JP6083076B2 - モーションメモリ型細径手術ロボットシステム - Google Patents

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Description

本発明は、モーションメモリ型細径手術ロボットシステムに係り、より詳しくは、生体傷病者が有する自然開孔部から体腔内を観察する内視鏡あるいは手術操作により切除された臓器を体外に搬出するNatural Orifice Transluminal Endoscopic Surgery (NOTES)を利用し、体腔内病変臓器の手術部位での手術処置を容易に行う操作性と安全性に優れるモーションメモリ型細径手術ロボットを有し、また、モーションメモリ型細径手術ロボットを腹壁に単一の切開孔を設定して施行される単孔式腹腔鏡下手術用腹腔孔における複数の手術機器のぶつかり合いによる危険性の回避用補助機器として利用し、人体の切開を必要とせずに、手術侵襲を少なくするモーションメモリ型細径手術ロボットシステムに関する。
機能不全に陥った臓器を再生させるための各種幹細胞を使用しての再生医療が注目され臨床使用が模索されている。また、全身療法に代わる局所免疫療法による抗悪性腫瘍療法の臨床導入が模索されている。前記両治療とも胸壁・腹壁といった体腔壁に切開・穿孔を生じて目的臓器への手術機器投入をすることなく施行され得ることが望ましい。この要求に答えるべく数mmの直径を有する細径機器を効率的に手術対象部位に投入される必要がある。
一方、従来の内視鏡(胃腸)あるいは腹腔鏡(腹部)の小型化及び精度向上と医療技術の向上に伴い健康診断等の病巣の早期発見により、病巣が小さいうちに処置できる鏡視下手術のニーズが高まっている。鏡視下手術においては、従来の切開外科手術に比べて傷が小さく人体への負担も少ない低侵襲化が展開しつつある。しかし、これらの手術に使用される細径鉗子には、それ自体に細径が故に穿刺性・挫滅性などの障害性が存在し、その対策が必要とされているのが現状である。
従来の胸部外科や腹部外科をはじめとする外科治療では、長径略20mm以上の開腹創を伴う侵襲的外科治療に代わり、直径略10mm×長さ略300mmのデバイスを腹壁に刺入し外科手術が施されてきた。ここ数年、長径略20mmの開腹創から通常4本以上の複数本の各種鉗子や腹腔鏡を挿入し手術を施行するReduced Port Surgery(RPS)が開発され実施されている。
このように、内視鏡下手術は、患者にとって大変優しい手術であるが、外科医にとっては各機器の長さが必要であり、手元の微妙な操作が先端に大きな影響を及ぼす上でも非常に難しく厳しい手術である。内視鏡画像による限られた視野と限られた術野で鉗子などを利用し、小さな腹腔孔を介して体外から患部へアプローチし、鉗子の先端部を開閉できるグリッパなどを手動で思い通りに幾つもの操作をすることは非常に困難である。このため,外科医には高い熟練性や高度な技術が求められる。さらに、細径鉗子になると、臓器に対するアプローチ角度によって臓器を把持・牽引する予定が、臓器を穿刺・挫滅する結果となってしまうなど危険性が大きい。
また、脳神経外科領域、耳鼻咽喉科領域での鏡視下手術が行われているが、細径機器穿刺性及び挫滅性に加えて、狭い術野における先端の操作性の悪さが非常に問題になっている。
胸部外科領域では肺切除とそれに伴う縦隔リンパ節郭清などの操作や、食道癌における胸膜切開、縦隔リンパ節郭清などの繊細な操作が要求される。そして,胆嚢摘出手術の約8割程度は、既に内視鏡下で行われているが、胃癌、大腸癌などの管腔臓器悪性腫瘍や膵臓癌、肝臓癌、脾腫などの実質臓器に対する高度な手術の内視鏡下手術の適用はまだまだ少ない。今後、さらに高度な手術への適用を可能とするためには、体腔内で意のままに自在に動かすことができる外科医の手となる「ロボットハンド」の実現が必須である。
しかし、従来の把握、牽引、回転など全機能を達成する医療用ロボットでは高額であるが故に広く世界の臨床に採用することが難しいという現実と、外科医自身がコントロールする機能と、ロボット技術により安全性及び操作性を両立する必要性が新たな医療用ロボット技術として必要とされているのである。
このような背景の中で、従来の鏡視下手術用機器にロボット技術を取り入れた医療用マニピュレータが幾つか提案されている。(例えば特許文献1〜3参照)
特許文献1に記載のマニピュレータ装置は、アーム部の先端側に設けられ、処置具をピッチ軸回り及びヨー軸回りに回動自在に支持する作業部と、アーム部の基端側に設けられた操作部と、アーム部内に設けられ、操作部における操作力を作業部に伝達する駆動力伝達部とを具備し、操作部は、その軸方向がアーム部の中心軸に軸方向に交差するように配置されるとともに、アーム部の基端側に取り付けられたブラケットに対し操作桿軸回りに回転自在に支持された操作桿と、操作桿に設けられ、処置具の処置動作、ピッチ軸廻り及びヨー軸回りの回動動作を行わせるための操作デバイスを備えている。
特許文献2に記載の手術用マニピュレータは、その先端側でピッチ方向に回転可能な支持体と、ヨー方向にそれぞれ独立して回転可能となるように支持体に支持された第1及び第2の先端プーリと、これらのプーリにそれぞれ一体化された第1及び第2のブレードと、第1のプーリに固定された第1及び第2のワイヤと、第2のプーリに固定された第3及び第4のワイヤと、第1〜第4のワイヤを押し引きする第1〜第4のモータとを備え、第1及び第2のワイヤは、引張力が作用したときに、相反する方向に第1の先端プーリを回転させ、第3及び第4のワイヤは、引張力が作用したときに、相反する方向に第1の先端プーリを回転させる。
特許文献3に記載の医療用マニピュレータは、中空の連結シャフトと、連結シャフト内に挿通されるワイヤ及びロッドと、連結シャフトの一端側に設けられ、ワイヤ及びロッドを軸線方向に進退駆動するプーリ及びトリガレバーと、連結シャフトの他端側に設けられ、ワイヤ及びロッドの進退駆動によって動作される先端動作部と、ワイヤ及びロッドがそれぞれ摺動可能に挿通される複数の孔部が形成され、連結シャフトの内面に対して密着配置されることにより、該連結シャフト内を先端動作部側とプーリ側とに仕切る気密シールとを備え、スリットが形成された孔部の摺動部と、スリットが形成されていない孔部の摺動部は、ワイヤ及びロッドの摺動方向での位置がずれている。
特開2007−130485号公報 特開2010−220786号公報 特開2011−45499号公報
しかし、特許文献1〜3に記載等の従来の医療用マニピュレータは、マニピュレータ機構に特化された複雑で高価なシステム構成であって、外科医に必要な微妙で繊細な人感的、人間工学的面にも欠ける面がある。
あるいは、従来の鉗子等の手動操作を自動化した単発的な限定された機能及び操作となっており、外科医としての高い熟練性や高度な技術を要し、まだ外科的処置の普遍的な高い安全性及び信頼性を向上させる余地がある。
