以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hでは、例えば複数の表示部位において、非表示(透過色)と所定色表示(例えば青色表示や赤色表示など)とで変化させることなどにより、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを区別して特定可能に表示できればよい。なお、合計保留記憶数のみを特定可能に表示してもよい。また、特図保留記憶数を示す数字を表示してもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
また、画像表示装置5の上部や下部といった、画像表示装置5の周囲には、回転及び振動等の動作が可能に構成された複数の演出用可動部材32A〜32Cが設けられている。演出用可動部材32A〜32Cは、図2に示す可動部材駆動モータ33A〜33Cにより所定の動作を駆動されることにより、所定の先読み演出のために用いられる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定期間(例えば29秒間や0.5秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「2」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
ラウンドの実行回数が「15」となる15R大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。この実施の形態において、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄は、いずれも15R大当り図柄となり、特図ゲームにおける確定特別図柄として導出表示されたときには、15R大当り状態に制御される。
大当り図柄のうちで「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
大当り図柄のうちで「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時間短縮制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続すればよい。確変状態における時短制御は、時短状態の場合と同様に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、終了してもよい。あるいは、確変状態における時短制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。
一例として、「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。
他の一例として、「5」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。また、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御と時短制御をともに継続させる。
確変制御とともに時短制御が行われる確変状態は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて時短制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。さらに、確変制御が行われずに時短制御のみが行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。このように、確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
「5」の数字を示す特別図柄は、第1確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第1確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第1確変大当り」と称される。「7」の数字を示す特別図柄は、第2確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第2確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第2確変大当り」と称される。なお、非確変大当り図柄「3」や第1確変大当り図柄「5」、および第2確変大当り図柄「7」は、一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
パチンコ遊技機1では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づき、大当り遊技状態に制御されてラウンドが実行され、開放状態となった大入賞口に遊技球を入賞させて遊技者が多数の賞球を容易に得られるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。また、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態になりやすくなるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。その他にも、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となることや、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることといった、様々な遊技価値が付与されることがある。こうした所定の遊技価値が付与されるか否かは、例えば特図ゲームにおける可変表示結果となる確定大当り図柄といった、所定図柄の表示結果に応じて定められるものであればよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定される。「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されればよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に表示されている飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、一旦表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、始動条件は成立したが開始条件が成立していない特別図柄の可変表示について、始動条件の成立時に、この可変表示(所謂ターゲット)の表示結果(特図表示結果)が「大当り」になるか否かを判定する、所謂「先読み」が行われる。そして、先読みの結果に基づいて、この先読み対象の可変表示(ターゲット)の表示結果の導出後に、当該ターゲットの可変表示の表示結果が大当りとなる可能性を示す先読み演出を、先読みの判定結果に基づいて実行されるようになっている。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9の点灯動作、あるいは演出用模型の所定動作などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、可変表示結果が「大当り」となる可能性を、遊技者に予告するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるリーチ成立前予告演出と、リーチ状態となった後に実行されるリーチ成立後予告演出を含む。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。なお、リーチ成立前予告演出として、大当りとなる可能性があることを予告する他、飾り図柄がリーチ状態となること、所定のリーチ演出が実行されること、等を予告するもの実行してもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せ(「通常大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が非確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、非確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「非確変」であるともいう。こうして「非確変大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態が終了すると、時短状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。こうした飾り図柄の可変表示態様は、「確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「確変」であるともいう。
確変状態や時短状態では、例えば「確変中」や「時短中」といった確変状態や時短状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、画像表示装置5の表示領域における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態や時短状態であることを遊技者が認識できる演出モードとなるようにしてもよい。あるいは、確変状態では、例えば通常状態と同様の演出モードとなることにより、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難になることがあってもよい(いわゆる潜伏確変)。
次に、パチンコ遊技機1の内部構成を説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、演出用可動部材32A〜32Cといった演出用の電気部品である演出装置による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作などの全部又は一部、演出用可動部材32A〜32Cの駆動動作といった、演出用の電気部品としての演出装置に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90における点灯/消灯駆動などを行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドとして、主基板11から演出制御基板12に対して第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンド、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンド、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンド等が送信される。可変表示結果通知コマンドとして、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別(飾り図柄の可変表示態様)を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)を示す情報が含まれる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドには、さらに画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の可変表示の停止を指定する図柄確定指定コマンド、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンド等が含まれる。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかを示す情報が含まれる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドには、さらに大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)、15R大当り状態におけるラウンドの実行回数等を示す情報を含む大入賞口開放中通知コマンド、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンド、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンド、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンド等が含まれる。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路104やI/O105は、外付けであってもよい。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図3は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図3に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、RAM122の所定領域に設けられた遊技制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値である。
図4は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
図5は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図4に示す各変動パターンは、図5に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。その他の変動パターンについても、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。また、スーパーリーチ演出が複数設定される場合には、スーパーリーチ演出の内容に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。
図5に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図4に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図9に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図4に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブル130におけるテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
特図表示結果決定テーブル130では、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果を「大当り」とする決定結果に対する決定値の割当てが異なっている。より具体的には、遊技状態が確変状態である場合に、通常状態又は時短状態である場合よりも多くの決定値が特図表示結果を「大当り」とする決定結果に割り当てられている。CPU103は、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、特図表示結果を決定するために用いる決定用データとなるテーブルデータを、特図表示結果決定用テーブルデータとして選択すればよい。
