JP6058262B2 - 紫外線処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水中で紫外線を放射することにより、水中に存在する細菌やウイルス等の微生物のDNA(デオキシリボ核酸)を損傷させて増殖能力や感染力の喪失(以下、「不活化」という)を図るとともに、水中に溶存する物質の分子構造を変形または分解させる紫外線処理装置に関するものである。
塩素処理に代わる水の消毒技術として紫外線照射による細菌やウイルス等の微生物の不活化が普及している。
例えば、下水や農業集落排水等を処理するための汚水処理施設で得られた処理水は、公共水域に放流される前に、開水路に設置された紫外線処理装置より紫外線の照射を受けており、これにより、処理水中に残留する細菌等の微生物等は不活化されている。
また、浄水施設では、塩素で殺菌できない病原性微生物、例えばクリプトスポリジウムなどを不活化させるために、塩素が混和される前の処理水に紫外線の照射が行われる。
さらに、紫外線は塩素と異なり無味無臭であることから、天然水に紫外線を照射することで、天然水本来の風味を損なわずに安全性を確保することができる。
その他、漁業集落排水処理施設のように処理水の放流先が漁場や養殖場近郊である場合に、処理水中の残留塩素が周辺水域の環境に影響を及ぼすことが懸念されることから、塩素消毒の代替手段として紫外線処理を採用する例もある。
上述した様々な目的に応じた水処理施設において細菌やウイルス等の微生物の不活化に用いられる紫外線処理装置では、細菌等の微生物の不活化を確実に行うために、被処理水への紫外線照射を均一化する必要がある。
しかし、紫外線照射ランプを開水路あるいは管路に適切に配置し、被処理水への紫外線照射を均一化した場合においても、他の要因、例えば被処理水量の変動により紫外線照射ランプが発生する熱が適切に排熱されず、紫外線照射ランプ表面温度の上昇や紫外線処理装置の高温化による電気部品他への影響により紫外線照射を不均一化させることが懸念される。
また、紫外線照射ランプ表面の温度上昇は、紫外線照射ランプの焼付きを引き起こすという問題がある。被処理水量が一時的に低下し紫外線照射ランプが高温になった後に被処理水を導入すると、紫外線照射ランプの保護管等(例えば石英ガラス製)と被処理水との温度差により保護管が急激に収縮し破損するという問題がある。
特許文献1には、紫外線ランプの誘電体容器表面の温度上昇に対し、冷却用ファンを装置本体の外部に配置させることで誘電体容器の表面温度を一定以下に調整して紫外線透過率を維持する紫外線消毒装置が開示されている(段落0008、0011および図1参照)。
また、被処理水に存在する硬度成分等が紫外線照射を受けることで、紫外線照射ランプの表面に固着・堆積すると、その固着物または堆積物が被処理水への紫外線照射を妨げてしまうという問題が生じていた。
特許文献2には、空気噴射口を有し、噴射された空気によって被処理水を攪拌し、紫外線発生管に付着した付着物を離脱除去させる方法と装置が開示されている(段落0010および図1参照)。
特開2009−95724号公報 特開平7−100461号公報
本発明者は、本発明に想到するに際して、少なくとも以下に記載する課題を認識していた。
(1)特許文献1に開示された紫外線消毒装置では、紫外線ランプの誘電体容器表面の温度上昇を抑制するために冷却装置を設けることにより、その紫外線消毒装置の部品点数が増えて、装置全体が大型となり、且つ部品交換や保守点検が複雑となるという課題があった。また、冷却装置を機能させるエネルギーが別途必要となるという課題もあった。
(2)空気噴射口を有し、噴射された空気によって被処理水を攪拌することで紫外線発生管に付着物を脱離除去させる特許文献2に開示された方法は、開水路においては簡便な装置となるが、管路では高い圧力で空気を押込む必要があり、結果として大量の空気を注入するため空気抜き弁では対応ができず、別途空気抜き設備を設ける必要があるという課題があった。
(3)上記(1)の特許文献2に開示された方法は、被処理水や空気の流れによる物理的な除去方法であるが、固着・堆積した硬度成分を除去するには力が不十分であるため、より強力な物理的あるいは化学的な除去方法が必要となるという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、管路を流れる被処理水に効率よく、しかも確実に紫外線を照射して細菌やウイルス等の微生物を不活化できると共に、部品点数が少なく、コンパクトで部品交換や保守点検を容易に行うことができ、且つ省エネルギーである紫外線処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る紫外線処理装置は、流入側フランジおよび流出側フランジを有し、保護管に収容された紫外線照射ランプが配設されたリアクターに流入水を導入し、紫外線を照射する紫外線処理装置において、前記リアクター内には、受光部を有する紫外線センサー、および前記保護管の表面を清掃する清掃具が配設され、且つ、前記リアクターには、前記清掃具を駆動させる駆動機が設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る紫外線処理装置は、前記清掃具は、薬液注入口を有し、保護管を包み込む環状部材、保護管に接触する清掃環、および清掃環を支持する清掃環支持部材を備えたことを特徴とするものである。
本発明に係る紫外線処理装置は、前記リアクター内の水位を検知する水位センサー、および/または前記リアクター内の水温を測定する水温センサーを備えたことを特徴とするものである。
本発明に係る紫外線処理装置は、前記紫外線照射ランプと前記紫外線センサーは、引抜き方向を同一に配設されていることを特徴とするものである。
本発明に係る紫外線処理装置は、前記リアクターには、前記リアクター内の水を排出する排水口が配設されていることを特徴とするものである。
本発明に係る紫外線処理装置によれば、前記リアクター内に、受光部を有する紫外線センサー、および保護管の表面を清掃する清掃具を配設し、且つ、前記リアクターに、前記清掃具を駆動させる駆動機を設けるよう構成したので、紫外線センサーにより、所定量であることが検知された紫外線照射ランプの照射する紫外線を、駆動機により駆動された清掃具によって表面を清掃された保護管を通じてリアクター内の被処理水に、均一に且つ安定して照射できる効果がある。
