JP6079871B2 - 中空糸膜モジュールとその製造方法 - Google Patents

中空糸膜モジュールとその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6079871B2
JP6079871B2 JP2015515331A JP2015515331A JP6079871B2 JP 6079871 B2 JP6079871 B2 JP 6079871B2 JP 2015515331 A JP2015515331 A JP 2015515331A JP 2015515331 A JP2015515331 A JP 2015515331A JP 6079871 B2 JP6079871 B2 JP 6079871B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
fiber membrane
case
membrane bundle
bundle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015515331A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015137308A1 (ja
Inventor
板倉 正則
正則 板倉
伊藤 正則
正則 伊藤
はつ美 竹田
はつ美 竹田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP6079871B2 publication Critical patent/JP6079871B2/ja
Publication of JPWO2015137308A1 publication Critical patent/JPWO2015137308A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D63/00Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
    • B01D63/02Hollow fibre modules
    • B01D63/04Hollow fibre modules comprising multiple hollow fibre assemblies
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D63/00Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
    • B01D63/02Hollow fibre modules
    • B01D63/021Manufacturing thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D63/00Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
    • B01D63/02Hollow fibre modules
    • B01D63/024Hollow fibre modules with a single potted end
    • B01D63/0241Hollow fibre modules with a single potted end being U-shaped
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D65/00Accessories or auxiliary operations, in general, for separation processes or apparatus using semi-permeable membranes
    • B01D65/003Membrane bonding or sealing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/08Hollow fibre membranes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/001Processes for the treatment of water whereby the filtration technique is of importance
    • C02F1/003Processes for the treatment of water whereby the filtration technique is of importance using household-type filters for producing potable water, e.g. pitchers, bottles, faucet mounted devices
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2313/00Details relating to membrane modules or apparatus
    • B01D2313/04Specific sealing means
    • B01D2313/042Adhesives or glues
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2313/00Details relating to membrane modules or apparatus
    • B01D2313/20Specific housing
    • B01D2313/205Specific housing characterised by the shape
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/28Treatment of water, waste water, or sewage by sorption
    • C02F1/283Treatment of water, waste water, or sewage by sorption using coal, charred products, or inorganic mixtures containing them
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/44Treatment of water, waste water, or sewage by dialysis, osmosis or reverse osmosis
    • C02F1/444Treatment of water, waste water, or sewage by dialysis, osmosis or reverse osmosis by ultrafiltration or microfiltration
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2201/00Apparatus for treatment of water, waste water or sewage
    • C02F2201/002Construction details of the apparatus
    • C02F2201/006Cartridges

