JP6082901B2 - ワクチン・アジュバント - Google Patents

ワクチン・アジュバント Download PDF

Info

Publication number
JP6082901B2
JP6082901B2 JP2012555742A JP2012555742A JP6082901B2 JP 6082901 B2 JP6082901 B2 JP 6082901B2 JP 2012555742 A JP2012555742 A JP 2012555742A JP 2012555742 A JP2012555742 A JP 2012555742A JP 6082901 B2 JP6082901 B2 JP 6082901B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vaccine
tcp
cells
vaccine therapy
tricalcium phosphate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012555742A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012105224A1 (ja
Inventor
丸山 宏二
宏二 丸山
満 高橋
満 高橋
雅裕 中川
雅裕 中川
靖人 秋山
靖人 秋山
秀衛 石井
秀衛 石井
錦雁 程
錦雁 程
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shizuoka Prefecture
Olympus Corp
Original Assignee
Shizuoka Prefecture
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shizuoka Prefecture, Olympus Corp filed Critical Shizuoka Prefecture
Publication of JPWO2012105224A1 publication Critical patent/JPWO2012105224A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6082901B2 publication Critical patent/JP6082901B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K33/00Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
    • A61K33/42Phosphorus; Compounds thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/0005Vertebrate antigens
    • A61K39/0011Cancer antigens
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/0005Vertebrate antigens
    • A61K39/0011Cancer antigens
    • A61K39/001152Transcription factors, e.g. SOX or c-MYC
    • A61K39/001153Wilms tumor 1 [WT1]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/0005Vertebrate antigens
    • A61K39/0011Cancer antigens
    • A61K39/001154Enzymes
    • A61K39/001156Tyrosinase and tyrosinase related proteinases [TRP-1 or TRP-2]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/39Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the immunostimulating additives, e.g. chemical adjuvants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • A61K9/0024Solid, semi-solid or solidifying implants, which are implanted or injected in body tissue
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/60Medicinal preparations containing antigens or antibodies characteristics by the carrier linked to the antigen
    • A61K2039/6012Haptens, e.g. di- or trinitrophenyl (DNP, TNP)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/20Pills, tablets, discs, rods
    • A61K9/2072Pills, tablets, discs, rods characterised by shape, structure or size; Tablets with holes, special break lines or identification marks; Partially coated tablets; Disintegrating flat shaped forms

