JP6072030B2 - 鉄−マンガン全率固溶体を含むアルミニウム合金及びその製造方法 - Google Patents

鉄−マンガン全率固溶体を含むアルミニウム合金及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム合金及びその製造方法に係り、より詳細には、アルミニウム基地に鉄−マンガン全率固溶体(complete solid solution)を形成させたアルミニウム合金及びその製造方法に関する。
アルミニウム合金において、合金元素(alloying elements)は、多様な目的として添加される。このような合金元素は、鋳造品質に影響を及ぼすか、または合金組織に影響を及ぼしうる。したがって、鋳造品質の向上または合金組織制御の目的として合金元素の種類及び形態を制御する必要がある。
例えば、鋳造品質面から見れば、鉄は、アルミニウム合金と鉄系合金とで製造された金型の焼着防止のために添加されうる。しかし、鉄は、アルミニウム合金の耐蝕性を弱化させるために、その添加がさらに制限されうる。このような点で、アルミニウム合金に鉄を添加して金型の焼着を防止しながらも、耐蝕性の低下を防止する必要がある。
他の例として、合金組織面から見れば、通常の耐熱アルミニウム合金は、アルミニウム基地に鉄などを添加して、アルミニウムとこれら合金元素の金属間化合物とを分散制御することによって、耐熱特性を具現している。このような金属間化合物は、液相から固相への凝固時に、アルミニウム基地に晶出させるか、またはアルミニウム合金の熱処理を通じてアルミニウム基地に析出させうる。
しかし、このようなアルミニウム合金は、200℃以上の環境で耐熱特性が低下する問題点がある。このようなアルミニウム合金が、200℃以上で長期間保持された場合、晶出または析出された金属間化合物が熱力学的平衡を保持するために、基地であるアルミニウムと反応して、新たな中間相を形成するか、このような金属間化合物が粗大化されることによって、クラック(crack)の発生及び転移が起こる。
本発明は、従来の問題点を解決するために案出されたものであって、アルミニウム基地内に鉄−マンガン全率固溶体を含むアルミニウム合金及びその製造方法を提供する。
このような本発明の課題は、例示的に提示され、したがって、本発明が、このような課題に制限されるものではない。
本発明の一観点によるアルミニウム合金の製造方法が提供される。鉄−マンガン合金粉末を提供する。前記鉄−マンガン合金粉末をアルミニウム溶湯に投入する。前記アルミニウム溶湯を金型鋳造して、鉄−マンガン全率固溶体を含むアルミニウム合金を製造する。
前記製造方法において、前記鉄−マンガン合金粉末は、アトマイズ(atomize)法を用いて製造可能である。
前記製造方法は、前記投入する段階後、前記鉄−マンガン合金粉末の少なくとも一部を前記アルミニウム溶湯内で溶解させる段階をさらに含みうる。さらに、前記溶解させる段階は、プラズマアーク溶解法または真空誘導溶解法を利用できる。
前記製造方法において、前記アルミニウム溶湯は、母材であるアルミニウム以外に添加元素として銅及びシリコンを含みうる。
前記製造方法において、前記アルミニウム溶湯は、母材であるアルミニウム以外に添加元素としてシリコン及びマグネシウムを含みうる。
本発明の他の観点によれば、アルミニウム基地と、前記アルミニウム基地上に分布された鉄−マンガン全率固溶体と、を含むアルミニウム合金であって、前記アルミニウム合金は、鉄とマンガンとが全率固溶体を形成せず、アルミニウムと化合物を形成する同一組成の他のアルミニウム合金よりもさらに高い延伸率を有するアルミニウム合金が提供される。
本発明のさらに他の観点によるアルミニウム合金の製造方法が提供される。第1含量の鉄−マンガン全率固溶体を含む1次アルミニウム合金を提供する。前記1次アルミニウム合金をアルミニウム溶湯に溶解させる。前記アルミニウム溶湯を鋳造して、前記第1含量よりも小さな第2含量の鉄−マンガン全率固溶体を含む2次アルミニウム合金を製造する。
前記製造方法において、前記1次アルミニウム合金を提供する段階は、第1アルミニウム溶湯に鉄及びマンガンを投入して溶解させる段階と、前記第1アルミニウム溶湯を鋳造する段階と、を含みうる。
前記製造方法において、前記1次アルミニウム合金を提供する段階は、鉄粉末及びマンガン粉末を混合して粉末混合体を形成する段階と、第1アルミニウム溶湯に前記粉末混合体を投入して溶解させる段階と、前記第1アルミニウム溶湯を鋳造する段階と、を含みうる。
前記製造方法において、前記1次アルミニウム合金を提供する段階は、アルミニウム−鉄母合金及びアルミニウム−マンガン母合金を提供する段階と、第1アルミニウム溶湯に前記アルミニウム−鉄母合金及びアルミニウム−マンガン母合金を投入して溶解させる段階と、前記第1アルミニウム溶湯を鋳造する段階と、を含みうる。
