JP3689743B1 - 関節内超音波内視鏡支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 関節内超音波内視鏡支援装置を自動的に制御することによって予め設定された測定範囲の関節面に対して連続して走査を行い、診断を自動的に行うことのできる関節軟骨の自動超音波診断方法を提供することにある。
【解決手段】 多関節ロボットに関節内超音波内視鏡を把持させた状態で、関節腔内に先端部位が傾転自在な関節内超音波内視鏡の先端部を切開部分に挿入させ、パーソナルコンピュータから伝達された指令に基づき制御機から超音波内探触子から関節軟骨に対して垂直になるように超音波を発信しながら連続的に測定するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多関節ロボットに超音波探触子を配設した傾転自在な先端部位を有する関節内超音波内視鏡を保持させ、制御機で制御しながら関節軟骨の形状、硬さ、厚さ、軟骨の粗さなどの測定が容易に行える関節内超音波内視鏡支援装置と関節軟骨の自動超音波診断方法に関するものである。
従来より超音波の照射角度を変更して自動的に計測する支援装置については、様々な形態の装置が発明されている。例えば、ロボットの手首に超音波探傷器の探触子を取り付け、該探触子の動作制御点を原点としたツール座標系を定義し、該ツール座標系上で探触子の走行方向ベクトルと姿勢を一致させて被検査材料上を所定に走査、移動して探傷してなるものがある。(例えば、特許文献1)
特開平11−14610号公報
ところが、特許文献1にあっては、平面のみを測定対象としており、測定中に探触子の照射角度を測定対象物に合わせて任意に変更することができないため、複雑な曲面を有する関節面の測定には適応できないといった問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、これらの問題点を鑑みてなされたものであり、関節内超音波内視鏡の先端部位に垂直に起立状態から水平状態までの自由度が付与された関節内超音波内視鏡を6自由度以上を有するロボットアームの先端部に保持させて、迅速かつ正確に測定部位に対して超音波を垂直に照射する関節内超音波内視鏡支援装置を提供することにある。また、該支援装置を自動的に制御することによって予め設定された測定範囲の関節面に対して連続して走査を行い、診断を自動的に行うことのできる関節軟骨の自動超音波診断方法を提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明に係る第1の発明では超音波を関節腔内に送信するとともに関節腔内で反射した超音波を反射エコーとして受信する超音波探触子と、該超音波探触子が配設された傾転自在な先端部位を有する関節内超音波内視鏡と、該関節内超音波内視鏡の該先端部位内に配設された超音波探触子から照射される超音波の時間間隔と照射強度を指令する超音波送受信機と、該関節腔内に挿入された該関節内超音波内視鏡の該先端部位の位置を特定するために人体の切開部分の皮膚上に該切開部分と同様の長さの切り込みが入ったターゲットを張着するとともに、該関節内超音波内視鏡に取り付けられた固着軸の先端部に装着されて該ターゲット間の距離を測定するための磁場センサと、該関節内超音波内視鏡を多関節を有するロボットアームの先端部に位置するツールハンド装着させて走査指令を出す制御機と、該ロボットアームの各関節の角度および先端部位の角度情報から該超音波探触子の位置や角度情報を計算し表示可能なパーソナルコンピュータとで構成した。
本発明に係る第2の発明では、多関節ロボットに関節内超音波内視鏡を把持させた状態で、関節腔内に先端部位が傾転自在な関節内超音波内視鏡の先端部を切開部分に挿入させ、パーソナルコンピュータから伝達された指令に基づき制御機から超音波内探触子から関節軟骨に対して垂直になるように超音波を発信しながら連続的に測定するようにした。
