以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず本実施の形態の弁装置およびステッピングモータの構成を図1〜図9を用いて説明する。
主に図1を参照して、本実施の形態の弁装置1にはステッピングモータ2が取付け固定されている。このステッピングモータ2により、後述するように弁装置1内の軸体および弁体が回転駆動可能なように構成されている。
主に図2および図3を参照して、本実施の形態の弁装置1は、弁本体11と、軸体12と、第1および第2の弁体13a、13bと、スペーサ14と、弁カラー15と、Oリング16a、16bとを主に有している。
弁本体11は、内部に流路11Aを有している。その流路11Aは、第1の開口部11aと、その第1の開口部11aを挟むように配置された第2の開口部11bおよび第3の開口部11cとを有している。
この弁装置1が分配弁である場合には、第1の開口部11aは流体(たとえば湯水)のたとえば流入口であり、第2および第3の開口部11b、11cの各々は流体のたとえば流出口である。また弁装置1が混合弁である場合には、第1の開口部11aは流体のたとえば流出口であり、第2および第3の開口部11b、11cの各々は流体のたとえば流入口である。
また第4の開口部11dが流路11Aに通じるように形成されていてもよい。弁装置1が分配弁である場合には、この第4の開口部11dは流体の流出口であることが好ましい。
軸体12は、弁本体11の流路11A内に配置されており、かつ仮想の軸線C−Cを中心に回転可能に構成されている。つまり軸体12は、軸体12の一方端側の外周部に取付られた弁カラー15を介在して弁本体11に支持されることにより、軸線C−Cを中心に回転可能である。
軸体12と弁カラー15との間にはOリング16aが配置されており、かつ弁カラー15と弁本体11との間にはOリング16bが配置されている。また軸体12はステッピングモータ(駆動源)2により回転駆動力を与えられるように、軸体12の一方端にはステッピングモータ2が接続されている。このステッピングモータ2は、サーボ取付板3を介在して弁本体11に取付け固定されている。
第1および第2の弁体13a、13bの各々は軸体12に取付けられている。第1の弁体13aは、流路11A内において第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間に位置している。第2の弁体13bは、流路11A内において第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間に位置している。
主に図4を参照して、第1の弁体13aは軸線C−Cを中心Oとした円盤形状に第1の切欠13a1が形成された形状を有している。この第1の切欠13a1は、円盤形状の第1の弁体13aの中心Oの周りに約180°の角度範囲で設けられている。第1の切欠13a1が設けられていない第1の弁体13aの部分13a2は円弧形状を有している。また第1の切欠13a1が設けられた第1の弁体13aの部分はたとえばインボリュート曲線に似た外形を有している。
第2の弁体13bも、第1の弁体13aと同様、軸線C−Cを中心Oとした円盤形状に第2の切欠13b1が形成された形状を有している。この第2の切欠13b1は、円盤形状の第2の弁体13bの中心Oの周りに約180°の角度範囲で設けられている。第2の切欠13b1が設けられていない第2の弁体13bの部分13b2は円弧形状を有している。また第2の切欠13b1が設けられた第2の弁体13bの部分はたとえばインボリュート曲線に似た外形を有している。
具体的には第1および第2の切欠13a1、13b1は、軸体12を図4の矢印RD方向に回転させたときに、第1および第2の切欠13a1、13b1の各々の第1および第2の遮蔽部14a、14bから開いた部分の面積の変化が軸体12の回転角度の2乗に比例するような形状を有している。
第1および第2の弁体13a、13bの双方は1つの軸体12に取付けられているため、第1の弁体13aの中心Oと第2の弁体13bの中心Oとは同一の軸線(直線)C−C上に位置している。第1の弁体13aの円弧部13a2の中心Oからの半径R1は、第2の弁体13bの円弧部13b2の中心Oからの半径R2と同じであってもよく、または異なっていてもよい。本実施の形態においては、半径R2は半径R1よりも小さくなっている。
第1の切欠13a1は、軸線C−C方向から見たときに、第2の切欠13b1に対して軸線C−Cを中心Oとした点対称となるように配置されていることが好ましい。上述のように本実施の形態では半径R2が半径R1よりも小さくなっている場合には、軸線C−C方向から見た第1の弁体13aの形状は第2の弁体13bの形状の相似形状を有している。
