以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係るアクチュエータを備えた油圧ショベルを示す概略側面図である。図2は、アクチュエータを駆動させるための油圧回路を示す図である。図3は、アクチュエータを示す概略図である。図4は、アクチュエータを駆動させる油圧ポンプのポンプ最大吐出量線を示すグラフである。図5は、アクチュエータの駆動方法を示す説明図で、(a)はポンプ最大吐出流線図、(b)はレバー操作量を時系列的に示すグラフ、(c)は流量換算した目標シリンダ速さ・ポンプ吐出流量・アシスト量を時系列的に示すグラフである。図6は、アクチュエータの駆動方法を示すフローチャートである。
<全体構成>
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る作業機械としての油圧ショベル1は、一対の走行モータ2a,2bにて駆動される左右一対の走行装置2c,2dを有する下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回モータ3aを介して旋回自在に取り付けられた上部旋回体3とを備えた油圧作業機である。上部旋回体3の前側には、内部に操作レバー4が取り付けられた運転室3bが設けられている。また、上部旋回体3の中間部にエンジン室3cが設けられている。このエンジン室3cの後側には、カウンタウエイト3dが取り付けられ、上部旋回体3の前側には、掘削作業等が可能なフロント作業機5が上下方向に回動可能に取り付けられている。フロント作業機5は、上部旋回体3に一端側が回動自在にピン連結されて俯抑動可能とされたブーム5aと、このブーム5aの先端部に回動自在にピン結合されたアーム5bと、このアーム5bの先端部に4節リンク機構5cを介して回動自在にピン連結されたバケット5dとで構成されている。
フロント作業機5は、ブーム5aを上下動自在に支持し操作駆動させるための一対のブームシリンダ6と、アーム5bを上下動自在に支持し操作駆動させるためのアームシリンダ7と、バケット5dを上下動自在に支持し操作駆動させるためのバケットシリンダ8とを備えている。ブームシリンダ6は、基端側のシリンダチューブ6a側の端部が上部旋回体3の前側上面に回動可能に固定され、先端側のシリンダロッド6b側の端部がブーム5aの基端部の側面に回動可能に固定されている。また、アームシリンダ7は、基端側のシリンダチューブ7a側の端部がブーム5aの中間部の上面に回動可能に固定され、先端側のシリンダロッド7b側の端部がアーム5bの基端部に回動可能に固定されている。さらに、バケットシリンダ8は、基端側のシリンダチューブ8a側の端部がアーム5bの上面に回動可能に固定され、先端側のシリンダロッド8b側の端部が4節リンク機構5cに回動可能に取り付けられている。
<油圧駆動装置>
次いで、油圧ショベル1は、図2に示す油圧駆動装置11にて駆動される。この油圧駆動装置11は、原動機としてのエンジン12と、このエンジン12にて駆動される流体圧ポンプである第1および第2の2つの油圧ポンプ13a,13bと、作動油タンク14と、これら第1および第2油圧ポンプ13a,13bの吐出油路15a,15bに接続されたコントロールバルブ装置16とを備えている。なお、これらエンジン12や第1および第2油圧ポンプ13a,13b等は、エンジン室3cに格納されている。また、コントロールバルブ装置16には、油圧アクチュエータである左右の走行モータ2a,2b、旋回モータ3a、一対のブームシリンダ6、アームシリンダ7、およびバケットシリンダ8がそれぞれ取り付けられている。
コントロールバルブ装置16は、センタバイパス型の方向制御弁21,22,23,24を含む第1バルブセクション20と、センタバイパス型の方向制御弁31,32,33を含む第2バルブセクション30とを有している。第1バルブセクション20の各方向制御弁21,22,23,24は、切替位置が3位置切替構成とされ、第1油圧ポンプ13aの吐出油路15aにつながるセンタバイパスライン17a上に図示の順序で並列接続されている。また、第2バルブセクション30の各方向制御弁31,32,33は、切替位置が3位置切替構成とされ、第2油圧ポンプ13bの吐出油路15bにつながるセンタバイパスライン17b上に図示の順序で並列接続されている。
ここで、第2バルブセクション30において、センタバイパスライン17a,17bの最上流部には、第1および第2油圧ポンプ13a,13bの最高吐出圧を規制するメインリリーフ弁18が接続されている。このメインリリーフ弁18は、第1および第2油圧ポンプ13a,13bのいずれかが所定の圧力(最大吐出圧)以上となった場合に、これら第1および第2油圧ポンプ13a,13bにて圧送する作動流体としての作動油(圧油)を作動油タンク14へ逃がすためのものである。
第1バルブセクション20の方向制御弁21は、バケット用方向制御弁であり、アクチュエータポート側が油路にてバケットシリンダ8に連結され、このバケットシリンダ8への作動油の流れを制御する。また、方向制御弁22は、第1アーム用方向制御弁であり、アクチュエータポート側が油路にてアームシリンダ7に連結され、このアームシリンダ7への作動油の流れを制御する。さらに、方向制御弁23は、ブーム用方向制御弁であり、アクチュエータポート側が油路にて各ブームシリンダ6に連結され、このブームシリンダ6への作動油の流れを制御する。また、方向制御弁24は、第1走行用方向制御弁であり、アクチュエータポート側が油路にて走行モータ2aに連結され、この走行モータ2aへの作動油の流れを制御する。
一方、第2バルブセクション30の方向制御弁31は、旋回用方向制御弁であり、アクチュエータポート側が油路にて旋回モータ3aに連結され、この旋回モータ3aへの作動油の流れを制御する。また、方向制御弁32は、第2アーム用方向制御弁であり、アクチュエータポート側が第1アーム用方向制御弁22とともに油路にてアームシリンダ7に連結され、このアームシリンダ7への作動油の流れを制御する。さらに、方向制御弁33は、第2走行用方向制御弁であり、アクチュエータポート側が油路にて走行用モータ2bに連結され、この走行モータ2bへの作動油の流れを制御する。
ここで、バケット用方向制御弁21およびブーム用方向制御弁23には、これら方向制御弁21,23の切換位置をパイロット信号圧で制御する第1操作レバー4aが取り付けられている。すなわち、この第1操作レバー4aの操作によって、第1および第2油圧ポンプ13a,13bから供給される作動油の油路が切り換えられ、バケットシリンダ8およびブームシリンダ6の伸縮駆動が制御される。また、第1アーム用方向制御弁22、旋回用方向制御弁31および第2アーム用方向制御弁32には、これら方向制御弁22,31,32の切換位置をパイロット信号圧で制御する第2操作レバー4bが取り付けられている。すなわち、この第2操作レバーの操作4bによって、第1および第2油圧ポンプ13a,13bから供給される作動油の油路が切り換えられ、旋回モータ3aの旋回駆動およびアームシリンダ7の伸縮駆動が制御される。
また、第1走行用方向制御弁24には、この方向制御弁24の切換位置をパイロット信号圧で制御する第3操作レバー4cが取り付けられている。この第3操作レバー4cの操作によって、第1走行用方向制御弁24の油路が切り換えられ、走行モータ2aの駆動が制御される。さらに、第2走行用方向制御弁25には、この方向制御弁25の切換位置をパイロット信号圧で制御する第4操作レバー4dが取り付けられている。すなわち、この第4操作レバー4dの操作によって、第2走行用方向制御弁25の油路が切り換えられ、走行モータ2bの駆動が制御される。ここで、これら第1ないし第4操作レバー4a,4b,4c,4dによって操作レバー4が構成されている。
<電動−油圧複合型シリンダ>
次いで、上記油圧ショベル1に取り付けられているアームシリンダ7等の油圧アクチュエータの構成について説明する。
図3に示すように、油圧アクチュエータ40は、電気−油圧複合型シリンダであって、中空略円柱状のシリンダであるシリンダチューブ41の一端側から細長円柱状のロッドであるシリンダロッド42が同軸かつ軸方向に移動可能に、このシリンダロッド42の一端側が内包されている。このシリンダロッド42の一端側に円盤状のヘッド42aが取り付けられ、このヘッド42aがシリンダチューブ41内の空間を軸方向に沿って二分する。ここで、このシリンダチューブ41内のヘッド42aの端面を囲む空間がボトム室41aとされ、このヘッド42aの反対側の端面とシリンダチューブ41内を囲む空間がロッド室41bとされている。
そして、これらボトム室41aおよびロッド室41bには、これらボトム室41aおよびロッド室42b内の作動油を給排出させるためのポート41c,41dがそれぞれ設けられている。これらポート41c,41dは、シリンダチューブ41の周面が開口されて設けられており、これらポート41c,41dからのボトム室41aおよびロッド室41bへの作動油の給排出によりシリンダロッド42をシリンダチューブ41に対し伸縮駆動させる。さらに、このシリンダロッド42の先端側と、シリンダチューブ41の他端側である基端側とのそれぞれには、これらシリンダロッド42の先端側およびシリンダチューブ41の他端側を、油圧ショベル1の所定位置にピンを介して回動自在に締結させるためのピン挿入部42b,41eがそれぞれ設けられている。
さらに、油圧アクチュエータ40には、この油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の伸縮駆動をアシストするためのアシスト装置50が取り付けられている。このアシスト装置50は、電動モータ51を備え、この電動モータ51は、油圧アクチュエータ40のシリンダチューブ41の一端寄りの側部に取り付けられている。また、電動モータ51は、この電動モータ51を駆動させた際の電力にて油圧アクチュエータ40の伸縮駆動をアシストする。すなわち、この電動モータ51は、油圧ポンプ13からの作動油の給排によるシリンダロッド42への駆動力とは異なる駆動力として、この電動モータ51を駆動させた際の駆動力をシリンダロッド42に与え、このシリンダロッド42の伸縮駆動の速さを目標とする速さとなるよう電動アシストする。
