JP6079401B2 - スライムモニタリング装置、及びスライムモニタリング方法、並びにスライム除去剤添加装置、及びスライム除去剤添加方法 - Google Patents

スライムモニタリング装置、及びスライムモニタリング方法、並びにスライム除去剤添加装置、及びスライム除去剤添加方法 Download PDF

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Description

本発明は、開放冷却水系、密閉冷却水系、膜濃縮水系、紙パルプ製造プロセル系、排水処理プロセス系等の水循環系において問題となるスライムの付着状況を連続的にモニターするスライムモニタリング装置、及びスライムモニタリング方法、並びに、スライムの付着状況に応じてスライム除去剤を添加するスライム除去剤添加装置、及びスライム除去剤添加方法に関する。
従来、開放冷却水系、密閉冷却水系、膜濃縮水系、紙パルプ製造プロセル系、排水処理プロセス系等の水循環系において、配管や熱交換器等と水とが接触する界面において微生物が増殖し、粘質性の分泌物に無機物等も巻き込んで増殖した付着物であるスライムにより、ファウリング障害が発生することが知られている。
具体的なファウリング障害としては、例えば、熱交換器の熱効率の低下や、スライムの下層部分において分泌される有機酸や活性酸素種に起因する配管や熱交換器等の腐食がある。また、配管や熱交換器等の腐食が進行すると、貫通穴が形成される恐れがあった。
また、スライム自体が膜を閉塞させたり、スライムの剥離物が配管等を閉塞させたりすることもある。さらに、紙パルプ製造プロセスにおいては、スライムの剥離物により製品の品質低下を引き起こす。
上記説明したスライムのファウリング障害を回避するために、従来、対象となる水系に抗菌剤(スライム除去剤)を添加する処理が実施されている。
しかしながら、対象となる水系に補給される水質や運転状況により、スライムのファウリング障害の程度は様々である。また、スライムのファウリング障害は、温度等の環境や運転状況の変化によって、常に変化する。
スライムの付着状況を正確に把握することは、適切な水処理を行う上(水質を管理する上)で重要となる。
水系におけるスライムの付着状況をモニタリングする方法としては、スライドガラスやゴム板よりなるテストピースを水系に浸漬させ、任意の時期にテストピースを引き上げ、テストピースに付着しているスライムを剥ぎ取って、スライムの付着量を測定する方法が広く行われている。
このような方法は、テストピースを浸漬させる場所の流動条件を一定にすることが難しく、大まかなスライムの付着状況を把握することは可能であるが、正確にスライムの付着状況を把握することは困難である。また、スライムの付着状況の変化を連続的にリアルタイムで把握することはできない。
正確なスライムの付着状況を把握可能な方法として、例えば、複数の短管を直列に接続することでスライムの付着部分の流動条件を一定に制御し、順次短管を取り外して付着物量を評価する方法がある(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照。)。
このような方法では、連続的に短管系列に通水し、任意の時期に通水を止め、特定の短管を引き抜き、付着しているスライムを剥ぎ取って付着量を測定する。
そのため、スライムの付着状況の連続的な変化をリアルタイムで把握することはできない。
スライムの付着状況の連続的な変化をリアルタイムで把握する方法としては、例えば、直接的にスライムの付着量を測定しないで、スライムの付着による直管の両端の差圧変化を連続的に測定する方法がある(例えば、非特許文献2参照。)
この方法では、圧力差から間接的にスライムの付着量を推定するため、流速条件を非常に、厳密に制御する必要がある。
特表平6−509640号公報
W.G.Characklis et.al.,EPLI CS−1554 Project 902−1 Final Report.Sept.,1980 Biofilm development and destruction. NACE Standard RP0189−89,NACE International,Houston,USA.
特許文献1及び非特許文献1に開示された方法では、流速条件を任意に設定することが可能であるため、より正確に、任意の条件でのスライムの付着状況を把握することが可能である。しかしながら、スライムの付着状況の連続的な変化をリアルタイムで把握することができない。
また、非特許文献2に開示された方法では、水の流速変化が圧力変化に大きく影響するため、高価な定量弁等を用いて流速を制御するが、完全に水の流動変動を吸収することは困難である。
つまり、スライムが付着していなくても流速条件が変化することで、基準値(スライムの付着状況を判断するための基準値)が変化するため(言い換えれば、外的な環境変化の影響を受けることにより)、正確なスライムの付着状況をリアルタイムで把握することが困難であった。
そこで、本発明は、スライムの付着状況の連続的な変化を正確にリアルタイムで把握することの可能なスライムモニタリング装置、及びスライムモニタリング方法、並びにスライム除去剤添加装置、及びスライム除去剤添加方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一観点によれば、水が導入される導入部、及び前記水が導出される導出部を有し、前記水が連続して流れる管状部材と、前記管状部材内の領域のうち、第1の領域に電極が配置され、該第1の領域に位置する水のpHを連続的に測定することで、第1のpHデータを取得する第1のpH計と、前記第1の領域に電極が配置され、該第1の領域に位置する水の溶存酸素濃度の変化を連続的に測定することで、第1の酸素消耗度データを取得する第1の測定器と、前記管状部材内の領域のうち、前記第1の領域よりもスライムが付着しやすい第2の領域に電極が配置され、該第2の領域に位置する水のpHを連続的に測定することで、第2のpHデータを取得する第2のpH計と、前記第2の領域に電極が配置され、該第2の領域に位置する水の溶存酸素濃度の変化を連続的に測定することで、第2の酸素消耗度データを取得する第2の測定器と、前記第1のpHデータと前記第2のpHデータとの差分を連続して算出することで、第1の差分データを取得すると共に、前記第1の酸素消耗度データと前記第2の酸素消耗度データとの差分を連続して算出することで、第2の差分データを取得する演算部と、前記第1及び第2の差分データに基づいて、前記第2の領域に付着したスライムの付着状況を判定する判定部と、を有することを特徴とするスライムモニタリング装置が提供される(請求項1)。
また、前記管状部材は、管状部材本体を有し、前記導入部は、前記第1の領域に対応する前記管状部材本体に対して直交するように配置し、前記導出部は、前記第2の領域に対応する前記管状部材本体に対して直交するように配置してもよい(請求項2)。
また、前記第1の領域を前記管状部材本体の一方の端部に配置すると共に、前記第2の領域を前記管状部材本体の他方の端部に配置してもよい(請求項3)。
また、前記第1の領域に配置され、前記第1のpH計の電極、及び前記第1の測定器の電極の周囲を囲む第1の環状部材と、前記第2の領域に配置され、前記第2のpH計の電極、及び前記第2の測定器の電極の周囲を囲む第2の環状部材と、を有してもよい(請求項4)。
また、前記第1及び第2の測定器は、酸化還元電位計または溶存酸素計であってもよい(請求項5)。
また、前記第2の領域に配置された前記第2のpH計の電極及び前記第2の測定器の電極を覆うように、前記水の流通が可能で、かつ前記スライムが付着しやすいスライム付着用部材を有してもよい(請求項6)。
また、前記スライム付着用部材は、メッシュ状の部材であってもよい(請求項7)。
