以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。すなわち、スピーカ19a,19bが音を出力する音出力手段をなす。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作手段をなす演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。始動入賞口36の直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。また、特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、遊技領域32の外側には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となり普図の当りとなって、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、まず前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第一特別図柄)、右変動表示領域(第二特別図柄)、中変動表示領域(第三特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される停止結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。すなわち、複数の識別情報を複数列で変動表示し、複数列の識別情報の停止結果態様により結果を表示する。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられたスピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。なお、後述するようにスピーカ19bは、所定の端末に入力することで取得可能となる情報を含むデータ音を出力するデータ音出力手段として機能する。もちろんスピーカ19aもデータ音出力手段として機能するようにしても良い。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、25秒又は1.0秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが1000ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば300ms)よりも長い第2開放時間(例えば1700ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。なお、本実施形態の遊技機での時短状態においては通常動作状態と比べて、普図確率を高確率とし、普図変動時間、普図停止時間を短縮し、普電開放回数を増加し、普電開放時間を延長するようにしている。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5及び図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図6のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図6のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図6のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)の出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブし(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔チェックサム算出処理〕
図7には、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS14)を示した。なお、ステップS41のチェックサム算出処理でも同じ処理を行う。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスとしてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップS14a)、繰り返し数を設定して(ステップS14b)、算出値として「0」を設定する(ステップS14c)。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップS14d)、算出アドレスを+1更新して(ステップS14e)、繰り返し数を−1更新してチェックサムの算出が終了したかをチェックする(ステップS14f)。算出が終了していない場合(ステップS14g:No)は、ステップS14dへ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップS14g:Yes)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図8には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS33)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず当り初期値乱数を+1更新し(ステップS33a)、大当り図柄初期値乱数1を+1更新する(ステップS33b)そして、大当り図柄初期値乱数2を+1更新し(ステップS33c)、初期値乱数更新処理を終了する。ここで、「当り初期値乱数」は普図変動ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「大当り図柄初期値乱数1」は、特図1の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「大当り図柄初期値乱数2」は、特図2の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図9に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図9のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38a、入賞口スイッチ35aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップS52)の詳細について説明する。図10に示すように、入力処理においては、まず入力ポート1、即ち、第1入力ポート123に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップS71)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS72)。
続いて、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(ステップS73)。その後、入力ポート2、即ち、第2入力ポート122に取り込まれた信号の状態を読み込むためのパラメータの準備を行い(ステップS74)、スイッチ読込み処理(ステップS75)を行って入力処理を終了する。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
〔スイッチ読込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(ステップS75)の詳細について説明する。図11に示すように、スイッチ読込み処理においては、まずステップS74にて準備されたパラメータで指定された入力ポート、即ち、第2入力ポート122に取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS81)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS82)。続いて、読み込まれた入力ポート2の状態をRWM内のスイッチ制御領域2のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップS83)。その後、2回目の読込みまでのディレイ時間(0.1ms)が経過するのを待つ(ステップS84)。
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、第2入力ポート122に取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(ステップS85)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS86)。続いて、読み込まれた入力ポート2の状態をスイッチ制御領域2のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップS87)。その後、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップS88)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップS89)。
次に、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップS90)、未確定ビットパターンと前回割り込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS91)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回確定状態としてセーブし(ステップS92)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブして(ステップS93)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行なって前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行なえないおそれがある。これに対し、本実施例のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS53)の詳細について説明する。図12に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力するポート136(図3参照)をリセットする(ステップS53a)。そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップS53b)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS53c)。
次に、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38b、試験端子(中継基板70)および上記デジット出力ポートに出力するデータを合成して出力する(ステップS53d)。その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメントデータ領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS53e)、ロードしたデータをセグメント出力用のポート136に出力する(ステップS53f)。
続いて、外部情報端子71へ出力するデータをロードして合成し、外部情報出力用のポート137へ出力する(ステップS53g)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS53h)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS53i)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS53j)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS53k)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力し(ステップS53l)し、出力処理を終了する。
〔コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。図13に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS101)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS102)とからなる。
〔演出制御コマンド送信処理〕
図14には、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS101)を示した。この演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS111)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS112)。
ステップS112で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS112;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS112で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS112;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS113)。次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS114)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS115)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS116)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS117)。そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS118)を行い、演出制御コマンド送信処理を終了する。
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS118)の詳細について説明する。図15に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS121)、コマンドデータ出力処理(ステップS122)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS123)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS124)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS125)を実行する。
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS122、S125)の詳細について説明する。図16に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS131)。それから、演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS132)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS133)。そして、次のステップS134で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS134;No)と判定するとステップS132へ戻って上記処理を繰り返す。
一方、ステップS134で、オフ時間が終了した(ステップS134;Yes)と判定するとステップS135へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。続いて、ステップS131でロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート131のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したままストローブ信号をオン状態に設定する(ステップS136)。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS137)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS138)。
そして、次のステップS139で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS139;No)と判定するとステップS137へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS139で、オン時間が終了した(ステップS139;Yes)と判定するとステップS140へ移行して、オフ状態のストローブ信号を設定してから、オフ状態のストローブ信号を出力(ステップS141)して、当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS137で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS137〜S139のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS134及びステップS139は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
〔払出コマンド送信処理〕
また、コマンド送信処理(図13参照)における払出コマンド送信処理(ステップS102)では、図17に示す処理を行う。この払出コマンド送信処理では、まず、入賞口別に設けられている入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかチェックする(ステップS151)。そして、カウント数がない場合(ステップS152:No)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(ステップS153)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS154)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS154;Yes)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS154;No)と判定すると、ステップS151へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップS152で、カウント数がある(ステップS152;Yes)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(ステップS155)、入賞数カウンタ領域、即ち、入賞口のアドレスに対応する払出コマンド(負論理のデータ)を取得する(ステップS156)。そして、データの読込みが有効か無効かを示すストローブ信号のオフ時間(例えばロウレベルに維持する時間)を設定し(ステップS157)、上記ステップS156で取得した払出コマンド(負論理のデータ)とオフ状態(ロウレベル)のストローブ信号をポート131(図3参照)へ出力する(ステップS158)。
その後、ステップS157で設定したオフ時間が経過したか否か判定し(ステップS159)、経過していない場合(ステップS159;No)にはステップS158へ戻り、経過した場合(ステップS159;Yes)には負論理データの出力残り時間を設定する(ステップS160)。次に、払出コマンド(負論理のデータ)を出力するとともにオン状態(ハイレベル)のストローブ信号をポート131へ出力する(ステップS161)。そして、ステップS160で設定した負論理データの出力時間が終了したかを判定し(ステップS162)、終了していない場合(ステップS162;No)はステップS161へ戻り、終了した場合(ステップS162;Yes)は、上記負論理の払出コマンドデータを反転して正論理の払出コマンドデータを生成する(ステップS163)。
次に、ストローブ信号のオン残り時間(ハイレベルの時間)を設定し(ステップS164)、上記ステップS163で生成した払出コマンド(正論理のデータ)とオン状態(ハイレベル)のストローブ信号をポート131へ出力する(ステップS165)。その後、ステップS164で設定したオン時間が終了したかを判定し(ステップS166)、終了していない場合(ステップS166;No)はステップS165へ戻り、終了した場合(ステップS166;Yes)は、正論理データの出力残り時間を設定する(ステップS167)。
そして、払出コマンド(正論理のデータ)を出力するとともにオフ状態(ロウレベル)のストローブ信号をポート131へ出力し(ステップS168)、設定した正論理データの出力時間が終了したか否か判定する(ステップS169)。出力時間が終了していない場合(ステップS169;No)はステップS168へ戻り、終了した場合(ステップS169;Yes)は、正論理の払出コマンドデータをポート状態保持データとしてRWMにセーブし(ステップS170)、当該コマンド送信処理を終了する。
以上の処理により、払出制御装置200に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信され、払出制御装置200ではこの払出コマンドに基づき遊技球を払い出す。上記のように、負論理の払出コマンドデータを出力した後に正論理の払出コマンドデータを出力することによって、コマンド受信側では、負論理の払出コマンドデータと正論理の払出コマンドデータを読み込んで比較することによって、正しいコマンドを受信することができたか否かを判定することができる。例えば先に受信した負論理の払出コマンドデータを論理反転して、それと後で受信した正論理の払出コマンドデータとを比較して、同一でない場合にはコマンド受信エラーと判断し、コマンドの再送を遊技制御装置100へ要求することで正確なコマンドを受信することが可能となる。
〔乱数更新処理1〕
図18には、タイマ割込み処理(図9参照)における乱数更新処理1(ステップS55)を示した。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている当り乱数、大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2の初期値(スタート値)を更新するための処理である。この乱数更新処理1では、まず、乱数が一周して次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数があるかを判定するために乱数の更新状態を示すソフト乱数ステータスレジスタの値をチェックする(ステップS55a)。
そして、初期値設定待ちの乱数がない場合(ステップS55b;No)は、乱数更新処理1を終了する。また、初期値設定待ちの乱数がある場合(ステップS55b;Yes)は、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数であるかをチェックする(ステップS55c)。
