JP6083782B2 - 情報入力用ペン - Google Patents

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本発明は、パソコン、携帯端末などの情報処理装置に接続された静電容量型座標入力装置あるいは表示一体型静電容量型入力装置に座標情報を入力するための静電容量型入力パッド用のタッチペンに関する。
従来、コンピューターの静電容量型座標入力装置あるいは表示一体型静電容量型入力装置に情報を入力する際には、直接指をあてて入力していた。
しかしながら、指では力加減により入力するパネルとの接触状態が変化して位置がずれたり、汗などで指のすべりが悪くなった場合に操作性が劣ったりするという欠点があった。
このような欠点に対しては、既に様々な提案がなされている。これらは、主に導電性のペン先と導電性の軸体から構成され、入力パネルから手指までの導通を確保しつつ、安定した書き味や位置検出を可能とするための提案である。
まず、吸水性材料からなるペン先と軸体内部に設けた保水部に水を含浸させ、さらに導通性の軸体を通して入力パネルから手指までの導通を確保するものが提案されている(特許文献1)。この場合、パネルには水の筆跡が残るため、連続で使用するとパネル表面の水の影響で正確な位置情報が入力できないことがあった。更には、精密極まりない電子機器に対して、水を付着させるという、致命的な事故を起こしかねないものでもあった。
次に、ペン先に導電性繊維の筆や導電性のフェルトを用い、さらに導通性の軸体を通して入力パネルから手指までの導通を確保するものが、本出願人により提案されている(特許文献2)。この場合、筆やフェルトの先端は柔らかく、入力時の感触は柔和で入力パネルを傷めないものであったが、変形しやすいため、正確な位置情報が入力できないという欠点があった。
また、ペン先に導電性ゴムを用い、さらに導通性の軸体を通して入力パネルから手指までの導通を確保するものが本出願人により提案されている(特許文献3)。この場合、ポインティング動作では問題は無く、入力時の感触は柔和で入力パネルを傷めないものであったが、ゴムの滑りが悪く、スライドさせるような動作では抵抗が強く、快適にスライドさせる動作ができなかった。
更には、ペン先に導電性炭素繊維と樹脂繊維をブレンドし、これを樹脂バインダーや樹脂繊維の熱溶着で結着させた繊維束を用い、さらに導通性の軸体を通して入力パネルから手指までの導通を確保するものが本出願人により提案されている(特許文献4)。この場合、すべりが適度なペン先が得られ、ポインティング動作でもスライド動作でも、好適な動作が可能であったが、樹脂バインダーが導電性繊維の外側を覆うために導電性に障害が生じることがあり、また、炭素繊維が硬いため、パネル表面を傷めてしまうこともあるという欠点があった。
加えて、炭素繊維、グラファイト等の物質を混合して導電性を持たせた繊維或いは導電性樹脂を含む繊維は、何れも成形性或いは賦形性に問題があることが予想される。特にポリチオフェン等の導電性樹脂は成形性に問題が多いことが知られており、その対策に様々な工夫が為されている(例えば特許文献5)。
ところで、筆記具のマーカー或いは化粧料の塗布具等に使用される繊維束芯に関して、主繊維と、その主繊維よりも低融点の樹脂を含む繊維を外表面に配し、硬度や気孔率の調整が容易で、インクフローが良好な繊維束液体供給芯体の構成について開示されている。また、低融点の樹脂を含む繊維の使用により、繊維間の接着強度が向上するので、耐久性及び耐圧縮性も向上できることが開示されている(特許文献6)。ここでは、上記した特許文献1のように毛細管現象を利用して水等の液体を供給することが前提としてあり、素材自体が導電性を持つものでもなく、成形性にも優れた樹脂製の繊維を用いている。
特開平8−44484号公報(実施例等) 特開平10−39989号公報(特許請求の範囲等) 特開平10−161795号公報(特許請求の範囲等) 特開平10−161796号公報(特許請求の範囲等) 特開2005−68166号公報(従来の技術等) 特開2011−20443号公報(特許請求の範囲等)
