JP6051976B2 - 車両の油圧検出値補正装置 - Google Patents
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Description
ここで、通常、ソレノイドバルブへの付加電流を制御することによって供給される油圧が調整される(例えば特許文献1参照)。
このように、クラッチ圧センサの検出値に誤差が生じていると、適切な制御等が行えなくなる恐れがある。
本実施形態では、ツインクラッチ(又はデュアルクラッチ)式変速機の制御装置を挙げている。
(構成)
図1は、本実施形態に係る制御装置の制御対象のツインクラッチ式変速機1の構成例を示すスケルトン図である。
また、第1変速段群20では、第2入力軸22に、2速ドライブギア23、4速ドライブギア24、及び6速ドライブギア25が設けられている。また、第1変速段群20では、第2入力軸22に、2−4速シンクロ機構26、及び6速シンクロ機構27が設けられている。ここで、2−4速シンクロ機構26は、中立位置と2速ドライブギア選択位置と4速ドライブギア選択位置とを切り換えるシンクロ機構である。また、6速シンクロ機構27は、中立位置と6速ドライブギア選択位置とを切り換えるシンクロ機構である。
以上のように構成されるツインクラッチ式変速機1の動作例は次のようになる。
ツインクラッチ式変速機1は、1−3速シンクロ機構17を作動させて、1速ドライブギア13でのトルク伝達を可能にする。そして、ツインクラッチ式変速機1は、第1クラッチ11を締結させることで、エンジン2から駆動輪41までのトルク伝達を可能にする。そして、ツインクラッチ式変速機1は、1速使用時に、2−4速シンクロ機構26を作動させることで、次の変速の行程を前倒しする。それから、ツインクラッチ式変速機は、第1クラッチ11を切りつつ第2クラッチ21を締結させることで、1速から2速に円滑に変速する。これによって、ツインクラッチ式変速機は、1速から2速への変速時間を短縮できる。
次に、第1及び第2クラッチ11,21に係る構成について説明する。
図2には、第1及び第2クラッチ11,21の油圧供給回路の構成例を示す。
ここで、オイルポンプ51は、油路61を介してライン圧ソレノイドバルブ52に油圧を供給する。ライン圧ソレノイドバルブ52は、ライン圧を調圧する。このライン圧ソレノイドバルブ52は、調圧したライン圧を、油路62を介して第1及び第2ソレノイドバルブ54,55に供給する。
図3には、検出値補正部71が行うクラッチ圧センサ56,57の検出値の補正処理の一例のフローチャートを示す。
次に、ステップS2では、検出値補正部71は、ライン圧ソレノイドバルブ52を全閉にする。
図4に示すように、オイルポンプ51から供給される油圧は、ライン圧ソレノイドバルブ52で後段への供給が遮断される。
X11=P11−P3 ・・・(1)
X21=P21−P3 ・・・(2)
次に、ステップS5では、検出値補正部71は、ライン圧ソレノイドバルブ52を設定量閉じる。ここで、設定量は、例えば、実験的、経験的、又は理論的に予め設定されている値である。
これらステップS5及びステップS6の処理によって、クラッチ圧が変化していると判定されるまで、ライン圧ソレノイドバルブ52は、設定量分だけ段階的に閉じられていく。
ステップS7では、検出値補正部71は、ライン圧ソレノイドバルブ52の現開度でのずれ量を算出する。具体的には、下記(3)式及び(4)式を用いて、第1クラッチ圧センサ56についてのずれ量(相対ずれ量)X12及び第2クラッチ圧センサ57についてのずれ量(相対ずれ量)X22を算出する。
X12=P12−P3 ・・・(3)
X22=P22−P3 ・・・(4)
PX1=−(α1×P1+b1) ・・・(5)
PX2=−(α2×P2+b2) ・・・(6)
このように、(5)式及び(6)式は、1次関数で表され、α1、α2は、傾きを示し、b1、b2は、切片を示す。そして、これら傾きα1、α2及び切片b1、b2が、前記ステップS3及び前記ステップS7で算出したずれ量を用いて、下記(7)式〜(10)式によって表される。
α1=(X12−X11)/(P12−P11) ・・・(7)
α2=(X22−X21)/(P22−P21) ・・・(8)
b1=X11−α1−P11 ・・・(9)
b2=X21−α2−P21 ・・・(10)
P1=P1+PX1 ・・・(11)
P2=P2+PX2 ・・・(12)
次に、検出値補正部71の一連の動作、及びその作用等の一例について説明する。
検出値補正部71は、第1及び第2ソレノイドバルブ54,55を全開にするとともに、ライン圧ソレノイドバルブ52を全閉にする(前記ステップS1、前記ステップS2)。そして、検出値補正部71は、このときのずれ量X11、X21を算出する(前記ステップS3)。
以上のように、ずれ量X11、X21、X12、X22が算出される。
