型不純物(例えばボロン)濃度を比較したところ、図9に示すように外周側が中央部よりも16.6%濃度が高かった。SJ構造では、チャージバランスが得られるようにn-型層J4とp-型層J8の不純物濃度および物理的寸法を設計しているが、p-型層J8の不純物濃度にバラツキが生じると、チャージバランスが崩れてしまう。このような場合、SJ構造内において、電界が均一に広がらず、電界強度分布に偏りが生じるため、耐圧低下を生じさせてしまう。参考として、有効領域J1における外周側と中央部それぞれについて、ドレイン−ソース間電圧Vdsとドレイン電流Idとの関係(Vds−Id波形)を調べて耐圧検査を行ったところ、図10に示す結果となった。この結果より、有効領域J1における外周側において、ドレイン耐圧が600V未満になっており、低耐圧不良が発生していることが確認された。そして、その低耐圧不良の発生確率が80%に至っていた。
本発明は上記点に鑑みて、第1半導体層に形成したトレンチに第2半導体層を埋め込んでSJ構造を形成する際に、有効領域における外周側において、内周側より第2半導体層の不純物濃度が高くなることを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らは、n-型層J4に形成したp-型層J8の不純物濃度バラツキの発生原因について鋭意検討を行ったところ、以下のメカニズムに基づいて不純物濃度バラツキが発生していることを見出した。
図11に示すように、無効領域J2近傍ではトレンチJ7が疎となっており、有効領域J1の内周側ではトレンチJ7が密となっている。この状態でp-型層J8をエピタキシャル成長させることになるが、エピタキシャル成長に用いるシリコンの成長ガスが絶縁膜J6で覆われた無効領域J2にも供給されることになる。このため、p-型層J8が成長しない無効領域J2に供給される成長ガス中に含まれたp型不純物(ボロン)が、有効領域J1の外周側のトレンチJ7側に集中して供給され、そのトレンチJ7内に成長するp-型層J8に取り込まれることになる。これに対して、有効領域J1の内周側では、トレンチJ7が密に存在しているため、各トレンチJ7へのp型不純物の供給は均一となり、各トレンチJ7内に成長するp-型層J8に取り込まれるp型不純物は均一となる。このようなメカニズムにより、有効領域J1における外周側において内周側よりもp型不純物濃度が高くなったと考えられる。
そこで、請求項1ないしに記載の発明では、半導体基板(10)のうち、デバイス形成を行ってからチップとして取り出す領域を有効領域(1)として、該有効領域において、第1導電型の第1半導体層(12)に対してトレンチ(14)を形成する工程と、有効領域の周辺領域を無効領域(2)として、無効領域のうち有効領域の端から該有効領域の外周側において該有効領域を一周囲む領域にダミートレンチ(15)を形成することで不純物消費領域(3)を形成する工程と、トレンチおよびダミートレンチ内を含めて第1半導体層の上に、第2導電型の第2半導体層(16)をエピタキシャル成長させる工程と、第2半導体層を平坦化し、第2半導体層をトレンチおよびダミートレンチに残しつつ第1半導体層を露出させることで、トレンチ内に残された第2半導体層と第1半導体層とが交互に繰り返されたPNカラムを有するSJ構造を形成する工程と、を含んでいることを特徴としている。
このように、無効領域にダミートレンチを形成することで不純物消費領域を設けている。このため、第2半導体層をエピタキシャル成長させる際に、第2半導体層が成長しない領域に供給される成長ガス中に含まれた第2導電型不純物が、ダミートレンチ側に集中して供給され、そのダミートレンチ内に成長する第2半導体層に取り込まれるようにできる。したがって、不純物消費領域よりも内側である有効領域に形成されたトレンチでは、第2導電型不純物が均一に供給され、そのトレンチ内に成長する第2半導体層の不純物濃度が設計値よりも高くなることが抑制される。これにより、有効領域の外周側において内周側よりも第2半導体層の不純物濃度が高くなることを抑制することが可能となる。
また、請求項1ないし5に記載の発明では、トレンチを形成する工程および不純物消費領域を形成する工程の前に、有効領域および無効領域のうちの不純物消費領域を露出させつつ、無効領域のうち不純物消費領域とは異なる領域を半導体材料とは異種材料で構成される異種材料膜(13)で覆う工程を含むことを特徴としている。
