JP6078877B2 - 植物病の防除剤及び植物病の防除方法 - Google Patents

植物病の防除剤及び植物病の防除方法 Download PDF

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Description

本発明は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を有効成分として含有する植物病の防除剤及びそのような植物病の防除剤を用いた植物病の防除方法に関する。
果菜類等の園芸作物あるいは水稲等の普通作物の栽培においては、各種の伝染性植物病の発生により、大きな被害を受ける。
これらの伝染性植物病の主な病原体は、糸状菌、細菌、ウイルス等であり、農作物の高品質安定生産のためには、これら病原体の防除が必要不可欠である。
農作物の病害防除は化学合成農薬に大きく依存している。しかし、一方では、農薬の連続使用により、薬剤抵抗性の発達による効果低下、予期せぬ生物相および環境への影響、さらには土壌、農作物への農薬残留、などが懸念されている。
また、化学合成農薬は一般的に作用性が特異的であることから、薬剤ごとに防除対象病害が異なることが多い。このため、生産者は目的とする病害によって薬剤を選択するとともに、薬剤抵抗性の発達を防ぐため、薬剤のローテーション散布を行うなど、高度な知識と技術が必要とされてきた。
化学合成農薬への過度の依存を改め、自然生態系との調和を図る上で、総合的病害虫管理技術(IPM)を推進することは、世界的にも強く望まれている。
このような背景から、化学合成農薬に代わる新たな防除技術として、環境への負荷が低いと想定される、自然界に存在する微生物を利用した生物防除技術、即ち、生物農薬(微生物農薬)を用いた防除技術が注目されている。さらに、近年、安全・安心な農作物に対する消費者からの強い要望があり、微生物農薬の実用化には大きな期待が寄せられている。
そのような技術として、例えば、バイオキーパー水和剤(有効成分:非病原性エルビニア・カロトボーラ
CGE234M403)、日産化学工業株式会社製、セントラル硝子株式会社製、「バイオキーパー」は、セントラル硝子株式会社の登録商標である。)、ボトキラー水和剤(有効成分:バチルス
ズブチリス、原体供給会社:出水興産株式会社、取扱会社:日本農薬株式会社、出光興産株式会社、「ボトキラー」は、出水興産株式会社の登録商標である。)、エコホープ(有効成分:トリコデルマ
アトロピリデSKT-1、クミアイ化学工業株式会社製、「エコホープ」は、クミアイ化学工業株式会社の登録商標である。)、タフブロック(有効成分:タラロマイセス フラバス
SAY-Y-94-01株の胞子、出光興産株式会社製、「タフブロック」は、出光興産株式会社の登録商標である。)、エコショット(有効成分:バチルス ズブチリスD747
株の生芽胞、クミアイ化学工業株式会社製、「エコショット」は、クミアイ化学工業株式会社の登録商標である。)等が、既に、提唱されている。
しかしながら、水稲、麦、果樹、野菜等の各種の糸状菌病及び細菌性病に対して、一剤あるいは一成分で、実用レベルで、有効な生物農薬(微生物農薬)は、本発明者の知る限り、これまで報告されていない。
特に、水稲の重要病害で種子伝染性のイネもみ枯細菌病(もみ枯症)に対しては、現在、化学合成農薬、生物農薬(微生物農薬)ともに、実用レベルで、有効な薬剤はなく、本病に対して有効で安全な且つ薬剤抵抗性リスクの低い、新たな農薬の開発が望まれていた。
イネもみ枯細菌病(もみ枯症)以外で、イネの籾に発生する細菌性病には、イネ内穎褐変病がある。
イネ内穎褐変病は、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)と同様に玄米および種子の品質低下を引き起こす。
本発明者は、イネ内穎褐変病に対しては、実用レベルで有効な微生物として、人畜無害と考えられる非病原性のCTB 1206菌株(FERM AP-21274)を有効成分として含有する、イネ内穎褐変病の防除剤及びイネ内穎褐変病の防除剤を用いたイネ内穎褐変病の防除方法を、既に、提案している。
しかしながら、本発明者の知る限り、非病原性のCTB 1206菌株(FERM AP-21274)の他の植物病に対する有効性については明らかにされていない。
特許第5093569号公報
本発明者は、イネ内穎褐変病に有効で、人畜無害と考えられる、非病原性のCTB 1206菌株(FERM
AP-21274)は、イネ内穎褐変病だけでなく、他の細菌性病(イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症))、更には、糸状菌病(イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、果菜類の灰色かび病、イチゴ炭疽病、イチゴうどんこ病、キュウリ褐斑病、キュウリうどんこ病、キュウリべと病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病、チャ輪斑病及びその他の空気伝染性の糸状菌病)といった広範囲の植物病の防除剤として利用できれば、安全性の観点からも望ましいと考えるに至った。
そこで、本発明者は、鋭意努力した結果、非病原性のCTB 1206菌株(FERM AP-21274)が、イネ内穎褐変病以外の他の細菌性病(イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症))、並びに、糸状菌病(イネいもち病、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、果菜類の灰色かび病、イチゴ炭疽病、イチゴうどんこ病、キュウリ褐斑病、キュウリうどんこ病、キュウリべと病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病、チャ輪斑病及びその他の空気伝染性の糸状菌病)に対して防除効果が高く、環境汚染の無い、細菌及び糸状菌が病原体である各種植物病の防除剤として好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の態様に係る植物病の防除剤は、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、果菜類の灰色かび病、イチゴ炭疽病、イチゴうどんこ病、キュウリ褐斑病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病及びチャ輪斑病からなる群より選択される植物病の防除剤であって、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を有効成分として含有する。
エルビニア・アナナス(Erwinia ananas)CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(現 独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(NITE−IPOD)に、平成19年3月12日に寄託したものである。
また、本明細書で用いる用語、「イネいもち病」は、イネいもち病(葉いもち)と、イネいもち病(穂いもち)とを意味する。
尚、この植物病の防除剤は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)(=パントエア・アナナティス(Pantoea
ananatis))CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を有効成分として含有するとともに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas)(=パントエア・アナナティス(Pantoea ananatis))CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の増殖のための栄養源を含有していても良い。
また、本発明により防除される植物病(糸状菌病)としては、病原体が糸状菌である任意の植物病を挙げることができ、そのような植物病(糸状菌病)としては、例えば、空気伝染性の糸状菌(胞子をつくる糸状菌)による病害を挙げることができる。空気伝染性糸状菌には、水媒伝染性のものも含まれる。空気伝染性の糸状菌としては、特に、以下のものには、限定されないが、例えば、うどんこ病菌(Erysiphe属菌、 Sphaerotheca属菌、Leveillula属菌)、ボトリチス(Botrytis)属菌、フルビア
(Fulvia fulva)属菌、コリネスポラ(Corynespora)属菌、アルブゴ(Albugo)属菌、べと病菌(プシウドペロノスポラ (Pseudoperonospora)属菌、Peronospora属菌、Plasmopara属菌、Bremia属菌)、ピリキュラリア(Pyricularia)属菌、いもち病菌(Pyricularia
grisea)、ごま葉枯病菌(Cochliobolus miyabeanus)、サーコスポラ類縁菌(Cercospora属菌、 Cercosporella属菌、
Pseudocercospora属菌、 Paracercospora属菌 、Mycovellosiella属菌)、炭疽病菌(コレトトリカム(Colletotrichum)属菌、Glomerella属菌)、さび病菌
(Puccinia属菌)、アルタナリア(Alternaria)属菌及びスクレロチニア(Sclerotinia)属菌等をその具体例として挙げることができる。
本発明の第2の態様に係る植物病の防除方法は、第1の態様に係る植物病の防除剤を含む水溶液を、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、果菜類の灰色かび病、イチゴ炭疽病、イチゴうどんこ病、キュウリ褐斑病、キュウリうどんこ病、キュウリべと病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病及びチャ輪斑病からなる群より選択される植物病に感染する植物に使用する。
第1の態様に係る植物病の防除剤は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)CTB1206菌株(FERM AP-21274)を含有しているので、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、果菜類の灰色かび病、イチゴ炭疽病、キュウリ褐斑病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病及びチャ輪斑病からなる群より選択される植物病に対して、非病原性であり、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、イチゴ炭疽病、イチゴうどんこ病、キュウリ褐斑病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病及びチャ輪斑病に対して防除効果が高く、環境汚染が無い。
第2の態様に係る植物病の防除方法は、第1の態様に係る植物病の防除剤を含む水溶液を、イネ、オオムギ、イチゴ、キュウリ、スイカ、トマト、ナス、ナシ及びチャに使用することで、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、果菜類の灰色かび病、イチゴ炭疽病、イチゴうどんこ病、キュウリ褐斑病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病及びチャ輪斑病からなる群より選択される植物病に対して、高い防除効果を発揮する。
本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の各種植物病原糸状菌に対する胞子発芽抑制効果を示す図である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の各種植物病原糸状菌に対する胞子発芽抑制効果を示す写真である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネいもち病(葉いもち)に対する防除効果を示す図である。 図4(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(葉いもち)に対する防除試験結果を示す、品種:ひとめぼれの苗(葉茎)を撮影した写真であり、また、図4(b)は、無処理の群の品種:ひとめぼれの苗(葉茎)を撮影した写真である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネいもち病(穂いもち)に対する防除効果を示す図である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネいもち病(穂いもち)に対する防除効果を示す図である。 図7(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(穂いもち)に対する防除試験結果を示す、品種:ひとめぼれの穂を撮影した写真であり、図7(b)は、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)のイネいもち病菌(穂いもち)に対する防除試験結果を示す、品種:ひとめぼれの穂を撮影した写真であり、また、図7(c)は、無処理の場合の、イネいもち病菌(穂いもち)が発生した品種:ひとめぼれの穂を撮影した写真である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネいもち病(穂いもち)に対する防除効果を示す図である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)に対する防除効果を示す図である。 図10(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)に対する防除試験結果を示す、品種:ヤマホウシ(自然感染種子)の苗を撮影した写真であり、図10(b)は、無処理の場合の品種:ヤマホウシ(自然感染種子)の苗にイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)が発生した状態を撮影した写真である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネもみ枯細菌病(もみ枯症)に対する防除効果を示す図である。 図12(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の病原細菌(イネもみ枯細菌(もみ枯症))に対する防除試験結果を示す、品種:コシヒカリの穂を撮影した写真であり、図12(b)は、無処理の場合の、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)が発生した品種:コシヒカリの穂を撮影した写真である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の果菜類の灰色かび病に対する防除効果を示す図である。 図14(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の処理を行った、キュウリ子葉(品種:フリーダム)を撮影した写真であり、また、図14(b)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の処理を行なっていない、無処理の場合の、キュウリ子葉(品種:フリーダム)を撮影した写真である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の糖の利用能を示す図である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイチゴうどんこ病に対する防除効果を示す図である。 図17(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、エルビニア・アナナス(Erwinia ananas)CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤のイチゴうどんこ病に対する防除試験結果を示す、品種:章姫の葉を撮影した写真であり、図17(b)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイチゴうどんこ病に対する防除試験結果を示す、品種:章姫の葉を撮影した写真であり、また、図17(c)は、無処理(滅菌蒸留水)の群の品種:章姫の葉を撮影した写真である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のトマト葉かび病に対する防除効果を示す図である。 図19(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、エルビニア・アナナス(Erwinia ananas)CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤のトマト葉かび病に対する防除試験結果を示す、品種:ミニキャロルの葉を撮影した写真であり、図19(b)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のトマト葉かび病に対する防除試験結果を示す、品種:ミニキャロルの葉を撮影した写真であり、また、図19(c)は、無処理(滅菌蒸留水)の群の品種:ミニキャロルの葉を撮影した写真である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のキュウリ褐斑病に対する防除効果を示す図である。 図21(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤のキュウリ褐斑病に対する防除試験結果を示す、品種:北進の葉を撮影した写真であり、図21(b)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のキュウリ褐斑病に対する防除試験結果を示す、品種:北進の葉を撮影した写真であり、また、図21(c)は、無処理(滅菌蒸留水)の群の品種:北進の葉を撮影した写真である。 本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、エルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERMAP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤のキュウリうどんこ病及びキュウリべと病に対する防除効果を示す図である。 図23(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤のキュウリうどんこ病及びキュウリべと病に対する防除試験結果を示す、品種:北進の葉を撮影した写真であり、また、図23(b)は、無処理(滅菌蒸留水)の群の品種:北進の葉を撮影した写真である。
以下、実施例に基づいて、本発明を更に詳しく説明する。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤中に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の各種植物病原糸状菌に対する胞子発芽抑制効果について、例示的に、説明する。