図6及び図7には、ライン圧センサ53の検出値と第1クラッチ圧センサ56とのずれ量X11、X21を例として挙げている。図6は、ライン圧ソレノイドバルブ52の全閉時に、第1クラッチ圧センサ56の検出値がライン圧センサ53の検出値に対して小さくなり(符号がマイナスになり)、ライン圧ソレノイドバルブ52の開時に、第1クラッチ圧センサ56の検出値がライン圧センサ53の検出値に対して大きくなる(符号がプラスになる)場合を示す図である。また、図7は、ライン圧ソレノイドバルブ52の全閉時及び開時ともに、第1クラッチ圧センサ56の検出値がライン圧センサ53の検出値に対して大きくなる(符号がプラスになる)場合を示す図である。図6の例では、傾きα1はある値を示すようになり、図7の例では、傾きα1は0となる。
X11=P11−P3=−0.01−0.0=−0.01
X12=P12−P3=6.02−6.0=0.02
α1=(X12−X11)/(P12−P11)=(0.02−(−0.01))/(6.02−(−0.01))=0.00498
b1=X11−α1−P11=−0.01−0.00498×−0.01=−0.0099502
PX1=−(α1×P1+b1)=−(0.00498×P1−0.0099502)
X11=P11−P3=0.02−0.0=0.02
X12=P12−P3=6.02−6.0=0.02
α1=(X12−X11)/(P12−P11)=(0.02−0.02)/(6.02−0.02)=0.0
b1=X11−α1−P11=0.02−0.0×0.02=0.02
PX1=−(α1×P1+b1)=−(0.0×P1+0.02)=−0.02
本実施形態では、検出値補正部71は、ライン圧ソレノイドバルブ52を全開状態から閉じていったときにクラッチ圧が変化するといった、予め設定されている状態を満たしたときの開度のときに、ずれ量X12、X22を算出している。しかし、本実施形態では、検出値補正部71は、ライン圧ソレノイドバルブ52の全開時にずれ量X12、X22を算出しても良い。前述のように、ライン圧ソレノイドバルブ52を全開状態から閉じていきクラッチ圧が変化したときの開度でずれ量X12、X22を算出している理由は、ライン圧ソレノイドバルブ52を全開状態からある程度閉じても、ライン圧が変化しないという特性があることを利用しているからである。
また、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項1により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
Claims (3)
- エンジンからの出力を変速機に伝達するためのクラッチを奇数変速段側と偶数変速段側のそれぞれに有するツインクラッチ式変速機と、前記クラッチの締結のための油圧を油路を介して当該クラッチに供給するオイルポンプと、前記油路に配置されて前記オイルポンプから前記クラッチに供給する油圧を調整する第1油圧調整弁と、前記第1油圧調整弁によって調整された油圧を検出する第1油圧検出部と、前記油路であって前記第1油圧調整弁と前記奇数変速段側のクラッチとの間に配置され当該奇数変速段側のクラッチに供給する油圧を調整して当該クラッチに締結圧力を発生させる第2油圧調整弁と、前記油路であって前記第1油圧調整弁と前記偶数変速段側のクラッチとの間に配置され当該偶数変速段側のクラッチに供給する油圧を調整して当該クラッチに締結圧力を発生させる第3油圧調整弁と、前記第2油圧調整弁によって調整された油圧を検出する第2油圧検出部と、前記第3油圧調整弁によって調整された油圧を検出する第3油圧検出部と、前記第2及び第3油圧検出部の検出値を基に前記第2及び第3油圧調整弁による調整を制御する制御部と、を有する車両における前記油圧検出部の検出値を補正する車両の油圧検出値補正装置であって、
前記第1油圧調整弁を閉弁及び開弁したときの前記第1乃至第3油圧検出部の検出値を基に、前記第2油圧検出部の検出値及び前記第3油圧検出部の検出値の少なくとも一方を補正する補正部を有することを特徴とする車両の油圧検出値補正装置。 - 前記補正部は、前記第1油圧調整弁を全閉したときの前記第1油圧検出部の検出値と前記第2油圧検出部の検出値との差分及び前記第1油圧検出部の検出値と前記第3油圧検出部の検出値との差分、並びに前記第1油圧調整弁を開弁したときの前記第1油圧検出部の検出値と前記第2油圧検出部の検出値との差分及び前記第1油圧検出部の検出値と前記第3油圧検出部の検出値との差分を基に、前記第2油圧検出部の検出値及び前記第3油圧検出部の検出値の少なくとも一方を補正することを特徴とする請求項1に記載の車両の油圧検出値補正装置。
- 前記補正部は、前記第1油圧調整弁の開弁時の開度が予め設定した条件を満たす開度であるときに前記第1乃至第3油圧検出部の検出値を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の油圧検出値補正装置。
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