JP2011050602A - 滅菌装置 - Google Patents

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JP2011050602A JP2009202938A JP2009202938A JP2011050602A JP 2011050602 A JP2011050602 A JP 2011050602A JP 2009202938 A JP2009202938 A JP 2009202938A JP 2009202938 A JP2009202938 A JP 2009202938A JP 2011050602 A JP2011050602 A JP 2011050602A
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和宏 木村
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Abstract

【課題】滅菌処理後のガスを排気するためのポンプの腐食を防止し、かつ、滅菌処理後のガスを確実に排気する。
【解決手段】真空ポンプP52を停止させた状態で、吸気系統20からサブチャンバ12を介してメインチャンバ11に空気を供給する第1処理と、真空ポンプP52を停止させた状態で、耐薬ポンプP51がメインチャンバ11内の滅菌処理後のガスを排気部53に搬入させて排気させる第2処理とを所定サイクル繰り返す。第1制御部72による処理が終了した後、真空ポンプP52が稼働され、メインチャンバ11内の滅菌処理後のガスが排気部53に搬入され、急速に排気される。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理物を滅菌剤を用いて滅菌する滅菌装置に関するものであり、特に、滅菌処理後のガスを排気する技術に関するものである。
医療用器具や食品包装材などの被処理物を高度に滅菌する方法として、被処理物が配置された密閉空間に酸化エチレンガスや窒素酸化物ガスのような滅菌剤を導入し、被処理物に滅菌剤を反応させる方法が知られている。そして、このような方法においては、滅菌処理後のガスをそのまま排気すると危険であるため、無害化して排気する必要がある。
例えば、特許文献1には、殺菌室1に真空ポンプ24を介して連通され、殺菌室1内を真空にする流路と、殺菌室1内の医療用器具を殺菌するために殺菌室1に流入されたオゾンをオゾンキラ5を介して排出する流路とを備えるオゾン化ガスを用いた消毒殺菌装置が開示されている。
特開昭63−240864号公報
ところで、滅菌処理後のガスを排気する場合、真空ポンプを用いれば、滅菌処理後のガスを高速に排気することができるが、真空ポンプは耐薬特性がないことが一般的であるため、真空ポンプを用いて滅菌処理後のガスを排気すると、真空ポンプが腐食するという問題がある。
一方、耐薬特性を有するポンプを用いれば、腐食はしないものの、真空ポンプに比べて、ガスを引き込む能力が低いため、滅菌処理後のガスを排気するには長時間を要してしまう。
また、特許文献1の手法では、殺菌室1に2つの流路が設けられているが、一方の流路は、殺菌室1を真空にするために設けられたものであり、滅菌処理後のガスを排気するために設けられたものではない。
本発明の目的は、滅菌処理後のガスを排気するためのポンプの腐食を防止し、かつ、滅菌処理後のガスを確実に排気することができる滅菌装置を提供することである。
(1)本発明の一局面による滅菌装置は、被処理物が収納され、滅菌剤を用いて前記被処理物を滅菌する滅菌処理部と、前記滅菌処理部内の滅菌処理後のガスに所定の無害化処理を施して排気するする排気部と、耐薬ポンプが配置され、前記滅菌処理部内の滅菌処理後のガスを前記排気部に搬入する第1配管と、真空ポンプが配置され、前記滅菌処理部内の滅菌処理後のガスを前記排気部に搬入する第2配管とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、耐薬ポンプにより滅菌処理後のガスを排気部に搬入する第1配管と、真空ポンプにより滅菌処理後のガスを排気部に搬入する第2配管とが設けられている。
よって、まず、滅菌処理後のガスを第1配管を介して排気部に搬入させ、滅菌処理後のガスの濃度がある程度低下した後、第2の配管を介して排気部に搬入させることが可能となる。
これにより、滅菌処理後のガスを排気するためのポンプの腐食を防止し、かつ、滅菌処理後のガスを確実に排気することができる。
(2)前記滅菌処理部に空気を供給する空気供給部と、前記真空ポンプを停止させた状態で、前記空気供給部から前記滅菌処理部に空気を供給する第1処理と、前記真空ポンプを停止させた状態で、前記耐薬ポンプが前記滅菌処理部内の滅菌処理後のガスを前記排気部に搬入する第2処理とを所定サイクル繰り返す第1制御部と、前記第1制御部による処理が終了した後、前記真空ポンプを稼働させることで、前記滅菌処理部内の滅菌処理後のガスを前記排気部に搬入させる第2制御部とを備えることが好ましい。
この構成によれば、真空ポンプを停止させた状態で、空気供給部から滅菌処理部に空気を供給する第1処理と、真空ポンプを停止させた状態で、耐薬ポンプが滅菌処理部内の滅菌処理後のガスを排気部に搬入する第2処理とが所定サイクル繰り返される。これにより、サイクルが進むにつれて滅菌処理部内の滅菌処理後のガスの濃度が徐々に低下していく。そして、第1処理と第2処理とが所定サイクル繰り返され、滅菌処理部内の滅菌処理後のガスの濃度が、真空ポンプを腐食させない程度まで低下すると、真空ポンプを用いて滅菌処理後のガスが第2配管を介して排気部に導かれて無害化処理された後、排気される。
(3)前記排気部の配管と前記滅菌処理部との間に配置された第3配管を更に備え、前記第1制御部は、前記第2処理において、前記排気部から排気される滅菌処理後のガスを前記第3配管を介して前記滅菌処理部に戻すことが好ましい。
この構成によれば、第1及び第2処理が所定サイクル繰り返される間、滅菌処理後のガスは、排気部により無害化処理された後、第3配管を介して滅菌処理部に戻されるため、第1配管、排気部、第3配管、滅菌処理部の流路を循環しながら、濃度が低下されることになる。よって、滅菌処理後のガスが高濃度で排気されることを防止することができる。