また、前記第1の差分データ、前記第2の差分データ、及び前記判定部の判定結果を表示する表示部を有してもよい(請求項8)。
また、本発明のその他の観点によれば、請求項1ないし8のうち、いずれか1項記載のスライムモニタリング装置と、スライム除去剤が貯えられたスライム除去剤用タンクと、前記判定部の判定結果に基づいて、前記水を輸送する流水配管と接続された水タンク内に、前記スライム除去剤を添加するか否かを制御する制御部と、を有することを特徴とするスライム除去剤添加装置が提供される(請求項9)。
また、本発明のその他の観点によれば、水が連続して流れる管状部材内の第1の領域に位置する水のpHに関する第1のpHデータと、前記第1の領域に位置する水の溶存酸素濃度に関する第1の酸素消耗度データと、前記管状部材内であって、前記第1の領域よりもスライムが付着しやすい第2の領域に位置する水のpHに関する第2のpHデータと、前記第2の領域に位置する水の溶存酸素濃度に関する第2の酸素消耗度データと、を連続して取得する工程と、前記第1のpHデータと前記第2のpHデータとの差分である第1の差分データを連続して取得すると共に、前記第1の酸素消耗度データと前記第2の酸素消耗度データとの差分である第2の差分データを連続して取得する工程と、前記第1及び第2の差分データの推移に基づいて、前記第2の領域に付着したスライムの付着状況を判定する工程と、を有することを特徴とするスライムモニタリング方法が提供される(請求項10)。
また、前記第1及び第2の酸素消耗度データは、酸化還元電位計または溶存酸素計を用いて取得してもよい(請求項11)。
また、本発明のその他の観点によれば、水が連続して流れる管状部材内の第1の領域に位置する水のpHに関する第1のpHデータと、前記第1の領域に位置する水の溶存酸素濃度に関する第1の酸素消耗度データと、前記管状部材内であって、前記第1の領域よりもスライムが付着しやすい第2の領域に位置する水のpHに関する第2のpHデータと、前記第2の領域に位置する水の溶存酸素濃度に関する第2の酸素消耗度データと、を連続して取得する工程と、前記第1のpHデータと前記第2のpHデータとの差分である第1の差分データを取得すると共に、前記第1の酸素消耗度データと前記第2の酸素消耗度データとの差分である第2の差分データを取得する工程と、前記第1及び第2の差分データの推移に基づいて、前記第2の領域に付着したスライムの付着状況を判定する工程と、前記スライムの付着状況の判定結果に基づいて、前記水を輸送する流水配管と接続された水タンク内に、スライム除去剤を添加する工程と、を有することを特徴とするスライム除去剤添加方法が提供される(請求項12)。
また、前記第1及び第2の酸素消耗度データは、酸化還元電位計または溶存酸素計を用いて取得してもよい(請求項13)。
本発明によれば、管状部材内の領域のうち、第1の領域に位置する水の第1のpHデータ及び第1の酸素消耗度データと、管状部材内の領域であって、第1の領域よりもスライムが付着しやすい第2の領域に位置する水の第2のpHデータ及び第2の酸素消耗度データと、を取得し、第1のpHデータと第2のpHデータとの差分に基づいた第1の差分データと、第1の酸素消耗度データと第2の酸素消耗度データとの差分に基づいた第2の差分データと、を算出し、第1及び第2の差分データの変化の推移をモニターすることで、スライムの付着量の増加に伴って第1及び第2の差分データに変化が生じるため、第2の領域に対するスライムの付着状況の連続的な変化を正確にリアルタイムで把握することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るスライム除去剤添加装置の概略構成を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るスライム除去剤添加装置の概略構成を模式的に示す図である。 図2に示すスライム除去剤添加装置のうち、領域Bで囲まれた部分を拡大した図である。 図2に示すスライム除去剤添加装置のうち、領域Cで囲まれた部分を拡大した図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例に係るスライム除去剤添加装置の概略構成を模式的に示す図である。 試験例1で使用した試験装置の概略構成を模式的に示す図である。 実施例1の第1の差分データ(ΔpH)及び第2の差分データ(ΔORP(mV))と、比較例の差圧測定用配管を流れる試験水の差圧(Pa)とを示す図(グラフ)である。 実施例2の第1及び第2の溶存酸素量と試験開始からの経過日数との関係を示す図(グラフ)である。 実験例の第3及び第4の溶存酸素量と試験開始からの経過日数との関係を示す図(グラフ)である。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際のスライムモニタリング装置及びスライム除去剤添加装置の寸法関係とは異なる場合がある。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスライム除去剤添加装置の概略構成を模式的に示す図である。図1に示すAは、管状部材26内を流れる冷却水(水)の移動方向(以下、「A方向」という)を示している。
図1を参照するに、第1の実施の形態のスライム除去剤添加装置10は、水タンクである循環用水タンク11と、冷却水供給ライン13と、ポンプ14と、バルブ15と、冷却水回収ライン16と、スライム除去剤用タンク17と、スライム除去剤供給ライン19と、自動バルブ21と、スライムモニタリング装置23と、解析制御装置24と、を有する。
循環用水タンク11は、後述する第1の冷却水供給ライン13−1、及び冷却水回収ライン16と接続されている。循環用水タンク11は、図示していない冷却装置により冷却された冷却水を貯めておくためのタンクである。
該冷却水は、ポンプ14により第1の冷却水供給ライン13−1に導かれ、その後、スライムモニタリング装置23を経由し、第2の冷却水供給ライン13−2により、冷却対象物(図示せず)に輸送されることで、該冷却対象物の冷却に寄与する。冷却対象物(図示せず)の冷却に寄与した後の冷却水は、冷却水回収ライン16を介して、循環用水タンク11に回収される。
冷却水供給ライン13は、第1の冷却水供給ライン13−1と、第2の冷却水供給ライン13−2と、を有する。
第1の冷却水供給ライン13−1は、その一端が循環用水タンク11と接続されており、他端が後述する導入部26−2(後述する管状部材26の構成要素のうちの1つ)と接続されている。第1の冷却水供給ライン13−1は、管状部材26内に冷却水を供給するためのラインである。
第2の冷却水供給ライン13−2は、その一端が後述する導出部26−3(後述する管状部材26の構成要素のうちの1つ)と接続されており、他端が冷却水回収ライン16と接続されている。
第2の冷却水供給ライン13−2は、冷却対象物(図示せず)に、スライムモニタリング装置23を経由した冷却水を輸送するためのラインである。
ポンプ14は、第1の冷却水供給ライン13−1に設けられている。バルブ15は、導入部26−2とポンプ14との間に位置する第1の冷却水供給ライン13−1に設けられている。
冷却水回収ライン16は、その一端が第2の冷却水供給ライン13−2の他端と接続されており、他端が循環用水タンク11と接続されている。冷却水回収ライン16は、循環用水タンク11内に、冷却対象物(図示せず)の冷却に寄与した冷却水を回収するためのラインである。
スライム除去剤用タンク17は、スライムを除去するためのスライム除去剤(抗菌剤)が貯えられたタンクである。スライム除去剤用タンク17は、スライム除去剤供給ライン19を介して、循環用水タンク11と接続されている。
スライム除去剤としては、例えば、塩素化イソチアゾロン(Cl−MIT)を用いることができる。