主に図3および図5を参照して、スペーサ14は、第1および第2の遮蔽部14a、14bと、連結部14cと、2つの凸状係合部14dとを主に有している。第1および第2の遮蔽部14a、14bの各々は、たとえば半円形状を有している。第1および第2の遮蔽部14a、14bの各々の半円形状の外周端面14a1、14b1の各々は流路11Aの壁面(以下、「流路壁面」とも称する)に当接する部分であり、内周端面14a2、14b2の各々は軸体12の外周面に当接する部分である。連結部14cは、第1および第2の遮蔽部14a、14bの双方に接続される部分であり、かつ軸体12の外周面に沿ってその外周面を覆う半円筒形状部を有している。
連結部14cには軸線C−C方向と直交する方向に延びる貫通孔14eが形成されている。2つの凸状係合部14dは、それぞれ連結部14cの両端部に配置されており、かつ第1および第2の遮蔽部14a、14bの双方の外周端部よりも外周側に突き出すとともに、軸線C−C方向に延在している。
主に図2および図6を参照して、スペーサ14は、第1の弁体13aと第2の弁体13bとの間で挟み込まれるとともに、貫通孔14e内に第2の弁体13bを挿通させることにより、軸体12に取付けられている。この取付け状態において、第1の遮蔽部14aの内周端面14a2および第2の遮蔽部14bの内周端面14b2の各々は軸体12の外周面に当接している。またこの取付け状態において、連結部14cの半円筒形状部は軸体12の外周面に沿ってその外周面を覆っている。またこの取付け状態において、第1および第2の遮蔽部14a、14bは、軸線C−Cに対して互いに同じ方向に位置している。
この取付け状態においてスペーサ14に対して軸体12を回転させることにより、第1の切欠13a1を第1の遮蔽部14aで開閉可能であり、かつ第2の切欠13b1を第2の遮蔽部14bで開閉可能である。そして第1および第2の切欠13a1、13b1が軸線C−Cに対して互いに異なる方向に位置し、かつ第1および第2の遮蔽部14a、14bが軸線C−Cに対して互いに同じ方向に位置しているため、第1の遮蔽部14aが第1の切欠13a1を閉じているときに、第2の遮蔽部14bが第2の切欠13b1を開くことができる。また逆に、第1の遮蔽部14aが第1の切欠13a1を開いているときに、第2の遮蔽部14bが第2の切欠13b1を閉じることもできる。
主に図7および図8を参照して、弁本体11の流路壁面には、軸線C−Cの延びる方向に延在する直線状の溝11eが形成されている。スペーサ14は、凸状係合部14dが溝11e内に嵌め込まれた状態で、溝11eで案内されながら流路11A内に挿入されることにより、流路壁面に固定され得る。つまりスペーサ14が流路11A内に挿入された状態ではスペーサ14の両側の凸状係合部14dのそれぞれが溝11e内に嵌り込んでいるため、軸体12が軸線C−Cを中心として回転してもスペーサ14が軸体12とともに回転することはない。
主に図8を参照して、スペーサ14の第1および第2の遮蔽部14a、14bの各々は、軸体12の他方端側(ステッピングモータ2に接続される一方端とは反対側)において軸体12を流路壁面に対して軸体12の径方向に支持している。具体的には、第1および第2の遮蔽部14a、14bの各々の半円形の外周端面14a1、14b1が流路11Aの円形の壁面に当接するとともに、第1および第2の遮蔽部14a、14bの各々の半円形の内周端面14a2、14b2が軸体12の外周面に当接している。
またスペーサ14の連結部14cの半円筒形状部が軸体12の外周面に当接していてもよい。第1および第2の遮蔽部14a、14bと連結部14cは、たとえば180°の範囲で軸体12の外周面に当接している。
主に図2を参照して、特に第1の遮蔽部14aは、第1の弁体13aよりも他方端側において軸体12を径方向に支持していることが好ましい。また第1および第2の遮蔽部14a、14bを有するスペーサ14が、第1の開口部11aの流路11Aへの開口位置と径方向に対向する位置に配置されていることが好ましい。
主に図2および図9を参照して、第1の弁体13aの円弧部13a2と流路壁面との間には径方向の隙間(寸法L1)があり、円弧部13a2と流路壁面とが直接接していないことが好ましい。また第2の弁体13bの円弧部13b2と流路壁面との間には径方向の隙間(寸法L2)があり、円弧部13b2と流路壁面とが直接接していないことが好ましい。