Description

本発明は、ワクチン療法の効果増強剤(ワクチン・アジュバント)やワクチン療法キット、より詳しくは、対象の体内に移植されて用いられるβ−リン酸三カルシウム(TCP:Tricalcium phosphate)を有効成分とする、ワクチン組成物を用いるワクチン療法の効果増強剤や、β−リン酸三カルシウムを含む組成物とワクチン組成物とからなるワクチン療法キットに関する。
免疫は表面のバリアを越えて外から体内に侵入した細菌やウィルスを排除し、生体を防御するシステムである。免疫応答の誘起と制御は、Bリンパ球、Tリンパ球、抗体、及び抗原提示細胞(APC)などによって複合的に行われる。まず、APCに取り込まれ、プロセシングを受けた外来抗原は、主要組織適合複合体(MHC)クラスI及びII分子に結合した状態でヘルパーT細胞に提示される。MHCに結合した外来抗原がヘルパーT細胞により認識されると、T細胞の活性化が起こり、サイトカインが分泌され、抗原で刺激されたB細胞が抗体産生細胞へと分化するのを助けると共に、キラーT細胞の分化を促す。B細胞から分泌された抗体、及び活性化されたT細胞によって、抗原を提示する細胞が排除され、外来抗原を排除する細胞性・体液性の反応が進行する。
そして、免疫は体外から進入する病原菌だけでなく、元来は自己の細胞であった、がん化した細胞や、ウィルスや細菌が感染した細胞など、異常な自己の細胞に対してもはたらいている。そして、近年、このような生体が本来持つ免疫システムを利用し、宿主の免疫系が標的抗原として認識し得る異常な細胞の成分を抗原として宿主に人為的に与えることで、異常な細胞に対する免疫を誘導し、疾患を治療または予防する、ワクチン療法が期待されている。従来のがん治療においては、手術や放射線療法が主な治療となっているが、微小ながん組織が残存し、それががんの再発を引き起こすという問題がある。そこで、ワクチン療法による残存している可能性のある微小ながん組織の根絶、再発防止が期待されている。
ワクチン療法に使用されるワクチン抗原として、例えば、腫瘍の予防または治療で使用するためのワクチンTLPペプチド(特許文献1)や、血清を使用したcDNAディスプレイライブラリーの選択による特異的腫瘍抗原の同定方法及び、同定された腫瘍抗原(特許文献2)や、メゾテリンのMHCクラスI結合エピトープを含むポリペプチドを含むワクチン(特許文献3)が開示されている。現在まで、様々な腫瘍抗原を用いたがんワクチン療法に対する研究が試みられているが、がん患者に対する治療効果は、期待されるほど十分には認められていないのが現状である。アジュバントは、抗原性補強剤とも呼ばれ、抗原性を増強するために用いられる試薬である。そこで、抗原性を増強し、十分なワクチン療法の効果を得るためのワクチン療法の補助剤、アジュバントが求められていた。
他方、β−リン酸三カルシウムを含むリン酸カルシウム系化合物は、その優れた生体親和性により人工骨、人工歯根などの生体材料として応用研究が盛んに行われている(特許文献4、5)。本発明者らは、多孔体のβ−リン酸三カルシウムがマクロファージの活動を活発化させることにより悪性腫瘍を抑制することを明らかにし、気孔率75%のβ−リン酸三カルシウムの粉末をシートにコーティングした癌細胞抑制シートからなる癌細胞抑制剤(特許文献6、非特許文献1)を開発している。しかしながら、β−リン酸三カルシウムとワクチン組成物を併用する効果については全く知られていなかった。
その他、これまでに人工的にリンパ節を構築する試みは幾つかあったが、自然のリンパ節と非常に類似した構造を持ち、しかも実際に生体内で強力な免疫機能を発揮する免疫装置の開発の成功は全くなかった。例えば、特許文献7には、コラーゲンスポンジを用いた支持体に支持細胞(ストローマ細胞)を播き、かかる支持体を腎臓の被膜の下に埋め込むことで、人工リンパ節となり、抗体産生、癌細胞の排除などの免疫反応を強力に起こすことが開示されている。しかしこれらはいずれも細胞を使用しており、試験管の細胞培養や、人工材料を用いた構築などの工程が必要であった。
特表2003−523759号公報 特表2005−508309号公報 特表2006−521090号公報 特開2010−233914号公報 特開平7−116175号公報 特開2010−126434号公報 特開2008−163015号公報
J. Cheng et al., J. Biomed. Mater. Res. A, 92(2):542-547 (2010)
近年、生体が本来持つ免疫システムを利用し、宿主の免疫系が標的抗原として認識し得る異常な細胞の成分を抗原として宿主に人為的に与えることで、異常な細胞に対する免疫を誘導し、疾患を治療または予防する、ワクチン療法が期待されている。しかしながら、例えばがん患者に対する治療効果は、期待されるほど十分には認められていないのが現状である。この問題を解決するために、抗原性を増強し、十分なワクチン療法の効果を得るための安価で安全なワクチン療法の補助剤が求められている。本発明の課題は、ワクチン組成物の効果を増強することができる安価で安全なアジュバントを提供することにある。
発明者らは、病変部位近傍に移植されたβ−リン酸三カルシウム緻密体(ここでは気孔率50%以下のものを指す)により活性・誘導・集積されたT細胞、B細胞、NK細胞などのリンパ球や樹状細胞が高度に組織化された三次元構造をとることを見出した。これを利用することにより、リンパ球が抗原及び抗原提示細胞と相互作用して抗原特異的な免疫反応(適応免疫)を開始し、ワクチン組成物によるがん治療効果を増強できる。
すなわち、本発明は[1]対象の体内に移植されて用いられるβ−リン酸三カルシウムを有効成分とする組成物と、ワクチン組成物とを備えたワクチン療法キットや、[2]体内が、皮内、皮下、又は筋肉内であることを特徴とする[1]記載のワクチン療法キットや、[3]β−リン酸三カルシウムが病変近傍に移植されることを特徴とする[1]又は[2]記載のワクチン療法キットや、[4]病変近傍が、病変から0.1〜15cmの距離にある領域であることを特徴とする[3]記載のワクチン療法キットや、[5]ワクチン組成物が、がん特異的抗原ワクチンであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか記載のワクチン療法キットや、[6]がん特異的抗原ワクチンが、TRP−2(Tyrosinase-related protein 2)、WT1(Wilms tumor 1)、オバルブミン(OVA)、又はがん細胞抽出液(Tumor lysate)由来の抗原ペプチド又はタンパク質であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか記載のワクチン療法キットに関する。
また、本発明は[7]β−リン酸三カルシウムが、気孔率50%以下の緻密体であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか記載のワクチン療法キットや、[8]β−リン酸三カルシウムが、T細胞、B細胞、NK細胞、樹状細胞、及びマクロファージを活性化、誘導、又は集積することを特徴とする[7]記載のワクチン療法キットや、[9]β−リン酸三カルシウムが、錠剤又は柱状体であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか記載のワクチン療法キットや、[10]β−リン酸三カルシウムが、粒径0.05〜25μmの粒子または顆粒であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか記載のワクチン療法キットに関する。
また、本発明は[11]対象の体内に移植されて用いられるβ−リン酸三カルシウムを有効成分とする、ワクチン組成物を用いるワクチン療法の効果増強剤や、[12]体内が、皮内、皮下、又は筋肉内であることを特徴とする[11]記載のワクチン療法の効果増強剤や、[13]β−リン酸三カルシウムが病変近傍に移植されることを特徴とする[11]又は[12]記載のワクチン療法の効果増強剤や、[14]病変近傍が、病変から0.1〜15cmの距離にある領域であることを特徴とする[13]記載のワクチン療法の効果増強剤や、[15]ワクチン組成物が、がん特異的抗原ワクチンであることを特徴とする[11]〜[14]のいずれか記載のワクチン療法の効果増強剤や、[16]がん特異的抗原ワクチンが、TRP−2(Tyrosinase-related protein 2)、WT1(Wilms tumor 1)、オバルブミン(OVA)、又はがん細胞抽出液(Tumor lysate)由来の抗原ペプチド又はタンパク質であることを特徴とする[15]記載のワクチン療法の効果増強剤に関する。