本発明は、ロボットアームに代行させることにより手ぶれによる測定精度の減少を防止しつつ、人間による操作では不可能な3次元画面を有する関節面の診断部位に対して予め設定した一定間隔で連続的に効率的な診断をすることができる。
次に、本発明に係る関節内超音波内視鏡支援装置と関節軟骨の自動超音波診断方法の実施形態について、図1ないし図18を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施に係る関節内超音波内視鏡支援装置の概要図、図2は本発明の実施に係る関節内超音波内視鏡の先端部位の拡大図、図3は関節内超音波内視鏡で膝関節を診断する場合の測定可能範囲を図示した模式図、図4は測定対象物に超音波探触子から超音波を発信している概要図、図5は図1の実施例で得られた反射エコー図、図6は関節軟骨表面に垂直に超音波を照射する超音波探触子の位置を探索する際の超音波探触子の動きを表した説明図、図7は測定点に対して予め設定した角度範囲で測定された反射エコーの大きさを表した図、図8は平面状の測定対象物について反射エコーを取得するための超音波探触子の動きを表した図、図9は測定対象面に曲率がある場合の超音波探触子の動きを表した図、図10は測定試料の平面図、図11は図10の測定結果、図12は多関節ロボット機構部の動作説明図、図13は関節内超音波内視鏡に装着されたセンサと切開部分のターゲットとの関係図、図14は内視鏡座標系(Xs、Ys、Zs)図、図15は関節内超音波内視鏡支援装置を用いた関節軟骨の形状、軟骨の硬さおよび厚さの関節軟骨の自動超音波診断方法のフローチャート、図16は関節軟骨表面のヨウ方向とピッチ方向を説明するための関節軟骨の正面図、図17は超音波を利用して測定された関節軟骨表面の状態図、図18は関節軟骨表面のヨウ方向とピッチ方向の関節面の傾きの比較図である。
図1は本発明の実施に係る関節内超音波内視鏡支援装置の概要図であり、本発明を実施例により具体的に説明すると、関節内超音波内視鏡支援装置1は、主として多関節ロボット2、ロボットアーム2a、関節内超音波内視鏡3、超音波送受信機5、制御機6、パーソナルコンピュータ7で構成される。
ロボットアーム2aと関節内超音波内内視鏡3は、制御機6を介してその動きを制御するようになっており、ロボットアーム2aの各関節Kの角度および関節内超音波内視鏡3の先端部位12の角度の情報はパーソナルコンピュータ7に全て記憶される。超音波探触子8における関節軟骨に対する超音波10の送受信は、照射する時間間隔と照射強度を指令する超音波送受信機5により制御されており、その波形情報は全てパーソナルコンピュータ7に記憶されるのである。パーソナルコンピュータ7では、ロボットアーム2aの各関節Kの角度および関節内超音波内視鏡3の先端部位12の角度の情報から、超音波探触子8の位置および角度情報を計算するのである。なお、先端部位12は関節内超音波内視鏡3の縦軸心方向の中心部に例えば円形状の空洞部または内壁面にねじを刻設し、ここに空洞部内を前後する円形状の中棒ないし螺旋状のねじ付き中棒(図示略)の先端部に軸支されており、かつ当該中棒の後端部はツールハンド52に装着されて制御機6で、中棒の前後の移動距離で先端部位12の傾転角度が分かるようになっている。
図2は関節内超音波内視鏡の先端部位の拡大図であり、ロボットアーム2aの先端部分に支軸18を介して関節内超音波内視鏡3が装着され、さらに関節内超音波内視鏡3の先端部には、図2に図示されるように矢印の方向に左右に回転可能な先端部位12が備えられている。該先端部位12には超音波10を送受信する超音波探触子8が装着されている。
