JP6065165B1 - 充放電量制御装置 - Google Patents

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Abstract

需要家における、再生可能エネルギーを利用して発電する発電設備と、電力を充電及び放電する蓄電設備と、を含む蓄電システムにおける、前記蓄電設備の充電及び放電する電力量を制御する充放電量制御装置であって、前記充放電量制御装置は、将来の所定の第1時間帯における、需要家の負荷設備の使用電力量を示す第1負荷電力量と、前記発電設備の発電電力量を示す第1発電電力量と、電力料金と、に基づき、前記第1時間帯における、前記蓄電設備に充電されていると見込まれる電力量を示す第1充電電力量を求め、前記第1充電電力量に基づき、前記第1時間帯に含まれる前記第1時間帯より短い第2時間帯における、前記蓄電設備に充電されていると見込まれる電力量を示す第2充電電力量を求め、前記第2充電電力量に基づき、現在においてさらに前記蓄電設備に充電又は放電されるべき電力量を示す第1電力量を求める演算処理部と、前記演算処理部の算出の結果に基づいて前記蓄電設備における充電又は放電を制御する制御部と、を備えた充放電量制御装置である。

Description

本発明は、蓄電設備の充放電量制御装置に関する。
例えば、電気料金に基づいて、蓄電設備の充放電を行う技術が知られている(例えば特許文献1)。
特許第5492451号
しかし、上記の特許文献1の場合、現在の電力料金データを取り込んで、予め登録された充放電パターンを選択することにより蓄電設備の充放電を行っている。従って、将来において、電力料金がより高いときに蓄電設備が放電し、電力料金がより低いときに蓄電設備に充電することが、最もコスト縮減につながるにもかかわらず、特許文献1では、現在の電力料金に基づいて予め登録された充放電パターンで充放電を実施するため、運用にあたり、蓄電設備から放電したいときに蓄電池の充電電力量が不足し、蓄電設備に充電したいときに蓄電池の充電電力量が最大であるためもはや充電できないことが想定され、蓄電設備は、効率の良い充放電ができない虞があった。
前述した課題を解決する主たる本発明は、需要家における、再生可能エネルギーを利用して発電する発電設備と、電力を充電及び放電する蓄電設備と、を含む蓄電システムにおける、前記蓄電設備の充電及び放電する電力量を制御する充放電量制御装置であって、前記充放電量制御装置は、将来の所定の第1時間帯における、需要家の負荷設備の使用電力量を示す第1負荷電力量と、前記発電設備の発電電力量を示す第1発電電力量と、電力料金と、に基づき、前記第1時間帯における、前記蓄電設備に充電されていると見込まれる電力量を示す第1充電電力量を求め、前記第1充電電力量に基づき、前記第1時間帯に含まれる前記第1時間帯より短い第2時間帯における、前記蓄電設備に充電されていると見込まれる電力量を示す第2充電電力量を求め、前記第2充電電力量に基づき、現在においてさらに前記蓄電設備に充電又は放電されるべき電力量を示す第1電力量を求める演算処理部と、前記演算処理部の算出の結果に基づいて前記蓄電設備における充電又は放電を制御する制御部と、を備える。
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
本発明によれば、充放電量制御装置は、現在における蓄電設備の充電電力量、将来の電力料金、将来の負荷の負荷電力量、将来の発電設備の発電電力量に基づき、現在において蓄電設備に充電すべき電力量又は蓄電設備から放電すべき電力量を決定することで、最も経済的に効率の良い蓄電設備の運用を実現することが可能になる。
本実施形態に係る充放電量制御装置の構成を示す図である。 本実施形態に係る充放電量制御装置の充放電の概略を示すグラフである。 本実施形態に係る記憶部に格納される固定値データの記憶形式の一例を示す表である。 本実施形態に係る記憶部に格納される現在情報データの記憶形式の一例を示す表である。 本実施形態に係る記憶部に格納される電力料金データの記憶形式の一例を示す表である。 本実施形態に係る記憶部に格納される電力量データの記憶形式の一例を示す表である。 本実施形態に係る記憶部に格納される充電電力量データの記憶形式の一例を示す表である。 本実施形態に係る記憶部に格納される放電電力量データの記憶形式の一例を示す表である。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第1グラフの一例を示すグラフである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第1判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第2判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第3判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第4判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第5判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第6判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第7判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第8判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第9判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第10判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第11判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第12判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第13判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第14判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第15判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第16判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第17判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第18判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第19判定手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る充放電量制御装置の第20判定手順を示すフローチャートである。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
===構成===
図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係る蓄電システム1の充放電量制御装置4を説明する。
蓄電システム1は、例えば発電設備2、蓄電設備3及び充放電量制御装置4を含んで構成されている。発電設備2は、需要家に設置されているものとし、充放電量制御装置4と接続されている。発電設備2は、例えば太陽光パネル及び接続盤等を含んで構成されており、太陽光から電力を生成する設備である。なお、太陽光から電力を生成する設備に限定するものではなく、再生可能エネルギーを利用した発電設備であればよい。発電設備2は、充放電量制御装置4を介して、生成した電力を蓄電設備3に出力する。蓄電設備3は、需要家に設置されているものとし、充放電量制御装置4と接続されている。蓄電設備3は、例えばインバータ部3A及び蓄電池3B等を含んで構成されている。蓄電設備3は、充放電量制御装置4を介して発電設備2又は電力会社系統5から入力される電力を充電する機能を有している。又、蓄電設備3は、充放電量制御装置4を介して負荷設備6に電力を供給する機能を有している。蓄電設備3は、蓄電池3Bに蓄えられる直流の電力を、蓄電設備3内部のインバータ部3Aで交流の電力に変換して、外部に交流の電力を出力する機能を有している。負荷設備6は、個人住宅、公共施設等、所謂需要家において電力を消費する電力機器である。負荷設備6は、充放電量制御装置4を介して、蓄電設備3又は電力会社系統5から電力の供給を受ける。
充放電量制御装置4は、発電設備2、蓄電設備3、電力会社系統5、負荷設備6及び記憶装置7と接続されている。充放電量制御装置4は、制御部4A、演算処理部4B、記憶部4C及び記憶装置7を含んで構成されている。なお、記憶装置7は、充放電量制御装置4の内部に設けられるか、外部に設けられるかは限定されない。
