JP6083229B2 - バイオマス収容装置およびバイオマス収容方法 - Google Patents

バイオマス収容装置およびバイオマス収容方法 Download PDF

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本発明は、バイオマスを収容するバイオマス収容装置およびバイオマス収容方法に関する。
近年、パーム椰子からパーム油を生産した結果生じる空果房(EFB:Empty Fruit Bunch)等の草本系バイオマスや、木材、おがくず、樹皮等の木質系バイオマスを燃料とする等、バイオマスを有効利用する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。ここで、バイオマスが発生する場所とバイオマスを利用する場所とが離れていることがあるため、バイオマスを貯蔵して運搬する必要がある。
上記草本系バイオマスや木質系バイオマスを大量に貯蔵する際、バイオマスが自然発火するという現象が生じており、当該自然発火を防止する技術の開発が希求されている。このようなバイオマスの自然発火は、バイオマスに付着した微生物によってバイオマスが発酵し、当該発酵の際に生じる発酵熱によって引き起こされる可能性があるとの報告がある(例えば、非特許文献1)。
特開2012−177485号公報
木質ペレット貯蔵時の自然発火性に関する調査:木本政義他、電力中央研究所報告:M08022
しかし、発酵熱のみによってはバイオマスの発火温度に達しないため、発酵熱から自然発火に至るまでの正確なメカニズムは未だ解明されていない。
本発明は、バイオマスの自然発火を防止することが可能なバイオマス収容容器およびバイオマス収容方法の提供を目的とする。
本願発明者らが鋭意検討したところ、バイオマスの水分濃度が所定の濃度範囲内である場合、バイオマスに付着した微生物によって水素(H)が発生し、当該水素が爆発限界に達するとバイオマスが自然発火する可能性があることを見出した。
つまり、草本系バイオマスや木質系バイオマスを収容する収容容器における水素濃度の上昇を抑制することでバイオマスの重要な自然発火要因を排除することが可能である。
そこで、上記課題を解決するために、本発明のバイオマス収容装置は、草本系バイオマスおよび木質系バイオマスのいずれか一方または両方のバイオマスを収容する収容容器と、収容容器に収容されたバイオマスの上面より鉛直下方から、当該バイオマスに付着する微生物の増殖限界温度以上の気体を送風する還元環境形成防止手段と、を備えたことを特徴とする。
また、還元環境形成防止手段は、収容容器に収容されたバイオマスの上面より鉛直下方から酸化性ガスを含む気体を送風するとしてもよい。
また、還元環境形成防止手段は、収容容器に収容されたバイオマスの上面より鉛直下方から不活性ガスを含む気体を送風するとしてもよい。
また、水素濃度を測定する水素センサを収容容器内に配し、水素センサによって収容容器内の水素濃度を測定するとしてもよい。
また、水素センサが測定した水素濃度が予め定められた第1閾値以上となると、還元環境防止手段による気体の送風を開始させ、水素センサが測定した水素濃度が第1閾値よりも低い第2閾値未満となると、還元環境形成防止手段による気体の送風を停止させる制御部をさらに備えるとしてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の他のバイオマス収容装置は、草本系バイオマスおよび木質系バイオマスのいずれか一方または両方のバイオマスを収容する収容容器と、収容容器におけるバイオマスの上面より鉛直下方に配された酸化剤と、を備えたことを特徴とする。また、酸化剤は、次亜塩素酸塩であるとしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の他のバイオマス収容方法は、草本系バイオマスおよび木質系バイオマスのいずれか一方または両方のバイオマスを収容する収容容器を用いたバイオマス収容方法であって、収容容器内の水素濃度を測定し、測定した水素濃度が予め定められた第1閾値以上となると、バイオマスに付着する微生物の増殖限界温度以上の気体を収容容器に収容されたバイオマスの上面より鉛直下方から送風し、測定した水素濃度が第1閾値よりも低い第2閾値未満となると、気体の送風を停止することを特徴とする。

本発明によれば、草本系バイオマスや木質系バイオマスを収容する収容容器における水素濃度の上昇を抑制することでバイオマスの自然発火を防止することが可能となる。
