JP6070456B2 - 熱間鍛造方法および荒地工程の熱間鍛造型 - Google Patents
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熱間鍛造は、金属材料を最終成形品に対して角部等が単純化された荒地形状の荒地成型品を成形する荒地工程と、荒地成形体を仕上形状に成形する仕上工程とにおいて行われる。
これにより、特許文献1に開示される技術では、繋ぎ部が仕上型の下型のエッジ部に当たることを防止して、予備成形型の摩耗によって繋ぎ部の曲率半径が大きくなった場合でも、予備成形品を仕上型の下型に正確にセットできるようにしている。
従って、図9(c)に示すように、特許文献1に開示される技術では、下型に金属材料が充満した後で、上型に金属材料が充満してしまう可能性がある。この場合には、上型に金属材料を充満させるために必要な成形荷重が増大してしまう。
本実施形態の熱間鍛造方法では、クランクジャーナルW51およびクランク部W52等を備えるクランクシャフトW50を製造するものとする。
図2(a)に示すように、熱間鍛造方法では、このような切断工程S10を行うことによって棒状素材W10を準備する。
予備成形体W20は、クランクシャフトW50の形状等に基づいて適宜の形状に形成される。
荒地成形体W30は、クランクシャフトW50に対して角部等が単純化された荒地形状の周囲にバリW31が形成されたものである。
荒地工程S40については後で詳述する。
仕上成形体W40は、クランクシャフトW50の周囲にバリW41が形成されたものである。
仕上工程S50については後で詳述する。
これにより、図2(f)に示すように、仕上成形体W40は、バリW41が切り離され、最終成形体であるクランクシャフトW50となる。
このため、まず、荒地成形型10について説明する。
本実施形態では、図4における下型20の長手方向端部に位置する下側余肉部より順番に、下側余肉部22b・22c・22d・22eと表記している。
図3(a)は、荒地成形型10を図4(b)に示す矢印A−Aに相当する位置で荒地成形型10の短手方向に沿って切断した断面を示している。
図3(b)は、荒地成形型10を図4(b)に示す矢印B−Bに相当する位置で荒地成形型10の短手方向に沿って切断した断面を示している。
左側の下側余肉部22b・22dは、クランクシャフトW50の高さ方向中央部Cの下方に形成される。
右側の下側余肉部22b・22dは、クランクシャフトW50の高さ方向中央部Cの上方に形成される。
左側の下側余肉部22c・22eは、クランクシャフトW50の高さ方向中央部Cよりも高い位置に配置される。
右側の下側余肉部22c・22eは、クランクシャフトW50の高さ方向中央部Cよりも低い位置に配置される。
また、下側余肉部22b〜22eは、左右両側の高さ位置が互いに異なっている。
左右両側の下側余肉部22aは、その内周縁部がクランクシャフトW50の高さ方向中央部Cよりも僅かに下側に形成される(図3(b)に二点鎖線で示す下側余肉部22a参照)。
これにより、下型20は、長手方向に沿った複数の位置において左右方向両側の位置関係が入れ替えられる。
上側余肉部32a〜32eの左右両側の高さ位置の関係は、下側余肉部22a〜22eの左右両側の高さ位置の関係と同じ関係となっている。
クランク部W52を成形する上側成形面31の外周側に形成される上側余肉部32b・32dは、左側が右側よりも低い位置に形成される。
上側余肉部32c・32eは、左側が右側よりも高い位置に形成される。
これにより、上型30は、長手方向に沿った複数の位置において左右方向両側の位置関係が入れ替えられる。
このようなフラッシュランド10bは、その左側の内周縁部の高さ方向中央部がクランクシャフトW50の高さ方向中央部Cよりも低い位置に形成され、右側の内周縁部の高さ方向中央部がクランクシャフトW50の高さ方向中央部Cよりも高い位置に形成される。
