JP6048033B2 - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光導波路及びその製造方法に関する。本発明は、特に、下部クラッド層が光信号の伝搬方向の一方から他方に進むにつれて厚みが厚くなる下部テーパー部を有し、コア部が下部テーパー部に積層された部分において、伝搬方向の他方から一方に進むにつれて厚みが厚くなるコアテーパー部を有する光導波路及びその製造方法に関する。
情報容量の増大に伴い、幹線やアクセス系といった通信の分野のみならず、ルータやサーバ内の情報処理の分野にも光信号を用いる光インターコネクション技術の開発が進められている。具体的には、光インターコネクション技術は、ルータやサーバ装置内のボード間又はボード内の電子部品間の短距離信号伝送に、電気的なノイズの影響を受けない光を用いる。このため、光インターコネクション技術は、光が伝搬する光伝送路として、光ファイバに比べ、光伝送路の設計自由度が高く、かつ高密度化が可能な光導波路を用いる。
また、光導波路は、光が伝搬するコア部を有し、コア部の両端は、光が入射する受光部と、光を発射させる発光部とされる。光導波路は、光学製品のデバイスとして用いられる際、例えば、光ファイバ、フォトダイオード、レーザーダイオード等の光学素子と接続して用いられることがある(例えば、特許文献1)。
コア部をコアパターンで形成する場合、そのコアパターンの厚みを増減させる方法としては、所定の部分を削ったコア層形成用樹脂フィルムを基板に形成して、所定の部分が薄いコアパターンを形成する方法がある(例えば、特許文献2)。
しかし、この方法では、コアパターンにおける厚さの厚い部分のコア中心位置が、薄い部分のコア中心位置より、下部クラッド層から離れてしまう。このため、例えば、コアパターンの厚さが厚い部分に光路変換ミラーを形成し、光路変換ミラーを介してコアパターン内を伝搬する光信号を下部クラッド層側に光路変換させる場合、又は、光路変換ミラーを介して下部クラッド層側からの光信号をコアパターン内に伝搬するよう光路変換させる場合、コア中心位置が下部クラッド層から遠くなるので、光損失の原因となっていた。
さらに、基板上に複数のコアパターンを形成すると、基板の表面からコアパターンの最も厚い部分の位置を認識することは難しいので、最も厚い部分に光路変換ミラーや端面の切り出しなどを精度よく形成することが難しいという課題があった。
特開2001−42149号公報 特許第4679582号
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、コアパターンの厚い部分のコア中心高さをコアパターンの薄い部分より下部クラッド層側に近づけた光導波路を提供すること、及び、厚み方向に傾斜しているテーパー部を有するコアパターンにおいて厚みの厚い部分の位置を容易に認識することができる光導波路及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る光導波路及びその製造方法は、以下のとおりである。
[1] 下部クラッド層と、
前記下部クラッド層に積層され、光信号が伝搬するコア部と、を備え、
前記下部クラッド層は、前記光信号が伝搬する伝搬方向の一方から他方に進むにつれて厚みが厚くなる下部テーパー部を有し、
前記コア部は、前記下部テーパー部に積層された部分において、前記伝搬方向の他方から一方に進むにつれて厚みが厚くなるコアテーパー部を有する、光導波路であって、
さらに、前記光導波路の下部クラッド層側に基板と、
前記下部クラッド層において、前記コア部とは反対の面側に形成された突起部とを備え、
前記コア部のうち、前記突起部の近傍の厚みが、それ以外の厚みより厚い、光導波路。
] 前記基板がフレキシブルな基材で形成されている、[]に記載の光導波路。
] 前記下部クラッド層のうち、前記突起部の近傍の厚みが、それ以外の厚みより薄い、[1]又は[2]に記載の光導波路。
] 前記突起部が透明な材料で形成されている、[1]から[3]のいずれかに記載の光導波路。
] 前記突起部が感光性樹脂で形成されている、[]から[]のいずれかに記載の光導波路。
[6] 前記コア部がコアパターンである、[]から[]のいずれかに記載の光導波路。
[7] 前記コアパターンが、さらに、幅方向に広がる幅テーパー部を有する形状である、[]に記載の光導波路。
[8]
さらに、前記コア部の厚み方向において、前記突起部の上の前記コア部に形成された光路変換ミラーを備える、[]から[7]のいずれかに記載の光導波路。
[9] 前記基板は、基板本体と前記基板本体に積層された接着層とを有する、[]から[8]のいずれかに記載の光導波路。
[10] 前記基板が、開口部を有し、前記接着層と前記突起部とが、前記開口部を介して接続されている、[9]に記載の光導波路。
11] 前記基板の一方の表面に前記突起部を形成する突起部形成工程と、
前記突起部形成工程の後に、前記基板の他方の表面に下部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層して、前記下部クラッド層を形成する下部クラッド層形成工程と、
前記下部クラッド層上に前記コア部を形成するコア部形成工程とを含み、
前記下部クラッド層形成工程は、前記下部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層する際に、前記突起部を前記下部クラッド層形成用樹脂フィルムの方向へ押し込む押込工程を有する、[]から[]のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
12] 前記コア部形成工程において、前記コア部がコアパターンである、[11]に記載の光導波路の製造方法。
13] 前記下部クラッド層形成工程は、前記下部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層する際に、前記下部クラッド層形成用樹脂フィルムの上面を平坦化する工程を有する、[11]又は[12]に記載の光導波路の製造方法。
14] 前記コア部形成工程は、前記下部クラッド層にコア層形成用樹脂フィルムを積層するコア層積層工程を有し、前記コア層積層工程において、前記基板において、前記突起部が形成されている表面側にクッション性フィルムを配置する、[11]から[13]のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
15] 前記下部クラッド層形成工程を、前記突起部形成工程の後に行う、[11]から[14]のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
16前記光導波路において、前記基板は、基板本体と前記基板本体に積層された接着層とを有し、
光導波路の製造方法において、さらに、前記突起部形成工程の前に、前記基板に開口部を形成する開口部形成工程を含み、
前記突起部形成工程は、前記基板の一方の表面に突起部形成用樹脂フィルムと他方の表面に接着層形成用樹脂フィルムとを同時に積層し、フォトリソグラフィ加工によって前記突起部と前記接着層とを同時に形成する、[11]から[15]のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
17前記光導波路において、さらに、前記コア部の厚み方向において、前記突起部の上の前記コア部に形成された光路変換ミラーを備え、
光導波路の製造方法において、さらに、前記コア部形成工程の後に、前記光路変換ミラーを形成するミラー形成工程を含む、[11]から[16]のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
本発明によれば、コアパターンの厚い部分のコア中心高さをコアパターンの薄い部分より下部クラッド層側に近づけた光導波路及びその製造方法を提供することができる。また、厚み方向に傾斜しているテーパー部を有するコアパターンにおいて厚みの厚い部分の位置を容易に認識することができる光導波路及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の光導波路を示す一部を省略した斜視図である。 図1に示す光導波路の製造方法を説明する側面図である。 図2に続く光導波路の製造方法を説明する側面図である。 図3に続く光導波路の製造方法を説明する側面図である。 図4に続く光導波路の製造方法を説明する側面図である。 本発明に係る第2実施形態の光導波路を示す一部を省略した斜視図である。 図6に示す光導波路の製造方法を説明する側面図である。 図7に続く光導波路の製造方法を説明する側面図である。 図8に続く光導波路の製造方法を説明する側面図である。 本発明に係る第3実施形態の光導波路の製造方法を説明する側面図である。 図10に示す光導波路の製造方法を説明する側面図である。 図11に続く光導波路の製造方法を説明する側面図である。 本発明に係る第4実施形態の光導波路を示す一部を省略した平面図である。 本発明に係る第5実施形態の光導波路を示す一部を省略した平面図である。 本発明に係る第6実施形態の光導波路を示す一部を省略した平面図である。
