JP6086742B2 - 超音波振動デバイスおよび超音波医療装置 - Google Patents

超音波振動デバイスおよび超音波医療装置 Download PDF

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Description

本発明は、超音波振動を励振する超音波振動デバイス、この超音波振動デバイスを備えた超音波医療装置に関する。
超音波振動を利用して、生体組織の凝固/切開処置を行なう超音波処置具では、ハンドピース内に超音波振動源としての超音波振動子を内蔵したものがある。
このような超音波振動子は、ボルト締めランジュバン型振動子の他、特許文献1に開示されているように導電性接着剤を用いて圧電素子を積層した圧電素子ユニットを、両端部にねじ切りがされた金属製の筒に挿入し、その両端部から金属部材をねじ込んで固定されるものがある。
この従来の超音波振動子では、圧電振動子を接着による積層構造とすることで、従来のボルト締めランジュバン型振動子と比較して、ボルトを通すための穴を必要としないため、振動子の有効体積を効率よく増やせるという利点がある。
特開2010−34817号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるような積層構造の超音波振動子は、従来のボルト締めランジュバン型振動子と同様に駆動時に発熱すると考えられ、それが原因で、圧電素子自体の特性劣化および超音波振動子全体の温度が上昇することによる共振周波数のシフトが発生するという問題がある。そのため、特許文献1の超音波振動子では、高出力にて連続駆動を行うことが困難であり、その駆動性能が従来のボルト締めランジュバン型振動子と同等となってしまうという課題があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、小型で圧電素子自体の特性劣化および共振周波数のシフトを抑制して高出力な超音波振動デバイスおよび超音波振動デバイスを備えた超音波医療装置を提供することを目的としている。
本発明における一態様の超音波振動デバイスは、複数の圧電体および複数の電極層が積層された積層振動子と、前記積層振動子の中途部に配設され、前記積層振動子が設置される装置の部材と嵌合して保持されるフランジ部と、前記積層振動子の両端部に配設された一対の金属製マスと、を備え、前記フランジ部は、前記一対の金属製マスよりも熱伝導率の高い金属部材から形成されている
また、本発明における一態様の内視鏡は、複数の圧電体および複数の電極層が積層された積層振動子と、前記積層振動子の中途部に配設され、前記積層振動子が設置される装置の部材と嵌合して保持されるフランジ部と、前記積層振動子の両端部に配設された一対の金属製マスと、を備え、前記フランジ部は、前記一対の金属製マスよりも熱伝導率の高い金属部材から形成されている超音波振動デバイスと、前記超音波振動デバイスで発生した超音波振動が伝達され生体組織を処置するプローブ先端部とを具備する。
本発明によれば、小型で圧電素子自体の特性劣化および共振周波数のシフトを抑制して高出力な超音波振動デバイスおよび超音波振動デバイスを備えた超音波医療装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態の超音波医療装置の全体構成を示す断面図 同、振動子ユニットの全体の概略構成を示す図 同、超音波振動子の構成を示す斜視図 同、超音波振動子の製作時の構成を示す分解図 同、超音波振動子の製作時の構成を示す斜視図 同、超音波振動子の構成を示す側面図 同、図6のVII方向の超音波振動子の構成を示す矢視図 同、超音波振動子が操作部本体に保持された状態を示す断面図 同、変形例の超音波振動子の構成を示す側面図 同、図9のX方向の超音波振動子の構成を示す矢視図 同、変形例の超音波振動子の製作時の構成を示す分解図 同、変形例の超音波振動子の構成を示す側面図 同、変形例の超音波振動子の構成を部分的に示す分解斜視図
以下、図を用いて本発明について説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