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

本発明は、中空糸膜モジュールとその製造方法に関する。
本出願は、2014年3月10日に日本に出願された特願2014−046873号に基づき、優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、各家庭などでは、水道水を浄化する浄水器が一般的に使用されている。このような浄水器としては、濾過材として中空糸膜モジュールを用いたものが多く知られている。
上記の中空糸膜モジュールとしては、多数本の中空糸膜を曲げて形成した中空糸膜束を、円筒状のケース内に装填し、このケース内に固定用樹脂を注入して前記中空糸膜束の曲げ部と反対の側を前記ケースの底部に固定したものが知られている。
ケース内に装填、収容される中空糸膜束としては、多数本の中空糸膜をU字状に曲げたものが一般的である。しかし、単に中空糸膜をU字状に曲げただけでは、特に、この中空糸膜束を円筒状のケースに収容した場合、中空糸膜の充填効率が低くなり、濾過性能を高めるのが難しくなる。すなわち、中空糸膜を単にU字状に曲げて中空糸膜束を形成した場合、この中空糸膜束の平面視形状は略矩形状や長円形状になるため、平面視して直線となる部位と平面視円形のケースの内面との間に空隙が形成され、結果として充填効率が低くなる。また、このように充填効率が低くなるため、所定の濾過性能を得る必要上、モジュールの小型化が困難になっている。
そこで、特許文献1の浄水用カートリッジでは、中空糸膜をU字状に曲げて中空糸膜束を形成し、さらにこの中空糸膜束を捩ってケースに収容することにより、中空糸膜の充填効率を高めている。
また、特許文献2の中空糸膜モジュールでは、中空糸膜をU字状に曲げた中空糸膜束を、複数に小分けして構成している。
さらに、特許文献3の中空糸膜モジュールでは、多数本の中空糸膜の束を曲げ、かつ、ねじってケースに収納している。
特開平6−142650号公報 実開平7−24430号公報 特開平7−213872号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献3のように中空糸膜束をねじって中空糸膜モジュールを形成した場合、ねじった部位で中空糸膜どうしが互いに密着するため、この密着部分が濾過に有効に活用されず、したがって、濾過性能が充分に高くなるまでには至っていない。
また、前述した中空糸膜束とケースの内面との間に発生する空隙も解消されずにそのまま残ってしまう。
また、前述したように、中空糸膜モジュールを製造する場合、ケース内に固定用樹脂を注入して中空糸膜束の曲げ部と反対の側をケースの底部に固定するが、特許文献1〜特許文献3のような中空糸膜モジュールでは、固定用樹脂の注入を、例えば、専用の治具を用いてケースの横などから行い、ケースの底部に充填する必要があり、したがって固定用樹脂をケースの径方向に均一に注入、充填するのが困難になる。
そのため、ケースの底部に対する中空糸膜束の固定や、中空糸膜間の封止などにムラができることから、中空糸膜束の底部を確実に固定、封止するべく、固定用樹脂の層高を充分に厚く(高く)する必要がある。
しかしながら、このように固定用樹脂の層高を充分に厚くすると、その分だけ、中空糸膜モジュールの小型化が阻まれてしまう。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、ケースに対する中空糸膜の充填効率を高めて濾過性能を向上するとともに、小型化を可能にした中空糸膜モジュールと、その製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る中空糸膜モジュールは、多数本の中空糸膜をU字状に曲げた中空糸膜束を筒状のケース内に装填し、該ケース内に固定用樹脂を注入して前記中空糸膜束の曲げ部と反対の側を前記ケースの底部に固定した中空糸膜モジュールであって、前記中空糸膜、前記ケース内で、該ケースの中央部から内壁部に向けてU字状に曲げられ、且つ、前記ケースの中央部から放射状に配置されていることで、前記中空糸膜束が略円筒状に形成されており、前記中空糸膜束の略中心部には前記ケースの高さ方向に沿って空隙部が形成され、前記空隙部には芯棒が挿通されている。
本発明の中空糸膜モジュールによれば、中空糸膜がケース内でU字状に曲げられており、例えば、中空糸膜の曲げ方向が一定方向に揃えられることなく異なる方向を向くように形成することができるので、その平面形状をケースの平面形状に合わせて形成することができ、したがって、ケースに対する中空糸膜の充填効率を高めることができる。
また、中空糸膜束の略中心部にケースの高さ方向に沿って空隙部が形成され、この空隙部に芯棒が挿通されているので、空隙部に水が流入しやすくなる。これにより、中空糸膜束の中心部に水が流入し易くなることから、ろ過流量が増加し、より短い時間で水をろ過することが可能となる。また、中空糸膜束の中心部に水が流入し易くなることにより、中空糸膜の膜面積をより有効に利用しながら水を濾過することが可能となる。
また、この構成によれば、中空糸膜束の略中心部に前記空隙部を形成するのが容易になり、さらに、中空糸膜束の平面視形状を容易に円形にすることができる。
また、前記中空糸膜モジュールにおいて、前記芯棒は、前記固定用樹脂注入用のチューブであることが好ましい。
この構成によれば、製造時、ケース内に固定用樹脂を注入して中空糸膜束の曲げ部と反対の側をケースの底部に固定する際、前記チューブを通して固定用樹脂を注入することにより、ケースの底部に固定用樹脂を均一に注入、充填することができる。
また、前記中空糸膜モジュールにおいて、前記ケースが円筒状であることが好ましい。
この構成によれば、中空糸膜束の平面視形状を円形にすることにより、この中空糸膜束を、ケースの内壁面との間にほとんど隙間をあけることなく装填することができる。
本発明に係る中空糸膜モジュールは、多数本の中空糸膜をU字状に曲げた中空糸膜束を筒状のケース内に装填し、該ケース内に固定用樹脂を注入して前記中空糸膜束の曲げ部と反対の側を前記ケースの底部に固定した中空糸膜モジュールであって、前記中空糸膜束は、多数本の前記中空糸膜からなるとともに周方向にて複数に分割された小束によって略円筒状に形成され、且つ、複数の前記小束を構成する多数本の前記中空糸膜の曲げ方向が、各々の前記小束間で一定方向に揃えられるか、又は、一定方向に揃えられることなく異なる方向を向くように形成されており、前記中空糸膜束の略中心部には前記ケースの高さ方向に沿って空隙部が形成され、前記空隙部には芯棒が挿通されている。
この構成によれば、中空糸膜束を小束によって形成したことでその膜面積を増加することができる。また、中空糸膜束の略中心部に前記空隙部を形成するのが容易になり、さらに、中空糸膜束の平面視形状をケースの平面視形状に合わせて適宜に形成することができる。