普図の当り乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS55d;No)は、大当り図柄乱数1が次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数であるかをチェックする(ステップS55g)。また、普図の当り乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS55d;Yes)は、次回初期値として当り乱数初期値乱数をロードし(ステップS55e)、ロードした普図の当り乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタに設定する(ステップS55f)。その後、大当り図柄乱数1が次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数であるかをチェックする(ステップS55g)。
大当り図柄乱数1が初期値設定待ちでない場合(ステップS55h;No)は、大当り図柄乱数2が次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数であるかをチェックする(ステップS55k)。また、大当り図柄乱数1が初期値設定待ちである場合(ステップS55h;Yes)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数1をロードし(ステップS55i)、ロードした大当り図柄乱数1の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタに設定する(ステップS55j)。その後、大当り図柄乱数2が次回の初期値(スタート値)設定待ちの乱数であるかをチェックする(ステップS55k)。
大当り図柄乱数2が初期値設定待ちでない場合(ステップS55l;No)は、乱数更新処理1を終了する。また、大当り図柄乱数2が初期値設定待ちである場合(ステップS55l;Yes)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数2をロードし(ステップS55m)、ロードした大当り図柄乱数2の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタに設定し(ステップS55n)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図19には、タイマ割込み処理(図9参照)における乱数更新処理2(ステップS56)を示した。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。即ち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップS56a)。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルアドレスを算出する(ステップS56b)。そして、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップS56c)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限値、即ち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、例えば本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンに設けられているDRAMのリフレッシュ等のため使用されるリフレッシュレジスタ(以下、Rレジスタと称する)のようなランダムな値が設定されるレジスタの値をロードする(ステップS56d)。Rレジスタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、Rレジスタの値をマスクするためのマスク値を取得して、Rレジスタの値をマスクする(ステップS56e)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかをチェックする(ステップS56f)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(ステップS56g;Yes)は、加算値として上位1バイトをマスク値によってRレジスタの値をマスクすることによって残った値(以下、これをマスクした値と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップS56h)、ステップS56jに進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(ステップS56g;No)は、加算値として上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップS56i)、ステップS56jに進む。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数が2バイト乱数かをチェックし(ステップS56j)、2バイト乱数である場合(ステップS56k;Yes)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(ステップS56l)、ステップS56nに進む。また、更新する乱数が2バイト乱数でない場合(ステップS56k;No)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップS56m)、ステップS56nへ進む。
ステップS56nでは、乱数値にステップS56h、S56iで決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップS56cで取得した上限判定値よりも大きいかを判定する(ステップS56o)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(ステップS56o;No)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS56q)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(ステップS56o;Yes)は、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップS56p)、この値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS56q)。
次に、更新した乱数が2バイト乱数であるかをチェックし(ステップS56r)、2バイト乱数でない場合(ステップS56s;No)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(ステップS56s;Yes)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップS56t)、乱数更新処理2を終了する。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、CPU111Aは、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、リーチ状態におけるリーチ変動態様を決定するためのリーチ変動態様決定用乱数(変動パターン乱数)を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/エラー監視処理〕
図20には、タイマ割込み処理(図9参照)における入賞口スイッチ/エラー監視処理を示した。この入賞口スイッチ/エラー監視処理では、まず、特別変動入賞装置(大入賞口)38内のカウントスイッチ38aの不正監視テーブル(例えばカウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS181)。次に、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS182)を実行する。その後、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の不正監視テーブルを準備し(ステップS183)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS184)を実行する。
そして、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞監視テーブルを準備し(ステップS185)。入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS186)を行う。次に、エラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタを更新して準備し(ステップS187)、払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ、オーバーフロースイッチ及び払出制御装置200の異常監視用の遊技機エラー監視テーブル1を準備する(ステップS188)。そして、これらのスイッチ及び払出制御装置に異常が発生していないかを判定するエラーチェック処理(ステップS189)を実行する。
その後、前枠開放検出スイッチ63及び遊技枠開放検出スイッチ64からの信号に基づく前枠(ガラス枠15)及び遊技枠(前面枠12)の開放監視用の遊技機エラー監視テーブル2を準備する(ステップS190)。そして、エラースキャンカウンタをロードし、前枠及び遊技枠の開放監視用の遊技機エラー監視テーブル2用に変換して準備し(ステップS191)、これらのスイッチに異常が発生していないかを判定するエラーチェック処理(ステップS192)を行い、入賞口スイッチ/エラー監視処理を終了する。
〔不正&入賞監視処理〕
図21には、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS182、S184)を示した。この不正&入賞監視処理は、大入賞口のカウントスイッチ38a及び普電内の始動口2スイッチ37aに対して行なわれる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS201)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップS202)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチがカウントスイッチ38aである場合は大入賞口(特別変動入賞装置38)が閉じている期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普電(普通変動入賞装置37)が閉じている期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS202;Yes)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかをチェックする(ステップS203)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS204;No)は、対象の不正入賞報知タイマがすでにタイムアップ又は−1更新後にタイムアップしたかをチェックする(ステップS214)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS204;Yes)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS205)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかチェックする(ステップS206)。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しない、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、判定個数を超えていない場合(ステップS207;No)は、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備する(ステップS212)。また、判定個数を超えた場合(ステップS207;Yes)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS208)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値をセーブする(ステップS209)。次に、対象の不正入賞発生コマンドを準備し(ステップS210)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを設定して(ステップS211)、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS220)。
一方、不正監視期間でない場合(ステップS202;No)は、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備し(ステップS212)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS213)を行う。そして、対象の不正入賞報知タイマがすでにタイムアップ又は−1更新後にタイムアップしたかをチェックし(ステップS214)、タイムアップしていない場合(ステップS215;No)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、タイムアップした場合(ステップS215;Yes)は、エラー報知終了タイミングであるかを判定する(ステップS216)。
エラー報知終了タイミングでない場合(ステップS216;No)は、対象の不正入賞解除コマンドを準備する(ステップS218)。また、エラー報知終了タイミングである場合(ステップS216;Yes)は、対象の不正入賞数をリセットし(ステップS217)、対象の不正入賞解除コマンドを準備する(ステップS218)。その後、不正フラグとして不正入賞解除フラグを設定し(ステップS219)、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS220)。
そして、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS221;Yes)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、設定した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS221;No)は、設定した不正フラグを不正フラグ領域にセーブし(ステップS222)、コマンド設定処理を行い(ステップS223)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図22には、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS186,S213)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップS231)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかをチェックする(ステップS232)。
入力がない場合(ステップS233:No)は、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS238)。また、入力がある場合(ステップS233;Yes)は、対象の入賞数カウンタ領域の値をロードし(ステップS234)、対象の入賞数カウンタを+1更新してオーバーフローするかチェックする(ステップS235)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS236;No)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域にセーブし(ステップS237)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS238)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS236;Yes)は、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS238)。
全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS238;No)は、対象の入賞スイッチに入力があるかをチェックする処理(ステップS232)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS238;Yes)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞に応じた賞球が設定されることとなる。
〔コマンド設定処理〕
図23には、上述の不正&入賞監視処理でのコマンド設定処理(ステップS223)を示した。なお、このコマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理におけるコマンド設定処理に共通する処理である。このコマンド設定処理では、まず、バッファの書き込む場所を規定するライトカウンタを更新する処理(ステップS241)を行い、ライトカウンタに対応するコマンド送信領域(MODE)、即ち、2バイトのコマンドのうちの上位1バイトのコマンドをセーブする(ステップS242)。その後、ライトカウンタに対応するコマンド送信領域(ACTION)、即ち、2バイトのコマンドのうちの下位1バイトのコマンドをセーブして(ステップS243)、コマンド設定処理を終了する。
〔エラーチェック処理〕
図24には、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理におけるエラーチェック処理(ステップS189、S192)を示した。このエラーチェック処理では、まず、エラースキャンカウンタに対応するエラー監視テーブルを取得し(ステップS281)、監視対象であるスイッチの状態をチェックする(ステップS282)。
そして、スイッチがオンである場合(ステップS283:Yes)は、エラーフラグとしてエラー発生フラグを設定し(ステップS284)し、対象のエラー報知コマンドを準備する(ステップS285)。その後、対象のエラー発生監視タイマ比較値を設定して(ステップS286)、対象のスイッチ状態領域の値と今回のスイッチ状態を比較する(ステップS290)。
一方、スイッチがオンでない場合(ステップS283:No)は、エラーフラグとしてエラー解除フラグを設定し(ステップS287)し、対象のエラー報知終了コマンドを準備する(ステップS288)。その後、対象のエラー解除監視タイマ比較値を設定して(ステップS289)、対象のスイッチ状態領域の値と今回のスイッチ状態を比較する(ステップS290)。
対象のスイッチ状態領域の値と今回のスイッチ状態が一致した場合(ステップS291;Yes)、すなわちスイッチ状態が変化していない場合は、対象のエラー監視タイマを+1更新して監視タイマ比較値に達したかをチェックする(ステップS294)。また、対象のスイッチ状態領域の値と今回のスイッチ状態が一致しない場合(ステップS291;No)、すなわちスイッチ状態が変化した場合は、スイッチ状態領域に今回のスイッチ状態をセーブする(ステップS292)、そして、対象のエラー監視タイマをクリアし(ステップS293)、対象のエラー監視タイマを+1更新して監視タイマ比較値に達したかをチェックする(ステップS294)。
対象のエラー監視タイマの値が比較値に達していない場合(ステップS295:No)は、エラーチェック処理を終了する。また、対象のエラー監視タイマの値が比較値に達した場合(ステップS295:Yes)は、エラー監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(ステップS296)、設定したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域の値と比較する(ステップS297)。
そして、設定したエラーフラグと対象のエラーフラグ領域の値とが一致する場合(ステップS298;Yes)は、エラーチェック処理を終了する。また、設定したエラーフラグと対象のエラーフラグ領域の値とが一致しない場合(ステップS298;No)は、設定したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域にセーブし(ステップS299)、コマンド設定処理を行って(ステップS300)、エラーチェック処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図25に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがすでにタイムアップしているか又は更新によりタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図26に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図27に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローすると判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA214)を行う。そして、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA215)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA216)、コマンド設定処理(ステップA217)を行う。続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA218)を行い、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA219)。
次に、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA220)、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。さらに、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの各乱数のセーブ領域にセーブする(ステップA222、A223、A224)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA225)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA210)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA211;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA211にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合(ステップA211;No)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA225)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図28に示すように、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェック(ステップA231)を行い、満たしていない場合(ステップA232;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、満たしている場合(ステップA232;Yes)は、以下の先読み演出に関する処理を行う。
