JP6075573B2 - 格納容器 - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉圧力容器が格納される格納容器に関する。
従来、原子炉圧力容器が格納される格納容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の格納容器では、原子炉圧力容器から放出される熱により加熱された格納容器内を冷却するために、ポンプ等による液体の強制流動や煙突効果による空気の自然対流を用いていた(例えば、非特許文献1参照)。
ポンプ等による液体の強制流動を用いて格納容器内を冷却する場合には、図6に示すように、原子炉圧力容器と遮へい体及びその断熱壁との間に、かつ、断熱壁に沿って、格納容器内に水等の液体が流通するための配管が設けられていた。これにより、原子炉圧力容器で生じた熱は配管内の液体に伝達され、加熱された液体がポンプ等により配管内を圧送されて外部に露出する熱交換器を介して液体に蓄積された熱が大気に放出されるようになっていた。
一方、煙突効果を用いて格納容器内を冷却する場合には、図7に示すように、原子炉圧力容器と遮へい体及びその断熱壁との間に、かつ、断熱壁に沿って、格納容器内に空気が流通するためのダクトが設けられていた。これにより、原子炉圧力容器で生じた熱はダクト内の空気に伝達され、加熱された空気が煙突効果によりダクト内を上昇してダクトの上端にて大気に開放されるようになっていた。このような冷却方法では、例えば、約60m以上の長さのダクトを用いて煙突効果を大きくし、作動媒体である空気の速度を上昇させることにより、自然対流による熱伝達量を大きくしていた。
特開2014−6197号公報 高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)の受動的冷却設備の設計、日本原子力学会和文論文誌、Vol.3、No.3(2004)
しかしながら、ポンプ等による液体の強制流動を用いた上記従来の技術による格納容器では、地震等による事故が発生したときに配管に亀裂が生じてしまうと、配管より液体が漏れ出ることで、強制流動による熱伝達量が小さくなって、徐熱量が減少してしまう。また、ポンプ等を駆動するのに電力が必要なため、地震等による事故が発生したときに電力の供給が遮断されてしまうとポンプ等が駆動できず、強制流動による熱伝達量が小さくなって、徐熱量が減少してしまう。これにより、ポンプ等による液体の強制流動を用いた炉容器冷却設備はフェール・セーフの点では望ましくなかった。
また、煙突効果を用いた上記従来の技術による格納容器では、空気の流速を、一般に強風と言われる程度の速度まで上昇させることが望ましいが、ダクトの長さにも制限があり、また、ダクトの表面抵抗により空気の流速に限界が生じてしまっていた。また、地震等による事故が発生したときにダクトが変形または閉塞してしまうと、必要とする空気の流速を満たすことができず、自然対流による熱伝達量が小さくなって、徐熱量が減少してしまう。これにより、煙突効果による空気の自然対流を用いた炉容器冷却設備はフェール・セーフの点では望ましくなかった。さらに、煙突効果による空気の自然対流を用いた炉容器冷却設備は、大気が直接的にダクト内に入るため、砂、土、虫、及び植物等が炉容器冷却設備内に溜まってしまっていた。さらにまた、大気に含まれる湿度や塩分により酸化、錆発生、及び腐食等が発生し、ダクトの交換が必要となるが、ダクトの交換は困難であった。
本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、ポンプ等による強制流動や煙突効果を用いることなく冷却能力を向上させることのできる格納容器を提供することにある。
本発明は、原子炉圧力容器を格納するための格納容器において、前記原子炉圧力容器が格納される圧力容器室が内部に形成された容器本体と、前記容器本体の上部で外部に露出するように前記容器本体に設けられ、内部に形成された冷却室内の流体と外部の流体とで熱交換して、前記圧力容器室から前記冷却室に流入した流体を冷却する冷却部と、を備えたことを特徴とする。