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、多数本の中空糸膜をU字状に曲げた中空糸膜束を筒状のケース内に装填し、該ケース内に固定用樹脂を注入して前記中空糸膜束の曲げ部と反対の側を前記ケースの底部に固定する中空糸膜モジュールの製造方法であって、多数本の中空糸膜を、芯棒を中心にして該中心側から外側に向けて、略中心部に空隙部が形成されるようにしてU字状に曲げるとともに、前記中空糸膜を、前記芯棒を中心にして放射状に配置して集束することで略円筒状の中空糸膜束を形成するステップと、前記空隙部にチューブを設けるステップと、前記中空糸膜束の曲げ部と反対の側を加熱切断して底面部を形成するステップと、前記底面部を形成した中空糸膜束を筒状のケース内に装填するステップと、前記チューブを通して前記ケースの底部側に固定用樹脂を注入し、前記中空糸膜束の底面部側を前記ケースの底部に固定するステップと、前記ケースの底部側を切断して前記中空糸膜束の底面部側を切断し、該中空糸膜束の開口端を露出させるステップと、を有する。
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法によれば、前記の方法により、中空糸膜束をU字状に曲げて中空糸膜束を形成することで、曲げ方向が一定方向に揃えられることなく異なる方向を向くように形成することが可能になるので、その平面形状をケースの平面形状に合わせて形成することができ、したがって、ケースに対する中空糸膜の充填効率を高めることができる。また、中空糸膜束の略中心部に空隙部を形成するとともに、この空隙部にチューブを設け、該チューブを通してケースの底部側に固定用樹脂を注入し、中空糸膜束の底面部側をケースの底部に固定するようにしたので、ケースの底部に固定用樹脂を均一に注入、充填することができる。
また、芯棒によって中空糸膜束の略中心部に空隙部を形成するのが容易になり、さらに、中空糸膜束の平面視形状を容易に円形にすることができる。
また、前記中空糸膜モジュールの製造方法においては、前記芯棒として、前記チューブを用いることが好ましい。
この構成によれば、芯棒としてチューブを用いることにより、中空糸膜束を形成するステップによって空隙部にチューブを設けるステップを兼ねることができ、したがって、工程を簡略化することができる。
また、前記中空糸膜モジュールの製造方法において、前記空隙部にチューブを設けるステップでは、前記中空糸膜束から前記芯棒を外した後、形成された空隙部に前記チューブを挿通することが好ましい。
この構成によれば、芯棒として所望の空隙部が形成可能な適宜なものを用いることができ、したがって、中空糸膜束を形成するステップを簡易化することができる。
また、前記中空糸膜モジュールの製造方法においては、前記ケースが円筒状であることが好ましい。
この構成によれば、中空糸膜束の平面視形状を円形にすることにより、この中空糸膜束を、ケースの内壁面との間にほとんど隙間をあけることなく装填することができる。
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、多数本の中空糸膜をU字状に曲げた中空糸膜束を筒状のケース内に装填し、該ケース内に固定用樹脂を注入して前記中空糸膜束の曲げ部と反対の側を前記ケースの底部に固定する中空糸膜モジュールの製造方法であって、多数本の中空糸膜をU字状に曲げることにより、多数本の前記中空糸膜からなるとともに、周方向にて複数に分割された小束から形成される略円筒状の中空糸膜束を、芯棒を中心にして略中心部に空隙部が形成されるように形成し、且つ、複数の前記小束を構成する多数本の前記中空糸膜の曲げ方向が、各々の前記小束の間で一定方向に揃えられるか、又は、一定方向に揃えられることなく異なる方向を向くように形成するステップと、前記空隙部にチューブを設けるステップと、前記中空糸膜束の曲げ部と反対の側を加熱切断して底面部を形成するステップと、前記底面部を形成した中空糸膜束を筒状のケース内に装填するステップと、前記チューブを通して前記ケースの底部側に固定用樹脂を注入し、前記中空糸膜束の底面部側を前記ケースの底部に固定するステップと、前記ケースの底部側を切断して前記中空糸膜束の底面部側を切断し、該中空糸膜束の開口端を露出させるステップと、を有する。
この構成によれば、中空糸膜束を小束によって形成することでその膜面積を増加することができる。また、中空糸膜束の略中心部に前記空隙部を形成するのが容易になり、さらに、中空糸膜束の平面視形状をケースの平面視形状に合わせて適宜に形成することができる。
本発明の中空糸膜モジュールとその製造方法によれば、中空糸膜束の平面形状をケースの平面形状に合わせて形成することにより、ケースに対する中空糸膜の充填効率を高めることができ、したがって、濾過性能を向上することができる。また、中空糸膜束の略中心部にケースの高さ方向に沿って形成された空隙部に芯棒が挿通されているので、中空糸膜束の中心部に水が流入し易くなることから、ろ過流量が増加し、より短い時間で水をろ過することが可能になり、また、中空糸膜の膜面積をより有効に利用しながら水を濾過することが可能となる。
さらに、芯棒としてチューブを採用した場合には、これを通して固定用樹脂を注入することにより、ケースの底部に固定用樹脂を均一に注入、充填することができる。したがって、固定用樹脂の層高を比較的薄く(低く)することができ、これによって中空糸膜モジュールの小型化を可能にすることができる。
本発明に係る中空糸膜モジュールの一実施形態の概略構成を示す側断面図である。 本発明に係る中空糸膜モジュールの一実施形態の概略構成を示す平面図である。 図1A及び図1Bに示した中空糸膜モジュールに用いられる中空糸膜束の概略構成を示す斜視図である。 図1A及び図1Bに示した中空糸膜モジュールに用いられる中空糸膜束の概略構成を示す平面図である。 中空糸膜束の加熱切断処理を説明するための図である。 中空糸膜束のケース内への装填処理を説明するための図である。 固定用樹脂の注入処理を説明するための図である。 中空糸膜束の変形例を示す平面図である。 本発明に係る中空糸膜モジュールの実施例について説明する図であり、中空糸膜モジュールを容器内に設置してポット型浄水器を構成した状態を示す断面図である。
以下、本発明に係る中空糸膜モジュールとその製造方法について、図面を参照して詳しく説明する。
図1A、及び図1Bは、本発明に係る中空糸膜モジュールの一実施形態の概略構成を示す図であり、図1Aは側断面図、図1Bは平面図である。また、図2A、及び図2Bは、図1A、及び図1Bに示した中空糸膜モジュールに用いられる中空糸膜束の概略構成を示す図であり、図2Aは斜視図、図2Bは平面図である。
図1A、及び図1Bにおいて符号1は中空糸膜モジュールであり、この中空糸膜モジュール1は、中空糸膜束2が円筒状のケース3内に装填され、固定用樹脂4によって該ケース3の底部に固定されたものである。
中空糸膜束2は、図2A、及び図2Bに示すように多数本の中空糸膜5がU字状に曲げられたことにより、略円柱状(略円筒状)に形成されたものである。すなわち、本実施形態で説明する例では、多数本の中空糸膜5が、図1A、及び図2Bに示すようにケース3の中央部(中心部)から内壁部に向けてU字状に曲げられるとともに、該中空糸膜5がケース3の中央部から放射状に配置されたことにより、略円柱状(略円筒状)に形成されている。
また、このような中空糸膜束2の略中央部には、中心軸方向に沿って空隙部6が形成されており、この空隙部6には、芯棒として機能する、センターチューブ(チューブ)7が挿通されている。また、芯棒としては、チューブ状のもののみならず、中実の芯棒を用いることもできる。