また、本発明は[17]β−リン酸三カルシウムが、気孔率50%の緻密体であることを特徴とする[11]〜[16]のいずれか記載のワクチン療法の効果増強剤や、[18]β−リン酸三カルシウムが、T細胞、B細胞、NK細胞、樹状細胞、及びマクロファージを活性化、誘導、又は集積することを特徴とする[17]記載のワクチン療法の効果増強剤や、[19]β−リン酸三カルシウムが、錠剤又は柱状体であることを特徴とする[11]〜[18]のいずれか記載のワクチン療法の効果増強剤や、[20]β−リン酸三カルシウムが、粒径0.05〜25μmの粒子又は顆粒であることを特徴とする[11]〜[18]のいずれか記載のワクチン療法の効果増強剤に関する。
本発明によれば、対象の体内に移植されて用いられるβ−リン酸三カルシウム(TCP)を有効成分とする組成物、及びワクチン組成物とからなるワクチン療法キットや、対象の体内に移植されて用いられるβ−リン酸三カルシウムを有効成分とするワクチン療法の効果増強剤を提供することができ、ワクチン療法の効果を増強し、疾患を治療することができる。
免疫細胞とβ−TCP顆粒(サイズ25〜75μm)の結合を走査型電子顕微鏡にて観察した結果を示す。 β−TCP緻密体(緻密体錠剤:φ5×2mm)を、走査型電子顕微鏡にて観察した結果を示す。直径2μmの粒子は、マーカーとして用いられている。 β−TCP緻密体(緻密体棒剤:φ0.9×5mm)を、走査型電子顕微鏡にて観察した結果を示す。 β−TCP緻密体(錠剤)を正常マウスの皮下に移植して2週間経過後、組織サンプルをHE染色し、顕微鏡にて観察した。リンパ球が集積し、天然のリンパ節と似た構造となっていることを示す図である。 β−TCP緻密体(顆粒)サイズ0.05〜105μmを正常マウスの皮下に移植して2週間経過後、組織サンプルをHE染色し、顕微鏡にて観察した。サイズ75μm以上のβ−TCP顆粒はマクロファージを誘導し(N=13)、75μm以下の顆粒はリンパ球を集め(N=11)、サイズ0.05〜25μmの微小顆粒はリンパ球集塊を形成すること(図中矢印)を示す図である 円板状のβ−TCP緻密体錠剤φ5×2mmを皮下に移植した正常マウスの組織サンプルを、抗CD45R抗体を用いてB細胞を免疫組織染色し、顕微鏡にて観察した。β−TCP緻密体によりB細胞が誘導されることを示す図である(左:弱拡 ×4、右:強拡 ×40 矢印部)。 円板状のβ−TCP緻密体錠剤φ5×2mmを皮下に移植した正常マウスの組織サンプルを、抗CD3抗体を用いてT細胞を免疫組織染色し、顕微鏡にて観察した。β−TCP緻密体によりT細胞が誘導されることを示す図である(左:弱拡 ×4、右:強拡 ×40 矢印部)。 円板状のβ−TCP緻密体錠剤φ5×2mmを皮下に移植した正常マウスの組織サンプルを、抗CD49b抗体を用いてNK細胞を免疫組織染色し、顕微鏡にて観察した。β−TCP緻密体によりNK細胞が誘導されることを示す図である(左:弱拡 ×4、右:強拡 ×40 矢印部)。 円板状のβ−TCP緻密体錠剤φ5×2mmを皮下に移植した正常マウスの組織サンプルを、抗CD11c抗体を用いて樹状細胞を免疫組織染色し、顕微鏡にて観察した。β−TCP緻密体により樹状細胞が誘導されることを示す図である(左:弱拡 ×4、右:強拡 ×40 矢印部)。 円板状のβ−TCP緻密体錠剤φ5×2mmを皮下に移植した正常マウスの組織サンプルを、抗F4/80R抗体を用いてマクロファージを免疫組織染色し、顕微鏡にて観察した。β−TCP緻密体によりマクロファージが誘導されることを示す図である(左:弱拡 ×4、右:強拡 ×40 矢印部)。 円板状のβ−TCP緻密体錠剤φ5×2mmを皮下に移植した正常マウスの組織サンプルを、抗D2−40抗体を用いてリンパ管内皮細胞を免疫組織染色し、顕微鏡にて観察した。β−TCP緻密体によりリンパ管形成が誘導されることを示す図である(左:弱拡 ×4、右:強拡 ×40 矢印部)。 ワクチンの実験系として、C57BL/6系統のマウスとトリ・オバルブミンを発現するマウスのリンパ腫細胞であるE.G7-OVA(ATCC社より購入)を用いる腫瘍モデル実験系において、以下の3群、すなわち、1)コントロール群、2)OVA投与群、3)OVA+TCP群を設定し、6週齢の雄性マウス(C57BL/6)側腹部皮下にφ5mm×厚さ2mmの円板状のβ−TCPの錠剤を移植した(OVA+TCP群)。7日後および14日後に、移植したβ−TCP錠剤周囲の皮内(OVA+TCP群)または側腹部皮内(OVA投与群)に100μgのOVA蛋白を投与し、21日後、側腹部皮下に1×10個のE.G7-OVA細胞を移植し、腫瘍の形成及び増殖について観察した。図中の*は、β−TCP移植後にOVAタンパク質で免疫したOVA+TCP群では、実験開始42日後及び45日後においてコントロール群に比べて有意に腫瘍増殖が抑制されたことを示す(t test、p<0.05)。
本発明のワクチン療法キットとしては、体内に移植されて用いられる、換言すれば体内に移植するためのβ−リン酸三カルシウム(以下、「β−TCP」という)を有効成分とする組成物と、ワクチン組成物とを備えたものであれば特に制限されず、また本発明のワクチン組成物を用いるワクチン療法の効果増強剤としては、β−TCPを有効成分とする組成物であれば特に制限されず、本発明の一形態として、対象の体内にβ−リン酸三カルシウムを有効成分とする組成物を移植した後に、ワクチン組成物を投与するワクチン療法や、ワクチン組成物を用いるワクチン療法の効果増強剤製造のための、対象の体内に移植されて用いられるβ−リン酸三カルシウムの使用を挙げることができる。上記β−TCPはCa(POで表される組成物の一結晶形態であって、常温において安定であり生体親和性のある化合物である。β−TCPとしては、市販のβ−TCP粉末やβ−TCPブロック、例えば人工骨として利用されるβ−TCPブロックなどを用いてもよいし、公知の方法(特開2004−26648など)により製造してもよく、またα−TCP粉末から製造する(特開2006−89311など)こともできる。また、本発明のβ−TCP組成物は、実質的にβ−TCP組成からなるものや、界面活性剤や水などを混入して製造されたものでもよいが、β−TCPブロックを粒子又は顆粒状に加工したβ−TCPの粉末の他、β−TCP粉末を打錠により緻密化、あるいは焼結により脱泡の上緻密化した、高強度、高密度、低気孔率である、多結晶体のβ−TCP緻密体、中でも気孔率50%以下のβ−TCP緻密体であることが好ましい。本発明において、β−TCP緻密体とは気孔率50%以下のβ−TCPをいう。また本発明において、粉末、粒子、顆粒はいずれも粒状の形態を指し、実質的な区別はない。
かかるβ−TCP緻密体を構成する多結晶体の粒子サイズとして、好ましくは0.001〜50μm、より好ましくは0.01〜20μm、さらに好ましくは0.75〜10.0μmであり、平均の多結晶体の粒子サイズは好ましくは1.80μmである。さらに、多結晶体の粒子の隙間は好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは0.005〜5μm、0.01〜1.0μmであり、平均の多結晶体の粒子の隙間は好ましくは0.05〜0.2μm、より好ましくは0.1μmである。かかる多結晶体の粒子の隙間の大きさや数により、β−TCP緻密体の気孔が定められる。