さらに、このような自動化されたマニピュレータは、故障の頻度が高い可能性が充分あり、緊急性の高い手術の際の故障時に急遽別の手動式手術具に取り替えて手術を続行する時間が間に合わないケースが考えられるという致命的な問題点がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、普遍的な高い安全性及び信頼性を有し、緊急性の高い手術の際の故障時にも対応可能な設計の自由度を備え、低浸襲性を極限まで実現させた比較的安価な外科治療用ニードル型オートマチックデバイス(以下、モーションメモリ型細径手術ロボットという)を有するモーションメモリ型細径手術ロボットシステムを提供することにある。
上記目的を達成するためになされた本発明のモーションメモリ型細径手術ロボットシステムは、
主軸(X軸)、近位端(以下、後端という)及び遠位端(以下、先端という)を有し、
X軸上に多重管状にそれぞれ遊嵌された複数の細い管状機能部材あるいは前記管状機能部材内又は隣接管状部材間に挿通された1本又は複数本の線状機能部材からなり安定的な支持剛性及び強度を有し、手術状況に応じて適宜な長さに設定され生体の皮膚外面から体腔内部に挿入可能に構成されたニードル構造と、
前記ニードル構造の各管状機能部材あるいは線状機能部材の先端部にそれぞれ着脱可能に機能的連結されてニードル構造の全体回転、手術先端器具の先端部開閉、先端部回転、先端部屈曲を含む複数の動作機能を選択的に有し、体腔内に挿入される手術先端器具と、
前記ニードル構造の後端部が挿通され支持されるとともに前記ニードル構造の各管状機能部材あるいは線状機能部材の後端部とそれぞれ連携して前記手術先端器具の動作機能を作動させる複数の動力伝達手段を有する動力伝達機構
及び前記動力伝達機構を覆う着脱自在なカバー蓋を有する手術先端器具操作部と、を備えた手動式外科治療用ニードル型デバイスと、
前記動力伝達手段に係脱可能に構成され、前記動力伝達手段を駆動する複数の動力手段を有する動力機構ユニットと、
前記動力機構ユニットに着脱可能に構成され、前記複数の動力手段に動力電源を供給するバッテリー電源装置及び前記複数の動力手段を自動操作する操作制御装置からなる電源操作ユニットと、を備え、
前記手動式外科治療用ニードル型デバイスのカバー蓋が取外された面上に着脱可能に装着されるアタッチメント型駆動操作ユニットと、を具備し、
予め外科医が設定した安全な手術プロセスに従って前記複数の動作機能を連続的に実行する手段を備え、
前記予め外科医が設定した安全な手術プロセスは、
事前準備手段、
セーフティーモーションスイッチの設定と作動設定値の操作制御装置へのメモリ手段、
ーブモーションスイッチの設定と作動設定値の操作制御装置へのメモリ手段、
セーフティーモーションスイッチ設定動作確認手段、
セーブモーションスイッチ設定動作による手術処置手段、
を含み、
操作制御装置は、各動作機能の動力伝達機構及び動力機構ユニットの各駆動トルクを監視し、事前に設定された安全トルクレンジを超えた場合はセーフティーモーションスイッチまたはセーブモーションスイッチの指令系統を遮断する手段を有し、
前記各動作機能を個別的に行う手段として、
先端手術器具の先端部回転D2操作手段、
先端手術器具の先端部屈曲D3操作手段、
先端手術器具の先端部開閉D3操作手段、
ニードル構造の全体回転D4操作手段、
ニードル構造の湾曲D5操作手段、
を含み、
操作制御装置は、各動作機能の動力伝達機構及び動力機構ユニットの各駆動トルクを監視し、事前に設定された安全トルクレンジを超えた場合は各動作スイッチSW4〜8の指令系統を遮断する手段を有することを特徴とする。
また、前記モーションメモリ型細径手術ロボットは、前記ニードル構造の先端部側に任意長さに亘り形成され、任意の湾曲姿勢に湾曲する湾曲部と、前記動力伝達機構ユニットと動力機構ユニットとの間に配置され、前記湾曲部の最外管状機能部材内に所定間隔で順次各先端部が固着された前記複数の線状機能部材の後端部を連結してそれぞれX軸方向に選択的に牽引することにより前記湾曲部を任意の湾曲姿勢に湾曲させる湾曲駆動機構と、をさらに具備することを特徴とする。
また、前記モーションメモリ型細径手術ロボットは、前記手術先端器具における、把持機能を含む開閉機能、X軸に直交するY軸回り又は及びX−Y平面に直交するZ軸回りに任意角度屈曲する屈曲機能、あるいはX軸回りに360度回転する先端回転機能と、前記ニードル構造のX軸回りに360度回転する全体回転機能あるいは前記ニードル構造の先端部が任意の湾曲姿勢に湾曲する湾曲機能と、の幾つか又は全部の機能を選択的に有し、前記電源操作ユニットには、予め外科医が設定した安全な手術プロセスに従って前記複数の動作機能を連続的に作動させる一つの自動操作スイッチを具備することを特徴とする。
また、前記モーションメモリ型細径手術ロボットは、前記各動作機能を作動させる前記各駆動機構には、外科医が手術中に人肌で直感的に感知する安全な力を伝達するように任意に設定される安全駆動トルクレンジを超える駆動トルクが発生した場合に過負荷トルクを防止過負荷防止手段を備え、前記電源操作ユニットには、前記各動作機能を作動させる動作指令制御系統に前記駆動トルクと前記安全駆動トルクレンジとの大きさを比較判別して前記動作指令を遮断するフィードバックインターロックシステムを備えることを特徴とする。
また、前記ニードル構造は、いずれも高剛性及び高弾力性を有する医療適合性材料あるいは選択的に形状記憶材料からなり、外径略3mm〜10mm以下に形成されることを特徴とする。
また、前記ニードル構造は、前記複数の動作機能に必要なX軸方向のスライド又は牽引、回転、通電、マイクロ波又は超音波放射線伝送を含む各種機能を選択的に有することを特徴とする。
本発明によれば、適宜な外径及び長さに設定自在な細径のニードル構造の先端部に手術先端器具が挿脱可能に取付けられ開閉、回転、屈曲を含む複数の動作機能を選択的に有し、生体の切開をせずにニードル構造及び手術先端器具を体腔内病変臓器の近傍まで挿入して外科手術処置を実行する手動式外科治療用ニードル型デバイスに、このデバイスの動力伝達手段に係合して動力伝達手段を駆動する動力機構ユニット、バッテリー電源装置及びこれらを自動操作する操作制御装置からなる電源操作ユニットを備えたアタッチメント型駆動操作ユニットを着脱可能に装着し、予め外科医が設定した安全な手術プロセスに従って複数の動作機能を連続的に実行するモーションメモリ型細径手術ロボットを有することから、普遍的な高い安全性及び信頼性を有し、緊急性の高い手術の際の故障時にもその場で手動式外科治療用ニードル型デバイスを手動で操作することも可能な設計の自由度を備え、低浸襲性を極限まで実現させた比較的安価なモーションメモリ型細径手術ロボットシステムを提供できる効果がある。特に腹腔孔として、神経解剖学的に最も痛みが少ない臍部に設ける直径略10mmの単孔式腹腔鏡下手術用腹腔孔を利用できるため、一層低浸襲性を実現させる。
また、前記手動式外科治療用ニードル型デバイスに相当する動力伝達手段を有する動力伝達機構ユニット、動力伝達手段を駆動する複数の動力手段を有する動力機構ユニット、ならびに動力機構ユニットに動力電源を供給するバッテリー電源装置及び前記複数の動力手段を自動操作する操作制御装置からなる電源操作ユニットを各ユニットが着脱可能に一体的に組合せてモーションメモリ型細径手術ロボットとすることができるので、手動操作部が省略化され軽量性及び操作性を向上させるとともに、緊急性の高い手術の際の故障時にもその場で故障したユニットをスペアのものと取替えて対応することができる効果がある。
