JP6048790B2 - 荷電粒子ビームのノズル、生成方法、および生成システム - Google Patents
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[1−1 基礎検討]
まず低速多価イオンによるマイクロビーム(SHCIマイクロビーム)を生成する装置構成およびそのビーム強度の測定系について説明し、従来のノズルであるガラスキャピラリーの場合の動作から着想の経緯にそって本実施形態を説明する。
図1は、従来のキャピラリーを用いてSHCIマイクロビームを生成しそのビーム強度を測定する装置セットアップの概略構成図である。また、図2は、従来のノズルであるキャピラリー内部に蓄積した電荷によって、キャピラリー内部に静電界が形成される様子、および、イオンの通過が阻害される様子を示す推定図である。
以下の説明において、Ar8+等の正イオンである場合を説明する。図2(a)は、ガラスキャピラリー700の内部においてイオンビームによる帯電が生じた場合の理想的な動作の様子を模式的に示している。基端部710から入射したイオンビームは、ガラスキャピラリー700の絶縁体壁に内側から衝突すると、イオンと同極性の電荷をその部分に生じさせ帯電させる。すると、その後に入射するビームのイオンには、その帯電した電荷からのクーロン力が作用する。それ以降、ビームの径路はその付近で直進から曲がることとなる。この現象がガラスキャピラリー700の内壁のイオンビームが衝突する各位置で生じることから、イオンビームは次第にその進行方向に垂直な向き(径方向)の広がりを縮めてゆき、先端部720から放出されるマイクロビームBMはその径を先端部720の径にあわせることとなる。
上記作業仮説を実験的に確認するため、キャピラリーの外側面に電極を形成した電極付キャピラリーにより作製した荷電粒子ビーム用ノズル100を準備し、その電極に与える電圧とビーム強度の関係を調査した。図3に、荷電粒子ビーム用ノズル100の構造を正面図(図3(a))および概略断面図(図3(b))として示す。図3(a)および(b)に示すように、形成した電極は、電極先端から電極A104a〜電極D104dとして互いに別電位を与えることが可能となるように区切られている。また、各電極はガラスによる絶縁体側壁の外側面に接して形成されている。
(1)電極A104aに絶対値が500VDC以上の正負の電圧を印加すると、ビームによる電流が殆ど流れないこと、
(2)電極A104aに印加する電圧が300VDCである場合、0VDCである場合に比べて図4では約1.4倍程度(最大で3倍程度)にビームによる電流が増大すること、
(3)電極A104aに印加する電圧が直流である場合、ビームによる電流は、大きく変動しており、時間的な揺らぎが大きく、また再度同じバイアス電圧をかけたとしても電流値の再現性が乏しいこと。
なお、加速電圧が1kVであることを考慮すれば、正および負の500VDC程度の電圧を超えるとビームが観測できなくなることは不合理では無い。加速された電圧程度の高い電圧を電極A104aに印加すると、加速されて飛行しているイオンは先端部120の内部で電極A104aの作る電界を通過できないためである。
本願発明者らは、上記不安定さの理由は上記第1の作業仮説のみでは十分に説明できず、この不安定さを克服するためにはさらなる検討を要するものと考えた。そして、蓄積する電荷量の不安定さがビーム強度の不安定さとなって現われているに違いないと推測し、さらなる作業仮説をもって実験的確認を進めることとした。
電極A104aを通じて電荷量の制御が可能であるかどうかを確認するため、リレーを通して電極A104aを接地端子に電気的に接続し、そのリレーをデューティー波形の制御信号により開閉させることとした。その典型的な結果を表すグラフが図5である。図5は、荷電粒子ビーム用ノズル100において、電荷を制御する実験において得られた、ビーム強度を示す電流値のグラフである。図5においては、横軸を測定開始後の経過時間(単位:秒)、縦軸を測定系500による電流値(通過電流、単位:pA)としている。比較のため、マスク電極320に補えられ電流計330にて測定される電流(マスク電流、単位:nA)も図5に明示している。電極B104b、電極C104cは、測定の期間を通じ、0VDC出力に調整した高電圧電源VHに接続されていた。