スライム除去剤供給ライン19は、その一端がスライム除去剤用タンク17と接続されており、他端が循環用水タンク11と接続されている。スライム除去剤供給ライン19は、スライム除去剤用タンク17内に貯えられたスライム除去剤を循環用水タンク11内の冷却水に供給するためのラインである。
自動バルブ21は、スライム除去剤供給ライン19に設けられている。自動バルブ21は、解析制御装置24と電気的に接続されている。これにより、自動バルブ21は、解析制御装置24より制御される。
自動バルブ21が閉じた状態では、循環用水タンク11内の冷却水に、スライム除去剤用タンク17内に貯えられたスライム除去剤は供給されない。一方、解析制御装置24により、自動バルブ21が開かれると、循環用水タンク11内の冷却水に、スライム除去剤用タンク17内に貯えられたスライム除去剤が添加され、スライム除去剤が添加された冷却水が第1の冷却水供給ライン13−1に供給される。
スライムモニタリング装置23は、管状部材26と、第1の蓋部材28と、第2の蓋部材29と、第1の環状部材32と、第2の環状部材33と、第1のpH計35と、第2のpH計36と、第1の測定器38と、第2の測定器39と、記憶部41と、演算部42と、判定部45と、表示部46と、を有する。
管状部材26は、両端が開放端とされており、管状部材本体26−1と、導入部26−2と、導出部26−3と、を有する。
管状部材本体26−1は、所定の方向に延在する筒状の部材であり、その内部をA方向に冷却水が連続して流れる。
管状部材本体26−1は、その一方の端部26−1Aの内側に配置された第1の領域26A(管状部材26内の領域のうちの一部)と、他方の端部26−1Bの内側に配置された第2の領域26B(管状部材26内の領域のうちの一部)と、を有する。管状部材本体26−1の形状としては、例えば、円筒形状を用いることができる。
導入部26−2は、第1の冷却水供給ライン13−1により供給された冷却水を管状部材本体26−1内に導入可能なように、管状部材本体26−1の一方の端部26−1Aを構成する外壁(第1の領域26Aに対応する管状部材本体26−1)に設けられている。
導入部26−2は、管状部材本体26−1の外壁からその外側に離間するように突出している。導入部26−2は、管状部材本体26−1と直交している。
このように、管状部材本体26−1の一方の端部26−1Aの外壁に設けられ、かつ管状部材本体26−1と直交する導入部26−2を有することにより、第1の領域26Aにおいて、冷却水の乱流を発生させることが可能となる。これにより、第1の領域26Aにスライムが付着することを抑制できる。
導出部26−3は、管状部材本体26−1内をA方向に流れた冷却水を第2の冷却水供給ライン13−2に導出可能なように、管状部材本体26−1の他方の端部26−1Bを構成する外壁(第2の領域26Bに対応する管状部材本体26−1)に設けられている。
導入部26−3は、管状部材本体26−1からその外側に離間するように突出している。導入部26−3は、管状部材本体26−1と直交している。
このように、管状部材本体26−1の他方の端部26−1Bの外壁に設けられ、かつ管状部材本体26−1と直交する導出部26−3を有することにより、端部26−1Bの内側に配置された第2の領域26Bにおいて、冷却水のよどみを発生させることが可能となる。これにより、第2の領域26Bに、第1の領域26Aよりもスライムを付着させやすくすることが可能となる。
また、管状部材本体26−1の一方の端部26−1Aの外壁に導入部26−2を配置すると共に、管状部材本体26−1の他方の端部26−1Bの外壁に導出部26−3を配置することにより、スライムの付着しやすい第1の領域26Aと、スライムの付着しにくい第2の領域26Bとを十分に離間させて配置することが可能となる。
これにより、第1の領域26Aで発生する現象(具体的には、冷却水の乱流)と、第2の領域26Bで発生しり現象(冷却水のよどみ)と、が影響し合うことを抑制できる。
第1の蓋部材28は、管状部材26の一方の開放端を塞ぐように配置されている。第1の蓋部材28は、第1のpH計35の電極35Aが挿入されるpH電極用貫通穴(図示せず)と、第1の測定器38の電極38Aが挿入される測定器電極用貫通穴(図示せず)と、を有する。
第2の蓋部材29は、管状部材26の他方の開放端を塞ぐように配置されている。これにより、第2の蓋部材29は、第1の蓋部材28と対向するように配置されている。
第2の蓋部材29は、第2のpH計36の電極36Aが挿入されるpH電極用貫通穴(図示せず)と、第2の測定器39の電極39Aが挿入される測定器電極用貫通穴(図示せず)と、を有する。
第1の環状部材32は、第2の蓋部材29と対向する第1の蓋部材28の面28aに設けられている。これにより、第1の環状部材32は、第1の領域26Aに配置されると共に、冷却水に浸漬されている。
第1の環状部材32は、第1の領域26Aに配置された第1のpH計35の電極35A及び第1の測定器38の電極38Aの周囲を囲むように配置されている。
このように、第1の領域26Aに配置された第1のpH計35の電極35A及び第1の測定器38の電極38Aの周囲を囲む第1の環状部材32を有することにより、第1のpH計35の電極35A及び第1の測定器38(水の溶存酸素濃度を測定する測定器)の電極38Aが水流の影響を受けにくくなるため、精度の高い第1のpHデータ及び第1の酸素消耗度データを取得することができる。
第1の環状部材32の材料としては、例えば、塩化ビニルを用いることができる。
なお、第1の環状部材32に替えて、別の部材を設けることで、第1のpH計35の電極35A及び第1の測定器38の電極38Aが受ける水流の影響を小さくしてもよい。
第2の環状部材33は、第1の蓋部材28と対向する第2の蓋部材29の面29aに設けられている。これにより、第2の環状部材33は、第2の領域26Bに配置されると共に、冷却水に浸漬されている。
第2の環状部材33は、第2の領域26Bに配置された第2のpH計36の電極36A及び第2の測定器39の電極39Aの周囲を囲むように配置されている。
このように、第2の領域26Bに配置された第2のpH計36の電極36A及び第2の測定器39の電極39Aの周囲を囲む第2の環状部材33を有することにより、第2のpH計36の電極36A及び第2の測定器39(水の溶存酸素濃度を測定する測定器)の電極39Aが水流の影響を受けにくくなるため、精度の高い第2のpHデータ及び第2の酸素消耗度データを取得することができる。
第2の環状部材33としては、例えば、第1の環状部材32と同様な材料及び形状とされた部材を用いることができる。
なお、第2の環状部材33に替えて、別の部材を設けることで、第2のpH計36の電極36A及び第2の測定器39の電極39Aが受ける水流の影響を小さくしてもよい。
第1のpH計35は、解析制御装置24と電気的に接続されている。第1のpH計35は、第1の蓋部材28を貫通し、かつ先端部が第1の環状部材32で囲まれた電極35Aを有する。
第1のpH計35は、スライムが付着しにくい第1の領域26Aに位置する冷却水のpHを連続的に測定することで、第1のpHデータを取得する。第1のpH計35は、取得した第1のpHデータを解析制御装置24(具体的には、演算部42)に送信する。
第2のpH計36は、解析制御装置24と電気的に接続されている。第2のpH計36は、第2の蓋部材29を貫通し、かつ先端部が第2の環状部材33で囲まれた電極36Aを有する。
第2のpH計36は、スライムの付着しやすい第2の領域26Bに位置する冷却水のpHを連続的に測定することで、第2のpHデータを取得する。第2のpH計36は、取得した第2のpHデータを解析制御装置24(具体的には、演算部42)に送信する。