この場合において、前記冷却室は、前記容器本体から上方に延びて形成されていてもよい。前記冷却室は、鉛直に対して傾いた方向に延びていてもよい。前記冷却室は、前記原子炉圧力容器に近づく程断面が大きくなるように形成されていてもよい。前記冷却室は、前記圧力容器室から水平方向に延びて形成されていてもよい。前記冷却室は、底部が放物曲面で形成されていてもよい。前記圧力容器室は、底部が放物曲面で形成されていてもよい。前記圧力容器室には、前記原子炉圧力容器と前記冷却部との間に、前記原子炉圧力容器からの熱を反射するための反射板が設けられていてもよい。前記反射板は、前記格納容器の天井面、床面、及び壁面の少なくともいずれかに設けられていてもよい。前記冷却部は、内部を流れる流体、及び、外部を流れる流体の少なくとも一方と接するフィンが設けられていてもよい。前記圧力容器室は、前記原子炉圧力容器から放射される放射線を遮へいするための遮へい体が前記容器本体の壁部に沿って設けられており、前記冷却室は、前記原子炉圧力容器と前記遮へい体との間に配置された断熱壁の前記原子炉圧力容器側を前記断熱壁に沿って延びていてもよい。
本発明では、例えば、ポンプ等による強制流動や煙突効果を用いることなく冷却能力を向上させることができる。
第1実施形態に係る格納容器を示す模式図である。 第1実施形態による徐熱の解析結果を示す図である。 第2実施形態に係る格納容器を示す模式図である。 第3実施形態に係る格納容器を示す模式図である。 第4実施形態に係る格納容器を示す模式図である。 ポンプ等による液体の強制流動を用いた従来の技術による格納容器を示す模式図である。 煙突効果による空気の自然対流を用いた従来の技術による格納容器を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。
[1]第1実施形態
図1は、本実施形態に係る格納容器を示す模式図である。格納容器(CV:Containment Vessel)10は、原子炉の炉心1が格納された原子炉圧力容器(RPV:Reactor Pressure Vessel)2を格納するための容器である。この格納容器10は、例えば、鋼で形成されており、原子炉圧力容器で生じた圧力を抑える圧力障壁であるとともに、放射性物質の拡散を防止する。格納容器10は、容器本体10aと、遮へい体3と、断熱壁4と、冷却部である炉容器冷却設備(RCCS:Reactor Cavity Cooling System)5と、反射板6とを備えている。
容器本体10aは、原子炉圧力容器2が格納される圧力容器室10bが内部に形成されている。
遮へい体3は、圧力容器室10bに容器本体10aの壁部10c等に沿って設けられており、原子炉圧力容器2から放射される放射線を遮へいするようになっている。なお、遮へい体3は、図1では壁部10cに沿ってのみ設けられているが、天井部や床部等その他の部分に設けられていてもよい。
断熱壁4は、原子炉圧力容器2と遮へい体3との間に遮へい体3に沿って配置されており、原子炉圧力容器2から放射された熱が外部に放熱されないように断熱するようになっている。
炉容器冷却設備5は、容器本体10aの外側で容器本体10aに取り付けられており、容器本体10aの上部で外部に露出するように容器本体10aに設けられている。この炉容器冷却設備5は、容器本体10aよりも放熱性が高くなるように設けられており、内部に形成された冷却室5a内の流体と外部の流体とで熱交換して、圧力容器室10bから冷却室5aに流入した流体を冷却するようになっている。この冷却室5aは、容器本体10aに形成された開口を介して圧力容器室10bと流体的に連通しており、断熱壁4の原子炉圧力容器2側を断熱壁4に沿って延びるように設けられている。冷却室5aは、容器本体10aから上方に延びて形成されており、冷却室5aが延びる方向に延びる仮想線Xが原子炉圧力容器2と交わらない位置に配置されている。炉容器冷却設備5は、表面積を拡大して放熱性を向上させるべく、内部の冷却室5a内を流れる流体と接するフィン、及び、外部を流れる流体と接するフィンが設けられている。