前記製造方法において、前記1次アルミニウム合金を提供する段階は、鉄−マンガン合金を提供する段階と、第1アルミニウム溶湯に前記鉄−マンガン合金を投入して溶解させる段階と、前記第1アルミニウム溶湯を鋳造する段階と、を含みうる。
本発明のさらに他の観点によるアルミニウム合金の製造方法が提供される。鉄粉末及びマンガン粉末を混合して粉末混合体を形成する。アルミニウム溶湯に前記粉末混合体を投入して溶解させる。前記アルミニウム溶湯を鋳造して、アルミニウム基地内に鉄−マンガン全率固溶体が分布されたアルミニウム合金を製造する。
前記製造方法において、前記粉末混合体を形成する段階は、前記鉄粉末及び前記マンガン粉末をミーリング装置に投入して混合する段階と、前記混合された粉末をスクリーニングする段階と、を含みうる。
本発明の一実施形態によるアルミニウム合金は、高温でもアルミニウム基地と反応しない鉄−マンガン全率固溶体を含んでいて、高温でも卓越した耐熱特性を有する。したがって、従来の耐熱アルミニウム合金の限界で適用することができなかったディーゼルエンジンのピストン及び航空機部品に適用することによって、軽量化効果を極大化し、現在使っている自動車エンジンの耐熱限界を高めて、燃費向上を追求することができる。
本発明の一実施形態によるアルミニウム合金の製造方法によれば、鉄−マンガン合金粉末を用いてアルミニウム合金を製造することによって、効果的に鉄−マンガン全率固溶体をアルミニウム基地内に分散させることができる。これにより、鉄がマンガンと全率固溶体を形成することによって、鋳造時に、鉄の添加による有害作用を抑制することができる。
本発明の一実施形態によるアルミニウム合金の製造方法によれば、鉄−マンガン全率固溶体を含む母合金を製造した後、これを産業現場で希釈化して使うことができるので、量産が容易になる。
本発明の実施形態によるアルミニウム合金の安定した高温挙動を示す概念図である。 鉄−マンガンの二元系状態図を示した図面である。 本発明の一実施形態によるアルミニウム合金の製造方法を示すフローチャートである。 実験例1による試片の微細組織を光学顕微鏡で観察した結果である。 実験例1による試片をEPMA(Electron Probe Micro−Analyzer)で分析した写真である。 実験例1による試片を300℃で200時間熱処理した後、該熱処理された試片の微細組織を光学顕微鏡で観察した写真である。 実験例1による試片を再溶融後、鋳造した試片の微細組織を光学顕微鏡で観察した写真である。 実験例2による試片に対する合金元素の含量による全率固溶体の平均サイズを示すグラフである。 実験例3によるアルミニウム合金の微細組織を光学顕微鏡で観察した写真である。 本発明の実験例によるアルミニウム合金に対するXRD(X線回折)ピークと標準カード上のXRDピークとを比較した図面である。 実験例4によるアルミニウム合金の組織写真を示す。 比較例1によるアルミニウム合金の組織写真を示す。 実験例5によるアルミニウム合金の組織写真を示す。 比較例2によるアルミニウム合金の組織写真を示す。 比較例及び実験例によるアルミニウム合金溶湯内の金型素材の浸漬特性を示す写真である。
以下、添付した図面を参照して、本発明による望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な側面として具現でき、単に本実施形態は、本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
本発明の実施形態で、アルミニウム合金は、主元素であるアルミニウムに1つまたはそれ以上の合金元素が添加された合金を称することができる。また、アルミニウム溶湯は、純粋アルミニウムからなる溶湯または純粋アルミニウムに1つまたはそれ以上の合金元素が添加されたアルミニウム合金の溶湯を含む広い意味として使われる。
本発明の実施形態で、全率固溶体とは、何れか1つの合金元素が実質的にあらゆる組成範囲で他の合金元素に固溶される合金を称することができる。
図1は、本発明の実施形態によるアルミニウム合金の高温挙動を概略的に示す概念図である。
図1を参照すれば、アルミニウム合金100は、アルミニウム基地101に別個の相を成しながら分布された全率固溶体102を含む。全率固溶体102を成す合金元素は、アルミニウムに対して実質的に固溶度を有していない。このような合金元素として鉄とマンガンとが選択されうる。すなわち、鉄及びマンガンは、アルミニウムに対して実質的に固溶度が存在しない。また、鉄とマンガンは、互いに全率固溶体を成し得る。
図2に示したように、鉄とマンガンは、互いに全率固溶体を形成し、アルミニウムの融点である660℃よりも顕著に高い1800℃でも全率固溶体が固相で安定して存在していることを確認することができる。
