JP6065601B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動子を有し、直線的に超音波を送信する超音波探触子に把持部を備えたプローブと;超音波の角度検知手段と;プローブで送受信する超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに、角度データと同期して取得する超音波波形データ取得部と;取得した超音波波形データの特徴量が最大となる超音波の角度から一定範囲内の角度の超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに選抜するデータ処理部と;一定範囲内のそれぞれの角度における超音波波形データの特徴量群を統計処理することにより関節軟骨の変性程度を推定するデータ演算部とを備え、前記超音波波形データの特徴量が、関節軟骨表面からの反射エコーの振幅、関節軟骨表面からの反射エコーの持続時間、該関節軟骨表面からの反射エコーの包絡線の振幅、包絡線の持続時間、関節軟骨表面からの反射エコーの信号処理値のいずれかであることを特徴とする超音波診断装置に関する。
膝関節は、人体で最も大きな関節の一つであるが、加齢による損傷により、65歳以上における変形性関節症の発症率は40%以上になるといわれている。関節の変形は、主として、関節表面部を覆っている関節軟骨の変性によるものであり、具体的には、軟骨のヤング率が低下したり、軟骨の表面の粗さが増大したり、軟骨の厚さが減少することが知られている。関節軟骨の変性の程度を簡便な装置で評価できることは、治療方針に決定に大きな貢献をすることが期待される。
関節軟骨の変性程度を把握するには、超音波を利用する手法が従来から広く行われている。例えば、皮膚を切開し関節軟骨を露出させたうえで、関節軟骨に超音波を直接送受信し、関節軟骨の変性を評価する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この方法は、図1に示すように、正常な関節軟骨に超音波を直接送受信した場合には、関節軟骨表面からの反射エコーの振幅(以下、「反射エコー強度」ともいう。)は送受信する超音波の角度に強く依存するため、反射エコー強度が最大となる角度(θ=0)から超音波を送受信する角度がわずかに変化するだけでも反射エコー強度は大きく減少するのに対し、変性した関節軟骨に超音波を直接送受信した場合には、反射エコー強度が最大となる角度(θ=0)から超音波を送受信する角度が変化しても反射エコー強度はあまり減少しないという性質を利用している。この他、屈曲した膝の正面側の体表面から超音波ビームを走査することにより、膝内部の大腿骨遠位端の軟骨を含む三次元領域についてのボリュームデータを取得する送受波手段と、ボリュームデータにおける各ボクセルのエコーレベル値に基づき、ボリュームデータから軟骨に対応する部分を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された軟骨に対応する部分の表面上の選択された点での軟骨の厚みを計算する手段を備える超音波診断装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、プローブ中央に送受信兼用の超音波探触子を設け、この両側に送信用超音波探触子と受信用超音波探触子が対称移動可能に設けてある超音波診断装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この超音波診断装置は、反射エコー強度が最大になる角度が適切なプローブの角度であることを前提して、プローブの角度を決定している。
特開2010−125号公報 国際公開第2008/108054号パンフレット
Ronald S. et al., Ultrasound in Med. & Biol. 18(1) 51-58(1992)
前記皮膚を切開し関節軟骨を露出させたうえで、関節軟骨に超音波を直接送受信し、関節軟骨の変性を評価するという非特許文献1の方法では、関節軟骨を露出させるために皮膚の切開が避けられないために侵襲性が大きい。また、あくまで図2に示すように関節軟骨に直接超音波を送受信して測定しており、皮膚の上から測定した場合の反射エコー強度と送受信する超音波の角度との関係は明らかでない。さらに、関節軟骨表面上の1点を中心にして超音波探触子を回転させるための特別のフレームが必要である。
また、屈曲した膝の正面側の体表面から超音波ビームを走査する特許文献1の装置では、皮膚の上から測定できるので侵襲性はないが、超音波ビームを走査するために特別のフレームを必要とするだけでなく、単に関節軟骨の厚みを測定するだけであった。
さらに、送信用超音波探触子と受信用超音波探触子が対称移動可能に設けてある特許文献2の装置では、反射エコー強度が最大となる角度となるように送信する超音波の角度を厳密に合わせ、しかも測定が終了するまでその角度を維持する必要がある。反射エコー強度が最大となる角度を維持する必要があるのは、図1の角度θ=0付近における灰色の範囲に示すように、関節軟骨の変性程度を反映した反射エコー強度を取得できる角度範囲は非常に狭いためである。また、皮膚の上から測定できるので侵襲性はないが、図3に示すように皮膚の表面から関節軟骨に超音波を送受信して測定した場合には、皮下組織に存在する脂肪塊群等により超音波が散乱するため、得られる反射エコー強度は図4のように皮膚なしの場合(点線)と比べて低下することが本発明者による試験によって明らかとなった。この低下率は送信する超音波の角度によって異なる。このため、特許文献2の装置により単に角度(θ=0)の反射エコー強度だけを測定しても、関節軟骨の変性程度を正確に反映していない。さらに、反射エコー強度が最大となる角度を探す方法として、反射エコー強度がピークとなる位置を探すという方法を用いているが、皮膚の表面から関節軟骨に超音波を送受信して測定した場合には図5に示すように複数のピークを有するため、反射エコー強度が最大ではない角度(例えば図5中の○印)をエコー強度が最大となる角度と誤って判断する恐れがあった。
この他、MRIによる診断も行われているが、軽度の関節軟骨変性は観察できなかった。
そこで本発明の課題は、超音波探触子を備えたプローブを皮膚の上から手動で操作することよって、関節軟骨の変性程度を推定可能な超音波診断装置を提供することにある。