本発明の目的は、上述した欠点を除去、即ち、水などの導電性液体を入力装置に付着することなく、筆圧による検知位置のズレが少なく、スライド動作時のすべりがよく、かつ、パネル表面を傷つけるような材料を用いずに製造できるペン先を備えた静電容量型入力パッド用のタッチペンの提供にある。
即ち、本発明は次の(1)〜(10)に存する。
(1)静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に情報を入力する入力用タッチペンであって、前記入力用タッチペンは軸体、および、繊維束を含む入力尖端から成り、前記入力尖端を構成する前記繊維束は、低融点の樹脂を含む繊維と、導電性繊維とを含み、互いに融着させたものであることを特徴とする入力用タッチペン。
(2)前記導電性繊維は、導電性材料を含むことを特徴とする上記(1)に記載の入力用タッチペン。
(3)前記入力尖端は基部を有し、前記基部の中央には中芯が挿通される挿通孔が設けられ、前記挿通孔には中芯が挿通されていることを特徴とする上記(1)に記載の入力用タッチペン。
(4)前記入力尖端は基部を有し、前記基部の中央には中芯が固定されていることを特徴とする上記(1)に記載の入力用タッチペン。
(5)前記入力尖端は前記軸体に対して着脱自在であることを特徴とする上記(3)または(4)に記載の入力用タッチペン。
(6)前記基部は、導電性樹脂からなることを特徴とする上記(3)または(4)に記載の入力用タッチペン。
(7)前記中芯は導電性を有することを特徴とする上記(3)〜(6)の何れか一つに記載の入力用タッチペン。
(8)前記軸体の把持部は導電性を有し、かつ、前記軸体の把持部と前記導電性繊維は電気的に導通していることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の入力用タッチペン。
(9)前記軸体の内部に、導電性を有する材料からなる部品を内蔵していることを特徴とする上記(1)〜(9)の何れか一つに記載の入力用タッチペン。
(10)前記入力尖端の先端部は、前記軸体の中心軸と交差する平面を含むことを特徴とする上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の入力用タッチペン。
本発明のタッチペンは、前記した通り、ペン先尖端が、低融点の樹脂を含む繊維と、導電性材料を含む導電性繊維とを含み、互いに融着させた繊維束からなるため、筆圧による検知位置のズレが少なく、スライド動作時のすべりがよく、かつ、入力パネルを傷つけにくい静電容量型入力パネル用タッチペンとなる。また、前記導電性材料を導電性樹脂とすることによって、更に入力パネルを傷つけにくい静電容量型入力パネル用タッチペンとすることが出来る。
本発明の入力ペンの繊維束に用いる市販の導電性繊維の横断面図である。 本発明の第1実施形態の入力ペンの断面模式図である。 本発明の第1実施形態の入力ペンの尖端が正しい角度で入力パネルに接触した場合の模式図である。 本発明の第1実施形態の入力ペンの尖端が正しい角度より、ややずれた角度で入力パネルに接触した場合の模式図である。 本発明の第1実施形態の入力ペンの尖端が正しい角度より、ややずれた角度で入力パネルに接触し、更に弱い力で入力パネルに押し付けた場合の模式図である。 本発明の第2実施形態の入力ペンの断面模式図である。 本発明の第3実施形態の入力ペンの尖端が正しい角度で入力パネルに接触した場合の模式図である。 本発明の第3実施形態の入力ペンの尖端が正しい角度より、ややずれた角度で入力パネルに接触した場合の模式図である。 本発明の第3実施形態の入力ペンの尖端が正しい角度より、ややずれた角度で入力パネルに接触し、更に弱い力で入力パネルに押し付けた場合の模式図である。 本発明の第4実施形態の入力ペンの断面模式図である。
本発明で用いる主繊維としては、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維体からなるものが挙げられる。