反射板6は、圧力容器室10b内であって、原子炉圧力容器2と炉容器冷却設備5との間に設けられている。この反射板6は、ふく射(放射)された熱を反射するようになっており、原子炉圧力容器2からふく射された熱を反射させて炉容器冷却設備5に効率良く伝達するようになっている。反射板6は、図1では、容器本体10aの天井面及び床面に配置されているが、壁面等その他の位置に配置されていてもよい。本実施形態では、容器本体10aの床面に配置された反射板6は、冷却室5aの真下まで延びており、仮想線Xが交わるように設けられている。
以下、格納容器10に関する各関係式について説明する。
温度と炉容器冷却設備(RCCS)5による除熱量との関係は、以下に示す式となる。
RCCS:炉容器冷却設備による除熱量(W)
m:総括熱伝達率(W/m2/K)
RPV:原子炉圧力容器(RPV)の温度(K)
RCCS:炉容器冷却設備(RCCS)の構造物の温度(K)
A:伝熱面積(m2
温度の時間変化と除熱量の時間変化(除熱速度)との関係は、以下に示す式となる。
次に、総括熱伝達率hmを自然対流による平均熱伝達率とふく射による平均熱伝達率とに分ける。
平均ヌセルト数と空気の熱伝導率とから自然対流による平均熱伝達率は、
NAT:自然対流による平均熱伝達率(W/m2/K)
Num:平均ヌセルト数
λ:空気の熱伝導率(W/m/K)
L:代表長さ(m)
となる。
原子炉圧力容器(RPV)の外表面と炉容器冷却設備(RCCS)の外表面との間の平均熱伝達率は、de Vahl Davis,G.とThomas,R.W.の同心環状空間での内筒加熱、外筒冷却の場合の平均ヌセルト数の式を用い、代表長さは内筒加熱と外筒冷却の半径の差とすると、
Num=0.286×Ra0.258×Pr0.006×H-0.238×K0.442
Ra=Gr×Pr
L=ro−ri
Ra:レーリー数
Gr:グラスホフ数
Pr:プラントル数
H:アスペクト比
K:同心環状空間の外筒と内筒との半径比
l:同心環状空間高さ(m)
o:外筒半径(m)
i:内筒半径(m)
となる。
一方、ステファン・ボルツマン定数と放射率とから、ふく射による除熱量を以下の式で示すことができる。
RAD:ふく射による除熱量(W)
RAD:ふく射による平均熱伝達率(W/m2/K)
σ:ステファン・ボルツマン定数(W/m2/K4
12:原子炉圧力容器(RPV)と炉容器冷却設備(RCCS)と間の形態係数
ε1:原子炉圧力容器(RPV)の放射率
ε2:炉容器冷却設備(RCCS)の放射率
本実施形態では、炉容器冷却設備5を高温工学試験研究炉(HTTR:High Temperature Engineering Test Reactor)に組み込んだモデルを用いて解析を行っている。図1に示す炉心の中心から圧力容器室10bの一部である第1の領域P1、圧力容器室10bの一部及び冷却室5aの一部からなる第2の領域P2の境界までの距離は、
半径:3.86(m)
直径:7.72(m)
周長:24.2531(m)
高さ:16.8574(m)
伝熱面積:408.84(m2
となる。
また、要求される徐熱量、原子炉入口冷却材温度、及び原子炉圧力容器の温度はそれぞれ、
原子炉圧力容器(RPV)からの放熱量、すなわち炉容器冷却設備(RCCS)による徐熱量:800(kW)
原子炉入口冷却材温度:623.15(K)=350(℃)
原子炉圧力容器(RPV)の温度:673.15(K)=400(℃)
となる。
ここで、参考として、従来技術におけるポンプ等による水の強制流動を用いた炉容器冷却設備(RCCS)と、煙突効果による空気の自然対流を用いた炉容器冷却設備(RCCS)との場合について説明する。