中空糸膜束2を構成する中空糸膜5としては、例えば、セルロース系、ポリオレフィン系(ポリエチレン系)、ポリビニルアルコール系、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)系、ポリスルフォン系など、種々の材科のものが使用される。本実施形態では、中空糸膜5として、特に透水性に優れ、製造も容易である等の理由により、ポリスルフォン系の中空糸膜が好適に用いられる。
なお、ポリエチレン系の中空糸膜は特に強伸度が高く、例えば、U字状に曲げる際、屈曲半径rを小さくして曲率を大きくすることができるため、特に曲率を大きくしたい場合には有効である。ただし、本実施形態では、前述したように、中空糸膜5をケース3の中央部から内壁部に向けてU字状に曲げており、したがって曲率を比較的小さくする(屈曲半径rを比較的大きくする)ことができるため、透水性等に優れたポリスルフォン系の中空糸膜5が用いられている。
このような中空糸膜5は、ケース3の底部側にて、前述したように固定用樹脂4によって固定されている。すなわち、中空糸膜5間が固定用樹脂4によって封止されるとともに、これら中空糸膜5がケース3の底部内壁面に液密に固定されている。そして、このように固定用樹脂4によって固定された状態で、中空糸膜5はケース3の底部側にて開口しており、したがって、開口した端面がケース3の外方に露出している。
つまり、中空糸膜束2は、その底面がケース3の底部にて外方に露出している。また、中空糸膜5がU字状に曲げられたことで形成された中空糸膜束2の曲げ部2aは、ケース3の底部と反対の側を向いて配置されている。本実施形態では、曲げ部2aはケース3の高さ方向略中央部に配置されている。
中空糸膜束2を形成する中空糸膜5の孔径、空孔率、膜厚、外径等は、中空糸膜5を濾過膜として使用可能な寸法であれば特に限定されないものの、例えば、外径は20〜4000μm程度、孔径は0.01〜1μm程度、空孔率は20〜90%程度、膜厚は5〜300μm程度であるのが好ましい。
ケース3の材質としては、機械的強度および耐久性を有するものであればよく、例えば、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリオレフィン、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル樹脂、ABS樹脂、変成PPE(ポリフェニレンエーテル)等が用いられる。
固定樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン系充填材、各種ホットメルト樹脂等が使用可能であり、これらの中から適宜選択され、用いられる。
センターチューブ7は、円管状の部材であり、一端側、すなわち中空糸膜束2の曲げ部2a側に円環状のフランジ部7aが形成されている。センターチューブ7の長さは、中空糸膜束2の高さと略等しく形成されている。また、センターチューブ7の他端側の面、すなわち前記フランジ部7aと反対の側の面は開口端とされている。このように、他端側の面は開口していれば良いが、図4、図5に示すように、センターチューブ7の軸線に対して所定の鋭角角度、例えば30°〜70°の角度で傾斜した傾斜面に形成されていると、より好ましい。ここで、本実施形態の中空糸膜モジュール1においては、センターチューブ7は、中空糸膜束2に形成された空隙部6に挿通される芯棒としても機能する。
本実施形態の中空糸膜モジュール1によれば、前述の構成のように、中空糸膜束2の略中心部に形成された空隙部6に、例えば、チューブ7のような芯棒が挿通されることにより、中空糸膜束2の中心部に水が流入し易くなる。これにより、中空糸膜束2におけるろ過流量が増加し、より短い時間で水をろ過することが可能になり、また、中空糸膜5の膜面積をより有効に利用しながら水を濾過することが可能となる。
次に、このような構成からなる中空糸膜モジュール1の製造方法を、前記と同じ図面を参照して説明する。
まず、多数本の中空糸膜5を束ね、束ねた中空糸膜の略中心部に空隙部6が形成されるようにしてU字状に曲げる。また、本実施形態の製造方法では、これら中空糸膜5をU字状に曲げながら、その曲げ方向が一定方向に揃えられることなく異なる方向を向くようにして中空糸膜束2を形成することがより好ましい。具体的には、例えば、芯棒(図示せず)を束ねた中空糸膜の中心にして空隙部6を形成させ、該中心側から外側に向けて中空糸膜5をU字状に曲げるとともに、該中空糸膜5を、前記芯棒を中心にして放射状に配置して集束し、中空糸膜束2を形成する。
中空糸膜5をU字状に曲げる際には、例えば、芯棒を中心にして束ねた多数本の中空糸膜5を、その一端側を、上端が開口した円筒体内に芯棒とともに挿入し、保持固定する。続いて、中空糸膜5の他端側をU字状に曲げる。その際、例えば、多数本の中空糸膜5を4分割し、それぞれ中心側(芯棒側)から外側に曲げ、円筒体の外面に沿わせる。これによって、4分割した中空糸膜5を、ほぼ四方に向けて曲げることができる。次いで、4分割し、四方に向けて曲げた中空糸膜5間を互いに寄せ、多数本の中空糸膜5が、芯棒を中心にして全方位(360°)にほぼ均等に向くように、放射状に調整し、配置する。これにより、中空糸膜束2の曲げ部2aを形成する。その後、多数本の中空糸膜5を円筒体から抜き取り、中空糸膜束2とする。
また、このように多数本の中空糸膜5を円筒体から抜き取る前に、あるいは抜き取った後、芯棒を外し、形成された空隙部6にセンターチューブ7を挿通する。
なお、本発明においては、詳細を後述するように、芯棒としてセンターチューブ7を用いて中空糸膜束2を作製することも可能である。
次に、中空糸膜束2の曲げ部2aと反対の側を加熱切断し、底面部を形成する。具体的には、図3に示すように、開口面が円形の収容孔8aを形成した型8の前記収容孔8a内に中空糸膜束2を収容し、曲げ部2aと反対の側を収容孔8aから適宜量突出させておき、その状態で、ヒートカッター9によって中空糸膜束2の突出した部位を加熱切断する。すなわち、中空糸膜束2の突出部位を加熱し、溶融させた状態で切断する。このようにして中空糸膜5(中空糸膜束2)の端部を切り揃えることにより、中空糸膜束2の曲げ部2aと反対の側に平面状の底面部2bを形成することができる。なお、このように加熱切断することにより、多数本の中空糸膜5は、加熱切断部となる底面部2bにおいて、互いに融着してなる融着面を形成する。
ここで、この中空糸膜束2の加熱切断時には、センターチューブ7を切断しないように、該センターチューブ7を中空糸膜束2の曲げ部2a側に移動させ、この曲げ部2a側から突出させておく。
なお、前述した手順においては、中空糸膜束2からの芯棒の取り外し、空隙部6へのセンターチューブ7の挿通を、中空糸膜束2の加熱切断時の前に行うようにしたが、中空糸膜束2の加熱切断後に行うようにしてもよい。その場合にも、芯棒が中空糸膜束2の加熱切断に干渉しないよう、加熱切断時には芯棒を前記曲げ部2a側に移動させておく。
次いで、図4に示すように、前記の底面部2bを形成した中空糸膜束2を有底円筒状のケース10内に装填する。その際、底面部2bをケース10の底面側に向けて、ケース10の奥(底)まで装填し、この底面部2bをケース10の底面(内面)に当接させる。