図1は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の各種植物病原糸状菌に対する胞子発芽抑制効果を示す図である。
まず、ショ糖加用ジャガイモ煎汁(PS)液体培地(以下、単に、「PS液体培地」という。)に、図1に示す、各病原菌胞子(イネいもち病菌(学名 Magnaporthe grisea=Pyricularia oryzae)(以下、単に、「イネいもち病菌」という。)、オオムギ赤かび病菌(学名 Fusarium
graminearum)(以下、単に、「オオムギ赤かび病菌」という。)、オオムギ網斑病菌(学名 Pyrenophora teres)(以下、単に、「オオムギ網斑病菌」という。)、イチゴ炭疽病菌(学名 Glomerella
cingulata=Colletotrichum gloeosporioides)(以下、単に、「イチゴ炭疽病菌」という。)、キュウリ褐斑病菌(学名 Corynespora
melonis)(以下、単に、「キュウリ褐斑病菌」という。)、スイカつる枯病菌(学名 Didymella bryoniae)(以下、単に、「スイカつる枯病菌」という。)、トマト葉かび病菌(学名 Fulvia
fulva)(以下、単に、「トマト葉かび病菌」という。)、ナスすすかび病菌(学名 Mycovellosiella nattrassii)(以下、単に、「ナスすすかび病菌」という。)、ナシ黒斑病菌(学名 Alternaria
alternata)(以下、単に、「ナシ黒斑病菌」という。)及びチャ輪斑病菌(学名 Pestalotiopsis sp.)(以下、単に、「チャ輪斑病菌」という。))の各々を、最終濃度が、約10cfu/ml、エルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/ml、10cfu/ml及び10cfu/mlの3水準の濃度になるように懸濁したものを用意した。
次に、これらの各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々を、最終濃度が、約10cfu/ml、及び、エルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/ml、10cfu/ml及び10cfu/mlの3水準の濃度になるように懸濁したPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後に、胞子発芽率(各胞子100個を調査)を調査した。
また、比較のため、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々を、最終濃度が、約10cfu/mlになるように調整したPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後に、胞子発芽率(各胞子100個を調査)を調査した。
また、エルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/ml、10cfu/ml及び10cfu/mlの3水準の濃度にしたPS液体培地を、25℃、暗下、12時間静置培養後、これらのPS液体培地に、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々を、最終濃度が、約10cfu/ml濃度になる添加し、25℃、暗下、24時間静置培養後に、胞子発芽率(各胞子100個を調査)を調査した。
各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々の胞子の形成方法は、「作物病原菌研究技法の基礎−分離・培養・接種−」(大畑貫一、荒木隆男、木曽皓、工藤晟、高橋廣治編、平成7年12月12日、初版第1刷発行、発行:社団法人日本植物防疫協会)に従って行った。一方、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、バレイショ・ショ糖・寒天(potato
sucrose agar, PSA)斜面培地(脇本処方)(以下、単に、「PSA斜面培地」という。)で、28℃で、24時間培養したものを用いた。
また、比較のため、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々を、最終濃度が、約10cfu/mlになるように調整したPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後に、胞子発芽率(各胞子100個を調査)を調査した。
結果を、図1中に示す。
イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌及びチャ輪斑病菌の各々を、最終濃度が、約10cfu/ml、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/ml、10cfu/ml及び10cfu/mlの3水準の濃度になるように懸濁したPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後に、胞子発芽率(各胞子100個を調査)を調査したところ、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌及びチャ輪斑病菌の各々の胞子の発芽率(%)を、ほぼ、0%に抑制できることが、明らかになった。
また、イネいもち病菌に対しては、イネいもち病菌を、最終濃度が、約10cfu/ml、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/ml及び10cfu/mlの濃度になるように懸濁したPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後に、胞子発芽率(各胞子100個を調査)を調査したところ、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、イネいもち病菌の胞子の発芽率(%)を、ほぼ、0%に抑制できることが、明らかになった。
また、オオオムギ赤かび病菌に対しては、オオオムギ赤かび病菌を、最終濃度が、約10cfu/ml、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/mlの濃度になるように懸濁したPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後に、胞子発芽率(各胞子100個を調査)を調査したところ、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、オオオムギ赤かび病菌の胞子の発芽率(%)を、ほぼ、8%に抑制できることが、明らかになった。
また、ナシ黒斑病菌に対しては、ナシ黒斑病菌を、最終濃度が、約10cfu/ml、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/mlの濃度になるように懸濁したPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後に、胞子発芽率(各胞子100個を調査)を調査したところ、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、ナシ黒斑病菌の胞子の発芽率(%)を、ほぼ、4%に抑制できることが、明らかになった。
また、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/ml、10cfu/ml及び10cfu/mlの3水準の濃度にしたPS液体培地を、25℃、暗下、12時間静置培養後、これらのPS液体培地に、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々を、最終濃度が、約10cfu/ml濃度になるようにしたPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後に、胞子発芽率(各胞子100個を調査)を調査したところ、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々の胞子の発芽率(%)を、0%に抑制できることが、明らかになった。
また、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/ml、10cfu/ml及び10cfu/mlの3水準の濃度にしたPS液体培地を、25℃、暗下、12時間静置培養後、これらのPS液体培地に、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々を、最終濃度が、約10cfu/ml濃度になるようにしたPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後に、胞子発芽率(各胞子100個を調査)を調査したところ、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々の胞子の発芽率(%)を、0%に抑制できることが、明らかになった。
即ち、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/ml、10cfu/ml及び10cfu/mlの3水準の濃度にしたPS液体培地を、25℃、暗下、12時間静置培養後、これらのPS液体培地に、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々を、最終濃度が、約10cfu/ml濃度になるようにしたPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後に、胞子発芽率(各胞子100個を調査)を調査したところ、エルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々の胞子の発芽率(%)を、0%に制できることが、明らかになった。
また、図2は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の各種植物病原糸状菌に対する胞子発芽抑制効果を示す写真である。
図2では、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々を、最終濃度が、約10cfu/mlになるように調整したPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後の、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の胞子の発芽状態の写真が、「無処理」の列に掲載され、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々を、最終濃度が、約10cfu/ml、及び、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/mlの濃度になるように懸濁したPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後の、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の胞子の発芽状態の写真が、「Erwinia
ananas CTB1206株処理」の列に掲載されている。
図1及び図2から、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、単に、各種植物病原糸状菌と、栄養源や生育場所を競合することにより、各種植物病原糸状菌に対し、拮抗的に働くだけでなく、何らかの物質又は作用により、各種植物病原糸状菌の胞子の発芽の抑制をしていることが、明らかになった。
また、図1及び図2から、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、各種植物病原糸状菌の胞子の発芽を、ほぼ、0%に抑制できることが、明らかになった。
より具体的に説明すると、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々を、最終濃度が、約10cfu/ml、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を、最終濃度が、10cfu/mlの濃度になるように懸濁したPS液体培地を、25℃、暗下、24時間静置培養後において、各病原菌胞子(イネいもち病菌、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、キュウリ褐斑病菌、スイカつる枯病菌、トマト葉かび病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌)の各々の胞子の発芽を、ほぼ、0%に抑制できることが、明らかになった。
即ち、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、単に、各種植物病原糸状菌と、栄養源や生育場所を競合することにより、各種植物病原糸状菌に対し、拮抗的に働くだけでなく、何らかの物質又は作用により、各種植物病原糸状菌の胞子の発芽の抑制をすることで、各種植物病原糸状菌により引き起こされる各種植物病に対し、優れた防除効果を発揮することが、明らかになった。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネいもち病(葉いもち)に対する防除効果について、及び、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を用いたイネいもち病(葉いもち)の防除方法の好ましい例を例示的に説明する。
次に、イネいもち病(葉いもち)の防除効果試験の方法について説明する。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製
まず、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水を加えた後、PSA傾斜培地を用いて、28℃、24時間〜48時間培養した。
この例では、栄養培地として、PSA培地、より具体的に説明すると、ジャガイモ200gの煎汁、Ca(Co・4HO 0.5g、NaHPO・12HO 2.0g、ペプトン 5.0g、サッカロース
20g、寒天 20g及び蒸留水 1000ml、pH6.8のPSA傾斜培地に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を植菌し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を増殖させた。
以上により、増殖させた、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に水を加え、イネいもち病(葉いもち)の防除剤とした。
このとき、イネいもち病(葉いもち)の防除剤の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度は、特に、以下の場合に限定されることは無いが、例えば、1.0×10cfu/ml以上1.0×10cfu個/ml以下の範囲にすることが好ましい。
以上のようにして調製した、イネいもち病(葉いもち)の防除剤を、イネに散布(噴霧)する。
実施例2では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株の菌濃度を、最終濃度を、5.0×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を用意した。
2.接種源の調製
オートミール培地で形成させた病原菌(イネいもち病菌)を水に懸濁させ、病原菌(イネいもち病菌)の胞子濃度を、顕微鏡の150倍視野当たり、10個程度に調整した。
3.イネいもち病(葉いもち)の防除試験
験地:鳥取県農林総合研究所農業試験場(鳥取県鳥取市橋本)の実験室内の植物育成棚)において、品種:ひとめぼれを播種した(播種日:2010年9月14日、フルーツケース、試験規模:1区画187.0cm2(16.4cm×11.4cm)、2連制)。
以後、慣例に従って、品種:ひとめぼれを育成した。
2010年10月1日に、育成した、品種:ひとめぼれの苗を、以下に示す、3つの群に分けた。
1.品種:ひとめぼれの苗に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤120リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
2.品種:ひとめぼれの苗に、化学合成農薬である、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)の1000
倍液を、120リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
3.比較のために、品種:ひとめぼれの苗に、減菌蒸留水を、120リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群(無処理(減菌蒸留水))を作製した。
次に、品種:ひとめぼれの苗に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を散布(噴霧)した群に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を散布(噴霧)後、3時間後に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(イネいもち病菌)の胞子を接種した。
また、品種:ひとめぼれの苗に、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)を散布(噴霧)した群に、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)を散布(噴霧)後、3時間後に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(イネいもち病菌)の胞子を接種した。
また、品種:ひとめぼれの苗に、減菌蒸留水を散布(噴霧)した群に、減菌蒸留水を散布(噴霧)後、3時間後に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(イネいもち病菌)の胞子を接種した。
次に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(葉いもち)に対する防除試験の効果を調査した。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(葉いもち)に対する防除試験の効果は、2010年10月7日に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を散布(噴霧)後、病原菌(イネいもち病菌)を接種した群(品種:ひとめぼれの苗)50本当たりの病斑数を調査することにより行った。
