JP6051150B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は冷蔵庫に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2007−17018号公報(特許文献1)がある。この公報の要約欄には、「人体の静電容量を検知して手が触れたことを判断する検出手段19と、人が近づいたことを検知する人体検知手段20と、人が押した外力の大きさを検出する第一の検出手段19と、第一の検出手段よりも小さな外力を検出する第二の検出手段20と、扉を解放する解放手段21よりなり、人が冷蔵庫の前にいる時だけ手が触れたことを判断して開扉させることとする。」と記載されている。
また、特開2009−111996号公報(特許文献2)がある。この公報の要約欄には、「本接触センサ(タッチセンサ1)は、第1接触センサ部(操作スイッチSW1,SW2)と、操作スイッチSW1,SW2に近接して配置される第2接触センサ部(ダミースイッチSW3)と、ダミースイッチSW3の出力に基づいて、操作スイッチSW1,SW2に対して有効な接触が行われたかを検出するセンサ検出部(センサ回路5)と、を有する。」と記載されている。
特開2007−17018号公報 特開2009−111996号公報
しかしながら、特許文献1においては、静電容量を検知する検出手段の詳細について考慮されておらず、使用者が清掃等のために意図せず検出手段に接触した場合、開放手段によって開扉させるおそれがある。
また、特許文献2において、ダミースイッチSW3を構成するダミー電極4−3は、タッチセンサ4−1,4−2の各々に対し、その周囲を囲むように配置されている。この構成の場合、ダミー電極4−3のインピーダンスが大きくなることにより、タッチ時の静電容量の変化が小さくなるため、静電容量の変化を検出する為の検出精度が低下する。また、静電容量の変化が小さい状態でも検出可能とした場合、微小な変化を検出してしまい、誤反応の可能性が高くなる。
そこで本発明は、扉開放手段の駆動信号を検出する検出手段における誤検出を低減した冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、貯蔵室を開閉する扉と、前記扉を開放する扉開放手段と、前記扉開放手段の駆動信号を検出する前記扉に設けた第一タッチセンサと、該第一タッチセンサの周囲の少なくとも一部に所定距離をあけて設けた第二タッチセンサと、前記第一タッチセンサ及び前記第二タッチセンサの検出信号により前記扉開放手段の駆動を制御する制御手段と、前記第一タッチセンサと前記第二タッチセンサとの間のメッシュ状のグランドパターンと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、扉開放手段の駆動信号を検出する検出手段における誤検出を低減した冷蔵庫を提供することができる。
本発明に係る冷蔵庫の一実施形態の冷蔵庫正面図である。 図1に示した冷蔵庫のA−A断面図である。 冷蔵庫の庫内の構成を表す正面図である。 図2の要部拡大説明図である。 図1のB方向からみた冷蔵庫の平面図である。 図1のC−C断面図である。 図6に示した操作部の分解斜視図である。 図7に示した操作部に含まれる基板の正面図及び背面図である。 本発明に係る冷蔵庫の一実施形態の制御ブロック図である。 本発明に係る冷蔵庫の一実施形態の動作フローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、以下の説明において、上下左右の方向は図1中に示す上下左右の方向を基準とし、前後の方向は図2中に示す前後の方向を基準とする。
まず、本発明の一実施形態に係る冷蔵庫の全体構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態における冷蔵庫の正面図である。図1に示すように、本実施形態の冷蔵庫1は、上方から、冷蔵室2と、左右に並べた製氷室3および上段冷凍室4と、下段冷凍室5と、野菜室6と、を有している。なお、一例として、冷蔵室2および野菜室6は、およそ3〜5℃の冷蔵温度帯の貯蔵室である。また、製氷室3、上段冷凍室4および下段冷凍室5は、およそ−18℃の冷凍温度帯の貯蔵室である。
冷蔵室2は、左右に分割された、前方側(図1の紙面手前側)に観音開きの、いわゆるフレンチ型の冷蔵室扉2aおよび冷蔵室扉2bを備えている。冷蔵室扉2a,2bはヒンジ17aおよびヒンジ17bのまわりに回動する。左右の冷蔵室扉2a,2b同士の隙間を閉鎖するために、冷蔵室扉2aの冷蔵室扉2bに近接した辺に沿って、回動仕切り18が設けられている。
製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、および野菜室6は、それぞれ引き出し式の製氷室扉3a、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5a、および野菜室扉6aを備えている。
冷蔵庫1は、冷蔵室扉2a,2b、製氷室扉3a、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5aおよび野菜室扉6aのそれぞれの開閉状態を検知する扉センサ(図示省略)と、これらの扉2a,2b,3a,4a,5a,および6aの少なくともいずれかが開放していると判定された状態が所定時間(例えば、1分間以上)継続された場合に、使用者にその旨を放置するアラーム(図示省略)と、冷蔵室2、上段冷凍室4、下段冷凍室5等の温度設定をする温度設定器(所定の操作部、表示部等が備える図1に示すコントロールパネル40)等9を備えている。