時間を追って説明すると、測定開始(0秒)の後、経過時間24秒にてビーム出力(B0、B1)を開始し、電極A104aは、リレーを開状態として電極A104aをいずれの電源にも接続しなかった。この動作を経過時間1200秒まで継続した。その間、電流値の最大値は160pA以上、最小値はほぼゼロであり変動が大きかった。次に、経過時間1200秒の時点において電極A104aを接地端子に対してリレーを介して間欠的に接続させる動作を開始した。リレーは0.07Hzの周期動作をさせ、0.01%の期間のみ閉(接続)、他の99.99%の期間が開(絶縁)とするためのデューティー波形により動作させた(0.07Hz、デューティー比0.01%の波形)。経過時間1200秒の時点からは、ビームによる電流値は約65pAで十分な安定性を示した。経過時間3500秒においてリレーの動作を停止させて開としたところ、再び不安定なビーム強度となった。さらに経過時間4213秒においてリレーを周期動作させたところ、ビームによる電流値は再び65pA程度で安定した。その後経過時間5101秒(測定終了)に至るまでその安定したビーム強度は維持された。
(4)電極B104b、電極C104cを0VDCとし、電極A104aを僅かな時間だけ接地させる動作を繰り返すことにより、高い再現性でビーム強度を安定化できること。
SHCIマイクロビームのビーム強度を高め、また安定化させるために有用な、荷電粒子ビーム用ノズル100の構造やそれを利用するビームの生成方法および荷電粒子ビーム用ノズルを利用するSHCIマイクロビーム生成システムについて説明する。図6はSHCIマイクロビーム生成システム1000の構成を示す概略構成図である。SHCIマイクロビーム生成システム1000には、荷電粒子ビーム用ノズル100に加え、荷電粒子ビーム用ノズル100の電極A104a〜電極104dを独立して制御可能な電極制御部200を有している。SHCIマイクロビーム生成システム1000が利用される際には、先端部120の正面(下流)には処理対象物または分析対象物などのSHCIマイクロビームを照射する物体(被照射物)を配置する。必要に応じ、図1と同様の測定系500を利用すればビーム強度を測定することができる。
荷電粒子ビーム用ノズル100は、図3に示したように、荷電粒子を通す通路106を内部になし先端部120が基端部110より絞られた内径を有している筒状または管状の絶縁体側壁102と、絶縁体側壁の外側面に接して配置された少なくとも1つの電極104とを備えている。
電極104は、好適には、少なくとも通路106の延びる向きの各位置を分けるように区切られた電極群をなしたものである。図3に示した荷電粒子ビーム用ノズル100においては、電極104は、例えば電極A104a〜電極D104dのように、通路106の延びる方向の位置により指定可能な電極群とされている。その結果、典型的な荷電粒子ビーム用ノズル100は電極の構造も含めて回転対称性または軸対称性を有しているが、他の形状とすることもできる。また、少なくとも通路106の延びる向きの各位置を分けるように区切られているかぎり、さらに追加の区切り方によって電極が細分されていてもよい。
図3(c)および図3(d)には、基端部110および先端部120の拡大図を示している。基端部110においては、その端面112の通路106の基端側の開口の縁にまで、電極群のうち最も基端部110に近い電極ものである基端電極つまり電極D104dが延びている。このため、基端部110における通路106の開口の外縁を画定しているのは、基端部110の荷電粒子ビーム用ノズル100の壁の内側であると同時に、電極D104dのその延びた部分である。同様に、先端部120においては、その端面122の通路106の先端側の開口の縁にまで、電極群のうち最も先端部120に近い電極ものである先端電極つまり電極A104aが延びている。
図7は、荷電粒子ビーム用ノズル100における荷電粒子ビーム用ノズルの電極制御部200の典型的な態様のいくつかの例を示す接続図である。典型的な接続態様は、図7(a)〜(d)に共通して示すように、電極D104dを接地端子202に接続し、電極C104cおよび電極D104dを互いに接続しておき共通の電圧源に接続するものである。図7(a)に示す態様の電極制御部200Aのように、電極A104aを電圧源206に接続してもよい。また図7(b)に示す態様の電極制御部200Bのように、電極A104aをリレー210を介して接地端子212に接続してもよい。さらに図7(c)の態様の電極制御部200Cのように、リレー210と抵抗214を介して接地端子212に接続してもよい。加えて、図7(d)の態様の電極制御部200Dのように、リレー210と抵抗214を介して電圧源206に接続することもできる。
