JP6085446B2 - 滅菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用器具や食品包装材などの被処理物を滅菌するための滅菌方法に関する。
従来、医療用器具や食品包装材などの被処理物を高度に滅菌する方法として、被処理物が配置された密閉空間に酸化エチレンガスや窒素酸化物ガスを供給し、被処理物と反応させる方法が知られている。たとえば、特許文献1には、サブチャンバ(供給部)を含む循環系統において窒素と酸素とを含む外気(空気)をプラズマ化してNOガス(滅菌ガス)を調製しつつ、被処理物が配置されたメインチャンバ(処理部)内に、調製したNOガスを順次供給して、被処理物を滅菌する滅菌方法が開示されている。この滅菌方法によれば、サブチャンバを含む循環系統において外気からNOガスを適宜調製し得るため、たとえばNOガスが封入された市販のボンベ等を別途準備する必要がない。
ところで、特許文献1に記載の滅菌方法によれば、容積の小さなサブチャンバから容積の大きなメインチャンバへ複数回に分けて少量ずつNOガスが供給される。そのため、メインチャンバ内のNOガスの濃度は、サブチャンバからNOガスが供給されるごとに段階的に上昇する。被処理物は、メインチャンバ内のNOガスの濃度が所定の濃度(以下、単に滅菌濃度または設定濃度ともいう)に達した時点から、所定時間保持されることにより滅菌される。
このように、特許文献1に記載の滅菌方法によれば、NOガスを調製しつつ、調製したNOガスをメインチャンバ内に順次供給しているため、メインチャンバ内のNOガス濃度を設定濃度まで上昇させるために長時間を要する場合がある。
特開2010−187966号公報
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、窒素と酸素とを含む外気等の原料ガスから滅菌ガスを調製することができ、かつ、滅菌の準備から完了までの一連の工程(1サイクル)に要する時間を短縮することのできる滅菌方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様による滅菌方法は、被処理物の滅菌を行う処理空間を備えた処理部に、供給経路を通して供給部の蓄積空間に蓄積された滅菌ガスを供給して前記被処理物を滅菌する滅菌方法であって、前記供給経路を閉じた状態で、前記供給部の蓄積空間に窒素と酸素とを含む原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、供給された前記原料ガスにプラズマを照射してNOを含む蓄積ガスを調製する蓄積ガス調製工程と、前記供給部の蓄積空間に希釈用ガスを圧入し、該希釈用ガスと前記蓄積ガスとを混合して滅菌ガスを調製する滅菌ガス調製工程と、前記供給経路を開放して、前記処理部の処理空間に前記供給部の蓄積空間に蓄積された前記滅菌ガスを供給し、前記処理空間を所定の圧力及び滅菌ガス濃度とする工程と、前記供給経路を閉じて、前記処理空間を前記所定の圧力及び滅菌ガス濃度で所定時間保持することによって、前記被処理物を滅菌する滅菌工程と、を含む。
本発明の滅菌方法は、たとえば滅菌ガスが封入された市販のボンベ等を別途準備する必要がなく、窒素と酸素とを含む原料ガスから滅菌ガスを調製することができる。また、従来のように滅菌ガスを調製しつつ調製した滅菌ガスを処理部の処理空間に順次供給するのではなく、滅菌ガスを処理部の処理空間に供給する前に滅菌ガスの調製を完了しているため、処理部への滅菌ガスの供給に要する時間を短縮し得る。その結果、処理部の処理空間における滅菌ガスの濃度上昇勾配を急にすることができ、滅菌の準備から完了までの一連の工程(1サイクル)に要する時間を短縮し得る。
前記蓄積ガス調製工程において、前記原料ガスを、前記供給部の蓄積空間に一端と他端とが接続された循環経路に供給し、該循環経路内に設けられた循環手段により前記原料ガスを循環させ、循環される前記原料ガスに、前記循環経路内に設けられたプラズマ照射手段によりプラズマを照射して、NOを含む前記蓄積ガスを調製することが好ましい。本発明の滅菌方法では、上記循環経路に原料ガスを循環させることにより、原料ガスに繰り返しプラズマを照射して、高濃度のNOを含む蓄積ガスを調製し得る。
前記蓄積ガス調製工程において、大気圧以下の圧力下にて原料ガスにプラズマを照射することが好ましい。本発明の滅菌方法では、原料ガスにプラズマを照射する際に大気圧以下の圧力雰囲気としておくことにより、プラズマを安定的に点灯させやすく、かつ、プラズマの点灯状態を維持しやすい。その結果、効率よくNOを含む蓄積ガスを調製し得る。
前記滅菌工程において、前記供給経路内に設けられたポンプにより前記滅菌ガスを前記処理部の処理空間に供給することが好ましい。本発明の滅菌方法では、上記経路内にポンプを設けることにより、供給部の蓄積空間から処理部の処理空間へ、滅菌ガスをほぼ完全に移送し得る。その結果、供給部に残る滅菌ガスの量を減らすことができ、調製した滅菌ガスを無駄なく使用し得る。また、蓄積空間を小さくすることもできる。
前記滅菌ガス調製工程において、耐圧容器に封入された希釈用ガスを、前記供給部の蓄積空間に圧入することが好ましい。本発明の滅菌方法では、耐圧容器に封入された希釈用ガスを供給部の蓄積空間に圧入することにより、たとえば一般的なポンプ等で希釈用ガスを圧入する場合と比較して、より多くの希釈用ガスを圧入でき、蓄積空間に高圧の滅菌ガスを蓄積し得る。その結果、ポンプ等を用いて希釈用ガスを圧入する場合と比較して、供給部の蓄積空間の容量を小さくすることができる。また、耐圧容器に封入された希釈ガスを用いて蓄積空間に高圧の滅菌ガスを蓄積しておけば、当該滅菌ガスを処理部の処理空間に供給する際に、大きな圧力差を発生させて短時間で供給させ得る。