具体的に、この電動モータ51には、外周面に周方向に向けて螺旋状のねじ溝52aが形成された略円柱状のシャフトである送りねじ部52の基端側が取り付けられ、この電動モータ51の駆動にて送りねじ部52が周方向に回転駆動可能とされている。また、この送りねじ部52は、この送りねじ部52の軸方向をシリンダロッド42の軸方向に沿わせて取り付けられており、これら送りねじ部52とシリンダロッド42とが並行になるように設置されている。さらに、この送りねじ部52は、シリンダチューブ41の一端側からのシリンダロッド42の最大突出量より大きな長さ寸法に形成されている。
一方、シリンダロッド42のピン挿入部42bより基端側の先端寄りの位置には、このシリンダロッド42の径方向に沿った軸方向を有する略円柱状のソレノイド部53が設けられている。このソレノイド部53には、シリンダロッド42の径方向に向けて突出した細長円柱状の係合部としての突起部54が伸縮可能に取り付けられている。この突起部54は、ソレノイド部53にて形成される電磁力により、この突起部54の軸方向への移動量が制御される。さらに、この突起部54は、送りねじ部52の径方向に沿って突出する構成とされており、この突起部54の先端部が送りねじ部52のねじ溝52aに嵌合する位置から、このねじ溝52aから離れ、このねじ溝52aへの嵌合が完全に解除される位置までの間を移動する。ここで、送りねじ部52の軸方向の長さや、突起部54と送りねじ部52との位置関係については、シリンダロッド42が最も縮んだ状態および最も伸びた位置のそれぞれにおいて、突起部54が送りねじ部52のねじ溝52aに確実に嵌合可能な構成とされている。
さらに、電動モータ51には、この電動モータ51へ電力を供給するための電源55が取り付けられている。そして、この電源55と電動モータ51との間には、この電動モータ51への供給電圧を制御する電圧調整器56と、この電圧調整器56と電源55との接続を開閉するスイッチ57とが取り付けられている。また、これら電圧調整器56およびスイッチ57は、信号線56a,57aを介して制御部としてのコントローラ58にそれぞれ接続されており、このコントローラ58にてスイッチ57がオンオフ制御されるとともに、電圧調整器56による電圧調整が制御される。また、このコントローラ58は、信号線53aを介してソレノイド部53に接続されており、このコントローラ58にてソレノイド部53による突起部54の伸縮駆動が制御される。
また、コントローラ58には、信号線51aを介して電動モータ51が接続されている。さらに、このコントローラ58には、油圧アクチュエータ40を操作する操作レバー4の操作量を検出するためのセンサとしてレバー操作量検出部61が信号線61aを介して接続されている。また、このコントローラ58には、油圧ポンプ13から吐出される作動油の吐出圧を検出するセンサとしてポンプ吐出圧検出部62と、この油圧ポンプ13から吐出される作動油の吐出流量を検出するセンサとしてポンプ吐出流量検出部63とが信号線62a,63aを介してそれぞれ接続されている。これらポンプ吐出圧検出部62およびポンプ吐出流量検出部63は、油圧ポンプ13の吐出油路15に取り付けられている。さらに、コントローラ58には、エンジン12の回転数を検出するセンサとしてエンジン回転数検出部64が信号線64aを介して接続されている。
そして、コントローラ58には、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を伸縮駆動させた際の、このシリンダロッド42の実際の速さである実シリンダ速さcを検出するセンサとしてシリンダ速さ検出部65が信号線65aを介して接続されている。このシリンダ速さ検出部65は、例えば油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42のピン挿入部42b寄りの位置に取り付けられており、このシリンダロッド42を伸縮駆動させた際のシリンダチューブ41に対する実シリンダ速さcを検出する。
<動作原理>
次に、上記油圧アクチュエータ40を油圧ポンプ13にて油圧駆動させる際の動作原理について説明する。
(伸長動作)
まず、油圧アクチュエータ40を油圧のみで伸長させる場合は、エンジン12を駆動させた状態で操作レバー4を操作し、油圧ポンプ13と油圧アクチュエータ40のボトム室41aとの間の油路、およびロッド室41bと作動油タンク14との間の油路のそれぞれを方向制御弁(図示せず)にて連通させ、この油圧ポンプ13から吐出される作動油がボトム室41aへ供給され、ロッド室41b内の作動油が作動油タンク14へ排出されるようにする。
ここで、ボトム室41a側の作動油の油圧を受ける側のヘッド41aの面積(受圧面積)を「A」とし、ロッド室41b側の作動油の受圧を受ける側のヘッド41aの面積(受圧面積)を「B」とする。そして、ボトム室41a側の油圧を「pa」とし、ロッド室41b側の油圧を「pb」とし、シリンダロッド42の縮長方向に作用する負荷力を「F1」とすると、このシリンダロッド42を伸長させる力が「A×pa」となり、このシリンダロッド42を縮長させる力が「B×pb+F1」となる。
このため、このシリンダロッド42を伸長させる力「A×pa」が、このシリンダロッド42を縮長させる力「B×pb+F1」を超えるよう、油圧ポンプ13の駆動を制御し、この油圧ポンプ13から吐出される作動油によるボトム室41a側の油圧「pa」を高めることにより、シリンダロッド42が伸長する。
(縮長動作)
一方、油圧アクチュエータ40を油圧のみで縮長させる場合は、操作レバー4を操作して油圧ポンプ13と油圧アクチュエータ40のロッド室41bとの間の油路、およびボトム室41aと作動油タンク14との間の油路のそれぞれを方向制御弁(図示せず)にて連通させ、この油圧ポンプ13から吐出される作動油がロッド室41bへ供給され、ボトム室41a内の作動油が作動油タンク14へ排出されるようにする。
この場合に、シリンダロッド42の伸長方向に作用する負荷力を「F2」とすると、このシリンダロッド42を縮張させる力が「B×pb」となり、このシリンダロッド42を伸長させる力が「A×pa+F2」となる。このため、このシリンダロッド42を縮長させる力「B×pb」が、このシリンダロッド42を伸長させる力「A×pa+F2」を超えるよう、油圧ポンプ13を制御し、この油圧ポンプ13から吐出される作動油によるロッド室41b側の油圧「pb」を高めることにより、シリンダロッド42が縮長する。
(電気駆動アシスト)
次いで、上記油圧アクチュエータ40の伸縮駆動を電動モータ51にて電気駆動アシストする場合には、まず、コントローラ58からの指令によりソレノイド部53にて突起部54を突出させる方向に移動させて、この突起部54を送りねじ部52のねじ溝52aに嵌合させ、この送りねじ部52の回転駆動によりシリンダロッド42の伸縮動作をアシストできるようにする。
この状態で、コントローラ58からの指令によりスイッチ57を閉止動作させて、電動モータ51を駆動可能な状態とさせる。そして、コントローラ58からの目標電圧指令により電圧調整器56の出力電圧を制御し、電動モータ51の回転方向とともに、この電動モータ51へ出力される電圧値および印加時間、すなわちアシスト量が制御される。
なお、油圧アクチュエータ40の伸縮駆動を電気駆動アシストしない場合には、コントローラ58からの指令によりソレノイド部53にて突起部54をソレノイド部53側、すなわち沈下する方向に移動させて、この突起部54による送りねじ部52のねじ溝52aへの嵌合を解除させておく。
(流量特性)
次に、上記油圧アクチュエータ40を油圧ポンプ13にて伸縮駆動させる際の油圧ポンプ13の流量特性について説明する。
図4は、油圧ポンプ13の最大吐出流量線(ポンプ特性)を示すPQ線図であり、エンジン12の回転数がNa、Nb、Nc(Na<Nb<Nc)の場合をそれぞれ示している。そして、図4に示すように、この油圧ポンプ13のポンプ吐出圧が高くなるに連れて、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量が徐々に減少していく曲線部Aは、高い回転数の場合ほど、高いポンプ吐出圧側へシフトする傾向がある。
すなわち、図4において、油圧ポンプ13から吐出される作動油は、吐出される際の油圧ポンプ13の回転数とポンプ吐出圧とから参照される最大吐出量線以下のポンプ吐出流量となり、ポンプ吐出流量がそのときのポンプ吐出圧に対応したポンプ最大吐出流量に近づくほど油圧ポンプ13の出力に余裕がなくなることを意味している。
(駆動方法)
次に、上記油圧アクチュエータ40の駆動方法について、図5を参照して説明する。
本駆動方法は、図5に示すように、油圧ポンプ13のポンプ最大吐出流量がポンプ吐出圧に応じて減少する曲線部Aの吐出圧域において油圧アクチュエータ40の操作量を大きくして駆動力を高めてアシストする。ここで、図5(a)はポンプ最大吐出流線図を示しており、図5(b)は操作レバー4のレバー操作量を時系列的に示し、図5(c)は流量換算した目標シリンダ速さ、ポンプ吐出流量、およびアシスト量を時系列的に示している。これら図5(b)および(c)中の時刻t1およびt2は、任意の時刻を示しており、時刻t1、時刻t2の順に時間が経過するものとしている。また、時刻t2は、ポンプ吐出量がそのときのポンプ最大吐出流量に達した時刻を示している。なお、説明を簡略化する観点から、時刻t1から時刻t2までのポンプ吐出圧を一定としている。
そして、本駆動方法では、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がそのときのポンプ最大吐出流量に達した場合に、油圧アクチュエータ40の伸縮駆動をアシストする。すなわち、油圧ポンプ13のポンプ最大吐出流量線を、図5(c)中の曲線1とした場合には、油圧アクチュエータ40の伸縮駆動のアシストを開始する時刻t2以降の時間は、この曲線1とアシスト量との合計流量である曲線2に沿って油圧アクチュエータ40を駆動させることにより、この油圧アクチュエータ40の実際の実シリンダ速さaを目標とする目標シリンダ速さcにすることができる。
(アシスト制御)
次に、上記油圧アクチュエータ40を油圧ポンプ13にて伸縮駆動させた場合に電動モータ51にてアシストするアシスト方法について、図6を参照して説明する。