すなわち、鉄−マンガン全率固溶体102は、アルミニウムの融点以上までも安定した単相を保持することができるので、このような鉄−マンガン全率固溶体102が、アルミニウム基地101に分布される場合、アルミニウムの融点付近の高い温度を表わす環境でも鉄−マンガン全率固溶体102が分解されず、安定した単相を保持する。
アルミニウム合金100で、このような鉄−マンガン全率固溶体102は、アルミニウム基地101上に分布し、200℃以上の高温でもアルミニウム基地101と全く反応しない安定した強化相で存在するために、分解や、粗大化されない。また、アルミニウムの融点まで加熱しても、全率固溶体102が安定して存在するので、アルミニウム合金100を再溶融後、再び凝固しても、既形成された全率固溶体102の強化相が安定して存在することができる。
アルミニウム合金100で、鉄−マンガン全率固溶体102の含量は、多様な範囲を有し、例えば、0.5重量%ないし40重量%の範囲を有しうる。さらに、全率固溶体102の含量は、後述するように、その平均サイズを考慮して、0.5重量%超過10重量%未満の範囲を有しうる。さらに、全率固溶体102の含量は、アルミニウム合金100の鋳造時に、溶湯の流動性を考慮して、2重量%以内、特に、1重量%以内に制限されうる。
鉄−マンガン全率固溶体102において、鉄とマンガンは、全率固溶体を形成する元素であるために、組成比に対して特に限定されるものではない。例えば、鉄の含量が10重量%ないし9重量%の範囲であり、残りがマンガンからなりうる。
本発明の一実施形態によるアルミニウム合金の製造方法によれば、前記合金は、アルミニウムを溶解したアルミニウム溶湯に合金元素として鉄とマンガンとをそれぞれ添加して製造することができる。この際、添加された鉄及びマンガンは、アルミニウム溶湯内で溶解されながら互いに結合して、全率固溶体を形成する。
添加された鉄及びマンガンが、アルミニウム溶湯内での溶解が完了すれば、これを鋳型を用いて鋳造することによって、鉄−マンガン全率固溶体強化型アルミニウム合金を製造することができる。この際、添加される鉄及びマンガンは、塊状形態、粒子形態、または粉末形態を有しうる。
鉄及びマンガンが粉末形態である場合には、それぞれの粉末を混合して粉末混合体を製造した後、前記粉末混合体をアルミニウム溶湯に投入することができる。粉末混合体において、鉄粉末とマンガン粉末との含量は、全率固溶体形成を考慮して多様に選択されうる。例えば、鉄粉末対マンガン粉末の含量は、重量比で1:9ないし9:1の範囲であり得る。
例えば、鉄及びマンガン粉末をミーリング(milling)装置に投入した後、10分ないし1時間程度混合を行う。次に、ミーリング装置で鉄及びマンガン粉末が互いに混合された粉末混合体を取り出した後、これをスクリーニング(screening)して一定の粒子サイズの範囲に含まれる粉末混合体を抽出する。次に、スクリーニングされた粉末混合体を添加物としてアルミニウム溶湯に添加する。この際、粉末混合体を適正なサイズにパッキング(packing)して使うことができる。
他の実施形態として、鉄とマンガンとをアルミニウム溶湯にそれぞれ添加する代わりに、鉄及びマンガンをあらかじめ溶解して製造された鉄−マンガン合金を準備した後、このような鉄−マンガン母合金をアルミニウム溶湯に投入して鋳造することによって、アルミニウム合金を製造することができる。この場合、溶湯の鋳造前に鉄−マンガン合金の少なくとも一部を溶湯内に溶解させることもできる。後述するように、適切な溶解方法を利用した場合、鉄−マンガン合金の実質的な全部を溶湯内で溶解させることもできる。
一方、鉄−マンガン合金は、さまざまな形態で製造可能であり、例えば、アトマイズ法によって鉄−マンガン合金粉末形態で製造可能である。例えば、鉄とマンガンとを溶かして鉄−マンガン溶湯を形成した後、このような溶湯に冷たいガスまたは水を噴霧することによって、微小サイズを有し、全率固溶体を成す鉄−マンガン合金粉末を形成しうる。これにより、鉄−マンガン合金粉末があらかじめ提供されるならば、アルミニウム溶湯内にこのような合金粉末を投入後、これを溶解させずにアルミニウム溶湯を鋳造して、鉄−マンガン全率固溶体がアルミニウム基地に分布されたアルミニウム合金を経済的に製造することができる。
但し、本実施形態の変形された例で、鉄−マンガン全率固溶体粒子のサイズなどを調節するために、アルミニウム溶湯の鋳造前に鉄−マンガン合金粉末の少なくとも一部をアルミニウム溶湯内で溶解させる段階を付け加えることもできる。
このような合金で、アルミニウム溶湯内には、母材であるアルミニウム以外に添加元素として多様な元素が含有されうる。アルミニウムが母材という意味は、少なくともアルミニウムが合金内に50%以上含有されることを意味する。例えば、アルミニウム溶湯内には、銅、シリコン、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、錫などの添加元素のうち1つまたはそれ以上が入ることができる。