第1の実施形態にかかるバイオマス収容装置の具体的な構成を説明するための図である。 微生物の増殖温度について説明するための図である。 第1の実施形態にかかるバイオマス収容方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態にかかるバイオマス収容装置の具体的な構成を説明するための図である。 第3の実施形態にかかるバイオマス収容装置の具体的な構成を説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本願発明者らは、EFB(空果房)からの水素発生について検討したところ、下記表1に示す結果が得られた。
Figure 0006083229
具体的に説明すると、EFBおよび水(Case1では、添加せず)、ガスを64mLのバイアル瓶に収容して密閉し、予め定められた時間だけ放置した後、ヘッドスペースの水素濃度をガスクロマトグラフィー法で分析した。
その結果、EFBに水を添加せず、ガスとして空気を導入したところ(Case1)、ヘッドスペース中の水素濃度は0.02%未満(検出限界未満)となった。つまり、EFB中に水が含まれない場合、水素がほとんど発生しないことが分かった。
一方、EFBに、EFBの10%の水を添加し、ガスとして空気を導入したところ(Case2)、ヘッドスペース中の水素濃度は3.9%となった。また、EFBに、EFBの100%(EFBと等量)の水を添加し、ガスとして空気を導入したところ(Case3)、ヘッドスペース中の水素濃度は12.2%となった。さらに、EFBに、30mLの水(EFBの15倍量の水)を添加し、ガスとして空気を導入したところ(Case4)、ヘッドスペース中の水素濃度は0.6%となった。
以上の結果から、空気の存在下において、バイオマスの10%〜バイオマスの10倍程度の水が存在すると、バイオマスから爆発限界(約4%)以上の水素が発生することが分かった。
また、Case2と同様の条件で、水素が発生した後、ヘッドスペースを空気で置換すると、水素の発生が抑えられた。さらに、EFBに、30mLの水(EFBの15倍量の水)を添加し、ガスとしてAr(アルゴン)を導入したところ(Case5)、ヘッドスペース中の水素濃度は41.7%となった。
以上の結果から、酸素が存在する(酸化環境下である)とバイオマスからの水素の発生が抑制される、すなわち、酸素が存在しない(還元環境下である)とバイオマスからの水素の発生が促進されることが分かった。
以下の実施形態では、草本系バイオマスや木質系バイオマスを収容する収容容器における水素濃度の上昇を抑制することでバイオマスの自然発火を防止することが可能なバイオマス収容装置およびバイオマス収容方法について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかるバイオマス収容装置100の具体的な構成を説明するための図である。図1に示すようにバイオマス収容装置100は、収容容器110と、還元環境形成防止手段120と、水素(H)センサ130と、制御部140とを含んで構成される。
収容容器110は、上面が開口されてなり、草本系バイオマスおよび木質系バイオマスのいずれか一方または両方を収容する。ここで草本系バイオマスは、例えば、EFB、バガス、藁、籾殻等であり、木質系バイオマスは、木材、おがくず、樹皮等である。以下、このような草本系バイオマスおよび木質系バイオマスのいずれか一方または両方を、単に「バイオマス」と称する。
本実施形態において、収容容器110は100t程度のバイオマスを収容可能である。また、本実施形態において、収容容器110は屋外に設置されており、収容容器110の上方には、収容容器110への雨、雪等の浸入を抑制するための屋根102が設けられている。
また、収容容器110には、複数の孔が形成された多孔板112が、その下方に空隙を有する状態で水平方向に亘って設けられており、多孔板112の上方にバイオマスが収容されるようになっている。
還元環境形成防止手段120は、収容容器110に収容されたバイオマスの上面Uより鉛直下方から、バイオマスに付着する微生物の増殖限界温度以上の気体を送風する。
具体的に説明すると、還元環境形成防止手段120は、ヒータ122、ブロワ124、送出管126を含んで構成される。ヒータ122はガス(例えば、空気)を加熱し、ブロワ124はヒータ122によって加熱されたガスを送出管126に送出する。ここで、ヒータ122は、収容容器110に送出されたときに微生物の増殖限界温度以上に維持されるようにガスを加熱する。
