JP6081873B2 - 界面活性剤 - Google Patents
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Description
界面活性剤は一般に泡立ちしやすいが、泡立ちは洗浄作業にとって必須ではなく、むしろ弊害となる場合が多い。また、洗浄廃液の泡立ちによる河川の汚染が問題化しており、泡立ちが少ない界面活性剤へのニーズが高まっている。
泡立ちが少ない、いわゆる低起泡性の界面活性剤としては、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド等よりなるもの(例えば、特許文献1参照。)、非イオン活性剤よりなるもの(例えば、特許文献2、3参照。)等が知られている。
すなわち、本発明は以下の通りである。
下記式(1)で表される官能基と、
下記式(2)で表される官能基と、
を有する化合物を含む、界面活性剤。
前記化合物が、前記式(2)で表される官能基を二つ有する、前記〔1〕に記載の界面活性剤。
〔3〕
前記化合物が、下記式(3)で表される、前記〔1〕又は〔2〕に記載の界面活性剤。
M1は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を表す。
nは、1又は2の整数を表す。複数あるM1は同じであっても異なっていてもよい。)
前記化合物中のR1が、炭素原子を1〜18個有する飽和炭化水素基である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の界面活性剤。
〔5〕
前記化合物中のR1が、n−ペンチル基である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の界面活性剤。
本実施形態の界面活性剤は、
下記式(1)で表される官能基と、
下記式(2)で表される官能基と、
を有する化合物(以下、単に「化合物」と記載する場合がある。)を含有する。
原料入手や製造容易性の観点から、R1は、飽和もしくは不飽和の炭化水素基であることが好ましく、飽和炭化水素基であることがより好ましい。
R1の炭素数は、製造容易性の観点から1〜18であるものとし、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましい。
好ましくは、n−ペンチル基又はペンタ−2−エニル基であり、より好ましくは工業的実施の観点からn−ペンチル基である。
R1がn−ペンチル基又はペンタ−2−エニル基である場合、前記式(1)の5員環誘導体構造は、天然香料であるジャスモン酸誘導体に相当し、生分解性に優れているという観点からも好ましい。
原料入手や製造容易性ならびに界面活性能の観点より、M1はアルカリ金属又は有機アンモニウムであることが好ましい。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属としては、以下に限定されるものではないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられ、有機若しくは無機アンモニウムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリエタノールアンモニウム、アンモニウムが挙げられ、塩基性アミノ酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルギニン、リシンが挙げられる。M1としては、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアンモニウムが好ましく、ナトリウムがより好ましい。
疎水基として前記式(1)で表す5員環構造を有することにより、低起泡性を達成することができる。
5員環構造は強直でかさ高いため、それが疎水基部分に存在すると、疎水基同士の密な配列が阻害され、その結果起泡性が抑制されるものと考えられる。
当該炭化水素基は、置換又は非置換のカルボキシル基、エステル基、アミド基、水酸基、アミノ基、硫酸基、リン酸基で置換されていてもよい。
下記式(3)において、R1及びM1は、前記式(1)、式(2)と同様に定義される。
下記一般式(3)の化合物の入手や製造容易性の観点からnは2が好ましい。
本実施形態の界面活性剤に含まれる前記化合物は、シクロペンタノン骨格を有するカルボン酸誘導体とアミノ酸を用いて、エステル交換やアミド化を行うことにより、製造することができる。
シクロペンタノン骨格を有するカルボン酸誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジャスモン酸、ジヒドロジャスモン酸、ツベロン酸、及びプロスタグランジンが挙げられる。
アミノ酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、ロイシン、イソロイシン、グリシン、アラニン、メチルアラニン、及びリシンが挙げられる。
(その他の界面活性剤)
本実施形態の界面活性剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記化合物のその他の公知の界面活性剤を混合することができる。
このような公知の界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が挙げられる。特に、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
この中でも特に好ましいノニオン系界面活性剤としては、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、親油型モノステアリン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル類;モノオレイン酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル、デカオレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル類;モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
