JP6088474B2 - 冷却器、多層フィルム成形用金型及び多層フィルムの製造方法 - Google Patents

冷却器、多層フィルム成形用金型及び多層フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷却器と該冷却器を用いた多層フィルム(シートを含む)成形に用いる金型及び多層フィルム(シートを含む)の製造方法に関する。
マルチマニホールドダイス( T ダイ) による多層フィルム・シート成形において、多層成形するフィルム・シートの厚さを幅方向に均一にするには、合流前及び合流後の各層の溶融樹脂の流量分布がダイスの幅方向において均一である必要がある。ここでフィルム・シートとは、フィルム又はシートをいう。
このため、従来チョークバーという幅方向にバーを撓ませて、樹脂通路の間隙を変えることで各層の厚みを変える方法が採られていた。しかし溶融樹脂の滞留の原因となる接合面が多くなるというデメリットがあった。また内部ディッケル装着時、従来のチョークバーが使用できず、各層厚み調整に問題があった。
このため、ダイ上下本体に設置したサブヒーターの設定温度をゾーン毎に調整することにより、各層の厚みプロファイルのコントロールを可能にする技術が開示されている(非特許文献1)。しかしサブヒーターの数が多数必要であり、ダイ構造が複雑になり、メンテナンスが困難になり、コストアップになるという問題がある。
一方、ダイスの幅方向に延在するヒーター収容孔を設け、ヒーター収容孔にダイス幅方向に分割されて個々に温度調整可能な複数個のヒーターエレメントが設置されている多層フィルム・シート成形用ダイスが開示されている(特許文献1)。
しかしヒーターで区分毎に温度を変えるだけでは、隣接区域との温度差が設けにくく又温度調整も迅速に行うのが難しく、目標の厚み精度に達するのに時間がかかるという問題がある。
このように、上記従来技術では、成形用金型の温度制御、とりわけ多層フィルムの成形用Tダイの各層の膜厚制御に対し、構造が簡単で、温度制御が容易、かつ迅速な制御が十分にできないという問題があった。
そこで、構造が簡単で、温度制御性、迅速な温度制御性に優れた温調用の冷却器および、その冷却器を用いた金型、とりわけ多層フィルム(シートを含む)成形に用いる金型及び多層フィルム(シートを含む)の製造方法が要望されていた。
特開2007−210122号公報 黒田他「高機能フィルム・シート押出成形装置」プラスチックス 2012.3 p.23〜29
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造が簡単で、温度制御性、迅速な温度制御性に優れた温度調整用の冷却器および、その冷却器を用いた金型、とりわけ多層フィルム(シートを含む)成形に用いる金型及び多層フィルム(シートを含む)の製造方法を提供することである。
請求項1に記載の冷却器は、冷媒により冷却する棒状の冷却器において、棒状体の軸方向に軸を区切るように冷却器が区分され、棒状体の少なくとも一方の端面を通じて区分毎に冷却能が調整された冷媒が供給される冷媒の供給路が設けられており、各区分内毎に前記供給路に冷媒供給口が開口されていることを特徴とする冷却器である。
請求項2に記載の冷却器は前記棒状体の内部が空洞であって空洞が棒状体の軸方向と略垂直な隔壁により区分され、棒状体の少なくとも一方の端面を通じて冷媒の供給路と排出路が設けられており、各区分内毎に冷媒供給口と冷媒排出口が開口していることを特徴とする請求項1記載の冷却器である。
請求項3に記載の冷却器は棒状体の外側面に前記区分の端部毎に棒状体を取り巻く一定高さのリブが設けられており、リブとリブの間の各区分毎に冷媒の供給口と排出口が開口している請求項1記載の冷却器である。
請求項4に記載の冷却器は棒状体の外側面が螺子状に形成されており、区分毎に螺子の谷部又は山部の側面に冷媒の供給口と排気口が開口し、棒状体の内部に冷媒を供給する供給路及び又は冷媒を排出する排出路が棒状体の端面から前記開口を結んで通じている請求項1に記載の冷却器である。
請求項5に記載の冷却器は、区分毎の冷却媒体の通る供給路及び又は排出路に、常温における熱伝導率が10W/(m・K))よりも小さい熱絶縁性材料が用いられていることを特徴とする請求項1乃至4に記載の冷却器である。
請求項6に記載の冷却器は、区分と区分の間に、常温における熱伝導率が10W/(m・K))よりも小さい熱絶縁性材料にてなる熱絶縁材料帯が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5に記載の冷却器である。
請求項7に記載の金型はフィルム又はシート成形用の金型であって孔が設けられており、孔中に請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型の温度を調整する金型である。
請求項8に記載の多層フィルム又はシート成形用のT字金型は、金型の幅方向に孔が設けられており、孔中に請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型の温度を調整する多層フィルム又はシート成形用のT字金型である。
請求項9に記載の樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型は、金型の幅方向に、樹脂の流路の内壁の近傍に複数の孔が設けられており、複数の孔の少なくとも一の孔には請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型内の樹脂流路の温度を調整する金型である。
請求項10に記載の樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型は、金型の幅方向に、各樹脂の流路の内壁の近傍に複数の孔が設けられており、複数の孔の少なくとも一の孔には請求項1乃至6のいずれかに記載の一の冷却器が挿入され、他の孔には請求項6記載の他の冷却器が挿入され、一の冷却器の冷却部と他の冷却器の熱絶縁部が対向するように配置され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型内の樹脂流路の温度を調整する金型である。
請求項11に記載のフィルム又はシートの製造方法は、請求項8乃至10に記載のT字金型を用いてフィルム又はシートを製造することを特徴とする樹脂多層フィルム又はシートの製造方法である。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明における冷却器とは熱交換による冷却をおこなうための熱交換媒体である冷媒により冷却器を冷却し、冷却された冷却器の表面が被冷却物に接することにより冷却し、あるいは冷媒が冷却器と被冷却物の内面との間隙を流れることで被冷却物を直接冷却するものである。
本発明における冷媒(以下「冷却媒体」ともいう)とは、熱交換による冷却に用いる媒体であれば特に限定されない。気体であっても液体であっても超臨界流体であってもよい。水や油等の液体であれば抜熱に優れる。油としてはシリコーン油や高沸点の、ビフェニルとジフェニルエーテルとの混合物であるダウサムA(Dowtherm A)(登録商標)等が上げられる。気体であれば流路抵抗が小さく高速で送ることができる。中でも空気は、漏洩時の汚染がなく毒性や爆発等の危険性がないため好ましい。抜熱効率を上げるために空気にスプレー等による微水滴、ドライアイス粉等を含んでいるものであってもよい。低温冷却用の場合には冷媒は液体窒素、ドライアイスとメタノールの混合物、ブライン等であってもよい。
冷媒が気体の場合は、圧力は限定されないが、流量をあげるため加圧して送ることが好ましい。微水滴を含む空気の場合は、経路の末端近くまで液体で送りスプレー等により微水滴化することが好ましい。冷媒用微水滴を含む空気を得るには、二流体ノズルを好適に用いることができる。二流体ノズルに水と空気をそれぞれ送ることで霧状に微水滴化できる。冷却器の冷媒としてこの霧状の空気・水混合物を用いれば、蒸発潜熱による冷却効果もあり、より有効に冷却できる。
冷媒は冷媒供給ラインにより供給され、冷却器の区分毎に個別に冷却能力が調整できるように冷媒の流量等が調整されるようになっている。冷媒供給ラインは加圧機、アキュムレーター、冷媒温度調整冷却器、圧力調整弁、流量調整弁等で構成されており、冷媒の温度、流量、圧力等が調整されて冷媒供給管に供給される。
冷媒供給ラインは、区分毎に冷却能が調整されうればよいため、最後の流量調整弁や圧力調整弁以前は共通のものが用いられていてもよい。
また排出管の先は、先の冷媒供給ラインと接続され、温まった冷媒が再度冷やされて用いられる閉じたループになっていることが好ましいが、冷媒が空気の場合は大気中に放出してもよい。
