JP6080569B2 - アバットメント及びインプラント - Google Patents

アバットメント及びインプラント Download PDF

Info

Publication number
JP6080569B2
JP6080569B2 JP2013016362A JP2013016362A JP6080569B2 JP 6080569 B2 JP6080569 B2 JP 6080569B2 JP 2013016362 A JP2013016362 A JP 2013016362A JP 2013016362 A JP2013016362 A JP 2013016362A JP 6080569 B2 JP6080569 B2 JP 6080569B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole
abutment
screw
artificial tooth
respect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013016362A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014147431A (ja
Inventor
悠司 中野
悠司 中野
晶規 森
晶規 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Medical Corp
Original Assignee
Kyocera Medical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Medical Corp filed Critical Kyocera Medical Corp
Priority to JP2013016362A priority Critical patent/JP6080569B2/ja
Publication of JP2014147431A publication Critical patent/JP2014147431A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6080569B2 publication Critical patent/JP6080569B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、人工歯等の補綴部材をフィクスチャーに固定するためのアバットメント、及びアバットメントを備えたインプラントに関する。
従来より、歯周病等により抜け落ちた天然歯を補綴するために、インプラントを用いることが知られている。一般的に、インプラントは、フィクスチャー(人工歯根)及びアバットメントを備えている。インプラントでは、顎骨に埋め込まれた状態のフィクスチャーに取り付けられたアバットメントに対して、人工歯等の補綴部材が固定される。
また、上記アバットメントの一種として、フィクスチャーが延びる方向に対して傾けた状態で人工歯を取り付けるための、いわゆるアングルタイプのアバットメントが知られている。例えば、特許文献1の図1に開示されるスペーサ部材(アバットメント)は、顎骨内に埋め込まれた取付け具(人工歯根)に取り付けられる基部1と、歯の補綴を取り付けるための上部円錐形部分9(ポスト部)とを備えている。基部1には、アバットメントを人工歯根に取り付けるスペーサねじ(取付けネジ)のための貫通孔5(取付け孔)が形成されている。この貫通孔5は、人工歯根に形成されたネジ穴(フィクスチャー穴)と軸心が同軸となるように形成されている。上部円錐形部分9は、上記貫通孔5の軸心に対して斜め方向に延びるように形成されている。
特許3557214号
ところで、上記特許文献1のアバットメントにおいて、取付けネジを取付け孔の中心軸方向に挿入する場合、取付けネジがポスト部に近接するため、ポスト部が邪魔になり、取付けネジを挿入しにくい。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、人工歯根に取り付けるための取付けネジを挿入しやすいアバットメントを提供することである。