関節軟骨表面14は3次元的な複雑な形状をしているために、関節内超音波内視鏡3をそれほど大きく動かすことなく、先端部位12を主体的に可動することにより、超音波探触子8から測定点34に対して超音波10を照射したまま、超音波10の照射角度のみを容易に変更できる。これにより、測定点34に対して正確に超音波10を照射できる。
図3は関節内超音波内内視鏡で膝関節を診断する場合の測定可能範囲を図示した模式図であり、関節内超音波内視鏡3を用いて具体的な関節軟骨の形状、軟骨の硬さ、厚さおよび軟骨の粗さなどの測定を行う。関節内超音波内視鏡3の先端部位12に配設された超音波探触子8から超音波10を測定対象物に常に垂直に照射するように、パーソナルコンピュータ7に記憶されているデータから制御機6を介して関節内超音波内視鏡3も傾動可能な範囲内(実線と2点鎖線)で先端部位12の傾転角度を操作する。
この場合、関節内超音波内視鏡3を挿入したい箇所の皮膚の一部をわずかに切開し、ここを切開部分28とする。関節内超音波内視鏡3を切開部分28に挿入したまま、関節腔内32の関節内超音波内視鏡3の超音波探触子8の先端部位12が測定対象物である関節軟骨表面14に直接触れることのないようにしながら、図3に示すように切開部分28を支点として関節内超音波内視鏡3(実線部分から点線部分)を移動しながら関節軟骨表面14を測定可能範囲Cにわたり、超音波10の照射角度と反射エコー30を同時に測定し、関節軟骨16の諸特性を一度に比較することにより、関節軟骨16の形状、硬さと厚さ、軟骨の粗さなどが判明できるのである。なお、関節軟骨16は膝関節を代表して説明するが、これに限定されるものでなく、例えば肘関節軟骨の測定にも適用できる。
関節内超音波内視鏡3と照明を内蔵した内視鏡(図示略)との相対位置は、関節内超音波内視鏡3を膝関節に挿入した位置を上方から見た平面図では、関節内超音波内視鏡3は関節探触子8が当該前記内視鏡に併用して使用できるプローブとなっており、関節内超音波内視鏡3と当該内視鏡の両者は、ハの字状に配設されている。このため、内視鏡に内蔵している照明で照らしながら関節腔内32の内部の状況を把握できる。このため、超音波探触子8の先端部位12が測定対象物である関節軟骨16に直接触れることなく、比較的容易に診断できる。なお、関節内超音波内視鏡3の材質はステンレス鋼、チタン合金やアルミニウム合金、あるいは非常に硬いプラスチック製などが好ましい。
図4は測定対象物に超音波探触子から超音波を発信している概要図であり、図4に示すように、この超音波探触子8から超音波10を測定対象物14に照射しながら関節軟骨16上方を縦横に走査させ、その反射エコー30を測定する。反射エコー30は主に関節軟骨16および軟骨下骨16Aから得られる。測定された反射エコー30はパーソナルコンピュータ7の画面上に表示される。なお、符号16Bは海面骨を示す。
図5は図1の実施例で得られた反射エコー図である。まず、超音波探触子8から超音波10を測定対象物である関節軟骨表面14に照射すると、図5に示すような反射エコー30が得られる。図5に示す時刻3.8μs付近にある反射エコー30が関節軟骨表面14からの反射エコー30である。超音波10の測定は、関節内に存在する関節液を利用することにより、関節腔内32内において反射エコー30を得ることができる。あるいは関節液が十分量、関節腔内32に存在しない場合には生理食塩水等の治療時に用いる液体で代用してもよい。
測定時においては、関節内超音波内視鏡3と関節軟骨表面14間に生理食塩水が介在して超音波10を伝播させる。したがって、生理食塩水の音速1480m/sと関節軟骨表面14からの反射エコー30が計測されるまでの時間間隔Sを乗じると、超音波探触子8と関節軟骨表面14までの距離を求めることができる。これにより、超音波探触子8の位置および角度情報と超音波探触子8と関節軟骨表面14までの距離の情報から、関節軟骨表面14の位置を求めることができる。