一例によるアルミニウム合金は、高い強度特性を確保するために、1ないし4重量%の範囲の銅と含有量は9ないし13重量%の範囲のシリコンとその他の元素とを含みうる。他の例によるアルミニウム合金は、高い硬度と延伸率特性とを確保するために、1ないし3重量%の範囲のシリコンと4ないし7重量%の範囲のマグネシウムとその他の元素とを含みうる。
さらに他の実施形態として、鉄またはマンガンを直接投入する代わりに、鉄を含むアルミニウム合金(アルミニウム−鉄合金)またはマンガンを含むアルミニウム合金(アルミニウム−マンガン合金)をアルミニウム溶湯に投入することができる。
前述したアルミニウム溶湯を製造するための溶解法として多様な溶解法が可能であり、例えば、プラズマアーク溶解法(plasma arc melting method)または誘導溶解法(induction melting method)などが可能である。プラズマアーク溶解法は、熱源としてプラズマアークを使い、低真空から大気圧まで広い範囲にかけて溶解が可能であり、誘導溶解法は、電磁誘導作用によって導体にコイルの電流と逆方向の渦電流(eddy−current)が流れて発生するジュール熱(Joule heat)によって金属導体を加熱、溶解することであって、溶湯の強い撹拌作用によって、成分と温度制御とが容易である。
これにより、プラズマアーク溶解法または誘導溶解法を利用した場合、局部的に高温溶解が可能であって、高融点合金元素の溶解が可能である。このような本発明によれば、溶湯内で高融点合金元素間の全率固溶体の形成が可能となる。一方、鉄−マンガン合金粉末がアトマイズ法を用いてあらかじめ製造され、アルミニウム溶湯内で溶解される必要がない場合には、このようなプラズマアーク溶解法または誘導溶解法の代わりに、通常の電気溶解法を用いて合金製造の経済性を高めることもできる。
一方、本発明のさらに他の実施形態によれば、前述した方法によって製造されたアルミニウム合金を母合金として用いて、これを再びアルミニウム溶湯に添加して希釈化することによって、鉄−マンガン全率固溶体の組成が減少したアルミニウム合金を製造することができる。
この際、鉄−マンガン全率固溶体を含むアルミニウム合金であって、アルミニウム溶湯(第1アルミニウム溶湯と呼ばれうる)に母合金として添加されるものを1次アルミニウム合金と定義し、1次アルミニウム合金をアルミニウム溶湯内で希釈した後、鋳造して製造したものを2次アルミニウム合金として定義する。
1次アルミニウム合金の溶解は、多様な溶解法を利用でき、例えば、プラズマアーク溶解法、誘導溶解法、または電気抵抗溶解法を利用できる。特に、電気炉を利用した場合、産業界の既存施設を用いて2次アルミニウム合金を量産することができる。
図3を参照すれば、第1含量の鉄−マンガン全率固溶体を含む1次アルミニウム合金を製造する(ステップS1)。この際、1次アルミニウム合金の製造方法については、前述したので省略する。
次に、アルミニウム溶湯に既製造した1次アルミニウム合金を添加して溶解させる(ステップS2)。アルミニウムの溶湯温度は、1次アルミニウム合金製造時と同様に熱損失を勘案して、アルミニウムの融点である660℃よりも高い690℃〜750℃の範囲からなりうる。
次に、1次アルミニウムが溶解された後、アルミニウム溶湯を鋳造して、アルミニウム基地内に第2含量の鉄−マンガン全率固溶体を有する2次アルミニウム合金を製造する(ステップS3)。2次アルミニウム合金は、1次アルミニウム合金を希釈したものであるために、2次アルミニウム合金で全率固溶体の含量(第2含量)は、1次アルミニウム合金での全率固溶体の含量(第1含量)よりも小さい。すなわち、1次アルミニウム合金の希釈化によって、1次アルミニウム合金に比べて、2次アルミニウム合金の鉄−マンガン全率固溶体の含量が希釈化率に対応して減少する。
例えば、1次アルミニウム合金で鉄−マンガン全率固溶体の含量(第1含量)は、2次アルミニウム合金で鉄−マンガン全率固溶体の含量(第2含量)よりも大きな高濃度で選択されうる。例えば、第1含量は、1ないし40重量%の範囲、さらに0.5超過ないし10重量%未満の範囲を有し、場合によっては、10ないし40重量%の範囲を有することもある。第2含量は、0.5超過ないし10重量%未満の範囲、さらに0.5ないし2重量%の範囲を有しうる。
また、微細組織において、2次アルミニウム内に含まれた鉄−マンガン全率固溶体の平均サイズは、1次アルミニウム内に含まれた全率固溶体の平均サイズよりも小さい。