第1の測定器38は、解析制御装置24と電気的に接続されている。第1の測定器38は、第1の蓋部材28を貫通し、かつ先端部が第1の環状部材32で囲まれた電極38Aを有する。
第1の測定器38は、第1の領域26Aに位置する冷却水の溶存酸素濃度の変化を連続的に測定することで、第1の酸素消耗度データを取得する。第1の測定器38は、取得した第1の酸素消耗度データを解析制御装置24(具体的には、演算部42)に送信する。
第2の測定器39は、解析制御装置24と電気的に接続されている。第2の測定器39は、第2の蓋部材29を貫通し、かつ先端部が第2の環状部材33で囲まれた電極39Aを有する。
第2の測定器39は、スライムが付着しやすい第2の領域26Bに位置する冷却水の溶存酸素濃度の変化を連続的に測定することで、第2の酸素消耗度データを取得する。第2の測定器39は、取得した第2の酸素消耗度データを解析制御装置24(具体的には、演算部42)に送信する。
第1及び第2の測定器38,39としては、例えば、酸化還元電位(Oxidation−reduction Potential;ORP)計または溶存酸素計を用いることができる。
なお、電極のメンテナンス性の観点から、第1及び第2の測定器38,39としては、酸化還元電位(ORP)計が好ましい。
ところで、第1及び第2の測定器38,39として酸化還元電位計を用いる場合、酸化還元電位Eは、下記(1)式に示すネルンストの式で表され、また、20℃において、酸化還元電位EをmVの単位で表す場合、下記(2)式が用いられる。
E=E−(RT/nF)×ln(A/Ar) ・・・(1)
E=E−(59/n)×Log(A/Ar) ・・・(2)
但し、上記(1),(2)式において、Eは等活量時の基準電位、Aは酸化剤の活量、Arは還元剤の活量、RT/nFはネルンスト係数、Rはボルツマン定数、Tは絶対温度、nは電子数、Fはファラデー定数をそれぞれ示している。
上記(2)式から、pHが1上昇すると、酸化還元電位Eは、59mV低下することが分かる。
記憶部41は、解析制御装置24の構成要素のうちの1つであり、演算部42、判定部45、及び制御部47と電気的に接続されている。
記憶部41には、後述する第1の実施の形態のスライムモニタリング方法、及びスライム除去剤添加方法を実施するためのプログラムや、判定部45が循環用水タンク11内の冷却水にスライム除去剤を添加するか否かの判定、及びスライム除去剤の添加量を決定するための複数の閾値が予め格納されている。
演算部42は、解析制御装置24の構成要素のうちの1つであり、第1及び第2のpH計35,36、第1及び第2の測定器38,39、表示部46、判定部45、及び制御部47と電気的に接続されている。
これにより、演算部42は、第1のpH計35、第2のpH計36、第1の測定器38、及び第2の測定器39により取得される第1のpHデータ、第2のpHデータ、第1の酸素消耗度データ、及び第2の酸素消耗度データを受信する。
演算部42は、第1のpHデータと第2のpHデータとの差分を連続して算出することで、第1の差分データを取得すると共に、第1の酸素消耗度データと第2の酸素消耗度データとの差分を連続して算出することで第2の差分データを取得する。
演算部42は、算出した第1及び第2の差分データを判定部45及び表示部46に送信する。
判定部45は、解析制御装置24の構成要素のうちの1つであり、演算部42、表示部46、及び制御部47と電気的に接続されている。
判定部45は、演算部42から送信された第1及び第2の差分データの変化、及び記憶部41に格納された複数の閾値に基づいて、第2の環状部材33に対するスライムの付着状況を判定すると共に、循環用水タンク11内の冷却水にスライム除去剤を添加するか否か、及びスライム除去剤の添加量を決定するための判定を行う。判定部45の判定結果は、判定信号として制御部47に送信される。
ところで、第2の領域26Bへのスライムの付着が進行すると、スライムの下層部分のpHは、生物代謝による有機酸等の発生により低下する。
一方、第2の領域26Bに位置する冷却水の酸素消耗度(酸化還元電位)は、pHの低下に伴い、本来上昇傾向となるが、実際にはスライムの呼吸による酸素の消費でスライムの下層部分が還元雰囲気となるため低下傾向と拮抗する。
このため、第1のpH計35が測定する第1のpHデータと第2のpH計36が測定する第2のpHデータとの差分を連続して算出することで得られる第1の差分データ、及び第1の測定器38が測定する第1の酸素消耗度データと第2の測定器39が測定する第2の酸素消耗度データとの差分を連続して算出することで得られる第2の差分データの変化をモニターすることで、第2の環状部材33に対するスライムの付着状況を容易に判断することができる。
具体的には、例えば、第1の差分データの推移が低下傾向で、かつ第2の差分データの推移が上昇傾向にある場合には、第2の領域26Bに対するスライムの付着は、初期状態にあり、生物活動による有機酸の生成を感知していると判断できる。
一方、第1の差分データの値が低下傾向で、かつ第2の差分データの値が低下傾向にある場合には、第2の領域26Bに対するスライムの付着は、かなり進行していると判断できる。また、この場合、スライムの内部において。スライムの呼吸により酸素が枯渇し、還元雰囲気に変化してきていると判断できる。
このような現象は、スライムが微生物の集合体であるから起こりうる現象であり、第2の領域26Bに対する付着物が非生物の汚れや、生物性であっても活性度が低いと起こり得ない現象である。
表示部46は、解析制御装置24の構成要素のうちの1つであり、演算部42、表示部46、及び制御部47と電気的に接続されている。表示部46は、第1の差分データ、第2の差分データ、及び判定部45の判定結果を表示する。
表示部46としては、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等を用いることができる。
このように、第1の差分データ、第2の差分データ、及び判定部45の判定結果を表示する表示部26を有することにより、スライム除去剤添加装置10の作業者は、第2の領域26Bに対するスライムの付着状況や、循環用水タンク11内の冷却水に添加されるスライム除去剤の添加量等を容易に認識できる。
上記構成とされた第1の実施の形態のスライムモニタリング装置23によれば、スライムが付着しにくい第1の領域26Aに配置された第1のpH計35の電極35A及び第1の測定器38の電極38Aと、第1の領域26Aよりもスライムの付着しやすい第2の領域26Bに配置された第2のpH計36の電極36A及び第2の測定器39の電極39Aと、第1のpH計35が測定する第1のpHデータと第2のpH計36が測定する第2のpHデータとの差分を連続して算出することで得られる第1の差分データ、及び第1の測定器38が測定する第1の酸素消耗度データと第2の測定器39が測定する第2の酸素消耗度データとの差分を連続して算出することで得られる第2の差分データを求める演算部42と、第1及び第2の差分データの変化に基づいて、第2の領域26Bへのスライムの付着状況を判定する判定部45と、を有することで、第2の領域26Bに対するスライムの付着量の増加に起因して変化する第1及び第2の差分データ(スライムの付着による代謝及び呼吸活性に関するデータ)を連続的にリアルタイムでモニターすることが可能となる。
これにより、第2の領域26Bに対するスライムの付着状況の連続的な変化をリアルタイムで正確に把握することができる。
なお、図1では、第1の環状部材32,33を有する場合を例に挙げて説明したが、第1の環状部材32,33は、必要に応じて設ければよい。
解析制御装置24は、ポンプ14、バルブ15、自動バルブ21、第1のpH計35、第2のpH計36、第1の測定器38、及び第2の測定器39と電気的に接続されている。解析制御装置24は、スライム除去剤添加装置10の制御全般を行う。
