JP6056672B2 - 端子ユニットおよび電子機器 - Google Patents

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Description

本開示の技術は、給電手段との接触により電子機器に給電させる端子ユニットおよび電子機器に関する。
携帯電話機や携帯情報処理装置などの電子機器は、たとえば内蔵された充電池の充電を行うためにケースから露出された端子部品をクレードルなどに設置された端子に接触させることが知られている。このようにケースの外部に露出させる端子部品には、設置部分からケースの内部に水分や異物が混入する可能性があるので、パッキンなどの止水構造を設けることが知られている。
このような止水構造に関し、接触する導電性部材の周囲に弾性部材が設置され、この弾性部材が電子部品の挿入時に筐体の端子や開口部の周囲に圧接させて防水部を形成するものが知られている(たとえば、特許文献1)。
特開2010−182602号公報
充電用の端子ユニットは、止水構造として、本体部の周囲にOリングなどの付加部品を設置し、そのOリングをケースの開口部に圧入させることで隙間を埋めていた。しかし端子ユニットは、電子機器の小型化や薄型化に伴って小型化され、本体部に対する付加部品の嵌め込み作業が困難となり、部品の製造または電子機器の組立ての作業時間を要する。また、作業者の熟練度も影響し、Oリングが適正な位置に設置されない場合や、ねじれが生じることで、止水機能が低減してしまう可能性もあった。
このようなOリングなどの付加部品を利用せずに端子ユニットの設置位置で止水を行うために、端子ユニットの本体部をケースに圧入させ、弾性変形させるものがある。しかし本体部は、ケースとの接触状態によって端子ユニットの全体に亘って均一に変形しない場合、ケースとの間に隙間が生じるなど、止水機能の低下や止水機能が発揮できなくなる可能性があるという課題がある。
また本体部が不均等に変形すると、内部に設置した端子の配置位置にずれが生じて、設置される基板側の給電端子などのケース内の端子に対して適切な状態で接触しなくなるおそれがある。電子機器は、端子と給電端子とが接触しない、または接触圧力が設定通りにとれない状態になると、端子を通じて行われる充電機能の低下や充電が行えなくなるという課題がある。
そこで、本開示の技術の目的は上記課題に鑑み、端子ユニットの端子と外部端子およびケース内部の端子との接続状態の安定化および端子ユニットの止水機能の維持を図ることにある。
上記目的を達成するため、本開示の構成の一側面は、電子機器のケースに形成された開口部内に設置される端子ユニットであって、本体部と、端子とを備える。本体部は、開口部内への圧入により弾性変形する。端子は、外部端子と接触させる第1の端子部と、ケース内の端子と接触させる第2の端子部とを含み、一部が本体部内に配置されて本体部の外形形状に応じて成形されている。そして、端子は、第1の端子部と第2の端子部とを導通させる導通部と、導通部の第1の端部側を第2の端部側に向けて延伸させ、第2の端部側の辺に対して対向方向から特定の角度で隣接させることで第2の端部側の辺を補強する補強辺部が含まれる。
本開示の端子ユニットまたは電子機器の構成によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 端子ユニットの本体部に対する支持能力の安定化が図れる。
(2) 本体部の圧縮状態を均一化でき、電子機器の止水性の維持および端子同士の接続状態の安定化が図れる。
そして、本開示の技術の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
第1の実施の形態に係る端子ユニットの外観構成例を示す図である。 端子ユニットの内部構成例を示す図である。 端子の構成例を示す図である。 端子ユニットがケース側から加圧された状態例を示す図である。 端子ユニットからケースに対する力の状態例を示す図である。 端子ユニットの成形工程の一例を示す図である。 端子の他の構成例を示す図である。 第2の実施の形態に係る電子機器の構成例を示す図である。 電子機器の分解構成例を示す図である。 図8のX−X線断面を示す図である。 電子機器の給電機能の構成例を示す図である。 電子機器に対する充電状態の一例を示す図である。 他の実施の形態に係る端子の構成例を示す図である。 他の実施の形態に係る端子の構成例を示す図である。 他の実施の形態に係る端子の構成例を示す図である。 他の実施の形態に係る端子ユニットの外観構成例を示す図である。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る端子ユニットの外観構成例を示し、図2は端子ユニットの内部構成例を示している。図1、図2に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