このように、無効領域のうちの不純物消費領域とは異なる領域を異種材料膜で覆う場合に、特に有効領域の外周側において第2半導体層の不純物濃度が高くなり易い。このため、このような場合に不純物消費領域を形成することで、より効果的に有効領域の外周側において内周側よりも第2半導体層の不純物濃度が高くなることを抑制することが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の製造に用いられる半導体基板の上面レイアウト図である。 図1のII-II'断面において、半導体装置の製造工程を示した図である。 図2に続く半導体装置の製造工程を示した図である。 有効領域1における外周側と中央部において直径100μmの円内でのp型不純物濃度を比較した結果を示した図である。 従来の製造方法を用いた場合の耐圧測定を行った場所を示した半導体基板の正面図である。 第1実施形態の製造方法を用いた場合の耐圧測定を行った場所を示した半導体基板の正面図である。 図5Aに示した有効領域J1の外周位置となる点Aから中央部となる点Bまでの複数の場所での耐圧の測定結果を示したグラフである。 図5Bに示した有効領域1の外周位置となる点Aから中央部となる点Bまでの複数の場所での耐圧の測定結果を示したグラフである。 従来の半導体基板の上面レイアウト図である。 図7のVIII−VIII’断面図である。 有効領域J1における外周側と中央部において直径100μmの円内でのp型不純物濃度を比較した結果を示した図である。 有効領域J1における外周側と中央部それぞれにおける耐圧検査結果を示すグラフである。 -型層J4に形成したp-型層J8の不純物濃度バラツキの発生メカニズムを示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかるSJ構造を有する半導体装置の製造方法について、図1〜図5を参照して説明する。まず、半導体装置の製造方法を具体的に説明する前に、半導体装置の製造に用いられる半導体基板10のレイアウト構成について説明する。なお、図1は断面図ではないが、図を見やすくする為に部分的にハッチングを示してある。
図1に示すように、半導体基板10の内周側を有効領域1とし、その周辺領域を無効領域2としている。そして、無効領域2に、図中ハッチングで示したように、エピタキシャル成長を行う際の成長ガスのシリコン成分および不純物が消費されて不純物層が形成される不純物消費領域3を設けるようにしている。
有効領域1は、デバイスが形成される領域であり、マトリクス状にレイアウトされた各チップ単位でSJ構造を有する所望のデバイス、例えばMOSFETやダイオードなどが形成される領域である。有効領域1は、デバイス形成してからダイシングによってチップとして取り出される領域であり、デバイス形成後にチップ単位に分割されて半導体装置が構成される。
無効領域2は、半導体基板10の端から10mm以上とされている。本実施形態の場合、無効領域2のうち最も半導体基板10の端から近くなる位置でも、半導体基板10の端からの距離が10mm以上とされている。この無効領域2は、最終的にはダイシングによって切除され、半導体装置にはならない領域となる。
不純物消費領域3は、無効領域2内に形成されており、本実施形態では無効領域2のうちの有効領域1の端から一定幅の領域としている。不純物消費領域3の幅については任意であるが、本実施形態では5mm以上の幅としている。有効領域1と不純物消費領域3との間の間隔についても任意であるが、本実施形態では、有効領域1に配置されるチップ間の間隔と等しくしてあり、不純物消費領域3が有効領域1から離れ過ぎないようにしてある。例えば、チップ間の間隔はスクライブの幅とされ、100μm以内とされているが、有効領域1から不純物消費領域3までの間隔についても100μm以内としている。
以上のようなレイアウトとして、半導体基板10を用いて半導体装置を形成する。図2〜図3を参照して、具体的な半導体装置の製造方法について説明する。
〔図2(a)に示す工程〕
