JP6074527B2 - エピタキシャル成長用基板及びその製造方法、並びに超電導線材用基板 - Google Patents

エピタキシャル成長用基板及びその製造方法、並びに超電導線材用基板 Download PDF

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Description

本発明は、エピタキシャル成長用基板及びその製造方法に関する。また、エピタキシャル成長用基板を用いた超電導線材用基板に関する。
従来、Y系酸化物超電導線材等の超電導線材は、金属基板上に、中間層として酸化セリウム(CeO)、ジルコニア添加酸化イットリウム(YSZ)、酸化イットリウム(Y)等の酸化物層をスパッタリング法等によってエピタキシャル成長させ、さらにその上に、超電導化合物層(RE123膜、RE:Y、Gd、Ho等)をレーザーアブレーション法等によりエピタキシャル成長させて製造している。
結晶配向した超電導化合物層を得るための技術として、ハステロイ等の無配向金属基板の上に配向中間層を成膜することで、超電導化合物層に結晶配向を引き継がせるイオン・アシスト・ビーム成膜法(IBAD法)や、2軸結晶配向した金属基板を用いることで、中間層、超電導化合物層と結晶配向を引き継がせて成膜する方法(RABiTS法等)が知られている。成膜速度等、将来の生産効率を考慮した場合、後者の方法が有利であるが、超電導特性を向上させるには、金属基板を高度に2軸結晶配向させることが必要となる。
このような金属基板(超電導線材用基板)として、ステンレス基板上に結晶配向した銅を積層させ、その上にさらにニッケルを積層させた基板が知られている。例えば、(特許文献1)には、少なくとも片面に銅箔等の配向化金属層を有するエピタキシャル膜形成用配向基板において、前記配向化金属層の表面上に、ニッケル等の金属薄膜からなり1〜5000nmの厚さの配向性改善層を備え、前記配向化金属層表面における配向度(Δφ及びΔω)と、前記配向性改善層表面における配向度(Δφ及びΔω)との差が、いずれも0.1〜3.0°であることを特徴とするエピタキシャル膜形成用配向基板が開示されている。
また、2軸結晶配向した金属基板の製造方法として、(特許文献2)には、ステンレス等からなる非磁性の金属板と、高圧下率で冷間圧延されたCuもしくはCu合金からなる金属箔とを表面活性化接合にて積層し、積層後、熱処理により前記金属箔を2軸結晶配向させた後、前記金属箔側表面にNiもしくはNi合金のエピタキシャル成長膜を付与させる酸化物超電導線材用金属積層基板の製造方法が開示されている。
特開2009−46734号公報 特開2010−118246号公報
2軸結晶配向したCu層上にNi又はNi合金を成膜する方法として、めっきによる方法が知られている。結晶配向性の高いNi層を生成するには、一般に低電流密度(1〜4A/dm)でめっきを行う必要があるが、低電流密度ではめっき処理に要する時間が長くなって生産性が低下し、特に、長尺の金属基板をリールtoリールで生産する場合には、積層材である金属基板の過熱が起こり得るという問題点があった。そのため、結晶配向性を保持しつつ、電流密度を上げて生産効率を向上させることができる作製条件の確立が望まれていた。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、Cu層上に設けられるNi等のめっき皮膜(保護層)内に生ずる歪に着目し、このめっき歪の値が所定の範囲内になるよう制御した場合に高い結晶配向性を保持できることを見出し、発明を完成した。すなわち本発明の要旨は以下の通りである。
(1)2軸結晶配向したCu層上にNi又はNi合金からなる保護層を設ける工程を含むエピタキシャル成長用基板の製造方法であって、
前記Cu層のX線回折による(111)極点図でのφスキャンピーク(α=35°)の半値幅ΔφがΔφ≦5.5°であり、
前記保護層はめっき処理により形成され、
前記保護層のめっき歪εが15×10−6以下であり、
前記めっき処理を行う際の電流密度が10A/dm以上である、前記製造方法。
(2)前記Ni又はNi合金からなる保護層のΔφが6°以下である前記(1)に記載のエピタキシャル成長用基板の製造方法。
(3)めっき処理が、スルファミン酸浴を用いて行われ、pH3.5〜4.5、浴温40〜70℃、電流密度10〜35A/dmにて施される前記(1)又は(2)に記載のエピタキシャル成長用基板の製造方法。
(4)めっき処理が、ワット浴を用いて行われ、pH4〜5、浴温40〜60℃、電流密度10〜25A/dmにて施される前記(1)又は(2)に記載のエピタキシャル成長用基板の製造方法。