図1に示す端子ユニット2は、本開示の端子ユニットの一例であり、たとえば携帯電話機やPC(Personal Computer)などの電子機器に設置され、端子の一端に接触した外部機器と電子機器とを導通させる手段の一例である。この端子ユニット2は、たとえば電子機器外の給電手段と、電子機器の給電部とを導通させて内部バッテリに対する給電させるほか、外部電子機器との間でデータ通信などに用いられてもよい。端子ユニット2は、たとえば外装ケース4や、外装ケース4の一面に形成された開口窓20から露出させた外部端子8、外装ケース4の他の面から外部に向けて露出させた内部端子10が含まれる。この外部端子8と内部端子10は、端子部品6(図3)として一体に形成されている。
外装ケース4は、本開示の本体部の一例であり、たとえば内部に一体に成形される端子部品6を保持する。また、外装ケース4は、たとえば図示しない電子機器のケースに形成された開口部内に圧入されることで、端子ユニット2とケースとの接触部分における異物の混入を阻止するガスケットとして機能する。外装ケース4は、開口部への圧入によって弾性変形するほか、端子部品6と導通させないものとして、たとえばシリコンラバーやエラストマなどの弾性部材で形成される。
外装ケース4は、たとえば設置される電子機器の開口部の形状に応じて外周形状が形成され、この外周部分を電子機器のケースに圧入させることで嵌合状態となる。また、外装ケース4は、たとえば上面側から外部端子8を露出させる開口窓20が形成される。また、この開口窓20が形成された面の反対側の面には、図示しない開口部が形成され、端子部品6の内部端子10を突出させる。
端子部品6は、本開示の端子の一例であり、外部端子8と内部端子10とを通じて外部機器と電子機器との間で導通させる。端子部品6は、図2のAに示すように端子ユニット2の内部に複数個設置されており、たとえば充電用の正極(+極)端子と負極(−極)端子として利用される。この端子部品6は、たとえば本体部である外装ケース4の中心に対して左右対称に配置されている。そのほか、データ情報や制御信号などを送受信するための端子を備えてもよい。端子部品6は、導通させるために板金部材で形成されるほか、たとえば剛性を持った部材の周縁に導電材料をメッキ加工してもよく、または導電性ポリマーなどの樹脂材料で形成されてもよい。
端子部品6は、たとえば一定の厚さの平板部材で形成され、この平板部材の曲げ加工によって成形される。端子部品6は、たとえば外装ケース4の外形の一部に沿って成形された第1の端子辺部12−1、第2の端子辺部12−2、第3の端子辺部12−3が含まれる。これらの端子辺部12−1、12−2、12−3は、たとえば連結部分を屈曲させているので、3つの端子辺部12−1、12−2、12−3により外装ケース4の内部が部分的に包囲されている。また、第2の端子辺部12−2は、たとえば端子辺部12−3側に向けて折曲げられた第1の支持辺部14と、さらにその先端側が端子辺部12−3に隣接する方向に折曲げられた第2の支持辺部16を備えている。
この支持辺部16は、たとえば図2のBに示すように、端子辺部12−3に対して平行または所定の角度を持つように折曲げられている。端子ユニット2は、外装ケース4と端子部品6とを一体化し、その密着性を高めることで、接合部分を通じて異物が混入するのを阻止するため、たとえばインサート成形を利用して形成すればよい。
<端子部品6の構成例について>
端子部品6は、たとえば第2の端子辺部12−2の上面側の一部を第3の端子辺部12−3側および上部側を延伸させた支持辺部22を備えるとともにその先端部分に第1の端子部として外部端子8が形成されている。また第3の端子辺部12−3は、たとえば一部を下方側に向けて延伸させ、その先端側に端子ユニット2の外周方向に向け、第3の端子辺部12−3に対して直角またはそれに近い角度で、第2の端子として内部端子10が形成されている。これにより、外部端子8と内部端子10は、たとえば図2のBに示すように、端子ユニット2の異なる面に配置されるほか、端子辺部12−2、12−3と異なる高さに配置される。これらの端子辺部12−1、12−2、12−3は、たとえば内側から外装ケース4を支持する機能のほか外部端子8と内部端子10とを導通させる導通部として機能する。
