JP6059469B2 - 石炭灰用固化材及びそれを用いた固化物の製造方法 - Google Patents

石炭灰用固化材及びそれを用いた固化物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6059469B2
JP6059469B2 JP2012186987A JP2012186987A JP6059469B2 JP 6059469 B2 JP6059469 B2 JP 6059469B2 JP 2012186987 A JP2012186987 A JP 2012186987A JP 2012186987 A JP2012186987 A JP 2012186987A JP 6059469 B2 JP6059469 B2 JP 6059469B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solidified
product
coal ash
mixture
ions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012186987A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014042881A (ja
Inventor
直也 重本
直也 重本
由起 平賀
由起 平賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shikoku Research Institute Inc
Original Assignee
Shikoku Research Institute Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shikoku Research Institute Inc filed Critical Shikoku Research Institute Inc
Priority to JP2012186987A priority Critical patent/JP6059469B2/ja
Publication of JP2014042881A publication Critical patent/JP2014042881A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6059469B2 publication Critical patent/JP6059469B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

本発明は、石炭灰用固化材及びそれを用いた固化物の製造方法に関し、詳しくは、石炭灰を強固に固化させるとともに、重金属イオン等の溶出を防止することができる石炭灰用固化材と、建築・土木材料等として広範に利用することができる固化物を製造する方法に関する。
石炭を燃料として使用する火力発電所等では、多量の石炭灰が発生するため、従来からその有効利用方法が検討されているが、最も一般的には、石炭灰をセメントに5〜30質量%程度混合して、いわゆるフライアッシュセメントとし、モルタルやコンクリートの原料として使用されている。
しかし、石炭にはその種類や産地によってホウ素や重金属等の環境汚染の要因となり得る物質が含まれている場合がある。これらの物質は、石炭の燃焼に伴う化学反応により、鉄イオン(Fe3+)や銅(Cu2+)等のような水溶性の陽イオンを形成するものと、オキシアニオン(例えば、ホウ酸イオン(B(OH)4 )、クロム酸イオン(CrO4 2−)、セレン酸イオン(SeO4 2−)、モリブデン酸イオン(MoO4 2−)、ヒ酸イオン(AsO3 2−)等)のような水溶性の陰イオンを形成するものとがあり、さらに鉛のように、陽イオン(Pb2+)と陰イオン(PbO2 2−)の両方を形成するものもある。
これら重金属及びその他の物質を含む陽イオン及び陰イオン(以下併せて「重金属等イオン」ともいう。)は、その多くが石炭灰に付着しているため、石炭灰を各種の用途に使用する場合には、環境保全のために、重金属等イオンのうち規制対象となっているものについて溶出・拡散しないよう対策を講ずる必要がある。
石炭灰のうち、重金属等イオンが付着していないものや付着量の少ないものについては、前記のとおりモルタルやコンクリートの原料として使用することが可能である。一般にモルタルやコンクリートは水密の状態に固化するため、原料に重金属等イオンが含まれていても、少量であれば、固化したモルタルやコンクリート内に封じ込められて保持されるため、外部への溶出を防ぐことができる。
しかし、重金属等イオンの付着量が多い石炭灰については、そのままの状態でモルタルやコンクリートの原料に使用すると、重金属等イオンがモルタルやコンクリート内から外部へ溶出する恐れがある。さりとて、石炭灰から重金属等イオンを取り除いてから使用することは、処理コストが高額となるため現実的ではない。このように、重金属等イオンの付着量が多い石炭灰には経済性に見合った利用方法がなく、その多くが産業廃棄物として廃棄処分されている。
また、石炭灰を原料として、各種物質が溶出し難い固化物を製造する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、石炭灰に生石灰や消石灰等を加えて混合し、得られた粉体混合物に高圧力を加えて所定の形状に圧縮成形した後、高温高圧下で水蒸気加熱して水熱合成させ、さらに高温下で乾燥させることにより重金属等が溶出し難い固化体を製造する方法が開示されている。そして、製造された固化体は、舗装材等の建設材料等として使用できるとされている。
また、特許文献2には、石炭灰と生石灰の混合物に水を添加し消化反応を起こさせる調合工程と、得られた混合物に高圧力を加えて摩擦熱を生じさせながら圧縮固化させる圧縮合成工程とからなる、重金属等の溶出が抑制された固化物を製造する方法が開示されている。そして、製造された固化物は、その形態は小さな顆粒状あるいはフレーク状(板状)等であるが、その具体的な用途は開示されていない。
特開平10−296205号公報 特開2006−61751号公報
しかしながら、特許文献1に記載の固化体の製造方法では、石炭灰と生石灰等の粉体原料同士を混合するため、均一に混合することは難しく、さらに、混合した粉体混合物に10〜40MPa程度の高圧力を加えて圧縮成形するが、得られた成形物は、粉体を物理的に押し固めたものに過ぎないため、脆く崩れ易く、複雑な形状に成形することは困難である。
また、かかる成形物を固化させるには、オートクレーブを用いて110〜200℃の高温高圧下で2〜24時間程度の水蒸気加熱を行なって水熱合成反応を起こさせるが、その際、成形物の内部まで水蒸気を浸透させる必要があるため、成形物の体積が大きい場合には、製造効率が極めて悪く、さらに固化不良を生ずる恐れがある。
そして、かかる固化体の製造方法の実施には、大型の圧縮成形装置やオートクレーブ等の高額でかつエネルギーコストの高い設備が必要であるという問題もある。
また、特許文献2に記載の固化物の製造方法では、石炭灰と生石灰とを混合し水を添加して消化反応を起こさせて得られた混合物に対し、49〜294MPa程度の高圧力を加えて摩擦熱を発生させ、その摩擦熱により合成反応を起こさせ固化させるため、混合物の全体に亘って十分な摩擦熱を発生させる必要がある。したがって、製造できる固化物は、その形態が10mm程度の顆粒状や厚さ3mm程度のフレーク状等の小さく薄い形態に限られ、用途が極めて限定されるという問題がある。