制御部4Aは、蓄電設備3、発電設備2、電力会社系統5、負荷設備6及び演算処理部4Bと接続されている。制御部4Aは、演算処理部4Bから制御指令が入力されると内部の回路を選択的に並列又は解列させ、蓄電設備3、発電設備2、電力会社系統5及び負荷設備6に夫々接続する機能を有している。
演算処理部4Bは、制御部4A、記憶部4C及び記憶装置7と接続されている。演算処理部4Bは、制御部4Aに対し、制御部4Aの内部の回路を選択的に切り替えるための制御信号を出力する機能を有している。例えば、電力会社系統5から負荷設備6に電力を供給している場合、演算処理部4Bから制御部4Aに対して、蓄電設備3から負荷設備6に電力を供給するための制御信号を出力したとき、制御部4Aの内部の回路において、電力会社系統5につながる端子を切離し、代わりに蓄電設備3につながる端子に接続して、蓄電設備3から負荷設備6に対して電力を供給する。演算処理部4Bは、記憶部4C及び記憶装置7から情報を読み込み、情報を出力する機能を有している。演算処理部4Bは、記憶部4C及び記憶装置7から読み込んだ情報に対して比較処理、演算処理及び演算比較処理をする機能を有している。比較処理とは、例えば2つの値を比較して、値の大小若しくは値が互いに等しいか否かについて処理することである。演算処理とは、例えば値に対して計算式を用いて演算し、その結果を算出する処理である。演算比較処理とは、例えば演算した結果を示す演算結果1と演算結果2とを比較し、その大小若しくは互いに等しいかを処理することである。演算処理部4Bは、記憶部4Cに情報を出力する機能を有している。例えば、記憶装置7から読み出した情報、比較処理、演算処理、演算比較処理した結果を示す情報を出力する機能をいう記憶部4Cは、演算処理部4Bと接続されている。記憶部4Cは、演算処理部4Bの機能を実現するためのプログラムデータが記憶されている。演算処理部4Bの機能は、記憶部4Cから読み出されるプログラムを実行することによって実現される。記憶部4Cには、例えば、演算処理部4Bから出力された情報を図3〜図8に示すようにデータベース化して記憶されている。記憶部4Cには、例えば、演算処理部4Bから出力された情報を図9に示すようにグラフ化して記憶されている。
記憶装置7は、例えば、固定値データ、現在における、電力料金データ、負荷電力量データ、発電電力量データ、売電料金データ及び充電電力量データ、将来における、電力料金データ、負荷設備6の負荷電力量データ、発電設備2で発電される発電電力量データ及び電力会社に売電する売電料金データを記憶している。
固定値データとは、契約電力で需給可能な電力量データ、蓄電設備3で充電可能な最大充電電力量データ、インバータ出力電力量データ、蓄電設備3の放電効率データ及び蓄電設備3の充電効率データをいう。
契約電力で需給可能な電力量データ(以下、「M」と称する。)とは、指定時間帯において、電力会社と契約している契約電力で需給可能な電力量データのことである。
蓄電設備3で充電可能な最大充電電力量データ(以下、「N」と称する。)とは、蓄電設備3に内蔵されている全蓄電池3Bで充電可能な最大の電力量データのことである。
インバータ出力電力量データ(以下、「I」と称する。)とは、蓄電設備3に内蔵されているインバータ部3Aが出力可能な最大の電力量データのことである。
蓄電設備3の放電効率データ(以下、「Q」と称する。)とは、全蓄電池3Bから電力が出力される端子部での電力と、インバータ部3Aから電力が出力される端子部での電力との比率データのことである。
蓄電設備3の充電効率データ(以下、「P」と称する。)とは、インバータ部3Aに電力が入力される端子部での電力と、全蓄電池3Bに電力が入力される端子部での電力と、の比率データのことである。
現在における電力料金データ(以下、「A0」と称する。)とは、需要家において電力会社から電力を買電するときの買電料金データのことである。
現在における負荷電力量データ(以下、「B0」と称する。)とは、需要家において負荷設備6で消費される電力量データのことである。
現在における発電電力量データ(以下、「F0」と称する。)とは、需要家において発電設備2で発電される電力量データのことである。
現在における売電料金データ(以下、「G0」と称する。)とは、F0を電力会社に売電するときの売電料金データのことである。
現在における充電電力量データ(以下、「R0」と称する。)とは、蓄電設備3に充電されている現在の電力量データのことである。
将来における電力料金データ(以下、「Ak」と称する。)とは、例えば需要家において電力会社から電力を買電するときの将来の買電料金データであって、電力会社が公表しているものである。
将来における負荷電力量データ(以下、「Bk」と称する。)とは、需要家において負荷設備6で消費される電力量データであって、例えば、時期、時間帯、気温等を考慮し、過去の負荷電力量に基づいて算定される将来の電力量データのことである。
将来における発電電力量データ(以下、「Fk」と称する。)とは、需要家において発電設備2で発電される電力量データであって、例えば、時期、時間帯、気温、照度等を考慮し、過去に太陽光発電設備で発電された発電電力量に基づいて算定される将来の電力量データのことである。
将来における売電料金データ(以下、「Gk」と称する。)とは、例えば需要家において電力会社に電力を売電するときの将来の売電料金データであって、国が公表しているものである。
演算処理部4Bは、比較処理、演算処理及び演算比較処理と、記憶装置7に記憶されている各種情報とに基づいて、将来における充電電力量を予測し、現在における更新された充放電電力量を求め、現在における更新された充電電力量を求める機能を有する。
将来における充電電力量(以下、「Rk」と称する。)とは、将来の所定の第1時間帯における蓄電設備3に充電されていると予想される電力量のことである。
現在における充放電電力量(以下、「E0」と称する。)とは、以下に示す第1判定手順〜第20判定手順に基づいて求められる蓄電設備3に充電すべき又は蓄電設備3から放電すべき電力量のことである。
現在における更新された充電電力量(以下、「RE0」と称する。)とは、R0にE0を加算して求められる電力量である。
なお、将来の所定の第1時間帯とは、例えば24時間を想定している。又、演算処理部4Bは、以下に示す第1判定手順〜第20判定手順を所定の時間間隔で実行する機能を有する。又、所定の時間間隔とは、例えば30分間隔を想定している。
演算処理部4Bは、Rk、E0及びREOに基づき、第1グラフ及び第2グラフを作成する機能を有する。第1グラフ及び第2グラフは、現在及び将来における蓄電設備3に充電される電力量を示すグラフである。第1グラフ及び第2グラフの詳細に関しては後述する。
図2を参照しながら、本実施形態の概略を説明する。第1時間帯のうち電力料金が最大若しくは最小ではない電力料金の時間帯を示す現在時間帯において、蓄電設備3に充電できる電力量は、(N−R0)である。又、蓄電設備3から放電できる電力量は、R0である。
将来の第2時間帯13において、蓄電設備3に充電されている電力量の最大値を示す電力量(Rmax)は、さらに(N−Rmax)だけ蓄電設備3に充電することができる(RTk)。又、蓄電設備3に充電されている電力量の最小値を示す電力量(Rmin)は、Rminだけ蓄電設備3から放電することができる(RAk)。
本実施形態によれば、現在時間帯から第2時間帯に至る時間帯において、R0、Bk、Fk等を考慮して、後述する第1判定手順〜第20判定手順に基づき、経済的に最も効率的であるRTk又はRAkを算出することができる。そして、RTk又はRAkに基づき、現在時間帯における、蓄電設備3の充電電力量を決定することができる。
以下、図1〜図29を参照しつつ、第1判定手順〜第20判定手順について詳細に説明する。尚、図1〜図29では、演算処理部4B、記憶部4C及び記憶装置7を判定手順の処理の主体として明示している。図1〜図29では、判定手順の処理の流れを矢印で示し、夫々の図1〜図29で示される第1判定手順〜第20判定手順は、一連の手順である。そのため、説明の便宜上、図1〜図29において、記憶装置7又は記憶部4Cが処理を実行しない判定手順についても、図中には、記憶装置7及び記憶部4Cを明示して判定手順を理解しやすくする。
又、以下説明では、説明の便宜上、電力会社から買電することを「買電」と称し、電力会社に売電することを「売電」と称し、発電設備2の発電電力量を「発電電力量」と称し、負荷設備6の負荷電力量を「負荷電力量」と称し、蓄電設備3に充電することを「充電」と称し、蓄電設備3の充電率を「SOC」と称し、電力量から計算される電力料金を「DK」と称し、Rkのうちで最大の電力量を「Rmax」と称し、Rkのうちで最小の電力量を「Rmin」と称し、現在よりも所定の時間だけ将来に充電されている電力量を「R1」と称し、RkがRmax又はRminであるときの第2時間帯を「KE」と称する。
===第1判定手順===
図1を参照しつつ、第1判定手順の一例について説明する。第1判定手順は、発電設備2で発電された電力量が余る場合、G0、A0及びAkを比較判定しE0を求める手順である。尚、第1判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、記憶装置7から固定値データ(M、N、I、Q、P)、現在情報データ(A0、B0、F0、G0、R0)を読み込み、記憶部4Cに固定値データ、現在情報データを出力する(S101)。記憶部4Cは、固定値データを、例えば図3に示す形式で記憶し、現在情報データを、例えば図4に示す形式で記憶する(S103)。演算処理部4Bは、F0と、B0と、を比較する(S104)。S104は、発電電力量によって、負荷電力量を賄うことができるか否かを判定するものである。