前記原料ガス供給工程において、原料ガスとして、窒素と酸素とを個別に供給することが好ましい。本発明の滅菌方法では、原料ガスとして、窒素と酸素とを個別に供給することにより、プラズマの照射によりNOの濃度が最も高められ得る最適な混合比で窒素と酸素とを混合し得る。また、たとえば外気等を原料ガスとする場合と比較して、原料ガス中に含まれる水分等を除去するためのエアドライヤ等の付帯設備を省略し得る。
前記滅菌ガス調製工程において、希釈用ガスとして、乾燥空気を圧入することが好ましい。本発明の滅菌方法では、希釈用ガスとして乾燥空気を使用する場合、外気等を原料とし得る。また、原料ガスとしても外気を原料とする乾燥空気を使用する場合には、原料ガスと希釈用ガスとにおいて原料である外気(空気)を共有でき、本発明の滅菌方法を実施するための設備を簡略化し得る。
本発明によれば、窒素と酸素とを含む外気等の原料ガスから滅菌ガスを調製することができ、かつ、滅菌の準備から完了までの一連の工程(1サイクル)に要する時間を短縮することのできる滅菌方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態(実施の形態1)における滅菌方法において使用される滅菌装置の概略的な模式図である。 図2は、本発明の一実施形態(実施の形態1)における滅菌方法において使用される滅菌装置のマイクロ波供給装置の概略的な模式図である。 図3は、本発明の一実施形態(実施の形態1)における滅菌方法において使用される滅菌装置の導波管とプラズマノズルとを説明するための概略的な模式図である。 図4は、本発明の一実施形態(実施の形態1)における滅菌方法において使用することができる滅菌装置のNO変換部を説明するための概略的な模式図である。 図5は、本発明の一実施形態(実施の形態1)における滅菌方法の各工程を説明するためのフローチャートである。 図6は、処理空間内の経時的な圧力変化を説明するためのグラフである。 図7は、本発明の一実施形態(実施の形態2)における滅菌方法において使用される滅菌装置の概略的な模式図である。 図8は、本発明の一実施形態(実施の形態3)における滅菌方法において使用される滅菌装置の概略的な模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施の形態1)
<滅菌装置>
図1は、本実施形態の滅菌方法において使用される滅菌装置1の概略的な模式図である。滅菌装置1は、メインチャンバ11(処理部)とサブチャンバ12(供給部)と吸気系統20と循環系統30(循環経路)と連係系統40と排気系統50とを含む。
メインチャンバ11は、被処理物の滅菌を行う処理空間110を備えたチャンバであり、たとえばステンレス鋼などで構成され、高度の真空引きに対応できる耐圧構造を備えた比較的大容量のチャンバである。メインチャンバ11には、NOの濃度を計測する濃度センサ111と、チャンバ内の圧力を計測する圧力センサ112とが備えられている。ほかにも、温度センサ、湿度センサ等の各種センサや、処理空間110内に水分を導入するための水分導入器が備えられてもよい。処理空間110は、後述する滅菌工程においてサブチャンバ12の蓄積空間120に蓄積されたNOガスが、メインチャンバ11内の空気によって希釈されること無く圧力差に従って短時間で供給されるように、NOガスが供給される前に真空引きされる。なお、本明細書において、「被処理物」とは、たとえば、メス、鉗子、カテーテル等の各種医療用器具や、包装シート、トレイ、ボトル等の各種食品包装材などをいう。
サブチャンバ12は、後述する高濃度NOガス(NOを含む蓄積ガス)およびNOガス(滅菌ガス)を蓄積するための蓄積空間120を提供するためのチャンバであり、たとえばステンレス鋼などで構成され、高度の真空引きに対応できる耐圧構造を備えた比較的小容量のチャンバである。なお、本明細書において、「高濃度NOガス」とは、後述する蓄積ガス調製工程において調製されるガスをいい、「NOガス」とは、高濃度NOガスに後述する乾燥空気(希釈用ガス)を混合することにより調製されるガスをいう。サブチャンバ12には、NOの濃度を計測する濃度センサ121とチャンバ内の圧力を計測する圧力センサ122とが備えられている。ほかにも、温度センサ、湿度センサ等の各種センサが備えられてもよい。
吸気系統20は、後述する滅菌方法における原料ガス供給工程においてボンベ21(耐圧容器)とボンベ22とにそれぞれ封入された窒素と酸素(窒素と酸素とを含む原料ガス)とを所定の割合で蓄積空間120に供給する際、および、滅菌ガス調製工程においてボンベ23に封入された乾燥空気(希釈用ガス)を蓄積空間120に供給する際に稼働される系統であり、窒素を封入したボンベ21と酸素を封入したボンベ22と乾燥空気を封入したボンベ23と電磁弁V1と電磁弁V2と電磁弁V3と配管201と配管202と配管203と配管204と配管205と配管206とを含む。
配管201は、一端が窒素を封入したボンベ21と接続されており、他端が電磁弁V1を介して配管204の一端と接続されている。配管204の他端は、蓄積空間120と接続されている。配管202は、一端が酸素を封入したボンベ22と接続されており、他端が電磁弁V2を介して配管205の一端と接続されている。配管205の他端は、蓄積空間120と接続されている。配管203は、一端が乾燥空気を封入したボンベ23に接続されており、他端が電磁弁V3を介して配管206の一端と接続されている。配管206の他端は、蓄積空間120と接続されている。
