JP6066827B2 - セラミックス成形体の製造装置および製造方法 - Google Patents

セラミックス成形体の製造装置および製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、セラミックス成形体の製造装置およびセラミックス成形体の製造方法に関するものである。
セラミックス成形体の製造方法の一つとして、主原料となるセラミックス粉末を分散媒である水または溶剤に分散させ結合剤を加えて攪拌しスラリー化したものを石膏などの吸水性のある多孔質の鋳型に圧力を加えて流し込む鋳込み成形という手法が用いられている。
鋳込み成形では、多孔質状の成形型の毛細管力によりスラリー中の溶媒が鋳型中に吸引除去され、成形型と接する面より固形分が堆積しケーキ状となり着肉し、次第に密度の高い成形体が形成される。
鋳込み成形は、他の手法、例えば粉末成形や押出成形および射出成形と比べると生産能力は劣るが、少ない設備投資で比較的大型のセラミックス構造体を作ることができ、また、CIP成形と比べてニアネットシェイプ化ができるため、坩堝、ラドル、半導体製造装置用部材、液晶製造装置用部材、衛生陶器などの製造方法としてよく用いられる。
しかしながら、スラリー中のセラミックス粒子は粒度分布を持っており、鋳込み成形開始からスラリー中の溶媒の除去とともに微細粒子が優先的に成形型表面に堆積するため、より多くの溶媒が除去される側の表層に微細粒子を多く含んだ層ができ、密度の不均一な成形体が形成され、後の脱型工程、乾燥工程および、焼成工程において割れを発生させる原因となる。
この対策として、従来の成形方法では、成形体を飽和水蒸気雰囲気下で加熱することにより粒子の界面電位を下げ、微細粒子を成形体内部に均一に凝集させる方式が考案されている(例えば特許文献1)。
また、管体やロールシェル形状の成形方法として、遠心力鋳込み成形用成形型に電極を設け、直流電圧を印加することによって発生する電気泳動を用いて厚肉で均一な密度の成形体を供する方法が考案されている(例えば特許文献2)。
特開平5−131408号公報 特開平5−105500号公報
坩堝、ラドル、パイプなど中空構造のセラミックス成形体を製造する場合、鋳込み成形用鋳型として外型と中子を必要とする。従来の鋳込み成形の手法で、成形体を得た場合、外型に比べ、中子の方は吸水性が劣るため、外型に接する成形体外面側と比べ、中子に接する成形体内面側は、成形密度が低くなり、結果的に、得られるセラミックス成形体の外側の面と内側の面とで成形密度にばらつきが生じ、その後の脱型、乾燥、焼成工程で割れが生じてしまうという問題があった。
つまり、従来のセラミックス成形型に注入されたスラリー中の溶媒は多孔質な成形型の毛細管力により成形型内部に吸引されるが、外型は成形体に接する面以外は外気に面しているのに対し、中子は表面の大部分が成形体に接する構造であるため外部に対し閉塞された状態となり、吸引した溶媒を外部に排出しにくい。このため、外型は吸水した溶媒を外気中に蒸発させることができるのに対し、中子は吸水性が飽和状態になり易く、吸水性の低下とともにスラリー中の固形分の堆積が低下し、外型に接する側に微細粒子が優先的に堆積し、中子に接する側に粗粒子が多く堆積し、中子に接する側の成形密度が低くなる。この現象は、特に成形型を繰り返し何回も使用する場合に顕著となる。
特許文献1の発明によれば、成形体を飽和水蒸気雰囲気下で加熱することにより粒子の界面電位を下げ、微細粒子を成形体内部に均一に凝集させ均一な密度の成形体を得ることができると説明されているが、通常、鋳込み成形は成形型中にスラリーを注入し加圧した状態で数時間保持するため、スラリーの流動が停止し、着肉して固化した状態で脱型するため、セラミックス成形体においては脱型した時点で成形体中の微細粒子の分布は、成形体の外側が密、内側が粗という状態で概ね確定しており、飽和水蒸気雰囲気下においても界面電位制御で効果は期待できないものであった。
また、特許文献2の発明では電気泳動により粒子の堆積を制御できるが、遠心力鋳込み成形方法を用いているため成形できる形状が限定されており、また、大型成形体の場合、装置も大掛かりなものとなってしまうものであった。