ここで、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力である場合である。また、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力である場合は、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中でない場合、即ち、時短状態中でない場合であり、大当り(特別遊技状態)中でもない場合である。
先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップA232;Yes)に行われる先読み演出に関する処理では、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA233)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA234;Yes)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA235)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する処理(ステップA236)を行う。その後、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA237)を行って、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得して設定する処理(ステップA238)を行い、設定した情報テーブルから図柄情報を取得する処理(ステップA240)を行う。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA234;No)は、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA239)、設定した情報テーブルから図柄情報を取得する処理(ステップA240)を行う。
設定した情報テーブルから図柄情報を取得する処理(ステップA240)を行った後、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA241)。そして、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(ステップA242)、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA243)。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA244)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(ステップA245)。そして、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA246)を行う。続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA247)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA248)を行う。なお、ステップA246における特図情報設定処理、ステップA247における後半変動パターン設定処理、ステップA248における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
そして、設定された変動パターンの前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備する(ステップA249)とともに、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(ステップA250)、コマンド設定処理(ステップA251)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA252)、コマンド設定処理(ステップA253)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、ステップA249、A250にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA252にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔カウントスイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるカウントスイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図29に示すように、カウントスイッチ監視処理では、まず、大入賞口(特別変動入賞装置38)が開放中であるかをチェックし(ステップA261)、大入賞口が開放中でない場合(ステップA262;No)は、カウントスイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口が開放中である場合(ステップA262;Yes)は、カウントスイッチ38aからの入力があるか否かをチェックする(ステップA263)。
そして、カウントスイッチ38aからの入力がない場合(ステップA264;No)、すなわち特別変動入賞装置38への遊技球の入賞を検出していない場合は、カウントスイッチ監視処理を終了する。また、カウントスイッチ38aからの入力がある場合(ステップA264;Yes)、すなわち特別変動入賞装置38への遊技球の入賞を検出した場合は、大入賞口カウンタの数値を更新(+1)する(ステップA265)。
その後、大入賞口カウンタのカウント数が上限値に達したかをチェックする(ステップA266)。なお、大入賞口カウンタの上限値とは、一のラウンド遊技で特別変動入賞装置38に入賞可能な遊技球の数である。大入賞口カウント数が上限値に達していない場合(ステップA267;No)は、カウントスイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値に達した場合(ステップA267;Yes)は、特図ゲーム処理タイマを0クリアし(ステップA268)、カウントスイッチ監視処理を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA17、A19)の詳細について説明する。図柄変動制御処理は、第1特図や第2特図等の特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理である。図30に示すように、図柄変動制御処理では、まず、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る特図変動制御フラグが変動中であるかをチェックする(ステップA231)。
そして、当該特図変動中フラグが変動中である場合(ステップA232;Yes)は、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に対応する特図表示テーブル(変動用)を取得し(ステップA233)、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る変動タイマを−1更新して、当該タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA234)。
変動タイマがタイムアップしていない場合(ステップA235;No)は、表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードする(ステップA238)。また、変動タイマがタイムアップした場合(ステップA235;Yes)は、図柄変動制御タイマ初期値を制御対象の変動タイマ領域にセーブし(ステップA236)、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る変動図柄番号を+1更新して(ステップA237)、表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードする(ステップA238)。その後、表示図柄ポインタに対応する表示データを取得し(ステップA241)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA242)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、特図変動中フラグが変動中でない場合(ステップA232;No)は、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に対応する特図表示テーブル(停止用)を取得する(ステップA239)。そして、表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードする(ステップA240)。その後、表示図柄ポインタに対応する表示データを取得し(ステップA241)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA242)、図柄変動制御処理を終了する。これにより、特図1表示器51及び特図2表示器52のうち、制御対象となる特図表示器(例えば、特図1表示器51等)に図柄番号に対応した特図が表示されることとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図31に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。そして、特図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。そして、特図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
図32に示すように特図普段処理移行設定処理1では、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA291)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA292)。そして、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(ステップA293)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA293)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
図31に戻り、ステップA272にて、特図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA281)を行い、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。また、ステップA274にて、特図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA283)を行い、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図33に示すように、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA302)を行った後、設定された特図1停止図柄の特図1停止図柄番号に対応する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA303)。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA304)。
次に、特図1変動フラグを設定して準備し(ステップA305)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA306)。続けて、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブル(特図1用)を準備して(ステップA307)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA308)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA309)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA310)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA311)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図34には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA321)。次に、RWMの乱数セーブ領域(特図1用)から大当り乱数をロードして準備し(ステップA322)、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA323)を行う。
そして、ステップA323における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA324;Yes)は、ステップA321にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブした後(ステップA325)、RWMの乱数セーブ領域(特図1用)を0クリアして(ステップA326)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、ステップA323における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA324;No)は、大当りフラグ1にはずれ情報をセーブしたままでRWMの乱数セーブ領域(特図1用)を0クリアして(ステップA326)、大当りフラグ1設定処理を終了する。
〔大当り判定処理〕
図35には、上述の大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA323)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA331)、大当り乱数の値が下限判定値未満かチェックする(ステップA332)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA333;Yes)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA339)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA333;No)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA334)。
そして、高確率状態である場合(ステップA334;Yes)は、高確率時の上限判定値を設定し(ステップA335)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかをチェックする(ステップA337)。また、高確率状態でない場合(ステップA334;No)は、低確率時の上限判定値を設定し(ステップA336)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかをチェックする(ステップA337)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA338;Yes)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA339)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA338;No)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA340)、大当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図36には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA302)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかをチェックし(ステップA341)、大当りである場合(ステップA342;Yes)は、特図1の大当り図柄テーブルを設定し(ステップA343)、大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA344)。次に、大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して準備し(ステップA345)、取得した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(ステップA346)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、普電サポート中(時短状態中)であるかを判定し(ステップA347)、普電サポート中である場合(ステップA347;Yes)は、高確率時、時短時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備し(ステップA348)、特別結果態様の種類に従った特別遊技状態の実行態様の設定や、特別遊技状態の終了後の遊技の設定を行う停止図柄情報設定処理(ステップA350)を行う。また、普電サポート中でない場合(ステップA347;No)は、低確率時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備し(ステップA349)、停止図柄情報設定処理(ステップA350)を行う。その後、飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(ステップA353)を行う。
一方、大当りでない場合(ステップA342;No)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブし(ステップA351)、はずれ時の図柄情報を図柄情報領域にセーブする(ステップA352)。そして、飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(ステップA353)を行う。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(ステップA353)を行った後、図柄情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得し(ステップA354)、飾り特図1コマンド(MODE)を設定して(ステップA355)、飾り特図コマンド領域にコマンドをセーブする(ステップA356)。この飾り特図1コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。その後、大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)を0クリアし(ステップA357)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔停止図柄情報設定処理〕
図37には、上述の特図1停止図柄設定処理において、結果が大当りである場合に行われる停止図柄情報設定処理(ステップA350)を示した。この停止図柄情報設定処理では、まず、対象の停止図柄番号に対応する図柄情報を取得し、図柄情報領域にセーブする(ステップA361)を行う。このとき、普電サポート中であるか否かにより異なる停止図柄情報テーブルを用いるようにしているので、同じ停止図柄番号であっても普電サポート中であるか否かにより取得される図柄情報が異ならせることができ、特図1表示器51の表示や表示装置41での表示から大当りの種類を類推しにくくすることができる。
次に、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得して確率変動判定フラグ領域にセーブする(ステップA362)。確率変動判定フラグは特別遊技状態の終了後の確率状態を設定するためのものである。その後、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA363)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップA364)。
そして、停止図柄番号に対応する特殊演出情報を取得して特殊演出情報領域にセーブし(ステップA365)、停止図柄情報設定処理を終了する。停止図柄番号に対応する特殊演出情報を取得して特殊演出情報領域にセーブする処理(ステップA365)により、特別遊技状態の終了後の変動パターン選択テーブルの切替タイミングやこれに伴う表示モードの変更タイミングを規定する特殊演出情報が設定される。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA308)の詳細について説明する。図38に示すように特図情報設定処理では、まず、準備したフラグ(ここでは特図1変動フラグ)を対象の特図を示すフラグとして図柄判別フラグ(作業用)領域にセーブする(ステップA371)。
次に、情報生成パラメータ1として、対象の特図保留数をロードし(ステップA372)、情報生成パラメータ2として、特殊演出情報(振分用)をロードして(ステップA373)、普電サポート中(時短状態中)であるかを判定する(ステップA374)。そして、普電サポート中(時短状態中)でない場合(ステップA374;No)は、情報生成パラメータ3として普電サポートなしの値を設定する(ステップA375)。
また、普電サポート中(時短状態中)である場合(ステップA374;Yes)は、特図変動表示ゲームが高確率時であるかを判定し(ステップA376)、高確率時でない場合は(ステップA376;No)は、情報生成パラメータ3として、低確率&普電サポート中の値を設定する(ステップA377)。また、高確率時である場合は(ステップA376;Yes)は、前半情報生成パラメータ2が特殊演出実行中の値かをチェックする(ステップA378)。
前半情報生成パラメータ2が特殊演出実行中の値でない場合(ステップA378;No)は、情報生成パラメータ3として、高確率&普電サポート中の値を設定する(ステップA380)。また、前半情報生成パラメータ2が特殊演出実行中の値である場合(ステップA378;Yes)は、前半情報生成パラメータ3として、特殊演出実行時の値を設定する(ステップA381)。
