JP6068947B2 - 内部コード補強ゴム層を含有するタイヤ - Google Patents
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Description
(A)下記を含むゴム組成物:
(1)下記を含むエラストマー:
(a)0〜約70、あるいは約20〜約70phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、
(b)約20〜約95、あるいは約30〜約70phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(c)約2〜約20、あるいは約5〜約15phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム;
(2)下記を含む約20〜約70phrの量の粒子状ゴム補強充填剤:
(a)ゴム補強カーボンブラック、又は
(b)沈降シリカ、又は
(c)約5〜45phrの前記沈降シリカを含有するゴム補強カーボンブラックと沈降シリカとの組合せ;
所望により、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基(例えばシラノール基)と反応する部分及び前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムと相互作用する別の異なる部分を有する前記沈降シリカのためのカップリング剤を含有していてもよい(前記ゴム組成物が前記沈降シリカを含有する場合)、及び
(B)前記ゴム組成物によって被包された少なくとも一つのコード、好ましくは実質的に相互に平行に配列されている好ましくは複数の平行コード、
ここで、前記コードは個別に少なくとも一つのフィラメント、あるいは複数のケーブル化された(一緒に撚り合わされた)フィラメントを含み、
ここで前記フィラメントは、
(1)ブラス被覆されたスチールフィラメントを含む金属フィラメント、あるいは
(2)ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含む有機フィラメント
を含む;
を含む。
一態様において、ゴム層は、通常空気入りタイヤカーカスのビードからビードへ(タイヤのクラウン部を通って)伸びるカーカスプライである。
コード補強ゴム複合材料のゴム組成物のためのメチレン供与体化合物とメチレン受容体化合物の組合せは、本明細書では、硬化ゴム組成物の高い低歪剛性(100℃における1〜10パーセント歪時のG’貯蔵弾性率)値及びゴム組成物の補強コードへの良好な接着を促進するために有益であると考えられている。
本発明を評価するためには、未硬化ゴム組成物の生強度及び構築時粘着力、そしてまた硬化ゴム組成物の切傷生長抵抗性及びコード接着性を含む物理的性質を考慮しなければならない。規定の試験手順に従い、少なくとも5ニュートン(5N)という粘着値が、本発明のエラストマーブレンドをタイヤ構築プロセスに使用する場合、すべてのタイヤ構築用に適切であると考えられる。更なる焦点は、粘着強度として5Nという最小値を維持しながら、ワイヤ接着に加えて生強度及び切傷生長を改良するだけでない能力に当てられる。
ゴム組成物中のブラス被覆スチールフィラメント補強材の複合材料について、合成シス1,4−ポリイソプレンゴムをトランス1,4−ポリイソプレンゴムで置換することの評価のためにゴムサンプルを製造した。
対照ゴムサンプルAは、そのエラストマー成分に天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを用いて製造した。
実験ゴムサンプルC、D及びEは、対照ゴムサンプルBの合成シス1,4−ポリイソプレンゴムをそれぞれ5、10及び20phrのトランス1,4−ポリイソプレンポリマーで置換して製造した。
ゴムサンプルA〜Eの基本配合を以下の表1に示す(単位は別途記載のない限り重量部)。
2天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、TSR10
3合成トランス1,4−ポリイソプレンゴム、Kururay社製TPR(登録商標)301
4ゴム補強カーボンブラック(N347)、ASTM規格
5沈降シリカ、Rhodia社製Zeosil(登録商標)1165 MP
6シリカカップリング剤、Evonic社製Si266(登録商標)、ポリスルフィドブリッジ中に平均約2〜約2.6個の連結硫黄原子を有するビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドを含む
7脂肪酸、主にステアリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸を含む
8スルフェンアミド促進剤、t−ブチルベンゾチアゾールスルフェンアミド
以下の表2に、表1の基本配合に基づくゴムサンプルA〜Eの硬化挙動及び各種物理的性質を示す。ゴムサンプルは、必要に応じて約150℃で約32分間硫黄硬化された。
4標準のワイヤ及びテキスタイルコード接着試験(SWAT):ブラス被覆ワイヤコードをゴム組成物中に包埋することによって実施した。次にゴム/コードサンプルを指示温度で硬化した。ゴムサンプル中の各コードをASTM D2229−73による引抜き試験に付した。引抜き試験の結果をニュートンで表す。ワイヤコードのゴム被覆率を報告する。100パーセントの被覆率が望ましいが、得るのは困難である。ワイヤコードはブラス被覆スチールワイヤであった。
6ラバー・プロセス・アナライザー機器(RPA)によるデータ
7Instron Corporation社の自動試験システム機器(ATS)によるデータ
8引裂強さ(剥離接着試験(peel strength adhesion test)):ゴム組成物の二つのサンプル間の界面接着力を測定する。特に、そのような界面接着力は、インストロン機器を用い、ゴム組成物の二つの端部を互いに180°の角度で引き離しながら、一方のゴム組成物を他方から、引き裂かれていない試験片に対して直角に引き離すことによって測定する。ゴムサンプル間の界面における接触面積は、二つのゴムサンプルが互いに接触できるようにフィルムに切り抜きウィンドウを設けたマイラー(Mylar)(登録商標)フィルムをサンプル間に配置することによって容易化される。その後該サンプルを一緒に加硫し、得られた二つのゴム組成物の複合材料を剥離試験に使用する。
10パーセントの天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを合成トランス1,4−ポリイソプレンゴムで置換することの評価のためにゴムサンプルを製造した。
対照ゴムサンプルFは、そのエラストマー成分に天然シス1,4−ポリイソプレンゴム(100phr)を用いて製造した。
以下の表3に、実施例Iの表1に示された基本配合に基づくゴムサンプルF及びGの硬化挙動及び各種物理的性質を示す。ゴムサンプルは、必要に応じて約150℃で約32分間硫黄硬化された。
天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを、合成シス1,4−ポリイソプレン及び合成トランス1,4−ポリイソプレンから選ばれる合成ポリイソプレンエラストマーで置換することの評価のためにゴムサンプルを製造した。
実験ゴムサンプルHは100phrの合成シス1,4−ポリイソプレンを含有していたが、ゴムサンプルJ、L及びNは、それらのエラストマー成分に、天然シス1,4−ポリイソプレンゴム及び合成シス1,4−ポリイソプレンゴムの組合せを含む二つのポリイソプレンエラストマーを用いて製造した。
以下の表4に、実施例Iの表1の基本配合に基づくゴムサンプルH〜Oの硬化挙動及び各種物理的性質を示す。ゴムサンプルは、必要に応じて約150℃で約32分間硫黄硬化された。
1.コード補強されたゴム複合材料の内部層を含有するタイヤであって、前記複合材料は、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)下記を含むゴム組成物:
(1)下記を含むエラストマー:
(a)0〜約70phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、
(b)約20〜約95phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(c)約2〜約20phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム;
(2)下記を含む約20〜約70phrの量の粒子状ゴム補強充填剤:
(a)ゴム補強カーボンブラック、又は
(b)沈降シリカ、又は