このようなフラッシュランド10bは、その左側の内周縁部の高さ方向中央部がクランクシャフトW50の高さ方向中央部Cよりも高い位置に形成され、右側の内周縁部の高さ方向中央部がクランクシャフトW50の高さ方向中央部Cよりも低い位置に形成される。
つまり、本実施形態のフラッシュランド10bは、左側が右側よりも低い位置に形成される部分と、左側が右側よりも高い位置に形成される部分とが、長手方向に沿って交互(順番)に配置される。
これにより、フラッシュランド10bは、長手方向に沿った複数の位置において左右方向両側の位置関係が入れ替えられる。
また、荒地成形型10は、下型20および上型30からなる荒地工程S40の熱間鍛造型である。
これにより、図6に示すように、熱間鍛造方法では、予備成形体W20を荒地成形型10で押圧して予備成形体W20の金属材料をインプレッション10aに充満させ、予備成形体W20を荒地形状に沿わせて成形する。
一方、クランクジャーナルW51等を成形するインプレッション10aにおいて、予備成形体W20の金属材料は、上下方向に多く材料流動しない。これは、予備成形工程S30にて予備成形体W20をある程度荒地形状に近い形状に成形していることによるものである。
このため、クランクジャーナルW51等の外周側に形成されるバリW31は、クランクシャフトW50の高さ方向中央部Cと同じ高さ位置に形成される。
このため、クランク部W52の外周側に形成されるバリW31は、クランクシャフトW50の高さ方向中央部Cとは異なる高さ位置に形成される。
従って、熱間鍛造方法および荒地成形型10は、予備成形体W20の金属材料がフラッシュランド10bに直接的に流出してしまうことを防止できる。
また、荒地成形型10のフラッシュランド10bは、左右両側のいずれか一方が、クランクシャフトW50の高さ方向中央部Cよりも高い位置に形成されるとともに、左右両側の他方が、クランクシャフトW50の高さ方向中央部Cよりも低い位置に形成される。
このような部位としては、フラッシュランドの左右両側の高さ位置をクランクシャフトの高さ方向中央部よりも高い位置若しくは低い位置に変更した場合に、バリが形成されにくい部位、例えば、クランクジャーナル等がある。
このため、まず、仕上成形型40について説明する。
下側余肉部52は、クランクシャフトW50の部位に関わらず同じ高さ位置に形成される。下側余肉部52は、その内周縁部がクランクシャフトW50の高さ方向中央部Cよりも僅かに下側に形成される。
上側余肉部62は、クランクシャフトW50の部位に関わらず全て同じ高さ位置に形成される。
フラッシュランド40bおよびガッター40cの形状は、上下方向の長さがやや長くなるものの、荒地成形型10のフラッシュランド40bおよびガッター40cの形状と概ね同一の形状に形成される。
つまり、図8に示す荒地成形体W30のバリW31は、下側余肉部22cと上側余肉部32cとによって形成されるフラッシュランド10bに金属材料が流動したものであり、左側が右側よりも高い位置に形成されている。
このとき、図8に示す断面視において、荒地成形体W30のバリW31は、左側が上型60に押し下げられるとともに、右側が下型50に押し上げられる。
一方、図8に示す断面視において、下型50は、荒地成形体W30の右側を上方向にたわませるように、荒地成形体W30を押圧する(図8(a)の右側に示す矢印参照)。
従って、熱間鍛造方法では、荒地成形体W30のたわみを抑制できる。
つまり、熱間鍛造方法は、インプレッション40aの上下両側にバランスよく荒地成形体W30の金属材料を流動させることができる。このため、熱間鍛造方法は、インプレッション40aの上下両側に同じようなタイミングで金属材料を充満させることができる。
このような荒地成形体W30のバリW31は、右側が上型60に押し下げられるとともに、左側が下型50に押し上げられる。つまり、この場合、荒地成形体W30のバリW31は、左右両側が図8(a)に示す方向とは反対の方向に押圧されることとなる。