また、解析制御装置24は、判定部45から送信される判定信号と、記憶部41に格納された複数の閾値とに基づいて、自動バルブ21の開閉、及び開度を調節することで、循環用水タンク11内の冷却水に供給するスライム除去剤の供給量を調節する。
解析制御装置24としては、例えば、コンピューターを用いることができる。また、記憶部41、演算部42、判定部45、及び表示部46を有する装置として、例えば、データーロガーを用いてもよい。
第1の実施の形態のスライム除去剤添加装置10によれば、スライム除去剤添加装置10と、スライム除去剤が貯えられたスライム除去剤用タンク17と、循環用水タンク11及びスライム除去剤用タンク17と接続されたスライム除去剤供給ライン19と、スライム除去剤供給ライン19に設けられ、制御部47に制御される自動バルブ21と、判定部45の判定結果に基づいて、冷却水を輸送する冷却水供給ライン13(流水配管)と接続された循環用水タンク11内に、スライム除去剤を添加するか否かを制御する制御部47と、を有することにより、第2の領域26Bに対するスライムの付着状況に応じて、自動バルブ21の開閉、及び開度を調節することが可能となる。
これにより、冷却水の水質管理を自動で行うことができると共に、スライム除去剤の添加が必要なタイミングで、スライムの付着状況に応じた量のスライム除去剤を添加することができる。
次に、図1を参照して、図1に示すスライム除去剤添加装置10を用いた第1の実施の形態のスライム除去剤添加方法(スライムモニタリング方法を含む方法)について説明する。
始めに、予め記憶部41に、判定部45が循環用水タンク11内の冷却水にスライム除去剤を添加するか否か、及び循環用水タンク11内の冷却水に添加するスライム除去剤の添加量を決定するための複数の閾値を格納させ、スライム除去剤用タンク17内に十分な量のスライム除去剤を準備した上で、スライム除去剤添加装置10を稼動させる。これにより、管状部材本体26−1内をA方向に冷却水が連続して流れる。
次いで、第1のpH計35、第2のpH計36、第1の測定器38、及び第2の測定器39を用いて、第1の領域26Aに位置する冷却水のpHに関する第1のpHデータと、第1の領域26Aに位置する冷却水の溶存酸素濃度に関する第1の酸素消耗度データと、管状部材26内であって、第1の領域26Aよりもスライムが付着しやすい第2の領域26Bに位置する水のpHに関する第2のpHデータと、第2の領域26Bに位置する水の溶存酸素濃度に関する第2の酸素消耗度データと、を同時に連続して取得する。
このとき、第1及び第2の酸素消耗度データは、酸化還元電位計または溶存酸素計を用いて取得する。また、取得された上記4つのデータは、リアルタイムで演算部42に送信される。
次いで、演算部42により、第1のpHデータと第2のpHデータとの差分を連続して算出することで、第1の差分データが取得すると共に、第1の酸素消耗度データと第2の酸素消耗度データとの差分を連続して算出することで、第2の差分データを取得する。
演算部42は、スライム除去剤添加装置10の稼動中、常に第1及び第2の差分データを算出する。
演算部42は、第1及び第2の差分データをリアルタイムで判定部45及び表示部46に送信する。表示部46では、第1及び第2の差分データをグラフ及び数値として表示する。
次いで、判定部45により、第1及び第2の差分データの変化、及び記憶部41に格納された複数の閾値に基づいて、第2の領域26Bに対するスライムの付着状況の判定が行われると共に、循環用水タンク11内の冷却水にスライム除去剤を添加するか否か、及びスライム除去剤の添加量を決定するための判定が行われる。判定部45の判定結果は、判定信号として制御部47に送信される。
第1の実施の形態のスライムモニタリング方法によれば、管状部材26内の第1の領域26Aに位置する水の第1のpHデータ及び第1の酸素消耗度データと、管状部材26内の領域であって、第1の領域26Aよりもスライムが付着しやすい第2の領域26Bに位置する水の第2のpHデータ及び第2の酸素消耗度データと、を取得し、第1のpHデータと第2のpHデータとの差分に基づいた第1の差分データと、第1の酸素消耗度データと第2の酸素消耗度データとの差分に基づいた第2の差分データと、を算出し、第1及び第2の差分データの変化をモニターすることで、スライムの付着量の増加に伴って、第1及び第2の差分データの推移に変化が生じるため、第2の領域26Bに対するスライムの付着状況の連続的な変化を正確にリアルタイムで把握することができる。
次いで、スライムの付着状況の判定結果に基づいて、制御部47により、自動バルブ21を制御することで、循環用水タンク11内にスライム除去剤が添加される。
これにより、冷却水供給ライン13内、冷却水回収ライン16内、及び管状部材26内からスライムが除去され、冷却水の清浄度を保つことができる。
第1の実施の形態のスライム除去剤添加方法によれば、第1及び第2の差分データの変化、及び記憶部41に格納された複数の閾値に基づいて、判定部45により、第2の領域26Bに対するスライムの付着状況の判定し、この判定結果に基づいて、制御部47により、自動バルブ21の開閉及び開度を調節する。
このため、冷却水の水質管理を自動で行うことができると共に、スライム除去剤の添加が必要なタイミングで、スライムの付着状況に応じた量のスライム除去剤を添加できる。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るスライム除去剤添加装置の概略構成を模式的に示す図である。図2において、図1に示す第1の実施の形態のスライム除去剤添加装置10と同一構成部分には同一符号を付す。
図3は、図2に示すスライム除去剤添加装置のうち、領域Bで囲まれた部分を拡大した図である。図4は、図2に示すスライム除去剤添加装置のうち、領域Cで囲まれた部分を拡大した図である。
図2〜図4を参照するに、第2の実施の形態に係るスライム除去剤添加装置60は、第1の実施の形態のスライム除去剤添加装置10を構成するスライムモニタリング装置23に替えて、スライムモニタリング装置61を有すること以外はスライム除去剤添加装置10と同様に構成される。
スライムモニタリング装置61は、図1に示すスライムモニタリング装置23の構成に、さらにスライム付着用部材64を有すること以外は、スライムモニタリング装置23と同様に構成される。
スライム付着用部材64は、第2の領域26Bに配置された第2のpH計36の電極36A及び第2の測定器39の電極39Aを覆うように配置されている。スライム付着用部材64は、冷却水(水)が流通可能で、かつスライムが付着しやすい部材である。
スライム付着用部材64としては、例えば、使用初期の段階において、スライム付着用部材64の表面から電極36A,39Aに向かう方向に対して冷却水の流通が可能で、かつスライムの付着とともに、スライム付着用部材64の表面から電極36A,39Aに向かう方向に対する水の流通性が悪くなるものが好ましい。
スライム付着用部材64としては、例えば、樹脂、金属、紙等よりなるメッシュ状の部材を用いることができる。スライム付着用部材64の耐久性や成形性を考慮すると、スライム付着用部材64としては、例えば、樹脂製のメッシュ状の部材を用いるとよい。
樹脂製のメッシュ状の部材としては、経済性、耐久性、及び成形性を考慮するとポリオレフィン(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等)よりなる不織布が好ましい。
また、上記不織布の目付(不織布の目の粗さの指標であり、単位面積当たりの繊維重量)としては、5〜20g/mの範囲内が好ましく、10〜15g/mの範囲がより好ましい。