なお軸線C−Cに対して、第1、第3および第4の開口部11a、11c、11dは直交する向きに設けられており、第2の開口部11bは平行な向きに設けられていることが好ましい。
弁本体11、軸体12、第1および第2の弁体13a、13b、スペーサ14および弁カラー15の材質はたとえばPPS(polyphenylene sulfide)などの樹脂からなっており、サーボ取付板3はたとえば亜鉛めっき鋼板からなっている。また第1および第2の弁体13a、13bは軸体12と一体的に形成されたものであってもよく、また軸体12と別体からなり軸体12に取付け固定されたものであってもよい。
また第1および第2の弁体13a、13bの各々に設けられる第1および第2の切欠13a1、13b1はともに約180°の角度範囲で形成されている。この第1および第2の切欠13a1、13b1の形成角度範囲は、ともに180°未満であってもよく、また180°を超えていてもよい。
次に、本実施の形態の弁装置1を有する給湯装置の構成について図10を用いて説明する。
図10を参照して、給湯装置20は、弁装置1と、ステッピングモータ2と、熱交換器21と、バイパス回路22と、燃焼バーナ23と、送風機24と、給水配管31と、出湯配管32とを主に有している。
熱交換器21には、熱交換器21に給水するための給水配管31と、熱交換器から出湯するための出湯配管32とが接続されている。バイパス回路(バイパス配管)22は、この給水配管31と出湯配管32とを接続している。
熱交換器21は、燃焼バーナ23で発生する燃焼ガスとの間で熱交換を行なうものであり、送風機24は、燃焼バーナ23に対して燃焼に必要な空気を供給するためのものである。図1〜図9に示す構成を有する本実施の形態の弁装置1は、たとえば給水配管31とバイパス回路22との接続部に接続されている。
主に図2および図10を参照して、弁装置1の第1の開口部11aは給水配管31の給水側部分31aに接続されており、第3の開口部11cは給水配管31の熱交換器側部分31bに接続されている。また第2の開口部11bはバイパス回路22に接続されている。なお第4の開口部11dは、この弁装置1を追焚付き給湯装置に使用した場合などに、その追焚付き給湯装置に含まれる水圧導入口を有する逆流防止弁(図示せず)などに接続されることが好ましい。
この給湯装置20においては、弁装置1が給水配管31とバイパス回路22との接続部に配置されているため、熱交換器21およびバイパス回路22への分配比を弁装置1により調整することができる。
つまり給湯装置20においては、当該装置への入水が一旦、熱交換器21側とバイパス回路22側とへ分配され、熱交換器21を通過した高温水とバイパス回路22を通過した低温水とが混合されて所望の出湯温度が得られる。この際に弁装置1により分配比を調整することにより所望の出湯温度に制御することが可能となる。
次に、本実施の形態の弁装置1の動作について図11(A)〜図11(C)を用いて説明する。
図11(A)を参照して、この状態は、第1の弁体13aの第1の切欠13a1の全体が第1の遮蔽部14aで覆われておらず開いており(全開)、かつ第2の弁体13bの第2の切欠13b1の全体が第2の遮蔽部14bで覆われて閉じた(全閉)状態を示している。この状態では図2に示すように、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間で流体(たとえば湯水)が流通可能であり、かつ第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間で流体の流通は遮断されている。
なお図11(A)中において第1および第2の切欠13a1、13b1が形成された部分のうち第1および第2の遮蔽部14a、14bで覆われておらず開いた部分にはハッチングが付されている。このハッチングは、図11(B)、(C)にも同様に付されている。
図11(B)を参照して、この状態は図11(A)の状態から軸体12を矢印RDで示すように図中時計周りに約90°回転させた状態である。この状態では、第1の弁体13aの第1の切欠13a1の一部が第1の遮蔽部14aで覆われているが、残りの部分は第1の遮蔽部14aで覆われておらず開いている。また第2の弁体13bの第2の切欠13b1の一部が第2の遮蔽部14bで覆われているが、残りの部分は第2の遮蔽部14bで覆われておらず開いている。つまり、第1および第2の切欠13a1、13b1の双方の一部分が開いた状態となっている。このため、この状態では、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間で所定量の流体が流通可能であり、かつ第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間でも所定量の流体が流通可能である。