先ず、本発明の一実施の形態について、図面に基いて以下に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の超音波医療装置の全体構成を示す断面図、図2は振動子ユニットの全体の概略構成を示す図、図3は超音波振動子の構成を示す斜視図、図4は超音波振動子の製作時の構成を示す分解図、図5は超音波振動子の製作時の構成を示す斜視図、図6は超音波振動子の構成を示す側面図、図7は図6のVII方向の超音波振動子の構成を示す矢視図、図8は超音波振動子が操作部本体に保持された状態を示す断面図、図9は変形例の超音波振動子の構成を示す側面図、図10は図9のX方向の超音波振動子の構成を示す矢視図、図11は変形例の超音波振動子の製作時の構成を示す分解図、図12は変形例の超音波振動子の構成を示す側面図、図13は変形例の超音波振動子の構成を部分的に示す分解斜視図である。
(超音波医療装置)
図1に示す、超音波医療装置1は、主に超音波振動を発生させる超音波振動子2を有する振動子ユニット3と、その超音波振動を用いて患部の治療を行うハンドルユニット4とが設けられている。
ハンドルユニット4は、操作部5と、長尺な外套管7からなる挿入シース部8と、先端処置部30とを備える。挿入シース部8の基端部は、操作部5に軸回り方向に回転可能に取り付けられている。先端処置部30は、挿入シース部8の先端に設けられている。ハンドルユニット4の操作部5は、操作部本体9と、固定ハンドル10と、可動ハンドル11と、回転ノブ12とを有する。操作部本体9は、固定ハンドル10と一体に形成されている。
操作部本体9と固定ハンドル10との連結部には、背面側に可動ハンドル11を挿通するスリット13が形成されている。可動ハンドル11の上部は、スリット13を通して操作部本体9の内部に延出されている。スリット13の下側の端部には、ハンドルストッパ14が固定されている。可動ハンドル11は、ハンドル支軸15を介して操作部本体9に回動可能に取り付けられている。そして、ハンドル支軸15を中心として可動ハンドル11が回動する動作に伴い、可動ハンドル11が固定ハンドル10に対して開閉操作されるようになっている。
可動ハンドル11の上端部には、略U字状の連結アーム16が設けられている。また、挿入シース部8は、外套管7と、この外套管7内に軸方向に移動可能に挿通された操作パイプ17とを有する。外套管7の基端部には、先端側部分よりも大径な大径部18が形成されている。この大径部18の周囲に回転ノブ12が装着されるようになっている。
操作パイプ19の外周面には、リング状のスライダ20が軸方向に沿って移動可能に設けられている。スライダ20の後方には、コイルばね(弾性部材)21を介して固定リング22が配設されている。
さらに、操作パイプ19の先端部には、把持部23の基端部が作用ピンを介して回動可能に連結されている。この把持部23は、プローブ6の先端部31と共に超音波医療装置1の処置部を構成している。そして、操作パイプ19が軸方向に移動する動作時に、把持部23は、作用ピンを介して前後方向に押し引き操作される。このとき、操作パイプ19が手元側に移動操作される動作時には作用ピンを介して把持部23が支点ピンを中心に時計回り方向に回動される。これにより、把持部23がプローブ6の先端部31に接近する方向(閉方向)に回動する。このとき、片開き型の把持部23と、プローブ6の先端部31との間で生体組織を把持することができる。
このように生体組織を把持した状態で、超音波電源から電力を超音波振動子2に供給し、超音波振動子2を振動させる。この超音波振動は、プローブ6の先端部31まで伝達される。そして、この超音波振動を用いて把持部23とプローブ6の先端部31との間で把持されている生体組織の治療を行う。
(振動子ユニット)
ここで、振動子ユニット3について説明する。
振動子ユニット3は、図2に示すように、超音波振動子2と、この超音波振動子2で発生した超音波振動を伝達する棒状の振動伝達部材であるプローブ6とを一体的に組み付けたものである。
超音波振動子2は、振幅を増幅するホーン32が連設されている。ホーン32は、ジュラルミン、あるいは例えば64Ti(Ti−6Al−4V)などのチタン合金によって形成されている。ホーン32は、先端側に向かうに従って外径が細くなる円錐形状に形成されている。なお、ここでホーン32の形状は円錐形状に限るものではなく、先端側に向かうに従って外径が指数関数的に細くなる指数形状や、先端側に向かうに従って段階的に細くなるステップ形状などであってもよい。
