JP6079045B2 - ハウリング抑圧装置及びプログラム、並びに、適応ノッチフィルタ及びプログラム - Google Patents

ハウリング抑圧装置及びプログラム、並びに、適応ノッチフィルタ及びプログラム Download PDF

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Description

本発明はハウリング抑圧装置及びプログラム、並びに、適応ノッチフィルタ及びプログラムに関し、例えば、テレビ会議や電話会議などの拡声通話系の音声受信装置に適用し得るものである。
テレビ会議や電話会議などの拡声通話系では、スピーカから発音された音(音響や音声など)がマイクに回り込んで送話側に戻る音響エコーが発生する。さらに、この帰還系のゲインが1以上になると、いわゆるハウリングと呼ばれる発振状態となる。ハウリングは通話の著しい妨げとなるため、その抑圧方法に関しては、これまでも多くの研究、開発が行なわれている。
ハウリングを抑圧する1つの手法として、適応ノッチフィルタを使用する手法がある。ノッチフィルタとは、特定の周波数を除去(減衰)するフィルタであり、適応ノッチフィルタとは、適応的にフィルタ係数を更新してノッチ(除去周波数)を形成するフィルタである。ハウリング抑圧装置に適応ノッチフィルタを適用し、適応ノッチフィルタのフィルタ係数を更新することでハウリング周波数を適応的に抑圧することができる。ハウリング抑圧装置に適用可能な適応ノッチフィルタが、非特許文献1によって提案されている。
非特許文献1に記載の適応ノッチフィルタは、除去周波数を決定するフィルタ係数の更新量を、適応フィルタの入力信号と伝達関数の分母の係数から求めて更新することで、特定の周波数を除去する。
小林正樹、赤川智宏、伊藤良生、"全域通過フィルタを用いた適応ノッチフィルタのアルゴリズムと収束性"、電子情報通信学会論文誌、Vol.J82−A、No.3、pp.325−332、1999年3月
しかしながら、非特許文献1の適応ノッチフィルタでは、適応可能なパラメータは除去周波数のみであり、除去帯域幅は事前に設定する必要がある。ハウリングの特性は部屋の形状などにより異なるため、適応ノッチフィルタの除去帯域幅が既定の設定では、その適応ノッチフィルタを適用したハウリング抑圧装置において、十分なハウリングの抑圧性能が得られない場合がある。除去帯域幅を適応するには別途更新式が必要であるが、周波数と帯域幅を別々に更新することになり、適応ノッチフィルタの収束が保証されない課題があった。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、抑圧帯域幅が所定幅でないハウリングをも抑圧できるハウリング抑圧装置及びプログラムを提供しようとしたものである。
また、本発明は、除去したい1又は複数の周波数(除去帯域幅は所定幅に限られない)が変化しても、それに対応できる適応ノッチフィルタ及びプログラムを提供しようとしたものである。
第1の本発明は、除去する周波数を適応的に変更可能な適応ノッチフィルタにおいて、記の(A1)式で表される伝達関数H(z)を有する適応ノッチフィルタ単位を、j(jは1以上の自然数)段接続したと等価な伝達関数を有し、上記適応ノッチフィルタ単位が、2段以上の場合には、それらの単位が互いに除去する周波数が異なることを特徴とする。
Figure 0006079045
(A1)式において、nは時刻、a(n)、b(n)はそれぞれフィルタ係数であって、(A2)式、(A3)式に従って更新される。フィルタ係数a(n)は、除去帯域幅に関するフィルタ係数である。(A2)式及び(A3)式において、μはステップゲイン、Δa2、Δb1はそれぞれフィルタ係数更新アルゴリズムに従って算出されるフィルタ係数更新量である。(A4)式において、fは除去する周波数を決定するパラメータであり、fsは、サンプリング周波数を決定するパラメータである。また、フィルタ係数a (n)は0より大きく1より小さい値である。
第2の本発明は、コンピュータを、抑圧する周波数を適応的に変更可能な適応ノッチフィルタとして機能させる適応ノッチフィルタプログラムにおいて、上記コンピュータを、伝達関数を用いて、入力された信号の一部の周波数を除去するフィルタリング処理手段として機能させ、上記伝達関数は、下記の(B1)式で表される伝達関数H(z)を有する適応ノッチフィルタ単位を、j(jは1以上の自然数)段接続したと等価な伝達関数であって、上記適応ノッチフィルタ単位が、2段以上の場合には、それらの単位が互いに除去する周波数異なることを特徴とする。
Figure 0006079045
(B1)式において、nは時刻、a(n)、b(n)はそれぞれフィルタ係数であって、(B2)式、(B3)式に従って更新される。フィルタ係数a(n)は、除去帯域幅に関するフィルタ係数である。(B2)式及び(B3)式において、μはステップゲイン、Δa2、Δb1はそれぞれフィルタ係数更新アルゴリズムに従って算出されるフィルタ係数更新量である。(B4)式において、fは除去する周波数を決定するパラメータであり、fsは、サンプリング周波数を決定するパラメータである。また、フィルタ係数a (n)は0より大きく1より小さい値である。
第3の本発明は、適応ノッチフィルタとフィルタ係数制御部とを有する適応ノッチフィルタ部を利用してハウリングする周波数を抑圧するハウリング抑圧装置において、上記適応ノッチフィルタとして、第1の本発明の適応ノッチフィルタを適用したことを特徴とする。
第4の本発明は、適応ノッチフィルタとフィルタ係数制御部とを有する適応ノッチフィルタ部を利用してハウリングする周波数を抑圧するハウリング抑圧装置に搭載されるコンピュータを、上記適応ノッチフィルタ部として機能させるハウリング抑圧プログラムであって、上記コンピュータを、上記適応ノッチフィルタ部における適応ノッチフィルタとして機能させるプログラムとして、第2の本発明の適応ノッチフィルタプログラムを適用し、上記コンピュータを、フィルタ係数更新アルゴリズムに基づき、フィルタ係数更新量であるΔ a2 、Δ b1 を計算するフィルタ係数更新量計算手段と、フィルタ係数更新量であるΔ a2 、Δ b1 を用いて、フィルタ係数a2(n)、b1(n)を更新するフィルタ係数更新手段として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、除去帯域幅を事前に設定することなく帯域幅が広い除去対象の周波数を除去することができる適応ノッチフィルタ及び適応ノッチフィルタプログラムを提供できる。
また、本発明によれば、抑圧帯域幅を事前に設定することなく帯域幅が広いハウリング周波数を抑圧することができるハウリング抑圧装置及びハウリング抑圧プログラムを提供できる。