(5)非磁性の金属板上にCu層を積層させる工程と、Cu層の2軸結晶配向性を向上させる工程と、2軸結晶配向性を向上させたCu層上に、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のエピタキシャル成長用基板の製造方法によりNi又はNi合金からなる保護層を設ける工程とを含む超電導線材用基板の製造方法。
本発明のエピタキシャル成長用基板及び超電導線材用基板は、結晶配向したCu層上に設けられる保護層のめっき歪εを15×10−6以下に規定したことにより、高い結晶配向性の保持と、電流密度を上げて生産効率を向上させることとの両立を可能にする。
各実施例における保護層のめっき歪εと2軸結晶配向度Δφとの関係を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエピタキシャル成長用基板は、Cu層と、そのCu層上に設けられた保護層とを有し、保護層のめっき歪εが15×10−6以下であることを特徴とする。ここで、めっき歪とは、金属板等の下地にめっき処理を施した場合に、めっき皮膜内に生ずる歪(ひずみ)の度合いを表し、下記式により定義される値である。
ε=ΔR/(R・K)
(式中、ΔR:伸縮による抵抗変化、R:ひずみゲージの元の抵抗値、K:ゲージ率、ε:めっき歪)
Cu層は、その上に保護層を設け、さらに中間層及び超電導化合物層をエピタキシャル成長によって積層させて超電導線材を製造するため、高度に2軸結晶配向している必要がある。具体的には、Cu層の結晶配向性は、X線回折による(111)極点図でのφスキャンピーク(α=35°)の半値幅(Δφ)を指標として、Δφ≦5.5°、好ましくはΔφ≦5.2°、さらに好ましくはΔφ≦5°であることが好ましい。
このようなCu層としては、Cu箔が好ましく用いられる。Cu層の厚さは、Cu層自体の強度を確保するとともに、後に超電導線材を加工する際の加工性を良好にするため、通常7μm以上50μm以下とすることが好ましい。
Cu層を高度に2軸結晶配向させる方法としては、例えば、90%以上の高圧下率で冷間圧延を行ない、Cu層全体に均一な歪みを与えた後、熱処理により再結晶させる方法を用いることができる。圧下率が90%未満であると、後に行う熱処理によって十分な2軸結晶配向が得られない恐れがある。このような高圧下圧延Cu箔は、一般的にも入手可能であり、例えば、JX日鉱日石金属(株)製の高圧下圧延Cu箔(HA箔(商品名))や、日立電線(株)製の高圧下圧延Cu箔(HX箔(商品名))等がある。
熱処理温度は、再結晶を完全に完了させるため、150℃以上の温度が必要である。熱処理温度が高過ぎると、Cu層が2次再結晶を起こしやすくなり、結晶配向性が悪化するため、通常1000℃以下とすることが好ましい。より好ましくは600℃〜900℃である。また、熱処理時間は、その他の条件によって異なるが、1〜10分程度とすることが適当である。このような熱処理は、後述するように、実際には、超電導線材用基板を製造する過程において、Cu層と非磁性の金属板とを表面活性化接合法等により貼り合わせた後に行うことが好ましい。
また、Cu層には、熱処理によって2軸結晶配向性をより向上させるため、1%以下程度の微量の元素を含有させても良い。このような添加元素としては、Ag、Sn、Zn、Zr、O及びN等から選択される一種以上の元素が挙げられる。これらの添加元素とCuとは固溶体を形成するが、添加量が1%を超えると固溶体以外の酸化物等の不純物が増加してしまい、結晶配向性に悪影響を及ぼす恐れがある。
2軸結晶配向したCu層の上に、めっきにより保護層を形成して本発明のエピタキシャル成長用基板を得ることができる。このような保護層の材料としては、Ni又はNi合金から構成されるのが好ましい。Niを含む保護層はCu層よりも耐酸化性に優れ、また保護層が存在することによって、その上にCeO等の中間層を形成する際に、Cuの酸化膜が生成して結晶配向性が崩れることを防止することができる。Ni合金の含有元素としては、磁性が低減されるものが好ましく、例としてCu、Sn、W、Cr等の元素が挙げられる。また、結晶配向性に悪影響を及ぼさない範囲であれば、不純物を含んでいても良い。
Ni又はNi合金等からなる保護層の厚さは、薄過ぎるとその上に中間層、超電導化合物層を積層する際にCuが拡散する可能性があり、また厚過ぎると保護層の結晶配向性が崩れ、めっき歪も増大するため、これらを考慮して適宜設定される。具体的には、1μm以上5μm以下とすることが好ましい。