プローブ6は、例えば64Ti(Ti−6Al−4V)などのチタン合金によって形成されたプローブ本体34を有する。このプローブ本体34の基端部側には、上述のホーン32に連設された超音波振動子2が配設されている。このようにして、プローブ6と超音波振動子2とを一体化した振動子ユニット3が形成されている。なお、プローブ6は、プローブ本体34とホーン32とが螺合によって接続される。
そして、超音波振動子2で発生した超音波振動は、ホーン32で増幅されたのち、プローブ6の先端部31側に伝達するようになっている。プローブ6の先端部31には、生体組織を処置する上述した処置部としての先端部31が形成されている。
また、プローブ本体34の外周面には、軸方向の途中にある振動の節位置の数箇所に弾性部材でリング状に形成された間隔をあけて2つのゴムライニング35が取り付けられている。そして、これらのゴムライニング35によって、プローブ本体34の外周面と後述する操作パイプ19との接触を防止するようになっている。つまり、挿入シース部8の組み立て時に、振動子一体型プローブとしてのプローブ6は、操作パイプ19の内部に挿入される。このとき、ゴムライニング35によってプローブ本体34の外周面と操作パイプ19との接触を防止している。
また、超音波振動子2は、超音波振動を発生させるための電流を供給する図示しない電源装置本体に電気ケーブル36を介して電気的に接続される。この電気ケーブル36内の配線36a,36bを通じて電源装置本体から電力を超音波振動子2に供給することによって、超音波振動子2が駆動される。なお、振動子ユニット3は、超音波振動を発生させる超音波振動子2、発生した超音波振動を増幅させるホーン32および増幅された超音波振動を伝達するプローブ6を備えている。
なお、超音波振動子2と振動子ユニット3は、必ずしも図1に示したように操作部本体9内に収納されている必要はなく、超音波振動子2で発生した超音波振動を伝達するプローブ6によって生体を処置できるように超音波振動が伝達される構成であれば、超音波医療装置1の如何なる箇所に設けられていてもよい。
(超音波振動子)
ここで、本発明の超音波振動デバイスとしての超音波振動子2について以下に説明する。
振動子ユニット3の超音波振動子2は、図3に示すように、先端から順に振動伝達部材の1つであるプローブ本体34に螺着などされて接続されたホーン32と、このホーン32の後方に連設された、ここでは円柱形状の積層振動子41と、を有して構成されている。
積層振動子41は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)または耐熱性を有した非鉛の単結晶材料から形成されたニオブ酸リチウム(LiNbO3)などの、複数、ここでは6つの圧電振動子層となる圧電体としての圧電振動子板61が積層されている。これら6つの圧電振動子板61は、フランジ部33を挟んで3層に区分けされており、両端の圧電振動子板61および各圧電振動子板61間には、正電極層となる正電極板62および負電極層となる負電極板63が交互に介装される。この積層振動子41の中途には、操作部本体9の部材としての保持部9a(図1参照)に嵌合して保持される円板状の熱伝導率の高い銅など金属製のフランジ部33が配設されている。このフランジ部33は、超音波振動子2が発生する超音波振動の振動特性が影響されない位置に設けられている。即ち、フランジ部33は、超音波振動子2が発生する超音波振動における波長の振幅が0(ゼロ)となる点とした節(node)となる超音波振動の振動しない位置に設けられている。
また、積層振動子41は、6つの圧電振動子板61、フランジ部33および正電極板62および負電極板63が積層された積層体の前後に円盤状の絶縁板42,43が配設されている。そして、積層振動子41は、前方側が絶縁板42を介してホーン32と一体形成された、ここでは円柱形状の金属ブロック体としてのフロントマス39に接合され、後方側が絶縁板43を介して円柱形状の金属ブロック体としてのバックマス45に接合されている。なお、フロントマス39およびバックマス45も、ジェラルミン、あるいは、例えば、64Ti(Ti−6Al−4V)などのチタン合金によって形成されている。