表面11aおよび裏面11bを有する半導体材料で構成された基板としてのn+型シリコン基板11の表面11aに、シリコンからなる第1半導体層に相当するn-型層12をエピタキシャル成長させた半導体基板10を用意する。n-型層12は、表面11a上だけに形成されていても良いが、半導体基板10の端面や裏面11bのうちの外縁部まで形成されていても良い。n+型シリコン基板11やn-型層12は、ヒ素などのn型不純物がドーピングされることで構成されている。例えば、n+型シリコン基板11の不純物濃度は1×1019cm-3以上、n-型層12の不純物濃度はn+型シリコン基板11よりも薄い1×1015cm-3程度とされ、n+型シリコン基板11の方がn-型層12よりも濃度が濃くされている。また、例えば、n+型シリコン基板11の厚みは650μm、n-型層12の厚みは40〜50μmとされている。
なお、ここでは、n+型シリコン基板11として端面がベベリング処理などによって面取り加工されて外周端がテーパ状になったものを用いているが、べべリング処理が為されていないものであっても良い。
〔図2(b)に示す工程〕
半導体基板10の表面から端面および裏面を覆うように絶縁膜13を形成する。ここでは、絶縁膜13として、熱酸化による酸化膜を例えば0.7μmの厚さで形成しているが、熱酸化以外の方法、例えばCVDやCVDとアニール処理の組み合わせなどによって絶縁膜13を形成しても良い。そして、図示しないが、所望のマスクを配置し、そのマスクを用いたエッチングにより、絶縁膜13を無効領域2における不純物消費領域3よりも外周側や半導体基板10の端面および裏面11bに上にのみ残す。
〔図2(c)に示す工程〕
半導体基板10の表面側において、絶縁膜13を覆うようにマスク材料を配置したのち、フォトリソグラフィ工程を経てトレンチ形成予定位置において開口させることでマスク20を形成する。例えば、マスク材料として窒化膜を用い、窒化膜の上にレジストを塗布したのち、フォトリソグラフィ工程によって窒化膜をパターニングしてマスク20を形成している。
〔図3(a)に示す工程〕
マスク20を用いたエッチングにより、n-型層12をn-型層12の厚みと同等もしくはそれよりも若干浅くエッチングする。これにより、有効領域1において、n-型層12の所望位置にSJ構造形成用の例えばストライプ状とされたトレンチ14が形成される。トレンチ14の各寸法については必要とされるSJ構造に応じて設定されるが、幅2〜4μm、深さ40〜50μm、隣接するトレンチ14間の間隔が5〜8μmとなるようにしている。
また、本実施形態では、このとき同時に、無効領域2における不純物消費領域3にもダミートレンチ15を形成している。本実施形態の場合、ダミートレンチ15は、デバイス形成を行わないダミーパターンとされるが、有効領域1と同様のデバイスを形成し、最終的に半導体装置として使用しないようにすることもできる。また、ダミートレンチ15のパターンについては任意であり、有効領域1に形成されるトレンチ14と同じパターンであっても良いし、異なるパターン、例えば有効領域1を囲むようなレイアウトやドット状のものであっても良い。
トレンチ14およびダミートレンチ15の形成については、例えばRIE方式による異方性エッチングを用いることができる。例えば、O2雰囲気でC48およびSF6を交互に繰り返し導入して底部エッチングおよびポリマー膜による側壁保護を繰り返し行うエッチング方法(BOSCH法)を用いれば、高いアスペクト比でトレンチ14およびダミートレンチ15を形成できる。
また、必要に応じてエッチングによるダメージ除去工程を行う。例えば、ケミカルドライエッチングを行ったのち、犠牲酸化により、トレンチ14およびダミートレンチ15の内壁面を薄く酸化する。そして、トレンチ14およびダミートレンチ15の内壁面に形成された酸化膜を除去する。その後、マスク20を除去する。
〔図3(b)に示す工程〕
水素(H2)アニールを行った後、成長ガスに加えてHClなどのエッチングガスを同時に流したエピタキシャル成長を行う。これにより、トレンチ14およびダミートレンチ15内を含むn-型層12の表面にp-型層16を形成し、トレンチ14およびダミートレンチ15内を埋め込む。例えば、シリコンソースガスにハロゲン化物ガスの混合ガスを用いつつ、p型不純物であるボロンを含むジボラン(B26)ガスなどを導入したエピタキシャル成長工程を行うことにより、p-型層16を形成する。このようなエピタキシャル成長工程とすると、トレンチ14およびダミートレンチ15内を含むn-型層12の表面では成長優位、絶縁膜13の表面ではエッチング優位の条件となる。したがって、絶縁膜13の表面にはp-型層16が形成されず、トレンチ14およびダミートレンチ15内を含むn-型層12の表面にのみp-型層16が形成される。