以上の処理によって、情報生成パラメータ1から3を設定した後、情報生成パラメータ1と3を元に前半変動情報1を生成して前半変動情報1領域にセーブし(ステップA382)、情報生成パラメータ2を元に前半変動情報2を生成して前半変動情報2領域にセーブする(ステップA383)。前半変動情報とは、変動パターンのうちリーチ状態となるまでの前半変動パターンを決定するための情報である。そして、前半変動情報1は、結果がはずれでありリーチ状態とならない場合の前半変動情報である。この前半変動情報1は特図保留数も考慮して前半変動パターンが決定されるため、情報生成パラメータ1と3を元に生成される。また、前半変動情報2は、結果がはずれでありリーチ状態となる場合や結果が大当りとなる場合の前半変動情報である。この前半変動情報2は特図保留数を考慮せずに前半変動パターンが決定される。なお、この前半変動情報1、2を生成した時点ではどちらが用いられるかは決定されておらず、後に他の情報生成パラメータを参照して決定される。
次に、情報生成パラメータ4として、はずれや大当りの場合の図柄に関する情報である図柄情報(作業用)をロードし(ステップA384)、情報生成パラメータ5として、特図変動表示ゲームを実行するのが特図1と2の何れであるかの情報である図柄判別フラグ(作業用)をロードする(ステップA385)。
そして、情報生成パラメータ4及び5を元に前半変動グループ情報を生成して対象の前半変動グループ情報領域にセーブする(ステップA386)。これにより、上述の前半変動情報1と2の何れを用いるかが決定されることとなる。その後、情報生成パラメータ1を元に後半変動グループ情報を生成して対象の後半変動グループ情報領域にセーブし(ステップA387)、さらに、情報生成パラメータ2、4及び5を元に変動グループ選択テーブルポインタを生成して準備し(ステップA388)、特図情報設定処理を終了する。
〔後半変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA309)の詳細について説明する。図39に示すように後半変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択テーブルポインタに対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出し、準備する(ステップA391)。
そして、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報であるかをチェックし(ステップA392)、はずれ図柄情報でない場合(ステップA393;No)は、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA396)。また、はずれ図柄情報である場合(ステップA393;Yes)は、対象の後半変動グループ情報領域から後半変動グループ情報をロードする(ステップA394)。さらに、後半変動グループ情報に対応するアドレスを追加算出して変動グループ選択テーブルとして準備し(ステップA395)、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA396)。これにより、大当りの場合とはずれの場合とで変動パターン選択テーブルを異ならせることが可能となる。
その後、2バイト振り分け処理(ステップA397)を行い、振り分けた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備する(ステップA398)。次に、対象の領域から変動パターン乱数2をロードして準備し(ステップA399)、振り分け処理(ステップA400)を行って、振り分けた結果得られた後半変動番号を取得する(ステップA401)。その後、後半変動番号を対象の後半変動番号領域にセーブして(ステップA402)、後半変動パターン設定処理を終了する。
〔2バイト振り分け処理〕
図40には、上述の後半変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップA397)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて、はずれ変動パターン選択テーブルや大当り変動パターン選択テーブル等の変動グループ選択テーブルから特図変動表示ゲームの後半変動パターングループを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、後半変動パターン設定処理にて準備した変動グループ選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるかをチェックする(ステップA411)。ここで、変動グループ選択テーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する変動グループ選択テーブル(例えば、はずれ変動パターン選択テーブルにあっては、振分けの必要がないため、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、変動グループ選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA412;Yes)は、振り分け結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA418)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、変動グループ選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA412;No)は、選択値として対象の変動パターン乱数(変動パターン乱数1)をロードし(ステップA413)、変動グループ選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA414)。
続けて、ステップA413にてロードされた選択値(変動パターン乱数1の値)からステップA414にて取得された振り分け値を減算して新たな選択値を算出し(ステップA415)、当該算出された新たな選択値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA416)。新たな選択値が「0」よりも小さくない場合(ステップA416;No)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA417)、処理をステップA414に移行して、それ以降の処理を行う。即ち、ステップA414にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップA416にて判定済みの新たな選択値を選択値として振り分け値を減算することで新たな選択値を算出する(ステップA415)。そして、算出された新たな選択値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA416)。
上記の処理をステップA416にて、新たな選択値が「0」よりも小さい(ステップA416;Yes)と判定するまで実行する。これにより、変動グループ選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターングループの中から何れか一の後半変動パターングループが選択される。そして、ステップA416にて、新たな選択値が「0」よりも小さい(ステップA416;Yes)と判定すると、振り分け結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA418)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
図41には、上述の後半変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップA400)を示した。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、準備された後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるか否かをチェックする(ステップA421)。ここで、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルは、変動グループ選択テーブルと同様に、少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA422;Yes)は、振り分け結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA428)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA422;No)は、対象の変動パターン乱数(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3)を選択値としてロードし(ステップA423)、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA424)。
続けて、ステップA423にてロードされた選択値(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA424にて取得された振り分け値を減算して新たな選択値を算出した後(ステップA425)、当該算出された新たな選択値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA426)。そして、新たな選択値が「0」よりも小さくない場合(ステップA426;No)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA427)、処理をステップA424に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、ステップA424にて、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップA426にて判定済みの新たな選択値を選択値として振り分け値を減算することで新たな選択値を算出する(ステップA425)。そして、算出された新たな選択値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA426)。上記の処理をステップA426にて、新たな選択値が「0」よりも小さい(ステップA426;Yes)と判定するまで実行する。これにより、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンの中から何れか一の後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、ステップA426にて、新たな選択値が「0」よりも小さい(ステップA426;Yes)と判定すると、振り分け結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA428)、振り分け処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA310)の詳細について説明する。図42に示すように変動パターン設定処理では、まず、対象の前半変動グループ情報領域から前半変動グループ情報をロードし(ステップA431)、前半変動グループ情報に対応する前半変動グループテーブルのアドレスを算出(ステップA432)。
次に、対象の領域から後半変動番号をロードし(ステップA433)、算出後のテーブルを用い、後半変動番号に対応するアドレスを算出して(ステップA434)、後半変動番号がリーチなし変動の番号かをチェックする(ステップA435)。そして、リーチなし変動である場合(ステップA436;Yes)は、対象の前半変動情報1領域から前半変動情報1をロードし(ステップA437)、算出後のテーブルを用い前半変動情報に対応するアドレスを算出する(ステップA439)。また、リーチなし変動でない場合(ステップA436;No)は、対象の前半変動情報2領域から前半変動情報2をロードし(ステップA438)、算出後のテーブルを用い前半変動情報に対応するアドレスを算出する(ステップA439)。
その後、算出後のアドレスから前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップA440)、対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップA441)。そして、振り分け処理を行い(ステップA442)、振り分けた結果得られた前半変動番号を取得して準備し(ステップA443)、変動パターン設定処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA311)の詳細について説明する。図43に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(ステップA451)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA452)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA453)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA454)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA455)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA456)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA457)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA458)、前半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA459)、コマンド設定処理を行う(ステップA460)。
次に、飾り特図コマンド領域から図柄情報コマンドをロードして準備し(ステップA461)、コマンド設定処理を行う(ステップA462)。その後、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA463)、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定して(ステップA464)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新する(ステップA465)。そして、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備し(ステップA466)、コマンド設定処理を行う(ステップA467)。その後、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA468)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップA469)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定され、後に演出制御装置300に送信されることとなる。演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、例えば、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)が挙げられる。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
なお、特図2変動開始処理(ステップA281)では、図33から図43に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うことで、第2特図変動表示ゲームについての情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図1)〕
図44には、特図普段処理(図31参照)における特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA284)を示した。この特図変動中処理移行設定処理(特図1)では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA471)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA472)。
そして、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中以外フラグをセーブし(ステップA473)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA474)。その後、特図1変動表示ゲームの制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA475)、特図1変動制御タイマ領域に図柄変動制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値を設定して(ステップA476)、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図2)〕
図45には、特図普段処理(図31参照)における特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA282)を示した。この特図変動中処理移行設定処理(特図2)では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA481)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA482)。
そして、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中以外フラグをセーブし(ステップA483)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA484)。その後、特図2変動表示ゲームの制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA485)、特図2変動制御タイマ領域に図柄変動制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値を設定して(ステップA486)、特図変動中処理移行設定処理(特図2)を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図46に示すように、特図変動中処理では、まず、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン情報)が、はずれ図柄情報であるかをチェックする(ステップA491)。
そして、図柄情報がはずれ図柄である場合(ステップA492;Yes)は、後半変動パターン設定処理にて設定された後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックする(ステップA493)。後半変動番号がリーチなしの番号である場合(ステップA494;Yes)は、はずれ時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA495)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA498)を行う。また、後半変動番号がリーチなしの番号でない場合(ステップA494;No)、すなわちリーチありの場合は、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態となる場合であるはずれリーチ時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA496)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA498)を行う。
一方、図柄情報がはずれ図柄でない場合(ステップA492;No)、すなわち大当りである場合は、大当り時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA497)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA498)を行う。
特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA498)を行った後、特図表示時間ポインタに対応する特図表示時間を取得する処理(ステップA499)を行う。この処理では、ステップA495にて設定されたはずれ時(リーチ発生無しのはずれ時)の特図表示時間ポインタ、ステップA496にて設定されたリーチはずれ時の特図表示時間ポインタ、ステップA497にて設定された大当り時の特図表示時間ポインタの何れかに対応する特図表示時間を取得する。
そして、取得した特図表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA500)、特図表示中処理移行設定処理(ステップA501)を行って、特図変動中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
図47には、上述の特図変動中処理での特図表示中処理移行設定処理を示した。この特図表示中処理移行設定処理では、まず、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(ステップA511)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA512)。
次に、特図1や特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA513,A514)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値をセーブする(ステップA515)。その後、特図1表示器51や特図2表示器52における特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51や特図2表示器52での変動停止に係るフラグを対応する変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA516,A517)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図48に示すように、特図表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA521)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA522)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかをチェックして(ステップA523)、大当りである(ステップA524;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA530)を行う。次に、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA531)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA532)を行う。