図1を参照して、本発明に係る第1実施形態の光導波路100を説明する。
図1に示すように、光導波路100は、基板10と、基板10に積層された下部クラッド層21と、下部クラッド層21に積層され、光信号が伝搬するコア部の一実施形態であるコア層22と、コア層22を覆うように下部クラッド層21の上方に積層された上部クラッド層23と、コア層22の端面22bを覆うように形成された光路変換ミラー40と、突起部60とを備える。コア層22における、突起部60の近傍である突起部近傍部分22dの厚みtは他の部分より厚い。つまり、コア層22は、光信号が伝搬する伝搬方向Lにおいて、突起部近傍部分22dから離れる方向に進むにつれて厚みtが薄くなるコアテーパー部22cを有する。
基板10は、基板本体11と接着層12とを備える。基板10の一方の表面10aに下部クラッド層21が積層配置され、他方の表面10bには突起部60が配置されている。
基板本体11は、光導波路100の製造工程中に、基板本体11が図3に示すような変形が可能なように、変形が容易な樹脂で形成された板状の基材で形成されている。基板本体11は、透過性のある材料で形成されていることが好ましい。基板本体11は、例えば、柔軟性及び強靭性のあるフレキシブル基板を用いることが好ましく、さらに、クラッド層形成用樹脂フィルム及びコア層形成用樹脂フィルムのキャリアフィルムを基板として用いることが好ましい。
基板本体11の材質としては、特に制限はなく、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルムなどが挙げられる。
基板本体11の厚さは、基板本体11が変形し得る範囲内であれば特に制限はないが、5μm〜500μmであることが好ましい。基板本体11が容易に変形するよう、基板本体11の厚さは、10μm〜50μmであることが好ましい。基板本体11の厚さを薄くすると、急峻なコアテーパー部22cを有するコア層22を形成することができる。基板本体11の厚さを厚くすると、緩やかなコアテーパー部22cを有するコア層22を形成することができる。このため、コアテーパー部22cの角度が所望の角度になるよう、基板本体11の厚さを適宜調整することが好ましい。
また、基板本体11を低い弾性率の材料で形成すると、急峻なコアテーパー部22cを有するコア層22を形成することができる。基板10を高い弾性率の材料で形成すると、緩やかなコアテーパー部22cを有するコア層22を形成することができる。このため、コアテーパー部22cの角度が所望の角度になるよう、基板本体11の弾性率を適宜調整することが好ましい。基板本体11の弾性率を200MPa〜20GPaの範囲内にすると、0.05〜2.0MPa程度の圧力を基板本体11に与えるだけで、基板本体11を変形させることができる。
接着層12は、基板10と下部クラッド層21との間の密着性を高めるために、基板本体11の一方の表面に形成されている。
接着層12の種類としては特に限定されないが、両面テープ、UV硬化性接着剤、熱硬化性接着剤、プリプレグ、ビルドアップ材など、電気配線板製造用途に使用される種々の接着剤が好適に挙げられるが、基板本体11の変形時に、基板本体11と同様に接着層12も変形する材料であることが好ましい。
基板10と下部クラッド層21との間に接着性がある場合には接着層12はなくてもよい。
突起部60は、基板10の両表面のうち下部クラッド層21が形成された表面10bとは反対の表面10aに形成されている。突起部60は、基板10を変形し得る大きさであればよく、伝搬方向Lと直角の方向である基板10の幅方向Wの寸法と同じ程度の寸法を有し、基板10の他方の表面10aの中央に伝搬方向Lを横切るように形成されている。
突起部60の形状は特に限定はなく、円柱状、多角形柱状、曲面の凸状、階段状であってもよく、ドット状、線状、リング状等のパターン形状であってもよい。コアテーパー部22cが緩やかになるよう、突起部60の形状を、曲面を持つ凸状、階段等の形状とすることが好ましい。
突起部60の厚さ(基板10の表面10aに直角の方向の寸法)は、特に限定はないが、コア層22が所望するテーパー量(コア層22の樹脂の最大厚みと最小厚みの差)、下部クラッド層21、基板10の厚み、基板10の弾性率によって適宜選択される。なお、コア層22のテーパー量は、後述するように、下部クラッド層21のテーパー量(下部クラッド層21の樹脂の最大厚みと最小厚みの差)に依存する。
突起部60の厚さは、コア層22のテーパー部を形成する樹脂の厚みを超えない範囲で、0.5μm〜100μmであるとよく、突起部60の厚みを{(所望するテーパー量)+(基板10の変形時の厚み変化量)}にすると、所望のテーパー量を有するコアテーパー部22cが得られる。また、平面基板70(図3参照)を用いて基板10を変形させる場合には、突起部60の厚みを{(所望するテーパー量)+(基板10の変形時の厚み変化量)+(平面基板70の厚み方向の変形量)}にすると、所望のテーパー量を有するコアテーパー部22cを得ることができる。
突起部60の厚みは、平面基板70のほかに、樹脂フィルムに用いられるキャリアフィルム、基板10の変形時に厚み方向における厚さが変化したり変形したりする材料がある場合には、その変化量や変形量を突起部60の厚みに加算することが好ましい。
突起部60が高い位置精度で基板10の表面10aに形成されるよう、突起部60を感光性のレジストパターン、金属パターンなどで形成することが好ましい。
突起部60の材質としては、特に制限はなく、基板10の中央に外力を作用させて基板10を変形させ得る際に生じる弾性力に耐え得る材料であることが好ましい。
また、突起部60の材質としては、光導波路100のコア層22を伝搬する光信号の信号波長に対して透明である材料であることが好ましい。光路変換ミラー40で反射された光信号が突起部60を透過するよう、突起部60を透明な感光性レジストパターンで形成することが好ましい。
また、突起部60の材質として透明性がない金属パターン等を用いる場合には、光路変換ミラー40によって偏向された光信号が突起部60に干渉しないように、突起部60は開口したリング形状とすることが好ましい。
下部クラッド層21は、基板10の厚さ方向から見た場合において、基板10と略同じ大きさを有し、基板10の表面10bに積層されている。下部クラッド層21は、基板10の厚さ方向から見た場合において突起部60が位置する近傍の部分である突起部近傍部分21dの厚さが他の部分より薄い。換言すると、下部クラッド層21は、突起部近傍部分21dの上面が凹んでいる形状を有する。したがって、下部クラッド層21は、突起部近傍部分21dから光信号が伝搬する伝搬方向Lに進むにつれて、下部クラッド層21の厚みuが厚くなる下部テーパー部21cを有する。下部クラッド層21は、寸法安定性がありかつ厚さのある材料で形成されることが好ましい。
コア層22は、基板10の厚さ方向から見た場合において、下部クラッド層21と略同じ広さを有し、下部クラッド層21に積層されている。下部クラッド層21の突起部近傍部分21dの上面が凹んでいるので、コア層22の上面が平坦になるよう、突起部近傍部分21dに積層された部分である突起部近傍部分22dの厚さが厚い下に凸の形状を有する。このため、突起部60が形成されている突起部近傍部分22dのコア層22の厚みtは、それ以外の厚みよりも厚い。コア層22は、突起部近傍部分22dから光信号が伝搬する伝搬方向Lに進むにつれて、コア層22の厚みが薄くなるコアテーパー部22cを有する。伝搬方向Lにおけるコア層22の両端面のうち、端面22aは露出し、端面22bには光路変換ミラー40が形成されている。
コア層22において、厚みの厚い突起部近傍部分22dの中心位置が、厚みの薄いコアテーパー部22cやそれ以外の部分の中心位置よりも、下部クラッド層21側に寄っている。このため、例えば、コア層22の厚い突起部近傍部分22dに光路変換ミラー40を形成し、基板10において、光路変換ミラー40を介して下部クラッド層21側からの光信号をコア層22の内部を伝搬するように光路変換させる場合、コア層22の中心高さが、コア層22の薄い部分より下部クラッド層21に近づけることができる。換言すると、光信号が下部クラッド層21を通過する距離を短くすることができる。このため、下部クラッド層21における透過損失を低減させることができ、光損失を低減させることができる。