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、大掛かりな装置を用いることなく、セラミックス成形体の外面側と内面側とで、均一な成形密度を得ることが可能なセラミックス成形体の製造装置およびセラミックス成形体の製造装置を提供することを目的とする。
この発明に係わるセラミックス成形体の製造装置は、セラミックス原料を溶媒に分散させたスラリーが注入される外型と中子よりなる多孔質状の鋳込み成形型、上記中子の内部に埋設され、通気用孔部が設けられた管状通気部を備え、上記中子内において、近接する上記管状通気部間の距離Cと、上記管状通気部から上記中子の表面までの距離Bが、B×3>C、かつ、C×5>Bの関係式を満たす構成であり、上記鋳込み成形型内に流し込まれる上記スラリー中の溶媒を、上記管状通気部内を減圧することによって吸引するようにしたことを特徴とするものである。
また、この発明に係わるセラミックス成形体の製造方法は、上記のようなセラミックス成形体の製造装置を用いたセラミックス成形体の製造方法であって、セラミックス原料を溶媒に分散させたスラリーを、外型と中子よりなる多孔質状の鋳込み成形型内に流し込む第一の工程、上記中子内に配設され、通気用孔部が設けられた管状通気部の内部を減圧し、鋳込み成形時の上記スラリー中の溶媒を、上記中子の表面から内部側の上記管状通気部に吸引し外部に排出させるとともに、上記中子の表面に上記スラリー中の微細粒子を堆積させてセラミックス成形体を得る第二の工程、上記鋳込み成形型から上記セラミックス成形体を脱型させ、乾燥させて焼成する第三の工程を含むことを特徴とするものである。
この発明のセラミックス成形体の製造装置によれば、セラミックス成形体の外面と内面からの吸水状態を均一な状態に近づけることが可能となり、得られる成形体の外面と内面との成形密度が均一化されたセラミックス成形体を得ることができるという効果がある。
また、この発明のセラミックス成形体の製造方法によれば、鋳込み成形時のセラミックス成形体の外面と内面からの吸水状態を均一な状態に近づけることが可能となり、外面と内面との成型密度が均一化されたセラミックス成形体を得ることができるという効果がある。
この発明の実施の形態1によるセラミックス成形体の上面図と側面図である。 この発明の説明に必要な、セラミックス成形体の製造装置である鋳込み成形型の基本構成を示す上面図および断面図である。 この発明の実施の形態1によるセラミックス成形体の粒子分布を示す図と従来構造のセラミックス成形体の粒子分布を示す図である。 この発明の実施の形態1によるセラミックス成形体の製造装置である鋳込み成形型を示す上面図と断面図である。 この発明の実施の形態1によるセラミックス成形型の製造装置である鋳込み成形型の中子の製作時の上面図と断面図である。 この発明の実施の形態3によるセラミックス成形体の製造装置である鋳込み成形型の外型と中子を示す上面図および断面図である。 この発明の実施の形態3による中子に、管状通気部を配設する際に用いる位置決め治具を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4によるセラミックス成形体の製造装置である鋳込み成形型の外型と中子を示す、軸に垂直な断面図と軸方向に沿った断面図である。 この発明の実施の形態5によるセラミックス成形体の製造装置である鋳込み成形型の外型と中子を示す上面図および断面図、中子に管状通気部を形成する際に用いる石膏マスター型中子の側面図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1のセラミックス成形体の製造装置(鋳込み成形型を主構成とする。)を用いて製造したセラミックス成形体1を示す上面図および側面図よりなる構成図である。このセラミックス成形体1を製造する場合の鋳込み成形型の基本構成は図2に示す通りであり、例えば石膏よりなる多孔質状の鋳込み成形型は、外型2と中子3によって構成され、外型2の凹部と中子3の凸部とで形成される窪みがキャビティ8である。また、図2に示すように、外型2の上端外周部は、中子3の上端外縁部によって蓋をされた状態となっている。鋳込み時には、外型2に開口された鋳込み口9から、スラリーを流し込んで鋳込み成形を行う。