本発明に係る紫外線処理装置によれば、前記清掃具に、薬液注入口を有し、保護管を包み込む環状部材、保護管に接触する清掃環、および清掃環を支持する清掃環支持部材を備えるよう構成したので、保護管に付着した付着物を駆動機により駆動される環状部材の清掃環での掻落としという物理的な清掃に加え、薬液による化学的な清掃を行うことができる効果がある。
本発明に係る紫外線処理装置によれば、前記リアクター内の水位を検知する水位センサー、および/または前記リアクター内の水温を測定する水温センサーを備えるよう構成したので、次のような優れた作用効果を奏する。
(1)リアクター内の被処理水から保護管が露出している状態で紫外線照射ランプを点灯してしまうことにより生じる紫外線照射ランプの焼付きを防止できる効果がある。
(2)リアクター内の被処理水から保護管が露出している状態で紫外線照射ランプを点灯してしまうことにより高温化するリアクターへの作業員等の接触による事故を防止できる効果がある。
(3)リアクター内の被処理水から保護管が露出している状態で紫外線照射ランプを点灯してしまうことにより生じる保護管の温度上昇と、温度上昇した保護管と被処理水との温度差による保護管の破損を防止できる効果がある。
本発明に係る紫外線処理装置によれば、前記紫外線照射ランプと前記紫外線センサーを、引抜き方向が同一になるよう配設したので、紫外線照射ランプと前記紫外線センサーの引抜きスペースや保守点検作業用スペースを紫外線処理装置の片側にまとめることができ、紫外線照射ランプ等の交換や保守点検作業を効率よく行うことができる効果がある。
本発明に係る紫外線処理装置によれば、前記リアクターに、前記リアクター内の水を排出する排水口を配設したので、次のような優れた作用効果を奏する。
(1)紫外線照射ランプへの給電から所定の紫外線強度に達するまでの時間(以下、「点灯準備中」という)において、紫外線照射ランプにより温度上昇したリアクター内の被処理水を排水口から排出することで、リアクター内に高い温度の被処理水が滞留することによる紫外線照射ランプの焼付きを防止できることになる。
(2)部品交換や保守点検の作業前にリアクター内の水を排水口から排出することにより、リアクター内を空にすることができるので、紫外線照射ランプや紫外線センサーを保護する保護管をリアクターから取り外す際に床や交換部品等を濡らすことがなくなるため、作業を容易にすることができる効果がある。
(3)紫外線照射ランプの点灯準備中にリアクター内に流入した、紫外線処理の不十分な被処理水を排水口から排出することにより、紫外線処理の不十分な被処理水が流出側フランジから流出することを防ぐことができる効果がある。
本発明の実施の形態1による紫外線処理装置の全体構成を、一部を破断して示す上面図である。 本発明の実施の形態2による紫外線処理装置のリアクター内に配設される掃除具および保護管の構成を示す斜視図である。 図2に示した掃除具の環状部材の構成を分解して示す斜視図である。 本発明の実施の形態3による紫外線処理装置のリアクターに取り付けられた水位センサーおよび温度センサーの構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4による紫外線処理装置のリアクターから紫外線センサーおよび紫外線照射ランプが同一方向に引き抜かれた状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態5による紫外線処理装置のリアクターに設けられた排水口の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態6による紫外線処理装置のリアクター内に取り付けられた紫外線照射ランプおよび紫外線センサーの配置構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態7による紫外線処理装置のリアクター内に取り付けられた紫外線照射ランプおよび紫外線センサーの配置構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態8による紫外線処理装置のリアクター内に取り付けられた紫外線照射ランプおよび紫外線センサーの配置構成を示す側面図である。 本発明による紫外線処理装置を表流水以外の水(井水、伏流水等)に対する水処理(塩素消毒のみ)に適用した実施例1を示すフロー図である。 本発明による紫外線処理装置を表流水以外の水(井水、伏流水等)に対する水処理(緩速ろ過および塩素消毒)に適用した実施例2を示すフロー図である。 本発明による紫外線処理装置を表流水以外の水(井水、伏流水等)に対する水処理(マンガン砂ろ過および塩素消毒)に適用した実施例3を示すフロー図である。 本発明による紫外線処理装置を表流水に対する水処理(凝集沈殿、急速ろ過および塩素消毒)に適用した実施例4(マルチバリア)を示すフロー図である。 本発明による紫外線処理装置を表流水に対する水処理(凝集、急速ろ過および塩素消毒)に適用した実施例5(マルチバリア)を示すフロー図である。 本発明による紫外線処理装置を表流水に対する水処理(緩速ろ過および塩素消毒)に適用した実施例6(マルチバリア)を示すフロー図である。 本発明による紫外線処理装置を表流水に対する水処理(膜ろ過および塩素消毒)に適用した実施例7(マルチバリア)を示すフロー図である。 本発明による紫外線処理装置を産業排水または生物処理水等に対する促進酸化処理に適用した実施例8を示すフロー図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による紫外線処理装置の全体構成を、一部を破断して示す上面図である。なお、以下の説明において、紫外線処理の対象となる水を被処理水または流入水という。