また、中空糸膜束2をケース10内に装填する前に、あるいは装填後、中空糸膜束2の曲げ部2a側に移動させていたセンターチューブ7を、底面部2b側に押し入れる(移動させる)。その際、図4に示すように、センターチューブ7の他端側の面を傾斜面として形成している場合には、センターチューブ7の先端は底部と接しても良い。また、底面部2bの面より、例えば2〜10mm程度、曲げ部2a側に位置するように、このセンターチューブ7を配置しても良い。このように、センターチューブ7の先端を底面部2bよりも浮かして配置することにより、後述するように、固定用樹脂を注入する際、融着面となっている底面部2bよりも少し上側に固定用樹脂を供給することができるので、固定用樹脂の充填性を高めることが可能になる。
次いで、図5に示すように、樹脂ポット11をケース10内に装填し、その排出管11aをセンターチューブ7のフランジ部7a内に差し込む。続いて、樹脂ポット11内に、硬化前で液状とされた固定用樹脂4aを充填する。硬化前で液状とされた固定用樹脂4aの粘度については、特に限定はされないものの、好ましくは300〜5000mPa・s、より好ましくは500〜3000mPa・sの範囲とされる。液状の固定用樹脂4aの粘度が300mPa・s未満では、固定用樹脂4aが中空糸膜5の開口端部まで流動し、この開口端部内を閉塞するおそれがある。また、固定用樹脂4aの粘度が5000mPa・sを超えると、中空糸膜5間への良好な含浸が難しくなる傾向にあり、好ましくない。
次いで、ケース10の底面側が外側、中空糸膜束2の曲げ部2a側が内側になるような配置で、このケース10を遠心機によって回転させ、遠心力を付与する。この遠心力により、樹脂ポット11内の液状の固定用樹脂4aは、排出管11a、センターチューブ7を通ってケース10の底部側に達する。すなわち、固定用樹脂4aがセンターチューブ7に案内されてケース10の底部側に注入される。したがって、注入された固定用樹脂4aは、ケース10の底部側から徐々に中空糸膜束2の曲げ部2a側に上昇することで、ケース10と中空糸膜束2との間や、各々の中空糸膜5間に、ムラなく充填されるようになる。
次いで、樹脂ポット11を取り除き、ケース10内に充填した固定用樹脂4aを硬化させることにより、中空糸膜束2の底面部2b側をケース10の底部に固定する。
その後、ケース10の底部側を切断して、中空糸膜束2の底面部2b側を切断する。これにより、中空糸膜束2の前記の底面部2b側、すなわち切断部には各々の中空糸膜5の切断面が形成され、したがって、各々の中空糸膜5の開口端が露出する。また、このように、各々の中空糸膜5の開口端が露出することにより、中空糸膜束2の開口端も底部が開口したケース3(10)の底部側に露出する。これにより、図1A、及び図1Bに示した中空糸膜モジュール1が得られる。
本実施形態の中空糸膜モジュール1の製造方法にあっては、中空糸膜束2を、曲げ方向が一定方向に揃えられることなく、異なる方向を向くように形成するべく、多数本の中空糸膜束2を、芯棒を中心にして該中心側から外側に向けてU字状に曲げる。これとともに、中空糸膜束2を、前記芯棒を中心にして放射状に配置して集束し、中空糸膜束2を形成することができる。これにより、中空糸膜束2の平面形状を、ケース3の平面形状に容易に合わせて形成することができる。すなわち、平面視円形状のケース3に対して、中空糸膜束2を平面視円形の略円柱状(略円筒状)に形成することができる。したがって、中空糸膜束2の直径をケース3の内径に合わせることにより、ケース3に隙間無く中空糸膜束2を装填することができ、これによって、ケース3への中空糸膜5の充填効率を高めることができる。よって、中空糸膜モジュール1の濾過性能を向上させることができる。
また、中空糸膜束2の略中心部に空隙部6を形成するとともに、この空隙部6にセンターチューブ7を設け、このセンターチューブ7を通してケース10の底部側に液状の固定用樹脂4aを注入し、中空糸膜束2の底面部2b側をケース10の底部に固定するようにしたので、ケース10の底部に固定用樹脂4aを均一に注入、充填することができる。したがって、ケース10の底部に対する中空糸膜束2の固定や中空糸膜5間の封止などにムラが生じないことから、固定用樹脂4(4a)の層高を比較的薄く(低く)しても、中空糸膜束2の底部を確実に固定、封止することができる。よって、得られる中空糸膜モジュール1の小型化が可能になる。
また、空隙部6にセンターチューブ7を設ける際に、中空糸膜束2から芯棒を外した後、形成された空隙部6にセンターチューブ7を挿通する工程(ステップ)とすることで、芯棒として所望の空隙部が形成可能な適宜なものを用いることにより、中空糸膜束2の形成工程を簡易化することができる。
また、このような製造方法によって得られた中空糸膜モジュール1にあっては、中空糸膜束2の平面形状がケース3の平面形状に合わせて形成されることにより、ケース3に対する中空糸膜5の充填効率が高められ、したがって、濾過性能が向上する。
また、センターチューブ7を通して固定用樹脂4aが注入されることにより、ケース10(3)の底部に固定用樹脂4a(4)が均一に注入、充填され、したがって固定用樹脂の層高を比較的薄く(低く)することができる。よって、中空糸膜モジュール1の小型化が可能になる。
なお、本発明の技術範囲は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記の実施形態では、中空糸膜束2を形成する際、その空隙部6を形成するために芯棒を用いた方法を説明しているが、このような芯棒として、直接、センターチューブ7を用いるようにしてもよい。このように芯棒としてセンターチューブ7を用いることにより、中空糸膜束2を形成する工程(ステップ)によって、空隙部6にセンターチューブ7を設ける工程(ステップ)を兼ねることができ、したがって、工程を簡略化することが可能になる。
また、前記の実施形態では、中空糸膜束2を一つの大きな束として形成したが、これには限定されず、例えば、図6の平面図に示すように、中空糸膜束12を、センターチューブ7を中心とした周方向にて複数に分割された小束12aによって形成してもよい。このような小束12aとしては、例えば、図6に示す例のように、これを構成する中空糸膜5がU字状に曲げられると共に同じ方向に向いて揃えられていてもよく、あるいは、前記中空糸膜束2と同様に放射状に配置されていてもよい。
ただし、小束12aは、その中空糸膜5が同じ方向(一定方向)に向いて揃えられているとしても、図6に示すように、これら小束12aから構成される中空糸膜束12は、これを構成する中空糸膜5の曲げ方向が一定方向に揃えられることなく異なる方向を向くように形成される。すなわち、中空糸膜束12は、各小束12aの向きが互いに異なるように配置されてケース3内に装填される。
このように、中空糸膜束12を複数の小束12aによって構成することにより、中空糸膜束12の膜面積を増加することができ、したがって、濾過性能を向上させることができる。また、中空糸膜束12の略中心部に空隙部を形成するのが容易になり、さらに、中空糸膜束12の平面視形状を、ケース3の平面視形状に合わせて適宜に形成することが可能になる。よって、ケース3内に隙間無く中空糸膜束12を装填することができ、これによって、ケース3への中空糸膜5の充填効率を高めることができることから、中空糸膜モジュール1の濾過性能をより向上させることが可能になる。