関節軟骨は皮膚に覆われて関節軟骨の表面が見えないため、図6左に示すように、関節軟骨表面を基準として複数の角度から超音波を送受信した場合の角度差θを把握することはできない。また、先に記載したとおり、皮膚の表面から関節軟骨に超音波を送受信して測定した場合には、皮下組織に存在する脂肪塊群等により超音波が散乱し、反射エコー強度は低下する。そこで本発明者は、図6右に示すように皮膚の表面を基準点として複数の角度で測定し、超音波波形データを角度データと同期して取得した。このとき、図7に示すように、ある程度反射エコー強度が高い角度(図7中の■)を探し、その角度から様々な角度で測定することで、反射エコー強度が最大となる角度と、その角度から一定の範囲の角度の超音波波形データを取得した。そして、皮下組織に存在する脂肪塊群等により超音波が散乱する影響を排除するために、単に最大反射エコー強度だけを求めるのではなく、超音波波形データの特徴量を統計処理(超音波波形データの特徴量の平均値と標準偏差の算出、又は、超音波波形データの特徴量と相対角度を変数とする非線形回帰)したところ、統計処理した値と関節軟骨の変性程度に相関関係があることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、[1]振動子を有し、直線的に超音波を送信する超音波探触子に把持部を備えたプローブと;超音波の角度検知手段と;プローブで送受信する超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに、角度データと同期して取得する超音波波形データ取得部と;取得した超音波波形データの特徴量が最大となる超音波の角度から一定範囲内の角度の超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに選抜するデータ処理部と;一定範囲内のそれぞれの角度における超音波波形データの特徴量群を統計処理することにより関節軟骨の変性程度を推定するデータ演算部とを備え、前記超音波波形データの特徴量が、関節軟骨表面からの反射エコーの振幅、関節軟骨表面からの反射エコーの持続時間、該関節軟骨表面からの反射エコーの包絡線の振幅、包絡線の持続時間、関節軟骨表面からの反射エコーの信号処理値のいずれかであることを特徴とする超音波診断装置や、[2]統計処理が、超音波波形データの特徴量の平均値と標準偏差の算出、又は、超音波波形データの特徴量と相対角度を変数とする非線形回帰であることを特徴とする上記[1]記載の超音波診断装置や、[3]送受信した位置を検知する測定位置検知手段をさらに備え、超音波波形データ取得部において、プローブで送受信する超音波波形データを角度データ及び測定位置データと同期して取得することを特徴とする上記[1]又は[2]記載の超音波診断装置や、[4]さらにデータ処理部において、同一の超音波送受信角度を有する超音波波形データを取得し、測定位置から関節軟骨表面への超音波到達時間をそれぞれ求め、超音波伝播距離に基づいて測定位置ごとの関節軟骨表面の超音波反射点の座標データを取得することを特徴とする上記[3]記載の超音波診断装置や、[5]さらにデータ演算部において、関節軟骨表面の超音波反射点の座標データから仮想関節軟骨表面を求め、仮想関節軟骨表面の法線ベクトルと送受信する超音波の方向ベクトルとの角度差Δθを求め、角度差Δθと角度差Δθにおける超音波波形データの特徴量との関係から、関節軟骨の変性程度を推定することを特徴とする上記[4]記載の超音波診断装置に関する。
本発明によれば、超音波探触子を備えたプローブを関節付近の皮膚に接触させて測定することにより、非侵襲的に関節軟骨の変性程度を推定することが可能である。また、超音波波形データの特徴量が最大となる角度から一定の範囲内の超音波波形データをデータ処理部が自動的に選抜するため、測定者が送受信する超音波の角度を意識せずにプローブの操作を行うことが可能であり、測定に習熟していない者でも測定が容易である。さらに、超音波波形データの特徴量が最大となる超音波の角度を注意深く探索し、その角度を微動することなく固定する必要がないため、装置の小型化及び低価格化が実現できるとともに、手ぶれが生じることにより角度を一定に保持できないことによる障害も生じない。
正常な軟骨及び変性した関節軟骨における相対角度と反射エコー強度との関係を示す図である。 関節軟骨に直接超音波を送受信して反射エコーを測定する概念図である。 皮膚の表面から関節軟骨に超音波を送受信して反射エコーを測定する概念図である。 皮膚ありの場合と皮膚なしの場合における相対角度と反射エコー強度との関係を示す図である。 従来の方法では、反射エコー強度が最大ではない角度をエコー強度が最大となる角度と誤って判断する恐れがあることを示す図である。 関節軟骨表面若しくは皮膚の表面を基準点として角度を変えて測定する方法を説明する図である。 反射エコー強度が最大となる角度と、その角度から一定の範囲の角度の超音波波形データを取得する方法を示す図である。 好ましいプローブの手動走査の一例を示す図である。 皮膚を経由して得られた関節軟骨からの超音波波形データの典型例を示す図である。 試験1〜試験4で用いた実験装置の構成を示す図である。 試験1〜試験4で用いた関節軟骨試料の写真である。 試験1で得られた典型的な超音波波形データを示す図である。 試料1における反射エコー強度の平均値と標準偏差を算出した結果を示す図である。 試験2の試行1における100点のデータを使用した際の結果(上段)と10点のデータ使用をした際の結果(下段)を示す図である。 試験2におけるデータ使用点数が100点と10点の場合の酵素処理時間と反射エコー強度との関係を示す図である。 試験2におけるデータ使用点数と相関係数との関係を示す図である。 試験3における酵素処理時間と反射エコー強度との関係を示す図である。 試験3における反射エコー強度と相対角度の絶対値を変数とする非線形回帰分析を行った結果を示す図である。 試験4における仮想関節軟骨表面の法線ベクトルと送受信した超音波の方向ベクトルとの角度差Δθを求める概念図である。 試験4における角度差Δθと、角度差Δθにおける反射エコー強度の平均値との関係を示す図である。 試験4において求めた近似直線の傾き(絶対値)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の概念図である。
本発明は、振動子を有し、直線的に超音波を送信する超音波探触子に把持部を備えたプローブと;超音波の角度検知手段と;プローブで送受信する超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに、角度データと同期して取得する超音波波形データ取得部と;取得した超音波波形データの特徴量が最大となる超音波の角度から一定範囲内の角度の超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに選抜するデータ処理部と;一定範囲内のそれぞれの角度における超音波波形データの特徴量群を統計処理することにより関節軟骨の変性程度を推定するデータ演算部とを備え、前記超音波波形データの特徴量が、関節軟骨表面からの反射エコーの振幅、関節軟骨表面からの反射エコーの持続時間、該関節軟骨表面からの反射エコーの包絡線の振幅、包絡線の持続時間、関節軟骨表面からの反射エコーの信号処理値のいずれかであることを特徴とする超音波診断装置であれば特に制限されるものではなく、皮膚の上から超音波を送受信して測定することで関節軟骨の変性程度を推定することができる装置である。