関節軟骨表面14の角度は、超音波診断を正確に実行するためには超音波10を正確にかつ垂直に関節軟骨表面14に対して照射する必要があり、超音波10が関節軟骨表面14に垂直に照射されたとき反射エコー30の振幅が最大となる。したがって、設定した関節軟骨表面14の測定点34の超音波探触子8の角度および位置を変更して反射エコー30が最大となる超音波探触子8の角度を求めれば、その角度が関節軟骨表面14の測定点34に対して垂直な角度である。これら一連の手続きを行うことにより、関節軟骨表面14における反射エコー30とその測定対象の角度が得られたら、パーソナルコンピュータ7に登録しておく。
図6は関節軟骨表面に垂直に超音波を照射する超音波探触子の位置を探索する際の超音波探触子の動きを表した説明図である。図6において、超音波診断を正確に実行するためには、関節軟骨表面14に対して照射角度を垂直に設定しなければならないが、その角度の探索法について説明する。
図6では超音波10が関節軟骨表面14に対して垂直に照射される時に最も振幅の大きい反射エコー30が発生するという特性を利用して、関節軟骨表面14に設定した測定点34を中心として、超音波探触子8を2つの方向(ピッチ方向とヨウ方向)に対して、予め設定しておいた角度範囲で稼働させて、各角度ごとに反射エコー30を記録する。すなわち、具体的には、図6に示すように最初に角度設定領域W(10度×10度)を設定し、この角度設定領域W内で超音波探触子8を適宜移動させて最も振幅の大きい反射エコー30が得られるように、超音波探触子8からの超音波10が、関節軟骨表面14に設定した測定点34aを常に照射した状態で角度設定領域W内で予め決めた一定距離毎(1〜441)に超音波探触子8を移行させる。
すなわち、超音波探触子8の走査開始点1から2、3・・・・21まで手前から遠ざかるピッチ方向に移動させ、角度設定領域Wの設定領域に到達した走査点21から今度は22までヨウ方向に移動させる。次に、22・・・・42まで遠方から手前に近づくピッチ方向に戻り動作を行う。このようにヨウ方向とピッチ方向とを繰り返しながら、連続した矩形波(超音波探触子8の軌跡)を形成しながら超音波探触子8が角度設定領域Wの設定領域の走査終了点441に到達するまで行う。
図7は測定点に対して予め設定した角度範囲で測定された反射エコーの大きさを表した図であり、横軸Xまわりの回転をヨウ(度)といい、縦軸Yまわりの回転をピッチ(度)といい、得られた高さは反射エコー30の強さを表している。図7から反射エコー30が最大となる角度が存在するが、このときの最大角度が関節軟骨表面14に対して超音波10が垂直に照射されている超音波探触子8の角度である。
図8は平面状の測定対象物について反射エコーを取得するための超音波探触子の動きを表した図であり、測定対象面(10×10mm)が平面形状を有したある測定対象物14上の測定点34aに対して超音波探触子8の照射角度が垂直になるように照射した際に、反射エコー30が最大となる角度が求められる。引き続き予め設定した次の測定距離だけY軸方向に移動させて新たな測定点34bを設定し、前記の角度探索を行う。このような各測定点34a、34b・・・・34nにおける角度探索を、X軸方向に向けた連続した矩形波を形成しながら逐次行う。このように同一動作を繰り返すことにより各測定点34(a〜n)における反射エコー30および角度を求めることができるのである。
このように本発明では、測定を開始すると、まず第1測定点に最適な超音波10の照射角度の探索を行いつつ、超音波10の照射が最適角度となるように修正した後、第1測定点の測定を行う。引き続き次の第2の測定点に移動し、第2測定点に最適な超音波10の照射角度の探索を行いつつ、超音波10の照射が最適角度となるように修正した後、第2測定点の測定を行う。このように、従来技術では超音波10を測定対象物に照射して、測定対象物の形状の把握を行うに際し、予め形状の推定を行い、超音波10の照射角度の設定を行った後、第1測定点の測定開始する。ついで、予め入力された設定によって超音波10の照射角度の調整し、第2の測定点の測定を行いつつ、同様の作業を行う。従って、本発明では、従来と異なり、最適な照射角度の探索と最適角度への修正などを行うことにより、精度の高い測定結果が得られるのである。
