JP6059648B2 - 無線通信システム、集中制御装置、及び無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、集中制御装置、及び無線通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線通信システム、集中制御装置、及び無線通信方法に関する。
近年、2.4GHz(ギガヘルツ)帯または、5GHz帯を用いた高速無線アクセスシステムとして、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a、11b、11g、11n、11ac規格などの無線LAN(Local Area Network)の普及が目覚ましく、無線LANの基地局の数が飛躍的に増加している。
一方、無線LANに割り当てられている周波数帯域幅は大きくは増加していない。20MHz(メガヘルツ)幅のチャネルでみると、2.4GHz帯で4チャネル、5GHz帯で19チャネルを利用できるが、IEEE802.11acでは最大で160MHzを1つの基地局が占有できるため、無線リソースは年々逼迫してきていると言える。
周波数帯域幅を増加させずに無線LANのスループットを向上させる方法として、無線LAN基地局同士を連携させ、各基地局配下の端末局に対して、互いにヌル指向性ビームを向けるなど複数基地局連携通信が有効である。これにより、近い距離に存在する無線LAN基地局同士が、同一周波数で同時に通信できる。
図16に、複数基地局連携通信を行う従来の無線通信システムの構成例を示す。同図に示す無線LANの基地局90−1と基地局90−2は、複数基地局連携通信を行う。基地局90−1は、自セルに存在する配下の端末局91−1−1〜91−1−Nと無線LAN通信を行い、基地局90−2は、自セルに存在する配下の端末局91−2−1〜91−2−Nと無線LAN通信を行う(N、Nは1以上の整数)。基地局90−1と基地局90−2を総称して基地局90と記載し、端末局91−1−1〜91−1−Nと端末局91−2−1〜91−2−Nを総称して端末局91と記載する。各基地局90はそれぞれ、自セルの端末局91に対してはデータ信号ビームが届くように、かつ、連携相手の基地局90のセル内の端末局91に対してはヌル信号ビームが届くようビーム指向性制御を行う。送信ウェイト生成法は、例えば非特許文献1に示す手法を用いることができる。これにより、各端末局91は、通信相手の基地局90からはデータ信号を受信する一方、隣接基地局からの干渉信号は受けない。よって、各基地局90−1、90−2は、同一周波数で同時に自セル内の端末局91と通信することが可能となる。
K. Ishihara, T. Murakami, Y. Asai, and M. Mizoguchi、"Selective Beamforming for Inter-Cell Interference Mitigation in Coordinated Wireless LANs"、in Proc. Wireless Personal Multimedia Communications (WPMC)、Atlantic city, NJ、2013年、p.1−5
上述した複数基地局連携通信では、連携を行う無線LAN基地局の数に限りがある。ヌル信号ビームを生成するためには、自セル内の端末局だけでなく他セル内の端末局からも、伝搬チャネルのフィードバック情報を取得する必要がある。よって、連携を行わない場合に比べ通信制御に必要なオーバヘッドが増大し通信効率が低下する。
また、複数基地局連携通信を行う際は、連携する全ての基地局は全て上り、又は下り方向のどちらかの通信を行う。そのため、連携する基地局数が増加した場合、全ての基地局の通信方向を揃える必要があり、そのための制御負荷増大も問題となる。
さらに、無線LAN基地局数の増加に伴って、エリア内に配置される基地局数も増加している。しかし、多数配置された基地局全てを連携させることは、上記の様に制御に必要な通信オーバヘッド増加に伴う通信効率低下、通信の上下方向の制御負荷増大などの課題から難しい。
以上説明したように、無線LAN基地局がエリア内に多数配置されている場合、それら全ての無線LAN基地局を連携させると、制御のためのオーバヘッドの増加に伴う通信効率の低下、通信の上下方向の一致のための制御負荷増大などの課題が生じる。
上記事情に鑑み、本発明は、基地局の数が多い場合でも、通信効率の低下や制御負荷の増大を抑えながら、複数基地局連携通信を行う無線通信システム、集中制御装置、及び無線通信方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、集中制御装置と、端末局装置と無線通信する複数の基地局装置とを有する無線通信システムであって、前記集中制御装置は、前記基地局装置において得られた他の前記基地局装置の通信状況を示す基地局周辺局通信状況情報と、前記端末局装置において得られた前記基地局装置の通信状況を示す端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上を記憶するデータベース部と、前記データベース部に記憶されている前記基地局周辺局通信状況情報と、前記端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上に基づいて連携通信を行う複数の前記基地局装置を選択する連携基地局群選択部と、前記連携基地局群選択部が選択した複数の前記基地局装置に対して連携通信を指示する連携指示部とを有し、前記基地局装置は、前記集中制御装置から前記指示を受け、前記連携基地局群選択部が選択した他の前記基地局装置と同時に互いに干渉しないように配下の前記端末局装置と通信する通信部を備える、ことを特徴とする無線通信システムである。
本発明の一態様は、上述する無線通信システムであって、前記端末局装置は、前記基地局装置から受信した信号に基づいて得られる干渉電力の値を通信先の前記基地局装置に通知する周辺局情報処理部を備え、前記基地局装置は、他の前記基地局装置から受信した信号に基づいて得られる干渉電力の値を示す前記基地局周辺局通信状況情報と、配下の前記端末局装置から受信した前記基地局装置からの干渉電力の値を示す端末周辺局通信状況情報と、自局において測定したトラヒックの情報とを前記集中制御装置に通知する情報処理部をさらに備え、前記連携基地局群選択部は、前記基地局装置から受信した前記基地局周辺局通信状況情報と、前記端末周辺局通信状況情報と、前記トラヒックの情報を前記データベース部に書き込む、ことを特徴とする。
本発明の一態様は、上述する無線通信システムであって、前記基地局周辺局通信状況情報は、干渉電力の値を得た前記信号の通信チャネルの情報を含み、前記連携基地局群選択部は、前記基地局周辺局通信状況情報から得られる前記基地局装置の通信チャネル、前記基地局周辺局通信状況情報から得られる前記基地局装置相互の干渉電力和、前記端末周辺局通信状況情報から得られる前記端末局装置における前記基地局装置からの干渉電力和、前記基地局装置のアンテナ数と当該基地局装置の通信先の1以上の前記端末局装置が備えるアンテナ数の合計との比、あるいは、前記基地局装置のトラヒックの情報から得られる前記基地局装置相互のトラヒックの類似度のうち1つ以上に基づいて、連携通信を行う複数の前記基地局装置を選択する、ことを特徴とする。
本発明の一態様は、上述する無線通信システムであって、前記連携基地局群選択部は、前記データベース部に記憶されている前記基地局周辺局通信状況情報と、前記端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上に基づいて、連携通信を行う候補となる前記基地局装置の組を選択し、選択した前記基地局装置の組を1以上組み合わせたグループの中から連携通信を行うグループをさらに選択し、前記連携指示部は、前記連携基地局群選択部が選択した前記グループに含まれる複数の前記基地局装置に対して連携通信を指示する、ことを特徴とする。
本発明の一態様は、端末局装置と無線通信する複数の基地局装置とを有する無線通信システムであって、前記基地局装置は、自局及び連携先の前記基地局装置のそれぞれにおいて得られた他の前記基地局装置の通信状況を示す基地局周辺局通信状況情報と、自局の配下の前記端末局装置、及び連携先の前記基地局装置の配下の前記端末局装置のそれぞれにおいて得られた前記基地局装置の通信状況を示す端末周辺局通信状況情報と、自局及び連携先の前記基地局装置それぞれのアンテナ数ならびに自局の配下の前記端末局装置、及び連携先の前記基地局装置の配下の前記端末局装置それぞれのアンテナ数の情報と、自局及び連携先の前記基地局装置それぞれのトラヒックの情報とのうち1以上を記憶するデータベース部と、他の前記基地局装置から基地局周辺局通信状況情報と、端末周辺局通信状況情報と、他の前記基地局装置及び他の前記基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、他の前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上を受信し、受信した前記情報と前記データベース部に記憶されている情報とに基づいて他の前記基地局装置と連携通信を行うか否かを判断する連携基地局群選択部と、前記連携基地局群選択部が連携通信を行うと判断した他の前記基地局装置と同時に互いに干渉しないように配下の前記端末局装置と通信する通信部とを備える、ことを特徴とする無線通信システムである。
本発明の一態様は、集中制御装置と、端末局装置と無線通信する複数の基地局装置とを有する無線通信システムにおける前記集中制御装置であって、前記基地局装置において得られた他の前記基地局装置の通信状況を示す基地局周辺局通信状況情報と、前記端末局装置において得られた前記基地局装置の通信状況を示す端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上を記憶するデータベース部と、前記データベース部に記憶されている前記基地局周辺局通信状況情報と、前記端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上に基づいて連携通信を行う複数の前記基地局装置を選択する連携基地局群選択部と、前記連携基地局群選択部が選択した複数の前記基地局装置に対して連携通信を指示する連携指示部と、を備えることを特徴とする集中制御装置である。
本発明の一態様は、集中制御装置と、端末局装置と無線通信する複数の基地局装置とを有する無線通信システムが実行する無線通信方法であって、前記集中制御装置は、前記基地局装置において得られた他の前記基地局装置の通信状況を示す基地局周辺局通信状況情報と、前記端末局装置において得られた前記基地局装置の通信状況を示す端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上を記憶するデータベース部を備えており、前記集中制御装置が、記データベース部に記憶されている前記基地局周辺局通信状況情報と、前記端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上に基づいて連携通信を行う複数の前記基地局装置を選択する連携基地局群選択ステップと、連携基地局群選択ステップにおいて選択された複数の前記基地局装置に対して連携通信を指示する連携指示ステップと、前記基地局装置が、前記集中制御装置から前記指示を受け、前記連携基地局群選択ステップにおいて選択された他の前記基地局装置と同時に互いに干渉しないように配下の前記端末局装置と通信する連携通信ステップと、を有することを特徴とする無線通信方法である。