前述した実施形態において、鉄−マンガン全率固溶体は、アルミニウム合金の組織及び鋳造品質を向上させるのにも寄与することができる。通常のアルミニウム合金の鋳造時に、鉄は、アルミニウムと金属間化合物とを形成するか、またはアルミニウム及びシリコンと金属間化合物とを形成して、アルミニウム合金の機械的性質を低下させる。さらに、鉄は、アルミニウム合金の耐蝕性及び軟性を弱化させると知られている。それにも拘らず、鉄は、ダイキャスティング時に、鉄系合金からなる金型との焼着防止または結晶粒微細化のために添加される。
しかし、本発明の実施形態によれば、鉄は、ほとんどアルミニウム基地内に鉄−マンガン全率固溶体で存在する。すなわち、マンガンが鉄と全率固溶体とを形成することによって、鉄とマンガンとが密接に結合されていて、アルミニウム合金内で鉄の有害作用を顕著に減少させることができる。したがって、アルミニウム溶湯内に鉄とマンガンとを同時に添加し、これらが全率固溶体を形成するように鋳造条件を制御するか、または鉄とマンガンとを鉄−マンガン合金形態でアルミニウム溶湯内に添加することによって、金型の焼着を防止しながらも、耐蝕性の低下及び/または延伸率の低下を抑制することができる。
したがって、本発明の実施形態によれば、通常のアルミニウム合金に比べて、アルミニウム合金内に鉄の含量を上げることができる。例えば、鉄−マンガン全率固溶体は、溶湯の流動性を考慮して、約2重量%以内に形成されうる。しかし、溶湯の流動性が改善された場合、鉄−マンガン全率固溶体の含量は、さらに上向きされうる。
以下、本発明の理解を助けるために、実験例を提供する。但し、下記の実験例は、本発明の理解を助けるためのものであり、本発明が、下記の実験例によって限定されるものではない。
<実験例1>
アルミニウムを700℃で溶解してアルミニウム溶湯を形成した後、700℃に保持した状態で鉄とマンガンとをそれぞれ1.5重量%ずつ溶湯に直接添加した。該添加した鉄とマンガンとがいずれも溶解されるように、約30分〜60分間保持した後、鋳造してアルミニウム合金の試片を製造した。この際、溶解は、誘導溶解法で行った。
図4は、実験例1による試片の微細組織を光学顕微鏡で観察した結果である。この際、試片は、SiC研磨紙#200、400、600、800、1000、1500、2400で順次に研磨し、最終的に1μmサイズのAl粉末を用いて微細研磨した。
図4を参照すれば、実験例1によるアルミニウム合金は、アルミニウム基地に30−50μm程度サイズのファセット(facet)状の強化相(矢印)が存在することが分かる。
図5は、実験例1で製造された試片をEPMA(Electron Probe Micro−Analyzer)を用いて観察した微細組織及び成分分析の結果を示す。図5で、(d)は、微細組織を観察した結果であり、(a)、(b)及び(c)は、それぞれ鉄、アルミニウム、マンガンの成分をマッピング(mapping)した結果である。図5の(a)、(b)及び(c)からアルミニウム基地内に存在するファセット状の強化相で鉄及びマンガンが同時に検出されることが分かり、これにより、ファセット状の強化相は、鉄−マンガン全率固溶体であることを確認することができる。一方、合金元素を通常の電気抵抗炉を用いて溶解した場合には、このような全率固溶体が形成されなかった。
図10には、実験例1で製造された試片のXRD(X−ray Diffraction)分析結果が示されている。図10の(a)は、実験例1のピークであり、(b)は、鉄−マンガンマスター合金(master alloy)のピークであり、(c1)ないし(c9)は、それぞれ標準カード上のAl、Fe、Mn、AlFe、AlFe、AlFe、AlMn、AlMn、AlMnのピークである。
図10のXRD結果を参照すれば、実験例1の試片でほとんどのピーク(a参照)は、標準カード上のアルミニウムピーク(c1参照)に該当し、それ以外のピークは、マスター合金の鉄−マンガン全率固溶体ピーク(b参照)に該当することが分かる。すなわち、実験例1の試片でアルミニウムを除いたピークは、鉄のピーク(c2参照)またはアルミニウム−鉄化合物のピーク(c4ないしc6参照)とも重ならず、マンガンピーク(c3参照)またはアルミニウム−マンガン化合物のピーク(c7ないしc9)とも重ならず、鉄−マンガン全率固溶体の主要ピーク(b参照)と重なることが分かる。これにより、アルミニウム合金内に鉄−マンガン全率固溶体が形成されたことを再確認することができる。
図6は、実験例1による試片を300℃で200時間熱処理した後、該熱処理された試片の微細組織を光学顕微鏡で観察した写真である。
図6を参照すれば、鉄−マンガン全率固溶体からなる強化相は、高温でアルミニウム基地内で粗大化されるか、相分解が発生する既存の金属間化合物と異なって、図4に表われた微細組織と同一のファセット状の強化相をそのまま保持していることが分かる。これにより、本発明によるアルミニウム合金は、鉄−マンガン全率固溶体強化相を用いて300℃でも非常に安定した耐熱特性を有することが分かる。
