JP6081343B2 - インパクタモデルおよび衝撃解析シミュレーション方法 - Google Patents
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Description
回転軸を備えると共に一端にカウンターウェイトモデルが設定され、試験対象品モデルに対し、角速度の入力により回転軸周りに試験対象品モデルへ向けて回転可能な回転本体部モデルと、
回転本体部モデルの回転軸から離間する位置に設定され、回転本体部モデルの回転動作に伴って試験対象品モデルに回転打撃を入力可能なヘッドフォーム部モデルと、
回転打撃の入力によりヘッドフォーム部モデルに生じる加速度を算出する加速度算出要素モデルを備える、
ことを主要な特徴とする。
試験対象品モデルを設定するステップと、
回転軸を備えると共に一端にカウンターウェイトモデルが設定された回転本体部モデルと、回転本体部モデルの回転運動に伴って試験対象品モデルに回転打撃を入力するヘッドフォーム部モデルと、回転打撃の入力によりヘッドフォーム部モデルに生じる加速度を算出する加速度算出要素モデルを備えるインパクタモデルを設定するステップと、
インパクタモデルに回転打撃条件を設定するステップと、
角速度の入力により回転軸周りにインパクタモデルを回転させ、試験対象品モデルに回転打撃を入力する衝撃シミュレーションを行うステップと、
衝撃シミュレーションにおいて加速度算出要素モデルにより算出された加速度を取得するステップを含むことを主要な特徴とする。
(S1−1)材料物性の測定
実車の評価試験に用いるインストルメントパネル11(図11参照)は、樹脂製のインストルメントパネル本体と、板金製のインストルメントパネルリーンフォースと、同じく板金製の取り付けブラケットの各部品から組み合わされている。まず、インストルメントパネル11に使用される各部品(樹脂部品、板金部品)の材料試験片を引っ張り試験機を用いて引っ張り試験を行い、引っ張り速度毎の応力−歪線図、ヤング率、ポアソン比を測定する。図7に使用材料の応力−歪線図の一例を示す。また、インストルメントパネル本体のヤング率は1600Mpa、ポアソン比は0.3、インストルメントパネルリーンフォース(取り付けブラケットを含む)のヤング率は205000Mpa、ポアソン比は、0.3である。
次に、各部品の形状データをコンピュータに入力し、試験対象品モデルの各部品モデル、すなわち、図4に示すインストルメントパネル本体モデル210、インストルメントパネルリーンフォースモデル220を設定する。具体的にはコンピュータに入力した各部品の形状データの各要素を三角形要素や四角形要素などのシェル要素あるいは六面体要素や四面体要素などのソリッド要素からなる有限要素にメッシュ分割し、コンピュータで計算可能な数値データとして設定する。
次に、各部品について上記測定により取得した材料特性((応力−歪線図、ヤング率、ポアソン比)を、速度依存の特性値に変換して、各部品モデル、すなわち、インストルメントパネル本体モデル210、インストルメントパネルリーンフォースモデル220のそれぞれの属性として付与する。
(S1−4)各部品モデルのアッセンブリ
次に、図4に示す各部品モデル、すなわち、インストルメントパネル本体モデル210、インストルメントパネルリーンフォースモデル220を、インストルメントパネルにおける各部品の組み合わせ状態と一致するようにコンピュータ上で互いに位置合わせし、インストルメントパネルモデル200として設定する。
次に、上記インストルメントパネル12における各部品は、回転打撃入力時に部品どうしが互いに拘束しあう箇所、また、回転打撃入力を受けて部品間の隙間を塞ぐように部品どうしが互いに接触する箇所が存在する。回転打撃入力時の挙動に適合するようにインストルメントパネルモデル200に拘束条件と接触条件を設定する。
次に、実車の評価試験に用いるインストルメントパネル11にあわせて、打撃箇所が一致するように、インストルメントパネルモデル200に打撃箇所を設定する。この打撃箇所の要素はインストルメントパネルモデル200の属性として付与する。