循環系統30は、蓄積空間120に供給された窒素と酸素とをプラズマで電離して、高濃度NOガスを生成する際に稼働される系統であり、プラズマノズル31(プラズマ照射手段)とガス流量計32とポンプP1(循環手段)とNO変換部33と電磁弁V4と電磁弁V5と配管301と配管302と配管303を含む。
配管301は、一端が蓄積空間120と連通しており、他端が電磁弁V4を介して配管303と接続されている。一方、配管302は、一端が蓄積空間120と連通しており、他端が電磁弁V5を介して配管303と接続されている。これにより、蓄積空間120と連通する、配管301の一端を起点として配管302の一端に戻るループ管路が形成されている。本実施形態では、配管301側がループ管路内を流れるガス流の上流側となる。配管303に対して、上流側から順に、プラズマノズル31、ガス流量計32、ポンプP1、NO変換部33が配置される。
プラズマノズル31は、プラズマを発生させるための電界集中部を提供する。配管303を流通する窒素と酸素とは、プラズマノズル31の電界集中部を通過することにより電離され、NOを含むNOxガスに変換される。NOxガスは、ループ管路を繰り返し循環されることによりNO濃度が高められ、高濃度NOガスに変換される。NO濃度が高められる反応機構は後記により詳述される。
プラズマノズル31には、プラズマを発生させるためのマイクロ波供給装置60が付設される。マイクロ波供給装置60は、マイクロ波エネルギーを発生させ、プラズマノズル31に供給する。
図2は、本実施形態において使用されるマイクロ波供給装置60の概略的な模式図である。マイクロ波供給装置60は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生装置61とマイクロ波を伝搬させる導波管62とを含む。導波管62にプラズマノズル31が取り付けられる。マイクロ波発生装置61と導波管62との間には、アイソレータ63とカプラ64とチューナ65とが備えられている。
マイクロ波発生装置61は、たとえば2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロン等のマイクロ波発生源と、このマイクロ波発生源にて発生されたマイクロ波の強度を所定の出力強度に調整するアンプとを含む。
導波管62は、アルミニウム等の非磁性金属からなり、断面矩形の長尺管状を呈し、マイクロ波発生装置61により発生されたマイクロ波を長手方向に伝搬させる。導波管62の遠端側には、スライディングショート621がフランジ部622を介して取り付けられている。スライディングショート621は、マイクロ波の反射位置を変化させて定在波パターンを調整する。
アイソレータ63は、導波管62からの反射マイクロ波のマイクロ波発生装置61への入射を抑止する機器であり、サーキュレータ631とダミーロード632とを含む。サーキュレータ631は、マイクロ波を導波管62に向かわせ、反射マイクロ波をダミーロード632に向かわせる。ダミーロード632は、反射マイクロ波を吸収して熱に変換する。カプラ64は、マイクロ波エネルギーの強度を計測する。チューナ65は、導波管62に突出可能なスタブを含み、反射マイクロ波が最小となるような調整を行う。
図3は、本実施形態において使用される導波管62とプラズマノズル31とを説明するための概略的な模式図である。プラズマノズル31は、中心導体311、外部導体312、スペーサ313および保護管314を備える。
中心導体311は、良導電性の金属から構成された棒状部材であり、上端部311Bが導波管62の内部に所定長さだけ突出している。突出した上端部311Bは、導波管62内を伝搬するマイクロ波を受信する。
外部導体312は、良導電性の金属から構成され、中心導体311を収納する筒状空間312Hを有する筒状体である。中心導体311が中心軸上に配置される。外部導体312は、導波管62の下面板に一体的に取り付けられた円筒型の金属フランジ板623に嵌め込まれ、ネジ624で締め付けられることにより導波管62に固定されている。外部導体312は、外周壁から筒状空間312Hに貫通するガス供給孔312Nを有し、ガス供給孔312Nには配管303の上流側が接続される。筒状空間312Hの下端部には、絶縁性の配管315が接続される。配管315は、配管303の一部を構成する。配管303内を流通するガスは、筒状空間312H内を経由する。
スペーサ313は、たとえばポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性樹脂材料やセラミック等からなる絶縁性部材で形成され、中心導体311を保持するとともに、導波管62内の空間と筒状空間312Hとの間をシールする。外部導体312の筒状空間312Hの上端部分には段差部が設けられ、該段差部によりスペーサ313が支持される。中心導体311は、スペーサ313により外部導体312と絶縁された状態で保持される。保護管314は、所定長さの石英ガラスパイプ等からなり、外部導体312の下端縁312Tにおける異常放電(アーキング)を防止するために、筒状空間312Hの下端部分に嵌め込まれている。
