JP6084061B2 - 振動アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、圧電素子(電歪素子を含む)の振動により可動軸に運動を与えるようにした振動アクチュエータに関するものである。
近年、医療機器の進歩は急速であり、特に内視鏡による低侵襲手術システム(例えば米国インテュイティヴ・サージカル社のda Vinci Surgical System)や各種内視鏡下治療器の先端に取り付けられるマイクロハンド等は、従来、ワイヤーを人手で引張る機構を用いていたが、近年では、機構的バックラッシュを抑制してより微細で高精度な動きを可能にする観点等から、電動式の機構に置き換えられようとしている。
そして、前記電動式の機構としては、電磁モータ式,圧電モータ式,形状記憶合金式等が提案されるが、特に内視鏡用としては、小径でも大きな駆動力が得られる等の点から、圧電素子(電歪素子を含む)の振動により可動軸を駆動する振動式アクチュエータが好ましい。
例えば、特許文献1には、一体ナット状の素子(110)と、該素子(110)にクリアランスを介して螺合挿入されたネジ付シャフト(120)と、前記一体ナット状の素子の外周面に固定された圧電層を有する部材(132a〜132d)とを備え、前記圧電層に通電し、一体ナット状の素子(110)に回転振動を与えることで、ネジ付シャフト(120)を回転させると同時に軸方向に運動させるようにした発明が開示されている。
また、特許文献2には、文献内に示される図1及び図2において,角筒状の弾性体からなる振動体(1)と、該振動体に接合された圧電素子(2a〜2d,3a〜3d,4a〜4d,5a〜5d)と、前記振動体内に挿入されたシャフト(9)と、該シャフトに固定された板バネ(8)とを備え、前記圧電素子に通電して、前記振動体を振動させることにより、前記シャフト及び板バネを軸方向へ変位するようにした発明が開示されている。
また、特許文献3には、柱状作動子(12)を一体角筒状のステータ(11)の作動子孔(H)に挿通し、ステータ(11)に取り付けられた複数の超音波発生素子(13)に通電することで、作動子孔(H)の内面に進行波を発生させて、柱状作動子(12)を回転又は軸方向へ移動させるようにした発明が開示されている。
しかしながら、特許文献1に示す発明では、該文献1のFig.7に示すように、一体ナット状の素子(110)を撓ませるとともに該素子(110)とネジ付シャフト(120)の間に隙間を形成しながら振動を伝達するようにしているため、これらの間の振動の伝達効率が低く、十分な駆動力が得られない可能性がある。また、一体ナット状の素子(110)を内視鏡等のチューブに挿入固定すると、振動がチューブに吸収されて、ネジ付シャフト(120)に十分な駆動力が伝達しなかったり動作不良を起こしたりするおそれがある。
また、特許文献2に示す発明では、一体角筒状の振動体(1)を圧電素子(2a〜2d,3a〜3d,4a〜4d,5a〜5d)によって励振するものであるが、内視鏡等のチューブに挿入固定されると,振動がチューブに吸収されて,スライダ(11)に十分な駆動力が伝達されないおそれがある。
また、特許文献3に示す発明では、柱状作動子(12)とステータ(11)内の作動子孔(H)との接触面が早期に摩耗しその間の隙間が変化してステータ(11)の振動波が柱状作動子(12)に伝わらなくなり作動しなかったり、一体角筒状のステータ(11)が十分に振動せずに必要な駆動力を得られなかったりすることが懸念される。
米国特許2010/0039715 A1 特許第3213568号公報 WO 2008/038817 A1
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、十分な駆動力を得ることができる振動アクチュエータを提供することにある。
上記課題を解決するための一手段は、振動により可動軸が運動する振動アクチュエータにおいて、前記可動軸と、前記可動軸の周囲で周方向に分離して配置された複数の可振部材と、前記可振部材の外面に固定された圧電素子と、前記可振部材を径内方向へ付勢して前記可動軸の外周面に押し付ける付勢部材とを備え、前記圧電素子に通電した際の前記可振部材の振動により前記可動軸を運動させるようにした振動アクチュエータであって、円筒状チューブに挿入された場合に該円筒状チューブの内周面から離隔するように、前記可振部材の外周側に前記圧電素子を配置したことを特徴とする。





本発明は、以上説明したように構成されているので、十分な駆動力を得ることができる。
振動アクチュエータの一例を示す斜視図である。 同振動アクチュエータの内部構造を示す斜視図である。 可振部材の一例を示す斜視図である。 同振動アクチュエータの横断面図である。 振動アクチュエータの他例を示す横断面図である。 振動アクチュエータの他例を示す横断面図である。 振動アクチュエータの他例を示す横断面図である。 圧電素子の他の配設態様を示す斜視図である。 可動軸の他例を示す斜視図である。 可振部材の他例を示す斜視図である。 振動アクチュエータの他例を示す斜視図である。 図11の振動アクチュエータの内部構造を示す斜視図である。 図11の振動アクチュエータの横断面図である。 図11の振動アクチュエータについて、動作原理を示す模式図である。 図11の振動アクチュエータについて、動作原理を示す模式図である。 図11の振動アクチュエータを円筒状チューブ内に装着した状態を示す横断面図である。 振動アクチュエータの他例を円筒状チューブ内に装着した状態を示す横断面図である。 振動アクチュエータの他例を円筒状チューブ内に装着した状態を示す横断面図である。 振動アクチュエータの一応用例を示す内部構造図である。 振動アクチュエータの他の応用例を示す内部構造図であり、一端側を一方へ曲げた状態を示す。 振動アクチュエータの他の応用例を示す内部構造図であり、一端側を他方へ曲げた状態を示す。