第1の実施形態の適応ノッチフィルタと従来のノッチフィルタの伝達関数の零点と極を示す説明図である。 第2の実施形態の適応ノッチフィルタ(多段適応ノッチフィルタ)の詳細構成を示すブロック図である。 第1の実施形態のハウリング抑圧装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態のハウリング抑圧装置におけるフィルタ係数制御部の詳細構成を示すブロック図である。 第2の実施形態のハウリング抑圧装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態のハウリング抑圧装置における多段フィルタ係数制御部の詳細構成を示すブロック図である。
第1及び第2の実施形態のハウリング抑圧装置を説明する前に、これら実施形態のハウリング抑圧装置に適用される、本発明による適応ノッチフィルタの実施形態を説明する。まず、第1の実施形態の適応ノッチフィルタについて説明し、その後、第2の実施形態の適応ノッチフィルタ(多段適応ノッチフィルタ)について説明する。
(A)第1の実施形態の適応ノッチフィルタ
従来の一般的なノッチフィルタの伝達関数HNotch(z)は、(1)式で表される。(1)式において、fは除去周波数、fsはサンプリング周波数、rは除去帯域幅を決定するパラメータである。除去周波数fは、適応ノッチフィルタをハウリング抑圧装置に適用した場合であれば、ハウリングする周波数に対応するものである。
Figure 0006079045
第1及び第2の実施形態に係る適応ノッチフィルタの伝達関数は、(1)式の伝達関数H(z)を考慮して、本願発明者によって新たに提案されたものである。
(1)式に示す伝達関数HNotch(z)を有するノッチフィルタは、(1)式の構成から、IIR(無限インパルス応答)型のフィルタになっていることが分かる。一方、一般的なIIR型の適応フィルタの伝達関数HIIR(z)は、(2)式で表される。参考文献1「http://www.lss.uni-stuttgart.de/matlab/notch/index.en.html」や参考文献2「http://triplecorrelation.com/courses/fundsp/iirdesign.pdf」に(2)式が開示されている。(2)式において、nは時刻、a(n)、a(n)、b(n)、b(n)、b(n)はIIR型の適応フィルタのフィルタ係数である。
Figure 0006079045
今、(1)式に示す伝達関数HNotch(z)の係数と、(2)式に示す伝達関数HIIR(z)の係数を比較すると、(3)式〜(7)式が得られ、(3)式、(4)式及び(6)式から、a(n)について(8)式が得られる。
Figure 0006079045
これらの式より、(2)式に示すIIR型適応フィルタの伝達関数HIIR(z)の分子の定数項とz−2項の係数(すなわち、b(n)及びb(n))を1にし、除去周波数と除去帯域幅に関する係数(すなわち、b(n)及びa(n))を適応的に更新し、a(n)を、更新して求めたb(n)とa(n)を用いて求めると、(2)式に示すIIR型適応フィルタの伝達関数HllR(z)を、ノッチフィルタの伝達関数にすることができることが分かる。この場合のノッチフィルタは適応ノッチフィルタとなり、この適応ノッチフィルタの伝達関数H(z)は、(9)式で表される。(9)式において、nは時刻、a(n)、b(n)は適応ノッチフィルタのフィルタ係数であり、これらフィルタ係数はそれぞれ(10)式、(11)式で表される。(10)式及び(11)式において、μはステップゲイン、Δa2、Δb1はフィルタ係数更新量である。
Figure 0006079045
フィルタ係数更新量Δa2、Δb1は、フィルタ係数更新アルゴリズム(例えば、二乗誤差最小アルゴリズムやSHARF(Simple Hyperstable Adaptive Recursive Filter)アルゴリズムなど)を用いて求めることができる。(12)式及び(13)式はそれぞれ、SHARFアルゴリズムを用いて、フィルタ係数更新量Δa2、Δb1を求める場合を示している。なお、(12)式及び(13)式において、x(n)は時刻nにおける当該適応ノッチフィルタへの入力信号であり、y(n)は時刻nにおける当該適応ノッチフィルタからの出力信号である。
Figure 0006079045
第1の実施形態の適応ノッチフィルタ(後述する図3参照)は、(10)式、(11)式に従って適応的に更新された除去帯域幅と除去周波数に関する係数a(n)、b(n)を適用した(9)式に示す伝達関数H(z)を有するものである。
なお、(9)式に示す伝達関数H(z)を適用したフィルタリング処理は、例えば、CPUが、(9)式に示す伝達関数H(z)の演算を実行するプログラムを実行することにより実現することもできる。
第1の実施形態の適応ノッチフィルタによれば、除去帯域幅が所定幅でなくても、除去周波数を除去(減衰)することができる適応ノッチフィルタを提供することができる。
また、第1の実施形態の適応ノッチフィルタによれば、(1)式に示す伝達関数を有する従来のノッチフィルタと同じところに零点と極がある適応ノッチフィルタを提供でき、しかも、その適応ノッチフィルタを安定なフィルタとして構築することができる。以下、この効果を奏する理由を説明する。
(9)式に示す伝達関数H(z)の零点を確認すると、伝達関数H(z)の零点はH(z)=0である点より、分子が0であることを示している(14)式が得られる。この(14)式に示す方程式を解くと、(15)式が得られ、(15)式に基づいて、zzeroのノルム|zzero|を求めると、(16)式が得られる。
Figure 0006079045
(16)式に示す|zzero|=1は、零点がz平面の単位円上にあることを示している。また、z平面で単位円上のz変換が周波数特性を表していることから、分子の定数項とz−2項の係数を1にすることで、z平面の単位円周上に零点ができ、(9)式に示す伝達関数H(z)の周波数特性はある周波数でノッチができることが分かる。
さらに、伝達関数H(z)の極は、H(z)の分母が0である点より、分母が0であることを示している(17)式が得られる。この(17)式に示す方程式を解くと、(18)式が得られる。
Figure 0006079045
(18)式は、極が零点zzeroの√{a(n)}倍の位置にあることを示している。ここで、(1)式及び(9)式の零点と極をz平面に図示したものが図1であり、(1)式及び(9)式に示す伝達関数は零点の何倍かの位置に極が存在することが分かる。すなわち、第1の実施形態に係る適応ノッチフィルタは、(1)式に示す伝達関数を有する従来のノッチフィルタと同様にz平面の原点と零点の直線上に極がある適応ノッチフィルタである。
また、伝達関数の極は単位円内に存在すれば安定であるので、図1より、a(n)が0<a(n)<1の範囲内の値をとるように選定することにより、第1の実施形態の適応ノッチフィルタが安定なフィルタになることが分かる。
(B)第2の実施形態の適応ノッチフィルタ