F0がB0以下の場合(S104:NO)、演算処理部4Bは、処理をS200(第2判定手順)に移行する。
F0がB0より大きい場合(S104:YES)、G0と、A0と、を比較する(S105)。S105は、経済的効果を考慮して、売電するか又は買電するかを判定するものである。
G0がA0以上の場合(S105:NO)、F0からB0を減算した電力量を全て電力会社へ売電する。売電により、G0とA0の差額分の経済的効果を奏する。
G0がA0より小さい場合(S105:YES)、売電するか又は充電するかを判定する。演算処理部4Bは、記憶装置7からAkを読み込み、記憶部4CにAkを出力する(S106)。記憶部4Cには、演算処理部4BからAkが入力されると、例えば図5に示されるように、そのAkがkに対応付けられて記憶される(S108)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、A1〜A48が対応付けられて記憶される。
次に、演算処理部4Bは、Akのうちで最大の電力料金(以下、「Amax」と称する。)と、最小の電力料金(以下、「Amin」と称する。)と、を選定し、記憶部4CにAmax及びAminを出力する(S109)。記憶部4Cは、演算処理部4BからAmax及びAminが入力されると、Amax及びAminを、例えば図5に示す形式で記憶する(S110)。
演算処理部4Bは、G0と、Amaxと、Aminと、を比較する(S111)。S111は、以下の式(1)によって判定される。式(1)は、経済的効果を考慮して、売電するか又は充電するかを判定するものである。具体的に、左辺において、G0とAmaxとの金額差を算出し、右辺において、G0とAminとの金額差を算出し、その金額差の大小によって判断する。ただし、左辺及び右辺の夫々において、電力料金の高い方には放電効率を積算し、電力料金の低い方には充電効率を除算する。電力料金の高いときに放電し、電力料金の低いときに充電すると経済的効果が高いためである。
Amax×Q−G0÷P > G0×Q−Amin÷P ・・・ (1)
式(1)を満足する場合(S111:YES)、G0が相対的に安価であることを意味し、現在において売電せずに充電する。E0は、以下の式(2)〜(4)で求められる(S113)。
E0=(F0−B0)×P ・・・・・・・・・・・ (2)
E0=N−R0 ・・・・・・・・・・・ (3)
E0=I×P ・・・・・・・・・・・ (4)
演算処理部4Bは、式(2)〜式(4)の右辺で求められる結果のうち最も小さい結果をE0に設定し、記憶部4CにE0を出力する(S114)。記憶部4Cは、演算処理部4BからE0が入力されると、E0を、例えば図7に示す形式で記憶する(S115)。次に、演算処理部4Bは、R0にE0を加算し、RE0を求め、R0をNで除算し、SOCを求め、式(5)によりDKを求め、記憶部4CにRE0、SOC及びDKを出力する(S116、S118)。
DK=−(F0−B0−E0÷P)×G0 ・・・・・・・ (5)
記憶部4Cは、RE0、SOC及びDKを、例えば図7に示す形式で記憶する(S117,S119)。
式(1)を満足しない場合(S111:NO)、G0が相対的に高価であることを意味し、現在において充電せずに売電する。
第1判定手順を終了して所定の時間毎に判定を繰り返す。
===第2判定手順===
図1を参照しつつ、第2判定手順の一例について説明する。第2判定手順は、S104において、F0がB0以下の場合(S104:NO)に実行される手順である。尚、第2判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、記憶装置7からAkを読み込み、記憶部4CにAkを出力する(S200)。記憶部4Cには、演算処理部4BからAkが入力されると、図5に示されるように、そのAkがkに対応付けられて記憶される(S202)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、A1〜A48が対応付けられて記憶される。
次に、演算処理部4Bは、Amax及びAminを選定し、記憶部4CにAmax及びAminを出力する(S203)。記憶部4Cは、演算処理部4BからAmax及びAminが入力されると、Amax及びAminを、例えば図5に示す形式で記憶する(S204)。
演算処理部4Bは、A0と、Amaxと、Aminと、を比較する(S205)。S205は、経済的効果を考慮して、充電するか又は放電するかを判定するものである。
A0がAminと等しい場合(S205:A0=Amin)、経済的効果を高めるため現在において充電する。E0は、以下の式(6)〜(8)で求められる(S206)。
E0=(M−B0+F0)×P ・・・・・・・・・・・ (6)
E0=N−R0 ・・・・・・・・・・・ (7)
E0=I×P ・・・・・・・・・・・ (8)
演算処理部4Bは、式(6)〜式(8)の右辺で求められる結果のうち最も小さい結果を、E0に設定し、記憶部4CにE0を出力する(S207)。記憶部4Cは、演算処理部4BからE0が入力されると、E0を、例えば図7に示す形式で記憶する(S208)。
次に、演算処理部4Bは、R0にE0を加算し、RE0を求め、R0をNで除算し、SOCを求め、式(9)によりDKを求め、式(10)によりSDを求め、記憶部4CにRE0、SOC、DK及びSDを出力する(S209)。
DK=(B0−F0+E0÷P)×A0 ・・・・・・・・・ (9)
SD=B0−F0+E0÷P ・・・・・・・・・ (10)
記憶部4Cは、演算処理部4BからRE0、SOC、DK及びSDが入力されると、RE0、SOC、DK及びSDを、例えば図7に示す形式で記憶する(S210)。演算処理部4Bは、第2判定手順を終了して所定の時間毎に判定を繰り返す。
A0がAmaxと等しい場合(S205:A0=Amin)、経済的効果を高めるため現在において放電する。E0は、以下の式(11)〜(13)で求められる(S211)。
E0=−(B0−F0)÷Q ・・・・・・・・・・・ (11)
E0=−R0 ・・・・・・・・・・・ (12)
E0=−I÷Q ・・・・・・・・・・・ (13)
演算処理部4Bは、例えば、式(11)〜式(13)の右辺で求められる結果のうち最も大きい結果を、E0に設定し、記憶部4CにE0を出力する(S212)。記憶部4Cは、演算処理部4BからE0が入力されると、E0を、例えば図8に示す形式で記憶する(S213)。
次に、演算処理部4Bは、R0にE0を加算し、RE0を求め、R0をNで除算し、SOCを求め、式(14)によりDKを求め、式(15)によりSDを求め、記憶部4CにRE0、SOC、DK及びSDを出力する(S214)。
DK=(B0−F0+E0×Q)×A0 ・・・・・・ (14)
SD=B0−F0+E0×Q ・・・・・・・・・ (15)
記憶部4Cは、RE0、SOC、DK及びSDを、例えば図8に示す形式で記憶する(S215)。演算処理部4Bは、第2判定手順を終了して所定の時間毎に判定を繰り返す。
A0がAmin及びAmaxと等しくない場合(S205:A0≠Amax,Amin)、演算処理部4Bは、A0と、Amaxと、Aminと、を比較する(S216)。S216は、以下の式(16)によって判定される。式(16)は、経済的効果を考慮して、充電するか又は放電するかを判定するものである。具体的に、左辺において、A0とAmaxとの金額差を算出し、右辺において、A0とAminとの金額差を算出し、その金額差の大小によって判断する。ただし、左辺及び右辺の夫々において、電力料金の高い方には放電効率を積算し、電力料金の低い方には充電効率を除算する。電力料金の高いときに放電し、電力料金の低いときに充電すると経済的効果が高いためである。
Amax×Q−A0÷P > A0×Q−Amin÷P・・・ (16)
式(16)の左辺は、A0と、Amaxと、の料金の差額を表す。式(16)の右辺は、A0と、Aminと、の料金の差額を表す。
式(16)を満足する場合(S216:YES)、A0が相対的に安価であることを意味し、現在において充電する方が、経済的効果が高いため現在において充電する。充電する電力量は、第3判定手順乃至第11判定手順で詳細に説明する。演算処理部4Bは、処理をS300(第3判定手順)に移行する。
式(16)を満足しない場合(S216:NO)、A0が相対的に高価であることを意味し、現在において放電する方が、経済的効果が高いため現在において放電する。放電する電力量は、第12判定手順乃至第20判定手順で詳細に説明する。演算処理部4Bは、処理をS1200(第12判定手順)に移行する。
===第3判定手順===
図1を参照しつつ、第3判定手順の一例について説明する。第3判定手順は、演算処理部4Bが、後の計算で使用するデータを記憶装置7から読み込み及びデータの初期設定を行う手順である。尚、第3判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、記憶装置7からBkと、Fkと、Gkとを読み込み、記憶部4CにBkと、Fkと、Gkを出力する(S300)。記憶部4Cには、演算処理部4BからBkと、Fkと、Gkが入力されると、例えば図6に示されるように、そのBkと、Fkと、Gkがkに対応付けられて記憶される(S302)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、B1〜B48、F1〜F48、G1〜G48が対応付けられて記憶される。