また、コア層22の厚みが小さい部分の端面22aから光信号を入射し、コア層22の厚みが厚い突起部近傍部分22dを介して端面22bに向けて光信号が伝搬することによって、コア層22から出射される光信号の広がり角を小さくすることができる。これにより、出射部より遠い場所に、受光素子や受光用の光ファイバなどの受光器を設置した際に、光導波路と受光器間の結合損失を低減することができる。
スポット径又は広がり角の拡縮はトレードオフの関係にあるが、使用する受光器の種類や、位置によって適宜用いることができる。これにより、例えば、コア層22の厚い突起部近傍部分22dに光路変換ミラー40を形成し、コア層22内を伝搬した光信号を下部クラッド層21がある側に光路変換させる場合、より遠い位置に設置した受光素子と光路変換ミラー40との間の距離が短くなるため、光損失を低減できる光導波路を得ることができる。
上部クラッド層23は、コア層22を覆うように下部クラッド層21の上方に積層されている。
下部クラッド層21及び上部クラッド層23は、クラッド層形成用樹脂又はクラッド層形成用樹脂フィルムで形成することが好ましい。
コア層22は、例えば、コア層形成用樹脂の塗布又はコア層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成することが好ましい。コア層形成用樹脂は、下部クラッド層21及び上部クラッド層23より高屈折率であることが好ましい。
クラッド層形成用樹脂としては、コア層22より低屈折率で、光又は熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を好適に使用することができる。
下部クラッド層21は、下部クラッド層21が変形された形状を保持することができるよう、光硬化性がある材料で形成することが好ましい。クラッド層形成用樹脂に用いる樹脂組成物は、下部クラッド層21及び上部クラッド層23において、樹脂組成物に含有する成分が互いに同一であったり異なっていたりしてもよく、また、樹脂組成物の屈折率が互いに同一であったり異なっていたりしてもよい。
下部クラッド層21及び上部クラッド層23の形成方法は特に限定されず、例えば、クラッド層形成用樹脂の塗布又はクラッド層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成することが好ましい。例えば、樹脂組成物を溶媒に溶解して、キャリアフィルムに塗布し、溶媒を除去することにより、ラミネートに用いるクラッド層形成用樹脂フィルムを容易に製造することができる。
下部クラッド層21及び上部クラッド層23は、下部クラッド層21及び上部クラッド層23を乾燥させた状態において、5μm〜500μmの範囲の厚みであることが好ましい。コア層22を伝搬する光信号がコア層22に閉じ込められるよう、下部クラッド層21及び上部クラッド層23の厚みを5μm以上にすることが好ましい。また、下部クラッド層21及び上部クラッド層23の膜厚を容易に均一に制御することできるよう、膜厚を500μm以下にすることが好ましい。また、下部クラッド層21及び上部クラッド層23は、10μm〜100μmの範囲内の厚みであることがより好ましい。
コア層形成用樹脂フィルムの厚みについては特に限定されず、乾燥後のコア層22の厚みは、通常、10〜100μmであることが好ましい。コア層形成用樹脂フィルムの厚みが10μm以上であると、形成された光導波路100と受発光素子又は光ファイバとの結合において、受発光素子又は光ファイバの位置合わせトレランスが拡大する。乾燥後のコア層22の厚みが100μm以下であると、形成された光導波路100と受発光素子又は光ファイバとの結合において、結合効率が向上する。コア層形成用樹脂フィルムの厚みは、さらに、30〜70μmの範囲であることが好ましい。
クラッド層形成用樹脂フィルム及びコア層形成用樹脂フィルムはキャリアフィルム上に形成することが好ましい。キャリアフィルムの種類としては、柔軟性及び強靭性のあるキャリアフィルムが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドが好適に挙げられる。キャリアフィルムの厚みは、5μm〜200μmであることが好ましい。キャリアフィルムの厚みが5μm以上であると、キャリアフィルムとしての強度が得やすい。キャリアフィルムの厚みが200μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンを形成することができる。キャリアフィルムの厚みは、10μm〜100μmの範囲であることがより好ましく、15〜50μmであることが特に好ましい。
光路変換ミラー40は、コア層22を伝搬する光信号を基板10がある方向に光路変換させたり、基板10の垂直方向からの光信号を伝搬方向Lに光路変換させたりすることができるよう、下部クラッド層21、コア層22及び上部クラッド層23を一体的に削られて形成されたV溝30の側面に形成されている。光路変換ミラー40は、V溝30の側面に露出した、コア層22の端面22bを覆うように、V溝30の側面に形成されている。光路変換ミラー40は、40〜50°の斜面であることが好ましく、45°の斜面であることがより好ましい。また、光路変換ミラー40に蒸着装置を用いて、金等の金属を蒸着し、反射金属層を備えた光路変換ミラー40としてもよい。
次に光導波路100の製造方法を図2から図5を用いて説明する。
図2を参照して、基板10の表面10aに突起部60を形成する突起部形成工程を説明する。
下部クラッド層21が形成された表面10bとは反対の表面10aに突起部60を形成する。突起部形成工程は、後述する下部クラッド層形成工程の前でも後でも同時でもよいが、下部クラッド層21の厚み量の変化(膜減り)が抑えられるよう、下部クラッド層形成工程の後に突起部形成工程を行うことが好ましい。
突起部60の形成方法は、基板10の表面10aから突出した形状を形成することができれば特に限定されない。
突起部60は、例えば、突起部形成用樹脂を基板10の表面10aに形成した後に、凹版にて基板10の表面10aに突起部60を形成する方法で形成してもよい。
また、突起部60は、凹版を基板10の表面10aに押して、基板10の表面10aを変形させる方法で形成してもよい。
また、突起部60は、突起部形成用樹脂を基板10の表面10aに形成した後に、フォトリソグラフィ加工によってパターン化する方法で形成してもよい。フォトリソグラフィ加工によって形成する場合には、工程数が低減するよう、下部クラッド層形成工程と突起部形成工程とを同時に行うことが好ましい。具体的には、基板10の一方の表面10bに下部クラッド層形成用樹脂層を、もう一方の表面10aに突起部形成用樹脂層を同時に形成し、突起部形成用樹脂層に露光を行った後に、エッチングによって突起部60を形成する。
図3を参照して、基板10上に下部クラッド層21を形成する下部クラッド層形成工程を説明する。
下部クラッド層21の形成方法としては特に限定はないが、下部クラッド層形成用樹脂をスピンコータ、コンマコータ、ダイコータ等を用いて基板10上に塗布したり、あらかじめキャリアフィルム上に塗工したドライフィルム形状の下部クラッド層形成用樹脂フィルムを、ロールラミネータ、真空ロールラミネータ、真空ラミネータ、常圧プレス、真空プレス等を用いてラミネート形成したりする。コア層22の形成時に下部クラッド層21の厚み量の変化(膜減り)が抑制するよう、必要に応じて下部クラッド層21を光や熱によって硬化させることが好ましい。
下部クラッド層21の形成方法としては特に限定はないが、下部クラッド層形成用樹脂をスピンコータ、コンマコータ、ダイコータ等を用いて基板10の表面に塗布する方法や、あらかじめキャリアフィルム上に塗工したドライフィルム形状の下部クラッド層形成用樹脂フィルムを、ロールラミネータ、真空ロールラミネータ、真空ラミネータ、常圧プレス、真空プレス等を用いてラミネート形成してもよい。
そして、下部クラッド層形成用樹脂を積層すると同時又は後に、基板10の表面10aのうち突起部60が形成されている部分が凹むように、突起部60を下部クラッド層21側に押し込む。これにより、基板10において、突起部60がある部分に対応する中央部分aが押し上げられ、中央部分aの近傍部分bの表面がテーパー形状になる。つまり、基板10は、中央部分aを天辺とする凸状に変形する。このとき基板10が塑性変形したとしても、下部クラッド層21は凹んだ状態となるため、テーパー形状を形成できるため問題はないが、変形する基板10の方が、基板10の寸法安定性の観点から好ましい。