まず、油圧ショベル1を操作するオペレータにより、ブームシリンダ6、アームシリンダ7およびバケットシリンダ8のいずれかの油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を伸縮駆動操作させるために所定の操作レバー4が操作される。すると、この操作レバー4にて操作された操作対象アクチュエータが、電動モータ51にて電動アシスト可能な油圧アクチュエータ40かどうかがレバー操作量検出部61にて判断される(ステップ1)。
そして、このステップ1での判断により、その操作対象アクチュエータが、電動アシスト可能な油圧アクチュエータ40と判断された場合には(ステップ2)、コントローラ58からの指令によりスイッチ57が閉止動作されてオフ状態とされる(ステップ3)。これに対し、ステップ1での判断により、その操作対象アクチュエータが、電動アシスト可能な油圧アクチュエータ40でないと判断された場合には、油圧アクチュエータ40のアシスト制御が終了となる。
次いで、レバー操作量検出部61にて操作レバー4のレバー操作量を検出する(ステップ4)。そして、このレバー操作量検出部61にて検出した操作レバー4のレバー操作量の検出値について、この操作レバー4のレバー操作量に基づく対象の油圧アクチュエータ40の目標シリンダ速さaとの関係を流量換算して予め設定した参照テーブル(図示せず)を参照して比較し、現在の油圧アクチュエータ40が目標とする基準値である目標シリンダ速さaが算出される(ステップ5)。
この後、シリンダ速さ検出部65にて油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の実際の速度である実シリンダ速さcを測定して検出してから(ステップ6)、ステップ5にて算出した目標シリンダ速さaと、実シリンダ速さcとの偏差量e(e=a−c)を計算する(ステップ7)。ここで、実シリンダ速さcは、送りねじ部52のねじ溝52aに突起部54を嵌合させた状態で、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を伸縮駆動させた際の電動モータ51の回転数から算出することもできる。
そして、この偏差量eが正(e>0)、すなわち実シリンダ速さcが目標シリンダ速さaより低いかどうか判断され(ステップ8)、この偏差量eが正と判断された場合は、ステップ9へ進む。これに対し、偏差量eが正でない(e≦0)と判断された場合は、油圧アクチュエータ40のアシスト制御が終了となる。そして、偏差量eが正と判断された場合は、この偏差量eと、予め設定した一定のゲインgとを乗じて電動モータ51の目標電圧V1を演算する(ステップ9)。
ここで、ゲインgは、油圧アクチュエータ40の仕様毎に異なるものであって、油圧アクチュエータ40を電動駆動アシストした場合に最適な目標電圧V1となるよう予め定めた所定のテーブルである。また、目標電圧V1については、この目標電圧V1を電動モータ51に出力させた場合に、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を駆動させる駆動力を、このシリンダロッド42を伸長させる際は、このシリンダロッド42の縮長方向に作用する負荷力F1分、または、このシリンダロッド42を縮長させる際は、このシリンダロッド42の伸長方向に作用する負荷力F2分ほど、大きくすることができる電圧とされる。
この後、ポンプ吐出圧検出部62にて油圧ポンプ13から吐出される作動油の圧力であるポンプ吐出圧を検出するとともに、ポンプ吐出流量検出部63にて油圧ポンプ13から吐出される作動油の流量であるのポンプ吐出流量を検出し、かつエンジン回転数検出部64にてエンジン12の回転数を検出する(ステップ10)。
そして、例えば図4に示すように、エンジン12の複数の回転数に対する油圧ポンプ13のポンプ最大吐出流量線図のうち、現時点のエンジン12の回転数に最も近い回転数での流量線図を参照して、この油圧ポンプ13のポンプ最大吐出流量を算出する(ステップ11)。なお、ステップ11においては、現時点でのエンジン12の回転数に最も近い2本のポンプ最大吐出流量線や、複数のポンプ最大吐出流線から参照した流量を補完して、ポンプ最大吐出流量を算出することもできる。
この後、ポンプ吐出流量検出部63にて検出したポンプ吐出流量が、算出した現時点でのポンプ最大吐出流量に達しているかどうか判断する(ステップ12)。このステップ12により、ポンプ吐出流量検出部63にて検出した現時点での油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がポンプ最大吐出流量に達していると判断された場合には、電動モータ51を駆動させる目標電圧V1に最大値制限を行う(ステップ13)。
この最大値制限は、電動モータ51に異常な電圧が掛からないように制限するものである。一方、ステップ12により、ポンプ吐出流量検出部63にて検出した現時点での油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がポンプ最大吐出流量に達していないと判断された場合には、油圧アクチュエータ40のアシスト制御が終了となる。
この後、目標電圧V1が0以上(V1>0)かどうか判断され(ステップ14)、この目標電圧V1が0以上の場合には、コントローラ58からの指令によりソレノイド部53が駆動されて突起部54が突出移動され送りねじ部52のねじ溝52aに嵌合される(ステップ15)。この状態で、コントローラ58からの指令により電圧調整器56にて目標電圧V1に電圧調整された最終的な目標電圧Vが電動モータ51に出力される(ステップ16)。
この結果、目標電圧V1が供給された電動モータ51が駆動して送りねじ部52が所定方向に所定のトルクで回転駆動されることにより、この送りねじ部52のねじ溝52aに嵌合している突起部54が送りねじ部52の周方向の回転にてねじ溝52aに押され、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の軸方向に徐々に移動していく。したがって、この油圧アクチュエータ40の油圧駆動が電動駆動アシストされ、このシリンダロッド42を油圧ポンプ13にて伸縮駆動させる際の駆動力を電動モータ51による電力にて高めることができ、このシリンダロッド42の実シリンダ速さcを目標シリンダ速さaに近づけることができる。
さらに、ステップ16にて、電動モータ51に目標電圧Vが出力され、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の伸縮駆動を電動アシストした後は、ステップ4へ戻り、操作レバー4のレバー操作量が改めて検出され、このステップ4からステップ16までの電動アシスト制御が繰り返される。すなわち、操作レバー4の操作を止めニュートラルの位置に戻した場合には、ステップ4にて検出されるレバー操作量が0となり目標電圧Vが0となるため、油圧アクチュエータ40のアシスト制御が終了となる。
<作用効果>
ここで、油圧ポンプ13から供給される作動油の給排のみで駆動させる油圧アクチュエータ40の場合には、この油圧アクチュエータ40の駆動力を作動油の油圧で制御しており、油圧アクチュエータ40のシリンダチューブ41に供給する作動油の流量でシリンダロッド42を伸縮させる際の速さを制御している。油圧ポンプ13は、駆動力発生源であるエンジン12に接続されており、この油圧ポンプ13から吐出される作動油が油圧アクチュエータ40へ供給される。そして、この油圧ポンプ13のポンプ出力は、この油圧ポンプ13から吐出される作動油のポンプ吐出圧とポンプ吐出流量との積で定まり、エンジン12の出力に依存している。
このため、このエンジン12の最大出力を越えないよう、油圧ポンプ13のポンプ吐出圧に応じてポンプ吐出流量を変化させる必要がある。特に、油圧アクチュエータ40が油圧ショベル1に用いられている場合には、フロント作業機5の作業性の観点から、油圧ポンプ13のポンプ吐出圧が0から所定圧までは一定のポンプ吐出流量を維持できるものの、所定圧以上ではポンプ吐出圧に比例してポンプ吐出流量を低下させるものが一般的である。このため、ポンプ吐出圧が所定圧以上となる高負荷作業時においては、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を伸縮させる際の速さが遅くなってしまい、作業スピードが低下してしまう。
そこで、上述した第1実施形態においては、操作レバー4のレバー操作量と、このレバー操作量に応じて油圧ポンプ13から吐出される作動油にてシリンダロッド42を伸縮駆動させた際のシリンダロッド42の実シリンダ速さcとを検出する。そして、この実シリンダ速さcが、操作レバー4を操作したレバー操作量に対応させて予め設定された目標シリンダ速さaより低い場合に、電動モータ51を駆動させ、この電動モータ51にて送りねじ部52を回転させてシリンダロッド42の突起部54を押し、このシリンダロッド42を伸縮駆動させる際の駆動力を高め、このシリンダロッド42の実シリンダ速さcを目標シリンダ速度aに近づけている。
この結果、油圧アクチュエータ40の伸縮駆動を、操作レバー4にて操作した際の操作量に応じて求められる目標シリンダ速さaとなるよう、この油圧アクチュエータ40への作動油の給排にてシリンダロッド42を伸縮駆動させる油圧ポンプ13とは異なる動力源の電動モータ51を用いたアシスト装置50により、この油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42に駆動力を付加し、このシリンダロッド42の伸縮駆動を高めアシストできる。よって、このシリンダロッド42を油圧ポンプ13にて伸縮駆動させた際の実シリンダ速さcを、より適切に目標シリンダ速さaに近づけることができる。したがって、作業負荷の増大によって、油圧ポン13プのポンプ出力の関係から、ポンプ吐出圧が高くなりポンプ吐出流量が低下していく高ポンプ負荷作業時において、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を伸縮駆動させた際の実シリンダ速さcの低下を抑制でき、作業スピードの低下を防止できる。
さらに、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の実シリンダ速さcが目標シリンダ速さaより低い場合に、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量を検出し、この検出したポンプ吐出流量が、油圧ポンプ13のポンプ最大吐出流量に達している場合にのみ、電動モータ51を駆動させてシリンダロッド42の伸縮駆動をアシストし、このシリンダロッド42の駆動力を高めるようにした。