また、冷蔵室扉2aには、左開扉操作表示部48aが設けられ、冷蔵室扉2bには、右開扉操作表示部48bが設けられている。
また、扉2a、扉2b、扉3a、扉4a、扉5a、扉6aの前面には、光透過性の部材であるガラス板を一例とする、扉前面板49がそれぞれ配置されている(図6,7参照)。ガラス板の固定は、各扉端部の枠部材(図示せず)で支持する構成や、扉内部の発泡ウレタンと固着する構成を採用することができる。
次に図2は、図1のA−A断面を模式的に示す側断面図である。図2に示すように、冷蔵庫1の庫外と庫内は、内箱10aと外箱10bとの間に発泡断熱材(発泡ポリウレタン)を充填することにより形成される断熱箱体10により隔てられている。また、冷蔵庫1の断熱箱体10は複数の真空断熱材14を実装している。
庫内は、温度帯の異なる上下方向に配置された複数の貯蔵室が、断熱仕切壁11a,11bで断熱的に区画されている。即ち、上側の断熱仕切壁11aにより、冷蔵温度帯の貯蔵室である冷蔵室2と、冷凍温度帯の貯蔵室である上段冷凍室4および製氷室3(図1参照)とが隔てられている。また、下側の断熱仕切壁11bにより、冷凍温度帯の貯蔵室である下段冷凍室5と、冷蔵温度帯の貯蔵室である野菜室6とが隔てられている。
冷蔵室扉2a,2bの庫内側には複数の扉ポケット13が設けられている。また、冷蔵室2は複数の棚12により縦方向に複数の貯蔵スペースに区画されている。
上段冷凍室4、下段冷凍室5および野菜室6は、それぞれの貯蔵室の前方に設けられた扉4a,5a,6aの後方に、収納容器4b,5b,6bがそれぞれ設けられている。そして、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aの図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより、収納容器4b,5b,6bが引き出せるようになっている。図1に示す製氷室3にも同様に、製氷室扉3aの後方に、収納容器(図2中、符号3bで表示)が設けられ、製氷室扉3aの図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより、収納容器3bが引き出せるようになっている。
図2に示すように、扉2a,2b,3a,4a,5a,6aは、その周囲にドアパッキン15が設けられており、各扉2a,2b,3a,4a,5a,6aを閉じた際、冷蔵庫1の前面の開口周縁部と密着することで貯蔵空間(冷蔵室2、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、および野菜室6)の内部を閉塞して密閉し、これらの貯蔵空間から外部への冷気の漏れを防止している。
図2に示すように、冷却器7は、下段冷凍室5の略背部に設けられた冷却器収納室8内に配置されている。冷却器7は、冷却器配管7dに多数のフィン(図示省略)が取り付けられて構成され、冷却器配管7d内の冷媒と空気との間で熱交換することができるようになっている。
冷却器7の上方には、庫内送風機9(例えば、モータ駆動するファン)が設けられている。冷却器7で熱交換して冷やされた空気(以下、この冷やされた低温の空気を「冷気」という)は、庫内送風機9によって冷蔵室送風ダクト22、野菜室送風ダクト25、製氷室送風ダクト26a、上段冷凍室送風ダクト26bおよび下段冷凍室送風ダクト27を介して、冷蔵室2、野菜室6、製氷室3、上段冷凍室4および下段冷凍室5の各貯蔵室へ送られるようになっている。
次に図3は、冷蔵庫の庫内の構成を表す正面図である。図3に示すように、冷蔵室2、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5および野菜室6への各送風ダクトは、図3中、破線で示すように冷蔵庫1の各貯蔵室の背面側に設けられている。
冷却器7の冷気がどの貯蔵室へ送られるかは、冷蔵温度帯室冷気制御手段20および冷凍温度帯室冷気制御手段21により制御されるようになっている。
ここで、冷蔵温度帯室冷気制御手段20は、独立した2つの開口部を備える、いわゆる、ツインダンパであり、第一の開口20aは冷蔵室送風ダクト22への送風を制御し、第二の開口20bは野菜室送風ダクト25への送風を制御するようになっている。また、冷凍温度帯室冷気制御手段21は、単独の開口部を備えたシングルダンパであり、製氷室送風ダクト26a(図2参照)、上段冷凍室送風ダクト26b(図2参照)および下段冷凍室送風ダクト27(図2参照)への送風を制御するようになっている。
具体的には、冷蔵温度帯室冷気制御手段20の第一の開口20aが開状態のとき、冷気は、冷蔵室上流ダクト23(後述)および冷蔵室送風ダクト22を経て冷蔵室2に送られる。つまり、冷気は、この冷蔵室送風ダクト22の延在方向に沿って複数設けられた吹出口2cから冷蔵室2に送られる。なお、冷蔵室2を冷却した冷気は、冷蔵室2の下部に設けられた戻り口2dから冷蔵室戻りダクト24を経て、冷却器収納室8の側方下部から冷却器収納室8に流入し、冷却器7と熱交換するようになっている。
冷蔵温度帯室冷気制御手段20の第二の開口20bが開状態のとき、冷気は、後記の冷蔵室上流ダクト23(図4参照)および野菜室送風ダクト25を経て、吹出口6cから野菜室6に送られる。なお、野菜室6を冷却した冷気は、戻り口6d(図2参照)を経て、冷却収納室8の下部から冷却器収納室8に流入し、冷却器7と熱交換するようになっている。ちなみに、野菜室6を循環する風量は、冷蔵室2を循環する風量や冷凍温度帯室冷気制御手段21を循環する風量に比べて少なくなっている。