また、前記モーションメモリ型細径手術ロボットは、湾曲駆動機構を備え、ニードル構造の先端部側に任意長さに亘り形成された湾曲部を任意の湾曲姿勢に湾曲させて例えば生体臓器を持上げる等の自動操作を行うことで、体腔内での外科手術処置の自由度が増し操作性を向上させるとともに細径機器に対する接触面積を増やすことにより生体臓器の穿刺及び挫滅を防止する安全性を確保できる効果がある。
また、前記モーションメモリ型細径手術ロボットは、手術先端器具における把持機能を含む開閉機能、任意角度屈曲する屈曲機能、先端回転機能と、ニードル構造のX軸回りに360度回転する全体回転機能あるいは前記ニードル構造の先端部が任意の湾曲姿勢に湾曲する湾曲機能と、の幾つか又は全部の機能を選択的に有し、電源操作ユニットに設けられた一つの自動操作スイッチにより、予め外科医が設定した安全な手術プロセスに従ってこれら複数の動作機能を連続的に作動させることから、体腔内での外科手術処置の自由度が増し操作性を向上させるとともに周辺装置含むシステム構成をシンプル化し、操作する外科医自身が内視鏡画像や他の機器を操作することで外科医の意図する思い通りの操作がかのうとなり、さらに、助手を含む少人数による手術あるいは外科医1人によるソロサージェリが可能となる等々の効果がある。
また、モーションメモリ型細径手術ロボットは、各動作機能を作動させる各駆動機構には、外科医が手術中に人肌で直感的に感知する安全な力を伝達するように任意に設定される安全駆動トルクレンジを超える駆動トルクが発生した場合に過負荷トルクを防止過負荷防止手段を備え、電源操作ユニットには、各動作機能を作動させる動作指令制御系統に前記駆動トルクと安全駆動トルクレンジとの大きさを比較判別して前記動作指令を遮断するフィードバックインターロックシステムを備えることから、手術における生体臓器の穿刺及び挫滅を防止する等一層の安全性及び信頼性が確保される効果がある。
また、主軸ニードルは、いずれも高剛性及び高弾力性を有する医療適合性材料あるいは選択的に形状記憶材料からなり、外径略3mm〜10mm以下に形成されることから、先端部に手術先端器具を保持するニードル構造の永久的変形を防止する安定的な支持剛性及び強度を確保するとともに、主軸ニードルを介しての手術先端器具の作動の信頼性を向上させる効果がある。
また、本発明に係るモーションメモリ型細径手術ロボットは、ニードル構造が手術先端器具の動作に必要なX軸方向のスライド又は牽引、回転、通電、マイクロ波又は超音波放射線伝送等々の各種機能を選択的に有することから、患者の状況に応じて各種の手術先端器具を選択的に適用でき、設計の自由度を一層向上させる効果がある。
本発明に係る一実施形態のモーションメモリ型細径手術ロボットシステムを概念的に説明するための概念図で、モーションメモリ型細径手術ロボットが体腔内の病変臓器の近傍まで挿入された状態を示す。 図1のモーションメモリ型細径手術ロボットの構成を概念的に示す全体組立要部縦断面図で、手動式外科治療用ニードル型デバイスからアタッチメント型駆動ユニットが分離された状態を示す。 図2の手動式外科治療用ニードル型デバイスにアタッチメント型駆動ユニットが組付けられた状態の全体組立要部縦断面図である。 図2の手動式外科治療用ニードル型デバイスから分離されたアタッチメント型駆動ユニットがさらに駆動機構と電源操作ユニットが分離された3分割状態を示す要部縦断面図である。 図4のW部(ニードル構造湾曲駆動機構)の拡大要部縦断面図である。 図1のモーションメモリ型細径手術ロボットの手術時自動操作設定手順を示すセーブモーションスイッチ及びセーフティーモーションスイッチ設定フロー図である。 図6に引続き、(a)は手術時に先端手術器具を安全な設定位置へ自動的に動かすセーフティーモーションスイッチ操作フロー図、(b)は先端手術器具を任意の設定位置に自動的に動かすセーブモーションスイッチ操作フロー図である。 (a)は先端手術器具の先端部回転操作フロー図、(b)は先端手術器具の先端部屈曲操作フロー図、(c)は先端手術器具の先端部開閉操作フロー図である。 (a)はニードル構造の全体回転操作フロー図、(b)はニードル構造の先端部側湾曲操作フロー図である。 本発明に係る別の実施形態のモーションメモリ型細径手術ロボットの構成を概念的に示す全体組立鳥瞰図である。 図10のモーションメモリ型細径手術ロボットの側面図である。 図11のモーションメモリ型細径手術ロボットの要部(動力伝達機構及び駆動機構)構成を概念的に示す要部縦断面図である。 図12のモーションメモリ型細径手術ロボットが動力伝達機構と駆動機構と電源操作ユニットとに分離された3分割状態を示す要部縦断面図である。 本発明に係るまた別の実施形態のモーションメモリ型細径手術ロボットの構成を概念的に示す全体組立鳥瞰図である。 本発明に係るまた別の実施形態のモーションメモリ型細径手術ロボットの先端手術器具の機能構成を概念的に示す要部鳥瞰図である。
本発明のモーションメモリ型細径手術ロボットシステム1は、人体Mの切開を必要とせずに、手術侵襲を少なくするモーションメモリ型細径手術ロボットシステムであって、生体傷病者が有する自然開孔部から体腔内を観察する内視鏡あるいは手術操作により切除された臓器を体外に搬出するNatural Orifice Transluminal Endoscopic Surgery (NOTES)を利用し、体腔内病変臓器Tの手術部位での手術処置を容易に行う操作性と安全性に優れるモーションメモリ型細径手術ロボット10を有し、また、モーションメモリ型細径手術ロボット10を腹壁に単一の切開孔を設定して施行される単孔式腹腔鏡下手術用腹腔孔Maにおける複数の手術機器のぶつかり合いによる危険性の回避用補助機器として利用される。
以下、本発明のモーションメモリ型細径手術ロボットシステムを実施するための形態の具体例を、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る一実施形態(実施例1)のモーションメモリ型細径手術ロボットシステム1は、図1〜4に示すように、主軸(X軸)、近位端(後端)及び遠位端(先端)を有し、X軸上に多重管状にそれぞれ遊嵌された複数の細い管状機能部材41〜44あるいはこれらの管状機能部材内又は隣接管状部材間に挿通された1本又は複数本の線状機能部材45等からなり安定的な支持剛性及び強度を有し、手術状況に応じて適宜な長さに設定され生体例えば人体Mの直径略10mmの単孔式腹腔鏡下手術用腹腔孔Mb又は肛門を含む自然開口部(図示しない)などを介して体腔内部に挿入可能に構成されたニードル構造40と、ニードル構造40の各管状機能部材41〜44あるいは線状機能部材45等の先端部にそれぞれ着脱可能に機能的連結されてニードル構造40の全体回転D4、手術先端器具50の先端部開閉D1、先端部回転D2、先端部屈曲D3等の複数の動作機能を選択的に有し、体腔内に挿入