また、中空糸膜束を装填するケースとしては、図示例のような円筒状に限定されることなく、例えば、長円筒状や楕円筒状、四角筒状など、種々の筒状のものを用いることができる。
また、前記した中空糸膜モジュール1は、例えば、ケース3内に活性炭を充填することで、浄水器用のカートリッジとすることができる。すなわち、本発明に係る中空糸膜モジュール1は、浄水器用カートリッジの製造に好適に用いられる部材となる(例えば、図7に示すポット型浄水器100を参照)。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、前記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
以下に、本発明の中空糸膜モジュールとその製造方法の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。
(中空糸膜モジュールの作製)
本実施例においては、まず、図1A及び図1B中に示すような中空糸膜束2を形成した後、これを、図7中に示すようなケース30に挿入することで中空糸膜モジュール1Aを作製した。
すなわち、本実施例では、まず、糸長(膜幅)65mm(有効糸長:51mm;ポッティング長:8mm、カット長:6mm)のポリスルフォンからなる多数本の中空糸膜5を、その一端側を芯棒とともに円筒体内に挿入して保持固定した。
次いで、中空糸膜5を、中心部に空隙部6が形成されるように、前記の円筒体の中央部から内壁部に向けてU字状に曲げるとともに、中央部から放射状になるよう略円筒状とすることで、図1A及び図1B中に示すような中空糸膜束2を形成した。
次いで、円筒状に形成した中空糸膜束2の放射状の中心部に、前記の芯棒を抜くことで形成された空隙部6に、センターチューブ7を挿通した。
次いで、中空糸膜束2の曲げ部2aと反対の側を加熱切断して底面部を形成した後、センターチューブ7が挿通された状態の中空糸膜束2を、内径が40mmの円筒状のケース30に挿入した。このケース30は、図7中に示すように、胴部31の円筒軸方向における上部側面に、後述のポット型浄水器を構成する容器101に固定するためのOリング34が取り付けられている。さらに、ケース30は、胴部31の底面部側には、先端が小径の排出口32aとされた底蓋32が備えられているとともに、胴部31におけるOリング34よりも上の位置には、処理対象である原水を取り込むための孔部33aが複数で形成された上蓋33が備えられている点で、図1A及び図1B等に示すケース3とは異なる。
そして、センターチューブ7のフランジ部7aから液状の固定用樹脂4aを注入することにより、中空糸膜束2の底面部を、ケース30の底面部に、固定用樹脂4aの硬化によって固定した。
このような工程(ステップ)により、図7(図1A及び図2Bに示す中空糸膜モジュール1も参照)中に示すような中空糸膜モジュール1Aを作製した。
ここで、中空糸膜モジュール1Aの仕様は、中空糸膜5のケース30内における充填率を49.1%、樹脂ポッティング部分を除いた有効膜面積を0.207mとした。
(浄水器用カートリッジの作製)
次に、前記の工程(ステップ)で得られた中空糸膜モジュール1Aに、20〜40メッシュの粒状活性炭110を25g充填することにより、浄水器用カートリッジAを作製し、これを実施例のサンプルとした(図7を参照)。
これに対し、比較例のサンプルとして、中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜束2の空隙部6にセンターチューブ(芯棒)を挿入していない点を除いて、前記の実施例の浄水器用カートリッジAと同様の仕様とされた浄水器用カートリッジBを作製した。ここで、実施例である前記の浄水器用カートリッジAについては、センターチューブ7から液状の固定用樹脂4aを注入する工程を含む方法で作製したのに対し、浄水器用カートリッジBを作製するにあたっては、ケース3の底部近傍の側面に小孔を開け、この小孔から固定用樹脂4aを内部に注入する方法を採用した。
(実施例と比較例との比較評価)
前記の各工程(ステップ)によって得られた実施例の浄水器用カートリッジA、及び、比較例の浄水器用カートリッジBを、それぞれ、図7中に示すような容器101に取り付けることにより、評価用のポット型浄水器100を作製した。図7に示すように、前記の容器101は、浄水処理を行う前の原水(図示せず)を貯留する、容量が1Lとされた原水貯留部102と、浄水後の処理水を貯留する浄水貯留部103とを備えている。そして、浄水器用カートリッジA、又は、浄水器用カートリッジBの上部に設けられたOリング34をシール部材として用い、原水貯留部102の底部に取り付けることで、原水貯留部102に貯留された原水が各浄水器用カートリッジA,Bに流入し、処理水が浄水貯留部103に流入するように構成した。
以下に、実施例の中空糸膜モジュールAの詳細な仕様を示す。なお、前述の通り、比較例の浄水器用カートリッジBは、センターチューブを備えていない点を除き、以下の中空糸膜モジュールAの仕様と同等である。
(1)中空糸膜長(膜幅):65mm
(2)カット長(中空糸膜):6mm
(3)ポッティング長(中空糸膜):8mm
(4)有効長(中空糸膜):51mm
(5)カートリッジ内径(ケース内径):40mm
(6)センターチューブ(芯棒)外径:5mm
(7)有効膜面積:0.207m
(8)ケース内における中空糸膜束の充填率:49.1%
(9)親水糸内径:400μm
(10)親水糸膜厚:100μm
(11)親水糸本数:2150本
評価にあたっては、まず、原水貯留部102に1Lの原水を入れ、この原水が自重によって各浄水器用カートリッジA,Bに流入した後に浄水貯留部103に流出して、原水貯留部102内の原水が全て無くなるまでの時間を測定することで、ろ過速度(初期ろ過流量)を測定した。この際、ろ過速度の測定は、JIS S 3201(日本工業規格:2010年版)に準拠した方法及び条件によって行った。
上記方法及び条件による評価試験の結果、実施例の浄水器用カートリッジAは、ろ過速度が0.26L/minであったのに対し、比較例の浄水器用カートリッジBは、ろ過速度が0.18L/minであった。
すなわち、実施例の浄水器用カートリッジAは、1Lの原水をろ過するのに4分弱程度の時間を要したのに対し、比較例の浄水器用カートリッジBでは、1Lの原水をろ過するのに5分30秒以上の時間を要している。このことから、本発明に係る構成の中空糸膜モジュール1Aを備えることにより、原水のろ過速度を大幅に向上させることが可能であることが明らかである。本発明に係る中空糸膜モジュールによって前述の効果が得られる理由としては、原水が、その自重によって原水貯留部102から浄水器用カートリッジA(中空糸膜モジュール)に流入したとき、中空糸膜束2の空隙部6に挿通された芯棒(センターチューブ7)により、この空隙部6が拡張され、原水が流入し易くなる作用が得られるということが考えられる。
1,1A…中空糸膜モジュール、2…中空糸膜束、2a…曲げ部、3…ケース、4…固定用樹脂、4a…液状の固定用樹脂、5…中空糸膜、6…空隙部、7…センターチューブ(チューブ)、10…ケース、12…中空糸膜束、12a…小束、30…ケース