したがって、シリンダロッド42の伸縮駆動をアシストする必要性が高くなる油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がポンプ最大吐出流量に達した場合にのみ、電動モータ51を駆動させてシリンダロッド42の伸縮駆動をアシストするため、このシリンダロッド42の伸縮駆動のアシストをより簡単な構成で確実に行うことができる。また、油圧アクチュエータ40が油圧ショベル1に用いられ、油圧ポンプ13のポンプ出力の観点から、ポンプ吐出圧が所定圧以上の場合にポンプ吐出圧に比例させてポンプ吐出流量を低下させている場合であっても、ポンプ最大吐出流量に達することによりポンプ吐出圧が低下する。よって、ポンプ最大吐出流量に達した場合に、電動モータ51を駆動させてシリンダロッド42の伸縮駆動をアシストすることにより、このシリンダロッド42の伸縮駆動のアシストを適切に行うことができる。
ここで、このシリンダロッド42の伸縮駆動をアシストするアシスト装置50として、送りねじ部52の外周に設けられたねじ溝52aに、シリンダロッド42に取り付けられた突起部54を嵌合させた状態で、この送りねじ部52を電動モータ51にて回転駆動させるようにした。この結果、この送りねじ部52の回転駆動により、この送りねじ部52のねじ溝52aに嵌合した突起部54がねじ溝52aにて押され、この突起部54が取り付けられたシリンダロッド42に油圧ポンプ13からの作動油の給排による駆動力とは異なる駆動力を与えることができ、このシリンダロッド42を軸方向に徐々に移動させることができる。
したがって、油圧ポンプ13からの作動油の給排にてシリンダロッド42を伸縮駆動させる際の駆動力を電動モータ51による電力にて高めることができ、このシリンダロッド42の実シリンダ速さcを目標シリンダ速さaに近づけることができるから、油圧ポンプ13からの作動油の給排によるシリンダロッド42の伸縮駆動を簡単な構成で確実にアシストすることができる。
[第2実施形態]
図7は、本発明の第2実施形態に係るアクチュエータを示す概略図である。本第2実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、電動モータ51にて送りねじ部52を回転駆動させ、この送りねじ部52のねじ溝52aにて突起部54を押して油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の駆動力を高める構成のアシスト装置50に対し、第2実施形態は、電動モータ51にて無端状のチェーン71を回転駆動させ、このチェーン71にて突起部54を押して油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の駆動力を高めるアシスト装置50Aである。なお、本第2実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
このアシスト装置50Aは、図7に示すように、電動モータ51の駆動軸である出力軸51bに駆動輪である駆動用スプロケット72が取り付けられている。この駆動用スプロケット72は、シリンダロッド42の伸縮方向に直交する回転軸を有し、このシリンダロッド42の伸縮方向に向けて回転する。また、この駆動用スプロケット72からシリンダロッド42の先端側に向けて所定間隔を介した位置に、遊輪としての従動用スプロケット73が取り付けられている。この従動用スプロケット73は、駆動用スプロケット72と同様に、シリンダロッド42の伸縮方向に直交する回転軸を有し、このシリンダロッド42の伸縮方向に向けて回転する。
さらに、これら駆動用スプロケット72と従動用スプロケット73との間に無端状のチェーン71が巻回されており、この駆動用スプロケット72の回転にてチェーン71が回転駆動される。このチェーン71の外周側には、このチェーン71の周方向に向けて係合部としての係止歯71aが等間隔に設けられており、このチェーン71のいずれかの係止歯71aにシリンダロッド42に取り付けられた突起部54を嵌合させて係止させ、このシリンダロッド42を伸縮駆動させる際の駆動力を高める。
以上により、上記第2実施形態においては、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の伸縮駆動をアシストするアシスト装置50Aとして、チェーン71の外周のいずれかの係合歯71aに、シリンダロッド42に取り付けられた突起部54を嵌合させて係止させた状態で、このチェーン71を電動モータ51にて回転駆動させるようにした。この結果、チェーン71の回転駆動により、このチェーン71の係止歯71aにて突起部54が押され、この突起部54が取り付けられたシリンダロッド42に対し、油圧ポンプ13からの作動油の給排による駆動力とは異なる駆動力を与えることができる。
したがって、上記第1実施形態と同様に、油圧ポンプ13からの作動油の給排にてシリンダロッド42を伸縮駆動させる際の駆動力を電動モータ51による電力にて高めることができ、このシリンダロッド42の実シリンダ速さcを目標シリンダ速さaに近づけることができる。よって、油圧ポンプ13からの作動油の給排によるシリンダロッド42の伸縮駆動を、チェーン71を用いた比較的簡単な構成で確実にアシストすることができる。
[第3実施形態]
図8は、本発明の第3実施形態に係るアクチュエータを示す概略図である。本第3実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、電動モータ51にて送りねじ部52を回転駆動させ、この送りねじ部52のねじ溝52aにて突起部54を押して油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の駆動力を高めるアシスト装置50に対し、第3実施形態は、電動モータ51にて駆動ギヤ81を回転駆動させ、この駆動ギヤ81にて平板状の駆動部材82を移動させてシリンダロッド42の駆動力を高める構成のアシスト装置50Bである。なお、本第3実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
このアシスト装置50Bは、図8に示すように、電動モータ51の駆動軸51aに駆動ギヤ81が取り付けられている。この駆動ギヤ81は、外周面に複数のギヤ81aが等間隔に形成されている。そして、この駆動ギヤ81には、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の長手方向に沿った長手方向を有する略平板状の駆動部材82が取り付けられている。この駆動部材82は、シリンダロッド42の伸縮方向に沿って移動可能に取り付けられており、この駆動部材82の先端側には、この駆動部材82の厚さ方向に向けて屈曲した固定片82aが設けられており、この固定片82aは、シリンダロッド42のピン挿入部42bの内側に係止されて固定されている。
さらに、駆動部材82の駆動ギヤ81側に面する一側面には、この駆動ギヤ81の各ギヤ81aに噛合可能なギヤ形状部82bが設けられている。このギヤ形状部82bは、駆動部材82の固定片82aが設けられている側の反対側である一側面に設けられ、この一側面の一端側から他端側に向けて等間隔に複数のギヤ82cが形成されている。そして、この駆動部材82のギヤ形状部82bには、駆動ギヤ81のギヤ81aが噛合されている。よって、この駆動ギヤ81を電動モータ51にて回転させることにより、この駆動ギヤ81の回転に伴い、この駆動ギヤ81のギヤ81aにて駆動部材82のギヤ形状部82bがシリンダロッド42の伸縮方向に沿って押されて駆動されるため、このシリンダロッド42を伸縮駆動させる際の駆動力を高めることができる。
以上により、上記第3実施形態においては、アシスト装置50Bとして、シリンダロッド42に固定された駆動部材82のギヤ形状部82bに駆動ギヤ81が噛合されており、この駆動ギヤ81を電動モータ51にて回転駆動させるようにした。この結果、駆動ギヤ81の回転駆動により、この駆動ギヤ81のギヤ81aにて駆動部材82のギヤ形状部82bが押され、この駆動部材82が固定されたシリンダロッド42に対し、油圧ポンプ13からの作動油の給排による駆動力とは異なる駆動力を与えることができる。
したがって、上記第1実施形態と同様に、油圧ポンプ13からの作動油の給排にてシリンダロッド42を伸縮駆動させる際の駆動力を電動モータ51による電力にて高めることができ、このシリンダロッド42の実シリンダ速さcを目標シリンダ速さaに近づけることができる。よって、油圧ポンプ13からの作動油の給排によるシリンダロッド42の伸縮駆動を、駆動ギヤ81を用いた比較的簡単な構成で確実にアシストすることができる。
なお、第1ないし第3実施形態のいずれの実施形態においても、電動モータ51の回転数とシリンダロッド42の速さが比例関係にあるため、シリンダ速さ検出部65を省略して電動モータ51の回転数からシリンダロッド42の速さを算出してもよい。これによりさらに実施形態の構成を簡単にすることができる。
[第4実施形態]
図9は、本発明の第4実施形態に係るアクチュエータを示す概略図である。図10は、アクチュエータの駆動方法を示す説明図で、(a)はポンプ最大吐出流線図、(b)はレバー操作量を時系列的に示すグラフ、(c)は流量換算した目標シリンダ速さ・ポンプ吐出流量・アシスト量を時系列的に示すグラフである。図11は、アクチュエータのアシスト調整ゲインテーブルを示すグラフである。図12は、アクチュエータの駆動方法を示すフローチャートである。
本第4実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、電動モータ51の回転駆動を機械的に油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42に与え、このシリンダロッド42の駆動力を高める構成のアシスト装置50に対し、第4実施形態は、油圧アクチュエータ40を駆動させる油圧ポンプ13とは異なる油圧ポンプであるアシストポンプ91を電動モータ51にて駆動させて、このアシストポンプ91から吐出される作動油の給排にてシリンダロッド42の駆動力を高めるアシスト装置50Cである。なお、本第4実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