冷凍温度帯室冷気制御手段21が開状態のとき、冷気は、製氷室送風ダクト26a(図2参照)や上段冷凍室送風ダクト26b(図2参照)を経て、吹出口3c,4cから製氷室3および上段冷凍室4のそれぞれに送られる。また、冷気は、前記の下段冷凍室送風ダクト27(図2参照)を経て、吹出口5cから下段冷凍室5に送られる。このように、冷凍温度帯室冷気制御手段21は、後記の送風機カバー31(図4参照)の上方に取り付けられ、製氷室3への送風を容易にしている。
なお、製氷室3に前記の製氷室送風ダクト26a(図2参照)を介して送風された冷気および上段冷凍室4に前記の上段冷凍室送風ダクト26b(図2参照)を介して送風された冷気は、下段冷凍室5に下降する。そして、冷気は、下段冷凍室5に下段冷凍室送風ダクト27を介して送風された冷気と共に、下段冷凍室5の奥下方に設けられた後記の冷凍室戻り口28(図2参照)を介して、冷却器収納室8に流入し、冷却器7と熱交換するようになっている。
製氷室3および上段冷凍室4、ならびに前記の下段冷凍室5を冷却した冷気は、下段冷凍室5の奥下方に設けられた冷凍室戻り口28を介して、冷却器収納室8に戻る。ちなみに、冷凍室戻り口28の横幅寸法は、冷却器7の左右の幅寸法とほぼ等しい。
次に、図4は、図2の要部拡大説明図である。図4に示すように、吹出口3c,4c,5cが形成されている冷凍温度帯室背面仕切29は、上段冷凍室4、製氷室3および下段冷凍室5と、冷却器収納室8との間を区画する。
庫内送風機9が取り付けられている送風機支軸部30は、冷却器収納室8と冷凍温度帯室背面仕切29との間を区画する。
送風機カバー31は、庫内送風機9の前面を覆うように配置されている。送風機カバー31と冷凍温度帯室背面仕切29との間には、庫内送風機9によって送風された冷気を吹出口3c,4c,5cに導くための、製氷室送風ダクト26a、上段冷凍室送風ダクト26bおよび下段冷凍室送風ダクト27が形成されている。また、送風機カバー31の上部には、吹出口31aが形成されており、この吹出口31aに冷凍温度帯室冷気制御手段21が設けられている。
また、送風機カバー31は、庫内送風機9によって送風された冷気を冷蔵温度帯室冷気制御手段20側に送風する役目も果たしている。即ち、送風機カバー31に設けられた冷凍温度帯室冷気制御手段21側に流れない冷気は、冷蔵室上流ダクト23を経由して冷蔵温度帯室冷気制御手段20側に導かれる。
また、送風機カバー31は、庫内送風機9の前面に整流部31bを備えている。整流部31bは、吹き出す冷気が引き起こす乱流を整流して、騒音の発生を防止するようになっている。
また、冷蔵温度帯室冷気制御手段20および冷凍温度帯室冷気制御手段21が開状態のとき、大部分の冷気が冷凍温度帯室冷気制御手段21側に送られて、残りの他の冷気が冷蔵温度帯室冷気制御手段20側に導かれるように各送風ダクト26a,26b,27が構成されている。これにより、温度帯の異なる貯蔵室である冷凍温度帯室(製氷室3、上段冷凍室4および下段冷凍室5)および冷蔵温度帯室(冷蔵室2および野菜室6)に、1つの冷却器7で冷気を供給することができるようになっている。
以上説明したように、冷蔵庫1の各貯蔵室へ送風する冷気の切り替えは、冷蔵温度帯室冷気制御手段20および冷凍温度帯室冷気制御手段21それぞれを適宜に開閉制御することにより行うことができるようになっている。
冷却器7の下方には、除霜手段である除霜ヒータ35が配置されており、除霜ヒータ35の上方には、除霜水が除霜ヒータ35に滴下することを防止するために、上部カバー36が設けられている。冷却器7およびその周辺の冷却器収納室8の壁に付着した霜の除霜(融解)によって生じた除霜水は、冷却器収納室8の下部に備えられた樋32に流入した後に、排水管33を介して機械室50に配された除霜皿34に達し、次に説明する圧縮機51(図3参照)や凝縮機52(図3参照)の熱により蒸発させられ、冷凍機外に排出されるようになっている。
なお、圧縮機51、凝縮機52、減圧手段54は、冷却器7(蒸発器)と配管で接続され、冷媒が流通する冷媒経路(冷媒回路)が形成されるようになっている。
図2に示すように、冷蔵庫1の天井壁の上面側には、制御部として、CPU、ROMやRAM等のメモリ、インターフェース回路等を搭載した制御部である制御基板41が配置されている。冷蔵庫1には、冷蔵室2の温度を検出する冷蔵室温度センサ44、野菜室6の温度を検出する野菜室温度センサ45、冷凍温度帯室(製氷室3、上段冷凍室4および下段冷凍室5)の温度を検出する冷凍室温度センサ46、冷却器7の温度を検出する冷却器温度センサ47等の温度センサが設けられ、検出した温度が制御手段である制御基板41に入力されるようになっている。
また、制御基板41は、扉2a,2b,3a,4a,5a,6aの開閉状態をそれぞれ検知する扉センサ(図示省略)、冷蔵室扉2aに設けられた前記のコントロールパネル40(図1参照)、冷蔵室扉2a,2bに設けられた前記の左開扉操作表示部48a(図1参照)、および前記の右開扉操作表示部48b(図1参照)と接続されている。
制御基板41は、前述のROMに予め搭載されたプログラムにより、圧縮機51のON/OFFや回転速度の制御、冷蔵温度帯室冷気制御手段20および冷凍温度帯室冷気制御手段21を個別に駆動するそれぞれのモータ(図示省略)の制御、庫内送風機9のON/OFFや回転速度の制御、庫外送風機53(図3参照)のON/OFFや回転速度等の制御、扉開放状態を報知するアラーム(図示省略)のON/OFF、開扉装置60の動作、等の制御を行うことにより、冷蔵庫全体の運転を制御することができるようになっている。