β−TCPの気孔率は、細孔に水銀を浸入させるために圧力を加え、圧力と圧入された水銀量から比表面積や細孔分布を求める水銀法や、検量線を用いて密度から測定することもできる。また、気孔率が0%のβ−TCP石(測定対象の焼結体と同じ組成、結晶形の気孔をもたないβ−TCP焼結体)の真密度ρを測定しておき、測定対象の焼結体の体積と重さから算出した見かけ密度ρ’とから気孔率P(%)=(1−ρ’/ρ)×100として算出することができる。また、気孔率Pは、例えば、アキュピック1330シリーズ(株式会社島津製作所製)を用いて測定することもできる。β−TCPブロックの水銀法にて計測した気孔率は、好ましくは50〜90%、より好ましくは60〜85%、さらに好ましくは70〜80%である。粒径75〜105μmのβ−TCP粉末はβ−TCPブロックを粉砕して作製することもでき、これを水銀法にて計測したそれぞれの粉末の気孔率は、好ましくは50〜90%、より好ましくは55〜85%、さらに好ましくは57〜80%であり、好ましい平均気孔率は60〜70%である。また、粒径25μm以下のβ−TCPミクロン顆粒はβ−TCPブロックを粒子状に粉砕して作製することもでき、これを水銀法にて計測した気孔率は好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下であり、好ましい平均気孔率は3.5〜4.5%である。β−TCP緻密体としては、気孔率が50%以下であるβ−TCP粉末、粒子、顆粒、錠剤、柱状体等を例示することができ、これらはβ−TCPのみからなるものであっても、β−TCPを有効成分とし、他の成分を含むものであってもよい。50%以下のβ−TCPの気孔率は、40%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、中でも20%以下が特に好ましい。β−TCP粉末を打錠により緻密化したβ−TCP緻密体の、密度から算定した気孔率としては、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下、中でも20%以下を好適に例示することができる。また、焼結により脱泡の上緻密化したβ−TCP緻密体は、密度から算定した気孔率が、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下、中でも20%以下を好適に例示することができる。
焼結による緻密化は、好ましくは600℃超〜2000℃、より好ましくは750〜1500℃、さらに好ましくは900〜1300℃で、また好ましくは1〜100時間、より好ましくは10〜80時間、さらに好ましくは20〜50時間焼結する例を挙げることができる。また、焼結は複数の温度にて複数回に分けて行ってもよい。例えば、棒状のβ−TCP緻密体は以下の方法で製造することもできる。リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム及び水を適切な割合で混合してスラリーを調製し、調製したスラリーを摩砕しながら反応させた後に乾燥させる。次に、乾燥して得られた固形物を粉砕して仮焼し、β−TCP粉末が得られる。得られたβ−TCP粉末を圧縮形成されることにより柱状体に賦形される。圧縮形成された柱状体を600℃〜1300℃で20時間焼結する。
上記気孔率50%以下の緻密体であるβ−TCP粉末や粒子、顆粒の製造方法としては、例えば、リン酸水素カルシウムと炭酸カルシウムの粉末をモル比で1:1〜3、好ましくは1:1.5〜2.5になるように秤量して混合し、かかるリン酸水素カルシウム−炭酸カルシウム混合物に純水を添加してスラリーを調製し、調製されたスラリーをボールミルにより約24時間湿式磨砕処理を行うことでメカノケミカル法による反応をすすめ、磨砕処理されたスラリーを、70〜90℃、好ましくは75〜85℃にて乾燥し、乾燥して得られた固形物を粉砕して得られたβ−TCP粉末を700〜800℃にて、数時間仮焼することで、β−TCP仮焼粉末を作製し、得られたβ−TCP仮焼粉末をふるいにかけることで各粒径の分画を得ることができ、分画ごとの気孔率を測定することで、気孔率50%以下の分画を得ることができる。具体的には、まずふるい目が105μmのふるいを通過し、かつ、ふるい目が75μmのふるいにかけ残ったβ−TCPを分画(A)とし、次にふるい目が75μmのふるいを通過し、かつ、ふるい目が25μmのふるいにかけ残ったβ−TCPを分画(B)とし、さらに25μmのふるいを通過したβ−TCPを分画(C)とした場合に、分画(C)は、気孔率が確実に50%以下のβ−TCPとなる。
上記β−TCP錠剤やβ−TCP柱状体の製造方法としては、気孔率が50%以下の、単一相又はほぼ単一相のβ−TCPの錠剤や柱状体を製造することができる方法を挙げることができる。具体的には、前述のようにβ−TCP仮焼粉末を作製し、得られたβ−TCP仮焼粉末を圧縮成形(打錠)することにより錠剤や柱状体に賦形し、かかる賦形されたβ−TCP仮焼錠剤や柱状体を450〜650℃、好ましくは600℃にて2.5〜3.5時間、好ましくは3時間焼結し、次いで850〜950℃、好ましくは900℃で0.5〜1.5時間、好ましくは1時間焼結し、さらに1000〜1300℃で0.75〜1.5時間、好ましくは1時間焼結することで燒結体としてのβ−TCPの錠剤や柱状体を得る方法を挙げることができ、また上記β−TCP仮焼粉末を燒結し、β−TCPの焼結体としての粉体を得た後に圧縮成形(打錠)してβ−TCPの錠剤や柱状体を作製してもよい。なお、β−TCP柱状体は、β−TCP錠剤を柱状に打ち抜くことにより作製してもよい。
本発明のβ−TCP組成物には、β−TCPの他に薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤などの各種調剤用配合成分を含んでいてもよく、ゲル状やペースト状、微粒子の懸濁液や、固形状の製剤とすることができるが、好ましくは固形状であり、その形状としては、顆粒状、粉末状、粒子状の他、円板状(短円柱状)、棒状(長円柱状)の錠剤などを挙げることができる。
また、固形状のβ−TCP組成物の粒径としては、例えば、β−TCPブロックを粒子状に加工したβ−TCP粉末の場合は、粒径が好ましくは50〜120μm、より好ましくは60〜110μm、さらに好ましくは75〜105μmである。また、β−TCPブロックを粒子状に加工したβ−TCPミクロン顆粒の場合は、粒径が好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下、である。中でも、粒径が0.05〜5μmのβ−TCPミクロン顆粒や、粒径が0.05〜25μmのβ−TCPミクロン顆粒を好適に例示することができる。本発明において粒径0.05〜25μmの粒子は、25μmのふるいを通過したものを指す。円板状又は柱状や棒状の錠剤のβ−TCP組成物の大きさとしては、直径が好ましくは0.01〜30mm、より好ましくは0.1〜20mm、さらに好ましくは1〜10mmであり、長さが好ましくは0.1〜40mm、より好ましくは0.5〜30mm、さらに好ましくは1〜20mmであるが、中でも直径5mmで長さ2mmの円板状の錠剤や、直径0.9mmで長さ10mmの柱状の棒剤を好適に例示することができる。
本発明における体内としては、骨や歯以外の部位であれば特に制限されず、皮下、皮内、筋肉内、腹腔内、胸腔内、脳内を挙げることができ、好ましくは皮下であり、治療対象である病変の近傍を挙げることもできる。病変の近傍に移植して用いられる場合は、好ましくは病変から1μm〜30cm、より好ましくは100μm〜20cm、さらに好ましくは1mm〜15cmの距離にある領域に移植して用いることができる。本発明の治療対象の病変は、骨や歯以外における病変であれば特に制限はされず、がん、アレルギー免疫、感染症その他を例示することができ、中でもがんを好適に挙げることができ、頭蓋骨内組織、肺、偏平上皮細胞、皮膚、軟組織、膀胱、胃、すい臓、頭部、頸部、腎臓、前立腺、大腸、小腸、食道、女性器(例えば卵巣、子宮)又は甲状腺のがんを特に好適に例示することができる。
本発明のβ−TCPの投与方法としては、外科的処置により体内へ直接移植する方法であれば特に制限されず、他の目的の手術の際に、切開箇所に本発明のβ−TCPを移植することもできる。また生体への負担を軽減する観点から、通常の注射器や固形物の挿入用注射器によって、最小限の開口部から本発明のβ−TCP組成物を体内に移植する方法を好適に例示することができる。この場合、本発明のβ−TCP組成物としては、β−TCP顆粒を含む懸濁液や、ゲル状やペースト状に調製されたβ−TCPや固形β−TCPを充填した注射器、例えば棒状(長円柱状)のβ−TCP緻密体が充填されたデバイス(導入装置)や、棒状(長円柱状)β−TCP緻密体とそのデバイス(導入装置)のセットを挙げることができる。また、投与量は、疾病の種類、病変の大きさ、患者の体重等により適宜選定することができ、好ましくは0.01mg〜100g、より好ましくは0.1mg〜10g、さらに好ましくは1mg〜1gを例示することができる。