これらの主繊維に導電性の炭素材等を混練或いは被覆して繊維自体に導電性を持たせる、あるいは、主繊維自体を導電性樹脂とすることによって導電性を持たせることも可能であるが、導電性材料を含ませた導電性繊維を用いる方が、繊維束を安価に製造できる。導電性材料を含ませる方法として、図1(a)に示す断面図の通り、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などを基材とする繊維(α)に導電性材料(β)を被覆することによって繊維に導電性を持たせる、或いは、図1(b)に示す断面図の通り、上記基材(γ)の内部に導電性を有する材料からなる部分(δ)を繊維内に含ませる方法等が挙げられる。これらの方法以外では、繊維全てを導電性樹脂とすることによって導電性を持たせ、構成する繊維の少なくとも一部を、この全体が導電性樹脂である繊維としてもよいが、前述の通り導電性材料には成形性、賦形性に問題を持つものが多いので、実施に際しては検討を要する。
本願発明で導電性繊維等に使用される導電性材料は、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリンなどの導電性樹脂を分散または可溶化させた樹脂溶液が挙げられる。これらの導電性材料を用いる際に、導電性を適宜調整するために、2,3,7,8−テトラシアノ−1,4,6,9−テトラアザナフタレン、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのドーパントを添加した導電性樹脂を使用することができる。これらのような導電性樹脂を前記のような構成の繊維とすることで、導電性繊維を得ることができる。
ところで、導電性材料として一般的な、カーボンブラック、黒鉛、および、金属粒子等を分散させた樹脂溶液あるいは溶融した樹脂を用いたとしても大きな問題とはならない。なぜなら、本発明の製品の場合、入力パネルに接触するペン先尖端の内、繊維束外皮部の僅かな部分のみであるため、この外皮部が入力パネルに触れる機会は極めて少ないからである。しかしながら、この繊維束体が使用等により磨耗してこれらの粒子が入力パネル上に脱落するような場合には、カーボンブラック、黒鉛、および、金属粒子等が入力パネルに触れて傷を付ける可能性が出てくる。このため、本願における導電性材料としては、導電性樹脂が好ましい。
これらの導電性材料を含む繊維を繊維束に成形する方法としては、まず、一般的な繊維束の成形方法、即ち、熱硬化樹脂のモノマーを溶解させた溶液を繊維の束に含浸させ、加熱することによって硬化させ、棒状の繊維束を得る方法が挙げられる。しかしながら、繊維自体の成形性、賦形性に問題がある時には、このような方法では、熱硬化樹脂モノマー溶液を含浸させるだけなので、加熱前には、これらの繊維を賦形させることが困難で、熱して硬化させた後に希望する形状にできない可能性があった。また、前記熱硬化樹脂のモノマー溶液の溶剤を蒸発させて除くために、加熱が長時間に及ぶと熱に弱い導電性樹脂の場合、化学的変化等により導電性が失われてしまう可能性が大である。更には、これらの導電性材料を含む繊維の周囲を熱硬化樹脂が覆ってしまい、導電性が低下する可能性が大きい。
そこで、低融点の樹脂を含む繊維と、この導電性材料を含む繊維とを混紡させた後、繊維束に成形する方法を考えた。この低融点の樹脂を含む繊維の物理的作用によって、加熱前に、ある程度導電性材料を引き揃えることが容易となる。この方法によれば、低融点の樹脂が融解する温度にまで加熱すれば繊維束の製造が可能であり、溶剤を蒸発させるための工程も不要である。
前記低融点の樹脂を含む繊維に使用される低融点の樹脂としては、例えば、低融点ポリアミド繊維、低融点ポリプロピレン繊維、低融点ポリエステル繊維、低融点ポリエチレン繊維等が挙げられる。これらの樹脂からなる繊維、或いは、これらの樹脂を繊維の外表面の一部又は全部に配置した繊維等を前記の製造方法に使用することができる。これら低融点の樹脂の融点は、前記の導電性材料が化学変化を起こしてしまう温度よりも20℃〜40℃低いことが好ましく、特に熱に強い導電性材料の場合には、主繊維の融点よりも20℃〜40℃低いことが好ましい。何れの条件も勘案する必要が無い場合には、融点が170℃〜300℃であることが好ましい。
前記のように製造した繊維束芯は、繊維束の外周を被覆する導電性材料を含む外皮部を設けることができる。この外皮部は導電性材料により、導電性を持っていてもよい。このような外皮部を設けることにより、繊維束から繊維が脱落することを防ぎ、繊維束の曲げ強度等の機械的強度を大幅に向上させることが出来るためペン先を多少押し付けても傷まないことに加え、繊維束芯外皮部に導電性を持たせた場合には、ペン先で接触している「区域」が、はっきり認識される。また、この外皮に十分な導電性があれば、繊維束には導電性を持たない繊維を用いることもできる。