図11(C)を参照して、この状態は図11(B)の状態から軸体12を矢印RDで示すように図中時計回りにさらに約90°回転させた状態である。この状態では、第1の弁体13aの第1の切欠13a1の全体が第1の遮蔽部14aで覆われて閉じており(全閉)、かつ第2の弁体13bの第2の切欠13b1の全体が第2の遮蔽部14bで覆われておらず開いた(全開)状態となっている。この状態では図9に示すように、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間で主たる流体の流通は遮断されており、かつ第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間で流体は流通可能である。
このように軸体12を回転させることにより、第1および第2の切欠13a1、13b1の開閉操作を行なうことができる。これにより、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間の流路の開度と、第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間の流路の開度とを調整することができる。このため、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間の流量と、第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間の流量とを同時に制御することが可能となる。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の弁装置1によれば、図2および図8に示すように軸体12は、一方端においてステッピングモータ2に支持され、かつ他方端側において第1の遮蔽部14aによって流路壁面に対して軸体12の径方向に支持されている。このため、軸体12の他方端の位置が弁装置1内の流路を通る流体(たとえば湯水)の圧力などによってぶれることを抑制できる。よって、軸体12のぶれによる弁装置1内を通る流体の流量の変動を抑えることができる。以下、そのことを図11(A)〜(C)を用いて説明する。
図11(A)〜(C)を参照して、軸体12の他方端側(ステッピングモータ2に接続される一方端とは反対側)の位置のずれを抑えるためには、軸体12の他方端側を支持する第1の遮蔽部14aが特に重要となる。そこで、第1の遮蔽部14aを見ると、第1の遮蔽部14aは軸体12の図中矢印UD方向に位置している。このため、図11(A)〜(C)のいずれの場合でも、図中矢印UD方向の荷重が軸体12に掛かっても、軸体12の他方端の位置が図中矢印UD方向にずれることは防止される。
一方、図中矢印LD方向の荷重が軸体12に掛かると、図11(A)の場合には軸体12の矢印LD方向には支えがないため軸体12の他方端の位置が矢印LD方向にずれるおそれがある。しかし、図11(A)に示すように第1の切欠13a1が大きく開いている場合には、第1の切欠13a1を大流量の流体が流れる。このため、その流体の流れにより軸体12の他方端の位置が矢印LD方向にずれることは抑えられる。よって、軸体12の他方端の位置がずれたとしても小さなずれに抑えられるため、弁装置1の特性に大きな影響を与えることはない。
また図11(B)および(C)に示す状態では、軸体12の矢印UD方向は第1の遮蔽部14aにより支えられている。このため、図中矢印UDで示す方向の荷重が軸体12に掛かっても、軸体12の他方端の位置が図中矢印UD方向にずれることは防止される。
以上説明したように本実施の形態においては、軸体12の他方端の位置が弁装置1内の流路を通る流体の圧力などによってぶれることを抑制でき、そのぶれによる弁装置1内を通る流体の流量の変動を抑えることができる。
また軸体12は、他方端側において第1の遮蔽部14aによって流路壁面に対して支持されているため、第1の弁体13aの円弧部13a2が流路壁面と接触することで摩耗することも抑制できる。
また軸体12の他方端側を支持する第1の遮蔽部14aは、第1の弁体13aの第1の切欠13a1を開閉制御するためのものであり、流体が流れる際の抵抗を新たに付加するものではない。また軸体12の他方端側を支持する部材として、第1の弁体13aの第1の切欠13a1を開閉制御するための第1の遮蔽部14aが流用されている。このため、別途に支持部材を追加する必要はなく、簡易な構成で軸体12の他方端側の支持が可能となる。