特図表示結果決定テーブル130では、個々の決定値が各決定結果に割り当てられるようにテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値が割り当てられた特図表示結果に決定できればよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、各決定結果に割り当てられた決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示すテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定結果に割り当てられた決定値の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が含まれる決定値範囲に対応する特図表示結果に決定できるようにしてもよい。特図表示結果決定テーブル130以外に各種設けられた決定テーブルも、同様に設定されたものであればよい。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り種別決定テーブル131では、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」などの大当り種別に割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを参照して大当り種別が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、大当り種別に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」又は「1」)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。また、大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、例えば大当り遊技状態において実行可能なラウンドの上限回数や、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限回数といった、可変表示結果が「大当り」となることなどに基づいて所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に対応した決定用データを含んでいてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行態様(実行回数や大入賞口の開放時間など)と、確変状態に制御するか否かのうち、いずれか一方又は両方が特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、「非確変大当り」とするか「確変大当り」とするかの決定結果に対して、決定値が割り当てられていてもよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、複数種類の大当り種別に対して決定値が割り当てられており、乱数値MR1のみを用いて大当り種別を決定できるようにしてもよい。
図8は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図8(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図8(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブルとが、予め用意されている。この実施の形態では、遊技状態が通常状態か時短状態かにかかわらず共通の大当り変動パターン種別決定テーブル132A又はハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを参照して変動パターン種別が決定される。これに対して、通常状態と、時短状態(高ベース状態)のそれぞれに対応して、変動パターン種別に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1又は変動パターン種別CA3−2に割り当てられている。この実施の形態では、大当り種別が「非確変」か「確変」かにかかわらず各変動パターン種別に決定される割合は同じである。これに対して、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせるために、大当り種別が「非確変」か「確変」に対応して、各変動パターン種別に異なる決定値が各変動パターン種別に割り当てられていても良い。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図9は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設定されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。加えて、演出制御基板12には、演出用可動部材32A〜32Cを駆動して所定の演出動作実行を指示する駆動指令信号を、演出用可動部材32A〜32Cのそれぞれに対応して設けられた可動部材駆動モータ33A〜33Cに伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、予告実行決定用の乱数値や、各種の予告演出選択用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。例えば、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる最終停止図柄決定用の乱数値を示す数値データなどが、カウント可能に制御されてもよい。
このような物理構成により演出制御基板12は、主基板11から中継基盤15を介して送信される各種コマンドに基づいて、先読み演出、予告演出、リーチ演出等の各種演出を実行する。
先読み演出は、遊技球が第1又は第2始動入賞口を通過して可変表示の始動条件が成立してから開始条件が成立するまでに実行される、可変表示結果が「ハズレ」である非リーチの変動パターンに対応する可変表示中に、先読みの対象となる可変表示(当該可変表示ともいう)の可変表示結果が大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。この実施の形態では、この実施の形態では、先読み演出として、1の可変表示において同時に実行した場合でも互いに遊技者が識別可能な異なる態様で実行される、大当りとなる割合が異なる複数種別の先読み演出が実行可能である。具体的には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示態様を変更する第1先読み演出と、演出用可動部材32A〜32Cを1又は複数動作させる第2先読み演出と、画像表示装置5の表示領域に表示される背景画像の表示態様を変化させる第3先読み演出と、が実行される。このような構成により、多様な先読み演出により遊技者の期待を煽ることができる。
予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから、可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでに、その可変表示結果に基づいて大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。この実施の形態では、互いに演出態様が異なる複数の予告演出を組み合わせて実行することができる。また、複数の予告演出は、それぞれが実行される演出装置を異ならせてもよいし、それぞれが実行されるタイミングを異ならせてもよい。例えば、複数のタイミングにて同一または別個の演出装置を用いて実行可能な予告演出として、リーチ成立前予告演出やリーチ成立後予告演出が、設けられていればよい。
リーチ成立前予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となる前のタイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。この実施の形態では、「大当り」となるか否かによって異なる割合で、複数の演出態様(予告演出態様YEP1−1〜YEP1−4)のうち何れかでリーチ成立前予告演出が実行される。
リーチ成立後予告は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後のタイミング(リーチ成立後タイミング)にて、大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。リーチ成立後タイミングは、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった直後のタイミングであってもよい。あるいは、リーチ成立後タイミングは、例えばノーマルリーチのリーチ態様で飾り図柄が可変表示されている期間中の所定タイミングであってもよい。飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後には、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおける飾り図柄の変動速度が低下して、まずはノーマルリーチのリーチ態様で可変表示が行われる。そして、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて飾り図柄の変動速度がさらに低下して飾り図柄が停止し、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出される場合(ノーマルリーチの場合)と、再び変動速度が上昇してスーパーリーチのリーチ態様に移行する場合(スーパーリーチの場合)とがある。
図10(A)は、先読み演出の対象となる当該可変表示が開始される前の3つの可変表示において実行される先読み演出及び当該可変表示において実行される予告演出(リーチ成立前予告演出及びリーチ成立後予告演出)の実行タイミングを示す。具体的には、3つの変動パターン種別CA1−1(「非リーチ(ハズレ)擬似連なし」)に対応する保留記憶情報を連続して記憶しているときに、変動パターン種別がCA2−1(「ノーマルリーチ(ハズレ)」)又はCA3−1(「ノーマルリーチ(大当り)」)に対応する始動入賞時コマンド(変動カテゴリコマンド等)を受信した場合に対応する。この場合、始動入賞時コマンドを受信したときから、第1先読み演出として、通常の保留表示(例えば無地の球など、第1先読み演出を実行していない場合に対応する保留表示)とは異なる態様で保留表示が行われる。また、1度目の非リーチ(ハズレ)の可変表示中の所定のタイミングで、演出用可動部材32A〜32Cを1又は複数動作させる第2先読み演出が実行される。そして、2度目の非リーチ(ハズレ)の可変表示中(先読み演出の対象である当該可変表示の2つ前)に、第3先読み演出として、画像表示装置5の表示領域に表示される背景画像を通常時とは異なる表示態様に変化させる。第3先読み演出は、ノーマルリーチ演出の実行が終わるまで継続される。これら複数の先読み演出の実行タイミングが、第1〜第3先読み演出の演出期間として予め定められている。さらに、当該可変表示が開始される「当該図柄変動開始」から表示結果が導出される「図柄変動終了」までに、リーチ成立前予告演出及びリーチ成立後予告演出を実行するタイミングが、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンなどにより、予め定められている。
図10(B)は、先読み演出の対象となる当該可変表示が開始される前の4つの可変表示において実行される先読み演出及び当該可変表示において実行される予告演出(リーチ成立前予告演出及びリーチ成立後予告演出)の実行タイミングを示す。具体的には、変動パターン種別CA1−1(「非リーチ(ハズレ)擬似連なし」)に対応する可変表示中であって、3つの変動パターン種別CA1−1に対応する保留記憶情報を連続して記憶しているときに、変動パターン種別がCA2−2(「スーパーリーチ(ハズレ)」)又はCA3−2(「スーパーリーチ(大当り)」)に対応する始動入賞時コマンド(変動カテゴリコマンド等)を受信した場合に対応する。この場合、始動入賞時コマンドを受信したときから、第1先読み演出として、通常の保留表示(例えば無地の球など、第1先読み演出を実行していない場合に対応する保留表示)とは異なる態様で保留表示が行われる。また、2度目の非リーチ(ハズレ)の可変表示中(先読み演出の対象である当該可変表示の3つ前)の所定のタイミングで、演出用可動部材32A〜32Cを1又は複数動作させる第2先読み演出が実行される。そして、3度目の非リーチ(ハズレ)の可変表示中(先読み演出の対象である当該可変表示の2つ前)に、第3先読み演出として、画像表示装置5の表示領域に表示される背景画像を通常時とは異なる表示態様に変化させる。第3先読み演出は、スーパーリーチ演出が開始されるまで継続される。これら複数の先読み演出の実行タイミングが、第1〜第3先読み演出の演出期間として予め定められている。さらに、当該可変表示が開始される「当該図柄変動開始」から表示結果が導出される「図柄変動終了」までに、リーチ成立前予告演出及びリーチ成立後予告演出を実行するタイミングが、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンなどにより、予め定められている。
こうした開始時期及び実行タイミングが異なる複数の先読み演出(第1〜第3先読み演出)における演出態様(演出内容)は、使用パターンとなる先読み演出パターンに対応して設定される。また、第1〜第3先読み演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が異なる複数の段階が設定されている。この実施の形態では、第1〜第3先読み演出のそれぞれに、大当り信頼度が最も低い第1段階から、最も高い第3段階が設定されている。例えば、第1先読み演出では保留表示を段階毎に異ならせるように(例えば、第1段階では保留表示を銀色に、第2段階では金色に、第3段階では星型の保留表示となるように)制御する。また、第2先読み演出では演出用可動部材32A〜32Cが変動する数を段階毎に異なるように(例えば、第1段階では一つ、第2段階では二つ、第3段階では三つの演出用可動部材が動作するように)制御する。さらに、第3先読み演出では表示される背景が段階毎に異なるように(例えば、第1段階では雨天の画像が、第2段階では嵐の画像が、第3段階では花吹雪の画像が表示されるように)制御する。このように、大当りとなる複数の段階を持つ先読み演出を、いずれの段階であるか遊技者が認識できるような態様で実行することで、遊技者の期待感を段階毎に異なる大きさで煽ることができるため、先読み演出の効果を高めることが出来る。
また、複数のタイミングで実行される複数の予告演出(リーチ成立前予告演出及びリーチ成立後予告演出)における演出態様(演出内容)は、使用パターンとなる予告パターンに対応して設定される。また、各タイミングで実行される予告演出(リーチ成立前予告演出及びリーチ成立後予告演出)における演出態様(演出内容)は、例えば大当り遊技状態となる可能性である大当り信頼度に応じて、異なるものとなる。本実施の形態では、リーチ成立前予告演出については先読み演出の実行内容に応じて、リーチ成立後予告演出についてはリーチ成立前予告演出の実行内容に応じて、それぞれ選択される演出態様が限定される。具体的には、第1〜第3先読み演出のうち複数が実行され、実行された先読み演出の内容が、最も段階が高い先読み演出の大当り信頼度が特定割合よりも高いなどの、所定の条件を満たす場合に、リーチ成立前予告演出を所定の基準よりも大当り信頼度が高い演出態様で実行する。言い換えれば、大当り信頼度が所定の基準以下であるリーチ成立前予告演出の実行は制限される。遊技者には、先に実行された演出により注目するものがいる。所定の条件を満たすように先読み演出が実行され、遊技者の期待感が高揚したのちに、このような遊技者の注目度が高いリーチ成立前予告演出を大当り信頼度が低い態様で実行すると、遊技者が落胆して遊技の興趣が低下する怖れがあるが、このような構成により、先読み演出によって期待感を感じた遊技者の落胆を防止することが出来る。なお、リーチ成立後予告演出については、遊技者の落胆を防止するため、リーチ成立前予告演出で示された大当り信頼度以上の演出態様で実行される。
図10に示すようなリーチ成立前予告演出が実行されるときには、画像表示装置5の所定領域に大当り信頼度に応じて表示されるキャラクタの種類・個数等が変化することにより、異なる大当り信頼度を予告することが出来ればよい。また、リーチ成立後予告演出としては、リーチ成立前予告演出に対して、画像表示装置5の所定領域に大当り信頼度に応じて表示されるキャラクタの種類・個数等が変化することにより、異なる大当り信頼度を予告することが出来ればよい。