また、正電極板62または負電極板63は、銅などから形成された金属端子片としての端子部62a,63aによって正極同士および負極同士のそれぞれが電気的に接続されている。これら端子部62a,63aは、正電極板62または負電極板63と一体的に形成されたものでもよいし、正電極板62または負電極板63に導電性接着剤、半田などによって接続されるものでもよい。なお、端子部62a,63aは、絶縁シースにより被覆された配線ケーブルでもよい。これら端子部62a,63aのそれぞれ1つには、電気ケーブル36の配線36a,36bが半田などの電気接続部65によって接続される。
なお、ここでは、上述したように、正電極板62がフランジ部33に半田などの電気接続部64によって接続されている。そのため、本実施の形態のフランジ部33は、接触する圧電振動子板61に電力を供給する正電極板を構成する。なお、正電極板62をフランジ部33に電気的に接続させる構成は、半田に限定されることなく、導電性接着剤、ネジ止めなどでもよい。
さらに、フランジ部33には、ここでは負電極板63同士を電気的に接続する端子部63aが非接触となるようにして電気的に絶縁する切欠部33aが形成されている。即ち、端子部63aは、フランジ部33と非接触となるように切欠部33a内を通るように配設されている。
(超音波振動子の製造方法)
ここで、本実施の形態の超音波振動子2の製造方法の一例を説明する。
超音波振動子2は、図4に示すように、先ず、フランジ部33を境にして区分される2つの積層体2a,2bが製作される。
具体的には、第1の積層体2aは、後にホーン32およびフロントマス44となる金属円柱体32a、絶縁板42、3つの圧電振動子板61、正電極板62および負電極板63が積層され、それぞれが導電性接着剤、または導電性融着接合、例えば、AuSn共晶ハンダ、一般的な非鉛ハンダなどから接合される。なお、金属円柱体32aと絶縁板42との接合は、導電性を有しない接着剤でもよい。
また、第2の積層体2bは、3つの圧電振動子板61、正電極板62、負電極板63、絶縁板43およびバックマス45が積層され、それぞれが導電性接着剤、または導電性融着接合、例えば、AuSn共晶ハンダ、一般的な非鉛ハンダなどから接合される。ここでも、絶縁板43とバックマス45との接合は、導電性を有しない接着剤でもよい。
なお、正電極板62または負電極板63は、AuSn共晶ハンダ、一般的な非鉛ハンダなどによって形成される電極層としてもよい。なお、ハンダによる接合の際には、各圧電振動子板61および絶縁板42,43の表裏面にハンダの濡れ性および密着性を有して接合性を高める金属膜を形成するとよい。
このように製作された第1、第2の積層体2a,2bは、フランジ部33を挟むようにして、金属円柱体32aおよびバックマス45が端部となるようにして、圧電振動子板61側がフランジ部33の表裏面に導電性接着剤、または導電性融着接合されて、図5に示すような第3の積層体2cが製作される。なお、フランジ部33は、予め切欠部33aが形成されていてもよいし、第3の積層体2cを制作後に切削加工により形成されてもよい。
次に、第3の積層体2cは、図6および図7に示すように、切削加工などからホーン32が形成されて、このホーン32に一体的に連設されるフロントマス44が形成される。なお、金属円柱体32aは、予めホーン32とフロントマス44が加工されたものでもよい。さらに、ホーン32には、プローブ本体34と螺合するネジ溝などが形成される。
そして、正電極板62または負電極板63には、端子部62a,63aが半田などにより電気的に接続され、2つの端子部62aのそれぞれの一端部がフランジ部33に電気接続部64を形成する半田により電気的に接続される。
最後に、端子部62a,63aの1つに配線36a,36bが電気接続部65を形成する半田によって電気的に接続され超音波振動子2が製作される。この超音波振動子2は、上述したように、ホーン32がプローブ本体34に螺着などされて接続される。
そして、超音波振動子2を備えた振動子ユニット3は、図1にて説明したように、フランジ部33が操作部本体9の保持部9aに嵌合して保持されるように超音波医療装置1に装着される。
以上のように製作された超音波振動子2は、複数、ここでは合計6つの圧電振動子板61と、積層された6つの圧電振動子板61の中途部に介装され、発生する超音波振動の波長に節(node)の位置に配設される金属製のフランジ部33と、複数の電極としての正電極板62または負電極板63を各圧電振動子板61を挟むように介装させて、それぞれを交互に接合している。