基板10を、凸状に変形させた状態で、突起部近傍部分21dが薄くなるよう、下部クラッド層形成用樹脂を塗布し、その上面を平坦化する。これにより、下部クラッド層21の上面が平坦になる。そして、下部クラッド層形成用樹脂を硬化させて下部クラッド層21を形成する。このとき、基板10の中央部分aに積層された下部クラッド層21の部分は突起部近傍部分21dとされ、その厚さは薄い。また、基板10の近傍部分bに積層された下部クラッド層21の部分は下部テーパー部21cとされ、その厚さは中央部分aから離れるに従って厚くなっている。また、下部クラッド層21の下面の中央は凹んだ状態になっている。
突起部60を基板10に押し込む方法は、特に限定はないが、平面基板70を基板10のうち突起部60がある側に設置し、平面基板70を基板10側に圧力を作用させる方法であることが好ましい。
図4に示すように、突起部60を基板10に押し込むことを辞めると、基板10は、弾性復元力により、板状に戻る。これに伴い、下部クラッド層21の突起部近傍部分21dの下面も凹状から平面状になると共に、下部クラッド層21の突起部近傍部分21dの上面が凹んだ状態になる。
平面基板70は、光導波路100を製造する際に用いられる基板であり、基板10よりも大きい板状部材であることが好ましい。平面基板70の材質としては、特に制限はなく、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルムなどが挙げられるが、平面基板70が、基板10が変形するように、突起部60を介して基板10の一部を押し上げる際の圧力で、変形しにくい材料であることが好ましい。特に、平面基板70は、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板がより好ましい。
図4を参照して、コア層22を形成するコア部形成工程について説明する。
コア層22の形成方法としては特に限定はないが、コア層形成用樹脂をスピンコータ、コンマコータ、ダイコータ等を用いて下部クラッド層21の表面に塗布する方法や、あらかじめキャリアフィルム上に塗工したドライフィルム形状のコア層形成用樹脂フィルムを、ロールラミネータ、真空ロールラミネータ、真空ラミネータ、常圧プレス、真空プレス等を用いてラミネート形成してもよい。
このとき、下部クラッド層21の突起部近傍部分21dは凹んでいるので、基板10の中央部分aの上側に位置するコア層22の突起部近傍部分22dは厚く、近傍部分bの上側に位置するコア層22のコアテーパー部22cは、基板10の中央部分aから離れるに従って薄くなり、基板10の近傍部分bより外側の部分は薄い。
コア層形成用樹脂を積層する際、又は後に、コア層22上面を平坦化させることにより、コア層形成用樹脂を下部クラッド層21の下部テーパー部21cの形状に効率的に追従させコア層22の厚みを変化させることができる。
このとき、突起部60側に柔軟なクッション性のフィルムを配置するとなお良い。クッション性のフィルム材としては、突起部60を埋め込み、基板10の変形を抑制可能であれば特に限定はないが、ポリエチレン、ラバー、シリコンラバー、クラッド層形成用樹脂フィルム、コア層形成用樹脂フィルム、各種スポンジ状の材料等が好適に挙げられる。クッション性のフィルム材の厚みは特に制限はないが、突起部60の厚み以上の厚みがあると基板10の変形を抑制できるため、好ましい。クラッド層形成用樹脂フィルムやコア層形成用樹脂フィルムを用いる場合には、クッション性のフィルムをコア層積層時、又は積層後に突起部60を埋め込むように基板10上に積層し、その後に、クッション性のフィルムを除去すれば良い。
次に、上部クラッド層23を形成する上部クラッド層形成工程を説明する。
上部クラッド層23は、コア層22の端面22aが上部クラッド層23から露出するように、下部クラッド層21と同様の方法で形成することが好ましい。
次に、図5を参照して、光路変換ミラーを形成するミラー形成工程について説明する。
ミラー形成工程は、上部クラッド層形成工程又はコア層形成工程の後に、光路変換ミラー40を形成することが好ましい。
光路変換ミラー40の形成方法としては、公知の方法を適用することができる。例えば、上部クラッド層23の上面から、ダイシングソーやレーザアブレーション等を用いてV溝30を形成する。このとき、コア層22の端面22bが形成され、この端面22bを光路変換ミラー40として機能させる。
ミラー形成工程においては、突起部60を位置合わせマーカとして、切削位置決めに用いることによって、コア層22のうち最も厚みの薄い部分に正確な位置に光路変換ミラー40を形成することができる。光路変換ミラー40の角度は、40〜50°の斜面であることが好ましく、45°の斜面であることがより好ましい。また、光路変換ミラー40を加工した後に蒸着装置を用いて、金等の金属を蒸着し、反射金属層を備えるようにしてもよい。
このように、光導波路100の製造は、基板10の一方の表面10aに突起部60を形成する突起部形成工程と、突起部形成工程の後に、基板10の他方の表面10bに下部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層して、下部クラッド層21を形成する下部クラッド層形成工程と、下部クラッド層21上にコア部であるコア層22を形成するコア部形成工程とを含む。ここで、下部クラッド層形成工程は、クラッド層形成用樹脂フィルムを積層する際に、突起部60をクラッド層形成用樹脂フィルムの方向へ押し込む押込工程を行う。
これにより、基板10上に光導波路100の下部クラッド層21を形成する際に、基板10の一部に形成された突起部60を押し込み方向に押し込む押込工程を行い、基板10の一部が押し上げられた状態で、下部クラッド層21の表面を平坦化することにより、下部クラッド層21において突起部60によって押し上げられた下部クラッド層21の一部が他の部分より薄くなり、下部クラッド層21はテーパー状に形成される。
そして、突起部60の押し込み深さを調整することによってテーパー状が形成されている下部クラッド層21の厚さを調整することができ、ひいては、下部クラッド層21のテーパーの角度を調節することができる。
突起部を押し込む押込工程の後の状態である中央が凹んだ下部クラッド層21の状態で、コア層22を形成する。このため、突起部60付近のコア層22の厚みが最も厚くなるので、テーパーが形成されたコア層22の最も厚い部分を容易に特定することができる。
図6を参照して、本発明に係る第2実施形態の光導波路100aを説明する。なお、光導波路100と同じ構成については、同じ符号を付して、説明を省略する。
図6に示すように、光導波路100aは、基板10と、基板10に積層された下部クラッド層21と、下部クラッド層21に積層され、光信号が伝搬するコア部の別の実施形態であるコアパターン24と、コアパターン24を覆うように下部クラッド層21の上方に積層された上部クラッド層23と、コア層22の端面22bを覆うように形成された光路変換ミラー40と、突起部60aとを備える。コアパターン24における、突起部60aの近傍である突起部近傍部分24dの厚みtは他の部分より厚い。また、コアパターン24における突起部近傍部分24dの幅は他の部分より広い。コアパターン24の厚みtは、光信号が伝搬する伝搬方向Lにおいて、突起部近傍部分24dから離れる方向に進むにつれて薄くなり、幅wも同様に狭くなるコアテーパー部24cを有する。
基板10は、基板本体11と接着層12とを備える。基板本体11の厚さは、基板本体11が変形し得る範囲内であれば特に制限はないが、基板本体11の厚さを薄くすると、急峻なコアテーパー部24cを有するコアパターン24を形成することができる。基板本体11の厚さを厚くすると、緩やかなコアテーパー部24cを有するコアパターン24を形成することができる。このため、コアパターン24のコアテーパー部24cの角度が所望の角度になるよう、基板本体11の厚さを適宜調整することが好ましい。
また、基板本体11を低い弾性率の材料で形成すると、急峻なコアテーパー部24cを有するコアパターン24を形成することができる。基板本体11を高い弾性率の材料で形成すると、緩やかなコアテーパー部24cを有するコアパターン24を形成することができる。このため、コアテーパー部24cの角度が所望の角度になるよう、基板本体11の弾性率を適宜調整することが好ましい。基板本体11の弾性率を200MPa〜20GPaの範囲内にすると、0.05〜2.0MPa程度の圧力を基板本体11に与えるだけで、基板10を変形させることができる。
突起部60aは、伝搬方向Lと直角の方向である基板10の幅方向Wの寸法よりも短い寸法を有する。突起部60aの形状は、突起部60と同じように、特に限定はない。また、突起部60aの厚さ寸法は、突起部60と同様、特に限定はない。
下部クラッド層21のうち、突起部60aが形成されている突起部近傍部分21dの厚みuは、それ以外の厚みよりも薄い。
下部クラッド層21は、突起部近傍部分21dから光信号が伝搬する伝搬方向Lに進むにつれて、下部クラッド層21の厚みが厚くなる下部テーパー部21cを有する。