一方、ステップA524にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA524;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA525)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA526)を行う。続けて、ロードされた大当りフラグ1が大当りかをチェックして(ステップA527)、大当りである(ステップA528;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA529)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA532)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA532)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA533)。続けて、ラウンド数上限値情報対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA534)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA535)、コマンド設定処理(ステップA536)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン番号)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA537)、コマンド設定処理(ステップA538)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA539)、コマンド設定処理(ステップA540)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA541)。その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(ステップA542)、大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA543)。そして、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA544)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA545)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA546)を行い、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、例えば、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定する処理を行う。また、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理として、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等を設定する処理を行う。
一方、図48におけるステップA528にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA528;No)と判定すると、図49に示すように、時短時(時短状態)であるかを判定する(ステップA547)。そして、時短時でない場合(ステップA547;No)は、特図普段処理移行設定処理1を行い(ステップA553)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(ステップA553)では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定する処理等を行う。
また、時短時である場合(ステップA547;Yes)は、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時短変動回数を−1更新し(ステップA548)、時短変動回数が0となったかを判定する(ステップA549)。時短変動回数が0でない場合(ステップA549;No)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、特図普段処理移行設定処理1を行い(ステップA553)、特図表示中処理を終了する。
また、時短変動回数が0である場合(ステップA549;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、時短終了時の確率情報コマンドを準備し(ステップA550)、コマンド設定処理(ステップA551)を行う。その後、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を行い(ステップA552)、特図表示中処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)〕
図50には、上述の特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップA552)を示した。この特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)では、まず、処理番号として特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し(ステップA561)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA562)。
そして、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA563)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA564)。次に、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA565)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA566)。
さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし(ステップA567)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(ステップA568)。その後、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(ステップA569)、特殊演出情報(振分用)をリセットして(ステップA570)、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図51に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA571)、大入賞口開放情報が大入賞口の開放時間(特別変動入賞装置38の開閉扉38cの開放時間)の長い長開放(例えば、25秒等)であるかをチェックする(ステップA572)。
大入賞口の開放時間が長開放である場合(ステップA573;Yes)は、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA574)、コマンド設定処理(ステップA575)を行う。その後、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA576)、コマンド設定処理(ステップA577)を行う。そして、特別遊技状態の各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開閉扉38cの開放時間(大入賞口の開放時間)として開放時間の長い長開放を設定し(ステップA578)、当該開放時間(長開放に係る開放時間)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA580)。
一方、大入賞口の開放時間が長開放でない場合(ステップA573;No)、すなわち大入賞口の開放時間が短開放である場合は、特別遊技状態の各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開閉扉38cの開放時間(大入賞口の開放時間)として開放時間の短い短開放を設定し(ステップA579)、開放時間(短開放に係る開放時間)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA580)。
開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする処理(ステップA580)を行った後、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA581)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理〕
図52には上記ステップA581における大入賞口開放中処理移行設定処理を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップA591)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA592)。その後、大入賞口の開放に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA593)、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために、大入賞口ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブする(ステップA594)。そして、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA595)、大入賞口開放中処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA13)の詳細について説明する。図53に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、大入賞口開放情報が大入賞口の開放時間の長い長開放(例えば、25秒等)であるかをチェックする(ステップA601)。そして、大入賞口の開放時間が長開放でない場合(ステップA602;No)、すなわち短開放(例えば、1秒)である場合は、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA610)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
また、大入賞口の開放時間が長開放である場合(ステップA602;Yes)は、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA603)。ステップA603における判定の結果、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA604;No)は、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA606)、コマンド設定処理(ステップA607)を行う。また、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA604;Yes)は、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA605)、コマンド設定処理(ステップA607)を行う。
その後、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA608)、コマンド設定処理(ステップA609)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA610)処理を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
図54には上記ステップA610における大入賞口残存球処理移行設定処理を示した。この大入賞口残存球処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定し(ステップA621)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA622)。その後、残存球処理に要する時間である残存球処理時間を設定し(ステップA623)、特図ゲーム処理タイマ領域に残存球処理時間をセーブする(ステップA624)。そして、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを閉鎖するために、大入賞口ソレノイド38bをオフさせるためのOFFデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップA625)、大入賞口残存球処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA14)の詳細について説明する。図55に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA631)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA632;Yes)は、エンディング時間テーブルを設定し(ステップA633)、図柄情報に対応するエンディング時間を取得する(ステップA634)。その後、当該エンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA635)、大当り終了処理移行設定処理(ステップA636)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA632;No)は、インターバル時間テーブルを設定し(ステップA637)、大入賞口開放情報と今回のラウンド数に対応するインターバル時間を取得する(ステップA638)。その後、当該エンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA639)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA640)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図56には、上記した大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップA636)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(ステップA651)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA652)。その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA653)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をリセットする(ステップA654)。
次に、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をリセットし(ステップA655)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をリセットする(ステップA656)。そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するフラグ領域の情報をリセットし(ステップA657)、大入賞口の開放が長時間開放か短時間開放かの開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報判定フラグ領域の情報をリセットして(ステップA658)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
図57には上記した大入賞口残存球処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA640)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2においては、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号として「3」を設定し(ステップA661)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA662)。その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA663)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図58に示すように、この大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果態様の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率突入フラグかをチェックする(ステップA671)。
高確率突入フラグでない場合(ステップA672;No)は、大当り終了設定処理1を行い、高確率突入フラグである場合(ステップA672;Yes)は、大当り終了設定処理2を行って、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA675)、コマンド設定処理(ステップA676)を行う。そして、特殊演出情報(設定用)をロードし、特殊演出情報(振分用)領域にセーブして(ステップA677)、特図普段処理移行設定処理3を行い(ステップA678)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図59には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA673)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA681)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA682)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA683)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA684)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に低確率&時短フラグをセーブし(ステップA685)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブする(ステップA686)。その後、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば100)をセーブし(ステップA687)、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば100)をセットすることで、所定回数(例えば100回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
〔大当り終了設定処理2〕
図60には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA674)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA691)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA692)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA693)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA694)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率&時短フラグをセーブし(ステップA695)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(ステップA696)。その後、時短変動回数領域をリセットし(ステップA697)、大当り終了設定処理2を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに次回の特別結果態様の導出まで時短状態となる。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、普通変動入賞装置37を開状態とする期間を延長する特定遊技状態(時短状態)を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
図61には上記した大当り終了処理のステップA678の特図普段処理移行設定処理3を示した。この特図普段処理移行設定処理3においては、まず、特図普段処理に係る処理番号として「0」に設定し(ステップA701)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA702)。
その後、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA703)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA704)。続いて、確率変動判定フラグ領域の情報をリセットし(ステップA705)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をリセットする(ステップA706)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップA707)、特殊演出情報(設定用)領域をリセットして(ステップA708)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS59)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
図62に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが既にタイムアップ又は−1更新後に当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたかをチェックする(ステップB3)。
普図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップB4;Yes)と判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップB7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップB8)を行う。