次に、上記のようにして設定されたインストルメントパネル200に対し、インパクタモデル100を設定する。インパクタモデル100は、回転本体部モデル110とヘッドフォーム部モデル120と加速度算出要素モデル130とカウンターウェイトモデル140を備えている。図11に示す実車の評価試験に用いる打撃インパクタ10は、試験機の一部に所定長の回転本体部10aが回転可能に支持され、回転本体部10aの回転軸(O0)と重心(G0)を挟んで反対側の回転方向(R)下側に図示しない取り付け部を介して中空で一定の厚みをもつ半球形状のヘッドフォーム部12が図示しないカウンターウェイトと共に取り付け固定されており、ヘッドフォーム部12の内部に加速度計(図示せず)が設置されている。
次に、コンピュータ上で、インストルメントパネルモデル200に対するインパクタモデル100の回転打撃条件を設定する。インパクタモデル100の回転打撃条件の設定には、インストルメントパネルモデル200に対するインパクタモデル100の位置条件の設定と、インパクタモデル100の荷重条件および回転条件の設定が含まれる。実車の評価試験においては、試験機に回転自在に支持された打撃インパクタを試験品に向けて回転させ、打撃インパクタのヘッドフォーム部を試験品の打撃箇所に衝突させて回転打撃を与える。
まず、インパクタモデル100の位置条件として、インストルメントパネルモデル200とインパクタモデル100との相対的な位置関係を設定する。インパクタモデル100の回転によりインストルメントパネルモデル200の設定された打撃箇所(P1)(図5参照)にヘッドフォーム部モデル120が衝突するように、両モデルを位置合わせする。具体的には、インストルメントパネル200の打撃箇所(P1)に対するインパクタモデル100の回転軸(O1)の相対位置を、実車の評価試験におけるインストルメントパネル11の打撃箇所(P0)(図11参照)に対するインパクタ10の回転軸(O0)の相対位置と一致するように設定し、この回転軸(O1)の要素はインパクタモデル100の属性として付与する。
次に、インパクタモデル100の荷重条件として、実車の評価試験におけるインパクタの総重量(W0=22kg)と重心(G0)に対し、インパクタモデル100の重心(G1)位置を合わせ、同重心(G1)位置に作用するインパクタモデル100の総重量(W1)が等価(22kg)となるように設定する(図3参照)。インパクタモデル100の重心(G1)位置および総重量(W1)の各要素はインパクタモデル100の属性として付与する。
次に、インパクタモデル100の回転条件として、図3に示すように、インパクタモデル100を回転軸(O1)周りの回転方向(R)への移動を許容し、それ以外の移動を拘束するように、回転本体部モデル110、ヘッドフォーム部モデル120、取り付け部モデル111、加速度算出要素モデル130の全ての節点に拘束条件を設定する。また、図11に示す実車の評価試験におけるインパクタの角速度(V0)と同じ角速度(V1)をインパクタモデル100に付与できるように設定する。入力される角速度(V1)は任意に変更可能であり、インパクタモデル100の属性として付与される。なお、インパクタモデル100は、角速度(V1)の入力により、回転軸(O1)周りに回転し、インストルメントパネルモデル200の打撃箇所(P1)へ衝突するように設定される。インパクタモデル100の回転開始位置は任意に設定できるが、計算時間の短縮化を図るため、打撃直前の位置、例えばインストルメントパネルモデル200に設定された打撃箇所(P1)から回転方向Rと反対方向に5度ないし15度の角度だけ戻る位置)に設定する。
次に、有限要素法(FEM)による解析が可能な衝撃解析ソフトを用いて、図3および図5に示すように、インパクタモデル100を回転させてインストルメントパネルモデル200に回転打撃を入力する衝撃シミュレーションを行う。すなわち、上記ステップ(S1)乃至(S3)で設定した各種解析条件、拘束条件等の下、角速度(例えばV1=8.0rad/s)の入力により、打撃直前の位置から、インパクタモデル100を回転させてインストルメントパネル200の打撃箇所(P1)にヘッドフォーム部120を衝突させる。同時にヘッドフォーム部120内の安定部位に設定された加速度算出要素モデル130により、衝突時の減速度(加速度)を精度良く算出する。