演算処理部4Bは、Rmaxをゼロに設定し、R1にR0の値を設定(以下、「初期設定1」と称する。)する(S303)。後の計算のための初期設定をするものである。
演算処理部4Bは、Fkと、Bkと、を比較する(S304)。S304は、将来において、Fk(発電電力量)によってBk(負荷電力量)を賄うことができるか否かを判定するものである。
FkがB0以下の場合(S304:YES)、演算処理部4Bは、処理をS400(第4判定手順)に移行する。
F0がB0より大きい場合(S304:NO)、演算処理部4Bは、処理をS500(第5判定手順)に移行する。
===第4判定手順===
図1を参照しつつ、第4判定手順の一例について説明する。第4判定手順は、発電設備2による発電電力量(Fk)で、負荷設備6の負荷電力量(Bk)を賄えない状況における手順である。すなわち、電気が足りない状況において実行される手順である。尚、第4判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、A0と、Akと、Aminと、Amaxと、を比較する(S400)。
Akと、Amaxと、が等しい場合(S400:Ak=Amax)、演算処理部4Bは、蓄電設備3から放電する電力量を算出する。放電する電力量(以下、「Eka」と称する。)は、以下の夫々の式で求められる右辺の比較に基づいて求められる(S401)。
Eka=−(Bk−Fk)÷Q ・・・・・・・ (17)
Eka=−I÷Q ・・・・・・・・・・ (18)
演算処理部4Bは、式(17)、式(18)の右辺で求められる結果のうち最も大きい結果を、Ekaに設定する(S402)。電力料金が高いときに蓄電設備3から放電すると経済的効果が高いためである。演算処理部4Bは、処理をS600(第6判定手順)に移行する。
AkがA0より小さい場合(S400:Ak<A0)、演算処理部4Bは、蓄電設備3に充電する電力量を算出する。充電する電力量(以下、「Ekb」と称する。)は、以下の式(19)、(20)で求められる(S403)。
Ekb=(M−Bk+Fk)×P ・・・・・・ (19)
Ekb=I×P ・・・・・・・・・・ (20)
演算処理部4Bは、式(19)、式(20)の右辺で求められる結果のうち最も小さい結果を、Ekbに設定する(S404)。A0より電力料金が低いAkのときに蓄電設備3に充電すると経済的効果が高いためである。演算処理部4Bは、処理をS600(第6判定手順)に移行する。
Akと、Amax及びAminと、が等しくない場合(S400:Ak≠Amin,Amax)、演算処理部4Bは、充電及び放電する電力量(以下、「Ekc」と称する。)をゼロに設定して、蓄電設備3の充電及び放電を行わない(S405)。演算処理部4Bは、処理をS600(第6判定手順)に移行する。
===第5判定手順===
図1を参照しつつ、第5判定手順の一例について説明する。第5判定手順は、発電設備2による発電電力量(Fk)で、負荷設備6の負荷電力量(Bk)を賄える状況における手順である。すなわち、電気が余る状況において実行される手順である。尚、第5判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、Gkと、Akと、を比較する(S500)。
GkがAk以上の場合(S500:NO)、演算処理部4Bは、充電又は放電する電力量(以下、「Ekd」と称する。)をゼロに設定して、蓄電設備3の充電及び放電を行わない(S502)。電力料金を考慮すると、電力会社へ売電する方が、経済的な効果が高いためである。演算処理部4Bは、処理をS600(第6判定手順)に移行する。
GkがAkより小さい場合(S500:YES)、演算処理部4Bは、さらにGkと、Amaxと、Aminと、を用いて比較判定する(S501)。S501は、以下の式(21)によって判定される。式(21)は、経済的効果を考慮して、充電するか又は売電するかを判定するものである。具体的に、左辺において、GkとAmaxとの金額差を算出し、右辺において、GkとAminとの金額差を算出し、その金額差の大小によって判定する。ただし、左辺及び右辺の夫々において、電力料金の高い方には放電効率(Q)を積算し、電力料金の低い方には充電効率(P)を除算する。電力料金の高いときに放電し、電力料金の低いときに充電すると経済的効果が高いためである。
Amax×Q−Gk÷P > Gk×Q−Amin÷P・・・・(21)
式(21)を満足する場合(S501:YES)、Gkが相対的に安価であることを意味し、充電する電力量(以下、「Eke」と称する。)を求める。Ekeは、以下の式(22)、(23)で求められる。
Eke=(Fk−Bk)×P ・・・・・・・・・ (22)
Eke=I×P ・・・・・・・・・・ (23)
演算処理部4Bは、式(22)、式(23)の右辺で求められる結果のうち最も小さい結果を、Ekeに設定する(S504)。電力料金が低いときに蓄電設備3に充電すると経済的効果が高いためである。演算処理部4Bは、処理をS600(第6判定手順)に移行する。
式(21)を満足しない場合(S501:NO)、Gkが相対的に高価であることを意味し、現在において売電する方が、経済的効果が高いため現在において売電する。演算処理部4Bは、Ekdにゼロを設定して(S502)、蓄電設備3の充電又は放電を行わない(S502)。電力料金を考慮すると、電力会社へ売電する方が、経済的な効果が高いためである。演算処理部4Bは、処理をS600(第6判定手順)に移行する。
なお、上記において、演算処理部4Bは、S501について、Gkとの比較対象が、Amaxと、Aminと、に限定されるものではなく、任意のAkを設定できるものとする。
===第6判定手順===
図1を参照しつつ、第6判定手順の一例について説明する。尚、第6判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、第4判定手順及び第5判定手順において求められたEka〜Eke(以下、第6判定手順〜第11判定手順において「Ek」と称する。)を、Rkに加算して将来における充電電力量を求める(以下、第6判定手順〜第11判定手順において「REk」と称する。)(S600)。記憶部4Cには、演算処理部4BからEk及びREkが入力されると、例えば図6及び図7に示されるように、そのEk及びREkがkに対応付けられて記憶される(S601)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、E1〜E48、RE1〜RE48が対応付けられて記憶される。演算処理部4Bは、処理をS700(第7判定手順)に移行する。
===第7判定手順===
図1を参照しつつ、第7判定手順の一例について説明する。演算処理部4Bは、REkと、Nと、を比較する(S700)。第7判定手順は、Nを上回らないRmaxを設定するための手順である。尚、第7判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
REkがNより大きい場合(S700:NO)、演算処理部4Bは、Rmaxに、Nの値を設定する。さらに、KEに、このときのkの値を設定する(S701)。記憶部4Cは、演算処理部4BからRmax及びKEが入力されると、Rmax及びKEを例えば図7に示す形式で記憶する(S702)。演算処理部4Bは、処理をS900(第9判定手順)に移行する(S701)。
REkがN以下の場合(S700:YES)、演算処理部4Bは、さらにREkと、Rmaxと、を比較する(S703)。S703は、REkがRkのうちで最も大きいか否かを判定するステップである。
REkがRmaxより大きい場合(S703:NO)、演算処理部4Bは、Rmaxに、REkの値を設定する。さらに、KEに、このときのkの値を設定する(S704)。記憶部4Cは、Rmax及びKEを例えば図7に示す形式で記憶する(S705)。演算処理部4Bは、処理をS800(第8判定手順)に移行する(S704)。
REkがRmax以下の場合(S704:YES)、演算処理部4Bは、処理をS800(第8判定手順)に移行する。
===第8判定手順===
図1を参照しつつ、第8判定手順の一例について説明する。尚、第8判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、kと、設定値と、を比較する(S800)。第8判定手順は、設定値の回数だけS304から手順を繰り返しRmaxを特定する手順である。具体的には、例えば設定値を48としている場合、S304からS800までを48回繰り返す。
kが設置値より小さい場合(S800:NO)、演算処理部4Bは、kに1を加算する。演算処理部4Bは、Rkに、RE(k-1)の値を設定する。又、Rkがゼロより小さい場合、Rkにゼロを設定する。計算上、電力量がゼロを下回ることを避けるためである。演算処理部4Bは、S304からステップを繰り返す。