このとき、無効領域2に不純物消費領域3を設けているため、この領域でも成長ガス中に含まれるシリコンおよびp型不純物を消費させてp-型層16が形成されるようにできる。このため、有効領域1内におけるトレンチ14の疎密差によるシリコンおよびp型不純物の消費量が分散され、トレンチ14内に形成されるp-型層16のp型不純物濃度のバラツキを抑制できる。
すなわち、無効領域2ではダミートレンチ15しか形成されておらず疎となっているが、それよりも内側となる有効領域1ではトレンチ14が密となっている。ところが、p-型層16をエピタキシャル成長させるときには、エピタキシャル成長に用いるシリコンの成長ガスが無効領域2のうち絶縁膜13で覆われた領域、つまり不純物消費領域3よりも外周側にも供給されることになる。このため、p-型層16が成長しない領域に供給される成長ガス中に含まれたp型不純物(ボロン)が、ダミートレンチ15側に集中して供給され、そのダミートレンチ15内に成長するp-型層16に取り込まれることになる。したがって、ダミートレンチ15内に成長したp-型層16はp型不純物濃度が設計値よりも高くなる。
しかしながら、ダミートレンチ15が形成された不純物消費領域3は、無効領域2に位置しており、半導体装置の製造には用いられない領域である。このため、不純物消費領域3に形成されたダミートレンチ15内のp-型層16のp型不純物濃度が高かったとしても、最終的に製造される半導体装置の耐圧に影響は与えない。
一方、不純物消費領域3よりも内側となる有効領域1に形成されたトレンチ14では、p型不純物がほぼ均一に供給され、そのトレンチ14内に成長するp-型層16のp型不純物濃度が設計値よりも高くなり過ぎないようにできる。このため、半導体装置の製造に用いる有効領域1については、p-型層16のp型不純物濃度のバラツキを抑制でき、p型不純物濃度の均一化を図ることが可能となる。
具体的に、このような方法によってp-型層16を形成し、有効領域1における外周側、つまり無効領域2に隣接する領域と中央部において直径100μmの円内でのp型不純物(ボロン)濃度を比較したところ、図4に示す結果が得られた。この図に示すように、有効領域1の外周側において中央部よりもp型不純物濃度が高くなっていたものの、p型不純物濃度の増加割合が7.4%となっていた。この結果より、図9に示した従来の製造方法のときの16.6%と比較して、十分にp型不純物濃度の高濃度化を抑制できていることが分かる。
なお、p-型層16をエピタキシャル成長させる際には、半導体基板10の表面に対して平行に成長ガスなどを供給する形態や半導体基板10の表面に対して垂直に成長ガスなどを供給する形態がある。いずれの形態であっても、p-型層16のp型不純物濃度のバラツキの問題は発生し得るため、いずれの形態を用いてp-型層16をエピタキシャル成長させる場合であっても、不純物消費領域3にダミートレンチ15を形成することで、上記効果が得られる。
〔図3(c)に示す工程〕
CMP(Chemical Mechanical Polishing)などによる研磨を行うことで、p-型層16のうちの不要部分、つまりトレンチ14およびダミートレンチ15内に形成された部分以外を除去することで、n-型層12の表面を露出させ、n-型層12およびp-型層16の表面を平坦化する。これにより、n-型層12からなるn型カラムとp-型層16からなるp型カラムが交互に繰り返されたPNカラムを有するSJ構造を構成することができる。