第1の支持辺部14は、たとえば導通部の第1の端部である端子辺部12−2の先端部PAから所定の角度として、直角方向に折曲げられ、導通部の第2の端部である端子辺部12−3の先端部PB側に向けて延伸させて形成される。この支持辺部14は、たとえば端子辺部12−2に対する押圧などに対抗して外装ケース4を内部から支持する部品の一例である。
第2の支持辺部16は、たとえば端子辺部12−3の先端部PBの近傍において支持辺部14から折り曲げられて形成される。そして支持辺部16は、端子辺部12−3に対して所定の角度で対向して配置される。支持辺部16は、端子辺部12−3の先端部PB側から端子辺部12−1に向けて延伸されて形成されおり、端子辺部12−3との間で互いに先端部分がそれぞれの連結部分に近接するように形成されている。端子部品6は、たとえば支持辺部16を端子辺部12−3の内側に巻き込ませ、略螺旋形状に形成されている。
支持辺部16は、端子辺部12−1に接触しない長さに設定され、端子辺部12−3と同等または短く形成される。また、支持辺部16と端子辺部12−3との配置距離は、たとえば間に介在させる弾性部材の大きさやケース30の開口部32(図4)から受ける外力Fの大きさのほか、支持辺部16の材質や外径などによる支持強度などをそれぞれ考慮し、またはこれらの条件の組み合わせに基づいて設定されればよい。この第1の支持辺部14と第2の支持辺部16は、たとえば端子辺部12−3を外部からの押圧に対して補強する本開示の補強辺部の一例である。この端子部品6は、導通部の一部である端子辺部12−1、12−2、12−3と補強辺部である支持辺部14、16とを対抗させて螺旋状に配置している。
なお、支持辺部16は、端子辺部12−3に対して内周側に巻き込むように折曲げられたが、これに限られず、たとえば端子辺部12−3を内側に巻き込むように、外周側に折り曲げられてもよい。
<端子ユニット2に対する押圧状態について>
図4は、端子ユニット2がケース側から加圧された状態例を示し、図5は、ケース側に対する力の状態例を示している。図4および図5に示す力の作用位置や方向などは一例である。
端子ユニット2は、図4に示すように2つの端子部品6が左右対称に配置されている。そして端子部品6は、支持辺部14同士を対向させるとともに端子辺部12−1、12−2、12−3が外周側に向けて配置され、その周縁が外装ケース4で覆われて端子部品2を形成する。外装ケース4を形成する樹脂材料は、端子辺部12−1、12−2、12−3で包囲された部分や端子辺部12−3と支持辺部16との対向空間内にも充填される。
そして端子ユニット2は、たとえば電子機器などのケース30に形成された開口部32内に設置される。この端子ユニット2の外装ケース4は、たとえば開口部32の外形に合わせて形成されるとともに、この開口部32の大きさ(開口径)に対して同等または大きく形成されている。これにより外装ケース4は、端子ユニット2が開口部32に対して圧入されることで、たとえば周縁側が開口部32から外力Fで押圧される。外力Fは、端子ユニット2の外装ケース4と開口部32との接触圧力の一例であり、外装ケース4と開口部32との接触部分の形状誤差などにより、全周面で圧力が一定にならない場合がある。
<端子ユニット2による押圧の状態例について>
この端子ユニット2は、開口部32から受ける外力Fによって端子部品6の位置、より具体的には、外部端子8および内部端子10の配置位置を変位させないことを目的としている。そこで端子ユニット2は、外装ケース4の弾性力によって外力Fを吸収させるとともに、端子部品6の剛性および端子部品6を形成する端子辺部12−1、12−2、12−3および支持辺部14、16間で押圧し、支持し合うことより、端子ユニット2の変位や端子部品6の変形を抑える。すなわち端子部品6は、外部端子8と内部端子10とを導通させる機能部品であるとともに、その形状により外装ケース4の内部から外装ケース4を支持し、外装ケース4の剛性を高める機能部品である。
図5に示す端子ユニット2は、たとえば外装ケース4の周縁に付加された外力Fに対し、端子辺部12−1、12−2、12−3が端子ユニット2の内部側から外装ケース4を支持する。そして、外装ケース4は、外力Fにより変形すると、端子6の剛性を加えた復元力FVを開口部32側に作用させる。このとき端子辺部12−1は、たとえば両端側を、方向が異なる端子辺部12−2、12−3によって支持されることで外装ケース4に対して剛性を発揮する。端子辺部12−2は、両端側を、端子辺部12−1、支持辺部14によって支持されて剛性を発揮する。