kが設定値以上の場合(S800:YES)、演算処理部4Bは、処理をS900(第9判定手順)に移行する。
===第9判定手順===
図1を参照しつつ、第9判定手順の一例について説明する。尚、第9判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、NからRmaxを減算した値を、現在においてさらに蓄電設備3に充電すべき電力量(以下、「RTk」と称する。)に設定し、kを1に設定する(以下、「初期設定2」と称する。)(S900)。演算処理部4Bは、REkに、RTkを加算した値を、更新された将来における充電電力量(以下、「RETk」と称する。)に設定する(S901)。記憶部4Cには、演算処理部4BからRETkが入力されると、例えば図7に示されるように、そのRETkがkに対応付けられて記憶される(S902)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、RET1〜RET48が対応付けられて記憶される。
演算処理部4Bは、RETkと、ゼロと、を比較する(S903)。
RETkがゼロより小さい場合(S903:NO)、演算処理部4Bは、RTkにRETkの絶対値をプラスしてRTkを更新する(S904)。記憶部4Cには、演算処理部4BからRTkが入力されると、例えば図7に示されるように、そのRTkがkに対応付けられて記憶される(S905)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、RT1〜RT48が対応付けられて記憶される。S904は、kの時点において、RETkがマイナスを示す分だけ、現在においてさらに蓄電設備3に充電するために行うステップである。さらに、演算処理部4Bは、RTkと、N-R0と、を比較する(S906)。
RTkがN−R0より大きい場合(S906:NO)、演算処理部4Bは、RTkを(N−R0)の値に更新する(S907)。記憶部4Cには、演算処理部4BからRTkが入力されると、例えば図7に示されるように、そのRTkがkに対応付けられて記憶される(S908)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、RT1〜RT48が対応付けられて記憶される。S907は、蓄電設備3で充電可能な最大充電電力量をRTkに設定できる最大値とするために行うステップである。演算処理部4Bは、処理をS1100(第11判定手順)に移行する。
RTkが(N−R0)以下の場合(S906:YES)、演算処理部4Bは、処理を第10判定手順に移行する。
RETkがゼロ以上の場合(S903:YES)、演算処理部4Bは、処理をS1000(第10判定手順)に移行する。
===第10判定手順===
19を参照しつつ、第10判定手順の一例について説明する。尚、第10判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、kと、KEと、を比較する(S1000)。第10判定手順は、S901からステップを繰り返し、RTkを特定する手順である。具体的には、例えばKEが24である場合、S901からS1000までを24回繰り返す。
kがKEより小さい場合(S1000:NO)、演算処理部4Bは、kに1を加算する。演算処理部4Bは、RTkに、RT(k-1)の値を設定する。演算処理部4Bは、kに1をプラスして(S1001)、RTkを更新して(S1002)、S901からステップを繰り返す。
kがKE以上の場合(S1000:YES)、演算処理部4Bは、処理をS1100(第11判定手順)に移行する。
===第11判定手順===
図2を参照しつつ、第11判定手順の一例について説明する。尚、第11判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
E0は、以下の式(24)〜(26)で求められる(S1100)。
E0=(M−B0+F0)×P ・・・・・・・ (24)
E0=I×P ・・・・・・・・・・・ (25)
E0=RTk ・・・・・・・・・・・ (26)
演算処理部4Bは、式(24)〜式(26)の右辺で求められる結果のうち最も小さい結果を、E0に設定し、記憶部4CにE0を出力する(S1101)。記憶部4Cは、E0を、例えば図7に示す形式で記憶する(S1102)。
次に、演算処理部4Bは、R0にE0を加算し、RE0を求め、R0をNで除算し、SOCを求め、式(27)によりDKを求め、式(28)によりSDを求め、記憶部4CにRE0、SOC、DK及びSDを出力する(S1103)。
DK=(B0−F0+E0×Q)×A0 ・・・ (27)
SD=B0−F0+E0×Q ・・・・・・・・・ (28)
記憶部4Cは、RE0、SOC、DK及びSDを、例えば図7に示す形式で記憶する(S1104)。第11判定手順を終了して所定の時間毎にS100(第1判定手順)から手順を繰り返す。
===第12判定手順===
図2を参照しつつ、第12判定手順の一例について説明する。第12判定手順は、演算処理部4Bが、後の計算で使用するデータを記憶装置7から読み込み及びデータの初期設定を行う手順である。尚、第12判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、記憶装置7からBkと、Fkと、Gkとを読み込み、記憶部4CにBkと、Fkと、Gkとを出力する(S1200)。記憶部4Cには、演算処理部4BからBkと、Fkと、Gkが入力されると、図6に示されるように、そのBkと、Fkと、Gkがkに対応付けられて記憶される(S1202)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、B1〜B48、F1〜F48、G1〜G48が対応付けられて記憶される。
演算処理部4Bは、RminをR0に設定し、R1にR0の値を設定(以下、「初期設定3」と称する。)する(S1203)。後の計算のための初期設定をするものである。
演算処理部4Bは、Fkと、Bkと、を比較する(S1204)。S1204は、将来において、Fk(発電電力量)によってBk(負荷電力量)を賄うことができるか否かを判定するものである。
FkがB0以下の場合(S1204:YES)、演算処理部4Bは、処理をS1300(第13判定手順)に移行する。
F0がB0より大きい場合(S1204:NO)、演算処理部4Bは、処理をS1400(第14判定手順)に移行する。
===第13判定手順===
図2を参照しつつ、第13判定手順の一例について説明する。第13判定手順は、発電設備2による発電電力量(Fk)で、負荷設備6の負荷電力量(Bk)を賄えない状況における手順である。すなわち、電気が足りない状況である。尚、第13判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、A0と、Akと、Aminと、Amaxとを比較する(S1300)。
AkがA0より大きい場合(S1300:Ak>A0)、演算処理部4Bは、蓄電設備3から放電する電力量を算出する。放電する電力量(以下、「Ekf」と称する。)は、以下の夫々の式で求められる右辺の比較に基づいて求められる(S1301)。
Ekf=−(Bk−Fk)÷Q ・・・・・・・ (29)
Ekf=−I÷Q ・・・・・・・・・・ (30)
演算処理部4Bは、式(29)、式(30)の右辺で求められる結果のうち最も大きい結果を、Ekfに設定する(S1302)。A0より電力料金が高いAkのときに蓄電設備3から放電すると経済的効果が高いためである。演算処理部4Bは、処理をS1500(第15判定手順)に移行する。
Akと、Aminと、が等しい場合(S1300:Ak=Amin)、演算処理部4Bは、蓄電設備3に充電する電力量を算出する。充電する電力量(以下、「Ekg」と称する。)は、以下の式(31)、(32)で求められる(S1303)。
Ekg=(M−Bk+Fk)×P ・・・・・・ (31)
Ekg=I×P ・・・・・・・・・・ (32)
演算処理部4Bは、式(31)、式(32)の右辺で求められる結果のうち最も小さい結果を、Ekgに設定する(S1304)。電力料金が低いときに蓄電設備3に充電すると経済的効果が高いためである。演算処理部4Bは、処理をS1500(第15判定手順)に移行する。
Akと、Amax及びAminと、が等しくない場合(S1300:Ak≠Amin,Amax)、演算処理部4Bは、充電及び放電する電力量(以下、「Ekh」と称する。)をゼロに設定して、蓄電設備3の充電及び放電を行わない(S1305)。演算処理部4Bは、処理をS1500(第15判定手順)に移行する。
===第14判定手順===
図2を参照しつつ、第14判定手順の一例について説明する。第14判定手順は、発電設備2による発電電力量(Fk)で、負荷設備6の負荷電力量(Bk)を賄える状況である。すなわち、電気が余る状況である。尚、第14判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、Gkと、Akと、を比較する(S1400)。
GkがAk以上の場合(S1400:NO)、演算処理部4Bは、充電及び放電する電力量(以下、「Eki」と称する。)をゼロに設定して、蓄電設備3の充電及び放電を行わない(S1402)。電力料金を考慮すると、電力会社へ売電する方が、経済的な効果が高いためである。演算処理部4Bは、処理をS1500(第15判定手順)に移行する。