開扉装置60は、図2に示すように、冷蔵庫1の天井壁上面の前面、すなわち、冷蔵室扉2a,2bに隣接して設けられている。また、冷蔵室扉2a,2bの下部には開扉装置60を駆動するための制御基板41へスイッチ信号を出力するための操作部100を有する。操作部100の操作位置には、扉操作表示部48(左開扉操作表示部48a,右開扉操作表示部48b)を有する。
操作表示部48は、冷蔵室扉2a,2bの前面を構成する光透過性の扉前面板(ガラス板)49の表面又は裏面にシルク印刷、スクリーン印刷、レジスト等の処理で、扉前面板49の前面から視認可能な状態でそれぞれ表示している。
本実施形態では、操作表示部48を所定の幅を有する横長の線形状としているが、これに限定されず、後述する電極の配列に合わせて縦長、円形、ドット、文字又は記号等、あらゆる形状を採用することができる。
また、操作表示部48は、常時外部から視認可能な構成や、非操作時は視認されず操作時に照明手段で照射して浮かび上がらせる構成を採用することができる。
操作部100は、静電容量の増加減を検出する静電容量検出方式を採用している。すなわち、扉2a,2bの前面は、光透過性のガラス板でそれぞれ構成されており、このガラス板の背面の所定位置に、静電容量式のタッチ検知スイッチを構成する所定の電極を接触又は近接して配置している。使用者が操作部100の位置を表示する扉操作表示部48に触れることで、扉2a,2bを単独で開放させるモード(扉2aもしくは扉2bのどちらか一方を開放するモード)と、扉2a,2bの両扉を開放させるモードと、を操作入力に応じて区別することを可能としている。例えば、扉2a側の左開扉操作表示部48a又は左開扉操作表示部48aから所定距離の範囲に、使用者が単に指を近づけるか接触させた場合、扉2aを単独で開放する。また、左開扉操作表示部48a又は左開扉操作表示部48aから所定距離の範囲で、左右方向や上下方向に指を所定距離滑らせるように操作した場合、開扉装置60は扉2aを開放した後に扉2bを開放する。なお、右開扉操作表示部48bが操作された場合も同様に、使用者が単に指を近づけるか接触させた場合、扉2bを単独で開放して、左右方向や上下方向に指を所定距離滑らせるように操作した場合、開扉装置60は扉2bを開放した後に扉2aを開放する。
次に図5は、図1のB方向から見た冷蔵庫の平面図である。図5に示すように、開扉装置60は、扉2aと扉2bとにそれぞれ対応した突出部材61a、61bを備えている。突出部材61a、61bは、開扉装置60に収納された状態から扉2a,2bに向けて突出するように動作し、扉2a,2bの上端近傍を押して扉2a,2bを押し開く。尚、左側の扉2aに回動仕切り18が設けられている。
この回動仕切り18は、扉2aに設けられた回動仕切り支点19のまわりに回動自在に軸支されている。扉2aが閉じた際には回動仕切り18は、扉2aと平行に位置して、左側の扉2aと右側の扉2bの間の隙間を塞ぐ。
また、使用者が扉2aを開くと、回動仕切り18は図示しないカムの作用によって、回動仕切り支点19のまわりに扉2aと略直交する位置まで回動する。回動仕切り18は、扉2bと干渉することなく開く。
図6は、図1のC−C断面図であって、冷蔵室扉2aに操作部100を配置した様子を断面図で示す。また、図7は、図6に示した操作部100の分解斜視図である。操作部100は、扉2a前面の扉前面板49(例えば、ガラス板、樹脂板)と、光透過性の有色又は透明のフィルム80と、検出用の複数のタッチセンサ(第一タッチセンサ)62が設けられた基板67と、基板67のさらに後方に配置された基板67を保持するためのケース81により構成されている。また、扉前面板49の裏面または表面には、扉操作表示部48(図1参照)が直接印刷等により表示されている。
扉2aは、扉前面板49と内壁部材16との空間に、発泡断熱材90が充填される。また、基板67等を発泡断熱材90と隔離するために、基板配置部材72が扉前面板49の後方に設けられている。基板配置部材72は、扉前面板49と発泡断熱材90との間に基板67等を配置するための所定空間を形成する凹形状であって、扉2aの端部(反ヒンジ側の右側端部またはヒンジ側の左側端部)に形成した開口から、基板配置部材72内を左方向又は右方向にスライド移動することにより、扉2aの所定位置に位置決め配置される。
フィルム80の前面であって扉2aの表面は、扉前面板49で覆われている。したがって、冷蔵庫1の使用者は、この扉前面板49越しに、冷蔵庫1本体へ扉操作表示部48をタッチして入力操作する。
後述する開扉装置60を動作させるための信号を検出するタッチセンサの幅寸法(図7中の上下方向のY寸法)は、扉前面板49の扉操作表示部48の幅寸法(図7中の上下方向のZ寸法)に対して、幅が広い構成としている。これは、仮に扉操作表示部48の表示端部(図7中のX領域)を使用者がタッチした際であっても確実に動作させるためである。
次に、この基板67の詳細を、図8を用いて説明する。図8は、図7に示した操作部100に含まれる基板67の正面図及び背面図である。図8(a)は基板67の正面図、図8(b)は基板67の背面図、図8(c)はタッチセンサ(図8(a)のD部)の拡大図である。基板67の中心部には、開扉装置60を動作させるための信号を検出する第一タッチセンサ、いわゆるタッチパネルを構成する複数のタッチセンサであるタッチセンサ62(タッチセンサ62a〜62d)が、扉操作表示部48の形状に合わせて、左右方向に列をなして配置され、各々のタッチセンサ62で静電容量の変化を検出する。