これにより、前述した鉄−マンガン全率固溶体からなる強化相は、アルミニウム合金の耐熱特性を強化させる強化相であり、このような強化相が形成されたアルミニウム合金は、耐熱合金として卓越した特性を見せることが分かる。
図7は、実験例1で製造された試片を再び再溶融した後、これを鋳造して製作した試片の微細組織を光学顕微鏡で観察した写真である。ここで、再溶融後、鋳造した試片は、実験例1で製造された試片をアルミニウムの融点まで再溶融させた後、鋳造したものである。
図7を参照すれば、実験例1によるアルミニウム合金で鉄−マンガン全率固溶体は、再溶融時にも全く粗大化されるか、分解されず、再溶融前の形態をほぼ保持していることを確認することができる。これにより、本発明によるアルミニウム合金は、鉄−マンガン全率固溶体強化相を用いて卓越した耐熱特性を有するだけではなく、アルミニウム合金のリサイクル時にも、基地金属であるアルミニウムと合金元素である鉄(Fe)とマンガン(Mn)とを親環境の原材のレベルに能動的にリサイクルするのに活用されうると予想される。
<実験例2>
実験例1と同様に誘導溶解炉でアルミニウムを700℃で溶解してアルミニウム溶湯を形成した後、700℃に保持した状態でプラズマアーク溶解法を用いて鉄及びマンガンの組成が、それぞれ50重量%になるように製造した鉄−マンガン母合金をアルミニウム合金内での鉄−マンガン全率固溶体の組成が、0.5重量%、1重量%、3重量%、5重量%、7重量%、9重量%、10重量%、11重量%になるように溶湯に添加した。該添加した鉄−マンガン合金が完全に溶解されるまで約30分〜60分程度保持した後、鋳造してアルミニウム合金の試片を製造した。
図8は、実験例2による試片に対する合金元素の含量による全率固溶体の平均サイズを示すグラフである。
図8を参照すれば、0.5重量%の鉄−マンガン合金を添加した場合、全率固溶体の量があまりにも小さく、そのサイズは、10μm以下に小さいことが分かった。一方、10重量%以上の鉄−マンガン合金を添加した場合、全率固溶体のサイズが、約250μm以上に粗大化されることが分かる。1ないし9重量%の鉄−マンガン合金を添加した場合、全率固溶体のサイズは、200μm以下に保持されることができた。
図8を参照すれば、鉄−マンガン全率固溶体の組成が0.5重量%である場合、全率固溶体の量があまりにも小さく、そのサイズは、10μm以下に小さいことが分かった。一方、10重量%以上である場合、全率固溶体のサイズが約250μm以上に粗大化されることが分かる。特に、鉄−マンガン全率固溶体の組成が9重量%以内である場合、全率固溶体のサイズは、200μm以下に保持されることができた。
これにより、鉄−マンガン合金の含量は、全率固溶体のサイズを考慮して、10重量%未満の範囲に選択するか、または全率固溶体の量を考慮して、0.5重量%超過の範囲に選択することができる。しかし、鋳造品質の向上のために、全率固溶体の量が相対的に少なくても良い場合、鉄−マンガン合金の含量は、0.5重量%以内に保持されることもある。同時に、全率固溶体のサイズに大きく関係ない場合、鉄−マンガン合金の含量を10重量%以上に選択することもできる。ここで、鉄−マンガン合金の含量は、実質的に鉄−マンガン全率固溶体の含量を意味する。本発明の実施形態で、鉄−マンガン全率固溶体の含量は、そのサイズを考慮して、前記の鉄−マンガン含量のように制御される。
<実験例3>
実験例1のアルミニウム合金を1次アルミニウム合金として使って、これを再び電気炉を用いて溶解したアルミニウム溶湯に投入して、希釈して2次アルミニウム試片を製造した。該製造された2次アルミニウムの鉄−マンガン全率固溶体の組成は、0.8重量%であった。
図9は、実験例4のアルミニウム合金を光学顕微鏡で観察した写真である。図9を参照すれば、希釈後、アルミニウム合金は、アルミニウム基地に分散された微細なサイズの鉄−マンガン全率固溶体を有することが分かる。希釈前、アルミニウム合金内で全率固溶体のサイズ(図4参照)に比べれば、希釈後、アルミニウム合金内で全率固溶体のサイズは、大きく減少したことが分かる。
<実験例4>
表1は、実験例4によるアルミニウム合金の組成(いずれも重量%単位である)を表わし、表2は、比較例1によるアルミニウム合金の組成(いずれも重量%単位である)を表わす。表1及び表2から分かるように、実験例4のアルミニウム合金は、比較例1のアルミニウム合金(いわゆる、ALDC12種の合金と指称される)で鉄及びマンガンが鉄−マンガン合金に置き換えられたものに該当する。このような合金は、溶湯状態で金型を用いて鋳造したものであって、通常のダイキャスティング合金とも呼ばれる。