このアシスト装置50Cは、図9に示すように、油圧ポンプ13とは異なる他の流体圧ポンプであるアシスト用のアシストポンプ91を備えている。このアシストポンプ91は、電動モータ51の出力が供給され、この電動モータ51にて駆動される。このアシストポンプ91の吐出流路91aは、チェック弁92およびリリーフ弁93を介して方向制御弁94に接続されている。ここで、チェック弁92は、アシストポンプ91から吐出される作動油の逆流を防止する逆流防止弁である。また、リリーフ弁93は、アシストポンプ91から吐出される作動油の最大吐出圧を規制する。具体的に、このリリーフ弁93は、アシストポンプ91のポンプ吐出圧が、このアシストポンプ91のポンプ最大吐出圧より大きくなる場合に、このアシストポンプ91から吐出される作動油の一部を作動油タンク14へ逃がし、このポンプ吐出圧を最大吐出圧以下とする。
さらに、方向制御弁94は、アクチュエータポート側が油路にて油圧アクチュエータ40のボトム室41aおよびロッド室41bの各ポート41c,41dに連結され、この油圧アクチュエータ40への作動油の流れを制御する。よって、この方向制御弁94は、アシストポンプ91から吐出される作動油を、油圧アクチュエータ40のボトム室41aまたはロッド室41bへ切り替える。また、方向制御弁94には、この方向制御弁94を切替駆動させるための切替駆動力生成装置95,96が各信号線95a,96aを介してそれぞれ接続されている。これら切替駆動力生成装置95,96は、それぞれ信号線95b,96bを介してコントローラ58に接続され、このコントローラ58からの各信号線95b,96bを介した指令により、これら切替駆動力生成装置95,96が適宜駆動され、これら切替駆動力生成装置95,96から出力される固定容量の作動油にて方向制御弁94が切替制御される。
(油圧駆動アシスト)
次に、上記油圧アクチュエータ40をアシストポンプ91にてアシストする場合の動作原理について説明する。
油圧アクチュエータ40の伸縮駆動をアシストポンプ91にて油圧駆動アシストする場合には、コントローラ58からの指令によりスイッチ57を閉止動作させて、電動モータ51を駆動可能な状態とさせる。そして、コントローラ58からの目標電圧指令により電圧調整器56の出力電圧を制御し、電動モータ51の回転方向とともに、この電動モータ51へ出力される電圧値および印加時間、すなわちアシスト量が制御される。
このとき、このコントローラ58による電動モータ51の制御と同時に、このコントローラ58からの指令が切替駆動力制御装置95,96に伝達される。この場合に、方向制御弁95の切替位置を、例えばアシストポンプ91と油圧アクチュエータ40のボトム室41aとを連通させる位置に移動させる場合、すなわち油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を伸長方向に油圧アシストする場合には、方向制御弁94のボトム室41aに連通可能な切替位置へ駆動させることが可能な側の切替駆動力制御装置95をコントローラ58にて駆動させて、この切替駆動力生成装置95にて生成される駆動力で方向制御弁94の切替位置を制御する。
これに対し、方向切替弁94の切替位置を、例えばアシストポンプ91と油圧アクチュエータ40のロッド室41bとを連通させる位置に移動させる場合、すなわち油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を縮長方向に油圧アシストする場合には、方向制御弁94のロッド室41bに連通可能な切替位置へ駆動させることが可能な側の切替駆動力制御装置96をコントローラ58にて駆動させて、この切替駆動力生成装置96にて生成される駆動力で方法制御弁94の切替位置を制御する。
(駆動方法)
次に、上記油圧アクチュエータ40の駆動方法について説明する。
まず、上記第1実施形態においては、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がそのときのポンプ最大吐出流量に達した場合に、油圧アクチュエータ40の伸縮駆動をアシストする。このため、油圧アクチュエータ40のシリンダ速さは、時刻0からt2までの間が曲線1となり、時刻t2以降が曲線2の挙動となる。よって、この油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がそのときのポンプ最大吐出流量に達する時刻t2までの間の目標シリンダ速さaと実シリンダ速さcとの偏差量が大きいほど、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の伸縮駆動のアシストが開始される前後での実シリンダ速さcが大きく変動してしまう。
そこで、本第2実施形態では、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がそのときのポンプ最大吐出流量に達する前後における、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42のシリンダ速さの変動を抑えつつ、このシリンダロッド42のシリンダ速さが実シリンダ速さcから目標シリンダ速さaとなるまでアシストする。
具体的に、本第2実施形態においては、図10に示すように、油圧ポンプ13のポンプ最大吐出流量が、この油圧ポンプ13のポンプ吐出圧に応じて減少する吐出圧域(時刻t1から時刻t2の間)においても、油圧アクチュエータ40の操作量を大きくして駆動力を高めてアシストする。ここで、図10(a)はポンプ最大吐出流線図を示しており、図10(b)は操作レバー4のレバー操作量を時系列的に示し、図10(c)は流量換算した目標シリンダ速さ・ポンプ吐出流量・アシスト量を時系列的に示している。
そして、図10(c)中の曲線3のように、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がそのときのポンプ最大吐出流量に達する前後における油圧アクチュエータ40のシリンダ速さの変動を抑えながら、この油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の実シリンダ速さcを、目標シリンダ速さaへアシストする。具体的には、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がそのときのポンプ最大吐出流量に達しているかどうかを判定してアシスト制御を行うものではなく、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量とそのときのポンプ最大吐出流量との関係に基づいて予め設定したアシスト量調整ゲインiを参照し、このアシスト調整ゲインiを、上述した第1実施形態と同様の方法で算出した目標電圧V1にアシスト調整ゲインiを乗じた目標電圧V2とし、この目標電圧V2で電動モータ61を駆動させて、油圧アクチュエータ40を徐々にアシスト制御する。
ここで、アシスト調整ゲインiとしては、例えば図11に示すように、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量とそのときのポンプ吐出圧に対応したポンプ最大吐出流量との比(流量比)を横軸とし、予め設定したゲインを縦軸とした調整テーブルである。このアシスト調整ゲインiは、油圧ポンプ13のポンプ吐出圧に基づいて、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を伸縮駆動させる駆動力を高める率を増加させる。なお、この油圧ポンプ13の流量比は、この油圧ポンプ13のポンプ最大吐出流量が、ポンプ吐出圧に応じて変化することから、ポンプ吐出圧に基づいて算出される。
このとき、ポンプ吐出流量とポンプ最大吐出流量との比が1に近づくにつれてアシスト調整ゲインiを1に近づける設定とすることにより、ポンプ吐出流量がそのときのポンプ最大吐出流量に近づくにつれて、油圧アクチュエータ40の伸縮駆動を徐々にアシストすることが可能となる。また、このアシスト調整ゲインiとしては、油圧ポンプのポンプ吐出圧がリリーフ圧になった場合に0となるよう設定されている。
(アシスト制御)
具体的に、油圧アクチュエータ40を油圧ポンプ13にて伸縮駆動させた際のアシスト方法は、図12に示すように、ステップ1からステップ9までが上記第1実施形態と同様である。そして、このステップ9にて目標電圧V1が算出された後、ポンプ吐出圧検出部62にてポンプ吐出圧を検出する(ステップ21)。この後、この油圧ポンプ13のポンプ吐出圧に基づき、ポンプ吐出圧に対応した流量比を算出し、この算出した流量比に基づくアシスト量調整ゲインiを参照し(ステップ22)、この参照したアシスト調整ゲインiを目標電圧V1に乗じて目標電圧V2とする(ステップ23)。
この後、目標電圧V2に対し、上記第1実施形態のステップ13と同様の最大値制限を行い(ステップ24)この目標電圧V2が0以上の場合には(ステップ25)、コントローラ58からの指令により切替駆動力生成装置95,96の一方が駆動され、これら切替駆動力生成装置95,96の一方から出力される固定容量の作動油にて方向制御弁94を切替制御した後、このコントローラ58からの指令により電圧調整器56にて目標電圧V2に電圧調整された最終的な目標電圧Vが電動モータ51に出力される(ステップ26)。
ここで、ステップ25においては、油圧ポンプ13のポンプ吐出圧がリリーフ圧の場合にアシスト調整ゲインiが0であることから、V2が0以上かどうか判断することによって、油圧ポンプ13のポンプ吐出圧がリリーフ圧に達しているか否かを判断している。また、このステップ25での判断により、目標電圧V2が0より小さいと判断された場合には、油圧アクチュエータ40のアシスト制御が終了となる。
以上より、目標電圧V2が供給された電動モータ51が駆動してアシストポンプ91が駆動され、このアシストポンプ91から吐出される作動油の給排によって油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42への作動油の給排流量を増加できる。したがって、この油圧アクチュエータ40の油圧駆動が油圧アシストされ、この油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を油圧ポンプ13にて伸縮駆動させる際の駆動力を、この油圧ポンプ13とは異なる動力源のアシストポンプ91からの作動油の給排で高めることができ、このシリンダロッド42の実シリンダ速さcを目標シリンダ速さaに近づけることができる。