図11は、「擬似連」の可変表示演出において擬似連変動が3回実行される擬似連3回の場合における予告演出の実行タイミングを示している。この場合、最初の擬似連変動が実行されるよりも前に、すなわち擬似連チャンス目となる飾り図柄が導出される以前に実行される再変動開始前予告演出、及び第1〜第3擬似連変動中に実行される擬似連中予告演出を実行するタイミングが、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンなどにより、予め定められている。また、各タイミングで実行される予告演出(再変動開始前予告演出及び第1〜第3擬似連変動中に実行される擬似連中予告演出)における演出態様(演出内容)は、例えば大当り遊技状態となる可能性である大当り信頼度に応じて、異なるものとなる。本実施の形態では、再変動開始前予告演出については先読み演出の実行内容に応じて、第1〜第3擬似連変動中に実行される擬似連中予告演出についてはその実行タイミング以前に実行された予告演出の実行内容に応じて、それぞれ選択される演出態様が限定される。具体的には、第1〜第3先読み演出のうち複数が実行され、実行された先読み演出の内容が、最も段階が高い先読み演出の大当り信頼度が特定割合よりも高いなどの、高い所定の条件を満たす場合に、再変動開始前予告演出を所定の基準よりも大当り信頼度が高い演出態様で実行する。言い換えれば、大当り信頼度が所定の基準以下である再変動開始前予告演出の実行は制限される。遊技者には、先に実行された演出により注目するものがいる。所定の条件を満たすように先読み演出が実行され、遊技者の期待感が高揚したのちに、このような遊技者の注目度が高い再変動開始前予告演出を大当り信頼度が低い態様で実行すると、遊技者が落胆して遊技の興趣が低下する怖れがあるが、このような構成により、先読み演出によって期待感を感じた遊技者の落胆を防止することが出来る。なお、第1〜第3擬似連変動中に実行される擬似連中予告演出については、遊技者の落胆を防止するため、直前に実行された予告演出で示された大当り信頼度以上の演出態様で実行される。
図11に示すような演出が実行されるときには、それぞれのタイミングで異なるキャラクタ画像が順番に表示されるステップアップ予告演出において、演出表示(表示されるキャラクタの個数など)が変化した段階数(ステップ数)に応じて、異なる大当り信頼度を予告することができればよい。
ステップアップ予告演出は、予め定められた順番に従って1段階から複数段階まで演出状態を段階的に変化させる予告演出である。ステップアップ予告演出において多い段階まで演出状態が段階的に変化した場合には、少ない段階でステップアップ予告演出が終了した場合よりも大当り遊技状態となる可能性が高くなる。ステップアップ予告演出では、1つのキャラクタの形状や色が変化するようにしてもよく、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、演出用模型等)の状態が段階的に変化したと認識できるものであればよい。例えば、段階的に表示されるキャラクタの数が増える場合の他に、段階的に動くキャラクタの数が増える場合、キャラクタの動く回数や頻度などが段階的に増える場合、キャラクタの大きさが段階的に大きくなる場合などがあってもよい。また、キャラクタを示す演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、演出用模型の動作状態を段階的に変化させるものであってもよい。そして、演出用模型が複数設けられている場合に動く演出用模型の数が段階的に増えることにより、あるいは演出用模型の動く回数や頻度などが段階的に増えることにより、大当り遊技状態となる可能性が段階的に高まっていくことを予告できればよい。
なお、リーチ成立前予告演出、リーチ成立後予告演出、再変動前予告演出、擬似連中予告演出のそれぞれにおける演出動作の具体的内容は、上記のものに限定されず、各演出態様に応じて異なる効果音を発する、異なる態様で遊技効果ランプを発光させる等、遊技者が大当り信頼度などを認識することができる任意の演出動作であればよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用点灯役物90、演出用可動部材32A〜32Cなど)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予告パターンの決定結果に応じて実行される単一または複数の予告演出のそれぞれについて、演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図12(A)は、各々の演出制御パターンの構成例を示している。図12(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LED、さらには演出用点灯役物90といった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用可動部材32A〜32Cにおける動作態様を示す演出用可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図12(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。図12(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、予告パターンの決定結果に対応して、飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。
その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の発光体、演出用可動部材32A〜32Cなど)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14、可動部材駆動モータ33A〜33Cなどに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図13に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図13に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、可動部材駆動モータ33A〜33Cへと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図15のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図15に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、特別図柄プロセス処理として、図14に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図16は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部151Aにセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部151Bにセットされる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。ステップS211の処理に続いて、後述する入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211A)。そして、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図14に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであるときには、ステップS202、S203の処理を実行してから、ステップS207〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS214の処理を実行してから、ステップS204の処理に進む。そして、ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときには、ステップS205〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS215の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図17は、入賞時乱数値判定処理として、図16のステップS211Aにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図15のステップS110、図18)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図15のステップS111、図19)において、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211Aの入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み演出を実行するか否かを、決定することができる。
図17に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部)などに設けられた確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。
その後、図16のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、特図表示結果決定用テーブルデータ130において「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。そして、可変表示結果が「ハズレ」となるとの判定結果に応じて、ハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを、後述する変動カテゴリ判定のために用いるテーブルとして決定する(ステップS406)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用テーブルデータ131を参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する(S409)。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。そして、可変表示結果が「大当り」となるとの判定結果に応じて、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを、後述する変動カテゴリ判定のために用いるテーブルとして決定する(ステップS411)。
ステップS406、S411の処理のいずれかを実行した後には、それぞれの処理にて決定した変動パターン種別決定テーブルと、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。その後、ステップS412の処理による判定結果に応じた変動カテゴリコマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図16に示す始動入賞判定処理や図17に示す入賞時乱数値判定処理を実行した後、図14に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図16に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」や「確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、15R大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図18は、図15のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部)に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、RAM102の所定領域(第2特図保留記憶部)にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部)にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部)にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、RAM102の所定領域(第1特図保留記憶部)にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。このとき、CPU103は、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」と「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、いずれの特図表示結果に割り当てられた決定値と合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態(非確変状態)に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。他方、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」又は「確変」の大当り種別に割り当てられた決定値と比較して、大当り種別を「非確変」又は「確変」のいずれとするかを決定する(ステップS244)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
こうした特別図柄通常処理において、例えばステップS240にて特図表示結果を「大当り」または「ハズレ」のいずれかに決定することなどにより、大当り遊技状態に制御するか否かを、特図ゲームにおける可変表示結果としての特図表示結果が導出される以前に決定することができる。
図19は、図15のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS265)。
ステップS263又はS265の処理を実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS267)。ここで、ステップS267の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS265にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを参照して変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定する。このときには、変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とするか「リーチ」とするかが決定される。すなわち、ステップS267の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS267にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS268)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS268にてセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS269の処理が実行されるときに乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部)に設定されたランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS269の処理では、ステップS267における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS272での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図14に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図20のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図20に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられ、CTCのレジスタ設定に基づき所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用可動部材32A〜32Cの駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図21は、演出制御プロセス処理として、図20のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み演出の有無や演出態様を決定する先読み演出決定処理を実行する(ステップS161)。図22、図23は、図21のステップS161にて実行される先読み演出決定処理の一例を示すフローチャートである。図22、図23に示す先読み演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御バッファ設定部194内に設定された始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックする(ステップS701)。そして、始動入賞時のコマンドのうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS702)。例えば、始動入賞時受信コマンドバッファに少なくとも始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドまたは保留記憶数通知コマンドのうち、いずれかが新たに格納されているか否かを確認することにより受信コマンドの有無を判定できる。いずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS702;No)、そのまま先読み演出決定処理を終了する。