端子辺部12−3は、一端側が端子辺部12−1によって支持されるが、他端側は自由端となっており、所謂片持ち梁の状態となっている。そのため端子辺部12−3は、たとえば外力Fが付加されると、端子辺部12−1との連結部分を作用点として自由端側に変位が生じる可能性がある。これに対し、端子辺部12−3に隣接して配置された支持辺部16は、たとえば端子辺部12−3の背面側から外装ケース4の一部を介して端子辺部12−3を支持する。このとき端子辺部12−3と支持辺部16との間には、充填された外装ケース4の復元力や圧縮剛性と、支持辺部16の剛性による合力NAが作用する。
支持辺部16は、一端を支持辺部14から屈曲させて形成され、他端側を自由端に形成した所謂片持ち梁の状態であるが、端子辺部12−3の自由端の近傍に支持辺部14からの屈曲部分が形成されている。また支持辺部16の先端(自由端)側は、端子辺部12−3と端子辺部12−1との連結部分の近傍に配置されている。
これにより支持辺部16は、たとえば介在した樹脂材料により変位が小さい屈曲部分、またはその近傍部分で、変位が大きい自由端となっている端子辺部12−3の先端部PBを支持でき、合力NAを作用させて端子辺部12−3の変位を抑える。このとき支持辺部16は、たとえば端子部品6が備える剛性を基準に、想定される外力Fや支持辺部14との間に作用する曲げモーメントなどを考慮して長さが設定されればよい。
また端子ユニット2は、たとえば外装ケース4内に配置された2つの端子部品6同士が対向させた支持辺部14同士およびその間に充填された樹脂材料により支持し合っている。端子ユニット2には、たとえば端子部品6同士を近接させる方向に作用する力Fに対し、支持辺部14間に合力NBが作用して、端子部品6同士の配置位置や間隔が維持される。この合力NBには、たとえば外装ケース4の復元力や圧縮剛性のほか、支持辺部14の剛性が含まれる。
端子ユニット2は、このような開口部32側に対して作用する復元力FVとともに、端子辺部12−3に作用する合力NA、支持辺部14同士に作用する合力NBにより、外部端子8や内部端子10の配置位置の変位や端子部品6の変形が阻止される。また、外装ケース4に作用するこれらの力により、外装ケース4は、開口部32に対する密着状態を維持させることができる。
<端子ユニット2の成形処理について>
図6は、端子ユニット2の成形工程の一例を示している。図6に示す成形処理手順や成形手段は一例である。
端子ユニット2は、たとえば端子部品6の周囲に樹脂材料を射出したインサート成形によって形成される。図6のAに示す射出成形機40は、たとえばインサート部品を載置する載置部42を備え、その周囲に成形部分の外形を決める型部品44が設置される。この型部品44には、たとえば樹脂材料が充填される空間として型部46や、インサート部品の一部であって、樹脂材料内に埋没させない部分を配置させる退避部47が含まれる。型部品44には、たとえば一部に形成された充填孔から射出器48によって溶解した樹脂材料が充填される。
端子ユニット2の成形では、図6のBに示すように、折曲げ加工により予め成形された端子部品6が、載置部42上に載置される。この端子部品6は、たとえば外装ケース4の内側に配置され、かつ一面側を樹脂材料から露出させる外部端子8を載置部42に密着させている。外装ケース4の成形段階において、端子部品6同士の配置位置や端子ユニット2の外装面から内部側への端子部品6の配置位置などが設定される。端子部品6は、たとえば樹脂材料の充填により配置位置のずれなどを防止するため、図示しない固定手段が利用されるほか、たとえば載置部42に対して剥離可能な接着手段などが利用されてもよい。
端子部品6が載置部42に設置されると、図6のCに示すように型部品44の内部に射出器48によって樹脂材料が充填される。そして、図6のDに示すように、一定時間の経過の後に型部品44が載置部42から外されると、端子ユニット2が完成する。
<端子ユニット2の他の構成例について>
図7に示す端子ユニット2は、たとえば端子辺部12−3に対して支持辺部16を所定の各度θをもって配置させた場合を示している。この端子ユニット2によっても、支持辺部16が端子辺部12−3との間に介在した外装ケース4の樹脂材料により端子辺部12−3を支持している。この場合、端子辺部12−3を支持する合力NAは、たとえば介在する弾性部材の量によって増減し、この樹脂材料の量は、端子辺部12−3と支持辺部16との間の幅により決定される。