(1)上記目的を達成するための本発明のある局面に係るアバットメントは、顎骨に埋め込まれた人工歯根に取り付けるための取付けネジが挿通する取付け孔が形成されたアバットメントであって、前記人工歯根が延びる方向に対して斜め方向に延びるように形成され、補綴部材を固定するための固定ネジが螺合する固定孔、が形成されたポスト部を備え、前記取付け孔は、前記人工歯根側の第1孔と、前記取付けネジが挿入される側の第2孔とを含み、前記第2孔と前記固定孔とを区画する区画壁を更に備え、前記第2孔を隔てた前記ポスト部の先端側の部分と反対側の部分は、該先端側の部分に対向する対向壁として設けられ、前記対向壁における前記第2孔側の壁面の少なくとも一部は、前記第1孔の軸心に対して前記ポスト部が延びる方向と反対側に傾く対向壁傾斜面として設けられ、前記区画壁における前記第2孔側の壁面の少なくとも一部は、前記第1孔の軸心に対して前記ポスト部が延びる方向と反対側に傾く区画壁傾斜面として設けられ、前記アバットメントが前記取付けネジによって前記人工歯根に取り付けられる際、前記取付けネジの頭部は、前記対向壁傾斜面及び前記区画壁傾斜面によって前記第1孔の軸心に対して斜め方向に案内された後、前記第1孔内に収容される。
この構成では、ポスト部に補綴部材を固定するための固定ネジが螺合する固定孔は、人工歯根が延びる方向に対して斜め方向に延びるように形成されている。こうすると、補綴部材を、人工歯根が延びる方向に対して傾けて固定することができる。この構成によれば、神経損傷を回避するためなどに人工歯根を顎骨に対して斜め方向に埋入させなければならない場合であっても、補綴部材を斜めに傾かないように、他の歯が延びる方向に揃えて真っ直ぐに取り付けることが可能となる。
また、この構成では、取付けネジを取付け孔に挿入する際、対向壁傾斜面に沿うように挿入できる。対向壁傾斜面は、第1孔の軸心に対してポスト部が延びる方向と反対側に傾いているため、取付けネジは、ポスト部の先端側の部分から離れた位置から取付け孔に挿入される。これにより、取付けネジがポスト部の先端側の部分に当たるのを避けながら、取付けネジを取付け孔に挿入できる。従って、取付けネジを取付け孔にスムーズに挿入できる。
従って、上述の構成によれば、人工歯根に取り付けるための取付けネジを挿入しやすいアバットメントを提供できる。
また、上述のように、取付けネジは、対向壁傾斜面に沿って挿入される。よって、対向壁と対向する区画壁の少なくとも一部が第1孔の軸心に対してポスト部が延びる方向と反対側に傾くことにより第2孔側へ張り出していても、取付けネジの挿入が大きく阻害されることはない。すなわち、上記構成により、取付けネジの挿入しやすさを維持しつつ、区画壁の断面積を増大させて区画壁の強度を向上できる。
(2)好ましくは、前記対向壁傾斜面は、前記アバットメントが前記人工歯根に取り付けられた状態において、前記人工歯根が延びる方へ向かって徐々に曲がっている。
(3)好ましくは、前記対向壁傾斜面における、前記第1孔の軸心に対する傾斜角度は、前記区画壁傾斜面における、前記第1孔の軸心に対する傾斜角度よりも大きい。
この構成によれば、区画壁における第2孔への張り出し量を比較的小さくできる。従って、取付けネジを取付け孔に挿入する際に、取付けネジが区画壁傾斜面に引っかかりにくくなるため、取付けネジを挿入しやすくなる。
(4)好ましくは、前記対向壁傾斜面における、前記第1孔の軸心に対する傾斜角度は、前記区画壁傾斜面における、前記第1孔の軸心に対する傾斜角度と同じである。
この構成によれば、取付けネジの挿入しやすさと、区画壁の強度とを、バランス良く確保できる。
(5)また、上記課題を解決するため、本発明のある局面に係るインプラントは、顎骨に埋め込まれる人工歯根と、上述したいずれかのアバットメントと、前記アバットメントを前記人工歯根に取り付けるための取付けネジと、補綴部材に挿通されて固定されるシリンダ部材と、前記補綴部材に固定されたシリンダ部材を前記アバットメントに固定するための固定ネジとを備えている。
この構成では、人工歯根に取り付けるための取付けネジを挿入しやすいアバットメントを備えたインプラントを提供できる。
本発明によると、人工歯根に取り付けるための取付けネジを挿入しやすいアバットメントを提供できる。
本発明の実施形態に係るインプラントの使用形態の一例を示す模式図であって、構成部品の一部を分解して示す図である。 本発明の実施形態に係るインプラントの縦断面図である。 本発明の実施形態に係るアバットメントの斜視図である。 図3に示すアバットメントの正面図である。 図3に示すアバットメントの平面図である。 図3に示すアバットメントの縦断面図であって、図5のVI−VI矢視位置から視た断面図である。 取付けネジをアバットメントに挿入する際の、取付けネジの動作を説明するための図であって、(A)は挿入前の図、(B)は挿入途中の図、(C)は挿入後の図、である。 変形例に係るアバットメントの縦断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明は、欠損した歯を補綴する補綴部材を取り付けるためのインプラント及びアバットメントに広く適用できる。