(4)前記滅菌剤は窒素酸化物であり、前記排気部は、前記滅菌処理後のガスに含まれる窒素酸化物を硝酸に変換させるためのオゾンを生成するオゾン生成部と、前記硝酸を吸着させるフィルタとを備えることが好ましい。
この構成によれば、滅菌処理後のガスに含まれる窒素酸化物はオゾンと反応されることで、硝酸に変換された後、フィルタに吸着されるため、滅菌処理後のガスを確実に無毒化させることができる。
本発明によれば、滅菌処理後のガスを排気するためのポンプの腐食を防止し、かつ、滅菌処理後のガスを確実に排気することができる。
本発明の第1実施形態に係る滅菌装置を示すブロック図である。 マイクロ波供給装置の構成を概略的に示すブロック図である。 導波管に取り付けられた状態のプラズマノズルを示す断面図である。 NO変換部の詳細構成を示すブロック図である。 滅菌装置の電気的な制御構成を示したブロック図である。 制御装置により制御される滅菌装置の浄化排気工程以外の動作を示すタイミングチャートである。 浄化排気工程以外の各ポンプの制御状態を示す表形式の図である。 浄化排気工程以外の各電磁弁の制御状態を示す表形式の図である。 浄化排気工程における滅菌装置の動作を示すタイミングチャートである。 サイクルモードにおける各ポンプの制御状態を示す表形式の図である。 サイクルモードにおける各電磁弁の制御状態を示す表形式の図である。 真空排気モードにおける各ポンプの制御状態を示す表形式の図である。 真空排気モードにおける各電磁弁の制御状態を示す表形式の図である。 浄化排気工程におけるメインチャンバ内の圧力(内圧:MPa)を示した実測値である。 本発明の第2実施形態に係る滅菌装置を示すブロック図である。 第2実施形態のサイクルモードにおける各電磁弁の制御状態を示す表形式の図である。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る滅菌装置1を示すブロック図である。この滅菌装置1は、例えばメス、鉗子、カテーテルなどの医療用器具や、包装シート、トレイ、ボトルなどの食品包装材を被処理物とし、これらに滅菌剤を作用させて滅菌処理を施すための装置である。本実施形態では、滅菌剤として二酸化窒素(NO)を用いる例を示す。
滅菌装置1は、メインチャンバ11(滅菌処理部)、サブチャンバ12、吸気系統20(空気供給部)、循環系統30、連係系統40、及び排気系統50を含む。これら系統20〜50の適所には、電磁弁V1〜V5,V51〜V53と、ポンプP1〜P3と、耐薬ポンプP51と、真空ポンプP52とが配置されている。
メインチャンバ11は、被処理物が収容される密閉空間を提供するチャンバであり、例えばステンレス鋼などで構成され、高度の真空引きに対応できる耐圧構造を備えた大容量のチャンバである。図示は省略しているが、メインチャンバ11には被処理物を搬入出するためのドアが備えられ、その内部には、被処理物を積載するための処理トレイが備えられている。
メインチャンバ11には、滅菌剤の濃度を計測する第1濃度センサ111と、チャンバ内の圧力を検出する第1圧力センサ112とが備えられている。第1濃度センサ111は、滅菌剤としてのNOの濃度を計測するもので、滅菌処理後にメインチャンバ11内を排気するに当たり、この第1濃度センサ111の計測値が参照される。第1圧力センサ112は、メインチャンバ11内の減圧状態を計測するセンサである。この他、温度センサ、湿度センサ、或いはオゾンセンサ等の各種物理量センサが備えられていても良い。
サブチャンバ12は、滅菌剤を生成するためのチャンバであり、例えばステンレス鋼などで構成され、メインチャンバ11と同様に、高度の真空引きに対応できる耐圧構造を備えた比較的小容量のチャンバである。後記で詳述するが、サブチャンバ12内において常圧下で滅菌剤としての所定濃度のNOガスが生成され、減圧下にあるメインチャンバ11内に該NOガスが導入される。
サブチャンバ12内にも、NOの濃度を計測する第2濃度センサ121と、チャンバ内の圧力を検出する第2圧力センサ122とが備えられている。第2濃度センサ121の計測値は、例えばNOガスをメインチャンバ11へ導入する前に、サブチャンバ12内で所定濃度のNOガスが生成されているか否かを確認するために参照される。
吸気系統20は、サブチャンバ12、若しくはサブチャンバ12及びメインチャンバ11の双方に乾燥した外気(空気)を導入させるための配管系統である。吸気系統20は、ポンプP1、エアドライヤ21、湿度センサ22、電磁弁V1、第1常圧配管201及び第1真空配管202を含む。第1常圧配管201は、ポンプP1と電磁弁V1との間を接続する配管であり、その経路中にエアドライヤ21及び湿度センサ22が配置されている。第1真空配管202は、電磁弁V1とサブチャンバ12との間を接続している。
ポンプP1は、減圧状態にあるサブチャンバ12、若しくはサブチャンバ12及びメインチャンバ11の双方を常圧(例えば1気圧)に戻すときに動作されるポンプである。ポンプP1は、外気を吸入し、第1常圧配管201及び第1真空配管202を介してサブチャンバ12内に外気を送り込む。エアドライヤ21は、外気に含まれる水分を除去するもので、例えば電熱ヒータを備えた乾燥装置が適用される。このエアドライヤ21を通過した空気は、ほぼ湿度がゼロとなる。湿度センサ22は、第1常圧配管201内を流通する空気の湿度を検出する。この湿度センサ22は、専らエアドライヤ21の故障検知のために用いられる。
電磁弁V1は、ポンプP1の稼働時に連動して「開」とされるバルブである。すなわち、電磁弁V1は、メインチャンバ11及びサブチャンバ12を含む系統を、外気圧と遮断する必要があるときに「閉」とされ、これを常圧に復帰させるときに「開」とされる。このため、電磁弁V1よりも吸気方向下流側は、真空引きに耐性を有する第1真空配管202が用いられている。
循環系統30は、主に吸気系統20によりサブチャンバ12に導入された乾燥空気をプラズマで電離して、滅菌剤としてのNOガスを生成する際に稼働される系統である。循環系統30は、電磁弁V2,V3、流量制御弁FV、プラズマノズル31、ガス流量計32、第2ポンプP2、NO変換部33、第2真空配管301、第3真空配管302、及び第2常圧配管303を含む。