ステップB8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB9)を行う。また、ステップB8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB11)を行う。また、ステップB8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB13)を行う。また、ステップB8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(ステップB9)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB14)を行う。
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための各種テーブルを準備した後(ステップB15)、普図表示器による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB16)を行って、普図ゲーム処理を終了する。一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップB4;No)と判定すると、処理をステップB15に移行して、それ以降の処理を行う。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理の詳細について説明する。図63に示すように、ゲートスイッチ監視処理では、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かをチェックする(ステップB101)。そして、ゲートスイッチ34aに入力があると(ステップB102;Yes)判定すると、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値未満か否かをチェックする(ステップB103)。
普図保留数が上限値未満である場合(ステップB104;Yes)は、普図保留数を1更新し(ステップB105)、更新後の普図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップB106)。そして、取得した当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップB107)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
また、ステップB102にてゲートスイッチ34aに入力がないと判定された場合(ステップB102;No)や、ステップB104にて普図保留数が上限値未満でないと判定された場合(ステップB104;No)は、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理の詳細について説明する。図64に示すように、普電入賞スイッチ監視処理では、まず、普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数(例えば、3回)の開放動作を実行中であるか(普図当り中か)否かをチェックする(ステップB121)。そして、普図当り中である(ステップB122;Yes)と判定すると、始動口2スイッチ37aに入力があるかをチェックし(ステップB123)、始動口2スイッチ37aに入力がある(ステップB124;Yes)と判定すると、普電カウンタのカウント数を更新(+1)する処理(ステップB125)を行う。
次に、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば、9)に達したか否かをチェックして(ステップB126)、カウント数が上限値に達した(ステップB127;Yes)と判定すると、普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了ポインタ4(当り終了の値)をセーブする(ステップB128)。その後、普図ゲーム処理タイマをクリアして(ステップB129)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合は、その時点で普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値をセーブし、普図の当り状態が途中で終了するようにする。
また、ステップB122にて普図当り中でないと判定された場合(ステップB122;No)、ステップB124にて始動口2スイッチ37aに入力がないと判定された場合(ステップB124;No)又はステップB127にてカウント数が上限値に達していないと判定された場合(ステップB127;No)は、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB9)の詳細について説明する。図65に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が0であるか否かをチェックし(ステップB131)、普図保留数が0である場合(ステップB132;Yes)は、普図普段処理移行設定処理1(ステップB160)を行い、普図普段処理を終了する。また、普図保留数が0でない場合(ステップB132;No)は、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高くされた普図高確率であるか、すなわち時短状態であるかを判定する(ステップB133)。
普図高確率時でない場合(ステップB133;No)は、RWMの乱数セーブ領域から当り乱数をロードし(ステップB134)、普図低確率時の判定値を設定して(ステップB135)、当り乱数の値が判定値と一致するかをチェックする(ステップB136)。当り乱数の値が判定値と一致しない場合(ステップB137;No)は、当りフラグ領域に、はずれ情報をセーブし(ステップB138)、普図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号を設定して(ステップB139)、当り乱数セーブ領域を0クリアする(ステップB149)。一方、当り乱数の値が判定値と一致した場合(ステップB137;Yes)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB147)、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定して(ステップB148)、当り乱数セーブ領域を0クリアする(ステップB149)。
また、ステップB133にて、普図高確率時である場合(ステップB133;Yes)は、RWMの乱数セーブ領域から当り乱数をロードし(ステップB140)、普図高確率時の下限判定値を設定する(ステップB141)。その後、当り乱数の値が下限判定値未満であるかをチェックし(ステップB142)、当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップB143;No)は、普図高確率時の上限判定値を設定して(ステップB144)、当り乱数の値が上限判定値より大きいかをチェックする(ステップB145)。
当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップB146;No)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB147)、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定して(ステップB148)、当り乱数セーブ領域を0クリアする(ステップB149)。また、ステップB143にて、当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップB143;Yes)や、ステップB146にて、当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップB146;Yes)は、当りフラグ領域に、はずれ情報をセーブし(ステップB138)、普図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号を設定して(ステップB139)、当り乱数セーブ領域を0クリアする(ステップB149)。すなわち、当り乱数の値が一致することで普図の当りと判定する判定値は、普図低確率時では一つの値であり、普図高確率時では複数の連続した値となっている。
当り乱数セーブ領域を0クリア(ステップB149)した後、普図停止図柄領域に停止図柄番号をセーブし(ステップB150)、普図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB151)。続けて、当り乱数セーブ領域をシフトし(ステップB152)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップB153)、普図保留数を更新(−1)する(ステップB154)。即ち、最も古い普図保留1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留1以降に保留となっている普図保留2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、当り乱数セーブ領域の普図保留2用から普図保留4用の値(例えば、当り乱数)が、当り乱数セーブ領域の普図保留1用から普図保留3用に移動することとなる。そして、当り乱数セーブ領域の普図保留4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次に、普電サポート中(時短状態中)であるかを判定し(ステップB155)、普電サポート中でない場合(ステップB155;No)は、普電サポートなし時の普図変動時間(例えば、10秒)を設定する(ステップB156)。また、普電サポート中である場合(ステップB155;Yes)は、普電サポート時の普図変動時間(例えば、1秒)を設定する(ステップB157)。そして、設定された変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB158)。普図変動中処理移行設定処理(ステップB159)を行って、普図普段処理を終了する。
〔普図普段処理移行設定処理1〕
図66には、上述の普図普段処理での普図普段処理移行設定処理1(ステップB160)を示した。この普図普段処理移行設定処理1では、まず、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(ステップB160a)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB160b)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB160c)、普図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図67には、上述の普図普段処理での普図変動中処理移行設定処理(ステップB159)を示した。この普図変動中処理移行設定処理では、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(ステップB161)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB162)。その後、普図表示器における普図変動表示ゲームの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB163)、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(ステップB164)。そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である変動タイマ初期値を普図変動制御タイマ領域にセーブして(ステップB165)、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図68(a)に示すように、普図変動中処理では、普図表示中処理移行設定処理(ステップB170)を行う。図68(b)に示すように普図表示中処理移行設定処理では、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(ステップB171)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB172)。その後、普図表示器における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば、0.6秒)を設定して(ステップB173)、その普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB174)。さらに、普図の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB175)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB176)、普図表示中処理移行設定処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図69に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグをロードして(ステップB181)、RWMの当りフラグ領域をクリアし(ステップB182)、ロードされた当りフラグが当りかをチェックする(ステップB183)
当りフラグが当りでない場合(ステップB184;No)は、普図普段処理に移行するための普図普段処理移行設定処理1(ステップB193)を行って、普図表示中処理を終了する。この普図普段処理移行設定処理1は、図66に示した処理である。一方、当りフラグが当りである場合(ステップB184;Yes)は、普電サポート中(時短状態中)であるかを判定する(ステップB185)。
そして、普電サポート中である場合(ステップB185;Yes)は、普電サポート時の開放時間(例えば、1.7秒)を設定し(ステップB186)、普電サポート時の当り開始ポインタ(制御ポインタ)として0を設定して(ステップB187)、普図当り中処理制御ポインタ領域に当り開始ポインタとして0をセーブする(ステップB187)。これにより普通変動入賞装置37の開放回数が2回以上の複数回となる。
一方、普電サポート中でない場合(ステップB185;No)は、普電サポートなし時の開放時間(例えば、0.3秒)を設定し(ステップB188)、普電サポートなし時の当り開始ポインタ(制御ポインタ)として4を設定して(ステップB189)、普図当り中処理制御ポインタ領域に当り開始ポインタをセーブする(ステップB190)。これにより普通変動入賞装置37の開放回数が1回となる。その後、設定された普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB191)、普図当り中処理移行設定処理(ステップB192)を行って、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理移行設定処理〕
図70には、上述の普図表示中処理における普図当り中処理移行設定処理(ステップB192)を示した。この普図当り中処理移行設定処理では、まず、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB192a)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB192b)。その後、普図表示器における普図変動表示ゲームの当りに関する信号と、普電作動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB192c)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するために普電ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブする(ステップB192d)。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をリセットし(ステップB192e)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をリセットする(ステップB192f)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグを普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB192g)、普図当り中処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB12)の詳細について説明する。図71に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中処理制御ポインタ領域の値をロードして準備し(ステップB201)、ロードされた普図当り中処理制御ポインタの値が当り終了の値である4であるかをチェックする(ステップB202)。そして、当り終了の値でない場合(ステップB203;No)は、普図当り中処理制御ポインタ領域を更新(+1)し(ステップB204)、普電作動移行設定処理(ステップB205)を行って普図当り中処理を終了する。また、ステップB203にて、当り終了の値である場合(ステップB203;Yes)は、ステップB204における普図当り中処理制御ポインタ領域を更新(+1)する処理を行わずに、ステップB205へ移行して普電作動移行設定処理を行なって普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
図72には、上述の普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップB205)を示した。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタの値に応じて処理を分岐するようにしている。この普電作動移行設定処理では、まず、制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB231)。
制御ポインタの値が「0」または「2」であった場合は、ステップB232へ移行して普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間(例えば、0.8秒)を設定し(ステップB232)、該ウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB233)。そして、普電ソレノイド37cをオフさせるために普電ソレノイド出力データ領域にOFFデータを設定して(ステップB234)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「1」または「3」であった場合は、ステップB235へ移行して普通変動入賞装置37の所定回数(例えば、1回若しくは3回)の開放を制御するため、普電サポート時の普通変動入賞装置37の開放時間(例えば、0.3秒若しくは1.7秒)を設定する(ステップB235)そして、該普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB236)、普電ソレノイド37cをオンさせるために普電ソレノイド出力データ領域にONデータを設定して(ステップB237)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「4」であった場合は、ステップB238へ移行して普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理(ステップB13)を行うために、処理番号として「4」を設定する(ステップB238)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB239)、普電残存球処理時間を設定して(ステップB240)、その普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB241)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるために普電ソレノイド出力データ領域にOFFデータを設定し(ステップB242)、普電作動移行設定処理を終了する。
〔普電残存球処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電残存球処理(ステップB13)の詳細について説明する。図73(a)に示すように、普電残存球処理では普図当り終了処理移行設定処理(ステップB210)を行う。図73(b)に示すように、普図当り終了処理移行設定処理では、まず普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定して(ステップB211)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB212)。
その後、普図変動表示ゲームのエンディング時間を設定して(ステップB213)、その普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB214)。さらに、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB215)、普通変動入賞装置37への入賞数を示す普電カウント数領域をリセットする(ステップB216)。そして、普図当り中処理制御ポインタ領域をリセットして(ステップB217)、普図当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップB14)の詳細について説明する。図74(a)に示すように、普図当り終了処理では、普図普段処理移行設定処理2(ステップB220)を行う。図74(b)に示すように、普図普段処理移行設定処理2では、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定して(ステップB221)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB222)。
その後、普図変動ゲームの当り終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB223)、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB224)普図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS60)の詳細について説明する。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器、特図2保留表示器、普図保留表示器、第1遊技状態表示部、第2遊技状態表示部、第3遊技状態表示器、ラウンド表示部を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