この実施の形態1による紫外線処理装置1は、管路Pの途中に配設されて、管路Pを流れる被処理水に紫外線を照射して被処理水中に存在する細菌やウイルス等の微生物を不活化するものである。管路Pには、種々の水処理施設内で一連の浄化処理が施された被処理水が流入する。この紫外線処理装置1は、図1に示すように、管路Pとの接続が可能な流入側フランジ2aおよび流出側フランジ2bを互いに対向する位置に備えた外周部2cを有する有底円筒状のリアクター2と、このリアクター2の開口端2dを液密状態に封止する円板状の封止プレート3と、リアクター2内の被処理水に紫外線を照射する長尺の紫外線照射ランプ4と、この紫外線照射ランプ4からの紫外線強度を計測する受光部5aを有する紫外線センサー5と、リアクター2内で水平方向に延在され、かつ、紫外線照射ランプ4および紫外線センサー5をそれぞれ個別に収容する有底円筒状で長尺の保護管6と、この保護管6上をその長さ方向(水平方向)に沿って往復移動して保護管6の外周表面を清掃する清掃具7と、この清掃具7を駆動させる駆動機8と、紫外線照射ランプ4および清掃具7を制御する制御器9とから概略構成されている。
リアクター2の流出側フランジ2b側には、リアクター2から流出する被処理水の水位を検知する水位センサー10と、リアクター2から流出する被処理水の水温を測定する水温センサー11が取り付けられている。さらに、リアクター2には、リアクター2内の被処理水を排出する排水口12が形成されている。
封止プレート3は、リアクター2内に収容された状態の保護管6の基部を液密に固定するとともに、駆動機8の長尺の雄ネジ8aを回転可能に支持するものである。この封止プレート3の中央部には、雄ネジ8aを受け入れる貫通孔(図示せず)が形成されており、この実施の形態1における貫通孔(図示せず)の周囲には、4本の保護管6を収容する4つの収容孔(図示せず)が形成されている。
この実施の形態1では、リアクター2内へ流入する被処理水の流れ方向に直交する方向(図1の矢印A方向に直交する方向)に沿ってリアクター2内に配設された保護管6内に2本の紫外線照射ランプ4がそれぞれ個別に収容されている。同様に、2本の紫外線センサー5も、図1の矢印A方向に直交する方向に沿ってリアクター2内に配設された保護管6内にそれぞれ個別に収容されている。この場合、被処理水で満管となったリアクター2内に流入した被処理水は、紫外線照射ランプ4および紫外線センサー5を収容する保護管6の間を縫うように流れることになる。
紫外線照射ランプ4としては、例えば、中圧水銀ランプが望ましいが、低圧水銀ランプやLEDランプ等でもよい。
紫外線照射量は、紫外線照射ランプ4からの紫外線の強度と被処理水に対する紫外線の照射時間との積(紫外線照射量mJ/cm=mWs/cm=紫外線強度mW/cm×照射時間s)として算出される。この実施の形態1では、10mJ/cm以上となる条件で照射することが望ましい。紫外線照射ランプ4からの紫外線の強度は、経時的に減衰していくから、被処理水に対して必要とされる紫外線照射量を確保していることを確認するために、紫外線センサー5は紫外線照射ランプ4からの紫外線の強度を常時、モニターしている。このため、紫外線センサー5の受光部5aの位置は、紫外線照射ランプ4からリアクター2内の被処理水中に照射される紫外線の強度およびその強度分布を正確にモニターするために、リアクター2内での紫外線照射ランプ4の位置や設置本数などを考慮して決められることが望ましい。このような紫外線センサー5により紫外線強度の減衰を把握しておき、所定値に近づいた場合には、例えば、紫外線照射ランプ4を交換することができる。また、紫外線照射ランプ4からの紫外線の強度が細菌やウイルス等の微生物を不活化するに十分なレベル以上であっても、紫外線照射ランプ4を覆う保護管6の外周表面に硬度成分系の付着物が付着している場合には、被処理水が受ける紫外線照射量が実質的に減衰するため、保護管6の外周表面を常に清掃しておく必要がある。この状態も、紫外線センサー5の計測データを利用して把握することができる。
保護管6は、紫外線照射ランプ4からの紫外線を透過するに十分な透明度を有する石英ガラス製のスリーブであり、その内部に収容する紫外線照射ランプ4および紫外線センサー5を被処理水から保護し、紫外線照射ランプ4および紫外線センサー5の破損を防止するとともに、紫外線照射ランプ4と保護管6との間に形成される空間を石英ガラスを通じて被処理水により冷却して紫外線照射ランプ4の過熱を防止するものである。このような保護管6の基部は、封止プレート3の収容孔(図示せず)内に片持ち梁状に固定されており、保護管6の先端部は、リアクター2の底部2e近傍に延在している。
保護管6の外周表面を清掃する清掃具7は、複数の収容孔(図示せず)を有する略円板状の部材であり、これらの収容孔に紫外線照射ランプ4および紫外線センサー5の保護管6を収容する。また、清掃具7は、その中心部に雌ネジの形成された雌ネジ孔(図示せず)を有し、リアクター2の中心軸に沿って形成される雄ネジ8aに回転可能に接続されている。
封止プレート3の外側には、駆動機8が取り付けられており、その雄ネジ8aは、リアクター2の底部2eまで水平方向に沿って延在しており、その先端部分は底部2e上に回転可能に支持されている。この駆動機8内には、雄ネジ8aを正逆方向に回転させるモータ(図示せず)が設けられている。このモータ(図示せず)により正逆方向に回転する雄ネジ8aの回転力が雌ネジ孔(図示せず)に伝わると、清掃具7は、雄ネジ8aの長さ方向に沿って、すなわち、保護管6の長さ方向に往復移動するように構成されている。
制御器9と駆動機8の外部に取り付けられた端子ボックス13内の各端子(図示せず)とは、配線14を介して電気的に接続されており、端子ボックス13内の各端子(図示せず)は、紫外線照射ランプ4、紫外線センサー5、駆動機8、水位センサー10、水温センサー11および清掃具の位置センサー7e(図示せず)に接続されている。
次に動作について説明する。
まず、紫外線照射ランプ4の点灯中に、リアクター2内の被処理水中に照射されている紫外線の強度は、紫外線センサー5により、常時、モニターされている。
次に、制御器9により制御された駆動機8のモータ(図示せず)を間欠的に駆動させる。これにより、清掃具7は、保護管6の外周表面上を摺動しながら往復移動する。この往復移動中に、清掃具7の収容孔(図示せず)内のワイパー(図示せず)により、保護管6の外周表面上に付着していた硬度成分系の付着物を物理的に除去する。なお、紫外線センサー5による紫外線の強度等の計測データに基づいて、駆動機8のモータを駆動させる間隔を設定しても良い。