図8は、本実施形態の荷電粒子ビーム用ノズルにシースが備わっている構成を示す構造図である。シース150は、荷電粒子ビーム用ノズル100に対して固定されており、保持部152を有している。保持部152は、追加のキャピラリー160の基端部166を保持するようになっている。追加のキャピラリー160は、荷電粒子を通す延長通路164を内部になしその先端部168が追加のキャピラリー160の基端部166より絞られた内径を有している筒状または管状の絶縁体側壁162を備えているものである。また、シースの保持部152は、追加のキャピラリー160の延長通路164が荷電粒子ビーム用ノズルの通路の延長となるように追加のキャピラリー160の基端部166を保持するものである。
本実施形態は、絞られた径の荷電粒子ビームの生成方法としても実施される。その生成方法においては、加速された荷電粒子を荷電粒子ビーム用ノズル100の基端部110から入射し荷電粒子の少なくとも一部を荷電粒子ビーム用ノズル100の先端部120から放出させるビーム照射工程が実施され、電極制御工程も実施される。荷電粒子ビーム用ノズル100は、荷電粒子を通す通路106を内部になし先端部120が基端部110より絞られた内径を有している筒状または管状の絶縁体側壁と、絶縁体側壁の外側面に接して配置された少なくとも1つの電極とを備えている。電極制御工程では、少なくとも1つの電極のいずれかが、所定の電位の電圧源に電気的に接続したり接地したりされる。
再び図3および図5〜7を参照して、荷電粒子ビーム用ノズル100の各電極の動作について説明する。図3に示した構造の荷電粒子ビーム用ノズル100においては、電極群に含まれる少なくとも2つの電極が、荷電粒子が先端部120から放出される期間の少なくとも一時期、互いに異なる電位または互いに異なる電気的接続状態にされる。
つまり、典型的には、電極制御工程において、電極群のうち最も先端部に近い先端電極である電極A104aを放電用電源に電気的に接続する放電動作と、先端電極を放電用電源から電気的に切り離す蓄積動作とを繰り返す。この繰り返しは、図7(b)〜(d)のようにリレー210を利用することにより容易に実行することが可能である。
また、電極制御工程では、電極群のうち先端電極である電極A104aを除くいずれかの電極を収束制御用電源に電気的に接続する。この収束制御用電源の具体例も、荷電粒子ビームをなす荷電粒子と同極性で荷電粒子ビームを加速した加速電圧より小さい絶対値の電位に維持された定圧電源、荷電粒子ビームをなす荷電粒子と逆極性の電位に維持された逆電圧源、または接地端子のいずれかである。例えば収束制御用電源を直流電圧源としたものが、図7(a)〜(d)に示した電極B104bおよび電極C104cの接続の態様である。
また、電極群のうち最も基端部110に近い基端電極である電極D104dは、図7(a)〜(d)に示すように、接地端子に電気的に接続する。これは、基端部110に対して入射する荷電粒子ビームを安定化させる作用を持つ。
被照射物(図示しない)は、通路106の延長の先端部120のさらに先(下流)に配置される。そして、先端部120から出射した後のマイクロビームBMは、荷電粒子ビーム生成システム1000が置かれている空間内を殆ど直進するため、荷電粒子ビーム用ノズル100と被照射物の相対的な位置を動かすことにより、被照射物の目的の位置にマイクロビームBMを照射することが可能となる。また、マイクロビームBMの出力または停止を制御するためには、適当な金属板などのシャッターをイオンビームのいずれかの位置に設けることが有用である。さらには、図8に示したシース150を有する荷電粒子ビーム用ノズルを採用する場合、追加のキャピラリー160をさらに追加して、一層絞られた径のSHCIマイクロビームを生成することも可能である。
100 荷電粒子ビーム用ノズル
102 絶縁体側壁
104 電極(104a〜d 電極A〜D)
106 通路
110 基端部