また、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(葉いもち)に対する防除試験の効果を、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)のイネいもち病(葉いもち)に対する防除試験の効果と比較するため、2010年10月7日に、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)を散布(噴霧)後、病原菌(イネいもち病菌)を接種した群(品種:ひとめぼれの苗)50本当たりの病斑数の調査を行った。
また、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(葉いもち)に対する防除試験の効果を確認するため、2010年10月7日に、減菌蒸留水を散布(噴霧)後、病原菌(イネいもち病菌)を接種した群(無処理(減菌蒸留水))(品種:ひとめぼれの苗)50本当たりの病斑数の調査を行った。
防除価は、次式で計算した。
防除価=100−{(各処理区病斑数/無処理区病斑数)×100}
結果を、図3に示す。
また、図4(a)は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(葉いもち)に対する防除試験結果を示す、品種:ひとめぼれの苗(葉茎)を撮影した写真であり、また、図4(b)は、無処理の群の品種:ひとめぼれの苗(葉茎)を撮影した写真である。
尚、2010年10月7日(調査日)における、無処理の群のイネいもち病(葉いもち)の発病程度は、中発生であった。
図3の結果及び図4から、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、イネいもち病(葉いもち)に対し、化学合成農薬である、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)に比べ、防除価がやや劣るが、品種:ひとめぼれを、有機栽培等で育成する場合に、十分、実用的な、高い防除効果を示すことが明らかになった。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネいもち病(穂いもち)に対する防除効果について、及び、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を用いたイネいもち病(穂いもち)の防除方法の好ましい例を例示的に説明する。
まず、イネいもち病(穂いもち)の防除効果試験の方法について説明する。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製
まず、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水を加えた後、PSA傾斜培地を用いて、28℃、24時間〜48時間培養した。
この例では、栄養培地として、PSA培地、より具体的に説明すると、ジャガイモ200gの煎汁、Ca(Co・4HO 0.5g、NaHPO・12HO 2.0g、ペプトン 5.0g、サッカロース
20g、寒天 20g及び蒸留水 1000ml、pH6.8のPSA傾斜培地に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を植菌し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を増殖させた。
以上により、増殖させた、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に水を加え、イネいもち病(穂いもち)の防除剤とした。
このとき、イネいもち病(穂いもち)の防除剤の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度は、特に、以下の場合に限定されることは無いが、例えば、1.0×10cfu/ml以上1.0×10cfu個/ml以下の範囲にすることが好ましい。
以上のようにして調製した、イネいもち病(穂いもち)の防除剤を、イネ(出穂期のイネの穂)に散布(噴霧)する。
実施例3では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株の菌濃度を、最終濃度が、1.0×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を用意した。
2.イネいもち病(穂いもち)の防除試験
試験地:鳥取県東伯郡琴浦町中津原(農家圃場)に、品種:コシヒカリを移植した(移植日:2007年5月15日(稚苗機械移植)、試験規模:1区画3.6m(1.2m×3.0m)、2連制)。
以後、慣例に従って、品種:コシヒカリを育成した。
2007年8月10日(品種:コシヒカリの出穂期)に、育成した、品種:コシヒカリの穂を、以下に示す、4つの群に分けた。
1.品種:コシヒカリの穂に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:1×10cfu/mlに調整したものを、120リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
2.品種:コシヒカリの穂に、市販微生物農薬である、バチルス ズブチリス水和剤(商品名:「ボトキラー水和剤」、出光興産株式会社製、「ボトキラー」は、出光興産株式会社の登録商標である。)の1000
倍液を、120リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
3.品種:コシヒカリの穂に、化学合成農薬である、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)の1000
倍液を、120リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
4.また、比較のため、品種:コシヒカリの穂に、何も処理をしない、無処理の群を作製した。
次に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(穂いもち)に対する防除試験の効果を調査した。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(穂いもち)に対する防除試験の効果は、2007年9月3日に、上記した4つの群の各々について、発病調査を行って評価した。
被害度の算出方法は、[イネ・ムギ等殺菌剤圃場試験法](平成16年3月 社団法人日本植物防疫協会編、p.50-p.53、ホームページアドレス:http://www.jppn.ne.jp/jpp/
data/inekin.pdf)に従った。
即ち、発病調査は、下記の基準に従って、上記した4つの群の各々の、育成した品種:コシヒカリの30株の全穂について発病程度別の穂数を調査し、次式により、被害度及び防除価を算出した。
<調査基準>
A:穂首に発病が認められる(発病穂首率(%))。
B:枝梗の1/3以上に発病が認められる(1/3以上枝梗発病率(%))。
C:枝梗の1/3以下に発病が認められる(1/3以下枝梗発病穂率(%))。
D:発病が認めらない。
被害度は、次式で計算した。
被害度=発病穂首率(%)+1/3以上枝梗発病穂率(%)+1/3以下枝梗発病穂率(%)
防除価は、次式で計算した。
防除価=100−{(各処理区被害度/無処理区被害度)×100}
結果を、図5に示す。
図5の結果から、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、イネいもち病(穂いもち)に対し、化学合成農薬である、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)に比べ、防除価がやや劣るが、品種:コシヒカリを、有機栽培等で育成する場合に、十分、実用的な、高い防除効果を示すことが明らかになった。
また、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、イネいもち病(穂いもち)に対して、唯一、農薬登録のある、市販微生物農薬である、バチルス ズブチリス水和剤(商品名:「ボトキラー水和剤」、出光興産株式会社製、「ボトキラー」は、出光興産株式会社の登録商標である。)に比較して、バチルス
ズブチリス水和剤(商品名:「ボトキラー水和剤」、出光興産株式会社製、「ボトキラー」は、出光興産株式会社の登録商標である。)に優る防除効果を示すことが明らかになった。
尚、2010年8月1日において、無処理の群のイネいもち病(穂いもち)及びイネいもち病(葉いもち)の発病程度を調査したところ、無処理の群には、イネいもち病(葉いもち)が多発生(均一発生)していたが、2010年9月3日において、無処理の群には、イネいもち病(穂いもち)は少発生(均一発生)していた。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネいもち病(穂いもち)に対する防除効果について、及び、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を用いたイネいもち病(穂いもち)の防除方法の好ましい例を例示的に説明する。
まず、イネいもち病(穂いもち)の防除効果試験の方法について説明する。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製
まず、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水を加えた後、PSA傾斜培地を用いて、28℃、24時間〜48時間培養した。
この例では、栄養培地として、PSA(potato sucrose agar)培地、より具体的に説明すると、ジャガイモ200gの煎汁、Ca(Co・4HO 0.5g、NaHPO・12HO 2.0g、ペプトン 5.0g、サッカロース
20g、寒天 20g及び蒸留水 1000ml、pH6.8のPSA(potato sucrose agar)傾斜培地に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を植菌し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を増殖させた。
以上により、増殖させた、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に水を加え、イネいもち病(穂いもち)の防除剤とした。
このとき、イネいもち病(穂いもち)の防除剤の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度は、特に、以下の場合に限定されることは無いが、例えば、1.0×10cfu/ml以上1.0×10cfu個/ml以下の範囲にすることが好ましい。
以上のようにして調製した、イネいもち病(穂いもち)の防除剤を、イネ(出穂期のイネの穂)に散布(噴霧)する。
実施例4では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株の菌濃度を、最終濃度を、1.0×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を用意した。
2.イネいもち病(穂いもち)の防除試験
試験地:鳥取県八頭郡八頭町篠波(農家圃場)に、品種:ひとめぼれを移植した(移植日:2009年5月28日(稚苗機械移植)、試験規模:1区画14.4m(2.4m×6.0m)、2連制)。
以後、慣例に従って、品種:ひとめぼれを育成した。
2009年7月25日に、育成した、品種:ひとめぼれの発病程度を調査したところ、育成した、品種:ひとめぼれには、イネいもち病(葉いもち)が中発生(均一発生)しており、2009年9月8日には、無処理の群には、イネいもち病(穂いもち)は多発生(均一発生)していた。
2009年8月10日(品種:ひとめぼれの出穂期)に、育成した、品種:コシヒカリの穂を、以下に示す、5つの群に分けた。
1.品種:ひとめぼれの穂に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:1×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤150リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
2.品種:ひとめぼれの穂に、市販微生物農薬である、バチルス ズブチリス水和剤(商品名:「ボトキラー水和剤」、出光興産株式会社製、「ボトキラー」は、出光興産株式会社の登録商標である。)の1000
倍液を、150リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
3.品種:ひとめぼれの穂に、市販微生物農薬である、タラロマイセス フラバス水和剤(商品名:「タフパール」、出光興産株式会社製、「タフパール」は、出光興産株式会社の登録商標である。)の1000
倍液を、150リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
4.品種:ひとめぼれの穂に、化学合成農薬である、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)の1000
倍液を、150リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
5.また、比較のため、品種:ひとめぼれの穂に、何も処理をしない、無処理の群を作製した。
次に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する、植物病の防除剤のイネいもち病菌(穂いもち)に対する防除試験の効果を調査した。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(穂いもち)に対する防除試験の効果は、2009年9月8日に、上記した4つの群の各々について、発病調査を行って評価した。
被害度の算出方法は、[イネ・ムギ等殺菌剤圃場試験法](平成16年3月 社団法人日本植物防疫協会編、p.50-p.53、ホームページアドレス:http://www.jppn.ne.jp/jpp/da
ta/inekin.pdf)に従った。
即ち、発病調査は、下記の基準に従って、上記した4つの群の各々の、育成した品種:コシヒカリの30株の全穂について発病程度別の穂数を調査し、次式により、被害度及び防除価を算出した。
<調査基準>
A:穂首に発病が認められる(発病穂首率(%))。
B:枝梗の1/3以上に発病が認められる(1/3以上枝梗発病率(%))。
C:枝梗の1/3以下に発病が認められる(1/3以下枝梗発病穂率(%))。
D:発病が認めらない。
被害度は、次式で計算した。
被害度=発病穂首率(%)+1/3以上枝梗発病穂率(%)+1/3以下枝梗発病穂率(%)
防除価は、次式で計算した。
防除価=100−{(各処理区被害度/無処理区被害度)×100}
結果を、図6に示す。
また、図7(a)は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病菌(穂いもち)に対する防除試験結果を示す、品種:ひとめぼれの穂を撮影した写真であり、図7(b)は、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)のイネいもち病(穂いもち)に対する防除試験結果を示す、品種:ひとめぼれの穂を撮影した写真であり、また、図7(c)は、無処理の場合の、イネいもち病(穂いもち)が発生した品種:ひとめぼれの穂を撮影した写真である。
図6の結果から、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、イネいもち病(穂いもち)に対し、化学合成農薬である、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)に比べ、防除価がやや劣るが、品種:ひとめぼれを、有機栽培等で育成する場合に、十分、実用的な、高い防除効果を示すことが明らかになった。
また、今回の試験では、イネいもち病(穂いもち)に対して、唯一、農薬登録のある、市販微生物農薬である、バチルス ズブチリス水和剤(商品名:「ボトキラー水和剤」、出光興産株式会社製、「ボトキラー」は、出光興産株式会社の登録商標である。)が、全く効果がなかったのに対し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、イネいもち病(穂いもち)に対し、バチルス
ズブチリス水和剤(商品名:「ボトキラー水和剤」、出光興産株式会社製、「ボトキラー」は、出光興産株式会社の登録商標である。)より、優れた防除効果を示すことが明らかになった。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネいもち病(穂いもち)に対する防除効果について、及び、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を用いたイネいもち病(穂いもち)の防除方法の好ましい例を例示的に説明する。
まず、イネいもち病(穂いもち)の防除効果試験の方法について説明する。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製
まず、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水を加えた後、PSA傾斜培地を用いて、28℃、24時間〜48時間培養した。
この例では、栄養培地として、PSA(potato sucrose agar)培地、より具体的に説明すると、ジャガイモ200gの煎汁、Ca(Co・4HO 0.5g、NaHPO・12HO 2.0g、ペプトン 5.0g、サッカロース
20g、寒天 20g及び蒸留水 1000ml、pH6.8のPSA(potato sucrose agar)傾斜培地に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を植菌し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を増殖させた。
以上により、増殖させた、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に水を加え、イネいもち病(葉いもち)の防除剤とした。
このとき、イネいもち病(葉いもち)の防除剤の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度は、特に、以下の場合に限定されることは無いが、例えば、1.0×10cfu/ml以上1.0×10cfu個/ml以下の範囲にすることが好ましい。
以上のようにして調製した、イネいもち病(葉いもち)の防除剤を、イネに散布(噴霧)する。
実施例5では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株の菌濃度を、最終濃度を、5.0×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を用意した。
2.接種源の調製
オートミール培地で形成させた病原菌(イネいもち病菌)を水に懸濁させ、病原菌(イネいもち病菌)の胞子濃度を、顕微鏡の150倍視野当たり、10個程度に調整した。
3.イネいもち病(穂いもち)の防除試験
試験地:鳥取県農林総合研究所農業試験場(鳥取県鳥取市橋本)の場内の圃場に、品種:日本晴を移植した(移植日:2011年5月25日(稚苗手植)、試験規模:1区画0.5m(70cm×70cm)、4連制)。
以後、慣例に従って、品種:日本晴を育成した。