第2真空配管301の一端側はサブチャンバ12内に連通し、他端側は電磁弁V2を介して第2常圧配管303の一端側に接続されている。第3真空配管302の一端側はサブチャンバ12内に連通し、他端側は電磁弁V3を介して第2常圧配管303の他端側に接続されている。これにより、サブチャンバ12と連通する、第2真空配管301の一端側を起点として第3真空配管302の一端側に戻るループ管路が形成されている。本実施形態では、第2真空配管301側が、当該ループ管路内を流れる空気流の上流側となる。第2常圧配管303に対して、上流側から順に流量制御弁FV、プラズマノズル31、ガス流量計32、ポンプP2及びNO変換部33が配置されている。
電磁弁V2及び電磁弁V3は、サブチャンバ12が減圧状態にあるときに「閉」とされ、後述する常圧状態でのNOガス生成時及び無害化処理時に「開」とされる弁である。このため、電磁弁V2,V3とサブチャンバ12とを接続する配管として、第2真空配管301及び第3真空配管302が適用されている。
流量制御弁FVは、プラズマノズル31の上流側において第2常圧配管303に配置され、第2常圧配管303中を移送されるガスの流量を制限する弁である。
プラズマノズル31は、プラズマ(電離気体)を発生させるための電界集中部を提供する。第2常圧配管303を流通する空気(窒素及び酸素を含むガス)は、プラズマノズル31の前記電界集中部を通過することで電離され、NOガスやNOガスを含む窒素酸化物(NOx)ガスに変換される。このようなプラズマを発生させるために、本実施形態で
はマイクロ波エネルギーが用いられている。当該マイクロ波エネルギーは、マイクロ波供給装置60からプラズマノズル31に与えられる。
図2は、マイクロ波供給装置60の構成を概略的に示すブロック図である。マイクロ波供給装置60は、マイクロ波エネルギーを発生すると共に、これをプラズマノズル31に供給するための装置であって、マイクロ波を発生するマイクロ波発生装置61と、前記マイクロ波を伝搬させる導波管62とを含む。この導波管62に、プラズマノズル31が取り付けられている。また、マイクロ波発生装置61と導波管62との間には、アイソレータ63、カプラ64、及びチューナ65が備えられている。
マイクロ波発生装置61は、例えば2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロン等のマイクロ波発生源と、このマイクロ波発生源にて発生されたマイクロ波の強度を所定の出力強度に調整するアンプとを含む。本実施形態では、例えば1W〜3kWのマイクロ波エネルギーを出力できる連続可変型のマイクロ波発生装置61が好適に用いられる。
導波管62は、アルミニウム等の非磁性金属からなり、断面矩形の長尺管状を呈し、マイクロ波発生装置61により発生されたマイクロ波を、その長手方向に伝搬させる。導波管62の遠端側には、スライディングショート621がフランジ部622を介して取り付けられている。スライディングショート621は、マイクロ波の反射位置を変化させて定在波パターンを調整するための部材である。
アイソレータ63は、導波管62からの反射マイクロ波のマイクロ波発生装置61への入射を抑止する機器であり、サーキュレータ631とダミーロード632とを含む。サーキュレータ631は、マイクロ波発生装置61で発生されたマイクロ波を導波管62に向かわせる一方で、反射マイクロ波をダミーロード632に向かわせる。ダミーロード632は、反射マイクロ波を吸収して熱に変換する。カプラ64は、マイクロ波エネルギーの強度を計測する。チューナ65は、導波管62に突出可能なスタブを含み、反射マイクロ波が最小となるような調整、つまり、プラズマノズル31でのマイクロ波エネルギーの消費が最大となる調整を行うための機器である。カプラ64は、この調整の際に利用される。
図3は、導波管62に取り付けられた状態のプラズマノズル31を示す断面図である。プラズマノズル31は、中心導体311、外部導体312、スペーサ313、及び保護管314を備えている。
中心導体311は、良導電性の金属から構成された棒状部材からなり、その上端部311Bの側が導波管62の内部に所定長さだけ突出している。この突出した上端部311Bは、導波管62内を伝搬するマイクロ波を受信するアンテナ部として機能する。
外部導体312は、良導電性の金属から構成され、中心導体311を収納する筒状空間312H(プラズマ発生空間)を有する筒状体である。中心導体311は、この筒状空間312Hの中心軸上に配置されている。外部導体312は、導波管62の下面板に一体的に取り付けられた円筒型の金属フランジ板623に嵌め込まれ、ネジ624で締め付けられることにより、導波管62に固定されている。導波管62がアース電位とされる結果、外部導体312もアース電位とされる。
また、外部導体312は、その外周壁から筒状空間312Hに貫通するガス供給孔312Nを有する。このガス供給孔312Nには、第2常圧配管303の上流側が接続される。他方、筒状空間312Hの下端部には、絶縁性の配管315が接続されている。なお、この配管315は、第2常圧配管303の一部を構成する。これにより、第2常圧配管303内を流通する気体は、筒状空間312H内を経由することになる。
スペーサ313は、中心導体311を保持すると共に、導波管62内の空間と筒状空間312Hとの間をシールする。スペーサ313は、例えばポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性樹脂材料やセラミック等からなる絶縁性部材を用いることができる。外部導体312の筒状空間312Hの上端部分には段差部が設けられ、該段差部でスペーサ313が支持されている。スペーサ313で保持された中心導体311は、外部導体312とは絶縁された状態となる。保護管314は、所定長さの石英ガラスパイプ等からなり、外部導体312の下端縁312Tにおける異常放電(アーキング)を防止するために、筒状空間312Hの下端部分に嵌め込まれている。
上記のように構成されたプラズマノズル31によれば、中心導体311が導波管62を伝搬するマイクロ波を受信すると、アース電位の外部導体312との間に電位差が生じる。特に、中心導体311の下端部311Tと外部導体312の下端縁312Tとの近傍に電界集中部が形成されるようになる。かかる状態で、ガス供給孔312Nから酸素分子と窒素分子とを含むガス(空気)が筒状空間312Hへ供給されると、ガスが励起されて中心導体311の下端部311T付近においてプラズマ(電離気体)が発生する。該プラズマは、NOxとフリーラジカルを含んでいる。また、このプラズマは、電子温度が数万度であるものの、ガス温度は外界温度に近い反応性プラズマ(中性分子が示すガス温度に比較して、電子が示す電子温度が極めて高い状態のプラズマ)であって、常圧下で発生するプラズマである。