120 先端部
112、122 端面
150 シース
152 保持部
160 追加のキャピラリー
162 絶縁体側壁
164 延長通路
166 基端部
168 先端部
200 電極制御部
202、212 接地端子
206 電圧源
210 リレー
214 抵抗
300 予備成形手段
310 スクリーン
320 マスク電極
330 電流計
500 測定系
510 ファラデーカップ
520 電流計
Claims (14)
- 荷電粒子を通す通路を内部になし先端部が基端部より絞られた内径を有している筒状または管状の絶縁体側壁と、
該絶縁体側壁の外側面の表面に接して形成された複数の電極と
を備え、該複数の電極は、少なくとも前記通路の延びる向きの各位置を分けるように区切られた電極群をなしており、
該電極群に含まれる少なくとも2つの電極は、荷電粒子が前記先端部から放出される期間の少なくとも一時期、互いに異なる電位または互いに異なる電気的接続状態にされるものであり、
前記絶縁体側壁の前記通路に向かう内壁の電荷が前記電極群をなす前記複数の電極のいずれかによる影響を受けるものである
荷電粒子ビーム用ノズル。 - 前記電極群をなす前記複数の電極のうち前記先端部に最も近いものである先端電極が該先端部の端面に延び、該先端部における前記通路の開口をなす縁に達しているものである
請求項1に記載の荷電粒子ビーム用ノズル。 - 前記電極群をなす前記複数の電極のうち前記基端部に最も近いものである基端電極が該基端部の端面に延び、該基端部における前記通路の開口をなす縁に達しているものである
請求項1に記載の荷電粒子ビーム用ノズル。 - 前記荷電粒子ビーム用ノズルに対して固定され追加のキャピラリーの基端部を保持するようになっている保持部を有するシースをさらに備えており、ここで、前記追加のキャピラリーは、荷電粒子を通す延長通路を内部になしその先端部が該追加のキャピラリーの前記基端部より絞られた内径を有している筒状または管状の絶縁体側壁を備えているものであり、前記シースの前記保持部は、前記追加のキャピラリーの前記延長通路が前記荷電粒子ビーム用ノズルの前記通路の延長となるように前記追加のキャピラリーの前記基端部を保持するものである
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム用ノズル。 - 絞られた径の荷電粒子ビームを生成する方法であって、
加速された荷電粒子を荷電粒子ビーム用ノズルの基端部から入射させ該荷電粒子の少なくとも一部を該荷電粒子ビーム用ノズルの先端部から放出させるビーム照射工程と、ここで、該荷電粒子ビーム用ノズルは、荷電粒子を通す通路を内部になし前記先端部が前記基端部より絞られた内径を有している筒状または管状の絶縁体側壁と、該絶縁体側壁の外側面に接して配置され、前記通路の延びる向きの各位置を分けるように区切られた電極群をなしている複数の電極とを備えており、
該電極群をなす該複数の電極のいずれかを所定の電位の電圧源に電気的に接続することまたは接地することを含み、前記電極群に含まれる少なくとも2つの電極を、前記ビーム照射工程が実行される期間の少なくとも一時期、互いに異なる電位または互いに異なる電気的接続状態にする電極制御工程と
を含んでおり、
前記絶縁体側壁の前記通路に向かう内壁の電荷が前記電極群をなす前記複数の電極のいずれかによる影響を受けるものである
荷電粒子ビームの生成方法。 - 前記電極制御工程は、前記電極群をなす前記複数の電極のうち前記先端部に最も近いものである先端電極を放電用電源に電気的に接続する放電動作と、該先端電極を該放電用電源から電気的に切り離す蓄積動作とを繰り返すものであり、
該放電用電源は、前記荷電粒子ビームをなす荷電粒子と同極性で該荷電粒子ビームを加速した加速電圧より小さい絶対値の電位に維持された定圧電源、前記荷電粒子ビームをなす荷電粒子と逆極性の電位に維持された逆電圧源、または接地端子のいずれかである
請求項5に記載の荷電粒子ビームの生成方法。 - 前記電極制御工程は、前記電極群をなす前記複数の電極のうち前記先端部に最も近いものである先端電極を除くいずれかの電極を収束制御用電源に電気的に接続するものであり、
該収束制御用電源は、前記荷電粒子ビームをなす荷電粒子と同極性で該荷電粒子ビームを加速した加速電圧より小さい絶対値の電位に維持された定圧電源、前記荷電粒子ビームをなす荷電粒子と逆極性の電位に維持された逆電圧源、または接地端子のいずれかである