そこで、本発明は前記先行技術の問題点を解決すべく、石炭灰と混合し、任意の形状及び大きさに成形して強固に固化させることができ、また、石炭灰に重金属やその他の物質を含む陽イオン及び陰イオンが多く付着している場合でも、これらの重金属等イオンの溶出を十分に抑制できる石炭灰用固化材を提供し、さらに、建築・土木材料等として広範な用途に利用できる固化物を製造する方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成する本発明のうち、特許請求の範囲の請求項1に記載する発明は、Ca(OH)2及びCaCO3の少なくとも一方とAl(OH)3との混合物を800〜1200℃で焼成して得たCaとAlのモル比(Ca/Al)が1〜10の範囲である焼成物を含み、ケイ酸カルシウムを含まないことを特徴とする石炭灰用固化材である。
同じく請求項2に記載する発明は、請求項1に記載の石炭灰用固化材と、石炭灰、水、及び必要に応じて砂、砂利又は顔料を、該石炭灰用固化材に含まれる前記焼成物の質量が該焼成物と前記石炭灰の質量の合計に対して30〜60質量%となるように、かつ前記水の質量が前記焼成物と前記石炭灰の質量の合計に対して0.6〜1.2(質量比)となるように配合し、混練してペースト状物とし、該ペースト状物を所定の形状に成形して固化させることを特徴とする固化物の製造方法である。
同じく請求項3に記載する発明は、前記ペースト状物を60℃以上の温度で水蒸気養生して固化させることを特徴とする請求項2に記載の固化物の製造方法である。
同じく請求項4に記載する発明は、前記固化物の圧縮強度を3.6N/mm 2 以上にすることを特徴とする請求項2又は3に記載の固化物の製造方法である。
同じく請求項5に記載する発明は、前記石炭灰に含まれるクロムイオン(Cr 3+ )、カドミウムイオン(Cd 2+ )、鉄イオン(Fe 3+ )、銅イオン(Cu 2+ )、及び鉛イオン(Pb 2+ )から成る群から選択される少なくとも一つの陽イオン、又は、前記石炭灰に含まれるホウ酸イオンB(OH) 4 、クロム酸イオン(CrO 4 2- )、亜ヒ酸イオン(AsO 2 )、セレン酸イオン(SeO 4 2- )、タングステン酸イオン(WO 4 2- )、及びモリブデン酸イオン(MoO 4 2- )から成る群から選択される少なくとも一つの陰イオンを不溶化することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の固化物の製造方法である。
本発明の石炭灰用固化材によれば、これに石炭灰と水とを配合して混練することで適度な流動性を有するペースト状物になるため、このペースト状物を任意の形状の型枠内に流し入れて静置することにより、任意形状かつ水密の状態に固化した固化物を製造することができる。すなわち、一般的なモルタルやコンクリートと同じように取り扱うことができるため、作業性が極めて高く、かつ安価である。
また、混練の際に配合する石炭灰用固化材、石炭灰及び水の配合量を適宜調節することにより、ペースト状物の粘度を任意に変更することができるため扱い易く、また、必要に応じて砂や砂利等を配合することにより、よりモルタルやコンクリートに近似した性状を付与することが可能である。
さらに、本発明の石炭灰用固化材は、重金属及びその他の物質を含む陽イオン及び陰イオンを吸着して不溶化する特性を有する。したがって、本発明の石炭灰用固化材によれば、石炭灰に重金属等イオンが多く付着している場合であっても、例えば、重金属等イオンを吸着して不溶化する特性と、水密な状態の固化物を形成して重金属等イオンを固化物内に封じ込める特性とが相乗的に作用すると考えられ、重金属等イオンの溶出抑制効果が高い固化物を製造することができる。
また、本発明の固化物の製造方法によれば、任意の形状及び大きさに成形でき、圧縮強度(N/mm2)が高くて丈夫であり、かつ重金属等イオンの溶出抑制効果が高い固化物を容易に製造することができる。
したがって、本発明の製造方法によって得られる固化物は、道路舗装用の平板及び縁石、U字形側溝、駐車場の車止めブロック、人口漁礁、テトラポッド(消波ブロック)等の建築・土木材料等として広範な用途に利用することが可能である。
また、本発明の製造方法によって得られる固化物は、一般的な灰色のコンクリート製品よりも色が薄く白色に近いので、見た目にも美しく、また、各種顔料等を配合することにより、任意の色彩や風合いを付与してより審美性を高めることができる。
Ca(OH)2とAl(OH)3の混合物のTGのグラフの一例である。 Ca(OH)2とAl(OH)3の混合物のXRDのパターンの一例である。 Ca(OH)2とAl(OH)3の混合物のXRDのパターンのその他の例である。 CaCO3とAl(OH)3の混合物のTGのグラフの一例である。 CaCO3とAl(OH)3の混合物のXRDのパターンの一例である。 CaCO3とAl(OH)3の混合物のXRDのパターンのその他の例である。 各種焼成物のホウ素吸着量の一例を示すグラフである。 各種焼成物のホウ素吸着量のその他の例を示すグラフである。 各種焼成物のCr6+の吸着量の一例を示すグラフである。 各種焼成物のCr6+の吸着量のその他の例を示すグラフである。 各種焼成物のCr3+の吸着量の一例を示すグラフである。 各種固化物の圧縮強度の一例を示すグラフである。 各種固化物のXRDのパターンの一例である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の趣旨に反しない限り、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
本発明の石炭灰用固化材は、Ca (OH)2及びCaCO3の少なくとも一方とAl(OH)3との混合物の焼成物を含むが、かかる混合物は、Ca(OH)2とAl(OH)3の混合物、CaCO3とAl(OH)3の混合物、又はCa(OH)2、CaCO3及びAl(OH)3の三者の混合物のいずれであってもよく、さらに、本発明の石炭灰用固化材の効果を阻害しない範囲であれば、Ca(OH)2、CaCO3及びAl(OH)3以外の他の物質を含んでいても差し支えない。
また、前記混合物の焼成物において、CaとAlのモル比(Ca/ Al)は、特に制限されないが、例えば1〜10の範囲とすれば、石炭灰等と混合して固化物を製造した際に、圧縮強度(N/mm2)が高く、かつ重金属等イオンの溶出抑制効果が高い固化物を得ることができるため好ましく、より好ましい範囲は2〜5である。
さらに、前記焼成物の焼成温度は、特に制限されないが、例えば600℃以上とすれば、石炭灰等と混合して固化物を製造した際に、圧縮強度が高く、かつ重金属等イオンの溶出抑制効果が高い固化物を得ることができるため好ましく、より好ましくは800〜1200℃である。
本発明の石炭灰用固化材は、CaO、Ca(OH)2、Ca12Al14O33、CaAl4O7、CaAl2O4、Ca5Al6O14及びCa9Al6O18等の化合物を含んでいる。これらの化合物は、主にCa(OH)2及びCaCO3とAl(OH)3との化学反応によって生成したものであり、これらの化合物の生成量は、CaとAlのモル比及び焼成温度等によって変化する。
なお、本発明の石炭灰用固化材は、前記焼成物以外の物質を含んでいてもよく、例えば、他の固化材や他の重金属等イオンの吸着材を含んでいても差し支えない。
次に、本発明の石炭灰用固化材を使用して固化物を製造する方法を説明する。まず、本発明の石炭灰用固化材、石炭灰及び水を所定量ずつ配合して混練しペースト状物を調製する。
ここで使用する石炭灰は、火力発電所の石炭燃焼ボイラ等で石炭を燃焼させた際に生じる砂粒状又はれき状の灰であり、フライアッシュ又はクリンカアッシュとも呼ばれる。日本工業規格には、コンクリート用フライアッシュ、クリンカアッシュ等の規格が定められているが、本発明で使用可能な石炭灰はこれらに限られず、規格外のものも広く使用することができ、また、石炭の種類、産地及び成分等によって限定されるものではない。