図1は、補綴部材としての人工歯55を、顎骨50に固定するためのインプラント1の使用態様の一例を示す図であり、図2は、本発明の実施形態に係るインプラント1の縦断面図である。本実施形態に係るインプラント1のアバットメント10は、フィクスチャー2(人工歯根)が延びる方向に対して人工歯55を傾けて取り付けることができる、いわゆるアングルタイプのアバットメントである。なお、以下では、説明の便宜上、図2において、上と記載された矢印が指示する方向を上側又は上方、下と記載された矢印が指示する方向を下側又は下方と称する。
[全体構成]
インプラント1は、図2等に示すように、フィクスチャー2と、アバットメント10と、取付けネジ5と、シリンダ部材6と、固定ネジ7とを備えている。
フィクスチャー2は、顎骨50にねじ込まれるネジ状の部材であって、骨との親和性が高い材料であるチタン又はチタン合金等で構成されている。フィクスチャー2の外周面には、基端側の一部を除く軸方向の概ね全体に、ネジ山3が形成されている。フィクスチャー2の先端側の部分は、先端に向かって徐々に細くなるように形成され、先端部が球面状に膨出している。フィクスチャー2の基端側の部分には、フィクスチャー2の中心軸方向に延びる有底のフィクスチャー穴4が形成されている。フィクスチャー穴4は、その軸心Mがフィクスチャー2の軸心と同軸となるように形成されている。
フィクスチャー穴4は、フィクスチャー2の基端側(図2の上側)に形成された基端側穴4aと、フィクスチャー穴4の底部側に形成された底部側穴4bとを有している。基端側穴4aは、軸方向から視た断面が六角形状となる六角穴4aとして形成されている。底部側穴4bは、軸方向から視た断面が円形状となるように形成されている。底部側穴4bにおける上側の部分には、雌ネジ4cが形成されている。なお、六角穴4aの軸心と、底部側穴4bの軸心は同軸であり、本実施形態では、これらの軸心をフィクスチャー穴4の軸心Mとする。
アバットメント10は、顎骨50に埋め込まれたフィクスチャー2に対して人工歯55を固定するための部材である。アバットメント10には、該アバットメント10をフィクスチャー2に取り付けるための取付けネジ5が挿通する取付け孔17が形成されている。また、アバットメント10には、人工歯55に固定されたシリンダ部材6をアバットメント10に固定するための固定ネジ7が螺合する固定孔12aが形成されている。アバットメント10の詳細な構成については、後述する。
取付けネジ5は、アバットメント10をフィクスチャー2に取り付けるためのネジである。取付けネジ5は、頭部5aとネジ部5bとが一体に形成されることにより構成されている。頭部5aは、略円柱状に形成されている。頭部5aの一端面には、ドライバーのビットが嵌まり込む凹部(図示省略)が形成されている。頭部5aの他端面からは、略丸棒状に形成されたネジ部5bが延びるように形成されている。ネジ部5bの外周面における先端側の部分には、フィクスチャー2の雌ネジ4cに螺合する雄ネジ5cが形成されている。取付けネジ5は、アバットメント10の取付け孔17に挿入された状態で、ネジ部5bの雄ネジ5cがフィクスチャー穴4の雌ネジ4cに螺合することにより、アバットメント10をフィクスチャー2に対して固定する。
シリンダ部材6は、略筒状に形成された部材であって、外周面が人工歯55に形成された貫通孔に挿通されて固定される。シリンダ部材6は、ベース部6aと、固定ネジ座部6bとを備え、これらが一体に形成されている。ベース部6aは、筒軸方向に沿って徐々に拡径する円筒状に形成され、内周面がアバットメント10のポスト部12の外周面に対して概ね隙間なく面接触するように形成されている。固定ネジ座部6bは、ベース部6aにおける筒軸方向の小径側の端部から略円筒状に延びるように形成されている。
固定ネジ7は、人工歯55に取り付けられたシリンダ部材6をアバットメント10の固定孔12aに螺合して固定するためのネジである。固定ネジ7は、頭部7aとネジ部7bとを備え、これらが一体に形成されている。ネジ部7bの外周面には、アバットメント10の固定孔12aに形成された雌ネジに螺合する雄ネジ7cが形成されている。
[アバットメントの構成]
図3から図6は、それぞれ、アバットメント10の斜視図、正面図、平面図、縦断面図である。アバットメント10は、基部11と、ポスト部12と、首部13とを備え、これらが一体に形成されている。アバットメント10も、フィクスチャー2と同様、例えばチタン又はチタン合金等で構成されている。
基部11は、顎骨50に埋め込まれたフィクスチャー2に対してアバットメント10が取り付けられた状態において、歯肉51に埋め込まれた状態となる部分である(図1参照)。基部11の上面11aは、下面11bに対して所定の角度(本実施形態では17度)、傾いている。