ポンプ等による水の強制流動を用いた炉容器冷却設備(RCCS)では、
炉容器冷却設備(RCCS)の水の温度:約323.15(K)=50(℃)
炉容器冷却設備(RCCS)の構造物の温度:約373.15(K)=100(℃)
であり、
RCCS:炉容器冷却設備(RCCS)による徐熱量(W)
m:総括熱伝達率(W/m2/K)
RPV:原子炉圧力容器(RPV)の温度(K)
RCCS(1):炉容器冷却設備(RCCS)の構造物の温度(K)
A(1):伝熱面積(m2
WATER(1):水の強制流動による熱伝達率(W/m2/K)
WATER(1):水の温度(K)
となる。
原子炉圧力容器(RPV)の温度は673.15(K)=400(℃)であり、炉容器冷却設備(RCCS)の構造物の温度は373.15(K)=100(℃)である。このため、原子炉圧力容器(RPV)と炉容器冷却設備(RCCS)の構造物との温度差は300(K)で一定であり、総括熱伝達率も一定である。
また、煙突効果による空気の自然対流を用いた炉容器冷却設備(RCCS)では、
夏季の空気温度:313.15(K)=40(℃)
炉容器冷却設備(RCCS)の空気の温度:約313.15(K)=40(℃)
である。
原子炉圧力容器(RPV)の温度は673.15(K)=400(℃)であり、炉容器冷却設備(RCCS)の構造物の温度は373.15(K)=100(℃)である。このため、原子炉圧力容器(RPV)と炉容器冷却設備(RCCS)の構造物との温度差が300(K)で一定になり、総括熱伝達率も一定になるように、煙突効果を大きくしてダクト内の空気の速度を上昇させ、自然対流による熱伝達率を大きくする必要がある。
RCCS:炉容器冷却設備(RCCS)による徐熱量(W)
m:総括熱伝達率(W/m2/K)
RPV:原子炉圧力容器(RPV)の温度(K)
RCCS(1):炉容器冷却設備(RCCS)の構造物の温度(K)
A(1):伝熱面積(m2
AIR(1):煙突効果による空気の熱伝達率(W/m2/K)
AIR(1):大気(空気)の温度(K)
となる。なお、煙突効果による空気の自然対流を用いた炉容器冷却設備(RCCS)では、伝熱面積であるA(1)(m2)は変更することができないようになっている。
次に、本実施形態に係る炉容器冷却設備5による熱移動量について説明する。
圧力容器室10b内の流体である空気の温度、冷却室5a内の流体である空気の温度、炉容器冷却設備5の構造物自体の温度、夏季の外気温度、及び煙突効果が無い場合の空気の熱伝達率は、
圧力容器室内の気体(空気)の温度:573.15(K)=300(℃)
冷却室内の気体(空気)の温度:473.15(K)=200(℃)
炉容器冷却設備(RCCS)の構造物の温度:約373.15(K)=100(℃)
夏季の空気温度:313.15(K)=40(℃)
煙突効果がない場合の空気の熱伝達率:5(W/m2/K)
とする。
図1に示す圧力容器室10bの一部である第1の領域P1、圧力容器室10bの一部及び冷却室5aの一部からなる第2の領域P2、炉容器冷却設備5、及び大気である第3の領域P3の間の熱移動量は、それぞれ以下のようになる。
第1の領域P1から第2の領域P2への熱移動量Q12(W)は、第1の領域P1の熱伝達率をhAIR(1)(W/m2/K)、原子炉圧力容器2の温度をTRPV(K)、第2の領域P2の下部における流体の温度をTAIR(1)、第1の領域P1と第2の領域P2との境界の面積をA(1)(m2)とすると、
となる。
第2の領域P2から炉容器冷却設備5への熱移動量Q2RCCS(W)は、第2の領域P2の熱伝達率をhAIR(2)(W/m2/K)、第2の領域P2の上部における流体の温度をTAIR(2)(K)、炉容器冷却設備5の構造体自体の温度をTRCCS(2)(K)、第2の領域P2と炉容器冷却設備5の構造体自体との境界の面積をA(2)+A(3)+A(4)(m2)とすると、
となる。