される手術先端器具50と、ニードル構造40の後端部が挿通され支持されるとともにニードル構造40の各管状機能部材41〜44あるいは線状機能部材45等の後端部とそれぞれ連携して手術先端器具50の動作機能を作動させる複数の動力伝達手段31〜44b等を有する動力伝達機構30及び動力伝達機構30を覆う着脱自在なカバー蓋39hを有する手術先端器具操作部39と、を備えた手動式外科治療用ニードル型デバイス20と、動力伝達手段31、33、35、37、44aに係脱可能に構成され、これらの動力伝達手段を駆動する複数の動力手段71、73、75、77、79を有する動力機構ユニット70と、動力機構ユニット70に着脱可能に構成され、複数の動力手段71〜79に動力電源を供給するバッテリー電源装置80及び複数の動力手段71〜79を自動操作する操作制御装置90からなる電源操作ユニット100とを備え、手動式外科治療用ニードル型デバイス20のカバー蓋39hが取外されたフランジ39g面上に着脱可能に装着されるアタッチメント型駆動操作ユニットと、を具備し、予め外科医が設定した安全な手術プロセスに従って前記複数の動作機能を連続的に実行するモーションメモリ型細径手術ロボット10を有する。
そして、図示しない腹腔鏡によるモニタリング下で、モーションメモリ型細径手術ロボット10のニードル構造40及び手術先端器具50を例えば単孔式腹腔鏡下手術用腹腔孔Mbを介して病変臓器Tの近傍まで挿入して、予め外科医が別途図示しないPCなどを介して手術状況に応じて任意に設定し電源操作ユニット100の操作制御装置90にメモリされた安全な手術プロセスに従って前記複数の動作機能を連続的に実行し外科手術処置を体腔内で全て行う。
本発明に係るモーションメモリ型細径手術ロボット10を構成する各部材は、耐腐食性、耐薬品性を備えるとともに、加熱滅菌に耐え得る温度耐久性を備える医療適合性材料からなり、特に滅菌を容易にするためそれぞれが分解可能に形成されることが望ましく、ケースバイケースで使い捨てとすることもできる。
ニードル構造40は、状況に応じた適宜な外径及び長さに設定自在で様々な長さに交換可能である。
特に、ニードル構造40は、管状又は及び線状の医療適合性材料から外径略3〜10mm以下に構成され、特に腹腔孔として、神経解剖学的に最も痛みが少ない臍部に設ける直径略10mmの単孔式腹腔鏡下手術用腹腔孔Mbを利用できるため、一層低浸襲性を実現させる。
この実施例においては、ニードル構造40は、複数の細い第1管状機能部材41、第2管状機能部材42、第3管状機能部材43及び第4管状機能部材44が順次外側から多重管状にそれぞれ遊嵌され、第1管状機能部材41の外径略3mmのTi系形状記憶合金材、第2〜第4管状機能部材42〜44はSUS材などのいずれも高剛性及び高弾力性を有する管状体からなる。
また、第1管状機能部材41と第2管状機能部材42との隙間に後述する複数本の線状機能部材45が挿通されており、ニードル構造40の各第1〜第4管状機能部材41〜44の先端部にそれぞれニードル構造40のX軸回りの全体回転(360°)D4、手術先端器具50の先端部開閉D1、先端部回転(360°)D2及びX軸に直交するY軸回りの回転による先端部屈曲(90°)D3の複数の動作機能を行う動力伝達部材(図示しない)と着脱可能に機能的連結されてニードル構造40の全体回転D4、手術先端器具50の先端部開閉D1、先端部回転D2及び先端部屈曲D3の複数の動作機能の作動媒体となるように構成される。このような複数の動作機能を有する各種の手術先端器具50は、公知のものを選択的に利用することができるので、ここでは詳細な説明及び図示を省略する。
また、ニードル構造40は、各種手術先端器具50の動作に必要な主軸方向のスライド又は牽引、回転、通電、マイクロ波又は超音波放射線伝送等々の各種の機能を選択的に持たせることができる。
熱を用いた腫瘍治療の分野に関し、生体組織の加熱又は組織切除が、細胞を死滅させて腫瘍を消滅させるのに利用されることは公知である(例えば特表2009−544347号公報参照)。したがって、ここでは詳細な説明は省略するが、血管を焼灼して止血するために熱を利用することもできる。このような熱は、RF電流、マイクロ波又は超音波放射線を用いて発生させることができる。熱エネルギーは、直接生体組織に適用可能であり、これらの熱エネルギーは、問題のある病変組織にニードル構造40を介して伝送することができる。
手術先端器具50は、生体臓器Tを把持、切断、穿刺、孔明する等々の各種の公知を含む手術先端器具を選択的に取り替えることができる。
この実施例の手術先端器具操作部39は、図2〜4に示すように、下端部に設けられた把持ハンドル39a及び上端部にX軸に沿って前方に延設され、ニードル構造40の後端部が挿通され支持されるとともに後述する動力伝達機構30が収容される上端開放のフランジ39gが設けられた略ボックス形状の支持本体39bからなる固定ハンドル構造39iと、固定ハンドル構造39iの後端部に固定ピン39fによりピボット連結され、ニードル構造40の第4管状機能部材44の後端部に形成された球状体44bと連係して手術先端器具50先端の開閉機能を作動させる可動ハンドル39dと、動力伝達機構30を覆う着脱自在なカバー蓋39hと、を備える。
動力伝達機構30は、まず、支持本体39b内の先端部に挿通されたニードル構造40の第1管状機能部材41、第2管状機能部材42、第3管状機能部材43の各後端部にそれぞれ過負荷空転クラッチ31a、33a、35aを介して小歯車31、33、35が外嵌し固定され、これらの小歯車31、33、35にそれぞれ歯合する中歯車32、34、36が支持本体39b内の図示下面に下半部が下方外部に露出し回転自在に設けられている。
これらの中歯車32、34、36を指などでそれぞれ回転させることにより小歯車31、33、35を介して第1管状機能部材41に連結し支持される手術先端器具50ともニードル構造40の全体回転D4、手術先端器具50の先端部回転をさせる第2管状機能部材42、手術先端器具50の先端部屈曲をさせる第3管状機能部材43をそれぞれ回転させることができる。
また、この実施例においては、ニードル構造40の先端部側に手術状況に応じた適宜長さに亘り形成され、任意の湾曲姿勢に湾曲する湾曲部40a(図1参照)と、動力伝達機構30の小歯車31と33の間の第2管状機能部材42の外周に遊嵌され、湾曲部40aの図示しない第1管状機能部材41内面に所定間隔で順次各先端部が固着され、第1管状機能部材41内面と第2管状機能部材41の外周との隙間に挿通された複数の線状機能部材45の後端部を連結してそれぞれX軸方向に選択的に牽引することにより湾曲部40aを任意の湾曲姿勢に湾曲させる湾曲駆動機構W(図4、5参照)と、をさらに具備する。
湾曲部40aの長さは、ニードル構造40の全長さに対して、例えば、脳外科用では略5%、腹部外科では略20%、胸部外科では略30%オーダーが一般的であるなど、手術状況に応じて適宜長さに設定される。
湾曲部40a及び湾曲駆動機構Wは、いずれも公知の種々の鏡視下手術用機器に用いられる構成を選択的に適用できるので、詳細な説明は省略する。