なお、タッチセンサ62a〜62dの分割配置パターンは左右方向に限るものではなく、扉2aの組み込み状態で上下方向や斜め方向に配置するパターン構成であってもよい。また、基板67上に直線状に配置した構成に限らず、曲線状や、上下又は左右の並列配置であってもよい。また、左開扉操作表示部48aのタッチセンサ62と、右開扉操作表示部48bのタッチセンサ62とを左右対称に配置した構成に限らず、一方のタッチセンサ62は複数を左右方向に配置して、他方のタッチセンサ62は複数を上下方向に配置した構成とするような、非対称な配置であってもよい。さらに、左右に配置した扉2a,2bに限らず、上下に配置した扉にそれぞれタッチセンサを配置した構成であってもよい。また、回動扉にタッチセンサを配置した構成に限らず、引き出し式の扉にタッチセンサを配置した構成であってもよい。
タッチセンサ62を左開扉操作表示部48a及び右開扉操作表示部48bにそれぞれ複数設ける構成について、さらに説明する。
まず、意匠上、扉操作表示部48を広範囲に設けた場合(タッチセンサ62のサイズを大きくした場合)、一つの電極におけるインピーダンスが大きくなるため、静電容量の変化を検出しにくくなる。また、一つの電極面積を大きくすると、使用者が指でタッチした際、タッチセンサに対する接触面積が占める割合が小さくなり、静電容量の変化が小さくなってしまう。
一方、扉開放手段(開扉装置)60の駆動信号を検出する検知スイッチを構成する場合、静電容量の変化を大きくすることで、操作検知の信頼性を確保する必要がある。
そこで本実施形態では、タッチセンサ62を複数に分けて並べて配置することで、各々のタッチセンサ62a〜62dにおけるインピーダンスを小さくし、使用者が指でタッチした際の静電容量の変化が大きくとれるようにしている。なお、仮に単一の電極で静電容量の変化を所定量検知できる場合はこの限りでなく、単一の電極で構成することが可能である。
次に、扉開放手段(開扉装置)60を駆動するための機能として、単独のタッチセンサの入力操作と、複数のタッチセンサの順次入力操作とを判断して、扉の開放動作をそれぞれの操作によって変化させる場合、複数のタッチセンサ62が操作されたか否かの検知精度を高める必要がある。
本実施形態では、タッチセンサ62が並び方向(例えば、タッチセンサ62aからタッチセンサ62dの方向、又はその逆方向)に順次操作されたか否かの検知精度を高めるために、各々のタッチセンサ62(タッチセンサ62a〜62d)のパターン形状を、正面視で+形状すなわち、クロス部を有する構成としている。この構成によれば、タッチセンサ62が並び方向に順次操作された際、クロス部(図8(a)中のE部)での静電容量の変化は他の直線部に比べて大きくなるので、静電容量の変化に強弱がつく。これにより、並び方向にタッチセンサ62が順次操作されたとの判断が確実となる。なお、複数のタッチセンサ同士の間は、検知する静電容量が低下するので、単に複数のタッチセンサを配置した構成であってもよい。また、単一のタッチセンサにクロス部を複数配置した構成、タッチセンサの幅を部分的に異なるようにした構成、タッチセンサの数を増減させ配置構成であってもよい。すなわち、所定距離にわたってタッチセンサが連続操作されたことを検知するために、検知される静電容量の大きさに部分的な強弱がつくようにタッチセンサを配置する。
ここで、タッチセンサを順次操作するとう表現は、指で順次複数のタッチセンサをなぞる動作に限定されず、使用者が指や手を扉前面のガラス板に接触又は所定距離に近接させてから、所定方向にその指や手を移動させる動作であれば、本実施形態の検知パターンに含まれるものとする。例えば、操作表示部48のいずれかの部分を指や手でタップした後、そのまま指や手を離さずに所定範囲で動かすフリック動作やスワイプ動作が含まれる。また、指や手で操作表示部48のいずれかの部分の前方を遮り、そのまま指や手を所定範囲で動かす動作が含まれる。
次に、第一タッチセンサ62と第二タッチセンサ63について説明する。基板67の中心部に設けられた第一タッチセンサ62(タッチセンサ62a〜62dによる分割パターン)の一部を囲う様に、誤操作検知用の第二タッチセンサであるタッチセンサ63(タッチセンサ63e〜63gによる分割パターン)が配置され、各々のタッチセンサ63で静電容量の変化を検出する。タッチセンサ63は、使用者が扉前面板49(ガラス板49a)を掃除した際や、意図しない接触による開扉装置60の誤動作を回避するための静電容量検出部である。すなわち、第一タッチセンサ62と第二タッチセンサ63が同時に検知した場合は、扉開放の操作入力ではなく、使用者が扉前面板49を清掃のためや意図せずに触れたものと判断して、開扉装置60を駆動しない。第二タッチセンサ63は、第一タッチセンサ62同様に、複数のタッチセンサに分けて配置されている。使用者の操作入力を予測するためには、確実に静電容量の変化、いわゆる、タッチ操作の有無を判別する必要がある。そのため、第二タッチセンサ63は、3つのタッチセンサ63e〜63gに分けて第一タッチセンサ62の周辺の一部にそれぞれ配置することで、各々のインピーダンスをおおよそ同等且つ小さくしている。