次に、本発明による適応ノッチフィルタの第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の適応ノッチフィルタは、上述した第1の実施形態の適応ノッチフィルタを、多段に縦続接続したフィルタ(多段適応ノッチフィルタ)である。
図2は、第2の実施形態の適応ノッチフィルタ(多段適応ノッチフィルタ)の詳細構成を示すブロック図である。
第2の実施形態の適応ノッチフィルタ(多段適応ノッチフィルタ)10は、(9)式に示す伝達関数を有する適応ノッチフィルタを適用して複数の周波数を除去できるように、図2に示すように、除去周波数が異なる適応ノッチフィルタ11−1〜11−j(jは2以上の整数)を多段に縦続接続して1つのノッチフィルタにまとめ、各適応ノッチフィルタ11−1〜11−jのフィルタ係数を更新することにより、一つの適応ノッチフィルタとして構築したものである。
各適応ノッチフィルタ11−1〜11−jをそれぞれ、ハードウェア的に構成して縦続接続しても良い。また、各適応ノッチフィルタ11−1〜11−jの多段接続は、ソフトウェア的に実行することも可能である。この場合において、各適応ノッチフィルタ11−1〜11−jをそれぞれ、異なる処理ルーチン(プログラム)として記述し、各処理ルーチンの処理を順次実行するように構成しても良く、また、各適応ノッチフィルタ11−1〜11−jを融合した一つの処理ルーチンを記述して適応ノッチフィルタ11−1〜11−jの多段接続を実現するようにしても良い。以下では、後者の場合を説明する。
適応ノッチフィルタ11−1〜11−jの多段接続は、融合したソフトウェア的には、各適応ノッチフィルタ11−1、…、11−jの伝達関数を掛け算したものを伝達特性とすることにより実現することができる。伝達関数を掛け算することにより、多段適応ノッチフィルタ10はフィルタ長が長いノッチフィルタになり、適応ノッチフィルタの数が除去対象の周波数の数より多いときは、ノッチが鋭いノッチフィルタになるようにフィルタ係数が収束する。
なお、第2の実施形態の多段適応ノッチフィルタ10は、必ずしも適応ノッチフィルタ11−1〜11−jを多段接続して構成しなくても良く、要は、適応ノッチフィルタ11−1〜11−jを多段接続した場合と同じ伝達関数を有するものであれば良い。
図2に示す多段適応ノッチフィルタ10の入出力X(z)及びY(z)の関係を、各適応ノッチフィルタ11−1、…、11−jの伝達関数を用いて表すと、(19)式に示すようになる。(19)式において、H(z)(k=1、2、…、j)は各適応ノッチフィルタ11−1、…、11−jの伝達関数であり、X(z)は多段適応ノッチフィルタ10の入力信号のz変換であり、Y(z)は多段適応ノッチフィルタ10の出力信号のz変換であり、jは多段適応ノッチフィルタ10を構成する適応ノッチフィルタの個数である。例えば、j=4のときは、多段適応ノッチフィルタ10は最大で4つの異なる周波数を除去するフィルタになる。
Figure 0006079045
適応ノッチフィルタ11−1、…、11−jを多段接続して1つの適応ノッチフィルタにした多段適応ノッチフィルタ10の伝達関数は、(19)式の該当箇所に(9)式の伝達関数を代入して整理することにより、(20)式で表すことができる。(20)式におけるaは(21)式で表される。(20)式は、各適応ノッチフィルタ11−1、…、11−jの除去帯域幅が同一であるとして求められている。(20)式及び(21)において、nは時刻、a(n)、b(k,n)(k=1、2、…、j)は各適応ノッチフィルタ11−1、…、11−jのフィルタ係数、a(n)、b(n)(i=1、2、…、2j−1)は複数の周波数を除去する多段適応ノッチフィルタ10のフィルタ係数であり、これらフィルタ係数の更新はそれぞれ、(22)式、(23)式に従って実行される。(22)式及び(23)式において、μはステップゲイン、Δ、Δbi(i=1、2、…、2j−1)はフィルタ係数更新量である。
Figure 0006079045
フィルタ係数更新量Δ、Δbi(i=1、2、…、2j−1)は、フィルタ係数更新アルゴリズムを用いて求めることができる。(24)式及び(25)式は、SHARFアルゴリズムに従ってフィルタ係数更新量Δ、Δbiを求める場合を示している。(24)式及び(25)式において、x(n)は多段適応ノッチフィルタ10への入力信号であり、y(n)は多段適応ノッチフィルタ10からの出力信号である。
Figure 0006079045
上述した(20)式から、分母の定数項と分子の定数項と最高次数のフィルタ係数がそれぞれ1になっていることが分かる。このことより、複数の周波数を除去する多段適応ノッチフィルタ10は、分母の定数項と分子の定数項とzの最高次数のフィルタ係数を1にし、分母の最高次数と分子の定数項とzの最高次数以外のフィルタ係数を更新し、更新した分子のフィルタ係数から分母の定数項と最高次数以外のフィルタ係数を求めることで複数の周波数を除去する適応ノッチフィルタになることが分かる。
(19)式に(20)式及び(21)式を代入した後、z平面から時間軸に数式を変換すると、(26)式が得られる。(26)式において、ここで、nは時刻、x(n)は多段適応ノッチフィルタ10への入力信号であり、y(n)は多段適応ノッチフィルタ10からの出力信号である。
Figure 0006079045
多段適応ノッチフィルタ10が(20)式に示す伝達関数を有することにより、帯域幅がある複数の周波数を除去することができる。多段適応ノッチフィルタ10をハウリング抑圧装置に適用した場合には、帯域幅がある複数の周波数がハウリングした環境で、多段適応ノッチフィルタ10のフィルタ係数が適応的にハウリングした周波数を抑圧するように更新され、ハウリングを適切に抑圧することができるようになる。
(C)第1の実施形態のハウリング抑圧装置
次に、本発明によるハウリング抑圧装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
第1の実施形態のハウリング抑圧装置は、上述した第1の実施形態の適応ノッチフィルタを実装したものであり、入力信号に対して適応ノッチフィルタの処理を行い、ハウリングしている周波数を抑圧するものである。
(C−1)第1の実施形態のハウリング抑圧装置の構成
図3は、第1の実施形態のハウリング抑圧装置の構成を示すブロック図である。デジタル信号でなる信号を処理する各部は、CPUと、CPUが実行するプログラムで構成することもできるが、この場合であっても、機能的には図3で表すことができる。
図3において、第1の実施形態のハウリング抑圧装置100は、アナログ音信号が入力される音信号入力端子101と、音信号入力端子101に入力されたアナログ音信号をデジタル音信号に変換するAD変換器102と、AD変換器102からのデジタル音信号を入力とし適応ノッチフィルタの処理を行う適応ノッチフィルタ部103と、適応ノッチフィルタ部103から出力されたデジタル音信号をアナログ音信号に変換するDA変換器108と、アナログの音信号が出力される音信号出力端子109とを備える。