本発明の一態様は、端末局装置と無線通信する複数の基地局装置とを有する無線通信システムが実行する無線通信方法であって、前記基地局装置は、自局及び連携先の前記基地局装置のそれぞれにおいて得られた他の前記基地局装置の通信状況を示す基地局周辺局通信状況情報と、自局の配下の前記端末局装置、及び連携先の前記基地局装置の配下の前記端末局装置のそれぞれにおいて得られた前記基地局装置の通信状況を示す端末周辺局通信状況情報と、自局及び連携先の前記基地局装置それぞれのアンテナ数ならびに自局の配下の前記端末局装置、及び連携先の前記基地局装置の配下の前記端末局装置それぞれのアンテナ数の情報と、自局及び連携先の前記基地局装置それぞれのトラヒックの情報とのうち1以上を記憶するデータベース部を備えており、前記基地局装置それぞれが、他の前記基地局装置から基地局周辺局通信状況情報と、端末周辺局通信状況情報と、他の前記基地局装置及び他の前記基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、他の前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上を受信し、受信した前記情報と前記データベース部に記憶されている情報とに基づいて他の前記基地局装置と連携通信を行うか否かを判断する連携基地局群選択ステップと、前記連携基地局群選択ステップにおいてが連携通信を行うと判断した他の前記基地局装置と同時に互いに干渉しないように配下の前記端末局装置と通信する連携通信ステップと、を有することを特徴とする無線通信方法である。
本発明により、無線通信システムは、基地局の数が多い場合でも、通信効率の低下や制御負荷の増大を抑えながら、複数基地局連携通信を行うことが可能となる。
第1実施形態による無線通信システムの構成例を示すブロック図である。 同実施形態における集中制御局、基地局、及び端末局の内部構成を示すブロック図である。 同実施形態における集中制御局が記憶する基地局パラメータテーブルのデータ構成例を示す図である。 同実施形態における集中制御局が記憶する基地局周辺局通信状況情報テーブルのデータ構成例を示す図である。 同実施形態における集中制御局が記憶する端末局パラメータテーブルのデータ構成例を示す図である。 同実施形態における無線通信システムの複数基地局連携通信開始手順の例を示すフローチャートである。 同実施形態における集中制御局の連携基地局群選択処理手順の例を示すフローチャートである。 第2実施形態における集中制御局、基地局、及び端末局の内部構成を示すブロック図である。 同実施形態における集中制御局が記憶する端末周辺局通信状況情報テーブルのデータ構成例を示す図である。 同実施形態における集中制御局が記憶する連携基地局群選択候補テーブルのデータ構成例を示す図である。 同実施形態における集中制御局が記憶する連携基地局群選択パターン候補テーブルのデータ構成例を示す図である。 同実施形態における複数基地局連携通信開始手順の例を示すフローチャートである。 第3実施形態における無線通信システムの構成例を示すブロック図である。 同実施形態における基地局、及び端末局の内部構成を示すブロック図である。 同実施形態における複数基地局連携通信開始手順の例を示すフローチャートである。 従来の複数基地局連携通信を行う無線通信システムの一例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
[A.第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態による無線通信システムの構成例を示すブロック図である。同図に示すように無線通信システムは、集中制御局1と、集中制御局1と有線ネットワークにより接続される複数の基地局2と、各基地局2の配下の端末局3とを備えて構成される。以下では、M台(Mは2以上の整数)の基地局2のうちi台目を基地局2−i(iは1以上M以下の整数)と記載する。また、基地局2−iと無線LANによってデータ信号の送受信を行うN台(Nは1以上の整数)の端末局3のうちj台目を端末局3−i−j(jは1以上N以下の整数)と記載する。
基地局2−iが信号の送信や受信に使用するアンテナ素子数はK(Kは1以上の整数)であり、各基地局2のアンテナ素子数はそれぞれ異なっていてもよい。各基地局2がそれぞれ同時に送受信可能な最大通信ストリーム数は、その基地局2が備えるアンテナ素子数に等しいものとする。また、端末局3−i−jが信号の送信や受信に使用するアンテナ素子数はLi−j(Li−jは1以上の整数)であり、各端末局3のアンテナ素子数はそれぞれ異なっていてもよい。各端末局3がそれぞれ同時に送受信可能な最大通信ストリーム数は、その端末局3が備えるアンテナ素子数に等しいものとする。
図2は、第1実施形態における集中制御局1、基地局2、及び端末局3の内部構成を示すブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示している。同図では、基地局2−iと、基地局2−iと通信する端末局3−i−jの構成を示しているが、他の基地局2、他の端末局3もそれぞれ同様の構成である。
集中制御局1は、ネットワーク制御・信号処理部11、連携基地局群選択部12、及び基地局・端末局データベース13を備えて構成される。
ネットワーク制御・信号処理部11は、基地局2から基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、及び端末局パラメータを受信し、連携基地局群選択部12に出力する。基地局パラメータは、基地局2の無線チャネルや、送受信アンテナ数、トラヒックの情報などを示す。基地局周辺局通信状況情報は、基地局2において観測された周辺の他の基地局2の通信状況を示す。端末局パラメータは、端末局3の無線チャネルや送受信アンテナ数などを示す。また、ネットワーク制御・信号処理部11は、連携基地局群選択部12から入力された制御コマンドを、有線ネットワークを経由して基地局2に出力する。
連携基地局群選択部12は、基地局2が送信した基地局パラメータ、端末局パラメータ、及び基地局周辺局通信状況情報をネットワーク制御・信号処理部11を介して受信し、基地局・端末局データベース13に書き込む。また、連携基地局群選択部12は、基地局・端末局データベース13に記憶された情報を読み出して取得し、取得した情報を基に基地局2のパラメータ制御や連携基地局群選択処理を行い、その結果を制御コマンドとしてネットワーク制御・信号処理部11に出力する。連携基地局群選択部12は、連携基地局群選択処理において、基地局2−1〜2−Mの中から複数基地局連携通信を行わせる複数の基地局2を選択する。
基地局・端末局データベース13は、連携基地局群選択部12から入力された基地局パラメータ、端末局パラメータ、及び基地局周辺局通信状況情報を記憶する。また、基地局・端末局データベース13は、連携基地局群選択部12からの読み出し要求を受け、該当する情報を読み出して返送する。
基地局2−iは、アンテナ素子21−1−21〜K、無線信号処理部22、パケット・データ信号処理部23、情報処理部24、及びネットワーク制御・信号処理部25を備えて構成される。
アンテナ素子21−1−21〜Kは、無線信号処理部22から入力された無線信号を送信したり、受信した無線信号を無線信号処理部22に出力したりする。以下では、アンテナ素子21−1−21〜Kを総称して、アンテナ素子21とも記載する。
無線信号処理部22は、アンテナ素子21が受信した無線信号をベースバンド信号に復調し、パケット・データ信号処理部23に出力する。また、無線信号処理部22は、パケット・データ信号処理部23から入力されたベースバンド信号を無線信号に変調し、アンテナ素子21に出力する。
パケット・データ信号処理部23は、無線信号処理部22から入力されたベースバンド信号に誤り訂正、及びデータ信号系列への復号などの信号受信処理を行って情報処理部24やネットワーク制御・信号処理部25に出力する。また、パケット・データ信号処理部23は、ネットワーク制御・信号処理部25から入力されたデータ信号系列に対し、誤り訂正符号化、及びベースバンド信号の生成などの信号送信処理を行って無線信号処理部22に出力する。
情報処理部24は、記憶部241を備えて構成される。情報処理部24は、配下の端末局3から受信した情報に基づく端末局パラメータを記憶部241に書き込む。また、情報処理部24は、パケット・データ信号処理部23から入力されたデータ信号系列を基に、自局の周辺の他の基地局2が送信したビーコンフレームから基地局周辺局通信状況情報を取得し、記憶部241に書き込む。周辺局通信状況情報は、ビーコンフレームの送信元の基地局2の識別情報、ビーコンフレームの受信強度、及び通信チャネルの情報を含む。基地局2の識別情報として、BSSID(basic service set identification data)を用いることができる。また、情報処理部24は、無線信号処理部22やパケット・データ信号処理部23が上り方向及び下り方向で通信を行った時間を記録し、上りトラヒック及び下りトラヒックの時間占有率を求めて記憶部241に書き込む。情報処理部24は、ネットワーク制御・信号処理部25から制御コマンドを受け、基地局パラメータ、端末局パラメータ、及び基地局周辺局通信状況情報をネットワーク制御・信号処理部25に出力する。情報処理部24は、基地局パラメータ、端末局パラメータ、及び基地局周辺局通信状況情報を、記憶部241から読み出すか、記憶部241に記憶されている情報から生成する。
ネットワーク制御・信号処理部25は、パケット・データ信号処理部23から入力されたデータ信号系列や、情報処理部24から入力された情報をイーサネット(登録商標)フレーム信号へ変換し、有線ネットワークを経由して集中制御局1へ出力する。また、ネットワーク制御・信号処理部25は、集中制御局1から有線ネットワークを経由して受信したイーサネット(登録商標)フレーム信号をデータ信号系列に変換し、パケット・データ信号処理部23に出力する。さらに、ネットワーク制御・信号処理部25は、集中制御局1から有線ネットワークを経由して入力された制御コマンド信号を、パケット・データ信号処理部23や情報処理部24に出力する。
端末局3−i−jは、アンテナ素子31−1〜31−Li−j、無線信号処理部32、及びパケット・データ信号処理部33を備えて構成される。
アンテナ素子31−1−31〜Li−jは、無線信号処理部32から入力された無線信号を送信したり、受信した無線信号を無線信号処理部32に出力したりする。以下では、アンテナ素子31−1−31〜Li−jを総称して、アンテナ素子31とも記載する。
無線信号処理部32は、アンテナ素子31から入力された無線信号をベースバンド信号に復調し、パケット・データ信号処理部33に出力する。また、無線信号処理部32は、パケット・データ信号処理部33から入力されたベースバンド信号を無線信号に変調し、アンテナ素子31に出力する。
パケット・データ信号処理部33は、無線信号処理部32から入力されたベースバンド信号に誤り訂正やデータ信号系列への復号などの信号受信処理を行って出力する。また、パケット・データ信号処理部33は、入力を受けたデータ信号系列に誤り訂正符号化やベースバンド信号の生成などの信号送信処理を行って無線信号処理部32に出力する。
図3は、集中制御局1の基地局・端末局データベース13が記憶する基地局パラメータテーブル131の例を示す図である。基地局パラメータテーブル131は、各基地局2の識別情報及び基地局パラメータと、複数基地局連携通信により連携通信する他の基地局2のIDとを対応付けたデータを含む。基地局パラメータは、基地局2の通信チャネル、送受信アンテナ数、上りトラヒックの時間占有率、及び下りトラヒックの時間占有率の情報を含むデータである。
図4は、集中制御局1の基地局・端末局データベース13が記憶する基地局周辺局通信状況情報テーブル132の例を示す図である。基地局周辺局通信状況情報テーブル132は、各基地局2の識別情報と基地局周辺局通信状況情報とを対応付けたデータを含む。基地局周辺局通信状況情報は、基地局2が周辺の他の基地局2から受信したビーコンフレームから得た受信電力、及び通信チャネルの情報を含む。
図5は、集中制御局1の基地局・端末局データベース13が記憶する端末局パラメータテーブル133の例を示す図である。端末局パラメータテーブル133は、各端末局3の端末局パラメータと端末局パラメータの通知元の基地局2の識別情報とを対応付けたデータを含む。端末局パラメータは、端末局3の識別情報、通信チャネル、及び送受信アンテナ数の情報を含むデータである。
基地局パラメータテーブル131、基地局周辺局通信状況情報テーブル132、及び端末局パラメータテーブル133は、いずれも集中制御局1によって情報の書き込み及び読み出しが行われる。