この実施の形態1では、清掃具7の移動により、同時に4本の保護管6の外周表面から付着物を物理的に除去できるので、その付着物により減衰していた保護管6を透過する紫外線の強度の減衰分を回復させることができるから、2本の紫外線照射ランプ4からの紫外線を、その強度を減衰させずに、そのまま被処理水に照射できるとともに、その強度を2本の紫外線センサー5により正確に検知することができるようになる。
なお、この実施の形態1では、図1に示すように、リアクター2内の被処理水中に水平方向に延在される保護管6内に紫外線センサー5の受光部5aが設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、リアクター2の内壁面など、リアクター2内に付設してもよい。この場合には、保護管6内に紫外線センサー5を収容する必要がないため、その保護管6内に、紫外線センサー5に代えて、紫外線照射ランプ4を配設できるから、紫外線照射ランプ4の設置本数を増やすことができる。
また、この実施の形態1では、1つの制御器9により紫外線照射ランプ4の点灯または消灯のタイミングおよび紫外線照射ランプ4の出力を制御しているが、例えば、清掃具7の駆動タイミングを制御するように構成してもよい。
また、図1には、1つの管路Pの途中に1つの紫外線処理装置1を接続した構成が示されているが、必要に応じて、複数の紫外線処理装置1を接続してもよい。例えば、1つのリアクター2の流入側フランジ2aと他のリアクター2の流出側フランジ2bを順次、連続的に接続して形成された組立体を1つの管路Pの途中に配設させるように構成してもよい。その場合には、1つの制御器9により、複数の紫外線照射ランプ4の点灯または消灯のタイミングおよび清掃具7の駆動タイミングを制御するように構成してもよい。
以上のように、この実施の形態1によれば、流入側フランジ2aおよび流出側フランジ2bを有し、保護管6に収容された紫外線照射ランプ4が配設されたリアクター2内に、受光部5aを有する紫外線センサー5、および保護管6の外周表面を清掃する清掃具7を配設し、且つ、リアクター2に、清掃具7を駆動させる駆動機8を設けるよう構成したので、紫外線センサー5により、所定量であることが検知された紫外線照射ランプ4の照射する紫外線を、駆動機8により駆動された清掃具7によって表面を物理的に清掃された保護管6を通じてリアクター2内の流入水(被処理水)に、均一に且つ安定して照射できる効果がある。
実施の形態2.
図2は本発明の実施の形態2による紫外線処理装置のリアクター内に配設される掃除具および保護管の構成を示す斜視図であり、図3は図2に示した掃除具の環状部材の構成を分解して示す斜視図であり、図1と同一の構成要素には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態2による紫外線処理装置1は、保護管6の外周表面を物理的および化学的に清掃する清掃具7を備えた点で、実施の形態1と異なる。
この実施の形態2における清掃具7は、図2に示すように、駆動時の水流抵抗を軽減するために外周縁部に沿って複数の凹み7aが形成された略円板状の部材である。この清掃具7の中央部には、駆動機8の雄ネジ8aと螺合可能な雌ネジ(図示せず)を内周面に有する1つの雌ネジ孔7bが形成されている。また、清掃具7には、雌ネジ孔7bの周囲に保護管6を摺動可能に収容するための2種類の収容孔が形成されている。1つ目の収容孔7cは、保護管6の外径よりも大きな内径を有する円形状の孔であり、図2には、3つの収容孔7cが示されている。この収容孔7c内には、紫外線照射ランプ4を収容するための保護管6の外周表面を清掃する後述の環状部材が装着可能である。2つ目の収容孔7dは、収容孔7cとは異なり、紫外線センサー5を収容するための保護管6の外周表面を清掃する円筒状の孔であり、略円板状の清掃具7に立設されている。この収容孔7dの内周面には、清掃用の部材(図示せず)が配設されている。この実施の形態2では、雌ネジ孔7bの近傍に位置センサー7eが取り付けられている。この位置センサー7eは、リアクター2における清掃具7の位置を常時、モニターするものである。位置センサー7eとしては、リアクター2内の基準位置からの清掃具7までの距離を測定するものであれば、周知の位置検出手段を使用可能であるが、清掃具7が移動する環境(紫外線、水、高温等)を勘案すると、これらの影響を受けずに、清掃具7の位置を正確に検出できるものであることが望ましい。さらに、清掃具7には、清掃具7の駆動時に、水流抵抗を軽減する水抜き孔7fが形成されている。なお、紫外線照射ランプ4または紫外線センサー5等を収容しない収容孔7cおよび7dも、清掃具7の駆動時に、水抜き孔としての役割を果たすこともできる。
環状部材15は、図3に示すように、略円筒状の本体15aと、この本体15aの他端側(図2において有底円筒状の保護管6の開口側または基部側)の開口の外周縁部から当該本体15aの軸線方向に沿って延在し、かつ、互いに上下方向に離間する一対の薬液注入ノズル15bと、本体15aの内側に一体に形成された内筒部15cとから概略構成されている。また、本体15aの内周面には、その内周の全周にわたって延在し、かつ、薬液注入ノズル15bと連通する凹所(図示せず)が形成されている。この凹所(図示せず)は、本体15aの内周面の一部をくり抜いて形成されてもよく、あるいは、複数の部材を組み合わせた際に部材間に形成される間隙として形成されてもよい。この凹所(図示せず)と保護管6の外周表面との間には、環状部材15内に保護管6が挿通されている状態で、薬液注入ノズル15bから注入された薬液を保持する間隙(図示せず)が形成される。なお、必要に応じて、本体15aの内周面に1つまたは2つ以上の溝を設けることにより、凹所(図示せず)の容積を大きくして、清掃に使用されるに十分な量の薬液を貯留または保持して、清掃効率を向上させるようにしてもよい。