<作用効果>
ここで、上記第1実施形態においては、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がそのときのポンプ最大吐出流量に達した場合に油圧アクチュエータ40をアシストするため、この油圧アクチュエータ40のシリンダ速さは、時刻0から時刻t2までの曲線1と、時刻t2以降の曲線2とをつなげた挙動となる。この場合には、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がそのときのポンプ最大吐出流量に達する時刻t2までに目標シリンダ速さaと実シリンダ速さcとの偏差量eが大きいほど、油圧アクチュエータ40のアシストの前後において実シリンダ速さcが大きく変動してしまう。
これに対し、上述した第4実施形態の場合には、図10(c)中の曲線3のように、油圧ポンプ13のポンプ最大吐出流量が、この油圧ポンプ13のポンプ吐出圧に応じて減少する吐出圧域、具体的には時刻t1から時刻t2の間においても、油圧アクチュエータ40の操作量を大きくして駆動力を高めてアシストしている。この結果、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がそのときのポンプ最大吐出流量に達する前後での油圧アクチュエータ40のシリンダ速さの変動を抑えることができ、この油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の速さを、より滑らかに目標シリンダ速さaへ近づけることができる。
よって、油圧ポンプ13のポンプ吐出圧が高くなるに従い、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の伸縮駆動のアシスト量が高まることに対応させて、このシリンダロッド42を伸縮駆動させる駆動力を高める率を増加できる。すなわち、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量がポンプ最大吐出流量に近づくに連れて徐々に油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の伸縮駆動をアシストでき、このシリンダロッド42の伸縮駆動のアシストをより適切に行うことができる。
また、油圧ポンプ13のポンプ吐出圧に基づいて、この油圧ポンプ13のポンプ吐出流量とそのときのポンプ最大吐出流量との比(流量比)に対するアシスト量調整ゲインiを参照し、この参照したアシスト調整ゲインiを目標電圧V1に乗じて目標電圧V2としている。このため、ステップ21において、油圧ポンプ13のポンプ吐出圧のみを検出するだけでよく、上記第1実施形態のように、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量およびエンジン12の回転数を検出する必要がないため、油圧アクチュエータ40のアシスト制御をより簡単な構成で実現させることができる。
さらに、油圧アクチュエータ40を駆動させる油圧ポンプ13とは異なるアシストポンプ91にて電動モータ51を駆動させ、このアシストポンプ91から作動油を油圧アクチュエータ40のボトム室41aおよびロッド室41bに給排させて、この油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の伸縮駆動をアシストしている。この結果、油圧ポンプ13にてシリンダロッド42に与えられる駆動力とは異なる駆動力を、アシストポンプ91にてシリンダロッド42へ与えることができる。
よって、油圧ポンプ13からの作動油の給排によるシリンダロッド42の伸縮駆動を、アシストポンプ91を用いてアシストできるから、このアシストポンプ91として、例えばアタッチメント用として搭載されている油圧ポンプ等の他の油圧アクチュエータ(図示せず)を駆動させるための油圧ポンプ等を転用することにより、油圧ショベル1に搭載されている既存の油圧ポンプを用いて油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42の伸縮駆動をアシストできる。すなわち、油圧アクチュエータ40をブームシリンダ6またはバケットシリンダ8として用い、図2に示すように、これらブームシリンダ6またはバケットシリンダ8を第1油圧ポンプ13aで駆動させる場合には、旋回モータ3aを駆動させる第2油圧ポンプ13bをアシストポンプ91として用いることもできる。
[その他]
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形態様が含まれる。例えば、前述した実施形態は、本発明を分りやすく説明するために説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、上記各実施形態においては、油圧ショベル1のアームシリンダ7等の油圧アクチュエータ40のアシスト制御について説明したが、例えば油圧ショベル1のアームシリンダ7以外の負荷変動が大きな油圧アクチュエータ、その他のホイールローダ、クレーン等の作業機械に用いられる種々の油圧アクチュエータのアシスト制御として用いることもできる。
さらに、コントローラ58からの指令を信号線56a,57a,95b,96b等を介して伝達する構成としたが、これら信号線56a,57a,95b,96b等を介さず、コントローラ58からの信号を無線にて伝達する構成とすることもできる。さらに、油圧ショベル1に搭載した電源55にて電動モータ51を駆動させるのではなく、例えば地下作業用の電気駆動式の油圧ショベル等においては、外部から供給される電力にて電動モータ51を駆動させる構成とすることもできる。また、この電動モータ51を駆動させる電源55としては、油圧ショベル1のエンジン始動用等として搭載されている既存のものを用いることもできる。
また、上記第1実施形態においては、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42に取り付けられた突起部52を、ソレノイド部53にて形成される電磁力にて移動させる構成としたが、この突起部52を、油圧ポンプ13等から供給される作動油の油圧力等にて移動させる構成とすることもできる。
さらに、アシスト装置50を構成する電源55、電圧調整器56、スイッチ57、コントローラ58、レバー操作量検出部61、ポンプ吐出圧検出部62、ポンプ吐出流量検出部63、エンジン回転数検出部64およびシリンダ速さ検出部65については、油圧ショベル1の上部旋回体3等の車体内に設けるのではなく、この油圧ショベル1の車体外に設けた構成とすることもできる。
また、ポンプ吐出流量検出部63にて油圧ポンプ13のポンプ吐出流量を検出できない場合等には、この油圧ポンプ13のポンプ容積と、この油圧ポンプ13の回転数との積から、油圧ポンプ13のポンプ吐出流量を算出することもできる。さらに、油圧ポンプ13のポンプ容積を制御する信号圧と、エンジン12の回転数とに基づいて油圧ポンプ13のポンプ吐出流量を算出することもできる。
[第1参考形態]
次に、本発明に関連する油圧アクチュエータの第1参考形態について説明する。
図13は、本発明に関連する第1参考形態に係るアクチュエータを示す概略図である。図14は、アクチュエータを駆動させるための油圧回路を示す図である。本第1参考形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、油圧アクチュエータ40の伸長方向および縮長方向それぞれの駆動を電動モータ51にてアシストするアシスト装置50に対し、第1参考形態は、油圧アクチュエータ40の縮長方向の駆動のみを電動モータ51にてアシストするアシスト装置50Dである。なお、本第1参考形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
このアシスト装置50Dは、電動モータ51を備え、この電動モータ51の出力軸51bに駆動ギヤ81が取り付けられている。一方、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42は、外周面に螺旋状のねじ溝101aが形成された送りねじ部101を備え、この送りねじ部101の長手方向の一端側である先端側に球状ジョイントとなる球状のボール形状部102が設けられている。このボール形状部102には、シリンダチューブ41内に摺動可能に嵌挿されたヘッドとなるピストン103が取り付けられている。このピストン103には、シリンダロッド42のボール形状部120が揺動かつ回動可能に嵌合される凹弧状の受け部103aが設けられ、この受け部103aにボール形状部102を揺動かつ回動可能に嵌合されて取り付けられている。そして、このピストン103にてシリンダチューブ41内の空間が軸方向に沿って二分され、このシリンダチューブ41内のピストン103の端面を囲む空間がボトム室41aとされ、このピストン103の受け部103a側の端面とシリンダチューブ41内を囲む空間がロッド室41bとされている。
さらに、シリンダチューブ41のロッド室41b側の開口部41fには、この開口部41fを閉塞するボールねじ部104が設けられている。このボールねじ部104の中心部には、シリンダロッド42の送りねじ部101のねじ溝101aが係合されるねじ溝104aが内周面に螺旋状に形成された挿通孔104bが設けられ、この挿通孔104bのねじ溝104aに送りねじ部101のねじ溝101aを嵌合させて螺合させた状態で、この挿通孔104bに送りねじ部101が挿通されて取り付けられている。よって、送りねじ部101は、この送りねじ部101を軸方向に回転させることにより、この送りねじ部101のねじ溝101aがボールねじ部104のねじ溝104aに押され、この送りねじ部101がシリンダチューブ41の軸方向に沿って伸縮される。