本実施形態では、無線通信システムが2.4GHz帯の無線LANを使用する場合について説明する。基地局2−1〜2−Mのそれぞれに対しては、通信チャネル1、6、11のいずれかが割り当てられ、基地局2−iへの割り当てチャネルをC(i)∈{1、6、11}とする。また、説明を簡単にするため、1つの連携基地局群において連携可能な最大基地局数をN、集中制御局エリア内から選択する連携基地局群の最大数をNmaxとし、各基地局2は、基地局から端末局方向への下り方向の通信を行うものとする。集中制御局エリアとは、集中制御局1に接続されている基地局2−1〜2−Mの通信セルを含んだエリアである。連携基地局群は、複数基地局連携通信を行う複数の基地局2である。
図6は、第1実施形態の無線通信システムにおける複数基地局連携通信開始手順の例を示すフローチャートである。集中制御局1は、基地局2−1〜2−Mから基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、及び端末局パラメータを取得し、それらの情報を用いて連携基地局群を選択する。集中制御局1は、連携基地局群として選択された基地局2に対して制御を行い、複数基地局連携通信を開始させる。
まず初期状態として、基地局2−1、…、2−Mがそれぞれ、配下の端末局3−1−1〜3−1−N、…、3−M−1〜3−M−Nと通信している場合を考える。各基地局2はそれぞれ、配下の端末局3と通信する際、端末局3から当該端末局3が備える送受信アンテナ数の通知を受け、端末局パラメータとして記憶する。例えば、端末局3−i−jのパケット・データ信号処理部33は、自局の送受信アンテナ数(アンテナ素子数Li−j)を設定したデータに信号送信処理を行い、無線信号処理部32及びアンテナ素子31を介して送信する。基地局2−iの情報処理部24は、アンテナ素子21が受信した信号を無線信号処理部22、及びパケット・データ信号処理部23を介して受信する。情報処理部24は、信号送信元の端末局3−i−jの識別情報と、受信した信号に設定されている送受信アンテナ数と、端末局3−i−jが使用している通信チャネルの番号とを含む端末局パラメータを生成し、記憶部241に書き込む。端末局3−i−jの識別情報やチャネルの番号は、情報処理部24が受信した信号に設定されている送信元の情報や、信号受信時の通信チャネルに基づいて付与するが、端末局3−i−jが送受信アンテナ数に併せて通知してもよい。
さらに、各基地局2の情報処理部24は、無線信号処理部22やパケット・データ信号処理部23が上り方向及び下り方向で通信を行った時間を記録し、上りトラヒック及び下りトラヒックの時間占有率を求め、記憶部241に書き込む。さらに、各基地局2が自局周辺の他の基地局2からビーコンフレームを受信したとき、情報処理部24は、パケット・データ信号処理部23より出力されたビーコンフレームの信号系列から、送信元の基地局2の識別情報、ビーコンフレームを受信した通信チャネル及び受信電力を取得し、基地局周辺局通信状況情報として記憶部241に書き込む(ステップS10)。
集中制御局1のネットワーク制御・信号処理部11は、連携基地局群選択部12の指示により、有線ネットワークを経由して基地局2−1〜2−Mに対して情報取得のための制御コマンドを出力する。基地局2−1〜2−Mのネットワーク制御・信号処理部25は、集中制御局1から受信した制御コマンドを情報処理部24に出力する。情報処理部24は、自局の基地局パラメータ及び基地局周辺局通信状況情報と、自局の通信相手である各端末局3の端末局パラメータとを、有線ネットワークを経由して集中制御局1に送信する。情報処理部24は、自局の基地局周辺局通信状況情報と、端末局パラメータについては、記憶部241から読み出す。また、情報処理部24は、自局の基地局パラメータ(通信チャネル、送受信アンテナ数(アンテナ素子数K)、上りトラヒック時間占有率、下りトラヒック時間占有率)のうち、上りトラヒック時間占有率、下りトラヒック時間占有率については、記憶部241から読み出す。
集中制御局1のネットワーク制御・信号処理部11は、各基地局2から有線ネットワークを経由して基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、及び端末局パラメータを受信し、連携基地局群選択部12に出力する。連携基地局群選択部12は、受信した基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、端末局パラメータをそれぞれ、基地局・端末局データベース13が記憶する基地局パラメータテーブル131、基地局周辺局通信状況情報テーブル132、端末局パラメータテーブル133に、送信元の基地局2の識別情報と対応付けて書き込む(ステップS11)。
次に、集中制御局1の連携基地局群選択部12は、後述する図7に示す処理により、連携基地局群としてまだ選択されていない基地局2の中から、新たな連携基地局群を1つ選択する(ステップS12)。連携基地局群選択部12は、連携基地局群の選択に、ステップS11において取得した基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、及び端末局パラメータに含まれる情報の中から1つ又は複数の情報の組み合わせを用いる。
連携基地局群選択部12は、ステップS12において連携基地局群が選択された場合(ステップS13:YES)、既に選択済みの連携基地局群の数が、最大値Nmax未満かどうかを判定する(ステップS14)。連携基地局群選択部12は、連携基地局群の数がNmax未満であると判定した場合(ステップS14:<Nmax)、ステップS12に戻って処理を継続し、Nmax以上と判定した場合(ステップS14の≧Nmax)、ステップS15へ進む。また、連携基地局群選択部12は、ステップS12において連携基地局群の選択が不可であった場合(ステップS13:NO)もステップS15へ進む。
連携基地局群選択部12は、ステップS12において選択した連携基地局群の情報を、基地局・端末局データベース13が記憶している基地局パラメータテーブル131の連携基地局の情報に書き込む。例えば、連携基地局群選択部12は、連携基地局群として基地局2−1と基地局2−2を選択したとする。連携基地局群選択部12は、基地局2−1の識別情報と対応付けて、連携基地局群に含まれる他の基地局である基地局2−2の識別情報を基地局パラメータテーブル131の連携基地局の情報に書き込む。さらに、連携基地局群選択部12は、基地局2−2の識別情報と対応付けて、連携基地局群に含まれる他の基地局である基地局2−1の識別情報を基地局パラメータテーブル131の連携基地局の情報に書き込む。
連携基地局群選択部12は、連携基地局群となった基地局2それぞれに対し、複数基地局連携通信を実施するよう指示する制御コマンドをネットワーク制御・信号処理部11を介して送信させる。例えば、制御コマンドには、連携基地局群となった基地局2が複数基地局連携通信を行うために用いる通信制御パラメータを設定する。制御コマンドの宛先となった基地局2のネットワーク制御・信号処理部25は、有線ネットワークを経由して集中制御局1から受信した制御コマンドをパケット・データ信号処理部23に出力する。パケット・データ信号処理部23は、制御コマンドに設定されている通信制御パラメータに基づいて信号受信処理及び信号送信処理を開始する。あるいは、連携基地局群選択部12は、制御コマンドに、連携基地局群となった基地局2の情報を設定する。制御コマンドを受信した基地局2は、制御コマンドが示す他の基地局2と相互に通信し、複数基地局連携通信を開始する。これにより、連携基地局群に含まれる各基地局2は、連携基地局群となった他の基地局2と連携し、互いに干渉しないように、同時にそれぞれの配下の端末局3と通信を行う複数基地局連携通信を開始する(ステップS15)。
以上の処理手順によって、集中制御局1は、各基地局2から取得した基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、及び端末局パラメータを基に連携基地局群を選択し、連携基地局群として選択された基地局2に対して複数基地局連携通信を行うよう制御する。複数基地局連携通信には任意の従来技術を用いることができる。従来の複数基地局連携通信の連携手法として、例えば、ヌル指向性制御やマルチチャネル伝送を用いるが、その他の任意の複数基地局連携通信方法を用いることもできる。ヌル指向性制御では、連携基地局群を構成する各基地局2は、同じ通信チャネルを用い、互いに連携先の基地局2のセル内の端末局3に対してヌルビームフォーミングを行い、自局の通信先の端末局3に対してはデータビームフォーミングを行う。マルチチャネル伝送では、通信チャネルを細かいサブチャネルに分割し、連携基地局群を構成する基地局2に互いに直交したサブチャネルを割り当てる。各基地局2がこの割り当てられたサブチャネルを配下の端末局3との通信に用いることにより、互いに干渉を与えないようにする。
また、複数基地局連携通信を実施する際、連携基地局群に含まれる(連携する)複数の基地局2の間で通信タイミング同期、及び周波数同期が必要となる。
CSMA/CA(carrier sense multiple access/collision avoidance)によってアクセス制御を行う無線LANでは、複数基地局連携通信を行う基地局2は、以下のように通信タイミング同期を行う。すなわちまず、連携基地局群に含まれる複数の基地局2の間で、後述する時刻同期手法を用いて予め時刻同期を行う。そして、連携基地局群に含まれる各基地局2の無線信号処理部22は、有線ネットワーク又は無線信号を介して、CSMA/CAにおけるキャリアセンスのバックオフ時間の設定値情報を連携先の他の基地局2と送受信する。この送受信により、連携する複数の基地局2の間で、バックオフ時間の設定値情報を共有する。本来は基地局毎に個別かつランダムに設定されるバックオフ時間を共通化することで、連携する複数の基地局2において、無線信号処理部22は無線信号の送信タイミングを合わせる。あるいは、連携基地局群に含まれる複数の基地局2の中でキャリアセンスのバックオフ時間が最も短く、最も早く無線通信を開始する基地局2の無線信号処理部22が、連携する他の基地局2に対して通信タイミングを調整するためのフレームを無線で送信する。連携する他の基地局2の無線信号処理部22は、このフレームを受信した後、一定時間後に無線通信の通信タイミングを合わせる。
連携基地局群に含まれる複数の基地局2における時刻同期手法としては、有線ネットワークを用いた時刻同期プロトコルであるIEEE1588v2、又はGPS(global positioning system)などを利用することができる。また、連携基地局群に含まれる複数の基地局2の間での周波数同期手法には、チャネル情報を取得するために各基地局2が端末局3に対して順に無線によって送信するサウンディングフレームを利用することができる。連携基地局群に含まれる複数の基地局2のうちいずれかの基地局2の無線信号処理部22が、アンテナ21を介して最初にサウンディングフレームを送信する。連携する他の基地局2のそれぞれにおいて、無線信号処理部22は、アンテナ21を介してこのサウンディングフレームを受信し、受信したフレーム信号に対して自局の周波数を同期させる。これにより、連携する複数の基地局2の間での周波数同期を行うことができる。
これらの同期動作を行うことにより、連携基地局群に含まれる複数の基地局2は、周辺の他の基地局2とCSMA/CAによるアクセス制御を用いて通信を実施することができ、かつ、連携する複数の基地局2間で、複数基地局連携通信に必要な通信タイミング同期、及び周波数同期を確立することができる。
図7は、第1実施形態における連携基地局群選択部12の連携基地局群選択処理手順の例を示すフローチャートであり、図6のステップS12における詳細な処理を示す。