薬液注入ノズル15bから環状部材15内に注入される薬液としては、保護管6の外周表面に固着し堆積する鉱物成分(例えば、鉄、カルシウムおよびマンガン等の無機物)を効率よく溶解できるゲル状の燐酸系洗浄剤であることが望ましい。例えば、ジャクリン・インダストリーズ・インク(カナダ国オンタリオ州)製の製品名アクティクリーンゲルNSFなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、環状部材15の内筒部15c内に保護管6が挿通された状態で、環状部材15の両端側から内筒部15内にリング状の清掃環16および清掃環支持部材17が配設されて組み立てられる。この組立て状態で、収容孔7c内に保護管6を挿通させてから、環状部材15の一端側(図2において有底円筒状の保護管6の底部側または先端側)を清掃具7に接触させる。この状態で、環状部材15は清掃具7にネジ等により固定される。また、清掃環16および清掃環支持部材17は、保護管6の外周表面を包み込むに十分な内径を有している。外側の清掃環16は保護管6の外周表面上を摺動する際に、当該外周表面に接触して清掃するワイパーとして作用するものであり、内側の清掃環支持部材17は清掃環16用のベアリングである。
この実施の形態2では、清掃環16による清掃時に、間隙(図示せず)内に注入された薬液が保護管6の外周表面に移行して保護管6の外周表面に固着し堆積する鉱物成分を溶解する。すなわち、清掃具7の往復移動時において、保護管6の外周表面上を摺動する環状部材15の清掃環16による物理的な清掃と薬液による化学的な清掃を同時に行うことができる。
以上のように、この実施の形態2によれば、清掃具7に、薬液注入ノズル15bを有しかつ保護管6を包み込む環状部材15、保護管6に接触する清掃環16、および清掃環16を支持する清掃環支持部材17を備えるよう構成したので、保護管6に付着した付着物を駆動中の環状部材15の清掃環16での掻落としという物理的な清掃に加え、薬液による化学的な清掃を行うことができる効果がある。
実施の形態3.
図4は本発明の実施の形態3による紫外線処理装置のリアクターに取り付けられた水位センサーおよび温度センサーの構成を示す斜視図であり、図1〜図3と同一の構成要素には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態3による紫外線処理装置1は、リアクター2の流出側フランジ2b側に水位センサー10および水温センサー11を設けた構成を有している。
水位センサー10および水温センサー11の各プローブ(図示せず)は、リアクター2の外周部2cの上方位置から被処理水中に延在されており、計測データは制御器9に送信されるように構成されている。
この実施の形態3では、水位センサー10がリアクター2の流出側フランジ2b側に設けられている。これにより、リアクター2内に流入した被処理水により流入側の部位で水位の変動が生じた場合であっても、リアクター2内の水位を計測することができる。また、水温センサー11がリアクター2の流出側フランジ2b側に設けられている。これにより、リアクター2内に流入した流入側フランジ2a側の被処理水の温度をリアクター2内の水温として計測してしまうことを回避して、紫外線処理の行われた流出側フランジ2b側の被処理水の温度を計測することができる。このように、水位センサー10や水温センサー11を流出側フランジ2bに設けることが好ましいが、他の位置に設けてもよいことはもちろんである。
なお、この実施の形態3における封止プレート3の中央部には、雄ネジ8a(図1参照)を回転可能に受け入れる貫通孔3aが形成されている。また、封止プレート3の貫通孔3aの周囲には、複数の収容孔3b、3cが形成され、必要に応じて、紫外線照射ランプ4およびその保護管6、紫外線センサー5およびその保護管6を収容する(図5の説明において詳細を後述する)。なお、使用されない収容孔(この場合は2つの収容孔3b)は、円板状の蓋部材3dにより液密に閉塞されている。
以上のように、この実施の形態3によれば、リアクター2内の水位を検知する水位センサー10およびリアクター2内の水温を測定する水温センサー11を備えるよう構成したので、リアクター2内の被処理水から保護管6が露出している状態で紫外線照射ランプ4を点灯することを回避し、紫外線照射ランプ4の焼付きを防止でき、高温化するリアクター2への作業員等の接触による事故を防止でき、さらに、保護管6の温度上昇と、温度上昇した保護管6と被処理水との温度差による保護管6の破損を防止できる効果がある。
実施の形態4.
図5は本発明の実施の形態4による紫外線処理装置のリアクターから紫外線センサーおよび紫外線照射ランプが同一方向に引き抜かれた状態を示す斜視図であり、図1〜図4と同一の構成要素には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態4による紫外線処理装置1は、1つの封止プレート3に固定した保護管6内に収容して、紫外線照射ランプ4と紫外線センサー5を同一の方向(図5の矢印B方向)に引き抜けるよう配設した構成を有している。なお、図5は、引き抜かれた紫外線照射ランプ4と紫外線センサー5をそれぞれ収容している保護管6も引き抜かれた状態を示しているが、これは、引抜き方向の説明のための表現であり、実際の紫外線照射ランプ4と紫外線センサー5の交換時には保護管6を引き抜く必要はなく、むしろ、保護管6を引き抜かずにリアクター2内に収容したままの状態で、紫外線照射ランプ4と紫外線センサー5を引き抜くこともできる。
この実施の形態4においては、封止プレート3の左側位置に形成した収容孔3bに、1つの紫外線センサー5および保護管6を収容し、封止プレート3の右側位置に形成した収容孔3bに、1つの紫外線照射ランプ4および保護管6を収容している。保護管6を収容しない上側および下側位置に形成した収容孔3bは、円板状の蓋部材3dにより液密に閉塞されている。なお、収容孔3c内に紫外線センサー5を収容してもよい。
以上のように、この実施の形態4によれば、1つの封止プレート3に固定した保護管6内に収容して、紫外線照射ランプ4と紫外線センサー5を引抜き方向が同一になるよう配設したので、紫外線照射ランプ4と紫外線センサー5の引抜きスペースや保守点検作業用スペースを紫外線処理装置1の片側すなわちリアクター2の開口端2d側の封止プレート3にまとめることができ、紫外線照射ランプ等の交換や保守点検作業を効率よく行うことができる効果がある。
実施の形態5.