(c)約5〜45phrの前記沈降シリカを含有するゴム補強カーボンブラックと沈降シリカとの組合せ;
(B)前記ゴム組成物によって被包された少なくとも一つのコード、ここで前記コードは個別に少なくとも一つのフィラメントを含み、ここで前記フィラメントは、
(1)ブラス被覆されたスチールフィラメントを含む金属フィラメント、又は
(2)ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含む有機フィラメント
を含む;
を含むタイヤ。
(A)約20〜約70phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、
(B)約30〜約70phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(C)約5〜約15phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム
を含む、1記載のタイヤ。
(A)20〜約95phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(B)約5〜約15phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム
を含む、1記載のタイヤ。
8.前記天然及び合成シス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのシス1,4−異性体単位を含む微細構造を有する、1記載のタイヤ。
10.前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有する、4記載のタイヤ。
12.前記コードが少なくとも一つのブラス被覆スチールフィラメントを含み、前記有機フィラメントは除外される、1記載のタイヤ。
14.前記コードが少なくとも一つのブラス被覆スチールフィラメントを含み、前記有機フィラメントは除外される、3記載のタイヤ。
16.前記コードが、ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含み、金属フィラメントは除外される、2記載のタイヤ。
18.前記補強充填剤がゴム補強カーボンブラックである、1記載のタイヤ。
20.前記タイヤ部品が、カーカスプライ及び周方向トレッドベルトプライの少なくとも一つを含む、1記載のタイヤ。
Claims (20)
- コード補強されたゴム複合材料の内部層を含有するタイヤであって、前記複合材料は、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)下記を含むゴム組成物:
(1)下記を含むエラストマー:
(a)0〜70phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、
(b)20〜95phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(c)2〜20phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム;
(2)下記を含む20〜70phrの量の粒子状ゴム補強充填剤:
(a)ゴム補強カーボンブラック、又は
(b)沈降シリカ、又は
(c)5〜45phrの前記沈降シリカを含有するゴム補強カーボンブラックと沈降シリカとの組合せ;
(B)前記ゴム組成物によって被包された少なくとも一つのコード、ここで前記コードは個別に少なくとも一つのフィラメントを含み、ここで前記フィラメントは、
(1)ブラス被覆されたスチールフィラメントを含む金属フィラメント、又は
(2)ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含む有機フィラメント
を含む;
を含むことを特徴とするタイヤ。 - 前記ゴム組成物が、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムと相互作用する別の異なる部分を有する前記沈降シリカのためのカップリング剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記エラストマーが、
(A)20〜70phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、
(B)30〜70phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(C)5〜15phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。 - 前記ゴム組成物が、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムと相互作用する別の異なる部分を有する前記沈降シリカのためのカップリング剤を含有することを特徴とする、請求項3に記載のタイヤ。
- 前記エラストマーが、
(A)20〜95phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(B)5〜15phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。 - 前記ゴム組成物が、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムと相互作用する別の異なる部分を有する前記沈降シリカのためのカップリング剤を含有することを特徴とする、請求項5に記載のタイヤ。
- 前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記天然及び合成シス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのシス1,4−異性体単位を含む微細構造を有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有することを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ。
- 前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有することを特徴とする、請求項4に記載のタイヤ。
- 前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有することを特徴とする、請求項6に記載のタイヤ。
- 前記コードが少なくとも一つのブラス被覆スチールフィラメントを含み、前記有機フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記コードが少なくとも一つのブラス被覆スチールフィラメントを含み、前記有機フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ。
- 前記コードが少なくとも一つのブラス被覆スチールフィラメントを含み、前記有機フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項3に記載のタイヤ。
- 前記コードが、ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含み、金属フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記コードが、ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含み、金属フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ。
- 前記コードが、ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含み、金属フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項3に記載のタイヤ。
- 前記補強充填剤がゴム補強カーボンブラックであることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記補強充填剤がゴム補強カーボンブラックと沈降シリカの前記組合せであることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ。
- 前記タイヤ部品が、カーカスプライ及び周方向トレッドベルトプライの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
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