本発明におけるワクチン組成物としては、ワクチンを含む組成物であれば特に制限されず、好ましくはがん細胞に特異的に発現している抗原ペプチド、あるいは正常細胞では低い発現を示すが、がん細胞で高い発現を示す抗原ペプチドを含む組成物であり、がん細胞抽出液を用いることも、人工的に合成したり、遺伝子工学的手法を用いて作製した抗原ペプチドを使用することも、あるいは市販品を入手して利用することもできる。例えば、子宮頸がん予防用でパピローマウイルスに対するワクチンのサーバリックス(グラクソ・スミスクライン社)及びガーダシル(メルク社、治験実施中)、非小細胞肺がん治療用でMUC-1(mucin 1)に対するワクチンのStimuvax(メルクセローノ社、治験実施中)など、既に市場に出ているあるいは開発途中のワクチンをはじめ、悪性黒色腫(メラノーマ)で発現するMAGE(melanoma-associated antigen)、gp100(glycoprotein 100)、TRP−2(tyrosinase-related protein 2)、様々ながんで発現するNY−ESO−1(cancer/testis antigen 1B)やCEA(carcinoembryonic antigen)などの腫瘍関連抗原、また、最近同定されたURLC10(up-regulated lung cancer 10),TTK(TTK protein kinase)、KOC1(IGF II mRNA結合タンパク質3)、RNF43(ring fingerタンパク質43)、TOMM34(translocase of outer mitochondrial membrane 34)、CDCA1(cell di- vision cycle associated 1)、KIF20A(kinesin family member 20A)、DEPDC1(DEP domain-containing protein 1)、MPHOSPH1(M phase phosphoprotein 1)など腫瘍特異的に発現する遺伝子群、HER2/neu(上皮成長因子受容体2)やWT1(Wilms tumor 1)などのがん遺伝子やp53とその変異体などのがん抑制遺伝子の産物である蛋白、または腫瘍への血管新生に関与するVEGFR1(血管内皮細胞増殖因子受容体−1)及びVEGFR2(血管内皮細胞増殖因子受容体−2)などの増殖因子受容体蛋白等、腫瘍または腫瘍周辺組織(VEGFR1とVEGFR2)で特異的あるいは優先的に発現される蛋白由来の抗原ペプチドを含む医薬組成物を例示することができる。かかる抗原ペプチドの長さも1アミノ酸からタンパク質全長まで、適宜調製することができ、好ましくは1〜1000アミノ酸、より好ましくは2〜300アミノ酸、さらに好ましくは3〜100アミノ酸を挙げることができる。かかるワクチン組成物は薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤などの各種調剤用配合成分を含んでいてもよく、経口的又は非経口的に投与することができ、例えば粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の剤型で経口的に投与することができ、あるいは、例えば溶液、乳剤、懸濁液等の剤型にしたものを注射により非経口投与することができる他、スプレー剤の型で鼻孔内投与することもできるが、注射や点滴による非経口投与を好適に例示することができる。
本発明のワクチン療法キットや本発明のワクチン療法の効果増強剤は、a)対象の体内にβ−リン酸三カルシウムを移植するステップ;及びb)対象にワクチン組成物を投与するステップ;を備えたワクチン組成物によるワクチン療法に用いることもできる。ワクチン組成物は、β−TCPが移植されると同時、又はその前後に対象に投与され、投与量や投与回数はワクチン組成物の活性の強さ、疾病の種類、患者の体重、投与形態等により適宜選定することができ、例えば好ましくは1日あたり0.0001〜100mg/kg(体重)、より好ましくは0.01〜50mg/kg(体重)、さらに好ましくは0.1〜10mg/kg(体重)を挙げることができる。好ましくは本発明のβ−TCPが移植されると同時、又はその後にワクチン組成物を対象への投与を開始し、一定期間ごとに数回、好ましくは、2週ごとに、計2回投与する例を挙げることができる。また、本発明におけるワクチン組成物はコンプリートアジュバントやインコンプリートアジュバントを含んでもよく、例えばフロイントのコンプリートアジュバントやフロイントのインコンプリートアジュバントの併用を挙げることもできる。また、本発明におけるワクチン組成物は、ワクチン組成物以外の他の薬剤、サプリメントなどの投与と併用してもよく、手術などの外科療法と併用することもできる。
本発明のワクチン組成物を用いるワクチン療法の効果増強剤は、ワクチン組成物の投与のみによるワクチン療法と、コントロール又は本発明のβ−TCP組成物及びワクチン組成物の投与を併用した場合の治療効果とを比較した場合に、β−TCP組成物を併用した方が高い治療効果が得られるという効果を有する。例えば腫瘍マーカーの値の減少や、例えば腫瘍サイズを指標として比較した場合に、ワクチン療法のみに比べ、ワクチン療法に加えてβ−TCPを併用した方が、腫瘍サイズが縮小、あるいは増加しないことを調べることにより、本発明の効果を具体的に確認することができる。
また本発明は、β−TCPを移植したマウスを、新たなワクチン組成物の効果の検証や、候補物質の段階では薬効の弱いワクチン組成物のスクリーニングにも用いることもできるという効果を有する。例えば、抗腫瘍効果の検証には多くの場合ヌードマウスが用いられるが、ヌードマウスでは抗腫瘍効果をもたらす可能性のあるエフェクター細胞がNK細胞だけであるのに対し、本発明における実験系では正常なマウスを用いて、NK細胞だけでなくT細胞及びB細胞の関与についても検討できるため、よりヒトの臨床(がん患者など)に近い試験を行うことができる。
以下に、具体例によってさらに説明する。
[β−TCPを用いたワクチン組成物によるワクチン療法]
<具体例1>
例えば、以下の実験群を設定することができる。
1群:対照群
2群:アジュバント投与群
3群:β−TCP移植群
4群:アジュバント投与+β−TCP移植群
5群:アジュバント−OVAペプチド投与群
6群:アジュバント−OVAペプチド投与+β−TCP移植群
(1)6週齢の雄性マウス(C57BL/6)側腹部皮下にφ5mm×厚さ2mmの円板状のβ−TCPの錠剤(3,4,6群)または同サイズのプラスチック片(1,2,5群)を移植する。
(2)7日後、移植したβ−TCP錠剤またはプラスチック片の近傍にアジュバントFCA(Freund’s complete adjuvant)又はFIA(Freund’s incomplete adjuvant)に懸濁したOVA(オバルブミン)ペプチド(アミノ酸配列:SIINFEKL)1〜100μgを皮内投与する。
(3)14日後、上記(2)の手順を再度繰り返す。
(4)21日後、移植及び投与を行った反対側の側腹部皮下に1×10〜1×10個のマウス・リンパ腫細胞E.G7-OVA(ATCC社より購入)を移植し、腫瘍の形成及び生存期間について観察する。
本実験で使用するE.G7-OVA細胞は、遺伝子導入によりニワトリ・オバルブミンを発現し、MHCクラスI上にOVAペプチドを提示することが知られている。OVAペプチドによる免疫が有効に作用した場合、マウス体内にはOVAペプチド特異的な細胞傷害性T細胞が誘導され、免疫後にE.G7-OVAを移植しても腫瘍の生着は阻止される。したがって、1〜5群に比べて6群において腫瘍の形成が抑えられれば、β−TCPはワクチン・アジュバンドとして機能したと評価することができる。
<具体例2>
本実験では例えば以下の実験群を設定することができる。