図6は本発明の実施の形態5による紫外線処理装置のリアクターに設けられた排水口の構成を示す斜視図であり、図1〜図5と同一の構成要素には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態5による紫外線処理装置1は、リアクター2に、リアクター2内の被処理水を排出する排水口12を流入側フランジ2a側上部および流出側フランジ2b側下部に配設した構成を有している。
排水口12は、図6に示すように、パッキン18を介在させてキャップ19により閉塞され、さらに、クランプ20によりキャップ19が排水口12に固定される。このクランプ20の使用により、比較的容易に排水口12の開閉を行うことができる。さらに、排水口12に接続される排水管の取付を容易に行うことができる。
以上のように、この実施の形態5によれば、リアクター2に、リアクター2内の被処理水を排出する排水口12を配設したので、次のような優れた作用効果を奏する。
(1)紫外線照射ランプ4への給電から所定の紫外線強度に達するまでの点灯準備中において、紫外線照射ランプ4により温度上昇したリアクター2内の流入水を排水口12から排出することで、リアクター4内に高い温度の流入水が滞留することによる紫外線照射ランプ4の焼付きを防止できる効果がある。
(2)部品交換や保守点検の作業前に、リアクター2内の被処理水を排水口12から排出することにより、リアクター2内を空にすることができるので、紫外線照射ランプ4や紫外線センサー5をリアクター2から取り外す際に床や交換部品等を濡らすことがなくなるため、作業を容易にすることができる効果がある。
(3)紫外線照射ランプ4の点灯準備中にリアクター2内に流入した、紫外線処理の不十分な被処理水を排水口12から排出することにより、紫外線処理の不十分な被処理水が流出側フランジ2bから流出することを防ぐことができる効果がある。
実施の形態6.
図7は本発明の実施の形態6による紫外線処理装置のリアクター内に取り付けられた紫外線照射ランプおよび紫外線センサーの配置構成を示す側面図であり、図1〜図6と同一の構成要素には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態6による紫外線処理装置1は、封止プレート3に1本の紫外線照射ランプ4と1つの紫外線センサー5を備えた構成を有している。この場合の紫外線センサー5は、1本の紫外線照射ランプ4からの紫外線の強度を常時、モニターするものである。なお、紫外線照射ランプ4を収容しない場合、封止プレート3の収容孔は、略円板状の蓋部材3eにより液密に閉塞されている。また、紫外線センサー5を収容しない場合、封止プレート3の収容孔は、円板状の蓋部材3fにより液密に閉塞されている。
以上のように、この実施の形態6によれば、封止プレート3に1本の紫外線照射ランプ4と1つの紫外線センサー5を備えたので、紫外線照射ランプ4からの紫外線の強度およびその強度分布を常時、正確に把握することができ、清掃時、交換時等を容易に設定することができる効果がある。
実施の形態7.
図8は本発明の実施の形態7による紫外線処理装置のリアクター内に取り付けられた紫外線照射ランプおよび紫外線センサーの配置構成を示す側面図であり、図1〜図7と同一の構成要素には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態7による紫外線処理装置1は、封止プレート3に2本の紫外線照射ランプ4と2つの紫外線センサー5を備えた構成を有している。この場合、1つの紫外線センサー5を1本の紫外線照射ランプ4の近傍に配設しているので、各紫外線照射ランプ4からの紫外線の強度を近傍の紫外線センサー5により常時、モニターすることができる。なお、紫外線照射ランプ4を収容しない場合、封止プレート3の収容孔は、略円板状の蓋部材3eにより液密に閉塞されている。
以上のように、この実施の形態7によれば、封止プレート3に2本の紫外線照射ランプ4と2つの紫外線センサー5を備えたので、2本の紫外線照射ランプ4からの紫外線の強度およびその強度分布を常時、正確に把握することができ、清掃時、交換時等を容易に設定することができる効果がある。
実施の形態8.
図9は本発明の実施の形態8による紫外線処理装置のリアクター内に取り付けられた紫外線照射ランプおよび紫外線センサーの配置構成を示す側面図であり、図1〜図8と同一の構成要素には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態8による紫外線処理装置1は、封止プレート3に4本の紫外線照射ランプ4と2つの受光部を備えた2つの紫外線センサー5を備えた構成を有している。この場合、1つの紫外線センサー5を2本の紫外線照射ランプ4の間に配設しているので、2本の紫外線照射ランプ4からの紫外線の強度を2つの受光部を備えた1つの紫外線センサー5により常時、モニターすることができる。
以上のように、この実施の形態8によれば、封止プレート3に4本の紫外線照射ランプ4と2つの紫外線センサー5を備えたので、4本の紫外線照射ランプ4からの紫外線の強度およびその強度分布を常時、正確に把握することができ、清掃時、交換時等を容易に設定することができる効果がある。
実施例1.