支持辺部16は、端子辺部12−3に対して配置角度θを持たせることで、たとえば端子辺部12−3の先端部PB側との幅を幅L1で形成し、また端子辺部12−1と端子辺部12−3との連結部分側との幅を幅L2に設定する。このとき、支持辺部16の角度θにより、幅L1>幅L2の関係としており、端子辺部12−3の先端部PB側に多くの樹脂材料が充填され、合力NAを大きくすることができる。
このように支持辺部16は、端子辺部12−3に対する配置角度を調整することで、端子辺部12−3に対する支持力を調整してもよい。また、支持辺部16は、配置角度と成形長さとを組み合わせて調整し、外力Fに対する支持力を調整してもよい。
なお、図7に示す端子部品6は、支持辺部16のみを角度を変えて形成した場合を示したが、これに限られない。端子部品6は、たとえば端子辺部12−3側に支持辺部16に対して角度を持たせてもよく、または端子辺部12−3と支持辺部16に共に角度を設定してもよい。
斯かる構成によれば、端子ユニット2の外装ケース4に対する支持能力を安定化させ、外力Fに対して外装ケース4の変位や変形および端子部品6の配置位置の変位などを防止できる。また、外装ケース4の内部において、端子部品6の形状、および支持辺部14、16により端子辺部の一部を支持することで外装ケース4の圧縮状態を均一化でき、外部端子8や内部端子10を利用した接続状態を安定化できる。また、外装ケース4を開口部32の形状に対して密着させることで電子機器への止水機能の維持が図れる。
〔第2の実施の形態〕
図8は第2の実施の形態に斯かる電子機器の構成例を示しており、図9は、電子機器の内部部品の構成例を示している。図8、図9に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
図8に示す携帯端末装置50は、本開示の電子機器の一例であり、たとえば携帯電話機や携帯型PCや携帯ゲーム機などが含まれる。この携帯端末装置50は、たとえばリアパネル52の一部に複数の端子孔54A、54Bが開口されており、この内部に端子ユニット2が収納されている。
端子孔54A、54Bは、たとえば携帯端末装置50の内部に設置された端子ユニット2の外部端子8を露出させて、図示しない外部部品の端子と接触させる開口部の一例である。端子孔54A、54Bは、たとえばリアケース56(図9)に設置された端子ユニット2の設置位置に合わせて開口されている。
<携帯端末装置50の構成例>
携帯端末装置50は、たとえば図9に示すようにリアパネル52、リアケース56、フロントケース58を備えており、リアケース56とフロントケース58が接合されるとともに、リアケース56の背面側にリアパネル52が装着される。リアパネル52は、携帯端末装置50の外装パネルの一例である。リアケース56とフロントケース58は、携帯端末装置50の筐体の一例であり、内部に携帯端末装置50の機能部品が収納される。
リアケース56は、たとえば平面部分の一部に開口部60が形成され、その内部に端子ユニット2が圧入され、固定される本開示の開口部の一例である。開口部60の形成位置は、たとえば圧入される端子ユニット2の使用用途に応じて設定されてもよい。端子ユニット2は、たとえば図示しない充電池に対して、外部の給電手段と導通させる充電端子として利用される。そのため端子ユニット2は、たとえばリアケース56の充電池の設置位置に近い部分に配置される。
フロントケース58は、たとえば携帯端末装置50の内部側に、電子部品が実装された基板62を保持するほか、前面側に図示しないLCD(Liquid Crystal Display)ユニットやタッチパネル、またはキー入力操作部などが設置されてもよい。基板62には、たとえば携帯端末装置50をコンピュータとして機能させる電子部品のほか、端子ユニット2の内部端子10A、10Bと接触させて導通する給電端子64が実装されている。この基板62には、たとえば充電池に対する給電制御を行う部品が実装され、この給電端子64との間で給電回路が形成されている。
そのほかリアケース56は、たとえばフロントケース58に固定させるためにネジなどの固定部品68が利用されており、リアケース56の周縁部分には、固定部品68を挿通させるための挿通孔66が形成されてもよい。
<端子ユニット2の設置状態について>
図10は、携帯端末装置50内の端子ユニット2の設置状態例を示している。図10に示す構成は一例である。
端子ユニット2は、リアケース56の開口部60内に圧入されると、外部端子8Aが開口部54Aに合わせて配置され、リアパネル52から露出される。また端子ユニット2は、たとえば底部側の外部端子10Aが基板62上の給電端子64と接触する。この端子ユニット2は、上記実施の形態に示すように、開口部60の周縁側から外装ケース4側に対して作用する外力Fに対して端子辺部12−2や端子辺部12−3と支持辺部16、外装ケース4の復元力FVによって開口部60内に密着して設置される。また端子辺部12−3は、支持辺部16によって端子ユニット2の中央側から支持され、内部端子10が外力Fによって変位するのを阻止している。
