JP6068035B2 - 電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持方法及び装置 - Google Patents

電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持方法及び装置 Download PDF

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Description

この発明は、沸騰水型原子炉において、外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況においても原子炉を安定した状態で長期間維持できる装置を短時間で立地場所及び近郊から物資を調達して設備でき、注水冷却による原子炉安全性維持方法及びその装置に関するものであり、前記原子炉の水位低下による燃料の過熱損傷や原子炉格納容器の損傷に至らない注水方法と冷却方法を用いるものである。
沸騰水型原子炉においては、何らかの原因により外部電源が喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況においては、原子炉施設の安全確保に必要な機器へ直流電源から電力を供給し、原子炉の緊急停止を行うとともに炉心を冷却して、原子力プラントを安全な状態に保つことが出来るように構成されている。
在来の原子力プラントは、プラントの通常運転時においては、図10に示すように、原子炉1で発生した蒸気は、主蒸気管2を介してタービン3に送られる。タービン3で仕事をした排気蒸気は復水器4で凝縮され復水となり、復水管を経て復水ポンプ5により昇圧され、給水加熱器6及び給水ヘッダ7を通って、最終的に原子炉1に戻るサイクルを構成している。
一方、外部電源等を喪失した場合には、原子炉は自動停止し、原子炉1とタービン3を隔離する。そして、蒸気逃がし安全弁8にて蒸気圧力を圧力抑制室9に逃がして凝縮させると共に、蒸気駆動の原子炉隔離時冷却系の蒸気タービン10にてポンプ11を作動させ、前記圧力抑制室9又は復水貯蔵タンク12の水を原子炉1に注水している。
この状況は10時間以上維持され、事故時には最長で3日間の運転が継続できた実績がある。
この原子炉隔離時冷却系の運転において、特許文献1に示すように、主蒸気逃がし安全弁8の設定圧力以下の状態で、原子炉圧力を原子炉隔離時冷却系の運転を損なわない程度まで自動的に減圧して一定状態を維持し、万一、炉心損傷に至り、原子炉圧力容器が破損した場合でも、原子炉格納容器の健全性早期喪失を防止する沸騰型原子炉が開発されている。
また、特許文献2に示す様に、原子炉発電プラントの原子炉隔離時に全交流電源喪失事象が生じ、圧力抑制室の水温が上昇しても、原子炉隔離時冷却系の水源として圧力抑制室内の冷却水を使えるようにするものが開発されている。
特開平6−230177号公報 特開2005−172482号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のものは、ともに、原子炉隔離時冷却系の運転における改善策であり、非常用電源使用も不可能になった場合は考慮されていない。例えば、特許文献1の場合、直流電源の枯渇や非常用ディーゼル発電機の不具合等で非常用電源が使用不可能となり、原子炉隔離時冷却系の運転が不能に陥り注水が途絶えた場合、減圧されていた原子炉圧力は、短時間で、主蒸気逃がし安全弁8の設定圧力まで上昇してしまう事象が確認されている。
そこで、この発明は、これらの従来技術に鑑み、原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況においても原子炉を安定した状態で長期間維持できる、注水冷却による原子炉安全性維持方法及びその装置を提供することを目的としたものである。
沸騰水型原子炉の炉心は元来、蒸発させるための形状的な構造・性能となっており炉心の変形・構造の変化がない限りは良好に蒸発する性能を保持することで、蒸発潜熱による残留熱除去が可能となる。原子炉自動停止後には注水を継続できることが崩壊熱を除去し続ける最良の問題解決方法であり、外部電源、非常用電源が喪失し続けていても自力で冷却を継続できることが死守すべき絶対条件として求められる。
原子炉内に注水できる清水を蒸発させるまで常温から温度上昇、蒸発潜熱での熱除去を行えている状態を保持していられれば限られた清水の冷却能力を余すところなく全て活用でき、最も効果的に崩壊熱を取り除ける。元来沸騰水型原子炉は清水を沸騰させる形状に設計されているので炉心への注水が絶やさず行われてさえすれば、崩壊熱を蒸気潜熱で除去し続けている限り、安全上問題はない。
以下、この発明の具体的構成を示す。
請求項1の発明は、沸騰水型原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況において、原子炉の圧力、水位、流量等を測定するため、原子炉から原子炉格納容器の外に設置されている計器まで接続された数十本の計装配管のうちの複数本の計装配管の過流逆止弁と計器元弁との間に夫々高圧洗浄ポンプを接続し、当該高圧洗浄ポンプから原子炉に清水を注入し、前記原子炉内を冷却する、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持方法とした。
また、請求項2の発明は、沸騰水型原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況において、給水加熱器、給水ヘッダー及び配管の夫々から導出したドレン配管に設けられた二重弁の間に分岐管を設け、当該分岐管に設けた弁付きの配管と、高圧洗浄車又は圧縮気体ボンベで加圧した液化ガスタンクローリー車からの配管を接続し、積載の清水を原子炉に注入し、前記原子炉内を冷却する、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持方法とした。