コアパターン24は、下部クラッド層21より小さい広さを有し、下部クラッド層21に積層されている。コアパターン24のうち、突起部60aが形成されている突起部近傍部分24dの厚みtは、それ以外の厚みよりも厚い。同様に、コアパターン24のうち、突起部60aが形成されている突起部近傍部分24dの幅wは、それ以外の幅よりも広い。
コアパターン24は、突起部近傍部分24dから光信号が伝搬する伝搬方向Lに進むにつれて、コアパターン24の厚みが薄くなり、また、幅が狭くなるコアテーパー部24cを有する。
このとき、光導波路100aのコアパターン24の両端をフォトダイオードやレーザーダイオードに接続させる際に、フォトダイオードに向けて光を発射させる光導波路100の発光部となる端面24aの厚さ方向及び幅方向の寸法を小さく、レーザーダイオードから光を受光する受光部である端面24bの厚さ方向及び幅方向の寸法を大きくすることができる。このため、光導波路100aと光学素子と接続する際の位置合わせトレランスを確保することができる。
上部クラッド層23は、コアパターン24を覆うように下部クラッド層21の上方に積層されている。上部クラッド層23は、下部クラッド層21の突起部近傍部分21dの表面が凹んでいる(図8参照)ので、上部クラッド層23の上面が平坦になるよう、上部クラッド層23の部分の厚さが厚い凸形状を有する。
また、コアパターン24が上部クラッド層23に埋め込まれた状態にするために、上部クラッド層23の厚みは、コアパターン24の平均厚みよりも厚くすることが好ましい。
コアパターン24は、例えば、コア層形成用樹脂の塗布又はコア層形成用樹脂フィルムのラミネートをし、エッチングにより形成することが好ましい。コア層形成用樹脂は、下部クラッド層21及び上部クラッド層23より高屈折率であることが好ましい。
クラッド層形成用樹脂としては、コア層22と同様、コアパターン24より低屈折率で、光又は熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を好適に使用することができる。
光路変換ミラー40は、コアパターン24を伝搬する光信号を基板10がある方向に光路変換させたり、基板10の垂直方向からの光信号を伝搬方向Lに光路変換させたりすることができるよう、下部クラッド層21、コアパターン24及び上部クラッド層23を一体的に削られて形成されたV溝30の側面に形成されている。光路変換ミラー40は、V溝30の側面に露出したコアパターン24の端面24bを覆うように、V溝30の側面に形成されている。光路変換ミラー40は、40〜50°の斜面であることが好ましく、45°の斜面であることがより好ましい。また、光路変換ミラー40に蒸着装置を用いて、金等の金属を蒸着し、反射金属層を備えた光路変換ミラー40としてもよい。
次に光導波路100aの製造方法を図7から図9を用いて説明する。
図7を参照して、基板10の表面10aに突起部60aを形成する突起部形成工程を説明する。
突起部60aは、突起部60よりも小さいので、突起部60aを形成する範囲が小さいこと以外は、突起部60と同じ製造方法で形成することができる。下部クラッド層21が形成された表面10bとは反対の表面10aの中央に突起部60aを形成する。
突起部60aの形成方法は、突起部60の形成方法と同様、基板10の表面10aの中央から突出した形状を形成することができれば特に限定されない。
次に、基板10上に下部クラッド層21を形成する下部クラッド層形成工程を説明する。
下部クラッド層21の形成方法としては、特に限定はないが、コアパターン24の形成時に下部クラッド層21の厚み量の変化(膜減り)が抑制するよう、必要に応じて下部クラッド層21を光や熱によって硬化させることが好ましい。
そして、下部クラッド層形成用樹脂を積層すると同時又は後に、基板10の表面10aのうち突起部60aが形成されている部分が凹むように、突起部60aをコアパターン24側に押し込む押込工程を行う。これにより、基板10の中央部分aが押し上げられ、中央部分aの近傍部分bの基板10の表面10bがテーパー形状になる。つまり、基板10は、中央部分aを天辺とする凸状に変形する。
突起部60aを基板10に押し込む方法は、突起部60を基板10に押し込む方向と同様、特に限定はないが、平面基板70を基板10のうち突起部60aがある側に設置し、平面基板70を基板10側に圧力を作用させる方法であることが好ましい。
次に、基板10を凸状に変形させた状態で、突起部近傍部分21dが薄くなるよう、下部クラッド層形成用樹脂を塗布し、その上面を平坦化する。これにより、下部クラッド層21の下面が凹んだ状態になり、また、上面が平坦になる。
図8に示すように、突起部60aを基板10に押し込むことを辞めると、基板10は、弾性復元力により、板状に戻る。これに伴い、下部クラッド層21の上面も平面状から凹状になる。
次に、図8を参照して、コア部のうちコアパターン24を形成するコア部形成工程について説明する。
コア層形成用樹脂を下部クラッド層21の形成方法と同様の方法でコアパターン24を形成する。このとき、コアパターン24の突起部近傍部分24dの厚さは厚く、突起部近傍部分24dに隣接するコアテーパー部24cは、突起部近傍部分24dから離れるに従って厚さが薄くなっている。また、コアパターン24の下面の中央は凸状態になっている。
コアパターン24の形成方法としては特に限定はないが、例えば、コア層形成用樹脂が感光性を有する樹脂の場合、コアパターン形成用マスクを用いてコアパターン形成用樹脂を硬化し得る活性光線を照射後、エッチングによって未硬化部を除去することによって形成することができる。このとき、コアパターン24が突起部60a上を通るように形成するとコアパターン24の厚みの変化を効果的につけることができる。
コアパターン形成用マスクは、中央部分aの幅は狭く、近傍部分bは中央部分aから離れるに従って狭くなるようなスリット形状が形成されていることが好ましい。
次に、上部クラッド層23を形成する上部クラッド層形成工程を説明する。
上部クラッド層23は、下部クラッド層21と同様の方法で形成することが好ましい。このとき、コアパターン24の中央部分aは凹んでいるので、コアパターン24において、上部クラッド層23の、基板10の中央部分aに対応する部分は厚く、近傍部分bに対応する部分は中央部分aから離れるに従って薄くなり、近傍部分bに対応する部分より外側の部分は薄い。また、コアパターン24の端面24aは、上部クラッド層23から露出している。
次に、図9を参照して、光路変換ミラー40を形成するミラー形成工程について説明する。
光路変換ミラー40の形成方法としては、公知の方法を適用することができる。例えば、上部クラッド層23の上面から、ダイシングソーやレーザアブレーション等を用いてV溝30を形成する。このとき、コアパターン24の端面24bが形成され、この端面24bを光路変換ミラー40として機能させる。
ミラー形成工程においては、突起部60aを位置合わせマーカとして、切削位置決めに用いることによって、コアパターン24のうち最も厚みの薄い部分に正確な位置に光路変換ミラー40を形成することができる。
図10から図12を参照して、本発明に係る第3実施形態の光導波路100bを説明する。
図10に示すように、光導波路100bの基板15は、基板本体17と基板本体17の一方の表面に形成された接着層18とを有し、基板本体17の中央に開口部16が形成されている。
また、突起部65は、開口部16を介して接着層18と接続していること以外は突起部60と同じである。
開口部16は、使用する信号波長に対して透明性が基板15にない場合、光信号が透過する部分に形成する。このとき開口部16内に突起部65を形成することにより、開口部16の付近のコア層22の厚みを小さくすることができる。
次に光導波路100bの製造方法を図11及び図12を用いて説明する。
図11を参照して、基板本体17に接着層18及び突起部65を形成する接着層形成工程及び突起部形成工程を説明する。
開口部16は、公知の方法により、基板本体17に形成される。
基板本体17に開口部16を形成し、開口部16内に突起部形成用樹脂を充填し、基板本体17の一方の表面に接着層18を積層する。接着層18側から開口部16を露光し、エッチングすることによって、突起部65が形成される。
図12に示すように、下部クラッド層21を形成する下部クラッド層形成工程を行う。
下部クラッド層形成工程は、光導波路100の下部クラッド層形成工程と同様の工程で下部クラッド層21を形成する。形成された下部クラッド層21は、突起部近傍部分21dは薄く、下部テーパー部21cは突起部近傍部分21dから離れるに従って厚くなり、下部テーパー部21cより外側の部分は厚い。
次に、コア層22を形成するコア部形成工程を行う。