石炭灰用固化材と石炭灰の配合量については特に制限されないが、例えば、石炭灰用固化材の配合量を、その石炭灰用固化材に含まれる前記焼成物の質量がその焼成物と石炭灰の質量の合計に対して30〜60質量%となるようにすると、強度が高く、かつ重金属等イオンの溶出抑制効果が高い固化物を製造することができるため好ましい。
また、水の配合量についても特に制限されないが、例えば、水の配合量を、石炭灰用固化材に含まれる前記焼成物と石炭灰の質量の合計に対して0.6〜1.2(質量比)とすれば、ペースト状物を、コンクリートやモルタルのように扱い易い粘度に調製することができ、また、強度が高い固化物を製造できるため好ましい。
さらに、前記ペースト状物の調製に際し、石炭灰用固化材、石炭灰及び水に加えて、他の物質を配合することもできる。例えば、砂や砂利等を配合すれば、ペースト状物に対してよりモルタルやコンクリートに近似した性状を付与することが可能である。また、他の固化材や重金属イオンの吸着材を配合しても良く、さらに、各種顔料等を配合すれば、任意の色彩や風合いが付与された固化物を製造することができる。
前記の各原料を混練する方法としては、調製するペースト状物が少量であれば、いわゆるトロ舟と練りクワ等のコンクリートやモルタルを手練りする際に使用する道具等を用いて混練すれば良い。また、ペースト状物が多量であれば、一般的なコンクリートミキサーやモルタルミキサーを使用して混練すれば良い。
次に、前記の方法により調製したペースト状物を、所定の形状に成形して固化させる。
調製したペースト状物は、セメントやモルタルのように適度な粘度と流動性を有するため、任意の形状の型枠に流し込んで成形することができ、また、コテやヘラ等を使って他の物品や構造物上に塗り付けて成形したり、他の物品や構造物の隙間や割れ目に注入して成形したりすることができる。
前記ペースト状物を型枠に流し込んで成形する場合には、一般的なコンクリートを同じように、型枠の隅々まで流入させることができるので、複雑な形状にも成形することが可能であり、また、大きな型枠に流し込んで成形することもできる。
このように、任意の形状に成形されたペースト状物は、常温でそのまま静置することで水密な状態に固化させることができる。しかし、水蒸気の存在下で60℃以上の温度で加熱して水蒸気養生することにより、より早く固化させることができ、また、強度が高い固化物を製造することができるため好ましい。
本発明の石炭灰用固化材と石炭灰等とが、強度が高く、かつ重金属等イオンの溶出抑制効果が高い固化物を生成する際の化学反応については、その全体像は明らかでないが、例えば、本発明の石炭灰用固化材、石炭灰及び水を混練することにより、石炭灰用固化材に含まれるCaOが水と反応してCa(OH)2となり、これがAlを含む化合物及び石炭灰に含まれるSiO2と化学反応してCa3Al2(SiO4)(OH)8等が生成することにより、強固かつ水密な状態に固化するものと推定される。
また、固化物は水密な状態に固化するため、例えば、石炭灰に付着している重金属等イオンは固化物内に封じ込められ、さらに、本発明の石炭灰用固化材に含まれる化合物(CaO 、Ca(OH)2、Ca12Al14O33、CaAl4O7、CaAl2O4、Ca5Al6O14及びCa9Al6O18等)のいくつかが重金属等イオンを吸着し不溶化することにより、固化物からの重金属等イオンの溶出が抑制されるものと推定される。なお、これらの推定は本発明を限定するものではない。
下記(1)〜(21)に示す各試験例及び(22)に示す試験例総括によって本発明の実施例を説明する。なお、本発明はかかる実施例により限定されるものではない。
(1) Ca(OH) 2 /Al(OH) 3 混合物の熱質量(TG)分析
Ca/Alモル比=5のCa(OH)2/Al(OH)3の混合物を10℃/minの昇温速度で100℃〜1000℃まで昇温し、熱質量分析装置(製品名TG 8101D、リガク社製)を用いて質量変化を測定した。その結果を図1に示す。図示のように、100〜250℃付近まではほぼ一定の質量を示し、その後、250〜270℃の間で急激に質量が減少した後、270〜390℃の間でほぼ一定の質量を示した。さらに、390〜440℃の間で急激に質量が減少した後、440〜660℃の間でゆるやかに質量が減少した。その後、660〜1000℃の間ではほぼ一定の質量を示した。
(2) 焼成温度の異なるCa(OH) 2 /Al(OH) 3 混合物のX線回折(XRD)分析
前記TG分析で質量がほぼ一定となった温度(350℃、500℃、800℃及び1000℃)でCa(OH)2/Al(OH)3混合物を焼成し、そのXRD分析により生成する結晶性化合物を同定した。その結果を図2に示す。図示のように、焼成温度350℃ではCa(OH)2に由来するシャープなピークが検出され、500℃ではCa(OH)2に由来するがブロードなピークが検出された。したがって、350℃では結晶性のCa(OH)2が存在し、加熱に伴い500℃では結晶性Ca(OH)2が非晶質化したことになる。さらに、焼成温度800℃では非晶性Ca(OH)2の他に、わずかではあるがCaO由来のピークが検出された。さらに高い焼成温度1000℃ではCaO由来のピーク強度が大きくなると同時にCa12Al14O33に由来するピークが明瞭に検出された。
(3) Ca(OH) 2 /Al(OH) 3 モル比の異なる混合物の1000℃焼成物のXRD分析
Ca/Alモル比を0.5〜15の間で変化させたCa(OH)2/Al(OH)3混合物を1000℃で焼成したものについてX線回折装置(製品名D8 ADVANCE TXS、BRUKER AXS社製)を用いてXRD分析を行った。その結果を、図3に示す。図示のように、Ca/Alモル比=0.5及び1.0では、結晶性化合物としてCaOの他に、Ca12Al14O33が検出され、さらに、低濃度ながらCaAl4O7及びCaAl2O4も検出された。Ca/Alモル比2以上では、CaO及びCa12Al14O33に帰属されるピークが検出されたが、Ca/Alモル比の増加に伴いCaOのピーク強度は増加し、Ca12Al14O33のピーク強度は低下した。このことから、Ca/Alモル比の増加に伴いCaOの生成量が増加し、Ca12Al14O33の生成量は低下したと考えられる。
(4) CaCO 3 /Al(OH) 3 混合物のTG分析
Ca/Alモル比=5のCaCO3/Al(OH)3混合物を10℃/minの昇温速度で100℃〜1000℃まで昇温し、前述と同じ装置で質量変化を測定した。その結果を図4に示す。図示のように、100〜250℃付近まではほぼ一定の質量を示し、その後、250〜270℃の間で急激に質量が減少した後、270〜600℃の間で徐々に質量が減少し、600〜770℃の間で急激に質量が減少し、それ以降(770〜1000℃)ではほぼ一定の質量を示した。
(5) 焼成温度の異なるCaCO 3 /Al(OH) 3 混合物のXRD分析
前述したTG分析結果をもとに、質量がほぼ一定となった温度でCaCO3/Al(OH)3混合物を焼成し、前述の装置を用い、XRD分析を行った。その結果を図5に示す。図示のように、焼成温度350℃では原料中に存在するCaCO3に由来するシャープなピークが検出され、800℃ではシャープなCaOのピークと、ピーク強度が低くブロードなCa(OH)2に由来するピークが検出された。このことから、少なくとも350〜800℃の間で、CaCO3の熱分解(CaCO3→CaO+CO2)が起きたことが推定される。Ca(OH)2はCaOが空気中の湿分を吸収して生成したと推定される(CaO+H2O→Ca(OH)2)。さらに、高い焼成温度1000℃ではCaOに由来するシャープなピークのほかにCa9Al6O18やCa5Al6O14に由来する強度の低いピークが観測された。この場合、結晶性化合物としてCaOが主成分で、Ca5Al6O14及びCa9Al6O18が低濃度で含まれることになる。なお、前記推定は、本発明を制限及び限定しない。
(6) CaCO 3 /Al(OH) 3 モル比の異なる混合物の1000℃焼成物のXRD分析