適応ノッチフィルタ部103は、上述した第1の実施形態の適応ノッチフィルタが相当する部分である。適応ノッチフィルタ部103は、AD変換器102から出力されたデジタル音信号を入力信号として適応ノッチフィルタの処理を行うフィルタ処理部104と、フィルタ処理部104への入力信号をフィルタ長分だけ保持できる入力レジスタ部105と、フィルタ処理部104からの出力信号をフィルタ長分だけ保持できる出力レジスタ部106と、入力レジスタ部105及び出力レジスタ部106に保持されている入出力信号からフィルタ係数を計算するフィルタ係数制御部107とを備える。
図4は、フィルタ係数制御部107の詳細構成を示すブロック図である。フィルタ係数制御部107は、入力レジスタ部105及び出力レジスタ部106に保持されている入出力信号から、上述した(12)式及び(13)式などのフィルタ係数更新アルゴリズムを用いてフィルタ係数の更新量Δa2、Δb1を計算するフィルタ係数更新量計算部201と、フィルタ係数更新量計算部201で計算されたフィルタ係数更新量を用いて(10)式及び(11)式に従ってフィルタ係数a(n)、b(n)を更新するフィルタ係数更新部202と、更新された一方のフィルタ係数のa(n+1)が0より大きく1より小さい値になっているか否かを確認し、0以下の値又は1以上の値の場合には0より大きく1より小さい値になるように補正を行いながら、フィルタ係数a(n+1)、b(n+1)を出力するフィルタ係数補正部203と、フィルタ係数補正部203から出力されたフィルタ係数a(n+1)、b(n+1)を保持し、フィルタ係数更新部202に供給するフィルタ係数レジスタ部204と、更新したフィルタ係数から(9)式のb(n)√(a(n))を求め、全てのフィルタ係数を出力するフィルタ係数計算部205を備える。
(C−2)第1の実施形態のハウリング抑圧装置の動作
次に、第1の実施形態のハウリング抑圧装置100の動作を説明する。
音信号入力端子101には、マイクアンプで増幅されマイクロホン入力信号や、オーディオミキサなどで複数のマイクロホン入力信号が増幅されて加算された信号や、エコーキャンセラでエコーが削除された信号などのアナログ音信号が入力される。音信号入力端子101に入力されたアナログの音信号は、AD変換器102において、サンプリング周波数に応じて通過帯域が設定されたローパスフィルタ(AD変換器102が内蔵する)を通すことで、折り返しが発生しないよう高域成分の周波数がカットされてからアナログ音信号からデジタル音信号に変換され、デジタル化されたデジタル音信号がAD変換器102から出力される。デジタル音信号は、適応ノッチフィルタ部103のフィルタ処理部104と入力レジスタ部105に入力される。
フィルタ処理部104は、入力レジスタ部105に保持されている過去の時刻の入力信号(例えば、(13)式のx(n−1)参照)と、出力レジスタ部106に保持されている過去の時刻の出力信号(例えば、(13)式や(12)式のy(n)や、(12)式のy(n−2)参照)と、フィルタ係数制御部107から出力されたフィルタ係数(例えば、(10)式のa(n+1)や(11)式のb(n+1)参照)を用い、(9)式の伝達関数H(z)を適用して、当該フィルタ処理部104からの新たな出力信号((13)式の表記を適用するとy(n+1))を求める。求められた新たな出力信号は、出力レジスタ部106及びDA変換器108に与えられる。
ここで、入力レジスタ部105は、AD変換部102から出力された新しいデジタル音信号が1サンプル入力されると、入力レジスタ部105の最後尾の最も過去に保存されたデジタル音信号の1サンプルを削除し、入力レジスタ部105の値をシフトしてから、新しい1サンプルのデジタル音信号を入力レジスタ部105の先頭に保存する。
また、出力レジスタ部106は、フィルタ処理部104の出力信号が出力されると、出力レジスタ部106の最後尾の最も過去に保存された1サンプルの出力信号を削除し、出力レジスタ部106の値をシフトしてから、求められたばかりの出力信号を出力レジスタ部106の先頭に保存する。
次に、フィルタ係数制御部107における動作を説明する。
フィルタ係数更新量計算部201は、入力レジスタ部105及び出力レジスタ部106の保持信号から、(12)式及び(13)式に従って、フィルタ係数の更新量Δa2、Δb1を計算する。
フィルタ係数更新部202は、(9)式に示す伝達関数の分母の定数項と分子の定数項と分子の2次の係数を1にしたまま、フィルタ係数更新量計算部201から出力されたフィルタ係数更新量Δa2、Δb1とフィルタ係数レジスタ部204に保持されているフィルタ係数a(n)、b(n)と固定のステップゲインμを使用して(10)式、(11)式に従って、その他のフィルタ係数a(n+1)、b(n+1)を更新し、フィルタ係数補正部203に更新されたフィルタ係数を出力する。
フィルタ係数補正部203は、更新されたフィルタ係数a(n+1)、b(n+1)のうち、a(n+1)について、0より大きく1より小さい値であるか否かを判定し、0より大きく1より小さい値のときは、補正せずにフィルタ係数a(n+1)、b(n+1)をフィルタ係数レジスタ部204及びフィルタ係数計算部205に出力する。更新されたフィルタ係数a(n+1)が0以下の値又は1以上の値のときは、0より大きく1より小さい値になるように補正し(例えば、補正後の値を予め定めておく)、フィルタ係数a(n+1)、b(n+1)をフィルタ係数レジスタ部204及びフィルタ係数計算部205に出力する。
フィルタ係数レジスタ部204は、フィルタ係数補正部203から出力されたフィルタ係数a(n+1)、b(n+1)を保持する。
フィルタ係数計算部205では、補正されたフィルタ係数a(n+1)とb(n+1)を用いて(9)式のb(n)√(a(n))を求め、全てのフィルタ係数をフィルタ処理部104に出力する。
DA変換器108は、適応ノッチフィルタ部103のフィルタ処理部104の出力信号であるデジタル音信号をアナログ音信号に変換し、その後、サンプリング周波数に応じた内蔵するローパスフィルタ(DA変換器108が内蔵する)を通すことで、折り返しが発生しないよう高域成分の周波数をカットし、アナログ音信号として音信号出力端子109に与え、アナログ音信号が音信号出力端子109からスピーカアンプや通信路に出力される。
次に、第1の実施形態のハウリング抑圧装置100における動作開始からハウリングが発生したときまでの動作について説明する。
ハウリング抑圧装置100が動作を開始すると、アナログ音信号が音信号入力端子101を通り、AD変換器102でデジタル音信号に変換され、適応ノッチフィルタ部103にデジタル音信号が入力される。