<端子ユニット2を利用した携帯端末装置50の給電機能の構成例について>
携帯端末装置50には、たとえば図11に示すように、充電端子である端子ユニット2を介して給電回路が形成される。端子ユニット2の内部端子10A、10Bは、給電端子64に接触して導通している。この給電端子64は、たとえば基板62に形成された給電制御部70に接続されており、充電池に給電する給電部72に接続される。給電制御部70は、たとえば給電部72に対して充電処理の実行制御を行うものであり、携帯端末装置50のプロセッサなどを含む制御回路によって形成される。また給電制御部70は、たとえば給電部72に対する給電のON/OFFの切替えや電圧値、電流値を調整する回路で形成されてもよい。
給電部72は、たとえば充電池に対する給電手段の一例であり、充電池との接触により給電させる端子を含む回路などで形成されればよい。
<携帯端末装置50の充電状態例について>
携帯端末装置50に対する充電処理では、たとえばクレードル(Cradle)などの充電装置80が利用される。充電装置80は、たとえば携帯端末装置50を載置させる載置部82や給電部84が含まれる。給電部84には、たとえば充電装置80の筐体内部に設置され、外部の商用電源などから取り込んだ電力の電圧や電流などを調整する給電制御部86を備えてもよい。
そして給電制御部86は、たとえば端子部品88A、88Bが載置部82側に向けて突出されている。端子部品88A、88Bは、載置部82に載置された携帯端末装置50の端子孔54A、54Bの位置に合わせて設置されており、端子孔54A、54Bの内部に挿通することで、端子ユニット2の外部端子8A、8Bに接触される。これにより、携帯端末装置50の給電制御部70は、端子ユニット2を介して充電装置80と導通し、給電を受ける。
斯かる構成によれば、端子ユニット2は、リアケース56の開口部60への圧入に対して、端子部品6の配置位置の変位を生じさせないことで、外部端子8A、8Bを充電装置80の端子部品88A、88Bに対して、設定した位置や状態を維持して接触させることができる。
〔その他の実施の形態〕
以上説明した実施の形態について、変形例を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態では、端子ユニット2が給電端子として利用される場合を示したが、これに限られない。端子ユニット2は、たとえば外部の電子機器などに対して接触端子を介して給電させるほか、データ通信などを行ってもよい。
(2) 上記実施の形態では、内部端子10が端子辺部12−3に対して端子ユニット2の外縁側に向けて突出させる場合を示したが、これに限られない。端子部品6の端子辺部12−3は、たとえば図13に示すように、内部端子10を支持辺部16側に向けて突出させてもよい。この内部端子10は、たとえば端子辺部12−3と支持辺部16との間を広く設定し、その間に収納される長さに形成してもよく、または端子辺部16の下方を通過させるように形成してもよい。内部端子10は、たとえば接触させる基板62の端子位置に合わせて形成方向や形成長さを設定すればよい。
斯かる構成によっても、端子辺部12−3は、外力Fによる押圧に対し、支持辺部16の剛性や、支持辺部16との間の外装ケース4の一部である樹脂材料の弾性力との合力NAによって支持される。これにより端子部品6は、端子ユニット2が電子機器の開口部に圧入された場合でも、内部端子10の位置の変位や変形を阻止でき、導通機能を維持させることができる。
(3) 上記実施の形態では、端子辺部12−3に内部端子10が形成される場合を示したがこれに限られない。図14に示す端子部品90は、たとえば他の端子部品と対向して隣接させる支持辺部14の一端を屈曲させて端子辺部92を形成し、その下方側に内部端子94を形成してもよい。また端子ユニット2の外装ケース4の一部に沿って形成される端子辺部12−3は、端子辺部92の外面側に配置される。
この端子部品90は、たとえば外部端子8が形成された端子辺部12−2から支持辺部14を通じて、内部端子94が形成された端子辺部92に導通している。すなわち、端子辺部12−2、支持辺部14、内部端子94が本開示の導通部として機能する。また端子辺部12−1は、導通部の第1の端部として端子辺部12−2の先端部PAから、導通部の第2の端部として、端子辺部92の先端部PB側に向けて延伸されている。そして端子辺部12−1は、端子辺部92の先端部PB側の近傍において、端子辺部12−3が形成されている。この端子辺部12−3は、端子辺部92に対して所定の角度で隣接するように延伸されている。これにより端子辺部12−1、12−3は、端子辺部92に対する補強辺部として利用してもよい。