上記範囲よりも目付が小さい(言い換えれば、目が粗い)と樹脂製のメッシュ部材の表面にスライムが付着しにくくなってしまう。また、上記範囲よりも目付が大きい(言い換えれば、目が細かい)と樹脂製のメッシュ部材の前後で水の流通が困難となるため、データの計測ができなくなってしまう。
スライム付着用部材64として不織布を用いる場合、電極36A,39Aに対するスライム付着用部材64の装着は、例えば、スライム付着用部材64により電極36A,39Aを包み、その後、Oリング(図2及び図4に図示せず)を用いて、スライム付着用部材64を電極36A,39Aに固定する方法を用いることができる。
第2の実施の形態のスライムモニタリング装置61によれば、第2の領域26Bに配置された第2のpH計36の電極36A及び第2の測定器39の電極39Aを覆うように、水の流通が可能で、かつスライムが付着しやすいスライム付着用部材64を有することにより、図1に示す第2の領域26Bと比較して第2の領域26B(具体的には、電極36A,39Aの近傍)にスライムを付着させやすくすることが可能となる。
これにより、第1及び第2の差分データの変化が大きくなるため、スライムの付着状況をより正確に検知できる。
上記スライムモニタリング装置61を有する第2の実施の形態のスライム除去剤添加装置60によれば、スライムの付着状況をより早く検知して、循環用水タンク11内にスライム除去剤を添加することが可能となるため、冷却水供給ライン13内、冷却水回収ライン16内、及び管状部材26内を流れる冷却水の清浄度をより高めることができる。
また、第2の実施の形態のスライム除去剤添加装置60は、第1の実施の形態のスライム除去剤添加装置10と同様な効果を得ることができる。
上記スライム除去剤添加装置60を用いた第2の実施の形態のスライム除去剤添加方法は、第1の実施の形態のスライム除去剤添加方法と同様な手法により行うことができる。
図5は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係るスライム除去剤添加装置の概略構成を模式的に示す図である。図5において、図2に示す第2の実施の形態のスライム除去剤添加装置60と同一構成部分には同一符号を付す。
図5を参照するに、第2の実施の形態の変形例のスライム除去剤添加装置65は、第2の実施の形態のスライム除去剤添加装置60を構成するスライムモニタリング装置61に替えて、スライムモニタリング装置66を有すること以外は、スライム除去剤添加装置60と同様に構成される。
スライムモニタリング装置66は、図2に示す第1及び第2の環状部材32,33を構成要素から除いたこと以外は、第2の実施の形態で説明したスライムモニタリング装置61と同様に構成される。
つまり、第2の実施の形態の変形例のスライム除去剤添加装置65は、第2の実施の形態のスライム除去剤添加装置60の構成要素から第1及び第2の環状部材32,33を除いた構成とされている。
このような構成とされた第2の実施の形態の変形例のスライム除去剤添加装置65においても、第2の実施の形態のスライム除去剤添加装置60と同様な効果を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
(試験例1)
<試験装置の構成>
図6は、試験例1で使用した試験装置の概略構成を模式的に示す図である。図6において、図1に示すスライム除去剤添加装置10と同一構成部分には、同一符号を付す。
試験例1では、図6に示す試験装置70を用いて、24日間の通水試験を実施し、差圧測定用配管77を流れる試験水の差圧(比較例のスライムモニタリング装置がスライムの付着状況を検出する際に使用するデータ)と、第1及び第2の差分データ(実施例1のスライムモニタリング装置23がスライムの付着状況を検出する際に使用するデータ)と、を求めた。
ここで、図6を参照して、試験装置70の構成について説明する。
試験装置70は、第1の実施の形態のスライム除去剤添加装置10の構成に、さらに、空気供給源71と、散気管72と、流量計75と、差圧測定用配管77と、差圧計78と、を有すること以外は、スライム除去剤添加装置10と同様に構成した。
空気供給源71は、散気管72に空気を供給可能な状態で、散気管72の一端と接続させた。散気管72は、その他端側に複数の貫通穴72Aを有しており、散気管72のうち、複数の貫通穴72Aが形成された部分を循環用水タンク11に貯えられた試験水に浸漬させた。
これにより、空気供給源71から空気が供給された際、該空気は、複数の貫通穴72Aを介して、気泡として循環用水タンク11内の試験水に供給される。
流量計75は、バルブ15と導入部26−2との間に位置する第1の冷却水供給ライン13−1に設けた。差圧測定用配管77としては、内径φ16mmとされたステンレス製配管を用いた。
差圧計78は、差圧測定用配管77を流れる試験水の差圧を測定可能なように設置した。また、差圧計78が測定する差圧測定部の間隔は、80cmとした。
管状部材26としては、内径φ40mmとされたアクリル製のカラムを用いた。導入部26−2及び導出部26−3としては、内径φ15mmのアクリル製の継手を用いた。
第1及び第2の環状部材32,33としては、内径φ25mmの塩化ビニル製の環状部材を用いた。
第1及び第2のpH計35,36としては、東亜ディーケーケー社製のHM−30Pを用いた。第1及び第2の測定器38,39としては、東亜ディーケーケー社製の酸化還元電位計であるRM−30Pを用いた。
試験装置70の全体の試験水の保有水量は、55Lとした。スライム除去剤としては、塩素化イソチアゾロン(Cl−MIT)を用いた。
<試験水の作製>
栃木県下都賀郡野木町の町水を活性炭カラムに通水させることで、該町水の残留塩素を消去した後に、スライムの付着を加速させるために、20mg/Lのグルコース(Glucose)、10mg/Lの塩化アンモニウム(NHCl)、5mg/LのHPOを基質として添加した。
次いで、該基質が添加された町水を十分に攪拌し、該基質が町水に溶解したことを確認した後に、水酸化ナトリウムを添加することで、pH8.5の試験水を作製した。
<試験水の通水条件>
実水系での水の流動変動を再現させるために、バルブ17を制御することで、管状部材26に供給する試験水の流量を4.0〜8.0L/minの範囲内で変化させた。
具体的には、試験開始日から6日目までは6.0L/min、7日目から12日目までは8.0L/min、13日目から18日目までは4.0L/min、19日目から24日目までは6.0L/minとした。
管状部材26に供給する試験水の流量を6.0L/minとした場合、差圧測定用配管77内を流れる試験水の流速は50cm/secであり、管状部材本体26−1内を流れる試験水の流速は、8cm/secであった。
試験水の温度の制御は、特に実施しなかったが、試験期間(24日間)の試験水の温度は、25〜30℃の範囲内であった。
試験水を好気性に保つために、空気供給源71から散気管72に1L/minの空気を供給することで、循環用水タンク11内の試験水をバブリングさせた。
<スライム除去剤の添加>
試験開始から21日目に、循環用水タンク11内に、保有水量(55L)に対して20mg/Lの塩素化イソチアゾロン(Cl−MIT)を投入した。
<第1及び第2の差分データ、及び差圧の算出>
上記通水条件を用いて、試験水を24日間通水させ、第1のpHデータ、第2のpHデータ、第1の酸素消耗度データ、及び第2の酸素消耗度データ、及び差圧測定用配管77を流れる試験水の差圧を連続して測定すると共に、第1のpHデータと第2のpHデータとの差分である第1の差分データ(図7に示すΔpH)と、第1の酸素消耗度データと第2の酸素消耗度データとの差分データである第2の差分データ(図7に示すΔORP)と、を連続して求めた。
図7に、実施例1の第1の差分データ(ΔpH)及び第2の差分データ(ΔORP(mV))と、比較例の差圧測定用配管を流れる試験水の差圧(Pa)とをプロットしたグラフを示す。