そして、超音波振動子2は、一対の金属製マスとなるフロントマス44およびバックマス45と、これらフロントマス44およびバックマス45と正電極板62または負電極板63との間に絶縁板42,43が設けられた圧電振動子板61が積層する積層振動子41とした圧電振動子ユニットとなっている。即ち、超音波振動子2は、金属製のフランジ部33が積層振動子41の層間に挟みこまれて接合され、その積層振動子41の両端部に金属製のマス材としてフロントマス44およびバックマス45が設けられた構成となっている。
以上のように構成された超音波振動子2は、金属製のフランジ部33を積層振動子41内に挟み込んで接合することにより、駆動時に圧電素子としての各圧電振動子板61から発生した熱Hを超音波医療装置1の外部ケースとなる操作部本体9にフランジ部33が嵌合する保持部9aを通じて逃がすことができる。そのため、超音波振動子2は、従来構造と比較して、特に、フロントマス44およびバックマス45の温度上昇を抑えることができる。なお、ここでは、フランジ部33も圧電振動子板61に電力を供給する構成となっているため、操作部本体9の保持部9aが非導電性材で形成されているか、もしくは、フランジ部33と電気的絶縁が取られた構成となっている。
ところで、積層圧電超音波発生素子の共振周波数の温度依存性は、超音波発生素子を構成する部材すべてに起因する。主に、超音波振動子2の体積を占めるのは圧電素子(圧電振動子板61)と金属性のマス材(フロントマス44およびバックマス45)である。そのため、超音波発生素子の共振周波数の温度依存性は、フロントマス44およびバックマス45の影響を大きく受ける。
一例として、超音波振動子2の温度が25℃から80℃まで変化したとき、圧電振動子板61に用いられるPZTの共振周波数変化率は、0.3%程度であるのに対し、フロントマス44およびバックマス45に用いられるジュラルミンの共振周波数変化率は、−2%程度である。そのため、金属材料であるフロントマス44およびバックマス45の温度変化を抑えることで、超音波デバイスとしての超音波振動子2の全体としての共振周波数変化を抑えることができる。なお、ここでの各構成の材質は、あくまでも一例である。
これにより、本実施の形態の超音波振動子2は、上述したように、フランジ部33を積層振動子41内に介装させて、フランジ部33を介して操作部本体9に熱Hを逃がしてフロントマス44およびバックマス45の温度上昇を抑制することができる構成として、超音波発生素子の共振周波数のシフトを抑えることができるように構成されている。なお、フランジ部33もフロントマス44およびバックマス45と同様に金属製であるため、材質としては共振周波数の温度依存性がフロントマス44およびバックマス45と同様に有しており、本実施の形態においてはフランジ部33の積層方向における厚さがフロントマス44およびバックマス45と比較して十分に小さく設定されているものである。
以上の説明から、本実施の形態の超音波振動子2は、駆動するときの機械的な振動損失、誘電損失などからの発熱による温度上昇を抑制して、圧電振動子板61自体の特性劣化、共振周波数のシフトの発生などを防止することができるようにしたことで、高出力にて連続駆動をおこなうことができるようになる。従って、超音波振動子2は、小型としても、圧電素子自体の特性劣化および共振周波数のシフトを抑制して高出力で超音波振動を連続的に発生させることができる構成となる。
また、超音波振動子2は、積層振動子41の両端部側に配置される正電極板62および負電極板63と一対の金属製マスのフロントマス44およびバックマス45との間に配設される絶縁板42,43をセラミックスなどの低熱伝導率部材とすることで、駆動時に各圧電振動子板61から発生する熱を、フロントマス44およびバックマス45側へ伝熱することを抑制しつつ、熱が伝わり易い(熱伝導率の高い)金属製のフランジ部33側へ伝熱させることができる。これにより、超音波発生素子を駆動する際にフロントマス44およびバックマス45の温度上昇をさらに抑えることができ、共振周波数のシフトを抑制することが可能となる。