めっき処理は、保護層のめっき歪εが15×10−6以下となるような条件を適宜採用して行うことができる。例えば、保護層としてNi層を形成する場合は、めっき浴として従来知られたワット浴やスルファミン酸浴を用いて行うことができる。特に、スルファミン酸浴は、保護層のめっき歪を小さくしやすいため好適に用いられる。めっき歪εを15×10−6以下にするための、めっき浴組成の好ましい範囲は以下の通りである。
ワット浴
硫酸ニッケル 200〜300g/l
塩化ニッケル 30〜60g/l
ホウ酸 30〜40g/l
pH 4〜5
浴温 40〜60℃
スルファミン酸浴
スルファミン酸ニッケル 200〜600g/l
塩化ニッケル 0〜15g/l
ホウ酸 30〜40g/l
添加剤 適量
pH 3.5〜4.5
浴温 40〜70℃
めっき処理を行う際の電流密度は、保護層のめっき歪εを15×10−6以下にすることができれば特に限定されるものではなく、めっき処理に要する時間とのバランスを考慮して適宜設定される。具体的には、例えば、保護層として2μm以上のめっき皮膜を形成する場合、低電流密度であるとめっき処理に要する時間が長くなり、その時間を確保するためにラインスピードが遅くなって、生産性が低下したり、めっきの制御が困難になる場合があるため、通常、電流密度を10A/dm以上とすることが好ましい。また、電流密度を高くするとそれに伴ってめっき歪が増大するが、保護層のめっき歪εを15×10−6以下に抑えるには、好適な電流密度の範囲はめっき浴の種類によって異なり、例えばワット浴であれば25A/dm以下、スルファミン酸浴であれば35A/dm以下とすることが好ましい。一般に、電流密度が35A/dmを超えると、所謂めっき焼けによって良好な結晶配向が得られない場合がある。
形成した保護層は、めっき条件等によって表面にマイクロピットが発生する場合がある。その場合、必要に応じて、めっき後にさらに熱処理による平均化を行ない、表面を平滑にすることができる。その際の熱処理温度は、例えば700〜1000℃とすることが好ましい。
以上のような、Cu層と保護層とを有するエピタキシャル成長用基板は、さらに非磁性の金属板と積層させることにより、超電導線材用基板を得ることができる。この超電導線材用基板を製造する際には、実際には、まず高圧下率で圧延したCu層を非磁性金属板と貼り合わせ、続いて熱処理を行いCu層の2軸結晶配向性を向上させた後に、めっきによりCu層上に保護層を形成して製造することが好ましい。
非磁性とは、77K以上で強磁性体ではない、すなわちキュリー点やネール点が77K以下に存在し、77K以上の温度では常磁性体又は反強磁性体となる状態をいう。非磁性の金属板としては、ニッケル合金やオーステナイト系ステンレス鋼板が、強度に優れ補強材としての役割を有することから好ましく用いられる。
一般に、オーステナイト系ステンレス鋼は、常温では非磁性の状態、すなわち金属組織が100%オーステナイト(γ)相であるが、強磁性体であるマルテンサイト(α’)相変態点(Ms点)が77K以上に位置している場合、液体窒素温度で強磁性体であるα’相が発現する可能性がある。そのため、液体窒素温度(77K)下で使用される超電導線材用基板としては、Ms点が77K以下に設計されているものが好ましく用いられる。
使用するγ系ステンレス鋼板としては、Ms点が77Kより十分に低く設計された安定なγ相を有し、且つ一般に普及し、比較的安価に入手できるという点から、SUS316やSUS316L、SUS310やSUS305等の板材が好ましく用いられる。これらの金属板の厚さは、通常20μm以上であれば適用可能であり、超電導線材の薄肉化及び強度を考慮すると、50μm以上100μm以下であることが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。
上記非磁性の金属板とCu層とを積層させるに際しては、表面活性化接合法等の従来知られた手法を適宜用いて行うことができる。表面活性化接合法では、非磁性金属板及びCu層のそれぞれの表面を、例えば10〜1×10−2Pa程度の極低圧不活性ガス雰囲気中でスパッタエッチング処理を行なうことにより表面吸着層及び表面酸化膜を除去して活性化させ、その後、活性化した2つの面同士を例えば0.1〜5%の圧下率で冷間圧接することにより接合する。冷間圧接の際は、活性化処理された表面が再酸化されて密着性に悪影響を及ぼさないよう、1×10−2Pa以下の高真空下で行うことが好ましい。
また、保護層の上にさらにエピタキシャル成長によって積層させる中間層及び超電導化合物層の結晶配向性を良好に維持するため、必要に応じて、非磁性金属板とCu層とを接合させた後、Cu層の表面粗度Raを低減するための処理を行っても良い。具体的には、圧延ロールによる圧下、バフ研磨、電解研磨、電解砥粒研磨等の方法を用いることができ、これらの方法により、表面粗度Raを例えば40nm以下、好ましくは10nm以下にすることが望ましい。