実験例4によるアルミニウム合金は、アトマイズ法を用いてあらかじめ製造された鉄−マンガン合金粉末をあらかじめ準備した後、これを他の合金元素が溶解されたアルミニウム溶湯内に投入し、このような溶湯を金型鋳造して製造した。比較例1によるアルミニウム合金は、アルミニウム溶湯内に当該合金元素を溶解した後、これを鋳造して製造した。実験例4及び比較例1によるアルミニウム合金の鋳造時に、溶湯は、通常の電気溶解法を用いて製造された。
図11Aは、実験例4によるアルミニウム合金の組織写真を示し、図11Bは、比較例1によるアルミニウム合金の組織写真を示す。図11A及び図11Bを参照すれば、2つの合金の微細組織面で大きな差はないと見え、これは、鉄−マンガン合金の含有量が低いためであると判断される。但し、実験例4の場合、鉄−マンガン全率固溶体が、アルミニウム基地内に分布されているが、比較例1の場合、通常の電気溶解法としては、鉄−マンガン全率固溶体が形成されなくて、アルミニウムと鉄またはアルミニウムとマンガンとの化合物が、アルミニウム基地内に分布されたと判断される。
表3は、実験例4によるアルミニウム合金と比較例1によるアルミニウム合金との機械的特性を示す。
表3を参照すれば、比較例1と実験例4との強度差は、あまり大きくないが、延伸率差は、非常に大きいことが分かる。これと関連して、比較例1の場合、金型との焼着防止のために、鉄が所定含量ほど添加され、共にマンガンが同時に添加されたが、鉄の有害作用が十分に抑制されなくて、アルミニウム合金の延伸率が約1.2%に低いと理解される。一方、実験例4の場合、鉄とマンガンとが鉄−マンガン合金として添加されることによって、アルミニウム合金内でこれらが鉄−マンガン全率固溶体で存在することによって、鉄の有害作用が効果的に抑制されて、合金の品質が高くなったと理解される。一方、実験例4の場合、溶湯処理が付加しなかったという点で、バブリング及び/または高圧高真空のような溶湯処理を通じて気泡欠陷を制御する場合、より優れた機械的特性を確保することができると期待される。
<実験例5>
表4は、実験例5によるアルミニウム合金の組成(Beは、ppm単位であり、それ以外は、重量%単位である)を表わし、表5は、比較例2によるアルミニウム合金の組成(Beは、ppm単位であり、それ以外は、重量%単位である)を表わす。表4及び表5から分かるように、実験例5のアルミニウム合金は、比較例2のアルミニウム合金で鉄及びマンガンが鉄−マンガン合金に置き換えられたものに対応する。実験例5及び比較例2による合金は、実験例4の合金と類似した方式で製造された。
図12Aは、実験例5によるアルミニウム合金の組織写真を示し、図12Bは、比較例2によるアルミニウム合金の組織写真を示す。図12A及び図12Bを参照すれば、2つの合金の微細組織面で大きな差はないと見え、これは、鉄−マンガン合金の含有量が比較的低いためであると判断される。但し、実験例5の場合、鉄−マンガン全率固溶体がアルミニウム基地内に分布されているが、比較例2の場合、通常の電気溶解法としては、鉄−マンガン全率固溶体が形成されなくて、アルミニウムと鉄またはアルミニウムとマンガンとの化合物が、アルミニウム基地内に分布されたと判断される。
表6は、実験例5によるアルミニウム合金と比較例2によるアルミニウム合金との機械的特性を示す。
表6を参照すれば、実験例5と比較例2との場合、強度や延伸率面でいずれもほぼ類似した特性を見せることが分かる。このような合金は、機械的強度が高いながらも、延伸率が非常に高い特性を見せる。比較例2の場合、比較例1に比べて、5倍以上高い延伸率を見せる。このように、比較例2のアルミニウム合金が高い延伸率を見せる理由中の1つは、鉄の含有量が非常に低いためであると理解される。しかし、この場合、金型との焼着特性が問題になりうる。
図13は、比較例1、実験例4、比較例2、及び実験例5によるアルミニウム合金の溶湯内に金型素材である試片を所定の時間浸漬させた後、その表面を観察した結果である。金型素材としては、STD61種の試片が利用され、このような試片は、比較例1、実験例4、比較例2、及び実験例5によるアルミニウム合金の溶湯内で120分間保持後、取り出して分析された。
表7は、金型素材の各溶湯内の浸漬前後、厚さ変化を示す。
表7を参照すれば、比較例1及び実験例4で浸漬された試片(a、b)の場合、浸蝕厚さが類似している一方、比較例2及び実験例5で浸漬された試片(c、d)の場合、浸蝕厚さが約3.4倍以上差があることが分かる。これにより、鉄がある程度含有された比較例1及び実験例4の場合、金型の焼着特性では大きな差がないが、鉄が鉄−マンガン合金で添加された実験例5の場合、鉄がほぼ含有されていない比較例2に比べて、金型の焼着を大きく減らすことができることが分かる。