ポスト部12は、顎骨50に埋め込まれたフィクスチャー2に対してアバットメント10が取り付けられた状態において、歯肉51から露出した状態となる部分である(図1参照)。ポスト部12は、図3等に示すように、基部11の上面11aから先端側に向かって徐々に細くなる略円錐台状に形成されている。ポスト部12は、上面11aの法線方向に突出するように形成されている。本実施形態では、ポスト部12は、顎骨50に埋め込まれたフィクスチャー2にアバットメント10が取り付けられた状態において、フィクスチャー穴4の軸心Mに対して17度、傾いて突出するように形成されている。すなわち、本実施形態のアバットメント10によれば、人工歯55を、顎骨50に埋め込まれたフィクスチャー2に対して約17度、傾けた状態で取り付けることができる。
ポスト部12には、図3、図5及び図6等に示すように、該ポスト部12の上面から斜め下方へ延びる固定孔12aが形成されている。固定孔12aは、固定ネジ7の雄ネジ7cが螺合するネジ孔である。固定孔12aの内周面には、雌ネジが形成されている。固定孔12aは、アバットメント10の内部で、後述する取付け孔17と繋がっている。本実施形態では、固定孔12aの軸心Mは、顎骨50に埋め込まれたフィクスチャー2にアバットメント10が取り付けられた状態において、フィクスチャー穴4の軸心Mに対して17度、傾いている。
首部13は、図3、図4及び図6に示すように、基部11の下面11bから下方へ延びる略筒状に形成されている。首部13は、六角筒部14と、円筒部15とを備え、これらが一体に形成されている。首部13には、取付けネジ5が挿通する。
六角筒部14は、筒軸方向から視て外周面が正六角形、且つ内周面が円形状となるように形成されている。六角筒部14は、基部11の下面11bから下方へ延びるように形成されている。
円筒部15は、略円筒状に形成され、六角筒部14の下面から下方へ延びるように形成されている。円筒部15は、外径が、筒軸方向から視た六角筒部14の対辺長さよりも小さく、且つ内径が六角筒部14の内径と同径になるように形成されている。
首部13には、図4及び図6等に示すように、六角筒部14及び円筒部15に跨って、筒軸方向に延びる切欠部16が形成されている。切欠部16は、アバットメント10を下方から視たポスト部12側の部分が、首部13の筒軸方向全体に亘って切除されるように形成されている。
アバットメント10には、図6等に示すように、ポスト部12から基部11に跨って、概ね上下方向に沿って延びる取付け孔17が形成されている。取付け孔17は、取付けネジ5を挿入するための孔である。取付け孔17は、下側(アバットメント10がフィクスチャー2に取り付けられた状態における、フィクスチャー2側)の第1孔18と、上側(取付けネジ5が挿入される側)の第2孔19とを含んでいる。
第1孔18は、基部11の下面11bから上方へ直線状に延び、アバットメント10における上下方向の途中部分まで延びるように形成されている。第1孔18は、上下方向から視た断面が円形状に形成されている。第1孔18の軸心Mは、顎骨50に埋め込まれたフィクスチャー2に対してアバットメント10が取り付けられた状態において、フィクスチャー穴4の軸心Mと概ね同軸になる。
第2孔19は、上方から視たアバットメント10のポスト部12と反対側の部分から斜め下方へ、直線状に延びるように形成され、第1孔18と繋がっている。第2孔19は、該第2孔19が延びる方向から視た断面が円形状に形成されている。第2孔19の軸心Mは、第1孔18の軸心Mに対して所定の角度(本実施形態では15度)、傾いている。また、本実施形態では、第2孔19は、第1孔18と同じ内径となるように形成されている。
また、アバットメント10は、区画壁21及び対向壁22を有している。
区画壁21は、取付け孔17と固定孔12aとを区画している壁部であって、ポスト部12の一部として設けられている。区画壁21における第2孔19側の壁面には、固定孔12a側へ凹むように形成された凹部23が形成されている。この凹部23は、取付けネジ5を取付け孔17に挿入する際に、取付けネジ5がポスト部12と干渉してしまうのを防止するためのものである。この凹部23により形成された壁面は、区画壁傾斜面21aとして設けられる。この区画壁傾斜面21aは、図6に示すように、第1孔18の軸心Mに対して概ね平行な方向に延びている。すなわち、区画壁傾斜面21aにおける、第1孔18の軸心M1に対する傾斜角度は、概ね0度である。