本発明において、関節軟骨の変性とは、軟骨のヤング率の低下、軟骨の表面の粗さの増大、軟骨の厚さの減少をいう。
本発明において、プローブは、振動子を有し、直線的に超音波を送信する超音波探触子に把持部を備えており、測定者はこのプローブを把持して超音波探触子の先端部にある振動子を皮膚にあてることにより超音波を送受信し、超音波波形データの特徴量等の測定を行う。超音波波形データとは、超音波を送信して得られる反射波のデータである。プローブで受信する超音波波形データは振幅と時間の関係で得られる。超音波探触子で受信した超音波波形データはパルサーレシーバーに送信される。
本発明において、振動子は、電圧を加えると振動して超音波を発生し、逆に振動すると電圧を発生する素子であり、超音波を送信するとともに、反射した超音波を検知することもできる。振動子は1つでもよく、また複数配列されていてもよい。複数配列する場合には、それぞれの振動子に対して同時に超音波を発生させてもよいが、それぞれの振動子に対して作動時間を電気的に制御することで送受信する超音波の角度を変更することもできる。
超音波探触子は一つ又は複数の振動子を有して直線的に超音波の送信が可能であり、パルサーレシーバーと電気的に接続している。パルサーレシーバーは超音波を発生するために必要な電気信号を超音波探触子に送信すると共に、超音波探触子で受信した超音波波形データを超音波波形データ取得部へ送信する。超音波の中心周波数については、周波数を高くすると波長が短くなり空間分解能は向上するが、他方で、生体組織通過時の微小な組織性状変化の影響を受けやすくなる。また、周波数に比例して減衰が激しくなるために、反射波に多数のノイズが含まれるとともに、反射波の信号強度が低下する。したがって、空間分解能と、受信しやすさのバランスを考えると超音波の中心周波数は1〜30MHz、好ましくは5〜20MHz、より好ましくは10〜18MHzである。
角度検知手段としては、超音波探触子で送受信する超音波の角度を測定できればよく、加速度センサー、角速度センサー、地磁気センサー等の姿勢角センサーを挙げることができ、前記センサーを用いる場合は小型であるためプローブに直接設置しても装置の大きさやプローブの操作性において影響が少ない。このほか、プローブに磁性体を設置し、磁気センサーで読み取ることによってプローブにより送受信する超音波の角度を検知する手段や、プローブに複数のマーカーを設置し、プローブの動きをカメラで撮影することによりプローブの角度を知る手段も挙げることができる。また、複数の振動子を用いて超音波を送受信する場合には、作動時間の電気的な操作による角度把握手段を用いることもできる。本発明においては、プローブにより送受信する超音波の角度を知ることができればよいため、これら角度検知手段は、プローブにより送受信する超音波の角度を知ることができるかぎり、必ずしもプローブに直接設置されていなくてもよい。角度検知手段によって得られた角度データは超音波波形データ取得部へ送信される。角度検知手段を備えているので、測定者はプローブを操作するときに超音波の角度を把握する必要も、一定の速度で動かす必要もなく、図8に示すようにプローブを円やらせんを描くように動かしさえすればよい。なお、プローブの角度変化スピードに追従するためには、プローブで受信する超音波波形データと角度検知手段における角度データの取得タイミングは、0.01秒程度の時間的ずれは許容される。この時間的ずれの許容範囲は、後述する位置データを取得する場合についても適用される。ここで、「角度」とは、地面などの固定された座標系を基準にした角度である。一般的にはロール角(X軸周りの角度)、ピッチ角(Y軸周りの角度)、ヨー角(Z軸周りの角度)の3つの角度で表現される。
測定位置検知手段としては、超音波を送受信した位置を検知できればよく、磁気センサーや、プローブに複数のマーカーを設置してプローブの動きをカメラで撮影する手段を挙げることができる。特に、磁気センサーや、プローブの動きをカメラで撮影する手段は、送受信する超音波の角度と測定位置を両方検知することができる。測定位置検知手段によって得られた測定位置データは超音波波形データ取得部へ送信される。本発明においては、測定位置を知ることができればよいため、測定位置検知手段は、測定位置を知ることができるかぎり、必ずしもプローブに直接設置されていなくてもよい。
超音波波形データ取得部は、パルサーレシーバーから受信した超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに、角度検知手段からの角度データと同期して取得する。同期させる方法としては、パルサーレシーバーから超音波探触子に電圧を加えるための信号をトリガー信号として超音波波形データ取得部での超音波波形データと角度データのデータ取得タイミングを一致させる方法を挙げることができる。測定位置検知手段を備えている場合には、超音波波形データを角度検知手段からの角度データ及び測定位置データと上記と同様の方法で同期する。
データ処理部では、取得した超音波波形データの特徴量が最大となる超音波の角度(以下、「最大角度」ともいう。)から一定範囲内の角度の超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに選抜する。最大角度から一定の範囲内の角度とは、最大角度からの相対角度が一定範囲内の角度をいう。「相対角度」とは、最大角度の超音波の送信方向(直線)と測定した超音波の送信方向(直線)の2つの直線が作る平面内での2つの直線の間の角度をいう。
上記データ処理部において、最大角度を求める方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。得られた超音波波形データにそれぞれ番号を付与し、付与した超音波波形番号と特徴量とを配列のデータとして記録し、その特徴量の最大値を探索する。その特徴量の最大値が得られる超音波波形番号の超音波の角度を最大角度とする。
得られた最大角度に基づいて、以下の方法により相対角度を求めることができる。最大角度でのロール角、ピッチ角、ヨー角をそれぞれα0、β0、γ0とし、ある波形番号iでのロール角、ピッチ角、ヨー角をそれぞれαi、βi、γiとする。この時、最大角度での超音波の送信方向(直線)の方向ベクトルは、A=(−sinβ0、cosβ0sinα0、cosβ0cosα0)で表現される。同様に波形番号iでの超音波の送信方向(直線)の方向ベクトルはB=(−sinβi、cosβisinαi、cosβicosαi)で表現される。これらからAを基準とするとき、Bとの間の相対角度θは、下記式(I)で計算できる。