また第1の遮蔽部14aは、第1の弁体13aよりも他方端側にて軸体12を径方向に支持している。これにより、流路11Aを通る流体の圧力などによって第1の弁体13aが流路壁面と接触することを抑制でき、その接触による第1の弁体と弁本体11との摩耗を抑制することができる。
また図2に示すように、第2の開口部11bは軸線C−Cに平行な向きに延びるように設けられている。この弁装置1は、第1の弁体13aの回転により第1の切欠13a1の開閉操作が可能な構成を有しているため、軸線C−Cに対して平行な向きにも開口部を設けることが可能となる。そして平行な向きにも開口部を設けることができるため、弁装置1を図10に示す給湯装置20などの器具に組み込んだ際の組立が容易となる。
また図2に示すように、流路11Aは第2の開口部11bとの間で第1の開口部11aを挟む第3の開口部11cを有しており、その第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間に位置するように第2の弁体13bが軸体12に接続されている。これにより、第1および第2の弁体13a、13bの回転により第1および第2の切欠13a1、13b1の開閉操作が可能であり、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間の流路の開度と、第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間の流路の開度とを調整することができる。このため、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間の流量と、第1の開口部11aと第3の開口部11cとの間の流量とを同時に制御することができる。
また上記開度を調整するために第1および第2の弁体13a、13bを軸体12とともに軸線C−Cの方向に移動させる必要がない。よって、軸体12にネジ切りをする必要がなく、軸体12を細くすることができるため、軸体12を回転させるための駆動源(たとえばモータ)を小型化できる。したがって、小型で簡易な構成で分配比または混合比を調整することが可能となる。
また第1および第2の遮蔽部14a、14bを有するスペーサ14は第1の開口部11aの流路11Aへの開口位置と径方向に対向する位置に配置されている。これにより第1の開口部11aからの水圧をスペーサ14が受けることができる。
また弁装置1は、第1および第2の弁体13a、13bの各々の円弧部13a2、13b2と流路壁面との間に径方向の隙間(寸法L1、L2の隙間)が生じるように構成されている。これにより第1および第2の弁体13a、13bの各々が流路壁面と接触することによる摩耗を防止することができる。
また第1の遮蔽部14aの内周端面14a2と第2の遮蔽部14bの内周端面14b2との各々は、180°の範囲で軸体12の外周面に当接している。このため、スペーサ14を軸体12の外周面上に配置するだけで組み付けが可能である。また当接角度範囲が180°であるため、軸体12と第1および第2の遮蔽部14a、14bとの間に異物が噛み込みにくくなり、仮に異物を噛み込んだとしても過大な抵抗は生じない。
また上記当接角度範囲が180°を越えると、スペーサ成形の金型として入子(スライド)機構が必要となり金型の構成が複雑となるため製造コストが高くなるが、本実施の形態では上記当接角度範囲が180°であるため、金型形状を簡素化でき、製造コストを低減することができる。
また本実施の形態の弁装置1を図10に示す給湯装置20に用いることにより、弁装置1内の流体の圧力による軸体12のぶれを抑えることができ、流体が通る際の抵抗が少なく、かつ構造が簡易な給湯装置を得ることができる。また給湯装置20においては、当該装置20への入水が一旦、熱交換器21側とバイパス回路22側とへ分配され、熱交換器21を通過した高温水とバイパス回路22を通過した低温水とが混合されて所望の出湯温度が得られる。この際に弁装置1により分配比を調整することにより所望の出湯温度に制御することが可能となる。
なお上記の実施の形態においては、1つの軸体12に2つの弁体13a、13bが接続された構成について説明したが、本発明は1つの軸体に1つの弁体が接続された構成に適用することもできる。以下、1つの軸体に1つの弁体が接続された構成について図12および図13を用いて説明する。