2011年7月1日に、育成した、品種:日本晴の穂に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(イネいもち病菌)を散布(噴霧)接種した。
2011年8月18日(品種:日本晴の出穂期)に、育成した、品種:日本晴の穂を、以下に示す、3つの群に分けた。
1.品種:日本晴の穂に、2011年8月18日、2011年8月20日及び2011年8月24日の各々の日に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものを、120リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
2.品種:日本晴の穂に、2011年8月18日及び2011年8月24日の各々の日に、化学合成農薬である、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)の1000
倍液を、120リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
3.また、比較のため、品種:日本晴の穂に、何も処理をしない、無処理の群を作製した。
次に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(穂いもち)に対する防除試験の効果を調査した。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネいもち病(穂いもち)に対する防除試験の効果は、2007年9月3日に、上記した4つの群の各々について、発病調査を行って評価した。
被害度の算出方法は、[イネ・ムギ等殺菌剤圃場試験法](平成16年3月 社団法人日本植物防疫協会編、p.50-p.53、ホームページアドレス:http://www.jppn.ne.jp/jpp/da
ta/inekin.pdf)に従った。
即ち、発病調査は、下記の基準に従って、上記した4つの群の各々の、育成した品種:日本晴の30株の全穂について発病程度別の穂数を調査し、次式により、被害度及び防除価を算出した。
<調査基準>
A:穂首に発病が認められる(発病穂首率(%))。
B:枝梗の1/3以上に発病が認められる(1/3以上枝梗発病率(%))。
C:枝梗の1/3以下に発病が認められる(1/3以下枝梗発病穂率(%))。
D:発病が認めらない。
被害度は、次式で計算した。
被害度=発病穂首率(%)+1/3以上枝梗発病穂率(%)+1/3以下枝梗発病穂率(%)
防除価は、次式で計算した。
防除価=100−{(各処理区発病度/無処理区発病度)×100}
結果を、図8に示す。
尚、この試験は、コンクリート枠試験であったが、2011年9月12日において、無処理の群のイネいもち病(穂いもち)の発病程度を調査したところ、無処理の群には、イネいもち病(穂いもち)が多発生(4反復の試験)していた。
図8の結果から、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、イネいもち病(穂いもち)に対し、化学合成農薬である、トリシクラゾール・フェリムゾン水和剤(商品名:「ノンブラスフロアブル」、協友アグリ株式会社製、商品名:「ノンブラスフロアブル」中、「ノンブラス」は、協友アグリ株式会社の登録商標である。)に比べ、防除価がやや劣るが、品種:日本晴を、有機栽培等で育成する場合に、十分、実用的な、高い防除効果を示すことが明らかになった。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)に対する防除効果について、及び、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を用いたイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)の防除方法の好ましい例を例示的に説明する。
まず、イネもみ枯細菌病(苗腐敗症)の防除効果試験の方法について説明する。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製
まず、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水を加えた後、PSA傾斜培地を用いて、28℃、24時間〜48時間培養した。
この例では、栄養培地として、PSA(potato sucrose agar)培地、より具体的に説明すると、ジャガイモ200gの煎汁、Ca(Co・4HO 0.5g、NaHPO・12HO 2.0g、ペプトン 5.0g、サッカロース
20g、寒天 20g及び蒸留水 1000ml、pH6.8のPSA(potato sucrose agar)傾斜培地に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を植菌し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を増殖させた。
以上により、増殖させた、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に水を加え、イネもみ枯細菌病(苗腐敗症)の防除剤とした。
このとき、イネもみ枯細菌病(苗腐敗症)の防除剤の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度は、特に、以下の場合に限定されることは無いが、例えば、1.0×10cfu/ml以上1.0×10cfu個/ml以下の範囲にすることが好ましい。
以上のようにして調製した、イネもみ枯細菌病(苗腐敗症)の防除剤を、イネに用いる。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)に水を加え、イネもみ枯細菌病(苗腐敗症)の防除剤として用いる場合には、特に、以下の場合に限定されることはないが、例えば、イネの種子を、播種前に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含む溶液(水溶液)中に、浸漬するようにして用いる。
実施例6では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株の菌濃度を、最終濃度を、1.0×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を用意した。
2.イネもみ枯細菌病(苗腐敗症)に自然感染した品種:ヤマホウシの種子(以下、単に、品種:ヤマホウシ(自然感染種子)という。)の準備
品種:ヤマホウシ(自然感染種子)という。)を用意した。
3.イネもみ枯細菌病(苗腐敗症)の防除試験
次に、以下に示す、5つの群を作製した。
1.品種:ヤマホウシ(イネもみ枯細菌病菌(学名 Burkholderia glumae)に自然感染した種子)(以下、単に、「ヤマホウシ(自然感染種子)」という。)を、播種前に、上記実施例1の「1.非病原性の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)の処理濃度:1×10cfu/mlの溶液中に、24時間、浸漬した群を作製した(薬剤処理日:2006年7月7日)。
2.品種:ヤマホウシ(自然感染種子)を、浸種前に、60℃の温湯中で、10分間、浸漬し、品種:ヤマホウシ(自然感染種子)を温湯種子消毒した群を作製した(薬剤(温湯種子消毒)処理日:2006年6月29日)。
3.品種:ヤマホウシ(自然感染種子)を、浸種前に、市販微生物農薬(水稲種子消毒用生物農薬)である、トリコデルマ アトロビリデ水和剤(商品名:「エコホープDJ」、クミアイ化学工業株式会社、商品名:「エコホープDJ」中、「エコホープ」は、クミアイ化学工業株式会社の登録商標である。)の200倍液の溶液中に、24時間、浸漬した群を作製した(薬剤処理日:2006年6月29日)。
4.品種:ヤマホウシ(自然感染種子)を、浸種前に、化学合成農薬である、イプコナゾール・銅水和剤(商品名:「テクリードCフロアブル」、株式会社クレハ製、販売:JA全農、クミアイ化学工業株式会社、商品名:「テクリードCフロアブル」中、「テクリード」は、株式会社クレハの登録商標である。)の200倍液の溶液中に、24時間、浸漬した群を作製した(薬剤処理日:2006年6月29日)。
5.また、比較のため、品種:ヤマホウシ(自然感染種子)に、何も処理しない、無処理の群を作製した。
試験地:鳥取県農林総合研究所農業試験場(鳥取県鳥取市橋本)の実験室内の植物育成棚に、品種:ヤマホウシ(自然感染種子)を播種した(播種日:2006年7月8日、フルーツケース、試験規模:1区画187.0cm(1/12苗箱、16.4cm×11.4cm)、3連制)。
以後、慣例に従って、品種:ヤマホウシ(自然感染種子)を育成した。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)に対する防除試験の効果は、2006年8月2日に、上記した5つの群の各々を育成した品種:ヤマホウシ(自然感染種子)の苗の各々について、発病調査をすることによって評価した。
程度別発病苗の調査方法は、[イネ・ムギ等殺菌剤圃場試験法](平成16年3月 社団法人日本植物防疫協会編、p.6-p.8、ホームページアドレス:http://www.jppn.ne.jp/jpp/
data/inekin.pdf)に従った。
発病調査は、下記の基準に従って、上記した5つの群の各々の、育成した品種:ヤマホウシ(自然感染種子)の苗について、下記の調査基準に基づいてイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)と健全苗数を調べた。そして、発病苗率(%)を求め、無処理の群との対比から防除価を算出した。
<調査基準>
重症苗:葉茎が、腐敗枯死している(腐敗枯死)。
軽症苗:葉鞘が、褐変している(葉鞘褐変)。
イネもみ枯細菌病(苗腐敗症)の発病指数
発病苗率は、次式で計算した。
発病苗率(%)={(重症苗数+軽症苗数)/調査苗数}×100
防除価は、次式で計算した。
防除価=100−{(各処理区発病苗率/無処理区発病苗率)×100}
結果を、図9に示す。
また、図10(a)は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)に対する防除試験結果を示す、品種:ヤマホウシ(自然感染種子)の苗を撮影した写真であり、図10(b)は、無処理の場合の品種:ヤマホウシ(自然感染種子)の苗にイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)が発生した状態を撮影した写真である。
図9の結果から、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、イネもみ枯細菌病(苗腐敗症)に対し、化学合成農薬である、イプコナゾール・銅水和剤(商品名:「テクリードCフロアブル」、株式会社クレハ製、販売:JA全農(全国農業協同組合連合会)、クミアイ化学工業株式会社、商品名:「テクリードCフロアブル」中、「テクリード」は、株式会社クレハの登録商標である。)と同等の防除価を有し、市販微生物農薬(水稲種子消毒用生物農薬)である、トリコデルマ
アトロビリデ水和剤(商品名:「エコホープDJ」、クミアイ化学工業株式会社商品名:「エコホープDJ」中、「エコホープ」は、クミアイ化学工業株式会社の登録商標である。)や、温湯種子消毒に優る高い防除効果を発揮することが明らかになった。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイネもみ枯細菌病(もみ枯症)に対する防除効果について、及び、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を用いたイネもみ枯細菌病(もみ枯症)の防除方法の好ましい例を例示的に説明する。
まず、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)の防除効果試験の方法について説明する。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製
まず、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水を加えた後、PSA傾斜培地を用いて、28℃、24時間〜48時間培養した。
この例では、栄養培地として、PSA(potato sucrose agar)培地、より具体的に説明すると、ジャガイモ200gの煎汁、Ca(Co・4HO 0.5g、NaHPO・12HO 2.0g、ペプトン 5.0g、サッカロース
20g、寒天 20g及び蒸留水 1000ml、pH6.8のPSA(potato sucrose agar)傾斜培地に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を植菌し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を増殖させた。
以上により、増殖させた、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に水を加え、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)の防除剤とした。
このとき、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)の防除剤の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度は、特に、以下の場合に限定されることは無いが、例えば、1.0×10cfu/ml以上1.0×10cfu個/ml以下の範囲にすることが好ましい。
以上のようにして調製した、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)の防除剤を、イネに散布(噴霧)する。
実施例7では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株の菌濃度を、最終濃度を、5.0×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を用意した。
2.接種源の調製
ジャガイモペプトングルコース寒天(PPGA)平板培地(以下、単に、「PPGA平板培地」という。)を用いて、28℃、48時間培養した病原細菌(イネもみ枯細菌病菌(学名 Burkholderia
glumae)(以下、単に、「イネもみ枯細菌」という。)を水に懸濁させ、病原細菌(イネもみ枯細菌)の菌濃度を、最終濃度を、1×10cfu/mに調整した。
3.イネもみ枯細菌病(もみ枯症)の防除試験
試験地:鳥取県農林総合研究所農業試験場(鳥取県鳥取市橋本)の圃場内に、品種:コシヒカリを移植した(移植日:2010年5月25日(稚苗機械移植)、試験規模:1区画24.0m(6.0m×4.0m)、2連制)。
以後、慣例に従って、品種:コシヒカリを育成した。
2010年8月4日(品種:コシヒカリの出穂期)に、育成した、品種:コシヒカリの穂に、上記2.の欄にて説明した、病原細菌(イネもみ枯細菌)を接種した。
2010年8月6日(品種:コシヒカリの出穂期)に、育成した、品種:コシヒカリの穂を、以下に示す、4つの群に分けた。
1.2010年8月4日(品種:コシヒカリの出穂期)に、育成した、品種:コシヒカリの穂に、上記2.の欄にて説明した、病原細菌(イネもみ枯細菌)を接種した、品種:コシヒカリの穂に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤120リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
2.2010年8月4日(品種:コシヒカリの出穂期)に、育成した、品種:コシヒカリの苗に、上記2.の欄にて説明した、病原細菌(イネもみ枯細菌)を接種した、品種:コシヒカリの穂に、オキソリニック酸水和剤(商品名:「スターナ水和剤」、原体供給会社:住友化学株式会社、取扱会社:住友化学株式会社、協友アグリ株式会社、ホクサン株式会社、「スターナ」は、住友化学株式会社の登録商標である。)の1000
倍液を、120リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
3.2010年8月4日(品種:コシヒカリの出穂期)に、育成した、品種:コシヒカリの穂に、化学合成農薬である、フェリムゾン・フサライド水和剤(商品名:「ブラシンフロアブル」、住友化学株式会社製、商品名:「ブラシンフロアブル」中、「ブラシン」は、住友化学会社の登録商標である。)の1000
倍液を、120リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
4.また、2010年8月4日(品種:コシヒカリの出穂期)に、育成した、比較のため、品種:コシヒカリの穂に、何も処理をしない、無処理の群を作製した。
次に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネもみ枯細菌に対する防除試験の効果を調査した。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイネもみ枯細菌病に対する防除試験の効果は、2010年8月28日に、上記した4つの群の各々について、発病調査を行って評価した。
発病度の算出方法は、[イネ・ムギ等殺菌剤圃場試験法](平成16年3月 社団法人日本植物防疫協会編、p.6-p.11、ホームページアドレス:http://www.jppn.ne.jp/jpp/
data/inekin.pdf)に従った。
発病調査は、下記の基準に従って、上記した4つの群の各々の、育成した品種:コシヒカリの300穂(30株×10穂/株)について発病程度別穂率(%)を調査し、発病度及び防除価を算出した。
<調査基準>
A:1穂中の罹病籾率(%)が61%以上である(罹病籾率(%)61%以上)。
B:1穂中の罹病籾率(%)が31%以上60%以下である(罹病籾率(%)31−61%)。
C:1穂中の罹病籾率(%)が11%以上30%以下である(罹病籾率(%)11−30%)。
D:1穂中の罹病籾率(%)が10%以下である(罹病籾率(%)10%以下)。
発病度の算出方法は、[イネ・ムギ等殺菌剤圃場試験法](平成16年3月 社団法人日本植物防疫協会編、p.6-p.11、ホームページアドレス:http://www.jppn.ne.jp/jpp/
data/inekin.pdf)に従った。
発病度は、次式で計算した。
発病度={(4×指標A+3×指標B+2×指標C+1×指標D)/(4×調査葉数)}×100
防除価は、次式で計算した。
防除価=100−{(各処理区発病度/無処理区発病度)×100}
結果を、図11に示す。
また、図12(a)は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の病原細菌(イネもみ枯細菌(もみ枯症))に対する防除試験結果を示す、品種:コシヒカリの穂を撮影した写真であり、図12(b)は、無処理の場合の、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)が発生した品種:コシヒカリの穂を撮影した写真である。