コア部形成工程は、光導波路100のコア部形成工程と同様の工程でコア層22を形成する。形成されたコア層22のうち、突起部近傍部分22dは厚く、コアテーパー部22cは突起部近傍部分22dから離れるに従って薄くなり、コアテーパー部22cより外側の部分は薄い。
次に、光導波路100の上部クラッド層形成工程及びミラー形成工程と同様に、上部クラッド層23及び光路変換ミラー40をそれぞれ形成する上部クラッド層形成工程及びミラー形成工程を行い、図10に示す光導波路100bを得る。
ミラー形成工程においては、突起部65を位置合わせマーカとして、切削位置決めに用いることによって、コア層22のうち最も厚みの薄い部分に正確な位置に光路変換ミラー40を形成することができる。
図13を参照して、本発明に係る第4実施形態の光導波路100cを説明する。
光導波路100cは、基板15bと、基板15bの裏面に形成された4つの突起部60と、基板15bの表面に形成された16のコアパターン24とを有し、1つの突起部60に対して4つのコアパターン24が形成されている。基板15bは、基板10よりも大きい。
4つのコアパターン24は、最もコアパターン24の厚さが厚い位置(突起部60が形成されている位置)から、放射状に遠ざかるにつれコアパターン24の厚さが薄くなるよう、基板15bに形成されている。
これにより、例えば、光導波路100cのコアパターン24が集中する箇所(コアパターン24の厚さが厚くなる箇所)に光路変換ミラー40を形成することができる。そのような光導波路100cは、受光面(又は発光面)が集中した受発光素子チップを光路変換ミラー40上に実装することができる。また、基板15b上に形成するコアパターン24の伝搬方向Lの制約を受けることなく、基板15bのいたる方向からコアパターン24を形成することができる。
図14を参照して、本発明に係る第4実施形態の光導波路100dを説明する。
光導波路100dは、基板15bと、基板15bの裏面に形成された4つのリング状の突起部60と、基板15bの表面に形成された16のコアパターン24とを有し、1つの突起部60に対して4つのコアパターン24が形成されている。基板15bは、基板10よりも大きい。
4つのコアパターン24は、最もコアパターン24の厚さが厚い位置(突起部60が形成されている位置)から、リングの中央に向かうに従ってコアパターン24の厚さが薄くなるよう、基板15bに形成されている。換言すると、最もコアパターンの厚さが薄い場所から放射状に遠ざかるにつれてコアパターン24の厚さが厚くなっている。
これにより、光導波路100dは、光導波路100cと同様の作用効果を奏する。
図15を参照して、本発明に係る第5実施形態の光導波路100eを説明する。
光導波路100eは、基板15b上に突起部60を線状に形成し、突起部60の上にあるコアパターン24の厚さを厚くすることで基板15bの平面内における1次元方向(X又はY方向)にテーパーを形成することができる。これにより、例えば、受光面(又は発光面)が整列した受発光素子チップを実装する場合に、基板15bの平面の一方向から複数のコアパターン24を形成しても同じテーパー形状を有するコアパターン24を用いることができる。
さらに、突起部60を複数箇所形成することで、基板15bの平面内で、複数のコアパターン24を一括形成することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
実施例1
[クラッド層形成用樹脂フィルムの作製]
[(A)ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマー(A−1)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート47質量部、ブチルアクリレート33質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16質量部、メタクリル酸14質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部、及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(A−1)溶液(固形分45質量%)を得た。
[重量平均分子量の測定]
(A−1)の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)をGPC(東ソー株式会社製「SD−8022」、「DP−8020」、及び「RI−8020」)を用いて測定した結果、3.9×104であった。なお、カラムは日立化成工業株式会社製「Gelpack GL−A150−S」及び「Gelpack GL−A160−S」を使用した。
[酸価の測定]
A−1の酸価を測定した結果、79mgKOH/gであった。なお、酸価はA−1溶液を中和するのに要した0.1mol/L水酸化カリウム水溶液量から算出した。このとき、指示薬として添加したフェノールフタレインが無色からピンク色に変色した点を中和点とした。
[クラッド層形成用樹脂ワニスの調合]
(A)ベースポリマーとして、前記A−1溶液(固形分45質量%)84質量部(固形分38質量部)、(B)光硬化成分として、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業株式会社製「U−200AX」)33質量部、及びポリプロピレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業株式会社製「UA−4200」)15質量部、(C)熱硬化成分として、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体をメチルエチルケトンオキシムで保護した多官能ブロックイソシアネート溶液(固形分75質量%)(住化バイエルウレタン株式会社製「スミジュールBL3175」)20質量部(固形分15質量部)、(D)光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン株式会社製「イルガキュア2959」)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン株式会社製「イルガキュア819」)1質量部、及び希釈用有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を攪拌しながら混合した。孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製「PF020」)を用いて加圧濾過後、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスを得た。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂組成物を、PETフィルム(東洋紡績株式会社製「コスモシャインA4100」、厚み50μm)の非処理面上に、塗工機(マルチコーターTM−MC、株式会社ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥後、カバーフィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製「ピューレックスA31」、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。
[コア層形成用樹脂フィルムの作製]
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成株式会社製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業株式会社製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業株式会社製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上記製造例と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスBを調合した。その後、上記製造例と同様の方法及び条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスBを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績株式会社製、厚み:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いでカバーフィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚み:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。