図9は測定対象面に曲率がある場合の超音波探触子の動きを表した図であり、測定対象物の表面が関節軟骨表面14のように曲率を呈している場合は、図9に示す手順で新たな測定対象物に超音波探触子8を移動させる。測定点34aでの角度探索が終了した時点での超音波探触子8の位置(a)から、予め設定した距離を平行移動させながら、位置(b1)まで超音波探触子8を移動させる。この際、関節軟骨表面14と超音波探触子8の距離が変化しているため、位置(a)における関節軟骨表面14と超音波探触子8の距離と同一になるように、超音波探触子8を位置(b1)まで超音波探触子8を下降移動(点線で示す)させるのである。その時の超音波10が照射されている部位が新たな測定点34bであるので、そこを測定点として、超音波探触子8を角度θだけ傾転させながら超音波10が垂直に照射されている角度を探索するのである。それが位置(c)である。あとは位置(c)を新たな位置(a)であると見なし(この位置(c)と位置(a)の角度はθ)、設定された距離だけ超音波探触子8を平行移動させ、この手順を繰り返す。これにより測定対象物14の反射エコー30を連続的に取得できる。
図10は測定試料の平面図である。円形状のアクリル樹脂製板の一部(略中央部域)に直径5mmのシリコン樹脂を埋め込んだ測定試料であり、アクリル樹脂製板はシリコン樹脂に比べて軟らかいため、図11に示すように上方からシリコン樹脂に向けて照射された超音波10により下方に凸状を呈する小さい反射エコー30が観測されることが判明した。図11は図10の測定結果であり、反射エコー30の小さい円形の領域が表示されていることがわかる。このことから膝関節の関節軟骨表面14の中でも軟らかい箇所は、上述した図のような反射エコー30となることが予測できる。
図12に多関節ロボット機構部の動作説明図を示す。図12に示すように、7関節(K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7)の多関節ロボット2のロボットアーム2aの先端部にツールハンド52が装着されている。このツールハンド52の先端部に関節内超音波内視鏡3を構成する把持本体部24が保持されている。符号54はロボット本体であり、このロボット本体54には原点70において回動自在なように第1の腕56が配設してある。関節内超音波内視鏡3の切開部分28のターゲット42の3次元的な位置を知るために、位置と方向を表すX、Y、Zの3つの座標が必要となる。本来、原点70からターゲット42までの、距離と方向を知ろうとすると、最低でも3つ以上のセンサが必要である。しかしながら、本発明では、わずか1つのセンサ40で関節内超音波内視鏡3の後端部48とターゲット42までの長さL(図13)を測定することによってターゲット42における関節内超音波内視鏡3の3次元的な位置を測定できる。因みに、符号57は第2の腕、58は第3の腕、59は第4の腕、60は第5の腕、61は第6の腕をそれぞれ示す。
次に、関節内超音波内視鏡3を用いて自動診断を行う場合、図3に示すようにターゲット42を移動させることなく、ロボットアーム2aの先端部に装着した関節内超音波内視鏡3のみを実線から点線の位置まで動かすことにより、先端部位12に配設された超音波探触子8を2つの方向(ピッチ方向とヨウ方向)に対して、予め設定しておいた角度範囲で稼働させて、各角度ごとに反射エコー30を記録する。