また、請求項3の発明は、沸騰水型原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況において、前記請求項1に記載の高圧洗浄ポンプを適用する方法と前記請求項2に記載の高圧洗浄車又は圧縮気体で加圧した液化ガスタンクローリー車を適用する方法の組み合わせ、又は、前記請求項1に記載の高圧洗浄ポンプを適用する方法と原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に設けた雨どい型の散水器により、前記圧力抑制室の表面に散水して蒸発潜熱により熱を除去し、これにより生じた蒸気を仮設又は既設のダクトに通して原子炉建屋の外に逃し、前記原子炉内を冷却する方法の組み合わせ、又は、前記請求項2に記載の高圧洗浄車又は圧縮気体で加圧した液化ガスタンクローリー車を適用する方法と原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に設けた雨どい型の散水器により、前記圧力抑制室の表面に散水して蒸発潜熱により熱を除去し、これにより生じた蒸気を仮設又は既設のダクトに通して原子炉建屋の外に逃し、前記原子炉内を冷却する方法の組み合わせの、何れか一つの方法で前記原子炉内を冷却する、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全維持方法とした。
また、請求項4発明は、沸騰水型原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況において、前記請求項1に記載の高圧洗浄ポンプを適用する方法と、前記請求項2に記載の高圧洗浄車又は圧縮気体で加圧した液化ガスタンクローリー車を適用する方法と、原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に設けた雨どい型の散水器により、前記圧力抑制室の表面に散水して蒸発潜熱により熱を除去し、これにより生じた蒸気を仮設又は既設のダクトに通して原子炉建屋の外に逃す方法の、これら3つの方法を同時に適用することにより、前記原子炉内を冷却する、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全維持方法とした。
また、請求項5の発明は、沸騰水型原子炉において、原子炉の圧力、水位、流量等を測定するため、原子炉から原子炉格納容器の外に設置された計器まで接続された数十本の計装配管のうちの複数本の計装配管の、原子炉格納容器の外の計装配管の過流逆止弁と計器元弁との間に予め分岐継手を夫々設け、当該各分岐継手に、一端に高圧洗浄ポンプを接続可能な逆止弁付き配管を接続し、前記原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた際、前記複数の逆止弁付き配管の一端に夫々高圧洗浄ポンプを接続し、当該高圧洗浄ポンプから原子炉に清水を注入し、前記原子炉内を冷却可能な構成とした、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持装置とした。
請求項6の発明は、沸騰水型原子炉において、給水加熱器、給水ヘッダー及び配管の夫々から導出した配管に設けられた二重弁の間に分岐管を予め設け、当該分岐管に設けた弁付きの配管と高圧洗浄車又は圧縮気体ボンベで加圧した液化ガスタンクローリー車に接続可能な弁付きの配管を設け、前記原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた際、前記高圧洗浄車又は液化ガスタンクローリー車に前記弁付きの配管を接続し、積載の清水を原子炉に注入し、前記原子炉内を冷却可能な構成とした、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持装置とした。
請求項7の発明は、沸騰水型原子炉において、前記請求項5に記載の装置及び前記請求項6に記載の装置、又は、前記請求項5に記載の装置及び原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に雨どい型の散水器を予め設け、また、当該圧力抑制室の表面から発生する蒸気を原子炉建屋の外に逃すダクトを予め設けた装置、又は、前記請求項6に記載の装置及び原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に雨どい型の散水器を予め設け、また、当該圧力抑制室の表面から発生する蒸気を原子炉建屋の外に逃すダクトを予め設けた装置の何れかであって、前記原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた際、前記原子炉内を冷却可能な構成とした、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持装置とした。
請求項8の発明は、前記請求項5に記載の装置、前記請求項6に記載の装置、及び原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に雨どい型の散水器を予め設け、また、当該圧力抑制室の表面から発生する蒸気を原子炉建屋の外に逃すダクトを予め設けた装置の組み合わせであって、前記原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた際、前記複数の逆止弁付き配管の一端に夫々高圧洗浄ポンプを接続して原子炉に清水を注入し、さらに、前記高圧洗浄車又は圧縮気体で加圧した液化ガスタンクローリー車を前記弁付きの配管に接続して積載の清水を原子炉に注入し、さらに、前記散水器により前記圧力抑制室の表面に散水して蒸発潜熱により圧力抑制室内の熱を除去し、これにより生じた蒸気を前記ダクトに通して原子炉建屋の外に逃して、前記原子炉内を冷却可能な構成とした、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持装置とした。
請求項1及び請求項の発明によれば、外部電源を喪失し、かつ非常用電源も使用不可能な状況でも、大型のポンプを必要とせず、市場に出回っている容易に入手できる高圧洗浄ポンプを使用することで、特別な新規配管の増設、建屋の貫通工事も実施せず、計装配管に逆止弁付き継手管を取り付け、この継手管に接続した配管に高圧洗浄ポンプを接続するだけで、原子炉に清水を注入して、原子炉の冷却を維持し、非常用炉心冷却装置をもう1系統追加するのと同等乃至それ以上の安全性を確保できる。
また、高圧洗浄ポンプを接続する計器用の配管は、径が小さいものの、当該高圧洗浄ポンプにとって、炉心内注水に適した配管形状であり、しかも計器用の配管は多数本設けられているため、これらの多数の配管に前記高圧洗浄ポンプを接続して必要量の注水を原子炉に送ることができる。また、請求項の発明のように上記の継手管及び逆止弁付き配管を予め設備しておき、上記非常時に高圧洗浄ポンプを調達して迅速に必要な量を原子炉に注水することが出来る。