対向壁22は、第2孔19を介してポスト部12の先端側の部分と反対側の部分に設けられた壁部であって、該先端側の部分に対向するように設けられている。対向壁22は、基部11の一部として設けられている。対向壁22における第2孔19側の壁面は、対向壁傾斜面22aとして設けられている。対向壁傾斜面22aは、第1孔18の軸心Mに対して前記ポスト部が延びる方向と反対側に、所定の角度θ(本実施形態では15度)で傾いている。
本実施形態では、対向壁傾斜面22aにおける、第1孔18の軸心Mに対する傾斜角度θは、区画壁傾斜面21aにおける、第1孔18の軸心Mに対する傾斜角度よりも大きい。
[インプラントの取付け]
上述したインプラント1を用いて人工歯55を取り付ける際の手順について、以下で説明する。
まず、術者は、フィクスチャー2を顎骨50に対してねじ込むことにより、フィクスチャー2を顎骨50内に埋設する。本実施形態では、図1に示すように、フィクスチャー2は、神経の損傷を避けるように、顎骨50に対して斜め方向に埋設される。
次に、術者は、上記フィクスチャー2に対してアバットメント10を固定する。具体的には、まず、術者は、アバットメント10の取付け孔17に取付けネジ5を挿通させた状態とする。そして、ポスト部12が所定の方向に向くように(本実施形態では、上方を向くように)首部13の六角筒部14をフィクスチャー穴4の六角穴4aに嵌合させた状態で、ドライバー等により取付けネジ5をフィクスチャー穴4に螺合する。これにより、ポスト部12を、所望の方向に向けた状態でフィクスチャー2に取り付けることができる。
そして、術者は、上記アバットメント10に対して人工歯55を固定する。具体的には、術者は、人工歯55に固定されたシリンダ部材6をアバットメント10のポスト部12上にセットする。その後、術者は、固定ネジ7を、人工歯55に形成された貫通孔(図示省略)に挿通させてシリンダ部材6の固定ネジ座部6bに挿通させ、ドライバー等により固定ネジ7をアバットメント10の固定孔12aに螺合する。これにより、人工歯55がアバットメント10に対して固定される。
[取付けネジの挿入動作]
図7は、取付けネジ5をアバットメント10に挿入する際の、取付けネジ5の動作を説明するための図である。図7を用いて、本実施形態に係るアバットメント10への取付けネジ5の挿入手順について説明する。
まず、術者は、取付けネジ5の軸心が第2孔19の軸心Mと概ね同軸となるように取付けネジ5を保持し(図7(A)参照)、取付けネジ5を、第2孔19の軸心M方向に、すなわち、対向壁傾斜面22aに沿うように、取付け孔17へ進出させる。このとき、対向壁傾斜面22aが、第1孔18の軸心Mに対してポスト部12が延びる方向と反対側に傾いているため、取付けネジ5が、取付け孔17にひっかかることなく且つポスト部12と干渉することなく、該取付けネジ5をスムーズに斜め方向に挿入できる。
また、このとき、首部13における、アバットメント10を下方から視たポスト部12側の部分、に切欠部16が形成されているため、取付けネジ5の先端部分が首部13とぶつかることなく、取付けネジ5を斜め下方に挿入できる。これにより、取付けネジ5の頭部5aが区画壁21を通過し、該頭部5aが第2孔19内に配置されるまで、取付けネジ5が取付け孔17に挿入される(図7(B)参照)。
そして、術者は、斜め下方に挿入された状態の取付けネジ5を、その軸心が第1孔18の軸心Mと同軸となるように傾ける。そうすると、区画壁21の下方で取付けネジ5が第1孔18に対して真っ直ぐな状態となり、取付けネジ5の頭部5aが第1孔18内に収容される。これにより、取付けネジ5の取付け孔17への挿入が完了する(図7(C)参照)。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るアバットメント10では、ポスト部12に人工歯55を固定するための固定ネジ7が螺合する固定孔12aは、フィクスチャー2が延びる方向に対して斜め方向に延びるように形成されている。こうすると、人工歯55を、フィクスチャー2が延びる方向に対して傾けて固定することができる。すなわち、この構成によれば、神経損傷を回避するためなどにフィクスチャー2を顎骨50に対して斜め方向に埋入させなければならない場合であっても、人工歯55を斜めに傾かないよう、他の歯が延びる方向に揃えて真っ直ぐに取り付けることが可能となる。
また、アバットメント10では、取付けネジ5を取付け孔17に挿入する際、対向壁傾斜面22aに沿うように挿入できる。対向壁傾斜面22aは、第1孔18の軸心Mに対してポスト部12が延びる方向と反対側に傾いているため、取付けネジ5は、ポスト部12の先端側の部分から離れた位置から取付け孔17に挿入される。これにより、取付けネジ5がポスト部12の先端側の部分に当たるのを避けながら、取付けネジ5を取付け孔17に挿入できる。これにより、取付けネジ5を取付け孔17にスムーズに挿入できる。