このような結果をまとめれば、鉄成分が、元素形態でアルミニウム合金に添加された場合や鉄−マンガン合金形態でアルミニウム合金に添加された場合や、互いに類似した程度の金型焼着特性を基本的に見せるということが分かる。しかし、鉄が元素形態でアルミニウム溶湯内に投入された場合には、鉄の有害作用が十分に抑制されていない一方、マンガンが、鉄と合金を成して鉄−マンガン合金形態でアルミニウム溶湯に添加されれば、鉄の有害作用が十分に抑制されて、優れた延伸率特性が得られうるということが分かる。
したがって、ダイキャスティングアルミニウム合金系で、鉄を元素として入れるよりは、鉄−マンガン合金形態でアルミニウム溶湯に投入することによって、既存には同時に得られなかった金型の焼着防止と鉄の有害作用抑制という2つの効果をいずれも得られうるということが分かる。
発明の特定の実施形態についての以上の説明は、例示及び説明を目的として提供された。したがって、本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想内で当業者によって、前記実施形態を組み合わせて実施するなどさまざまな多くの修正及び変更が可能であるということは明白である。
本発明は、鉄−マンガン全率固溶体を含むアルミニウム合金及びその製造方法関連の技術分野に適用可能である。

Claims (9)

  1. 鉄−マンガン全率固溶体を有する鉄−マンガン合金粉末を提供する段階と、
    前記鉄−マンガン合金粉末を溶解させることなく前記鉄−マンガン合金粉末をアルミニウム溶湯に投入する段階と、
    前記鉄−マンガン合金粉末を溶解させることなく前記アルミニウム溶湯を金型鋳造して、アルミニウム基地上に分布された鉄−マンガン全率固溶体を有するアルミニウム合金を製造する段階と、
    を含むアルミニウム合金の製造方法であって、
    前記鉄−マンガン合金粉末は、アトマイズ法を用いて前記鉄−マンガン全率固溶体が調製される、アルミニウム合金の製造方法。
  2. 前記鉄−マンガン合金粉末は、前記アルミニウム溶湯内で2重量%以内(0重量%超過)に添加される請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  3. 前記アルミニウム溶湯は、母材であるアルミニウム以外に添加元素として銅及びシリコンを含む請求項2に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  4. 前記アルミニウム溶湯内、前記銅の含有量は、1ないし4重量%の範囲であり、前記シリコンの含有量は、9ないし13重量%の範囲である請求項3に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  5. 前記アルミニウム溶湯は、母材であるアルミニウム以外に添加元素としてシリコン及びマグネシウムを含む請求項2に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  6. 前記アルミニウム溶湯内、前記シリコンの含有量は、1ないし3重量%の範囲であり、前記マグネシウムの含有量は、4ないし7重量%の範囲である請求項5に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  7. 第1含量の鉄−マンガン全率固溶体を含む1次アルミニウム合金を提供する段階と、
    前記1次アルミニウム合金をアルミニウム溶湯に溶解させる段階と、
    前記アルミニウム溶湯を鋳造して、前記第1含量よりも小さな第2含量の鉄−マンガン全率固溶体を含む2次アルミニウム合金を製造する段階と、
    を含むアルミニウム合金の製造方法であって、
    前記1次アルミニウム合金を提供する段階は、
    アトマイズ法を用いて調製される、第1含量の鉄−マンガン全率固溶体を有する鉄−マンガン合金粉末を提供する段階と、
    前記鉄−マンガン合金粉末を溶解させることなく前記鉄−マンガン合金粉末を第1次アルミニウム溶湯に投入する段階と、
    前記鉄−マンガン合金粉末を溶解させることなく前記第1次アルミニウム溶湯を金型鋳造して、アルミニウム基地上に分布された鉄−マンガン全率固溶体を有する第1次アルミニウム合金を製造する段階と、
    を含むアルミニウム合金の製造方法。
  8. 前記第2含量は、0.5超過10重量%未満の範囲である請求項7に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  9. 前記第2含量の鉄−マンガン全率固溶体の平均サイズは、前記第1含量の鉄−マンガン全率固溶体の平均サイズよりも小さな請求項7に記載のアルミニウム合金の製造方法。
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