1群:対照群
2群:アジュバント投与群
3群:β−TCP移植群
4群:アジュバント投与+β−TCP移植群
5群:アジュバント−TRP−2ペプチド投与群
6群:アジュバント−TRP−2ペプチド投与+β−TCP移植群
(1)6週齢の雄性マウス(C57BL/6)側腹部皮下にφ5mm×厚さ2mmの円板状のβ−TCPの錠剤(3,4,6群)または同サイズのプラスチック片(1,2,5群)を移植する。
(2)7日後、移植したβ−TCP錠剤またはプラスチック片の近傍にアジュバントFCA(Freund’s complete adjuvant)又はFIA(Freund’s incomplete adjuvant)に懸濁したTRP−2(Tyrosinase-related protein 2)ペプチド(アミノ酸配列:VYDFFVWL)1〜100μgを皮内投与する。
(3)14日後、上記(2)の手順を再度繰り返す。
(4)21日後、移植及び投与を行った反対側の側腹部皮下に1×10〜1×10個のマウス・メラノーマ細胞B16(ATCC社より購入)を移植し、腫瘍の形成及び生存期間について観察する。1〜5群に比べて6群において腫瘍の形成が抑えられれば、β−TCPはワクチン・アジュバンドとして機能したと評価することができる。
<具体例3>
本実験では例えば以下の実験群を設定することができる。
1群:対照群
2群:アジュバント投与群
3群:β−TCP移植群
4群:アジュバント投与+β−TCP移植群
5群:アジュバント−WT1ペプチド投与群
6群:アジュバント−WT1ペプチド投与+β−TCP移植群
(1)6週齢の雄性マウス(C57BL/6)側腹部皮下にφ5mm×厚さ2mmの円板状のβ−TCPの錠剤(3,4,6群)または同サイズのプラスチック片(1,2,5群)を移植する。
(2)7日後、移植したβ−TCP錠剤またはプラスチック片の近傍にアジュバントFCA(Freund’s complete adjuvant)又はFIA(Freund’s incomplete adjuvant)に懸濁したWT1ペプチド(アミノ酸配列:RMFPNAPYL)1〜100μgを皮内投与する。
(3)14日後、上記(2)の手順を再度繰り返す。
(4)21日後、移植及び投与を行った反対側の側腹部皮下に1×10〜1×10個のmWT1-C1498(WT1発現マウス白血病細胞;ATCC社より購入)を移植し、腫瘍の形成及び生存期間について観察する。1〜5群に比べて6群において腫瘍の形成が抑えられれば、β−TCPはワクチン・アジュバンドとして機能したと評価することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
[β−TCPの作製方法]
β−TCPブロックは、人工骨として製品を購入することもできるが、原料のβ−TCPと水、界面活性剤、発泡剤を混ぜ、焼結することにより作製することもできる。かかるβ−TCPブロックは、気孔率75%や気孔率60%であった。また、β−TCP粉末やβ−TCP顆粒については、前記気孔率75%のβ−TCPブロックを粉砕し、篩にかけて粒径75〜105μmのβ−TCP粉末(気孔率:60〜70%)を得た。また、同様に篩にかけて得られた25〜75μmのβ−TCP(気孔率:40〜50%)とPBS溶液を混合後、すぐに液体上部4分の3部分の液体を採取し、1000rpmにて3分間の遠心操作で沈殿から0.05〜25μmのβ−TCPミクロン顆粒(気孔率:35〜50%)を、上清から0.05〜5μmのミクロン顆粒を採取した(気孔率:20〜30%)。また、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム及び水を適切な割合で混合してスラリーを調製し、調製したスラリーを摩砕しながら反応させた後に乾燥させ、得られた固形物を粉砕して仮焼することでβ−TCP粉末が得られ、その粉末を圧縮形成することによりφ5×2mm錠剤に賦形し、600〜1500℃で30時間焼結することで、円板状のβ−TCP緻密体錠剤を作製した(気孔率:0.1〜20%)。また、β−TCPの原料粉末30g、界面活性剤6.0mL、水10mLとを遠心管に注入し、250rpmで4分間処理することで脱泡処理をし、型に注入して自然乾燥させ、離型後、1300℃にて焼結することで、φ0.9×10mmの柱状のβ−TCP緻密体棒剤を作製した(気孔率:10〜30%)。なお、作製した各β−TCPの気孔率は、水銀法にて、初期圧に対応する直径約180μmの細孔にまで水銀が圧入された時の試料体積に対する値として測定された。
作製したβ−TCP顆粒(サイズ25〜75μm)と免疫細胞の結合を走査型電子顕微鏡にて観察した結果を図1に示す。また、作製したβ−TCP緻密体錠剤、及び緻密体棒剤を、走査型電子顕微鏡にて観察した結果を図2、図3に示す。また、β−TCP緻密体を皮下に移植した正常マウスから組織サンプルを採取し、HE染色し、顕微鏡にて観察した結果を図4に示す。リンパ球が集積し、天然のリンパ節と似た構造となっていることがわかった。また、サイズ0.05〜105μmのβ−TCP顆粒(気孔率0〜70%)を皮下に移植したマウスから組織サンプルを採取し、HE染色し、顕微鏡にて観察した結果を図5に示す。サイズ75μm以上のβ−TCP顆粒はマクロファージを誘導し(N=13)、75μm以下の顆粒はリンパ球を集め(N=11)、サイズ0.05〜25μmの微小顆粒はリンパ球集塊を形成した。また、φ5×2mmのβ−TCP緻密体(気孔率:18%)を皮下に移植したマウスの組織サンプルを抗CD45R抗体、抗CD3抗体、抗CD49b抗体、抗CD11c抗体、抗F4/80R抗体、又は抗D2−40抗体を用いて、それぞれB細胞、T細胞、NK細胞、樹状細胞、マクロファージ、リンパ管を免疫組織染色して顕微鏡にて観察した。結果を図6〜図11に示す。以上の結果から、皮下に移植された焼結により緻密化したβ−TCPは、リンパ球(B細胞、T細胞、NK細胞)、樹状細胞、マクロファージを誘導し、人工リンパ節として利用できることが確認された。抗腫瘍効果の検証には、多くの場合ヌードマウスが用いられる。しかしながらヌードマウスでは抗腫瘍効果をもたらす可能性のあるエフェクター細胞がNK細胞だけであるのに対し、本発明のβ−TCPを移植したマウスは、T細胞及びB細胞の関与についても検討できるため、よりヒトの臨床(癌患者)に近い状態での試験を行うことができることが確認できた。
[β−TCPを用いたワクチン組成物によるワクチン療法:その1]
(1)ワクチンの実験系には、C57BL/6系統のマウスとトリ・オバルブミンを発現するマウスのリンパ腫細胞であるE.G7-OVA(ATCC社より購入)を用いる腫瘍モデル実験系を用いた。この系を用いて、以下の3群を設定した。
1)コントロール群:無処置動物にE.G7-OVAを移植した群
2)OVA投与群:OVA蛋白を投与後にE.G7-OVAを移植した群
3)OVA+TCP群:TCPを移植、及びOVA蛋白を投与後にE.G7-OVAを移植した群
6週齢の雄性マウス(C57BL/6)側腹部皮下にφ5mm×厚さ2mmの円板状のβ−TCP緻密体(気孔率:0.1〜12%)の錠剤を移植した(OVA+TCP群)。
(2)7日後、移植したβ−TCP錠剤周囲の皮内(OVA+TCP群)または側腹部皮内(OVA投与群)に100μgのOVA蛋白を投与した。
(3)14日後、上記(2)の手順を再度繰り返した。
(4)21日後、側腹部皮下に1×10個のE.G7-OVA細胞を移植し、腫瘍の形成及び増殖について観察した。
結果を図12に示す。図12中の*は、β−TCP移植後にOVA蛋白で免疫したOVA+TCP群では、実験開始42日後及び45日後においてコントロール群に比べて有意に腫瘍増殖が抑制されたことを示す(t-test、p<0.05)。本実験で使用するE.G7-OVA細胞は、遺伝子導入によりニワトリ・オバルブミンを発現し、MHCクラスI上にOVAペプチドを提示することから、3)群においてはOVAペプチドによる免疫が有効に作用し、マウス体内でOVAペプチド特異的な細胞傷害性T細胞が誘導され、腫瘍増殖が抑制されたと考えられる。
本発明は、ワクチン療法や、ワクチン療法の補助療法、腫瘍治療法などの医療分野や、アジュバントなどの分野などに好適に利用することができる。