一例として、この実施例の湾曲駆動機構Wは、図5に概念的に示すように、動力伝達機構30の小歯車31と33の間の第2管状機能部材42の外周に回転方向が拘束された状態(図示しない)でX軸方向にスライド自在に遊嵌され、外周に雄ねじ37fが形成された雄ねじ筒37aと、内面に雌ねじ37eが形成され、雄ねじ筒37aの雄ねじ37fに螺合するとともに外面にギヤ37gが形成された小歯車37と、雄ねじ筒37aの先端部側に取付けられた例えば直交する2軸に回動自在に軸支されるジンバル機構からなるユニバーサル支承手段にピン37hを介して遥動自在に軸支され、湾曲方向コントロールレバー37bを介して湾曲方向をコントロールする湾曲方向コントロールレバー37bと、湾曲方向コントロールレバー37bに後端部が連結され、第1管状機能部材41内面と第2管状機能部材41の外周との隙間に円周方向に等配され挿通された複数の線状機能部材45と、支持本体39b内の下面に下半部が図示下方外部に露出し回転自在に設けられ、小歯車37に歯合する中歯車38と、からなる。
例えば、湾曲方向コントロールレバー37bを前方向に押して傾けると図示上方の線状機能部材45は後方に牽引される一方、下方の線状機能部材45はたるみが生じる。この状態で、中歯車38を指などで回転させ小歯車37を介して雌雄ねじ37e、37fの推進機能により雄ねじ筒37aを後方向に後退させることでニードル構造40の湾曲部40aを上向きの湾曲姿勢に湾曲させることができる。
また、このような機械式湾曲駆動機構に替えて例えば、いずれも図示しないが、複数の線状機能部材45を温度変化により伸縮する、すなわち加熱すると収縮し、加熱を止めて放冷し冷却すると元の長さに戻る形状記憶部材を適用し、複数の線状機能部材45への選択的な通電制御により加熱された線状機能部材45が収縮し牽引されることによりその方向にニードル構造40の湾曲部40aを湾曲させる公知の湾曲駆動機構とすることもできる。
また、手術先端器具50の先端部開閉機構は、種々の公知の先端部開閉機構を選択的に適用することができる。例えば、本発明者等が既に特許出願した先端部開閉機構(特願2012−44596)は、図示しないが、前部駆動シャフトの先端部に設けられたガイドピンが、第一顎部材及び第二顎部材の後端部に延設され、X軸及び相互に交叉する方向にそれぞれ形成された長孔ガイドに共にスライド自在に嵌挿され係合するように構成される。そこで、前部駆動シャフトがX軸方向に前・後進スライドすることにより、ガイドピンが長孔ガイドに沿ってスライドしガイドすることで第一顎部材及び第二顎部材が相互に固定ピン回りを回動され開閉する。すなわち、第一顎部材及び第二顎部材は、前部駆動シャフトが前進スライドするときに開き、後進スライドするときに閉じるようになっている。
この実施例の手術先端器具操作部39の可動ハンドル39dは、ニードル構造40の第4管状機能部材44の後端部に形成された球状体44bと連係されており、この可動ハンドル39dの操作に伴い、第4管状機能部材44を介して手術先端器具50の先端部開閉機構の前部駆動シャフト(図示しない)をX軸方向にスライドさせることができる。手術先端器具操作部39の可動ハンドル39d、固定ハンドル構造39iの形状及び構成等は特に限定されるものではなく、種々公知の内視鏡外科手術用鉗子の操作部及び可動ハンドル、固定ハンドルの構成を適用することができる。
この実施例においては、図2〜4に示すように、第4管状機能部材44の後端部側に後述する鍔部44aが形成され、さらに後端部に可動ハンドル39dの固定ピン39fの上方に離隔してX軸上に形成された凹溝39e内に滑動自在に嵌挿し係合する球状体44bを備え、固定ハンドル構造39iの支持本体39bの後端部にX軸に沿って形成されたガイド孔39c内を第4管状機能部材44の後端部がスライド自在に内挿されている。
そして、可動ハンドル39dを固定ハンドル構造39iの把持ハンドル39a方向(図示実線矢印方向)への閉操作又はこれと反対方向(図示破線矢印方向)の開操作に伴って、第4管状機能部材44を介して手術先端器具50の前部駆動シャフト(図示しない)をX軸方向にそれぞれ後進(後退)又は前進させ、手術先端器具50先端部(第一顎部材及び第二顎部材)をそれぞれ閉又は開駆動する。
この実施例においては、小歯車31、33、35、37及び鍔部44aは、それぞれニードル構造40の全体回転D4、手術先端器具50の先端部開閉D1、先端部回転D2、先端部屈曲D3の各動作機能を作動させる動力伝達手段となる。
この実施例の動力機構ユニット70は、図示下端開放のフランジ70bが設けられた略ボックス型ケース70a内にいずれも収容され、小歯車31、33、35、37にそれぞれ歯合する大歯車72、74、76、79aが過負荷回転クラッチ72a、74a、76a、79bを介して連結されるサーボモータ71、73,75、79と、図示下端部に第4管状機能部材44後端部側の鍔部44aに係合する凹溝76fが形成されたスライダ78dをX軸と平行方向に移動させる駆動ねじ78cに過負荷空転クラッチ78aを介して連結された小歯車78bと、小歯車78bに歯合する大歯車78が過負荷回転クラッチ78aを介して連結されるサーボモータ77と、を有する。
この動力機構ユニット70は、小歯車31、33、35、37に大歯車72、74、76、79aがそれぞれ歯合すとともに第4管状機能部材44後端部側の鍔部44aにスライダ78dの凹溝76fが係合した状態でケース70aのフランジ70bが、手動式外科治療用ニードル型デバイス20の支持本体39bのカバー蓋39hが取外されたフランジ39gに着脱自在に取付けられる。
また、この実施形態の電源操作ユニット100は、動力手段であるサーボモータ71、73,75、77、79に動力電源を供給する複数のバッテリーが取替え可能に収容されるバッテリー電源装置80と、サーボモータ71、73,75、77、79を自動制御操作する例えばいずれも後述するセーブモーションスイッチ91、セーフティーモーションスイッチ92、手術先端器具50先端部開閉スイッチ93、ニードル構造40全体回転スイッチ95、手術先端器具50先端部屈曲スイッチ96など各種操作スイッチ又は及び操作ボタンや図示しない各種作動ランプ類などを備える操作制御装置90と、を有する。
この電源操作ユニット100は、動力機構ユニット70の上面に着脱可能に装着される。両ユニット70、100の上下面それぞれにいずれも図示しない電源、制御、あるいは各種センサ類用の相互に着脱自在の配線コネクタが配設されている。
このように、モーションメモリ型細径手術ロボット10は、図4に示すように、手動式外科治療用ニードル型デバイス20、動力機構ユニット70、電源操作ユニット100の3分割ユニット型に構成されており、手術時に通常は、図3に示すように、一体的に組合された状態で利用されるが、比較的故障の確率が高い動力機構ユニット70及び電源操作ユニット100の組合せであるアタッチメント型駆動操作ユニット、あるいは動力機構ユニット70又は電源操作ユニット100のいずれかを緊急性の高い手術の際の故障時にもその場でスペアのユニットと取替えるか、最悪の場合は、手動式外科治療用ニードル型デバイス20のみを用いて手動で操作を続行することも可能であるため、安全性及び信頼性が充分確保される。