ステップS702にて受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS702;Yes)、既に先読み演出を実行中であるか否かを判定する(ステップS703)。例えば、ステップS703の処理では、演出制御フラグ設定部191に設けられた先読み演出実行中フラグ(第1先読み演出実行中フラグ〜第3先読み演出実行中フラグの何れか)がオンであるときに、先読み演出を実行中であると判定すればよい。先読み演出実行中フラグは、それぞれ対応する先読み演出(第1先読み演出〜第3先読み演出)が実行されることに基づいて、オン状態にセットされる。
この実施の形態では、既に先読み演出を実行中であるときには、さらに先読み演出を実行するための処理が行われないようにして、既に決定した演出態様で先読み演出が実行される。一方、可変表示態様が「非リーチ」に決定される旨の入賞時判定結果に基づき先読み演出が実行されているときに、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の入賞時判定結果やスーパーリーチを伴う変動パターンに決定される旨の入賞時判定結果が得られたときには、実行中の先読み演出からスーパーリーチや大当りの予告演出へと切り替えてもよい。なお、既に実行されている先読み演出の演出態様にかかわらず、さらに先読み演出を実行可能にしてもよい。
ステップS703にて先読み演出が実行中ではない場合には、現在の遊技状態が時短制御を伴う時短制御中(高ベース状態)であるか否かを判定する(ステップS705)。
ステップS705にて時短制御中ではない場合には(ステップS705;No)、始動入賞時受信コマンドバッファに格納されている前回までの変動カテゴリコマンドをチェックして(ステップS708)、先読み演出を実行可能な変動カテゴリであるか否かを判定する(ステップS709)。例えば、ステップS708の処理では、最新の変動カテゴリコマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時受信コマンドバッファに格納されている変動カテゴリコマンドにより指定された変動カテゴリを読み取る。ステップS709の処理では、ステップS708における変動カテゴリの読取結果により、すべて「非リーチ(擬似連なし)」の可変表示態様に対応した変動カテゴリを指定するものである場合に、先読み演出を実行可能な変動カテゴリであると判定すればよい。こうして、予告対象となる可変表示が開始されるまでの各可変表示では、すべて「非リーチ(擬似連なし)」の可変表示態様となる場合に先読み演出が実行可能となる。これにより、先読み演出の途中でリーチ演出が実行されてしまい先読み演出の連続性が損なわれることを防止できる。なお、変動カテゴリコマンドで指定された変動カテゴリにかかわらず、先読み演出を実行可能であると判定してもよい。
ステップS709にて先読み演出を実行可能な変動カテゴリであると判定された場合には(ステップS709;Yes)、第1先読み演出を実行するか否かと、第1先読み演出を実行する場合における第1先読み演出の演出態様に対応した先読み演出パターンと、を決定する(ステップS710)。一例として、ステップS710の処理では、第1先読み演出の有無と先読み演出パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された第1先読み演出決定テーブルを選択してセットする。第1先読み演出決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容などに応じて、第1先読み演出種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、第1先読み演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、第1先読み演出を実行する場合における複数の先読み演出パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した第1先読み演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、第1先読み演出決定テーブルを参照することにより、第1先読み演出の有無と先読み演出パターンとを決定すればよい。
ステップS710の処理では、例えば図25(A)に示すような決定割合で、第1先読み演出の有無と先読み演出パターンとが決定されればよい。図25(A)に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、第1先読み演出の有無や先読み演出パターンの決定割合を異ならせている。
この実施の形態では、第1先読み演出の先読み演出パターンとして、SEP1−1(第1段階に対応)、SEP1−2(第2段階に対応)、SEP1−3(第3段階に対応)の3種類が設けられている。この実施の形態では、第1先読み演出は、先読み判定の対象となった予告対象となる可変表示に対応する保留記憶表示の表示態様を通常とは異なる特殊態様に変化させる先読み演出となっている。先読み演出パターンSEP1−1、SEP1−2、SEP1−3では、それぞれ異なる特殊態様に変化させる先読み演出が実行される。例えば、先読み演出パターンSEP1−1に決定された場合には、予告対象となる可変表示に対応する保留記憶表示の表示態様を例えば銀色表示とする第1先読み演出が実行され、先読み演出パターンSEP1−2に決定された場合には、予告対象となる可変表示に対応する保留記憶表示の表示態様を例えば金色表示とする第1先読み演出が実行され、先読み演出パターンSEP1−3に決定された場合には、予告対象となる可変表示に対応する保留記憶表示の表示態様を例えば星形表示とする第1先読み演出が実行される。この実施の形態では、図25に示すとおり、第1先読み演出は第1〜第3段階の何れであるかにかかわらず、先読み判定対象となる可変表示の実行前の最大4変動にわたって実行される。
図25に示すように、変動カテゴリが「ノーマルリーチ(ハズレ)」及び「スーパーリーチ(ハズレ)」である場合には、「非リーチ(ハズレ)」である場合よりも、第1先読み演出が実行される割合(「実行なし」以外に決定される割合)が高くなっており、変動カテゴリが「大当り」である場合には、「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」及び「非リーチ(ハズレ)」である場合よりも、先読み演出が実行される割合が高くなっている。また、変動カテゴリが「大当り」である場合には、全ての先読み演出パターンに決定可能であり、段階が高い演出パターンがより大きい割合で選択される。一方、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、図8に示すように高い割合で選択される変動パターン種別「非リーチ」(変動パターン種別CA1−1又はCA1−2)に対して、先読み演出パターンSEP1−1のみが所定の割合で決定される。一方、「非リーチ」よりは低い割合で選択される変動パターン種別「ノーマルリーチ(ハズレ)」(変動パターン種別CA2−1に対応)に対して、先読み演出パターンSEP1−1及びSEP1−2が所定の割合で決定される。一方、「非リーチ」及び「ノーマルリーチ(ハズレ)」よりも低い割合で選択される変動パターン種別「スーパーリーチ(ハズレ)」(変動パターン種別CA2−2に対応)に対して、先読み演出パターンSEP1−2及びSEP1−3が所定の割合で決定される。このような設定により、第1先読み演出の先読み演出パターンがSEP1−3>SEP1−2>SEP1−1の順番で、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなり、遊技者の信頼度も高くなる。
図22に示すステップS710の処理による決定に続いて、決定した先読み演出パターンを、演出制御バッファ設定部194に設けられ先読み演出バッファに格納する(ステップS711)。また、ステップS711では、例えば第1先読み演出実行中フラグをオン状態にセットするといった、第1先読み演出が実行中であることに対応した設定を行う。なお、先読み演出パターンは、始動入賞時受信コマンドバッファのバッファ番号に対応付けて記憶してもよい。
ステップS711の処理に続いて、ステップS710で決定された第1先読み演出の先読み演出パターンが最も大当り信頼度の低い先読み演出パターンSEP1−1であるか否かを判定する(図23のステップS712)。
ステップS712の処理の後には、第2先読み演出を実行するか否かと、第2先読み演出を実行する場合における第2先読み演出の演出態様に対応した先読み演出パターンと、を決定する(ステップS713、S714)。一例として、ステップS713、S714の処理では、第2先読み演出の有無と先読み演出パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された第2先読み演出決定テーブルを選択してセットする。第2先読み演出決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容などに応じて、第2先読み演出種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、第2先読み演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、第2先読み演出を実行する場合における複数の先読み演出パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した第2先読み演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、第2先読み演出決定テーブルを参照することにより、第2先読み演出の有無と先読み演出パターンとを決定すればよい。
ステップS712において第1先読み演出の先読み演出パターンが先読み演出パターンSEP1−1以外であると判定された場合(ステップS712;No)、例えば図26(A)に示すような決定割合で、第2先読み演出の有無と先読み演出パターンとを決定する(ステップS713)。図26(A)に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、第2先読み演出の有無や先読み演出パターンの決定割合を異ならせている。
この実施の形態では、第2先読み演出の先読み演出パターンとして、SEP2−1、SEP2−2、SEP2−3の3種類が設けられている。この実施の形態では、第2先読み演出は、先読み判定の対象となった予告対象となる可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示(最大3変動)に亘って演出用可動部材32A〜32Cのうち所定個が変動する先読み演出となっている。具体的には、先読み演出パターンSEP2−1(第1段階に対応)では演出用可動部材32A〜32Cのうち一つが、SEP2−2(第2段階に対応)では演出用可動部材32A〜32Cのうち二つが、SEP2−3(第3段階に対応)では演出用可動部材32A〜32Cの三つ全てが、それぞれ変動する先読み演出が実行される。SEP2−1〜SEP2−3のそれぞれの先読み演出パターンにおいて、図10に示したような所定の第2演出実行タイミングにて所定の演出動作が実行されるように、実行タイミングにおいて可動部材駆動モータ33A〜33Cへ駆動制御信号が出力されればよい。
図26(A)に示すように、変動カテゴリが「ノーマルリーチ(ハズレ)」及び「スーパーリーチ(ハズレ)」である場合には、「非リーチ(ハズレ)」である場合よりも、第2先読み演出が実行される割合(「実行なし」以外に決定される割合)が高くなっており、変動カテゴリが「大当り」である場合には、「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」及び「非リーチ(ハズレ)」である場合よりも、先読み演出が実行される割合が高くなっている。また、変動カテゴリが「大当り」である場合には、全ての先読み演出パターンに決定可能であり、段階が高い演出パターンがより大きい割合で選択される。一方、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、図8に示すように高い割合で選択される変動パターン種別「非リーチ」(変動パターン種別CA1−1又はCA1−2)に対して、先読み演出パターンSEP2−1のみが所定の割合で決定される。一方、「非リーチ」よりは低い割合で選択される変動パターン種別「ノーマルリーチ(ハズレ)」(変動パターン種別CA2−1に対応)に対して、先読み演出パターンSEP2−1及びSEP2−2が所定の割合で決定される。一方、「非リーチ」及び「ノーマルリーチ(ハズレ)」よりも低い割合で選択される変動パターン種別「スーパーリーチ(ハズレ)」(変動パターン種別CA2−2に対応)に対して、先読み演出パターンSEP2−2及びSEP2−3が所定の割合で決定される。このような設定により、第2先読み演出の先読み演出パターンがSEP2−3>SEP2−2>SEP2−1の順番で、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなり、遊技者の信頼度も高くなる。
ステップS712において第1先読み演出の先読み演出パターンが先読み演出パターンSEP1−1であると判定された場合(ステップS712;Yes)、例えば図26(B)に示すような決定割合で、第2先読み演出の有無と先読み演出パターンとを決定する(ステップS714)。図26(B)に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、第2先読み演出の有無や先読み演出パターンの決定割合を異ならせている。
図26(B)に示す決定割合においても、図26(A)に示す決定割合と同様の設定により、先読み演出パターンSEP2−3の第2先読み演出が実行された場合には、可変表示結果が「大当り」となる割合が、先読み演出パターンSEP2−2の第2先読み演出が実行された場合よりも高くなるように設定されている。しかしながら、大当り信頼度が最も低い第2先読み演出の先読み演出パターンSEP2−1には決定されないようになっている。即ち、この実施の形態では、第1先読み演出の先読み演出パターンが最も大当り信頼度の低い先読み演出パターンSEP1−1である場合には、(ステップS712;Yes)、大当り信頼度が最も低い第2先読み演出の先読み演出パターンSEP2−1には決定されないようになっている。
ステップS713またはS714の処理による決定に続いて、決定した先読み演出パターンを、演出制御バッファ設定部194に設けられ先読み演出バッファに格納する(ステップS715)。また、ステップS715では、例えば第2先読み演出実行中フラグをオン状態にセットするといった、第2先読み演出が実行中であることに対応した設定を行う。なお、先読み演出パターンは、始動入賞時受信コマンドバッファのバッファ番号に対応付けて記憶してもよい。
ステップS715の処理に続いて、ステップS710で第1先読み演出の先読み演出パターンが最も大当り信頼度の低い先読み演出パターンSEP1−1に決定されたか、又はステップS713で第2先読み演出の先読み演出パターンが最も大当り信頼度の低い先読み演出パターンSEP2−1に決定されたかの何れかであるか否かを判定する(図23のステップS716)。