最大角度から一定範囲内の角度の超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに選抜するには、超音波を送受信した位置ごとに、超音波波形データ取得部で取得した超音波波形データの特徴量から最大角度を決定し、次に、それぞれの位置における最大角度から一定範囲内の角度、具体的には15度以内、好ましくは10度以内、より好ましくは8度以内、さらに好ましくは5度以内、中でも3度以内の角度の超音波波形データを選抜する。送受信した位置を検知する測定位置検知手段を備えている場合は、位置ごとに取得した超音波波形データを分類する際に位置データを利用することができる。この選抜処理により、変性した関節軟骨と正常な関節軟骨とで反射エコー強度に有意差を有する角度の超音波波形データが得られる。また、最大角度とその角度から一定範囲内の角度の超音波波形データが自動的に選抜されるため、測定者が最大角度を探す必要もなく、さらに最大角度でプローブを固定する必要もない。
超音波波形データの特徴量としては、超音波波形データのうち、関節軟骨表面からの反射エコーの振幅(反射エコー強度)、関節軟骨表面からの反射エコーの持続時間、該関節軟骨表面からの反射エコーの包絡線の振幅、包絡線の持続時間、関節軟骨表面からの反射エコーの信号処理値、関節軟骨表面からの反射エコーと軟骨下骨からの反射エコーとの時間間隔等を挙げることができ、中でも関節軟骨表面からの反射エコーの振幅を好適に挙げることができる。なお、関節軟骨の変性が進むと、表面の粗さが増大し、その表面の粗さは反射エコーの持続時間に比例し、さらに、関節軟骨の厚さは薄くなる。
関節軟骨表面からの反射エコーの包絡線は、関節軟骨表面からの反射エコーをウェーブレット変換、ヒルベルト変換、直交検波することで作成することができる。また、信号処理値とは、信号(波形データ)を数学的に分析して波形の特性の解析や特徴の抽出を行って得られる値をいい、関節軟骨表面からの反射エコーの形状の面積も含まれる。
皮膚を介して得られた関節軟骨からの超音波波形データは、図9に示すように様々な反射エコーを含んでいる。そこで、データ処理部においては、得られた超音波波形データから関節軟骨表面からの反射エコーを識別するアルゴリズムによる処理を行うこともできる。たとえば、皮膚を介して得られた超音波波形データは、皮膚からの反射エコー、関節軟骨表面からの反射エコー、軟骨下骨からの反射エコーの順に反射エコーが観測されるという特徴や、関節軟骨表面からの反射エコーと軟骨下骨からの反射エコーとが観測される間は振幅が小さいという特徴があり、これらの特徴から関節軟骨表面からの反射エコーを識別することができる。また、超音波波形データをウェーブレット変換、ヒルベクト変換、直交検波することで、周辺のノイズと超音波による反射波形を分離し、関節軟骨表面からの反射エコーをより明確に抽出することもできる。
データ処理部において選抜する超音波波形データ数としては、10個以上、好ましくは20個以上、さらに好ましくは30個以上、中でも50個以上、もっとも好ましくは100個以上を挙げることができる。選抜する際には異なる複数の測定位置の超音波波形データから選抜することが好ましい。処理するデータ数を少なくすることで、データ処理の負担を軽減することが可能となるほか、装置の小型化、コスト低減が実現できる。
さらにデータ処理部において、同一の超音波送受信角度を有する超音波波形データを取得し、測定位置から関節軟骨表面への超音波到達時間をそれぞれ求め、超音波伝播距離に基づいて測定位置ごとの関節軟骨表面の超音波反射点の座標データを取得することもできる。
「同一の超音波送受信角度を有する超音波波形データ」とは、送受信した超音波の角度が同一である超音波波形データであり、同一の超音波送受信角度を有する波形データを測定位置ごとに取得する方法としては、例えば、まずは複数の測定位置から基準となる測定位置を決め、その基準となる測定位置の超音波波形データ群のうちの一つの超音波波形データの角度と同一の超音波送受信角度を有する超音波波形データを他の測定位置からも取得する方法が挙げられる。
同一の超音波送受信角度は、超音波波形データ群のそれぞれの角度と完全に同一の超音波送受信角度だけでなく、超音波波形データ群のそれぞれの角度差が0.25度以内で同一の超音波送受信角度も含まれる。
測定位置から関節軟骨表面への超音波到達時間は、例えば、得られた超音波波形データに基づく超音波送信時から関節軟骨表面からの反射エコーの振幅が最も大きくなるまでの時間によって求めることができ、超音波伝播距離は、測定位置から関節軟骨表面への超音波到達時間に一般的な生体中の音速(1550m/s)を乗じることによって求めることができる。
超音波伝播距離に基づいて測定位置ごとの関節軟骨表面の超音波反射点の座標データは、角度検知手段で得られた送受信する超音波の角度データと、測定位置検知手段で得られたそれぞれの測定位置データと、超音波伝播距離とに基づいて取得することができる。
データ演算部では、データ処理部で選抜された、一定範囲内のそれぞれの角度における超音波波形データの特徴量群を統計処理すると共に、関節軟骨の変性程度を推定する。
データ演算部における統計処理としては、超音波波形データの特徴量の平均値と標準偏差の算出、又は、超音波波形データの特徴量と相対角度を変数とする非線形回帰等を挙げることができる。この統計処理により、皮下組織に存在する脂肪塊群等による超音波の散乱の影響を受けずに関節軟骨の変性程度を精度よく推定することが可能となる。
上記統計処理した値を利用して、関節軟骨の変性程度を推定することができる。たとえば、プローブを関節近傍の皮膚に押し当てて得られた超音波波形データの特徴量群に基づいて統計処理した値を求め、求めた値と変性程度(グレード0,1,2,3,4)が既知の関節軟骨から得られた超音波波形データを同様に統計処理した値とを比較することで、関節軟骨の変性程度を推定することができる。なお、変性程度が既知の関節軟骨から得られた超音波波形データの特徴量群に基づいて統計処理した値をあらかじめデータ演算部に入力しておくことが好ましい。また、統計処理した値としては、数値に限らず、統計処理して得られたグラフの直線の傾き、曲線の形状、グラフ中のプロットされた位置等も含まれる。
さらにデータ演算部において、関節軟骨表面の超音波反射点の座標データから仮想関節軟骨表面を求め、仮想関節軟骨表面の法線ベクトルと送受信する超音波の方向ベクトルとの角度差Δθ(以下、単に「角度差Δθ」ともいう。)を求め、角度差Δθと角度差Δθにおける超音波波形データの特徴量との関係から、関節軟骨の変性程度を推定することもできる。この方法により、関節軟骨の変性程度の推定精度が向上し、変性程度が軽度の場合にも、関節軟骨が変性していることを推定することが可能となる。
データ演算部における、関節軟骨表面の超音波反射点の座標から仮想関節軟骨表面を求めるには、データ処理部で取得した、測定位置ごとの関節軟骨表面の超音波反射点の座標データに基づいて近似平面(超音波反射点群の分布を二次元であるとみなせる場合は近似直線)を計算し、この平面を仮想関節軟骨表面とする方法が挙げられる。近似平面を計算する際には、必ずしもデータ処理部で取得したすべての超音波反射点の座標データを用いる必要はないが、関節軟骨の変性程度の推定精度を向上させるには、用いる座標データの数は3点以上、好ましくは5点以上、より好ましくは7点以上、さらに好ましくは10点以上である。