炉容器冷却設備5から大気である第3の領域P3への熱移動量QRCCS3(W)は、第3の領域P3の熱伝達率をhAIR(3)(W/m2/K)、炉容器冷却設備5の構造体自体の温度をTRCCS(2)(K)、第3の領域P3における流体の温度をTAIR(3)(K)、炉容器冷却設備5の構造体自体と第3の領域P3との境界の面積をA(2)+A(3)+A(4)(m2)とすると、
となる。
以上の式から分かるように、炉容器冷却設備5を設けて圧力容器室10b及び冷却室5aからなる炉室を拡大することで、総括熱伝達率(W/m2/K)内の自然対流による平均熱伝達率を大きくすることができる。なお、炉室を拡大するだけでなく、炉容器冷却設備5の内側にフィン等を設けることによって第2の領域P2から炉容器冷却設備5の構造体自体へ熱が移動するときの伝熱面積を大きくすることができ、炉容器冷却設備5の外側にフィン等を設けることによって炉容器冷却設備5の構造体自体から大気である第3の領域P3へ熱が移動するときの伝熱面積を大きくすることができる。
図2は、本実施形態による徐熱の解析結果を示す図である。
この解析結果では、上述のパラメータに基づくモデルを用いており、図中軸線Cで軸対象なモデルとなっている。容器本体10aは、図2に示すように、断熱壁4で覆われており、炉容器冷却設備5のみ断熱がなされていない。炉容器冷却設備5は、図2では、800(kW)の徐熱量となるような高さに形成されているが、例えば、高さh1で形成すると徐熱量が約600(kW)となり、高さh2で形成すると徐熱量が約400(kW)となり、高さh3で形成すると徐熱量が約200(kW)となる。なお、炉容器冷却設備5にフィン等を設けることにより、同じ徐熱量を維持したまま炉容器冷却設備5の高さを低く抑えることができる。
図2に示す解析結果では、温度分布を符号t1乃至t7で領域分けしており、温度分布t1から温度分布t7にかけて次第に温度が下がり、温度分布t7が最も温度が低くなっている。
原子炉圧力容器2からの放熱は、原子炉圧力容器2の温度が400(℃)以下、原子炉圧力容器2におけるふく射による徐熱が約76%、自然対流による徐熱が約24%となっている。
一方、炉容器冷却設備5においては、軸線Cから離れる方向への炉容器冷却設備5からの放熱は、大気温度が40(℃)の時に、ふく射による徐熱が約65%、自然対流による徐熱が約35%となっており、軸線Cに向かう方向への炉容器冷却設備5からの放熱は、大気温度が40(℃)の時に、ふく射による徐熱が約64%、自然対流による徐熱が約36%となっている。
本実施形態では、格納容器10は、原子炉圧力容器2が格納される圧力容器室10bが内部に形成された容器本体10aと、容器本体10aの外側で容器本体10aに取り付けられ、内部に形成された冷却室5a内の流体を外部の流体と熱交換して、圧力容器室10bから冷却室5aに流入した流体を冷却する炉容器冷却設備5とを備えている。これにより、圧力容器室10b及び冷却室5aからなる空間は、ポンプ等による強制流動や煙突効果を用いる従来技術による格納容器よりも第2の領域P2の分だけ大きくなり、伝熱面積や総括熱伝達率(W/m2/K)における自然対流による平均熱伝達率を大きくして受動的な炉容器冷却設備5とすることができる。このため、ポンプ等による強制流動や煙突効果を用いることなく格納容器の冷却能力を向上させることができる。
また、本実施形態では、炉容器冷却設備5は、内部及び外部の少なくとも一方にフィンが設けられている。これにより、最終的なヒートシンクである大気と炉容器冷却設備5とが熱交換する伝熱面積を大きくできる。
さらに、本実施形態では、格納容器10は、原子炉圧力容器2と炉容器冷却設備5との間に、原子炉圧力容器2からの熱を反射するための反射板6が設けられている。これにより、格納容器10は、原子炉圧力容器2からふく射された熱を効率良く炉容器冷却設備5に伝達させることができる。
[2]第2実施形態