ここで、プラズマを発生させる筒状空間312H(プラズマ発生空間)は、上記のように大気圧下でプラズマを発生させることが可能な空間ではあるが、筒状空間312Hの直ぐ下流側にポンプP2が配置されていることから、ポンプP2の動作に伴うガス流の発生で筒状空間312H及び絶縁性の配管315の内部が僅かに負圧となる。筒状空間312Hの直ぐ上流側に流量制御弁FVが設けられていることもまた、流量制御弁FV〜ポンプP2間のガス搬送空間の負圧形成に寄与する。
ここで、筒状空間312Hが減圧される結果として、プラズマノズル31におけるプラズマの安定的な点灯と、点灯状態の維持が確保される。因みに、もし、ポンプP2をプラズマノズル31の上流側に配置した場合、筒状空間312Hは若干大気圧よりも高い正圧となり、プラズマの点灯及びその維持においては望ましくない環境となる。
図1に戻って、ガス流量計32は、第2常圧配管303内を流通する気体の流量を計測する。ポンプP2は、NOガス生成時に、サブチャンバ12と循環系統30のループ管路とで構成される一つの空間内において、ガスを循環させるためのポンプである。プラズマノズル31が動作している状態でポンプP2が稼働されると、プラズマを発生させる筒状空間312Hを繰り返しガスが通過し、徐々にNOの濃度が上昇してゆくことになる。ポンプP2は、NOx等に耐性を持つ耐薬品性のポンプ(以下、耐薬ポンプと記述する。)が用いられる。
NO変換部33は、プラズマノズル31を通過し、様々な物質を含んだ状態のガスから、NOを抽出する機能を有する。図4は、NO変換部33の詳細構成を示すブロック図である。NO変換部33は、プラズマノズル31から送り出されるガス中からHNOを吸着するフィルタ331と、フィルタ331を通過したガス中のNOxをNOに変換する第1変換部332と、続いてそのNOをNOに変換する第2変換部333とを備えている。
プラズマノズル31において空気が電離されると、NO、Oが生成される。これらは次式に反応により段階的に酸化され、最終的にはエアドライヤ21で除去しきれずに僅かに残存する水分との反応により一部が硝酸(HNO)に転換する。
NO+O→NO+O
2NO+O→N+O
+HO→2HNO
フィルタ331は、上記の反応で生成されるHNOを吸着する。このフィルタ331としては、例えばセラミック製のハニカム構造を備えた基材に、硝酸吸着性のコーティング層を施したフィルタを用いることができる。硝酸吸着性のコーティング層としては、例えばゼオライト、アルミナ、シリカゲル等の珪素吸着剤を用いることができる。
第1変換部332は、フィルタ331を通過したガスに含まれる、NO以外のNOxをNOに変換する。第1変換部332としては、例えばセラミック製のハニカム構造を備えた基材に、白金やパラジウム等を含有するコーティング層が形成された触媒と、該触媒の温度を調整するヒータとを備えた触媒装置を用いることができる。
第2変換部333は、第1変換部332を通過したガス中に含まれるNOをNOに変換する。第2変換部333としては、同様に、セラミック製のハニカム構造を備えた基材に、白金やパラジウム等を含有するコーティング層が形成された触媒と、該触媒の温度(第1変換部332の触媒とは異なる温度)を調整するヒータとを備えた触媒装置を用いることができる。
図1に戻り、連係系統40は、メインチャンバ11とサブチャンバ12との間を連通させるための系統である。連係系統40は、電磁弁V4、電磁弁V5、ポンプP3、第4真空配管401及び第5真空配管402を含む。
第4真空配管401の一端(上流端)はサブチャンバ12に接続され、他端(下流端)はメインチャンバ11に接続されている。この第4真空配管401の上流側に第3ポンプP3が配置され、下流側に電磁弁V4が配置されている。ポンプP3は、耐薬品性のポンプであって、サブチャンバ12を真空引きする際、サブチャンバ12からNOガスをメインチャンバ11に導入(循環)して滅菌処理を行う際、及びメインチャンバ11内を排気して無害化処理する際に動作する。電磁弁V4は、このポンプP3が動作する際に「開」とされる弁である。
第5真空配管402の一端側(上流端)はメインチャンバ11に接続され、他端側(下流端)はサブチャンバ12に接続されている。第5電磁弁V5は、第5真空配管402に取り付けられている。この電磁弁V5は、滅菌処理を行う際、メインチャンバ11及びサブチャンバ12を常圧に復帰させる際に「開」とされる弁である。
排気系統50は、滅菌処理に用いたNOガスを密閉空間内で無害化すると共に、無害化処理後のガスを外部に排気するための系統である。排気系統50は、耐薬ポンプP51、真空ポンプP52、第3常圧配管501、第6真空配管502、第4常圧配管503、電磁弁V51,V52、排気部53とを備えている。
第4常圧配管501の一端側(上流端)はメインチャンバ11に接続され、他端側(下流端)は電磁弁V51及び耐薬ポンプP51を介してフィルタ532に接続されている。つまり、メインチャンバ11からフィルタ532までを繋ぐ流路が第3常圧配管501となる。
第6真空配管502の一端側(上流側)はメインチャンバ11に接続され、他端側(下流側)は、電磁弁V52に接続されている。
第4常圧配管503の一端側(上流側)は電磁弁V52に接続され、他端側(下流側)は真空ポンプP52を介して接続点J1に接続されている。接続点J1は、第3常圧配管501において、フィルタ532と耐薬ポンプP51との間に位置し、第3常圧配管501と、第4常圧配管503との接続点である。また、接続点J1は、第5常圧配管504と第3常圧配管501との接続点でもある。なお、第3常圧配管501は第1配管を構成し、第6真空配管502及び第4常圧配管503が第2配管を構成する。
耐薬ポンプP51は、メインチャンバ11内の滅菌処理後のガスをメインチャンバ11から第3常圧配管501を介して排気部53へと搬入させるためのポンプであり、上述したポンプP2と同様、NOx等のガスに耐性、つまり、腐食し難い特性を持つポンプである。ここで、耐薬ポンプP51は、メインチャンバ11内の圧力を最大0.5気圧、つまり、0.05MPa減圧することが可能である。電磁弁V51は、耐薬ポンプP51が動作する際、「開」とされる弁である。