より詳細には、複数のタッチセンサ62a〜62dで構成した第一タッチセンサ62に対して、上方のタッチセンサ63gと、下方のタッチセンサ63eと、左右いずれかのタッチセンサ63fとを配置している。ここで、タッチセンサ63fは、第一タッチセンサ62に対して左右いずれかとしているのは、扉2a,2bの組み込み状態を考慮したためである。例えば、左側の扉2aの操作表示部48は、操作性を向上するためにヒンジ17aと反対の側部(右側)近傍に配置している。すなわち、扉前面板49に対して右寄りに操作表示部48が配置されており、操作部100を組み込む場合、基板67の一端(右側端)は扉2aの側端部(右側端)の近傍に位置する。この構成で実使用状態を考慮して、特に扉前面板49の側端部(右側端)近傍に位置する基板67の一端(右側端)近傍は、使用者の手指の接触や操作頻度が他部に比べて低いため、誤操作の可能性が低い。よって、誤操作検知用の第二タッチセンサ63は、左側の扉2aの場合、第一タッチセンサ62に対して、上方のタッチセンサ63gと、下方のタッチセンサ63eと、左方のタッチセンサ63fとを配置している。
同様に、右側の扉2bの場合、操作部100は扉2bの左端部寄りに配置されるので、第一タッチセンサ62に対して、上方のタッチセンサ63gと、下方のタッチセンサ63eと、右方のタッチセンサ63fとを配置する。
第一タッチセンサ62と第二タッチセンサ63の間の基板67上には、グランド(接地)パターン(GNDパターン)73を配置している。このGNDパターン73は、メッシュ形状のグランドとしている。第一タッチセンサ62と第二タッチセンサ63の間をメッシュ形状のグランドとすることで、以下の効果がある。
まず、第一タッチセンサ62と第二タッチセンサ63の間にGNDパターン73を配置することで、外来ノイズによるタッチセンサ62の静電容量の意図しない変化を抑制することができる。
ここで、GNDパターン73を所定領域の面全体にわたって設けた場合、静電容量の変化が小さくなってしまう。そのため、GNDパターンを所定領域の面全体に設けるよりも、メッシュ形状とすることで、静電容量の変化が大きくとれる。
次に、第一タッチセンサ62と第二タッチセンサ63の間にメッシュ形状のグランドを設けることで、検出範囲を制限することができる。すなわち、メッシュ状のGNDパターン73を配置することで、第一タッチセンサ62と第二タッチセンサ63のお互いに受ける影響を抑えることが可能となる。メッシュGNDパターンの幅(第一タッチセンサ62と第二タッチセンサ63の距離)であるy寸法(図8(a)参照)は、扉操作表示部48がどのように操作されるかを考慮して決めている。本実施形態においては、一般的な成人の人差指をφ10〜15mm程度と想定し、y寸法を15mmとしている。すなわち、想定される検出範囲の幅寸法以上の間隔(y寸法)をとることが望ましい。
第一タッチセンサ62(タッチセンサ62a〜62d)および第二タッチセンサ63(タッチセンサ63e〜63g)は、前述した図8(a)の通りの配置としており、最右端のタッチセンサ62dのさらに右側には、タッチセンサIC71が配置されており(図8(b)のように基板67背面に配置)、配線パターン64(64a〜64g)によりタッチセンサ62a〜62dおよびタッチセンサ63e〜63gがタッチセンサIC71と電気的に接続されている。
配線パターン64a〜64gは、送信側配線パターン64a,64bと、受信側配線パターン64c〜64gを有する。第一タッチセンサ62に対して下方に送信側配線パターン64a,64bを配置し(図8(b)参照)、第一タッチセンサ62に対して上方に受信側配線パターン64c〜64gを配置している(図8(b)参照)。なお、配線パターン64は、操作による影響やノイズによる混信を避けるため、基板67の背面、すなわち、第一タッチセンサ62および第二タッチセンサ63が設けられた基板67の前面と反対面に配線している。また、配線パターン64を配置した基板67の背面には、第一タッチセンサ62を配置した基板67の前面と同様にメッシュGNDパターンを配置し、耐ノイズ性の向上を図っている。
基板67は、右端に副制御部68(後述)が配置されている。副制御部68には、基板67の背面に、主に第一タッチセンサ62および第二タッチセンサ63の静電容量の変化を検出し、信号として出力処理を行うタッチセンサIC71を配置している。タッチセンサIC71は処理信号を制御基板41(図2参照)に操作情報として伝達する。また、副制御部68の通信部としてコネクタ70が配置されており、制御基板41と有線通信する際の端子として作用する。
タッチセンサIC71の静電容量検出方式は、本実施形態では一般的な自己容量方式ではなく、相互容量方式を採用している。相互容量方式は、図8(c)において、パルス電圧を印加するための送信側電極65と、静電容量検出用の受信側電極66で構成している。送信側電極65および受信側電極66は、受信側電極66を境界として、送信側電極65を受信側電極66の両側に配置した構成としている。第一タッチセンサ62の外観形状は、送信側電極65を環状として、受信側電極66が左右方向を長軸で上下方向を短軸とした+形状として、送信側電極65の環状部内に所定範囲の間隔を有して配置されており、受信側電極66の中央付近F(図8(c)参照)を境に線対称となる形状である。しかしながら、扉操作表示部48と第一タッチセンサ62間に介在する部材の厚みが薄い場合(介在する部材の非誘電率が小さい場合)は、自己容量方式を採用することが可能である。例えば、タッチセンサの形状にも左右されるが、介在する部材がガラス材の場合は約4mm以下、樹脂材(アクリル板等)とした場合は約2mm以下が望ましい。