上記のように構成されたプラズマノズル31によれば、中心導体311が導波管62を伝搬するマイクロ波を受信すると、アース電位の外部導体312との間に電位差を生じ、特に中心導体311の下端部311Tと外部導体312の下端縁312Tとの近傍に電界集中部が形成される。このような状態で、ガス供給孔312Nから筒状空間312Hに窒素と酸素とが供給されると、ガスが励起されて中心導体311の下端部311T付近においてプラズマ(電離気体)が発生する。該プラズマは、NOxとフリーラジカルを多く含んでいる。また、このプラズマは、電子温度が数万度であるものの、ガス温度は外界温度に近い反応性プラズマ(中性分子が示すガス温度と比べて、電子が示す電子温度が極めて高い状態のプラズマ)であり、他の低温プラズマ状態または分子状態のガスとの反応性が高く、一部がNO、NOなどのNOxまたはOに変換される。式(1)〜(3)のうち式(1)に示される反応がもっとも進行しやすく、式(1)に従って生成されたNOの一部は、低温プラズマ状態の酸素と結合し、NOに変換される(式(4))。
(1) N+O→2NO
(2) N+2O→2NO
(3) 3O→2O
(4) 2NO+O→2NO
生成されたNOを含むNOxがループ管路を循環する間に、式(1)で生成されたNOは、酸素や式(3)で生成されたOと反応し、NOに変換される(式(5)、(6))。
(5) 2NO+O→2NO
(6) NO+O→NO+O
さらに、式(3)で生成されたOは窒素と反応し、NOを生成する(式(7))。このNOは式(5)、(6)に従ってNOに変換され、NOの濃度が高められる。
(7) N+2O→2NO+2O
図1に戻り、ガス流量計32は、配管303内を流通するガスの流量を計測する。ポンプP1は、サブチャンバ12とループ管路とで構成される空間において、所定の方向にガスを循環させる。ポンプP1としては、NOx等に耐性を持つ耐薬品性のポンプが用いられる。
NO変換部33は、ガス中に硝酸(HNO)が含まれる場合に必要となるものであり、プラズマノズル31を通過したガスから、NOを抽出する。図4は、本実施形態において使用されるNO変換部33を説明するための概略的な模式図である。NO変換部33は、ガス中のHNOを吸着するフィルタ331と、フィルタ331を通過したガス中のNOxをNOに変換する第一変換部332と、そのNOをNOに変換する第二変換部333とを備える。
プラズマノズル31において窒素と酸素とが電離されると、NO、Oが生成される(上記式(1)および(3)参照)。これらは以下のごとく酸化され、ループ管路内に無視できない量の水分が存在する場合には、その水分と反応して一部がHNOに変換される。
(8) NO+O→NO+O
(9) 2NO+O→N+O
(10) N+HO→2HNO
フィルタ331は、たとえばセラミック製のハニカム構造を備えた基材に、硝酸吸着性のコーティング層を施したフィルタであり、式(10)に従って生成されるHNOを吸着する。硝酸吸着性のコーティング層は、たとえばゼオライト、アルミナ、シリカゲル等の珪素吸着剤からなる。
第一変換部332は、たとえばセラミック製のハニカム構造を備えた基材に、白金やパラジウム等を含有するコーティング層が形成された触媒と、該触媒の温度を調整するヒータとを備えた触媒装置であり、フィルタ331を通過したガスに含まれる、NO以外のNOxをNOに変換する。
第二変換部333は、たとえばセラミック製のハニカム構造を備えた基材に、白金やパラジウム等を含有するコーティング層が形成された触媒と、該触媒の温度(第一変換部の触媒とは異なる温度)を調整するヒータとを備えた触媒装置であり、第一変換部332を通過したガス中に含まれるNOをNOに変換する。
図1に戻り、連係系統40は、蓄積空間120に蓄積された滅菌ガスを処理空間110に供給する際に稼働される系統である。連係系統40は、電磁弁V6と電磁弁V7とポンプP2と配管401と配管402とを含む。
配管401は、一端が蓄積空間120に接続され、他端が処理空間110に接続されている。配管401は、上流側にポンプP2が配置され、下流側に電磁弁V6が配置されている。ポンプP2は耐薬品性のポンプであり、蓄積空間120から処理空間110にNOガスを供給する場合等に稼働される。電磁弁V6は、ポンプP2が稼働される際に開放される。配管402の一端は処理空間110に接続され、他端は蓄積空間120に接続されており、電磁弁V7が配置されている。電磁弁V7は、処理空間110および蓄積空間120を常圧に復帰させる場合等に開放される。
排気系統50は、後述する滅菌方法の滅菌工程により滅菌された被処理物を取り出すために、滅菌処理に用いたNOガスをメインチャンバ11の処理空間110内で無害化するとともに、無害化した後のガスを外部に排気するための系統であり、図1に示されるように、浄化部51と電磁弁V8と電磁弁V9とポンプP3と配管501と配管502とを含む。
配管501は、一端が処理空間110に接続され、他端が電磁弁V8を介して配管502の一端と接続されている。配管502には、上流側から順に電磁弁V9とポンプP3とが配置されている。ポンプP3はメインチャンバ11から浄化部51を介して浄化されたガスを排気する場合や、処理空間110を真空引きする場合等に稼働される。電磁弁V9は、ポンプP3が稼働する際に開放される。
浄化部51は、図示しないHNO変換部とフィルタとを含む。HNO変換部は、Oを発生するオゾン発生器(図示せず)と、水を供給するための水分導入器(図示せず)とを備え、滅菌処理後のガスに含まれるNOをHNOに変換する。フィルタは、たとえばセラミック製のハニカム構造を備えた基材に、硝酸吸着性のコーティング層を施したフィルタであり、ガス中のHNOを吸着して無害化する。なお、浄化部51の構成はこれに限定されず、たとえばアルカリ水溶液を蓄積した貯留槽を設けてもよい。貯留槽に蓄積されたアルカリ水溶液に滅菌処理後のガスを通過させることにより、ガス中のNOxを溶融させて除去することができる。