真空ポンプP52は、メインチャンバ11内の滅菌処理後のガスをメインチャンバ11から第6真空配管502及び第4常圧配管503を介して排気部53へと搬入させるためのポンプであり、メインチャンバ11内の圧力を最大1気圧、つまり0.1MPa減圧させて真空状態にすることが可能なポンプにより構成されている。電磁弁V52は、真空ポンプP52が動作する際、「開」とされる弁である。
排気部53は、オゾナイザー531(オゾン生成部)、フィルタ532,533、O触媒534、第5常圧配管504、第6常圧配管505、及び電磁弁V53を備えている。
オゾナイザー531は、オゾン(O)を生成し、第5常圧配管504を介して、第3常圧配管501にオゾンを供給する。また、オゾナイザー51は、ポンプを有し、ポンプを動作させることで、生成したオゾンを接続点J1に搬入させる。
接続点J1には、第3常圧配管501に水(HO)を供給するための水分導入器(図略)が接続されている。これにより、第3常圧配管501又は第4常圧配管503を流れる滅菌処理後のガスに含まれるNOがHNOに変換される。
なお、水分導入器は必ずしも必要ではない。例えば、エアドライヤ21を動作させることなく、吸気系統20に外部からの空気を取り込ませるようにすれば、水蒸気を多く含む空気を取り込むことが可能となり、水分導入器は不要となる。
フィルタ532は、ガス中のHNOを吸着するフィルタである。このフィルタ532としては、循環系統30のフィルタ331(図4)と同じフィルタを用いることができ、例えばセラミック製のハニカム構造を備えた基材に、硝酸吸着性のコーティング層を施したフィルタを用いることができる。フィルタ533は、フィルタ532と同一構成である。ここで、図1では排気部53におけるフィルタの個数を2つとしたが、本発明はこれに限定されず、1つとしてもよいし、3個以上にしてもよい。
触媒534は、例えば、無機繊維ペーパーまたは、アルミ箔を骨格にした担体(ハニカム基材)に、高性能の触媒が担持されたオゾン分解フィルタにより構成され、第6常圧配管505に残存するオゾンを分解する。
続いて、滅菌装置1の電気的な制御構成を図5に基づいて説明する。図1では図示を省略しているが、滅菌装置1は、滅菌装置1の動作を電気的に制御するための制御装置70を備えている。制御装置70は、情報処理等を行うCPU(中央演算処理装置)、CPUの作業領域として用いられるRAM、滅菌装置1の動作制御を行うための制御プログラムを記憶するROM、及び専用のハードウエア回路により構成されている。そして、制御装置70は、全体制御部71、第1制御部72、第2制御部73、ポンプ制御部74、電磁弁制御部75、プラズマ制御部76、ロック制御部77、及びドライヤ制御部78を備えている。
全体制御部71は、滅菌装置1の全体的な動作モードを管理し、各制御部72〜78に対して動作モードの変更及び維持を通知する制御信号を与える。
第1及び第2濃度センサ111、121が計測するメインチャンバ11及びサブチャンバ12内のNOの濃度データ、第1及び第2圧力センサ112、122が計測するメインチャンバ11及びサブチャンバ12内の圧力データは、全体制御部71に入力される。全体制御部71は、これら濃度データ及び圧力データ、図略のタイマー装置から与えられるタイムデータ等に基づいて、滅菌装置1の動作モードを管理する。
ここで、滅菌装置1が実行する滅菌処理工程は、被処理物を乾燥させる第1乾燥工程、滅菌材としてのNOガスを生成する滅菌準備工程、被処理物をNOガスと接触させて被処理物を滅菌する滅菌工程、滅菌処理後に残留したNOガスを浄化して排気する浄化排気工程とを含む。そのため、全体制御部71は、これらの工程を実行するために滅菌装置1を所定の動作モードに設定する。
第1制御部72は、全体制御部71により浄化排気工程を実行するためのサイクルモードが設定されている場合、真空ポンプP52を停止させた状態で、吸気系統20からサブチャンバ12を介してメインチャンバ11に空気を供給する第1処理と、真空ポンプP52を停止させた状態で、耐薬ポンプP51がメインチャンバ11内の滅菌処理後のガスを排気部53に搬入する第2処理とを所定サイクル繰り返すために、ポンプ制御部74、電磁弁制御部75、及びドライヤ制御部78に制御信号を出力する。
第2制御部73は、全体制御部71により浄化排気工程を実行するための真空排気モードが設定されている場合、第1制御部72による処理が終了した後、真空ポンプP52を稼働させることで、メインチャンバ11内の滅菌処理後のガスを排気部53に搬入させるために、ポンプ制御部74、電磁弁制御部75、及びドライヤ制御部78に制御信号を出力する。
ポンプ制御部74は、ポンプP1〜P4、耐薬ポンプP51、及び真空ポンプP52のそれぞれ対して、動作モードに応じたポンプ動作の実行及びその停止を制御する制御信号を与える。
電磁弁制御部75は、電磁弁V1〜V5,V51〜V53に対して、個別に動作モードに応じて、弁を「開」又は「閉」とする制御信号を与える。
プラズマ制御部76は、マイクロ波供給装置60に、その起動又は停止を制御する制御信号を与える。すなわちプラズマ制御部76は、プラズマノズル31においてプラズマを発生させる期間を制御する。
ロック制御部77は、チャンバロック装置13の動作を制御する。チャンバロック装置13は、メインチャンバ11が備える被処理物の搬入出用の開閉ドアをインターロックする装置である(図1では図示省略)。メインチャンバ11の前記ドアは、被処理物に対する一連の滅菌処理工程中は、安全確保のためチャンバロック装置13でロックされる。
ドライヤ制御部78は、エアドライヤ21のON−OFF動作を制御する。湿度センサ22が計測する湿度データは、ドライヤ制御部78に出力される。ドライヤ制御部78は、前記湿度データが、エアドライヤ21が動作障害を起こしていることを示す異常値であるとき、異常信号を全体制御部71に出力し、ユーザにその異常を報知させる。