上述したように、従来の鋳込み成形型においては、外型2は、その表面から外部へスラリー中の溶媒を排出できるのに対して、中子3は吸い込んだスラリー中の溶媒を外部に排出する機能を持ち合わせていない。そのため、吸水性の違いにより、図3(b)にセラミックス成形体の粒子分布のモデル図を示すように、得られるセラミックス成形体1の厚みをdとすると、成形体内面側となる中子側は粗粒子5が多く堆積し、その成形体密度が低くなり、形成体外面側となる外型側は微細粒子4が多く堆積し、その成形密度が大きくなる現象がみられ、その結果、成形体密度が低い部分を起点とする割れが発生していた。
そこで、本発明の実施の形態1では、セラミックス成形体1の製造装置として、中子3側に、強制的に、吸い込んだ溶媒を外部に排出させる機能を設け、図3(a)に示すように、形成体外面側と内面側(厚みdの両端)で均質な成形密度の成形体を得ることができる鋳込み成形型を提案し、その成形型を用いたセラミックス成形体1の製造方法について説明する。
図4は、この発明の実施の形態1における鋳込み成形型の要部を示す上面図(図4(a))および上面図のA−A断面図(図4(b))である。なお、図4(b)では、外型2および中子3、プレート11の断面が表示されているが、その内部に配置された管状通気部6や、支柱7の配置およびピッチを示すための引き出し線を明瞭化するため、図中におけるハッチングの表示は省略している。
図において、外型2と中子3と組み合わせたものが鋳込み成形型であり、両者を組み合わせたときにできる窪みであるキャビティ8に、鋳込み口9よりスラリーを注入し、図1に示すセラミックス成形体1を成形する。鋳込み成形型の外型2と中子3は多孔質状の石膏を使用して製作した。
次に、中子3の製作方法について詳細に説明する。
図5は、この発明の実施の形態1における中子3製作時の要部を示す上面図(図5(a))および上面図のA−A断面図(図5(b))である。鋳込み成形型は粉末の半水石膏に所定量の水と凝結遅延剤、膨張抑制剤等を添加したものを真空攪拌してスラリー化し、成形型を鋳込むための石膏マスター型12に石膏鋳込み口10よりスラリーを流し込んだ後、時間とともに半水石膏が化学反応により二水石膏化して凝結することにより形成される。二水石膏は針状結晶となり夫々の結晶が3次元構造的に絡み合うことにより連続気孔が形成され(多孔質状となり)、その後の、セラミックス成形体1の鋳込み時には、この連続気孔により生ずる毛細管力によりセラミックススラリー中の溶媒が吸引される。連続気孔部の総体積は半水石膏に添加する標準混水量で決定され、半水石膏の種類であるα石膏とβ石膏の混合比率で標準混水量を制御する。今回は標準混水量が一般的な60重量部となるように調整した。
図5に示すように、この発明の実施の形態1によるセラミックス成形体1の製造装置の特徴である管状通気部(通気管)6は、まず、鋳込み前に石膏マスター型12の内部空間に螺旋状に配置され、その後、この内部空間に石膏スラリーが流し込まれ、らせん形状部を含む管状通気部6が内部に埋め込まれた中子3が形成される。具体的には、管状通気部6は通気性を持つ内径5mmのガラススリーブで有沢製作所製170−SF5.0aを使用し、石膏マスター型12の上部を覆うステンレスまたはアルミニウム製のプレート11に、ステンレスの丸棒等の支柱7が固定され、その支柱7に管状通気部6が結束バンド等にて係止され、この形状で石膏が固化されることでらせん形状部が形成される。
なお、管状通気部6は、電気絶縁用のガラス繊維で作られたチューブ状のもので内径5mmのものを用いたが、通気性のある(通気用孔部が設けられた)ものであれば材質、径は特に指定はしない。このようにして製作された成形型(中子3側)の管状通気部6は、成形型中の連続気孔と導通しており、管状通気部接続部6aより真空ポンプなどで減圧吸引することにより、連続気孔中の水分等を排出することが可能となる。
ここで、図4および図5の例では、管状通気部6は1本の管体によって構成される例を示しており、減圧時に外部のポンプを接続する管状通気部接続部6aも、管体の本数に応じて1箇所に設けられている。