また、アバットメント10では、首部13における、アバットメント10を下方から視たポスト部12側の部分、に切欠部16が形成されている。これにより、取付けネジ5の先端部分が首部13とぶつかることなく、取付けネジ5を斜め下方へ挿入できる。
従って、上述の構成によれば、フィクスチャー2に取り付けるための取付けネジ5を挿入しやすいアバットメント10を提供できる。
また、アバットメント10では、第2孔19と固定孔12aとの間の部分が区画壁21によって補強されるため、アバットメント10の強度を強くできる。
また、アバットメント10では、対向壁傾斜面22aにおける、第1孔18の軸心Mに対する傾斜角度θは、区画壁傾斜面21aにおける、第1孔18の軸心Mに対する傾斜角度よりも大きい。これにより、区画壁21における第2孔19への張り出し量を比較的小さくできる。従って、取付けネジ5を取付け孔17に挿入する際に、取付けネジ5が区画壁傾斜面21aに引っかかりにくくなるため、取付けネジ5を挿入しやすくなる。
また、アバットメント10の第2孔19は、該第2孔19が延びる方向から視た断面が円形状に形成されている。こうすると、例えばドリル等を用いることにより、第2孔19を容易に形成できる。
また、上述の構成によれば、フィクスチャー2に取り付けるための取付けネジ5を挿入しやすいアバットメント10を備えたインプラント1を提供できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。
[変形例]
(1)図8に、変形例に係るアバットメント20の縦断面図を示す。本変形例に係るアバットメント20は、上述した実施形態に係るアバットメント10と比べて、第2孔の形状が異なっている。
本変形例に係るアバットメント20の第2孔29は、直線状ではなく、曲線状に延びるように形成されている。具体的には、本変形例に係る第2孔29は、図8に示すように、上方から視たアバットメント10のポスト部と反対側の部分から、徐々に下方へ曲がるように延びている。そして、その先端側が、第1孔18に繋がっている。
上述のような構成であっても、第2孔29に沿って取付けネジ5を挿入できるため、取付けネジ5を取付け孔27にスムーズに挿入できる。
(2)上述したアバットメント10では、対向壁傾斜面22aを、第1孔18の軸心Mに対して概ね平行な方向に延びるように形成したが、これに限らない。例えば、対向壁傾斜面を、第1孔18の軸心Mに対してポスト部12が延びる方向と反対側に傾くように形成してもよい。
アバットメントでは、上述のように、取付けネジ5が対向壁傾斜面22aに沿って挿入される。よって、対向壁22と対向する区画壁が、第1孔18の軸心Mに対してポスト部12が延びる方向と反対側に傾くことにより第2孔19側へ張り出していても、取付けネジ5の挿入が大きく阻害されることはない。すなわち、本変形例のように、第1孔18の軸心Mに対してポスト部12が延びる方向と反対側に傾く区画壁傾斜面を設けることにより、取付けネジ5の挿入しやすさを維持しつつ、区画壁の断面積を増大させて区画壁の強度を向上できる。
(3)上述したアバットメント10では、対向壁傾斜面22aにおける、第1孔18の軸心Mに対する傾斜角度θは、区画壁傾斜面21aにおける、第1孔18の軸心Mに対する傾斜角度(上記実施形態では、概ね0度)よりも大きいが、これに限らない。例えば、対向壁傾斜面22aの傾斜角度θと、第1孔18の軸心Mに対して所定の傾斜角度で傾く区画壁傾斜面21aの傾斜角度とが同じであってもよい。これにより、取付けネジ5の挿入しやすさと、区画壁21の強度とを、バランス良く確保できる。
(4)上述したアバットメント10では、第1孔18と第2孔19とが同径となるように形成されているが、これに限らず、第2孔19の方を大きな径にしてもよい。これにより、取付けネジ5をよりスムーズに挿入できる。
(5)上述したアバットメント10では、第2孔19は、斜め下方に延びるように形成されているが、これに限らない。例えば、アバットメントにおいて、第1孔及び第2孔に概ね対応する位置に、該アバットメントを上下方向に貫通する貫通孔を形成する。そして、該アバットメントの対向壁にテーパー等を形成し、該テーパーによって形成される壁面を対向壁傾斜面としてもよい。このように対向壁傾斜面を形成しても、取付けネジ5を取付け孔17にスムーズに挿入できる。
本発明は、人工歯等の補綴部材をフィクスチャーに固定するためのアバットメント、及びアバットメントを備えたインプラントとして、広く適用することができる。
1 インプラント
2 人工歯根(フィクスチャー)
5 取付けネジ
6 シリンダ部材
7 固定ネジ
10,20 アバットメント
12 ポスト部