図2は、微生物の増殖温度について説明するための図である。図2に示すように、微生物は、雰囲気温度が上昇するにつれて比増殖速度が増加し、比増殖速度は、増殖最適温度Toptで最大となる。一方、雰囲気温度が増殖最適温度Toptを超えると、比増殖速度は急激に低下し、増殖限界温度Tmaxを超えると比増殖速度が0(ゼロ)になる。ここで、EFBに付着していた微生物である枯草菌(Bacillus subtilis)の増殖限界温度は53℃である(出典:Raktowsky et al.:Model for bacterial culture growth rate throughout the entire biokinetic temperature range. Journal of Bacteriology Vol.154: 1222-1226 (1983))。したがって、ヒータ122は、収容容器110に送出されたときに53℃以上に維持されるようにガスを加熱するとよい。また、増殖限界温度未満であっても、増殖最適温度を上回り、増殖限界温度と実質的に等しいとみなせる温度(例えば、50℃)であれば、ある程度微生物の増殖を抑えることができるため、ヒータ122は、収容容器110に送出されたときに50℃以上に維持されるようにガスを加熱するとしてもよい。
図1に戻って説明すると、送出管126の送出口126aは、収容容器110の底面付近であって多孔板112の下方に配されるため、ヒータ122によって加熱されたガス(以下、「熱風」と称する)は、多孔板112の孔から鉛直上方に向かって送出される。
そうすると、熱風が収容容器110に収容されたバイオマスに行き渡ることになり、バイオマスに付着した微生物の増殖を抑制することができる。これにより、微生物による酸素消費、還元環境形成、そして水素の発生を抑制することが可能となる。
また、熱風によって収容容器110内を乾燥させる(水分濃度を、例えば、10%未満に低下させる)ことができる。これにより、微生物による水素の発生を抑制することが可能となる。
さらに、熱風によって収容容器110内のガスを置換することができ、収容容器110内から水素を除去することが可能となる。
水素センサ130は、収容容器110内に配され、収容容器110内の水素濃度を測定する。水素センサ130は、既存の水素センサを採用することができ、例えば、接触燃焼式、気体熱伝導式、熱線型半導体式の水素センサを利用することができる。
制御部140は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働してバイオマス収容装置100全体を管理および制御する。本実施形態において制御部140は、水素センサ130が測定した水素濃度が予め定められた第1閾値(例えば、1%)以上となると、還元環境形成防止手段120による熱風の送風を開始させる。すなわち、ヒータ122およびブロワ124の駆動を開始する。一方、水素センサ130が測定した水素濃度が第1閾値よりも低い第2閾値(例えば、0.5%)未満となると、制御部140は、還元環境形成防止手段120による熱風の送風を停止させる。すなわち、ヒータ122およびブロワ124の駆動を停止する。ここでは、第1閾値と第2閾値でヒステリシス特性を形成し、ヒータ122およびブロワ124が駆動および停止を繰り返すのを防止している。
ここで、第1閾値および第2閾値は、水素センサ130が配される箇所より水素濃度が高い箇所があることを加味して決定するとよい。
水素センサ130が測定した水素濃度に基づいて、制御部140がヒータ122、ブロワ124をオンオフすることにより、水素濃度が自然発火する濃度に近づいたときに確実にヒータ122、ブロワ124を駆動して、自然発火を未然に防止することが可能となる。また、収容の初期であって水素濃度が低いときや、還元環境形成防止手段120による熱風の送風直後であって、収容容器110から水素が除去され水素濃度の抑制が不要になったときに、ヒータ122、ブロワ124をオフすることができるので、消費電力を削減することが可能となる。
(バイオマス収容方法)
続いて、上記バイオマス収容装置100を用いたバイオマス収容方法について説明する。図3は、第1の実施形態にかかるバイオマス収容方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図3に示すように、制御部140は、ヒータ122およびブロワ124が駆動中であるか否かを判定する(ステップS110)。そして、駆動中であれば(ステップS110におけるYES)、制御部140は、水素センサ130が測定した収容容器110内の水素濃度が、上記第2閾値未満であるか否かを判定する(ステップS112)。そして、第2閾値未満であると判定した場合(ステップS112におけるYES)、制御部140は、ヒータ122およびブロワ124の駆動を停止する(ステップS114)。また、第2閾値以上であると判定した場合(ステップS112におけるNO)は、ヒータ122およびブロワ124の駆動を維持したまま、上記ステップS110へ処理を戻す。