図11の結果から、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)に対し、化学合成農薬である、フェリムゾン・フサライド水和剤(商品名:「ブラシンフロアブル」、住友化学株式会社製、商品名:「ブラシンフロアブル」中、「ブラシン」は、住友化学会社の登録商標である。)に優る防除効果があることが、明らかになった。
また、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)に対しては、オキソリニック酸水和剤(商品名:「スターナ水和剤」、原体供給会社:住友化学株式会社、取扱会社:住友化学株式会社、協友アグリ株式会社、ホクサン株式会社、「スターナ」は、住友化学株式会社の登録商標である。)と同等の防除効果であったが、オキソリニック酸水和剤(商品名:「スターナ水和剤」、原体供給会社:住友化学株式会社、取扱会社:住友化学株式会社、協友アグリ株式会社、ホクサン株式会社、「スターナ」は、住友化学株式会社の登録商標である。)が、耐性菌の発生により、全国的に使用されていない現状を考慮すると、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)の植物病の防除剤として、好適である。
尚、2010年8月28日において、無処理の群のイネもみ枯細菌病(もみ枯症)の発病程度を調査したところ、無処理の群には、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)が多発生していた。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の果菜類の灰色かび病に対する防除効果について、及び、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を用いた果菜類の灰色かび病の防除方法の好ましい例を例示的に説明する。
まず、果菜類の灰色かび病の防除効果試験の方法について説明する。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製
まず、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水を加えた後、PSA傾斜培地を用いて、28℃、24時間〜48時間培養した。
この例では、栄養培地として、PSA(potato sucrose agar)培地、より具体的に説明すると、ジャガイモ200gの煎汁、Ca(Co・4HO 0.5g、NaHPO・12HO 2.0g、ペプトン 5.0g、サッカロース
20g、寒天 20g及び蒸留水 1000ml、pH6.8のPSA(potato sucrose agar)傾斜培地に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を植菌し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を増殖させた。
以上により、増殖させた、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に水を加え、果菜類の灰色かび病の防除剤とした。
このとき、果菜類の灰色かび病の防除剤の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度は、特に、以下の場合に限定されることは無いが、例えば、1.0×10cfu/ml以上1.0×1010cfu個/ml以下の範囲にすることが好ましい。
以上のようにして調製した、果菜類の灰色かび病の防除剤を、果菜類の葉茎等に散布(噴霧)する。
実施例8では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株の菌濃度を、最終濃度を、1.0×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を用意した。
2.接種源の調製
ショ糖加用ジャガイモ煎汁液(PBS)で形成させた、病原菌胞子(果菜類の灰色かび病菌の胞子)を水に懸濁させ、病原菌(果菜類の灰色かび病菌(学名 Botrytis cinerea Persoon)(以下、単に、「果菜類の灰色かび病菌」という。) の胞子の濃度を、顕微鏡150倍視野当たり25個程度に調整した。
3.果菜類の灰色かび病の防除試験
試験地:鳥取県農林総合研究所農業試験場(鳥取県鳥取市橋本)実験室内において、発病抑制検定用の植物の準備をした。
播種9日後のキュウリ子葉(品種:フリーダム)に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を、処理濃度:1.0×10cfu/mlの十分量を散布(噴霧)し、2時間、乾燥させた後のものを、検定に 供試した。
検定方法(ろ紙検定法):上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌胞子(果菜類の灰色かび病菌の胞子)の懸濁液30マイクロリットル(μl)を検定用ろ紙(直径:9mm)に添加した後、この検定用ろ紙を、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を、処理濃度:1.0×10cfu/mlの十分量を散布(噴霧)し、2時間、乾燥させた、キュウリ子葉(品種:フリーダム)に付着させ、さらに、ショ糖加用ジャガイモ煎汁液(PBS)を30マイクロリットル(μl)添加した。
以上の処理を行った処理後のキュウリ子葉(品種:フリーダム)を、25℃、12時間日長で5日間、維持し、その後、キュウリ子葉(品種:フリーダム)に形成された、病斑直径を計測した。検定には、1区画当たり、6枚のキュウリ子葉(品種:フリーダム)を供試した。
また、比較のため、播種9日後のキュウリ子葉(品種:フリーダム)に、何も処理をしない、無処理の状態のキュウリ子葉(品種:フリーダム)に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(果菜類の灰色かび病菌)の胞子の懸濁液30マイクロリットル(μl)を検定用ろ紙(直径:9mm)に付着させ、さらに、ショ糖加用ジャガイモ煎汁液(PBS)を30マイクロリットル(μl)を検定用ろ紙に添加した。
以上のようにして準備をした無処理のキュウリ子葉(品種:フリーダム)を、25℃、12時間日長で5日間、維持し、その後、キュウリ子葉(品種:フリーダム)に形成された、病斑直径を計測した。検定には、1区画当たり、6枚キュウリ子葉(品種:フリーダム)を供試した。
防除価は、次式で計算した。
防除価=100−{(CTB 1206株処理区病斑最大直径/無処理区病斑最大直径)×100}
結果を、図13に示す。
また、図14(a)は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の処理を行った、キュウリ子葉(品種:フリーダム)を撮影した写真であり、また、図14(b)は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の処理を行なっていない、無処理の場合の、キュウリ子葉(品種:フリーダム)を撮影した写真である。
図13及び図14から明らかなように、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の処理を行なっていない、無処理の場合の、キュウリ子葉(品種:フリーダム)には、病斑(最大直径:15.5mm)が現れたのに対し(図14(b)を参照。)、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の処理を行った、キュウリ子葉(品種:フリーダム)には、病斑が観察されなかった(図14(a)を参照。)
この検定試験は、圃場試験の結果に近い結果が得られることが、知られている。
この検定試験の結果、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、果菜類の灰色かび病に対し、十分、実用的な、高い防除効果を示すことが明らかになった。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の防除効果、及び、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源を加えた植物病の防除剤の防除効果を例示的に説明する。
また、ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)のイチゴうどんこ病に対する防除方法及び本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源を加えた植物病の防除剤のイチゴうどんこ病に対する防除方法の好ましい例を例示的に説明する。
ここに、イチゴうどんこ病は、主として、絶対寄生菌の、イチゴうどんこ病菌(学名 Sphaerotheca
aphanis (Wollroth) Braun var.aphanis)(以下、単に、「イチゴうどんこ病菌」という。)によって、主として、。イチゴの葉に発病する植物病である。
微生物農薬が、病原菌に対して、防除効果を発揮するためには、微生物農薬の有効成分である微生物が、植物の種子や、苗や、葉茎や、花や、果実や、実等において、病原菌と、栄養源や生育場所を競合し、病原菌に対し、栄養源や生育場所の競争に打ち勝って、増殖する必要がある。
一般に、細菌が増殖するためには、窒素源と炭素源とが必要であるが、炭素源(糖など)は、細菌の同定を行う上での指標の一つとなっているように、細菌の種類によって、その利用能が異なる。
そこで、本発明者は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の糖の利用能を調べた。
図15は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の糖の利用能を示す図である。
本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の糖の利用能は、ペプトン水培地(1%)を基本培地として、ペプトン水培地(1%)の各々に、図15中に示す、各糖の各々を1%濃度で添加後、5mlずつ試験管に分注し、オートクレーブ(115℃、10分間)後、これらの培地に、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水で懸濁させた菌液10マイクロリットル(μl)を加えた後、28℃で、48時間培養することにより調査した(Dye
D.W.(1968),A taxonomic study of the genus Erwinia. I. The “amylovora”group. New
Zealand Journal of Science 11, p.590-p.607を参照。)。
結果を図15に示す。
図15から、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、例えば、myo-イノシトールや、ソルビトール、デンプン、L−アラビノース、リボース、マンノース、マンンイトール、セロビオース、ラクトース、ラムノース、キシロース、トレハロース、グリセロースといった各種の糖の利用能があることが判った。
次に、イチゴうどんこ病に対する防除効果試験の方法について説明する。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製
まず、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水を加えた後、栄養培地(例えば、PSA(potato sucrose agar)傾斜培地)(脇本処方)を用いて、28℃、24時間〜48時間培養した。
この例では、栄養培地として、PSA(potato sucrose agar)培地、より具体的に説明すると、ジャガイモ200gの煎汁、Ca(Co・4HO 0.5g、NaHPO・12HO 2.0g、ペプトン 5.0g、サッカロース
20g、寒天 20g及び蒸留水 1000ml、pH6.8のPSA(potato sucrose agar)傾斜培地に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を植菌し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を増殖させた。
以上により、増殖させた、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に水を加え、イチゴうどんこ病の防除剤とした。
このとき、イチゴうどんこ病の防除剤の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度は、特に、以下の場合に限定されることは無いが、例えば、1.0×10cfu/ml以上1.0×10cfu個/ml以下の範囲にすることが好ましい。
以上のようにして調製した、イチゴうどんこ病の防除剤を、イチゴの葉茎等に散布(噴霧)する。
実施例9では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株の菌濃度を、最終濃度を、5.0×10cfu/mlに調整したした植物病の防除剤を用意した。
また、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株が、イチゴの葉茎等の表面で、増殖し難い、ということを考慮して、実施例9では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株の菌濃度を、5.0×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加したした植物病の防除剤を用意した。
2.接種源の調製
イチゴうどんこ病菌の罹病株(品種:章姫)を作製した。
3.イチゴうどんこ病の防除試験
試験地:鳥取県農林総合研究所農業試験場(鳥取県鳥取市橋本)の実験室内の植物育成棚において、品種:章姫を定植した(定植日:2010年12月1日(ランナー定植、試験規模:1区画1株(園芸用ポット)、3反復)。
以後、慣例に従って、品種:章姫を育成した。
2011年1月15日に、育成した、品種:章姫の苗を、以下に示す、4つの群に分けた。
1.品種:章姫の葉に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加したものを、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
2.品種:章姫の葉に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものを、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
3.品種:章姫の苗に、化学合成農薬である、トリフルミゾール水和剤(商品名:「トリフミン水和剤」、日本曹達株式会社製、商品名:「トリフミン水和剤」中、「トリフミン」は、日本曹達株式会社の登録商標である。)の3000
倍液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
4.比較のために、品種:章姫の苗に、減菌蒸留水を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
次に、2011年1月15日に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加したものを、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:章姫の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、イチゴうどんこ病菌の罹病株(品種:章姫)の葉に形成されている、病原菌(イチゴうどんこ病菌)の胞子を筆で払い落とし、病原菌(イチゴうどんこ病菌)の胞子を接種した。
また、同日(2011年1月15日)、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものを、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:章姫の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、イチゴうどんこ病菌の罹病株(品種:章姫)の葉に形成されている、病原菌(イチゴうどんこ病菌)の胞子を筆で払い落とし、病原菌(イチゴうどんこ病菌)の胞子を接種した。
また、同日(2011年1月15日)、化学合成農薬である、トリフルミゾール水和剤(商品名:「トリフミン水和剤」、日本曹達株式会社製、商品名:「トリフミン水和剤」中、「トリフミン」は、日本曹達株式会社の登録商標である。)の3000
倍液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:章姫の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、イチゴうどんこ病菌の罹病株(品種:章姫)の葉に形成されている、病原菌(イチゴうどんこ病菌)の胞子を筆で払い落とし、病原菌(イチゴうどんこ病菌)の胞子を接種した。
また、同日(2011年1月15日)、比較のために、減菌蒸留水を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:章姫の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、イチゴうどんこ病菌の罹病株(品種:章姫)の葉に形成されている、病原菌(イチゴうどんこ病菌)の胞子を筆で払い落とし、病原菌(イチゴうどんこ病菌)の胞子を接種した。
次に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイチゴうどんこ病に対する防除試験の効果を調査した。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイチゴうどんこ病に対する防除試験の効果は、2011年2月1日に、2011年1月15日に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加したものを、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:章姫の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、イチゴうどんこ病菌の罹病株(品種:章姫)の葉に形成されている、イチゴうどんこ病菌の胞子を筆で払い落とし、イチゴうどんこ病菌を接種した、品種:章姫の葉の病斑面積率(5葉/株)を調査した。
また、同日(2011年2月1日)、2011年1月15日に非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したもの、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:章姫の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、イチゴうどんこ病菌の罹病株(品種:章姫)の葉に形成されている、イチゴうどんこ病菌の胞子を筆で払い落とし、イチゴうどんこ病菌を接種した、品種:章姫の葉の病斑面積(5葉/株)を調査した。