12a 固定孔
17,27 取付け孔
18 第1孔
19,29 第2孔
22 対向壁
22a 対向壁傾斜面
50 顎骨
55 人工歯(補綴部材)

Claims (5)

  1. 顎骨に埋め込まれた人工歯根に取り付けるための取付けネジが挿通する取付け孔が形成されたアバットメントであって、
    前記人工歯根が延びる方向に対して斜め方向に延びるように形成され、補綴部材を固定するための固定ネジが螺合する固定孔、が形成されたポスト部を備え、
    前記取付け孔は、前記人工歯根側の第1孔と、前記取付けネジが挿入される側の第2孔とを含み、
    前記第2孔と前記固定孔とを区画する区画壁を更に備え、
    前記第2孔を隔てた前記ポスト部の先端側の部分と反対側の部分は、該先端側の部分に対向する対向壁として設けられ、
    前記対向壁における前記第2孔側の壁面の少なくとも一部は、前記第1孔の軸心に対して前記ポスト部が延びる方向と反対側に傾く対向壁傾斜面として設けられ
    前記区画壁における前記第2孔側の壁面の少なくとも一部は、前記第1孔の軸心に対して前記ポスト部が延びる方向と反対側に傾く区画壁傾斜面として設けられ、
    前記アバットメントが前記取付けネジによって前記人工歯根に取り付けられる際、前記取付けネジの頭部は、前記対向壁傾斜面及び前記区画壁傾斜面によって前記第1孔の軸心に対して斜め方向に案内された後、前記第1孔内に収容されることを特徴とする、アバットメント。
  2. 請求項1に記載のアバットメントにおいて、
    前記対向壁傾斜面は、前記アバットメントが前記人工歯根に取り付けられた状態において、前記人工歯根が延びる方へ向かって徐々に曲がっていることを特徴とする、アバットメント。
  3. 請求項に記載のアバットメントにおいて、
    前記対向壁傾斜面における、前記第1孔の軸心に対する傾斜角度は、前記区画壁傾斜面における、前記第1孔の軸心に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする、アバットメント。
  4. 請求項に記載のアバットメントにおいて、
    前記対向壁傾斜面における、前記第1孔の軸心に対する傾斜角度は、前記区画壁傾斜面における、前記第1孔の軸心に対する傾斜角度と同じであることを特徴とする、アバットメント。
  5. 顎骨に埋め込まれる人工歯根と、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアバットメントと、
    前記アバットメントを前記人工歯根に取り付けるための取付けネジと、
    補綴部材に挿通されて固定されるシリンダ部材と、
    前記補綴部材に固定されたシリンダ部材を前記アバットメントに固定するための固定ネジと
    を備えていることを特徴とする、インプラント。
JP2013016362A 2013-01-31 2013-01-31 アバットメント及びインプラント Active JP6080569B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013016362A JP6080569B2 (ja) 2013-01-31 2013-01-31 アバットメント及びインプラント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013016362A JP6080569B2 (ja) 2013-01-31 2013-01-31 アバットメント及びインプラント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014147431A JP2014147431A (ja) 2014-08-21
JP6080569B2 true JP6080569B2 (ja) 2017-02-15

Family

ID=51571030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013016362A Active JP6080569B2 (ja) 2013-01-31 2013-01-31 アバットメント及びインプラント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6080569B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6039703B2 (ja) * 2015-01-07 2016-12-07 ハードロック工業株式会社 デンタルインプラント及びそのボルト締結構造
KR102039010B1 (ko) * 2017-07-24 2019-10-31 주식회사 디오 경사 어버트먼트