本発明の冷却器の形状は棒状である。棒状とはアスペクト比が高いという意味で、必ずしも剛直である必要はなく、直線状でなくとも、挿通される孔に通すことができれば曲がっていても、孔通過中に曲がるものであってもよい。したがって熱伝導性が良く、冷媒の漏れがなければ紐状であってもよい。冷媒の漏れを防止していれば外側面が可撓管であってもよい。
本体である棒状体の端部に冷媒の供給、排出のためのアダプタが付設されていてもよい。棒状体は中実体であっても内部に空洞を有する筒状体であってもよい。本体の凸部を結ぶ面、包絡面、が棒状であればよく、例えば芯材に等しい高さの複数のリブが間隔を隔てて付設されたものであってもよく、棒状体表面に螺子溝が刻まれているものであってもよい。
棒状体の包絡面の軸方向に垂直な断面形状は円形、楕円形、多角形等いずれでもよいが、円形が製造が容易で、金型に設けられた孔への挿入、抜き取りが容易なため好ましい。
一般的に用いるには棒状体の中心軸は直線状であることが好ましい。金型の孔への挿入、抜き取りが容易であるためである。
棒状体の径は一定であることが好ましいが、挿通される孔の形状によっては先細りになるようテーパがついていてもよい。
棒状体のアスペクト比は限られない。金型等の孔に本体を挿通して用いられるためにはアスペクト比が大きいほど孔径が小さく深部まで冷却でき好ましく、断面積が小さいと強度が弱くなり、冷媒の通路の構築が難しいため、2〜50が好ましく、5〜40がより好ましい。
棒状体は軸方向に軸方向を区切るように区分が設けられ、棒状体の端部から区分毎に冷媒が供給、排出されることにより、区分毎の冷却能を制御できるようになっている。区分毎に冷媒を供給、排出するためには冷媒供給、排出路は、中実で内部に冷媒の通路となる孔が通っていて区分内で開口していてもよく、供給管、排出管が通され区分毎に冷媒の供給口と排気口が開口していてもよい。
本発明の冷却器の本体の材質は、限定されないが、金型に挿通抜去する際に対する強度、金型の熱膨張率との整合した熱膨張率を有すること、高い熱伝導率を有し、冷媒に対する耐腐食性を有し、金型が加熱される温度における耐熱性を必要とすること、本体に冷媒の通路を設ける加工、冷媒供給管や、同排出管等との組み立ての加工性から、金属が好ましく、ステンレス、銅合金、チタン合金等が好ましい。
本発明の冷却器は棒状体の軸方向に区分されている。区分毎に冷却能を制御できるようにする為である。区分の数は限られない。多いと冷却の制御がより精妙にできるが、構造が複雑になる。棒状体の製造上、径にもよるが外径がφ5〜20mmであれば、2〜10程度が好ましく、Tダイの幅方向の孔に挿入し、各層の樹脂粘度を調整することに用いる場合には、Tダイの幅方向の長さにもよるが、Tダイの幅方向の長さが50cm〜1mの場合には区分の数は3から10程度が好ましい。冷却器が3以上の冷却区分を有する場合で通常の方法と構造で製造する場合は外径はφ12mm以上あることが好ましい。
区分するためには、棒状体の軸とは平行でない方向に、例えば軸と略垂直な方向に、隔壁が設けられていて、隔壁で区分された区分内に冷媒の供給路及び又は排出路が開口されていてもよく、隔壁が無い場合には、冷媒の供給路及び又は排出路が区分毎に開口するようにされていてもよい。
棒状体の軸に平行な外側面は冷却に適する様に、金型内の孔の内側面に接することが好ましい。したがって通常筒体の外側面は平滑であることが好ましい。冷却器の表面は熱伝導性グリース等を塗布するかアルミコーティングなどの表面処理をする方がより好ましい。
冷却区分毎に適当な温度に冷却する必要があり、隣の区分に接する被冷却体を不必要に過剰に冷却しない様に、棒状体の軸に平行な外側面の区分と区分の間に熱絶縁材料帯が設けられていることが好ましい。ここに熱絶縁材料とは常温における熱伝導率が10W/(m・K))よりも小さい材料をいう。樹脂やセラミックスが好ましい。例えば菱電化成株式会社の耐熱断熱構造材ミオレックス(登録商標)PMX−573(Sタイプ)、PMX−561(HR−1タイプ)、PMX−562(HR−2タイプ) PGX−595(HGタイプ)は250℃以上の耐熱温度を有し、機械強度が強い上に熱伝導率が0.3W/mKであり、断熱性に優れる。
PMX−573はガラス繊維を強化剤とする高強度タイプ品(〜250℃)であり、PMX−561はホウ酸塩系を結合剤とする耐熱用途向けである。(〜700℃)、PGX−595(HGタイプ)は耐熱性(〜400℃)・機械的強度・寸法安定性等に優れる。したがって、冷却器の使用される温度により使い分けるのが好ましい。
区分毎に適当な温度に冷却するため、冷却器本体の外側面の冷却区分と他の冷却区分との間に同じ内・外径の熱絶縁材料製の筒体を挟んで熱絶縁材料帯を設けてもよいし、冷却器本体の外側面が金属の筒体の場合には区分と区分の間の外側面から一定の厚さ分を減じそこに熱絶縁体層による熱絶縁材料帯を設けてもよい。
熱絶縁材料帯の軸方向の長さ、即ち、幅は、限定されないが、通常、本来熱伝導により冷却するための、熱伝導部の軸方向の長さ、即ち、幅と同じ又は小さい方が好ましい。
区分毎に適当な温度に冷却するため、隣の区分を不必要に過剰に冷却しない様に、冷媒の供給路及び又は排出路が他の区分を通過している際に冷媒により他の区分が冷却されない様に、少なくとも他の区分を通過する冷媒の供給路及び又は排出路には熱絶縁性材料が用いられていることが好ましい。冷媒の供給路及び又は排出路用熱絶縁材料には高耐熱樹脂や、金属製管に熱絶縁材料層が塗布等により形成されていてもよい。
熱絶縁材料としては常温における熱伝導率が10W/(m・K))よりも小さい材料であれば限られない。塗料型のものとしては、ガンマーケミカル株式会社の断熱塗料HSD−20WH、HSD−250H、トラスコ中山株式会社製αステンレスコートスプレー、メーカー品番「ALP−SUS」が例示される。特にHSD−250Hはシリコーン樹脂塗料であって、250℃(MAX300℃)の耐熱性と優れた密着性を有するため好ましい。
区分毎に適当な温度に冷却するため、区分のための隔壁から他の冷却区分に熱が伝導しないように隔壁を熱絶縁材料で形成し又は隔壁が金属等の熱伝導材料の場合には、隔壁に熱伝導層を塗付、積層等にて設けることが好ましい。
棒状体の少なくとも一方の端部には冷媒を棒状体内に送り込む冷媒の供給路及び又は排出路が通じていることが好ましい。少なくとも一方の端部に付設されたアダプタを通じていてもよい。両方の端部であってもよいが孔に挿通して用いるには一方のみの端部であることが好ましい。
一方の端部に冷媒の供給路及び排出路が共に形成されていると、冷却器を金型等に挿通して用いる場合に冷媒の供給、排出のためのアダプタが棒状体の径よりも大きくても許容されるため好ましい。尚、両方の端部を用いる場合には片端を冷媒供給路、他端を排出路に分ければ構造が簡単になり製造も容易となる。冷媒が空気等であって、金型近傍で大気に排出する場合等には好ましい。
区分毎の冷却能は当該区分における冷却能力を調整することによりできる。区分毎に冷却能力を調整するには、例えば冷媒の供給量や温度等を変えることにより調整することができる。
冷媒の供給路及び排出路を通過する冷媒の流量や温度は筒体の端部よりも外に位置する流量弁や冷媒の温調器等にて行うことが、スペース制約上も好ましい。
本発明の冷却器の棒状体の軸に平行な外側面は冷却に適する様に、棒状体の外側面が平滑である場合には、隔壁で区分され、区分毎に冷媒の供給路及び排出路が筒体の端部から連通して設けられ、排出路は区分毎のものが合わさる共通のものであってもよいが、精妙に冷却能を調整するためには、区分内毎に冷媒の供給路が開口しかつ排出路が開口されていることが好ましく、冷却器は前記棒状体の内部が棒状体の軸と略垂直な隔壁により区分され、棒状体の少なくとも一方の端面を通じて冷媒の供給路と排出路が設けられており、各区分内毎に冷媒供給口と冷媒排出口が開口していることが好ましい。
一方本発明の冷却器は、冷却を対象とする金型等に対し、冷媒を冷却器の本体である棒状体の外側面と金型等に設けられた孔の内側面の間の空隙に流すものであってもよい。この場合は冷却器の外側面と金型内の孔の内側面の間に一定の間隙が設けられていることが好ましい。
冷媒を冷却器の本体である棒状体の外側面と金型等に設けられた孔の内側面の間の空隙に流す冷却器には、棒状体の冷却器が挿通される金型等の孔の内側面に沿う形状の外周面を有するリブが棒状体の区分毎に棒状体の外側に突出して設けられ、リブと棒状体と金型等の孔の内側面で形成される空間にてなる区分毎に冷媒が供給、排出されるようになっていることが好ましい。例えば棒状体が丸棒で、リブの外側面が、冷却器が挿通される金型等の孔の径に略等しくなるようにされていればよい。例えばリブとしてリブの外側面が、冷却器が挿通される金型等の孔の径に略等しく内径が丸棒の外径に等しいドーナツ状の円板であるようなものが例示される。