図12および図13を参照して、この弁装置1の構成は、図1〜図9に示す弁装置1の構成と比較して、1つの軸体12に1つの弁体13が設けられている点と、弁本体11内の流路11Aに2つの開口部11a、11bが設けられている点と、弁体13の切欠13a1が半円形である点と、遮蔽部14が半円形であり連結部を有していない点とにおいて異なっている。
弁体13は、軸体12のステッピングモータ2が接続された一方端とは反対側の他方端側に接続されている。この弁体13は、円盤形状に半円形の切欠13a1を設けた構成を有している。この弁体13は、第1の開口部11aと第2の開口部11bとの間に位置している。
遮蔽部14は、半円形状を有しており、弁体13よりも軸体12の他方端側に配置されている。この遮蔽部14は外周端面14a1と内周端面14a2とを有しており、外周端面14a1は流路11Aの壁面に当接しており、かつ内周端面14a2は軸体12の外周面に当接している。これにより、遮蔽部14は、軸体12の他方端側において軸体12を流路壁面に対して軸体12の径方向に支持している。
なおこれ以外の図12および図13に示す弁装置1の構成は、図1〜図9に示す弁装置1の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
図12および図13に示す弁装置1においても、軸体12は、一方端においてステッピングモータ2に支持され、かつ他方端側において遮蔽部14によって流路壁面に対して軸体12の径方向に支持されている。このため、軸体12の他方端の位置が弁装置1内の流路を通る流体の圧力などによってぶれることを抑制でき、軸体12のぶれによる弁装置1内を通る流体の流量の変動を抑えることができる。
また軸体12の他方端側を支持する遮蔽部14は、弁体13の切欠13a1を開閉制御するためのものであり、流体の通る際の抵抗を新たに付加するものではない。また軸体12の他方端側を支持する部材として、弁体13の切欠13a1を開閉制御するための遮蔽部14が流用されている。このため、別途に支持部材を追加する必要はなく、簡易な構成で軸体12の他方端側の支持が可能となる。
上記の図1〜図9に示す弁装置1と図12、図13に示す弁装置1との双方において、遮蔽部14a、14b、14の各々が、軸体12の外周面と180°の角度範囲で当接する場合について説明したが、当接角度範囲は180°を越えて360°未満であってもよい。たとえば図14に示すように当接角度範囲θは270°程度であってもよい。
当接角度範囲θを180°を越えて360°未満(より好ましく270°以下)にすることで、軸体12と遮蔽部との間に周方向に隙間ができる。このため、仮に軸体12と遮蔽部との間に異物を噛み込んだとしても、この周方向の隙間から異物が軸体12と遮蔽部との間から脱出しやすくなる。
また当接角度範囲θを180°を越えて大きくすることで、遮蔽部が軸体12の外周をしっかりと保持することが可能となる。
なお図1〜図9に示す弁装置1の第1および第2の切欠13a1、13b1の形状および図12および図13に示す弁装置1の切欠13a1の形状は、上述したものに限定されるものではない。図1〜図9に示す弁装置1の第1および第2の切欠13a1、13b1の形状が半円形状であってもよく、また図12および図13に示す弁装置1の切欠13a1の形状がインボリュート形状に似た形状であってもよい。
(実施の形態2)
上記の実施の形態1においては図2、図3に示すように第1および第2の遮蔽部14a、14bがスペーサ14に一体的に形成された構成について説明したが、第1および第2の遮蔽部14a、14bはスペーサ14以外に形成されていてもよい。
主に図15を参照して、本実施の形態においては第1の遮蔽部14aは、流路11A内に突き出すように弁本体11に一体的に形成されている。この第1の遮蔽部14aは第1の弁体13aよりも第2の開口部11b側に位置している。
主に図16および図17を参照して、第2の遮蔽部14bは、弁カラー(軸受部材)15に一体的に形成されている。具体的には、弁カラー15は、軸受部15aと、第2の遮蔽部14bと、2つの連結部15cとを有している。軸受部15a、第2の遮蔽部14bおよび2つの連結部15cは、一体的に形成されており、第2の遮蔽部14bは2つの連結部15cを介在して軸受部15aに接続されている。2つの連結部15cの間には開口部15dが形成されている。
主に図15を参照して、この開口部15dが第3の開口部11cの真下に位置している。これにより弁本体11の流路11Aと第3の開口部11cとが開口部15dを介して連通している。また本実施の形態においては、図2に示すスペーサ14は不要であるため、削除されている。