ハウリングが発生しなければ、フィルタ処理部104のフィルタ係数が収束しないため、フィルタ処理部104で特定の周波数が抑圧されずにDA変換器108にデジタル音信号が出力される。DA変換器108では、適応ノッチフィルタ部103から出力されたデジタル音信号がアナログ音信号に変換され、音信号出力端子109を介して出力される。
単一の周波数がハウリングし始めた直後では、フィルタ処理部104における適応ノッチフィルタのフィルタ係数は、まだ、発生した周波数を抑圧するフィルタ係数に収束していないので、フィルタ処理部104は、ハウリングした信号を抑圧できずにDA変換器108にデジタル音信号を出力する。DA変換器108が適応ノッチフィルタ部103から出力されたデジタル音信号をアナログ音信号に変換し、音信号出力端子109を介して出力するので、ハウリングが発生し始めたときはハウリングが抑圧されていないアナログ音信号が出力される。
フィルタ係数制御部107は、入力レジスタ部105及び出力レジスタ部106の保持信号を用いて、フィルタ係数更新アルゴリズムに基づき、フィルタ係数更新量計算部201でフィルタ係数の更新量を計算し、フィルタ係数更新部202に出力する。フィルタ係数更新部202は、(9)式に示す伝達関数の分母の定数項と分子の定数項と分子の最高次数のフィルタ係数を1にしたまま、フィルタ係数更新量計算部201から出力されたフィルタ係数更新量とフィルタ係数レジスタ部204のフィルタ係数と固定のステップゲインを使用して、(10)式及び(11)式のフィルタ係数を更新し、フィルタ係数補正部203に更新されたフィルタ係数を出力する。フィルタ係数補正部203は、一方のフィルタ係数a(n+1)が0より大きく1より小さい値であるか否かを判定し、0より大きく1より小さい値のときは補正せずに、b(n+1)と共にフィルタ係数レジスタ部204及びフィルタ係数計算部205に出力する。更新されたフィルタ係数a(n+1)が0以下の値又は1以上の値のときは、0より大きく1より小さい値になるように補正し、b(n+1)と共にフィルタ係数レジスタ部204及びフィルタ係数計算部205に出力する。フィルタ係数計算部205は、フィルタ係数補正部から出力されたフィルタ係数を用いて(9)式のb(n)√(a(n))を求め、全てのフィルタ係数をフィルタ処理部104に出力する。
更新が進むと、フィルタ処理部104における適応ノッチフィルタのフィルタ係数は、ハウリングした周波数を抑圧するフィルタ係数に収束し、その結果、フィルタ処理部104は、ハウリングが抑圧されたデジタル音信号をDA変換器108に出力する。DA変換器108では、適応ノッチフィルタ部103から出力されたハウリングが抑圧されたデジタル音信号がアナログ音信号に変換され、音信号出力端子109を介して出力される。適応ノッチフィルタ部103からの出力信号がほぼ0になるので(ハウリングが抑圧されて0となる)、フィルタ係数制御部107のフィルタ係数更新量計算部201で計算された更新量がほぼ0になり、フィルタ係数更新部202でフィルタ係数が更新されずに収束する。これによって、フィルタ係数の収束状態が継続され、ハウリングが抑圧され続ける。
上記の状態から異なる周波数がハウリングし始めると、フィルタ処理部104における適応ノッチフィルタは、ハウリングをし始めた異なる周波数を抑圧するようにはフィルタ係数が収束していないので、ハウリングした信号を抑圧できずにDA変換器108にデジタル音信号を出力する。DA変換器108では、適応ノッチフィルタ部103から出力されたデジタル音信号がアナログ音信号に変換され、音信号出力端子109を介して出力されるので、異なる周波数のハウリングが発生し始めたときはハウリングしたアナログ音信号が出力される。
フィルタ係数制御部107は、入力レジスタ部105及び出力レジスタ部106の保持信号を用いて、フィルタ係数更新アルゴリズムに基づき、フィルタ係数更新量計算部201でフィルタ係数の更新量を計算し、フィルタ係数更新部202に出力する。フィルタ係数更新部202は(9)式に示す伝達関数の分母の定数項と分子の定数項と分子の最高次数のフィルタ係数を1にしたまま、フィルタ係数更新量計算部201から出力されたフィルタ係数更新量とフィルタ係数レジスタ部204のフィルタ係数と固定のステップゲインとを使用して、(10)式及び(11)式のフィルタ係数を更新し、フィルタ係数補正部203に更新されたフィルタ係数を出力する。フィルタ係数補正部203は、一方のフィルタ係数a(n+1)が0より大きく1より小さい値であるか否かを判定し、0より大きく1より小さい値のときは補正せずに、b(n+1)と共にフィルタ係数レジスタ部204及びフィルタ処理部104に出力する。更新されたフィルタ係数a(n+1)が0以下の値又は1以上の値のときは、0より大きく1より小さい値になるように補正し、b(n+1)と共にフィルタ係数レジスタ部204及びフィルタ係数計算部205に出力する。フィルタ係数計算部205は、フィルタ係数補正部から出力されたフィルタ係数を用いて(9)式のb(n)√(a(n))を求め、全てのフィルタ係数をフィルタ処理部104に出力する。
更新が進むと、フィルタ処理部104における適応ノッチフィルタのフィルタ係数は、再び異なる周波数を抑圧するフィルタ係数に収束するので、適応ノッチフィルタ部103から、ハウリングが抑圧された信号がDA変換器108に出力される。DA変換器108では、適応ノッチフィルタ部103からの出力信号であるハウリングが抑圧されたデジタル音信号がアナログ音信号に変換され、音信号出力端子109を介して出力される。フィルタ係数制御部107は適応ノッチフィルタ部103からの出力信号がほぼ0になるので(異なる周波数のハウリングが抑圧されて0となる)、フィルタ係数制御部107のフィルタ係数更新量計算部201で計算された更新量がほぼ0になり、フィルタ係数更新部202でフィルタ係数が更新されず、フィルタ係数制御部107から出力されるフィルタ係数は収束する。このようにして異なる周波数に対しても、フィルタ係数が収束してその周波数を抑圧し続ける。
帯域幅を有する周波数がハウリングし始めると(ある周波数だけでなく、その周波数の前後の周波数成分もハウリングする)、フィルタ処理部104における適応ノッチフィルタは、上記帯域幅を抑圧するフィルタ係数に収束していないので、ハウリングした信号を抑圧できずに、DA変換器108にハウリングしたデジタル音信号が出力される。DA変換器108では、適応ノッチフィルタ部103から出力されたデジタル音信号がアナログ音信号に変換され、音信号出力端子109を介して出力されるので、帯域幅がある周波数がハウリングし始めたときはハウリングしたアナログ音信号が出力される。