区分毎の冷媒の混合、漏洩を防ぐためにはリブの外側面にオーリングのようなガスケットが付設されていることが好ましい。更に冷媒の漏出を防ぐため、特に金型等に開けられた孔の冷却器の投入口や、孔が貫通孔の場合にはその先の孔から冷媒が漏れないようにシールすることが好ましい。
区分毎に冷媒の供給、排出を行うために、棒状体の一端からそれぞれの区分用の供給路、排出路が貫通して設けられリブ間の棒状体表面に開口が連通して設けられていてもよい。また棒状体の一端からそれぞれの区分用の供給管、排出管がリブを貫通して設けられていてもよい。
各区分毎の冷媒の混合を防ぐためにリブの代わりに、棒状体の外側面が螺子状に形成されているものであってもよく、棒状体の外側面が螺子状に形成されているものはリブが設けられているものよりも一般に強度が強い。
このような棒状体の外側面が螺子状に形成されている冷却器の場合は、金型等内の孔の内側面と棒状体の外側面の螺子山とが接し、螺子状の間隙部となる谷部等を冷媒が螺旋状に回転しながら流れ冷却するので冷却効率が高い。
この場合、区分毎に、螺子の谷部又は山の側面に冷媒の冷却器本体から金型等内の孔の内側面との間隙への流出口と同間隙からの排出口がそれぞれ設けられていることが好ましく、区分と区分の間は、螺子が所定の長さで設けられ冷媒が他区間に流れないようにされていることが好ましく、所定の区間と他の区間との間は螺子山と同じ高さの螺子の無い部分が設けられていてもよく、螺子が軸方向に連続している場合は、区分の間に、柔軟な材料にてなるオーリング等で螺子の凹部が埋められ、他の区分の冷媒との混合が防がれるようになっていてもよい。
螺子の山部と谷部の長さの比、螺子のピッチ、山の高さは特に限定は無く、冷媒が間隙を通過する際の流速、抜熱量、加工の容易性、強度、冷却器の挿通、抜去のし易さ等を勘案して適宜決めることができる。
冷却器は通常被冷却体に予め設けられた孔に挿通されて用いられるが、被冷却体が柔らかければ、冷却器を挿入して埋入させてもよい。被冷却体が有孔固体でない場合は、冷却器が被冷却体に挿入されるので、冷媒は閉ループであるか被冷却体の外部で排出することが好ましい。冷媒が、例えば空気の様に安全な場合、被冷却体が有孔固体でない、例えば空間のような場合には冷媒の排出は被冷却体内であってもよい。
本発明における金型は、加熱下で成形する金型であって、被加工材料は限定されないが主として熱可塑樹脂、熱硬化樹脂の成形用金型が好ましく、樹脂を加熱下成形するために用いられる金型が好ましく、更にフィルム(シートを含む)の、即ちフィルム又はシート成形用の金型が好ましい。本発明の冷却器を挿通する孔が、設けられており、孔中に本発明の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより区分毎にその近傍の金型の温度が調整される。金型は外部・内部から外部加熱、内部加熱により、加熱されるが、所定の部分の金型内温度を冷却器の挿入方向に所定の温度に調整したい場合に好適に用いることができる。
型に穿孔される孔の方向は特に限定されず、樹脂流路に対し垂直又は斜め方向であってもよい。必要な個所に、冷却器が複数で密度が高くてもよく、設けられた孔中に冷却器を挿通しての軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより区分毎にその近傍の金型の温度が調整される。
本発明における樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型は、金型の幅方向、即ちダイリップと平行な方向に、樹脂流の近傍部に孔が、必要な樹脂流路の近傍に、設けられており、孔中に請求項1乃至4のいずれかに記載の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型の温度を調整する金型である。樹脂流路の近傍に冷却器がT字ダイの端部から設けられた孔に挿通され、樹脂流路におけるT字ダイの幅方向における樹脂流路近傍の金型温度を、上記区分毎に、冷却し温度調整することで当該部分の樹脂流量を調整して、幅方向に一定の厚みの多層フィルム又はシートを得ることができる。尚本発明においてはT字ダイとはフィードブロック部分をも含むものとする。
本発明における樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型は、金型の幅方向に、樹脂の流路の内壁の近傍に複数の孔が設けられており、複数の孔の少なくとも一の孔には請求項1乃至4のいずれかに記載の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型内の樹脂流路の温度を調整する金型である。尚本発明においてはT字ダイにはフィードブロック部分を含むものとする。
樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型の複数の孔の少なくとも一の孔には棒状のカートリッジヒーターが挿入されていてもよい。温度調整がより迅速に精妙に行える場合があるからである。カートリッジヒーターは、筒状のヒーターであって、長さ方向に区分されていて多区分のものであっても、区分されておらず一区分のものでもよいが、組み合わせとしては装置が安価なため、区分されていないカートリッジヒーターでもよい。
カートリッジヒーターと、本冷却器の、各樹脂流路の流れ方向における配置はいずれが樹脂流の上流側であってもよいが、下流側は合流部の直前の為、より効果を発揮する為に樹脂流路の上流側に冷却器を配置する方が好ましい。
本発明における樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型は、金型の幅方向に、各樹脂の流路の内壁の近傍に複数の孔が設けられており、複数の孔の少なくとも一の孔には本発明の一の冷却器が挿入され、他の孔には本発明の他の冷却器が挿入され、一の冷却器の冷却部と、他の冷却器の熱絶縁部、とが対向するように配置され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型内の樹脂流路の温度を調整する金型である。
本発明のフィルム又はシートの製造方法は、本発明の冷却器を用いたT字金型を用いてフィルム又はシートを製造することを特徴とする樹脂多層フィルム又はシートの製造方法である。
尚、金型の冷却に限らず、本発明の冷却器の広い用途においては、冷却器とともに通常用いられるヒーターを併用してもよいが、カートリッジヒーターを併用してもよい。冷却器とカートリッジヒーターは近接して平行に配置されていてもよい。温度制御がより迅速かつ精妙に行える場合があるからである。この場合、冷却器とカートリッジヒーターは近接して平行に配置されていてもよい
請求項1に記載の冷却器は、冷媒により冷却する棒状の冷却器であって、筒体の軸方向に冷却器が区分され、筒体の少なくとも一方の端面を通じて、各区分毎に冷却能が調整された冷媒の供給と排出がされるので、構造が簡単で、その長さ方向に区分された冷却能を効率よく発揮することができる。したがって金型等に設けられた孔に挿通されて使用されれば、その長さ方向に区分された冷却能を発揮し、簡易な装置で効率よく迅速に金型内の温度を調整することができる。金型の内部温度の調整に用いた場合には、従来技術では内部ディッケル装着時にチョークバーを操作することは構造上無理な為、本発明の冷却器で温度コントロールすることで、従来のチョークバー操作が不要になる。
請求項2に記載の冷却器は前記筒体の内部が筒体の軸と略垂直な隔壁により区分され、筒体の少なくとも一方の端面を通じて冷媒の供給路と排出路が設けられており、各区分内毎に冷媒供給口と冷媒排出口が開口していることを特徴とする請求項1記載の冷却器であるので、構造が簡単で強度が高く、その長さ方向に区分された冷却能を効率よく迅速に発揮することができる。
請求項3に記載の冷却器は棒状体の外側面に前記区分の端部毎に棒状体を取り巻く一定高さのリブが設けられており、リブとリブの間の各区分毎に冷媒の供給口と排気口が開口している請求項1記載の冷却器であるので構造が簡単で製造が容易で、その長さ方向に区分された冷却能を効率よく迅速に発揮することができる。