また、モーションメモリ型細径手術ロボット10は、ニードル構造40の全体回転D4及先端部側湾曲D5、手術先端器具50の先端部開閉D1、先端部回転D2及び先端部屈曲D3の各動作機能を作動させる動力機構ユニット70内のサーボモータ71、73,75、79及び大歯車72、74、76、78、79a、あるいは手動式外科治療用ニードル型デバイス20の小歯車31、33、35,78bなどの各駆動機構には、外科医が手術中に人肌で直感的に感知する安全な力を伝達するように任意に設定される安全駆動トルクレンジを超える駆動トルクが発生した場合に過負荷トルクを防止するそれぞれ過負荷回転クラッチ72a、74a、76a、78a、79b、あるいは過負荷空転クラッチ31a、33a、35a、78eなどの過負荷防止手段を備えている。
前記安全トルクレンジを超える駆動トルクが発生した場合に、過負荷回転クラッチ72a、74a、76a、78a、79bは、クラッチがスリップ状態でサーボモータ71、73、75、77、79に安全トルクレンジ内で駆動される大歯車72、74、76、78、79aが回転し続け、過負荷空転クラッチ31a、33a、35a、78eはトルクリミッタにより駆動トルクが遮断されニードル構造40の第1管状機能部材41、第2管状機能部材42、第3管状機能部材43あるいは駆動ねじ78cbが回転停止状態で小歯車31、33、35,78bのみが空転する。
一方、電源操作ユニット100には、図1に概念的に示すように、前記各動作機能を作動させるニードル構造40の全体回転D4及び先端部側湾曲D5の動作指令制御系統114及び115、手術先端器具50の先端部開閉D1、先端部回転D2及び先端部屈曲D3の動作指令制御系統111、112及び113に作動時の駆動トルクと前記安全駆動トルクレンジとの大きさを比較判別してニードル構造40側のフィーバック制御系統124及び125、手術先端器具50側のフィーバック制御系統121、122及び123を介して前記各動作指令を遮断するニードル構造40側のインターロック114a及び115a、手術先端器具50側のインターロック111a、112a及び113aを有するフィードバックインターロックシステムを備える。ここでは、前記各駆動トルクを検出するセンサ類などは図示しない。
電源操作ユニット100には、ニードル構造40の全体回転D4及び先端部側湾曲D5スイッチSW7及びSW8、手術先端器具50の先端部開閉D1、先端部回転D2及び先端部屈曲D3スイッチSW4、SW5及びSW6等の個別操作スイッチと、予め外科医が別途図示しないPCなどを介して手術状況に応じて任意に設定した安全な手術プロセスに従って前記複数の動作機能を連続的に実行する場合の、手術時に手術先端器具50を安全な位置(原点)へ動かすオートスイッチであるセーフティーモーションスイッチSW2及び手術時に手術先端器具50を任意の位置へ動かすオートスイッチであるセーブモーションスイッチSW1と、非常停止スイッチSW3と、を少なくとも備える操作パネル120が設けられる。
これらの自動操作スイッチは、電源操作ユニット100の操作制御装置90に例えばセーブモーションスイッチ91、セーフティーモーションスイッチ92、手術先端器具50先端部開閉スイッチ93、ニードル構造40全体回転スイッチ95、手術先端器具50先端部屈曲スイッチ96などの機械式スイッチ又は及びタッチパネル式スイッチを選択的に設けることができる。なお、ここでは、前記各動作機能の作動状況や操作状況を示すランプやモニターなどの説明及び図示は省略する。
次に、この実施例のモーションメモリ型細径手術ロボットシステム1の操作手順の要部を、図6〜9を参照し説明する。
まず、図6に示すように、手術状況に対応する先端手術器具50を選定してニードル構造40の先端部に取付け(S01)、そのニードル構造40を動力伝達機構30に取付け(S02)、ニードル構造40の湾曲用線状機能部材45のテンション調整を行う(S03)、などの事前準備を済ませる(事前準備段階S0)。
次いで、別途図示しないPCなどを介して、セーフティーモーションスイッチSW2の設定を始め(S11)、先端手術器具50の先端回転D2角度、先端屈曲D3角度、先端開閉D1角度の設定(S12〜S14)、ニードル構造40の全体回転D4角度、湾曲D5形状の設定(S15、S16)を順次行って、セーフティーモーションスイッチの設定を完了する(S17)。以上の各動作機能の作動設定値を電源操作ユニット100の操作制御装置90にメモリしておく(セーフティーモーションスイッチ設定段階S1)。
引続き、前記PCなどを介して、セーブモーションスイッチSW1の設定を始め(S21)、先端手術器具50の先端回転D2角度、先端屈曲D3角度、先端開閉D1角度の設定(S22〜S24)、ニードル構造40の全体回転D4角度、湾曲D5形状の設定(S25、S26)を順次行って、セーブモーションスイッチSW1の設定を完了する(S27)。以上の各動作機能の作動設定値に基づく手術プロセスを電源操作ユニット100の操作制御装置90にメモリしておく(セーブモーションスイッチ設定段階S1)。
次に手術に際し、まず例えば人体Mの直径略10mmの単孔式腹腔鏡下手術用腹腔孔Mbを介してニードル構造40の先端手術器具50を体腔内部の病変臓器Tの近傍まで挿入し、図7(a)に示すように、セーフティーモーションスイッチSW2をONし(Op11)、事前に設定された位置へ先端手術機具50が動き(Op12)、セーフティーモーションスイッチSW2をOFFする(Op13)と、各動作機能の設定された初期位置へ先端手術器具が戻る(Op14)ことを確認する(セーフティーモーションスイッチ設定動作確認段階Op1)。
この際に、操作制御装置90は、各動作機能の動力伝達機構30及び動力機構ユニット70の各駆動トルクを監視(フィードバック)し、事前に設定された安全トルクレンジを超えた場合はセーフティーモーションスイッチSW2の指令系統を遮断(インターロック)する。
引続き、図7(b)に示すように、セーブモーションスイッチSW1をONし(Op11)、事前に設定された位置へ先端手術機具50が動き、外科医が設定した安全な手術プロセスに従って自動的に前記複数の動作機能を連続的に実行し、外科手術処置を体腔内で全て行う(Op22)。その後、セーブモーションスイッチSW1をOFFする(Op13)と、各動作機能の設定された初期位置へ先端手術器具が戻る(Op14)ことを確認する(セーブモーションスイッチ設定動作による手術処置段階Op2))。
この際にも、操作制御装置90は、各動作機能の動力伝達機構30及び動力機構ユニット70の各駆動トルクを監視(フィードバック)し、事前に設定された安全トルクレンジを超えた場合はセーブモーションスイッチSW1の指令系統を遮断(インターロック)する。
一方、前記各動作機能を個別的に行う場合は、図8の(a)に先端手術器具50の先端部回転D2操作フロー、(b)に先端手術器具50の先端部屈曲D3操作フロー、(c)に先端手術器具50の先端部開閉D3操作フローを、図9の(a)にニードル構造40の全体回転D4操作フロー、(b)にニードル構造40の湾曲D5操作フローをそれぞれ示す。