前記のように繊維を結着させ、導電性を持つ外皮部を備えた繊維束とするには、以下の方法がある。導電性材料を含む繊維又は普通の繊維に、少ない量の低融点の繊維を混紡した中央部の繊維の束を包むように、外皮となる繊維の束を合流させる。この合流させる繊維の束は、導電性材料を含む繊維又は普通の繊維に、比較的多量の低融点の繊維を混合した繊維束であって、加熱機に通すことによって互いに熱融着を起こさせ繊維束として固められることにより、この合流させる繊維の束が外皮となる。別の方法として、切断する前の普通の繊維束体に、外皮となる、導電性材料を含む繊維又は普通の繊維に、比較的多量の低融点の繊維を混合した繊維束を合流させ、加熱させることで、外皮部を設けた導電性繊維束を得ることもできる。
前記したような繊維束には、切削加工等により形状を整えた後で、その側面あるいは後端に、被係止部を設けることができる。この被係止部は、繊維束後端に設ける場合にはフランジ状、或いは、突起状の被係止部に、繊維束側面に設ける場合には、軸体の接続部に合わせて、フランジ状、突起状、或いは、全周に亘る溝状としてもよい。この被係止部がフランジ状、あるいは、突起状であれば、後述する軸体との導通を確保する場合には、フランジ或いは突起に導電性材料を含ませる構成とする。
ペンの軸体は、前記導電性繊維を含む繊維束芯の導電性が十分に大きければ、導電性のない材料からなる軸体でも静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に入力が可能である。ただし、この繊維束が小さい場合や、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置の応答性能が劣る場合、カーボンブラックや金属微粒子などを配合した合成樹脂軸や、合成樹脂軸表面にめっきをほどこした軸や、導電性金属からなる軸を用いることにより、軸体の把持部とペン先尖端の繊維束が導電性を有するような軸体を得る。また、軸体は、1部品単体で構成、または、先軸、軸筒、尾栓などの複数部品により構成してもよいし、あるいは、先軸、軸筒などの部材の外周部にカーボンブラックや金属微粒子などを配合した合成樹脂を被覆したり、めっきをほどこしたり、導電性金属からなる被覆を施したり、又は、前記の導電性材料の被覆を施してもよい。更には、軸体内部に、ペン先と導通するように、導電性繊維、導電性スポンジ、金属、グラファイト焼結体などの導電体を収納しておくことで、導電体の体積を増大させ、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置の応答性を適宜調整することができる。
また、本発明に係わるペンのペン先の、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に接触する先端部は、そのまま用いても問題ないが、ペン先全面を接触させなければ応答性に劣る場合がある。この場合は、ペン先の先端の結着を解きほぐし、先端に柔軟なタッチを持たせることにより、接触角度によらず好適な応答性を得ることができる。解きほぐす長さが長いと、前記した通り、特許文献2に開示されるような製品同様の欠点が生じることとなる。即ち、ペン先に導電性繊維の筆や導電性のフェルトを用いた時に起こる筆やフェルトの先端の変形による位置情報ずれが発生する。そのため、解きほぐす長さは3mmを超えない範囲、好ましくは2mmを超えない範囲にすることが望ましい。
本願発明に係わるペンのペン先の、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に接触するペン先尖端は、ペン体の中心軸と交差する平面を含むことが出来、その平面と前記中心軸との角度は45°〜90°が好ましい。45°を下回るとペン先尖端の尖りが鋭くなり過ぎ、繊維束がバラバラの状態になりやすい。その平面の面積は10mm〜80mmが好ましく、更には20mm〜40mmであることが望ましい。10mm未満の接触面積では、使用感等において、従来のタッチペンと何ら変わらず、80mmを超える接触面積は大きすぎて入力パネル上の目標とする箇所以外に接触する可能性が高くなってしまう。