図7では、第1の領域26Aに位置する試験水の第1のpHデータ及び第1の酸素消耗度データを基準として、第2の領域26Bに位置する第2のpHデータ及び第2の酸素消耗度データをΔpH及びΔORPとしてプロットした。
なお、通水試験終了後の試験水のpHは8.2であった。また、試験開始時のORPは79mVであり、試験終了後のORPは86mVであった。
<第1及び第2の差分データ、及び差圧の測定結果のまとめ>
図7を参照するに、試験開始日から6日目までの期間では、4日目ぐらいからΔpHが少しずつ低下することが確認できた。また、4日目ぐらいからΔORPが少しずつ上昇することが確認できた。このときのΔORPの変化量は、ΔpHの変化量に対応していた。
このような変化は、スライムの付着の初期段階に発生する変化である。すなわち、微生物活動による有機酸の発生によるpHの低下を捉えているものと考えられる。
比較例である差圧を用いたスライムモニタリング方法では、差圧測定用配管77を流れる試験水の差圧の変化は、ごく僅かであり、スライムの付着の初期段階を捉えることができなかった。
一方、実施例1である第1及び第2の差分データ(ΔpH及びΔORP)を用いたスライムモニタリング方法では、pHの低下によりスライムの付着傾向をとらえられているが、ORPについては、この時点では、スライムの付着傾向をとらえられているかは不明であった。
7日目から12日目までの期間では、導出部26−3付近(第2の領域26B)において、目視でスライムの増加が確認できた。ΔpHについては、引き続き低下が確認された。
一方、ΔORPについては、その上昇が一旦停止し、7日目以降に低下していくことが確認できた。
このような変化は、スライムの厚さが厚くなるにつれて、微生物活動である呼吸により酸素が消耗された結果、スライムの下部が還元雰囲気に変化してきたためと推測される。
差圧については、試験開始日から6日目までの期間の試験水の流速(6.0L/min)よりも試験水の流速を速く(具体的には、8.0L/min)した時点で、大きく上昇し、その後、緩やかな上昇傾向になった。
この段階では、試験開始日から6日目までの期間と同じ試験水の流速とすることで(言い換えれば、試験開始から12日目までの試験水の流速が同じであれば)、第2の領域26Bに対するスライムの付着状況を検出できたものと推測される。
13日目から18日目までの期間では、ΔpHがさらに低下していくことが確認できた。また、ΔORPも低下傾向にあることが確認できた。目視では、活発なスライムの付着及び増殖により、導出部26−3付近において、さらにスライムが増加していることが確認できた。
差圧については、7日目から12日目までの期間の試験水の流速(8.0L/min)よりも試験水の流速を遅く(具体的には、4.0L/min)した時点で、大きく低下し、その後、僅かな上昇傾向になった。7日目から18日目までの期間の結果から、試験水の流速が遅くなると、スライムの検出感度が著しく低下することが確認できた。
19日目から21日目までの期間では、目視において、導出部26−3内がスライムで覆われていることが確認できた。
そこで、21目に、循環用水タンク11内の試験水に塩素化イソチアゾロン(Cl−MIT)を添加し、24日目まで試験装置70を運転させた。
その結果、徐々に導出部26−3内のスライムが剥離されていく様子が観察され、塩素化イソチアゾロン(Cl−MIT)の添加から数時間後には、導出部26−3内の全てのスライムが剥離され、剥離されたスライムにより試験水の濁りが確認できた。
この段階におけるΔpH及びΔORPは、試験開始直後のΔpH及びΔORPに近い値となった。
このことから、第1及び第2の差分データ(ΔpH及びΔORP)を用いた実施例1のスライムモニタリング方法を用いることで、スライム除去剤を添加後のスライムの剥離を検出可能なことが確認できた。
差圧については、13日目から18日目までの期間の試験水の流速(4.0L/min)よりも試験水の流速を速く(具体的には、6.0L/min)した時点で、緩やかに上昇したが、その後、試験開始時の初期値である0に戻った。
従来の差圧のみでスライムの付着量をモニタリングする方法(比較例)では、水の流速の条件が一定である場合において、スライムの付着量、増殖、及び剥離を検知することができる。
しかしながら、水の流速が変化した際、差圧は、大きく変化してしまう。このため、差圧だけをモニタリングしていてもスライムの付着状況を正確に把握することはできない。
また、この方法では、試験水の流速が遅い場合、検出感度が大きく低下してしまう。
一方、第1及び第2の差分データに基づいて、スライムの付着状況を検出する実施例1のスライムモニタリング方法によれば、試験水の流速や装置全体を流れる試験水のpHの変化等に依存することなく、スライムが付着した初期の変化、スライムの厚さが増加していく段階の変化、及びスライム除去剤によりスライムが剥離された段階の変化等を感度良く検出できることが確認できた。
なお、東亜ディーケーケー社製の酸化還元電位計であるRM−30Pに替えて、第1及び第2の測定器38,39として東亜ディーケーケー社製の溶存酸素計であるDO−31Pを用いて、同様な通水試験を行ったところ、同様な結果が得られた。
(試験例2)
試験例2では、実施例2及び実験例の2つの試験を実施した。
実施例2では、図5に示すスライム除去剤添加装置65を用いた通水試験を6日間実施することで、第1の領域26Aに位置する試験水の溶存酸素量である第1の溶存酸素量と、第2の領域26Bに位置する試験水の溶存酸素量である第2の溶存酸素量と、を計測した。
実験例では、図5に示すスライム除去剤添加装置65からスライム付着用部材64を取り外した状態で通水試験を6日間実施することで、第1の領域26Aに位置する試験水の溶存酸素量である第3の溶存酸素量と、第2の領域26Bに位置する試験水の溶存酸素量である第4の溶存酸素量と、を取得した。
また、実施例2及び実験例の通水試験時には、図6に示す空気供給源71及び散気管72を用いて、循環用水タンク11内の試験水をバブリングさせた。このとき、空気供給源71から1L/minの供給量で散気管72に空気を供給した。
管状部材26としては、内径φ40mmとされたアクリル製のカラムを用いた。導入部26−2及び導出部26−3としては、外形φ30mm、内径φ25mm、長さ30cmのアクリル製透明配管を用いた。
第1及び第2の測定器38,39としては、試験例1で使用した酸化還元電位計を用いた。また、装置の全体の試験水の保有水量は、20Lとした。
<試験水の作製>
試験水としては、試験例1で説明した方法と同様な手法により作成したpH8.5の試験液を用いた。
<試験水の通水条件>
実水系での水の流動変動を再現させるために、バルブ17を制御することで、管状部材26に供給する試験水の流量を3.0L/minとした。試験水の温度は、30℃となるように制御した。
<実施例2で使用したスライム付着用部材及び装着方法>
スライム付着用部材64としては、ユニチカ株式会社製の不織布(型番;S0153WDO、目付が15g/cm)を用いた。該不織布は、電極39Aを包み込むように配置させた後、Oリング(図5に図示せず)を用いて、電極39Aに固定させた。
<実施例2の第1及び第2の溶存酸素量、及び実験例の第3及び第4の溶存酸素量について>
図8に、実施例2の第1及び第2の溶存酸素量と試験開始からの経過日数との関係を示す。また、図9に、実験例の第3及び第4の溶存酸素量と試験開始からの経過日数との関係を示す。
実施例2では、不織布の表面に急速にスライムが付着していく様子が目視で確認でき、これと共に、図8に示すように、第2の溶存酸素量が急激に低下していくことが確認できた。
一方、実験例では、通水試験の開始と共に、徐々に第2の領域26Bにスライムが付着していく様子が確認できた。また、第1の領域26Aでは、試験開始から6日目にうっすらとスライムが付着していることが確認できた。