本実施の形態の振動アクチュエータの第一の特徴は、振動により可動軸が運動する振動アクチュエータにおいて、前記可動軸と、前記可動軸の周囲で周方向に分離して配置された複数の可振部材と、前記可振部材の外面に固定された圧電素子と、前記可振部材を径内方向へ付勢して前記可動軸の外周面に押し付ける付勢部材とを備え、前記圧電素子に通電した際の前記可振部材の振動により前記可動軸を運動させるようにした(図1〜図18参照)。
ここで、前記「運動」には、前記可動軸の軸心を回転中心とした回転運動、及び前記可動軸の軸方向に沿う直進運動を含む。
この構成によれば、付勢部材により可振部材を径内方向へ付勢して可動軸の外周面に押し付けるようにしているため、可振部材と可動軸の間に隙間が生じ難い。よって、振動を効率的に可動軸に伝達することができ、その結果として、例えば、内視鏡等のチューブに挿入できるように極細(例えば2mm以下)な構成とした場合でも、可動軸による駆動力を十分に得ることができる。
第二の特徴としては、前記可動軸の運動には、前記可動軸の軸方向に沿う直進運動を含む(図1〜図18参照)。
この構成によれば、可振部材の振動を効率的に可動軸に伝達して、可動軸の直進運動による駆動力を向上することができる。
第三の特徴としては、前記可動軸の運動には、前記可動軸の軸心を回転中心にした回転運動を含む(図1〜図18参照)。
この構成によれば、可振部材の振動を効率的に可動軸に伝達して、可動軸の回転運動による駆動力を向上することができる。
第四の特徴は、前記圧電素子に三組以上の電極を並べ設け、これら電極に順次に通電した際の前記圧電素子及び前記可振部材の振動により前記可動軸が前記電極の並び方向へ運動するようにした(図2,図4〜8、図11〜18参照)。
この構成によれば、三組以上の電極に順次に通電することで、可動軸を電極の並び方向へ運動させることができる。
また、前記構成の好ましい具体例としては、前記圧電素子に、三組以上の電極を、前記可動軸の軸方向と周方向にわたって並べ設け(図8参照)、これら電極への通電順序に応じて、前記可動軸が直進運動及び/又は回転運動するようにする。
この具体例によれば、電極への通電順序に応じて、可動軸を直進運動させながら回転運動させたり、同可動軸を直進運動又は回転運動させたり等することができる。
第五の特徴は、円筒状チューブに挿入された場合に該円筒状チューブの内周面から離隔するように、前記可振部材の外周側に前記圧電素子を配置した(図4〜7及び図16〜18参照)。
この構成によれば、圧電素子が、円筒状チューブの内周面から離隔するため、圧電素子の振動が円筒状チューブにより抑制されてしまうのを防ぐことができる。
第六の特徴は、円筒状チューブに挿入された場合に前記円筒状チューブの内周面と前記可振部材の間に位置するように、前記圧電素子の給電配線を設けた(図4〜7及び図16〜18参照)。
この構成によれば、圧電素子の給電配線をコンパクトな構成にすることができ、当該振動アクチュエータを円筒状チューブに挿入した際の収納性が良好である。
次に、上記特徴を有する本実施の形態の好ましい具体例を、図面に基づいて詳細に説明する。
<振動アクチュエータ1について>
図1〜図4に示す振動アクチュエータ1は、可動軸10と、可動軸10の周囲で周方向に分離して配置された複数の可振部材20と、各可振部材20の外面に固定された圧電ユニット30と、付勢部材42(図2参照)によって可振部材20を径内方向へ付勢して可動軸10の外周面に押し付けるケース部材40とを備え、圧電ユニット30に通電した際の可振部材20の振動により可動軸10を所定方向へ直進運動させるように構成さている。
なお、図1中の符号pは、必要に応じて当該振動アクチュエータ1が挿入される可撓性の円筒状チューブであり、弾性又は可撓性を有する合成樹脂材料(例えば、フッ素樹脂等)から形成されている。
可動軸10は、図示例によれば長尺であり、少なくともその外周面を円筒面に形成した円柱又は円筒状部材であり、例えば、金属等の剛性を有する材料から形成されている。
可振部材20は、可動軸10を径方向に挟むようにして、周方向に分離して複数(図示例によれば二つ)配設される。
各可振部材20は、金属等の剛性材料から可動軸10の軸方向へわたる長尺片状に形成され、その内周側に凹曲面部21を有するとともに、外周面側には、圧電素子31を貼り付け易いように、該圧電素子31にならった形状の部位(図示例によれば、平坦面部22)を有する。
凹曲面部21は、可動軸10の外周面に沿って軸方向へ延設された断面略円弧状の曲面である。この凹曲面部21には、必要に応じて、可動軸10に交差(図示例によれば略直交)する方向の溝21aが、可動軸10の軸方向へ間隔を置いて複数設けられる。これらの溝21aは、後述する圧電ユニット30を構成する複数の電極32a,32b,32c,32dに対応するように設けられ、詳細に説明すれば、隣り合う溝21a,21aの間に一つの電極32a(32b,32c又は32d)が位置するように配置される。
そして、これら複数の溝21aは、可振部材20と可動軸10の間の摩擦力を適宜に調整して、可振部材20の振動波を効率良く可動軸10へ伝達するように作用する。なお、他例としては、これら溝21aの一部又は全部を省いたり、これら溝21aの一部又は全部を突起に置換したりすることも可能である。
平坦面部22は、可動軸10の軸方向及び接線方向に平行する平坦状の面であり、円筒状チューブpに挿入された場合に、該円筒状チューブpの内周面から離れて位置する(図4〜7参照)。そして、この平坦面部22の表面には、円筒状チューブpの内周面との間に位置するように、後述する圧電ユニット30が固定される。
圧電ユニット30は、図2に示すように、可振部材20の平坦面部22に密着して固定された圧電素子31と、圧電素子31に並べ設けられた複数組(図示例によれば四組)の電極32a,32b,32c,32dと、これらの各電極に電力を供給するように接続された給電配線33とを具備する。そして、この圧電ユニット30は、前記電極32a,32b,32c,32dに順次に通電した際に生じる圧電素子31の進行波により、可振部材20を振動させ、この振動を可動軸10にも伝達して、可動軸10を所定方向へ直進運動させる。