なお本実施の形態の上記以外の構成は、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付しその説明を繰り返さない。
本実施の形態においては、第1の遮蔽部14aが弁本体11に一体的に形成され、第2の遮蔽部14bが弁カラー15に一体的に形成されている。このため、第1および第2の遮蔽部14a、14bを形成するためのスペーサ14(図2、図3)のような専用部品が不要となり、部品点数を削減することができる。
またスペーサ14が不要となるため、図7を参照して、スペーサ14を流路11A内に挿入する際にスペーサ14を案内するための溝11eが不要となる。このため弁本体11の加工が容易となる。
また弁カラー15を軸体12と別体で設けたことにより、ステッピングモータ2を小型化できるとともに、弁本体11の流路11A内に流す流量を多くすることができる。以下、弁カラー15と軸体12とが一体化された構成と比較しながらそのことを説明する。
仮に弁カラー15と軸体12とが一体化されていた場合、弁カラー15の外径が大きくなると弁カラー15と弁本体11との接触面積が大きくなるため軸体12を回転させるために大きなトルクが必要になる。このため大きなトルクを発生させるためにステッピングモータ2を大型化する必要がある。
また仮に弁カラー15と軸体12とが一体化されていた場合、弁カラー15の外径が小さくなると、軸体12などを弁本体11の流路11A内に挿入して組み立てる必要性から、流路11Aの径も小さくなる。このため、弁本体11の流路11A内に流す流量が少なくなる。
これに対して弁カラー15を軸体12と別体で設けることにより、軸体12の外径を小さくして軸体12の回転に必要なトルクを低減してステッピングモータ2を小型化することができ、かつ弁カラー15の外径を大きくすることで流路11Aの径を大きくして流路11A内に流す流量を大きくできる。
そして上記のように弁カラー15を軸体12と別体で設けたことにより、弁カラー15に第2の遮蔽部14bを一体的に形成することが可能となる。
また実施の形態1と同様、軸体12は、一方端においてステッピングモータ2に支持され、かつ他方端側において第1の遮蔽部14aによって流路壁面に対して軸体12の径方向に支持されている。このため、軸体12の他方端の位置が弁装置1内の流路を通る流体の圧力などによってぶれることを抑制でき、軸体12のぶれによる弁装置1内を通る流体の流量の変動を抑えることもできる。
図18を参照して、第2の遮蔽部14bの第2の弁体13bと対向する面には隙間形成用凸部14b3が形成されていてもよい。この隙間形成用凸部14b3によって第2の弁体13bと第2の遮蔽部14bとの互いに対向する面での異物が挟まれる面積を小さくすることができる。このため、第2の弁体13bと第2の遮蔽部14bとの間に異物が挟まれることを抑制することができる。
なお上記においては、隙間形成用凸部14b3が第2の遮蔽部14bに設けられた構成について説明したが、隙間形成用凸部は第1の遮蔽部14aの第1の弁体13aと対向する面に形成されていてもよい。また隙間形成用凸部は、第1の弁体13aの第1の遮蔽部14aと対向する面に形成されていてもよく、また第2の弁体13bの第2の遮蔽部14bと対向する面に形成されていてもよい。
図15の構成においては第1の遮蔽部14aと第2の遮蔽部14bとが軸体12の軸線C−Cに対して互いに同じ側に配置された構成について説明したが、図19に示すように第1の遮蔽部14aと第2の遮蔽部14bとが軸体12の軸線C−Cに対して互いに反対側に配置されていてもよい。ただしこの場合には、第1の切欠13a1と第2の切欠13b1とが軸線C−Cに対して互いに同じ側に配置されていることが好ましい。つまり図11(A)〜(C)に示すように第1および第2の切欠13a1、13b1の開閉制御が可能であれば、第1の遮蔽部14aと第2の遮蔽部14bとの各々は軸体12の軸線C−Cを中心とする如何なる角度位置に配置されていてもよい。
図20を参照して、弁カラー15の開口部15dと軸体12の径方向に向かい合う軸体12の部分12aの径が軸体12の他の部分の径よりも小さくなっていることが好ましい。これにより軸体12の径の小さい部分12aが第3の開口部11cの真下に位置することになる。これにより、弁本体11内の流路11Aと第3の開口部11cとの間を流れる流体の流れを軸体12が遮りにくくなり、流量が減ることを抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。