また、請求項2及び請求項発明によれば、高圧洗浄車または液化ガスタンクローリー車が必要となるが、これらは、原子力発電所の周辺道路を走っている液化ガスタンクローリー車や工事用に使用する高圧洗浄車を近隣から容易に調達することも可能であり、あるいは予め発電所構内に配備しておいてもよい。そして、これらの車両に清水を積載し、原子炉又はタービン建屋に横付けすれば、前記給水加熱器、給水ヘッダー及び配管の夫々から導出したドレン配管に設けられた二重弁の間に分岐管を設け、当該分岐管に接続した逆止弁付きの配管を高圧洗浄車又は圧縮気体ボンベで加圧した液化ガスタンクローリー車に接続すれば、これらの車から容易に原子炉に注水することが出来る。しかも、この操作には全く電源を必要としない。
また、請求項の発明のように、予め前記二重弁の間に分岐管を設け、当該分岐管に逆止弁付きの配管を接続しておけば、上記非常時に高圧洗浄車や液化ガスタンクローリー車を調達して迅速に原子炉に注水することが出来る。
また、1台の高圧洗浄車や液化ガスタンクローリー車の積載清水は限りがあり、これらの清水を積載した複数の車両を交代で使用することにより、間欠的ではあるものの大容量の原子炉注水が可能となる。従って、電源を必要とする他の非常用炉心冷却装置系が全滅時も、原子炉蒸気駆動の原子炉離隔時冷却系が機能不全に陥っても、巨大なポンプ、電動機を必要とせず、既存の設備への大幅な改造や変更を伴わず、安価な配管工事と各種の接続アタッチメント配備のみで絶大な安全・安心を得ることができる。
また、請求項3〜4の発明、並びに、請求項7〜8の発明によれば、複数の方法や装置を用いて非常時の原子炉を冷却することが出来、より安全性が高い。そのほか、請求項1及び2の発明における高圧洗浄ポンプの設置、液化ガスタンクローリー車の配置は、放射性物質管理区域外からでも行えるものであり、作業員に対する放射線による影響を考慮せずに作業ができるという効果を有する。
この発明の実施例1から3の概略構成図である。 この発明の実施例1の原子炉建屋内の計器が多数設けられた計装ラック箇所の概略図である。 この発明の実施例1の原子炉建屋及びタービン建屋の内部構成を示す平面図である。 この発明の実施例2の分岐管の接続位置を示す概略構成図である。 この発明の実施例2の原子炉建屋及びタービン建屋の内部構成を示す平面図である。 この発明の実施例3の原子炉建屋及びタービン建屋の内部構成を示す平面図である。 この発明の実施例3の原子炉建屋の概略を示す縦断面図である。 この発明の実施例3の雨どい型の散水器を示すもので、(イ)図は原子炉格納容器に散水器を取り付けた斜視図、(ロ)図は散水器の拡大断面図である。 この発明の実施例3の原子炉格納容器の外壁面の縞鋼板の一部正面図である。 この発明の実施例3の原子炉格納容器の外壁面の縞鋼板の一部断面図である。 この発明を使用する従来の沸騰型原子炉の概略構成図である。
この発明は、沸騰水型原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況において、原子炉の圧力、水位、流量を測定するため、原子炉から原子炉格納容器の外に設置された計器まで接続された数十本の計装配管のうちで直接監視に供しない複数本の計装配管に夫々高圧洗浄ポンプを接続し、当該高圧洗浄ポンプから原子炉に清水を注入し、前記原子炉内を冷却する、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持方法とした。
これにより、外部電源喪失かつ非常用電源も使用不可能な状況下でも、大型ポンプを必要とせず、容易に入手できる高圧洗浄ポンプを使用することで、特別な新規配管の増設、建屋の貫通工事も実施せず、原子炉に清水を注入して、原子炉の冷却を維持できる。
以下、この発明の実施例1を図に基づいて説明する。図1は実施例1〜実施例3の概略構成図である。
図1において、沸騰水型原子炉において、原子炉の圧力、水位、流量を測定するため、原子炉1から、原子炉格納容器24の外に設けた多数の計器13まで接続された数十本の計装配管14(図では1本のみ記載)のうちの複数本の計装配管14の過流逆止弁32と計器元弁13aの間に分岐継手15aを設け、当該分岐継手15aに逆止弁付き配管15を接続したものである。この逆止弁付き配管15の取付けは、以下の非常時の際に取り付けることも、また、予め取り付けておくこともできる。
そして、前記原子炉1が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた際、前記逆止弁付き配管15の一端に夫々高圧洗浄ポンプ16を接続し、当該高圧洗浄ポンプ16から原子炉1に清水を注入し、前記原子炉1内を冷却可能な構成とした。
図2は前記計器13が多数設けられた計装ラック28箇所の一部を示し、また、図3は原子炉建屋29及びタービン建屋30の内部構成を示す平面図である。前記多数の計装ラック28は原子炉建屋29内に設けられており、原子炉1から当該計装ラック28に導かれた計装配管14の過流逆止弁32の間に分岐継手15aを設け、当該分岐継手15aに逆止弁付き配管15を取り付けている。これらの逆止弁付き配管15の一端を原子炉建屋29の外のケーブル処理室31まで伸ばしておく。このケーブル処理室31に前記高圧洗浄ポンプ16を用意するようになっている。また、前記弁付き配管15の弁は逆止弁33から成る。
外部からの清水の供給は、屋外の水処理設備のタンクが水頭圧を持っているので、サービスビル(図示省略)まで消防ホース等で連結すれば、サイホン効果で原子炉2階の計装ラックレベルまでポンプなしでも供給できる。それを一旦、水槽(洗身用)又は流し台で受けて各高圧洗浄用ポンプ16にホースにて供給すれば、ケーブル処理室31を経由して直に原子炉建屋29の2階に通じており、各計装ラック28の入口の分岐継手の逆止弁の下流の弁付き配管15から原子炉1側に注水できるルートが確立する。
原子炉離隔時冷却系は原子炉圧力7〜1MPaでは直流電源が途切れない限り、また、系統の機器類が水没しない限り等、特段の障害がない限りは注水し続ける。実績から2〜3日は持ちこたえられたので、前記高圧洗浄ポンプ16の調達と準備からセットアップまでは十分に作業時間を確保できる。また、高圧洗浄ポンプ16等の仮設設備は定期点検中に使用する備品で、発電所内または各業者が常時保有しているものが使用できる。