ロボットアーム2aには2つの座標系がある。その1つ目はベース座標系と呼ばれ、図12に示すようにロボットアーム2aの原点70に表示したベース座標系(X、Y、Z)であり、さらに、その2つ目はロボット手先座標系(XX、YY、ZZ)と呼ばれ、ロボットアーム2aの先端部のツールハンド52で関節内超音波内視鏡3を装着する部位の座標系である。ベース座標系(X、Y、Z)を用いてロボット手先座標系(XX、YY、ZZ)は、次のように表される。
(数1)
Ttool=A・・・・・・・ATI
ここで、
Iは4行4列の単位行列
(i=1、2、・・N)は各関節角度から求められる変換行列(4行4列)
Nはロボットの関節数
ロボット手先座標系(XX、YY、ZZ)にある1点の位置は上記の数1のTtoolを乗じることによりベース座標系(X、Y、Z)での座標に変換できる。ロボットアーム2aの先端部のツールハンド52に装着される関節内超音波内視鏡3を、皮膚の一箇所をごくわずかに切開した切開部分28を押し広げるようにして挿入するため、その押し込み時の力に耐えられるように強固でなければならない。したがって、ロボットアーム2aの先端部のツールハンド52に装着される関節内超音波内視鏡3は多少の力がかかっても変形しないようになっている。
図13は関節内超音波内視鏡に装着されたセンサと切開部分のターゲットとの関係図を示し、先端部位12を膝関節26側に位置させるとともに、把持本体部24は先端部位12側が截頭円錐形状38になるように構成されている。把持本体部24は多関節ロボット50のツールハンド52に保持されており、截頭円錐形状38上に関節内超音波内視鏡3の縦軸線に対して垂直になるように固着軸44が取り付けられ、固着軸44の先端部にはセンサ40が配設されている。図13に示すように関節内超音波内視鏡3を関節腔内32の位置に挿入する場合は、ロボットアーム2aを手で把持したまま、まず、膝関節付近の皮膚を切開し、その切開部分28を押し広げるようにして多関節ロボット50のツールハンド52に保持したまま関節内超音波内視鏡3の先端部位12を必要長さだけ挿入する。この挿入した状態のL(関節内超音波内視鏡3の後端部48とターゲット42までの長さ)を測定することにより、関節内超音波内視鏡3がどれだけ挿入されいるかを知ることができる。
切開部分28には切開部分28と同様の長さの切り込みが入り、かつ磁力の強さHを有する薄板状のターゲット42が皮膚上に張着されている。このターゲット42とセンサ40までの距離Rが測定できる。ここで、符号Aはセンサ40の中心部から固着軸44が関節内超音波内視鏡3の縦軸線と直交する仮想点46までの高さ、符号Cは関節内超音波内視鏡3の後端部48と仮想点46までの長さ、符号Lは関節内超音波内視鏡3の後端部48とターゲット42までの長さ、符号Rはセンサ40とターゲット42との距離をいう。
図14は内視鏡座標系(Xs、Ys、Zs)図であり、上記理由により関節内超音波内視鏡3を切開部分28のターゲット42に挿入している挿入点72では、内視鏡座標系(Xs、Ys、Zs)が存在すると、Zs軸上に位置する。このことから、内視鏡座標系(Xs、Ys、Zs)の原点74と挿入点72の距離Lがわかれば、挿入点72の位置は内視鏡座標系で(0、0、L)であることが理解できる。また、内視鏡座標系(Xs、Ys、Zs)とロボット手先座標系(XX、YY、ZZ)が一致していれば、ベース座標系における挿入点72の位置(X、Y、Z)は、数2のようにして求めることができる。
Figure 0003689743
ここで、内視鏡座標系の原点74と挿入点72の距離Lを求める具体的な手順について述べる。まず、
1.挿入点72近傍に磁極の大きさMを持つ磁性体でできたターゲット42を切開部分28の表面に貼り付ける。
2.関節内超音波内視鏡3の既知の位置に磁場センサ40を装着する。このとき磁場センサ40で測定されるターゲット42による磁場の測定値Hと磁場センサ40とターゲット42間の距離Rの間には、つぎのような式が成立する。