図9に示すように、実験例では、図8に示す第2の溶存酸素量よりも緩やかに第4の溶存酸素量が低下することが確認できた。
上記結果から、スライムが付着しやすい第2の領域26Bに配置された第2の測定器39(この場合、酸化還元電位計)の電極39Aにスライム付着用部材64を設置すると、スライムの付着状況を早く、かつ顕著に検出できることが確認できた。
10,60,65…スライム除去剤添加装置、11…循環用水タンク、13…冷却水供給ライン、13−1…第1の冷却水供給ライン、13−2…第2の冷却水供給ライン、14…ポンプ、15…バルブ、16…冷却水回収ライン、17…スライム除去剤用タンク、19…スライム除去剤供給ライン、21…自動バルブ、23,61,66…スライムモニタリング装置、24…解析制御装置、26…管状部材、26A,26B…第1の領域、26−1…管状部材本体、26−1A,26−1B…端部、26−2…導入部、26−3…導出部、28…第1の蓋部材、28a,29a…面、29…第2の蓋部材、32…第1の環状部材、33…第2の環状部材、35…第1のpH計、35A,36A,38A,39A…電極、36…第2のpH計、38…第1の測定器、39…第2の測定器、41…記憶部、42…演算部、45…判定部、46…表示部、47…制御部、64…スライム付着用部材、70…試験装置、71…空気供給源、72…散気管、72A…貫通穴、75…流量計、77…差圧測定用配管、78…差圧計、A…方向、B,C…領域

Claims (13)

  1. 水が導入される導入部、及び前記水が導出される導出部を有し、前記水が連続して流れる管状部材と、
    前記管状部材内の領域のうち、第1の領域に電極が配置され、該第1の領域に位置する水のpHを連続的に測定することで、第1のpHデータを取得する第1のpH計と、
    前記第1の領域に電極が配置され、該第1の領域に位置する水の溶存酸素濃度の変化を連続的に測定することで、第1の酸素消耗度データを取得する第1の測定器と、
    前記管状部材内の領域のうち、前記第1の領域よりもスライムが付着しやすい第2の領域に電極が配置され、該第2の領域に位置する水のpHを連続的に測定することで、第2のpHデータを取得する第2のpH計と、
    前記第2の領域に電極が配置され、該第2の領域に位置する水の溶存酸素濃度の変化を連続的に測定することで、第2の酸素消耗度データを取得する第2の測定器と、
    前記第1のpHデータと前記第2のpHデータとの差分を連続して算出することで、第1の差分データを取得すると共に、前記第1の酸素消耗度データと前記第2の酸素消耗度データとの差分を連続して算出することで、第2の差分データを取得する演算部と、
    前記第1及び第2の差分データに基づいて、前記第2の領域に付着したスライムの付着状況を判定する判定部と、
    を有することを特徴とするスライムモニタリング装置。
  2. 前記管状部材は、管状部材本体を有し、
    前記導入部は、前記第1の領域に対応する前記管状部材本体に対して直交するように配置し、
    前記導出部は、前記第2の領域に対応する前記管状部材本体に対して直交するように配置することを特徴とする請求項1記載のスライムモニタリング装置。
  3. 前記第1の領域を前記管状部材本体の一方の端部に配置すると共に、前記第2の領域を前記管状部材本体の他方の端部に配置することを特徴とする請求項2記載のスライムモニタリング装置。
  4. 前記第1の領域に配置され、前記第1のpH計の電極、及び前記第1の測定器の電極の周囲を囲む第1の環状部材と、
    前記第2の領域に配置され、前記第2のpH計の電極、及び前記第2の測定器の電極の周囲を囲む第2の環状部材と、
    を有することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載のスライムモニタリング装置。
  5. 前記第1及び第2の測定器は、酸化還元電位計または溶存酸素計であることを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載のスライムモニタリング装置。
  6. 前記第2の領域に配置された前記第2のpH計の電極及び前記第2の測定器の電極を覆うように、前記水の流通が可能で、かつ前記スライムが付着しやすいスライム付着用部材を有することを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載のスライムモニタリング装置。
  7. 前記スライム付着用部材は、メッシュ状の部材であることを特徴とする請求項6記載のスライムモニタリング装置。
  8. 前記第1の差分データ、前記第2の差分データ、及び前記判定部の判定結果を表示する表示部を有することを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載のスライムモニタリング装置。
  9. 請求項1ないし8のうち、いずれか1項記載のスライムモニタリング装置と、
    スライム除去剤が貯えられたスライム除去剤用タンクと、
    前記判定部の判定結果に基づいて、前記水を輸送する流水配管と接続された水タンク内に、前記スライム除去剤を添加するか否かを制御する制御部と、
    を有することを特徴とするスライム除去剤添加装置。
  10. 水が連続して流れる管状部材内の第1の領域に位置する水のpHに関する第1のpHデータと、前記第1の領域に位置する水の溶存酸素濃度に関する第1の酸素消耗度データと、前記管状部材内であって、前記第1の領域よりもスライムが付着しやすい第2の領域に位置する水のpHに関する第2のpHデータと、前記第2の領域に位置する水の溶存酸素濃度に関する第2の酸素消耗度データと、を連続して取得する工程と、
    前記第1のpHデータと前記第2のpHデータとの差分である第1の差分データを連続して取得すると共に、前記第1の酸素消耗度データと前記第2の酸素消耗度データとの差分である第2の差分データを連続して取得する工程と、
    前記第1及び第2の差分データの推移に基づいて、前記第2の領域に付着したスライムの付着状況を判定する工程と、
    を有することを特徴とするスライムモニタリング方法。
  11. 前記第1及び第2の酸素消耗度データは、酸化還元電位計または溶存酸素計を用いて取得することを特徴とする請求項10記載のスライムモニタリング方法。
  12. 水が連続して流れる管状部材内の第1の領域に位置する水のpHに関する第1のpHデータと、前記第1の領域に位置する水の溶存酸素濃度に関する第1の酸素消耗度データと、前記管状部材内であって、前記第1の領域よりもスライムが付着しやすい第2の領域に位置する水のpHに関する第2のpHデータと、前記第2の領域に位置する水の溶存酸素濃度に関する第2の酸素消耗度データと、を連続して取得する工程と、
    前記第1のpHデータと前記第2のpHデータとの差分である第1の差分データを取得すると共に、前記第1の酸素消耗度データと前記第2の酸素消耗度データとの差分である第2の差分データを取得する工程と、
    前記第1及び第2の差分データの推移に基づいて、前記第2の領域に付着したスライムの付着状況を判定する工程と、
    前記スライムの付着状況の判定結果に基づいて、前記水を輸送する流水配管と接続された水タンク内に、スライム除去剤を添加する工程と、
    を有することを特徴とするスライム除去剤添加方法。
  13. 前記第1及び第2の酸素消耗度データは、酸化還元電位計または溶存酸素計を用いて取得することを特徴とする請求項12記載のスライム除去剤添加方法。
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