フィルタ係数制御部107は、入力レジスタ部105及び出力レジスタ部106の保持信号を用いて、フィルタ係数更新アルゴリズムに基づき、フィルタ係数更新量計算部201でフィルタ係数の更新量を計算し、フィルタ係数更新部202に出力する。フィルタ係数更新部202は、(9)式に示す伝達関数の分母の定数項と分子の定数項と分子の最高次数のフィルタ係数を1にしたまま、フィルタ係数更新量計算部201から出力されたフィルタ係数更新量とフィルタ係数レジスタ部204のフィルタ係数と固定のステップゲインとを使用して、(10)式及び(11)式のフィルタ係数を更新し、フィルタ係数補正部203に更新されたフィルタ係数を出力する。フィルタ係数補正部203は、一方のフィルタ係数a(n+1)が0より大きく1より小さい値であるか否かを判定し、0より大きく1より小さい値のときは補正せずに、b(n+1)と共にフィルタ係数レジスタ部204及びフィルタ係数計算部205に出力する。更新されたフィルタ係数a(n+1)が0以下の値又は1以上の値のときは、0より大きく1より小さい値になるように補正し、b(n+1)と共にフィルタ係数レジスタ部204及びフィルタ係数計算部205に出力する。帯域幅を有する周波数がハウリングしているときには、このような更新処理でも、出力信号がまだまだ大きく更新量も大きくなり、フィルタ係数の収束は遅くなってフィルタ係数の更新がかなりの時間継続される。フィルタ係数計算部205は、フィルタ係数補正部204から出力されたフィルタ係数を用いて(9)式のb(n)√(a(n))を求め、全てのフィルタ係数をフィルタ処理部104に出力する。
それでも、更新が進むと、フィルタ処理部104における適応ノッチフィルタのフィルタ係数は、帯域幅がある周波数を抑圧するように収束し、適応ノッチフィルタ部103からハウリングが抑圧された信号がDA変換器108に出力される。DA変換器108では、適応ノッチフィルタ部103からの出力信号であるハウリングが抑圧されたデジタル音信号がアナログ音信号に変換され、音信号出力端子109を介して出力される。フィルタ係数制御部107は適応ノッチフィルタ部103からの出力信号がほぼ0になるので(帯域幅がある周波数のハウリングが抑圧されて0となる)、フィルタ係数制御部107のフィルタ係数更新量計算部201で計算された更新量がほぼ0になり、フィルタ係数更新部202でフィルタ係数が更新されず、フィルタ係数制御部107から出力されるフィルタ係数は収束する。このようにして帯域幅がある周波数に対しても、フィルタ係数が収束してその周波数を抑圧し続ける。
(C−3)第1の実施形態のハウリング抑圧装置の効果
第1の実施形態のハウリング抑圧装置によれば、単一の周波数がハウリングする環境、ハウリング周波数が変化する環境、ハウリング周波数が帯域幅を有する環境でも、ハウリングを抑圧することができる。
(D)第2の実施形態のハウリング抑圧装置
次に、本発明によるハウリング抑圧装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
第2の実施形態のハウリング抑圧装置は、上述した第2の実施形態の適応ノッチフィルタ(多段適応ノッチフィルタ)を実装したものであり、入力信号に対して適応ノッチフィルタの処理を行い、複数の周波数がハウリングしている環境でも、ハウリングしている複数の周波数を抑圧するものである。
(D−1)第2の実施形態のハウリング抑圧装置の構成
図5は、第2の実施形態のハウリング抑圧装置の構成を示すブロック図であり、第1の実施形態のハウリング抑圧装置に係る図3との同一、対応部分には同一符号を付して示している。デジタル信号を処理する各部は、CPUと、CPUが実行するプログラムで構成することもできるが、この場合であっても、機能的には図5で表すことができる。
図5において、第2の実施形態のハウリング抑圧装置300は、アナログ音信号が入力される音信号入力端子101と、音信号入力端子101に入力されたアナログ音信号をデジタル音信号に変換するAD変換器102と、AD変換器102からのデジタル音信号を入力とし適応ノッチフィルタ(第2の実施形態の適応ノッチフィルタ)の処理を行う多段適応ノッチフィルタ部301と、多段適応ノッチフィルタ部301から出力されたデジタル音信号をアナログ音信号に変換するDA変換器108と、アナログ音信号が出力される音信号出力端子109とを備える。
多段適応ノッチフィルタ部301は、AD変換器102から出力されたデジタル音信号を入力信号として(26)式に示す適応ノッチフィルタの処理を行う多段フィルタ処理部302と、多段フィルタ処理部302の入力信号をフィルタ長分だけ保持できる入力レジスタ部105と、多段フィルタ処理部302の出力信号をフィルタ長分だけ保持できる出力レジスタ部106と、入力レジスタ部105及び出力レジスタ部106の保持信号からフィルタ係数を計算する多段フィルタ係数制御部303を備える。
図6は、多段フィルタ係数制御部303の詳細構成を示すブロック図である。多段フィルタ係数制御部303は、入力レジスタ部105及び出力レジスタ106の保持信号から、(24)式及び(25)式などの多段フィルタ係数更新アルゴリズムを用いて、フィルタ係数の更新量を計算する多段フィルタ係数更新量計算部401と、多段フィルタ係数更新量計算部401で計算されたフィルタ係数更新量などを用いて、(22)式及び(23)式に従ってフィルタ係数を更新する多段フィルタ係数更新部402と、更新されたフィルタ係数のうちの一つのフィルタ係数a(n+1)が0より大きく1より小さい値になっているか確認し、0以下の値又は1以上の値の場合に0より大きく1より小さい値になるように補正し、その後、更新されたフィルタ係数を出力する多段フィルタ係数補正部403と、多段フィルタ係数補正部403から出力されたフィルタ係数を保持する多段フィルタ係数レジスタ部404と、更新されたフィルタ係数から(20)式のa(n)、a (n)、a 2j−12j−1(n)と(21)式のaを求め、全てのフィルタ係数を出力する多段フィルタ係数計算部405を備える。
(D−2)第2の実施形態のハウリング抑圧装置の動作
次に、第2の実施形態のハウリング抑圧装置300の動作を説明する。なお、第1の実施形態と同じ符号の各部は第2の実施形態でも同じ動作を実行する。
多段フィルタ処理部302は、入力レジスタ部105の保持信号(例えば、(26)式のx(n)、x(n−i)、x(n−2j)など)と、出力レジスタ部106の保持信号(例えば、(26)式のy(n−i)、y(n−2j)など)と、多段フィルタ係数制御部303から出力されたフィルタ係数(例えば、(26)式のb(n)、a(n)、a(n)など)を用いて、当該多段フィルタ処理部302からの出力信号((26)式のy(n))を求める。また、求められた出力信号y(n)は出力レジスタ部106及びDA変換器108に与えられる。
次に、多段フィルタ係数制御部303の各部について説明する。
多段フィルタ係数更新量計算部401は、入力レジスタ部105及び出力レジスタ部106の保持信号から、多段フィルタ係数の更新量Δ、Δbiを計算する。
多段フィルタ係数更新部402は、(20)式に示す伝達関数の分母の定数項と分子の定数項と分子の最高次の係数を1にしたまま、多段フィルタ係数更新量計算部401から出力されたフィルタ係数更新量と多段フィルタ係数レジスタ部404のフィルタ係数と予め定められているステップゲインとを使用して、(22)式及び(23)式に従って、その他のフィルタ係数a(n+1)、b(n+1)を更新し、多段フィルタ係数補正部403に更新されたフィルタ係数を出力する。