圧電素子31は、薄手の圧電素子(圧電セラミックや、ピエゾ素子、電歪素子等と称されるものを含む)と金属板を接着剤(例えば、導電性熱硬化型接着剤等)により張り合わせた構造(ユニモルフ等と称される)を有し、図示例によれば一枚の平板状に構成され、その表面に電極32a,32b,32c,32dがパターン状に形成される。
なお、図2に示す好ましい一例では、小型化及び生産性向上等の観点から前記ようにユニモルフ構造の単一板状の圧電素子31に複数の電極32a,32b,32c,32dを設けるようにしたが、他例としては、軸方向に並ぶ複数枚の圧電素子を連結するとともにこれら複数枚の圧電素子のそれぞれに電極を設けた態様や、複数枚の圧電素子を所定間隔を置いて並べ設けるとともにこれら複数枚の圧電素子のそれぞれに電極を設けた態様とすることも可能である。
さらに、他例としては、前記圧電素子の構造としてユニモルフ構造以外の構造(例えばバイモルフ構造等)を採用することも可能である。
電極32a,32b,32c,32dは、可動軸10の軸方向へ所定間隔を置いて並ぶようにして、圧電素子31の表面に固定される。
給電配線33は、電極32a,32b,32c,32dの各々に対し電力を供給するように電気的に接続され、可振部材20と円筒状チューブpの間の隙間(詳細には図4に示すように、可振部材20とケース部材40の間の隙間や、ケース部材40と円筒状チューブpの間の隙間等)を通って、可動軸10の軸方向へ導かれる。特に、可振部材20の振動に悪影響を及ぼさないようにする観点からは、図4に示すように、この給電配線33を、ケース部材40と円筒状チューブpの間の隙間であって、ケース部材40の角部分から離れた位置(換言すれば平坦部分寄り)に配置するのが好ましい。
これら電極32a,32b,32c,32dの数は、可動軸10の進行方向を容易に特定できるように三組以上とするのが好ましいが、制御方法等によっては二組とすることも可能である。
また、図2に示す一例では、一枚の圧電素子31に対し複数の電極32a,32b,32c,32dを固定するようにしているが、他例としては、複数枚の圧電素子に対しそれぞれ電極を設けた態様(例えば図8参照)とすることも可能である。
ケース部材40は、可動軸10、可振部材20及び圧電ユニット30の周囲を環状に囲む角筒状のケース本体41と、該ケース本体41から内側へ突出する付勢部材42とから一体に構成される。このケース部材40は、付勢部材42を板バネ状に弾性変形させることが可能なように、弾性的に撓むことが可能な金属材料等から形成される。
ケース本体41は、図示例によれば、円筒状チューブpの内周面に角部分を接触させる角筒状(図示例によれば四角形筒状)に形成される。
付勢部材42は、図2及び図4に示すように、ケース本体41の周壁の一部を、軸方向に沿って径内方向へ突出させてなる。この付勢部材42は、可振部材20を可動軸10中心寄りで柔軟に保持するように、バネ乗数等が適宜に設定されている。
上記構成の振動アクチュエータ1は、図1及び図4等に示すように、円筒状チューブpの中に挿入されて用いられる。この挿入状態において、ケース部材40の四角部分41aが円筒状チューブpの内周面に当接し、隣り合う二つの角部分41a,41aの間の平坦面部41bが円筒状チューブpの内周面から離れて位置する。
そして、可振部材20とケース部材40の間の隙間や、ケース部材40と円筒状チューブpの間の隙間には、圧電素子31への給電配線33が挿通され、さらに、必要に応じて、当該振動アクチュエータ1以外の機器の電気配線34(例えば、内視鏡等の信号線等)もコンパクトに挿通される。なお、可動軸10は必ずしも円柱状でなくてもよく、他例としては、円筒状の中空軸とし、その中央の孔には必要に応じて前記電気配線34等を挿通する。
次に、上記構成の振動アクチュエータ1の動作及び作用効果について詳細に説明する。
振動アクチュエータ1を動作させるためには、図示しない制御回路から圧電ユニット30に対し所定周波数の電力が供給され、電極32a,32b,32c,32dが順次に通電状態となる。詳細に説明すれば、例えば、先ず、一つの電極32aのみが通電され、圧電素子31における電極32aの近傍に振動を発生させる。次に、該電極32aへの通電が遮断されて、電極32aのみが通電されて、圧電素子31における電極32bの近傍に振動を発生させる。同様にして、電極32cのみへの通電、電極32dのみへの通電が順次に行われ、このような通電が無限ループ状に繰り返し行われる。すると、圧電素子31には、前記通電順序の方向へ向かう進行波状の振動が発生し、この進行波状の振動が、各可振部材20に伝達し、さらに可振部材20から可動軸10に伝達することで、可動軸10が前記通電順序の方向へ直進運動する(図2参照)
なお、他の通電方法としては、電極32a,32b、電極32b,32c、電極32c,32d、電極32d,32aの順番に二つずつ通電する方法や、あるいは、電極32a、電極32a,32b、電極32b、電極32b,32c、電極32c、電極32c,32d、電極32d、電極32d,32aのように、電極を移行する毎に通電数が切り替わるように通電する方法等としてもよい。
振動アクチュエータ1によれば、前記直進運動の際、複数の可振部材20が周方向において分離配置されているため、これら可振部材を一体環状の部材に構成した従来技術等と比較し、各可振部材20の可動性が良好であり、効果的に振動を伝達することができる。
さらに、各可振部材20を付勢部材42の付勢力によって可動軸10外周面に常に押圧するようにしているため、可振部材20から可動軸50へ伝達される振動の損失を軽減することができる。
また、特に図4に示されるように、比較的振動の少ない角部分41aを円筒状チューブp内周面に接触させるとともに、隣り合う角部分41a,41a間の平坦面部41bを円筒状チューブpの内周面から離隔させた状態で、可振部材20が円筒状チューブpの中心部寄りに付勢部材42によって柔軟に支持されるため、可振部材20及び圧電素子31の振動が円筒状チューブpに吸収されたり抑制されたりするのを効果的に軽減することができる。