図3は、第2実施形態に係る格納容器を示す模式図である。第2実施形態に係る格納容器10は、炉容器冷却設備5の冷却室5aが鉛直に対して傾いた方向に延びているという構成が第1実施形態と異なっている。図3において、第1実施形態と略同様の構成は、同一の符号を付して重複する説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
第2実施形態に係る炉容器冷却設備5の冷却室5aは、図3に示すように、鉛直方向に対して傾いて形成されている。具体的には、冷却室5aは、冷却室5aが延びる方向に延びる仮想線Xが鉛直に伸びる軸線Cに対して角度θだけ傾いた方向に延びて原子炉圧力容器2と交わる位置に配置されている。この角度θは、例えば、15度乃至30度となっている。
本実施形態では、炉容器冷却設備5の冷却室5aは、鉛直に対して傾いた方向に延びて、冷却室5aが延びる方向に延びる仮想線Xが原子炉圧力容器2と交わる位置に配置されている。これにより、格納容器10は、原子炉圧力容器2でふく射により放出された熱が、格納容器10の中で反射せずに真っ直ぐ炉容器冷却設備5の冷却室5aに届くようになっている。このため、格納容器10のふく射による冷却能力をさらに向上させることができる。
[3]第3実施形態
図4は、第3実施形態に係る格納容器を示す模式図である。第3実施形態に係る格納容器10は、冷却室5aが原子炉圧力容器2に近づく程断面が大きくなるように形成されているという構成が第2実施形態と異なっている。図4において、第2実施形態と略同様の構成は、同一の符号を付して重複する説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
第3実施形態に係る炉容器冷却設備5の冷却室5aは、図4に示すように、鉛直方向に対して傾いて形成された上に、原子炉圧力容器2に近づく程断面が大きくなるように形成されている。具体的には、冷却室5aの断面は、原子炉圧力容器2の近傍では、原子炉圧力容器2の側面2aの全面と同程度以上の面積になっている。すなわち、第2実施形態よりも、ふく射により冷却室5aに真っ直ぐに到達する熱を多くすることができる。
本実施形態では、鉛直に対して傾いた方向に延びる炉容器冷却設備5の冷却室5aは、原子炉圧力容器2に近づく程断面が大きくなるように形成されている。これにより、格納容器10は、原子炉圧力容器2でふく射により放熱された熱が、格納容器10の中で反射せずに真っ直ぐ炉容器冷却設備5の冷却室5aに届くようになっている。このため、格納容器10のふく射による冷却能力をさらに向上させることができる。
[4]第4実施形態
図5は、第4実施形態に係る格納容器を示す模式図である。第4実施形態に係る格納容器20は、炉容器冷却設備15の冷却室15aが圧力容器室10bから水平方向に延びて形成されているという構成が第1乃至3実施形態と異なっている。すなわち、第4実施形態に係る格納容器20は、実質的に第3実施形態に係る格納容器10の冷却室5aをさらに傾けて水平にした構成になっている。図5において、第2実施形態と略同様の構成は、同一の符号を付して重複する説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
第4実施形態に係る炉容器冷却設備15は、図5に示すように、容器本体10aの側部に設けられている。炉容器冷却設備15の冷却室15aと容器本体10aの圧力容器室10bとは、例えば、境界線Aを境に分かれている。
冷却室15aの底部は、パラボラアンテナのような形状の放物曲面16で形成されている。この放物曲面16は、ふく射された熱を反射するようになっており、原子炉圧力容器2からふく射された熱を上方に反射させるように設けられている。なお、放物曲面16は、原子炉圧力容器2からふく射により放出されたほとんどの熱を上方に反射可能な形状に形成されている。