なお、中子3は、図4、図5では、石膏部分を指し示しているが、中子3の内部には管状通気部6、支柱7が、上部にはプレート11が配置され、これらは一体構造となっている。
管状通気部6の設置位置は、中子3の表面に近すぎると管状通気部6の影響を受けすぎて中子3表面からの吸水にムラが生じるうえ成形型の強度が低下し、中子3の表面から遠すぎると吸水効果が低減する。また、隣り合う管状通気部6の間隔が大きすぎても中子3表面からの吸水にムラが生じる。実験の結果、管状通気部6から中子3表面までの距離をB、隣り合う管状通気部6の距離をCとすると、B×3>C、かつ、C×5>Bの関係式が成り立つ位置関係であれば吸水ムラは生じないことが明らかとなったため、ここでは、B=40mm、C=70mmとして配置した。
このようにして製作された成形型に、次に述べる手順でセラミックススラリーを流し込み、外径がφ300mm、高さが550mm、肉厚が20mmの坩堝状のものを鋳込み成形した。先ず、セラミックス原料として平均粒径1.0μmのアルミナ純度99.0%のパウダーを使用し、セラミックス原料を100重量部とし、分散媒として水を21重量部、分散剤として中京油脂製ポリカルボン酸アンモニウム塩D−305を0.5重量部混合し、ボールミルにて24時間攪拌した後に、結合剤として三井化学製アクリルエマルジョンWA−320を1.8部添加し、更にボールミルで2時間攪拌してスラリーを作製した。
次に、ボールミルよりスラリーを取出し、真空脱泡装置にて8時間真空攪拌してスラリー中の気泡を除去した。真空脱泡装置は、次で述べる加圧鋳込み装置と兼用で用いることができるもので、例えば、加圧、減圧可能なタンクにパドル式の攪拌羽根が取付けられた構造ものを用いる。
次に、図4で示した構成の成形型の鋳込み口9より前述のスラリーを加圧鋳込み装置にてキャビティ8内を充満するまで気泡を巻き込まないように2分間の時間をかけて注入した(第一の工程)。
スラリーはキャビティ8内に充填された後、その流動を停止する。ここで、スラリーを加圧している圧力を0.3MPaに保持した。この段階で既に着肉が開始されている。さらに、ここで、管状通気部接続部6aから真空ポンプを用いて減圧吸引を開始し、中子3の吸水性を補助した(第二の工程)。この時の真空度計の指示値は5.3KPaであった。なお、減圧手段は、真空ポンプ、サクションポンプ、アスピレータ等の減圧機能を持っているものであれば特に指定はしない。また、真空ポンプによる減圧吸引を開始するタイミングは、真空ポンプによる減圧吸引開始から中子3の表面が吸引開始するまでのタイムラグを考慮し早めに開始するが、スラリーがキャビティ8を充満して加圧保持して着肉が開始されるまでのタイミングとすることが望ましい。
スラリーをキャビティ8内で0.3MPaの圧力で3時間加圧保持した後に成形型よりセラミックス成形体1を脱型させ、乾燥後、焼成することによってセラミックス成形体1を完成させていくが、成形型より脱型させたセラミックス成形体1の粒子の分布は、図3(a)に示した状態となる。管状通気部6を減圧吸引しない場合の成形体の粒子の分布を示した図3(b)と比較して、中子3側に微細粒子4を多く堆積させることができ、外型側と中子側のそれぞれの表層の微細粒子4の堆積状態を均一化させることができる。
なお、図3(a)に示すように、セラミックス成形体1の肉厚dの中心部に粗粒子5が多く存在するのは鋳込み成形特有の湯境という現象によるもので、成形型の吸水によって微細粒子4が優先的に成形型の表面部に堆積する特性ゆえの症状であり、この湯境現象が、本発明の妨げとなることは無い。
上述したように、中子3の中に管状通気部6を配置する際に、管状通気部6から中子3表面までの距離をB、隣り合う管状通気部6の距離をCとすると、B×3>C、かつ、C×5>Bの関係式が成り立つ位置関係で配置し、鋳込み成形時に該管状通気部6を真空ポンプなどで減圧することにより、セラミックス成形体1の外面側と内面側を均一な粒度分布(成形密度のばらつきがない状態)とすることができ、その後の脱型、乾燥、焼成工程においても割れなどの不具合が出にくいセラミックス成形体1を得ることができる。
実施の形態2.