よって、圧電素子31の振動を効率的に可動軸10に伝達して、可動軸10の駆動力を増大することができる。
また、ケース部材40と可振部材20の隙間や、円筒状チューブpとケース部材40の隙間に給電配線33や、他の機器の電気配線34を挿通して、コンパクトな収納態様にすることができる。
次に、他の形態の振動アクチュエータについて説明する。なお、以下に示す振動アクチュエータは、上記振動アクチュエータ1の一部を変更したものであるため、基本的に略同構成である部分については同一の符号を用いるとともに、主に変更部分について詳細に説明する。
<振動アクチュエータ2について>
図5に示す振動アクチュエータ2は、上記振動アクチュエータ1に対し、可振部材20及び圧電ユニット30を三つ以上の可振部材20’及び圧電ユニット30’に置換するとともに、ケース部材40をケース部材40’に置換したものである。
可振部材20’は、上記可振部材20(図3参照)と基本的に同構造であるが、周方向に略等間隔に三つ以上(図示例によれば四つ)並ぶように形成される。
圧電ユニット30’は、三つ以上の可振部材20’にそれぞれ対応して設けられる。各圧電ユニット30’は、単一の圧電素子31の外側面に、単一の電極32a1(32a2,32a3又は32a4)を固定している(図5参照)。各電極32a1(32a2,32a3又は32a4)には、上記振動アクチュエータ1と同様にして給電配線33が接続される。
ケース部材40’は、可動軸10、可振部材20’及び圧電ユニット30’の周囲を環状に囲む角筒状のケース本体41’と、該ケース本体41’から内側へ突出する三つ以上(図示例によれば四つ)の付勢部材42’とから一体に構成される。
各付勢部材42’は、ケース本体41’の周壁の一部を、板バネ状に切欠する等して、周方向に沿って径内方向へ突出しており、その突端側の部分によって各圧電ユニット30’を径内方向へ付勢して、圧電ユニット30’と一体の可振部材20’を可動軸10の外周面に押し付けている。
よって、図5に示す振動アクチュエータ2によれば、周方向に並ぶ三つ以上の圧電ユニット30’に順次に通電すれば、これら圧電ユニット30’及び可振部材20’の振動と停止が順次に繰り返され、可動軸10の周囲に周方向の進行波が発生し、この進行波によって可動軸10が回転運動をする。
この回転運動の際、周方向に分離した可振部材20’をそれぞれ可動軸10に押圧するようにしているため、上述した振動アクチュエータ1と同様に、振動の伝達効率が良好であり、可動軸10の回転方向の駆動力を向上させることができる。
なお、図5に示す振動アクチュエータ2においては、周方向に並ぶ電極32a1,32a2,32a3,32a4を、それぞれ軸方向にも三つ以上設けて、これら軸方向に並ぶ三つ以上の電極を順次に通電すれば、上記振動アクチュエータ1と同様に、可動軸10を軸方向へ直進させることも可能である。
また、図5に示す振動アクチュエータ2においては、周方向に並ぶ圧電ユニット30及び可振部材20’の数を、可動軸10の回転方向を容易に特定できるように三組以上としたが、制御方法等によってはこれらの数を二組とすることも可能である。
<振動アクチュエータ3について>
図6に示す振動アクチュエータ3は、上記振動アクチュエータ1に対し、上記可動軸10,上記可振部材20,上記ケース部材40を、それぞれ、可動軸10’,可振部材20”,ケース部材40”に置換するとともに、圧電ユニット30とケース部材40”の間に独立した付勢部材42”を設けている。
可動軸10’は、長尺な角柱状(図示例によれば四角柱状)の部材であり、例えば、金属等の剛性を有する材料から形成されている。
可振部材20”は、角柱状の可動軸10’を径方向(図6によれば上下方向)に挟むようにして複数(図示例によれば二つ)設けられる。
各可振部材20”は、金属等の剛性材料から可動軸10の軸方向へわたる略長尺状に形成され、その断面形状が可振部材20”の片半部側嵌り合う凹状である。
この可振部材20”の内面(詳細には可動軸10’が周面に接触する面)には、必要に応じて、可動軸10のものと同様の溝(図3の溝21a参照)が設けられる。
また、可振部材20”の外面は平坦状に形成され、この面上に圧電ユニット30が固定される。
ケース部材40”は、金属等の剛性材料によって、可動軸10’、可振部材20”,圧電ユニット30及び後述する付勢部材42”の周囲を環状に囲む角筒状(図6の一例では四角筒状)に形成される。
付勢部材42”は、可振部材20”及びケース部材40”とは独立した板バネであり、可振部材20”とケース部材40”の間に設けられて、可振部材20”を径内方向へ付勢して可動軸10’に押し付ける。この付勢部材42”は、弾性的に撓むことが可能な金属材料から波板状に形成される。なお、他例としては、この付勢部材42”をコイルスプリングに置換することも可能である。
そして、上記構成の振動アクチュエータ3は、上記振動アクチュエータ1と同様にして円筒状チューブp内へ挿通されて用いられる。
この振動アクチュエータ3によれば、上記振動アクチュエータ1と同様に、可振部材20”側の振動を効率的に可動軸10’に伝達できる。その上、可動軸10’を角柱状に形成しているため、当該振動アクチュエータ3の用途等により可動軸10’を回転させたくない場合に、該可動軸10’を回転させることなく軸方向へ直進運動させることができる。
<振動アクチュエータ4について>
図7に示す振動アクチュエータ4は、図5に示す振動アクチュエータ2からケース部材40’を省き、図6のものと略同様の板バネ状の付勢部材42”を設け、これらを円筒状チューブp内へ直接挿入したものである。
付勢部材42”は、周方向に並ぶ可振部材20’及び圧電ユニット30’に対応して三つ以上(図示例によれば四つ)設けられる。