請求項4に記載の冷却器は棒状体の外側面が螺子状に形成されており、螺子の谷部又は山部の側面に冷媒の供給口と排気口が開口し、棒状体の内部に冷媒を供給する供給管及び又は冷媒を排出する排出管が棒状体の端面から前記開口とを結んで通じている請求項1記載の冷却器であるので、金型等に設けられた孔に挿通されて使用されれば、金型等の孔の内側面に直接冷媒が接するので、その長さ方向に区分された優れた冷却能を発揮し、強度が高く、簡易な装置で冷却効率よく迅速に金型内の温度を調整することができる。
請求項5に記載の冷却器は、区分毎の冷却媒体の通る供給路及び又は排出路に、常温における熱伝導率が10W/(m・K))よりも小さい熱絶縁性材料が用いられているので、冷媒が他の区分を通過している際に冷媒により他の区分が冷却され難いので、区分毎に冷却がより効率的正確にできる。
請求項6に記載の冷却器は、区分と区分の間に、常温における熱伝導率が10W/(m・K))よりも小さい熱絶縁性材料にてなる熱絶縁材料帯が設けられているので、他の区分が冷却され難いので、区分毎に冷却がより効率的に正確にできる。




請求項7に記載の金型はフィルム又はシート成形用の金型であって孔が設けられており、孔中に請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型の温度を調整することができる。
請求項8に記載の多層フィルム又はシート成形用のT字金型は、金型の幅方向に孔が設けられており、孔中に請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型の温度を調整する多層フィルム又はシート成形用のT字金型であるので、金型内部の温度管理が迅速に行える。
請求項9に記載の樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型は、金型の幅方向に、樹脂の流路の内壁の近傍に複数の孔が設けられており、複数の孔の少なくとも一の孔には請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型内の樹脂流路の温度を調整する金型であるので、樹脂流路の温度を迅速に冷却して温度を調整できるので、当該樹脂の金型の幅方向の厚みを迅速に調整できる。
請求項10に記載の樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型は、金型の幅方向に、各樹脂の流路の内壁の近傍に複数の孔が設けられており、複数の孔の少なくとも一の孔には請求項6記載の一の冷却器が挿入され、他の孔には請求項6記載の他の冷却器が挿入され、一の冷却器の冷却部と他の冷却器の熱絶縁部が対向するように配置され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型内の樹脂流路の温度を調整する金型であるので、樹脂の特定の流路につき、特定の近接する複数の区分のみをより迅速に冷却でき、当該樹脂の金型の幅方向の特定区分領域の厚みを迅速により正確に調整できる。
請求項11に記載のフィルム又はシートの製造方法は、請求項8乃至10に記載のT字金型を用いてフィルム又はシートを製造することを特徴とする樹脂多層フィルム又はシートの製造方法であるので、膜厚の調整が迅速で効率良く生産できる。
実施例1の冷却器の模式的な説明図である。 実施例1の冷却器の模式的な組み立て図である。図2(a)は組み立て後の、冷却器を透視した模式図である。図2(b)は筒体および先端部である。図2(c)は中央部を構成する部分である。図2(d)は根元部を構成する部分である。図2(e)は接続するパーツである。図2(f)は供給管と排出管である。 実施例2の冷却器の模式的な外観斜視図である。 実施例2の冷却器の各区分の断面図である。 実施例2における冷却器のアダプタから最も近い区分の断面図であって、符号を付して説明するものである。 実施例3における冷却器の模式的断面図である。 実施例4における冷却器の断面図である。 実施例4の冷却器性能評価用試験金型の模式的外観図である。 実施例4の冷却器を試験金型に挿通した外観の模式図である。 実施例4の冷却器を試験金型に挿通した断面図である。 試験金型の温度測定等に用いる孔部の中心軸に垂直な面における模式的断面図である。 2流体ノズルによる噴霧ユニットの断面図である。 実施例4の冷却器による冷却実験5における試験金型の温度チャートである。 実施例5の冷却器の模式的外観図である。 実施例5の冷却器の第1冷却区分の断面図である。 実施例5の冷却器の第1第1熱絶縁材製区分の断面図である。 実施例5の冷却器を試験金型に挿通した外観の模式図である。 実施例5の冷却器を試験金型に挿通した状態における断面図である。 実施例5の冷却器による冷却実験7における試験金型の温度チャートである。 三層フィルムの押出成形用T字金型の断面図である。 実施例7すなわち実施例5の冷却器を実施例6のT字金型に挿通した外観の模式図である。 実施例7におけるファイルムの厚みの幅方向の測定位置である。 実施例7における冷却実験9の温度チャートである。 実施例7における冷却実験9の幅方向における冷却前の膜厚分布を示す図である。 実施例7における冷却実験9の幅方向における冷却後の膜厚分布を示す図であ る。
以下、本発明の実施例を挙げて本発明を更に説明する。
図1に区分毎に冷媒の供給口と排気口を有する冷却器の1例を示す。図1は発明を理解しやすくするための模式図である。図表示上アスペクト比を小さくしている。
冷却器1は、本体が断面形状が円で両端面を有するステンレス製の内部が空洞筒状の棒状体であって、その軸に垂直な隔壁26、27により軸方向に11、12、13の三つの区分に分けられている。
一方の端面29から、冷媒供給管14、15、16、冷媒排出管17、18、19が必要な隔壁を貫通して挿通されており、各冷媒供給管、各冷媒排出管の先端付近には開口20、21、22、23、24、25が設けられており、各々の区分毎内にて冷媒が供給及び排出されるようになっている。冷媒供給管から噴き出す冷媒には空洞壁面に沿って旋回するように供給管の先端形状が傾斜したものであることが好ましい。
冷媒供給管14、15、16は延長されて冷媒の外部接続用供給管30、31、32となり、更にそれぞれ異なる冷媒供給ライン(図示せず)に接続されており個別に冷媒の温度や流量が調整されるようになっている。冷媒供給ラインは圧縮機、アキュムレーター、冷媒温度調整冷却器、圧力調整弁、流量調整弁等で構成されており、冷媒の温度、流量、圧力等が調整されて冷媒供給管に供給される。
冷媒供給ラインは、区分毎に冷却能が調整されうればよいため、最後の流量調整弁や圧力調整弁以前は共通のもが用いられていてもよい。
また冷媒排出管17、18、19は延長されて冷媒の外部接続用排出管34、35、36、となり、更にそれぞれ異なる冷媒排出ライン(図示せず)に接続されている。冷媒は循環使用されるために先の冷媒供給ラインと接続され、温まった冷媒が再度冷やされて用いられる閉じたループを形成している。
ただ冷媒が空気や水のような安全なものの場合は、排出部で直接大気中に放出する等、安全なところで開放されるようになっていてもよい。
本冷却器は金型等の、棒状体の外径より僅かに大きな孔に、冷却器の首元まで深く挿通されて金型の内部を区分毎に冷却能を変えて冷却するのに好適に用いられる。
図2は図1の冷却器の模式的組み立て図である。図2(a)は組み立て後の冷却器を透視した模式図である。図2(b)は棒状体の筒胴体および先端部であり、先端面が閉じた棒状体筒部の先端部に、熱伝導率を他の区分と合わせるために一定の肉厚の内筒が内装されている。図2(b)の中に入れ子式に図2(c)の中央部を構成する部分が入れられる。図2(c)の中に入れ子式に図2(d)の根元部を構成する部分が入れられる。
それぞれの、隔壁を構成する部分には冷媒の供給管、排出管が密接に接して貫通する孔が開けられている。
図2(e)は冷媒の供給管、排出管が貫通する孔が開けられている先端部、中央部、根元部をそれぞれ接続固着するパーツである。
図2(f)は供給管と排出管であり、それぞれの冷却器内に挿通される先端近辺には冷媒の供給口、あるいは排出口が開口されており、図2(e)の接続パーツを介して、供給口又は排出口が必要な位置まで挿通される。
又各冷媒供給管は、個別に、冷却能が調整された冷媒が供給されるようそれぞれの冷媒供給ラインに接続されている。
又各冷媒排出管は、個別に、それぞれの冷媒供給ラインに接続されている。
尚、図1、図2では分かりやすくするために一平面上に、各、供給管と排出管が存する様に描かれているが、実際には各管は棒状体の中心軸から60度ずつずらされて、他の管と干渉しないように組み立てることができ、同区分の供給管と排出管は筒体の中心から180度の位置で対向している。