角度差Δθにおける超音波波形データの特徴量は、角度差Δθの超音波波形データ群の特徴量の平均値を用いてもよい。
角度差Δθと角度差Δθにおける超音波波形データの特徴量との関係から関節軟骨の変性程度を推定することができる。たとえば、まず、プローブを関節近傍の皮膚に押し当てて得られた超音波波形データに基づいて横軸に角度差Δθ、縦軸にその角度差Δθにおける特徴量をプロットしたグラフを作成し、プロットされた複数の点群の近似直線を作成する。次に、その近似直線の傾き(絶対値)を求め、求めた近似直線の傾き(絶対値)と、変性程度(グレード0,1,2,3,4)が既知の関節軟骨から得られた超音波波形データから同様に求めた近似直線の傾き(絶対値)とを比較することで、関節軟骨の変性程度を推定する。なお、変性程度が既知の関節軟骨から得られた超音波波形データの特徴量群に基づいて求めた近似直線の傾き(絶対値)をあらかじめデータ演算部に入力しておくことが好ましい。
超音波波形データ取得部、データ処理部、データ演算部はモニターと接続してもよい。モニターに超音波波形データ取得部で取得した超音波波形データ、角度検知手段で取得した角度データ、測定位置検知手段から取得した測定位置データ等を視覚的に表示することで、測定者が送受信する超音波の角度、測定位置、超音波波形データの特徴量等を観察しながら測定をすることが可能となる。合わせて、モニターにデータ演算部で行った統計処理の結果や関節軟骨の変性程度の推定結果を表示することもできる。
以下に、超音波を利用して関節軟骨の変性程度を推定する手法を検討した試験を示す。
(実験装置)
図10に関節軟骨の変性程度を推定する手法の検討に用いた実験装置の概略図を示す。XY軸ステージ上に水槽を設置し、水槽の上方には送受信兼用の振動子(直径3mm、中心周波数15MHz)を有し、直線的に超音波を送信する超音波探触子(検査技術研究所社製)に把持部を備えたプローブがXステージを介して設置されている。超音波探触子は電気的に接続しているパルサーレシーバー(オリンパスNDT社製)によって駆動され、0.002μsごとに4096点のデータ、時間にして8μs分の波形データを得られる。超音波探触子が受信した、試料からの超音波波形データは、パルサーレシーバーを通じてパーソナルコンピューターへ送られる。水槽はXYステージと2軸の傾斜ステージθによって、任意の位置および角度に配置することが可能である。また、超音波探触子は回転ステージによって回転可能である。この装置によって、関節軟骨試料の任意の位置および角度における超音波波形データを得ることができる。
[試験1](複数の超音波波形データによる関節軟骨の変性程度の推定)
(試料)
関節軟骨試料として幅40mm、奥行15mm、高さ10mmのブロック状に切りだしたブタ膝関節軟骨を用いた(図11)。また、変性した関節軟骨の模擬として、コラゲナーゼ処理したブタ膝関節軟骨を用いた。コラゲナーゼ(Serva社製)を30unit/mlの濃度となるようにPBS(Phosphate Buffered Saline)に溶解して調製したコラゲナーゼ酵素液(以下、単に「コラゲナーゼ酵素液」ともいう。)を振盪恒温水槽内に入れ、そこにブロック状に切りだしたブタ膝関節軟骨を漬けて37℃で0、1、2、3、4時間処理した。関節軟骨のコラーゲン線維をコラゲナーゼで分解することで、関節軟骨の変性を模擬することができる。臨床では肉眼により変性程度をグレード0(正常)、グレード1(軽度の変性)、グレード2(軽度の変性)、グレード3(重度の変性)、グレード4(重度の変性)に分類することが一般的であり、酵素処理0時間がグレード0に、酵素処理1時間がグレード1に、酵素処理2時間がグレード2に、酵素処理3時間がグレード3に、酵素処理4時間がグレード4の変性に相当する。
(測定)
関節軟骨試料(n=10)を上記実験装置の水槽に設置して超音波波形データを測定した。測定において、位置についてはX軸方向にそれぞれ±5.0mmの範囲を0.5mmごとに21点とし、角度については、±5.0度の範囲を1.0度ごとに11点測定とし、合計で1試料について231点測定した。
それぞれの試料において、図12に示すように振幅と時間の関係で超音波波形データを得た。この超音波波形データのうち関節軟骨表面からの反射エコーの振幅(反射エコー強度)の平均値と標準偏差を算出した。試料1における算出結果を図13に示す。横軸は反射エコー強度の平均値、縦軸は反射エコー強度の標準偏差である。
また、それぞれの測定試料における反射エコー強度の平均値と標準偏差の2組のデータ列に対する相関係数を下記式(II)により求めた。

ここで、xは反射エコー強度、yは反射エコー強度の標準偏差(x、yはそれぞれn個)であり、x_ave、y_aveはそれぞれx、yの平均を表す。
それぞれの試料における相関係数を下記表1に示す。
(測定結果)
図13から明らかなように、試料1において酵素処理時間が増加するにつれて、プロットされる点が、右上から左下に直線状に移動しており、相関係数は0.978であった。また、表1より、すべての測定試料において相関係数は0.95を超えていることが分かった。したがって、関節軟骨変性の進行に伴って、関節軟骨表面からの超音波反射エコーの振幅の平均値と標準偏差が線形に減少していくことが明らかとなった。つまり、ランダムな測定位置や角度から超音波を送信し、得られた複数の超音波波形データの特徴量を統計処理することによって関節軟骨の変性程度を推定できることが明らかとなった。
[試験2](測定点数の検討)
手動で測定を実施するときに、一定の角度間隔ごとに超音波探触子を固定することは容易ではない。また測定点数は少ない方が、測定時間の短縮が可能となる。これは測定装置の利便性につながる。そこで、不等間隔の角度で測定して超音波波形データを取得し、統計処理に利用する超音波波形データの数を減少させた場合の影響を以下のステップ1〜4によって調べた。
(ステップ1)
幅40mm、奥行15mm、高さ10mmのブロック状に切りだしたブタ膝関節軟骨試料(n=10)をコラゲナーゼ酵素液で0、1、2、3、4時間、37℃で処理した。
(ステップ2)
図10に示す実験装置の水槽に酵素処理した関節軟骨試料をセットする。X軸テーブルなどを利用して、送受信兼用の超音波探触子を、ランダムな位置および角度に配置して、試験1と同様の方法で超音波波形データを測定し、関節軟骨試料からの超音波波形データを231点取得した。このとき取得した超音波波形データに番号を1番から231番までつけた。
(ステップ3)
1番から231番までの乱数を発生させて、その乱数にしたがって、N個(N=10,20,30,40,50,60,70,80,90,100)の超音波波形データを選び出す。このN個選び出す操作はそれぞれ10回行った。
(ステップ4)
N個だけ超音波波形データを用いた場合の反射エコー強度の平均値と標準偏差を算出した。酵素処理時間ごとに、横軸に反射エコー強度の平均値、縦軸に反射エコー強度の標準偏差としたグラフ上に、得られた反射エコー強度の平均値と反射エコー強度の標準偏差の値をプロットし、それらのプロットされた点に関する相関係数を上記式(II)により求めた。N個選び出す操作は10回繰り返したので、求めた相関係数の10回平均値を、N個だけデータを用いた場合の相関係数とした。