GkがAkより小さい場合(S1400:YES)、演算処理部4Bは、さらにGkと、Amaxと、Aminと、を用いて比較する(S1401)。S1401は、以下の式(33)によって判定される。式(33)は、経済的効果を考慮して、充電するか又は売電するかを判定するものである。具体的に、左辺において、GkとAmaxとの金額差を算出し、右辺において、GkとAminとの金額差を算出し、その金額差の大小によって判定する。ただし、左辺及び右辺の夫々において、電力料金の高い方には放電効率(Q)を積算し、電力料金の低い方には充電効率(P)を除算する。電力料金の高いときに放電し、電力料金の低いときに充電すると経済的効果が高いためである。
Amax×Q−Gk÷P > Gk×Q−Amin÷P・・・ (33)
式(33)を満足する場合(S1401:YES)、Gkが相対的に安価であることを意味し、充電する電力量(以下、「Ekj」と称する。)を求める。Ekjは、以下の式(34)、(35)で求められる。
Ekj=(Fk−Bk)×P ・・・・・・・・・ (34)
Ekj=I×P ・・・・・・・・・・ (35)
演算処理部4Bは、式(34)、式(35)の右辺で求められる結果のうち最も小さい結果を、Ekjに設定する(S1404)。電力料金が低いときに蓄電設備3に充電すると経済的効果が高いためである。演算処理部4Bは、処理をS1500(第15判定手順)に移行する。
式(33)を満足しない場合(S1401:NO)、Gkが相対的に高価であることを意味し、現在において売電する方が、経済的効果が高いため現在において売電する。演算処理部4Bは、Ekiにゼロ設定して(S1402)、蓄電設備3の充電及び放電を行わない(S1402)。電力料金を考慮すると、電力会社へ売電する方が、経済的な効果が高いためである。
===第15判定手順===
図2を参照しつつ、第15判定手順の一例について説明する。尚、第15判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、第13判定手順及び第14判定手順において求められたEkf〜Ekj(以下、第15判定手順〜第20判定手順において「Ek」と称する。)を、Rkに加算した将来における充電電力量を求める(以下、第15判定手順〜第20判定手順において「REk」と称する。)(S1500)。
記憶部4Cには、演算処理部4BからEk及びREkが入力されると、図6及び図7に示されるように、そのEk及びREkがkに対応付けられて記憶される(S1501)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、E1〜E48、RE1〜RE48が対応付けられて記憶される。演算処理部4Bは、処理をS1600(第16判定手順)に移行する。
===第16判定手順===
図2を参照しつつ、第16判定手順の一例について説明する。尚、第16判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、REkと、ゼロと、を比較する(S1600)。第16判定手順は、ゼロを下回った電力量について放電する電力量の対象外とするための手順である。
REkがゼロより小さい場合(S1600:NO)、演算処理部4Bは、Rminに、ゼロの値を設定する。さらに、KEに、このときのkの値を設定する(S1601)。記憶部4Cは、演算処理部4BからRmin及びKEが入力されると、Rmin及びKEを例えば図8に示す形式で記憶する(S1602)。演算処理部4Bは、処理をS1800(第18判定手順)に移行する(S1601)。
REkがゼロより大きい場合(S1600:YES)、演算処理部4Bは、さらにREkと、Rminと、を比較する(S1603)。S1603は、RkがRkの内で最も小さいか否かを判定するステップである。
REkがRminより小さい場合(S1603:NO)、演算処理部4Bは、Rminに、REkの値を設定する。さらに、KEに、このときのkの値を設定する(S1604)。記憶部4Cは、演算処理部4BからRmin及びKEが入力されると、Rmin及びKEを例えば図8に示す形式で記憶する(S1605)。演算処理部4Bは、処理をS1700(第17判定手順)に移行する(S1604)。
REkがRminより大きい場合(S1603:YES)、演算処理部4Bは、処理をS1700(第17判定手順)に移行する。
===第17判定手順===
図2を参照しつつ、第17判定手順の一例について説明する。尚、第17判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、kと、設定値と、を比較する(S1700)。第17判定手順は、設定値の回数だけS1204からを繰り返しRminを特定する手順である。具体的には、例えば設定値を48としている場合、S1205からS1700までを48回繰り返す。
kが設置値より小さい場合(S1700:NO)、演算処理部4Bは、kに1を加算する。演算処理部4Bは、Rkに、RE(k-1)の値を設定する。又、RkがNより大きい場合、RkにNを設定する。計算上、電力量がNを上回ることを避けるためである。演算処理部4Bは、S1204からステップを繰り返す。
kが設定値より大きい場合(S1700:YES)、演算処理部4Bは、処理をS1800(第18判定手順)に移行する。
===第18判定手順===
図2を参照しつつ、第18判定手順の一例について説明する。尚、第18判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
演算処理部4Bは、Rminの値を、現在においてさらに蓄電設備3から放電すべき電力量(以下、「RAk」と称する。)に設定し、kを1に設定する(以下、「初期設定4」と称する。)(S1800)。演算処理部4Bは、REkから、RAkを減算した値を、更新された将来における充電電力量(以下、「REAk」と称する。)に設定する(S1801)。記憶部4Cには、演算処理部4BからREAkが入力されると、図8に示されるように、そのREAkがkに対応付けられて記憶される(S1802)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、REA1〜REA48が対応付けられて記憶される。
演算処理部4Bは、REAkと、Nと、を比較する(S1803)。
REAkがNより大きい場合(S1803:NO)、演算処理部4Bは、以下の式(36)によってRAkを更新する(S1804)。
RAk=RAk+(REAk−N) ・・・・・・・・・ (36)
記憶部4Cには、演算処理部4BからRAkが入力されると、図8に示されるように、そのRAkがkに対応付けられて記憶される(S1805)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、RA1〜RA48が対応付けられて記憶される。S1804は、kの時点において、REAkがNを超える分だけ、現在においてさらに蓄電設備3から放電するために行うステップである。さらに、演算処理部4Bは、RAkと、R0と、を比較する(S1806)。
RAkがR0より大きい場合(S1806:NO)、演算処理部4Bは、RAkをR0の値に更新する(S1807)。記憶部4Cには、演算処理部4BからRAkが入力されると、図8に示されるように、そのRAkがkに対応付けられて記憶される(S1808)。具体的に、記憶部4Cには、kが1〜48の値をとりうるため、その値のそれぞれに対して、RA1〜RA48が対応付けられて記憶される。蓄電設備3で放電可能な最大放電電力量を現在における充電電力量のR0とするために行う手順である。演算処理部4Bは、処理をS2000(第20判定手順)に移行する。
RAkがR0以下の場合(S1806:YES)、演算処理部4Bは、処理をS1900(第19判定手順)に移行する。
REAkがN以下の場合(S1803:YES)、演算処理部4Bは、処理をS1900(第19判定手順)に移行する。
===第19判定手順===
図2を参照しつつ、第19判定手順の一例について説明する。尚、第19判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。演算処理部4Bは、kと、KEと、を比較する(S1900)。第19判定手順は、S1801からステップを繰り返しRAkを特定するステップである。具体的には、例えばKEが24である場合、S1801からS1900までを24回繰り返す。
kがKEより小さい場合(S1900:NO)、演算処理部4Bは、kに1を加算する。演算処理部4Bは、RAkに、RA(k-1)の値を設定する。演算処理部4Bは、kに1をプラスして(S1901)、RAkを更新して(S1902)、S1801からステップを繰り返す。
kがKE以上の場合(S1900:YES)、演算処理部4Bは、処理をS2000(第20判定手順)に移行する。
===第20判定手順===
29を参照しつつ、第20判定手順の一例について説明する。尚、第20判定手順は、演算処理部4Bが実行する手順である。
E0は、以下の式(37)〜(39)で求められる(S2000)。
E0=−(B0−F0)÷Q ・・・・・・・・・・・ (37)
E0=−I÷Q ・・・・・・・・・・・ (38)