また、同日(2011年2月1日)、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイチゴうどんこ病に対する防除試験の効果を、化学合成農薬である、トリフルミゾール水和剤(商品名:「トリフミン水和剤」、日本曹達株式会社製、商品名:「トリフミン水和剤」中、「トリフミン」は、日本曹達株式会社の登録商標である。)のイチゴうどんこ病に対する防除試験の効果と比較するため、2011年1月15日に、化学合成農薬である、トリフルミゾール水和剤(商品名:「トリフミン水和剤」、日本曹達株式会社製、商品名:「トリフミン水和剤」中、「トリフミン」は、日本曹達株式会社の登録商標である。)の3000
倍液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:章姫の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、イチゴうどんこ病菌の罹病株(品種:章姫)の葉に形成されている、イチゴうどんこ病菌の胞子を筆で払い落とし、イチゴうどんこ病菌を接種した、品種:章姫の葉の病斑面積率(5葉/株)を調査した。
また、同日(2011年2月1日)、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイチゴうどんこ病に対する防除試験の効果を確認するため、2011年1月15日に、比較のために、減菌蒸留水を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:章姫の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、イチゴうどんこ病菌の罹病株(品種:章姫)の葉に形成されている、イチゴうどんこ病菌の胞子を筆で払い落とし、イチゴうどんこ病菌を接種した品種:章姫の葉の病斑面積率(5葉/株)を調査し、発病度を算出した。
<調査基準>
指標0:病斑を認めない。
指標1:病斑面積率が葉面積の5%未満
指標2:病斑面積率が葉面積の5%以上25%未満
指標3:病斑面積率が葉面積の25%以上50%未満
指標4:病斑面積率が葉面積の50%以上
発病度の算出方法は、[野菜等殺菌剤圃場試験法](平成16年3月 社団法人日本植物防疫協会、p.270-p.272、ホームページアドレス:http://www.jppn.ne.jp/jpp/data/yasa
ikin.pdf)に従って、病斑面積率を指標化し、次式によって、発病度を算出した。
発病度={(4×指標4+3×指標3+2×指標2+1×指標1)/(4×調査葉数)}×100
防除価は、次式で計算した。
防除価=100−{(各処理区発病度/無処理区発病度)×100}
結果を、図16に示す。
また、図17(a)は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤のイチゴうどんこ病に対する防除試験結果を示す、品種:章姫の葉を撮影した写真であり、図17(b)は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のイチゴうどんこ病に対する防除試験結果を示す、品種:章姫の葉を撮影した写真であり、また、図17(c)は、無処理(滅菌蒸留水)の群の品種:章姫の葉を撮影した写真である。
尚、2011年2月1日(調査日)における、無処理(滅菌蒸留水)の群のイチゴうどんこ病の発病程度は、甚発生(3反復の試験)であった。
図16の結果及び図17から、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、イチゴうどんこ病に対し、十分、実用的な、高い防除効果を示すが、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源(実施例9では、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを用いている。)を添加した植物病の防除剤は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤より、防除効果が向上し、化学合成農薬である、トリフルミゾール水和剤(商品名:「トリフミン水和剤」、日本曹達株式会社製、商品名:「トリフミン水和剤」中、「トリフミン」は、日本曹達株式会社の登録商標である。)と同等の高い防除効果を示すことが明らかになった。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の防除効果、及び、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源を加えた植物病の防除剤の防除効果を例示的に説明する。
また、ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のトマト葉かび病に対する防除方法及び本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源を加えた植物病の防除剤のトマト葉かび病に対する防除方法の好ましい例を例示的に説明する。
実施例9において、既に、説明したとおり、微生物農薬が、病原菌に対して、防除効果を発揮するためには、微生物農薬の有効成分である微生物が、植物の種子や、苗や、葉茎や、花や、果実や、実等において、病原菌と、栄養源や生育場所を競合し、病原菌に対し、栄養源や生育場所の競争に打ち勝って、増殖する必要がある。
一般に、細菌が増殖するためには、窒素源と炭素源とが必要であるが、炭素源(糖など)は、、細菌の同定を行う上での指標の一つとなっているように、細菌の種類によって、その利用能が異なる。
次に、トマト葉かび病に対する防除効果試験の方法について説明する。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製
まず、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水を加えた後、PSA傾斜培地を用いて、28℃、24時間〜48時間培養した。
この例では、栄養培地として、PSA(potato sucrose agar)培地、より具体的に説明すると、ジャガイモ200gの煎汁、Ca(Co・4HO 0.5g、NaHPO・12HO 2.0g、ペプトン 5.0g、サッカロース
20g、寒天 20g及び蒸留水 1000ml、pH6.8のPSA(potato sucrose agar)傾斜培地に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を植菌し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を増殖させた。
以上により、増殖させた、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に水を加え、トマト葉かび病の防除剤とした。
このとき、トマト葉かび病の防除剤の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度は、特に、以下の場合に限定されることは無いが、例えば、1.0×10cfu/ml以上1.0×10cfu個/ml以下の範囲にすることが好ましい。
以上のようにして調製した、トマト葉かび病の防除剤を、トマトの葉茎等に散布(噴霧)する。
実施例10では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株の菌濃度を、最終濃度を、5.0×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を用意した。
また、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株が、イチゴの葉茎等の表面で、増殖し難い、ということを考慮して、実施例10では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株の菌濃度を、5.0×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加したした植物病の防除剤を用意した。
2.接種源の調製
PSA平板培地を用いて、トマト葉かび病菌を、23℃、12日間培養後に得た、病原菌胞子(トマト葉かび病菌)の胞子を水に懸濁させ、病原菌(トマト葉かび病菌)の胞子濃度を、顕微鏡の150倍視野当たり、20個程度に調整した。
3.トマト葉かび病の防除試験
試験地:鳥取県農林総合研究所農業試験場(鳥取県鳥取市橋本)のガラス温室内において、品種:ミニキャロルを定植した(定植日:2011年3月15日(試験規模:1区画2株(大型園芸用ポット)、3反復)。
以後、慣例に従って、品種:ミニキャロルを育成した。
2011年5月28日に、育成した、品種:ミニキャロルの苗を、以下に示す、4つの群に分けた。
1.品種:ミニキャロルの葉に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
2.品種:ミニキャロルの葉に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
3.品種:ミニキャロルの苗に、化学合成農薬である、トリフルミゾール水和剤(商品名:「トリフミン水和剤」、日本曹達株式会社製、商品名:「トリフミン水和剤」中、「トリフミン」は、日本曹達株式会社の登録商標である。)の3000
倍液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
4.比較のために、品種:ミニキャロルの苗に、減菌蒸留水を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
次に、品種:ミニキャロルの葉に、2011年5月28日に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤を散布(噴霧)した群に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤を散布(噴霧)後、2時間後に、品種:ミニキャロルの葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(トマト葉かび病菌)の胞子を接種した。
また、品種:ミニキャロルの葉に、2011年5月28日に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を散布(噴霧)した群に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を散布(噴霧)後、2時間後に、品種:ミニキャロルの葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(トマト葉かび病菌)(以下、単に、「トマト葉かび病菌」という。)の胞子を接種した。
また、品種:ミニキャロルの葉に、2011年5月28日に、トリフルミゾール水和剤(商品名:「トリフミン水和剤」、日本曹達株式会社製、商品名:「トリフミン水和剤」中、「トリフミン」は、日本曹達株式会社の登録商標である。)の3000
倍液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群に、トリフルミゾール水和剤(商品名:「トリフミン水和剤」、日本曹達株式会社製、商品名:「トリフミン水和剤」中、「トリフミン」は、日本曹達株式会社の登録商標である。)の3000
倍液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)後、2時間後に、品種:ミニキャロルの葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、トマト葉かび病菌の胞子を接種した。
また、比較のために、減菌蒸留水を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群に、減菌蒸留水を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)後、2時間後に、品種:ミニキャロルの葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、トマト葉かび病菌の胞子を接種した。
次に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)に非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源(実施例10では、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加したものを用いている。)を加えた植物病の防除剤と、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のトマト葉かび病菌に対する防除試験の効果を調査した。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のトマト葉かび病に対する防除試験の効果は、2011年6月14日に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:ミニキャロルの葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、トマト葉かび病菌を接種した、品種:ミニキャロルの葉の病斑数(40−67葉/株)を調査することによって行った。
また、同日(2011年6月14日)、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:ミニキャロルの葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、トマト葉かび病菌を接種した、品種:ミニキャロルの葉の病斑数(40−67葉/株)を調査することによって行った。
また、同日(2011年6月14日)、化学合成農薬である、トリフルミゾール水和剤(商品名:「トリフミン水和剤」、日本曹達株式会社製、商品名:「トリフミン水和剤」中、「トリフミン」は、日本曹達株式会社の登録商標である。)の3000
倍液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:ミニキャロルの葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、トマト葉かび病菌を接種した、品種:ミニキャロルの葉の病斑数(40−67葉/株)を調査することによって行った。
また、同日(2011年6月14日)、減菌蒸留水を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群に、減菌蒸留水を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)後、2時間後に、品種:ミニキャロルの葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、トマト葉かび病菌の胞子を接種した、品種:ミニキャロルの葉の病斑数(40−67葉/株)を調査することによって行った。
防除価は、次式で計算した。
防除価=100−{(各処理区1葉当たり病斑数/無処理区1葉当たりの病斑数)×100}
結果を、図18に示す。
また、図19(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤のトマト葉かび病に対する防除試験結果を示す、品種:ミニキャロルの葉を撮影した写真であり、図19(b)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のトマト葉かび病に対する防除試験結果を示す、品種:ミニキャロルの葉を撮影した写真であり、また、図19(c)は、無処理(滅菌蒸留水)の群の品種:ミニキャロルの葉を撮影した写真である。
尚、2011年6月14日(調査日)における、無処理(滅菌蒸留水)の群のトマト葉かび病の発病程度は、多発生(3反復の試験)であった。
図18の結果及び図19から明らかなように、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤は、トマト葉かび病に対し、十分な、防除効果が得られなかった(図19(b)を参照。)。
一方、図18の結果及び図19から、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源(実施例10では、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを用いている。)を添加した植物病の防除剤は、化学合成農薬である、トリフルミゾール水和剤(商品名:「トリフミン水和剤」、日本曹達株式会社製、商品名:「トリフミン水和剤」中、「トリフミン」は、日本曹達株式会社の登録商標である。)と同等の高い防除効果を示すことが明らかになった(図19(a)を参照。)。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の防除効果、及び、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源を加えた植物病の防除剤の防除効果を例示的に説明する。
また、ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のキュウリ褐斑病に対する防除方法及び本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源を加えた植物病の防除剤のキュウリ褐斑病に対する防除方法の好ましい例を例示的に説明する。
実施例9及び実施例10において、既に、説明したとおり、微生物農薬が、病原菌に対して、防除効果を発揮するためには、微生物農薬の有効成分である微生物が、植物の種子や、苗や、葉茎や、花や、果実や、実等において、病原菌と、栄養源や生育場所を競合し、病原菌に対し、栄養源や生育場所の競争に打ち勝って、増殖する必要がある。
一般に、細菌が増殖するためには、窒素源と炭素源とが必要であるが、炭素源(糖など)は、、細菌の同定を行う上での指標の一つとなっているように、細菌の種類によって、その利用能が異なる。
次に、キュウリ褐斑病に対する防除効果試験の方法について説明する。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製
まず、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水を加えた後、PSA傾斜培地を用いて、28℃、24時間〜48時間培養した。
この例では、栄養培地として、PSA(potato sucrose agar)培地、より具体的に説明すると、ジャガイモ200gの煎汁、Ca(Co・4HO 0.5g、NaHPO・12HO 2.0g、ペプトン 5.0g、サッカロース
20g、寒天 20g及び蒸留水 1000ml、pH6.8のPSA(potato sucrose agar)傾斜培地に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を植菌し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を増殖させた。
以上により、増殖させた、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に水を加え、キュウリ褐斑病の防除剤とした。