以上の構成を備えた滅菌装置を用いて、本実施形態の滅菌方法が実施される。
<滅菌方法>
次に、本実施形態の滅菌方法を、図1および図5に基づいて説明する。図5は、本実施形態における滅菌方法の各工程を説明するためのフローチャートである。
原料ガス供給工程(ステップS110)は、蓄積空間120にボンベ21とボンベ22にそれぞれ封入された窒素と酸素とを供給する工程である。原料ガス供給工程は、上記した吸気系統20において実行される(図1参照)。
上記のとおり、窒素と酸素とは、それぞれ別々のボンベ21およびボンベ22に封入されており、それぞれ電磁弁V1および電磁弁V2を開放して所定の混合割合で蓄積空間120に供給される。そのため、原料ガス供給工程では、後述する蓄積ガス調製工程において、高濃度NOガスを調製する際にプラズマの照射によりNOの濃度が最も高められる最適な混合比で窒素と酸素とをサブチャンバ12の蓄積空間120に供給する。具体的には、窒素と酸素とが、体積比で8:2〜2:8、より好ましくは6:4〜4:6、さらに好ましくは5:5となるようそれぞれ供給し得る。その結果、たとえば原料ガスとして外気等を使用する場合と比較して、外気等に含まれる水分等を除去するためのエアドライヤ等の付帯設備を省略することができる。
蓄積ガス調製工程(ステップS120)は、供給された窒素と酸素とにプラズマを照射して高濃度NOガスを調製する工程である。蓄積ガス調製工程は、上記した循環系統30において実行される。蓄積空間120に供給された窒素と酸素とは、ポンプP1が稼働されることにより大気圧(1atm)の圧力下(大気圧以下の圧力下)にてループ管路内を循環し、プラズマノズル31によりプラズマが照射されてNOを含むNOxガスに変換される。NOxガスは、循環されることにより、上記した反応機構(式(1)〜(7)参照)に基づいてNO濃度が高められ、高濃度NOガスとして蓄積空間120に蓄積される。
ここで、上記のとおり、プラズマノズル31の電界集中部に供給された窒素と酸素とは、強電界に励起される。本実施形態では、供給される窒素と酸素とにプラズマを照射する際の圧力が大気圧であるため、プラズマが安定的に点灯されやすく、かつ、プラズマの点灯状態が維持されやすい。その結果、本実施形態では、たとえばNOガスが封入された市販のボンベ等を別途準備しなくても、大気圧以下の圧力下にて、窒素と酸素とを原料として効率よく高濃度NOガスを調製することができる。高濃度NOガス中のNO濃度は、たとえば5〜200mg/L程度とすることができる。
滅菌ガス調製工程(ステップS130)は、蓄積空間120に、ボンベ23に封入された乾燥空気を圧入し、乾燥空気と高濃度NOガスとを混合してNOガスを調製する工程である。滅菌ガス調製工程は、上記した原料ガス供給工程と同様に、吸気系統20において実行される。本実施形態では、電磁弁V3を開放してボンベ23に封入された乾燥空気を圧入することにより、たとえば1.1〜150atm程度に加圧された状態でNOガスが蓄積される。
滅菌工程(ステップS140)は、蓄積空間120に蓄積されたNOガスを処理空間110に供給して被処理物を滅菌する工程である。滅菌工程は、上記した連係系統40において実行される。
NOガスは、上記のとおり、滅菌ガス調製工程において乾燥空気が圧入されたことにより蓄積空間120内において高圧で蓄積されている。そのため、滅菌工程において、蓄積空間120に蓄積された高圧のNOガスは、電磁弁V6が開放されると、処理空間110と蓄積空間120との圧力差に従って処理空間110に短時間で供給される。その際、ポンプP2を稼働させれば、NOガスを蓄積空間120に残さずに処理空間110へ圧入することができる。具体的には、たとえば、処理空間110を真空引きしていた場合において、処理空間110(容積:150L、圧力:略真空)に、蓄積空間120(容積:50L、圧力:3atm)に封入されたNOガス(濃度:60mg/L)の全量が供給される場合、NOガス供給後の処理空間110の圧力は1(atm)となり、処理空間110に供給されたNOガスの濃度は20(mg/L)となる。また、高濃度NOガス中のNOの濃度を充分に高めたうえで、乾燥空気を混合してさらに高圧のNOガスを調製する場合には、サブチャンバ12の蓄積空間120をさらに小容量とすることができ、滅菌装置1を省スペース化することができる。なお、NOガスを供給した後の処理空間110の圧力としては、大気圧(1atm)以下であることが好ましい。これにより、万が一処理空間110に破損等が生じて気密性が低下した場合等に、NOガスの漏洩を抑制することができる。
本実施形態では、従来のようにNOガスを調製しつつ調製したNOガスを処理空間110に順次供給するのではなく、処理空間110に供給する前に、上記のとおり滅菌ガス調製工程によりNOガスの調製を完了し、蓄積空間120に高圧で蓄積しておく。そして、蓄積しておいたNOガスを、滅菌工程において、処理空間110に供給する。そのため、従来のようにNOガスを調製しながら順次供給する場合と比較して、処理空間110へのNOガスの供給に要する時間が短縮される。その結果、処理空間110におけるNOガスの濃度上昇勾配を急にすることができ、滅菌濃度に至る前に実質的に滅菌が開始される期間を従来よりも相対的に短くして、滅菌の準備から完了までの一連の工程(1サイクル)に要する時間が短縮される。