ここで、自己容量方式は、タッチセンサに対する静電容量の増加を検出する方式であるため、無操作時のタッチセンサに存在する浮遊容量を含めた静電容量が大きいと、使用者がタッチセンサ62を操作した際の容量変化(増加)を検出し難くなる。それに対し、相互容量方式は、タッチセンサ62に対する静電容量の減少を検出する方式であるため、無操作時のタッチセンサに存在する浮遊容量を含めた静電容量を十分に確保できていれば、使用者がタッチセンサを操作した際の静電容量の減少を検出することが可能となる。また、外来ノイズに対しても相互容量方式の方が耐性向上となる。それは、外来ノイズにより使用者がアンテナとなって、使用者が持つ静電容量(数十pd程度)が大きく変動した場合において自己容量方式では、誤反応の要因が大きくなるためである。
基板67には、タッチセンサIC71からなる副制御部68を配置するとともに、第一タッチセンサ62および第二タッチセンサ63を同一の基板67上に構成することで、基板67の板厚を薄く設計することができる。また、実装状態の基板67を配置するために要する空間寸法(扉前面板49と発泡断熱材90との間の寸法)を薄く抑えられるため、発泡断熱材90の厚みの減少を抑えることが可能となり、断熱性能の悪化を抑制することができる。また、実装状態の基板67の保持手段81で保持基板組品の状態で、冷蔵室扉2a,2bの所定位置に組み込むことができるので、所定位置に基板組品を配置することが容易となり、組立性が向上する。
また、第一タッチセンサ62、第二タッチセンサ63及び副制御部68を同一基板67上に設けることが可能であるため、組み立て性が向上して、安価にタッチパネル構成部品を得ることができる。
次に、図9および図10を用いて、本実施形態の冷蔵庫の制御部の動作について説明する。図9は、本実施形態の制御ブロック図である。図10は、本実施形態の動作フローチャートである。冷蔵庫1の使用者は、扉前面板49の前面にある操作部100(操作表示部48)を操作して、開扉装置60を駆動させて、冷蔵室扉2a,2bを電動で開放させる。操作部100は、扉前面板(ガラス板)49を介して基板67を備えており、基板67には、開扉装置60を駆動させるためのタッチ操作を検出するための第一タッチセンサ62と、使用者が意図しないタッチ操作を検出するための異常タッチ検出電極である第二タッチセンサ63を備えている。第一タッチセンサ62と第二タッチセンサ63の検出信号をタッチセンサIC71にて処理し、操作状態を推定するためのセンシングを行っている。
一方で、主制御部69からなる制御基板41は上述したとおり、冷蔵庫1の上部(図2参照)に設けられており、各貯蔵室の扉開閉検知手段95、および庫内を冷却するための圧縮機51、送風機9(冷却ファン)などの制御対象機器や冷蔵室扉開放手段60が接続されている。
制御基板67には、開扉装置60のモータ96を制御するための駆動回路97を備えている。主制御部69は、副制御部68の通信部を介して入力される操作情報に基づき、開扉装置60の駆動制御を切り替える。
次に操作部100の操作状態の推定について説明する。使用者が意図した扉開放指令操作を行った場合、図10に示すように、扉操作表示部48の第一タッチセンサ(タッチ電極)62はONとなり、第二タッチセンサ(異常タッチ検出電極)63はON判定されない。
次に、使用者が扉開放指令の意図なく扉2a,2bの扉操作表示部48に接触した場合(不意に触れてしまった場合)、第一タッチセンサ63と第二タッチセンサ62がほぼ同時に押されることになるため、開扉装置60を駆動するモータ96は停止の状態を維持する(タッチを無効と判断する)。
次に、意図した操作であってもモータ69を動作させない手段について説明する。この手段が想定される操作状態は、使用者による扉2a,2b(扉前面板49)の清掃時である。例えば、扉2a,2bを布等で上から下に拭き掃除した場合、第一タッチセンサ62の周囲の第二タッチセンサ63のうちタッチセンサ63gがON判定を検出する。その後、第一タッチセンサ62がON判定され、再度、第二タッチセンサ63eのうちタッチセンサ63eがON判定される。この場合、扉開放指令の操作がなかったものとして、開扉装置60(モータ69)は駆動しない。
なお、この動作は左右方向においても同様であり、第二タッチセンサ63のうちタッチセンサ63fがON判定された後、第一タッチセンサ62がON判定されると、扉開放指令の操作がなかったものとして、開扉装置60(モータ69)は駆動しない。
また、使用者が扉操作表示部48を操作して扉開放指令入力を意図して行ったものの、第一タッチセンサ62ではなく第二タッチセンサ63の検知範囲を操作してしまい、再度第一タッチセンサ62の検知範囲を操作しなおした場合の制御について説明する。
この場合、第二タッチセンサ63の検知からの経過時間を検出して、検出時間が所定の設定時間tを経過しているか否かで、開扉装置60(モータ69)の駆動か停止かを判断する。
まず、第二タッチセンサ63の検知から第一タッチセンサ62が検知するまでの時間がt1と短く、t1<tの場合、扉前面板49の清掃等の理由で扉操作表示部48上を触れたと判断して、モータ96の停止を維持する。
一方、第二タッチセンサ63の検知から第一タッチセンサ62が検知するまでの時間がt1より長いt2であって、t2>tの場合、使用者が扉操作表示部48を操作して扉開放指令入力を行ったものの、誤って第二タッチセンサ63の検知範囲を操作したことで開扉装置60が駆動せず、使用者の意図による再操作で第一タッチセンサ62が検知したものと判断して、扉開放指令操作を受け付けてモータ96を動作する。
これにより、清掃等に伴い扉開放の意図なく操作表示部48が触れられたのか、扉開放の意図があるものの操作表示部48の第一タッチセンサ62の検知範囲外を操作してしまい、再操作のために操作表示部48を触れたのかを判定することができる。