Ca/Alモル比を変化させたCaCO3/Al(OH)3混合物を1000℃で焼成したものについて、前述の装置を用いて、XRD分析した。その結果を図6に示す。図示のように、Ca/Alモル比=0.5では、結晶性化合物としてCaOに加え、微量の Ca5Al6O14,CaAl4O7及びCaAl2O4が検出された。Ca/Alモル比=1.0では、CaOに加え、微量の Ca5Al6O14及びCaAl2O4が検出された。Ca/Alモル比1.5以上では、 CaOとCa9Al6O18に加え、微量のCa5Al6O14が検出された。Ca/Alモル比の増加に伴いCaOに由来するピークの強度は増加の傾向を示したが、Ca9Al6O18に由来するピークの強度はCa/Alモル比の増加により増加し、Ca/Alモル比=3で最も高くなり、さらにCa/Alモル比が増加するとピーク強度は低下し、Ca/Alモル比=10以上ではCa9Al6O18に由来するピークは観測されなかった。これらのことから、Ca/Alモル比の増加に伴いCaO生成量は増加し、Ca9Al6O18生成量はCa/Alモル比=3で最大となり、さらにCa/Alモル比を増加させるとCa9Al6O18生成量は低下し、Ca/Alモル比=10以上では消失したと推定される。ただし、本発明は前記推定により限定及び制限されない。
(7) 各種焼成物によるホウ素の吸着
ホウ酸(H3BO3)水溶液(B濃度=11mg/L)50mLに、各種焼成物0.5gを添加し、よく混合したのち、1日間、室温で放置した。その後、溶液中の沈殿物をろ過し、ろ液中に残存するホウ素濃度をICPプラズマ発光法により測定した。初期ホウ素濃度(=11mg/L)と各種焼成物添加後の残存ホウ素濃度の差を各種焼成物のホウ素吸着量(mg/g-焼成物)とした。
Ca(OH)2/Al(OH)3混合物(Ca/Al=2及び5)及びCaCO3/Al(OH)3混合物(Ca/Al=2及び5)の焼成物に対するホウ素吸着量の焼成温度依存性を図7に示す。図示のように、Ca/Alモル比に拘わらず、1273K(約1000℃)付近で最も高いホウ素吸着量を示した。また、Ca(OH)2/Al(OH)3混合物及びCaCO3/Al(OH)3混合物を1273Kで焼成したもののホウ素吸着量のCa/Alモル比依存性を図8に示す。図示のように、Ca/Alモル比=2〜5付近で最大のホウ素吸着量を示した。これらのことから、これらの焼成物ではCa/Alモル比=2〜5付近で高いホウ素吸着量を示し、焼成温度はより高い方が高いホウ素吸着量を示すと言える。
(8) 各種焼成物によるクロムイオン(6価クロム)の吸着
酸化クロム(CrO3)を溶解した水溶液(Cr濃度=51mg/L)50mLに各種焼成物0.5gを添加し、よく混合したのち、1日間、室温で放置した。その後、溶液中の沈殿物をろ過し、ろ液中に残存するCr濃度をICPプラズマ発光法により測定した。初期Cr濃度(=51mg/L)と各種焼成物添加後の残存Cr濃度の差を、各種焼成物のCr6+吸着量(mg/g-焼成物)とした。
Ca(OH)2/Al(OH)3混合物(Ca/Al=2及び5)及びCaCO3/Al(OH)3混合物(Ca/Al=2及び5)の焼成物に対するCr6+吸着量の焼成温度依存性を、図9に示す。図示のように、Ca/Alモル比に拘わらず、1273K(約1000℃)付近で最も高いCr6+吸着量を示した。また、Ca(OH)2/Al(OH)3混合物及びCaCO3/Al(OH)3混合物を1273Kで焼成したもののCr6+吸着量のCa/Alモル比依存性を、図10に示す。同図には吸着条件として、焼成物/水溶液=0.5g/50mL=10g/Lの場合のほか、焼成物/水溶液=0.1g/50mL=2g/Lの場合の結果も併せて示す。図示のように、Ca/Alモル比=2〜5付近で最大のCr6+吸着量=25.5mg/g-焼成物を示した。これらのことから、これらの焼成物ではCa/Alモル比=2〜5付近で高いCr6+吸着量を示し、焼成温度はより高い方が高いCr6+吸着量を示すことがわかった。
(9) 各種焼成物によるクロムイオン(3価クロム)の吸着
塩化クロム(CrCl3)を溶解した水溶液(Cr濃度=52mg/L)50mLに各種焼成物0.5gを添加し、よく混合したのち、1日間、室温で放置した。その後、溶液中の沈殿物をろ過し、ろ液中に残存するCr濃度をICPプラズマ発光法により測定した。初期Cr濃度(=52mg/L)と各種焼成物添加後の残存Cr濃度の差を、各種焼成物のCr3+吸着量(mg/g-焼成物)とした。各種焼成物作成時の原料中のCa/Alモル比がCr3+吸着量に及ぼす影響を図11に示す。
図示のように、Ca(OH)2/Al(OH)3混合物の焼成物のうち、焼成温度600、800及び1000℃で焼成したものは、いずれもCa/Alモル比=0.5〜15の間で、Ca/Alモル比によらず溶液中に添加したCr3+の全量を吸着し、最大のCr3+吸着量=5.2mg/g-焼成物を示した。CaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物においても、高いCr3+吸着量を示すと推定される。但し、前記推定は、本発明を制限及び限定しない。
(10) Ca(OH) 2 /Al(OH) 3 混合物(Ca/Al=5)の焼成物によるホウ素及びクロム以外のイオンの吸着
表1に示すように、所定量の1mmol/Lの各種化合物(吸着対象イオンの発生源)の水溶液にCa(OH)2/Al(OH)3混合物(Ca/Al=5)の焼成物(焼成温度:1000℃)を所定量添加し、よく混合した後、1日間、室温で放置した。その後、溶液中の沈殿物をろ過し、ろ液中に残存する各種化合物由来の各種イオンの濃度をICPプラズマ発光法により測定した。各種イオンの初期濃度とCa(OH)2/Al(OH)3混合物(Ca/Al=5)の焼成物の添加後に残存した各種イオンの濃度の差を、かかる焼成物の各種イオン吸着量(mg/g-焼成物)とした。表1に示すとおり、かかる焼成物は、ホウ素及びクロム以外のイオンも吸着することがわかった。なお、表1において、最大吸着量は、溶液中の各種イオンが全て吸着したと仮定した場合の理論計算値である。
(11) CaCO 3 /Al(OH) 3 混合物(Ca/Al=5)の焼成物によるホウ素及びクロム以外のイオンの吸着
表2に示すように、所定量の1mmol/Lの各種化合物(吸着対象イオンの発生源)の水溶液にCaCO3/Al(OH)3混合物(Ca/Al=5)の焼成物(焼成温度:1000℃)を所定量添加し、よく混合した後、1日間、室温で放置した。その後、溶液中の沈殿物をろ過し、ろ液中に残存する各種化合物由来の各種イオンの濃度をICPプラズマ発光法により測定した。各種イオンの初期濃度とCaCO3/Al(OH)3混合物(Ca/Al=5)の焼成物の添加後に残存した各種イオンの濃度の差を、かかる焼成物の各種イオン吸着量(mg/g-焼成物)とした。表2に示すとおり、かかる焼成物は、ホウ素及びクロム以外のイオンも吸着することがわかった。なお、表2において、最大吸着量は、溶液中の各種イオンが全て吸着したと仮定した場合の理論計算値である。
(12) Ca/Alモル比の異なるCaCO 3 /Al(OH) 3 混合物の焼成物を配合して製造した各種固化物の圧縮強度
表3に示すとおりCa/Alモル比を0.5〜10の間で変化させた5種類のCaCO3/Al(OH)3混合物を、それぞれ1000℃で焼成して5種類の焼成物を得た。次いで、得られた各焼成物と石炭灰(JIS A6201 2種適合品)と水とを、表3に示す各配合量(質量比)によって配合し、混練して5種類のペースト状物を調製した。次に、各ペースト状物を成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、下部に水を入れたデシケータ中に密閉し、デシケータごと75℃に加熱した電気加熱器に入れ、水蒸気存在下で3日間静置することにより水蒸気養生し、5種類の固化物の試験体を製造した。