図10は本発明による紫外線処理装置を表流水以外の水(井水、伏流水等)に対する水処理(塩素消毒のみ)に適用した実施例1を示すフロー図である。
この実施例1における紫外線処理は、表流水以外の水(井水、伏流水等)に対する水処理から得られる処理水に対して一般的な塩素消毒が行われる前に、その塩素消毒では対応できない耐塩素性病原性微生物の不活化を目的として行われる。この場合、原水は、着水井21から本発明による紫外線処理装置1に導入され、この原水に対する紫外線照射によって、例えば、クリプトスポリジウム等の不活化を行った後に、塩素混和池22において次亜塩素酸ナトリウム等の塩素剤が混和され、浄水として配水される。
実施例2.
図11は本発明による紫外線処理装置を表流水以外の水(井水、伏流水等)に対する水処理(緩速ろ過および塩素消毒)に適用した実施例2を示すフロー図である。
この実施例2における紫外線処理も、表流水以外の水(井水、伏流水等)に対する水処理から得られる処理水に対して一般的な塩素消毒が行われる前に、その塩素消毒では対応できない耐塩素性病原性微生物の不活化を目的として行われる。
緩速ろ過池23を備えた浄水設備において、緩速ろ過処理水の濁度が0.1度を下回らない場合、クリプトスポリジウム等対策としては不十分であると認められており、ろ過設備を強化するか、紫外線処理を行う必要がある。一般に緩速ろ過池23には大きな濾過面積が必要であり、浄水施設敷地面積の制限からろ過設備を強化(設備拡張)することは容易ではないが、本発明による紫外線処理装置1によって緩速ろ過処理水を紫外線処理することでクリプトスポリジウム等対策がなされる。この場合、原水は、着水井21から緩速ろ過池23を経て本発明による紫外線処理装置1に導入され、このろ過水に対する紫外線照射によって、例えば、クリプトスポリジウム等の不活化を行った後に、塩素混和池22において次亜塩素酸ナトリウム等の塩素剤が混和され、浄水として配水される。
実施例3.
図12は本発明による紫外線処理装置を表流水以外の水(井水、伏流水等)に対する水処理(マンガン砂ろ過および塩素消毒)に適用した実施例3を示すフロー図である。
この実施例3における紫外線処理も、表流水以外の水(井水、伏流水等)に対する水処理から得られる処理水に対して一般的な塩素消毒が行われる前に、その塩素消毒では対応できない耐塩素性病原性微生物の不活化を目的として行われる。
マンガン砂ろ過は凝集作用を伴わないため、クリプトスポリジウム等対策として認められておらず、ろ過方法を変更するか、後段に紫外線処理を施す必要がある。本発明による紫外線処理装置1は浄水施設の前段処理の処理方式にかかわらず適用が可能である。この場合、原水は、着水井21から撹拌機24、マンガン砂ろ過槽25を経て本発明による紫外線処理装置1に導入され、このろ過水に対する紫外線照射によって、例えば、クリプトスポリジウム等の不活化を行った後に、塩素混和池22において次亜塩素酸ナトリウム等の塩素剤が混和され、浄水として配水される。
実施例4.
図13は本発明による紫外線処理装置を表流水に対する水処理(凝集沈殿、急速ろ過および塩素消毒)に適用した実施例4(マルチバリア)を示すフロー図である。
この実施例4は、表流水から取水された水の処理に本発明による紫外線処理装置1を補完的に適用することで、表流水に対するクリプトスポリジウム等対策の多重化(マルチバリア)に対応したものである。
凝集沈殿槽26と急速ろ過装置27と塩素混和池22を備えた浄水施設に本発明による紫外線処理装置1を適用している。この場合、原水は、凝集剤とともに、凝集沈殿槽26に投入され、急速ろ過装置27を経て本発明による紫外線処理装置1に導入され、この急速ろ過水に対する紫外線照射によって、例えば、クリプトスポリジウム等の不活化を行った後に、塩素混和池22において次亜塩素酸ナトリウム等の塩素剤が混和され、浄水として配水される。
実施例5.
図14は本発明による紫外線処理装置を表流水に対する水処理(凝集、急速ろ過および塩素消毒)に適用した実施例5(マルチバリア)を示すフロー図である。
この実施例5も、表流水から取水された水の処理に本発明による紫外線処理装置1を適用することで、表流水に対するクリプトスポリジウム等対策の多重化(マルチバリア)に対応したものである。
凝集機28と急速ろ過装置27と塩素混和池22を備えた浄水施設に本発明による紫外線処理装置1を適用している。この場合、原水は、凝集剤とともに、凝集機28に投入され、急速ろ過装置27を経て本発明による紫外線処理装置1に導入され、この急速ろ過水に対する紫外線照射によって、例えば、クリプトスポリジウム等の不活化を行った後に、塩素混和池22において次亜塩素酸ナトリウム等の塩素剤が混和され、浄水として配水される。
実施例6.
図15は本発明による紫外線処理装置を表流水に対する水処理(緩速ろ過および塩素消毒)に適用した実施例6(マルチバリア)を示すフロー図である。
この実施例6も、表流水から取水された水の処理に本発明による紫外線処理装置1を適用することで、表流水に対するクリプトスポリジウム等対策の多重化(マルチバリア)に対応したものである。
着水井21と緩速ろ過池23と塩素混和池22を備えた浄水施設に本発明による紫外線処理装置1を適用している。取水源が異なるだけで図11に示した実施例2と処理工程は同じである。
実施例7.
図16は本発明による紫外線処理装置を表流水に対する水処理(膜ろ過および塩素消毒)に適用した実施例7(マルチバリア)を示すフロー図である。
この実施例7も、表流水から取水された水の処理に本発明による紫外線処理装置1を適用することで、表流水に対するクリプトスポリジウム等対策の多重化(マルチバリア)に対応したものである。
着水井21と膜ろ過装置29と塩素混和池22を備えた浄水施設に本発明による紫外線処理装置1を適用している。この場合、原水は、着水井21から膜ろ過装置29を経て本発明による紫外線処理装置1に導入され、この膜ろ過水に対する紫外線照射によって、例えば、クリプトスポリジウム等の不活化を行った後に、塩素混和池22において次亜塩素酸ナトリウム等の塩素剤が混和され、浄水として配水される。
実施例8.