これらの個別操作の際にも、操作制御装置90は、各動作機能の動力伝達機構30及び動力機構ユニット70の各駆動トルクを監視(フィードバック)し、事前に設定された安全トルクレンジを超えた場合は各動作スイッチSW4〜8の指令系統を遮断(インターロック)する。
本発明に係る別の実施形態(実施例2)のモーションメモリ型細径手術ロボット10Aは、実施例1のモーションメモリ型細径手術ロボット10におけるカバー蓋39h及び手術先端器具操作部39が省かれた手動式外科治療用ニードル型デバイス20におけると同様の動力伝達手段31〜44b等を有する動力伝達機構ユニット30A、動力伝達手段31〜44b等を駆動する動力手段71〜79bを有する動力機構ユニット70A、ならびに動力機構ユニット70Aに動力電源を供給するバッテリー電源装置80A及び複数の動力手段71〜79bを自動操作する操作制御装置90Aからなる電源操作ユニット100Aを各ユニットが着脱可能に一体的に組合せてモーションメモリ型細径手術ロボット10Aとする点と各ユニット及び全体外観形状が相違する点を除いて、その他の個別構成は前記実施例1のモーションメモリ型細径手術ロボット10と同様である。したがって、後述する図10〜13における前記実施例1と同じ機能・構成を有する部材には、説明を簡明化するため同一の符号を付し、以下、上記相違点に関して添付図を参照し説明する。
この実施例のモーションメモリ型細径手術ロボット10Aは、図13に示すように、ニードル構造40を含む動力伝達機構ユニット30A、動力機構ユニット70A及び電源操作ユニット100Aの3分割ユニット型に構成されており、緊急性の高い手術の際の比較的故障の確率が高い動力機構ユニット70や電源操作ユニット100を故障時にその場でスペアのユニットと取替えることができるので、安全性及び信頼性が充分確保される。
この実施例のニードル構造40を含む動力伝達機構ユニット30A及び動力機構ユニット70Aは、上下逆向きに配置され、カバー蓋39h及び手術先端器具操作部39が省かれた前記実施例1のニードル構造40を含む動力伝達機構ユニット30及び動力機構ユニット70の構成とそれぞれ全く同様であるので、詳細な説明は省略する。
この実施例の電源操作ユニット100は、前記実施例1におけるカバー蓋39h及び手術先端器具操作部39が省かれこれに替えて、動力機構ユニット70Aの図示下面に着脱可能に装着される操作制御装置90Aの傾斜し延設された下端部にバッテリー電源装置80Aが略逆く字形状に配設されている。このように外観形状が異なるだけで構成内容は実施例1と全く同様であるので、詳細な説明は省略する。
本発明に係るまた別の実施形態(実施例3)のモーションメモリ型細径手術ロボット10Bは、実施例2のモーションメモリ型細径手術ロボット10Aに対し動力伝達機構ユニット30B、動力機構ユニット70B及び電源操作ユニット100Bの配置を一部変えて外観形状をスマート化したもので、各ユニット構成内容は前記実施例1あるは実施例2と同様であるので、詳細な説明は省略する。
本発明に係るさらに別の実施形態(実施例4)のモーションメモリ型細径手術ロボット10Cは、図15に概念的に示すように、先端手術器具50Cの動作機能構成が一部異なるだけで、その他の構成は実施例1〜3と同様である。
この実施例の先端手術器具50Cは、直交する3軸X、Y、Z軸において、先端部開閉D1、先端部Z軸回り回転(90°屈曲)D2及び先端部Y軸回り回転(90°屈曲)D3の複数の動作機能を有する公知の構成を適用できるので、詳細な説明は省略する。
以上説明したモーションメモリ型細径手術ロボット10〜10C等の構成は、これに限定されず、種々の形状・構成に任意に変更した変形実施形態とすることができる。
本発明は、適宜な外径及び長さに設定自在な細径のニードル構造の先端部に手術先端器具が挿脱可能に取付けられ開閉、回転、屈曲あるいは湾曲等の複数の動作機能を選択的に有する手動式外科治療用ニードル型デバイスに、このデバイスの動力伝達手段に係合して動力伝達手段を駆動する動力機構ユニット、バッテリー電源装置及びこれらを自動操作する操作制御装置からなる電源操作ユニットを備えたアタッチメント型駆動操作ユニットを着脱可能に装着して、生体の切開をせずにニードル構造及び手術先端器具を腹腔孔又は自然開口部を介して体腔内の病変臓器の近傍まで挿入して、予め外科医が設定した安全な手術プロセスに従って複数の動作機能を連続的に実行するモーションメモリ型細径手術ロボットを用いて外科手術処置を体腔内で全て実行することから、普遍的な高い安全性及び信頼性を有し、緊急性の高い手術の際の故障時にもその場で手動式外科治療用ニードル型デバイスを手動で操作することも、あるいは比較的故障の確率が高い動力機構ユニットや電源操作ユニットを故障時にその場でスペアのユニットと取替えることができる設計の自由度を備え、低浸襲性を極限まで実現させた比較的安価なモーションメモリ型細径手術ロボットシステムを提供できる。さらに、本発明のモーションメモリ型細径手術ロボットは、生体傷病者が有する自然開孔部から体腔内を観察する内視鏡あるいは手術操作により切除された臓器を体外に搬出するNatural Orifice Transluminal Endoscopic Surgery (NOTES)を利用し、体腔内病変臓器の手術部位での手術処置を容易に行う操作性と安全性に優れることから広範な医療業界に貢献できる。
1 モーションメモリ型細径手術ロボットシステム
10、10A、10B、10C モーションメモリ型細径手術ロボット
20 手動式外科治療用ニードル型デバイス
30 動力伝達機構
31、33、35、37、78b 小歯車
31a、33a、35a、78e 過負荷空転クラッチ
32、34、36 38 中歯車
37a 雄ねじ筒
37b 湾曲方向コントロールレバー
37e 雌ねじ
37f 雄ねじ
37g ギヤ
37h ピン
39 手術先端器具操作部
39a 把持ハンドル
39b 支持本体
39c ガイド孔
39d 可動ハンドル
39e、76f、78f 凹溝
39f 固定ピン
39g、70b フランジ
39h カバー蓋
39i 固定ハンドル構造
40 ニードル構造
40a 湾曲部
41 第1管状機能部材
42 第2管状機能部材
43 第3管状機能部材
44 第4管状機能部材
44a 鍔部(動力伝達手段)
44b 球状体
45 線状機能部材
50 手術先端器具
60 手術先端器具
61 ガイド支持部材
62 顎機構
63 固定ピン
64 前部駆動シャフト
65 ガイドピン
70 動力機構ユニット
70a ケース
71、73、75、77、79 動力手段(サーボモータ)
72a、74a、76a、78a、79b 過負荷回転クラッチ
72、74、76、78、79a 大歯車
78c 駆動ねじ
78d スライダ
80 バッテリー電源装置
90 操作制御装置
91、SW1 セーブモーションスイッチ
92、SW2 セーフティーモーションスイッチ
93、SW4 (手術先端器具の)先端部開閉スイッチ
95、SW7 (ニードル構造の)全体回転スイッチ