[光導波路の作製]
突起部形成用樹脂として20μm厚のクラッド層形成用樹脂フィルムを100mm×100mmに切断し、カバーフィルムを剥離し、基板としてポリイミドフィルム(商品名:カプトンEN、東レ・デュポン株式会社製、厚さ:25μm)の一方の面に、真空加圧式ラミネータ(商品名:MVLP−500、株式会社名機製作所製、一方の面がシリコンラバー面、もう一方の面がSUS403面)を用いて、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度120℃、加圧時間30秒の条件で同時に加熱圧着した(SUS面が突起部形成用樹脂面)。その後、紫外線露光機(商品名:EV−800、日立ビアメカニクス株式会社製)で突起部形成用樹脂のキャリアフィルム側か内径1.1mm、外計1.5mmのリング形状の開口部を有するネガ型フォトマスクを介し、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて紫外線(波長365nm)を0.25J/cm2照射し、その後、突起部形成用樹脂のキャリアフィルムを剥離し、現像液(1%炭酸カリウム水溶液)を用いて、エッチングした。続いて、水洗浄し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化し、突起部付きの基板を作製した。
(下部クラッド層の形成)
下部クラッド層形成用樹脂として30μm厚のクラッド層形成用樹脂フィルムを100mm×100mmに切断し、カバーフィルムを剥離し、突起部形成面と反対の面に基板の突起部形成面と反対の面に設置し、突起部形成面側に平面基板として100mm×100mmの銅箔をエッチング除去したFR−4基板(日立化成株式会社製、商品名;MCL−E−679FGB、厚さ;0.6mm)を設置し、上記真空加圧式ラミネータ(商品名:MVLP−500、株式会社名機製作所製)を用いて、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度120℃、加圧時間30秒の条件で同時に加熱圧着し、下部クラッド層のラミネートと、基板の押し上げと、下部クラッド層表面の平坦化を同時に行った(SUS面が下部クラッド層形成用樹脂面)。その後、紫外線露光機(商品名:EV−800、日立ビアメカニクス株式会社製)で下部クラッド層形成用樹脂のキャリアフィルム側から紫外線を4000mJ/cm2照射し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化し、突起部、下部クラッド層付きの基板を作製した。なお図中には下部クラッド層のキャリアフィルムと下部クラッド層平坦化のための平面基板、SUSは図示していない。
得られた基板の下部クラッド層上に、カバーフィルムを剥離したサイズ100mm×100mm、厚み30μmのコア層形成用樹脂フィルムを配置し、100mm×100mmの両面銅箔付きのFR−4基板(日立化成株式会社製、商品名;MCL−E−679FGB、厚さ;0.6mm)を配置し、真空加圧式ラミネータ(商品名:MVLP−500、株式会社名機製作所製)を用いて、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度70℃、加圧時間30秒の条件で加熱圧着した(SUS面がコア層形成用樹脂面)。
その後、基板両面に配置した平面基板を取り外した。
(コアパターンの形成)
幅が30μmから50μmに拡大するテーパー形状で長さ0.5mmの開口部を持ち、開口部が幅30μm側を内側にして放射状(4方位)にそれぞれ形成され、対向する開口部間を100μmにしたネガ型フォトマスクを介し、4つの開口部の中心を突起部の中心に位置合わせをし、コア層形成側から上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を0.6J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、キャリアフィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いて、コアパターンを現像した。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥し、厚み方向及び幅方向にテーパー部を有する四角錐台形状のコアパターンを形成した。
(上部クラッド層の形成)
コアパターン形成面上に、カバーフィルムを剥離したサイズ100mm×100mm、厚み70μmの上部クラッド層形成用樹脂フィルムを配置し、さらにその上に平面基板として100mm×100mmの両面銅箔付きのFR−4基板(日立化成株式会社製、商品名;MCL−E−679FGB、厚さ;0.6mm)を配置し、真空加圧式ラミネータ(商品名:MVLP−500、株式会社名機製作所製)を用いて、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度70℃、加圧時間30秒の条件で加熱圧着し、キャリアフィルム側から紫外線を4000mJ/cm2照射し、キャリアフィルムを剥離した後に170℃、1時間加熱硬化して光導波路を得た。
(厚み測定)
得られた光導波路の放射中心側のコアパターンは全ての厚みが30μm(下部クラッド層の厚み;30μm)、幅は30μmであった。放射外側(突起部上)のコアパターンは全て50μm(下部クラッド層の厚み;10μm)、幅は50μmであった。
コアの中心(コアパターンの放射中心端部から0.25mm地点)のコア厚みは38.3μm、幅は40μmであった。上部クラッド層下面から下部クラッド層上面までの厚みは、コアパターンの厚みが薄い箇所も厚い箇所もどちらも全て100μmであった。基板の表面からコアの中心までの高さは、コアパターンの厚みが30μmの箇所では、45μmであり、コアパターンの厚みが50μmの箇所では、35μmであり、コアの中心高さはコアパターンの厚みの大きいほうが低かった。
(ミラーの形成)
得られた光導波路の突起部をめがけて上部クラッド層側からダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ社製)を用いて45°の光路変換ミラーを形成し、ミラー付き光導波路を得た。得られた光路変換ミラーの基板の垂直方向から見たときのコア形状を測定したところ、50μm角であった。光路変換ミラーに基板の垂直方向から光信号を入射したところ、スポット径が、30μm角に縮小され良好に伝搬された。光路変換ミラーの加工時は、突起部をマーカとして加工できたため、コアパターンの厚みが厚い部分の特定が容易であった。
実施例2
(開口部付き基板の作製)
基板として100mm×100mmのポリイミドフィルム(宇部日東化成株式会社製、商品名;ユーピレックスRN、厚み;25μm)に、ドリル加工にて直径200μmの開口部(開口部ピッチ;X,Y方向それぞれ10mm(81箇所))を形成し、開口部付き基板を得た。
(接着層、突起部の形成)
接着層形成用樹脂として5μm厚のクラッド層形成用樹脂フィルムを100mm×100mmに切断し、カバーフィルムを剥離し、突起部形成用樹脂として、20μm厚のクラッド層形成用樹脂フィルムを100mm×100mmに切断し、カバーフィルムを剥離した後、基板としてポリイミドフィルム(商品名:カプトンEN、東レ・デュポン株式会社製、厚さ:25μm)の一方の面に接着層形成用樹脂を、もう一方に突起部形成用樹脂を、真空加圧式ラミネータ(商品名:MVLP−500、株式会社名機製作所製)を用いて、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度120℃、加圧時間30秒の条件で同時に加熱圧着した(SUS面が突起部形成用樹脂面)。その後、紫外線露光機(商品名:EV−800、日立ビアメカニクス株式会社製)で下部クラッド層形成用樹脂のキャリアフィルム側から紫外線を0.3J/cm2照射し、接着層の光硬化と、開口部を透過して、突起部の光硬化を行った。その後、接着層と突起部の形成用樹脂のキャリアフィルムを剥離し、現像液(1%炭酸カリウム水溶液)を用いて、エッチングした。続いて、水洗浄し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化し、突起部、接着層付きの基板を作製した。
実施例1において、コアパターンの露光に用いたネガ型フォトマスクを幅が50μmから30μmに縮小するテーパー形状で長さ0.5mmの開口部を持ち、開口部が幅50μm側を内側にして放射状(4方位)にそれぞれ形成され、対向する開口部間を100μmにしたネガ型フォトマスクを介し、4つの開口部の中心を突起部に位置合わせをして露光した。それ以外の工程は実施例1と同様に行った。