多段フィルタ係数補正部403は、更新されたフィルタ係数a(n+1)が0より大きく1より小さい値であるか否かを判定し、0より大きく1より小さい値のときは補正せずに、更新された他のフィルタ係数と共に多段フィルタ係数レジスタ部404及び多段フィルタ係数計算部405に出力する。更新されたフィルタ係数a(n+1)が0以下の値又は1以上の値のときは、多段フィルタ係数補正部403は、0より大きく1より小さい値になるように補正し(例えば、予め補正後の値を定めておく)、更新された他のフィルタ係数と共に多段フィルタ係数レジスタ部404及び多段フィルタ係数計算部405に出力する。
多段フィルタ係数レジスタ部404は、多段フィルタ係数補正部403から出力されたフィルタ係数を保持する。
多段フィルタ係数計算部405は、多段フィルタ係数補正部403から出力される更新されたフィルタ係数を使用して(20)式のa(n)、a (n)、a 2j−12j−1(n)と(21)式のaを計算し、多段フィルタ処理部302に出力する。
第2の実施形態のハウリング抑圧装置300において、動作開始からハウリングが発生したときまでの動作、単一の周波数のハウリングを含む信号が入力されたときの動作、ハウリング周波数が変化したときの動作、帯域幅がある周波数が入力されたときの動作は、第1の実施形態のハウリング抑圧装置100の動作と同様である。
複数の周波数がハウリングし始めると、多段フィルタ処理部302における多段適応ノッチフィルタは、複数の周波数を抑圧するフィルタ係数に収束していないので、ハウリングした信号を抑圧できずに、DA変換器108にハウリングしたデジタル音信号が出力される。DA変換器108では、多段適応ノッチフィルタ部301から出力されたデジタル音信号がアナログ音信号に変換され、音信号出力端子109を介して出力されるので、複数の周波数のハウリングが発生し始めたときはハウリングしたアナログ音信号が出力される。
多段フィルタ係数制御部303は、入力レジスタ部105と出力レジスタ部106の保持信号を用いて、フィルタ係数更新アルゴリズムに基づき、多段フィルタ係数更新量計算部401でフィルタ係数の更新量を計算し、多段フィルタ係数更新部402に出力する。多段フィルタ係数更新部402は、(20)式に示す伝達関数の分母の定数項と分子の定数項と分子の最高次数の係数を1にしたまま、多段フィルタ係数更新量計算部401から出力されたフィルタ係数更新量と多段フィルタ係数レジスタ部404のフィルタ係数と固定のステップゲインとを使用して、(22)式及び(23)式のフィルタ係数を更新し、多段フィルタ係数補正部403に更新されたフィルタ係数を出力する。多段フィルタ係数補正部403は、更新されたフィルタ係数のうちの一つのフィルタ係数a(n+1)が0より大きく1より小さい値であるか否かを判定し、0より大きく1より小さい値のときは補正せずに、更新された他のフィルタ係数と共に、多段フィルタ係数レジスタ部404及び多段フィルタ係数計算部405に出力する。多段フィルタ係数補正部403は、フィルタ係数a(n+1)が0以下の値又は1以上の値のときは、0より大きく1より小さい値になるように補正し、更新された他のフィルタ係数と共に、多段フィルタ係数レジスタ部404及び多段フィルタ係数計算部405に出力する。更新開始からさほど時間が経過していないときには、多段適応ノッチフィルタ部301からの出力信号はまだまだ大きく、その結果、更新量も大きくなり、フィルタ係数はなかなか収束せずに更新が継続される。多段フィルタ係数計算部405は更新されたフィルタ係数からその他のフィルタ係数を求め、全てのフィルタ係数を多段フィルタ処理部302に出力する。
更新が進むと、多段フィルタ処理部302における適応ノッチフィルタのフィルタ係数は、複数の周波数を抑圧するように収束し、多段適応ノッチフィルタ部301からハウリングが抑圧された信号がDA変換器108に出力される。DA変換器108では、多段適応ノッチフィルタ部301から出力されたデジタル音信号がアナログ音信号に変換され、音信号出力端子109を介して、ハウリングが抑圧されたアナログ音信号を出力する。多段フィルタ係数制御部303において、多段適応ノッチフィルタ部301からの出力信号がほぼ0になるので、多段フィルタ係数更新量計算部401で計算された更新量がほぼ0になり、多段フィルタ係数更新部402でフィルタ係数が更新されずに収束する。これによって、フィルタ係数の収束状態が継続され、ハウリングが抑圧され続ける。
複数の周波数で帯域幅を有する周波数がハウリングし始めると(ある周波数だけでなく、その周波数の前後の周波数成分もハウリングする)、多段フィルタ処理部302における多段適応ノッチフィルタは、複数の周波数を抑圧するフィルタ係数に収束していないので、ハウリングした信号を抑圧できずに、DA変換器108にハウリングしたデジタル音信号が出力される。DA変換器108では、多段適応ノッチフィルタ部301から出力されたデジタル音信号がアナログ音信号に変換され、音信号出力端子109を介して出力されるので、周波数で帯域幅を有する周波数がハウリングし始めたときはハウリングしたアナログ音信号が出力される。
多段フィルタ係数制御部303は、入力レジスタ部105と出力レジスタ部106の保持信号を用いて、フィルタ係数更新アルゴリズムに基づき、多段フィルタ係数更新量計算部401でフィルタ係数の更新量を計算し、多段フィルタ係数更新部402に出力する。多段フィルタ係数更新部402は、(20)式に示す伝達関数の分母の定数項と分子の定数項と分子の最高次数の係数を1にしたまま、多段フィルタ係数更新量計算部401から出力されたフィルタ係数更新量と多段フィルタ係数レジスタ部404のフィルタ係数と固定のステップゲインとを使用して、(22)式及び(23)式のフィルタ係数を更新し、多段フィルタ係数補正部403に更新されたフィルタ係数を出力する。多段フィルタ係数補正部403は、更新されたフィルタ係数のうちの一つのフィルタ係数a(n+1)が0より大きく1より小さい値であるか否かを判定し、0より大きく1より小さい値のときは補正せずに、更新された他のフィルタ係数と共に、多段フィルタ係数レジスタ部404及び多段フィルタ係数計算部405に出力する。多段フィルタ係数補正部403は、フィルタ係数a(n+1)が0以下の値又は1以上の値のときは、0より大きく1より小さい値になるように補正し、更新された他のフィルタ係数と共に、多段フィルタ係数レジスタ部404及び多段フィルタ係数計算部405に出力する。更新開始からさほど時間が経過していないときには、多段適応ノッチフィルタ部301からの出力信号はまだまだ大きく、その結果、更新量も大きくなり、フィルタ係数はなかなか収束せずに更新が継続される。多段フィルタ係数計算部405は更新されたフィルタ係数からその他のフィルタ係数を求め、全てのフィルタ係数を多段フィルタ処理部302に出力する。複数の周波数で帯域幅を有する周波数がハウリングしているのときには、このような更新処理でも、出力信号がまだまだ大きく更新量も大きくなり、フィルタ係数の収束は遅くなってフィルタ係数の更新がかなりの時間継続される。