96、SW6 (手術先端器具の)先端部屈曲スイッチ
100 電源操作ユニット
111 先端部開閉動作指令制御系統
112 先端部回転動作指令制御系統
113 先端部屈曲動作指令制御系統
114 ニードル構造全体回転動作指令制御系統
115 ニードル構造先端部側湾曲動作指令制御系統
120 操作パネル
D1 先端部開閉
D2 先端部回転(360°)
D2C 先端部Z軸回り回転(90°屈曲)
D3 先端部屈曲(Y軸回り回転90°)
D4 全体回転(ニードル構造のX軸回り360°)
M 人体(生体)
Mb 腹腔孔(単孔式腹腔鏡下手術用)
SW8 ニードル構造先端部側湾曲スイッチ
T (病変)臓器(胃袋など)
W 湾曲駆動機構

Claims (6)

  1. 主軸(X軸)、近位端(以下、後端という)及び遠位端(以下、先端という)を有し、
    X軸上に多重管状にそれぞれ遊嵌された複数の細い管状機能部材あるいは前記管状機能部材内又は隣接管状部材間に挿通された1本又は複数本の線状機能部材からなり安定的な支持剛性及び強度を有し、手術状況に応じて適宜な長さに設定され生体の皮膚外面から体腔内部に挿入可能に構成されたニードル構造と、
    前記ニードル構造の各管状機能部材あるいは線状機能部材の先端部にそれぞれ着脱可能に機能的連結されてニードル構造の全体回転、手術先端器具の先端部開閉、先端部回転、先端部屈曲を含む複数の動作機能を選択的に有し、体腔内に挿入される手術先端器具と、
    前記ニードル構造の後端部が挿通され支持されるとともに前記ニードル構造の各管状機能部材あるいは線状機能部材の後端部とそれぞれ連携して前記手術先端器具の動作機能を作動させる複数の動力伝達手段を有する動力伝達機構
    及び前記動力伝達機構を覆う着脱自在なカバー蓋を有する手術先端器具操作部と、を備えた手動式外科治療用ニードル型デバイスと、
    前記動力伝達手段に係脱可能に構成され、前記動力伝達手段を駆動する複数の動力手段を有する動力機構ユニットと、
    前記動力機構ユニットに着脱可能に構成され、前記複数の動力手段に動力電源を供給するバッテリー電源装置及び前記複数の動力手段を自動操作する操作制御装置からなる電源操作ユニットと、を備え、
    前記手動式外科治療用ニードル型デバイスのカバー蓋が取外された面上に着脱可能に装着されるアタッチメント型駆動操作ユニットと、を具備し、
    予め外科医が設定した安全な手術プロセスに従って前記複数の動作機能を連続的に実行する手段を備え、
    前記予め外科医が設定した安全な手術プロセスは、
    事前準備手段、
    セーフティーモーションスイッチの設定と作動設定値の操作制御装置へのメモリ手段、
    ーブモーションスイッチの設定と作動設定値の操作制御装置へのメモリ手段、
    セーフティーモーションスイッチ設定動作確認手段、
    セーブモーションスイッチ設定動作による手術処置手段、
    を含み、
    操作制御装置は、各動作機能の動力伝達機構及び動力機構ユニットの各駆動トルクを監視し、事前に設定された安全トルクレンジを超えた場合はセーフティーモーションスイッチまたはセーブモーションスイッチの指令系統を遮断する手段を有し、
    前記各動作機能を個別的に行う手段として、
    先端手術器具の先端部回転D2操作手段、
    先端手術器具の先端部屈曲D3操作手段、
    先端手術器具の先端部開閉D3操作手段、
    ニードル構造の全体回転D4操作手段、
    ニードル構造の湾曲D5操作手段、
    を含み、
    操作制御装置は、各動作機能の動力伝達機構及び動力機構ユニットの各駆動トルクを監視し、事前に設定された安全トルクレンジを超えた場合は各動作スイッチSW4〜8の指令系統を遮断する手段を有することを特徴とするモーションメモリ型細径手術ロボットシステム。
  2. 前記モーションメモリ型細径手術ロボットは、
    前記ニードル構造の先端部側に任意長さに亘り形成され、任意の湾曲姿勢に湾曲する湾
    曲部と、
    前記動力伝達機構ユニットと動力機構ユニットとの間に配置され、前記湾曲部の最外管
    状機能部材内に所定間隔で順次各先端部が固着された前記複数の線状機能部材の後端部を
    連結してそれぞれX軸方向に選択的に牽引することにより前記湾曲部を任意の湾曲姿勢に
    湾曲させる湾曲駆動機構と、をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のモーションメモリ型細径手術ロボットシステム。
  3. 前記モーションメモリ型細径手術ロボットは、
    前記手術先端器具における、把持機能を含む開閉機能、X軸に直交するY軸回り又は及
    びX−Y平面に直交するZ軸回りに任意角度屈曲する屈曲機能、あるいはX軸回りに36
    0度回転する先端回転機能と、
    前記ニードル構造のX軸回りに360度回転する全体回転機能あるいは前記ニードル構
    造の先端部が任意の湾曲姿勢に湾曲する湾曲機能と、の幾つか又は全部の機能を選択的に
    有し、
    前記電源操作ユニットには、予め外科医が設定した安全な手術プロセスに従って前記複
    数の動作機能を連続的に作動させる一つの自動操作スイッチを具備することを特徴とする
    請求項1または請求項2のいずれかに記載のモーションメモリ型細径手術ロボットシス
    テム。
  4. 前記モーションメモリ型細径手術ロボットは、
    前記各動作機能を作動させる前記各駆動機構には、外科医が手術中に人肌で直感的に感
    知する安全な力を伝達するように任意に設定される安全駆動トルクレンジを超える駆動ト
    ルクが発生した場合に過負荷トルクを防止過負荷防止手段を備え、
    前記電源操作ユニットには、前記各動作機能を作動させる動作指令制御系統に前記駆動
    トルクと前記安全駆動トルクレンジとの大きさを比較判別して前記動作指令を遮断するフ
    ィードバックインターロックシステムを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    いずれか1項に記載のモーションメモリ型細径手術ロボットシステム。
  5. 前記ニードル構造は、いずれも高剛性及び高弾力性を有する医療適合性材料あるいは選
    択的に形状記憶材料からなり、外径略3mm〜10mm以下に形成されることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のモーションメモリ型細径手術ロボットシ
    ステム。
  6. 前記ニードル構造は、前記複数の動作機能に必要なX軸方向のスライド又は牽引、回転
    、通電、マイクロ波又は超音波放射線伝送を含む各種機能を選択的に有することを特徴と
    する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のモーションメモリ型細径手術ロボット
    システム。
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