一方、ヒータ122およびブロワ124が駆動中でない場合、すなわち、ヒータ122およびブロワ124が停止中である場合(ステップS110におけるNO)、制御部140は、水素センサ130が測定した収容容器110内の水素濃度が、上記第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS116)。そして、第1閾値以上であると判定した場合(ステップS116におけるYES)、制御部140は、ヒータ122およびブロワ124の駆動を開始する(ステップS118)。また、第1閾値未満であると判定した場合(ステップS116におけるNO)は、ヒータ122およびブロワ124の停止を維持したまま、上記ステップS110へ処理を戻す。
以上説明したように、本実施形態にかかるバイオマス収容方法によれば、消費電力を削減しつつ、バイオマスの自然発火を防止することが可能となる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、収容容器110に熱風を送出することにより、微生物の増殖を抑制して、水素の発生を防止する構成について説明した。しかし、送出するガス種を工夫することで、室温(例えば、25℃)程度のガスであっても、バイオマスの自然発火を防止することができる。本実施形態では、室温程度のガスを送出して、バイオマスの自然発火を防止可能なバイオマス収容装置について説明する。
図4は、第2の実施形態にかかるバイオマス収容装置200の具体的な構成を説明するための図である。図4に示すようにバイオマス収容装置200は、収容容器110と、還元環境形成防止手段220と、水素(H)センサ130と、制御部240とを含んで構成される。第1の実施形態の構成要素として既に述べた、収容容器110、水素センサ130は、実質的に機能が等しいので重複説明を省略し、ここでは、構成が異なる、還元環境形成防止手段220および制御部240を主に説明する。
還元環境形成防止手段220は、収容容器110に収容されたバイオマスの上面Uより鉛直下方から、酸化性ガスを含む気体、または、不活性ガスを含む気体を送風する。具体的に説明すると、還元環境形成防止手段220は、ブロワ124、送出管126を含んで構成される。また、ここで、酸化性ガスは、例えば、空気や酸素であり、不活性ガスは、窒素や二酸化炭素である。
ブロワ124が酸化性ガスを送風すると、酸化性ガスが収容容器110に収容されたバイオマスに行き渡ることになり、バイオマス(微生物)の雰囲気を酸化環境とすることができる。すなわち、バイオマスの雰囲気が還元環境になってしまう事態を回避することができる。上述したように、バイオマスが還元環境に曝されると、バイオマスに付着した微生物によって水素が発生する(表1参照)。したがって、バイオマスの雰囲気を酸化環境とすることで、微生物による水素の発生を抑制することが可能となる。
また、供給する酸化性ガスの湿度が低ければ、それによって収容容器110内を乾燥させることができる。これにより、微生物による水素の発生を抑制することが可能となる。
さらに、酸化性ガスによって収容容器110内のガスを置換することができ、収容容器110内から水素を除去することが可能となる。
一方、ブロワ124が不活性ガスを送風すると、不活性ガスによって収容容器110内のガスを置換することができ、収容容器110内から水素を除去することが可能となる。
また、供給する不活性ガスの湿度が低ければ、それによって収容容器110内を乾燥させることができる。これにより、微生物による水素の発生を抑制することが可能となる。
制御部240は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働してバイオマス収容装置200全体を管理および制御する。本実施形態において制御部240は、水素センサ130が測定した水素濃度が予め定められた第1閾値以上となると、還元環境形成防止手段220による酸化性ガスまたは不活性ガスの送風を開始させる。すなわち、ブロワ124の駆動を開始する。一方、水素センサ130が測定した水素濃度が第1閾値よりも低い第2閾値未満となると、制御部240は、還元環境形成防止手段220による酸化性ガスまたは不活性ガスの送風を停止させる。すなわち、ブロワ124の駆動を停止する。