図3は、外側面に螺子状の凹凸が設けられた丸棒状の本体50と、冷媒の供給路、排出路を接続するための略六角ボルト板状アダプタ53にて構成されている冷却器の斜視図である。丸棒状本体はステンレス製で外径はφ12mmで長さは300mmである。アダプタ53は本体50と気密的に密着固定接続されている。
区分と区分の間には、棒状体の軸に垂直な平面と棒状体外側面との交わる部分に半円形の断面の溝52、52'が棒状体を一周して設けられており、金型に本冷却器を挿通する場合にこの部分にオーリングを嵌めて区分間の冷媒の混交を防ぐようにされている。
図4は実施例2の断面図である。図4(a)は棒状体に冷媒の入出をするために付されているアダプタ53から最も近い区分に対する供給路と排出路を含み棒状体の中心軸を含む平面でとらえた冷却器の断面図である。図4(b)は棒状体に冷媒の入出をするために付されているアダプタ53から二番目に近い区分に対する供給路と排出路を含み棒状体の中心軸を含む平面でとらえた冷却器の断面図である。図4(c)は棒状体に冷媒の入出をするために付されているアダプタ53から三番目の区分に対する供給路と排出路を含み棒状体の中心軸を含む平面でとらえた冷却器の断面図である。
図5は図4(a)につき符号を付して説明するための図である。図4(b)と図4(c)に示す区分については図4(a)の区分と位置が異なるものの類似する構造であるため、図3、及び図5を用いて、アダプタから最も近い区分を代表として構造と機能につき以下説明する。
本実施例2の冷却器は断面が円の直な棒材にてなる中実な棒状体50の外側面に螺子状に溝51が形成されており、棒状体の内部に冷媒を供給する冷媒供給路70及び冷媒を排出する冷媒排出路71が棒状体50に付設されたアダプタ53をも貫通して穿孔されて形成されている。冷媒供給路70は当該区分の螺子の谷部にてなる溝部に開口72するように連通して穿孔されている。同様に、冷媒排出路71は当該区分の螺子の谷部にてなる溝部51に開口73するように連通して穿孔されている。
アダプタ53を貫通して冷媒供給路70はアダプタの正面に開口64しており、同様にアダプタ53を貫通して冷媒排出路71はアダプタの正面に開口67している。
アダプタ側面には冷媒供給路70と連通し、開口54する孔が穿孔されており、開口54内には冷媒供給ラインから冷媒の供給を受けるために供給管と接続用の螺子が切られている。
同様にアダプタの反対側の側面には冷媒排出路71と連通し、開口57する孔が穿孔されており、開口57内には冷媒排出ラインに冷媒を排出するための排出管との接続用の螺子が切られている。アダプタの正面の開口64、および開口67は、主に穿孔による冷媒供給路、冷媒排出路を製造するための孔であるため、製造時の穿孔後は冷媒が漏れない様密封封止されている。
本実施例では冷却の区分の数は3であり、各路は筒体の中心から60度ずつずらされて、他の路と干渉しないようにされており、同区分に開口する冷媒供給路と冷媒排出路は筒体の中心から180度の位置に対向して設けられている。
略六角板状アダプタの側面にて接続することにしたのは、本例では3区分で各区分毎に冷媒供給路と冷媒排出路とを要するからであり、金型等の孔への挿通、抜去の場合に棒状体の軸方向に力がかかるためその折に損傷しないようにする、又、構造を簡易にするためである。
実施例2の冷却器は、本体である棒状体より僅かに大きい径の金型等に穿孔した孔に挿通して用いられ、冷媒は区分毎に孔の内側面と棒状体の溝間を流動し、区分毎に、金型から効率的に抜熱し、金型の各区分に接する部分の温度を調節することができる。
図6は金属丸棒81にリブ82を付設した実施例3の冷却器の模式図である。リブとして、外側面が、冷却器が挿通される金型等の孔の径に略等しく内径が丸棒の外径に等しいドーナツ状の円板を用いたものである。丸棒とドーナツ状の円板とは溶接して接続している。
本例では図示を簡略にするため区分の数を3にしている。丸棒81の片端にアダプタ83が密着固定接続されている。
アダプタ83を介して冷媒が区分毎に供給、排出される。それぞれの区分用の供給路84が丸棒81とアダプタ83中を丸棒の軸に平行して貫通して設けられ、リブ間の丸棒表面に開けられた開口から各区分に供給される。図では供給路84は便宜上同一平面にあるように表しているが、実際は丸棒の軸に対しそれぞれの供給路の角度をたがえ供給路は交錯しないようにされている。区分毎に冷媒の混合、漏洩を防ぐためリブの外側面にオーリング86が付設されている。冷媒供給路から噴き出す冷媒には冷却器が挿通される金型等の孔の壁面に沿って旋回するように供給路の先端は傾斜したものであることが好ましい。
冷媒の排出のためにはアダプタ83を介して排出管85がそれぞれの区分毎に開口しており区間内の冷媒が排出される。本例では排出管はリブを貫通して通されている。
アダプタ内で冷却器の外部にある冷媒供給ライン(図示せず)からの外部冷媒供給管87、87、87が接続されている。同様にアダプタ内で冷却器の外部にある冷媒排出ライン(図示せず)からの外部冷媒排出管88、88、88が接続されている。
冷媒は各区分毎に冷却能が冷媒供給ライン(図示せず)により、個別に制御されて供給される。
実施例3の冷却器は、リブの外側面より僅かに大きい径の金型等に設けられた孔に挿通して用いられ、冷媒は区分毎にリブで仕切られた金型等の孔の内側面と棒状体の外側面間を流動し、区分毎に、金型から効率的に抜熱し、金型の各区分に接する部分の温度を調節することができる。
図7に実施例4の冷却器110の断面図を示す。中実丸棒状体111の中心軸と第1冷却区分115への冷媒供給路119と、第1冷却区分からの冷媒排出路120を含む断面図である。
外径φ11mmのSUS304製の中実丸棒状体111を加工し、図の左端から冷媒注入用の六角ボルトの頭状のアダプタ113が設けられ、冷却媒体供給部114、第1冷却区分115、第2冷却区分116、第3冷却区分117、排出部118がこの順に形成されており、全長375mmである。冷却区分はアダプタに近い側から第1冷却区分、第2冷却区分、第3冷却区分と、各100mm長さの隣接する3区分にて形成されている。中実丸棒状体の軸に平行に各冷却区分用に3本のそれぞれφ2.5mmの冷媒の冷媒供給路と3本のφ2.5mmの冷媒排出路が穿孔により形成されている。各供給路、排出路は中実丸棒状体の中心軸に対しそれぞれ120度回転した位置に設けられている。
各冷却区分はSUS304製の外径φ12mm肉厚0.5mm長さ300mmの外筒125で覆われている。各冷却区分は外径がφ9mmになるように切削され棒状体の外側面と外筒の内側面との間隙を冷却媒体が通過できるようにされている。中実丸棒状体には、第1冷却区分の開始点と第3冷却区分の終了部及び各冷却区分の境界にはオーリング用の溝121が設けられ、各溝にフッ素エラストマー製オーリング122が配設され各冷却区分から冷却媒体が漏出、混合しないようにされている。
アダプタから棒状体の軸に平行に設けられた各冷媒供給路は各冷却区分の開始点近くで略直角に曲がり、棒状体の外側面に向かい棒状体の外側面に開口123している。一方各冷却区分の終了点近傍の棒状体の外側面に設けられた排出路の開口124から続く冷媒排出路は略棒状体の外側面と略垂直に中心方向に向けてはいった後、棒状体の軸方向に平行に排出部に向けて棒状体内を形成されており、各排出路は排出部で大気中に開口し、冷媒が排出されるようになっている。
したがって各冷却媒体は独立してアダプタに供給された後、中実丸棒状体111中の冷媒供給路を通り、各冷却区分内で中実棒状体111の外側面と外筒125の内側面との間隙を流れ、中実丸棒状体中の冷媒排出路を通り、排出部で大気中に排出される。
実施例4冷却器の性能評価用に試験金型130を製作した。模式的外観を図8に示す。
試験金型130は、外径φ65mm長さ300mmの円柱状体131でSCM440鋼製にてなり、円柱の中心軸を中心とする約φ12mmの内径の冷却器挿通用貫通孔138を有する。試験金型には金型の温調用及び金型の冷却器近傍の温度測定のための孔132、133、134が、円柱の一の端面から50mm、150mm、250mmの位置の3か所に、円柱の中心軸に対し垂直に一列状に設けられている。図9に示す様にその金型の外側面に接して、半円筒薄板状で長さが100mmのバンドヒーター139が合わさり金型を覆い、長さ方向に3組並んで取り付けられている。上記温調用の孔にあたるヒーターにも相当の位置に貫通孔が設けられている。上記孔に金型の温調用の温調用熱電対が熱電対ホルダ140にとりつけられており、すなわち温調点数は3点である。一方近傍に設けられた深部測温用孔135、136、137には測温(データ取)用熱電対が挿通されている。
それぞれのバンドヒーターは独立に温度制御できるようにされている。各ゾーンのヒーターの定格はそれぞれ220V×500Wである。