さらに、シリンダロッド42のボール形状部102が設けられている側の反対側である基端部には、このシリンダロッド42の送りねじ部101より外径寸法が大きな円盤状の鍔部105が同心状に設けられている。この鍔部105は、ピン挿入部42bを有する軸受部材106に設けられた空間部106a内に周方向に回転可能に嵌合され抜け止め保持されている。また、シリンダロッド42の送りねじ部101の鍔部105寄りの位置には、外周面にギヤ107aが形成された円盤状の駆動ギヤ107が同心状に取り付けられて固定されている。
そして、軸受部材106の一側面には、電動モータ51が取り付けられている。この電動モータ51は、この電動モータ51の出力軸51bに取り付けられた駆動ギヤ81のギヤ81aを、シリンダロッド42の駆動ギヤ107のギヤ107aに対向させつつ噛合させて取り付けられている。すなわち、この電動モータ51は、この電動モータ51を駆動させて駆動ギヤ81を回転駆動させることにより、この駆動ギヤ81にて駆動ギヤ107が回転駆動され、この駆動ギヤ107の回転に伴いシリンダロッド42が回転され、このシリンダロッド42の回転により、このシリンダロッド42の送りねじ部101のねじ溝101aがシリンダチューブ41のボールねじ部104のねじ溝104に押され、この送りねじ部101を回転させながらシリンダチューブ41の軸方向に移動される。
よって、シリンダチューブ41のボールねじ部104とシリンダロッド42の送りねじ部101との螺合により、シリンダロッド42を周方向に回転させることによって、このシリンダロッド42をシリンダチューブ41に対し軸方向に移動できる。そして、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を伸長させる場合には、油圧ポンプ13から吐出される作動油をボトム室41aへ送り、この油圧ポンプ13による圧力駆動力にてシリンダロッド42を周方向に回転させながら伸長駆動できる。また、このシリンダロッド42を縮長させる場合には、電動モータ51を駆動させ、この電動モータ51による電力駆動力にてシリンダロッド42を上面視左回りに回転させることにより、このシリンダロッド42を周方向に回転させながら縮長駆動できる。このとき、ピストン103および軸受部材106は、シリンダロッド42のボール形状部102とピストン103の受け部103aとの嵌合、およびシリンダロッド42の鍔部105と軸形部材106の空間部106aとの嵌合により、このシリンダロッド42の回転力を受けることなく、これらボール形状部102と受け部103aとの間、および鍔部105と空間部106aとの間で摺動して追随する。
(駆動方法)
次に、上記油圧アクチュエータ40の駆動方法について説明する。
まず、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を伸長させる場合は、コントローラ58にてスイッチ57を開放動作させてオフの状態とすると同時に、油圧ポンプ13から供給される作動油をポート41cを介してシリンダチューブ41のボトム室41aに供給させて、このボトム室41aへ供給される作動油圧にてシリンダロッド42のピストン103を押し、このシリンダロッド42に伸長方向の駆動力を発生させる。
すると、このシリンダロッド42が伸長する方向に向けて、シリンダロッド42が周方向に回転していき、このシリンダロッド42の送りねじ部101によるシリンダチューブ41のボールねじ部104に対する回動により、シリンダロッド42が伸長する方向に向けて、送りねじ部101のねじ溝101aがボールねじ部104のねじ溝104aに押され、このシリンダロッド42が徐々に伸長していく。このとき、スイッチ57がオフ状態とされているため、電動モータ51を駆動させることによる電気的負荷を最小限にできる。
これに対し、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を縮長させる場合は、コントローラ58にてスイッチ57を閉止動作させてオンの状態とし電動モータ51を駆動させると同時に切替弁(図示せず)等にてシリンダチューブ41のボトム室41aの連通先が作動油タンク14に切り替えられ、このボトム室41a内の作動油がピストン103にて押し出されて作動油タンク14へ排出可能とさせる。
そして、電動モータ51の駆動により、駆動ギヤ107を介してシリンダロッド42が縮長する方向に、このシリンダロッド42が周方向に回転していき、このシリンダロッド42の送りねじ部101によるシリンダチューブ41のボールねじ部104に対する回動により、シリンダロッド42が縮長する方向に向けて、送りねじ部101のねじ溝101aがボールねじ部104のねじ溝104aにて押され、このシリンダロッド42が徐々に縮長していく。
(油圧駆動装置)
さらに、この油圧アクチュエータ40を油圧ショベル1のブームシリンダ6、アームシリンダ7およびバケットシリンダ8として用いた場合には、これら油圧アクチュエータ40は、図14に示す油圧駆動装置11Dにて駆動される。この油圧駆動装置11Dの方向制御弁21,22,23,32は、切替位置が2位置切替構造とされており、ブームシリンダ6のボトム室41aと作動油タンク14との間、アームシリンダ7のボトム室41aと作動油タンク14との間、およびバケットシリンダ8のボトム室41aと作動油タンク14との間のそれぞれに排出弁108a,108b,108cが取り付けられている。これら各排出弁108a,108b,108cは、切替位置が2位置切替構成とされた切替弁である。
排出弁108aは、信号圧油路109aを介して第1操作レバー4aに接続されている。この第1操作レバー4aは、信号圧油路109bを介してブーム用方向制御弁23に接続されている。よって、第1操作レバー4aを操作したことによるブーム5aを下げる方向に駆動させるブーム下げ指令の信号圧が、信号圧油路109aを介して排出弁108aに送られ、この排出弁108aの切替位置を、ブームシリンダ6のボトム室41aを作動油タンク14に連通させる開口位置に駆動させる。また、この第1操作レバー4aを操作したことによるブーム5aを上げる方向に駆動させるブーム上げ指令の信号圧が、信号圧油路109bを介してブーム用方向制御弁23に送られ、このブーム用方向制御弁23の切替位置を、ブームシリンダ6のボトム室41aを第1油圧ポンプ13aの吐出油路15aに連通させる駆動位置に駆動させる。
次いで、排出弁108bは、信号圧油路109cを介して第2操作レバー4bに接続されている。この第2操作レバー4bは、信号圧油路109dを介して第1および第2アーム用方向制御弁22,32のそれぞれに接続されている。よって、第2操作レバー4bを操作したことによるアーム5bを運転室3b側とは反対側へ押し出すダンプ方向に駆動させるアームダンプ指令の信号圧が、信号圧油路109cを介して排出弁108bに送られ、この排出弁108bの切替位置を、アームシリンダ7のボトム室41aを作動油タンク14に連通させる開口位置に駆動させる。また、この第2操作レバー4bを操作したことによるアーム5bを運転室3b側に引き寄せるクラウド方向に駆動させるアームクラウド指令の信号圧が、信号圧油路109dを介して第1および第2アーム用方向制御弁22,32に送られ、これら第1および第2アーム用方向制御弁22,32の切替位置を、アームシリンダ7のボトム室41aを第1または第2油圧ポンプ13a,13bの各吐出油路15a、15bに連通させる駆動位置に駆動させる。
さらに、排出弁108cは、信号圧油路109eを介して第1操作レバー4aに接続されている。この第1操作レバー4aは、信号圧油路109fを介してバケット用方向制御弁21に接続されている。よって、第1操作レバー4aを操作したことによるバケット5dを運転室3b側とは反対側へ押し出すダンプ方向に駆動させるバケットダンプ指令の信号圧が、信号圧油路109eを介して排出弁108cに送られ、この排出弁108cの切替位置を、バケットシリンダ8のボトム室41aを作動油タンク14に連通させる開口位置に駆動させる。また、この第1操作レバー4aを操作したことによるバケット5dを運転室3b側へ引き寄せるクラウド方向に駆動させるバケットクラウド指令の信号圧が、信号圧油路109fを介してバケット用方向制御弁21に送られ、このバケット用方向制御弁21の切替位置を、バケットシリンダ8のボトム室41aを第1油圧ポンプ13aの吐出油路15aに連通させる駆動位置に駆動させる。
一方、信号圧油路109a,109c,109eには、圧力検出器110a,110b,110cがそれぞれ取り付けられている。これら圧力検出器110a,110b,110cは、各信号圧油路109a,109c,109eに供給される信号圧の有無を検出する信号圧センサである。そして、これら信号圧油路109a,109c,109eにて信号圧が検出された場合には、コントローラ58からの指令によりスイッチ57をオン状態とさせて電動モータ51を駆動させ、これら信号圧を検出した信号圧油路109a,109c,109eに接続されているブームシリンダ6、アームシリンダ7およびバケットシリンダ8のいずれかの油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42が縮長する方向に、このシリンダロッド42を回転させて、このシリンダロッド42を縮長駆動させる。
(駆動制御)
次いで、上記油圧駆動装置11Dの駆動制御の一例として、油圧アクチュエータ40をバケットシリンダ8として用いた場合について説明する。
まず、油圧ショベル1のバケット5dをダンプ方向に操作する場合には、第1操作レバー4aを操作し、この第1操作レバー4aの操作にて出力される信号圧を、信号圧油路109eを介して排出弁108cに送り、この排出弁108cの切替位置が、バケットシリンダ8のボトム室41aを作動油タンク14に連通させる開口位置に駆動される。このとき、第1操作レバー4aから出力され信号圧油路109fを介してバケット用方向制御弁21へ供給される信号圧が生成されないため、例えば弾性体による押圧等によって、このバケット用方向制御弁21の切替位置が、バケットシリンダ8のボトム室41aを第1油圧タンク13aの吐出油路13cに連通させない中立位置となっている。
そして、信号圧油路109eへの信号圧の供給が圧力検出器110cにて検出され、この圧力検出器110cによる信号圧の検出により、コントローラ58にてバケット5dをダンプ動作させると判定され、このコントローラ58からの指令にてスイッチ57をオン状態とされ、電動モータ51が駆動される。ここで、圧力検出器110cにて検出した信号圧の大きさに基づいて、コントローラ58からの指令により電圧調整器56による電圧調整がなされ、この電圧調整器56にて電圧調整された電圧が電動モータ51に印加され、この電動モータ51の駆動力が制御される。