水素センサ130が測定した水素濃度に基づいて、制御部240がブロワ124をオンオフすることにより、水素濃度が自然発火する濃度に近づいたときに確実にブロワ124を駆動して、自然発火を未然に防止することが可能となる。また、収容の初期であって水素濃度が低いときや、還元環境形成防止手段220による酸化性ガスまたは不活性ガスの送風直後であって、収容容器110から水素が除去されたときに、ブロワ124をオフすることができるので、消費電力を削減することが可能となる。
(第3の実施形態)
上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、ブロワ124を駆動して収容容器110にガスを送出することによって、収容容器110内の水素濃度を低減する構成について説明した。本実施形態では、収容容器内に設置する物質を工夫することで、電力を消費せずとも収容容器内の水素濃度を低減することが可能なバイオマス収容装置について説明する。
図5は、第3の実施形態にかかるバイオマス収容装置300の具体的な構成を説明するための図である。図5に示すようにバイオマス収容装置300は、収容容器310と、還元環境形成防止手段320と、を含んで構成される。
収容容器310は、上面が開口されてなり、バイオマスを収容する。本実施形態において、収容容器310は100t程度のバイオマスを収容可能である。また、本実施形態において、収容容器310は屋外に設置されており、収容容器310の上方には、収容容器310への雨、雪等の浸入を抑制するための屋根102が設けられている。
還元環境形成防止手段320は、収容容器310におけるバイオマスの上面Uより鉛直下方に配された酸化剤である。本実施形態では、還元環境形成防止手段320としての酸化剤は、収容容器310の底面に配される。
酸化剤は、例えば、次亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO))、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、次亜塩素酸カリウム(KClO)といった次亜塩素酸塩である。ここでは、酸化剤として次亜塩素酸カルシウムを例に挙げて説明する。
収容容器310に次亜塩素酸カルシウムを配した場合、バイオマスに付着した微生物による有機物の水素と有機酸への分解反応によって水素イオンが増加すると、下記反応式(1)に示す反応が進行する。
Ca(ClO) + 4H → Ca2+ + Cl + 2H
…反応式(1)
つまり、収容容器310に次亜塩素酸カルシウムを配すると、反応式(1)に示すように、Clガスを発生し、酸化還元電位を上昇させることができる。換言すれば、バイオマス(微生物)の雰囲気を酸化環境とすることができる。上述したように、バイオマスが還元環境に曝されると、バイオマスに付着した微生物によって水素が発生する(表1参照)。したがって、バイオマスの雰囲気を酸化環境とすることで、微生物による水素の発生を抑制することが可能となる。
また、収容容器310に次亜塩素酸カルシウムを配すると、反応式(1)に示すように、塩素(Cl)ガスが発生する。塩素ガスは、殺菌効果を有するため、収容容器310に次亜塩素酸カルシウムを配することで、水素の発生原因となる微生物を殺菌することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態にかかるバイオマス収容装置300によれば、電力を要さずとも、収容容器310内の水素濃度を低減することができ、バイオマスの自然発火を防止することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記第1の実施形態において、還元環境形成防止手段120が送出する熱風は、空気である場合について説明したが、空気に限らず、酸素等の酸化性ガス、窒素や二酸化炭素といった不活性ガスでもよい。
また、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、バイオマス収容装置100、200が、制御部140、240を備え、制御部140、240は、水素センサ130が測定した水素濃度に基づいて、ヒータ122、ブロワ124をオンオフする構成について説明した。しかし、制御部140、240は、必須の構成ではない。例えば、水素センサ130が測定した水素濃度が、第1閾値以上であること、および、第2閾値未満であることを報知する報知部(例えば、表示装置等)を備えておき、報知部が第1閾値以上であることを報知した場合、ユーザがヒータ122、ブロワ124の駆動を開始したり、報知部が第2閾値未満であることを報知した場合、ユーザがヒータ122、ブロワ124の駆動を停止したりするとしてもよい。