図6は、制御装置70により制御される滅菌装置1の浄化排気工程以外の動作を示すタイミングチャートである。また、図7は、浄化排気工程以外のポンプP1〜P3,耐薬P51,真空ポンプP52の制御状態を示す表形式の図、図8は、浄化排気工程以外の電磁弁V1〜V5,V51〜V53の制御状態を示す表形式の図である。図7において○印はポンプが動作し、×印はポンプが停止している状態をそれぞれ示し、図8において○印は電磁弁が「開」とされ、×印は「閉」とされている状態をそれぞれ表している。なお、図6の横欄の一つの「工程の内容」欄と、図7及び図8の最左縦欄の「工程」欄とがリンクしている。また、浄化排気工程は、図6に示す滅菌工程が終了した後に実行され、詳しくは後述する。
時刻T1は、ユーザにより滅菌装置1のスタートボタンが押下され、一連の滅菌処理工程が開始される時刻である。なお、時刻T1の前に、医療用器具などの被処理物がメインチャンバ11内に収容されていることが前提となる。
第1乾燥工程は、メインチャンバ11及びサブチャンバ12内を高度に真空引きする排気工程と、一定時間だけ状態を維持する保持工程と、サブチャンバ12内にNOガスの生成原料となる乾燥空気を導入する吸気工程とからなる。
制御装置70の全体制御部71は、時刻T1に、まずメインチャンバ11の開閉ドアのロック指示をロック制御部77に与える。これを受けてロック制御部77は、チャンバロック装置13を駆動し、メインチャンバ11の開閉ドアをインターロックする。併せて、上記排気工程の実行のため、動作モードを「排気モード」に設定し、各制御部72〜78にそのモード設定信号を通知する。
排気モードが設定されると、ポンプ制御部74は、ポンプP3及び真空ポンプP52を動作させ、電磁弁制御部75は電磁弁V4,V52を「開」とする。これら電磁弁のみが「開」とされることにより、サブチャンバ12から、第4真空配管401、メインチャンバ11、第6真空配管502及び第4常圧配管503、第6常圧配管505を経て排気路が形成される。そして、ポンプP3、真空ポンプP52の駆動によって、メインチャンバ11及びサブチャンバ12内は真空引きされる。
全体制御部71は、第1、第2圧力センサ112、122から圧力データを所定のサンプリング周期毎に受け取り、メインチャンバ11及びサブチャンバ12の圧力を監視する。圧力データに基づき、時刻T2で所定の真空度(図6では1Torrを例示)に達したと判定すると、全体制御部71は、上記保持工程の実行のため、動作モードを「保持モード」に設定する。
保持モードは、ポンプP1〜P3、耐薬ポンプP51、及び真空ポンプP52の全てが停止され、電磁弁V1〜V5,V51〜V53の全てが「閉」とされるモードである。なお、図7及び図8では、この保持モードに対応する保持工程の状態の記載は省いている。従って、保持モードが設定されると、ポンプ制御部74は、ポンプP3、真空ポンプP52を停止させ、電磁弁制御部75は電磁弁V4,V52を「閉」とする。全体制御部71は、時刻T2からタイマー装置に計時を開始させ、所定時間が経過する時刻T3まで保持モードを維持する。この保持工程が一定時間継続されることで、メインチャンバ11内並びにそこに収容されている被処理物、及びサブチャンバ12の内部が乾燥状態とされる。また、メインチャンバ11及びサブチャンバ12内の真空状態が安定する。
時刻T3になると、全体制御部71は、上記吸気工程の実行のため動作モードを「吸気モード」に設定する。吸気工程は、減圧下にあるサブチャンバ12内に乾燥空気を導入することを目的とするので、ポンプ制御部74はポンプP1のみを動作させ、電磁弁制御部75は電磁弁V1のみを「開」とする。また、ドライヤ制御部78は、エアドライヤ21を稼働させる。かかる状態とされることで、ポンプP1により外部から吸引された空気が、エアドライヤ21で高度に乾燥されながら、第1常圧配管201と第1真空配管202とを通して、サブチャンバ12内に導入される。なお、メインチャンバ11内は、この吸気工程の間(及び次の滅菌準備工程の間)も乾燥工程が継続される。
吸気モードの間、全体制御部71は、第2圧力センサ122から圧力データをサンプリング周期毎に受け取りサブチャンバ12の圧力を監視する。圧力データに基づき、時刻T4で常圧(760Torr)に達したと判定すると、全体制御部71は吸気モードを終了する。また、ドライヤ制御部78は、エアドライヤ21を停止させる。
続いて、滅菌準備工程が実行される。この工程は、サブチャンバ12内を所定濃度の滅菌ガスで充満させるために、プラズマで空気を電離してNOガスを生成するプラズマ工程からなる。
時刻T4において、全体制御部71は、上記プラズマ工程の実行のため動作モードを「プラズマモード」に設定する。プラズマモードが設定されると、ポンプ制御部74はポンプP2のみを動作させ、電磁弁制御部75は電磁弁V2、V3を「開」とする。これにより、サブチャンバ12、第2真空配管301、第2常圧配管303及び第3真空配管302で構成される一つの密閉空間が形成され、該密閉空間内を空気(NOガス)が循環可能となる。
また、時刻T4の時点で、プラズマ制御部76はマイクロ波供給装置60を動作させる。これによりマイクロ波供給装置60はプラズマノズル31にマイクロ波エネルギーを供給し、プラズマノズル31でプラズマが発生する。このとき、ポンプP2の動作に伴い、筒状空間312Hが大気圧よりも減圧された状態となるので、プラズマの点灯性が良好となり、またその点灯状態が良好に維持される。プラズマノズル31を経由して循環する空気は電離され、さらにNO変換部33を通過することでNOガスに変換される。この状態が継続されることで、サブチャンバ12内の空気は、徐々にNOガスに変換されてゆく。
プラズマモードの間、全体制御部71は、第2濃度センサ121からNOの濃度データをサンプリング周期毎に受け取り、サブチャンバ12のNO濃度を監視する。濃度データに基づき、時刻T5でNO濃度が所定値に達したと判定すると、全体制御部71はプラズマモードを終了する。これに伴い、プラズマ制御部76はマイクロ波供給装置60の動作を停止させる。
次に、滅菌工程が実行される。滅菌工程は、常圧下でサブチャンバ12内に充満しているNOガスを、被処理物を収容し高真空下にあるメインチャンバ11内に、両チャンバの圧力差を利用して一気に導入すると共に、NOガスと被処理物とを充分な滅菌に適した一定時間だけ接触させる工程である。