排気工程(ステップS150)は、滅菌処理に用いたNOガスを無害化し、外部に排気するための工程である。排気工程は、上記した排気系統50において実行され、滅菌工程後に処理空間110内に残存するNOは、浄化部51のHNO変換部(図示せず)によりHNOに変換され、フィルタ(図示せず)により吸着されて除去される。
<処理空間の圧力変化>
次に、本実施形態の滅菌方法の滅菌工程(および排気工程)を実施する際の処理空間内の経時的な圧力変化について図1および図6を参照しながら説明する。図6は、処理空間内の経時的な圧力変化を説明するためのグラフであり、図6(a)は、本実施形態の滅菌方法を実施した場合におけるメインチャンバ内の経時的な圧力変化を説明するためのグラフであり、図6(b)は、従来の滅菌方法を実施した場合におけるメインチャンバ内の経時的な圧力変化を説明するためのグラフである。なお、処理空間内の圧力は、圧力センサ112により計測される。
まず、図6(a)に示される時刻T1の前に、被処理物が処理空間110に収容される。処理空間110への被処理物の収容は、滅菌工程が実行される前であればよい。時刻T1において、処理空間110内の圧力は、大気圧(1atm)である。
時刻T1〜T2では、電磁弁V8および電磁弁V9(図1参照)が開放され、ポンプP3が駆動されて、処理空間110が真空引きされる。真空引きが完了した後、電磁弁V8は閉止される。時刻T2における処理空間110内の圧力をPa(atm)で示す。Paは略真空である。
時刻T2〜T3では、処理空間110は、所定時間の間、Pa(atm)で保持され、真空状態が安定化される。この間、被処理物は乾燥状態とされる。
時刻T3〜T4では、処理空間110に水分導入器(図示せず)により水分が導入される。処理空間110内は、略真空であるため、導入された水分は水蒸気となり瞬時に被処理物の細部に行き渡るとともに、処理空間110内の圧力は幾分上昇する。これにより、被処理物の表面には水蒸気が付着するため、NOガスが供給された際に表面にHNOを生成させることができ、滅菌効率が向上する。時刻T4における処理空間110内の圧力をPb(atm)で示す。
時刻T4〜T5では、処理空間110は、所定時間の間、Pb(atm)で保持され、適度に水分が導入された状態が安定化される。この間、被処理物は適度に水分が導入された状態とされる。
時刻T5〜T6では、電磁弁V6が開放され、ポンプP2が稼働されることにより、蓄積空間120に蓄積されたNOガスが処理空間110に供給される。上記のとおり、蓄積空間120には、加圧された状態(たとえば3atm)でNOガスが蓄積されている。そのため、NOガスは、略真空(Pb(atm))の処理空間110に、圧力差を利用して一気に導入される。本実施形態では、圧力差を利用するとともにポンプP2を併用してNOガスの全量が処理空間110に導入される。時刻T6における処理空間110内の圧力をPc(atm)で示す。
時刻T6〜T7では、電磁弁V6が閉止され、処理空間110は、所定時間の間、圧力Pc(atm)および滅菌濃度で保持される。この間、被処理物はNOガスに曝され、滅菌される。
時刻T7〜T8では、電磁弁V8および電磁弁V9が開放され、ポンプP3が駆動されることにより、処理空間110が真空引き(排気)される。時刻T8における処理空間110内の圧力は、再び略真空(Pa(atm))とされる。
時刻T8〜T9では、処理空間110は、所定時間の間、Pa(atm)で保持される。この間、被処理物は乾燥状態とされる。
時刻T9〜T13では、滅菌後の被処理物や処理空間110内に残存するNOガスや滅菌反応により生成された物質を除去するために、複圧と減圧とが繰り返される。時刻T9〜T10では、たとえば電磁弁V3と電磁弁V6が開放され、ポンプP2が駆動されることにより、ボンベ23から乾燥空気が導入されて処理空間110内が複圧される。時刻T10における処理空間110内の圧力をPd(atm)で示す。時刻T10〜T11では、電磁弁V6が閉止されるとともに電磁弁V8および電磁弁V9が開放され、ポンプP3が駆動されることにより、処理空間110は真空引きされる。時刻T11における処理空間110内の圧力は、再びPa(atm)とされる。時刻T11〜T12では、時刻T9〜T10と同様に、ボンベ23から乾燥空気が導入されて、再び処理空間110内は複圧される。時刻T12〜T13では、時刻T10〜T11と同様に、処理空間110は真空引きされて、再び処理空間110内は減圧される。なお、複圧と減圧の繰り返し数は2回に限定されず、1回であってもよく3回以上であってもよい。
時刻T13〜T14では、時刻T9〜T10と同様に、ボンベ23から乾燥空気が導入され、大気圧(1atm)に複圧される。本実施形態の滅菌方法は、以上のタイムスケジュールに従って滅菌工程(および排気工程)が実施される。
一方、図6(b)に示されるように、従来の滅菌方法によれば、時刻T1’〜T5’およびT6’〜T14’における圧力の経時変化は図6(a)に示される本実施形態の滅菌方法における時刻T1〜T5およびT6〜T14における圧力の経時変化と同様であるが、時刻T5’〜T6’に要する時間(NOガスを供給する際に要する時間)は、本実施形態の滅菌方法における時刻T5〜T6に要する時間よりも長時間となる。これは、従来の滅菌方法では、サブチャンバを含む循環系統において窒素と酸素とを含む外気をプラズマ化してNOガスを調製しつつ、調製したNOガスを処理空間に順次供給した結果、処理空間におけるNOガスの濃度を一定の圧力(滅菌濃度)に到達させるまでに長時間を要したためである。