(数3)
H=(1/(4πμ))×(M/R
ここで、Hは磁場センサ40で測定されるターゲット42による磁力の強さ
μは透磁率(既知)
Mはターゲット42の磁力の強さ
これから、磁場センサ40の測定値Hから磁場センサ40とターゲット42間の距離Rが求まる。
Figure 0003689743
図13において、Cは関節内超音波内視鏡3の後端部48と磁場センサ40の仮想点46間の長さであり、既知である。したがって、数4からLの値が求まる。
図15は関節内超音波内視鏡支援装置を用いた関節軟骨の形状、軟骨の硬さおよび厚さの関節軟骨の自動超音波診断方法のフローチャートである。
本発明における関節内超音波内視鏡支援装置1を用いて具体的な関節軟骨の形状、軟骨の硬さおよび厚さの関節軟骨の自動超音波診断方法を図15を用いて説明する。まず、
(1)関節内超音波内視鏡3は関節付近の皮膚を切開し、その切開部分28を挿入部とする(101)。
(2)次いで、挿入部72に対してターゲット42を取り付ける(102)。
(3)関節内超音波内視鏡3を挿入部72から挿入する(103)。
(4)ターゲット42を利用して挿入部72の座標を読み込みそれを制御機6に送る(104)。
(5)最初の測定点34aを決定する(105)。
(6)制御機6が、挿入部72(図3)の位置がずれないようにしながら関節内超音波内視鏡3の先端部位12に配設してある超音波探触子8から発信される超音波10が測定点34aを中心として図6のように可動させる(106)。
(7)その際の反射エコー30の大きさをパーソナルコンピュータ7が計算し、図7に示すような角度と反射エコー30の強度との関係をパーソナルコンピュータ7に記憶させる(107)。
(8)最も反射エコー30の角度が大きいところのみの波形データを解析し、関節軟骨の硬さなどを求める(108)。
(9)予め設定した範囲をすべて測定し、もし測定が不十分な場合は、測定対象物である関節軟骨表面14に対して予め設定された距離(図9)を保持した状態で移動し、次の測定点を測定し34bとする。引き続き超音波探触子8を図6に示す超音波探触子8の軌跡に沿って測定していく(109)。なお、予め設定した範囲をすべて測定したことが確認できれば、測定を完了する(110)。
図16は関節軟骨表面のヨウ方向とピッチ方向を説明するための関節軟骨の正面図である。図17は超音波を利用して測定された関節軟骨表面の状態図であり、(a)は測定して得れた軟骨の硬さを表し、(b)は軟骨の厚さを表す。図17(a)では中央部が最も高く、左右に行くに従ってなだらかな傾斜を有している。このことから、軟骨の硬さは中央部が最も硬いことが判明できる。また、図17(b)では軟骨の厚さが正面左側が最も厚く、右側に行くに従って薄くなっていることが判明した。
図18は関節軟骨表面のヨウ方向とピッチ方向の関節面の傾きの比較図であり、(a)はヨウ方向(横軸Xまわりの回転をいう)の関節軟骨の傾き、(b)はピッチ方向(縦軸Yまわりの回転をいう)の関節軟骨の傾きを表す。図6、図8(または図9)に示す一連の測定を行った際にパーソナルコンピュータ7に記憶させ、測定点34における反射エコー30が最も強く返ってくる角度を図示したものである。このことからヨウ方向とピッチ方向とも関節軟骨が複雑な曲面を有している状態を正確に測定できている。
図17ならびに図18では、患者の膝関節26に関節内超音波内視鏡3を挿入し、超音波送受信機5により発信された超音波10を、超音波探触子8から被検査体に照射し、図5に示すような反射エコー30を測定する。反射エコー30は主に関節軟骨16および軟骨下骨16Aから得られる。測定された反射エコー30はオシロスコープ(図示略)で表示される。さらに得られた反射エコー30をパーソナルコンピュータ7に取り込み、組み込まれたプログラムによってウェープレット変換を行う。ウェープレット変換後のウェープレットマップにおいて、関節表面部からの反射エコー30、軟骨下骨16Aからの反射エコー30部分において、それぞれ強度、時間方向の幅を測定し、その数値から関節疾患の程度を評価することができる。