この中でも特に好ましい両性界面活性剤としては、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルエチレンジアミン2ナトリウム等のグリシン型両性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アシル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のラウリルアミノプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
この中でも特に好ましいカチオン系界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム等のアルキル4級アンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルピジニウム、塩化アルキルジメチル(エチルベンジル)アンモニウム等の環式4級アンモニウム塩等が挙げられる。
この中でも特に好ましいアニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸及びその塩等のアルキルエーテルカルボン酸型アニオン系界面活性剤、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルアルキルタウリン塩等のN−アシル有機酸塩型アニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類等が挙げられる。
本実施形態の界面活性剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、香料、油分、油溶性薬剤、ヒドロキシ化合物、及び水溶性成分と混合して用いることができる。
<香料>
香料としては、天然香料、合成香料、調合香料、天然香料から単離した単離香料等が挙げられる。これらの香料は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を配合して用いてもよい。
炭化水素類の合成香料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、オシメン、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、ミルセン、ジヒドロミルセン、リモネン、テルピノーレン、α−フェランドレン、p−サイメン、β−カリオフィレン、β−ファルネセン、ビサボレン、セドレン、バレンセン、ツヨプセン、ロンギホレン等が挙げられる。
油分としては、以下の高級アルコール類、アラルキルアルコール及び誘導体、高級脂肪酸類、その塩、及びその誘導体類、炭化水素類、ワックス類、植物油脂類、動物性油脂類、動物性油脂類、動物性ロウ類、リン脂質類、リン脂質誘導体類、ステロール類、サポゲニン類、サポニン類、ステロールエステル類、脂質複合体、モノアルコールカルボン酸エステル類、オキシ酸エステル類、多価アルコール脂肪酸エステル類、ダイマー酸もしくはダイマージオールの誘導体、脂肪酸アルカノールアミド類、シリコーン類、及びフッ素系油剤類の油分が挙げられる。
前記ラノリン類としては、例えば、液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステル等が挙げられる。
油溶性薬剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビタミンCステアリン酸エステル、ビタミンCパルミチン酸エステル、ビタミンCジパルミチン酸エステル、ビタミンCテトライソパルミチン酸エステル、ビタミンCアルキルエーテル、トラネキサム酸誘導体、油溶性甘草エキス等の美白剤;ビタミン類およびそれらの誘導体;抗炎症剤、アシル化アミノ酸等のアミノ酸誘導体;レチノール及びその誘導体、レチノイン酸及びその誘導体、アスタキサンチン、トコトリエノール、ユビキノン等の抗老化剤;グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びそれらの誘導体、スフィンゴ脂質、セラミド、リン脂質等の肌荒れ防止剤、β−カロテン、トコフェロール及びその誘導体等の抗酸化剤;γ−オリザノール、ニコチン酸ベンジル、ビオチン、エストラジオール等の育毛剤;その他脂溶性植物エキス等が挙げられる。
ヒドロキシ化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。
1価のヒドロキシ化合物としては、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
2価のヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ダイマージオール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸、ジヒドロキシ酒石酸、メバロン酸、3,4−ジヒドロキシケイ皮酸、3,4−ジヒドロキシヒドロけい皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシフェニルアラニン等が挙げられる。
3価のヒドロキシ化合物としては、例えば、グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びトリヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
4価のヒドロキシ化合物としては、例えば、ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン及びソルビタン等が挙げられる。
5価のヒドロキシ化合物としては、例えば、アドニトール、アラビトール、キシリトール及びトリグリセリン等が挙げられる。
6価のヒドロキシ化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース及びアロース等が挙げられる。
ヒドロキシ化合物としては、上述した2〜6価のヒドロキシル化合物の脱水縮合物やポリグリセリン等も挙げられる。
テトロースとしては、エリスロース、スレオース及びエリスルロース等が挙げられる。
ペントースとしては、リボース、アラビノース、キシロース、リクソース、キシルロース及びリブロース等が挙げられる。
単糖類としては、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ギューロース、イドース、ガラクトース、タロース、フラクトース、ソルボース、プシコース及びタガトース等のヘキソース等が挙げられる。