E0=−RAk ・・・・・・・・・・・ (39)
演算処理部4Bは、式(37)〜式(39)の右辺で求められる結果のうち最も大きい結果を、E0に設定し、記憶部4CにE0を出力する(S2001)。記憶部4Cは、E0を、例えば図8に示す形式で記憶する(S2002)。
次に、演算処理部4Bは、R0にE0を加算し、RE0を求め、R0をNで除算し、SOCを求め、式(40)によりDKを求め、式(41)によりSDを求め、記憶部4CにRE0、SOC、DK及びSDを出力する(S2003)。
DK=(B0−F0+E0×Q)×A0 ・・・ (40)
SD=B0−F0+E0×Q ・・・・・・・・・ (41)
記憶部4Cは、RE0、SOC、DK及びSDを、例えば図8に示す形式で記憶する(S2004)。第20判定手順を終了して所定の時間毎にS100(第1判定手順)から手順を繰り返す。
===第1グラフ===
図9を参照しつつ、演算処理部4Bが作成する第1グラフ80について説明する。
第1グラフは、第3判定手順〜第10判定手順によって作成されるグラフである。第1グラフは、例えば、横軸を経過時間とし、縦軸を蓄電設備3の充電電力量として作成される。第1グラフは、例えば、棒グラフで示されている。棒グラフは、将来における充電電力量(Rk)を示している。又、棒グラフは、例えば第1時間帯において30分間隔で示される。
まず、演算処理部4Bは、第3判定手順〜第8判定手順に基づき、将来における充電電力量(Rk)を算出する。演算処理部4Bは、現在における充電電力量(R0)と、将来における充電電力量(Rk)とから棒グラフを作成する。演算処理部4Bは、第7判定手順に基づき、Rkのうち、最大の充電電力量(Rmax)を特定する。演算処理部4Bは、第9判定手順及び第10判定手順に基づき、蓄電設備3で充電可能な最大充電電力量(N)から最大の充電電力量(Rmax)を減算した電力量を示す電力量(RTk)を算出する。そして、演算処理部4Bは、電力量(RTk)を現在における充電電力量(R0)及び充電電力量(Rk)に加算する。次に、演算処理部4Bは、電力量(RTk)を加算された充電電力量(Rk)のうち、充電電力量がゼロを下回る電力量を示す電力量(RTk2)を算出する。演算処理部4Bは、電力量(RTk2)をさらに現在における充電電力量(R0)に加算する。演算処理部4Bは、充電電力量(RETk)を特定する。
上記によって、演算処理部4Bは、第3判定手順〜第10判定手順に基づき、第1グラフを作成することができる。
===第2グラフ===
算処理部4Bが作成する第2グラフについて説明する。
第2グラフは、第12判定手順〜第19判定手順によって作成されるグラフである。第2グラフは、例えば、横軸を経過時間とし、縦軸を蓄電設備3の充電電力量として作成されている。第2グラフは、例えば、棒グラフで示されている。棒グラフは、将来における充電電力量(Rk)を示している。又、棒グラフは、例えば第1時間帯において30分間隔で示されている。
まず、演算処理部4Bは、第12判定手順〜第17判定手順に基づき、将来における充電電力量(Rk)を算出する。演算処理部4Bは、現在における充電電力量(R0)と、将来における充電電力量(Rk)とから棒グラフを作成する。演算処理部4Bは、第16判定手順に基づき、棒グラフのうち、最小の充電電力量(Rmin)を特定する。演算処理部4Bは、第17判定手順及び第19判定手順に基づき、Rminを示す電力量(RAk)を現在における充電電力量(R0)及び充電電力量(Rk)から減算する。次に、演算処理部4Bは、電力量(RAk)を減算された充電電力量(Rk)のうち、充電電力量が蓄電設備3で充電可能な最大充電電力量(N)を上回る電力量を示す電力量(RAk2)を算出する。演算処理部4Bは、電力量(RAk2)をさらに現在における充電電力量(R0)から減算する。演算処理部4Bは、充電電力量(REAk)を特定する。
上記によって、演算処理部4Bは、第12判定手順〜第19判定手順に基づき、第2グラフを作成することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る充放電量制御装置4において、需要家における、再生可能エネルギーを利用して発電する発電設備と、電力を充電及び放電する蓄電設備と、を含む蓄電システムにおける、蓄電設備の充電及び放電する電力量を制御する充放電量制御装置であって、充放電量制御装置は、将来の所定の第1時間帯における、需要家の負荷設備の使用電力量を示す第1負荷電力量と、発電設備の発電電力量を示す第1発電電力量と、電力料金と、に基づき、第1時間帯における、蓄電設備に充電されていると見込まれる電力量を示す第1充電電力量を求め、第1充電電力量に基づき、第1時間帯に含まれる第1時間帯より短い第2時間帯における、蓄電設備に充電されていると見込まれる電力量を示す第2充電電力量を求め、第2充電電力量に基づき、現在においてさらに蓄電設備に充電又は放電されるべき電力量を示す第1電力量を求める演算処理部と、演算処理部の算出の結果に基づいて蓄電設備における充電又は放電を制御する制御部と、を備えている。
これにより、充放電量制御装置4は、将来の負荷電力量、将来の発電電力量、将来の電力料金に基づいて予測される蓄電設備3の充電電力量を特定することができ、その充電電力量から、現在における放電電力量又は充電電力量を決定することができる。よって、運用者は、蓄電設備3を最も効率よく充電又は放電させられるため、コスト縮減することができる。
又、電力料金は、電力の買電料金を示す第1電力料金と、電力の売電料金を示す第2電力料金と、を含み、前記第1電力料金は、前記第1時間帯において複数設定され、演算処理部は、第1電力料金と、現在における電力の買電料金を示す第3電力料金と、の比較結果に基づいて、第1電力量を求めることを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、第1電力料金のうち最大、最小又はそれ以外の電力料金と第3電力料金とを比較して、比較結果に基づいて第1電力量を算定することができるため、経済的に効率良い第1電力量を決定することができる。
又、演算処理部は、第1電力料金の最大値から第3電力料金を減算して得られる第1電力料金差額と、第3電力料金から第1電力料金の最小値を減算して得られる第2電力料金差額と、の比較結果に基づいて、第1電力量を求めることを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、第1時間帯において、第3電力料金が第1電力料金の最大値に近い電力料金か、最小値に近い電力料金かを判定し、それに基づいて充電するか、放電するかを決定することができるため、経済的に効率の良い第1電力量を決定することができる。
又、演算処理部は、第1負荷電力量が第1発電電力量以上である場合、第1電力料金が最大値であるときの、蓄電設備に充電されている電力量を示す第3充電電力量から、第1電力料金の最大値に対応する電力量を示す第1減算電力量を減算する第1処理と、第1電力料金が第3電力料金よりも小さいときの、第3充電電力量に、第1電力料金に対応する電力量を示す第1加算電力量を加算する第2処理と、第1電力料金が最大値及び最小値ではないときの、第3充電電力量を維持する第3処理と、を所定の回数繰り返すことによって、第1充電電力量を求めることを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、現在において充電すべき状況において、第1電力料金と第3電力料金とを比較して、比較結果に基づいて第1充電電力量を求められるため、経済的に効率の良い蓄電設備3の充電電力量を予測することができる。
又、演算処理部は、第1負荷電力量が第1発電電力量以上である場合、第1電力料金が第3電力料金よりも大きいときの、蓄電設備に充電されている電力量を示す第3充電電力量から、第1電力料金に対応する電力量を示す第2減算電力量を減算する第1処理と、第1電力料金が最小値であるときの、第3充電電力量に、第1電力料金の最小値に対応する電力量を示す第2加算電力量を加算する第2処理と、第1電力料金が最大値及び最小値ではないときの、第3充電電力量を維持する第3処理とを所定の回数繰り返すことによって、第1充電電力量を求めることを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、現在において放電すべき状況において、第1電力料金と第3電力料金とを比較して、比較結果に基づいて第1充電電力量を求められるため、経済的に効率の良い蓄電設備3の充電電力量を予測することができる。
又、演算処理部は、第1負荷電力量が第1発電電力量よりも小さい場合、蓄電設備に充電されている電力量を示す第3充電電力量に、第1電力料金と、第2電力料金と、の比較に基づく電力量を加算する処理を所定の回数繰り返すことによって、第1充電電力量を求めることを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、発電電力量が余る状況において、第1電力料金と第2電力料金とを比較して、比較結果に基づいて第1充電電力量を求められるため、経済的に効率の良い蓄電設備3の充電電力量を予測することができる。