この電動モータ51の駆動により、シリンダロッド42が縮長する方向に、このシリンダロッド42が回転される。このとき、このシリンダロッド42の縮長動作に伴い、油圧アクチュエータ40のボトム室41a内の作動油が、排出弁108cを介して作動油タンク14へ排出されることにより、バケットシリンダ8にてバケット5dをダンプ方向に電動駆動させることができる。
これに対し、油圧ショベル1のバケット5dをクラウド方向に操作する場合には、第1操作レバー4aを操作し、この第1操作レバー4aの操作にて出力される信号圧を、信号圧油路109fを介してバケット用方向制御弁21へ送り、このバケット用方向制御弁21の切替位置が、バケットシリンダ8のボトム室41aを第1油圧タンク13aの吐出油路15aに連通させる駆動位置に駆動される。このとき、第1操作レバー4aから出力され信号圧油路109eを介して排出弁108cへ供給される信号圧が生成されないため、例えば弾性体による押圧等によって、この排出弁108cの切替位置が、バケットシリンダ8のボトム室41aを作動油タンク14に連通させない閉止位置となっている。
この結果、このボトム室41aに供給される作動油が排出弁108cを介して作動油タンク14へ排出されなくなるため、第1油圧タンク13aから吐出される作動油がボトム室41aに供給され、この作動油の油圧力によりボトム室41a内のピストン103が押圧され、シリンダロッド42が伸長する方向に、このシリンダロッド42が回転される。このとき、このシリンダロッド42の回転に伴い、このシリンダロッド42の鍔部105が軸受部材106の空間部106a内で空回りするとともに、電動モータ51の駆動ギヤ81もまた空回りすることにより、バケットシリンダ8にてバケット5dをクラウド方向に油圧駆動させることができる。
(作用効果)
ここで、一般的な油圧ショベル1のブームシリンダ6、アームシリンダ7およびバケットシリンダ8は、伸縮力を作動油の油圧のみで制御するものであるが、作動油を使用していることにより、この作動油の給排制御に伴う油圧回路内での圧力損失の発生は避けられず、特に複数の油圧アクチュエータ40を同時に駆動させる場合には、より駆動負荷の小さな油圧アクチュエータ40へ優先的に作動油が供給されないよう意図的に圧力損失を発生させる場合もある。
一方、作動油の圧力損失を完全に無くすことを考えた場合には、油圧アクチュエータ40を油圧以外、例えば電力で駆動することが考えられる。しかしながら、特に油圧ショベル1のブームシリンダ6、アームシリンダ7またはバケットシリンダ8の場合には、この油圧アクチュエータ40のピストン103の受圧面積等の関係から、この油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を伸長方向に駆動させる場合に、より大きな駆動力を必要とするため、これら油圧アクチュエータ49を電動モータ51で駆動させる場合には、電動モータ51の大型化や高出力化が必要となり、電動モータ51自体のコスト増大が考えられる。
そこで、上記第1参考形態のように、油圧ショベル1のブームシリンダ5、アームシリンダ6およびバケットシリンダ8として用いられる油圧アクチュエータ40の伸長方向への駆動を油圧駆動とし、この油圧アクチュエータ40の縮長方向への駆動を電動駆動とし、電動モータ51の駆動にてシリンダロッド42を縮長方向に駆動させるようにした。この結果、この油圧アクチュエータ40の伸長方向への駆動が油圧駆動であることから、作動油を給排させる油圧回路を完全に無くすことはできないものの、油圧アクチュエータ40の伸縮駆動のうち、比較的大きな駆動力を必要としない縮長方向への駆動を電動駆動としたことにより、作動油の圧力損失の低減や、電動モータ51の大型化や高出力化を抑えることができる。
さらに、上記構成の油圧アクチュエータ40としたことにより、この油圧アクチュエータ40の駆動を制御する各方向制御弁21,22,23,32の切替位置を、この油圧アクチュエータ40のボトム室41aを油圧ポンプ13の吐出油路15に連通させる駆動位置と、この油圧アクチュエータ40のボトム室41aを油圧ポンプ13の吐出油路15に連通させない中立位置との2位置切替構造にできる。よって、従来、これら方向制御弁21,22,23,32の切替位置として必要であった、油圧アクチュエータ40のロッド室41aを油圧ポンプ13の吐出油路15に連通させる駆動位置が不要になるため、これら方向制御弁21,22,23,32を、3位置切替構造から2位置切替構造に簡略化でき、小型化することができる。さらに、従来必要とされていた油圧アクチュエータ40のロッド室41aを油圧ポンプ13の吐出油路15に連通させるための関係油路が不要になるため、油圧アクチュエータ40を駆動させる油圧駆動装置11Dの油圧回路構成を簡素化することが可能となる。
なお、上記第1参考形態においては、油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を縮長動作させる場合にのみ電動モータ51を用いて電動駆動する構成としたが、この油圧アクチュエータ40のシリンダロッド42を、油圧ポンプ13から吐出される作動油にて伸長動作させる場合に、電動モータ51を逆転駆動させ、シリンダロッド42が伸長する方向に、このシリンダロッド42を回転させることにより、このシリンダロッド42を伸長駆動させる際の駆動力を高めることができ、上記第1および第4実施形態でのアシスト制御が可能となる。
[第2参考形態]
次に、本発明に関連する油圧アクチュエータの第2参考形態について説明する。
図15は、本発明に関連する第2参考形態に係るアクチュエータを駆動させるための油圧回路を示す図である。本第2参考形態が前述した第1参考施形態と異なるのは、ブーム用方向制御弁23、第1および第2アーム用方向制御弁22,32およびバケット用方向制御弁21それぞれの開口特性を同一とし、これら方向制御弁21,22,23,32へ供給される信号圧を制御する信号圧制御器201a,201b,201cを設けた油圧駆動装置11Eである。なお、本第2参考形態において、第1参考形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
信号圧制御器201aは、ブーム用方向制御弁23へ供給される信号圧を制御するものであり、信号圧油路109bを介してブーム用方向制御弁23に接続されている。信号圧制御器201bは、第1および第2アーム用方向制御弁22,32へ供給される信号圧を制御するものであり、信号油路109dを介して第1および第2アーム用方向制御弁22,32に接続されている。さらに、信号圧制御器201cは、バケット用方向制御弁21へ供給される信号圧を制御するものであり、信号油路109fを介してバケット用方向制御弁21に接続されている。
これら各信号圧制御器201a,201b,201cは、制御部としてのコントローラ202に接続されており、このコントローラ202からの指令により、これら信号圧制御器201a,201b,201cから出力する信号圧を制御する。また、コントローラ202には、ブーム5aを下げる操作時の信号圧を検出する圧力検出器203aと、アーム5bを引き寄せるクラウド操作時の信号圧を検出する圧力検出器203bと、バケット5dを引き寄せるクラウド操作時の信号圧を検出する圧力検出器203cとがそれぞれ接続されている。
圧力検出器203aは、第1操作レバー4aに接続され、この第1操作レバー4aがブーム下げ方向に操作された際に、この第1操作レバー4aから出力される信号圧を検出する。圧力検出器203bは、第2操作レバー4bに接続され、この第2操作レバー4bがアーム5bをクラウドさせる方向に操作された際に、この第2操作レバー4bから出力される信号圧を検出する。さらに、圧力検出器203cは、第1操作レバー4aに接続され、この第1操作レバー4aがバケット5dをクラウドさせる方向に操作された際に、この第1操作レバー4aから出力される信号圧を検出する。そして、コントローラ202は、圧力検出器203a,203b,203cにて検出された信号圧に基づいて、対応する信号圧制御器201a,201b,201cを制御して、この信号圧制御器201a,201b,201cから出力される信号圧を制御する。
<作用効果>
以上により、上記第2参考形態においては、例えば油圧アクチュエータ40をバケットシリンダ8として用いた場合は、第1操作レバー4aが操作され、この第1操作レバー4aがバケット5dをクラウドさせる方向に操作された際に、この第1操作レバー4aから出力される信号圧が圧力検出器203cにて検出される。そして、この圧力検出器203cにて検出された信号圧に基づいて、コントローラ202にて信号圧制御器201cから出力される信号圧を制御する。この後、この信号圧制御器201cから出力された信号圧が、信号圧油路109fを介してバケット用方向制御弁21へ供給され、このバケット用方向制御弁21の切替位置が、バケットシリンダ8のボトム室41aを第1油圧ポンプ13aの吐出油路15aに連通させる駆動位置に駆動される。よって、第1油圧ポンプ13aから吐出される作動油がボトム室41aに供給され、この作動油の油圧力にてピストン103が押されてシリンダロッド42が伸長駆動され、バケット5dがクラウド方向に駆動される。
したがって、第1または第2操作レバー4a,4bの操作量のみで、これら第1または第2操作レバー4a,4bから出力される信号圧が決定される。さらに、いずれかの方向制御弁21,22,23,32の開口率が目標とする開口率にならない場合であっても、第1または第2操作レバー4a,4bから出力される信号圧を検出する圧力検出器203a,203b,203cに加え、これら圧力検出器203a,203b,203cにて検出された信号圧に基づき、各方向制御弁21,22,23,32へ供給する信号圧を制御する信号圧制御器201a,201b,201cを用いることにより、これら方向制御弁21,22,23,32をより正確に制御することができる。同時に、ブームシリンダ6、アームシリンダ7およびバケットシリンダ8を制御する各方向制御弁21,22,23,32の開口特性を同一にでき、これら方向制御弁21,22,23,32を同一構成にできるから、油圧駆動装置11Eの構成をより簡素化することができる。