まず、連携基地局群選択部12は、まだ連携基地局群候補として選択されていない基地局2の中から、連携基地局群候補とする2台の基地局2を探索する(ステップS12−1)。具体的には、連携基地局群選択部12は、基地局周辺局通信状況情報テーブル132を参照して、同じチャネルが割り当てられており、かつ、互いに与える干渉電力の和が最大となる2台の基地局2を連携基地局群候補とする。例えば、2台の基地局2が、基地局2−iと基地局2−iであるとする(i、iは1以上M以下の整数のいずれか、i≠i)。連携基地局群選択部12は、干渉電力の和を、基地局2−iの識別情報に対応付けて設定されている基地局2−iの受信電力と、基地局2−iの識別情報に対応付けて設定されている基地局2−iの受信電力との加算により算出する。
連携基地局群選択部12は、受信電力の和に基づいて連携基地局群候補が見つかった場合(ステップS12−2:YES)、選択した連携基地局群候補の干渉電力の和が閾値Ith以上かどうか判定する(ステップS12−3)。閾値Ithは、連携基地局群候補に含まれる基地局2の台数に応じた値であってもよく、連携基地局群候補に含まれる基地局2の台数にかかわらず同じ値であってもよい。連携基地局群選択部12は、干渉電力の和が閾値Ith未満であると判定した場合(ステップS12−3:<Ith)、後述するステップS12−12の処理を行う。
連携基地局群選択部12は、干渉電力の和が閾値Ith以上であると判定した場合(ステップS12−3:≧Ith)、ステップS12−4の処理を行う。連携基地局群選択部12は、選択された連携基地局群候補となっている各基地局2それぞれについて、当該基地局の送受信アンテナ数と、通信相手の端末局3の送受信アンテナ数の総和の比を計算する(ステップS12−4)。連携基地局群選択部12は、連携基地局群候補に含まれる各基地局2それぞれの送受信アンテナ数を基地局パラメータテーブル131から読み出す。また、連携基地局群選択部12は、各基地局2の通信相手の端末局3それぞれの送受信アンテナ数を、当該基地局2が通信元基地局として設定されている端末局パラメータテーブル133の端末局パラメータから読み出す。
連携基地局群選択部12は、連携基地局群候補となっている各基地局2について算出した比がそれぞれ、閾値Qth以上であるかどうか判定する(ステップS12−5)。これは、連携基地局群候補が、複数基地局連携通信を行う際にヌルビームを向けるために十分なアンテナ数を有するかを判定するためである。連携基地局群選択部12は、各基地局2について算出した比のうちいずれかが閾値Qth未満であると判定した場合(ステップS12−5:<Qth)、後述するステップS12−12の処理を行う。
連携基地局群選択部12は、各基地局2について算出した比が全て閾値Qth以上であると判定した場合(ステップS12−5:≧Qth)、基地局パラメータテーブル131から連携基地局群候補に含まれる各基地局2の下りトラヒック時間占有率を読み出す。連携基地局群選択部12は、読み出した下りトラヒック時間占有率の最大値と最小値の比をトラヒック比として求め(ステップS12−6)、求めたトラヒック比が閾値Rth以下であるかどうか判定する(ステップS12−7)。連携基地局群選択部12は、トラヒック比が閾値Rthより大きいと判定した場合(ステップS12−7:>Rth)、後述するステップS12−12の処理を行う。
連携基地局群選択部12は、トラヒック比が閾値Rth以下であると判定した場合(ステップS12−7:≦Rth)、現在選択中の連携基地局群候補に含まれる基地局2の数と、1つの連携基地局群に含むことができる最大基地局数Pmaxとを比較する(ステップS12−8)。連携基地局群選択部12は、連携基地局群候補に含まれる基地局2の数が最大基地局数Pmaxよりも少ないと判断した場合(ステップS12−8:<Pmax)、新たに連携基地局群候補として加える基地局2を探索する(ステップS12−9)。具体的には、連携基地局群選択部12は、基地局周辺局通信状況情報テーブル132を参照して、現在連携基地局群候補として選択されている基地局2と、同じチャネルが割り当てられており、かつ、互いに与える干渉電力の和が最大となる基地局2を探索する。例えば、現在の連携基地局群候補が基地局2−iと基地局2−iであるとする。連携基地局群選択部12は、基地局2−i(iは1以上n以下の整数、i≠i,i)の中から、基地局2−i、基地局2−iそれぞれの識別情報に対応付けて設定されている基地局2−iの受信電力と、基地局2−iの識別情報に対応付けて設定されている基地局2−i、基地局2−iそれぞれの受信電力とを加算した値が最大の基地局2−iを探索する。
連携基地局群選択部12は、ステップS12−9で連携基地局群候補に加える基地局2が見つかった場合(ステップS12−10:YES)、ステップS12−3からの処理を繰り返す。連携基地局群選択部12は、連携基地局群候補に加える基地局2が見つからなかった場合(ステップS12−10:NO)、現在の連携基地局群候補を追加の連携基地局群として決定する(ステップS12−11)。
また、ステップS12−8において、連携基地局群選択部12は、現在選択されている連携基地局群候補の基地局数が最大基地局数Pmaxに達していると判断した場合も(ステップS12−8:=Pmax)、現在の連携基地局群候補を追加の連携基地局群として決定する(ステップS12−11)。
連携基地局群選択部12は、干渉電力の和が閾値Ith未満であると判定した場合(ステップS12−3:<Ith)、送受信アンテナ数の比が閾値Qth未満であると判定した場合(ステップS12−5:<Qth)、あるいは、トラヒック比が閾値Rthより大きいと判定した場合(ステップS12−7:>Rth)、連携基地局群候補として現在選択している基地局2が2台であるかを判断する(ステップS12−12)。連携基地局群選択部12は、選択している基地局2が2台であると判断した場合(ステップS12−12:YES)、現在の連携基地局群候補を破棄し、ステップS12−1に戻って処理を繰り返す。一方、連携基地局群選択部12は、選択している基地局2が3台以上であると判断した場合(ステップS12−12:NO)、ステップS12−9の探索結果として最後に連携基地局群候補に加えた基地局2を候補から破棄する(ステップS12−13)。連携基地局群選択部12は、最後に加えた基地局2を破棄した結果連携基地局群候補として残った基地局2を追加の連携基地局群として決定する(ステップS12−11)。
なお、連携基地局群選択部12は、受信電力の和に基づいて連携基地局群候補が見つからなかった場合は(ステップS12−2:NO)、連携基地局群の追加なしと判断し(ステップS12−14)、連携基地局群選択処理を終了する。
なお、上記においては、連携基地局群選択部12は、連携基地局群候補に含まれる各基地局2の干渉電力の和が閾値以上であるという条件(ステップS12−3)、連携基地局群候補に含まれる各基地局2について算出したアンテナ数の比が閾値以上であるという条件(ステップS12−5)、連携基地局群候補に含まれる各基地局2の下りトラヒック比が閾値以下であるという条件(ステップS12−7)を全て満たす場合に、連携基地局群として決定しているが、これらの条件のうち任意の1つまたは2の条件のみを用いるようにしてもよい。また、基地局2が端末局から基地局への上り方向の通信を行う場合、下りトラヒック比に代えて、連携基地局群候補に含まれる各基地局2の上りトラヒック時間占有率の最大値と最小値の比である上りトラヒック比を用いるようにしてもよい。
以上の処理手順によって、連携基地局群を選択し、複数基地局連携通信を開始する図6のフローチャートのステップS12において、未選択の基地局2から新たに連携基地局群の追加選択を行うことができる。
なお、各基地局2の送受信アンテナ数を、予め基地局・端末局データベース13に記憶させておいてもよい。
第1実施形態においては、集中制御局1によって制御される基地局2−1〜2−Mの中から複数基地局連携通信を行う連携基地局群を逐次的に選択し、それらの連携基地局群に複数基地局連携通信を実施させる。これにより、多くの無線LANの基地局2が集中制御局1の制御範囲内に設置され、複数基地局連携通信を行う連携基地局群を選択する際、効果的な連携基地局群を効率良く選択し、高いシステムスループットを得る無線LANシステムを提供する。
以上の説明では無線通信システムは、無線LANの2.4GHz帯のチャネル3つを使用していたが、必ずしも2.4GHz帯、または3チャネルである必要はない。例えば、無線通信システムは、5GHz帯のチャネルを使用してもよく、2.4GHz帯と5GHz帯のチャネルを組み合わせて使用することもできる。
[B.第2実施形態]
本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明し、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本発明の第2実施形態による無線通信システムの構成例は、図1に示す無線通信システムの集中制御局1、基地局2、端末局3を、後述する図8に示す集中制御局1a、基地局2a、端末局3a、集中制御局1aに置き換えたものである。以下では、M台(Mは2以上の整数)の基地局2aのうちi台目を基地局2a−i(iは1以上M以下の整数)と記載する。また、基地局2a−iと無線LANによってデータ信号の送受信を行うN台(Nは1以上の整数)の端末局3aのうちj台目を端末局3a−i−j(jは1以上N以下の整数)と記載する。基地局2a−iのアンテナ素子数はK(Kは1以上の整数)であり、各基地局2aのアンテナ素子数はそれぞれ異なっていてもよい。また、端末局3a−i−jのアンテナ素子数はLi−j(Li−jは1以上の整数)であり、各端末局3aのアンテナ素子数はそれぞれ異なっていてもよい。
図8は、第2実施形態における集中制御局1a、基地局2a、端末局3aの内部構成を示すブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみ抽出して示している。同図では、基地局2a−iと、基地局2a−iと通信する端末局3a−i−jの構成を示しているが、他の基地局2a、他の端末局3aもそれぞれ同様の構成である。
集中制御局1aは、ネットワーク制御・信号処理部11、連携基地局群選択部12a、及び基地局・端末局データベース13aを備えて構成される。このように、集中制御局1aは、図2に示す第1実施形態における集中制御局1の連携基地局群選択部12、基地局・端末局データベース13に代えて、連携基地局群選択部12a、基地局・端末局データベース13aを備えた構成である。
連携基地局群選択部12aは、第1実施形態の連携基地局群選択部12と同様に連携基地局群を逐次選択する。さらに、連携基地局群選択部12aは、連携基地局群の候補を複数抽出し、抽出した連携基地局群の候補を組み合わせた中から連携基地局群を選択する。
基地局・端末局データベース13aは、第1実施形態の基地局・端末局データベース13と同様に基地局パラメータテーブル131、基地局周辺局通信状況情報テーブル132、及び、端末局パラメータテーブル133を記憶する。さらに基地局・端末局データベース13aは、後述する図9、図10、図11に示す端末周辺局通信状況情報テーブル134、連携基地局群選択候補テーブル135、及び連携基地局群選択パターン候補テーブル136を記憶する。
基地局2a−iは、アンテナ素子21−1〜21−K、無線信号処理部22、パケット・データ信号処理部23、情報処理部24a、及びネットワーク制御・信号処理部25を備えて構成される。このように、基地局2a−iは、図2に示す第1実施形態における基地局2−iの情報処理部24に代えて、情報処理部24aを備えた構成である。
情報処理部24aは、情報処理部24と同様の機能に加え、配下の端末局3aから通知された情報に基づく端末周辺局通信状況情報を内部に備える記憶部241aに書き込む機能と、記憶部241aから読み出した端末周辺局通信状況情報を集中制御局1aに通知する機能を有する。
端末局3a−i−jは、アンテナ素子31−1−31〜Li−j、無線信号処理部32、パケット・データ信号処理部33、周辺局情報処理部34、及びフィードバック信号生成部35を備えて構成される。このように、端末局3a−i−jは、図2に示す第1実施形態における端末局3−i−jが備える機能部に加え、周辺局情報処理部34、及びフィードバック信号生成部35を備えた構成である。
周辺局情報処理部34は、パケット・データ信号処理部33から入力されたビーコン信号系列を基に、自端末局周辺の基地局2aの識別情報(BSSID)、ビーコンフレームの受信強度、及び通信チャネルを周辺局通信状況情報として取得し、フィードバック信号生成部35に出力する。