又、演算処理部は、第1負荷電力量が第1発電電力量よりも小さい場合、第3充電電力量に、第1電力料金と、第2電力料金と、の比較に基づく電力量を加算する処理を所定の回数繰り返すことによって、第1充電電力量を求めることを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、発電電力量が余る状況において、第1電力料金と第2電力料金とを比較して、比較結果に基づいて第1充電電力量を求められるため、経済的に効率の良い蓄電設備3の充電電力量を予測することができる。
又、第2時間帯は、第1時間帯において蓄電設備に充電される電力量が最大となる時間帯に設定されることを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、蓄電設備3の充電電力量が最大になる時間を特定することができる。
又、演算処理部は、第2時間帯における第2充電電力量と、蓄電設備に充電することができる最大の電力量を示す最大充電電力量と、に基づいて第1電力量を求めることを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、将来において蓄電設備3の充電電力量の余裕分を特定して第1電力量とすることができる。
又、演算処理部は、第1時間帯における第1充電電力量に、第1電力量を加算した電力量を示す加算充電電力量を求め、加算充電電力量が所定値を下回る場合に、所定値を下回った分の電力量を示す第2電力量を求め、第2電力量を第1電力量に加算して、第1電力量を更新することを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、第1時間帯において、蓄電設備3の充電電力量が尽きないように第1電力量を決定することができる。
又、第2時間帯は、第1時間帯において蓄電設備に充電される電力量が最小となる時間帯に設定されることを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、蓄電設備3の充電電力量が最小になる時間を特定することができる。
又、演算処理部は、第2時間帯における第2充電電力量と等しい電力量を、第1電力量に設定することを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、将来において蓄電設備3の充電電力量の余剰分を特定して第1電力量とすることができる。
又、演算処理部は、第1時間帯における第1充電電力量から、第1電力量を減算した電力量を示す減算充電電力量を求め、減算充電電力量が蓄電設備に充電することができる最大の電力量を示す最大充電電力量を上回る場合に、最大充電電力量を上回った分の第3電力量を求め、第5電力量を第1電力量から減算して、第1電力量を更新することを特徴とする。これにより、充放電量制御装置4は、第1時間帯において、蓄電設備3の充電電力量が余らないように第1電力量を決定することができる。
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。

Claims (13)

  1. 需要家における、再生可能エネルギーを利用して発電する発電設備と、電力を充電及び放電する蓄電設備と、を含む蓄電システムにおける、前記蓄電設備の充電及び放電する電力量を制御する充放電量制御装置であって、
    前記充放電量制御装置は、
    将来の所定の第1時間帯における、需要家の負荷設備の使用電力量を示す第1負荷電力量と、前記発電設備の発電電力量を示す第1発電電力量と、電力料金と、に基づき、前記第1時間帯における、前記蓄電設備に充電されていると見込まれる電力量を示す第1充電電力量を求め、
    前記第1充電電力量に基づき、前記第1時間帯に含まれる前記第1時間帯より短い第2時間帯における、前記蓄電設備に充電されていると見込まれる電力量を示す第2充電電力量を求め、
    前記第2充電電力量に基づき、現在においてさらに前記蓄電設備に充電又は放電されるべき電力量を示す第1電力量を求める演算処理部と、
    前記演算処理部の算出の結果に基づいて前記蓄電設備における充電又は放電を制御する制御部と、
    を備えていることを特徴とする充放電量制御装置。
  2. 前記電力料金は、電力の買電料金を示す第1電力料金と、電力の売電料金を示す第2電力料金と、を含み、
    前記第1電力料金は、前記第1時間帯において複数設定され、
    前記演算処理部は、前記第1電力料金と、現在における電力の買電料金を示す第3電力料金と、の比較結果に基づいて、前記第1電力量を求めることを特徴とする請求項1に記載の充放電量制御装置。
  3. 前記演算処理部は、前記第1電力料金の最大値から前記第3電力料金を減算して得られる第1電力料金差額と、前記第3電力料金から前記第1電力料金の最小値を減算して得られる第2電力料金差額と、の比較結果に基づいて、前記第1電力量を求めることを特徴とする請求項2に記載の充放電量制御装置。
  4. 前記演算処理部は、前記第1負荷電力量が前記第1発電電力量以上である場合、
    前記第1電力料金が最大値であるときの、前記蓄電設備に充電されている電力量を示す第3充電電力量から、前記第1電力料金の最大値に対応する電力量を示す第1減算電力量を減算する第1処理と、
    前記第1電力料金が前記第3電力料金よりも小さいときの、前記第3充電電力量に、前記第1電力料金に対応する電力量を示す第1加算電力量を加算する第2処理と、
    前記第1電力料金が最大値及び最小値ではないときの、前記第3充電電力量を維持する第3処理と、
    を所定の回数繰り返すことによって、前記第1充電電力量を求めることを特徴とする請求項2又は3に記載の充放電量制御装置。
  5. 前記演算処理部は、前記第1負荷電力量が前記第1発電電力量以上である場合、
    前記第1電力料金が前記第3電力料金よりも大きいときの、前記蓄電設備に充電されている電力量を示す第3充電電力量から、前記第1電力料金に対応する電力量を示す第2減算電力量を減算する第1処理と、
    前記第1電力料金が最小値であるときの、前記第3充電電力量に、前記第1電力料金の最小値に対応する電力量を示す第2加算電力量を加算する第2処理と、
    前記第1電力料金が最大値及び最小値ではないときの、前記第3充電電力量を維持する第3処理と
    を所定の回数繰り返すことによって、前記第1充電電力量を求めることを特徴とする請求項2又は3に記載の充放電量制御装置。
  6. 前記演算処理部は、前記第1負荷電力量が前記第1発電電力量よりも小さい場合、
    前記蓄電設備に充電されている電力量を示す第3充電電力量に、前記第1電力料金と、前記第2電力料金と、の比較に基づく電力量を加算する処理を所定の回数繰り返すことによって、前記第1充電電力量を求めることを特徴とする請求項2又は3に記載の充放電量制御装置。
  7. 前記演算処理部は、前記第1負荷電力量が前記第1発電電力量よりも小さい場合、
    前記第3充電電力量に、前記第1電力料金と、前記第2電力料金と、の比較に基づく電力量を加算する処理を所定の回数繰り返すことによって、前記第1充電電力量を求めることを特徴とする請求項4又は5に記載の充放電量制御装置。
  8. 前記第2時間帯は、前記第1時間帯において前記蓄電設備に充電される電力量が最大となる時間帯に設定されることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の充放電量制御装置。
  9. 前記演算処理部は、前記第2時間帯における前記第2充電電力量と、前記蓄電設備に充電することができる最大の電力量を示す最大充電電力量と、に基づいて前記第1電力量を求めることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の充放電量制御装置。
  10. 前記演算処理部は、前記第1時間帯における前記第1充電電力量に、前記第1電力量を加算した電力量を示す加算充電電力量を求め、前記加算充電電力量が所定値を下回る場合に、所定値を下回った分の電力量を示す第2電力量を求め、前記第2電力量を前記第1電力量に加算して、前記第1電力量を更新することを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の充放電量制御装置。
  11. 前記第2時間帯は、前記第1時間帯において前記蓄電設備に充電される電力量が最小となる時間帯に設定されることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の充放電量制御装置。
  12. 前記演算処理部は、前記第2時間帯における前記第2充電電力量と等しい電力量を、前記第1電力量に設定することを特徴とする請求項1〜7、11の何れか一項に記載の充放電量制御装置。
  13. 前記演算処理部は、前記第1時間帯における前記第1充電電力量から、前記第1電力量を減算した電力量を示す減算充電電力量を求め、前記減算充電電力量が前記蓄電設備に充電することができる最大の電力量を示す最大充電電力量を上回る場合に、前記最大充電電力量を上回った分の第3電力量を求め、前記第電力量を前記第1電力量に加算して、前記第1電力量を更新することを特徴とする請求項1〜7、11、12の何れか一項に記載の充放電量制御装置。
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