時刻T5で全体制御部71は、上記滅菌工程の実行のため動作モードを「循環モード」に設定する。循環モードが設定されると、ポンプ制御部74はポンプP3のみを動作させ、電磁弁制御部75は電磁弁V4、V5を「開」とする。これにより、メインチャンバ11とサブチャンバ12とは、第4真空配管401及び第5真空配管402とで繋がれた、一つの密閉空間となる。
この結果、減圧下のメインチャンバ11内には急激にNOガスが入り込み、チャンバ内の被処理物が良好にNOガスに曝される。例えば被処理物がカテーテルのような細長いチューブであっても、そのチューブ内の微小空間にまでNOガスが行き渡る。従って、被処理物の良好な殺菌が行い得る。
NOガスのメインチャンバ11への導入が進むに連れ、メインチャンバ11とサブチャンバ12との圧力差は減少してゆく。そして、ある時刻T51で、両チャンバの圧力は平衡することになる。時刻T51以降は、専らポンプP3の動作によって、サブチャンバ12のNOガスがメインチャンバ11に送られる。全体制御部71は、時刻T5からタイマー装置に計時を開始させ、所定時間が経過する時刻T6まで循環モードを維持する。
このような滅菌工程により、被処理物は滅菌された状態となるが、メインチャンバ11及びサブチャンバ12内にはNOガスや、滅菌反応により生成された物質が残存している。これらを浄化するため、下記に示す浄化排気工程が実行される。
図9は、浄化排気工程における滅菌装置1の動作を示すタイミングチャートである。図9に示すように、浄化排気工程において、全体制御部71は滅菌装置1をサイクルモードと真空排気モードとに設定する。サイクルモードにおいては、上述した第1処理S1と第2処理S2とが1つの処理単位とされ、この処理単位が例えば10サイクル(サイクルC1〜C10)繰り返される。そして、第1処理S1と第2処理S2とが10サイクル繰り返されると、全体制御部71は、滅菌装置1を真空排気モードに設定する。
図10は、サイクルモードにおけるポンプP1〜P3,耐薬ポンプP51,真空ポンプP52の制御状態を示す表形式の図、図11は、サイクルモードにおける電磁弁V1〜V5,V51〜V53の制御状態を示す表形式の図である。図12は、真空排気モードにおけるポンプP1〜P3,耐薬ポンプP51,真空ポンプP52の制御状態を示す表形式の図、図13は、真空排気モードにおける電磁弁V1〜V5,V51〜V53の制御状態を示す表形式の図である。
時刻T11において、全体制御部71により滅菌装置1がサイクルモード設定されると第1制御部72は、上記の第1処理S1を開始する。ここで、第1制御部72は、ポンプ制御部74に、ポンプP1、P3を動作させ、ポンプP2,耐薬ポンプP51,真空ポンプP52を停止させる(図10)。同時に、第1制御部72は、電磁弁制御部75に、電磁弁V1,V4を「開」にさせ、電磁弁V2,V3、V5,V51〜V53を「閉」にさせる(図11)。同時に、第1制御部72は、ドライヤ制御部78に、エアドライヤ21を駆動させる。
これにより、ポンプP1から、第1常圧配管201、第1真空配管202、第4真空配管401、及びメインチャンバ11へと至る流路が形成され、ポンプP1,P3によって、空気がエアドライヤ21で乾燥された後、メインチャンバ11へと搬入される。なお、時刻T11は、図6に示す時刻T6と同一時刻である。
時刻T12において、全体制御部71は、第1圧力センサ112から出力される圧力データによりメインチャンバ11内の圧力が、約766Torr(1気圧)になったと判定すると、第1制御部72は、上記の第2処理S2を開始する。ここで、第1制御部72は、ポンプ制御部74に、ポンプP3,耐薬ポンプP51を動作させる(図10)。同時に第1制御部72は、電磁弁制御部75に、電磁弁V4,V51,V53を「開」にさせ、電磁弁V1〜V3,V5,V52を「閉」にさせる(図11)。同時に第1制御部72は、ドライヤ制御部78に、エアドライヤ21の動作を停止させる。同時に第1制御部72はオゾナイザー531の動作を開始させる。
これにより、サブチャンバ12から、第4真空配管401、メインチャンバ11、第3常圧配管501及び第6常圧配管505を介して外部に通じる流路が形成されると共に、オゾナイザー531から第5常圧配管504を介して接続点J1に至る流路が形成される。そのため、メインチャンバ11及びサブチャンバ12に残留する滅菌処理後のガスが、耐薬ポンプP51によって第3常圧配管501を通って、接続点J1へと搬入される。そして、オゾンと水とによって滅菌処理後のガスに含まれるNO及びNOがHNOに変換され、生成されたHNOは、フィルタ532によって吸着され、それ以外のガスがO触媒534を介して外部に排気される。また、第2処理S2が実行されると、メインチャンバ11内の圧力は、760Torrから徐々に低下していく。
時刻T21において、全体制御部71が、第1圧力センサ112から出力される圧力データによって、メインチャンバ11内の圧力が約0.5気圧になったと判定すると、第1制御部72は、再度、第1処理S1を開始する。
以後、第1制御部72は、第1処理S1と第2処理S2とを10サイクル繰り返し実行する。これにより、メインチャンバ11に残留する滅菌処理後のガスの濃度が真空ポンプP52を腐食させない程度にまで減少される。
時刻T103において、第1制御部72により、第1処理S1と第2処理S2とが10サイクル繰り返されると、全体制御部71は、滅菌装置1を真空排気モードに設定する。
これにより、第2制御部73は、ポンプ制御部74に、ポンプP3,真空ポンプP52を動作させ、ポンプP1,P2,耐薬ポンプP51を停止させる(図12)。同時に、第2制御部73は、電磁弁制御部75に、電磁弁V4,V52,V53を「開」にさせ、電磁弁V1〜V3,V5,V51を閉にさせる。
その結果、サブチャンバ12から、第4真空配管401、メインチャンバ11、第6真空配管502、第4常圧配管503、及び第6常圧配管505を介して外部と通じる流路が形成されると共に、オゾナイザー531から第5常圧配管504を介して接続点J1に至る流路が形成される。そのため、メインチャンバ11及びサブチャンバ12に残存する滅菌処理後のガスが、真空ポンプP52によって第6真空配管502及び第4常圧配管503を通って、急速に接続点J1へと搬入される。そして、オゾンと水とによって滅菌処理後のガスに含まれるNO及びNOがHNOに変換され、生成されたHNOは、フィルタ532によって吸着され、それ以外のガスがO触媒534を介して外部に排気される。また、真空排気モードの実行によって、メインチャンバ11内の圧力は、0.5気圧から徐々に低下していく。