図75に示すように、セグメントLED編集処理では、まず、表示制御タイマを+1更新し(ステップC101)、表示制御タイマが出力ONタイミングであるかをチェックする(ステップC102)。出力ONタイミングであるかの判定では、特定のビットの状態を監視し、この監視するビットが「1」であれば出力ONタイミングであると判定する一方、監視するビットが「0」であれば出力ONタイミングでないと判定する。
表示制御タイマが出力ONタイミングである場合(ステップC103;Yes)は、点滅制御ポインタとして点灯ポインタを設定し(ステップC104)、ステップC106に移行する。また、表示制御タイマが出力ONタイミングでない場合(ステップC103;No)は、点滅制御ポインタとして消灯ポインタを設定し(ステップC105)、ステップC106に移行する。
ステップC106では、普図保留数と、ステップC104若しくはステップC105にて設定された点滅制御ポインタに対応する表示データを取得して普図保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップC106)。その後、特図1保留数に対応する表示データを取得して特図1保留表示器のセグメント領域にセーブし(ステップC107)、特図2保留数に対応する表示データを取得して特図2保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップC108)。
次に、ラウンドLEDポインタに対応する表示データを取得してラウンド表示部のセグメント領域にセーブし(ステップC109)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得して第1遊技状態表示部若しくは第2遊技状態表示部のセグメント領域にセーブする(ステップC110)。
そして、停電復旧時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることの報知に係る高確率報知フラグをチェックして(ステップC111)、高確率を報知するタイミングである場合(ステップC112;Yes)は、セグメントLED編集処理を終了する。また、高確率を報知するタイミングでない場合(ステップC112;No)は、高確率報知LEDのOFFデータを第3遊技状態表示器のセグメント領域にセーブして(ステップC113)、セグメントLED編集処理を終了する。
〔磁石不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における磁気エラー監視処理(ステップS61)における磁石不正監視処理の詳細について説明する。磁石不正監視処理では、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定して不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図76に示すように、磁石不正監視処理では、まず、磁気センサスイッチ61から出力されて第2入力ポート122(入力ポート2)に取り込まれる磁石センサ検出信号の状態をチェックする(ステップC121)。そして、磁気センサスイッチ61がONである場合(ステップC122;Yes)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、磁石不正監視タイマを+1更新(+1)して当該タイマがタイムアップしたかをチェックする(ステップC123)。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップC124;Yes)は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップC125)、磁石不正報知タイマ初期値を磁石不正報知タイマ領域にセーブして(ステップC126)、磁石不正報知コマンドを準備する(ステップC127)。そして、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを設定し(ステップC128)、設定した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域の値と比較する(ステップC134)。すなわち、磁気センサスイッチ61が一定期間(例えば8回の割込み)連続してONであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁気センサスイッチ61がONでない場合(ステップC122;No)は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップC129)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが既にタイムアップ又は−1更新後にタイマがタイムアップしたかをチェックする(ステップC130)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップC124;No)もステップC130の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマがタイムアップしていない場合(ステップC131;No)は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマがタイムアップした場合(ステップC131;Yes)、すなわち当初から不正報知が行われていない又は不正報知の期間が終了した場合は、磁石不正報知終了コマンドを準備し(ステップC132)、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを設定して(ステップC133)、設定した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域の値と比較する(ステップC134)。
そして、設定した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域の値との比較(ステップC134)の結果、値が一致する場合(ステップC135;Yes)は、磁石不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップC135;No)は、設定した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップC136)、コマンド設定処理を行い(ステップC137)、磁石不正監視処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS62)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)や磁気エラー監視処理(ステップS61)の監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図77に示すように、外部情報編集処理では、まず、外部装置用のセキュリティ信号をオフ状態にするOFFデータを設定し(ステップC141)、外部装置用の扉・枠開放信号をオフ状態にするOFFデータを設定して(ステップC142)、試射試験装置用の遊技機エラー状態信号をオフ状態にするOFFデータを設定する(ステップC143)。
次に、前枠開放監視領域のステータスがエラー発生中であるかをチェックし(ステップC144)、エラー発生中でない場合(ステップC145;No)は、遊技枠開放監視領域のステータスがエラー発生中であるかをチェックする(ステップC146)。ここで、エラー発生中である(ステップC147;Yes)と判定すると、扉・枠開放信号をオン状態にするONデータを設定し(ステップC148)、遊技機エラー状態信号をオン状態にするONデータを設定する(ステップC149)。なお、ステップC145にて、エラー発生中であると判定した場合(ステップC145;Yes)は、処理をステップC148に移行する。またステップC147にて、エラー発生中でないと判定した場合(ステップC147;No)は、ステップC150に移行する。
そして、セキュリティ信号制御タイマが既にタイムアップ又は−1更新後にタイムアップしたかをチェックし(ステップC150)、タイムアップしていない場合(ステップC151;No)は、セキュリティ信号をオン状態にするONデータを設定し(ステップC152)、ステップC153に移行する。また、ステップC151にて、タイムアップしたと判定した場合(ステップC151;Yes)には、ステップC152をスキップして処理をステップC153に移行する。
ステップC153では、磁石不正フラグ領域の値が磁石不正発生フラグかをチェックし(ステップC153)、不正発生中でない場合(ステップC154;No)、すなわち磁石不正発生フラグでない場合は、大入賞口不正入賞フラグ領域の値が不正入賞発生フラグかをチェックする(ステップC155)。そして、不正発生中でない場合(ステップC156;No)、すなわち不正入賞発生フラグでない場合は、普電不正入賞フラグ領域の値が不正入賞発生フラグかをチェックする(ステップC157)。そして、不正発生中でない場合(ステップC158;No)、すなわち不正入賞発生フラグでない場合は、設定したセキュリティ信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップC161)。
また、磁石不正フラグ領域の値が磁石不正発生フラグである場合(ステップC154;Yes)や、大入賞口不正入賞フラグ領域の値が不正入賞発生フラグである場合(ステップC156;Yes)、普電不正入賞フラグ領域の値が不正入賞発生フラグである場合(ステップC158;Yes)は、セキュリティ信号をオン状態にするONデータを設定し(ステップC159)、遊技機エラー状態信号をオン状態にするONデータを設定して(ステップC160)、設定したセキュリティ信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップC161)。
設定したセキュリティ信号を外部情報出力データ領域にセーブ(ステップC161)した後、ON若しくはOFFに設定した扉・枠開放信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC162)、ON若しくはOFFに設定した遊技機エラー状態信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC163)。
その後、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップC164)を行い、図柄確定回数信号をオフ状態にするOFFデータを設定して(ステップC165)、図柄確定回数信号制御タイマが既にタイムアップ又は−1更新後にタイムアップしたかをチェックする(ステップC166)。図柄確定回数信号制御タイマがタイムアップしていない場合(ステップC167;No)は、図柄確定回数信号をオン状態にするONデータを設定し(ステップC168)、設定した図柄確定回数信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC169)を行って、外部情報編集処理を終了する。また、ステップC167にて、図柄確定回数信号制御タイマがタイムアップしたと判定された場合には(ステップC167;Yes)、ステップC168をスキップして、設定した図柄確定回数信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC169)、外部情報編集処理を終了する。
〔始動口信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理における始動口信号編集処理(ステップC164)の詳細について説明する。始動口信号編集処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図78に示すように、始動口信号編集処理では、まず、始動口信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップC171)。なお、始動口信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、始動口信号出力制御タイマがタイムアップしたかをチェックし(ステップC172)、タイムアップした場合(ステップC173)は、始動口信号出力回数が0であるかをチェックする(ステップC174)。
そして、始動口信号出力回数が0でない場合(ステップC175;No)は、始動口信号出力回数を−1更新し(ステップC176)、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップC177)。この始動口信号出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、始動口信号をオン状態にするONデータを設定し(ステップC178)、設定した始動口信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC182)、始動口信号編集処理を終了する。
一方、始動口信号出力制御タイマがタイムアップしていない場合(ステップC173;No)は、始動口信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば、64ms)以上であるか否かに応じて始動口信号出力制御タイマが出力ON区間中であるかをチェックする(ステップC179)。そして、始動口信号出力制御タイマの出力ON区間中である場合(ステップC179;Yes)は、処理をステップC178に移行する。また、始動口信号出力制御タイマの出力ON区間中でない場合(ステップC179;No)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするOFFデータを設定し(ステップC181)、設定した始動口信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC182)、始動口信号処理を終了する。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311では、図79に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップD11)、CPUの初期化やRAMの初期値設定、乱数の初期化等を行う各種初期化処理を行う(ステップD12)。そして、各種割込みのタイマを起動して(ステップD13)、割込みを許可する(ステップD14)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップD15)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップD16)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップD17)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップD17)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップD18)を行う。このテストモード処理(ステップD18)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
その後、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップD19)を行い、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップD20)を行って、所定の端末に入力することで取得可能となる情報を含むデータ音を設定するデータ音設定処理(ステップD21)を行う。そして、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップD22)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップD23)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップD24)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップD25)を行い、WDTをクリアする処理(ステップD15)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
図80には、図79に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップD19)を示した。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップD61)、テストモード中である場合(ステップD61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップD61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップD62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップD62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップD63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップD64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップD64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップD64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップD65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップD66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップD67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップD62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップD64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップD67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップD67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップD68)を行う。また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップD69)を行う。この変動中処理(ステップD69)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップD70)を行う。この図柄停止処理(ステップD70)では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップD71)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップD72)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップD73)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理である大当りエンディング処理(ステップD74)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップD67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップD75)を行い、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う飾り特図コマンド受信処理(ステップD76)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む事前判定コマンド(図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド)に基づく処理を行う事前判定コマンド受信処理(ステップD77)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づき、対応する値を内部設定するとともに背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)312に送信する処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップD78)を行って1stシーン制御処理を終了する。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図81に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップD101)を行い、RAMを0クリアして(ステップD102)、RAMの初期値を設定する(ステップD103)。次に、2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)を初期化するVDP初期化処理(ステップD104)を行い、各種割込みを許可する(ステップD105)。さらに、各種制御処理の初期化処理(ステップD106)を行い、画面描画を許可する(ステップD107)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアし(ステップD108)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップD109)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップD109)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップD109;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップD110)。
その後、受信コマンドチェック処理(ステップD111)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップD111)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述する2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次に、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップD112)を行う。この2ndシーン制御処理(ステップD112)では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行い、特図変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示装置41に表示する処理を行う。