図9に試験金型130に実施例4の冷却器110を挿通した外観の模試図を示す。アダプタ側から見た図である。図10に試験金型130に実施例4の冷却器110を挿通した断面図を示す。
図10は中実丸棒状体111の中心軸と第1冷却区分115への冷媒供給路119と、第1冷却区分115からの冷媒排出路120を含む断面図である。試験金型130の第1ゾーンに実施例4の冷却器110の第1冷却区分115が収納され、第2ゾーンに第2冷却区分116が収納され、第3ゾーンに第3冷却区分117が収納されている。
図11に試験金型の温度測定等に用いる孔部の中心軸に垂直な面における断面図を示す。
温調用熱電対は金型表面近くに設置し、データ採取用熱電対は内部冷却管表面近くまで挿入されている。
冷媒には、図12の2流体ノズルを用いて空気または、空気と水の混合体を用いた。図12の2流体ノズルは水と空気から混合気を製造し噴霧することができる。
図12に示す2流体ノズルは株式会社いけうち製SETJetシリーズ「SETO2220S303+TS303」を組み込んだ噴霧ユニットである。同噴霧ユニットから冷却器のアダプタに冷媒を供給した。噴霧ユニットの仕様はエア圧0.3MPaにおいて最大空気消費量290L/min、噴霧量は液圧0MPaのとき26L/hr、液圧0.05MPaのとき111L/hrである。
2流体ノズルの気体取り入れ口には、流量計と圧力計を取り付けたコンプレッサーからの所定の流量、圧力の圧縮空気を送る様にした。一方2流体ノズルの液体取り入れ口には流量計と流量制御弁を経由した所定流量の水(水温18℃)を水道圧にて送りこむ様にした。
金型の第1ゾーン、第2ゾーン、第3ゾーンの温度を200℃に設定し、各ゾーンのバンドヒーターへの温調用電力を自動制御装置で行い、それぞれの電力量を計測、記録した。以下冷却実験1〜5までをこの順に実験した。
(冷却実験1)
第2冷却区分にのみ空気を5L/min送った。第2ゾーンの温度が約40秒で4.0℃下がり、約90秒後に温度が冷却開始以前の状態に戻った。この間第2ゾーンのヒーターの操作量は空気送気前の10%から急激に100%近くまで上がりその後急激に0%まで下がった。なお、第1ゾーン、第3ゾーンも2.5℃下がったが、ヒーターの操作量は30〜40%上昇後10数%に下降した。本発明の冷却器が急速な部分的金型の冷却に効果を有することが示された。
(冷却実験2)
第2冷却区分にのみ空気を10L/min送った以外は冷却実験1と同様に行った。第2ゾーンの温度低下は1.9℃であった。
(冷却実験3)
第2冷却区分にのみ空気を20L/min送った以外は冷却実験1と同様に行った。第2ゾーンの温度低下は4.2℃であった。
(冷却実験4)
第2冷却区分にのみ空気を10L/min、水50mL/minによる混合流体を送った以外は冷却実験1と同様に行った。第2ゾーンの温度低下は7.0℃であった。
(冷却実験5)
第1冷却区分にのみ空気を20L/min、水を50mL/minによる混合流体を送った以外は冷却実験1と同様に行った。第1ゾーンの温度低下は9℃であった。温度変化を図13に示す。第2ゾーンの温度低下は6℃、第3ゾーンの温度低下は2℃であった。
図13において、横軸は時刻、縦軸はゾーン毎の温度を示す。TC1は第1ゾーンの金型温度、TC2は第2ゾーンの金型温度、TC3は第3ゾーンの金型温度を示す。
実施例4の冷却器の評価の結果、冷媒を供給した冷却区分は急速に冷却され、迅速な冷却効果の大きいことが証明されたが、他の冷却区分における温度も下がっており、冷却区分間の温度の独立性を高めることが好ましい。このため断熱材を用いた冷却器を新たに検討し試作、評価した。
図14に実施例5の冷却器150の模式的外観図を示す。実施例5の冷却器150は実施例1と同様に棒状体の内部が空洞であって空洞が棒状体の軸方向と略垂直な隔壁により区分され、棒状体の少なくとも一方の端面を通じて冷媒の供給路と排出路が設けられており、各冷却区分内毎に冷媒供給口と冷媒排出口が開口している冷却器であって、3つの冷却区分を有し、その後に熱絶縁材層を設けた合計6区分にてなり、冷媒が一方の端部にあるアダプタを介して供給され、他端から排出部を介して冷媒が直接大気中に排出される冷却器である。
図14の左から3つの冷媒供給口を有する冷媒を導入する60mm長のアダプタ153、320mm長の冷媒供給管露出部154、各3の冷却区分とその後の熱絶縁部にてなる600mm長の冷却部分155、320mm長の冷媒排出管露出部156、20mm長の排出部157にてなり、計1320mm長さである。
3本の外径φ3mm厚さ0.5mmのSUS製冷媒供給管164、165、166がアダプタ153を介して外部の冷媒供給システムに接続されている。3本の外径φ3mm厚さ0.5mmのSUS製冷媒排出管167、168、169が排出部に通じ、排出部157を介して冷媒が排出される。冷媒供給管164、冷媒排出管167と、冷媒供給管165、排出管168、冷媒供給管166、冷媒排出管169と、とは冷却器の中心軸に対し、120度の位置に位置しそれぞれ、接触しない様に配置されている。各冷媒供給管、冷媒排出管の外側面には、断熱材としてトラスコ社製αステンレスコートスプレー「ALP−SUS」が塗付、乾燥され乾燥膜厚が約40μm厚に形成されている。
図15に第1冷却区分の断面矢視図を示す。アダプタ153に近い側に第1冷却区分170が設けられており、第1冷却区分の外壁となる円筒180は100mm長、外径φ12mm内径φ10mmの黄銅製である。第1冷却区分170用に第1冷媒供給管164が第1の冷却区分の円筒内の空洞内に開口し、冷媒が第1冷却区分内の空洞部に充満し、第1の冷却区分内に開口した第1冷媒排出管167により冷媒は第1熱絶縁材製区分等の他の区分内を貫通して排出部を介して排出される。他に第2、第3の冷媒供給管165、166が第1冷却区分内を貫通して通過している。本図はそもそも、軸に平行で、第1第1冷媒供給管164と第1冷媒排出管167を通る断面矢視図であり、第2、第3の冷媒供給管165、166のいずれかが見えている状態を表す。
第1冷却区分170の円筒のアダプタ側の上底を成す底面には3本の冷媒供給管を通す部分に孔を開けた黄銅製の外径φ10mm、厚さ5mmの隔壁用円板176が黄銅製筒内に挿入、封止、固定されている。同じく第1冷却区分の円筒の排出部側の下底を成す底面には2本の冷媒供給管と1本の冷媒排出管を通す部分に孔を開けた黄銅製の外径φ10mm、厚さ5mmの円板177が黄銅製筒内に挿入、封止、固定されている。
第1冷却区分に隣接する下流側の区分は第1熱絶縁材製区分171であって100mm長、外径φ12mmのミオレックス(登録商標)(PMX−561)製丸棒178で構成されている。第1熱絶縁材製区分には第2、第3冷媒供給管、第1冷媒排出管を貫通して通す孔が開けられており、各供給管、排出管が貫通して通されている。これらの管路以外には空洞部は有さない。第1熱絶縁材製区分を成すミオレックス(登録商標)(PMX−561)製丸棒の底面と第1冷却区分の黄銅製の円板177とは接着剤で接着固定されている。図16にその断面図を示す。
第1熱絶縁材区分171の下流側に隣接して第2冷却区分172が設けられている。外壁となる円筒は100mm長、外径φ12mmの黄銅製である。第2冷却区分用に第2冷媒供給管が第2の冷却区分の円筒内の空洞内に開口し、冷媒が、第2冷却区分内の空洞部に充満し、第2の冷却区分内に開口した第2冷媒排出管により冷媒は第2熱絶縁材製区分等の他の区分内を貫通して排出部を介して排出される。他に第3の冷媒供給管及び第1の冷媒排出管が第2冷却区分内を貫通して通過している。
第2冷却区分の円筒のアダプタ側の上底には2本の冷媒供給管を通す部分に孔を開けた黄銅製の外径φ10mm、厚さ5mmの円板が黄銅製筒内に挿入、封止、固定されている。同じく第2冷却区分の円筒の排出部側の下底には1本の冷媒供給管と2本の冷媒排出管を通す部分に孔を開けた黄銅製の外径φ10mm、厚さ5mmの円板が黄銅製筒内に挿入、封止、固定されている。
第2冷却区分に隣接する下流側の区分は第2熱絶縁材製区分173であって100mm長、外径φ12mmのミオレックス(登録商標)製丸棒で構成されている。第2熱絶縁材製区分には第3冷媒供給管、第1、第2冷媒排出管を貫通して通す孔が開けられており、各供給管、排出管が貫通して通されている。これらの管路以外には空洞部は有さない。第2熱絶縁材製区分を成すミオレックス(登録商標)(PMX−561)製丸棒の底面と第2冷却区分の黄銅製の円板とは接着剤で接着固定されている。