上述の実施の形態1において、鋳込み成形型の中子3側(凸状部)に、管状通気部6を設け、中子3の表面からスラリー中の溶媒(分散媒)を吸引する手段について示したが、同様に、外型2にも管状通気部(別の管状通気部)に相当するスラリー中の溶媒を吸引する手段(図示せず)を設け、セラミックススラリー鋳込み時に、中子3側から吸引する際に、外型2側からも吸引を行うように構成することも可能である。その際、外型2は、外気に晒される表面が中子3よりも広く、溶媒の吸水性が大きいことを考慮し、外型2の管状通気部(別の管状通気部)は、中子3の管状通気部6よりも小さい吸引力で吸引して、外型2側、中子3側からの吸水性が均一となるように減圧状態を調節する。
このように、外型2および中子3の両方に、管状通気部6等を設けてスラリー中の溶媒を排出させるようにすることでも、図3(a)に示した粒子分布モデル図のように、中子3側と外型2側の両面に、微細粒子4が密に詰まり、中間層に粗粒子5が堆積したセラミックス成形体1を得ることが可能となる。
なお、外型2に設ける管状通気部は、外型2自体を石膏スラリーで形成する際に、溶媒を排出させるために減圧して用いることも可能である。
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態2における鋳込み成形型の要部を示す上面図(図6(a))および上面図のA−A断面図(図6(b))である。図において、外型2と中子3と組み合わせたものが鋳込み成形型であり、両者を組み合わせたときにできるキャビティ8に鋳込み口9よりスラリーを注入し、図1に示すセラミックス成形体1を成形する。成形型の外型2と中子3は実施の形態1と同様に石膏を使用して製作した。成形体のサイズも実施の形態1と同じ外径がφ300mm、高さが550mm、肉厚が20mmの坩堝状のものとした。上述の実施の形態1においては、管状通気部6は、らせん形状部を有する1本の管体により形成された例を示したが、この実施の形態3では、直線状の管状通気部60が複数本配置される場合を例示する。なお、実施の形態1の場合は1本の管状通気部6を用いたため、その端部となる管状通気部接続部6aは1箇所であったが、本実施の形態3の場合は、管状通気部60の本数だけ端部が存在する。そのため、真空ポンプに接続する際には、各管状通気部60(ガラススリーブ)にジョイントで配管を接続し、マニホールド等で1流路に集約した上で、減圧する構成とする。
図6に示すように、直線状の管状通気部60は中子3の長手方向と平行で、円柱状(凸状)の中子3の中心軸を中心に中子表面から一定の距離を保ち且つ、隣り合う管状通気部6の間隔が一定になるように等角度で配置する。管状通気部60から中子3表面までの距離をB(図4を参照。)、隣り合う管状通気部6の距離をCとすると、B×3>C、かつ、C×5>Bの関係式が成り立つ位置関係とし、ここではB=35mm、C=60mmとした。
中子3の製作においては、管状通気部60は通気性を持つ内径5mmのガラススリーブを使用し、図7に示す管状通気部位置決め治具14のガラススリーブ挿入部14aに合計12本の管状通気部60となるガラススリーブを覆い被せる。なお、管状通気部60の本数に応じてガラススリーブ挿入部14aの本数が確保されていることは言うまでもない。また、中子3を形成する石膏の固化後、管状通気部60となるガラススリーブを石膏内に残し、位置決め治具であるガラススリーブ挿入部14aを抜き去るという手順で操作するため、ガラススリーブ挿入部14aには抜きテーパが設けられていたほうが望ましい。
次に、中子3の製作について示す。中子3の石膏マスター型12(図5参照。)に石膏スラリーを流し込んだ後に、前述のガラススリーブを覆い被せた管状通気部位置決め治具14を所定の位置に設置する。石膏は水と反応後に所定の時間で硬化を始めるため、石膏が硬化する前に治具を設置する必要があるが、凡その石膏硬化開始時間は石膏を水と反応攪拌開始してから10〜20分である。