その後、背景の設定を行う背景処理(ステップD113)を行う。背景処理では、遊技状態(確率状態や客待ち状態の有無)や、遊技モード、演出モード、リーチシーン、選択された演出態様等に応じた背景を表示する処理を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理である変動表示処理(ステップD114)を行い、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の設定を行う保留表示処理(ステップD115)を行う。保留表示処理では、始動記憶領域に記憶された事前演出情報に基づき、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる事前演出(先読み演出)の表示に関する処理も行う。これらの処理によっても飾り特図変動表示ゲームの演出内容の一部が設定される。
さらに、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップD116)を行い、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップD117)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップD108)に戻る。
〔Vブランク割込み処理〕
次に、Vブランク割込み処理について説明する。Vブランク割込み処理は、例えば16ms毎の周期的なVブランク割込み信号が2ndCPUに入力されることで開始される。図82に示すように、Vブランク割込み処理では、まずフレームカウンタの値を+1更新し(ステップD121)、当該フレームカウンタの値が規定値以上であるかを判定する(ステップD122)。ここで、フレームカウンタの値が規定値未満の場合(ステップD122;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、フレームカウンタの値が規定値以上の場合(ステップD122;Yes)は、システム周期待ちフラグが「0」であるかを判定する(ステップD123)。
そして、システム周期待ちフラグが「0」でない場合(ステップD123;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、システム周期待ちフラグが「0」である場合(ステップD123;Yes)は、VDPが描画を完了したかを判定する(ステップD124)。VDPが描画を完了していない場合(ステップD124;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、VDPが描画を完了した場合(ステップD124;Yes)は、表示フレームバッファを切り替え(ステップD125)、切り替えられた表示フレームバッファへの描画開始をVDPに指示する(ステップD126)。
次いで、VDPが描画を開始したことを示すVDP描画中フラグをセットし(ストップD127)、フレームカウンタを0クリアする(ステップD128)。その後、システム周期待ちフラグに「1」をセットし(ステップD129)、Vブランク割込み処理を終了する。
〔データ音設定処理〕
図83には、上述の1stメイン処理におけるデータ音設定処理(ステップD21)を示した。このデータ音設定処理では、まず、データ音の出力中であるかを判定し(ステップD131)、出力中でない場合(ステップD131;No)は、データ音の出力開始タイミングであるかを判定する(ステップD132)。
データ音の出力開始タイミングでない場合(ステップD132;No)は、データ音設定処理を終了する。また、データ音の出力開始タイミングである場合(ステップD132;Yes)は、出力するデータを取得し(ステップD133)、取得したデータを含むデータ音を生成する(ステップD134)。次に、データ音を出力し(ステップD135)、データ音出力フラグをセットする(ステップD136)。その後、データ音の出力時間を管理するデータ音出力タイマに初期値を設定して(ステップD137)、データ音設定処理を終了する。
一方、データ音の出力中である場合(ステップD131;Yes)は、データ音出力タイマを−1更新し(ステップD138)、タイムアップしたかを判定する(ステップD139)。そして、タイムアップしていない場合(ステップD139;No)は、データ音設定処理を終了する。また、タイムアップした場合(ステップD139;Yes)は、データ音の出力を停止し(ステップD140)、データ音出力フラグをクリアして(ステップD141)、データ音設定処理を終了する。
この処理により、遊技に関連する情報が含まれたデータ音がスピーカ19bから出力される。このデータ音は、データ音出力タイマにより管理される所定期間に亘り継続して出力される。また、データ音出力フラグがセットされている期間に亘り、表示装置41においてデータ音が出力されている旨の表示が行われるようになっている。
すなわち、演出制御装置300が、所定の端末600に入力することで取得可能となる情報を含むデータ音を音出力手段(スピーカ19b)から出力可能なデータ音出力手段をなす。また、演出制御装置300が、データ音が出力されている旨を表示装置41にて遊技者に報知するデータ音出力報知手段をなす。なお、端末600は、データ音から情報を取得するための専用の端末でも良いし、携帯電話等のような端末においてデータ音から情報を取得するためのソフトウェアを実行することで情報を取得できるようにしたものでも良い。
図84には、データ音による情報提供の例を示した。この例では、特図変動表示ゲームが大当りとなる可能性の高さに関する情報がデータ音により提供されるようになっている。図84(a)に示すように、リーチ状態においてデータ音の出力開始タイミングとなると、データ音が出力されていることを報知する表示(ここでは「端末をかざせー!」の表示)が行われる。このようなデータ音が出力されていることを報知する表示を行うことで、情報の取りこぼしを防止することができる。
そして、図84(b)に示すように、遊技者がデータ音から情報を取得可能な端末600をスピーカ19bにかざし、端末600のマイクからデータ音を端末600に入力すると、端末がデータ音から得た情報を画面に表示する。この場合は、例えば図84(c)から(e)に示すような特図変動表示ゲームが大当りとなる可能性の高さに関する情報が表示される。
図85には、特別遊技状態中におけるデータ音による情報提供の例を示した。この例では、特別遊技状態の終了後の確率状態に関する情報(高確率状態となるか否か)が提供されるようになっている。図85(a)に示すように、特別遊技状態における所定のラウンドとなると、データ音が出力されていることを報知する表示(ここでは「端末を下のスピーカーに近づけてね」の表示)が行われる。そして、図85(b)に示すように、遊技者がデータ音から情報を取得可能な端末600をスピーカ19bにかざし、端末600のマイクからデータ音を端末600に入力すると、端末がデータ音から得た情報を画面に表示する。この場合は、例えば図85(c)又は(d)に示すような特別遊技状態の終了後の確率状態に関する情報が表示される。
図86には、データ音による情報提供の別例を示した。この例では、携帯端末600の待ち受け画像がデータ音により提供される。図86(a)に示すように、特別遊技状態における所定のラウンドとなると、待ち受け画像が提供される旨と、データ音が出力されていることを報知する表示(ここでは「端末を下のスピーカーに近づけてね」の表示)が行われる。そして、図86(b)に示すように、遊技者がデータ音から情報を取得可能な端末600をスピーカ19bにかざし、端末600のマイクからデータ音を端末600に入力すると、端末がデータ音から得た情報を画面に表示する。この場合は図86(c)に示すような携帯端末600の待ち受け画像を取得することができる。
このように、データ音により情報を提供するようにしたことで、簡単かつ的確に情報を遊技者が取得できるようになり、例えば、従来のように光学コードにより情報を提供する場合のように読み取る際にピントが合わないなどの不都合が生じることがない。また、遊技機にはスピーカが備えられていることが一般的であり、これを音出力手段として利用すれば別途の通信手段を設ける必要がなく、無線通信(例えば、Felica(登録商標))による情報提供と比較してもコストの面で有利である。さらに、相互認証を必要とする無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標))と比較しても相互認証作業の必要がない点で有利であり、遊技者が簡単に情報を取得することができる。また、携帯端末600でデータ音を受信した人しか情報を知ることが出来ないため、表示により提供される情報のように他者にのぞかれるようなことがなく、個人で楽しむことが出来る。
なお、データ音を出力するスピーカは、スピーカ19a、スピーカ19bの何れでも良いし両方でも良いが、遊技機10では右側に操作部24が設けられており、遊技者は右手で操作部24を操作するので、左手に持った端末600をかざしやすい位置にあるスピーカからデータ音を出力することが好ましい。すなわち、遊技機の中央よりも左側かつ中央よりも下側にあるスピーカからデータ音を出力することが好ましい。
また、データ音により提供される情報は、実行中の特図変動表示ゲームについての予告や、未だ実行されていない特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームについての予告(事前予告)、確率状態についての情報、演出に関する情報など遊技に関する情報であればなんでも良い。また、情報の提供時期も特別遊技状態中や特図変動表示ゲームの実行中、客待ち状態中など、提供する情報に併せて適宜設定可能である。また、データ音は端末600がデータ音として認識できる周波数であれば良く、可聴音でも良いし非可聴音でも良い。また、データ音を可聴音として出力する場合は、遊技に関連して出力される音声にデータ音を紛れ込ませ、データ音が目立たないようにして違和感が生じないようにしても良い。また、遊技機が音データによりURLを提供し、端末600から当該URLにアクセスすることで遊技に関する情報を得られるようにしても良い。
また、データ音により情報を出力する遊技機の周囲にいる遊技者も当該データ音による情報の取得が可能となるような音量や出力態様としても良い。この場合に、データ音を出力する遊技機で遊技する遊技者が、自身のみデータ音による情報の取得を可能とするか、周囲の遊技者にもデータ音による情報の取得を可能とするかを選択できるようにし、選択に応じて遊技機が音量や出力態様を変更するようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となったことに関連して遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、音を出力する音出力手段(スピーカ19b)と、所定の端末600に入力することで取得可能となる情報を含むデータ音を音出力手段から出力可能なデータ音出力手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。また、データ音が含む情報は、遊技に関連する情報であることとなる。
また、遊技に関する画像を表示するための表示装置41を備え、データ音出力手段(演出制御装置300)によりデータ音が出力されている旨を表示装置41にて遊技者に報知するデータ音出力報知手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
図87から図89には、特別遊技状態中におけるデータ音による情報提供の別例を示した。この例では、データ音により提供される情報として、操作手段をなす演出ボタン25の操作手順に関する情報が提供され、遊技者がこの操作手順に従い演出ボタン25を操作することに基づき表示態様が変更され、特別遊技状態の終了後の確率状態に関する情報(高確率状態となるか否か)が提供されるようになっている。
図87に示すように、特別遊技状態では特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放し(t11)、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば25秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放する(t12)ことを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。このサイクル遊技では、一のラウンドの終了後、所定時間のインターバル(t12からt13)を挟んで次のラウンドが開始される。また、この例では、導出された特別結果態様により特別遊技状態の終了後の確率状態を明確に把握できないものとする。
この例では、3ラウンド目(t14からt16)においてデータ音により情報が提供されている(t15からt16)。この3ラウンド目では、図88(a)に示すように、表示装置41にデータ音が出力されていることを報知する表示(ここでは「端末を下のスピーカーに近づけてね」の表示)が行われる。そして、図88(b)に示すように、遊技者がデータ音から情報を取得可能な端末600をスピーカ19bにかざし、端末600のマイクからデータ音を端末600に入力すると、端末がデータ音から得た情報を画面に表示する。この場合は演出ボタン25の操作手順が表示される。演出ボタン25は上下左右方向の入力が可能であり、ここでは、右、左、下の順に演出ボタン25を操作する操作手順が表示されている。
その後、この例では14ラウンド目において、演出ボタン25の入力を受け付ける操作受付期間となる(図87のt17からt18)。この操作受付期間では、図88(c)に示すように、先に報知した操作手順に従った演出ボタン25の操作を促す表示がなされる。そして、操作受付期間において遊技者が操作手順に従った操作を行わなかった場合は、図88(d)に示すように特別遊技状態の終了後の遊技モードとして通常モードが選択され、その旨が報知される。通常モードは確率状態を明確に報知しない潜伏状態である。すなわち、遊技者が操作手順に従った操作を行わなかった場合は、特別遊技状態の終了後の確率状態は明確に報知されない。
一方、遊技者が操作手順に従った操作を行った場合は、特別遊技状態の終了後の遊技モードとして確率状態に応じた遊技モードが選択され、その旨が報知される。すなわち、遊技者が操作手順に従った操作を行なった場合は、特別遊技状態の終了後の確率状態を明確に報知する表示態様に変更される。図88(e)に示す例では、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合であって、高確率状態である場合にのみ選択されるSPモードとなることが報知され、高確率状態となることが明確に報知される。なお、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる場合は通常モードが選択され、その旨が報知される。通常モードは確率状態を明確に報知しない潜伏状態であるが、遊技者が操作手順に従った操作を行った場合に通常モードが選択される場合は通常確率状態となる場合のみである。すなわち、通常確率状態となることが明確に報知される。
〔モード設定処理〕
図89には、上述のような確率状態の報知処理を行うためのモード設定処理を示した。なお、このモード設定処理は、1stメイン処理又は2ndメイン処理のループ処理中に行う。このモード設定処理では、まず、データ音による操作手順の報知済みであるかを判定する(ステップD151)。なお、操作手順は、上下左右のキー操作からランダムに一又は複数の操作が選択され、所定のラウンドにおいてデータ音により提供されるようになっている。
この操作手順の報知済みでない場合(ステップD151;No)は、モード設定処理を終了する。また、操作手順の報知済みである場合(ステップD151;Yes)は、特別遊技状態の終了後の遊技モードが設定済みであるかを判定する(ステップD152)。ここでモード設定済みである場合(ステップD152;Yes)は、モード設定処理を終了する。また、モード設定済みでない場合(ステップD152;No)は、演出ボタン25での操作を受け付ける操作入力期間であるかを判定する(ステップD153)。
操作入力期間である場合(ステップD153;Yes)は、操作手順が報知した手順に合致したかを判定し(ステップD154)、合致しない場合(ステップD154;No)は、モード設定処理を終了する。また、合致した場合(ステップD154;Yes)は、特別遊技状態の終了後に高確率状態に移行するかを判定する(ステップD155)。
特別遊技状態の終了後に高確率状態に移行する場合(ステップD155;Yes)は、特別遊技状態の終了後の遊技モードとしてSPモードを設定し(ステップD156)、モード設定処理を終了する。これにより、特別遊技状態の終了後の遊技モードとしてSPモードが設定されるとともに、SPモードとなる旨の報知が行われる。また、特別遊技状態の終了後に高確率状態に移行しない場合(ステップD155;No)は、特別遊技状態の終了後の遊技モードとして通常モードを設定し(ステップD158)、モード設定処理を終了する。これにより、特別遊技状態の終了後の遊技モードとして通常モードが設定されるとともに、通常モードとなる旨の報知が行われる。
つまり、遊技者が報知した操作手順に従い演出ボタン25を操作したことに基づき表示態様が変更され、確率状態に関する情報が報知されることとなる。すなわち、演出制御装置300が、操作手段が当該情報に含まれた所定の操作手順に従い操作されることに基づき、表示態様を変更させる表示態様変更手段をなす。
一方、操作入力期間でない場合(ステップD153;No)は、操作入力期間が終了したかを判定し(ステップD157)、終了していない場合(ステップD157;No)は、モード設定処理を終了する。また、終了した場合(ステップD157;Yes)は、特別遊技状態の終了後の遊技モードとして通常モードを設定し(ステップD158)、モード設定処理を終了する。これにより、特別遊技状態の終了後の遊技モードとして通常モードが設定されるとともに、通常モードとなる旨の報知が行われる。この場合は、遊技者が報知した操作手順に従い演出ボタン25を操作しなかった場合であり、確率状態に関する情報は報知されないこととなる。このような情報の提供態様とすることで、データ音から情報を受けた遊技者に特典を付与することが可能となり、積極的に情報を得ようとさせることができる。
なお、ここでは特別遊技状態において報知した操作手順に従った操作を行った場合に、表示態様が変更されて特別遊技状態の終了後の確率状態に関する情報を提供するようにしたが、これに限られるものではない。すなわち、報知した操作手順に従った操作を行った場合に、背景やキャラクタの変化、特図変動表示ゲームの表示態様の変化、遊技に関する情報の報知態様の変化などの表示態様の変更を行ったり、遊技者への画像情報の提供のような特典の付与を行ったりするなど、何らかの変化が生じるような構成とすることも可能である。また、特別遊技状態中に限らず、特図変動表示ゲームの実行中や客待ち状態などで行うようにしても良く、例えば図84に示した例において、図84(b)の状態で操作手順を報知し、遊技者が操作手順に従った操作を行った場合に、図84(c)から(e)に示すような情報を提供するようにしても良い。
また、操作手順は、遊技機に備える操作手段に応じて適宜設定可能であり、例えば、押下することのみ可能なボタンや手の動きなどを検出するセンサである場合は、操作のタイミングや操作回数を報知するようにしても良い。また、音データによりURLを提供し、端末600から当該URLにアクセスして得た情報を遊技機に入力することで遊技機から情報が提供されるようにしても良い。
以上のことから、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、データ音に含まれる情報には操作手段の所定の操作手順が含まれ、操作手段が当該情報に含まれた所定の操作手順に従い操作されることに基づき、表示態様を変更させる表示態様変更手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。なお、表示態様以外の変化を行うことも含め、操作手段が当該情報に含まれた所定の操作手順に従い操作されることに基づき、所定の変化を行う態様変化手段(演出制御装置300)を備えているとも言える。
以上のような遊技機10は、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となったことに関連して遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、音を出力する音出力手段(スピーカ19b)と、所定の端末600に入力することで取得可能となる情報を含むデータ音を音出力手段から出力可能なデータ音出力手段(演出制御装置300)と、を備えている。
ここで、遊技機には、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機の他、スロットマシンも含まれる。
したがって、簡単かつ的確に情報を遊技者が取得できるようになる。すなわち、データ音により情報を提供するので、光学コードを読み取る際における上述したような不都合が生じることがない。また、遊技機にはスピーカが備えられていることが一般的であり、これを音出力手段として利用すれば別途の通信手段を設ける必要がなく、無線通信(例えば、Felica(登録商標))による情報提供と比較してもコストの面で有利である。さらに、相互認証を必要とする無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標))と比較しても相互認証作業の必要がない点で有利であり、遊技者が簡単に情報を取得することができる。
また、データ音が含む情報は、遊技に関連する情報である。ここで、遊技に関連する情報とは、変動表示ゲームについての予告や、確率状態についての情報、演出に関する情報などである。
したがって、遊技に関連する情報を簡単かつ的確に情報を遊技者が取得できるようになる。また、受信した人しか情報を知ることが出来ないため、表示により提供された情報を他者にのぞかれるようなことがなく、個人で楽しむことが出来る。
また、遊技に関する画像を表示するための表示装置41を備え、データ音出力手段(演出制御装置300)によりデータ音が出力されている旨を表示装置41にて遊技者に報知するデータ音出力報知手段(演出制御装置300)を備えている。したがって、情報の取りこぼしを防止することができる。
また、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、データ音に含まれる情報には操作手段の所定の操作手順が含まれ、操作手段が当該情報に含まれた所定の操作手順に従い操作されることに基づき、表示態様を変更させる表示態様変更手段(演出制御装置300)を備えている。ここで、表示態様の変更とは、変動表示ゲームの表示態様の変化や背景や演出の変化、遊技に関する情報の報知態様の変化などである。
したがって、データ音から情報を受けた遊技者に特典を付与することが可能となり、積極的に情報を得ようとさせることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、遊技球を用いるスロットマシンなどの遊技球を使用する全ての遊技機や、メダルを使用するスロットマシンに適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。