第2熱絶縁材区分の下流側に隣接して第3冷却区分174が設けられている。外壁となる円筒は100mm長、外径φ12mmの黄銅製である。第3冷却区分用に第3冷媒供給管が第3の冷却区分の円筒内の空洞内に開口し、冷媒が、第3冷却区分内の空洞部に充満し、第3の冷却区分内に開口した第3冷媒排出管により冷媒は第3熱絶縁材製区分を貫通して排出部を介して排出される。他に第1、第2の冷媒排出管が第2冷却区分内を貫通して通過している。
第3冷却区分の円筒のアダプタ側の上底には1本の冷媒供給管と2本の排出管を通す部分に孔を開けた黄銅製の外径φ10mm、厚さ5mmの円板が黄銅製筒内に挿入、封止、固定されている。同じく第3冷却区分の円筒の排出部側の下底には3本の冷媒排出管を通す部分に孔を開けた黄銅製の外径φ10mm、厚さ5mmの円板が黄銅製筒内に挿入、封止、固定されている。
第3冷却区分に隣接する下流側の区分は第3熱絶縁材製区分175であって100mm長、外径φ12mmのミオレックス(登録商標)(PMX−561)製丸棒で構成されている。第3熱絶縁材製区分には第1、第2、第3冷媒排出管を貫通して通す孔が開けられており、各排出管が貫通して通されている。これらの管路以外には空洞部は有さない。第3熱絶縁材製区分を成すミオレックス(登録商標)(PMX−561)製丸棒の底面と第3冷却区分の黄銅製の円板とは接着剤で接着固定されている。
実施例5の冷却器の性能評価は、実施例4に用いた試験金型130を用い実施例4と同様に行った。
図17に試験金型に冷却器を挿通した外観の模式図を示す。実施例5の冷却器150が試験金型130に挿通されている。
実施例5の冷却器は冷却区分と熱絶縁材区分を合わせた長さが600mmあり、試験金型は300mm長さのため冷却器の冷却区分と熱絶縁材区分を合わせた冷却部の後端の一部分を試験金型に挿通して配置した。
図18に実施例5の冷却器が試験金型に挿通された状態における冷却器の中心軸に平行な断面図を示す。試験金型130の第1ゾーンには実施例5の冷却器150の第2熱絶縁材製区分173が、第2ゾーンには、第3冷却区分174が、第3ゾーンには第3熱絶縁材製区分175が収容されている。
(冷却実験6)
第3冷却区分174にのみ空気20L/min、水50mL/minの混合気体を送った以外は上記冷却実験と同様の方法にて行った。第2ゾーンの温度低下は約30秒間に15℃であった。第1、第3ゾーンの温度低下は略同時間で約6℃であった。温度変化を図19に示す。
図19において、横軸は時刻、縦軸はゾーン毎の温度を示す。TC1は第2熱絶縁材製区分173収容部の金型温度、TC2は第3冷却区分174収容部の金型温度、TC3は第3熱絶縁材製区分175収容部の金型温度を示す。断熱材による独立した冷却の効果が認められた。
図20に、三層フィルム又はシートの押出成形用T字金型90の断面図を示す。
三層フィルム又はシートの押出成形用T字金型90は600mm幅のT字金型の幅方向に、各樹脂の流路の整流部の内壁の近傍にT字金型の両端面を結び貫通した各2個の対となる略直径12mmの孔97、98、99、100、101、102が設けられている。
上流側の孔97、99、101には両端面からそれぞれ実施例2の冷却器が挿通され、孔98、100、102には両端面からそれぞれ直径12mm長さ300mmの棒状のカートリッジヒーターが挿通されており、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型内の樹脂流路の温度を調整する樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型の樹脂流路に垂直な平面における断面図である。
Tダイ90には外部に外部ヒーター(図示せず)で覆われて加熱されているが、ダイ内部の各樹脂層に対してはカートリッジヒーターで通過する樹脂による金型の冷却を防ぎ温度を保持してもよい。この場合カートリッジヒーターは一つのヒーターが内蔵されており、一定の温度を保つ。これに対しカートリッジヒーターと対をなす冷却器で区分毎に冷却能を調整できるため、フィルムを形成する樹脂層の幅方向の温度分布を迅速に制御することにより、樹脂フィルムの幅方向の各層の厚みを均一に保つ制御を簡易に効率よく迅速に行うことができる。
尚冷却器の冷却区分と同じ区分で温度調節が可能なカートリッジヒーターを近傍の孔に挿通して合わせて使用すれば、金型の幅方向の温度コントロール精度が上がり好ましい。例えば、冷却しているゾーンの影響を受けて温度が下がってしまった近接するゾーンを部分的に加熱して温度が下がらないようにする等もすることができる。
このため、製造立ち上げ時の効率が高まり、多層フィルム又はシートを生産効率良く厚み精度よく製造することができる。
尚、本金型には内部ディッケル装置が付設されており、金型の両端面から樹脂流路に内部ディッケルが任意の位置に挿入可能にされているが、本発明では冷却器で温度コントロールすることができるため、従来のチョークバー操作が不要である。
実施例5の冷却器2本と実施例6の三層フィルム用の押出成形用T字金型90を用いて三層フィルムを試作し、中間層又は表層の幅方向の一部を冷却することにより、フィルムの各層の厚みが変化するか確認し、冷却効果を実験にて検証した。
三層フィルム又はシートの押出成形用T字金型90は600mm幅のものを用いた。三層のうち中間層の冷却用には図20の孔99、100に、実施例5の冷却器150の1本をT字金型の左から、他の1本をT字金型の右から挿通した。図21にその配置を示す。それぞれの冷却器のアダプタを経て冷却媒体が供給されるようになっている。実施例5の一の冷却器の冷却区分と他の冷却区の熱絶縁材区分が対向するように配置されている。このように配置したのは、図中丸数字1〜5の冷却区分にて金型が幅方向に連続して冷却できるためである。T字金型90は600幅の金型のため、実施例5の冷却器の冷却区分と熱絶縁区分が金型中に収容される。図21では図示していないが、孔99と孔100の中間に、中間層用樹脂流路近傍の金型温の測温用に幅方向3分割熱電対束が左右両側から挿入され配置されている。熱電対は図中図中丸数字1とaの間のT7、図中丸数字2とbの間のT8、図中丸数字3とcの間のT9、図中丸数字4とdの間のT6、図中丸数字5とeの間のT5、図中丸数字6とfの間のT4に置かれそれぞれ、T4〜T9を測温するようにされている。以下図21の図中丸数字1側をOS側と称し図中丸数字6側をDS側と称する。
内外層用樹脂用押出機から内外層用樹脂が、中間層用樹脂用押出機から中間層用樹脂が供給され、T字金型内で樹脂流が合流し三層フィルムが形成される。今回の実験にはインナーディッケルは使用しなかった。
内外層用樹脂にはLDPEであるLC720(MFR9.4)を、中間層用樹脂としてはLDPEであるLF405M(MFR2.0)を用いた。
押出条件等は以下である。内外層用樹脂用押出機と中間層用樹脂用押出機のシリンダ温度は200℃に設定した。押出量は内層3kg/h、中間層3kg/h、外層3kg/hにて総押出量は9kg/h、総厚みは600μm厚に設定した。
樹脂圧力はダイ本体のチョ−クバー(内層、中間層、外層の3点)を測定した。樹脂温度測定は上記チョークバー部(内層、中間層、外層の3点)の樹脂圧力計の熱電対を使用した。中間層の幅方向の温度は上記幅方向測定用熱電対束にて測定した。
厚みの測定位置は図22に示す様に、フィルムの両側耳部各20mmを除外した中央部分を8分割して、中央部の9点にて測定した。
(冷却実験7)
冷却区分図中丸数字1と図中丸数字2のみに空気を5L/min送った以外は上記冷却実験と同様の方法にて行った。OS端のT7の温度が4℃低下した。それ以外の温度低下は1〜2℃であった。
(冷却実験8)
冷却区分図中丸数字3と図中丸数字4のみに空気を10L/min送った以外は上記冷却実験と同様の方法にて行った。OS中央寄りのT9の温度が約9℃低下した。DS中央寄りのT6の温度が約8℃低下した。それ以外は3〜6℃の低下であった。
(冷却実験9)
冷却区分図中丸数字3と図中丸数字4のみに空気10L/min、水50mL/minの混合流体を送った以外は上記冷却実験と同様の方法にて行った。図23に示す様に、約20分間で急激に温度が低下し、その後も緩やかな温度低下が続き、DS中央寄りのT6の温度は約95℃低下した。OS中央寄りのT9の温度は約60℃低下した。DS次端のT5が約55℃低下した。DS端T4、OS端T7の温度低下は10〜20℃であり、明らかに中央部が冷却されていた。
各層の厚みを測定した結果を図24、図25に示す。図24は冷却開始直前の幅方向の各層の厚み分布、図25は冷却開始後60分経過後の幅方向の各層の厚み分布図である。