以上の操作状態判断は、副制御部68で行うこととしている。このように、副制御部68からの情報を主制御部69に送信することにより、使用者が意図した最適な冷蔵庫の扉開放動作を可能にしている。
以上より、本発明の実施形態によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、貯蔵室を開閉する扉と、前記扉を開放する扉開放手段と、前記扉開放手段の駆動信号を検出する前記扉に設けた第一タッチセンサと、該第一タッチセンサの周囲の少なくとも一部に所定距離をあけて設けた第二タッチセンサと、前記第一タッチセンサ及び前記第二タッチセンサの検出信号により前記扉開放手段の駆動を制御する制御手段と、前記第一タッチセンサと前記第二タッチセンサとの間のメッシュ状のグランドパターンと、を有する。これにより、第一タッチセンサと第二タッチセンサの検出順や各々の検出時間により、使用者からの操作入力を推定可能とし、意図した操作か、意図しない操作かを判断して、誤検出を低減して安全性及び使い勝手を高めた冷蔵庫を提供することができる。
また、第一タッチセンサの前方の扉操作表示部を備え、前記第一タッチセンサは、前記扉操作表示部よりも大きい寸法とした。これにより、扉操作表示部の表示端部(図7中のX領域)を使用者がタッチした際であっても確実に動作させることができる。
また、第二タッチセンサは、複数に分割したパターンで構成した。これにより、各々のインピーダンスをおおよそ同等且つ小さくして、検知精度を高めることができる。
また、第一タッチセンサは、検知される静電容量の大きさに部分的な強弱がつくように配置した。これにより、第一タッチセンサが所定距離にわたって順次操作されたとの判断が確実になる。
また、第一タッチセンサは、複数に分割したパターンで構成した。これにより、第一タッチセンサを構成する各々の分割パターンにおけるインピーダンスを小さくし、使用者が指でタッチした際の静電容量の変化が大きくとれるようにしている。
また、第一タッチセンサは、クロス部を有するパターンで構成した。これにより、第一タッチセンサが所定距離にわたって順次操作されたとの判断がより確実になる。
また、複数の扉を開放する開扉装置を有する冷蔵庫において、開扉装置で扉を単独で開放するか複数を同時又は順次開放するかを選択可能な入力手段(操作部100)を有しているため、例えば冷蔵室に観音開き式の扉が存在する冷蔵庫において、冷蔵室扉の左右2つの扉を開ける場合でも、一回の操作で両方の扉が開放される。そのため、簡単なひとつの操作で扉の開放動作を選択して入力することができる。この場合、使用者が物を手に持っている場合でも、扉を単独又は複数を容易に開放することができるので、使い勝手の良い冷蔵庫を提供できる。
なお、扉は、観音式の扉を例に説明したが、引き出し式の扉、観音式と引き出し式の扉の組み合わせにも適用可能である。
なお、本実施例の開扉装置又は扉の開放動作は、冷蔵庫に限らず、複数の扉を備えた構造体に適用することができる。例えば、建造物の扉や窓、システムキッチンの収納扉、自動車のドアやウインドウ、ドアや蓋や窓等を備えた家庭用電気製品、ドアや蓋や窓等を備えた医療機器、ドアや蓋や窓等を備えた事務機器、各種ラックやキャビネットの扉等、あらゆる構造体に適用することができる。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室扉
2a,2b 扉(冷蔵室扉)
40 コントロールパネル
41 制御基板(主制御部、制御手段)
48 扉操作表示部
48a 左開扉操作表示部
48b 右開扉操作表示部
49 扉前面板(ガラス板)
60 開扉装置(扉開放手段)
61 突出部材
62 タッチセンサ(第一タッチセンサ)
63 タッチセンサ(第二タッチセンサ)
64 配線パターン
65 送信側電極
66 受信側電極
67 基板
68 副制御部
69 主制御部
70 コネクタ
71 タッチセンサIC
72 基板配置部材
73 グランドパターン(GNDパターン)
80 フィルム
81 ケース(保持部材)
90 発泡断熱材
95 扉開閉検知手段
96 モータ
97 駆動回路
100 操作部

Claims (6)

  1. 貯蔵室を開閉する扉と、前記扉を開放する扉開放手段と、前記扉開放手段の駆動信号を検出する前記扉に設けた第一タッチセンサと、該第一タッチセンサの周囲の少なくとも一部に所定距離をあけて設けた第二タッチセンサと、前記第一タッチセンサ及び前記第二タッチセンサの検出信号により前記扉開放手段の駆動を制御する制御手段と、前記第一タッチセンサと前記第二タッチセンサとの間のメッシュ状のグランドパターンと、を有することを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記第一タッチセンサの前方の扉操作表示部を備え、前記第一タッチセンサは、前記扉操作表示部よりも大きい寸法としたことを特徴とする、請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 前記第二タッチセンサは、複数に分割したパターンで構成したことを特徴とする、請求項1記載の冷蔵庫。
  4. 前記第一タッチセンサは、検知される静電容量の大きさに部分的な強弱がつくように配置したことを特徴とする、請求項1記載の冷蔵庫。
  5. 前記第一タッチセンサは、複数に分割したパターンで構成したことを特徴とする、請求項4記載の冷蔵庫。
  6. 前記第一タッチセンサは、クロス部を有するパターンで構成したことを特徴とする、請求項4又は5記載の冷蔵庫。
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