従って、本実施形態の熱間鍛造方法は、クランク部W52を成形するインプレッション40aの上下両側に、同じようなタイミングで金属材料を充満させることができる。
また、仕上工程S50では、クランクシャフトW50の高さ方向中央部Cよりも低い位置に形成した荒地成形体W30のバリW31(図8では右側のバリW31)を、仕上成形型40の下型50によって押し上げる。
従って、このようなバリW31が形成される部位において、荒地成形体W30には、図8における時計回り方向の回転モーメントが作用することとなる。
また、荒地成形型10のフラッシュランド10bは、長手方向に沿った複数の位置において、短手方向両側の位置関係が入れ替えられる。
つまり、本実施形態の荒地成形型10の左右両側のフラッシュランド10bは、クランクシャフトW50の高さ方向中央部Cから同じ距離だけ離れた位置に形成されている。
従って、熱間鍛造方法は、仕上工程S50において荒地成形体W30のたわみをより効果的に抑制できる。このため、熱間鍛造方法は、インプレッション40aの上下両側に、より近いタイミングで金属材料を充満させることができる。
40 仕上成形型
W10 棒状素材
W20 予備成形体
W30 荒地成形体
W31 バリ
W40 仕上成形体
W41 バリ
Claims (4)
- 棒状素材を予備成形体に成形する予備成形工程と、荒地成形型を用いて、前記予備成形体を荒地形状の周囲にバリが形成された荒地成形体に成形する荒地工程と、仕上成形型を用いて、前記荒地成形体を最終成形体の周囲にバリが形成された仕上成形体に成形する仕上工程とを行う熱間鍛造方法であって、
前記荒地工程では、
前記荒地成形体の短手方向両側のいずれか一方の前記バリを、前記最終成形体の高さ方向中央部よりも高い位置に形成し、
前記短手方向両側の他方の前記バリを、前記最終成形体の高さ方向中央部よりも低い位置に形成し、
前記荒地成形体の長手方向に沿った複数の位置において、前記短手方向両側の高さ位置の関係を入れ替えて前記バリを形成し、
前記仕上工程では、
前記最終成形体の高さ方向中央部よりも高い位置に形成した前記荒地成形体のバリを、前記仕上成形型で押し下げるとともに、前記最終成形体の高さ方向中央部よりも低い位置に形成した前記荒地成形体のバリを、前記仕上成形型で押し上げる、
熱間鍛造方法。 - 前記荒地工程では、
前記最終成形体の高さ方向中央部から同じ距離だけ離れた位置に、前記短手方向両側のバリを形成する、
請求項1に記載の熱間鍛造方法。 - 一対の第一金型および第二金型からなり、
前記第一金型および前記第二金型を型閉めした状態で、
前記第一金型の内面に形成される第一成形面と前記第二金型の内面に形成される第二成形面とによって、最終成形体に応じた荒地形状となるインプレッションを形成し、かつ、
前記第一成形面の外周側に形成される第一余肉部と前記第二成形面の外周側に形成される第二余肉部とによって、前記インプレッションの外周側にフラッシュランドを形成する荒地工程の熱間鍛造型であって、
前記フラッシュランドは、
短手方向両側のいずれか一方が、前記最終成形体の高さ方向中央部よりも高い位置に形成され、
前記短手方向両側の他方が、前記最終成形体の高さ方向中央部よりも低い位置に形成され、
長手方向に沿った複数の位置において、前記短手方向両側の位置関係が入れ替えられる、
荒地工程の熱間鍛造型。 - 前記短手方向両側のフラッシュランドは、
前記最終成形体の高さ方向中央部から同じ距離だけ離れた位置に形成される、
請求項3に記載の荒地工程の熱間鍛造型。
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JP2013150333A JP6070456B2 (ja) | 2013-07-19 | 2013-07-19 | 熱間鍛造方法および荒地工程の熱間鍛造型 |
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