(厚み測定)
得られた光導波路の放射中心(突起部上)のコアパターンは全ての厚みが50μm(下部クラッド層の厚み;10μm)、幅は50μmであった。放射外側のコアパターンは全て30μm(下部クラッド層の厚み;30μm)、幅は30μmであった。
コアの中心(コアパターンの放射中心端部から0.25mm地点)のコア厚みは38.2μm、幅は40μmであった。上部クラッド層下面から下部クラッド層上面までの厚みは、コアパターンの厚みが薄い箇所も厚い箇所もどちらも全て100μmであった。基板の表面からコア中心までの高さは、コアパターンの厚みが30μmの箇所では、50μmであり、コアパターンの厚みが50μmの箇所では、40μmであり、コア中心高さはコアパターンの厚みの大きいほうが低かった。
(ミラーの形成)
得られた光導波路の突起部をめがけて上部クラッド層側からダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ社製)を用いて45°の光路変換ミラーを形成し、ミラー付き光導波路を得た。得られた光路変換ミラーの基板垂直方向から見たときのコア形状を測定したところ、50μm角であった。該光路変換ミラーに基板の垂直方向から光信号を入射したところ、スポット径が、30μm角に縮小され良好に伝搬された。光路変換ミラーの加工時は、突起部及び開口部をマーカとして加工できたため、コアパターンの厚みが厚い部分の特定が容易であった。
実施例3
実施例1において突起部の作製時に用いたネガ型フォトマスクを、幅200μmの開口部(開口部ピッチ;Y方向それぞれ10mm(9箇所))を有するネガ型フォトマスクに変えて直線状の突起部付き平面基板を形成した。
さらに、コアパターン形成用のネガ型フォトマスクを、幅が30μmから50μmに拡大するテーパー形状で長さ0.5mmの開口部を持ち、開口部が50μm、幅側が内側とし、Y方向の開口部間を150μmに対向するように形成され、X方向に500μmピッチで整列した開口部を有するネガ型フォトマスクに変更した以外は同様の方法で光導波路を形成した。
(厚み測定)
得られた光導波路の突起部上のコアパターンは全ての厚みが50μm、幅は50μmであった。突起部と反対側のコアパターンの端部は全て30μm、幅は30μmであった。
コアの中心のコア厚みは36.4μm、幅は40μmであった。上部クラッド層下面から下部クラッド層上面までの厚みは、コアパターンの厚みが薄い箇所も厚い箇所もどちらも全て100μmであった。
以上詳細に説明したように、本発明の光導波路は、特にコア層にテーパー部が形成された光導波路とその製造方法に関し、コアパターンの厚みの厚い部分のコア中心高さを、コアパターンの厚みの薄い部分より下部クラッド層側に近づけられるテーパー部を有する光導波路を提供できると共に、厚み方向にテーパーを有するコアパターンの厚みの厚い部分の位置を認識することが容易なテーパーを有する光導波路を得ることができる。このため、例えば、光ファイバとミラー付き光導波路の接続機器用のデバイスや、ミラー付き光導波路と電気配線板が複合されたデバイスとして有用である。
10、15、15b 基板
10a、10b 基板の表面
11、17 基板本体
12、18 接着層
16 開口部
21 下部クラッド層
21c 下部テーパー部
21d 突起部近傍部分
22 コア層
22a、22b 端面
22c コアテーパー部
22d 突起部近傍部分
23 上部クラッド層
24 コアパターン
24a、24b 端面
24c コアテーパー部
24d 突起部近傍部分
30 V溝
40 光路変換ミラー
60、60a、65 突起部
70 平面基板
100、100a、100b、100c、100d、100e 光導波路

Claims (17)

  1. 下部クラッド層と、
    前記下部クラッド層に積層され、光信号が伝搬するコア部と、を備え、
    前記下部クラッド層は、前記光信号が伝搬する伝搬方向の一方から他方に進むにつれて厚みが厚くなる下部テーパー部を有し、
    前記コア部は、前記下部テーパー部に積層された部分において、前記伝搬方向の他方から一方に進むにつれて厚みが厚くなるコアテーパー部を有する、光導波路であって、
    さらに、前記光導波路の下部クラッド層側に基板と、
    前記下部クラッド層において、前記コア部とは反対の面側に形成された突起部とを備え、
    前記コア部のうち、前記突起部の近傍の厚みが、それ以外の厚みより厚い、光導波路。
  2. 前記基板がフレキシブルな基材で形成されている、請求項に記載の光導波路。
  3. 前記下部クラッド層のうち、前記突起部の近傍の厚みが、それ以外の厚みより薄い、請求項1又は2に記載の光導波路。
  4. 前記突起部が透明な材料で形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の光導波路。
  5. 前記突起部が感光性樹脂で形成されている、請求項からのいずれかに記載の光導波路。
  6. 前記コア部がコアパターンである、請求項からのいずれかに記載の光導波路。
  7. 前記コアパターンが、さらに、幅方向に広がる幅テーパー部を有する形状である、請求項に記載の光導波路。
  8. さらに、前記コア部の厚み方向において、前記突起部の上の前記コア部に形成された光路変換ミラーを備える、請求項から7のいずれかに記載の光導波路。
  9. 前記基板は、基板本体と前記基板本体に積層された接着層とを有する、請求項から8のいずれかに記載の光導波路。
  10. 前記基板が、開口部を有し、前記接着層と前記突起部とが、前記開口部を介して接続されている、請求項9に記載の光導波路。
  11. 前記基板の一方の表面に前記突起部を形成する突起部形成工程と、
    前記突起部形成工程の後に、前記基板の他方の表面に下部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層して、前記下部クラッド層を形成する下部クラッド層形成工程と、
    前記下部クラッド層上に前記コア部を形成するコア部形成工程とを含み、
    前記下部クラッド層形成工程は、前記下部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層する際に、前記突起部を前記下部クラッド層形成用樹脂フィルムの方向へ押し込む押込工程を有する、請求項からのいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  12. 前記コア部形成工程において、前記コア部がコアパターンである、請求項11に記載の光導波路の製造方法。
  13. 前記下部クラッド層形成工程は、前記下部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層する際に、前記下部クラッド層形成用樹脂フィルムの上面を平坦化する工程を有する、請求項11又は12に記載の光導波路の製造方法。
  14. 前記コア部形成工程は、前記下部クラッド層にコア層形成用樹脂フィルムを積層するコア層積層工程を有し、前記コア層積層工程において、前記基板において、前記突起部が形成されている表面側にクッション性フィルムを配置する、請求項11から13のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  15. 前記下部クラッド層形成工程を、前記突起部形成工程の後に行う、請求項11から14のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  16. 前記光導波路において、前記基板は、基板本体と前記基板本体に積層された接着層とを有し、
    光導波路の製造方法において、さらに、前記突起部形成工程の前に、前記基板に開口部を形成する開口部形成工程を含み、
    前記突起部形成工程は、前記基板の一方の表面に突起部形成用樹脂フィルムと他方の表面に接着層形成用樹脂フィルムとを同時に積層し、フォトリソグラフィ加工によって前記突起部と前記接着層とを同時に形成する、請求項11から15のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  17. 前記光導波路において、さらに、前記コア部の厚み方向において、前記突起部の上の前記コア部に形成された光路変換ミラーを備え、
    光導波路の製造方法において、さらに、前記コア部形成工程の後に、前記光路変換ミラーを形成するミラー形成工程を含む、請求項11から16のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
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