このとき、キュウリ褐斑病の防除剤の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度は、特に、以下の場合に限定されることは無いが、例えば、1.0×10cfu/ml以上1.0×1010cfu個/ml以下の範囲にすることが好ましい。
以上のようにして調製した、キュウリ褐斑病の防除剤を、キュウリの葉茎等に散布(噴霧)する。
実施例11では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度を、5.0×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を用意した。
また、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)が、キュウリの葉茎等の表面で、増殖し難い、ということを考慮して、実施例11では、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源を加えた植物病の防除剤として、以下の3種の植物病の防除剤を用意した。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の菌濃度を、最終濃度を、5.0×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤を用意した。
2.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の菌濃度を、最終濃度を、5.0×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、酵母エキス2.5mg/mlとを添加した植物病の防除剤を用意した。
3.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の菌濃度を、最終濃度を、5.0×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ジャガイモ煎汁150g/Lを添加した植物病の防除剤を用意した。
2.接種源の調製
バレイショ-ブドウ糖寒天平板培地(PDA(potato dextrose agar )平板培地)を用いて、キュウリ褐斑病菌を、25℃、14日間培養後に得た、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を水に懸濁させ、キュウリ褐斑病菌の胞子濃度を、顕微鏡の150倍視野当たり、個程度に調整した。
3.キュウリ褐斑病の防除試験
試験地:鳥取県農林総合研究所農業試験場(鳥取県鳥取市橋本)の実験室内の植物育成棚において、品種:北進を播種した(播種日:2010年11月25日(試験規模:1区画1株(園芸用ポット)、3反復)。
以後、慣例に従って、品種:北進を育成した。
2011年1月10日に、育成した、品種:北進の苗を、以下に示す、8つの群に分けた。
1.品種:北進の葉に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
2.品種:北進の葉に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、酵母エキス2.5mg/mlとを添加した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
3.品種:北進の葉に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ジャガイモ煎汁150g/Lを添加した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
4.品種:北進の葉に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
5.品種:北進の葉に、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを混合した混合液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
6.品種:北進の葉に、ペプトン5mg/mlと、酵母エキス2.5mg/mlとを混合した混合液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
7.品種:北進の葉に、化学合成農薬である、イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤(商品名:「ベルクートフロアブル」、原体供給会社:日本曹達株式会社、取扱会社:日本曹達株式会社、協友アグリ株式会社、クミアイ化学工業株式会社、三井化学アグロ株式会社、商品名:「ベルクートフロアブル」中、「ベルクート」は日本曹達株式会社の登録商標である。)の2000
倍液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
8.品種:北進の葉に、減菌蒸留水を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した群を作製した。
次に、2011年1月12日に、品種:北進の葉に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤を散布(噴霧)した群に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した。
また、同日(2011年1月12日)、品種:北進の葉に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、酵母エキス2.5mg/mlとを添加した植物病の防除剤を散布(噴霧)した群に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、キュウリ褐斑病菌の胞子を接種した。
また、同日(2011年1月12日)、品種:北進の葉に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ジャガイモ煎汁150g/Lを添加した植物病の防除剤を散布(噴霧)した群に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した。
また、同日(2011年1月12日)、品種:北進の葉に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤を散布(噴霧)した群に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した。
また、同日(2011年1月12日)、品種:北進の葉に、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを混合した混合液を散布(噴霧)した群に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した。
また、同日(2011年1月12日)、品種:北進の葉に、ペプトン5mg/mlと、酵母エキス2.5mg/mlとを混合した混合液を散布(噴霧)した群に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した。
また、同日(2011年1月12日)、品種:北進の葉に、ペプトン5mg/mlと、酵母エキス2.5mg/mlとを混合した混合液を散布(噴霧)した群に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した。
また、同日(2011年1月12日)、品種:北進の葉に、化学合成農薬である、イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤(商品名:「ベルクートフロアブル」、原体供給会社:日本曹達株式会社、取扱会社:日本曹達株式会社、協友アグリ株式会社、クミアイ化学工業株式会社、三井化学アグロ株式会社、商品名:「ベルクートフロアブル」中、「ベルクート」は日本曹達株式会社の登録商標である。)を散布(噴霧)した群に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した。
また、同日(2011年1月12日)、比較のために、品種:北進の葉に、減菌蒸留水を散布(噴霧)した群に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した。
次に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)に非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、酵母エキス2.5mg/mlとを添加した植物病の防除剤、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ジャガイモ煎汁150g/Lを添加した植物病の防除剤、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の各々のキュウリ褐斑病に対する防除試験の効果を調査した。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤のキュウリ褐斑病に対する防除試験の効果は、2011年1月20日に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:北進の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した、品種:北進の葉の病斑数(2葉/株)を調査することによって行った。
また、同日(2011年1月20日)、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、酵母エキス2.5mg/mlとを添加した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:キュウリの葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した、品種:北進の葉の病斑数(2葉/株)を調査することによって行った。
また、同日(2011年1月20日)、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ジャガイモ煎汁150g/Lを添加した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:北進の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した、品種:北進の葉の病斑数(2葉/株)を調査することによって行った。
また、同日(2011年1月20日)、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤を処理濃度:5×10cfu/mlに調整した植物病の防除剤200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:キュウリの葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した、品種:北進の葉の病斑数(2葉/株)を調査することによって行った。
また、同日(2011年1月20日)、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを混合した混合液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:キュウリの葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した、品種:北進の葉の病斑数(2葉/株)を調査することによって行った。
また、同日(2011年1月20日)、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを混合した混合液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:北進の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した、品種:北進の葉の病斑数(2葉/株)を調査することによって行った。
また、同日(2011年1月20日)、ペプトン5mg/mlと、酵母エキス2.5mg/mlとを混合した混合液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:北進の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した、品種:北進の葉の病斑数(2葉/株)を調査することによって行った。
また、同日(2011年1月20日)、化学合成農薬である、イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤(商品名:「ベルクートフロアブル」、原体供給会社:日本曹達株式会社、取扱会社:日本曹達株式会社、協友アグリ株式会社、クミアイ化学工業株式会社、三井化学アグロ株式会社、商品名:「ベルクートフロアブル」中、「ベルクート」は日本曹達株式会社の登録商標である。)の2000
倍液を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:北進の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した、品種:北進の葉の病斑数(2葉/株)を調査することによって行った。
また、同日(2011年1月20日)、減菌蒸留水を、200リットル(Litter)/10アール(a)を、散布(噴霧)した、品種:北進の葉に、上記「2.接種源の調製」の欄にて説明した、病原菌(キュウリ褐斑病菌)の胞子を接種した、品種:北進の葉の病斑数(2葉/株)を調査することによって行った。
発病調査は、上記した8つの群の各々の、育成した品種:北進の葉について、病斑数/枚を調べることにより行った。
防除価は、次式で計算した。
防除価=100−{(各処理区1株当たり病斑数/無処理区1株当たりの病斑数)×100}
結果を、図20に示す。
また、図21(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤のキュウリ褐斑病に対する防除試験結果を示す、品種:北進の葉を撮影した写真であり、図21(b)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のキュウリ褐斑病に対する防除試験結果を示す、品種:北進の葉を撮影した写真であり、また、図21(c)は、無処理(滅菌蒸留水)の群の品種:北進の葉を撮影した写真である。
尚、2011年1月20日(調査日)における、無処理(滅菌蒸留水)の群のキュウリ褐斑病の発病程度は、多発生(3反復の試験)であった。
図20の結果及び図21から明らかなように、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤でも、キュウリ褐斑病に対し、十分な、防除効果が得られるが、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源(実施例11では、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを用いている。)を添加した植物病の防除剤は、キュウリ褐斑病に対し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤に比べ、防除効果が向上していた。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源(実施例11では、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを用いている。)を添加した植物病の防除剤は、キュウリ褐斑病に対し、化学合成農薬である、イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤(商品名:「ベルクートフロアブル」、原体供給会社:日本曹達株式会社、取扱会社:日本曹達株式会社、協友アグリ株式会社、クミアイ化学工業株式会社、三井化学アグロ株式会社、商品名:「ベルクートフロアブル」中、「ベルクート」は日本曹達株式会社の登録商標である。)に比べ、防除価が、やや劣るものの、十分、実用的な、高い防除効果を示すことが明らかになった。
また、今回の試験により、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤に比べ、防除効果が向上していたが、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源(実施例11では、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、酵母エキス2.5mg/mlとを用いている。)を添加した植物病の防除剤及び非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源(実施例11では、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ジャガイモ煎汁150g/Lを用いている。)を添加した植物病の防除剤は、キュウリ褐斑病に対し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源(実施例11では、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを用いている。)を添加した植物病の防除剤に比べ、防除効果がやや劣ることが、明らかになった。
このことから、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、図15中に示す、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)が利用できる糖を用いると、キュウリ褐斑病その他の各種の伝染性植物病害に対する植物病の防除剤の防除効果を高めることができることが、明らかになった。
非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)に添加する、そのような栄養源としては、特に以下の栄養源に限定されることはないが、例えば、ペプトンとイノシトールとを含む栄養源や、ペプトンとソルビトールとを含む栄養源を、その好ましい栄養源として、挙げることができる。
ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の防除効果、及び、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源を加えた植物病の防除剤の防除効果を例示的に説明する。
また、ここでは、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤のキュウリうどんこ病及びキュウリべと病に対する防除方法及び本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源を加えた植物病の防除剤のキュウリうどんこ病及びキュウリべと病に対する防除方法の好ましい例を例示的に説明する。