ステップ1〜4により、「すべてのデータを利用できる場合と比較して、N個選んだ場合の相関係数から、すべてのデータを利用できる場合と同じ線形性を有する最小のデータ数Nを決定する」ことができる。このとき線形性を示す最小の相関係数rを0.7と決定した(一般にrが0.7以上であれば「強い相関」と見なすことができる)。ステップ1〜4では、測定時には一定間隔の角度で超音波探触子が固定されて、超音波波形データが取得されている。しかしその得られた超音波波形データをランダムに抜き出すことによって、抜き出された超音波波形データ群は不等間隔の角度で固定された超音波探触子で超音波波形データを取得している。ステップ3は、超音波探触子の角度を手動で変更し、超音波波形データを取得する過程を模擬している。
(測定結果)
試行1における100点のデータを使用した際の結果(図14上段)と10点のデータを使用した際の結果(図14下段)を示す。いずれのグラフにおいても酵素処理時間の増大に伴って、プロットされる点が、右上から左下に直線状に移動していた。そしてその直線性に100点のデータを使用した場合と10点のデータ使用をした場合において大きな変化はみられなかった。
また、データ使用点数が100点と10点の場合において、それぞれの酵素処理時間と反射エコー強度との関係を図15に示す。横軸は酵素処理時間、縦軸は反射エコー強度である。いずれの酵素処理時間においても、データ使用点数が100点と10点の場合において有意差は見られなかった。また標準偏差もデータ使用点数が100点と10点の場合において近い値であった。
相関係数とデータ使用点数の関係を図16に示す。データ使用点数が減少するにつれて、相関係数は減少する傾向が観察された。相関係数の下限値を0.7と設定していたが、データ使用点数が10点でも、その下限値には到達しなかった。
すべての試行における相関係数とデータ使用点数の関係を表2に示す。各試行において一般にデータ使用点数が減少するにつれて相関係数が低くなる傾向が見られたが、最小値は試行4の0.756であり、当初設定した相関係数下限値0.7には到達しなかった。
以上の測定結果から、不等間隔の角度で得られた超音波波形データ群の反射エコー強度を統計処理(反射エコー強度の平均値と標準偏差の算出)ことによって関節軟骨の変性程度を推定できること、手動でプローブを走査する場合のように、送受信する超音波の角度が不均等であっても、超音波波形データ群が10点以上あれば変性程度を推定できることが明らかとなった。
[試験3](皮膚を経由した超音波による関節軟骨の変性程度の推定1)
複数の測定位置および角度から皮膚を経由して超音波を送信して関節軟骨からの超音波波形データを取得することで、皮膚を経由した超音波によって関節軟骨の変性程度を推定できるかどうかを以下のステップ1〜3により検討した。
(ステップ1)
皮膚の模擬としてとり皮(厚さ1〜3mm)を上部に載せたブタ膝関節軟骨(以下「皮膚付きブタ膝関節軟骨」ともいう。)を図10に示す実験装置にセットして超音波を送信し、反射エコー強度が最大となる位置を探した。用いたブタ膝関節軟骨は試験1と同様であり、コラゲナーゼ酵素液で0、1、2、3、4時間、37℃で処理したものを用いた。
(ステップ2)
反射エコー強度が最大となる測定位置を基準としてX軸方向に±1.0mmの範囲を0.5mm間隔で測定する。
(ステップ3)
超音波探触子角度を±10度の範囲において1度間隔で変更し、それぞれの角度においてX軸方向に±1.0mmの範囲を0.5mm間隔で測定した。
ステップ1〜3により、酵素処理0、1、2、3、4時間の試料ごとに105点の超音波波形データを取得した。取得した105点の超音波波形データをもとに、反射エコー強度の平均値を求めた。結果を図17に示す。横軸が酵素処理時間、縦軸が反射エコー強度の平均値である。酵素処理時間が長くなるほど反射エコー強度が低くなることが明らかとなった。酵素処理2時間以上では、酵素処理0時間の正常な関節軟骨と比べて、反射エコー強度の平均値に有意な差が見られた。
また、反射エコー強度と相対角度を変数とする非線形回帰分析を行った。結果を図18に示す。横軸が相対角度の絶対値、縦軸が反射エコー強度の平均値であり、点線が非線形回帰分析を行って得た曲線である。図18に示すように非線形回帰分析を行って得た曲線の形状が酵素処理時間とともに変化していた。具体的には、酵素処理時間が0時間の正常な関節軟骨では、曲線の一部分は急峻な傾きを有していたが酵素処理時間が1時間、2時間、4時間と増加するにつれて、曲線は平らになっていた。したがって、反射エコー強度と相対角度を変数とする非線形回帰分析を行って得た曲線の形状に基づき、関節軟骨の変性程度を推定できることが明らかとなった。
以上の結果から、複数の位置および角度から超音波を送信し、関節軟骨からの超音波波形データを取得し、得られた超音波波形データ群の特徴量を統計処理ことによって、皮膚を経由した超音波により関節軟骨の変性程度を推定できることが明らかとなった。
[試験4](皮膚を経由した超音波による関節軟骨の変性程度の推定2)
一般に、超音波の入射角度が大きくなるにつれて、関節軟骨で反射する超音波波形データのエコー強度は減少する。この性質を利用して関節軟骨を評価する方法を以下のステップ1〜8により検討した。
(ステップ1)
図10に示す実験装置に皮膚付きブタ膝関節軟骨(n=12)をセットして超音波を送信し、反射エコー強度が最大となる位置を探した。皮膚付きブタ膝関節軟骨は試験3と同様に、コラゲナーゼ酵素液で0、1、2、3、4時間、37℃で処理したブタ膝関節軟骨にとり皮を上部に載せたものを用いた。
(ステップ2)
反射エコー強度が最大となる測定位置を基準として、角度が同一でX軸方向に±1.0mmの範囲を0.5mm間隔で測定した。
(ステップ3)
超音波送信時から、関節軟骨表面からの反射エコーの振幅が最大となる時刻Tiまでの時間をΔTiとした。
(ステップ4)
一般的な生体中の音速は、約1550m/sであるため、ΔTiと音速から、測定位置と関節軟骨表面で超音波が反射した位置(反射点)の距離(超音波伝播距離)を計算した。
(ステップ5)
最初に測定した位置を原点として、ステップ2で移動させた位置を求める。そして、それぞれの測定位置と、角度検知手段で得られた送受信する超音波の角度データと、超音波伝播距離とに基づき、5つの測定位置ごとの関節軟骨表面での超音波反射点の座標データを取得した。得られた座標データに基づいて近似平面を最小二乗法によって計算した。この近似平面を仮想関節軟骨表面とした。
(ステップ6)
超音波探触子角度を±10度の範囲において1度間隔で変更し、それぞれの角度においてX軸方向に±1.0mmの範囲を0.5mm間隔で測定して異なる5点の測定位置から超音波波形データを取得した。
(ステップ7)