また、最近の高圧洗浄ポンプは表面が研摩できる程度に強力な業務用中型のもの、及び自家用車等の高圧洗浄のための家庭用で市販されているものが容易に入手しやすく、仮設発電機等の電源で使用できるものが低価格で大量に市場に出回っており、大量生産モデルであれば入手・接続等が非常に簡易でかつ高性能になっている。また、この高圧洗浄ポンプ16は携行型であり、家庭用の100Vの電動工具程度の電源で駆動できるので、発電機等による仮設電源でも容易に駆動させることができる。
これらの高圧洗浄ポンプ16は原子炉1の蒸気逃がし安全弁8の圧力に匹敵する高圧水が供給できるが、1台あたりの流量がそれ程多く取れないのが現状である。しかしながら、前記計装配管14は、通常、小径であるため、高圧洗浄ポンプ16から供給注水するにはちょうど良い流量の仕様であり、多数の高圧洗浄ポンプ16を備えておけば、多数の計装配管14に多数の高圧洗浄ポンプ16をつなぎ、あらゆる場所から、原子炉1に注水することが出来る。
通常の電気制御ケーブルは原子炉建屋の貫通部を埋設電線管にて布設されている。これと同様の外形の小径のSUSチューブを貫通させて前記計装配管14をこれに通し、引出し部分で逆止弁付き継手管15を取り付けておけば、既存の電気設備に全く影響を及ぼすことなく、原子炉建屋の気密性を保持できる。
既存の原子炉建屋の壁を貫通する電線管内で1/2チューブサイズの計装配管14をケーブルと同様の扱いで複数本(40本程度)をドライチューブの状態で原子炉建屋の壁の外側の管理区域外に引出し、逆止弁付き継手管15が予め取り付けられていれば、各計装配管14に対して、独立して順次個別に高圧洗浄ポンプ16を各逆止弁付き継手管15に接続し、接続と電源の供給ができたものから個別に注水を開始できる。
通常、1/2のチューブサイズであれば、配管の形状及び注入する差圧にもよるが、一本当たり逆止弁を含めて最大90リットル/min以上の流量が期待できる。
原子炉隔離時冷却で初期の原子炉注水が短半減期の崩壊熱を除去した後には急激に崩壊熱の発熱は下がっているものの、決して予断は許されない適切な注水が必要である。原子炉隔離時冷却の注入量が142t/h=2,336リットル/min、2日〜3日は耐久時間としての実績がある。残留熱除去設備の熱除去に必要な水量は伝熱容量の最大でも16.6×10kcal/hであり、複数の計装配管14に高圧洗浄ポンプ16による注入を実施することでその後の継続的な崩壊熱除去が可能である。
最終的には、原子炉水位を保持できるだけの注水量を確保できれば、原子炉隔離時冷却がいつ機能不全に陥って、すべての非常用炉心冷却系を失っても、高圧洗浄ポンプ16の駆動用電力供給に必要な最小限の燃料消費で何ヶ月も長期的に持ちこたえることが可能である。
また、計測用の導圧配管であっても原子炉圧力容器1から過流逆止弁32までの間は3/4Bの径で施工されており、施工された距離と形状にもよるが十分な注入流量を確保できれば原子炉水位の確保に寄与できる。監視用計測器の内、原子炉の停止段階で実際に必要となるものは、全体の内でも極少数であり、外部電源及び非常用電源の両方が喪失している状態であれば、電動機駆動のほかの原子炉冷却系の導圧配管も注水に利用可能である。
計測用計器は完全に片耐圧でも14MPaの圧力に十分耐える構造のものであり、原子炉の最大圧である7.8MPaに注入流量を確保するための差圧を加えて送り込むことにより設備に損傷等を及ぼす危険性が全くなく、約20〔リットル/min〕/1本で合計13本以上の導圧配管ラインが利用できれば注水流量だけで蒸発潜熱による崩壊熱除去は十分に達成できる。また、ジェットポンプ流量検出のラインは再循環ポンプが運転していない状態では監視する必要性は無いのでこれらの計装配管14はA系で12本、B系で12本の合計24本の全てが注入に利用できる。
さらに、停電停止している原子炉再循環系についても電源供給が不可能であれば、流量計用の差圧を検出している導圧配管が注水用として全て利用可能となる。8本(FT)+4本(dPT)+2本(PS、PI)=14本、A系、B系で合計28本が次の段階で使用可能とすることが出来る。高圧炉心スプレー系の流量計高圧側も単独の配管として利用可能で、注水用に太径3/4Bで接続しておけば多くの注水が効率的に原子炉に注入できる。原子炉浄化設備であるCUW(Reactor Water Clean-up System:原子炉冷却材浄化系)の給水配管供給のドレン弁からも同様な方法で注水が可能である。
これらの利用可能な配管は全て非常時の注水の役目を終了すれば、本来の計測系に全く影響を及ぼさず、自身の計測器用のラインも、注水点に設けられた逆止弁で機械的に自動で計測ラインが復旧するため直ちに計測機能の回復が成される。
原子炉の崩壊熱は、停止直後で定格熱出力の7%で、15分後に2%となり、24時間後からは0.5%(15.385MW)程度となっている。単純に20°Cの清水が飽和蒸気となった場合では、潜熱539kcal/kg+(100−20)°C×1kcal/kg°C=619kcal/kgが1リットルの水で奪える崩壊熱となる。
従って、15.385×1000÷4.19÷619=5.932〔リットル/sec〕の注水ができればよい。
上記は減圧後の大気圧に対しての必要注水量であるが、高温高圧時には過熱蒸気となり、熱を奪うのでさらに少ない注水量で済む。実際、227°C(500°K)、60barの条件下では、976.3kJ/kg=976.3÷4.19=233.01kcal/kgが、過熱蒸気分として熱除去の追加ができるので、注水量は、5.9332×619÷(619+233)=4.310〔リットル/sec〕≒258.6〔リットル/min〕が必要注水量となる。
これに高圧洗浄ポンプの必要台数は、炉内洗浄用のケルヒャー業務用クラスで20〔リットル/min〕で13台、家庭用の小型コンパクト高圧洗浄ポンプでは350〔リットル/h〕での計算で45台が必要となる。
所要の仮設電源はケルヒャー業務用クラス採用では、6.2kW×13台=80.6kW、家庭用の小型コンパクト高圧洗浄ポンプでは1.3kW×45台=58.5kWとなり、出力としては軽自動車並みのエンジン発電機で十分供給が可能であり、最小限の燃料消費で長期間運転を継続することが可能である。
この様に小型分散型で電源を個々に計画設置していけるので、通常の常備品又はレンタルリース物で十分調達が可能であると同時に発電用に軽油、ガソリン、LPガス、カセットボンベ等の多様なエネルギー源を活用でき、発電所設備の非常用電源と比較しても圧倒的に燃料消費量は少ない。
次にこの発明の実施例2を図に基づいて説明する。図5は、実施例2における原子炉建屋及びタービン建屋の構成を示す平面図である。
この発明の実施例2を説明する前に、まず、給水加熱器、給水ヘッダー等について説明する。