この後の工程については従来から周知なものであるため図示しないが、例えば以下の製造工程を行っている。すなわち、必要に応じてSJ構造の表面にドリフト層を構成するp-型層をエピタキシャル成長させたのち、p型ベース領域をイオン注入もしくはエピタキシャル成長にて形成する。また、p型ベース領域の所望位置にn+型ソース領域やp+型コンタクト領域などを形成したのち、p型ベース領域を貫通してドリフト層に達するトレンチを形成する。さらに、トレンチ内壁面を覆うようにゲート絶縁膜を形成すると共に、トレンチ内を埋め込むようにゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する。そして、半導体基板10の表面側において、層間絶縁膜形成工程やゲート配線およびソース電極の形成工程を行ったり、半導体基板10の裏面側においてドレイン電極の形成工程を行うことにより、半導体素子としてnチャネル型の縦型MOSFETが形成される。その後、ダイシングによりチップ単位に分割することでSJ構造の縦型MOSFETを有する半導体装置が完成する。
以上説明したように、本実施形態の製造方法においては、無効領域2にダミートレンチ15を形成することで不純物消費領域3を設けている。このため、p-型層16をエピタキシャル成長させる際に、p-型層16が成長しない領域に供給される成長ガス中に含まれたp型不純物が、ダミートレンチ15側に集中して供給され、そのダミートレンチ15内に成長するp-型層16に取り込まれるようにできる。したがって、不純物消費領域3よりも内側である有効領域1に形成されたトレンチ14では、p型不純物が均一に供給され、そのトレンチ14内に成長するp-型層16のp型不純物濃度が設計値よりも高くなることを抑制できる。これにより、有効領域1の外周側において内周側よりもp-型層16の不純物濃度が高くなることを抑制することが可能となる。
よって、半導体装置の製造に用いる有効領域1については、p型不純物濃度にバラツキがない均一なp-型層16にでき、n-型層12とp-型層16とによって構成されるPNカラムのチャージバランスを得ることが可能となる。また、PNカラムのチャージバランスが得られることから、有効領域1に形成されるデバイスに低耐圧不良が発生することを抑制することも可能となる。
本実施形態と従来の半導体装置の製造方法を用いて半導体装置を形成した場合の耐圧について、実験によって比較を行った。具体的には、従来の半導体装置の製造方法を用いた場合については、図5Aに示すように、有効領域J1の外周位置となる点Aから中央部となる点Bまでの複数の場所での耐圧を調べた。同様に、本実施形態の半導体装置の製造方法を用いた場合についても、図5Bに示すように、有効領域1の外周位置となる点Aから中央部となる点Bまでの複数の場所での耐圧を調べた。その結果、それぞれ図6A、図6Bの結果となった。
図6Aに示すように、従来の製造方法の場合には、有効領域J1のうちの外周側においてドレイン耐圧が600V未満となっており、それよりも内側ではドレイン耐圧が600V以上となっていた。これに対して、図6Bに示すように、本実施形態の製造方法の場合には、有効領域1の外周側から中央部に至るまで、ドレイン耐圧が600V以上となっていた。この結果からも、本実施形態の半導体装置の製造方法を用いることにより、有効領域1に形成されるデバイスに低耐圧不良が発生することを抑制できていると言える。
また、図6Aから判るように、有効領域J1の外周側となる点Aでは低耐圧不良が発生していたが、点Aから5mm内側では低耐圧不良が発生していなかった。このため、本実施形態のように、有効領域1を囲むように配置した不純物消費領域3を5mm以上の幅とすることで、より確実に低耐圧不良の発生を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態では、有効領域1から不純物消費領域3までの間隔を有効領域1に配置されるチップ間の間隔と等しくしてある。このため、不純物消費領域3が有効領域1から離れ過ぎないようにでき、有効領域1の外周側においてトレンチ14が疎とならないようにできる。これにより、より有効領域1の外周側でのp型不純物濃度の高濃度化を抑制することが可能となる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では半導体素子としてnチャネル型の縦型MOSFETを形成する場合を一例として挙げたが、各構成要素の導電型を反転させたpチャネル型の縦型MOSFETであっても良い。勿論、縦型MOSFET以外の半導体素子、例えばダイオードを備えた半導体装置とする場合であっても、同様のことが言える。