なお、試験体ごとに水の配合量が異なるのは、ペースト状物の調製時に、混練し易く扱い易い粘度に仕上げるために、ペースト状物の状態を確認しながら水を徐々に加えつつ混練したため、結果的に水の配合量に差異が生じることになったことによる。
次に、各固化物の試験体について、JIS A1108に準拠し、圧縮強度試験機(JTトーシ社製、ABM200S)を用いて圧縮強度を(N/mm2)を測定した。測定結果を表3に示す。
表3に示す測定結果から、Ca/Alモル比が1〜10の範囲のCaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物を配合して製造した固化物は、圧縮強度が5.8N/mm2以上と高く、Ca/Alモル比が1〜5の範囲であれば、圧縮強度が8.9N/mm2以上とさらに高いことがわかる。
(13) 焼成温度の異なるCaCO 3 /Al(OH) 3 混合物の焼成物を配合して製造した各種固化物の圧縮強度
Ca/Alモル比=5のCaCO3/Al(OH)3混合物を、表4に示す異なる温度で焼成して4種類の焼成物を得た。次いで、得られた各焼成物と石炭灰(JIS A6201 2種適合品)と水とを、表4に示す各配合量(質量比)によって配合し、混練して4種類のペースト状物を調製した。次に、各ペースト状物を成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、下部に水を入れたデシケータ中に密閉し、デシケータごと75℃に加熱した電気加熱器に入れ、水蒸気存在下で3日間静置することにより水蒸気養生し、4種類の固化物の試験体を製造した。
なお、試験体ごとに水の配合量が異なるのは、前記のとおりペースト状物の調製時の加水方法に依るが、特に本試験において、焼成物の焼成温度が高くなるほど水の配合量が大幅に増えているのは、焼成温度が高くなるほど水和成分がより多く生成することによると考えられる。
次に、各固化物の試験体について前記試験例(12)と同じ方法で圧縮強度を測定した。測定結果を表4に示す。
表4に示す測定結果から、焼成温度が800〜1200℃のCaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物を配合して製造した固化物は、圧縮強度が3.6N/mm2以上と高いことがわかる。
(14) CaCO 3 /Al(OH) 3 混合物の焼成物等の配合量が異なる各種固化物の圧縮強度
1.CaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物を配合した固化物
Ca/Alモル比=5のCaCO3/Al(OH)3混合物を1000℃で焼成して得た焼成物と、石炭灰(JIS A6201 2種適合品)及び水とを、表5の試験体5-a、5-b、5-c及び5-dの各欄に示す配合量(質量比)によって配合し、混練して4種類のペースト状物を調製した。次に、各ペースト状物を成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、下部に水を入れたデシケータ中に密閉し、デシケータごと75℃に加熱した電気加熱器に入れ、水蒸気存在下で3日間静置することにより水蒸気養生し、4種類の固化物の試験体を製造した。
各固化物の試験体について前記試験例(12)と同じ方法で圧縮強度を測定した。測定結果を表5の試験体5-a、5-b、5-c及び5-dの各欄に示す。
2.アルミナセメントを配合した固化物
アルミナセメント(AGCセラミックス社製、アサヒ アルミナセメント1号(AC-1))と石炭灰(JIS
A6201 2種適合品)と水とを、表5の試験体5-e、5-f、5-g及び5-hの各欄に示す配合量(質量比)によって配合し、混練して4種類のペースト状物を調製した。次に、各ペースト状物を成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、下部に水を入れたデシケータ中に密閉し、デシケータごと75℃に加熱した電気加熱器に入れ、水蒸気存在下で3日間静置することにより水蒸気養生し、4種類の固化物の試験体を製造した。
各固化物の試験体について、前記試験例(12)と同じ方法で圧縮強度を測定した。測定結果を表5の試験体5-e、5-f、5-g及び5-hの各欄に示す。
3.ポルトランドセメントを配合した固化物
ポルトランドセメントと石炭灰(JIS A6201 2種適合品)と水とを、表5の試験体5-i、5-j、5-k及び5-lの各欄に示す配合量(質量比)によって配合し、混練して4種類のペースト状物を調製した。次に、各ペースト状物を成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、下部に水を入れたデシケータ中に密閉し、デシケータごと75℃に加熱した電気加熱器に入れ、水蒸気存在下で3日間静置することにより水蒸気養生し、4種類の固化物の試験体を製造した。
各固化物の試験体について、前記試験例(12)と同じ方法で圧縮強度を測定した。測定結果を表5の試験体5-i、5-j、5-k及び5-lの各欄に示す。
なお、図12は表5の記載内容をグラフで表したものである。
表5及び図12から、CaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物を配合した固化物は、その配合量に関らず、アルミナセメントやポルトランドセメントを配合した固化物よりも圧縮強度が高いことがわかる。特に、前記焼成物の配合量を、焼成物と石炭灰の配合量の合計に対して30〜60質量%に調整した固化物(試験体5-a〜5-d)は、アルミナセメントやポルトランドセメントを配合した固化物よりも、圧縮強度が格段に高いことがわかる。
(15) 各種固化物のXRD分析
表5に示す固化物の試験体5-c、5-g、5-kについて、前記のX線回析装置を用いてXRD分析を行った。その結果を図13に示す。なお、試験体5-c、5-g、5-kはそれぞれ図13中の(a)、(b)、(c)に該当する。
図示のとおり、CaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物を配合した固化物((a)、5-c)からは、Ca(OH)2及びCa3Al2(SiO4)(OH)8が検出されたが、アルミナセメントを配合した固化物((b)、5-g)とポルトランドセメントを配合した固化物((c)、5-k)からは、これらの化合物は検出されなかった。したがって、CaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物が、アルミナセメントやポルトランドセメントよりも圧縮強度の高い固化物を形成し得るのは、例えば、CaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物と石炭灰と水とを混練することにより、この焼成物に含まれるCaOが水と反応してCa(OH)2となり、これがAlを含む化合物及び石炭灰に含まれるSiO2と化学反応してCa3Al2(SiO4)(OH)8等が生成するためであるると推定される。なお、かかる推定は本発明を限定するものではない。
(16) 石炭灰に代えて砂を配合した固化物の圧縮強度
Ca/Alモル比=5のCaCO3/Al(OH)3混合物を1000℃で焼成して得た焼成物と、砂(JIS R5201 セメント強さ試験用標準砂、(社)セメント協会)及び水とを、100:100:124(質量比)の配合量によって配合し混練してペースト状物を調製した。次に、ペースト状物を成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、下部に水を入れたデシケータ中に密閉し、デシケータごと75℃に加熱した電気加熱器に入れ、水蒸気存在下で3日間静置することにより水蒸気養生し、固化物の試験体を製造した。