通常、図10に示すように、タービンを回した蒸気の凝縮水は多段のポンプと加熱器を通ってダービン駆動原子炉給水ポンプで給水されるが、タービン建屋から原子炉1に給水する配管には最終的には6(1A、1B、1C)の給水加熱器6を出て給水ヘッダー7から送水され、原子炉1に供給される。これらの給水ヘッダー7及び各給水加熱器6(1A、1B、1C)、大口径の配管等には定期点検時に水抜きをするドレン配管と2重のドレン弁(通常、2台の直列閉止弁)がついている。また、原子炉1側では、給水は圧力容器には給水されるが、タービン側には逆流しないように原子炉格納容器24の内外で給水逆止弁25及び給水逆止弁26が設けられている。
この発明では、図4に示すように、給水加熱器6、給水ヘッダー7及び配管の夫々から導出した配管に設けられた二重のドレン弁17の間に分岐管を接続する。図4において、A箇所への分岐管の接続は給水ヘッダー7へ、B箇所の分岐管の接続は給水加熱器6へ、C箇所への分岐管の接続は配管(大口径)への接続となる。そして、図1及び図5に示すように、当該分岐管18に弁付きの配管19を接続し、当該配管19を高圧洗浄車20又は高圧ガスボンベ21で加圧した液化ガスタンクローリー車22に接続可能に設け、前記原子炉1が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた際、前記高圧洗浄車20又は液化ガスタンクローリー車22から配管19、分岐管18を通して前記二重のドレン弁17の一方の弁を介して清水を原子炉1に注入し、前記原子炉1内を冷却可能な構成とした。
原子炉スクラム等の異常事態には、原子炉圧力が高い原子炉側の水は逆止弁25及び26によりタービン側には流れて来ないが、給水圧力が原子炉圧に勝るようであれば、原子炉に注水が可能である。配管も径が大きく、原子炉側へ大量の注水が可能となる。
原子力発電所の周辺幹線道路を走り回る高圧ガスタンクローリー車で、LNG、窒素、アルゴン、二酸化炭素、酸素、水素等のものを停車させて調達することが可能であれば、積載物質を清水としてタービン建屋の搬入口、又は、放射性物質管理区域外の建屋の外に横付けする。通常の液化ガスタンクローリー車であれば8MPa程度は問題なく加圧できる。
これらにバルブセットを用いてローリータンク内に窒素圧力を7.5〜8MPa程封入してタンクに蓄積し、次に給水系ドレン配管側に接続した送水バルブを開き、各ドレン配管→給水ヘッダー7→給水配管23→給水逆止弁25→格納容器24→給水逆止弁26→原子炉圧力容器(原子炉1)と注水を実施することが出来る。この注水は、一切の電源なしで達成できる。
また、町中の下水配管を定期的に洗浄して回る高圧洗浄車についても単独で20〜30MPaの高圧洗浄水の連続供給が可能であり、一台の洗浄車で190〔リットル/min〕の高圧水の供給が出来る。
各種液化ガスのタンクローリー車の耐圧試験圧力は液化炭酸ガス、液化エタンガスで19.4MPa、液化窒素ガス、液化酸素ガス、液化ヘリウムガス、液化LNGで24.5MPaであり、原子炉1の蒸気逃がし安全弁8の設定圧力より高い圧力とすることができ、積載清水の送水は十分に可能と考える。その他、ローリータンクの冷却・加温の必要はない。
給水ヘッダー7だけでは1インチのドレン配管が使用可能であるが、送り込める容量が少ないので、給水加熱器6(1A、1B、1C)の出口弁を開とし、入口弁を閉めて給水加熱器6(1A、1B、1C)の配管のドレン配管及びベント配管からも送水することが可能である。更に、給水加熱器6(1A、1B、1C)本体の口径1/2のベント配管及びドレン配管、合計12本の配管からを、原子炉1への注水用として利用が可能である。
1/2インチ口径で約360〔リットル/min〕とすると、給水ヘッダー7のドレン配管と各給水加熱器6(1A、1B、1C)までの出口・入口給水配管のドレン管で7本以上も使用できれば、実施例1の方法に勝る注入量を確保することが出来る。例えば、LNGローリー13000リットルを間欠的に使用した場合、約36分に一回のタンクローリー車の入れ替えで順次接続し、送水してやることが可能であれば、崩壊熱除去は問題なく長時間継続実施できる。
ローリータンク内の圧力が低下した場合には再度、バルブ操作でローリータンク内に窒素を封入加圧して蓄圧し窒素バルブを閉め、送水側バルブを開としてローリータンク内の清水を最後まで送り込むことが出来る。ローリーは複数台で水処理設備とタービン建屋の搬入口の間を往復し、清水を満載して必要な注入を繰り返す。或いは近傍の水源から汲み上げ、簡易濾過し、タンクローリー車に積載することも可能である。
原子力発電所には、原子炉格納容器を窒素で満たすために常設の液体窒素タンクがあり、また、半導体検出器の冷却のために、小分けのタンクを数台保有している。工事用に所有している窒素ボンベ又はアルゴンガスボンベ、最大14MPa等でも容量7mであれば3本で1台分のタンクローリーの注水が可能となる。いずれも発電所内で容易に調達できる。
これらのドレン配管17の改造は至って簡単で、通常の二重弁となっている中間にT分岐を入れ、注入配管を引き出してくれば良い。流量ロスを最小にするためには合流形状のT分岐を採用しても良い。これらを集合させてタービン搬入口のトラック駐車場所に布設しておき、圧縮気体と送水用のバルブセットに接続しておく。タンクローリー車側に適用するためには、各種の車種、圧縮気体の種別等に応じたバルブの継手さえ準備しておけば、緊急時に短時間で接続し、原子炉注水作業が開始できる。
次にこの発明の実施例3を図に基づいて説明する。図6は実施例3の原子炉建屋及びタービン建屋の内部構成を示す平面図、図7は実施例3の原子炉建屋の概略を示す縦断面図、図8は実施例3の雨どい型の散水器を示す図であり、(イ)図は原子炉格納容器に散水器を取り付けた斜視図、(ロ)図は散水器の拡大断面図、図9は実施例3の原子炉格納容器の外壁面の縞鋼板の一部正面図、図10は原子炉格納容器の外壁面の縞鋼板の一部断面図である。
図1及び図8に示す様に、沸騰水型原子炉において、原子炉格納容器24の下部の圧力抑制室9の外周に雨どい型の散水器27を設け、また、当該圧力抑制室9の表面から発生する蒸気を原子炉建屋の外に逃すダクト34又は35(図6参照)を設け、前記原子炉1が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた際、前記散水器27により前記圧力抑制室9の表面に水を垂らし、これにより生じた蒸気を前記ダクトに通して原子炉建屋29の外に逃し、前記原子炉1内を冷却できる構成とした。