オリゴ糖類としては、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトース、ツラノース、トレハロース、サッカロース、マンニトリオース、セロトリオース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース、セロテトロース及びスタキオース等が挙げられる。
その他の糖類としては、ヘプトース、デオキシ糖、アミノ糖、チオ糖、セレノ糖、アルドン糖、ウロン酸、糖酸、ケトアルドン酸、アンヒドロ糖、不飽和糖、糖エステル、糖エーテル及びグリコシド等の残基でもよく、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン及びキトサン等の多糖類又は上記した糖類を加水分解したものでもよい。
水溶性成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド等の蛋白ペプチド類及びその誘導体;パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等のアシル化ペプチド類;ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等のアミノ酸類及びその塩並びに誘導体;18−メチルエイコサン酸塩、分岐脂肪酸(12〜31)塩、ラノリン脂肪酸塩、エチル硫酸18−メチルエイコサン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸長鎖分岐脂肪酸(12〜31)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等の18−メチルエイコサン酸及びアンテイソ脂肪酸誘導体;糖セラミド等の水溶性スフィンゴ脂質;アスコルビン酸及びそのナトリウム等の塩等のビタミンC類;アスコルビン酸エチルエーテル等のアスコルビン酸アルキルエーテル、アスコルビン酸−2−グルコシド等のアスコルビン酸グルコシド及びその脂肪酸エステル、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩及びアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、パルミトイルアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩、リン酸トコフェリルアスコルビル等のアスコルビン酸リン酸エステル塩等のアスコルビン酸誘導体;チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;コリン類等のビタミンB群類;パントテン酸、パンテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン等のその他ビタミン類;トコフェロールリン酸エステル等の水溶性ビタミンE類;アルブチン、α−アルブチン等のヒドロキノン配糖体及びそのエステル類;コウジ酸、エラグ酸塩、トラネキサム酸塩及びその誘導体、フェルラ酸塩及びその誘導体、プラセンタエキス、グルタチオン、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、グアイアズレン、アラントイン、インドメタシン、カフェイン、α−リポ酸、ルチン及び配糖体等の誘導体;ヘスペリジン及び配糖体等の誘導体;西河柳エキス等の各種植物エキス等が挙げられる。
また、本実施形態の界面活性剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、pH調整剤、キレート剤、増粘剤等の各種添加剤と混合して用いることができる。
pH調整剤としては、以下に限定されるものでないが、例えば、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタミン酸、アルギニン、アスパラギン酸、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸及びチオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。
キレート剤としては、金属捕獲作用があれば、特に限定されるものではないが、例えば、コンプレキサン、アラニン、エチレンジアミンヒドロキシエチル3酢酸3ナトリウム、エデト酸、エデト酸2ナトリウム、エデト酸2ナトリウムカルシウム、エデト酸3ナトリウム、エデト酸4ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、フィチン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。
この中でも特に好ましいキレート剤としては、アラニン、エデト酸2ナトリウム、エデト酸2ナトリウムカルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。
増粘剤としては、増粘を示す成分であれば特に限定されないが、例えば、キサンタンガム、カルボキシルビニルポリマー及びアクリル酸系ポリマー等が挙げられる。
<ノニオン性高分子>
ノニオン性高分子としては、例えば、アラビアゴム及びトラガントゴム等の天然ゴム類;サポニン等のグルコシド類;メチルセルロース、カルボキシセルロース及びヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子;ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩及びリン酸塩等の陰イオン性高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルメチルグリコシド等が挙げられる。
高分子系界面活性剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体及びトラガントゴム等が挙げられる。
天然系界面活性剤としては、例えば、レシチン、ラノリン、コレステロール、フィトステロール、及びサポニン等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、椿油、パーシック油、ひまし油、ミンク油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、卵黄油、パーム油、パーム核油、合成トリグリセライド及びホホバ油等が挙げられる。
炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス及びイソパラフィン等が挙げられる。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウ及びその誘導体等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸及び軟質ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、へキシルデカノール及びオクチルドデカノール等が挙げられる。
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル及びステアリン酸ブチル等を、揮発性及び不揮発性の油分としては、金属石鹸、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン及び揮発性シリコーン等のシリコーン類等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、トリメチルグリシン、ソルビトール、ラフィノース、ピロリドンカルボン酸塩類、乳酸塩類、ヒアルロン酸塩類及びセラミド類等が挙げられる。
水溶性及び油溶性高分子としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、グアーガム、ローカストビンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース及びシリコーンレジン等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びその塩類、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸及びその塩類、リン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸塩類、メタリン酸塩並びにヒノキチール類が挙げられる。
美白剤としては、例えば、アルブチン、コウジ酸、アスコルビン酸、ヒノキチール及びその誘導体等が挙げられる。
血行促進剤としては、例えば、センブリエキス、セファランチン、ビタミンE及びその誘導体、ガンマーオリザノール、トウガラシチンキ、ショオウキョウチンキ、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジルエステル等が挙げられる。
抗炎症剤としては、例えば、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸及びヒドロコルチゾン等が挙げられる。
収斂剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛及びタンニン酸等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、BHA(butylated hydroxyanisole)、BHT(butylated hydroxytoluene)、没食子酸及びNDGA(nordihydroguaiaretic acid)等が挙げられる。
その他、メントール及びカンフル等の清涼剤、抗ヒスタミン剤、高分子シリコーン及び環状シリコーン等のシリコーン系物質、エストラジオール、エストロン及びエチニルエストラジオール等の皮脂抑制剤、イオウ、サリチル酸及びレゾルシン等の角質剥離・溶解剤等が挙げられる。
その他、例えば、カキョクエキス、N−メチル−L−セリン、ホエイ、ニコチン酸アミド、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、メバロン酸、γ−アミノ酪酸(γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸を含む)、アルテアエキス、アロエエキス、アンズ核エキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、海水乾燥物、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カロットエキス、キューカンバエキス、ゲンチアナエキス、酵母エキス、米胚芽油、コンフリーエキス、サボンソウエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シラカバエキス、セイヨウハッカエキス、センブリエキス、ビサボロール、プロポリス、ヘチマエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、海草、米ヌカ、カンゾウ、チンピ、トウキ、モモノハの粉砕物、スフィンゴ脂質、グアイアズレン及びビタミンC等を添加剤として用いてもよい。
さらに、必要に応じて一般的に化粧料又は皮膚外用剤に配合される添加成分を混合してもよい。以下に限定されるものではないが、例えば、油性基剤、感触向上剤、高分子、ゲル化剤、溶剤、噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤、抗菌剤、酸、アルカリ、粉体、無機塩、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類及びその誘導体類、消炎剤、育毛用薬剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、ひきしめ剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、酵素、核酸、色素、着色剤、染料、顔料、水等が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化鉄、群青、酸化クロム、カーボンブラックなどの有色顔料;酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム等の白色顔料;タルク、マイカ、カオリン等の体質顔料が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤としては、シリカ、ローストビーンガム、コラーゲン、シリコンレジンポリペプチド等から形成されるカプセルに内包したものも使用できる。
例えば、紫外線吸収剤内包シリカカプセルとして、ユーソレックスの製品名(メルク社製) で市販されているものを使用することができ、またローストビーンガムのカプセル体として、例えば、フィトスフィアの製品名(コレチカ社製)で市販されているものを使用することができる。