なお、2軸結晶配向したCu層及び保護層は、非磁性の金属板の片面のみに積層させても良く、あるいは金属板の両面に積層させても良い。
以上のような超電導線材用基板における保護層の上に、従来の方法に従って中間層及び超電導化合物層を順次積層することにより、超電導線材を製造することができる。具体的には、めっきにより形成した保護層の上に、CeO、YSZ、SrTiO、MgO、Y等の中間層をスパッタリング法等の手段を用いてエピタキシャル成膜し、さらにその上にY123系等の超電導化合物層をレーザーアブレーション法等により成膜することによって超電導線材を得ることができる。必要に応じて、超電導化合物層の上にさらにAg、Cu等からなる保護膜を設けても良い。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5及び比較例1)
まず、銅からなる標準試験片(株式会社山本鍍金試験器製、裏面はマスキングされ、歪ゲージが付いている)をカソードとして、表1に示すめっき条件にてニッケルめっきを施し、歪ゲージ式精密応力計(B−72−SG、株式会社山本鍍金試験器製)を用いて、めっき皮膜内のめっき歪εを測定した。なお、ニッケルめっき厚は2.5μmとし、めっき浴温はワット浴が60℃、スルファミン酸浴が70℃、めっき浴のpHはワット浴、スルファミン酸浴ともにpH4に設定した。また、各実施例及び比較例で用いたワット浴及びスルファミン酸浴の組成は下記の通りである。
ワット浴
硫酸ニッケル 300g/l
塩化ニッケル 45g/l
ホウ酸 30g/l
スルファミン酸浴
スルファミン酸ニッケル 450g/l
塩化ニッケル 5g/l
ホウ酸 30g/l
添加剤(ピットレスS) 5ml/l
次に、カソードの標準試験片を、非磁性金属板であるSUS316Lと高圧下率で冷間圧延したCu箔との積層材に変更した以外は、上記と全く同じ条件にてCu箔上にニッケルめっきを施した。すなわち、積層材と標準試験片の大きさを同一とし、Cu箔を設けないSUS316Lの裏面にはマスキングを行った。なお、SUS316LとCu箔とを積層させた後、850℃で5分間の熱処理を行ない、Cu箔を2軸結晶配向させた。Cu箔の2軸結晶配向度Δφは4.2°であった。
ニッケルめっきを行った後、それぞれのめっき皮膜(保護層)の2軸結晶配向度ΔφをX線回折によりCu層と同様に測定した。その結果を表1及び図1に示す。
Figure 0006074527
表1及び図1から明らかなように、保護層のめっき歪εを15×10−6以下に制御することにより、Δφが6°以下のものが安定的に得られた。保護層のΔφを低く抑えることにより、その上にエピタキシャル成長によって中間層及び超電導化合物層を積層させたときに、高い臨界電流密度が期待できるため有利である。特に、めっき浴としてスルファミン酸浴を採用した場合(実施例3〜5)には、ワット浴の場合に比べて電流密度を高くしても低めっき歪となり、生産効率の観点から好ましい。

Claims (5)

  1. 2軸結晶配向したCu層上にNi又はNi合金からなる保護層を設ける工程を含むエピタキシャル成長用基板の製造方法であって、
    前記Cu層のX線回折による(111)極点図でのφスキャンピーク(α=35°)の半値幅ΔφがΔφ≦5.5°であり、
    前記保護層はめっき処理により形成され、
    前記保護層のめっき歪εが15×10−6以下であり、
    前記めっき処理を行う際の電流密度が10A/dm以上である、前記製造方法。
  2. 前記Ni又はNi合金からなる保護層のΔφが6°以下である請求項1に記載のエピタキシャル成長用基板の製造方法。
  3. めっき処理が、スルファミン酸浴を用いて行われ、pH3.5〜4.5、浴温40〜70℃、電流密度10〜35A/dmにて施される請求項1又は2に記載のエピタキシャル成長用基板の製造方法。
  4. めっき処理が、ワット浴を用いて行われ、pH4〜5、浴温40〜60℃、電流密度10〜25A/dmにて施される請求項1又は2に記載のエピタキシャル成長用基板の製造方法。
  5. 非磁性の金属板上にCu層を積層させる工程と、Cu層の2軸結晶配向性を向上させる工程と、2軸結晶配向性を向上させたCu層上に、請求項1〜4のいずれかに記載のエピタキシャル成長用基板の製造方法によりNi又はNi合金からなる保護層を設ける工程とを含む超電導線材用基板の製造方法。
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