全電源を喪失した状況で、しかも、海水冷却の使用が絶望的な状況からの崩壊熱除去を行うには、水の蒸発潜熱の特性を利用し、熱を大気放出する方法がある。原子炉スクラム後は、蒸気逃がし安全弁8による74kg/cmの蒸気を圧力抑制室(サブレッションブール)9に吐出することで、原子炉1の圧力容器を減圧し、吐出蒸気を凝縮させる。原子炉隔離時冷却系の運転モードでは最初は復水貯蔵タンクを水源として、原子炉注水で水位を高めに持っていき、復水貯蔵タンクを使い切った後は、圧力抑制室を水源として原子炉に注水し(POOL TO COREの運転モード)、崩壊熱を蒸発させてサブレションプールで凝縮する閉じた熱循環の状況では、サブレションプールの温度は徐々に上昇していく。
海水冷却不能の状況で、この圧力抑制室9の温度上昇を100°Cまでで止めなければ次には原子炉格納容器24内の内圧が蒸気圧上昇に伴って原子炉格納容器24の破損に陥っていくことになる。ここで、全電源喪失、冷却機能不全の場合には、原子炉格納容器24を冷却するためにはサンドクションの格納容器外側に注水し、格納容器表面に散水し、蒸気潜熱で崩壊熱を除去する方法が唯一残された手段と言える。地下1階のサンドクションのハッチにはCAMS(Containment Atmosphere Control System:格納容器雰囲気モニター)の電離箱検出器用の電線管貫通のほかに定期点検時等に使用する直径70mmの予備の電線管が存在している。
注水は至って容易に実施でき、水処理設備のタンクからの水頭圧でホースを接続することでサービスビルから引き込み、原子炉建屋2階(又は1階)の貫通部を通し、地下1階のサンドクッション入口ハッチに引き込み、格納容器に向け散水して温度上昇を食い止めれば、問題なく設備の破壊を防止することが出来る。
サブレションプールの熱容量と原子炉隔離時冷却系で復水貯蔵タンクを消費した後の崩壊熱除去はプールからの注水で行われ、残留熱除去系の海水で熱交換できない場合に、上記の方法を準備するまでには10時間程度(復水貯蔵タンク注入8時間とプールの温度上昇時間)の余裕があるはずであり、プール外側の格納容器表面では100°C近くまで上昇するまでは設備の損傷の恐れはない。
サンドクッション内の格納容器表面に雨どいのような構造の散水器27を設けることで、格納容器の周囲に一様に散水し、濡らすことができれば原子炉定格運転熱出力の0.5%相当の崩壊熱15,385kWの熱を十分に除去し、大気に安全かつ安定的に長期間におよぶ放出を続けることができる。
サンドクッション入口ハッチは蒸気の通り道として開放し、防炎シート、難燃シート等で簡易的にダクトを作り、図7の太い矢印Aで示すように、原子炉建屋5階の手動開閉式のブローアウトパネル36を開き、人員用階段シャフトを目張りすれば、他の設備に影響を与えることなく崩壊熱を安定的に蒸気で大気に逃がすことができる。他にも、図7の太い矢印Bで示すように、原子炉建屋の大物搬入出入口のトラックエリア(内外扉中間部屋37)にダクトを引き込み、大気に放出するか、簡易熱交換器を仮設し、間欠的に扉を開放し、床ドレンにすることもできる。
蒸発潜熱は539kcal/kgで清水の初期温度が25°Cから蒸発温度の100°C近辺まで上昇すると合計(539+(100−25))=614kcal/kgの熱量を奪うことができる。崩壊熱は15,385÷4.19=3671.84kcal/秒、水量に換算すると、3,671.84÷614=5.98リットル/秒、約6リットルの水が毎秒供給できれば全く問題なく崩壊熱除去を行うことができる。
家庭用の風呂200リットルを33秒で入れられる程度の流量が確保できればよく、消防ホースの口径で水処理タンクから地下1階までのポンプ無しの水頭圧で十分供給可能である。必要とされる清水の水質は単純に蒸発させるだけのもので、系統の内部に入れる物ではないため、水質の要求は極めて低い。原子炉側注水の清水が枯渇の危機にあるなど極端な場合には、貴重な清水を使用せず、海水を使用しても問題はない。ただ、塩が砂の上にたまるだけで後から回収して塩分を取り除き、除湿すれば元通り正常に復旧できる。
圧力抑制室9の壁面は人員用ハッチより数十cm下が通常水位であるので、真にこのレベルに温度上昇した熱湯が存在している。そこで、円周26mにおよび4〜5mの高さの広大な鉄板の伝熱体にシャワーを滴下させて熱交換を行い、蒸発潜熱でサブレッションプールの水を冷却していく。
サンドクッションは幅80cm程度の隙間であり、蒸気の通り道としては十分であり、原子炉格納容器24の表面は直径26m(25968mm)の大きな円筒状の厚さ38mmの鉄板で製作されたもので、熱伝達面積は100°C近辺では十分な容量の熱を伝達できる広大な表面形状である。蒸発していく水分を常に補給し続ければ蒸発潜熱が鉄板表面から熱を奪い、湿度の高い蒸気であっても空気より軽く、湯気となり上昇していくので、大気開放であれば、強制的なファン等を必要とせず、階段シャフトにより上昇する。
6リットル/秒の水は蒸気流量にして容量約1700倍になったとすると10200リットル/秒でサンドクッションの人員用ハッチ1m×2m=2mを10.2m/秒の蒸気流量がでてくることとなり、蒸気流速にして約5m/秒で放出されてくるが、このハッチが一番狭く、流速が最大となる部分である。しかし、その後、断面積の広いダクト及び階段シャフトでは問題となるような強い蒸気流量ではなく、せいぜいそよ風程度の気流で湯気が昇って行くもので、他の設備に有害な問題を引き起こすおそれはない。
原子炉建屋からの蒸気の放出については、放射線管理上は連続して蒸気ダクトにガイガーミュラー管を当てておき、バックグランドの連続確認が出来ていれば放射性物質の拡散・放出のモニタリングはでき、安全な非放射性の蒸気で問題ないことを連続確認していくことが可能である。なお、今後、水素爆発防止の観点から、ブローアウトパネルは手動開閉式の導入がなされるのに伴い、放出口の緊急時の開放はより現実的なものとなり、これが放出口として利用できる。
既存のサンドクッションの人員用ハッチは、開放状態で蒸気の通り道として十分役目を果たし、現場及び発電所内の手持ちの仮設資材でダクトの作成は可能である。建屋の外からの清水の供給には、貫通部の確保が出来ていることが条件となるが、既存の貫通電線管には予備が相当数あり、これらを利用できる。