得られた固化物の試験体について、前記試験例(12)と同じ方法で圧縮強度を測定したところ、圧縮強度は0.1N/mm2と低く、脆く崩れやすい状態であった。
(17) 種別の異なる石炭灰を配合した各種固化物の圧縮強度
Ca/Alモル比=5のCaCO3/Al(OH)3混合物を1000℃で焼成して得た焼成物と、3種類の石炭灰(JIS A6201 1種、2種及び4種適合品)及び水とを、それぞれ100:100:149(質量比)の割合で配合し混練して3種類のペースト状物を調製した。次に、それぞれのペースト状物を成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、下部に水を入れたデシケータ中に密閉し、デシケータごと75℃に加熱した電気加熱器に入れ、水蒸気存在下で3日間静置することにより水蒸気養生し、3種類の固化物の試験体を製造した。
なお、使用した3種類の石炭灰は、それぞれ粒径等が異なり、コンクリートに配合した場合には、固化後の圧縮強度が、一般に1種が最も高くなり、2種、4種の順に低下するとされている。
次に、得られた固化物の試験体について、前記試験例(12)と同じ方法で圧縮強度を測定した。測定結果を表6に示す。
表6に示す測定結果から、CaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物によれば、石炭灰の種類に関わらず、高い圧縮強度を有する固化物を製造できるが、特に2種及び4種の石炭灰を配合した場合に固化物の圧縮強度が高くなることがわかる。
(18) 養生条件の異なる各種固化物の圧縮強度
Ca/Alモル比=5のCaCO3/Al(OH)3混合物を1000℃で焼成して得た焼成物と、石炭灰(JIS A6201 2種適合品)及び水とを、それぞれ100:100:154(質量比)の割合で配合し混練してペースト状物を調製した。次に、得られたペースト状物を4個の成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、これらのペースト状物が入った成形容器を下部に水を入れたデシケータ中に密閉し、デシケータごとそれぞれ40℃、60℃、75℃及び90℃に加熱した電気加熱器に入れ、水蒸気存在下で3日間静置することにより水蒸気養生し、表7に示す7-aから7-dの4種類の固化物の試験体を製造した。
得られた各試験体について、前記試験例(12)と同じ方法で圧縮強度を測定したところ、60℃以上の範囲で養生して製した試験体である7-b、7-c及び7-dは、いずれも約9N/mm2以上の高い圧縮強度を示した。
Ca/Alモル比=5のCaCO3/Al(OH)3混合物を1000℃で焼成して得た焼成物と、石炭灰(JIS A6201 2種適合品)及び水とを、100:100:154(質量比)または100:100:172(質量比)の割合で配合し混練して2種類のペースト状物を調製した。次に、得られた2種類のペースト状物をそれぞれ4個の成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、これらをビニール袋に入れて密閉し、表8に示す各所定期間室内(室温約25℃)に放置して、8-aから8-hの8種類の固化物の試験体を製造した。
得られた各試験体について、前記試験例(12)と同じ方法で圧縮強度を測定したところ、表8に示すとおり、放置期間の日数にほぼ比例して圧縮強度が高くなることがわかった。
(19) CaCO 3 /Al(OH) 3 混合物の焼成物を配合した各種固化物による重金属等イオンの溶出抑制
下記の方法により、重金属等を含むオキソ酸塩を付着させた石炭灰等を配合して各種固化物を製造し、これらの固化物からの重金属等イオンの溶出量を測定した。
1.重金属等を含むオキソ酸塩を付着させた石炭灰の調製
石炭灰(JIS
A6201 2種適合品)に、CrO3、H3BO3、Na2HAsO4・7H2O及びNa2SeO4を溶解させた各種オキソ酸塩の混合水溶液を噴霧して乾燥することにより、各種オキソ酸塩を付着させた石炭灰を調製した。オキソ酸塩の付着量は、表9に示すとおり0.1〜50mmol/100g-石炭灰の間で変化させ、付着量の異なる4種類の石炭灰を得た。
2.固化物の製造
得られた4種類の石炭灰と、Ca/Alモル比=5のCaCO3/Al(OH)3混合物を1000℃で焼成して得た焼成物及び水とを、表9の試験体9-b、9-d、9-f及び9-hの各欄に示す配合量(質量比)によって配合し、混練して4種類のペースト状物を調製した。また、オキソ酸塩を付着させていない石炭灰(JIS A6201 2種適合品)と、Ca/Alモル比=5のCaCO3/Al(OH)3混合物を1000℃で焼成して得た焼成物及び水とを、表9の試験体9-j欄に示す配合量(質量比)によって配合し混練してペースト状物を調製した。
これら5種類のペースト状物をそれぞれ成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、下部に水を入れたデシケータ中に密閉し、デシケータごと75℃に加熱した電気加熱器に入れ、水蒸気存在下で3日間静置することにより水蒸気養生し、5種類の固化物の試験体を製造した。
3.重金属等イオンの溶出量測定
得られた5種類の固化物をそれぞれ粉砕し、篩にかけて粒径2mm以下の粉砕物を得た。次いで、各粉砕物100gをそれぞれ脱イオン水1L中に懸濁させ、6時間振とうさせた後ろ過し、ろ液中に含まれるB、As及びSeの各濃度を、ICP発光分析装置(セイコーナノテクノロジー社製、品番SPS3100)を用いて測定した。また、Cr(六価クロム)の濃度を、工場排水試験方法(JIS K0102)に示された吸光光度法により、吸光光度計(日立製作所社製、品番U-2000)を用いて測定した。測定結果を表9の試験体9-b、9-d、9-f、9-h及び9-jの各欄に示す。
また、前記4種類のオキソ酸塩を付着させた石炭灰と、オキソ酸塩を付着させていない石炭灰について、各石炭灰100gをそれぞれ脱イオン水1L中に懸濁させ、6時間振とうさせた後ろ過し、ろ液中に含まれるB、As、Se及びCr(六価クロム)の各濃度を、前記と同じ方法により測定した。測定結果を表9の試験体9-a、9-c、9-e、9-g及び9-iの各欄に示す。
表9に示す測定結果から、CaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物を配合した固化物は、石炭灰に付着して固化物中に混入した重金属等イオンの溶出を、十分に抑制できることがわかる(試験体9-b、9-d、9-f、9-h及び9-j)。特に、石炭灰に付着した重金属等イオンの濃度が非常に高い場合(試験体9-b及び9-d)であっても優れた溶出抑制効果を示し、さらに、As及びCr(六価クロム)に対する溶出抑制効果が著しく高いことがわかる。
(20) セメントを配合した固化物による重金属等イオンの溶出抑制
下記の方法により、重金属等を含むオキソ酸塩を付着させた石炭灰とセメントとを配合して2種類の固化物を製造し、これらの固化物からの重金属等イオンの溶出量を測定した。
1.重金属等を含むオキソ酸塩を付着させた石炭灰の調製
前記試験例(19)と同じ方法により、石炭灰に各種オキソ酸塩(CrO3、H3BO3、Na2HAsO4・7H2O及びNa2SeO4)を10mmol/100g-石炭灰の割合で付着させた石炭灰を調製した。
2.固化物の製造
得られたオキソ酸塩を付着させた石炭灰と、アルミナセメント又はポルトランドセメントと水とを、それぞれ表10の試験体10-a及び10-bの各欄に示す配合量(質量比)によって配合し、混練して2種類のペースト状物を調製した。次に、これらのペースト状物をそれぞれ成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、下部に水を入れたデシケータ中に密閉し、デシケータごと75℃に加熱した電気加熱器に入れ、水蒸気存在下で3日間静置することにより水蒸気養生し、2種類の固化物の試験体を製造した。