各付勢部材42”及び圧電ユニット30’は、各可振部材20’の角寄りを避けるようにして、各可振部材20’の平坦面部22’における中央寄りに配設される。したがって、各付勢部材42’及び圧電ユニット30’は、可振部材20’の平坦面部22’と円筒状チューブpの内周面との間に形成される隙間に位置することになる。
よって、図7に示す振動アクチュエータ4によれば、図5に示す振動アクチュエータ2と同様に、可振部材20’及び圧電ユニット30’の振動を、円筒状チューブp側へ逃がさないようにして効率的に可動軸10に伝達し、可動軸10を回転駆動することができる上、ケース部材40等を省いているため、より細身な構造とすることができる。
なお、上述した振動アクチュエータ1,2,4は、各可振部材20(20’又は20”)上の圧電ユニットを、図8に示す態様のように、軸方向と周方向にそれぞれ複数設けるようにするようにしてもよい。
図8に示す態様では、単一の可振部材20の平坦面部22に、軸方向と周方向に並ぶ複数の圧電ユニット30”を固定している。図示例では、圧電ユニット30”を、軸方向に四つ、周方向に二つ並べ設けている。
各圧電ユニット30”は、一枚の圧電素子31に一組の電極32を設けてなり、各電極には図示しない給電配線が接続されている。
よって、図8に示す可振部材20及び圧電ユニット30”を用いた振動アクチュエータによれば、複数の電極32への通電順序に応じて、可動軸10が直進運動及び/又は回転運動する。
すなわち、複数の圧電ユニット30”の電極32に対し、軸方向へ順番に通電を行えば、この通電方向に沿って可動軸10を直進運動させることができ、周方向へ順番に通電を行えば、この通電方向に沿って可動軸10を回転運動させることができる。また、前記通電の順番を逆にすれば、可動軸10の直進方向を逆にしたり、可動軸10の回転方向を逆にしたりすることができる。さらに、軸方向と周方向の通電を同時に行って、可動軸10を回転運動させながら直進運動させることも可能である。
なお、図8の一例では、単一の圧電素子31と一組の電極32からなる圧電ユニット30を、縦横に複数配設するようにしているが、同様の機能が得られる他例としては、前記複数の圧電ユニット30を、一枚の圧電素子と縦横に並ぶ複数の電極とからなる単一の圧電ユニットに置換することも可能である。
また、図9に例示するように、上記振動アクチュエータ1〜4における可動軸10(又は10’)の外周面には、必要に応じて、滑り防止加工部10aを設けるようにしてもよい。同様に、振動アクチュエータ1〜4における可振部材20(20’又は20”)の内周面にも、図10に例示するように、必要に応じて、滑り防止加工部20aを設けるようにしてもよい。
滑り防止加工部10a,20aを有する構成によれば、例えば、本実施の形態の振動アクチュエータ1〜4が内視鏡等に適用され、血液や体液等の液体が可動軸10(又は10’)と可振部材20(20’又は20”)との間に流入した場合でも、これらの間に滑りを生じるのを防止することができ、可動軸10(又は10’)の動作を安定させることができる。
滑り防止加工部10a,20aの好ましい一例としては、可動軸10外周面と可振部材20内周面に、所定粗さの粗面加工を施した態様とすることができる。
前記粗面加工は、表面粗さの範囲を、平均粗さ2マイクロメータ以上で6マイクロメータ以下とするのが好ましい。すなわち、前記範囲よりも平均粗さが小さい場合には、流入した液体により摩擦力が著しく低下し滑りを増加してしまうおそれがある。逆に、前記範囲よりも平均粗さが大きい場合には、摩擦力が著しく増大して、可動軸10(又は10’)の滑らかな運動を阻害してしまうおそれがある。
また、滑り防止加工部10a,20aの他の好ましい一例としては、可動軸10(又は10’)外周面に、軸方向に等ピッチの環状突起を設けるとともに、可振部材20(20’又は20”)の内周面には、前記環状突起に嵌り合う環状凹部を複数設ける。
この構成によれば、可動軸10(又は10’)を直進運動させた場合に、該可動軸10(又は10’)の環状突起と、可振部材20(20’又は20”)の環状凹部とが嵌脱を繰り返しながら軸方向へ進むため、可動軸10(又は10’)が軸方向へ滑りを生じるようなことを防止することができる。
また、他例としては、可動軸10(又は10’)と可振部材20(20’又は20”)のうちの何れか一方のみに、前記構成の滑り防止加工部10a,20aを設けた態様とすることも可能である。
また、滑り防止加工部10a,20aの他例としては、可動軸10(又は10’)の外周面、及び/又は可振部材20(20’又は20”)の内周面を、例えばローレット加工状等の多数の凹凸面とした態様等とすることも可能である。
<振動アクチュエータ5について>
図11〜図16に示す振動アクチュエータ5は、可動軸50と、可動軸50の外周面に接触するとともに周方向に分離するように支持された複数の可振部材60と、これら可振部材60の外面にそれぞれ固定された複数の圧電ユニット70a,70b,70c,70dと、可振部材60及び圧電ユニット70a,70b,70c,70dの周囲を覆うケース部材80とを備え、圧電ユニット70a,70b,70c,70dに通電した際の可振部材60の振動により可動軸50を所定方向へ回転させながら軸方向へ直進させる。
可動軸50は、例えば、金属等の剛性を有する材料から長尺な円柱状に形成され、その外周面に雄ネジ部51を有する。雄ネジ部51は、少なくとも当該可動軸50の可動範囲と可振部材60とが重なる範囲に設ければよく、図11に示す好ましい一例では可動軸50の略全長にわたって設けられる。
可振部材60は、可動軸50の外周面を接触支持するとともに周方向に分離して、複数、好ましくは三つ以上八つ以内(図示例によれば四つ)設けられる。
各可振部材60は、金属等の剛性材料から可動軸50の軸方向へわたる略長尺片状に形成され、その内周側に凹曲面部61を有するとともに、外周面側には平坦面部62を有する(図12及び図13参照)。