KR101847872B1 (ko) 2017-11-13 2018-04-12 박덕희 앵글 크라운용 고정체 및 고정체 드라이버와 이를 이용한 임플란트 식립방법
KR102255014B1 (ko) * 2019-05-30 2021-05-25 주식회사 디오 경사 어버트먼트 취부용 지그
KR102392022B1 (ko) * 2020-04-02 2022-04-28 주식회사 디오 경사 어버트먼트 취부용 지그
KR102594314B1 (ko) * 2022-12-21 2023-10-25 김성민 맞춤형 앵글드 어버트먼트 및 그 제조방법

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE465653B (sv) * 1987-11-18 1991-10-14 Nobelpharma Ab Vinklat distansorgan
JPH02153250A (ja) * 1988-12-05 1990-06-12 Yamaha Motor Co Ltd エンジンのヘッドボルト締結構造
WO1997001306A1 (en) * 1995-06-27 1997-01-16 Beaty Keith D One-piece single-stage dental implant and single-stage dental implant system
JPH10108871A (ja) * 1996-08-09 1998-04-28 Gc:Kk 角度付き歯科用インプラント
JP2001280152A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Toyota Autom Loom Works Ltd エンジン補機の取付構造
JP4225176B2 (ja) * 2003-09-30 2009-02-18 株式会社ジェイテクト 転がり軸受装置
JP5195285B2 (ja) * 2007-11-01 2013-05-08 日立金属株式会社 インプラント用キーパー及びその組立体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014147431A (ja) 2014-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6080569B2 (ja) アバットメント及びインプラント
KR102085066B1 (ko) 치과용 임플란트
US8333591B2 (en) Bionic dental implant
KR200386621Y1 (ko) 치과용 임플란트
JPS618043A (ja) 義歯保持体を取付けるための顎骨内植込み子
KR20090117813A (ko) 치과용 임플란트, 지대치 구조, 및 치과용 임플란트의 이식 방법
KR20190136480A (ko) 치과용 임플란트
KR20200107266A (ko) 치과용 임플란트
KR101608176B1 (ko) 임플란트 유닛
JP2015047195A (ja) 歯科インプラント用フィクスチャーおよび歯科インプラント
KR101126525B1 (ko) 픽스츄어 및 그 제조방법
KR100779227B1 (ko) 치과용 임플란트
KR101953301B1 (ko) 임플란트 구조체 및 어버트먼트
US10743966B2 (en) Implant unit
US10426580B2 (en) Implant unit
KR101115336B1 (ko) 치과용 임플란트의 픽스츄어
KR20190041051A (ko) 임플란트용 픽스쳐
KR101373420B1 (ko) 임프란트 픽스쳐
KR101105187B1 (ko) 미소변위가 가능한 임플란트
KR101446188B1 (ko) 픽스츄어
JP6804299B2 (ja) 歯科インプラント用フィクスチャーおよび歯科インプラント
KR101972980B1 (ko) 앵커용 오목 플랜지를 갖는 임플란트 고정체
KR101015193B1 (ko) 치과용 임플란트의 픽스츄어
KR101740181B1 (ko) 임플란트 유닛
JP2015006247A (ja) 歯科インプラント用フィクスチャーおよび歯科インプラント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6080569

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350