フィードバック信号生成部35は、周辺局情報処理部34から入力された周辺局通信状況情報を基に、通信相手の基地局2a−iに対してフィードバックを行うフィードバック信号を生成し、パケット・データ信号処理部33に出力する。
図9は、集中制御局1aの基地局・端末局データベース13aが記憶する端末周辺局通信状況情報テーブル134の例を示す図である。同図に示すように、端末周辺局通信状況情報テーブル134は、各端末局3aの端末周辺局通信状況情報からなるデータである。端末周辺局通信状況情報は、端末局3aの識別情報と、端末局3aが周辺の基地局2aから受信したビーコンフレームの受信電力、及び通信チャネルを示す。
図10は、集中制御局1aの基地局・端末局データベース13aが記憶する連携基地局群選択候補テーブル135の例を示す図である。同図に示すように、連携基地局群選択候補テーブル135は、連携基地局群選択候補の識別情報(連携基地局群選択候補番号)と、連携基地局群選択候補に含まれる基地局2aの識別情報、配下の端末局3aの識別情報、通信チャネル、基地局アンテナ総数、端末アンテナ総数、下りトラヒック時間率比、上りトラヒック時間率比、基地局干渉電力和、及び端末干渉電力和を対応付けたデータを含む。基地局アンテナ総数は、連携基地局群選択候補に含まれる基地局2aの送受信アンテナ数の合計である。端末アンテナ総数は、連携基地局群選択候補に含まれる基地局2aの配下の端末局3aの送受信アンテナ数の合計である。基地局干渉電力和は、連携基地局群選択候補に含まれる基地局2a相互の干渉電力の和である。端末干渉電力和は、端末局3aにおいて測定された、連携基地局群選択候補に含まれる各基地局2aからの干渉電力の和である。
図11は、集中制御局1aの基地局・端末局データベース13aが記憶する連携基地局群選択パターン候補テーブル136の例を示す図である。連携基地局群選択パターン候補テーブル136は、連携基地局群の候補となる連携基地局群選択候補の組み合わせパターンの生成結果を示す。連携基地局群選択パターン候補テーブル136は、連携基地局群の候補となる連携基地局群選択候補の組み合わせパターンの識別情報であるパターン番号と、組み合わせパターンを構成する連携基地局群選択候補とを対応付けたデータを含む。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、無線通信システムが2.4GHz帯の無線LANを使用する場合について説明する。基地局2a−1〜2a−Mのそれぞれに対しては、通信チャネル1、6、11のいずれかが割り当てられ、基地局2a−iへの割り当てチャネルをC(i)∈{1、6、11}とする。また、1つの連携基地局群において連携可能な最大基地局数をN、集中制御局エリア内から選択する連携基地局群の最大数をNmaxとし、各基地局2aは、基地局から端末局方向への下り方向の通信を行うものとする。
図12は、第2実施形態の無線通信システムにおける複数基地局連携通信開始手順の例を示すフローチャートである。集中制御局1aは、基地局2a−1〜2a−Mから基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、端末局パラメータ、及び端末周辺局通信状況情報を取得し、それらの情報を用いて連携基地局群を選択する。集中制御局1aは、連携基地局群として選択された基地局2aに対して制御を行い、複数基地局連携通信を開始させる。
同図に示す複数基地局連携通信開始手順が図6に示す第1実施形態の複数基地局連携通信開始手順と異なる点は、以下の(1)〜(3)である。
(1)各基地局2aは、それぞれ通信相手の端末局3aからさらに端末周辺局通信状況情報を取得し、集中制御局1aに通知する点。
(2)集中制御局1aが連携基地局群の選択処理を行う前に、事前に連携基地局群の選択候補を抽出する点。
(3)集中制御局1aが連携基地局群の選択処理を行う際、第1実施形態で実施していた逐次選択だけでなく、(2)により生成した連携基地局群の選択候補の組み合わせパターンからの選択処理を追加した点。
まず初期状態として、基地局2a−1〜2a−Mがそれぞれ配下の端末局3a−1−1〜3a−1−N、…、3a−M−1〜3a−M−Nと通信している場合を考える。各基地局2aはそれぞれ、第1実施形態と同様に、配下の端末局3aと通信する際、端末局3aから当該端末局3aが備える送受信アンテナ数の通知を受ける。基地局2aの情報処理部24aは、配下の端末局3aの識別情報と、当該端末局3aから通知された送受信アンテナ数と、当該端末局3aの通信チャネルの番号とを含む端末局パラメータを生成し、記憶部241aに書き込む。
また、各基地局2aの情報処理部24aは、無線信号処理部22やパケット・データ信号処理部23が上り方向及び下り方向で通信を行った時間を記録し、上りトラヒック及び下りトラヒックの時間占有率を求め、記憶部241aに記録する。さらに、各基地局2aが自局周辺の他の基地局2aからビーコンフレームを受信したとき、情報処理部24aは、パケット・データ信号処理部23から受けたビーコンフレームの信号系列から、送信元の基地局2の識別情報、ビーコンフレームを受信した通信チャネル及び受信電力を取得し、基地局周辺局通信状況情報として記憶部241aに書き込む。
また、各端末局3aが自局周辺の基地局2aからビーコンフレームを受信したとき、周辺局情報処理部34は、パケット・データ信号処理部33より出力されたビーコンフレームの信号系列から、送信元の基地局2の識別情報、ビーコンフレームを受信した通信チャネル及び受信電力を取得し、記憶する。フィードバック信号生成部35は、定期的に、あるいは基地局2aからの要求に応じて、ビーコンフレームの送信元の基地局2の識別情報、通信チャネル及び受信電力を示す周辺局情報を周辺局情報処理部34から取得し、パケット・データ信号処理部33に出力する。パケット・データ信号処理部33は、取得した周辺局情報を設定したフィードバック信号を、無線信号処理部32及びアンテナ素子31を介して基地局2aに送信する。基地局2aの情報処理部24aは、アンテナ素子21、無線信号処理部22、及びパケット・データ信号処理部23を介して周辺局情報を受信すると、送信元の端末局3aの識別情報と対応付けて端末周辺局通信状況情報を生成し、記憶部241aに書き込む(ステップS20)。
次に、集中制御局1aのネットワーク制御・信号処理部11は、連携基地局群選択部12の指示により、有線ネットワークを経由して基地局2a−1〜2a−Mに対して情報取得のための制御コマンドを出力する。基地局2a−1〜2a−Mのネットワーク制御・信号処理部25は、集中制御局1aから受信した制御コマンドを情報処理部24aに出力する。情報処理部24aは、自局の基地局パラメータ、及び基地局周辺局通信状況情報と、自局の通信相手である各端末局3aの端末局パラメータ及び端末周辺局通信状況情報とを、有線ネットワークを経由して集中制御局1aに出力する。なお、情報処理部24aは、基地局周辺局通信状況情報と、端末局パラメータと、端末周辺局通信状況情報とについては、記憶部241aから読み出す。また、情報処理部24aは、自局の基地局パラメータ(通信チャネル、送受信アンテナ数、上りトラヒック時間占有率、下りトラヒック時間占有率)のうち、上りトラヒック時間占有率、下りトラヒック時間占有率については、記憶部241aから読み出す。
集中制御局1aのネットワーク制御・信号処理部11は、基地局2aから有線ネットワークを経由して基地局パラメータ、端末局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、及び端末周辺局通信状況情報を受信し、連携基地局群選択部12aに出力する。連携基地局群選択部12aは、受信した基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、端末局パラメータ、端末周辺局通信状況情報をそれぞれ、基地局・端末局データベース13が記憶する基地局パラメータテーブル131、基地局周辺局通信状況情報テーブル132、端末局パラメータテーブル133、端末周辺局通信状況情報テーブル134に、送信元の基地局2の識別情報と対応付けて書き込む(ステップS21)。
連携基地局群選択部12aは、予め設定された連携基地局群の選択規範によって、以後の連携基地局群選択処理を分岐する(ステップS22)。連携基地局群選択部12aは、連携基地局群を逐次選択によって判定する場合(ステップS22:逐次選択)、図6に示す第1実施形態におけるステップS12〜S15の処理と同様の処理を行う(ステップS23〜ステップS26)。ただし、第2実施形態では、端末局3aにおける周辺基地局の通信状況の情報を新たに選択処理に使用できるため、ステップS23において、図7に示す連携基地局群選択処理手順を実行する際、連携基地局群選択部12aは、端末局3aにおける干渉電力和を判定に用いることができる。つまり、連携基地局群選択部12aは、ステップS12−3における判定に、基地局2aの干渉電力和の代わりに端末局3aにおける干渉電力和を用いてもよい。あるいは、連携基地局群選択部12aは、図7のステップS12−4、S12−6、または、S12−8の処理の前に、端末局3aにおける干渉電力和が閾値以上かどうか判定してもよい。この場合、連携基地局群選択部12aは、閾値以下と判定した場合、ステップS12−12の処理を行い、閾値以上と判定した場合、続くステップS12−4、S12−6、または、S12−8の処理を行う。
なお、連携基地局群選択部12aは、端末局3aにおける干渉電力和を次のように算出する。例えば、連携基地局群候補が、基地局2a−iと基地局2a−iであるとする(i、iは1以上M以下の整数のいずれか、i≠i)。連携基地局群選択部12aは、端末周辺局通信状況情報テーブル134から各端末局3aにおける基地局2a−iからの干渉電力と各端末局3aにおける基地局2a−iからの干渉電力と和を、端末局3aにおける干渉電力和として算出する。
複数基地局連携通信を行う連携基地局群をパターン比較によって選択する場合(ステップS22パターン比較選択)、連携基地局群選択部12aは、全ての基地局2aを対象として、複数基地局連携通信を行う候補となる連携基地局群である連携基地局群候補を抽出する。具体的には、連携基地局群選択部12aは、2台以上最大基地局数Pmax以下の台数からなる全ての基地局2aの組み合わせからなる連携基地局群候補を作成する。例えば、Pmax=3とすると、連携基地局群選択部12aは、全ての基地局2aの中から2台を選択したときの全ての組み合わせと、全ての基地局2aの中から3台を選択したときの全ての組み合わせを生成し、生成したそれぞれの組み合わせを連携基地局群候補とする。このとき、同じ通信チャネルを用いる基地局2aのみを組み合わせるようにしてもよい。
連携基地局群選択部12aは、基地局・端末局データベース13の情報を参照し、作成した連携基地局群候補の中から、図7に示す第1実施形態における連携基地局群選択処理手順に示す条件によって連携基地局群選択候補を選択する。つまり、連携基地局群選択部12aは、連携基地局群候補に含まれる基地局2a間の干渉電力の和(基地局干渉電力和)が閾値以上であるという条件、連携基地局群候補に含まれる各基地局2aの送受信アンテナ数と通信相手の端末局3aの送受信アンテナ総数との比が閾値以上であるという条件、連携基地局群候補に含まれる各基地局2aの下りトラヒック時間占有率の最大と最小の比(下りトラヒック時間率比)が所定以下であるという条件を満たす連携基地局群候補を、連携基地局群選択候補として選択する。あるいは、連携基地局群選択部12aは、それらの条件に代えて、あるいは、加えて、連携基地局群候補に含まれる各基地局2aの上りトラヒック時間占有率の最大と最小の比(上りトラヒック時間率比)が所定以下であるという条件や、端末局3aが連携基地局群候補に含まれる基地局2aから受ける干渉電力の和(端末干渉電力和)が所定以上であるという条件を用いてもよい。また、連携基地局群選択部12aは、前述の条件に代えて、あるいは、加えて、連携基地局群候補に含まれる各基地局2aそれぞれについて、通信先の端末局3aの中で周辺基地局からの干渉電力を閾値よりも大きく受けている端末数が所定以上であるという条件を用いてもよい。連携基地局群選択部12aは、選択した連携基地局群選択候補の情報(連携基地局群選択候補番号、連携基地局群選択候補に含まれる基地局2aの識別情報、配下の端末局3aの識別情報、基地局アンテナ総数、端末アンテナ総数、下りトラヒック時間率比、上りトラヒック時間率比、基地局干渉電力和、及び端末干渉電力和を)を、基地局・端末局データベース13aの連携基地局群選択候補テーブル135に書き込む(ステップS27)。
