JP6081163B2 - 放射性セシウムの除染液 - Google Patents
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Description
CMC 添加量=Mg当量数×CMC 平均分子量÷(CMC 平均重合度×CMC 平均エーテル化度)
放射性セシウムの除染液を下記の順序にて作成した。
(1-1) 塩化マグネシウム6水塩を純水に溶解し、塩化マグネシウム0.03M水溶液100mlを作った。
(1-2) フェロシアン化カリウム3水塩を純水に溶解し、0.03M水溶液100mlを作った。
(1-3) (1-2) に (1-1) を全量加え、均一に混合した後、密栓したガラス容器に入れ、常温にて静置したところ、100時間を経過しても沈殿を生じなかった。
放射性セシウムの除染液を下記の順序にて作成した。
(2-1) 塩化カルシウム2水塩を純水に溶解し、塩化カルシウム0.03M水溶液100mlを作った。
(2-2) フェロシアン化カリウム3水塩を純水に溶解し、0.03M水溶液100mlを作った。
(2-3) (2-2) に (2-1) を全量加え、均一に混合した後、密栓したガラス容器に入れ、常温にて静置したところ、100時間を経過しても沈殿を生じなかった。
上記 (1-3) で作成した混合溶液(除染液)を用いて、放射性セシウムに汚染された各種試料の除染試験を下記のように行った。
(3-1) 表面各所が放射性セシウムに汚染された約15cm角、厚み4cmの花崗岩を取り、汚染度の最も高い表面を流水でよく洗い流した後、上記除染液を注ぎかけ、花崗岩の表面を濡らし約10分間放置した。その後同じく流水で洗滌し、洗浄前後の表面汚染度(ガンマ線カウント数)を、携帯型放射線測定器(米国製インスペクタープラスGM計数管式測定器)を用いて測定した。測定器の計数管部分を厚さ3mmのアルミ板で遮蔽することによりベータ線を遮断し、花崗岩表面から発生するガンマ線のみを測定するように注意した。測定は、花崗岩表面より1cmの距離で、毎分のカウント数(cpm)を20回測定し、その平均値を放射線量の測定値とした。それぞれの放射線量測定値より実験室の環境放射線量測定値を差し引いた値を、表面汚染度の測定値とした。測定結果は、最初の流水による洗浄後で196cpm、その後除染液にて濡れ処理した後流水で洗浄後153cpm、前後の放射線測定値の比として得られた除染率は、22.0%であった。
放射性セシウムで表面を汚染された約20cm角、厚み3cmのコンクリート片を試料として、(3-1) と同様に除染試験を行った。除染液で処理する前の放射線量は257cpm、除染液で処理した後の放射線量は197cpmであった。これから同様に計算した除染率は23.3%であった。これは流水下で表面の泥汚れ等を擦り洗いした後に除染液で処理したことによる除染効果の測定結果であり、これにより除染液の十分に高い効果が確認された。
実施例1、2のアルカリ土類金属に替えて2価の遷移金属イオンによる比較を行うため、塩化第一鉄を純水に溶解し、塩化第一鉄0.03M溶液100mlを作り、フェロシアン化カリウム0.03M溶液100mlに混合したところ、直ちに青色の沈殿を生成し、攪拌したが均質な水溶液は得られなかった。同様に上記のフェロシアン化カリウム水溶液に塩化第二銅0.03M溶液100mlを加えた場合でも、混合後直ちに濃褐色の沈殿を生成し、均質な水溶液は得られなかった。これによりフェロシアン塩錯体と2価陽イオンを含む均質な除染液を得るには、アルカリ土類金属の使用が効果的であることを確認した。
放射性セシウムの除染液を下記の順序にて作成した
(5-1) 塩化マグネシウム6水塩を純水に溶解し、下表に掲げる各濃度の水溶液100mlを、また、フェロシアン化カリウム3水塩を純水に溶解し、下表に掲げる各濃度の水溶液100mlを作った。
(5-2) (5-1) で調製した各同一濃度の2種類の水溶液全量同士を、均一に混合した後、密栓したガラス容器に入れ、常温にて静置し、観察して、沈殿発生までの経過時間を計った。その結果を下表に示す。
放射性セシウムの除染液を下記の順序にて作成した。
(6-1) 塩化マグネシウム6水塩を純水に溶解し、塩化マグネシウムの1M溶液を作った。
(6-2) 平均エーテル化度1.4、平均重合度 400のカルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩(CMC-Na)3.8 gを取り、これを無水エチルアルコール20 mlに入れ、静かに攪拌した。
(6-3) 1M塩化マグネシウム溶液 10mlを取り、これにCMC-Na−エチルアルコール混合液を注ぎ、継粉が発生しないよう静かに攪拌した後、純水100mlを加えて均一に溶解するようによく攪拌し、さらに純水200mlを加えて均一に混合したのち常温にて6時間静置した。