それでも、更新が進むと、多段フィルタ処理部302における適応ノッチフィルタのフィルタ係数は、複数の周波数を抑圧するように収束し、多段適応ノッチフィルタ部301からハウリングが抑圧された信号がDA変換器108に出力される。DA変換器108では、多段適応ノッチフィルタ部301から出力されたデジタル音信号がアナログ音信号に変換され、音信号出力端子109を介して、ハウリングが抑圧されたアナログ音信号を出力する。多段フィルタ係数制御部303において、多段適応ノッチフィルタ部301からの出力信号がほぼ0になるので、多段フィルタ係数更新量計算部401で計算された更新量がほぼ0になり、多段フィルタ係数更新部402でフィルタ係数が更新されずに収束する。これによって、フィルタ係数の収束状態が継続され、ハウリングが抑圧され続ける。
(D−3)第2の実施形態のハウリング抑圧装置の効果
第2の実施形態のハウリング抑圧装置によれば、複数の周波数がハウリングする環境、複数のハウリング周波数の一つ以上が変化する環境、複数のハウリング周波数の一つ以上が帯域幅を有する環境でも、ハウリングを抑圧することができる。
(E)他の実施形態
上記第1及び第2の実施形態のハウリング抑圧装置では、第1又は第2の実施形態の適応ノッチフィルタを、ハウリング抑圧装置に適用したものを示したが、第1又は第2の実施形態の適応ノッチフィルタの適用装置はハウリング抑圧装置に限定されるものではない。
10…多段適応ノッチフィルタ、11−1〜11−j…適応ノッチフィルタ、100、300…ハウリング抑圧装置、103…適応ノッチフィルタ部、104…フィルタ処理部、105…入力レジスタ部、106…出力レジスタ部、107…フィルタ係数制御部、201…フィルタ係数更新量計算部、202…フィルタ係数更新部、203…フィルタ係数補正部、204…フィルタ係数レジスタ部、205…フィルタ係数計算部、301…多段適応ノッチフィルタ部、302…多段フィルタ処理部、303…多段フィルタ係数制御部、401…多段フィルタ係数更新量計算部、402…多段フィルタ係数更新部、403…多段フィルタ係数補正部、404…多段フィルタ係数レジスタ部、405…多段フィルタ係数計算部。

Claims (6)

  1. 除去する周波数を適応的に変更可能な適応ノッチフィルタにおいて、
    下記の(A1)式で表される伝達関数H(z)を有する適応ノッチフィルタ単位を、j(jは1以上の自然数)段接続したと等価な伝達関数を有し、
    上記適応ノッチフィルタ単位が、2段以上の場合には、それらの単位が互いに除去する周波数が異なる
    ことを特徴とする適応ノッチフィルタ。
    Figure 0006079045
    (A1)式において、nは時刻、a(n)、b(n)はそれぞれフィルタ係数であって、(A2)式、(A3)式に従って更新される。フィルタ係数a(n)は、除去帯域幅に関するフィルタ係数である。(A2)式及び(A3)式において、μはステップゲイン、Δa2、Δb1はそれぞれフィルタ係数更新アルゴリズムに従って算出されるフィルタ係数更新量である。(A4)式において、fは除去する周波数を決定するパラメータであり、fsは、サンプリング周波数を決定するパラメータである。また、フィルタ係数a(n)は0より大きく1より小さい値である。
  2. コンピュータを、抑圧する周波数を適応的に変更可能な適応ノッチフィルタとして機能させる適応ノッチフィルタプログラムにおいて、
    上記コンピュータを、
    伝達関数を用いて、入力された信号の一部の周波数を除去するフィルタリング処理手段として機能させ、
    上記伝達関数は、
    下記の(B1)式で表される伝達関数H(z)を有する適応ノッチフィルタ単位を、j(jは1以上の自然数)段接続したと等価な伝達関数であって
    上記適応ノッチフィルタ単位が、2段以上の場合には、それらの単位が互いに除去する周波数異な
    ことを特徴とする適応ノッチフィルタプログラム。
    Figure 0006079045
    (B1)式において、nは時刻、a(n)、b(n)はそれぞれフィルタ係数であって、(B2)式、(B3)式に従って更新される。フィルタ係数a(n)は、除去帯域幅に関するフィルタ係数である。(B2)式及び(B3)式において、μはステップゲイン、Δa2、Δb1はそれぞれフィルタ係数更新アルゴリズムに従って算出されるフィルタ係数更新量である。(B4)式において、fは除去する周波数を決定するパラメータであり、fsは、サンプリング周波数を決定するパラメータである。また、フィルタ係数a(n)は0より大きく1より小さい値である。
  3. 適応ノッチフィルタとフィルタ係数制御部とを有する適応ノッチフィルタ部を利用してハウリングする周波数を抑圧するハウリング抑圧装置において、
    上記適応ノッチフィルタとして、請求項1に記載の適応ノッチフィルタを適用したことを特徴とするハウリング抑圧装置。
  4. 上記フィルタ係数制御部は、更新された除去帯域幅に関するフィルタ係数a(n)が0以下又は1以上の場合に0より大きく1より小さい値に補正して、上記適応ノッチフィルタの伝達関数H(z)に反映させることを特徴とする請求項3に記載のハウリング抑圧装置。
  5. 適応ノッチフィルタとフィルタ係数制御部とを有する適応ノッチフィルタ部を利用してハウリングする周波数を抑圧するハウリング抑圧装置に搭載されるコンピュータを、上記適応ノッチフィルタ部として機能させるハウリング抑圧プログラムであって、
    上記コンピュータを、上記適応ノッチフィルタ部における適応ノッチフィルタとして機能させるプログラムとして、請求項2に記載の適応ノッチフィルタプログラムを適用し
    上記コンピュータを、
    フィルタ係数更新アルゴリズムに基づき、フィルタ係数更新量であるΔ a2 、Δ b1 を計算するフィルタ係数更新量計算手段と、
    フィルタ係数更新量であるΔ a2 、Δ b1 を用いて、フィルタ係数a2(n)、b1(n)を更新するフィルタ係数更新手段と
    して機能させることを特徴とするハウリング抑圧プログラム。
  6. 上記コンピュータを、さらに、
    新された除去帯域幅に関するフィルタ係数a(n)が0以下又は1以上の場合に0より大きく1より小さい値に補正して、上記適応ノッチフィルタの伝達関数H(z)に反映させるフィルタ係数補正手段として機能させることを特徴とする請求項5に記載のハウリング抑圧プログラム。
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