そして、本発明に係わるペンのペン先から、軸体の把持部までの抵抗値は、特に限定はされない。この抵抗値が10MΩ以下であれば、より反応性の高いタッチペンとすることができるが、一般の測定機器により測定不能な程度に高い抵抗値であっても、軸体の下部、即ち、先端部(ペン先)に近い方を使用者が把持することによって、使用上問題の無い反応性とすることができる。
本発明のタッチペンによれば、ペン先尖端は、軸体を介して使用者の手と、たとえ微小であっても、電気的に導通される。したがって、ペン先尖端が、軸体を把持する使用者の手と同電位に維持されるとともに、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置とペン先尖端の接触状態で、静電容量が形成される。
このように構成されたタッチペンを用いて静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に座標を入力する場合、使用者は、軸体を把持し、ペン先を静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に押し当てることで入力する。この結果、使用者の手と、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置の間に、接触面積に依存した静電容量が形成され、入力が可能となる。
また、導電性繊維と低融点の繊維とを多孔質に結着することで、繊維束のペン先尖端を得るので、水などの導電性液体を入力装置に付着することがなく、筆圧によって検知位置がずれず、スライド動作時のすべりがよく、パネル表面を傷つけることのない入力が可能となる。
(第1の実施形態)以下、図を参照しながら、本発明の実施の形態に係わるペンについて説明する。
まず、図2は第1の実施形態であり、導電性の軸体1と、外皮に導電性を付与した繊維束よりなるペン先尖端2と、尾栓3とにより構成されている。ペン先尖端2は外径5mmで、その先端を70°に切断して、より自然な筆記角度を持たせるとともに、接触面22を楕円にすることにより接触面積を20.9mmとしている。軸体1は導電性材料のみから構成されている。ここでは、軸体1の接続部11とペン先2の外皮接触部21とが、接触・導通している。ペン先尖端2から、外側接触部21、接続部11を通じて、軸体1の把持部12まで、導電性材料で繋がっている構成となっている。
ペン先尖端(繊維束)2は以下のような製造方法により得られる。
導電性繊維(ポリチオフェンを含むポリエステル繊維、太さ5デニール)と低融点ポリエチレン繊維(太さ5デニール)を比率が7:3となるように混紡する。この混紡された束をトータル繊度が42,000デニールとなるよう長手方向に引き揃え、これを内径約5mmのフッ素樹脂パイプに引き込み、加熱して繊維束を形成した。このときの加熱温度は、繊維の材質、仮撚りの程度により、適宜調整した。得られた導電性繊維束を長さ30mmに切断し、さらにその先端を70°の角度で切断して、導電性ペン先とした。この場合、このペン先の先端の面積は30mmであった。本実施例において、先端面22から把持部12までの電気抵抗の測定を行ったが、相当に高い値で測定値が変動し、明確な値を示すことが出来ない。しかし入力動作に対する反応は全く問題が無く正確な入力を行うことができた。
図3乃至図5は第1の実施形態における、ペン先尖端と静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置6との接触状態である。本実施例においては、前記した通り、ペン体の中心軸Aとペン先の先端面中心軸Tの角度は70°である。図3のように、適正な断面積を有するペン先尖端を、ペン先尖端の先端面方向Tと入力装置の面6が並行となるような適正な筆記角度で接触させれば問題はない。結着後のペン先尖端が硬い場合は、筆記角度、即ち、ペン体の中心軸Aと入力装置の面6の角度が変わると、図4のように、接触面が少なくなり、応答性が悪くなる場合がある。