Claims (5)

  1. 多数本の中空糸膜をU字状に曲げた中空糸膜束を筒状のケース内に装填し、該ケース内に固定用樹脂を注入して前記中空糸膜束の曲げ部と反対の側を前記ケースの底部に固定する中空糸膜モジュールの製造方法であって、
    多数本の中空糸膜を、芯棒を中心にして該中心側から外側に向けて、略中心部に空隙部が形成されるようにしてU字状に曲げるとともに、前記中空糸膜を、前記芯棒を中心にして放射状に配置して集束することで略円筒状の中空糸膜束を形成するステップと、
    前記空隙部にチューブを設けるステップと、
    前記中空糸膜束の曲げ部と反対の側を加熱切断して底面部を形成するステップと、
    前記底面部を形成した中空糸膜束を筒状のケース内に装填するステップと、
    前記チューブを通して前記ケースの底部側に固定用樹脂を注入し、前記中空糸膜束の底面部側を前記ケースの底部に固定するステップと、
    前記ケースの底部側を切断して前記中空糸膜束の底面部側を切断し、該中空糸膜束の開口端を露出させるステップと、
    を有する中空糸膜モジュールの製造方法。
  2. 前記芯棒として、前記チューブを用いる請求項記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  3. 前記空隙部にチューブを設けるステップでは、前記中空糸膜束から前記芯棒を外した後、形成された空隙部に前記チューブを挿通する請求項記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  4. 前記ケースが円筒状である請求項のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  5. 多数本の中空糸膜をU字状に曲げた中空糸膜束を筒状のケース内に装填し、該ケース内に固定用樹脂を注入して前記中空糸膜束の曲げ部と反対の側を前記ケースの底部に固定する中空糸膜モジュールの製造方法であって、
    多数本の中空糸膜をU字状に曲げることにより、多数本の前記中空糸膜からなるとともに、周方向にて複数に分割された小束から形成される略円筒状の中空糸膜束を、芯棒を中心にして略中心部に空隙部が形成されるように形成し、且つ、複数の前記小束を構成する多数本の前記中空糸膜の曲げ方向が、各々の前記小束の間で一定方向に揃えられるか、又は、一定方向に揃えられることなく異なる方向を向くように形成するステップと、
    前記空隙部にチューブを設けるステップと、
    前記中空糸膜束の曲げ部と反対の側を加熱切断して底面部を形成するステップと、
    前記底面部を形成した中空糸膜束を筒状のケース内に装填するステップと、
    前記チューブを通して前記ケースの底部側に固定用樹脂を注入し、前記中空糸膜束の底面部側を前記ケースの底部に固定するステップと、
    前記ケースの底部側を切断して前記中空糸膜束の底面部側を切断し、該中空糸膜束の開口端を露出させるステップと、
    を有する中空糸膜モジュールの製造方法。
JP2015515331A 2014-03-10 2015-03-10 中空糸膜モジュールとその製造方法 Expired - Fee Related JP6079871B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014046873 2014-03-10
JP2014046873 2014-03-10
PCT/JP2015/056939 WO2015137308A1 (ja) 2014-03-10 2015-03-10 中空糸膜モジュールとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6079871B2 true JP6079871B2 (ja) 2017-02-15
JPWO2015137308A1 JPWO2015137308A1 (ja) 2017-04-06