Claims (18)

  1. 対象の体内に移植されて用いられる気孔率0.1〜12%のβ−リン酸三カルシウムを有効成分とする組成物と、ワクチン組成物とを備え、前記β−リン酸三カルシウムを有効成分とする組成物の投与後にワクチン組成物を投与することを特徴とするワクチン療法キット。
  2. 体内が、皮内、皮下、又は筋肉内であることを特徴とする請求項1記載のワクチン療法キット。
  3. β−リン酸三カルシウムが病変近傍に移植されることを特徴とする請求項1又は2記載のワクチン療法キット。
  4. 病変近傍が、病変から0.1〜15cmの距離にある領域であることを特徴とする請求項3記載のワクチン療法キット。
  5. ワクチン組成物が、がん特異的抗原ワクチンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のワクチン療法キット。
  6. がん特異的抗原ワクチンが、TRP−2(Tyrosinase-related protein 2)、WT1(Wilms tumor 1)、又はがん細胞抽出液(Tumor lysate)由来の抗原ペプチド又はタンパク質であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のワクチン療法キット。
  7. β−リン酸三カルシウムが、T細胞、B細胞、NK細胞、樹状細胞、及びマクロファージを活性化、誘導、又は集積することを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のワクチン療法キット。
  8. β−リン酸三カルシウムが、錠剤又は柱状体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のワクチン療法キット。
  9. β−リン酸三カルシウムが、粒径0.05〜25μmの粒子又は顆粒であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のワクチン療法キット。
  10. 対象の体内に移植されて用いられる気孔率0.1〜12%のβ−リン酸三カルシウムを有効成分とするワクチン組成物を用いるワクチン療法の効果増強剤であって、前記β−リン酸三カルシウムを有効成分とする組成物の投与後に前記ワクチン組成物を投与することを特徴とする、ワクチン療法の効果増強剤。
  11. 体内が、皮内、皮下、又は筋肉内であることを特徴とする請求項10記載のワクチン療法の効果増強剤。
  12. β−リン酸三カルシウムが病変近傍に移植されることを特徴とする請求項10又は11記載のワクチン療法の効果増強剤。
  13. 病変近傍が、病変から0.1〜15cmの距離にある領域であることを特徴とする請求項12記載のワクチン療法の効果増強剤。
  14. ワクチン組成物が、がん特異的抗原ワクチンであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか記載のワクチン療法の効果増強剤。
  15. がん特異的抗原ワクチンが、TRP−2(Tyrosinase-related protein 2)、WT1(Wilms tumor 1)、又はがん細胞抽出液(Tumor lysate)由来の抗原ペプチド又はタンパク質であることを特徴とする請求項14記載のワクチン療法の効果増強剤。
  16. β−リン酸三カルシウムが、T細胞、B細胞、NK細胞、樹状細胞、及びマクロファージを活性化、誘導、又は集積することを特徴とする請求項10〜15のいずれか記載のワクチン療法の効果増強剤。
  17. β−リン酸三カルシウムが、錠剤又は柱状体であることを特徴とする請求項10〜16のいずれか記載のワクチン療法の効果増強剤。
  18. β−リン酸三カルシウムが、粒径0.05〜25μmの粒子又は顆粒であることを特徴とする請求項10〜16のいずれか記載のワクチン療法の効果増強剤。
JP2012555742A 2011-01-31 2012-01-30 ワクチン・アジュバント Active JP6082901B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011018844 2011-01-31
JP2011018844 2011-01-31
PCT/JP2012/000584 WO2012105224A1 (ja) 2011-01-31 2012-01-30 ワクチン・アジュバント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012105224A1 JPWO2012105224A1 (ja) 2014-07-03
JP6082901B2 true JP6082901B2 (ja) 2017-02-22

Family

ID=46602449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012555742A Active JP6082901B2 (ja) 2011-01-31 2012-01-30 ワクチン・アジュバント

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20140030296A1 (ja)
JP (1) JP6082901B2 (ja)
WO (1) WO2012105224A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020158833A1 (ja) 2019-01-31 2020-08-06 セルメディシン株式会社 無機塩類タンパク複合医療機器

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018047693A1 (ja) 2016-09-09 2018-03-15 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10511957A (ja) * 1995-01-05 1998-11-17 ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ ミシガン 表面改質ナノ微粒子並びにその製造及び使用方法
JP2007000637A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Heraeus Kulzer Gmbh 成形可能なインプラント材料及びその使用
JP2007515452A (ja) * 2003-12-23 2007-06-14 ファーメクサ エイ/エス ワクチン接種用および薬物送達用リポソームおよびリポソーム組成物
JP2007217307A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Meiji Univ 薬剤送達用担体及びそれを利用した医薬
JP2009542681A (ja) * 2006-06-30 2009-12-03 バイオミメティック セラピューティクス, インコーポレイテッド 回旋筋腱板傷害を処置するためのpdgf−生体マトリックス組成物および方法
JP2010047603A (ja) * 2003-01-15 2010-03-04 International Institute Of Cancer Immunology Inc 二量体化ペプチド
JP2010126434A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Olympus Corp 癌細胞抑制剤および癌細胞抑制シート

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL74289A (en) * 1985-02-10 1989-02-28 Israel State Vaccine system comprising a live-non-virulent vaccine and an adjuvant
US8333996B2 (en) * 1995-05-19 2012-12-18 Etex Corporation Calcium phosphate delivery vehicle and adjuvant
US6872518B2 (en) * 1997-09-22 2005-03-29 University Of Rochester Methods for selecting polynucleotides encoding T cell epitopes
US6858386B1 (en) * 1998-05-21 2005-02-22 Diadexus, Inc. Method of diagnosing, monitoring, staging, imaging and treating colon cancer
GB9817662D0 (en) * 1998-08-13 1998-10-07 Crocker Peter J Substance delivery
US6949251B2 (en) * 2001-03-02 2005-09-27 Stryker Corporation Porous β-tricalcium phosphate granules for regeneration of bone tissue
CN1320923C (zh) * 2001-06-29 2007-06-13 中外制药株式会社 含有基于癌抑制基因wt1的产物的癌抗原和阳离子脂质体的癌疫苗
US20040013649A1 (en) * 2002-05-10 2004-01-22 Inex Pharmaceuticals Corporation Cancer vaccines and methods of using the same
US7473678B2 (en) * 2004-10-14 2009-01-06 Biomimetic Therapeutics, Inc. Platelet-derived growth factor compositions and methods of use thereof
FR2959229B1 (fr) * 2010-04-21 2013-01-18 Vect Horus Derives peptidiques, leur preparation et leurs utilisations

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10511957A (ja) * 1995-01-05 1998-11-17 ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ ミシガン 表面改質ナノ微粒子並びにその製造及び使用方法
JP2010047603A (ja) * 2003-01-15 2010-03-04 International Institute Of Cancer Immunology Inc 二量体化ペプチド
JP2007515452A (ja) * 2003-12-23 2007-06-14 ファーメクサ エイ/エス ワクチン接種用および薬物送達用リポソームおよびリポソーム組成物
JP2007000637A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Heraeus Kulzer Gmbh 成形可能なインプラント材料及びその使用
JP2007217307A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Meiji Univ 薬剤送達用担体及びそれを利用した医薬
JP2009542681A (ja) * 2006-06-30 2009-12-03 バイオミメティック セラピューティクス, インコーポレイテッド 回旋筋腱板傷害を処置するためのpdgf−生体マトリックス組成物および方法
JP2010126434A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Olympus Corp 癌細胞抑制剤および癌細胞抑制シート

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020158833A1 (ja) 2019-01-31 2020-08-06 セルメディシン株式会社 無機塩類タンパク複合医療機器
KR20210132054A (ko) 2019-01-31 2021-11-03 셀 메디신 가부시키가이샤 무기 염류 단백 복합 의료 기기

Also Published As

Publication number Publication date
US20140030296A1 (en) 2014-01-30
JPWO2012105224A1 (ja) 2014-07-03
WO2012105224A1 (ja) 2012-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2682038T3 (es) Una mezcla de péptidos
US9326942B2 (en) Medicament, particularly an anti-cancer medicament, for treatment using immunotherapy, particularly autologous
JP2018509936A (ja) 結腸直腸癌を治療するための細胞透過性ペプチド、カーゴ、及びtlrペプチドアゴニストを含む新規複合体
CA2994272C (en) Modified yeast-brachyury immunotherapeutic compositions
JPWO2003028758A1 (ja) 抗原特異的t細胞の誘導方法
JP6998880B2 (ja) 医薬
ES2900262T3 (es) Un medicamento para el uso en un método para inducir o extender una respuesta inmunitaria citotóxica celular
JP6311094B2 (ja) 医薬
JP6082901B2 (ja) ワクチン・アジュバント
WO2017177907A1 (zh) 抗免疫检查点pd-l1和pd-l2肿瘤疫苗
JP5990752B2 (ja) 抗体療法の効果増強剤
Izumoto Peptide vaccine
CN110639013A (zh) 一种以il-33为佐剂的hpv纳米疫苗组合物及其制备方法
JP5966129B2 (ja) 免疫賦活剤
GR1009868B (el) Εξατομικευμενο εμφυτευμα κατα του καρκινου
JP2021535115A (ja) マイクロカプセルに基づくワクチン
JP5828470B2 (ja) 免疫誘導剤
AU2003277641B2 (en) Remedy for cancer
CN110177552A (zh) 用于调节pd-1信号转导的组合物
KR100522526B1 (ko) 면역 치료용 수지상 세포의 제조방법
KR100530576B1 (ko) 수지상세포를 이용한 암 면역 치료방법
D’Souzaa Needle-Free Delivery of Ovarian Cancer Particulate Vaccine
WO2002055103A1 (fr) Vaccins anti-tumoraux

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6082901

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250