散水が的確に原子炉格納容器24の表面を広い面積で濡らすようにサンドクッションの人員用ハッチから左右に雨どい型で流水が自然落下し、適切な量が原子炉格納容器24の表面に滴下するような散水器27を原子炉格納容器24の外周上に取り付けることにより一点の注水管からの水で効率的に熱除去ができる。コスト的には非常に安価な追加の改造で、既存の設備機器、備品類を活用すれば良いわけで、非常用炉心冷却系統をもう1系統保有していると同様かそれ以上の対策となる。
散水器27は、蒸発潜熱の効果を最大にするためには散水した水が、水の薄い膜状になるものを設置し、水本来の性質である表面張力、毛細管現象及び重力による自然落下を利用できる構造のものとすることで、広大な面積に均一化した水の薄膜を原子炉格納容器24の表面に形成することで、有効に蒸発させられて蒸発潜熱による熱除去ができる。
雨どい型の散水器27の構造としては、図6〜図8の(イ)図に示すように、まず、原子炉格納容器24の外周に雨どいを略リング状に張り巡らせる。次に、この雨どい型の散水器27は供給される清水を円周上に水位を上げていき、一旦は円周上の全ての部分までいきわたり、満水となった時点で、今度は、図8の(ロ)図に示すように、円周に沿って一定間隔で設けたとい上縁の切り欠き38からオーバーフローして原子炉格納容器24の外壁面24aと散水器27の間隙に流れ込む。
この隙間は縞鋼板40を原子炉格納容器24の外壁面に押し当てたもので、1mmの間隙があり、原子炉格納容器24の円周に沿って均一の隙間を形成している。前記縞鋼板40は、図9及び図10に示すように、斜めにクロスした方向に一定間隔で、突条39が設けられて、一部の突条39は、中ほどの凸部が切り落とされた部分39aを有している。前記切欠き38の真下では、水が縞鋼板のハの字になった部分に左右方向に広げられ、更に毛細管現象である程度は縞鋼板の模様のパターン状の隙間に広がっていく。
ここに、清水供給が続行されると水の薄膜の広がる範囲は長くなる。後は、重力による自然落下で縞模様に沿って流れていくが、前記突条39の一部を切り落とされた部分39aを設けて工夫することにより拡大した範囲全体を均一に濡らすことができ、縞鋼板40の二つの突条39の下方の間から安定した均一な水膜を形成して壁面全体を伝わって流れ落ちる。また、清水の供給が多く、前記切欠き38以上の水位となった場合は、散水器27と原子炉格納容器24の外壁面との間のすべての箇所からこれらの間隙に清水が落ち、外壁面により広く均一な膜が広がる。
更に、温度上昇を一刻も早く抑制したい場合には、より多量の清水の供給が要求され、その場合は、縞鋼板40の外壁面と散水器27の間の間隙と共に、散水器27の外周縁から表面張力を破って清水がオーバーフローする。この時、散水器27の外周壁が一定の角度で傾きを持っているため、水は、当該外周壁の面を伝わって落ち、重力で加速されて、図8の(ロ)図に示すように、R型の底部で初速度を持ったまま滴下し、1〜3m程下の原子炉格納容器24の外壁面に当たり、水膜の蒸発後の乾いた壁面部分を冷却することが出来る。
雨どい型の散水器27の材質としては、アルミニウム製など、熱伝導率の大きなものを採用しておくと、100°Cの部屋の中を流れていき、満水となるまでに穏やかな温度上昇が期待でき、また、縞鋼板からの伝熱も間隙があり、直接接触していないので、急激には原子炉格納容器24の表面と散水器27の材質に熱応力の負荷を与えることは緩和できる。
〔原子炉格納容器壁面の熱除去計算例〕
前記原子炉格納容器24の有効な表面は直径26mで、高さ16mに及ぶが、ここでは保守的に基準水位の下へ約3mを使用して散水し熱除去を行うことを仮定する。伝導する面積として26×3.14×3≒244mを利用することとする。鉄板は厚さ38mmで鉄の熱伝導率は理科年表より100°Cのとき72W/mKの数値を引用する。
通常のプラント内での清水の温度を25°Cとして、これが100°Cの通路状の部屋に巡らされている雨どい型散水器に流れ込み、散水器の水位を満たしていく状況の中で温度上昇していくと考え、実際に散水開始の温度を30°Cとして3mを濡らしながら滴下し、蒸発するまでの下端を100°Cとした場合、平均して(100−30)÷3=35°Cの温度勾配がある。
これらを熱伝導の平板を用いた簡易計算ソフトを利用して必要な数値を代入した場合には、伝熱量では原子炉停止後の一定化した崩壊熱(0.5%熱出力相当)の15,385kWを上回る伝熱量が期待できる。同じように伝熱量15,385kWが崩壊熱除去で必要な伝熱量であるとした場合には、平均温度勾配はさらに小さい33°C程で収まることになる。実際の原子炉格納容器24内の温度は原子炉格納容器の設計圧力の475kPaまで圧力上昇された状態では、飽和蒸気温度で196°C程となっており、温度勾配を上記より大きく取れると考えられる。
この発明の実施例を説明したが、実施例1における高圧洗浄ポンプの活用、及び、実施例2における液化ガスタンクローリー車の活用は、放射性物質管理区域外においても行うことが可能のため、作業員は、なんら放射線の影響を考慮せずに、作業できるという効果を奏するものである。
1 原子炉 2 主蒸気管
3 タービン 4 復水器
5 復水ポンプ 6 給水加熱器
6(1A) 1Aヒーター給水加熱器
6(1B) 1Bヒーター給水加熱器
6(1C) 1Cヒーター給水加熱器
7 給水ヘッダー
8 蒸気逃がし安全弁 9 圧力抑制室
10 蒸気タービン 11 ポンプ
12 復水貯蔵タンク 13 計器
14 計装配管 15 弁付き配管
15a 分岐継手 16 高圧洗浄ポンプ
17 二重の弁 18 分岐管
19 配管 20 高圧洗浄車
21 窒素ボンベ 22 液化ガスタンクローリー車
23 給水配管 24 原子炉格納容器
25 給水逆止弁 26 給水逆止弁
27 散水器 28 計装ラック
29 原子炉建屋 30 タービン建屋
31 ケーブル処理室 32 過流逆止弁
33 逆止弁 34 ダクト
35 ダクト
36 手動開閉式ブローアウトパネル
37 内外扉中間部屋 38 切欠き
39 突条 39a 切り落とされた部分
40 縞鋼板

Claims (8)

  1. 沸騰水型原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況において、原子炉の圧力、水位、流量等を測定するため、原子炉から原子炉格納容器の外に設置されている計器まで接続された数十本の計装配管のうちの複数本の計装配管の過流逆止弁と計器元弁との間に夫々高圧洗浄ポンプを接続し、当該高圧洗浄ポンプから原子炉に清水を注入し、前記原子炉内を冷却することを特徴とする、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持方法。