この外側部23を設けたペン先尖端(導電性繊維束)2は、先端面22近傍を僅かにバラけさせ、バラけ部分を僅かに突出させた状態とする。このことによって、図5に示す通りの効果を得ることが出来る。即ち、入力装置の面6との接触の際に、ペン先先端を2mm以内で解きほぐしたペン先により、軽い筆圧においても、ペン先の解きほぐした部分が容易に変形し、ペン先尖端外側部と静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置の接触領域は十分にとれ、応答性も問題ない状態となる。この導電性繊維の僅かなバラけ部分の突出は0.1mm以上あれば先端面22の柔軟性が発揮される。これが3mmを超えるとペン先の広がりが大きすぎ、検知位置のずれ等が生じる。
(第2の実施形態)第2の実施形態は、軸体を導電性のない軸体1’(図示せず)としたこと以外は第1の実施形態と同様にして構成した。この実施形態においては、この導電性のない軸体1’と導電性を付与した繊維束よりなるペン先尖端2と尾栓3により構成されている。本実施例において、ペン先尖端2から把持部12までの電気抵抗を測定したが、測定器の上限(10MΩ)を超えて測定不能であったが、問題なく正確な入力を行うことができた。
(第3の実施形態)図6は第3の実施形態であり、導電性の軸体1と、最外部に導電性を付与した繊維束よりなる被膜23を設けたペン先尖端2と、軸体1の中に導電性スポンジ4と、ペン先と導電性スポンジを直接導通させるためのグラファイト焼結体5と尾栓3により構成されている。
この実施形態では、外皮部23から、接触部21、導電性スポンジの接続部41、および、グラファイト焼結体5を通じて、軸体1の把持部12まで、導電性材料で繋がっている構成となっている。
この実施形態のペン先尖端は、仮撚り加工されたポリエチレンテレフタレート繊維(太さ5デニール)をトータル繊度が42,000デニールとなるよう長手方向に引き揃え、これを内径約5mmのフッ素樹脂パイプに引き込み、240℃に加熱して繊維束を形成した。このときの加熱温度は、繊維の材質、仮撚りの程度により、適宜調整した。そして、得られた繊維束をフッ素樹脂パイプから引き抜く。次に、導電性繊維(ポリチオフェンを含むポリエステル繊維、太さ5デニール)と低融点ポリエチレン繊維(太さ5デニール)を比率が7:3となるように混紡する。この混紡された束もトータル繊度が42,000デニールとなるよう長手方向に引き揃え、これを先に製造した繊維束の回りを包むようにして、内径約6mmのフッ素樹脂パイプに引き込み、加熱して繊維束を形成した。得られた導電性繊維束を長さ30mmに切断し、さらにその先端を70°の角度で切断して、導電性ペン先とした。このペン先の先端面22の面積は30mmであった。本実施例において、ペン先尖端(被覆された導電性繊維束)2から把持部12までの電気抵抗の測定を行った。しかし相当に高い値で測定値が変動し、明確な値を示すことが出来ない。しかし入力動作に対する反応は全く問題が無く正確な入力を行うことができた。
図7乃至図9は第3の実施形態における、ペン先尖端と静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置6との接触状態である。本実施例においては、前記した通り、ペン体の中心軸Aとペン先の先端面中心軸Tの角度は70°である。図7のように、適正な断面積を有するペン先尖端を、ペン先尖端の先端面方向Tと入力装置の面6が並行となるような適正な筆記角度で接触させれば問題はない。結着後のペン先尖端が硬い場合は、筆記角度、即ち、ペン体の中心軸Aと入力装置の面6の角度が変わると、図8のように、接触面が少なくなり、応答性が悪くなる場合がある。
この外皮部23を設けたペン先尖端(導電性繊維束)2は、先端面22近傍の外皮を削り落とし、露出した繊維束を僅かにバラけさせ、バラけ部分を僅かに突出させた状態とする。このことによって、図9に示す通りの効果を得ることが出来る。即ち、入力装置の面6との接触の際に、ペン先先端を2mm以内で解きほぐしたペン先により、軽い筆圧においても、ペン先の解きほぐした部分が容易に変形し、ペン先尖端外側部と静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置の接触領域は十分にとれ、応答性も問題ない状態となる。この導電性繊維の僅かなバラけ部分の突出は0.1mm以上あれば先端面22の柔軟性が発揮される。これが3mmを超えるとペン先の広がりが大きすぎ、検知位置のずれ等が生じる。