ステップS716の処理の後には、第3先読み演出を実行するか否かと、第3先読み演出を実行する場合における第3先読み演出の演出態様に対応した先読み演出パターンと、を決定する(ステップS717、S718)。一例として、ステップS717、S718の処理では、第3先読み演出の有無と先読み演出パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された第3先読み演出決定テーブルを選択してセットする。第3先読み演出決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容などに応じて、第3先読み演出種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、第3先読み演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、第3先読み演出を実行する場合における複数の先読み演出パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した第3先読み演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、第3先読み演出決定テーブルを参照することにより、第3先読み演出の有無と先読み演出パターンとを決定すればよい。
ステップS716において第1先読み演出の先読み演出パターンが第1先読み演出の先読み演出パターンとして先読み演出パターンSEP1−1が決定されず、かつ第2先読み演出の先読み演出パターンとして先読み演出パターンSEP2−1が決定されていないと判定された場合(ステップS716;No)、例えば図27(A)に示すような決定割合で、第3先読み演出の有無と先読み演出パターンとを決定する(ステップS717)。図27(A)に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、第3先読み演出の有無や先読み演出パターンの決定割合を異ならせている。
この実施の形態では、第3先読み演出の先読み演出パターンとして、SEP3−1、SEP3−2、SEP3−3の3種類が設けられている。この実施の形態では、第3先読み演出は、先読み判定の対象となった予告対象となる可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示(最大2変動前)及び、先読み対象となった可変表示態様の所定タイミング(ノーマルリーチ演出が終わるまで、又はスーパーリーチ演出の開始まで)に亘って通常状態とは異なる背景画像が画像表示装置5に表示される先読み演出となっている。具体的には、SEP3−1(第1段階に対応)では雨天の画像、SEP3−2(第2段階に対応)では嵐の画像、SEP3−3(第3段階に対応)では花吹雪の画像といったように、段階毎に遊技者に判別可能な互いに異なる画像が表示される。
図27(A)に示すように、変動カテゴリが「ノーマルリーチ(ハズレ)」及び「スーパーリーチ(ハズレ)」である場合には、「非リーチ(ハズレ)」である場合よりも、第3先読み演出が実行される割合(「実行なし」以外に決定される割合)が高くなっており、変動カテゴリが「大当り」である場合には、「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」及び「非リーチ(ハズレ)」である場合よりも、先読み演出が実行される割合が高くなっている。また、変動カテゴリが「大当り」である場合には、全ての先読み演出パターンに決定可能であり、段階が高い演出パターンがより大きい割合で選択される。一方、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、図8に示すように高い割合で選択される変動パターン種別「非リーチ」(変動パターン種別CA1−1又はCA1−2)に対して、先読み演出パターンSEP3−1のみが所定の割合で決定される。一方、「非リーチ」よりは低い割合で選択される変動パターン種別「ノーマルリーチ(ハズレ)」(変動パターン種別CA2−1に対応)に対して、先読み演出パターンSEP3−1〜SEP3−3が所定の割合で決定される。一方、「非リーチ」及び「ノーマルリーチ(ハズレ)」よりも低い割合で選択される変動パターン種別「スーパーリーチ(ハズレ)」(変動パターン種別CA2−2に対応)に対して、先読み演出パターンSEP3−2及びSEP3−3が所定の割合で決定される。このような設定により、第3先読み演出の先読み演出パターンがSEP3−3>SEP3−2>SEP3−1の順番で、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなり、遊技者の信頼度も高くなる。
ステップS716において第1先読み演出の先読み演出パターンが第1先読み演出の先読み演出パターンとして先読み演出パターンSEP1−1が決定されたか、あるいは第2先読み演出の先読み演出パターンとして先読み演出パターンSEP2−1が決定されたと判定された場合は(ステップS716;Yes)、例えば図27(B)に示すような決定割合で、第3先読み演出の有無と先読み演出パターンとを決定する(ステップS718)。図27(B)に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、第3先読み演出の有無や先読み演出パターンの決定割合を異ならせている。
図27(B)に示す決定割合においても、図27(A)に示す決定割合と同様の設定により、先読み演出パターンSEP3−3の第3先読み演出が実行された場合には、可変表示結果が「大当り」となる割合が、先読み演出パターンSEP3−2の第3先読み演出が実行された場合よりも高くなるように設定されている。しかしながら、大当り信頼度が最も低い第3先読み演出の先読み演出パターンSEP3−1には決定されないようになっている。即ち、この実施の形態では、第1又は第2先読み演出の先読み演出パターンが最も大当り信頼度の低い先読み演出パターン(第1段階に対応するパターン)である場合には、(ステップS716;Yes)、大当り信頼度が最も低い第3先読み演出の先読み演出パターンSEP2−1には決定されないようになっている。
ステップS717またはS718の処理による決定に続いて、決定した先読み演出パターンを、演出制御バッファ設定部194に設けられた先読み演出バッファに格納する(ステップS719)。また、ステップS719では、例えば第3先読み演出実行中フラグをオン状態にセットするといった、第3先読み演出が実行中であることに対応した設定を行う。なお、先読み演出パターンは、始動入賞時受信コマンドバッファのバッファ番号に対応付けて記憶してもよい。このような設定により、大当り信頼度の低い先読み演出が重複して実行されることを制限できるので、予告演出によって遊技者の期待感を損なうことを防止でき、遊技の興趣が向上する。
なお、先読み演出パターンSEP1−1、先読み演出パターンSEP2−1及び先読み演出パターンSEP3−1を複数含む組合せ以外の先読み演出は重複して実行可能なので、遊技者の期待感を損なうことなく、遊技者の期待感を煽る予告演出を好適に実行することができる。
この実施の形態では、一の始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容に基づいて、第1先読み演出〜第3先読み演出を実行するか否かや実行する場合の先読み演出パターンが決定される。これにより、同一の予告対象について大当り信頼度の低い先読み演出が重複して実行されることを制限できるので、予告演出によって遊技者の期待感を損なうことを防止でき、遊技の興趣が向上する。
図25のステップS703にて先読み演出が実行中であると判定されたときや(ステップS703;Yes)、ステップS705にて時短制御中であると判定されたとき(ステップS705;Yes)、ステップS709にて先読み演出を実行可能な変動カテゴリではないと判定されたとき(ステップS709;No)、あるいはステップS719の処理を終了したときに、始動入賞時受信コマンドバッファに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS722)。
図21のステップS161にて先読み演出決定処理(図22及び図23)が終わると、演出制御用CPU120は決定した先読み演出を実行するために、先読み演出実行処理を開始する(ステップS162)。図24はステップS162で実行される先読み演出実行処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す先読み演出実行処理において、演出制御用CPU120は、まず現在が第1先読み演出を実行すべき第1先読み演出実行期間であるか否かを判定する。具体的には、先読み演出バッファの記憶内容を確認して、第1先読み演出実行中フラグがONであって、かつ現在実行中の可変表示が先読み対象となる可変表示から換算して図25に示す実行期間に含まれる場合に、第1先読み演出実行期間であると判定する。判定の結果、第1先読み演出実行期間である場合には(ステップS301;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける先読み対象となる保留表示を、図22のステップS711で決定された先読み演出パターンの段階に応じた態様に制御する(ステップS302)。
ステップS301で第1先読み演出実行期間でないと判定されるか(ステップS301;No)、ステップS302を実行した後に、演出制御用CPU120は現在が第2先読み演出を実行すべき第2先読み演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS303)。具体的には、先読み演出バッファの記憶内容を確認して、第2先読み演出実行中フラグがONであって、かつ現在実行中の可変表示が先読み対象となる可変表示から換算して図25に示す実行期間に含まれる場合であって、可変表示の進行が図10(A)に示すような第2先読み演出実行タイミングに含まれる場合に、第2先読み演出実行期間であると判定する。第2先読み演出実行タイミングは、第2先読み演出パターンに対応して、ROM121の所定期間に予め定義されていれば良い。判定の結果、第2先読み演出実行期間である場合には(ステップS303;Yes)、ROM121の所定領域に記憶された先読み演出パターンのうち、図23のステップS713又はS714で決定された第2先読み演出パターンの段階に応じて、演出用可動部材32A〜32Cを動作させる制御(役物変動の制御)する(ステップS304)。一例として、ステップS304の処理では、第2先読み演出の選択結果に基づき第2先読み演出の演出パターンに応じた演出制御実行データをROM121から読み出す。そして、演出用可動部材32A〜32Cによる所定の演出動作を行うために、読み出した演出制御実行データに基づき駆動指令を作成して演出用可動部材33A〜33Cなどに対して伝送させればよい。
ステップS303で第2先読み演出実行期間でないと判定されるか(ステップS303;No)、ステップS304を実行した後に、演出制御用CPU120は現在が第3先読み演出を実行すべき第3先読み演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS305)。具体的には、先読み演出バッファの記憶内容を確認して、第3先読み演出実行中フラグがONであって、かつ現在実行中の可変表示が先読み対象となる可変表示から換算して実行期間(図27に示すような2変動前から、ノーマルリーチ演出終了まで、あるいはスーパーリーチ演出実行開始までの期間)に含まれる場合に、第3先読み演出実行期間であると判定する。判定の結果、第3先読み演出実行期間である場合には(ステップS305;Yes)、次に第3先読み演出を実行するための制御処理として、第3先読み演出の段階に応じて背景表示を制御する処理を実行する(ステップS306)。ステップS306では、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送する。表示制御部123は表示制御指令に基づき、「CGROM等から図23のステップS719で格納された先読み演出パターンに対応する背景画像を読み出し、該背景画像を画像表示装置5に表示させる。ステップS305で第3先読み演出実行期間で無いと判定されるか、ステップS306の処理を終えると、演出制御用CPU120は図24の先読み演出実行処理を終了する。
図19の演出制御プロセス処理においてステップS162の処理を終えると、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図28は、図21のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS431)。このとき、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、変動開始時決定内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた変動開始時決定内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
ステップS431において、演出制御用CPU101は、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」又は「確変(大当り)」であった場合に、停止図柄として3図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。ただし、変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」である場合は、停止図柄として、偶数図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。一方、「確変(大当り)」である場合には、停止図柄として、奇数図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。
具体的には、「非確変(大当り)」又は「確変(大当り)」に決定されている場合には、所定の停止図柄決定のための演出用乱数を抽出し、ROM121に記憶された停止図柄決定用テーブルで定義された判定値と比較して左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った飾り図柄の組合せ)を決定する。「非確変(大当り)」にすることに決定されているときには、決定された図柄が奇数図柄であった場合には、例えば1ずつらした図柄を停止図柄にする。また、「確変(大当り)」にすることに決定されているときには、決定された図柄が偶数図柄であった場合には、例えば1つづらした図柄を停止図柄にする。
はずれの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する(下記の擬似連のチャンス目を除く。)。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、停止図柄決定用テーブルで定義された判定値と比較して左中右の停止図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合に、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
さらに、ステップS431の処理では、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに応じて、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かを判定する。このとき、「擬似連」の可変表示演出が実行されると判定した場合には、「擬似連」の可変表示演出において仮停止表示されて擬似連チャンス目を構成する飾り図柄を決定する。また、変動パターンなどに応じた所定割合で、「滑り」の可変表示演出を実行するか否かを決定してもよい。そして、「滑り」の可変表示演出を実行すると決定した場合には、「滑り」の可変表示演出において仮停止表示される飾り図柄を決定すればよい。
こうしたステップS431における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出選択処理を実行する(ステップS432)。そして、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS433)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS432の予告演出選択処理により選択された予告パターンなどに基づいて、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを、使用パターンとしてセットする。
ステップS433の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS434)。そして、画像表示装置5の画面上における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS435)。このときには、例えばステップS433にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。また、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を更新するための設定を行う(ステップS436)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS437)、可変表示開始設定処理を終了する。
図29は、図28のステップS432にて実行される予告演出選択処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す予告演出選択処理において、演出制御用CPU120は、まず、予告演出選択の選択基準を複数のうち一つに決定するための決定基準となる先読み演出を特定する(ステップS501)。具体的には、先読み演出バッファを参照するなどして、開始される可変表示の対象として実行された先読み演出の演出パターンを特定する。この実施の形態では、実行された先読み演出のうち、最も大当りとなる割合が高い(大当り信頼度が高い)演出パターンに対応するものを、決定基準となる先読み演出として決定する。例えば、図25〜図27に示したような割合で先読み演出を実行する場合には、大当りとなる割合(大当り信頼度)は図30(A)に示した順となる。ステップS501では、実行された先読み演出のうち、図30(A)で示した最も大当り信頼度が高い先読み演出パターンに対応する先読み演出を決定基準となる先読み演出として特定する。なお、第1〜第3先読み演出はそれぞれ第1〜第3段階に対応する演出パターンの何れかで実行されるが、異なる先読み演出において第1〜第3段階に対応する大当り信頼度は異なる場合がある。例えば、第3先読み演出では第3段階に対応するSEP3−3が最も大当り信頼度が高い。一方、図30(A)で示したように、第3先読み演出の第3段階に対応するSEP3−3の大当り信頼度は、第1先読み演出及び第2先読み演出と第2段階(SEP1−2及びSEP2−2)と相互に比較した場合、大当り信頼度はSEP3−3<SEP1−2<SEP2−2となる。このように、各先読み演出において、段階が高いほど大当り信頼度が高くなるが、他の先読み演出の段階と比較した場合に、段階が高いほど大当り信頼度が高く無くても良い。なお、複数の先読み演出の各段階について、同じ大当り信頼度が設定されていても良い。
ステップS501にて決定基準となる先読み演出を特定すると、次に演出制御用CPU120は決定基準となる先読み演出に応じた予告演出の選択基準を決定する(ステップS502)。この実施の形態では、決定基準となる先読み演出の演出パターンに応じて、図30(B)に示した決定テーブルを用いて予告演出の選択基準が決定される。ステップS502では、決定基準となる先読み演出の大当り信頼度が特定割合よりも高い場合に、そうでない場合のよりも選択される予告演出の大当り信頼度の下限が高い予告選択基準が選択されるように設定されていれば良い。図30の例では、先読み演出パターンSEP1−1の大当り信頼度(非確変時、保留数2〜4において約0.5%)と、先読み演出パターンSEP3−2の大当り信頼度(非確変時、保留数2〜4において約6%)と、の間に第1特定割合(中基準の予告演出基準に対応)が設定されている。第1特定割合は、例えば5%である。また、先読み演出パターンSEP2−2の大当り信頼度(非確変時、保留数2〜4において約10%)と、先読み演出パターンSEP1−3の大当り信頼度(非確変時、保留数2〜4において約40%)と、の間に第2特定割合(高基準の予告演出基準に対応)が設定されている。この場合、第2特定割合は、例えば20%である。ステップS502では、決定基準となる先読み演出の大当り信頼度が第1特定割合以下である場合には低基準が、第1特定割合よりも大きく、第2特定割合以下である場合には中基準が、第2特定割合より大きい場合には高基準が、それぞれ予告演出選択基準として決定される。なお、ここでは簡単のため非確変時、保留数2〜4の場合についてのみ説明したが、これに限定されるものではなく、確変状態に制御されている場合や、保留数が異なる場合にも、実行された先読み演出の該遊技状態における大当り信頼度が特定割合を超えた場合に所定の基準が選択されればよい。このとき、非確変時と確変時、保留数等の遊技状態によって、異なる特定割合を設定してもよいし、同じ特定割合を用いても良い。
次に、演出制御用CPU120は開始される可変表示に擬似連演出が実行されるか否か判定する(ステップS503)。具体的には、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンが、PA1−2、PB2−2〜PB2−4、PB3−2〜PB3−4、PB4−2〜PB4−4のいずれでも無い場合に、擬似連演出が実行されないと判定する(ステップS503;No)。この場合、次に演出制御用CPU120は、予告演出のうちリーチ成立前予告演出を実行するか否か、及び実行する場合に複数のうちどの演出態様で実行するか選択する(ステップS504)。リーチ成立前予告演出の態様として、図31に示すように、大当り信頼度(特定表示結果となる割合に対応)が極めて低い信頼度カテゴリ「カス」に相当するYEP1−1、大当り信頼度が低い信頼度カテゴリ「低信頼度」に相当するYEP1−2、大当り信頼度が中程度の信頼度カテゴリ「中信頼度」に相当するYEP1−3、大当り信頼度が高い信頼度カテゴリ「高信頼度」に相当するYEP1−4がそれぞれ設定されており、当該変動(開始される可変表示)の変動カテゴリに応じて異なる選択割合が割り当てられている。このためには、例えばROM121に記憶された複数の決定テーブルのうち、ステップS502で決定した予告演出選択基準に対応する決定テーブルを用いて、図31(A)〜(C)の決定割合のうち対応する決定割合で予告演出の実行の有無及び演出態様を選択すれば良い。
ステップS502にて予告演出選択基準が低基準時に決定された場合には、図31(A)に示したように、信頼度カテゴリが「カス」〜「高信頼度」の何れかの演出態様が選択されうる。一方、中基準時に決定された場合には、図31(B)に示すように、信頼度カテゴリが「カス」に対応する演出態様は選択されないため、「低信頼度」〜「高信頼度」の何れかの演出態様で予告演出が実行される。高基準時に決定された場合には、信頼度カテゴリが「カス」及び「低信頼度」に対応する演出態様は何れも選択されないため、「中信頼度」〜「高信頼度」の何れかに対応する演出態様で予告演出が実行される。本実施の形態においては、先読み演出及びリーチ成立前予告演出の演出態様が変動カテゴリに応じて異なる割合で決定されるため、リーチ前に実行される演出(先読み演出やリーチ成立前予告演出)によって飾り図柄がリーチ状態となるか否か、及びリーチ演出の種別(ノーマルリーチ演出かスーパーリーチ演出か、スーパーリーチ演出が複数ある場合には何れのスーパーリーチ演出か)が示唆される。一般に、リーチ状態となるか否か、及びリーチ演出の種別に応じて「大当り」となる割合が大きく変化する。そのため、飾り図柄がリーチ状態となるまではリーチ状態となるか否か、及び実行されるリーチ演出の種別を示唆する予告演出に対する遊技者の注目度が高められやすくなる場合がある。本実施の形態では、リーチ成立前予告演出とリーチ成立後予告演出とのうち、このような場合に注目度が高いリーチ成立前予告演出の演出態様を、先読み演出の実行内容に応じて適切に決定することが出来る。よって、遊技者の落胆を防止し、遊技の興趣を高めることができる。また、リーチ成立前予告演出の実行期間は、図10に示すように、第1及び第2先読み演出のすぐ後である上に、第3先読み演出の実行期間中である。そのため、リーチ成立前予告演出の実行中には、先読み演出によって高まった期待感が強く残存している傾向にある。そのため、先読み演出に対して過度に小さい大当り信頼度が、リーチ成立前予告演出によって示されると、リーチ成立後予告演出と比べても、遊技者の落胆が大きいが、本実施の形態によればこれを防止することが出来る。
また、決定基準となる先読み演出の大当り信頼度(特定表示結果となる割合に対応)が第1特定割合(例えば5%)より大きく、第2特定割合(例えば20%)以下であることに対応して、予告演出を「低信頼度」以上の演出態様(例えば図31(A)では2%以上)で実行する。さらに、決定基準となる先読み演出の大当り信頼度(特定表示結果となる割合に対応)が第2特定割合(例えば20%)より大きいことに対応して、予告演出を「中信頼度」以上の演出態様(例えば図31(A)では10%以上)で実行する。このため、実行される予告演出の演出態様に対応する特定表示結果となる割合が、決定基準となる先読み演出(この実施の形態では特定表示結果となる割合が最も高い先読み演出)の特定表示結果となる割合から予め定められた減少幅の範囲に含まれる。上記の例では、例えば第1特定割合に対して第1減少幅(上記の例では例えば1/10)が、第2特定割合に対して第2減少幅(上記の例では例えば1/2)がそれぞれ設定されている。よって、先読み演出によって示された特定表示結果となる可能性に対して、第1減少幅や第2減少幅といった所定の減少幅を越えて小さい特定表示結果となる可能性が予告演出によって示されることを制限できる。よって、先読み演出によって高まった期待感を予告演出によって損なうことを防止できるので、遊技の興趣が向上する。
図29のステップS503にて、擬似連演出が実行されると判定すると(ステップS503;Yes)、次に演出制御用CPU120は図11に例示した擬似連演出中に実行される複数回のステップアップ予告演出(再変動予告演出及び1又は複数の擬似連中予告演出)のうち、所定のタイミング(この実施の形態では再変動予告演出)で実行されるステップアップ予告演出の演出態様を複数のステップ(ステップ1〜ステップ4)の何れかに決定する(ステップ505)。この場合、ステップS504と同様に、例えばROM121に記憶された複数の決定テーブルのうち、ステップS502で決定した予告演出選択基準に対応する決定テーブルを用いて、図32(A)〜(C)の決定割合のうち対応する決定割合で予告演出の実行の有無及び演出態様を選択すれば良い。
ステップS502にて予告演出選択基準が低基準時に決定された場合には、図32(A)に示したように、信頼度カテゴリが「カス」(ステップ1に対応)〜「高信頼度」(ステップ4に対応)の何れの演出態様が選択されうる。一方、中基準時に決定された場合には、図32(B)に示すように、信頼度カテゴリが「カス」に対応する演出態様は選択されないため、「低信頼度」〜「高信頼度」の何れかの演出態様でステップアップ予告演出が実行される。高基準時に決定された場合には、信頼度カテゴリが「カス」及び「低信頼度」に対応する演出態様は何れも選択されないため、「中信頼度」〜「高信頼度」の何れかに対応する演出態様でステップアップ予告演出が実行される。このため、「擬似連」に対応する可変表示中に予告演出を複数回実行する場合に、注目度の高い所定のタイミング(ここでは再変動前のタイミング)で実行される予告演出(ここでは再変動前予告演出)の演出態様を先読み演出の実行内容に応じて適切に決定することが出来る。よって、遊技者の落胆を防止できるので、遊技の興趣が向上する。
ステップS505にて所定のタイミングで実行される予告演出(再変動前予告演出)の演出態様を決定した後、演出制御用CPU120は図11に例示したような「擬似連」に対応する可変表示中に実行される複数のステップアップ予告のうち残りの演出(ここでは1又は複数の擬似連中予告演出)の演出態様を選択する(ステップS505A)。ステップS505Aでは、任意の選択割合でステップ1〜ステップ4に対応する演出態様を決定して良いが、ここではS505と同じ決定テーブルを用いて同じ選択割合で演出態様を決定する。
ステップS505及びS505Aにて、擬似連を含む可変表示中に実行される複数のステップアップ予告の演出態様をそれぞれ決定すると、演出制御用CPU120は決定した予告演出の演出態様の組み合わせが予め定められた所定の禁則条件に該当するか否か判定する(ステップS505B)。この実施の形態では、禁則条件として前回実行されたステップアップ予告の演出態様よりも低いステップ数に対応する演出態様が選択された場合に、禁則条件に該当すると判定する(ステップS505B;Yes)。この場合には、禁則条件に該当する擬似連中予告を、禁則条件に該当しない態様、即ち前回よりも高いステップ数に対応する演出態様に補正する(ステップS505C)。このような構成によれば、より高いステップ数に対応する、より大当り信頼度が高いステップアップ予告が実行された後に、これよりも低いステップ数に対応するステップアップ予告が実行されることによる遊技者の落胆を防止することが出来る。なお、これに限らず、ステップ数が前回実行されたステップ数よりも2以上下がる場合に禁則条件に該当すると判定する、ROM121に記憶された所定の禁則組み合わせテーブルに登録された組み合わせに該当する場合に禁則条件に該当すると判定するなど、遊技者の落胆を防止できる所定の構成に代替可能である。
ステップS504又はS505Cを終了するか、ステップS505BでNoと判定した場合は、次に演出制御用CPU120が当該可変表示の変動パターンが「非リーチ」であるか否か判定する(ステップS508)。具体的には、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンPA1−1以外である場合には、「非リーチ」でないと判定し(ステップS508;No)、リーチ成立後予告選択処理を実行する(ステップS509)。
ステップS509では、任意の選択割合でリーチ成立後予告演出の演出態様を決定して良いが、ここではS504と同じ決定テーブルを用いて同じ選択割合で演出態様を決定する。
ステップS509にて、リーチ成立後予告演出の演出態様をするか、ステップS508にて「非リーチ」であると判定した場合に、演出制御用CPU120は決定した予告演出の演出態様の組み合わせが予め定められた所定の禁則条件に該当するか否か判定する(ステップS501)。この実施の形態では、禁則条件としてリーチ成立前予告演出の演出態様よりもリーチ成立後予告演出の演出態様の大当り信頼度が低い場合に、禁則条件に該当すると判定する(ステップS510;Yes)。この場合には、禁則条件に該当するリーチ成立後予告演出を、禁則条件に該当しない態様、即ち大当り信頼度がリーチ成立後予告演出以上である態様に補正する(ステップS511)。このような構成によれば、より大当り信頼度が高いリーチ成立前予告演出が実行された後に、これよりも低い大当り信頼度に対応するリーチ成立後予告演出が実行されることによる遊技者の落胆を防止することが出来る。なお、これに限らず、リーチ成立後予告演出の大当り信頼度がリーチ成立前予告演出よりも所定の閾値を越えて小さい場合に禁則条件に該当すると判定する、ROM121に記憶された所定の禁則組み合わせテーブルに登録された組み合わせに該当する場合に禁則条件に該当すると判定するなど、遊技者の落胆を防止できる所定の構成に代替可能である。
ステップS511にて、リーチ成立後予告演出の演出態様を補正するか、ステップS510にて禁則条件に該当しないと判定した場合(ステップS510;No)には、演出制御用CPU120は予告演出選択処理を終了する。
なお、図31〜32に示すような可変表示内容に応じて異なる決定割合で予告演出の有無を決定するものに限定されず、例えば特図表示結果が「大当り」と「ハズレ」のいずれに決定されたかといった可変表示結果の決定内容に応じて異なる決定割合で、予告演出を実行するか否かが決定されてもよい。
図33は、図21のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS461)。一例として、ステップS461の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS461にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS461;No)、複数の予告演出のいずれかを実行するための予告実行期間であるか否かを判定する(ステップS463)。予告実行期間は、例えば変動パターンに対応して使用パターンに決定された特図変動時演出制御パターンなどにより、予め定められていればよい。ステップS463にて予告実行期間であるときには(ステップS463;Yes)、複数のタイミングのいずれかに対応してステップS432の予告演出選択処理で選択された予告演出を、該選択結果に応じてステップS433で決定された予告パターンに基づいて実行するための演出動作制御を行う(ステップS464)。
一例として、ステップS464の処理では、予告演出の選択結果に基づき使用パターンに決定された予告演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。なお、ステップS510〜S511、及び、ステップS505B〜505Cにて実行された禁則条件に該当する予告演出の補正を、予告演出選択処理にかわって、あるいは重複してステップS464にて実行しても良い。例えば、新たな予告演出実行期間が開始された場合に、ステップS464にて新たに開始される予告演出の演出態様が、前回までに実行された予告演出の演出態様に対して禁則条件に該当するか否かを、ステップS510及びS505Cと同様に判定する。そして、禁則条件に該当する場合には、予告演出選択処理で決定された予告演出パターンを、例えばより大当り信頼度が高い演出態様に対応するなど、禁則条件に該当しない予告演出パターンに差し替えた上で予告演出を実行すれば良い。
ステップS463にて予告実行期間ではないとき(ステップS463;No)、あるいは、ステップS464の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他の演出動作制御を行ってから(ステップS465)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS461にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS461;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS466)。このとき、図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS466;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS466にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS466;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出させるように表示するための制御を行う(ステップS467)。また、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS468)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS469)、可変表示中演出処理を終了する。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、特定表示結果となる割合(大当り信頼度)が第1特定割合、第2特定割合といった特定割合よりも高い先読み演出が実行された場合には、特定表示結果でない場合の実行割合に対して、前記開始条件成立時決定手段の決定結果が特定表示結果である場合の実行割合(大当り信頼度)が所定の基準よりも高い演出態様で予告演出を実行するので、遊技者の落胆を防止できる。そのため、遊技の興趣を高めることができる。また、本実施の形態では予告演出選択基準を決定する決定基準として、実行されたうち最も大当り信頼度が高い先読み演出として特定し、該決定基準となる先読み演出の大当り信頼度が上記特定割合より高い場合に、所定の基準よりも高い演出態様で予告演出を実行する。遊技者には、先読み演出が複数実行された場合に、大当り信頼度が高い演出に注目するものがいるが、このような構成によればこのような遊技者にとって注目度の高い先読み演出の演出内容に応じて、適切の予告演出の態様を決定することが出来る。
また、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、図29のステップS502にて決定された予告演出選択基準に基づき、ステップS504にてリーチ成立前予告演出の演出態様を決定する。そのため、リーチ成立前予告演出とリーチ成立後予告演出とのうち、注目度が高いリーチ前予告演出の演出態様を、大当り信頼度が高い先読み演出の実行内容に応じて適切に決定することが出来る。よって、遊技者の落胆を防止し、遊技の興趣を高めることができる。
また、図29にて、可変表示において擬似連演出が実行されると判定された場合(ステップS503;Yes)に、複数回に渡って実行されるステップアップ予告のうち、再変動前に実行される予告演出(再変動前予告演出)の演出態様を予告選択基準に応じて決定する。そのため、ステップアップ予告といった予告演出を複数回実行する場合に、所定のタイミングで実行される予告演出(最初に実行される注目度の高い再変動前予告演出)の演出態様を大当り信頼度が高い先読み演出の実行内容に応じて適切に決定することが出来る。よって、遊技者の落胆を防止できるので、遊技の興趣が向上する。
また、図31及び図32の選択割合で予告演出を実行するため、決定基準となる先読み演出の特定表示結果となる割合(大当り信頼度)が、特定の割合(第1特定割合又は第2特定割合)より大きい場合には、実行される予告演出の演出態様に対応する大当り信頼度が、決定基準となる先読み演出の大当り信頼度からとなる割合予め定められた減少幅(第1減少幅又は第2減少幅)の範囲に含まれる。そのため、先読み演出によって示された特定表示結果となる可能性に対して、所定の減少幅を越えて小さい特定表示結果となる可能性が予告演出によって示されることを制限できる。よって、先読み演出によって高まった期待感を予告演出によって損なうことを防止できるので、遊技の興趣が向上する。
また、大当りとなる複数の段階を持つ先読み演出を、いずれの段階であるか遊技者が認識できるような態様で実行することで、遊技者の期待感を段階毎に異なる大きさで煽ることができるため、先読み演出の効果を高めることが出来る。このような構成に関連して、図23で示した処理において、第1段階の第1先読み演出が実行されると決定された場合(ステップS712;Yes)に、第2先読み演出及び第3先読み演出を第1段階で実行すること、及び第1段階の第2先読み演出が実行されると決定された場合(ステップS716;Yes)に、第3先読み演出を第1段階で実行することを制限する(図26(B)及び図27(B))。このような構成によれば、特定表示結果となる割合が低い(第1段階の)複数の先読み演出を実行することによって生じる遊技者の落胆を防止することが出来る。
この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な応用や変形が可能である。具体的な例として、以下の変形例のいずれかの構成を採用することが出来る。
(変形例1)
上記実施の形態では、予告演出選択処理(図29)のステップS501にて実行されたうち最も大当り信頼度が高い先読み演出を決定基準として特定し、ステップS502にて図30(B)の決定例で予告演出選択基準を決定した。しかし、これに限らず、ステップS501にて実行された複数の先読み演出(第1〜第3先読み演出)のうち、特定表示結果となる可能性が高い(大当り信頼度が高い)段階に対応する先読み演出を決定基準として特定する構成も可能である。例えば、ステップS501にて、演出制御バッファ設定部194に設けられ先読み演出バッファを参照して、実行されたうち最も段階に対応する先読み演出を決定手段として決定すれば良い。この場合、例えば第2先読み演出が演出パターンSEP2−2(第2段階)で実行され、第3先読み演出が演出パターンSEP3−3(第3段階)で実行された場合は、大当り信頼度が高いSEP2−2ではなく、段階が高いSEP3−3の第3先読み演出が決定基準として特定される。
各先読み演出に複数の大当り信頼度に対応する段階(第1〜第3段階)を設定した場合には、実際の大当り信頼度とは別に、段階が高い先読み演出に対して特に注目する遊技者がいる。この変形例では、このような遊技者にとって注目度が高い、特定表示結果となる段階が高い先読み演出の特定表示結果となる割合が特定割合よりも高い場合には、特定表示結果でない場合の実行割合に対して、前記開始条件成立時決定手段の決定結果が特定表示結果である場合の実行割合が所定の基準よりも高い演出態様で予告演出を実行するので、遊技者の落胆を防止できる。そのため、遊技の興趣を高めることができる。
変形例1におけるパチンコ遊技機1では、図29のステップS502にて段階が高い先読み演出に応じて決定された予告演出選択基準に基づき、ステップS504にてリーチ成立前予告演出の演出態様を決定する。そのため、リーチ成立前予告演出とリーチ成立後予告演出とのうち、注目度が高いリーチ前予告演出の演出態様を、特定表示結果となる段階が高い先読み演出の実行内容に応じて適切に決定することが出来る。よって、遊技者の落胆を防止し、遊技の興趣を高めることができる。
また、変形例1におけるパチンコ遊技機1では、図29にて、可変表示において擬似連演出が実行されると判定された場合(ステップS503;Yes)に、複数回に渡って連動して実行されるステップアップ予告のうち、再変動前に実行される予告演出(再変動前予告演出)の演出態様を予告選択基準に応じて決定する。そのため、ステップアップ予告といった予告演出を複数回実行する場合に、所定のタイミングで実行される予告演出(最初に実行される注目度の高い再変動前予告演出)の演出態様を特定表示結果となる段階が高い先読み演出の実行内容に応じて適切に決定することが出来る。よって、遊技者の落胆を防止できるので、遊技の興趣が向上する。
また、変形例1において、図31及び図32の選択割合で予告演出を実行すると、決定基準となる先読み演出の特定表示結果となる割合(大当り信頼度)が、特定の割合(第1特定割合又は第2特定割合)より大きい場合には、実行される予告演出の演出態様に対応する大当り信頼度が、決定基準となる先読み演出の大当り信頼度から予め定められた減少幅(第1減少幅又は第2減少幅)の範囲に含まれる。そのため、先読み演出によって示された特定表示結果となる可能性に対して、所定の減少幅を越えて小さい特定表示結果となる可能性が予告演出によって示されることを制限できる。よって、先読み演出によって高まった期待感を予告演出によって損なうことを防止できるので、遊技の興趣が向上する。
(変形例2)
上記実施の形態では、予告演出選択処理(図29)のステップS501にて実行されたうち最も大当り信頼度が高い先読み演出を決定基準として特定し、ステップS502にて図30(B)の決定例で予告演出選択基準を決定した。しかし、これに限らず、実行された先読み演出の数または(複数実行された場合)組み合わせに応じて予告演出選択基準を決定しても良い。このためには、ステップS502で例えば図34に示した決定例を用いて予告演出選択基準を決定し、該予告演出選択基準に応じてステップS504及びステップS505にて予告演出の演出態様を選択すれば良い。
あるいは、図34に変えて、ステップS502にて第1〜第3先読み演出のうち1つだけが実行された場合には低基準を、2つだけが実行された場合には中基準を、3つ全てが実行された場合には高基準を、それぞれ予告演出選択基準として決定しても良い。
先読み演出が複数実行された場合には、単独で実行された場合と比べて遊技者の期待が高まる。そのため、先読み演出が実行された後に、特定表示結果となる割合が低い(大当り信頼度が低い)予告演出を実行すると、実行された先読み演出の数又は組み合わせによっては、かえって遊技者が落胆してしまう怖れがある。変形例2の構成によれば、特定数以上又は特定の組み合わせで先読み演出が実行された場合には、特定表示結果でない場合の実行割合に対して、前記開始条件成立時決定手段の決定結果が特定表示結果である場合の実行割合が所定の基準よりも高い演出態様で予告演出を実行するので、遊技者の落胆を防止できる。そのため、遊技の興趣を高めることができる。
変形例2におけるパチンコ遊技機1では、図29のステップS502にて実行された先読み演出の数又は組み合わせに応じて決定された予告演出選択基準に基づき、ステップS504にてリーチ成立前予告演出の演出態様を決定する。そのため、リーチ成立前予告演出とリーチ成立後予告演出とのうち、注目度が高いリーチ前予告演出の演出態様を、実行された先読み演出の数又は組み合わせに応じて適切に決定することが出来る。よって、遊技者の落胆を防止し、遊技の興趣を高めることができる。
また、変形例2におけるパチンコ遊技機1では、図29にて、可変表示において擬似連演出が実行されると判定された場合(ステップS503;Yes)に、複数回に渡って連動して実行されるステップアップ予告のうち、再変動前に実行される予告演出(再変動前予告演出)の演出態様を実行された先読み演出の数又は組み合わせに応じて決定された予告選択基準で決定する。そのため、ステップアップ予告といった予告演出を複数回実行する場合に、所定のタイミングで実行される予告演出(最初に実行される注目度の高い再変動前予告演出)の演出態様を実行された先読み演出の数又は組み合わせに応じて適切に決定することが出来る。よって、遊技者の落胆を防止できるので、遊技の興趣が向上する。
また、変形例2において、図31及び図32で示すような選択割合を、実行される予告演出の演出態様に対応する特定表示結果となる割合(大当り信頼度)が、特定数以上又は特定の組み合わせで先読み演出が実行された場合の特定表示結果となる割合から予め定められた減少幅の範囲に含まれるように設定しても良い。例えば図34に示した実行組み合わせで第1〜第3先読み演出が実行される場合の大当り信頼度は、それぞれの組み合わせで先読み演出が実行される全場合の数に対する大当り時に実行される場合の数の比で求めることが出来る。そこで、図31(B)及び図32(B)の決定割合において、選択されうる演出態様(低基準に対応)を、この方法で求められる図34の中基準の実行組み合わせに対応する大当り信頼度に対して所定の減少幅(第3減少幅、例えば1/20)に含まれるように設定すればよい。同様に、図31(C)及び図32(C)の決定割合において、選択されうる予告演出の演出態様(中基準に対応)を、この方法で求められる図34の高基準の実行組み合わせに対応する大当り信頼度に対して所定の減少幅(第4減少幅、例えば1/5)に含まれるように設定すればよい。このような変形例の構成によれば、特定数以上又は特定の組み合わせで実行された先読み演出によって示された特定表示結果となる可能性に対して、所定の減少幅を越えて小さい特定表示結果となる可能性が予告演出によって示されることを制限できる。よって、先読み演出によって高まった期待感を予告演出によって損なうことを防止できるので、遊技の興趣が向上する
(変形例3)
上記実施の形態では、予告演出選択処理(図29)のステップS501にて実行されたうち最も大当り信頼度が高い先読み演出を決定基準として特定し、ステップS502にて図30(B)の決定例で予告演出選択基準を決定した。しかし、これに限らず、ステップS501にて実行された複数の先読み演出(第1〜第3先読み演出)のうち、実行されたうちで遊技者に認識しやすい態様に対応する先読み演出を決定基準として特定する構成も可能である。このためには、ステップS501にて、遊技者に認識しやすい態様に対応する先読み演出を決定基準として特定すれば良い。例えば、演出領域が大きい先読み演出は、演出領域が小さい先読み演出よりも遊技者が認識しやすい。この観点では、遊技者の認識しやすさは、第3先読み演出>第2先読み演出>第1先読み演出となる。そこで、ステップS501にて、第3先読み演出が実行されていた場合には(第1及び第2先読み演出の大当り信頼度及び段階にかかわらず)第3先読み演出を決定基準として特定する。また、第3先読み演出が実行されていなかった場合に第2先読み演出が実行されていた場合には(第1先読み演出の大当り信頼度及び段階にかかわらず)第2先読み演出を決定基準として特定すればよい。
あるいは、実行期間の長さに着目すれば、長く実行される先読み演出は、短期間だけ実行される先読み演出よりも遊技者が認識しやすい。例えば、当該図柄変動が開始される前の何変動に渡って実行されたかによって認識しやすさが異なる。図10(A)の例では、第1先読み演出及び第2先読み演出が3変動にわたって実行されているため、当該図柄変動が開始される前の2変動に渡って実行されている第3先読み演出よりも認識しやすいと考えられる。第1先読み演出と第2先読み演出とでは、変動中常に実行されている第1先読み演出が、所定のタイミングのみで実行されている第2先読み演出よりも認識がしやすい。図10(B)の例では、当該図柄変動が開始される前の4変動にわたって実行されている第1先読み演出、3変動にわたって実行されている第2先読み演出、2変動に渡って実行されている第3先読み演出の順で認識しやすいと考えられる。このように、ステップS501にて、当該図柄変動が開始される前の何変動に渡って実行されたかに応じて、実行されたうちで最も認識しやすい先読み演出を決定基準として特定すればよい。具体的には、先読み演出決定処理(図22・23)のステップS709で予告実行可能カテゴリであると判定した場合に、先読みの対象となる可変表示の前に先読み演出が実行可能な変動(「非リーチ(擬似連なし)」に対応する可変表示)が何変動あるか判定する。そして、ステップS711、ステップS713及びS714,ステップS717及びS718において、図25〜27の実行期間(最大)を参照して先読み演出が実行される当該図柄変動前の変動数を決定し、先読み演出バッファにそれぞれ格納する。そして、図29のステップS501にて、格納された当該図柄変動前の変動数が最も大きい先読み演出を、決定基準となる先読み演出として特定すればよい。
あるいは、単純に実行された時間が長い先読み演出に注目する遊技者も存在する。このような遊技者のために、実行された時間が長い先読み演出を、認識しやすい先読み演出として決定基準と成る先読み演出として特定しても良い。このためには、先読み演出バッファに第1〜第3先読み演出のそれぞれに対応する演出時間測定タイマを設ける。そして、先読み演出実行処理(図24)のステップS302,S304、S306にて、各先読み演出が実行される毎にタイマをカウントアップする。こうして、図29のステップS501にて、演出時間測定タイマのタイマ値が最も大きい先読み演出を、決定基準となる先読み演出として特定すればよい。
さらに、例えば実験によって遊技者の認識しやすさを求めた場合など、認識しやすさが予め知られている場合には、該知られている認識しやすさを基準に決定基準となる先読み演出として特定してもよい。このような場合、ステップS501にて例えば図34に示したような優先度で決定基準となる先読み演出を特定すればよい。
遊技者の中には、認識しやすい先読み演出に注目するものがいる。変形例3におけるパチンコ遊技機1では、図29のステップS502にて実行されたうち認識しやすい(このような遊技者にとって注目度が高い)先読み演出に応じて決定された予告演出選択基準に基づき、ステップS504にてリーチ成立前予告演出の演出態様を決定する。そのため、リーチ成立前予告演出とリーチ成立後予告演出とのうち、より注目度が高いリーチ前予告演出の演出態様を、認識しやすい(注目度が高い)先読み演出の実行内容に応じて適切に決定することが出来る。よって、遊技者の落胆を防止し、遊技の興趣を高めることができる。
また、変形例3におけるパチンコ遊技機1では、図29にて、可変表示において擬似連演出が実行されると判定された場合(ステップS503;Yes)に、複数回に渡って連動して実行されるステップアップ予告のうち、再変動前に実行される予告演出(再変動前予告演出)の演出態様を予告選択基準に応じて決定する。そのため、ステップアップ予告といった予告演出を複数回実行する場合に、所定のタイミングで実行される予告演出(最初に実行される注目度の高い再変動前予告演出)の演出態様を認識しやすい(注目度が高い)先読み演出の実行内容に応じて適切に決定することが出来る。よって、遊技者の落胆を防止できるので、遊技の興趣が向上する。
また、変形例3において、図31及び図32の選択割合で予告演出を実行すると、決定基準となる先読み演出の特定表示結果となる割合(大当り信頼度)が、特定の割合(第1特定割合又は第2特定割合)より大きい場合には、実行される予告演出の演出態様に対応する大当り信頼度が、決定基準となる先読み演出の大当り信頼度からとなる割合予め定められた減少幅(第1減少幅又は第2減少幅)の範囲に含まれる。そのため、認識しやすい(注目度が高い)先読み演出によって示された特定表示結果となる可能性に対して、所定の減少幅を越えて小さい特定表示結果となる可能性が予告演出によって示されることを制限できる。よって、先読み演出によって高まった期待感を予告演出によって損なうことを防止できるので、遊技の興趣が向上する。
また、上記実施の形態及び変形例では、簡単のため、リーチが成立する前のタイミングで実行される予告演出(リーチ前予告演出)として、リーチ成立前予告のみが実行される例について説明した。しかし、識別図柄が変動するタイミングで実行される変動開始時予告、全識別図柄が変動中に実行される全識別図柄変動中予告、識別図柄の1つが停止し2つが変動しているタイミングで実行される1個停止中予告など複数のタイミングで実行される複数のリーチ前予告演出を実行しても良い。同様に、リーチが成立する後のタイミングで実行される予告演出(リーチ後予告演出)として、リーチ成立時、スーパーリーチ開始直前などの複数のタイミングで実行される複数の予告演出を実行しても良い。例えば各タイミングで画像表示装置5の所定位置に複数種類のキャラクタやアイテムのうち何れか一つまたは複数を組み合わせて表示するなど、識別可能な複数の演出態様に対応して大当り信頼度が異なる予告演出を各タイミングで実行可能にしても良い。このとき、時間の経過とともにより大当り信頼度が高い予告演出が実行されることが望ましい。このためには、ステップS464で最初に実行されるリーチ前予告の演出態様を決定し、その後に実行される予告演出についてはステップS509で各自決定したのち、先に実行されたよりも大当り信頼度が低い演出態様の予告演出が実行されるなど、所定の禁則条件に該当するか否かをステップS510で判定して、該当する場合には実行をキャンセルする、より高い大当り信頼度に対応する演出態様に補正するなどの処理をステップS511にて実行すれば良い。このような構成により、決定基準となる先読み演出に対して極端に低い大当り信頼度に対応する演出態様で予告演出を実行して遊技者を落胆させること無く、より多様なタイミングで予告演出を実行することが出来る。
また上記実施の形態及び変形例では、ステップS502にて決定された予告選択基準に該当しない演出形態はステップS504及びステップS505にて選択されないとして説明した(図31及び図32参照)。しかし大当り信頼度が所定の基準よりも高い態様で予告演出を実行するための方法はこれに限られない。例えば、ステップS504又はステップS505にて予告選択基準にかかわらず同じ選択割合で予告演出の演出態様を選択した後、選択された演出態様の大当り信頼度する。そして、予告選択基準が規定する所定の基準を満たさない場合に、大当り信頼度が所定の基準より高い演出態様に補正してもよい。
上記実施の形態では、飾り図柄などの可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでに実行可能な複数の予告演出における予告パターンなどを、それぞれの予告演出について順次に選択するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、複数の予告演出における予告パターンなどを一括して決定するものであってもよい。この場合には、複数の予告演出における予告パターンを組み合わせた予告組合せパターンを予め複数パターン用意しておき、特定の予告演出について予告禁止条件が成立して実行が禁止(制限)されるか否かにかかわらず、所定割合でいずれかの予告組合せパターンを選択し、実行が禁止(制限)された予告演出は実行用の演出動作制御が行われないようにすればよい。
複数の予告演出における予告パターンなどを個別に選択する場合には、各予告演出を選択するための選択テーブルも個別に用意する必要があり、選択テーブルのデータ容量が増大しやすい。これに対して、複数の予告演出における予告パターンなどを一括して選択する場合には、予告組合せパターンの種類数が増大することはあるものの、選択テーブルを複数の予告演出ごとに個別に用意する必要はなく、選択テーブルのデータ容量が増大することを抑制できる。
その一方で、複数の予告演出のうち1の予告演出により予告される大当り信頼度に応じて、他の予告演出により予告される大当り信頼度の選択割合を異ならせて、複数の予告演出における予告カテゴリや予告パターンを順次に決定することにより、各予告演出により予告される大当り信頼度を調整しやすくなり、複数の予告演出における予告カテゴリや予告パターンを適切に選択することができる。
上記実施の形態及び変形例では、リーチ成立前演出とリーチ成立後演出のうち、ステップS504でリーチ成立前演出を予告演出選択基準に応じた選択割合で選択することにより、大当り信頼度が所定の基準よりも高い態様でリーチ成立前演出を実行した。しかしこれに限らず、例えば、ノーマルリーチ演出から大当り信頼度の異なる複数のスーパーリーチ演出のいずれかに発展可能な遊技機において、リーチ成立後に実行される演出(リーチ成立後の予告演出等)によってスーパーリーチへの発展の有無、及び、発展するスーパーリーチ演出の種別を示唆するリーチ成立後演出を所定の基準よりも大当り信頼度が高い演出態様で実行しても良い。このような遊技機において、大当り信頼度が高いスーパーリーチ演出への発展を期待して、リーチ成立後演出に特に注目する遊技者がいる。本変形例に係る構成では、リーチ成立前予告演出とリーチ成立後予告演出とのうち、このような遊技者にとって注目度が高いリーチ成立後予告演出の演出態様を、先読み演出の実行内容に応じて適切に決定することが出来る。よって、遊技者の落胆を防止し、遊技の興趣を高めることができる。
上記実施の形態及び変形例では、擬似連演出を実行する可変表示において複数回にわたって予告演出(ステップアップ予告)を実行するにあたって、ステップS505で再変動前の予告演出を予告演出選択基準に応じた選択割合で選択することにより、大当り信頼度が所定の基準よりも高い態様で、最初に実行される予告演出(再変動前予告演出)を実行した。しかし、所定の基準よりも高い演出態様で、その他のタイミング(例えば最後に実行されるステップアップ予告など)を実行しても良い。この場合、最初に実行される予告演出が、所定の基準よりも低い大当り信頼度に対応する演出態様で実行されてしまう場合があるが、その場合でもその後に所定の基準よりも高い大当り信頼度に対応する演出態様で予告演出が実行される。このように、先読み演出により一旦高揚した信頼度を一度は覚ますことがあっても、その後に所定の基準よりも高い大当り信頼度に対応する演出態様で予告演出が実行されることで、過度の落胆を与えることを防止しながら、遊技者に大当りとなる信頼度が上下したかのような興奮を与えることが出来る。
上記実施の形態では、複数の先読み演出及び複数の予告演出のそれぞれにより、大当り遊技状態となる可能性としての大当り信頼度を予告するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、少なくとも一部の先読み演出及び/又は予告演出により、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な所定の遊技価値が付与される可能性を予告するようにしてもよい。例えば、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態になりやすくなるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。その他にも、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となることや、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることといった、様々な遊技価値が付与されることがある。こうした様々な遊技価値の少なくとも一部が付与される可能性を予告する先読み演出及び/又は予告演出が実行されてもよい。
また、複数の先読み演出及び予告演出の演出態様は、上記演出態様に限られない。例えば、先読み演出又は予告演出として、所定の演出用BGMや効果音の放音、魚群が画像表示装置5の所定領域を横切るかのような画像を表示する、所定の表示領域にテロップを流す、演出用ランプの点灯等、他の演出と識別可能な所定の態様で先読み演出及び予告演出を実行しても良い。また、複数の先読み演出を画像表示装置5の表示領域上に画像を表示する態様で実行する場合、変形例3の「演出領域」として、該先読み演出に係る画像が実際に表示された領域、又は、該先読み演出のために設定された表示領域の大きさを基準として、認識しやすさを設定することが出来る。さらに、効果音の音量が大きいほど、あるいは演出用ランプの輝度が高いほど、認識しやすさが大きいとの設定も可能である。
さらに、演出開始の前後や演出の途上で、変化が大きい演出に特に注目する遊技者がいる。このような遊技者に対応して、演出開始の前後、あるい演出の途上における変化が大きいほど認識しやすいとする設定も可能である。ここで、変化の大きさの定義は、演出前と比した変化率、演出中の変化速度、あるいは、変化の絶対量等から、対象となる遊技者の性質に応じて任意に選択可能である。例えば色の変化速度に着目すると、演出開始の前後や演出途上にキャラクタの意匠や背景の色が変化する複数の先読み予告が実行された場合に、色が「青→紫→赤」のように段階的に変化するよりも、「青→赤」のように一気に変化する先読み演出が認識しやすい場合がある。色の変化の指標として色相を用いる場合には、色相が対極に変わった場合に大きな変化が生じたと判断できる。具体的には、先読み演出の演出パターンと、色(例えば色相)や音量、キャラクタの態様(大きさや年齢等)など、比較可能な所定の係数の変化の大きさ(変化率、速度、絶対量等)に基づいて定義される認識しやすさの順位とを対応付けたテーブルをROM121に予め記憶しておく。そして、ステップS501にて該テーブルを参照して実行された先読み演出のうち認識しやすい予告演出を決定基準として特定すればよい。
また、上記実施の形態及び変形例では、第1〜第3先読み演出のように、大当りとなる複数の段階を持つ複数の先読み演出を、いずれの段階であるか遊技者が認識できるような態様で実行した。しかし、本発明ではこれに限らず、複数の先読み演出の一部または全部において、大当りとなる段階が複数設定されていない構成も可能である。この場合でも、実行された複数の先読み演出の大当り信頼度・演出の認識しやすさといった観点に基づいて、図29のステップS501にて決定基準となる先読み演出を決定すればよい。
また、所定の基準よりも高い大当り信頼度に対応する演出態様で予告演出を実行する他の方法として、上記実施の形態及び変形例以外に、特定された決定基準の先読み演出の大当り信頼度が特定割合以上であったり、所定の組み合わせで先読み演出が実行されたといった所定の条件を満たす場合に、そうで無い場合に実行される予告演出に加えて、特定の演出を追加で実行する構成も可能である。ここで特定態様の演出とは、所定の条件を満たさない場合にも実行される通常の予告演出(例えば所定のキャラクタの表示)の実行期間中に、大当り信頼度がより高いことを示す(例えばキャラクタが追加でアクセサリを身に着けているかのような)チャンス画像をさらに表示する、演出用役物をさらに動作させる、等の大当り信頼度が通常より高いことが遊技者に識別可能な演出であれば良い。例えば、ステップS504又はS505にて、ステップS502にて決定された選択基準にかかわらず同じ決定割合(例えば図31(A)又は(図32(A)の割合)で予告演出の態様を決定する。そして、ステップS464にて、ステップS504又はS505で選択された予告演出に加えて、ステップS502で決定された選択基準に応じた特定態様の演出(例えばチャンス画像として中基準の場合にはネックレスの、高基準に対応して王冠の画像の表示など)をさらに実行すれば良い。このような構成によれば、選択基準に応じて特定態様の演出を追加で実行するだけでよいので、小さい処理負担で所定の基準よりも高い大当り信頼度に対応する演出態様で予告演出を実行することが出来る。
上記実施形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1が備える構成及び機能の少なくとも一部は、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、前段階演出及び予告演出などの所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。