それぞれの角度において、仮想関節軟骨表面の法線ベクトルと送受信した超音波の方向ベクトルとの角度差Δθを求めた(図19)。また、角度差Δθにおける超音波波形データの特徴量として、角度差Δθにおける5つの超音波波形データの反射エコー強度の平均値を求めた。
(ステップ8)
横軸に仮想関節軟骨表面の法線ベクトルと送受信した超音波の方向ベクトルとの角度差Δθ、縦軸に角度差Δθにおける反射エコー強度の平均値としたグラフ上に、角度差Δθと得られたと角度差Δθにおける反射エコー強度の平均値の値をプロットした。そして、プロットされた複数の点群の近似直線を求め、その近似直線の傾き(絶対値)を求めた。試料1における結果を図20に示す。
図20において、酵素処理時間が0時間に比べて、1,2,3,4時間と長くなるほど、反射エコー強度の平均値と角度差Δθグラフの近似直線の傾き(絶対値)が、小さくなっていた。具体的には、酵素処理時間が0時間の場合には近似直線の傾き(絶対値)は0.0286、酵素処理時間が1時間の場合には近似直線の傾き(絶対値)は0.0122、酵素処理時間が2時間の場合には近似直線の傾き(絶対値)は0.0112、酵素処理時間が3時間の場合には近似直線の傾き(絶対値)は0.0058、酵素処理時間が4時間の場合には近似直線の傾き(絶対値)は0.0059であった。すなわち、関節軟骨の変性程度が大きくなるほど、近似直線の傾き(絶対値)は小さくなることが明らかとなった。
図21は、横軸が酵素処理時間、縦軸が12試料から得られた近似直線の傾き(絶対値)の平均値である。酵素処理時間が1時間の関節軟骨と未処理(0時間)の正常な関節軟骨との間に有意な差が見られた。酵素処理時間2時間の関節軟骨と未処理(0時間)の正常な関節軟骨との間でもp値が有意差判定の基準であるp=0.05に非常に近かった。さらに、より重症の関節軟骨変性を模擬している酵素処理時間が3時間の関節軟骨と、酵素処理時間が4時間の関節軟骨は、有意差が見られた。また、これらの測定値は、酵素処理時間が長くなるにつれて、減少する傾向が見られた。
以上の結果から、複数の位置および角度から超音波を送信し、関節軟骨からの超音波波形データを取得し、測定位置から関節軟骨表面への超音波到達時間をそれぞれ求め、超音波伝播距離に基づいて測定位置ごとの関節軟骨表面の超音波反射点の座標データを求め、関節軟骨表面の超音波反射点の座標データから仮想関節軟骨表面を求め、仮想関節軟骨表面の法線ベクトルと送受信する超音波の方向ベクトルとの角度差Δθを求め、横軸に仮想関節軟骨表面の法線ベクトルと送受信した超音波の方向ベクトルとの角度差Δθ、縦軸にその角度差Δθにおける特徴量をプロットしたグラフを作成し、プロットされた複数の点群の近似直線を作成し、その近似直線の傾き(絶対値)を求めることで、皮膚を経由した超音波により関節軟骨の変性程度を推定できることが明らかとなった。また、図17と図21を比較すると、酵素処理時間が1時間の関節軟骨と未処理(0時間)の正常な関節軟骨との差が、図21の方がより大きい。したがって、試験4の方法は、試験3の方法に比べて精度が高く、より初期段階の軽度の変性程度を推定できることが明らかとなった。
上記関節軟骨の変性程度を推定する手法の検討結果に基づいて、以下に図面を参照しつつ、本発明の超音波診断装置の一例を説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
図22は本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の概念図である。図22に示すように振動子2(直径3mm、中心周波数15MHz)を有し、直線的に超音波を送信する超音波探触子1に把持部3を備えたプローブ4に角度検知手段5を備えている。超音波探触子1はパルサーレシーバー6と電気的に接続しており、パルサーレシーバー6は超音波探触子1に超音波を発生するのに必要な電気信号を送信すると共に、超音波探触子1で受信した超音波波形データを超音波波形データ取得部7に送信する。
プローブには角度検知手段5を備え、角度検知手段5で得られた角度データは、超音波波形データ取得部7に送信される。
超音波波形データ取得部7は、パルサーレシーバー6から受信した超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに、角度検知手段5からの角度データと同期して取得する。位置検知手段を備えている場合には、超音波波形データを角度データ及び位置データと同期して取得する。
データ処理部8では、取得した超音波波形データの特徴量が最大となる超音波の角度から一定範囲内の角度の超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに選抜する。
超音波波形データの特徴量としては、超音波波形データのうち、関節軟骨表面からの反射エコーの振幅(反射エコー強度)、関節軟骨表面からの反射エコーの持続時間、該関節軟骨表面からの反射エコーの包絡線の振幅、包絡線の持続時間、関節軟骨表面からの反射エコーと軟骨下骨からの反射エコーとの時間間隔、関節軟骨表面からの反射エコーの信号処理値が用いられる。
データ処理部8においては、得られた超音波波形データから関節軟骨表面からの反射エコーを識別するアルゴリズムによって処理を行うこともできる。
さらにデータ処理部8において、同一の超音波送受信角度を有する超音波波形データを取得し、測定位置から関節軟骨表面への超音波到達時間をそれぞれ求め、超音波伝播距離に基づいて測定位置ごとの関節軟骨表面の超音波反射点の座標データを取得することもできる。
同一角度波形データを測定位置ごとに取得する方法としては、まずは測定した複数の測定位置から基準となる測定位置を決め、その基準となる測定位置の超音波波形データの角度と同一の超音波送受信角度を有する超音波波形データを他の測定位置からも取得する方法が用いられる。
同一の超音波送受信角度とは、超音波波形データ群のそれぞれの角度と完全に同一の超音波送受信角度だけでなく、超音波波形データ群のそれぞれの角度差が0.25度以内で同一の超音波送受信角度も含まれる。
測定位置から関節軟骨表面への超音波到達時間は、得られた超音波波形データに基づく超音波送信時から関節軟骨表面からの反射エコー反射エコーの振幅が最も大きくなるまでの時間によって求める。超音波伝播距離は、測定位置から関節軟骨表面への超音波到達時間に一般的な生体中の音速(1550m/s)を乗じることによって求めることができる。
データ演算部9では、一定範囲内のそれぞれの角度における超音波波形データの特徴量群を統計処理することにより関節軟骨の変性程度を推定する。
統計処理としては、超音波波形データの特徴量の平均値と標準偏差の算出、又は、超音波波形データの特徴量と相対角度を変数とする非線形回帰が行われる。
上記統計処理した値を利用して、関節軟骨の変性程度を推定する。プローブを関節近傍の皮膚に押し当てて得られた超音波波形データに基づいて統計処理した値を求め、求めた値と変性程度(グレード0,1,2,3,4)が既知の関節軟骨から得られた超音波波形データを同様に統計処理した値と比較することで、関節軟骨の変性程度を推定する。