時刻T104において、全体制御部71は、第1圧力センサ112から出力される圧力データによって、メインチャンバ11内の圧力が約1Torr、つまり、真空になったと判定した後、多少時間が経過したときに、真空排気モードを終了する。これにより浄化排気工程が終了される。
図14は、浄化排気工程におけるメインチャンバ11内の圧力(内圧:MPa)を示した実測値である。1サイクル目の第2処理S2において、メインチャンバ11の内圧が0.01MPa低下したとき、第6常圧配管505から排出されるNOxの濃度は、45.7ppmであった。また、1サイクル目の第2処理S2において、メインチャンバ11の内圧が0.05MPa低下したとき、つまり、1サイクル目の第2処理S2の終了するとき、第6常圧配管505から排出されるNOxの濃度は、34.1ppmであった。
一方、3サイクル目の第2処理S2において、メインチャンバ11の内圧が0.01MPa低下したとき、第6常圧配管505から排出される、NOxの濃度は、12.2ppmであった。また、3サイクル目の第2処理S2において、メインチャンバ11の内圧が0.05MPa低下したとき、つまり、3サイクル目の第2処理S2の終了するとき、第6常圧配管505から排出されるNOxの濃度は、8.8ppmであった。よって、サイクル数が進むにつれて、排出されるNOxの濃度が低下していくことが確認できた。
このように、第1実施形態の滅菌装置1によれば、まず、滅菌処理後のガスが、第4常圧配管501を介して排気部53に搬入され、滅菌処理後のガスの濃度がある程度低下した後、第6真空配管502及び第4常圧配管503を介して排気部53に搬入される。
これにより、真空ポンプP52の腐食を防止し、かつ、滅菌処理後のガスを確実に排気することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態による滅菌装置1は、メインチャンバ11と排気部53の配管である第6常圧配管505との間に配置された第7常圧配管507(第3配管)を設け、第2処理S2において、滅菌処理後のガスを循環させることで、滅菌処理後のガスの濃度を低下させることを特徴とする。
図15は、本発明の第2実施形態に係る滅菌装置1を示すブロック図である。なお、本実施形態において、第1実施形態と同一のものは、同一の符号を付して説明を省略する。図15に示すように、第7常圧配管507は、一端がメインチャンバ11に接続され、他端がO触媒534とフィルタ533との間の第6常圧配管505に接続されている。
第6常圧配管505において、第6常圧配管505と第7常圧配管507との接続点より下流側、かつ、O触媒534の上流側の位置には、電磁弁V54が配置されている。電磁弁V54は電磁弁制御部75からの制御信号に従って、「開」状態又は「閉」状態にされる。
図16は、第2実施形態のサイクルモードにおける電磁弁V1〜V5,V51〜V54の制御状態を示す表形式の図である。図16に示すように、電磁弁V54は第1処理S1においては「開」にされ、第2処理S2においては「閉」にされている。そのため、第2処理S2において、メインチャンバ11から、第3常圧配管501、第6常圧配管505、第7常圧配管507を通ってメインチャンバ11に戻る循環ループが形成される。
第1処理S2においては、メインチャンバ11の圧力が徐々に低下していくため、第6常圧配管505を流れる滅菌処理後のガスの多くは、第7常圧配管507を介してメインチャンバ11へと戻される。よって、第2処理S2において、外部に排気される滅菌処理後のガスを少なくすると同時に、滅菌処理後のガスの多くを上記の循環ループで循環させて、濃度を低下させることができる。
なお、真空排気モードにおいては、真空ポンプP52によって滅菌処理後のガスが排気されるため、電磁弁V54は「開」状態とされる。
1 滅菌装置
11 メインチャンバ
12 サブチャンバ
20 吸気系統
30 循環系統
40 連係系統
50 排気系統
53 排気部
70 制御装置
71 全体制御部
72 第1制御部
73 第2制御部
531 オゾナイザー
532,533 フィルタ
534 O3触媒
P1〜P3 ポンプ
P51 耐薬ポンプ
P52 真空ポンプ
S1 第1処理
S2 第2処理
V1〜V5,V51〜V54 電磁弁

Claims (4)

  1. 被処理物が収納され、滅菌剤を用いて前記被処理物を滅菌する滅菌処理部と、
    前記滅菌処理部内の滅菌処理後のガスに所定の無害化処理を施して排気するする排気部と、
    耐薬ポンプが配置され、前記滅菌処理部内の滅菌処理後のガスを前記排気部に搬入する第1配管と、
    真空ポンプが配置され、前記滅菌処理部内の滅菌処理後のガスを前記排気部に搬入する第2配管とを備えることを特徴とする滅菌装置。
  2. 前記滅菌処理部に空気を供給する空気供給部と、
    前記真空ポンプを停止させた状態で、前記空気供給部から前記滅菌処理部に空気を供給する第1処理と、前記真空ポンプを停止させた状態で、前記耐薬ポンプが前記滅菌処理部内の滅菌処理後のガスを前記排気部に搬入する第2処理とを所定サイクル繰り返す第1制御部と、
    前記第1制御部による処理が終了した後、前記真空ポンプを稼働させることで、前記滅菌処理部内の滅菌処理後のガスを前記排気部に搬入させる第2制御部とを備えることを特徴とする請求項1記載の滅菌装置。
  3. 前記排気部の配管と前記滅菌処理部との間に配置された第3配管を更に備え、
    前記第1制御部は、前記第2処理において、前記排気部から排気される滅菌処理後のガスを前記第3配管を介して前記滅菌処理部に戻すことを特徴とする請求項2記載の滅菌装置。
  4. 前記滅菌剤は窒素酸化物であり、
    前記排気部は、前記滅菌処理後のガスに含まれる窒素酸化物を硝酸に変換させるためのオゾンを生成するオゾン生成部と、
    前記硝酸を吸着させるフィルタとを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の滅菌装置。
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