  2. 沸騰水型原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況において、給水加熱器、給水ヘッダー及び配管の夫々から導出した配管に設けられた二重弁の間に、高圧洗浄車又は圧縮気体ボンベで加圧した液化ガスタンクローリー車からの配管を接続し、積載の清水を原子炉に注入し、前記原子炉内を冷却することを特徴とする、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持方法。
  3. 沸騰水型原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況において、前記請求項1に記載の高圧洗浄ポンプを適用する方法と前記請求項2に記載の高圧洗浄車又は圧縮気体で加圧した液化ガスタンクローリー車を適用する方法の組み合わせ、又は、前記請求項1に記載の高圧洗浄ポンプを適用する方法と原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に設けた雨どい型の散水器により、前記圧力抑制室の表面に散水して蒸発潜熱により熱を除去し、これにより生じた蒸気を仮設又は既設のダクトに通して原子炉建屋の外に逃し、前記原子炉内を冷却する方法の組み合わせ、又は、前記請求項2に記載の高圧洗浄車又は圧縮気体で加圧した液化ガスタンクローリー車を適用する方法と原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に設けた雨どい型の散水器により、前記圧力抑制室の表面に散水して蒸発潜熱により熱を除去し、これにより生じた蒸気を仮設又は既設のダクトに通して原子炉建屋の外に逃し、前記原子炉内を冷却する方法の組み合わせの、何れか一つの方法で前記原子炉内を冷却することを特徴とする、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全維持方法。
  4. 沸騰水型原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況において、前記請求項1に記載の高圧洗浄ポンプを適用する方法と、前記請求項2に記載の高圧洗浄車又は圧縮気体で加圧した液化ガスタンクローリー車を適用する方法と、原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に設けた雨どい型の散水器により、前記圧力抑制室の表面に散水して蒸発潜熱により熱を除去し、これにより生じた蒸気を仮設又は既設のダクトに通して原子炉建屋の外に逃す方法の、これら3つの方法を同時に適用することにより、前記原子炉内を冷却することを特徴とする、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全維持方法。
  5. 沸騰水型原子炉において、原子炉の圧力、水位、流量等を測定するため、原子炉から原子炉格納容器の外に設置された計器まで接続された数十本の計装配管のうちの複数本の計装配管の、原子炉格納容器の外の計装配管の過流逆止弁と計器元弁との間に予め分岐継手を夫々設け、当該各分岐継手に、一端に高圧洗浄ポンプを接続可能な逆止弁付き配管を接続し、前記原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた際、前記複数の逆止弁付き配管の一端に夫々高圧洗浄ポンプを接続し、当該高圧洗浄ポンプから原子炉に清水を注入し、前記原子炉内を冷却可能な構成としたことを特徴とする、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持装置。
  6. 沸騰水型原子炉において、給水加熱器、給水ヘッダー及び配管の夫々から導出した配管に設けられた二重弁の間に分岐管を予め設け、当該分岐管に設けた弁付きの配管と高圧洗浄車又は圧縮気体ボンベで加圧した液化ガスタンクローリー車に接続可能な弁付きの配管を設け、前記原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた際、前記高圧洗浄車又は液化ガスタンクローリー車に前記弁付きの配管を接続し、積載の清水を原子炉に注入し、前記原子炉内を冷却可能な構成としたことを特徴とする、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持装置。
  7. 沸騰水型原子炉において、
    前記請求項5に記載の装置及び前記請求項6に記載の装置、又は、前記請求項5に記載の装置及び原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に雨どい型の散水器を予め設け、また、当該圧力抑制室の表面から発生する蒸気を原子炉建屋の外に逃すダクトを予め設けた装置、又は、前記請求項6に記載の装置及び原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に雨どい型の散水器を予め設け、また、当該圧力抑制室の表面から発生する蒸気を原子炉建屋の外に逃すダクトを予め設けた装置の何れかであって、前記原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた際、前記原子炉内を冷却可能な構成としたことを特徴とする、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持装置。
  8. 前記請求項5に記載の装置、前記請求項6に記載の装置、及び原子炉格納容器の圧力抑制室の外周に雨どい型の散水器を予め設け、また、当該圧力抑制室の表面から発生する蒸気を原子炉建屋の外に逃すダクトを予め設けた装置の組み合わせであって、前記原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた際、前記複数の逆止弁付き配管の一端に夫々高圧洗浄ポンプを接続して原子炉に清水を注入し、さらに、前記高圧洗浄車又は圧縮気体で加圧した液化ガスタンクローリー車を前記弁付きの配管に接続して積載の清水を原子炉に注入し、さらに、前記散水器により前記圧力抑制室の表面に散水して蒸発潜熱により圧力抑制室内の熱を除去し、これにより生じた蒸気を前記ダクトに通して原子炉建屋の外に逃して、前記原子炉内を冷却可能な構成としたことを特徴とする、電源喪失・海水冷却不可能時の原子炉安全性維持装置。
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