凹曲面部61は、可動軸50の外周面に沿って軸方向へ延設された断面略円弧状の曲面であり、可動軸50外周面の雄ネジ部51に螺合する雌ネジ部を有する。
平坦面部62は、可動軸50の軸方向及び接線方向に平行する平坦状の面であり、当該振動アクチュエータ5が円筒状チューブpに挿入された場合(図16参照)に、該円筒状チューブpの内周面から離れて位置する。この平坦面部62の表面には、圧電ユニット70a(70b,70c又は70d)が固定される。なお、図示例によれば、圧電ユニット70a(70b,70c又は70d)が平板状であるため、これの取付け対象である可振部材60の表面を平坦面状に形成したが、他例としては、その双方の表面を緩い円周面状に形成してもよい。
また、圧電ユニット70a,70b,70c,70dの各々は、可振部材60の平坦面部62に密着して固定された圧電素子71と、この圧電素子71に固定された電極72と、この電極72に電力を供給するように接続された給電配線73とを具備する(図12参照)。
圧電素子71は、上記圧電素子31と略同様に、ユニモルフ構造やバイモルフ構造のものが用いられる。
電極72は、図示例によれば、圧電素子71の端部側に固定される。
また、給電配線73は、電極72に対し電気的に接続され、可振部材60とケース部材80の隙間や、ケース部材80と円筒状チューブpの隙間等を通って、可動軸50の軸方向へ導かれる。この給電配線73は、特に、可振部材60の振動に悪影響を及ぼさないようにする観点から、図16に示すように、ケース部材80と円筒状チューブpの間の隙間であって、ケース部材80の角部分から離れた位置(換言すれば平坦部分寄り)に配置されるのが好ましい。
可振部材60及び圧電ユニット70a,70b,70c,70dの数は、可動軸10の回転方向を容易に特定できるように三組以上とするのが好ましいが、制御方法等によっては二組とすることも可能である。
また、他例としては、単一の可振部材60に対し周方向に並ぶように複数の圧電ユニットを設けた態様や、単一の圧電素子71に対し周方向に並ぶように複数の電極72を具備した態様等とすることも可能である。
また、ケース部材80は、図11及び図13に示すように、可動軸50、可振部材60及び圧電ユニット70a,70b,70c,70dの周囲を環状に囲む角筒状のケース本体81と、該ケース本体81の内側に位置する付勢部材82とから一体に構成される。
ケース本体81は、図示例によれば、円筒状チューブpの内周面に角部分を接触させる四角形筒状に形成される。このケース本体81は、金属材料等から形成されるが、必要に応じて、合成樹脂材料等から形成することも可能である。
付勢部材82は、金属材料等の弾性的に撓むことが可能な材料により略四角筒状に形成され、その四方の面を、径方向にバネ作用を有する形状としている。図11に示す一例について詳細に説明すれば、付勢部材82を構成する四方の面の各々は、軸方向の端部を開口した長尺状の凹状片82aを、前記開口の向きが互い違いになるように周方向に複数並べて接続することで、おおまかには平面視S字状に形成される。この付勢部材82のバネ乗数は、可振部材60を可動軸50中心側へ柔軟に保持するように、適宜に設定されている。
上記構成の振動アクチュエータ5は、図16に示すように、円筒状チューブpの中に挿入されて用いられる。この挿入状態において、ケース部材80の四角部分81aが円筒状チューブpの内周面に当接し、隣り合う二つの角部分81a,81aの間の平坦面部81bが円筒状チューブpの内周面から離れて位置する。
そして、可振部材60とケース部材80の間の隙間や、ケース部材80と円筒状チューブpの間の隙間には、圧電素子71への給電配線73が挿通され、さらに、必要に応じて、当該振動アクチュエータ5以外の機器の電気配線74(例えば、内視鏡等の信号線等)もコンパクトに挿通される。
次に、上記構成の振動アクチュエータ5の動作及び作用効果について詳細に説明する。
振動アクチュエータ5を動作させるためには、図示しない制御回路から複数の圧電ユニット70a,70b,70c,70dに対し所定周波数の電力が順次に供給される。詳細に説明すれば、先ず、一つの圧電ユニット70aのみが通電され、次に、該圧電ユニット70aへの通電が遮断されて、圧電ユニット70bのみが通電され、同様にして、圧電ユニット70cのみへの通電、圧電ユニット70dのみへの通電が順次に行われ、このような通電が無限ループ状に繰り返し行われる。すると、圧電素子71には、前記通電順序の周方向へ向かう進行波状の振動が生じ、この進行波状の振動が各可振部材60に伝達し、さらに可振部材60から可動軸50に伝達することで、可動軸50が前記通電順序の周方向に沿って回転運動する。したがって、可動軸50は、周囲の可振部材60の雌ネジ部に螺合して回転しながら軸方向へ進むことになる。
なお、他の通電方法としては、圧電ユニット70a,70b、圧電ユニット70b,70c、圧電ユニット70c,70d、圧電ユニット70d,70aの順番に二つずつ通電する方法や、あるいは、圧電ユニット70a、圧電ユニット70a,70b、圧電ユニット70b、圧電ユニット70b,70c、圧電ユニット70c、圧電ユニット70c,70d、圧電ユニット70d、圧電ユニット70d,70aのように、電極を移行する毎に通電数が切り替わるように通電する方法等としてもよい(図14及び図15参照)。
振動アクチュエータ5によれば、前記回転運動の際、複数の可振部材60が周方向において分離配置されているため、これら可振部材を一体環状の部材に構成した従来技術等と比較し、各可振部材60の可動性が良好であり、効果的に振動を伝達することができる。
さらに、各可振部材60を付勢部材82の付勢力によって可動軸50外周面に常に押圧するようにしているため、可振部材60から可動軸50へ伝達される振動の損失を軽減することができる。
また、特に図16に示されるように、比較的振動の少ない角部分81aを円筒状チューブp内周面に接触させるとともに、隣り合う角部分81a,81aの間の平坦面部81bを円筒状チューブpの内周面から離隔させた状態で、可振部材60が円筒状チューブpの中心部寄りに柔軟に支持されるため、可振部材60及び圧電ユニット70a,70b,70c,70dの振動が円筒状チューブpに吸収されたり抑制されたりするのを効果的に軽減することができる。