Family

ID=54071752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015515331A Expired - Fee Related JP6079871B2 (ja) 2014-03-10 2015-03-10 中空糸膜モジュールとその製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6079871B2 (ja)
KR (1) KR20160130311A (ja)
CN (1) CN106457156A (ja)
TW (1) TWI554327B (ja)
WO (1) WO2015137308A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102323004B1 (ko) * 2017-06-14 2021-11-05 미츠비시 케미카루 크린스이 가부시키가이샤 외부 관류형 중공사막 모듈
CN111185101A (zh) * 2019-08-02 2020-05-22 珠海格力电器股份有限公司 一种具有滤芯组件的净水设备
CN113274886A (zh) * 2021-06-03 2021-08-20 江西金达莱环保股份有限公司 膜组件清洗装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0433928U (ja) * 1990-07-12 1992-03-19
JPH04171029A (ja) * 1990-11-05 1992-06-18 Daicel Chem Ind Ltd 中空糸束の処理方法
JPH04284834A (ja) * 1991-03-14 1992-10-09 Mitsubishi Rayon Co Ltd 中空糸膜モジュールの製造方法
JPH09122455A (ja) * 1995-11-07 1997-05-13 Nitto Denko Corp 中空糸膜モジュールおよびその製造方法
JP2013158689A (ja) * 2012-02-03 2013-08-19 Mitsubishi Rayon Cleansui Co Ltd 中空糸膜モジュールの製造方法
JP2013158690A (ja) * 2012-02-03 2013-08-19 Mitsubishi Rayon Cleansui Co Ltd 円筒状ケーシング収納用の治具

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2757722B2 (ja) 1992-11-09 1998-05-25 東レ株式会社 浄水器用カートリッジ及びこれを備えた浄水器
JPH0724430A (ja) 1993-07-06 1995-01-27 Japan Tobacco Inc 円筒フィルタ洗浄装置
JPH07213872A (ja) 1994-02-07 1995-08-15 Nok Corp 中空糸膜モジュール
JP2010115613A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Panasonic Electric Works Co Ltd 浄水カートリッジ及び浄水器
US8540081B2 (en) * 2011-03-16 2013-09-24 Markel Corporation Fluoropolymer hollow fiber membrane with fluoro-copolymer and fluoro-terpolymer bonded end portion(s) and method to fabricate

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0433928U (ja) * 1990-07-12 1992-03-19
JPH04171029A (ja) * 1990-11-05 1992-06-18 Daicel Chem Ind Ltd 中空糸束の処理方法
JPH04284834A (ja) * 1991-03-14 1992-10-09 Mitsubishi Rayon Co Ltd 中空糸膜モジュールの製造方法
JPH09122455A (ja) * 1995-11-07 1997-05-13 Nitto Denko Corp 中空糸膜モジュールおよびその製造方法
JP2013158689A (ja) * 2012-02-03 2013-08-19 Mitsubishi Rayon Cleansui Co Ltd 中空糸膜モジュールの製造方法
JP2013158690A (ja) * 2012-02-03 2013-08-19 Mitsubishi Rayon Cleansui Co Ltd 円筒状ケーシング収納用の治具

Also Published As

Publication number Publication date
CN106457156A (zh) 2017-02-22
JPWO2015137308A1 (ja) 2017-04-06
KR20160130311A (ko) 2016-11-10
WO2015137308A1 (ja) 2015-09-17
TWI554327B (zh) 2016-10-21
TW201544167A (zh) 2015-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6592759B2 (en) Gel potting method and method to reduce twinning for filtering hollow fiber membranes
JP6079871B2 (ja) 中空糸膜モジュールとその製造方法
CN104394966B (zh) 中空丝膜模组
US9005435B2 (en) Structure for opening section, and water purification cartridge
JP2007519515A (ja) 薄膜フィルターユニット及びその薄膜フィルターユニットの製造方法
JP2011189345A5 (ja)
JP2002535133A5 (ja)
JP6354564B2 (ja) 浄水器用カートリッジ、浄水器用フィルタおよび浄水器
JP5871127B2 (ja) 円筒状ケーシング収納用の治具
EP2885064B1 (en) Method of potting hollow fiber membranes and apparatus for filtering liquid with hollow fiber membranes
JP7213982B2 (ja) 濾過及び/又は拡散装置を製造する方法
JP2005296937A (ja) 中空糸膜モジュールおよびその製造方法
CN207507275U (zh) 滤芯、粘接端头及滤芯组件
JP5861479B2 (ja) 中空糸膜モジュールの製造方法
JP6016184B2 (ja) 樹脂注入用治具
JP3873247B2 (ja) 中空糸束の端部固定方法
JP5962888B2 (ja) 中空糸膜モジュールの製造方法
JP4362432B2 (ja) 中空糸型モジュール
JP2005528206A (ja) フィルタカートリッジ及びその製造方法
JP5148904B2 (ja) 中空糸膜モジュールの製造方法
CN213950761U (zh) 复合滤芯用的中心管以及复合滤芯
KR20150031066A (ko) 중공사막 필터 및 그 제조 방법
JP6834532B2 (ja) 中空糸膜モジュールの補修方法及び中空糸膜モジュール
JPWO2019150568A1 (ja) 人工肺及びその製造方法
KR20130005303U (ko) 정수기필터용 리테이너

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161102

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20161109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170102

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6079871

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees