JP6054502B2 - 不織布、及び上記不織布を含む吸収性物品、並びに上記不織布の形成方法 - Google Patents
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Description
これらの製品では、所望の性能を有する不織布が、製品毎に設計及び製造されていることが多い。従って、これらの所望の性能を有する不織布を、一定の不織布、例えば、市販の不織布を加工することにより簡易に形成することができれば、製造コスト、環境保護等の観点から望ましいと考えられる。
さらに、特許文献1には、形成される不織布は、柔軟性に優れ、液体保持性が抑えられていることが記載され、そして溝部に沿った通気性に優れることが記載されている。
[態様1]
第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含む不織布であって、
第2の成分の少なくとも一部が、第1の成分及び/又は第2の成分の残余の部分から剥離されることにより形成された剥離部を形成するとともに、当該剥離部の少なくとも一部が、他の複合繊維と交絡及び/又は融着していることを特徴とする、
上記不織布。
上記剥離部が、上記複合繊維の略長手軸方向に沿って、第1の成分及び/又は第2の成分の残余の部分から剥離されることにより形成された、態様1に記載の不織布。
[態様3]
上記複合繊維が、芯鞘型複合繊維、海島型複合繊維、分割型複合繊維、及びサイドバイサイド型複合繊維から成る群から選択される、態様1又は2に記載の不織布。
上記複合繊維が、第1の成分を芯部とし且つ第2の成分を鞘部とする芯鞘型複合繊維であり、そして上記芯部の一部が、上記鞘部に覆われずに露出している、態様1〜3のいずれか一つに記載の不織布。
[態様5]
複数の凸部と複数の凹部とを有する第1の面、及び第1の面の反対側にあり且つ複数の凸部と凹部とを有する第2の面を有する、態様1〜4のいずれか一つに記載の不織布。
第2の面の凸部における複合繊維の径が、第2の面の凹部における複合繊維の径よりも細い、態様5に記載の不織布。
[態様7]
第2の面の凸部における上記剥離部の割合が、第2の面の凹部における上記剥離部の割合よりも高い、態様5又は6に記載の不織布。
第1の成分が、第2の成分よりも、少なくとも20℃高い融点を有する、態様1〜7のいずれか一つに記載の不織布。
[態様9]
第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含むエアスルー不織布を、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布が形成されるように不均一に延伸し、そして上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布に、噴出された流体を吹き付けることにより形成された、態様1〜8のいずれか一つに記載の不織布。
液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、上記液透過性のトップシート及び上記液不透過性のバックシートの間の吸収体とを含む吸収性物品であって、
上記液透過性のトップシートが、態様1〜9いずれか一つに記載の不織布であることを特徴とする、
上記吸収性物品。
態様1〜9のいずれか一つに記載の不織布を形成する方法であって、
第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含む不織布を準備するステップ、
第2の成分の少なくとも一部が、第1の成分及び/又は第2の成分の残余の部分から剥離されることにより形成された剥離部を形成するように、上記第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含む不織布を不均一に延伸して、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布を形成するステップ、そして
上記剥離部の少なくとも一部が、他の複合繊維と交絡及び/又は融着するように、上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布に、噴出された流体を吹き付け、態様1〜9のいずれか一つに記載の不織布を形成するステップ、
を含む上記方法。
上記噴出された流体を吹き付けるステップにおいて、上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布の、流体を吹き付ける面と反対側の面に、あらかじめ定められた形状及び配列の突状部及び窪み部を有する支持体が配置される、態様11に記載の方法。
上記流体が、加熱された空気、飽和水蒸気又は過熱水蒸気である、態様11又は12に記載の方法。
[態様14]
上記第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維が、エアスルー不織布である、態様11〜13のいずれか一つに記載の方法。
[本発明の不織布]
本発明の不織布は、第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含む不織布である。本発明の不織布において、第2の成分の少なくとも一部が、第1の成分及び/又は第2の成分の残余の部分から剥離されることにより形成された剥離部を形成するとともに、当該剥離部の少なくとも一部が、他の複合繊維と交絡及び/又は融着している(以下、「特定の交絡及び/又は融着構造」と称する場合がある)。
なお、本発明の効果を奏するために、上記巻き付いた状態の程度としては、剥離部が、他の複合繊維に、繊維の長手方向と直行する方向に、1/4周以上巻き付いていることが好ましく、1/2周以上巻き付いていることがより好ましく、そして1周以上巻き付いていることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、「接合部」は、剥離部を形成することなく、繊維同士が融着している部分を意味する。
なお、図1は、実施例2で製造された不織布2の表面の電子顕微鏡写真である。
複合繊維間の接合部4では、複合繊維の鞘部が、芯部から剥離されることなく、2本の複合繊維同士が、融着している。複合繊維間の接合部4では、複合繊維の形状が大きく変化せず、複合繊維の形状が保たれている。
なお、図1における複合繊維間の接合部4は、不均一延伸ステップが行われる前のエアスルー不織布に含まれる熱融着部である。
上記芯鞘型複合繊維としては、単芯型の複合繊維、例えば、同心円型、偏芯型等の芯鞘型複合繊維を挙げることができる。
また、第2の成分の融点を、第1の成分の融点よりも低くすることにより、後述の流体処理ステップの際に、第2の成分の剥離部を、他の複合繊維と交絡及び/又は融着させることができる。
なお、本明細書において、「融点」は、示差走査熱量分析計において、昇温速度10℃/分で測定した場合の、固体状から液状に変化する際の吸熱ピークのピークトップ温度を意味する。
なお、図2では、第1の成分と、第2の成分とから成る複合繊維が例示されているが、本発明に用いられる複合繊維は、3種以上の成分から構成されていてもよい。
なお、図3(c)では、他の複合繊維1’は、点線で示されている。
本発明の不織布が親水性を有するためには、例えば、不織布を親水剤で処理すること、親水剤を練り込んだ複合繊維から不織布を製造すること、不織布に界面活性剤を塗工すること等が挙げられる。
上記単繊維としては、その繊維長に特に制限はなく、例えば、ステープルファイバ及び連続フィラメントを挙げることができる。
本発明の不織布の形成方法は、第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含む不織布を準備するステップを含む。当該ステップに用いられる不織布は、上述の複合繊維を含む不織布であれば特に制限されないが、例えば、第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含むエアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布等であることができ、剥離部の形成のしやすさを考慮すると、エアスルー不織布が好ましい。上記複合繊維は、第1の成分及び第2の成分以外の成分、例えば、第3の成分をさらに含んでいてもよい。
なお、本明細書において、「エアスルー不織布」は、複合繊維を含むウェブに熱風を通過させ、複合繊維の第2の成分を融解し、他の繊維と接合することにより得られた不織布であり、「ポイントボンド不織布」は、複合繊維を含むウェブを熱エンボスロール間に通過させ、熱圧着部を形成することにより得られた不織布であり、そして「スパンボンド不織布」は、複合繊維を含む連続繊維ウェブを熱エンボスロール間に通過させ、熱圧着部を形成することにより得られた不織布を意味する。
上記不均一延伸前の不織布は、本発明の不織布の形成方法において形成される不織布が、吸収性物品の液透過性トップシート等に用いられる場合には、親水性を有していてもよい。本発明の不織布の形成方法により形成される不織布が、親水性を有することに繋がるからである。不織布に親水性を付与する方法は、上述の通りである。
本明細書において、「不均一に延伸する」とは、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布が形成されるように不織布を延伸することを意味し、すなわち、位置によって伸長度が異なる不織布が形成されるように不織布を延伸することを意味する。
図5は、複数の歯が、ギアロールの外周面に、ギアロールの回転軸線に対して垂直に配置されているギア延伸装置を説明するための模式図である。図5は、ギア延伸装置8の斜視図であり、第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含む不織布12が、ギア延伸される直前の状態を示している。第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含む不織布12は、手前から奥に進むことにより、ギア延伸される。
図6は、複数の歯が、ギアロールの外周面に、ギアロールの回転軸線に対して傾斜して配置されているギア延伸装置を説明するための模式図である。図6に示されるギア延伸装置8は、一対のギアロール9及び9’を有する。ギアロール9及び9’の外周面10及び10’には、それぞれ、複数の歯11及び11’が配置されている。また、図6に示されるギア延伸装置8では、ギアロール9及び9’の回転軸線は、それぞれ、搬送方向Aと垂直である。さらに、複数の歯11及び11’は、それぞれ、回転軸線に対して一定の角度θを有するように、外周面10及び10’に配置されている。
例えば、搬送方向及び直交方向の両方に高い伸長性が必要である場合には、不均一延伸前の不織布を、図4に示されるギア延伸装置を用いて延伸した後、図5に示されるギア延伸装置を用いてさらに延伸してもよい。
また、不均一延伸前の不織布を、図5に示されるギア延伸装置を用いて延伸した後、図4に示されるギア延伸装置を用いてさらに延伸してもよい。
ギアピッチは、図5において、符号14により表わされる、ある歯から次の歯の間の間隔を意味する。
ギア噛込深さは、図5において、符号15により表わされる、上のギアロールの歯と、下のギアロールの歯とが重複する部分の深さを意味する。
また、噴出された流体の温度が、第2の成分の融点以上である場合には、剥離部の少なくとも一部が溶融し、他の複合繊維等と融着する。
上記流体処理ステップは、当技術分野で公知の装置を用い、そして公知の方法で行うことができる。
本発明において、「突状部」は、上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布の支持体側の面に、凹部を形成するために用いられる部分であり、そして「窪み部」は、上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布の支持体側の面に、凸部を形成するために用いられる部分である。
図7にはまた、流体ノズル19が示されており、流体ノズル19の下に、支持体16を間に挟んで、流体を受け入れるサクション部(図示せず)が設けられている。
なお、図7において、特定の交絡及び/又は融着構造を有する不織布20の、流体が吹き付けられた面が、第1の面21となり、そして支持体16側の面が、第2の面22となる。
また、図7に示されるような支持体を用いて形成された不織布は、平面方向の通気性の中で、特に直交方向の通気性に優れる。支持体の突状部に対応する不織布の凹部24が、気体の通路となり得るからである。
なお、上記複合繊維の径は、例えば、電子顕微鏡等で撮影した画像の、一定の面積内にある繊維を無作為にピックアップし、それらの径を一定数、例えば、50カ所、画像上で計測し、それらの相加平均を算出することにより求めることができる。
なお、上記剥離部の割合は、例えば、電子顕微鏡等で撮影した画像の、一定の面積内にある剥離部の個数をカウントすることにより求めることができる。
上記突状部の素材としては、金属、プラスチック等が挙げられるであろう。
本発明の不織布の形成方法は、支持体の形状を選択することにより、不均一延伸前の不織布に、所望の模様、所望の通気度、所望の柔軟性等を付することができ、そして市販の不織布を、その用途に合わせて、簡易に、低コストで加工することができる。
なお、本発明の不織布が、複数の凸部と、複数の凹部とを有する第1の面と、複数の凸部と、凹部とを有する第2の面とを有する場合には、凸部と凹部との高低差がより大きい面を、人体に触れる側に用いることにより、肌との接触面積がより小さくなり、好ましい。
上記吸収性物品は、液透過性のトップシートとしての本発明の不織布と、液不透過性のバックシートと、上記液透過性のトップシート及び液不透過性のバックシートの間の吸収体とを含むことができる。
実施例及び比較例において評価された項目の、測定条件は、以下の通りである。
[坪量]
坪量は、JIS L 1906の5.2に従って測定する。
[嵩]
嵩は、(株)大栄科学精器製作所製 THICKNESS GAUGE UF−60を用いて測定する。
強度及び伸度は、(株)島津製作所製のオートグラフ型引張試験機 形式AG−KNIを用いて測定する。
幅50mmの試料を、チャック間距離100mmでチャックに固定し、引張速度100mm/分で伸長する。5%、すなわち、5mm伸長させた際の強度を、「5%強度」とし、50%、すなわち、50mm伸長させた際の強度を、「50%強度」とし、そして伸長時に得られる強度の最大値を「最大点強度」とし、その時点の伸度を「最大点伸度」とする。
なお、表中のMDは、不織布形成時の搬送方向を意味し、そしてCDは、不織布形成時の直交方向を意味する。
カトーテック株式会社製、自動化圧縮試験器、KES−FB3を用いて、圧縮特性を評価する。
測定条件は、以下の通りである。
SENS :2
速度 :0.02mm/秒
ストローク:5mm/10V
加圧面積 :2cm2
取込み間隔:0.1秒
上限荷重 :50g/cm2
繰返し回数:1回
圧縮特性は、不織布1cm2当りの圧縮エネルギー,WCと、圧縮レジリエンス,RCとにより評価する。WCは、値が大きいほど圧縮されやすいことを意味し、そしてRCは、値が100%に近いほど、回復性が高いことを意味する。
通気度は、カトーテック株式会社のKES−F8−AP1通気性試験器を用いて測定し、単位を「m3/m2/分」に換算する。
不織布の厚さ方向の通気度は、100mm×100mmの大きさにカットした不織布を、通気性試験器にセットして測定する。
不織布の平面方向の通気度は、100mm×100mmの大きさにカットした不織布を、通気性試験器にセットし、100mm×100mmの大きさのアクリル板をその上にさらにセットし、3.5mN/cm2の加重下で測定する。
透液性を、LENZING社製、LISTERストライクスルー試験器を用いて評価する。評価手順は、以下の通りである。
(1)100×100mmの大きさにカットしたろ紙(ADVANTEC FILTER PAPER GRADE 2)5枚の上に、100×100mmの大きさにカットした試料を配置し、その上に通電透液プレートを配置する。
(2)ストライクスルー試験機本体に、ろ紙、試料及び通電透液プレートをセットする。
(3)ストライクスルー試験機本体に、生理食塩水5mLを入れる。
(4)ストライクスルー試験機本体から、上記生理食塩水(室温)を、通電透液プレートの開孔部に落下させる。
(5)通電透液プレートの通電時間を記録する。
(6)測定を2回繰返し、計3回の平均値を、透液時間とする。
なお、試料をセットしない場合、すなわち、ろ紙5枚における透液時間は、69秒であった。
−不織布の準備−
市販のエアスルー不織布を準備した。上記エアスルー不織布は、芯部が融点約250℃のポリエチレンテレフタレートであり、鞘部が融点約130℃のポリエチレンである、芯鞘型の複合繊維100質量%から形成されていた。
上記エアスルー不織布の特性値を表1に示す。また、上記エアスルー不織布の表面の走査型電子顕微鏡写真を図9に示す。図9から、上記エアスルー不織布は、複合繊維間の接合部4が多く、さらに接合の面積が大きいことが分かる。
上記エアスルー不織布を、図5に示されるような、ギア延伸装置(ギアピッチ:2.5mm,ギア先端部幅:0.2mm,ギア噛込深さ:4.0mm)を用いてギア延伸し、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布を形成した。処理速度は、30m/分であった。上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布の延伸倍率は、235%であった。
上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布の特性値を、表1に示す。また、上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布の表面の走査型電子顕微鏡写真を図10に示す。図10では、第2の成分からなる剥離部3及び3’と、第1の成分のうち、第2の成分に覆われていない露出部7及び7’が観察される。
上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布を、厚さ1.0mmのメッシュ状の支持体に載せた。上記支持体は、直径0.6mmの耐熱性ポリエチレンテレフタレート製線材から形成され、1インチ当り、22本の線材が含まれていた。次いで、上記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布を、1.0mmの間隔で、複数のノズル(φ:0.5mm)を備える水蒸気処理システム(噴出圧力:0.5Mpa,水蒸気温度:149℃)に、ノズル及び支持体間距離を5.0mmに保ちながら、30m/分の速度で通し、不織布1を得た。
図11に示される不織布1において、上側が水蒸気処理側の第1の面であり、下側が支持体側の第2の面であり、そして左右方向が直交方向に相当する。
図12から、不織布1が、複数の、他の複合繊維と交絡及び/又は融着した剥離部2を有することが分かる。
支持体を、丸穴60°千鳥型のパンチングプレート(φ:3.0mm、MDピッチ:6.94mm、CDピッチ:4.0mm、厚さ:1.0mm)に変更し、さらにノズル及び支持体間距離を4.0mmに保った以外は、実施例1と同様にして、不織布2を得た。
不織布2の特性値を表1に示す。
噴出圧力を0.3Mpaに変更し、そして水蒸気温度を131℃に変更した以外は、実施例2と同様にして、不織布3を得た。
不織布3の特性値を表1に示す。
噴出圧力を0.2Mpaに変更し、そして水蒸気温度を119℃に変更した以外は、実施例2と同様にして、不織布4を得た。
不織布4の特性値を表1に示す。
ギア延伸を行わず、水蒸気処理を2回繰り返した以外は、実施例2と同様にして、不織布5を得た。
不織布5の特性値を表1に示す。また、不織布5の表面の走査型電子顕微鏡写真を図13に示す。図13から、比較例1の不織布5は、接合部4の数が多く、さらに接合面積が大きいことが分かる。
なお、比較例1は、特許文献1に記載の不織布に相当する。
さらに、実施例1〜4で形成された不織布1〜4は、15〜33秒の透液性を有し、比較例1の不織布(透液性:60秒)よりも透液性に優れることが分かる。
上記通気性及び透液性は、実施例1〜4で形成された不織布1〜4が、比較例1の不織布5と異なり、密度の高い部分を有しないので、通気を阻害せず、そして吸収した液体を保持し続けないことに起因すると思われる。
2 他の複合繊維と交絡及び/又は融着した剥離部
2’ 他の複合繊維と交絡及び/又は融着していない剥離部
3 剥離部
4 接合部
5 第1の成分
6 第2の成分
7,7’ 露出部
8 ギア延伸装置
9,9’ ギアロール
10,10’ 外周面
11,11’ 複数の歯
12 第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含む不織布
13 高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布
14 ギアピッチ
15 ギア噛込深さ
16 支持体
17 突状部
18 窪み部
19 流体ノズル
20 特定の交絡及び/又は融着構造を有する不織布
21 第1の面
22 第2の面
23 凸部
24 凹部
A 搬送方向
B 搬送方向と直交する直交方向
E 高延伸領域
Claims (10)
- 第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含む不織布であって、
第2の成分の少なくとも一部が、第1の成分及び/又は第2の成分の残余の部分から剥離されることにより形成された剥離部を形成するとともに、当該剥離部の少なくとも一部が、他の複合繊維と交絡及び/又は融着しており、
前記複合繊維が、第1の成分を芯部とし且つ第2の成分を鞘部とする芯鞘型複合繊維であり、そして前記芯部の一部が、前記鞘部に覆われずに露出していることを特徴とする、
前記不織布。 - 前記剥離部が、前記複合繊維の略長手軸方向に沿って、第1の成分及び/又は第2の成分の残余の部分から剥離されることにより形成された、請求項1に記載の不織布。
- 前記複合繊維が、芯鞘型複合繊維、海島型複合繊維、分割型複合繊維、及びサイドバイサイド型複合繊維から成る群から選択される、請求項1又は2に記載の不織布。
- 第1の成分が、第2の成分の融点よりも、少なくとも20℃高い融点を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の不織布。
- 第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含むエアスルー不織布を、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布が形成されるように不均一に延伸し、そして前記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布に、噴出された流体を吹き付けることにより形成された、請求項1〜4のいずれか一項に記載の不織布。
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記液透過性のトップシート及び前記液不透過性のバックシートの間の吸収体とを含む吸収性物品であって、
前記液透過性のトップシートが、請求項1〜5のいずれか一項に記載の不織布であることを特徴とする、
前記吸収性物品。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の不織布を形成する方法であって、
第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含む不織布を準備するステップ、
第2の成分の少なくとも一部が、第1の成分及び/又は第2の成分の残余の部分から剥離されることにより形成された剥離部を形成するように、前記第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維を含む不織布を不均一に延伸して、高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布を形成するステップ、そして
前記剥離部の少なくとも一部が、他の複合繊維と交絡及び/又は融着するように、前記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布に、噴出された流体を吹き付け、請求項1〜5のいずれか一項に記載の不織布を形成するステップ、
を含む前記方法。 - 前記噴出された流体を吹き付けるステップにおいて、前記高延伸領域と低延伸領域とを有する不織布の、流体を吹き付ける面と反対側の面に、あらかじめ定められた形状及び配列の突状部及び窪み部を有する支持体が配置される、請求項7に記載の方法。
- 前記流体が、加熱された空気、飽和水蒸気、又は過熱水蒸気である、請求項7又は8に記載の方法。
- 前記第1の成分と、第1の成分よりも低い融点を有する第2の成分とを含む複合繊維が、エアスルー不織布である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
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