よって、圧電素子71の振動を効率的に可動軸50に伝達して、可動軸50の駆動力を増大することができる。
また、ケース部材80と可振部材60の隙間や、円筒状チューブpとケース部材80の隙間に給電配線73や、他の機器の電気配線74を挿通して、コンパクトな収納態様にすることができる。
<振動アクチュエータ6について>
上記振動アクチュエータ5によれば、ケース本体81内に四角筒状の付勢部材82を設けてケース部材80を構成したが、このケース部材80の他例としては、図17に示す振動アクチュエータ6のように、角筒状のケース部材80’内に、独立した板バネ状の付勢部材82’を有する態様等とすることも可能である。なお、さらに他例としては、板バネ状の前記付勢部材82’をコイルスプリングに置換することも可能である。
また、ケース部材80の他例としては、上記振動アクチュエータ1,2と同様にケース本体41(又は41’)と付勢部材42(又は42’)を一体の部材とした態様(図4及び図5参照)とすることも可能である。
さらに他例としては、図18に示す振動アクチュエータ7のように、ケース部材を省くことも可能である。
この振動アクチュエータ7は、図17に示す振動アクチュエータ6からケース部材80’を省き、各可振部材60に対応して図17のものと略同様の板バネ状の付勢部材82’を設け、これらを円筒状チューブp内へ直接挿入したものである。
各付勢部材82’及び各圧電ユニット70a(70b,70c又は70d)は、各可振部材60の角寄りを避けるようにして、各可振部材60の平坦面部62における中央寄りに配設される。したがって、各付勢部材82’及び各圧電ユニット70a(70b,70c又は70d)は、前記平坦面部62と、円筒状チューブpの内周面との間に形成される隙間に位置することになる。
よって、図18に示す振動アクチュエータ7によれば、上記振動アクチュエータ5と同様に、可振部材60及び圧電ユニット70a,70b,70c,70dの振動を、円筒状チューブp側へ逃がさないようにして効率的に可動軸50に伝達し、可動軸50を回転させながら軸方向へ進めることができる上、ケース部材80等を省いているため、より細身な構造とすることができる。
次に、上記構成の振動アクチュエータ1〜7を用いた応用機構について説明する。
なお、以下に示す応用機構では上記振動アクチュエータ1(図1〜図4参照)を用いているが、この振動アクチュエータ1を、他の態様の振動アクチュエータ2〜7に置換することが可能である。
<挟持機構Aについて>
図19は、先端側部分で被挟持物を挟持したり放したりする挟持機構Aである。
この挟持機構Aは、可撓性を有する円筒状チューブp内に、振動アクチュエータ1を内在するとともに、振動アクチュエータ1の可動軸10に係合したフィンガーA1,A2を、円筒状チューブp前端から外部に露出している。
振動アクチュエータ1は、ケース部材40の四つの角部分41aを円筒状チューブp内周面に当接させて前後不動に内在される(図4参照)。振動アクチュエータ1の給電配線33は、円筒状チューブp内を後方へ導かれ、制御装置X(例えば、内視鏡下治療システムの制御部等)に電気的に接続されている。
フィンガーA1,A2は、それぞれ軸部A11,A21を支点にして前端側を回動させるように支持される。軸部A11,A21は、ブラケット等を介してケース部材40又は円筒状チューブp内面等に不動に支持される。
これらフィンガーA1,A2における軸部A11,A21よりも後側の部分には、可動軸10と係合している。より詳細に説明すれば、フィンガーA1,A2のそれぞれの後端側部分には長孔A13が設けられ、この長孔A13には可動軸10側に支持された作動軸A14が遊挿されている。
次に上記構成の挟持機構Aについて、作用効果を詳細に説明する。
制御装置Xから振動アクチュエータ1に電力が供給され、振動アクチュエータ1の可動軸10及び作動軸A14が前進すると、作動軸A14の直進運動が長孔A13によってフィンガーA1,A2の回転運動に変換され、フィンガーA1,A2が開放方向へ回動する。可動軸10への供給電力の制御により可動軸10が後退した際には、作動軸A14の後退に伴いフィンガーA1,A2が閉鎖方向へ回動する。
よって、挟持機構Aによれば、円筒状チューブp、振動アクチュエータ1及びフィンガーA1,A2等を極小な構成にした場合でも、上述したように振動アクチュエータ1における振動エネルギーの損失が少なく比較的大きな駆動力が得られるため、良好な動作性を有する。
なお、挟持機構Aにおいて、振動アクチュエータ1を、ネジ状の可動軸50を有する振動アクチュエータ5〜7(図11〜図18参照)に置換する場合には、可動軸50と作動軸A14の間に、可動軸50を空転させる機構(例えば、自在継手等)を介在させればよい。また、他例としては、作動軸A14に可動軸50と螺合するナット状部材を設け、可動軸50の回転に伴う前記ナット状部材及び作動軸14の進退により、軸部A11,A21を回動させるようにしてもよい。
<揺動機構Bについて>
図20〜図21は、円筒状チューブpを揺動させる揺動機構Bである。
この揺動機構Bは、可撓性を有する円筒状チューブp内に、振動アクチュエータ1を内在するとともに、振動アクチュエータ1の可動軸10前端側に、円筒状チューブp内壁を押動するためのジョイント部B1、揺動杆B2及び接続部B3を設けている。
この円筒状チューブpにおいても、振動アクチュエータ1は、ケース部材40の四つの角部分41aを円筒状チューブp内周面に当接させて前後不動に内在される(図4参照)。振動アクチュエータ1の給電配線33は、円筒状チューブp内を後方へ導かれ、上述した制御装置X等に電気的に接続されている。