本実施形態では、上記のとおり、滅菌ガス調製工程においてNOガスの調製を予め完了して蓄積空間120に蓄積しておき、蓄積しておいたNOガスを滅菌工程(時刻T5〜T6)において処理空間110に供給するため、短時間でNOガスが供給される。その結果、滅菌処理の1サイクルに要する時間(時刻T1〜T14)も短くなる。
また、本実施形態の滅菌方法では、時刻T5〜T6における圧力変動の勾配(図6(a)において角度θ1で表示)が、従来の滅菌方法の時刻T5’〜T6’における圧力変動の勾配(図6(b)において角度θ2で表示)と比べて大きい。略真空である処理空間110における圧力の上昇は、供給されたNOガスの量(濃度)を反映するため、本実施形態の滅菌方法では、処理空間110におけるNOガスの濃度上昇勾配が従来の滅菌方法と比べて急であることが判る。
(実施の形態2)
以下に、本発明の滅菌方法の第2の実施形態(実施の形態2)について説明する。図7は、本実施形態の滅菌方法において使用される滅菌装置1aの概略的な模式図である。
本実施形態で使用する滅菌装置1aは、実施の形態1の滅菌方法で使用する滅菌装置1における乾燥空気を封入したボンベ23と電磁弁V1と配管201と配管204と(それぞれ図1参照)に代えて、ポンプP4とエアドライヤ24と湿度センサ25と電磁弁V10と配管207と配管208とを含む以外は、実施の形態1の滅菌方法で使用する滅菌装置1と同様である。そのため、相違点以外の説明は省略する。
吸気系統20aにおいて、配管207は、一端が外気を吸入するために設けられたポンプP4と接続されており、他端が電磁弁V10を介して配管208の一端と接続されている。配管208の他端は、蓄積空間120に接続されている。配管207には、上流側からエアドライヤ24と湿度センサ25とが配置されている。
エアドライヤ24は、ポンプP4により吸入された外気(空気)に含まれる水分を除去するために設けられており、たとえば電熱ヒータを備えた乾燥装置である。このエアドライヤ24を通過した空気(乾燥空気)は、湿度が略ゼロとなる。湿度センサ25は、配管207内を流通する空気の湿度を検出するために設けられており、もっぱらエアドライヤ24の故障検知のために用いられる。
本実施形態では、滅菌ガス調製工程において、ポンプP4により吸入された外気を用いて調製された上記乾燥空気が希釈用ガスとして高濃度NOガスと混合される。すなわち、希釈用ガスとしてボンベに封入された乾燥空気を用いるのではなく、外気を原料として乾燥空気を調製できる。そのため、実施の形態1において説明したようなボンベ23に封入された乾燥空気(図1参照)を準備する必要がなく、コストが安く、ボンベを交換する手間を省くことができる。
(実施の形態3)
以下に、本発明の滅菌方法の第3の実施形態(実施の形態3)について説明する。図8は、本実施形態の滅菌方法において使用される滅菌装置1bの概略的な模式図である。
本実施形態で使用する滅菌装置1bは、吸気系統20bがポンプP5とエアドライヤ24aと湿度センサ25aと電磁弁V11と配管209と配管210とを含む以外は、実施の形態1の滅菌方法で使用する滅菌装置1(図1参照)と同様である。そのため、相違点以外の説明は省略する。
吸気系統20bにおいて、配管209は、一端が外気を吸入するために設けられたポンプP5と接続されており、他端が電磁弁V11を介して配管210の一端と接続されている。配管210の他端は、蓄積空間120に接続されている。配管209には、上流側からエアドライヤ24aと湿度センサ25aとが配置されている。ポンプP5により吸入された外気は、エアドライヤ24aにより乾燥されて乾燥空気とされる。蓄積空間120に供給された乾燥空気は、上記した蓄積ガス調製工程を経て高濃度NOガスとされる。
ここで、本実施形態では、上記乾燥空気は、原料ガス供給工程だけでなく滅菌ガス調製工程における希釈用ガスとしても使用される。すなわち、滅菌ガス調製工程において、乾燥空気を蓄積空間120に圧入して高濃度NOガスと混合することにより、NOガスを調製する。このように、本実施形態では、蓄積ガス調製工程における高濃度NOガスの調製時と、滅菌ガス調製工程におけるNOガスの調製時との両方において外気を原料とした乾燥空気を使用できるため、別途窒素、酸素、乾燥空気をそれぞれ封入したボンベ21〜23(図1参照)を準備する必要がないためコストが安く、ボンベを交換する手間を省くことができるとともに、滅菌装置1bの構成を簡略化することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば次のような変形実施形態を採用ことができる。
(1)上記実施形態では、滅菌工程において、ポンプを使用して蓄積空間から処理空間にNOガスを全量供給する場合を例示した。本発明は、これに代えて、ポンプを省略してもよい。すなわち、本発明では、上記のとおり、ボンベ等を用いてNOガスを高圧で蓄積空間に蓄積し得る。そのため、蓄積空間と処理空間との圧力差を利用するだけであっても、処理空間内に充分な濃度のNOガスを供給し得る。また、この場合には、蓄積空間にNOガスが残存するが、残存したNOガスは、引き続いて蓄積ガス調製工程において高濃度NOガスを調製する際に使用することができ、これにより蓄積ガス調製工程に要する時間を短縮し得る。