3.重金属等イオンの溶出量測定
得られた2種類の固化物をそれぞれ粉砕し、篩にかけて粒径2mm以下の粉砕物を得た。次いで、各粉砕物100gをそれぞれ脱イオン水1L中に懸濁させ、6時間振とうさせた後ろ過し、ろ液中に含まれるB、As、Se及びCr(六価クロム)の各濃度を、前記試験例(19)と同じ方法により測定した。測定結果を表10の試験体10-a及び10-bの各欄に示す。
なお、表10には、前記試験例(19)で得られた試験体9-c及び9-dの測定結果も併せて記載した。
表10に示す測定結果から、アルミナセメント又はポルトランドセメントを配合した固化物は、石炭灰に付着して固化物中に混入した重金属等イオンの溶出をある程度抑制できるが、その効果は、CaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物を配合した固化物よりも低いことがわかる。
このように効果上の差異が生ずる理由は、CaCO3/Al(OH)3混合物の焼成物を配合した固化物は、各種セメントと同様に、水密な状態の固化物を形成して重金属等イオンを固化物内に封じ込めることができるだけでなく、各種セメントと異なり、重金属等イオンを吸着し不溶化させる特性を有することによると推定される。なお、かかる推定は本発明を限定するものではない。
(21) Ca(OH) 2 /Al(OH) 3 混合物の焼成物を配合して製造した固化物の圧縮強度
Ca/Alモル比=5のCa(OH)2/Al(OH)3混合物を1000℃で焼成して焼成物を得た。次いで、得られた焼成物と石炭灰(JIS A6201 2種適合品)と水とを、100:100:160(質量比)の配合量によって配合し混練してペースト状物を調製した。次に、ペースト状物を成形用容器(直径50mm×高さ100mmの円筒形状)に流し入れた後、下部に水を入れたデシケータ中に密閉し、デシケータごと75℃に加熱した電気加熱器に入れ、水蒸気存在下で3日間静置することにより水蒸気養生し、固化物の試験体を製造した。
得られた固化物の試験体について前記試験例(12)と同じ方法で圧縮強度を測定したところ、圧縮強度は6.9N/mm2と高い数値を示した。
(22) 試験例(1)〜(21)の総括
試験例(1)〜(6)より、Ca (OH)2又はCaCO3とAl(OH)3との混合物の焼成物を含む本発明の石炭灰用固化材は、CaO
、Ca(OH)2、Ca12Al14O33、CaAl4O7、CaAl2O4、Ca5Al6O14及びCa9Al6O18等の化合物を含有していることが理解できる。
また、試験例(7)〜(11)より、Ca (OH)2又はCaCO3とAl(OH)3との混合物の焼成物を含む石炭灰用固化材は、重金属及びその他の物質を含む陽イオン及び陰イオンを吸着し不溶化する特性を有することが理解できる。さらに、かかる特性は、前記混合物の焼成物において、CaとAlのモル比(Ca/Al)が2〜5の範囲であればより優れており、また、前記焼成物の焼成温度が600℃以上であればより優れていることが理解できる。
試験例(12)〜(14)より、CaCO3とAl(OH)3との混合物の焼成物を含む石炭灰用固化材と、石炭灰及び水とを配合して製造した固化物は、圧縮強度が高く丈夫であることが理解できる。かかる固化物の圧縮強度は、前記混合物の焼成物において、CaとAlのモル比(Ca/Al)が1〜10の範囲であればより高く、また、前記焼成物の焼成温度が800〜1200℃であればより高いことが理解できる。
さらに、前記石炭灰用固化材を配合した固化物は、アルミナセメントやポルトランドセメントを配合した固化物よりも圧縮強度が高く、特に、前記石炭灰用固化材の配合量を、その石炭灰用固化材に含まれる前記焼成物の質量がその焼成物と石炭灰の質量の合計に対して30〜60質量%となるように調整して製造した固化物は、アルミナセメントやポルトランドセメントを配合した固化物よりも、圧縮強度が格段に高いことが理解できる。
試験例(15)及び(16)より、CaCO3とAl(OH)3との混合物の焼成物を含む石炭灰用固化材を配合した固化物には、Ca(OH)2及びCa3Al2(SiO4)(OH)8等のアルミナセメントやポルトランドセメントを配合した固化物には含まれていない化合物が含まれており、また、前記石炭灰用固化材は、石炭灰に代えて砂を配合した場合に圧縮強度の高い固化物を製造することができないなど、アルミナセメントやポルトランドセメントとは異なる特性を有していることが理解できる。
試験例(17)より、CaCO3とAl(OH)3との混合物の焼成物を含む石炭灰用固化材によれば、使用する石炭灰の種類に関わらず、圧縮強度の高い固化物を製造できることが理解できる。
また、試験例(18)より、CaCO3とAl(OH)3との混合物の焼成物を含む石炭灰用固化材によれば、固化物を製造する際に、室温(約25℃)で静置して固化させることが可能であり、さらに、60℃以上の温度で水蒸気養生して固化させると、圧縮強度のより高い固化物を短期間で製造できることが理解できる。
試験例(19)及び(20)より、CaCO3とAl(OH)3との混合物の焼成物を含む石炭灰用固化材を配合した固化物は、石炭灰に付着して固化物中に混入した重金属等イオンの溶出抑制に効果があり、特に、石炭灰に付着した重金属等イオンの濃度が非常に高い場合であっても、十分な溶出抑制効果を示すことが理解できる。
また、前記石炭灰用固化材を配合した固化物の重金属等イオンの溶出抑制効果は、アルミナセメント又はポルトランドセメントを配合した固化物よりも格段に高いことが理解できる。
試験例(21)より、Ca(OH)2とAl(OH)3との混合物の焼成物を含む石炭灰用固化材は、前記のCaCO3とAl(OH)3との混合物の焼成物を含む石炭灰用固化材と同様に、石炭灰及び水を配合し混練して固化させることにより、圧縮強度が高い固化物を製造できることが理解できる。
本発明は、石炭灰及び水等と混合し任意形状に成形して強固に固化させることができ、また、重金属等を含む陽イオン及び陰イオンの溶出を抑制できる石炭灰用固化材を提供することに有用性が認められ、また、建築・土木材料等として広範な用途に利用できる固化物を製造する方法を提供することに有用性が認められる。

Claims (5)

  1. Ca(OH)2及びCaCO3の少なくとも一方とAl(OH)3との混合物を800〜1200℃で焼成して得たCaとAlのモル比(Ca/Al)が1〜10の範囲である焼成物を含み、ケイ酸カルシウムを含まないことを特徴とする石炭灰用固化材。
  2. 請求項1に記載の石炭灰用固化材と、石炭灰、水、及び必要に応じて砂、砂利又は顔料を、該石炭灰用固化材に含まれる前記焼成物の質量が該焼成物と前記石炭灰の質量の合計に対して30〜60質量%となるように、かつ前記水の質量が前記焼成物と前記石炭灰の質量の合計に対して0.6〜1.2(質量比)となるように配合し、混練しペースト状物とし、該ペースト状物を所定の形状に成形して固化させることを特徴とする固化物の製造方法。
  3. 前記ペースト状物を60℃以上の温度で水蒸気養生して固化させることを特徴とする請求項2に記載の固化物の製造方法。
  4. 前記固化物の圧縮強度を3.6N/mm 2 以上にすることを特徴とする請求項2又は3に記載の固化物の製造方法。
  5. 前記石炭灰に含まれるクロムイオン(Cr 3+ )、カドミウムイオン(Cd 2+ )、鉄イオン(Fe 3+ )、銅イオン(Cu 2+ )、及び鉛イオン(Pb 2+ )から成る群から選択される少なくとも一つの陽イオン、又は、前記石炭灰に含まれるホウ酸イオンB(OH) 4 、クロム酸イオン(CrO 4 2- )、亜ヒ酸イオン(AsO 2 )、セレン酸イオン(SeO 4 2- )、タングステン酸イオン(WO 4 2- )、及びモリブデン酸イオン(MoO 4 2- )から成る群から選択される少なくとも一つの陰イオンを不溶化することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の固化物の製造方法。