ジョイント部B1は、可動軸10に対し揺動機構Bを回動可能に接続する構造であればよく、例えば、可動軸10に対し軸部を介して揺動杆B2が回動するように支持した構成や、可動軸10と揺動杆B2とを自在継手により接続した構成、可動軸10と揺動杆B2を可撓性部材(例えば弾性合成樹脂材料やゴム等)を介して接続した構成等とすればよい。
また、揺動杆B2は、ジョイント部B1に接続され、円筒状チューブp内で前方へ延設された棒状の部材である。
また、接続部B3は、揺動杆B2に対し回動自在に接続されるとともに、円筒状チューブp内面に接着等により固定されている。この接続部B3を揺動杆B2に対し回動自在にする手段は、前記ジョイント部B1と同様の構造とすればよい。
次に、上記構成の揺動機構Bについて、作用効果を詳細に説明する。
振動アクチュエータ1への電力供給により可動軸10が前進した際には、図20に示すように、接続部B3が可動軸10の軸方向へは移動不能であるため、ジョイント部B1が折れ曲がるようにして、揺動杆B2が一方へ揺動し、これに伴って円筒状チューブpに前端側も同方向へ揺動する。
また、可動軸10が後退した際には、図21に示すように、ジョイント部B1が折れ曲がった状態から略真直状態に戻るため、これに伴い円筒状チューブpが逆方向へ揺動する。
よって、揺動機構Bによれば、円筒状チューブp、振動アクチュエータ1及び揺動杆B2等を極小な構成にした場合でも、上述したように振動アクチュエータ1における振動エネルギーの損失が少なく比較的大きな駆動力が得られるため、良好な動作性を有する。
なお、揺動機構Bにおいて、振動アクチュエータ1を、ネジ状の可動軸50を有する振動アクチュエータ5〜7(図11〜図18参照)に置換する場合には、可動軸50とジョイント部B1の間に、可動軸50を空転させる機構(例えば、自在継手等)を介在させればよい。また、他例としては、ジョイント部B1に可動軸50と螺合するナット状部材を設け、可動軸50の回転に伴う前記ナット状部材及びジョイント部B1の進退により、揺動杆B2を揺動させるようにしてもよい。
また、上記振動アクチュエータ1〜7、挟持機構A及び揺動機構Bは、作用及び機能等を阻害しないようにすれば、各部の構造や部品等を、適宜、他の態様のものと交換したり、組み合わせて構成することが可能である。
本発明の一実施形態である振動アクチュエータは、近年急速に進歩する内視鏡による低侵襲手術システム等において、可振部材を可動軸に隙間無く密着させ、さらに例えば内視鏡用の円筒状チューブ内に収める場合にも角状のケース部材の非振動部分(具体的には角部分等)をチューブ内壁面に固定し、振動する平坦面部の振動を阻害しないので、振動が減衰せず小径でも駆動力が大きい。また、可振部材と可動軸の接触面に初期摩耗や経年変化があった時にも、付勢部材の押し圧力が安定して働くので可振部材と可動軸の間に隙間を生じることがなく、安定した駆動力が得られる。
また、本発明の一実施形態である振動アクチュエータは、内視鏡以外にも工業用マイクロロボットのハンド等に組み込む事で、小型で大きい駆動力を得ることができる。
1〜7:振動アクチュエータ
10,10’,10”,50:可動軸
10a:滑り防止加工部
20,20’,20”,60:可振部材
21,21’,61:凹曲面部
22,22’,62:平坦面部
30,30’,30”,70a,70b,70c,70d:圧電ユニット
31,71:圧電素子
32a,32b,32c,32d,72:電極
32a1,32a2,32a3,32a4:電極
33,73:給電配線
40,80:ケース部材
41,41’,81:ケース本体
41a,81a:角部分
41b.81b:平坦面部
42,42’,42”,82,82’:付勢部材
51:雄ネジ部
A:挟持機構
B:揺動機構
p:円筒状チューブ

Claims (5)

  1. 振動により可動軸が運動する振動アクチュエータにおいて、
    前記可動軸と、
    前記可動軸の周囲で周方向に分離して配置された複数の可振部材と、
    前記可振部材の外面に固定された圧電素子と、
    前記可振部材を径内方向へ付勢して前記可動軸の外周面に押し付ける付勢部材とを備え、
    前記圧電素子に通電した際の前記可振部材の振動により前記可動軸を運動させるようにした振動アクチュエータであって、
    円筒状チューブに挿入された場合に該円筒状チューブの内周面から離隔するように、前記可振部材の外周側に前記圧電素子を配置したことを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 振動により可動軸が運動する振動アクチュエータにおいて、
    前記可動軸と、
    前記可動軸の周囲で周方向に分離して配置された複数の可振部材と、
    前記可振部材の外面に固定された圧電素子と、
    前記可振部材を径内方向へ付勢して前記可動軸の外周面に押し付ける付勢部材とを備え、
    前記圧電素子に通電した際の前記可振部材の振動により前記可動軸を運動させるようにした振動アクチュエータであって、
    円筒状チューブに挿入された場合に前記円筒状チューブの内周面と前記可振部材の間に位置するように、前記圧電素子の給電配線を設けたことを特徴とする振動アクチュエータ。
  3. 前記可動軸の運動には、前記可動軸の軸方向に沿う直進運動を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の振動アクチュエータ。
  4. 前記可動軸の運動には、前記可動軸の軸心を回転中心にした回転運動を含むことを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載の振動アクチュエータ。
  5. 前記圧電素子に三組以上の電極を並べ設け、これら電極に順次に通電した際の前記圧電素子及び前記可振部材の振動により前記可動軸が前記電極の並び方向へ運動するようにしたことを特徴とする請求項1〜4何れか1項記載の振動アクチュエータ。
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