この外皮部23を外側に設けたペン先尖端(被覆された導電性繊維束)2においても、外皮を除きペン先の解きほぐした部分が容易に変形し、ペン先と静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置の接触面積は十分にとれ、応答性も問題ない状態であった。
この第3の実施形態は繊維束のペン先尖端2が外皮部23で被覆されているので、ペン先尖端2の交換が比較的容易に行える。従って、先端面22が摩滅してきた場合などには、この繊維束のペン先2を取り外し、新たなペン先尖端2´に付け替えることの出来る構成としてもよい。
更には、この繊維束のペン先尖端2の着脱の代わりに、軸体1先端に新たに先軸部を設け、着脱自在としてもよい。即ち、繊維束のペン先先端2が接続・導通する先軸部20を別途作製し、筒状の軸体1に嵌着・導通できるようにした構成としてよいものである。前記同様に繊維束のペン先尖端2が摩滅してきた際には、新たなペン先尖端(繊維束)2´が接続・導通している先軸部20´に付け替えることの出来る構成とすることもできる。
(第4の実施形態)図10は第4の実施形態であり、軸体1を導電性のない軸体とし、軸体内部にグラファイト焼結体5を挿入し、このグラファイト焼結体5とペン先尖端(被覆された繊維束芯)2を導電性スポンジ4で連結している。本実施例において、ペン先尖端2から把持部12までの電気抵抗を測定したが、測定器の上限(10MΩ)を超えて測定不能であった。しかし問題なく正確な入力を行うことができた。
また、これらの実施形態のペンの後端部にボールペンなどの筆記具を結合して構成し、普通の紙面へのメモ書き、アンダーライン引きを行えるようにしてもよい。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、以下のような効果を得ることができる。すなわち、水などの導電性液体を入力装置に付着することがなく、筆圧によって検知位置がずれず、スライド動作時のすべりがよく、パネル表面を傷つけることがないような入力が可能である。そしてペン先尖端部に、ある程度柔軟な平面部を持つため、いわゆる電子書籍の文字列のデータに対して、アンダーラインを引くような入力が可能である。
本発明品は、いわゆる電子書籍へのアンダーライン引き、デジタル映像への加筆、加工、あるいは、文字、筆跡および描線の入力に利用することが出来る。
1 軸体
11 軸体の接続部
12 把持部
13 尾栓嵌合部
2 ペン先
21 ペン先の接触部
22 先端面
23 外側部、外皮部
3 尾栓
4 導電性スポンジ
41 導電性スポンジの接続部
5 グラファイト焼結体
6 入力装置の面
A ペン体の中心軸
T 先端面の中心軸

Claims (4)

  1. 静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に情報を入力する入力用タッチペンであって、前記入力用タッチペンは軸体、および、繊維束を含む入力尖端から成り、前記入力尖端を構成する前記繊維束は、低融点の樹脂を含む繊維と、導電性繊維とを含み、互いに融着させたものであ、入力尖端の先端部は、前記軸体の中心軸と交差する平面を含み、前記平面と中心軸との角度が45°〜90°であると共に、前記入力尖端の先端を2mm以内で解きほぐしたことを特徴とする入力用タッチペン。
  2. 前記導電性繊維は、導電性の炭素材を被覆したことを特徴とする請求項1に記載の入力用タッチペン。
  3. 前記入力尖端は外皮部が設けられ、前記外皮部は導電性材料を含む繊維と低融点の樹脂を含む繊維を混合した繊維束であることを特徴とする請求項1に記載の入力用タッチペン。
  4. 前記平面の面積は、10mm〜80mmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の入力用タッチペン。


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