また、不純物消費領域3の幅については任意であり、半導体基板10の端まで形成されていても良いが、5mm以上であれば、より確実に有効領域1での耐圧低下を抑制できるため好ましい。
また、無効領域2のうち不純物消費領域3以外の部分を覆う材料を酸化膜などの絶縁膜13としたが、p-型層16を成長させる際に、シリコン上と比較して成長が抑制される材料、つまり半導体基板10を構成する半導体材料に対する異種材料膜であれば良い。
さらに、上記実施形態では、無効領域2のうち不純物消費領域3とは異なる領域を絶縁膜13で覆うようにしたが、無効領域2が全域露出した状態でp-型層16をエピタキシャル成長させても良い。この場合でも、仮に不純物消費領域3が形成していなければ、トレンチ14が有効領域1の外周側において疎になるため、上記問題を発生させ得る。したがって、不純物消費領域3を形成することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。ただし、無効領域2のうちの不純物消費領域3とは異なる領域を異種材料膜で覆う場合に、特に有効領域1の外周側においてp-型層16の不純物濃度が高くなり易い。このため、このような場合に不純物消費領域3を形成することで、より効果的に有効領域1の外周側において内周側よりもp-型層16の不純物濃度が高くなることを抑制することが可能となる。
1 有効領域
2 無効領域
3 不純物消費領域
10 半導体基板
11 n+型シリコン基板
12 n-型層
13 絶縁膜
14、15 トレンチ
16 p-型層
20 マスク

Claims (5)

  1. 半導体材料で構成された基板(11)の表面(11a)上に、第1導電型の第1半導体層(12)を形成した半導体基板(10)を用意する工程と、
    前記半導体基板のうち、デバイス形成を行ってからチップとして取り出す領域を有効領域(1)として、該有効領域において、前記第1半導体層に対してトレンチ(14)を形成する工程と、
    前記有効領域の周辺領域を無効領域(2)として、前記無効領域のうち前記有効領域の端から該有効領域の外周側において該有効領域を一周囲む領域にダミートレンチ(15)を形成することで不純物消費領域(3)を形成する工程と、
    前記トレンチおよび前記ダミートレンチ内を含めて前記第1半導体層の上に、第2導電型の第2半導体層(16)をエピタキシャル成長させる工程と、
    前記第2半導体層を平坦化し、前記第2半導体層を前記トレンチおよび前記ダミートレンチに残しつつ前記第1半導体層を露出させることで、前記トレンチ内に残された前記第2半導体層と前記第1半導体層とが交互に繰り返されたPNカラムを有するスーパージャンクション構造を形成する工程と、
    前記トレンチを形成する工程および前記不純物消費領域を形成する工程の前に、前記有効領域および前記無効領域のうちの前記不純物消費領域を露出させつつ、前記無効領域のうち前記不純物消費領域とは異なる領域を前記半導体材料とは異種材料で構成される異種材料膜(13)で覆う工程と、を含んでいることを特徴とするスーパージャンクション構造を有する半導体装置の製造方法。
  2. 前記不純物消費領域を形成する工程では、該不純物消費領域の幅を5mm以上とすることを特徴とする請求項1に記載のスーパージャンクション構造を有する半導体装置の製造方法。
  3. 前記不純物消費領域を形成する工程では、該不純物消費領域と前記有効領域との間の間隔を、前記有効領域におけるチップ間の間隔と等しくすることを特徴とする請求項1または2に記載のスーパージャンクション構造を有する半導体装置の製造方法。
  4. 前記不純物消費領域を形成する工程を、前記トレンチを形成する工程と同時に行うことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のスーパージャンクション構造を有する半導体装置の製造方法。
  5. 前記トレンチを形成する工程および前記不純物消費領域を形成する工程では、前記トレンチおよび前記ダミートレンチを同じ間隔かつ同じ幅で形成することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のスーパージャンクション構造を有する半導体装置の製造方法。
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