次に、衝撃シミュレーションを行ったインストルメントパネルモデル200から評価値として減速度データを取得するステップを行う。本ステップで得られる減速度データは、インストルメントパネルの設計開発において、多数種類の樹脂部品と板金部品の組み合わせ、各部品の形状変更、軽量化などの事前検討を行うために利用する。減速度データの評価値は、前記ステップ(S4)で予め設定され衝撃シミュレーションの中で出力されかつ記憶され、本ステップ(S5)で取得され、また出力装置上で可視化される。衝撃シミュレーションを繰り返し実行することができる。
2 試験車両(実車)
3 スキン
4 球体部
5 エンドプレート
6 加速度計
10a 回転本体部
11 インストルメントパネル
12 ヘッドフォーム部
100 インパクタモデル
110 回転本体部モデル
111 取り付け部モデル
120 ヘッドフォーム部モデル
121 球形部モデル
130 加速度算出要素モデル
140 カウンターウェイトモデル
200 インストルメントパネルモデル
210 インストルメントパネル本体モデル
220 インストルメントパネルリーンフォースモデル
O0,O1 回転軸
G0,G1 重心
P0,P1 打撃箇所
R 回転方向
V0,V1 角速度
W1 総重量
Claims (6)
- 回転軸を備えると共に一端にカウンターウェイトモデルが設定され、試験対象品モデルに対し、角速度の入力により回転軸周りに試験対象品モデルへ向けて回転可能な回転本体部モデルと、
回転本体部モデルの回転軸から離間する位置に設定され、回転本体部モデルの回転動作に伴って試験対象品モデルに回転打撃を入力可能なヘッドフォーム部モデルと、
回転打撃の入力によりヘッドフォーム部モデルに生じる加速度を算出する加速度算出要素モデルを備える、ことを特徴とするインパクタモデル。 - 加速度算出要素モデルが、ヘッドフォーム部モデルの安定部位に設定されていることを特徴とする、請求項1記載のインパクタモデル。
- 加速度算出要素モデルが、ヘッドフォーム部モデルの安定部位であって、中空であるが一定の厚みを持つソリッドモデル部位の内面に設定されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のインパクタモデル。
- 回転本体部モデルの回転軸とヘッドフォーム部モデルの間に質量を任意に付加設定可能な重心位置が設定されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のインパクタモデル。
- 試験対象品モデルを設定するステップと、
回転軸を備えると共に一端にカウンターウェイトモデルが設定された回転本体部モデルと、回転本体部モデルの回転運動に伴って試験対象品モデルに回転打撃を入力するヘッドフォーム部モデルと、回転打撃の入力によりヘッドフォーム部モデルに生じる加速度を算出する加速度算出要素モデルを備えるインパクタモデルを設定するステップと、
インパクタモデルに回転打撃条件を設定するステップと、
角速度の入力により回転軸周りにインパクタモデルを回転させ、試験対象品モデルに回転打撃を入力する衝撃シミュレーションを行うステップと、
衝撃シミュレーションにおいて加速度算出要素モデルにより算出された加速度を取得するステップを含む、ことを特徴とする衝撃解析シミュレーション方法。 - 試験対象品モデルを構成する材料特性の異なる複数の部品モデルを設定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5記載の衝撃解析シミュレーション方法。
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JP2013226139A JP6081343B2 (ja) | 2013-10-31 | 2013-10-31 | インパクタモデルおよび衝撃解析シミュレーション方法 |
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JP2013226139A JP6081343B2 (ja) | 2013-10-31 | 2013-10-31 | インパクタモデルおよび衝撃解析シミュレーション方法 |
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