次に、集中制御局1aの連携基地局群選択部12aは、ステップS25において抽出した連携基地局群選択候補を1つ以上Nmax以下の数の範囲で異なるパターンにより組み合わせた連携基地局群選択候補グループを複数生成する。このとき、同じ通信チャネルを用いる連携基地局群選択候補のみを組み合わせるようにしてもよい。連携基地局群選択候補を複数組み合わせる場合、同一の基地局2aが各連携基地局群選択候補に含まれていてもよい。例えば、連携基地局群選択部12aは、基地局2a−1と基地局2a−2からなる連携基地局群選択候補と、基地局2a−1と基地局2a−3からなる連携基地局群選択候補とを組み合わせた場合、基地局2a−1、基地局2a−2、及び基地局2a−3からなる連携基地局群選択候補グループを作成する。
連携基地局群選択部12aは、作成した連携基地局群選択候補グループの中から、図7に示す第1実施形態に示す条件に合致する連携基地局群選択候補グループを選択する。つまり、連携基地局群選択部12aは、連携基地局群選択候補グループに含まれる基地局2a間の干渉電力の和(基地局干渉電力和)が閾値以上であるという条件、連携基地局群選択候補グループに含まれる各基地局2aの送受信アンテナ数と通信相手の端末局3aの送受信アンテナ総数との比が閾値以上であるという条件、連携基地局群選択候補グループに含まれる各基地局2aの下りトラヒック時間占有率の最大と最小の比(下りトラヒック時間率比)が所定以下であるという条件を満たす連携基地局群選択候補グループを選択する。あるいは、連携基地局群選択部12aは、それらの条件に代えて、あるいは、加えて、連携基地局群選択候補グループに含まれる各基地局2aの上りトラヒック時間占有率の最大と最小の比(上りトラヒック時間率比)が所定以下であるという条件や、端末局3aが連携基地局群選択候補グループに含まれる基地局2aから受ける干渉電力の和(端末干渉電力和)が所定以上であるという条件、連携基地局群選択候補グループに含まれる連携基地局群選択候補の基地局総アンテナ総数と端末アンテナ総数との比が閾値以上であるという条件を用いてもよい。連携基地局群選択部12aは、選択した連携基地局群選択候補グループのパターン番号と、連携基地局群選択候補グループを構成する連携基地局群選択候補の番号とを対応付けて、基地局・端末局データベース13aの連携基地局群選択パターン候補テーブル136に書き込む(ステップS28)。
次に、連携基地局群選択部12aは、基地局・端末局データベース13aの情報を参照し、連携基地局群選択パターン候補テーブル136に登録されている連携基地局群選択候補グループの中から、選択指標に最も合致するパターン1つを抽出し、複数基地局連携通信させる連携基地局群グループとして決定する。例えば、連携基地局群選択部12aは、連携基地局群選択候補グループの基地局干渉電力和、連携基地局群選択候補グループに含まれる各基地局2aの送受信アンテナ数と通信相手の端末局3aの送受信アンテナ総数との比、連携基地局群選択候補グループの下りトラヒック時間率比あるいは上りトラヒック時間率比、連携基地局群選択候補グループの端末干渉電力和のうちいずれか1以上を用いた選択指標に基づいて連携基地局群グループを決定する。具体例として、連携基地局群選択部12aは、基地局干渉電力和が最も高い、あるいは、端末干渉電力和が最も高い連携基地局群選択候補グループを連携基地局群グループとして選択してもよい。あるいは、基地局干渉電力和、アンテナ数の比、下りトラヒック時間率比あるいは上りトラヒック時間率比、端末干渉電力和のそれぞれが、所定の条件を満たしている数が最も多い連携基地局群選択候補グループを連携基地局群グループとして決定してもよい。また、あるいは、基地局干渉電力和、アンテナ数の比、下りトラヒック時間率比あるいは上りトラヒック時間率比、端末干渉電力和のそれぞれについて大小の順位や値に応じて連携基地局群選択候補グループにスコアを付与し、そのスコアそれぞれに所定の重み付けを行った合計に基づいて連携基地局群グループを決定してもよい。なお、ここに挙げた選択指標は一例であり、他の選択指標を取り得る。連携基地局群選択部12aは、基地局・端末局データベース13aに記憶されている基地局パラメータテーブル131に、決定した連携基地局群グループを書き込む(ステップS29)。
連携基地局群選択部12aは、連携基地局群グループを構成する連携基地局群に含まれる基地局2aそれぞれに対し、複数基地局連携通信を実施するよう指示する制御コマンドをネットワーク制御・信号処理部11を介して送信させる。有線ネットワークを経由して制御コマンドを受信した基地局2aは、第1実施形態と同様に、連携基地局群となった他の基地局2aと連携し、配下の端末局3aとの間で複数基地局連携通信を開始する(ステップS26)。
以上の処理手順によって、集中制御局1aは、各基地局2aから基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、端末局パラメータ、端末周辺局通信状況情報を取得し、それらの情報を基に連携基地局群を選択する。集中制御局1aは、連携基地局群として選択された基地局2aに対して制御を行って複数基地局連携通信を開始させる。第1実施形態と同様に、複数基地局連携通信には任意の従来技術を用いることができる。従来の複数基地局連携通信の連携手法として、例えば、ヌル指向性制御やマルチチャネル伝送を用いるが、その他の複数基地局連携通信手法を用いることもできる。
第2実施形態においては、集中制御局1aは、制御対象の基地局2a−1〜2a−Mの中から複数基地局連携通信を行う連携基地局群を、基地局2aによって測定できる情報に加え、端末局3aが測定した情報を用いて、逐次又はパターン比較によって選択し、選択した連携基地局群において複数基地局連携通信を実施させる。集中制御局1aは、端末局3aにおける基地局2aの干渉情報を連携基地局群の選択に用いることで、より連携効果の高い連携基地局群を選択することができる。また、集中制御局1aは、抽出した連携基地局群候補のパターンから連携基地局群を選択するため、連携基地局群候補の抽出パターンの生成法を変えることで演算量を柔軟に制御し、演算量に合った連携効果を得ることが可能となる。
上述のように、第2実施形態によれば、多くの基地局2aが集中制御局1aの制御範囲内に設置された無線通信システムにおいて、複数基地局連携通信を行う連携基地局群候補を選択する際、集中制御局1aは、端末局3aで測定した情報も活用する。よって、集中制御局1aは、基地局2aで測定した情報のみを用いる場合よりも、さらに効果的な連携基地局群を選択することができる。また、選択処理の演算量を制御可能とすることで、高効率で高いシステムスループットを得る無線通信システムを提供することが可能となる。
なお、以上の説明において無線通信システムは、無線LANの2.4GHz帯のチャネル3つを使用していたが、必ずしも2.4GHz帯、または3チャネルである必要はない。例えば、無線通信システムは、5GHz帯のチャネルを使用してもよく、2.4GHz帯と5GHz帯のチャネルを組み合わせて使用することもできる。
上記した第1実施形態、及び第2実施形態では、各基地局2、2aが集中制御局1、1aと有線ネットワークで接続されているが、必ずしも有線ネットワークに接続されている必要はない。上記実施形態は、各基地局2、2aと集中制御局1、1aが無線ネットワークなどの別の手段を用いて制御情報の交換を行う無線通信システムにも適用可能である。
[C.第3実施形態]
本発明の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態では、第2実施形態との差分を中心に説明し、第2実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図13は、本発明の第3実施形態による無線通信システムの構成例を示す図である。第3実施形態における無線通信システムは、図1に示す第1実施形態の無線通信システムの基地局2を、後述する図14に示す基地局2bに置き換え、図1に示す無線通信システムの端末局3を、図8に示す第2実施形態の端末局3aに置き換えた構成である。さらに、第3実施形態における無線通信システムは、集中制御局1を備えず、各基地局2b間をネットワーク4で接続する。以下では、M台(Mは2以上の整数)の基地局2bのうちi台目を基地局2b−i(iは1以上M以下の整数)と記載する。また、基地局2b−iと無線LANによってデータ信号の送受信を行うN台(Nは1以上の整数)の端末局3aのうちj台目を端末局3a−i−j(jは1以上N以下の整数)と記載する。
基地局2b−iが備えるアンテナ素子数はK(Kは1以上の整数)であり、各基地局2bのアンテナ素子数はそれぞれ異なっていてもよい。また、端末局3a−i−jが信号の送信や受信に使用するアンテナ素子数はLi−j(Li−jは1以上の整数)であり、各端末局3aのアンテナ素子数はそれぞれ異なっていてもよい。
図14は、第3実施形態における基地局2b、及び端末局3aの内部構成を示すブロック図である。同図では、基地局2b−iと、基地局2b−iと通信する端末局3a−i−jの構成を示しているが、他の基地局2b、他の端末局3aもそれぞれ同様の構成である。
基地局2b−iは、アンテナ素子21−1〜21−K、無線信号処理部22、パケット・データ信号処理部23、情報処理部24b、ネットワーク制御・信号処理部25b、連携基地局群選択部26、及び基地局・端末局データベース27を備えて構成される。基地局2bが、図8に示す基地局2aの構成と異なる点は、情報処理部24a、ネットワーク制御・信号処理部25に代えて情報処理部24b、ネットワーク制御・信号処理部25bを備える点、連携基地局群選択部26、及び基地局・端末局データベース27をさらに備える点である。
情報処理部24bは、記憶部241bを備えて構成される。情報処理部24bは、第2実施形態の情報処理部24aと同様に、基地局周辺局通信状況情報、上りトラヒック及び下りトラヒックの時間占有率、端末局パラメータ、端末周辺局通信状況情報を記憶部241bに書き込む。情報処理部24bは、連携基地局群選択部26からの制御コマンドを受けた時に、記憶部241b内の情報を読み出して連携基地局群選択部26に出力する。
ネットワーク制御・信号処理部25bは、パケット・データ信号処理部23から入力されたデータ信号系列をイーサネット(登録商標)フレーム信号へ変換し、ネットワーク4を経由して他の基地局2bに出力する。また、ネットワーク制御・信号処理部25bは、連携基地局群選択部26から受信した自局の基地局周辺局通信状況情報、及び通信相手の端末局3aの端末周辺局通信状況情報をイーサネット(登録商標)フレーム信号へ変換し、ネットワーク4により接続された他の基地局2b宛に出力する。また、ネットワーク制御・信号処理部25bは、ネットワーク4から入力されたイーサネット(登録商標)フレーム信号をデータ信号系列に変換してパケット・データ信号処理部23に出力する。ネットワーク制御・信号処理部25bは、ネットワーク4を経由して同一ネットワークに接続された他の基地局2bから入力された基地局パラメータ、端末局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、及び端末周辺局通信状況情報を、連携基地局群選択部26に出力する。
連携基地局群選択部26は、情報処理部24bから入力された自局の基地局周辺局通信状況情報、及び基地局パラメータと、自局の通信先の端末局3aの端末局パラメータ、及び基地局周辺局通信状況情報を、基地局・端末局データベース27に書き込む。さらに、連携基地局群選択部26は、他の基地局2bから受信した基地局周辺局通信状況情報、及び基地局パラメータと、他の基地局2bの通信先の端末局3aの端末局パラメータ、及び基地局周辺局通信状況情報を、基地局・端末局データベース27に書き込む。連携基地局群選択部26は、基地局・端末局データベース27に記憶された情報を読み出して取得した情報を基に、基地局2bのパラメータ制御や連携基地局群選択処理を行い、その結果を制御コマンドとしてネットワーク制御・信号処理部25bに出力する。