JP2012186987A 2012-08-27 2012-08-27 石炭灰用固化材及びそれを用いた固化物の製造方法 Active JP6059469B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012186987A JP6059469B2 (ja) 2012-08-27 2012-08-27 石炭灰用固化材及びそれを用いた固化物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012186987A JP6059469B2 (ja) 2012-08-27 2012-08-27 石炭灰用固化材及びそれを用いた固化物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014042881A JP2014042881A (ja) 2014-03-13
JP6059469B2 true JP6059469B2 (ja) 2017-01-11

Family

ID=50394562

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012186987A Active JP6059469B2 (ja) 2012-08-27 2012-08-27 石炭灰用固化材及びそれを用いた固化物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6059469B2 (ja)

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10259052A (ja) * 1997-03-21 1998-09-29 Matsushita Electric Works Ltd 無機硬化体の製造方法
JPH11228199A (ja) * 1997-11-13 1999-08-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 人工軽量骨材およびその製造方法
JP2000034148A (ja) * 1998-07-17 2000-02-02 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 人工軽量骨材の製造方法およびこの方法により得られた人工軽量骨材
JP2001348254A (ja) * 2000-06-02 2001-12-18 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 石炭灰による軽量骨材の製造方法
JP2002241166A (ja) * 2000-12-11 2002-08-28 Taiheiyo Cement Corp 水硬性組成物
JP3894732B2 (ja) * 2001-02-14 2007-03-22 株式会社カワシマ 多孔性セラミック粒子、およびその製造方法
JP4715991B2 (ja) * 2004-03-24 2011-07-06 戸田工業株式会社 フッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤
JP2006224025A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Toda Kogyo Corp フッ素及び/又はホウ素の不溶化方法
JP2006272144A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 重金属不溶化材及び重金属処理方法
JP4678229B2 (ja) * 2005-05-11 2011-04-27 戸田工業株式会社 重金属の不溶化剤、飛灰中重金属の不溶化方法
JP5081426B2 (ja) * 2006-10-25 2012-11-28 川崎重工業株式会社 石炭灰を原料とする粒状固化体の製造方法及びその装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014042881A (ja) 2014-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103396026B (zh) 白云石复合掺合料的制备方法及应用
CN105316001A (zh) 一种赤泥颗粒土壤修复剂及其制备方法
CN104072048B (zh) 利用碱渣制备建材及其产品的配方
KR101787416B1 (ko) 고비중 광물 미분과 유동층상 보일러 석탄회를 포함하는 자기 경화형 인공골재 및 그의 제조방법
CN102083764A (zh) 粘结剂组合物
KR101659257B1 (ko) 폐알루미늄 분진과 유동층상 보일러의 비산재를 이용한 아우인계 시멘트 조성물 및 그 제조방법
WO2012143221A1 (de) Mineralische zusammensetzung zur herstellung elektrischer heizschichten
KR101291725B1 (ko) 미생물을 이용한 탄산칼슘 미분말의 제조방법과, 이 제조방법에 의해 제조된 탄산칼슘 미분말을 함유하는 시멘트 몰탈
JP2012092180A (ja) 中性固化材用の添加材、中性固化材および重金属類の溶出抑制方法
Ribeiro et al. Influence of the addition of grinding dust to a magnesium phosphate cement matrix
KR101151605B1 (ko) 토목용 폐석고 블록 조성물,이를 이용한 폐석고 블록 및 그 제조 방법
US20050288174A1 (en) Construction material
KR101468899B1 (ko) 시멘트 조성물 및 콘크리트 조성물
WO2017116312A1 (en) Cement composition with layered double hydroxide
Luo et al. Preparation and characterization of ferrous oxalate cement—a novel acid‐base cement
CN109133775B (zh) 锂渣混配砂砾型水泥混凝土及其制备方法
JP6059469B2 (ja) 石炭灰用固化材及びそれを用いた固化物の製造方法
AU2020434972A1 (en) Method for producing a binder
KR100880587B1 (ko) 셀프 레베링 바닥몰탈재 제조방법
CN103466982A (zh) 一种改性石膏
CN110240438A (zh) 一种用于水泥基材料密实增强剂及其制备方法
CN102807333B (zh) 一种将含氟污泥制备硫铝酸盐水泥的方法
KR101068008B1 (ko) 슬러지를 이용한 건자재 및 이의 제조 방법
CN104129971A (zh) 一种基于磷酸钾镁胶粘剂的垃圾焚烧飞灰资源化方法
Kandeel et al. Effect of type of mixing water and sand on the physico–mechanical properties of magnesia cement masonry units

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6059469

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250