厚みの精度については9点の測定値を用いて((最大値−最小値)/平均値))×100=σ(%)=±σ/2(%)にて求めた。冷却開始前のフィルム(ブランク)のばらつきは上記指標によると全厚は±4.47%、内層は±9.91%、中間層は±27.21%、外層は±16.31%であった。冷却開始後60分では、全厚は±4.77%、内層は±9.82%、中間層は±12.89%、外層は±16.01%であった。即ち中間層の幅方向の厚み精度が向上した。尚、図示はしていないが冷却後30分でも中間層の幅方向の厚み精度は14.60%であり向上していた。
冷却媒体を空気に水を含む混合気にすることで極めて強い冷却力を示した。
外観上も、中央部を冷却することで、金型から引取機に向かうフィルムの中央部が白っぽく見え、厚みの変化が目視でも確認された。
(冷却実験10)
一方、図20押出成形用T字金型90の101と102の孔に冷却に実施例5の冷却器2本をTダイの左右から挿入し、冷却区分図中丸数字3と図中丸数字4のみに空気10L/minと、水50mL/minによる混合流体を送り、外層用樹脂流の近傍の金型の中央部を冷却したところ、冷却開始60分後にはフィルムの幅方向の厚み精度は全厚の厚み精度は±5.69%、内層は±7.74%、中間層は±11.71%、外層は±9.44%であり、外層の厚み精度の向上が確認された。
したがって、各冷却区分の冷却を調整すれば、幅方向の温度分布がより容易に迅速におこなうことができるものと思われる。即ち、本発明の冷却器によれば、冷却器の軸方向に設けられた冷却区分毎に迅速に大幅に冷却することができ、この結果冷却器が挿通された金型の部分を迅速に冷却することができる。
冷却区分の長さをより短くすれば、金型のより微細部分の冷却調整が可能になり、冷却器の軸方向、この場合は金型の幅方向のフィルム厚さの調整が容易になる。
三層Tダイにおいては、内層、外層にも本発明の冷却器を用いることができ各層の厚み絶対厚及び厚みの幅方向分布の調整が迅速容易になる。
本発明の冷却器を用いれば、温度データ及び又は膜厚測定データに基づき、冷却器による冷却とヒーターによる加温を制御することにより、より正確・迅速にフィルム又はシートの押出制御ができる。
本発明の冷却器によれば、構造が簡単で、その長さ方向に区分された冷却能を効率よく発揮することができる。したがって金型等に設けられた孔に挿通されて使用されれば、その長さ方向に区分された冷却能を発揮し、簡易な装置で効率よく迅速に金型内の温度を調整することができ、特に樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型に金型の幅方向に本発明の冷却器を用いれば冷却器で幅方向に温度分布を制御することにより、樹脂フィルムの幅方向の厚みを均一に保つ制御を簡易に効率よく迅速に行うことができるため、樹脂多層フィルム又はシートの製造に好適に用いることができる。
また、冷却力が大きいことから、冷却器の挿通された物体中の特に熱に弱い部分を過温から保護することができ、高温からの保護用途にも用いることができる。工業用途に留まらず医療その他広い産業分野で利用することができる。
1 冷却器本体
11 第一区分
12 第二区分
13 第三区分
14、15、16 冷媒供給管
17、18、19 冷媒排出管
20、21、22 冷媒供給管の開口
23、24、25 冷媒排出管の開口
26、27 隔壁
30、31、32 冷媒の外部接続用供給管
34、35、36 冷媒の外部接続用排出管
50 冷却器本体
51 冷媒流動用溝
52、52' 冷媒区分間混交防止オーリング用溝
53 アダプタ
54、55、56 冷媒供給用開口
57、58、59 冷媒排出用開口
64、65、66 冷媒供給路穿孔後封止部
67、68、69 冷媒排出路穿孔後封止部
70 冷媒供給路
71 冷媒排出路
72 冷媒供給路溝中開口
73 冷媒排出路溝中開口
80 冷却器本体
81 丸棒
82 リブ(ドーナツ状円板)
83 アダプタ
84 冷媒供給路
85 冷媒排出管
86 オーリング
87 外部冷媒供給管
88 外部冷媒排出管
90 Tダイ本体
91 第1層樹脂流入口
92 第2層樹脂流入口
93 第3層樹脂流入口
94 第1層樹脂整流部
95 第2層樹脂整流部
96 第3層樹脂整流部
97、99、101 孔
98、100、102 孔
103 合流層整流部
104 三層フィルム
110 冷却器本体
111 棒状体
113 アダプタ
114 冷却媒体供給部
115 第1冷却区分
116 第2冷却区分
117 第3冷却区分
118 排出部
119 第1冷却区分用冷媒供給路
120 第1冷却区分用冷媒排出路
121 オーリング用溝
122 オーリング
123 第1冷却区分用冷媒供給路開口
124 第1冷却区分用冷媒排出路開口
125 外筒
130 試験金型
131 円柱状体
132 調温用孔
133 調温用孔
134 調温用孔
135 深部測温用孔
136 深部測温用孔
137 深部測温用孔
138 冷却器挿通用孔
150 冷却器本体
153 アダプタ
154 冷媒供給管露出部
155 冷却部
156 冷媒排出管露出部
157 排出部
164 冷媒供給管
165 冷媒供給管
166 冷媒供給管
167 冷媒排出管
168 冷媒排出管
169 冷媒排出管
170 第1冷却区分
171 第1熱絶縁材製区分
172 第2冷却区分
173 第2熱絶縁材製区分
174 第3冷却区分
175 第3熱絶縁材製区分
176 円板
177 円板
178 丸棒

Claims (11)

  1. 冷媒により冷却する棒状の冷却器において、棒状体の軸方向に軸を区切るように冷却器が区分され、棒状体の少なくとも一方の端面を通じて区分毎に冷却能が調整された冷媒が供給される冷媒の供給路が設けられており、各区分内毎に前記供給路に冷媒供給口が開口されていることを特徴とする冷却器。
  2. 前記棒状体の内部が空洞であって空洞が棒状体の軸方向と略垂直な隔壁により区分され、棒状体の少なくとも一方の端面を通じて冷媒の供給路と排出路が設けられており、各区分内毎に冷媒供給口と冷媒排出口が開口していることを特徴とする請求項1記載の冷却器。
  3. 棒状体の外側面に前記区分の端部毎に棒状体を取り巻く一定高さのリブが設けられており、リブとリブの間の各区分毎に冷媒の供給口と排出口が開口している請求項1記載の冷却器。
  4. 棒状体の外側面が螺子状に形成されており、区分毎に螺子の谷部又は山部の側面に冷媒の供給口と排気口が開口し、棒状体の内部に冷媒を供給する供給路及び又は冷媒を排出する排出路が棒状体の端面から前記開口を結んで通じている請求項1に記載の冷却器。
  5. 区分毎の冷却媒体の通る供給路及び又は排出路に、常温における熱伝導率が10W/(m・K))よりも小さい熱絶縁性材料が用いられていることを特徴とする請求項1乃至4に記載の冷却器。
  6. 区分と区分の間に、常温における熱伝導率が10W/(m・K))よりも小さい熱絶縁性材料にてなる熱絶縁材料帯が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5に記載の冷却器。
  7. フィルム又はシート成形用の金型であって孔が設けられており、孔中に請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型の温度を調整する金型。
  8. 金型の幅方向に孔が設けられており、孔中に請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型の温度を調整する多層フィルム又はシート成形用のT字金型。
  9. 樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型であって、金型の幅方向に、樹脂の流路の内壁の近傍に複数の孔が設けられており、複数の孔の少なくとも一の孔には請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却器が挿入され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型内の樹脂流路の温度を調整する金型。
  10. 樹脂多層フィルム又はシート成形用のT字金型であって、金型の幅方向に、各樹脂の流路の内壁の近傍に複数の孔が設けられており、複数の孔の少なくとも一の孔には請求項1乃至6に記載の一の冷却器が挿入され、他の孔には請求項1乃至6記載の他の冷却器が挿入され、一の冷却器の冷却部と他の冷却器の熱絶縁部が対向するように配置され、冷却器の軸方向の区分毎に冷媒による冷却力を調整することにより金型内の樹脂流路の温度を調整する金型。
  11. 請求項8乃至10に記載のT字金型を用いてフィルム又はシートを製造することを特徴とする樹脂多層フィルム又はシートの製造方法。
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