基地局・端末局データベース27は、図2〜図4に示す第1実施形態の基地局パラメータテーブル131、基地局周辺局通信状況情報テーブル132、端末局パラメータテーブル133を記憶する。さらに、基地局・端末局データベース27は、図9に示す第2実施形態の端末周辺局通信状況情報テーブル134を記憶する。基地局・端末局データベース27は、連携基地局群選択部26から基地局パラメータ、端末局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、端末周辺局通信状況情報の入力を受け、それらの情報を各テーブルに書き込む。また、基地局・端末局データベース27は、連携基地局群選択部26からの読み出し要求を受け、各テーブル内の該当する情報を連携基地局群選択部26に出力する。
図15は、第3実施形態の無線通信システムにおける複数基地局連携通信開始手順の例を示すフローチャートである。基地局2b−1〜2b−Mはそれぞれ、自基地局の基地局パラメータ及び基地局周辺局通信状況情報、通信相手の端末局3aの端末局パラメータ及び端末周辺局通信状況情報を取得する。基地局2b−1〜2b−Mは、取得したそれらの情報を用いて、自局又は自局が属する連携基地局群の連携先候補となる基地局2bを探索して基地局連携の基準を満たすかどうかを判定する。基地局2b−1〜2b−Mは、基準を満たす場合は連携先候補の基地局2bに対して基地局連携リクエストを送信するとともに、判定に必要な情報を送信する。基地局2b−1〜2b−Mは、これらの処理を繰り返すことで、自律分散的に連携基地局群を更新していく。
まず初期状態として、基地局2b−1〜2b−Mがそれぞれ、配下の端末局3a−1−1〜3a−1−N、…、3a−M−1〜3a−M−Nと通信している場合を考える。各基地局2bはそれぞれ、第2実施形態と同様に、端末局パラメータ、自基地局の上りトラヒック及び下りトラヒックの時間占有率の情報、基地局周辺局通信状況情報、端末周辺局通信状況情報を生成し、記憶部241bに書き込む。
各基地局2bは、自局又は自局が属する連携基地局群に含まれる他の基地局2bの基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、自局の通信先の端末局3aの端末局パラメータ、端末周辺局通信状況情報を取得し、基地局・端末局データベース27の各テーブルを更新する(ステップS30)。
具体的には、各基地局2bの連携基地局群選択部26は、情報取得のための制御コマンドを情報処理部24bに出力する。情報処理部24bは、第2実施形態の情報処理部24aと同様に、記憶部241bに記憶されている情報に基づいて、自局の基地局パラメータ、及び基地局周辺局通信状況情報と、自局の通信相手である各端末局3aの端末局パラメータ、及び端末周辺局通信状況情報とを連携基地局群選択部26に出力する。連携基地局群選択部26は、受信した基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、端末局パラメータ、端末周辺局通信状況情報をそれぞれ、基地局・端末局データベース13が記憶する基地局パラメータテーブル131、基地局周辺局通信状況情報テーブル132、端末局パラメータテーブル133、端末周辺局通信状況情報テーブル134に、自局の識別情報と対応付けて書き込む。
さらに、各基地局2bの連携基地局群選択部26は、自局が含まれる連携基地局群の他の基地局2b(連携先基地局)に対し、制御コマンドの送信をネットワーク制御・信号処理部25bに指示する。ネットワーク制御・信号処理部25bは、ネットワーク4を経由して連携先基地局である基地局2bに制御コマンドを送信する。連携先基地局である基地局2bの情報処理部24bは、ネットワーク制御・信号処理部25bを介して制御コマンドを受信する。情報処理部24bは、記憶部241bに記憶されている情報に基づいて、自局の基地局パラメータ、及び基地局周辺局通信状況情報と、自局の通信相手である各端末局3aの端末局パラメータ及び端末周辺局通信状況情報とを、ネットワーク4を経由して制御コマンドの送信元の基地局2bに出力する。
基地局2bのネットワーク制御・信号処理部25bは、連携先基地局である他の基地局2bからネットワーク4を経由して基地局パラメータ、端末局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、端末周辺局通信状況情報を受信し、連携基地局群選択部26に出力する。連携基地局群選択部26は、受信した基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、端末局パラメータ、端末周辺局通信状況情報をそれぞれ、基地局・端末局データベース13が記憶する基地局パラメータテーブル131、基地局周辺局通信状況情報テーブル132、端末局パラメータテーブル133、端末周辺局通信状況情報テーブル134に、送信元の基地局2の識別情報と対応付けて書き込む。
次に、各基地局2bの連携基地局群選択部26は、自局又は自局が属する連携基地局群との連携先候補としてこれまで未選択の基地局2bが存在するかどうかを探索する(ステップS31)。連携基地局群選択部26は、これまで未選択の基地局2bの中から、基地局周辺局通信状況情報テーブル132を参照して、自局同じチャネルが割り当てられており、かつ、自局あるいは自局が属する連携基地局群に含まれる各基地局2bと互いに与える干渉電力の和が最大となる基地局2bを探索する。例えば、基地局2b−1が基地局2−2と同じ連携基地局群であるとする。基地局2b−1の連携基地局群選択部26は、連携先候補として未選択の基地局2b−h(hは3以上n以下の整数)それぞれについて、基地局2b−1、基地局2b−2それぞれの識別情報に対応付けて設定されている基地局2b−hの受信電力を加算し、加算した値が最大の基地局2−hを探索する。連携基地局群選択部26は、連携先候補としてこれまで未選択の基地局2bがない場合は(ステップS31:NO)、連携基地局群への追加なしとして処理を終了する(ステップS37)
連携基地局群選択部26は、連携先候補としてこれまで未選択の基地局2bが存在する場合(ステップS31:YES)、連携先候補の基地局2bに対し、基地局連携を判定するための情報を送信するよう要求する制御コマンドの送信をネットワーク制御・信号処理部25bに指示する。ネットワーク制御・信号処理部25bは、ネットワーク4を介して連携先候補の基地局2bに制御コマンドを送信する(ステップS32)。連携先候補の基地局2bの連携基地局群選択部26は、ネットワーク制御・信号処理部25bを介して制御コマンドを受信する。連携基地局群選択部26は、自局の基地局パラメータ、及び基地局周辺局通信状況情報と、自局の通信相手である各端末局3aの端末局パラメータ及び端末周辺局通信状況情報とを、ネットワーク制御・信号処理部25bを介して制御コマンド送信元の基地局2bに返送する。基地局2bのネットワーク制御・信号処理部25bは、連携先候補の基地局2bからネットワーク4を経由して基地局パラメータ、端末局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、端末周辺局通信状況情報を受信し、連携基地局群選択部26に出力する。連携基地局群選択部26は、受信したこれらの情報により、基地局・端末局データベース27の基地局パラメータテーブル131、基地局周辺局通信状況情報テーブル132、端末局パラメータテーブル133、端末周辺局通信状況情報テーブル134を更新する。
連携基地局群選択部26は、連携先候補の基地局2bが、自局又は自局が属する連携基地局群との連携基準値を満たすかどうかを判定する(ステップS33)。
例えば、連携基地局群選択部26は、自局又は自局が属する連携基地局群に連携先候補の基地局2bを加えて連携基地局群候補とし、図7に示す第1実施形態における連携基地局群選択処理手順に示す条件によって連携基準値を満たすかどうかを判定する。つまり、連携基地局群選択部26は、連携基地局群候補に含まれる基地局2b間の干渉電力の和(基地局干渉電力和)が閾値以上であるという条件、連携基地局群候補に含まれる各基地局2bの送受信アンテナ数と通信相手の端末局3aの送受信アンテナ総数との比が閾値以上であるという条件、連携基地局群候補に含まれる各基地局2bの下りトラヒック時間占有率の最大と最小の比(下りトラヒック時間率比)が所定以下であるという条件を満たす場合、連携基準値を満たすと判定する。あるいは、連携基地局群選択部26は、それらの条件に代えて、あるいは、加えて、連携基地局群候補に含まれる各基地局2bの上りトラヒック時間占有率の最大と最小の比(上りトラヒック時間率比)が所定以下であるという条件や、端末局3aが連携基地局群候補に含まれる基地局2bから受ける干渉電力の和(端末干渉電力和)が所定以上であるという条件を用いてもよい。
連携基地局群選択部26は、連携基地局群選択部26は、連携候補として抽出した基地局2bが連携基準値を満たさないと判定した場合(ステップS33:NO)、ステップS31からの処理を繰り返す。
一方、連携基地局群選択部26は、連携先候補の基地局2bが連携基準値を満たすと判定した場合(ステップS33:YES)、ステップS34の処理を行う。すなわち、連携基地局群選択部26は、基地局・端末局データベース27から、自局又は自局が属する連携基地局群に含まれる他の基地局2bの基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、端末局パラメータ、及び端末周辺局通信状況情報を読み出す。連携基地局群選択部26は、読み出した情報と、基地局連携リクエストとを、ネットワーク制御・信号処理部25bを介して連携先候補の基地局2bに対し送信する(ステップS34)。連携先候補の基地局2bの連携基地局群選択部26は、ネットワーク制御・信号処理部25bを介して、基地局パラメータ、基地局周辺局通信状況情報、端末局パラメータ、及び端末周辺局通信状況情報と、基地局連携リクエストを受信する。連携基地局群選択部26は、自局の基地局・端末局データベース27が記憶する情報等と受信した情報とを合わせて、基地局連携リクエストを受け入れるかどうかを判定し、判定結果の返送をネットワーク制御・信号処理部25bに指示する。連携基地局群選択部26は、基地局連携リクエストを受け入れるかどうかを、ステップS33と同様の連携基準値を満たすかを判定してもよく、他の基準により判定してもよい。ネットワーク制御・信号処理部25bは、判定結果を示す基地局連携リクエスト応答を、基地局連携リクエスト送信元の基地局2bにネットワーク4を介して送信する。
リクエスト送信元の基地局2bの連携基地局群選択部26は、ネットワーク制御・信号処理部25bを介して基地局連携リクエスト応答を受信する。連携基地局群選択部26は、基地局連携リクエスト応答が基地局連携の受け入れ許可を示しているか否かを判定する(ステップS35)。連携基地局群選択部26は、基地局連携の受け入れ不許可を示していると判定した場合(ステップS35:NO)、ステップS31からの処理を繰り返す。連携基地局群選択部26は、基地局連携の受け入れ許可を示していると判定した場合(ステップS35:YES)、ステップS36の処理を実行する。すなわち、連携基地局群選択部26は、基地局・端末局データベース27に記憶されている基地局パラメータテーブル131に、現在の連携基地局群に、連携先候補を加えた新たな連携基地局群の情報を書き込む(ステップS36)。新たな連携基地局群に含まれる基地局2bは、第1、第2実施形態と同様に、配下の端末局3aとの間で複数基地局連携通信を開始する。
各基地局2bは、以上の処理手順を、それぞれのタイミングで分散的、かつ定期的に行う。また、処理の途中であっても他の基地局2bからの基地局連携リクエストがあれば割り込みで処理を行う。