(6-4) フェロシアン化カリウム 0.1M溶液 200mlを純水で倍以上に希釈し、更に(6-3)で作成した塩化マグネシウム一CMC-Na−エチルアルコール混合液を加え、攪拌して均一溶液を作った。
(6-5) (6-4) で作成した混合液に純水を加え、全体を1,000mlに合わせた。以上の操作により、塩化マグネシウム 0.01M、CMC-Na 0.38 %、フェロシアン化カリウム0.02 Mの混合溶液(除染液)を作成した。
(6-6) (6-5) にて作成した混合溶液(除染液)200mlを密栓したガラス容器に入れ、常温で60日間静置したが、沈殿を生じなかった。
上記(6-5) で作成した混合溶液(除染液)を用いて、放射性セシウムに汚染された各種の試料の除染試験を下記の通り行った。
(7-1) 表面各所が放射性セシウムで汚染された約20cm角、厚み3cmのコンクリート片を取り、汚染度の最も高い表面を流水でよく洗い流したのち、上記除染液をスポンジにとってコンクリート片の表面を濡らし約10分間放置した。その後、同じく流水で洗浄し、洗浄前後の表面汚染度(ガンマ線カウント数)を、携帯型放射線測定器(米国製インスペクター・プラスGM計数管式測定器)を用いて測定した。測定器の計数管部分を厚さ約3mmのアルミ板で遮蔽することによりベータ線を遮断し、コンクリート表面から発生するガンマ線のみを測定するように注意した。測定は、コンクリート表面より1cmの距離で、毎分のカウント数(cpm)を20回測定し、その平均値を放射線量の測定値とした。それぞれの放射線量測定値より実験室の環境放射線量測定値を差し引いた値を、表面汚染度の測定値とした。測定結果は、最初の流水による洗浄後で、 467cpm、その後除染液にて濡れ処理した後流水による洗浄後で313cpm、この除染処理前後の放射線量測定値の比として得られた除染率は、33.0%であった。
(8-1) (7-1)で除染試験を行ったコンクリート片の表面を更に除染液で濡らし、10分間放置した後、流水にて十分洗浄し、表面のカウント数を (6-1) と同様に測定した。その結果は、除染液による濡れ処理の後流水で洗浄した後の放射線量測定値は290cpm、処理前の放射線量測定値 313cpmとの比として得られた除染率は 9.3%であった。
(8-2) (7-1) と (8-1)の2回の除染作業を加えた除染率(467cpmと290cpmの比より計算)は、38.0%であった。
放射性セシウムで表面を汚染された重さ約2kgの扁平状御影石を試料として、(7-1) 及び (8-1) と同様に除染試験を行った。御影石の表面のうちもっとも放射線量の高かった部分を流水下でブラシを用いてよく擦り洗いを行い、その表面の放射線量を (7-1) と同様の方法で測定した。その後、除染液をスポンジに含ませて御影石表面を十分に濡らし、約10分放置した後、流水でよく洗浄した。
実施例6の条件で、CMC-Na塩とエチルアルコールを加えることなく、除染液と類似の混合溶液1000mlを作成し、そのうち200mlを密栓したガラス容器に入れ、常温で静置したところ、20日経過頃から容器の底面に少数の白色小片の沈殿を観察した。小片はその後も日数の経過とともにその量を増していった。これにより長期間経過しても沈殿を生じない均質で安定な除染液を得るためには、適量のCMC−Naの添加が必要なことを確認した。
Claims (6)
- 汚染物質の表面に固着している放射性セシウムと反応して、放射性セシウムを脱離・除去する除染用水溶液であって、
当該除染用水溶液は、
フェロシアン塩錯体と、
アルカリ土類金属イオンと、
前記アルカリ土類金属イオンと前記フェロシアン塩錯体とを前記除染用水溶液中に共存させるための、複数のカルボキシル基を有する水溶性高分子と、
を含む、ことを特徴とする除染用水溶液。 - 前記アルカリ土類金属イオンが、Mgイオン、Caイオン、またはBaイオンであることを特徴とする請求項1に記載の除染用水溶液。
- 前記フェロシアン塩錯体がフェロシアン化カリウムであり、前記アルカリ土類金属がMgであり、その各々の濃度が0.005M以上かつ0.1M以下であることを特徴とする請求項1に記載の除染用水溶液。
- 前記複数のカルボキシル基を有する水溶性高分子が、カルボキシメチル澱粉、または、カルボキシメチルセルロースであることを特徴とする請求項1に記載の除染用水溶液。
- 前記アルカリ土類金属が、Mgであることを特徴とする請求項4に記載の除染用水溶液。
- 前記フェロシアン塩錯体がフェロシアン化カリウムであり、かつ前記アルカリ土類金属が、Mgであり、その各々の濃度が、0.005M以上かつ0.03M以下であり、かつ、前記複数のカルボキシル基を有する水溶性高分子が、カルボキシメチルセルロースであり、前記カルボキシル基の当量数が、前記Mgイオンの当量数と等しいことを特徴とする請求項4または5に記載の除染用水溶液。
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