石膏が硬化した後に、管状通気部位置決め治具14を成形型より抜き取るとガラススリーブのみが成形型に残される形となり、直線形状の管状通気部60が、中子3の凸形状の側面部内側(表面から距離Bだけ内側)に埋設された状態に出来上がる。
ここで、管状通気部60の他の形態として、ガラススリーブを用いずに形成する手法について例示する。つまり、管状通気部60として、石膏内に設けた細長い中空部を通気部とする方法である。その場合、管状通気部位置決め治具14を石膏マスターに流し込んだ石膏スラリー中の所定の位置に直接設置し、抜き去ることによって通気部を形成する方法である。この場合、セラミックススラリーの鋳込み形成時の管状通気部60の吸引では、例えば、各管状通気部60の開口端を集約するような蓋部を中子3の上面に被せ、その蓋部に設けられた一つの開口端を真空ポンプに接続する要領で減圧処理を行う。
図6の管状通気部60で示す部分を、中空部よりなる通気部(通気用孔部が設けられた管状通気部の一例)とする方法では、ガラススリーブを用いないため、石膏が硬化した後の治具と石膏との固着により、治具の抜き取りが困難となることが考えらえるが、その対策例を次に述べる。
対策例1、ガラススリーブ挿入部14aに抜きテーパを設け、材質を鉄系の金属または非鉄系の金属とし表面にフッソ系樹脂をコーティングする。
対策例2、ガラススリーブ挿入部14aに抜きテーパを設け、材質を鉄系の金属または非鉄系の金属とし表面にフッソ系樹脂をコーティングし、更にその上から離型剤としてカリ石鹸を塗布する。
対策例3、ガラススリーブ挿入部14aに抜きテーパを設け、材質をフッソ系樹脂とする。ガラススリーブ挿入部14aに抜きテーパを設け、材質をフッソ系樹脂とし、更にその上から離型剤としてカリ石鹸を塗布する。
対策例4、ガラススリーブ挿入部14aに抜きテーパを設け、材質を鉄系の金属または非鉄系の金属とし面粗度をRaで1.6a以下とする。
対策例5、ガラススリーブ挿入部14aに抜きテーパを設け、材質を鉄系の金属または非鉄系の金属とし面粗度をRaで1.6a以下とし、更にその上から離型剤としてカリ石鹸を塗布する。
これらの対策によりガラススリーブ挿入部14aと石膏の固着を回避でき、ガラススリーブを用いない場合でも管状通気部位置決め治具14を成形型より抜き取ることができる。
出来上がった中子3側の管状通気部60を、実施の形態1と同様に成形中に真空ポンプなどで減圧することにより、鋳込みにより形成される成形体の外面側と内面側で均一な粒度分布を持った、成形密度を同様とするセラミックス成形体1を提供することができる。
実施の形態4.
上述の実施の形態3では、中子3の凸状部が軸対称となる円柱形状であったが、この実施の形態4では、中子3の凸状部が軸対称の形状ではない場合(例えば、得られる成形体が角型坩堝状の場合。)について説明する。
図8は、この発明の実施の形態4における鋳込み成形型の2方向の断面図を示しており、図8(a)は成形体の軸に垂直な断面図を、図8(b)は、軸に沿った方向の断面図(A−A断面図)である。図において、外型2と中子3と組み合わせたものが鋳込み成形型であり、中子3は、その凸状部が四角柱の形状であり、両者を組み合わせたときにできるキャビティ8に鋳込み口9よりスラリーを注入することで、底付き四角筒形状の成形体を成形する。成形型の外型2と中子3は実施の形態1と同様に石膏を使用して製作した。
成形体のサイズは、外径がφ300×300mm、高さが550mm、肉厚が20mmの角型坩堝状のものとした。直線形状の管状通気部61を除く中子3の構成については実施の形態1と同様に、管状通気部61については実施の形態2の管状通気部60と同様の手法で製作できる。
このように軸対称でない形状のセラミックス成形体の鋳込み成形で中子3を要するものについても、中子3に管状通気部61を配置し、鋳込み成形時に該管状通気部61を真空ポンプなどで減圧することにより、成形体の外面側と内面側で均一な粒度分布を持った成形体を提供することができる。
実施の形態5.