さらに、紫外線散乱剤として微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等を使用することができる。またアルミナ等により親水化処理したものやシリコン等で疎水処理を行ったものも使用できる。
界面活性剤の特性は、以下の方法によって評価した。
表面張力−濃度プロットを用いる常法に従い、各界面活性剤の臨界ミセル濃度(CMC)を測定した。
各界面活性剤の5質量%水溶液(水酸化ナトリウムを用いpH=7.0に調整した。 25℃)10mLを、25mLの共栓比色管に入れ、Vortex撹拌機で振盪(3,000rpm、1分)し、振盪直後と下記表1中に示す各時間の泡高さより、起泡性と泡沫安定性をそれぞれ求めた。
なお、泡沫安定性は次式により求めた。
泡沫安定性[%]=(表1中に示す各時間における泡高さ[cm])/(振盪直後の泡高さ[cm])×100
ジヒドロジャスモン酸1当量(ジクロロメタン溶液)に、N−〔3−(Dimethylamino)propyl〕−N−ethylcarbodiimide2当量、Dimethylaminopyridine0.1当量、トリエチルアミン2.5当量を加え、0℃で1時間撹拌した。
次に、グルタミン酸ジメチル塩酸塩1.5当量(ジクロロメタン溶液)とトリエチルアミン2.5当量を加え、1日撹拌した。
得られた溶液を、希NaHCO3水溶液と希塩酸で洗浄し、その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去後カラムクロマトグラフィーで精製し、下記式(4)で示されるジメチルエステルを得た。下記式(4)中、Meは、メチル基を示す。
(4)
当該抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH=7に調整した。その後、凍結乾燥することにより、下記式(5)で示される界面活性剤を製造した。
(5)
ジヒドロジャスモン酸に代えて、ジャスモン酸メチルを用いた。その他の条件は、製造例−1と同様にして下記式(6)で表される界面活性剤を製造した。
L−グルタミン酸1当量を溶媒(水/アセトン=3/2質量比)に溶解した。
トリエチルアミン4当量とデカノイルクロライド1.5当量を加え、5℃で12時間撹拌した後、酢酸エチルを加え分液した。
有機層を希塩酸と水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去した。
得られた粗生成物を再結晶し(ヘキサン/酢酸エチル)、下記式(7)で表される界面活性剤を製造した。
図3に示すデータが得られ、上記式(7)に示す化合物が得られたことが確認された。
デカノイルクロライドに代えて、オクタノイルクロライドを用いた。その他の条件は、製造例−3と同様にして下記式(8)で表される界面活性剤を製造した。
図4に示すデータが得られ、上記式(8)に示す化合物が得られたことが確認された。
製造例−1〜5の各界面活性剤の起泡性・泡沫安定性の評価結果を表1に示した。
実施例1と2は、本発明の必須要件を満足しているので、比較例1〜3に比較して起泡性が飛躍的に低減化されていることが分かった。
また、界面活性剤/水二成分系相状態図を作成した結果、上記式(5)の化合物は、直鎖状化合物と同様に、ミセル溶液(Wm)相→非連続キュービック液晶(I1)相→ヘキサゴナル液晶(H1)相へと転移したが、(Wm)相領域は、直鎖状化合物と比較して拡大した。直鎖状化合物は鎖長の増加に伴い液晶相がより低濃度で形成される傾向が認められた。これは界面活性剤分子の臨界充填パラメータ(CPP)が増大し、負の曲率をもつ会合体の形成が有利になるためであると考えられる。
各界面活性剤の(I1)相(50質量%)、及び(H1)相(65質量%)について格子定数および面間隔を算出した。その結果、上記式(5)の化合物の格子定数はn−オクタノイルグルタミン酸ナトリウムの格子定数と近い値になり、ジヒドロジャスモン酸骨格が直鎖の長さにしておよそ8に相当することが分かった。
また、格子定数からミセル会合数を求めたところ、上記式(5)の化合物はn−オクタノイルグルタミン酸ナトリウムに比べて、より少ない分子数でミセルを形成していることが分かった。
さらに、上記式(5)の化合物及び直鎖状化合物の温度−濃度相図も作成した。直鎖状化合物においては温度の上昇に伴い、I1→H1、H1→Lαと曲率の小さい会合体に相転移することが分かった。一方、上記式(5)の化合物の場合には(I1)→(Wm)の相転移を示した。上記式(5)の化合物の疎水部は嵩高い構造を有しており、形成される分子集合体のパッキングが緩くなることが分かった。そのため、温度上昇に伴って熱運動が激しくなり、規則構造が崩壊したと考えられる。
上述した相挙動は、疎水基にシクロペンタノン骨格を有する化合物は、直鎖状の疎水基を有する化合物に比べ分子集合体の充填密度が低いことを示唆している。それが本発明の化合物の低起泡性発現機序と推察される。
Claims (5)
- 下記式(1)で表される官能基と、
下記式(2)で表される官能基と、
を有する化合物を含む、界面活性剤。
(前記式(1)中、R1は、炭素原子を1〜18個有する炭化水素基又は水素原子を表す。前記式(2)中、M1は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を表す。) - 前記化合物が、前記式(2)で表される官能基を二つ有する、請求項1に記載の界面活性剤。
- 前記化合物が、下記式(3)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の界面活性剤。
M1は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を表す。
nは、1又は2の整数を表す。複数あるM1は同じであっても異なっていてもよい。) - 前記化合物中のR1が、炭素原子を1〜18個有する飽和炭化水素基である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の界面活性剤。
- 前記化合物中のR1が、n−ペンチル基である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の界面活性剤。
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