本発明の関節内超音波内視鏡支援装置はロボットに傾転自在な超音波探触子を有する関節内超音波内視鏡を把持させた状態で、関節鏡視下手術を行うことができる。
本発明の実施に係る関節内超音波内視鏡支援装置の概要図である。 本発明の実施に係る関節内超音波内視鏡の先端部位の拡大図である。 関節内超音波内内視鏡で膝関節を診断する場合の測定可能範囲を図示した模式図である。 測定対象物に超音波探触子から超音波を発信しているである。 図1の実施例で得られた反射エコー図である。 関節軟骨表面に垂直に超音波を照射する超音波探触子の位置を探索する際の超音波探触子の動きを表した説明図である 測定点に対して予め設定した角度範囲で測定された反射エコーの大きさを表した図である。 平面状の測定対象物について反射エコーを取得するための超音波探触子の動きを表した図である。 測定対象面に曲率がある場合の超音波探触子の動きを表した図である。 測定試料の平面図である。 図10の測定結果である。 多関節ロボット機構部の動作説明図である。 関節内超音波内視鏡に装着されたセンサと切開部分のターゲットとの関係図である。 内視鏡座標系(Xs、Ys、Zs)図である。 関節内超音波内視鏡支援装置を用いた関節軟骨の形状、軟骨の硬さおよび厚さの関節軟骨の自動超音波診断方法のフローチャートである。 関節軟骨表面のヨウ方向とピッチ方向を説明するための関節軟骨の正面図である。 超音波を利用して測定された関節軟骨表面の状態図である。 関節軟骨表面のヨウ方向とピッチ方向の関節面の傾きの比較図である。
符号の説明
1 関節内超音波内視鏡支援装置
2 多関節ロボット
2a ロボットアーム
3 関節内超音波内視鏡
5 超音波送受信機
6 制御機
7 パーソナルコンピュータ
8 超音波探触子
10 超音波
12 先端部位
14 関節軟骨表面
16 関節軟骨
16A 軟骨下骨
16B 海面骨
18 支軸
24 把持本体部
26 膝関節
28 切開部分
30 反射エコー
32 関節腔内
34(34a、34b) 測定点
36a、36b 走査開始点
38 截頭円錐形状
40 磁場センサ
42 ターゲット
44 固着軸
46 仮想点
48 後端部
52 ツールハンド
54 ロボット本体
56 第1の腕
57 第2の腕
58 第3の腕
59 第4の腕
60 第5の腕
61 第6の腕
70 原点
K(K1〜K7) 関節
72 挿入部
74 内視鏡座標系の原点
S 時間間隔
W 角度設定領域

Claims (1)

  1. 超音波を関節腔内に送信するとともに関節腔内で反射した超音波を反射エコーとして受信する超音波探触子と、該超音波探触子が配設された傾転自在な先端部位を有する関節内超音波内視鏡と、該関節内超音波内視鏡の該先端部位内に配設された超音波探触子から照射される超音波の時間間隔と照射強度を指令する超音波送受信機と、該関節腔内に挿入された該関節内超音波内視鏡の該先端部位の位置を特定するために人体の切開部分の皮膚上に該切開部分と同様の長さの切り込みが入ったターゲットを張着するとともに、該関節内超音波内視鏡に取り付けられた固着軸の先端部に装着されて該ターゲット間の距離を測定するための磁場センサと、該関節内超音波内視鏡を多関節を有するロボットアームの先端部に位置するツールハンド装着させて走査指令を出す制御機と、該ロボットアームの各関節の角度および先端部位の角度情報から該超音波探触子の位置や角度情報を計算し表示可能なパーソナルコンピュータとで構成したことを特徴とする関節内超音波内視鏡支援装置。
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