さらにデータ演算部9において、関節軟骨表面の超音波反射点の座標から仮想関節軟骨表面を求め、仮想関節軟骨表面の法線ベクトルと送受信する超音波の方向ベクトルとの角度差Δθを求め、角度差Δθと角度差Δθにおける超音波波形データの特徴量との関係から、関節軟骨の変性程度を推定することもできる。
データ演算部9における、関節軟骨表面の超音波反射点の座標から仮想関節軟骨表面を求めるには、データ処理部で取得した超音波反射点群の座標データに基づいて近似平面(超音波反射点群の分布を二次元であるとみなせる場合は近似直線)を最小二乗法によって計算し、この平面を仮想関節軟骨表面とする。
角度差Δθにおける超音波波形データの特徴量は、角度差Δθの超音波波形データ群の特徴量の平均値を用いてもよい。
角度差Δθと角度差Δθにおける超音波波形データの特徴量との関係から関節軟骨の変性程度を推定する。たとえば、まず、プローブを関節近傍の皮膚に押し当てて得られた超音波波形データに基づいて横軸に角度差Δθ、縦軸にその角度差Δθにおける特徴量をプロットしたグラフを作成し、プロットされた複数の点群の近似直線を作成する。次に、その近似直線の傾き(絶対値)を求め、求めた近似直線の傾き(絶対値)と、変性程度(グレード0,1,2,3,4)が既知の関節軟骨から得られた超音波波形データから同様に求めた近似直線の傾き(絶対値)と比較することで、関節軟骨の変性程度を推定する。
また、超音波波形データ取得部7、データ処理部8、データ演算部9はモニター10と接続しており、モニター10に超音波波形データ取得部7で取得した超音波波形データ、角度検知手段5で取得した角度データが視覚的に表示される。合わせて、モニター10にデータ演算部9で行った統計処理の結果や関節軟骨の変性程度の推定結果が表示される。
以下に、本発明の超音波診断装置を使用した関節軟骨の変性程度の推定方法を例示する。
(ステップ1)
超音波探触子を備えたプローブを関節近傍の皮膚に押し当てて、識別可能な大きさの関節軟骨表面からの反射エコーを得られるようにモニターの超音波波形データを観察しながらプローブの角度を調整し、その角度でプローブを維持する。反射エコーが最大となる角度を厳密に探索する必要はなく、比較的大きな関節軟骨表面からの反射エコーが得られる角度を探索すればよい。
(ステップ2)
ステップ1で維持された角度から、プローブをランダムな方向に手動で傾ける。このとき超音波の角度データは、受信した超音波波形データと同期させてデータ取得部へ送信する。その中に反射エコー強度が最大となる超音波波形データが存在する。つまり、図7に示すように、ステップ1により、まずは比較的大きな関節軟骨表面からの反射エコーが得られる角度を探索し(■)、次にプローブをランダムな方向に手動で傾けて測定することで様々な角度(●)で測定すると、その中には反射エコー強度が最大となる超音波波形データが存在する。送受信される超音波の角度を知る手段を備えているので、測定者は、プローブを操作するときに超音波の角度を知る必要はない。プローブを傾ける方向は、プローブを握る手を同一面内で傾けるだけでなく、円やらせんを描くように動かす。
(ステップ3)
プローブの先端位置を手動で1.0mm程度平行移動させる。
(ステップ4)
上記ステップ1〜3を5回繰り返す。
(ステップ5)
それぞれの測定位置において受信する超音波波形データを角度データと同期してデータ取得部で取得する。
(ステップ6)
データ処理部において、取得した超音波波形データの特徴量が最大となる超音波の角度から一定範囲内の角度の超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに選抜する。
(ステップ7)
データ演算部において、一定範囲内のそれぞれの角度における超音波波形データの特徴量群を統計処理することにより関節軟骨の変性程度を推定する。
本発明の超音波診断装置は、関節軟骨の変性程度の推定に用いることができるものであり、医療分野において産業上の有用性は高い。
1 超音波探触子
2 振動子
3 把持部
4 プローブ
5 角度検知手段
6 パルサーレシーバー
7 超音波波形データ取得部
8 データ処理部
9 データ演算部
10 モニター
11 パーソナルコンピューター

Claims (5)

  1. 振動子を有し、直線的に超音波を送信する超音波探触子に把持部を備えたプローブと;超音波の角度検知手段と;プローブで送受信する超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに、角度データと同期して取得する超音波波形データ取得部と;取得した超音波波形データの特徴量が最大となる超音波の角度から一定範囲内の角度の超音波波形データを、超音波を送受信した位置ごとに選抜するデータ処理部と;一定範囲内のそれぞれの角度における超音波波形データの特徴量群を統計処理することにより関節軟骨の変性程度を推定するデータ演算部とを備え、
    前記超音波波形データの特徴量が、関節軟骨表面からの反射エコーの振幅、関節軟骨表面からの反射エコーの持続時間、該関節軟骨表面からの反射エコーの包絡線の振幅、包絡線の持続時間、関節軟骨表面からの反射エコーの信号処理値のいずれかである
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 統計処理が、超音波波形データの特徴量の平均値と標準偏差の算出、又は、超音波波形データの特徴量と相対角度を変数とする非線形回帰であることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 送受信した位置を検知する測定位置検知手段をさらに備え、超音波波形データ取得部において、プローブで送受信する超音波波形データを角度データ及び測定位置データと同期して取得することを特徴とする請求項1又は2記載の超音波診断装置。
  4. さらにデータ処理部において、同一の超音波送受信角度を有する超音波波形データを取得し、測定位置から関節軟骨表面への超音波到達時間をそれぞれ求め、超音波伝播距離に基づいて測定位置ごとの関節軟骨表面の超音波反射点の座標データを取得することを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
  5. さらにデータ演算部において、関節軟骨表面の超音波反射点の座標データから仮想関節軟骨表面を求め、仮想関節軟骨表面の法線ベクトルと送受信する超音波の方向ベクトルとの角度差Δθを求め、角度差Δθと角度差Δθにおける超音波波形データの特徴量との関係から、関節軟骨の変性程度を推定することを特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
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