冷却室15aの上部は、外部に露出する熱交換面15bが形成されている。炉容器冷却設備15は、この熱交換面15bで冷却室15a内の流体と外部の流体とで熱交換して、圧力容器室10bから冷却室15aに流入した流体を冷却するようになっている。熱交換面15bは、表面積を拡大して放熱性を向上させるべく、内部の冷却室15a内を流れる流体と接するフィン、及び、外部を流れる流体と接する図示せぬフィンが設けられている。熱交換面15bは、圧力容器室10bの天井面と同じかより高い位置に設けられており、これにより圧力容器室10b内を対流した熱が熱交換面15bまで対流可能になっている。
圧力容器室10bの底部は、冷却室15aの放物曲面16と同様の放物曲面10dで形成されている。この放物曲面10dは、冷却室15aの放物曲面16と略連続する放物曲面で形成されている。放物曲面10dは、ふく射された熱を反射するようになっており、原子炉圧力容器2からふく射された熱を冷却室15aの熱交換面15bに向けて反射させるように設けられている。なお、放物曲面10dは、原子炉圧力容器2から下方に向けてふく射により放出されたほとんどの熱を熱交換面15bに反射可能な形状に形成されている。
炉容器冷却設備15は、放物曲面16及び熱交換面15bが設けられていることにより、原子炉圧力容器2からのふく射熱を効率良く外部の流体と熱交換することができるようになっている。具体的には、例えば、原子炉圧力容器2の下端の点Pでふく射された熱は、図中矢印Rで示すように、放物曲面16で上方に向けて反射されて熱交換面15bに到達し、熱交換面15bで外部の流体と熱交換するようになっている。
一方、炉容器冷却設備15は、原子炉圧力容器2から対流によって放出された熱は上方に対流した後に圧力容器室10bの天井面及び冷却室15aの天井面で水平方向に広がり、冷却室15aの熱交換面15bで外部の流体と熱交換するようになっている。
本実施形態では、冷却室15aの底部が放物曲面16で形成されているとともに、圧力容器室10bの底部が放物曲面10dで形成されている。これにより、格納容器10は、原子炉圧力容器2でふく射により放出された熱のほとんどを放物曲面16,10bで反射させて炉容器冷却設備15の熱交換面15bに届くようにすることができる。このため、格納容器10のふく射による冷却能力をさらに向上させることができる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1乃至3実施形態では、格納容器10の底部を平面としているが、第4実施形態のような放物曲面としてもよい。
1 炉心
2 原子炉圧力容器
3 遮へい体
4 断熱壁
5 炉容器冷却設備(冷却部)
5a 冷却室
6 反射板
10 格納容器
10a 容器本体
10b 圧力容器室
10c 壁部
10d 放物曲面
15 炉容器冷却設備(冷却部)
15a 冷却室
15b 熱交換面
16 放物曲面
20 格納容器

Claims (3)

  1. 原子炉圧力容器を格納するための格納容器において、
    前記原子炉圧力容器が格納される圧力容器室が内部に形成された容器本体と、
    前記容器本体よりも放熱性が高く、前記圧力容器室よりも上方で外部に露出するように前記容器本体に設けられ、前記圧力容器室と連通する冷却室が内部に形成され、前記冷却室内の空気と外部の空気とで熱交換して、前記原子炉圧力容器により加熱されて前記圧力容器室から前記冷却室内に流入した空気を冷却する冷却部と、を備え、
    前記冷却室は、前記容器本体から鉛直に対して傾いた方向に延びて形成されるとともに、前記冷却室が延びる方向に延びる仮想線が前記原子炉圧力容器と交わるように配置されたことを特徴とする格納容器。
  2. 請求項に記載の格納容器において、
    前記冷却室は、前記原子炉圧力容器に近づく程断面が大きくなるように形成されていることを特徴とする格納容器。
  3. 請求項またはに記載の格納容器において、
    前記冷却部は、内部を流れる空気、及び、外部を流れる空気の少なくとも一方と接するフィンが設けられたことを特徴とする格納容器。
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