請求項5に記載の荷電粒子ビームの生成方法。 - 前記電極制御工程は、前記電極群をなす前記複数の電極のうち前記基端部に最も近いものである基端電極を接地端子に電気的に接続するものである
請求項5に記載の荷電粒子ビームの生成方法。 - 前記ビーム照射工程が、前記荷電粒子ビーム用ノズルの前記先端部から放出された荷電粒子を、前記荷電粒子ビーム用ノズルに対して固定された追加のキャピラリーの基端部から入射させ該追加のキャピラリーの延長通路を通った荷電粒子の少なくとも一部を該追加のキャピラリーの先端部から放出させるものである
請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の荷電粒子ビームの生成方法。 - 絞られた径の荷電粒子ビームを生成するシステムであって、
荷電粒子を通す通路を内部になし先端部が基端部より絞られた内径を有している筒状または管状の絶縁体側壁と、該絶縁体側壁の外側面に接して配置され、前記通路の延びる向きの各位置を分けるように区切られた電極群をなしている複数の電極とを備えている荷電粒子ビーム用ノズルと、
前記電極群をなす前記複数の電極のいずれかを、所定の電圧の電圧源に電気的に接続するための、または、接地源に接地するための電極制御部であって、加速された荷電粒子を荷電粒子ビーム用ノズルの基端部から入射させるビーム照射部が動作している期間の少なくとも一時期、前記電極群に含まれる少なくとも2つの電極を互いに異なる電位または互いに異なる電気的接続状態にするものである電極制御部と
を備えており、
前記絶縁体側壁の前記通路に向かう内壁の電荷が前記電極群をなす前記複数の電極のいずれかによる影響を受けるものであり、
前記通路を通った前記荷電粒子の少なくとも一部を前記先端部から放出させる
荷電粒子ビームの生成システム。 - 前記電極制御部は、前記電極群をなす前記複数の電極のうち前記先端部に最も近いものである先端電極を放電用電源に電気的に接続する放電動作と、該先端電極を該放電用電源から電気的に切り離す蓄積動作とを繰り返すものであり、
該放電用電源は、前記荷電粒子ビームをなす荷電粒子と同極性で該荷電粒子ビームを加速した加速電圧より小さい絶対値の電位に維持された定圧電源、前記荷電粒子ビームをなす荷電粒子と逆極性の逆電圧源、または接地端子のいずれかである
請求項10に記載の荷電粒子ビームの生成システム。 - 前記電極制御部は、前記電極群をなす前記複数の電極のうち前記先端部に最も近いものである先端電極を除くいずれかの電極を収束制御用電源に電気的に接続するものであり、
該収束制御用電源は、前記荷電粒子ビームをなす荷電粒子と同極性で該荷電粒子ビームを加速した加速電圧より小さい絶対値の電位に維持された定圧電源、前記荷電粒子ビームをなす荷電粒子と逆極性の電位に維持された逆電圧源、または接地端子のいずれかである
請求項10に記載の荷電粒子ビームの生成システム。 - 前記電極制御部は、前記電極群をなす前記複数の電極のうち前記基端部に最も近いものである基端電極を接地端子に電気的に接続するものである
請求項10に記載の荷電粒子ビームの生成システム。 - 前記荷電粒子ビーム用ノズルは、前記荷電粒子ビーム用ノズルに対して固定され追加のキャピラリーの基端部を保持するようになっている保持部を有するシースをさらに備えるものであり、ここで、該追加のキャピラリーは、荷電粒子を通す延長通路を内部になし先端部が基端部より絞られた内径を有している筒状または管状の絶縁体側壁を備えているものであり、前記シースの前記保持部は、前記追加のキャピラリーの前記延長通路が前記荷電粒子ビーム用ノズルの前記通路の延長となるように前記追加のキャピラリーの前記基端部を保持するものであり、
前記荷電粒子ビーム用ノズルの前記先端部から放出された荷電粒子を前記追加のキャピラリーの前記基端部から入射させ該追加のキャピラリーの前記延長通路を通った前記荷電粒子の少なくとも一部を該追加のキャピラリーの前記先端部から放出させる
請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の荷電粒子ビームの生成システム。
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