また、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、バイオマス収容装置100、200が、1の水素センサ130を備える構成について説明したが、水素センサ130の数に限定はない。例えば、収容容器110に複数の水素センサ130を配する場合、制御部140、240は、複数の水素センサ130が測定した水素濃度のうち、最も高い水素濃度に基づいて、ヒータ122、ブロワ124をオンオフしてもよいし、複数の水素センサ130が測定した水素濃度の平均値に基づいて、ヒータ122、ブロワ124をオンオフしてもよい。
また、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、収容容器110、310に収容されたバイオマスの上面Uより鉛直下方から熱風やガスを送風する構成について説明したが、バイオマスにガスが接触すれば送風方向に限定はない。
なお、本明細書のバイオマス収容方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的に処理してもよい。
本発明は、バイオマスを収容するバイオマス収容装置およびバイオマス収容方法に利用することができる。
100、200、300 …バイオマス収容装置
110、310 …収容容器
120、220、320 …還元環境形成防止手段
122 …ヒータ
124 …ブロワ
126 …送出管
130 …水素センサ
140、240 …制御部

Claims (8)

  1. 草本系バイオマスおよび木質系バイオマスのいずれか一方または両方のバイオマスを収容する収容容器と、
    前記収容容器に収容された前記バイオマスの上面より鉛直下方から、当該バイオマスに付着する微生物の増殖限界温度以上の気体を送風する還元環境形成防止手段と、
    を備えたことを特徴とするバイオマス収容装置。
  2. 前記還元環境形成防止手段は、前記収容容器に収容された前記バイオマスの上面より鉛直下方から酸化性ガスを含む気体を送風することを特徴とする請求項に記載のバイオマス収容装置。
  3. 前記還元環境形成防止手段は、前記収容容器に収容された前記バイオマスの上面より鉛直下方から不活性ガスを含む気体を送風することを特徴とする請求項に記載のバイオマス収容装置。
  4. 水素濃度を測定する水素センサを前記収容容器内に配し、該水素センサによって該収容容器内の水素濃度を測定することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のバイオマス収容装置。
  5. 前記水素センサが測定した水素濃度が予め定められた第1閾値以上となると、前記還元環境防止手段による気体の送風を開始させ、前記水素センサが測定した水素濃度が前記第1閾値よりも低い第2閾値未満となると、前記還元環境形成防止手段による気体の送風を停止させる制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項に記載のバイオマス収容装置。
  6. 草本系バイオマスおよび木質系バイオマスのいずれか一方または両方のバイオマスを収容する収容容器と、
    記収容容器における前記バイオマスの上面より鉛直下方に配された酸化剤と、
    を備えたことを特徴とするバイオマス収容装置。
  7. 前記酸化剤は、次亜塩素酸塩であることを特徴とする請求項に記載のバイオマス収容装置。
  8. 草本系バイオマスおよび木質系バイオマスのいずれか一方または両方のバイオマスを収容する収容容器を用いたバイオマス収容方法であって、
    前記収容容器内の水素濃度を測定し、
    測定した前記水素濃度が予め定められた第1閾値以上となると、前記バイオマスに付着する微生物の増殖限界温度以上の気体を前記収容容器に収容された前記バイオマスの上面より鉛直下方から送風し、
    前記測定した水素濃度が前記第1閾値よりも低い第2閾値未満となると、前記気体の送風を停止することを特徴とするバイオマス収容方法。
JP2012274886A 2012-12-17 2012-12-17 バイオマス収容装置およびバイオマス収容方法 Active JP6083229B2 (ja)

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