以上の処理手順によって、集中制御局が存在しない場合においても、各基地局2bが自律分散的に基地局連携候補となる他の基地局2bを探索し、連携可能な基地局2b同士が連携していくことで、連携基地局群を生成することができる。
以上説明した実施形態によれば、無線通信システムは、多数の無線LAN基地局を設置した場合においても、それら基地局の中から、複数基地局連携通信によるシステム特性の改善効果が最も得られる連携基地局群を選択し、複数基地局連携通信を行う。このように、連携効果の高い無線LAN基地局を連携通信させることで、無線LAN基地局連携による通信効率低下や制御負荷増大を防ぎつつ、高いシステムスループットを得ることが可能となる。
なお、上述した実施形態における集中制御局1、1a、基地局2、2a、2b、端末局3、3aの各機能部は、専用のハードウェア(例えば、ワイヤードロジック等)により実現されてもよく、各機能部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
複数の基地局を有する無線通信システムに利用可能である。
1、1a 集中制御局(集中制御装置)
2、2−1、2−2、2−3、2−M、2−i、2a、2a−i、2b、2b−1、2b−2、2b−3、2b−M、2b−i、90−1、90−2 基地局(基地局装置)
3、3−1−1、3−1−N、3−2−1、3−2−N、3−3−1、3−3−N、3−M−1、3−M−N、3−i−j、3a、3a−1−1、3a−1−N、3a−2−1、3a−2−N、3a−3−1、3a−3−N、3a−M−1、3a−M−N、3a−i−j、91−1−1〜91−1−N、91−2−1〜91−2−N端末局(端末局装置)
4 ネットワーク
11、25 ネットワーク制御・信号処理部(連携指示部)
12、12a、26 連携基地局群選択部(連携指示部)
13、13a、27 基地局・端末局データベース(データベース部)
131 基地局パラメータテーブル
132 基地局周辺局通信状況情報テーブル
133 端末局パラメータテーブル
134 端末周辺局通信状況情報テーブル
135 連携基地局群選択候補テーブル
136 連携基地局群選択パターン候補テーブル
21−1〜21−K、31−1〜31−Li−j アンテナ素子
22、32 無線信号処理部(通信部)
23、33 パケット・データ信号処理部(通信部)
24、24a、24b 情報処理部
34 周辺局情報処理部
35 フィードバック信号生成部
241、241a、241b 記憶部

Claims (8)

  1. 集中制御装置と、端末局装置と無線通信する複数の基地局装置とを有する無線通信システムであって、
    前記集中制御装置は、
    前記基地局装置において得られた他の前記基地局装置の通信状況を示す基地局周辺局通信状況情報と、前記端末局装置において得られた前記基地局装置の通信状況を示す端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上を記憶するデータベース部と、
    前記データベース部に記憶されている前記基地局周辺局通信状況情報と、前記端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上に基づいて、前記無線通信システムが有する複数の前記基地局装置のうち一部の複数の基地局装置を、連携通信を行う基地局装置群として選択する連携基地局群選択部と、
    前記連携基地局群選択部が選択した前記基地局装置群に含まれる複数の前記基地局装置に対して連携通信を指示する連携指示部とを有し、
    前記基地局装置は、
    前記集中制御装置から前記指示を受けた場合に、前記連携基地局群選択部により自基地局装置と同じ前記基地局装置群に選択された他の前記基地局装置と同時に互いに干渉しないように配下の前記端末局装置と通信する通信部を備える、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記端末局装置は、前記基地局装置から受信した信号に基づいて得られる干渉電力の値を通信先の前記基地局装置に通知する周辺局情報処理部を備え、
    前記基地局装置は、他の前記基地局装置から受信した信号に基づいて得られる干渉電力の値を示す前記基地局周辺局通信状況情報と、配下の前記端末局装置から受信した前記基地局装置からの干渉電力の値を示す端末周辺局通信状況情報と、自局において測定したトラヒックの情報とを前記集中制御装置に通知する情報処理部をさらに備え、
    前記連携基地局群選択部は、前記基地局装置から受信した前記基地局周辺局通信状況情報と、前記端末周辺局通信状況情報と、前記トラヒックの情報を前記データベース部に書き込む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記基地局周辺局通信状況情報は、干渉電力の値を得た前記信号の通信チャネルの情報を含み、
    前記連携基地局群選択部は、前記基地局周辺局通信状況情報から得られる前記基地局装置の通信チャネル、前記基地局周辺局通信状況情報から得られる前記基地局装置相互の干渉電力和、前記端末周辺局通信状況情報から得られる前記端末局装置における前記基地局装置からの干渉電力和、前記基地局装置のアンテナ数と当該基地局装置の通信先の1以上の前記端末局装置が備えるアンテナ数の合計との比、あるいは、前記基地局装置のトラヒックの情報から得られる前記基地局装置相互のトラヒックの類似度のうち1つ以上に基づいて、連携通信を行う前記基地局装置を選択する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 前記連携基地局群選択部は、前記データベース部に記憶されている前記基地局周辺局通信状況情報と、前記端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上に基づいて、連携通信を行う候補となる前記基地局装置の組を選択し、選択した前記基地局装置の組を1以上組み合わせたグループの中から連携通信を行うグループをさらに選択し、
    前記連携指示部は、前記連携基地局群選択部が選択した前記グループに含まれる複数の前記基地局装置に対して連携通信を指示する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  5. 端末局装置と無線通信する複数の基地局装置とを有する無線通信システムであって、
    前記基地局装置は、
    自局及び連携先の前記基地局装置のそれぞれにおいて得られた他の前記基地局装置の通信状況を示す基地局周辺局通信状況情報と、自局の配下の前記端末局装置、及び連携先の前記基地局装置の配下の前記端末局装置のそれぞれにおいて得られた前記基地局装置の通信状況を示す端末周辺局通信状況情報と、自局及び連携先の前記基地局装置それぞれのアンテナ数ならびに自局の配下の前記端末局装置、及び連携先の前記基地局装置の配下の前記端末局装置それぞれのアンテナ数の情報と、自局及び連携先の前記基地局装置それぞれのトラヒックの情報とのうち1以上を記憶するデータベース部と、
    他の前記基地局装置から基地局周辺局通信状況情報と、端末周辺局通信状況情報と、他の前記基地局装置及び他の前記基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、他の前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上を受信し、受信した前記情報と前記データベース部に記憶されている情報とに基づいて他の前記基地局装置と連携通信を行うか否かを判断する連携基地局群選択部と、
    前記連携基地局群選択部が連携通信を行うと判断した他の前記基地局装置と同時に互いに干渉しないように配下の前記端末局装置と通信する通信部とを備える、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  6. 集中制御装置と、端末局装置と無線通信する複数の基地局装置とを有する無線通信システムにおける前記集中制御装置であって、
    前記基地局装置において得られた他の前記基地局装置の通信状況を示す基地局周辺局通信状況情報と、前記端末局装置において得られた前記基地局装置の通信状況を示す端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上を記憶するデータベース部と、
    前記データベース部に記憶されている前記基地局周辺局通信状況情報と、前記端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上に基づいて、前記無線通信システムが有する複数の前記基地局装置のうち一部の複数の基地局装置を、連携通信を行う基地局装置群として選択する連携基地局群選択部と、
    前記連携基地局群選択部が選択した前記基地局装置群に含まれる複数の前記基地局装置に対して、同じ前記基地局装置群に含まれる他の前記基地局装置と同時に互いに干渉しないように配下の前記端末局装置と通信するよう連携通信を指示する連携指示部と、
    を備えることを特徴とする集中制御装置。
  7. 集中制御装置と、端末局装置と無線通信する複数の基地局装置とを有する無線通信システムが実行する無線通信方法であって、
    前記集中制御装置は、
    前記基地局装置において得られた他の前記基地局装置の通信状況を示す基地局周辺局通信状況情報と、前記端末局装置において得られた前記基地局装置の通信状況を示す端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上を記憶するデータベース部を備えており、
    前記集中制御装置が、
    前記データベース部に記憶されている前記基地局周辺局通信状況情報と、前記端末周辺局通信状況情報と、前記基地局装置及び当該基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上に基づいて、前記無線通信システムが有する複数の前記基地局装置のうち一部の複数の基地局装置を、連携通信を行う基地局装置群として選択する連携基地局群選択ステップと、
    連携基地局群選択ステップにおいて選択された前記基地局装置群に含まれる複数の前記基地局装置に対して連携通信を指示する連携指示ステップと、
    前記基地局装置が、
    前記集中制御装置から前記指示を受けた場合に、前記連携基地局群選択ステップにおいて自基地局装置と同じ前記基地局装置群に選択された他の前記基地局装置と同時に互いに干渉しないように配下の前記端末局装置と通信する連携通信ステップと、
    を有することを特徴とする無線通信方法。
  8. 端末局装置と無線通信する複数の基地局装置とを有する無線通信システムが実行する無線通信方法であって、
    前記基地局装置は、
    自局及び連携先の前記基地局装置のそれぞれにおいて得られた他の前記基地局装置の通信状況を示す基地局周辺局通信状況情報と、自局の配下の前記端末局装置、及び連携先の前記基地局装置の配下の前記端末局装置のそれぞれにおいて得られた前記基地局装置の通信状況を示す端末周辺局通信状況情報と、自局及び連携先の前記基地局装置それぞれのアンテナ数ならびに自局の配下の前記端末局装置、及び連携先の前記基地局装置の配下の前記端末局装置それぞれのアンテナ数の情報と、自局及び連携先の前記基地局装置それぞれのトラヒックの情報とのうち1以上を記憶するデータベース部を備えており、
    前記基地局装置それぞれが、
    他の前記基地局装置から基地局周辺局通信状況情報と、端末周辺局通信状況情報と、他の前記基地局装置及び他の前記基地局装置の配下の前記端末局装置のアンテナ数の情報と、他の前記基地局装置のトラヒックの情報とのうち1以上を受信し、受信した前記情報と前記データベース部に記憶されている情報とに基づいて他の前記基地局装置と連携通信を行うか否かを判断する連携基地局群選択ステップと、
    前記連携基地局群選択ステップにおいてが連携通信を行うと判断した他の前記基地局装置と同時に互いに干渉しないように配下の前記端末局装置と通信する連携通信ステップと、
    を有することを特徴とする無線通信方法。
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