(2)上記実施の形態1および実施の形態2では、原料供給工程において窒素と酸素との混合割合を調整し得るように、それぞれが封入されたボンベを準備する場合を例示した。本発明は、これに代えて、酸素が封入されたボンベと乾燥空気が封入されたボンベ(または外気から乾燥空気を調製するためのポンプ、エアドライヤ等)とを準備するか、窒素が封入されたボンベと乾燥空気が封入されたボンベ(または外気から乾燥空気を調製するためのポンプ、エアドライヤ等)とを準備し、これらを併用することにより窒素と酸素との混合割合を調整してもよい。また、窒素と酸素とが所定の割合で混合されて封入されたボンベや、乾燥空気が封入されたボンベを準備し、これらを単独で用いてもよい。
(3)上記実施の形態1および実施の形態2では、滅菌ガス調製工程において、乾燥空気を希釈用ガスとして使用する場合を例示した。本発明は、これに代えて、窒素または酸素を希釈用ガスとして使用してもよい。この場合、原料ガス調製工程で使用したボンベにそれぞれ封入された窒素または酸素を用いることができるため、乾燥空気が封入されたボンベ(または外気から乾燥空気を調製するためのポンプ、エアドライヤ等)を準備する必要がなく、装置を簡略化し得る。
(4)上記実施形態では、メインチャンバの個数が1である場合を例示した。本発明は、これに代えて、メインチャンバを複数準備してもよい。すなわち、本発明によれば、NOガスを短時間で処理空間に供給できるため、その後に原料ガス供給工程、蓄積ガス調整工程、滅菌ガス調製工程を早期に再開し、サブチャンバにあらたにNOガスを蓄積し得る。そのため、蓄積したNOガスを用いて、他の1のメインチャンバの処理空間に供給すれば、より多くの被処理物を効率的に滅菌し得る。
1、1a、1b:滅菌装置 11:メインチャンバ 110:処理空間 111、121:濃度センサ 112、122:圧力センサ 12:サブチャンバ 120:蓄積空間 20、20a、20b:吸気系統 201〜210、301〜303、401、402、501、502:配管 21〜23:ボンベ 24、24a:エアドライヤ 25、25a:湿度センサ 30:循環系統 31:プラズマノズル 311:中心導体 311B:上端部 311T、312T:下端部 312:外部導体 312H:筒状空間 312N:ガス供給孔 313:スペーサ 314:保護管 315:配管 32:ガス流量計 33:NO変換部 331:フィルタ 332:第一変換部 333:第二変換部 40:連係系統 50:排気系統 60:マイクロ波供給装置 61:マイクロ波発生装置 62:導波管 621:スライディングシュート 622:フランジ部 623:金属フランジ板 624:ネジ 63:アイソレータ 631:サーキュレータ 632:ダミーロード 64:カプラ 65:チューナ P1〜P5:ポンプ V1〜V11:電磁弁

Claims (7)

  1. 被処理物の滅菌を行う処理空間を備えた処理部に、供給経路を通して供給部の蓄積空間に蓄積された滅菌ガスを供給して前記被処理物を滅菌する滅菌方法であって、
    前記供給経路を閉じた状態で、前記供給部の蓄積空間に窒素と酸素とを含む原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、
    供給された前記原料ガスにプラズマを照射してNOを含む蓄積ガスを調製する蓄積ガス調製工程と、
    前記供給部の蓄積空間に希釈用ガスを圧入し、該希釈用ガスと前記蓄積ガスとを混合して滅菌ガスを調製する滅菌ガス調製工程と、
    前記供給経路を開放して、前記処理部の処理空間に前記供給部の蓄積空間に蓄積された前記滅菌ガスを供給し、前記処理空間を所定の圧力及び滅菌ガス濃度とする工程と、
    前記供給経路を閉じて、前記処理空間を前記所定の圧力及び滅菌ガス濃度で所定時間保持することによって、前記被処理物を滅菌する滅菌工程と、
    を含む滅菌方法。
  2. 前記蓄積ガス調製工程において、
    前記原料ガスを、前記供給部の蓄積空間に一端と他端とが接続された循環経路に供給し、
    該循環経路内に設けられた循環手段により前記原料ガスを循環させ、
    循環される前記原料ガスに、前記循環経路内に設けられたプラズマ照射手段によりプラズマを照射して、NOを含む前記蓄積ガスを調製する、請求項1記載の滅菌方法。
  3. 前記蓄積ガス調製工程において、
    大気圧以下の圧力下にて原料ガスにプラズマを照射する、請求項1または2記載の滅菌方法。
  4. 前記滅菌工程において、
    前記供給経路内に設けられたポンプにより前記処理部の処理空間に前記滅菌ガスを供給する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の滅菌方法。
  5. 前記滅菌ガス調製工程において、
    耐圧容器に封入された希釈用ガスを、前記供給部の蓄積空間に圧入する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の滅菌方法。
  6. 前記原料ガス供給工程において、
    原料ガスとして、窒素と酸素とを個別に供給する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の滅菌方法。
  7. 前記滅菌ガス調製工程において、
    希釈用ガスとして、乾燥空気を圧入する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の滅菌方法。
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