図9は、この発明の実施の形態5におけるセラミックス成形体の鋳込み成形型の要部を示す上面図(図9(a))および上面図のA−A断面図(図9(b))、中子3に管状通気部62を配置形成する際に用いる石膏マスター型中子15の側面図(図9(c))である。図において、外型2と中子3と組み合わせたものが成形型であり、両者を組み合わせたときにできるキャビティ8に鋳込み口9よりスラリーを注入し、中空部である管状通気部62の開口端を蓋部13で閉じ、蓋部13に設けた貫通孔にポンプを接続するなどして中空部内部を減圧し、セラミックス成形体1を成形する。鋳込み成形型の外型2と中子3は実施の形態1と同様に石膏を使用して製作した。成形体のサイズも実施の形態1と同じ外径がφ300mm、高さが550mm、肉厚が20mmの坩堝状のものとした。管状通気部62を除く中子3の製作方法についても実施の形態1と同様であるため、管状通気部62の製作方法につき詳しく説明する。
管状通気部62は中子3の凸状部の長手方向と平行で、一つの円筒状空間として配置する。管状通気部62から中子3側表面までの距離をB、管状通気部62から中子3底表面までの距離をDとし、B=D>30mmとした。このB、D寸法が小さいほど管状通気部62を減圧吸水したときの吸水効果が高まるが、加圧鋳込み成形時のキャビティ8内の圧力により石膏が破壊されない程度の寸法とする。
管状通気部62は、石膏マスター型12に石膏を流し込む前に予め準備した管状通気部空間(中空部)に対応する石膏マスター型中子15を所定の位置に設置した後に石膏流し込み、石膏が硬化した後に、この石膏マスター型中子15を抜き取ることにより形成できる。石膏マスター型中子15は抜きテーパが設けられていたほうが望ましい。また、石膏が硬化した後の石膏マスター型中子15と石膏の固着により治具の抜き取りが困難となるが、実施の形態3において述べた対策例で回避できる。
出来上がった中子3にステンレス等で作られた蓋部13を被せた後に、管状通気部62を実施の形態1と同様に成形中に真空ポンプなどで減圧することにより、セラミックス成形体の外面側と内面側とが均一な粒度分布を持った組成となるように製作をすることが可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1セラミックス成形体(成形体)、2外型、3中子、4微細粒子、5粗粒子、6、60、61、62管状通気部、6a管状通気部接続部 7支柱、8キャビティ、9鋳込み口、10 石膏鋳込み口、11プレート、12石膏マスター型、13蓋部、14管状通気部位置決め治具、14aガラススリーブ挿入部、15石膏マスター型中子。

Claims (7)

  1. セラミックス原料を溶媒に分散させたスラリーが注入される外型と中子よりなる多孔質状の鋳込み成形型、上記中子の内部に埋設され、通気用孔部が設けられた管状通気部を備え、上記中子内において、近接する上記管状通気部間の距離Cと、上記管状通気部から上記中子の表面までの距離Bが、B×3>C、かつ、C×5>Bの関係式を満たす構成であり、上記鋳込み成形型内に流し込まれる上記スラリー中の溶媒を、上記管状通気部内を減圧することによって吸引するようにしたことを特徴とするセラミックス成形体の製造装置。
  2. 上記外型の内部に埋設され、通気用孔部が設けられた別の管状通気部を備え、上記外型の上記別の管状通気部は、上記中子の上記管状通気部よりも小さい吸引圧で吸引されるようにしたことを特徴とする請求項1記載のセラミックス成形体の製造装置。
  3. 通気用孔部が開口された上記管状通気部は、らせん形状部を有し、上記中子内に埋設される支柱に上記らせん形状部が係止された状態で配置されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のセラミックス成形体の製造装置。
  4. 通気用孔部が開口された上記管状通気部は、直線状に形成され、複数本が所定間隔を隔てて互いに平行に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のセラミックス成形体の製造装置。
  5. 上記管状通気部は、上記中子内に設けられた中空部によって構成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のセラミックス成形体の製造装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項記載のセラミックス成形体の製造装置を用いたセラミックス成形体の製造方法であって、セラミックス原料を溶媒に分散させたスラリーを、外型と中子よりなる多孔質状の鋳込み成形型内に流し込む第一の工程、上記中子内に配設され、通気用孔部が設けられた管状通気部の内部を減圧し、鋳込み成形時の上記スラリー中の溶媒を、上記中子の表面から内部側の上記管状通気部に吸引し外部に排出させるとともに、上記中子の表面に上記スラリー中の微細粒子を堆積させてセラミックス成形体を得る第二の工程、上記鋳込み成形型から上記セラミックス成形体を脱型させ、乾燥させて焼成する第三の工程を含むセラミックス成形体の製造方法。
  7. 上記第二の工程において、上記外型内に配設され、通気用孔部が設けられた別の管状通
    気部を、上記管状通気部の吸引圧よりも小さな吸引圧で吸引することを特徴とする請求項
    記載のセラミックス成形体の製造方法。
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