図17は本発明による紫外線処理装置を浄水、産業排水または生物処理水等に対する促進酸化処理に適用した実施例8を示すフロー図である。
この実施例8は、酸化剤を添加され、混合された原水に紫外線照射を行うことで強力な酸化力(分解力)を持つヒドロキシルラジカルを発生させて汚濁物質を分解する促進酸化法(AOP)に、本発明による紫外線処理装置1を応用した応用例である。
この実施例8では、生物処理され、懸濁物質(SS)や溶解性汚濁物質(BOD等)が低減化された産業排水において、活性汚泥法等の通常の生物処理では分解しきれなかった汚濁物質(難分解性物質)や着色物質(色度成分)を添加した酸化剤と本発明による紫外線処理装置1からの紫外線の照射により促進酸化する。この場合、原水は、酸化剤とともに、混合機30を経て本発明による紫外線処理装置1に導入され、この混合水に対する紫外線照射によって、通常の生物処理では分解しきれなかった汚濁物質(難分解性物質、臭気物質)や着色物質(色度成分)を分解した後、処理水槽31を経て放流または供給される。
酸化剤は、例えば、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素剤および過酸化水素など水に溶解し易いものが好ましい。オゾンを酸化剤として用いる場合は排水へのオゾン溶解装置および排オゾン処理装置を設ける。水自体も紫外線照射を受けてヒドロキシルラジカルを発生するが、次亜塩素酸塩、過酸化水素およびオゾンと比較してその発生量は少ない。水中で紫外線を光触媒に照射することでヒドロキシルラジカルを発生させる場合、紫外線照射を受ける光触媒の表面積を大きくすることが望ましい。
この実施例8では、発光波長185nm(ナノ・メートル)の光源を用い、紫外線照射量は30mJ/cm以上となる条件で照射することが望ましい。光源は中圧水銀ランプが望ましいが、発光波長185nm付近の光を発光できるものであれば、例えば、低圧水銀ランプやLEDランプ等でもよい。また、発光波長は185nmに限定されず、例えば285nm以下の波長であればよい。
本発明に係る紫外線処理装置は、上述した細菌やウイルス等の微生物を不活化する用途以外にも、例えばオゾンや過酸化水素などの酸化剤を併用することによりヒロドキシルラジカル等を発生させ、強力な酸化作用を必要とする物質の分解などにも用いることができる。
1 紫外線処理装置、2 リアクター、2a 流入側フランジ、2b 流出側フランジ、2c 外周部、2d 開口端、3 封止プレート、3a 貫通孔、3b、3c 収容孔、
3d、3e、3f 蓋部材、4 紫外線照射ランプ、5 紫外線センサー、
5a 受光部、6 保護管、7 清掃具、7a 凹み、7b 雌ネジ孔、
7c、7d 収容孔、7e 位置センサー、7f 水抜き孔、8 駆動機、
8a 雄ネジ、9 制御器、10 水位センサー、11 水温センサー、12 排水口、13 端子ボックス、14 配線、15 環状部材、
15a 本体、15b 薬液注入ノズル、15c 内筒部、16 清掃環、
17 清掃環支持部材、18 パッキン、19 キャップ、20 クランプ、
21 着水井、22 塩素混和池、23 緩速ろ過池、
24 撹拌機、25 マンガン砂ろ過槽、26 凝集沈殿槽、27 急速ろ過装置、
28 凝集機、29 膜ろ過装置、30 混合機、31 処理水槽

Claims (4)

  1. 流入側フランジおよび流出側フランジを有し、
    保護管に収容された紫外線照射ランプと、
    前記紫外線照射ランプから照射される紫外線を受光する受光部を有し前記保護管とは別の保護管に収容された紫外線センサーとを有し、
    前記保護管に収容された紫外線照射ランプと前記別の保護管に収容された紫外線センサーとが配設されたリアクターに、流入水を導入し、
    紫外線を照射する紫外線処理装置において、
    前記リアクター内には、
    前記紫外線照射ランプを収納した前記保護管の表面を清掃する、略円筒状の本体、
    前記本体の内側に一体に形成された内筒部、
    前記本体の他端側の開口の外周縁部から当該本体の軸線方向に沿って延在し、かつ、互いに上下方向に離間する一対の薬液注入ノズル、
    前記本体の内周の全周にわたって延在し、かつ、前記薬液注入ノズルと連通する凹所、
    前記凹所と前記紫外線照射ランプを収容する前記保護管の外周表面との間に薬液注入ノズルから注入された薬液を保持する間隙、
    前記本体の両端側から前記内筒部内に配設されるリング状の清掃環および清掃環支持部材から構成される環状部材の装着可能な前記保護管を摺動可能に収容する該保護管の外径よりも大きな内径を有する円形状の孔、
    および前記紫外線センサーを収容した前記別の保護管の外周表面を清掃する円筒状の孔が形成され、
    外周縁部に沿って複数の凹みが形成された略円板状の清掃具が配設され、
    且つ、
    前記リアクターには、前記清掃具を駆動させる駆動機
    が設けられていることを特徴とする紫外線処理装置。
  2. 前記リアクター内の水位を検知する水位センサー、
    および/または
    前記リアクター内の水温を測定する水温センサー
    を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の紫外線処理装置。
  3. 前記紫外線照射ランプと
    前記紫外線センサーは、
    引抜き方向を同一に配設されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線処理装置。
  4. 前記リアクターには、
    前記リアクター内の水を排出する排水口が配設されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の紫外線処理装置。
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