この端子辺部12−3は、たとえば端子ユニット2に作用する外力Fに対し、端子辺部12−3の剛性および端子辺部92との間に介在する樹脂材料の復元力との合力NAにより、端子辺部92の変位や変形を阻止する。また端子辺部12−3、92の合力NAにより図示しない外装ケース4の復元力を均一化させることで、端子ユニット2の変形や変位を防止できる。これにより端子ユニット2と電子機器との密着状態を維持でき、電子機器の止水機能を維持させることができる。
さらに、端子辺部92は、たとえば図15に示すように内部端子94を端子部品90の内部側であって、外部端子8と対向させる位置に形成してもよい。
(4) 上記実施の形態では、端子ユニット2は、電子機器に形成される開口部との間に生じる圧力によって固定設置される場合を示したがこれに限られない。図16に示す端子ユニット100は、たとえば外装ケース4の側面側の一部に段差によるストッパ102を形成してもよい。このストッパ102は、電子機器の開口部よりも幅広に形成され、たとえば開口部が形成されるケースの平面部分に当接させて端子ユニット100を位置決めさせてもよい。またストッパ102は、たとえばケースの平面部分に対する当接圧力を調整することで、開口部と端子ユニット100との間から異物が混入するのを阻止させてもよい。
(5) 上記実施の形態では、第2の端部側の辺である端子辺部12−3または端子辺部92に第2の端子部である内部端子10が形成される場合を示したがこれに限られない。端子部品6は、たとえば端子辺部12−3、92に外部端子8が形成されてもよい。
次に、以上述べた実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。以下の付記に本発明が限定されるものではない。
(付記1)電子機器のケースに形成された開口部内に設置される端子ユニットであって、
前記開口部内への圧入により弾性変形する本体部と、
外部端子と接触させる第1の端子部と、前記ケース内の端子と接触させる第2の端子部とを含み、一部が前記本体部内に配置されて前記本体部の外形形状に応じて成形された端子と、
を備え、
前記端子は、前記第1の端子部と前記第2の端子部とを導通させる導通部と、該導通部の第1の端部側を第2の端部側に向けて延伸させ、該第2の端部側の辺に対して対向方向から特定の角度で隣接させることで前記第2の端部側の辺を補強する補強辺部を含むことを特徴とする端子ユニット。
(付記2)前記端子は、前記本体部内で周縁側に弾性部材が充填され、
前記補強辺部は、少なくとも前記第2の端部側の辺との間に充填された前記弾性部材を介して隣接して、前記第2の端部側の辺を支持することを特徴とする、付記1に記載の端子ユニット。
(付記3)前記端子は、前記導通部の一部と前記補強辺部とを対向させて螺旋状に配置し、前記導通部と前記補強辺部との対向部分に前記弾性部材が充填されることを特徴とする、付記2に記載の端子ユニット。
(付記4)前記端子は、前記導通部および前記補強辺部により、外力によって弾性変形した前記本体部を支持することを特徴とする、付記1ないし付記3のいずれか1つに記載の端子ユニット。
(付記5)前記補強辺部は、前記第2の端部側の辺の長さ、支持強度のいずれか一方または両方に基づいて、第2の端部側の辺に対して隣接させる長さが設定されることを特徴とする、付記1ないし付記4のいずれか1つに記載の端子ユニット。
(付記6)前記補強辺部は、前記第2の端部側の辺に対して平行または前記第2の端部との間隔を大きくする角度で隣接させることを特徴とする、付記1ないし付記5のいずれか1つに記載の端子ユニット。
(付記7)前記第2の端部側の辺に前記第1の端子部または前記第2の端子部のいずれか一方が設置され、
前記補強辺部は、前記第2の端部側の辺に対して、少なくとも前記第1の端子部または前記第2の端子部の設置位置に隣接する長さで形成されることを特徴とする、付記1ないし付記6のいずれか1つに記載の端子ユニット。
(付記8)前記補強辺部は、前記第2の端部側の辺に対して外周側または内周側のいずれか一方に配置されることを特徴とする付記1ないし付記7のいずれか1つに記載の端子ユニット。
(付記9)前記本体部は、少なくとも2以上の前記端子を備え、