ここに、キュウリうどんこ病は、主として、絶対寄生菌の、キュウリうどんこ病菌(学名 Sphaerotheca
cucurbitae)(以下、単に、「キュウリうどんこ病菌」という。)によって、主として、キュウリの葉に発病する植物病である。
また、キュウリべと病は、主として、絶対寄生菌の、キュウリべと病菌(学名 Pseudoperonospora
cubensis)(以下、単に、「キュウリべと病菌」という。)によって、キュウリの葉のみに発病する植物病である。
実施例9から実施例11において、既に、説明したとおり、微生物農薬が、病原菌に対して、防除効果を発揮するためには、微生物農薬の有効成分である微生物が、植物の種子や、苗や、葉茎や、花や、果実や、実等において、病原菌と、栄養源や生育場所を競合し、病原菌に対し、栄養源や生育場所の競争に打ち勝って、増殖する必要がある。
一般に、細菌が増殖するためには、窒素源と炭素源とが必要であるが、炭素源(糖など)は、、細菌の同定を行う上での指標の一つとなっているように、細菌の種類によって、その利用能が異なる。
次に、キュウリうどんこ病及びキュウリべと病に対する防除効果試験の方法について説明する。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製
まず、凍結乾燥された、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に滅菌水を加えた後、PSA傾斜培地を用いて、28℃、24時間〜48時間培養した。
この例では、栄養培地として、PSA(potato sucrose agar)培地、より具体的に説明すると、ジャガイモ200gの煎汁、Ca(Co・4HO 0.5g、NaHPO・12HO 2.0g、ペプトン 5.0g、サッカロース
20g、寒天 20g及び蒸留水 1000ml、pH6.8のPSA(potato sucrose agar)傾斜培地に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を植菌し、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)を増殖させた。
以上により、増殖させた、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)に水を加え、キュウリうどんこ病及びキュウリべと病の防除剤とした。
このとき、キュウリうどんこ病及びキュウリべと病の防除剤の非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の菌濃度は、特に、以下の場合に限定されることは無いが、例えば、1.0×10cfu/ml以上1.0×10cfu個/ml以下の範囲にすることが好ましい。
以上のようにして調製した、キュウリうどんこ病及びキュウリべと病の防除剤を、キュウリの葉茎等に散布(噴霧)する。
実施例12では、植物病の防除剤として、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)が、キュウリの葉茎等の表面で、増殖し難い、ということを考慮して、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源を加えた植物病の防除剤として、以下に示す、植物病の防除剤を用意した。
1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の菌濃度を、5.0×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤を用意した。
2.キュウリうどんこ病及びキュウリべと病の防除試験
試験地:鳥取県農林総合研究所農業試験場(鳥取県鳥取市橋本)内の圃場において、品種:北進を定種した(定種日:2011年6月1日(試験規模:1区画1.2m(0.8m×1.5m)、2連制)。
以後、慣例に従って、品種:北進を育成した。
次に、育成した、品種:北進の苗を、以下に示す、3つの群に分けた。
1.品種:北進の葉に、上記「1.非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas)
CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤の調製」の欄にて説明した、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤(以下、単に、「非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を含有する植物病の防除剤」という。)を、処理濃度:5×10cfu/mlに調整したものに、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤250リットル(Litter)/10アール(a)を、2011年7月10日、13日、17日、20日及び24日の、合計、5回に亘り、散布(噴霧)した群を作製した。
2.品種:北進の葉に、化学合成農薬である、TPN水和剤(商品名:「ダコニール1000」、株式会社エス・デイ−・エスバイオテツク社製、「ダコニール1000」及び「ダニコール(図形あり。)」は 株式会社エス・デイ−・エスバイオテツクの登録商標である。)の1000
倍液250リットル(Litter)/10アール(a)を、2011年7月10日、17日及び24日の、合計、3回に亘り、散布(噴霧)した群を作製した。
3.品種:北進の葉に、何も処理をしない、無処理の群を作製した。
次に、2011年8月3日(非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB
1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤及びTPN水和剤(商品名:「ダコニール1000」、株式会社エス・デイ−・エスバイオテツク社製、「ダコニール1000」及び「ダニコール(図形あり。)」は 株式会社エス・デイ−・エスバイオテツクの登録商標である。)の各々を最終散布した、2011年7月24日の10日後)に、上記した3つの群の各々について、発病程度別調査(1区40葉)を行い、品種:北進の葉の、キュウリうどんこ病及びキュウリべと病の各々の発病葉率及び発病度を算出した。
<調査基準>
指標0:病斑を認めない。
指標1:病斑面積率が葉面積の5%未満
指標2:病斑面積率が葉面積の5%以上25%未満
指標3:病斑面積率が葉面積の25%以上50%未満
指標4:病斑面積率が葉面積の50%以上
キュウリうどんこ病の発病度の算出方法は、[野菜等殺菌剤圃場試験法](平成16年3月 社団法人日本植物防疫協会、p.71-p.72,ホームページアドレス:http:www.jppn.ne.jp
/jpp/data/yasaikin.pdf)に従って、病斑面積率を指標化し、次式によって、発病度を算出した。
また、キュウリべと病の発病度の算出方法は、[野菜等殺菌剤圃場試験法](平成16年3月 社団法人日本植物防疫協会、p.69-p.72,ホームページアドレス:http:www.jppn.ne
.jp/jpp/data/yasaikin.pdf)に従って、病斑面積率を指標化し、次式によって、発病度を算出した。
発病度={(4×指標4+3×指標3+2×指標2+1×指標1)/(4×調査葉数)}×100
防除価は、次式で計算した。
防除価=100−{(各処理区発病度/無処理区発病度)×100}
結果を、図22に示す。
また、図23(a)は、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを添加した植物病の防除剤のキュウリうどんこ病及びキュウリべと病に対する防除試験結果を示す、品種:北進の葉を撮影した写真であり、また、図23(b)は、無処理(滅菌蒸留水)の群の品種:北進の葉を撮影した写真である。
尚、2011年1月20日(調査日)における、無処理(滅菌蒸留水)の群のキュウリ褐斑病の発病程度は、キュウリうどんこ病が多発生(自然発生)であり、また、キュウリべと病が多発生(自然発生)であった。
この試験は、小規模な圃場試験であったが、2011年1月20日(調査日)における、無処理(滅菌蒸留水)の群において、キュウリうどんこ病及びキュウリべと病が混合発生し、いずれも、多発生(自然発生)であった。
図22の結果及び図23から明らかなように、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)に、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM
AP-21274)の栄養源(実施例11では、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の栄養源として、ペプトン5mg/mlと、イノシトール5mg/mlとを用いている。)を添加した植物病の防除剤は、キュウリうどんこ病及びキュウリべと病のいずれに対しても、化学合成農薬である、TPN水和剤(商品名:「ダコニール1000」、株式会社エス・デイ−・エスバイオテツク社製、「ダコニール1000」及び「ダニコール(図形あり。)」は 株式会社エス・デイ−・エスバイオテツクの登録商標である。)と同等の実用上十分な防除効果を示した。
以上、実施例6及び実施例7により、本発明に係る植物病の防除剤の有効成分である、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)は、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)、イネもみ枯細菌病(苗腐敗症)に対して、優れた防除効果を発揮することが、明らかになった。
また、図2に示す人工培養試験により、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)により、胞子の発芽が抑制された、イネいもち病菌によって発病するイネいもち病は、圃場試験によっても、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)により、防除できることが、明らかになった。
また、図2に示す人工培養試験により、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)により、胞子の発芽が抑制された、キュウリ褐斑病菌によって発病するキュウリ褐斑病は、圃場試験によっても、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)により、防除できることが、明らかになった。
また、図2に示す人工培養試験により、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)により、胞子の発芽が抑制された、トマト葉かび病菌によって発病するトマト葉かび病は、圃場試験によっても、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)により、防除できることが、明らかになった。
イネいもち病菌、キュウリ褐斑病菌及びトマト葉かび病菌は、いずれも、糸状菌であり、これらが植物に感染するには、感染する植物の表面で、胞子が発芽する必要がある。
図2に示す人工培養試験により、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)により、オオムギ赤かび病菌、オオムギ網斑病菌、イチゴ炭疽病菌、スイカつる枯病菌、ナスすすかび病菌、ナシ黒斑病菌及びチャ輪斑病菌の各々の胞子の発芽が抑制されることが、明らかになった。オオムギ赤かび病菌によって発病するオオムギ赤かび病、オオムギ網斑病菌によって発病するオオムギ網斑病、イチゴ炭疽病菌によって発病するイチゴ炭疽病、スイカつる枯病菌によって発病するスイカつる枯病、ナスすすかび病菌によって発病するナスすすかび病、ナシ黒斑病菌によって発病するナシ黒斑病及びチャ輪斑病菌によって発病する輪斑病の各々に対する、圃場試験に基づく、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の防除効果は、本明細書中には開示されていないが、図2に示す人工培養試験により、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)により、胞子の発芽が抑制された、イネいもち病菌によって発病するイネいもち病や、キュウリ褐斑病菌によって発病するキュウリ褐斑病や、トマト葉かび病菌によって発病するトマト葉かび病が、圃場試験によっても、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)により、防除できるのと同様に、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)により、防除できる。
また、本明細書中において、イチゴうどんこ病菌によって発病するイチゴうどんこ病、キュウリうどんこ病菌によって発病するキュウリうどんこ病及びキュウリべと病菌によって発病するキュウリべと病に対する、圃場試験に基づく、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)の防除効果が記載され、図2に示す人工培養試験中に、本発明に係る植物病の防除剤に含まれる、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas) CTB 1206菌株(FERM AP-21274)により、イチゴうどんこ病菌、キュウリうどんこ病菌及びキュウリべと病菌の各々の胞子の発芽抑制データが記載されていないのは、イチゴうどんこ病菌、キュウリうどんこ病菌及びキュウリべと病菌の各々が、絶対寄生菌であり、現時点の技術レベルでは、イチゴうどんこ病菌、キュウリうどんこ病菌及びキュウリべと病菌の各々を人工培養することが、困難であるためである。
また、本発明により防除される植物病(糸状菌病)としては、病原体が糸状菌である任意の植物病を挙げることができ、そのような植物病(糸状菌病)としては、例えば、空気伝染性の糸状菌(胞子をつくる糸状菌)による病害を挙げることができる。空気伝染性糸状菌には、水媒伝染性のものも含まれる。空気伝染性の糸状菌としては、特に、以下のものには、限定されないが、例えば、うどんこ病菌(Erysiphe属菌、 Sphaerotheca属菌、Leveillula属菌)、ボトリチス(Botrytis)属菌、フルビア
(Fulvia fulva)属菌、コリネスポラ(Corynespora)属菌、アルブゴ(Albugo)属菌、べと病菌(プシウドペロノスポラ (Pseudoperonospora)属菌、Peronospora属菌、Plasmopara属菌、Bremia属菌)、ピリキュラリア(Pyricularia)属菌、いもち病菌(Pyricularia
grisea)、ごま葉枯病菌(Cochliobolus miyabeanus)、サーコスポラ類縁菌(Cercospora属菌 、Cercosporella属菌、Pseudocercospora属菌
、Paracercospora属菌、Mycovellosiella属菌)、炭疽病菌(コレトトリカム(Colletotrichum)属菌、Glomerella属菌)、さび病菌
(Puccinia属菌)、アルタナリア(Alternaria)属菌及びスクレロチニア(Sclerotinia)属菌等をその具体例として挙げることができる。
以上、詳細に説明したとおり、本発明に係る植物病の防除剤は、非病原性のエルビニア・アナナス(Erwinia
ananas)CTB 1206菌株(FERM AP-21274)を有効成分として含有しているので、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、果菜類の灰色かび病、イチゴ炭疽病、キュウリ褐斑病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病、チャ輪斑病及びその他の糸状菌病からなる群より選択される植物病に対して、非病原性であり、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、イチゴ炭疽病、イチゴうどんこ病、キュウリ褐斑病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病、チャ輪斑病及びその他の糸状菌病に対して防除効果が高く、環境汚染が無い。
また、本発明に係る植物病の防除方法は、本発明に係る植物病の防除剤を含む水溶液を、イネ、オオムギ、イチゴ、キュウリ、スイカ、トマト、ナス、ナシ及びチャに使用することで、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、果菜類の灰色かび病、イチゴ炭疽病、イチゴうどんこ病、キュウリ褐斑病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病、チャ輪斑病及びその他の空気伝染性の糸状菌病からなる群より選択される植物病に対して、高い防除効果を発揮する。
本発明に係る植物病の防除剤及び本発明に係る植物病の防除方法は、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、果菜類の灰色かび病、イチゴ炭疽病、キュウリ褐斑病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病、チャ輪斑病及びその他の糸状菌病からなる群より選択される植物病に対して、非病原性であり、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、イチゴ炭疽病、イチゴうどんこ病、キュウリ褐斑病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病、チャ輪斑病及びその他の糸状菌病に対して防除効果が高く、環境汚染が無いので、産業上の利用可能性が高い。

Claims (3)

  1. 非病原性のエルビニア・アナナス(Erwiniaananas)CTB1206菌株(FERM AP-21274)を有効成分として含有する、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、果菜類の灰色かび病、イチゴ炭疽病、イチゴうどんこ病、キュウリ褐斑病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病及びチャ輪斑病からなる群より選択される植物病の防除剤。
  2. 前記エルビニア・アナナス(Erwiniaananas)CTB1206菌株(FERM AP-21274)に利用能がある栄養源として、ペプトンまたはペプトンとイノシトールとの組み合わせを含有する請求項1に記載の植物病の防除剤。
  3. 請求項1または2に記載の植物病の防除剤を含む水溶液を、イネもみ枯細菌病(もみ枯症)及びネもみ枯細菌病(苗腐敗症)、並びに、イネいもち病(葉いもち)、イネいもち病(穂いもち)、オオムギ赤かび病、オオムギ網斑病、果菜類の灰色かび病、イチゴ炭疽病、イチゴうどんこ病、キュウリ褐斑病、キュウリうどんこ病、キュウリべと病、スイカつる枯病、トマト葉かび病、ナスすすかび病、ナシ黒斑病及びチャ輪斑病からなる群より選択される植物病に感染する植物に使用する、植物病の防除方法。
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