さらに、超音波振動子2は、フランジ部33が圧電振動子板61に直接接触して電力を供給する正電極板を構成しており、フランジ部33と圧電振動子板61との間に介在するものがないため、圧電振動子板61からの発熱が無駄なくフランジ部33へ伝熱させることができる。
なお、図9および図10に示すように、超音波振動子2は、フランジ部33と圧電振動子板61の間に正電極板62を介装させた構成としてもよい。このような構成にすることで、フランジ部33と隣接する正電極板62が接触することになり、フランジ部33の両側にある正電極板62は電気的に接続される。このために、端子部62aの一端部を直接、フランジ部33に電気的に接続する必要がなくなり、より簡易な構成とすることができる。
また、フランジ部33は、図11から図13に示すように、表裏面の両方に圧電振動子板61および/または正電極板62の外形形状と同様の溝である凹部33bを形成して、凹部33bに圧電振動子板61または正電極板62が嵌め込まれて係合することにより第1、第2の積層体2a,2bとの接合時の位置決めができるような構成としてもよい。
このような構成により、第1、第2の積層体2a,2bとの接合時の径方向の位置ずれを抑制することができる。さらに、例えば、径が異なる第1、第2の積層体2a,2bを用いた場合に、フランジ部33に凹部33bを形成することで、これら第1、第2の積層体2a,2bの長手方向の軸合せを容易におこなうことができるようになる。
上述の実施の形態に記載した発明は、その実施の形態および変形例に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
1…超音波医療装置
2…超音波振動子
2a…第1の積層体
2b…第2の積層体
2c…第3の積層体
3…振動子ユニット
4…ハンドルユニット
5…操作部
6…プローブ
7…外套管
8…挿入シース部
9…操作部本体
9a…保持部
10…固定ハンドル
11…可動ハンドル
12…回転ノブ
13…スリット
14…ハンドルストッパ
15…ハンドル支軸
16…連結アーム
17…操作パイプ
18…大径部
19…操作パイプ
20…スライダ
22…固定リング
23…把持部
30…先端処置部
31…先端部
32…ホーン
32a…金属円柱体
33…フランジ部
33a…切欠部
33b…凹部
34…プローブ本体
35…ゴムライニング
36…電気ケーブル
36a,36b…配線
39…フロントマス
41…積層振動子
42,43…絶縁板
44…フロントマス
45…バックマス
61…圧電振動子板
62…正電極板
62a,63a…端子部
63…負電極板
64,65…電気接続部
H…熱

Claims (5)

  1. 複数の圧電体および複数の電極層が積層された積層振動子と、
    前記積層振動子の中途部に配設され、前記積層振動子が設置される装置の部材と嵌合して保持されるフランジ部と、
    前記積層振動子の両端部に配設された一対の金属製マスと、
    を備え
    前記フランジ部は、前記一対の金属製マスよりも熱伝導率の高い金属部材から形成されている
    ことを特徴とする超音波振動デバイス。
  2. 前記フランジ部は、金属部材から形成され、前記複数の電極層の1つとして、前記複数の圧電体へ電力を供給する電極を構成している
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動デバイス。
  3. 前記フランジ部の両面には、前記複数の圧電体または前記複数の電極層が嵌め込まれて係合する位置決め用の凹部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波振動デバイス。
  4. 前記一対の金属製マスと両端部側に配設された前記電極層の間に低熱伝導率部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の超音波振動デバイス。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の前記超音波振動デバイスと、
    前記超音波振動デバイスで発生した超音波振動が伝達され生体組織を処置するプローブ先端部と、
    を具備することを特徴とする超音波医療装置。
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