前記端子は、前記補強辺部の一部同士が対向して配置されることを特徴とする、付記1ないし付記8のいずれか1つに記載の端子ユニット。
(付記10)前記端子は、前記本体部の中心に対して左右対称に複数個が配置されることを特徴とする、付記1ないし付記9のいずれか1つに記載の端子ユニット。
(付記11)開口部を備えたケースと、
前記ケース内部に設置され、前記開口部の開口位置に合わせて端子が配置される基板と、
前記開口部内に圧入され、前記端子に接触させる端子ユニットと、
を備え、前記端子ユニットは、
前記開口部内への圧入により弾性変形する本体部と、
外部端子と接触させる第1の端子部と、前記ケース内の前記端子と接触させる第2の端子部とを含み、一部が前記本体部内に配置されて前記本体部の外形形状に応じて成形された端子と、
を備え、前記端子は、前記第1の端子部と前記第2の端子部とを導通させる導通部と、該導通部の第1の端部側を第2の端部側に向けて延伸させ、該第2の端部側の辺に対して対向方向から特定の角度で隣接させることで前記第2の端部側の辺を補強する補強辺部を含むことを特徴とする、電子機器。
(付記12)前記端子は、前記導通部および前記補強辺部により、前記本体部が前記ケースの前記開口部から受ける外力に対して前記本体部を支持することを特徴とする、付記11に記載の電子機器。
以上説明したように、本発明の好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
2、100 端子ユニット
4 外装ケース
6、88A、88B、90 端子部品
8 外部端子
10、94 内部端子
12−1、12−2、12−3、92 端子辺部
14、16、22 支持辺部
20 開口窓
30 ケース
32、60 開口部
40 射出成形機
42、82 載置部
44 型部品
46 型部
47 退避部
48 射出器
50 携帯端末装置
52 リアパネル
54A、54B 端子孔
56 リアケース
58 フロントケース
62 基板
64 端子
66 挿通孔
68 固定部品
70、86 給電制御部
72 給電部
80 充電装置
84 給電部
102 ストッパ

Claims (5)

  1. 電子機器のケースに形成された開口部内に設置される端子ユニットであって、
    前記開口部内への圧入により弾性変形する本体部と、
    外部端子と接触させる第1の端子部と、前記ケース内の端子と接触させる第2の端子部とを含み、一部が前記本体部内に配置されて前記本体部の外形形状に応じて成形される端子と、
    を備え、
    前記端子は、前記第1の端子部と前記第2の端子部とを導通させる導通部と、該導通部の第1の端部側を第2の端部側に向けて延伸させ、該第2の端部側の辺に対して対向方向から特定の角度で隣接させることで前記第2の端部側の辺を補強する補強辺部を含むことを特徴とする端子ユニット。
  2. 前記端子は、前記本体部内で周縁側に弾性部材が充填され、
    前記補強辺部は、少なくとも前記第2の端部側の辺との間に充填された前記弾性部材を介して隣接して、前記第2の端部側の辺を支持することを特徴とする、請求項1に記載の端子ユニット。
  3. 前記端子は、前記導通部の一部と前記補強辺部とを対向させて螺旋状に配置し、前記導通部と前記補強辺部との対向部分に前記弾性部材が充填されることを特徴とする、請求項2に記載の端子ユニット。
  4. 前記本体部は、少なくとも2以上の前記端子を備え、
    前記端子は、前記補強辺部の一部同士が対向して配置されることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の端子ユニット。
  5. 開口部を備えたケースと、
    前記ケース内部に設置され、前記開口部の開口位置に合わせて端子が配置される基板と、
    前記開口部内に圧入され、前記端子に接触させる端子ユニットと、
    を備え、前記端子ユニットは、
    前記開口部内への圧入により弾性変形する本体部と、
    外部端子と接触させる第1の端子部と、前記ケース内の前記端子と接触させる第2の端子部とを含み、一部が前記本体部内に配置されて前記本体部の外形形状に応じて成形された端子と、
    を備え、前記端子は、前記第1の端子部と前記第2の端子部とを導通させる導通部と、該導通部の第1の端部側を第2の端部側に向けて延伸させ、該第2の端部側の辺に対して対向方向から特定の角度で隣接させることで前記第2の端部側の辺を補強する補強辺部を含むことを特徴とする、電子機器。
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