JP6047883B2 - 認証用微細構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、認証用微細構造体およびその製造方法に関する。特に、インクや塗料等に混合して印刷可能な認証用微細構造体およびその製造方法に関する。
古来より様々な分野で模倣品や偽造品が製造され、消費者や真正品の製造、販売者に多大な損害を与えてきた。模倣品や偽造品を製造する技術水準が年々高くなり、それに対抗するように、偽造防止技術や真正品を認証するための方法も高度なものとなっている。例えば、紙幣をはじめとする印刷物の場合、複雑な印刷パターンやインクの配合のみならず、特定の波長の光により励起されて蛍光を発する特殊なインクを用いた印刷技術も利用されている。さらに、ホログラムを用いた偽造防止も広く行われ、複屈折パターンを用いてセキュリティを向上させる方法も提案されている(特許文献1)。
また、表面に任意の模様を有する微小なフレークをインクと混合して印刷する技術が特許文献2に開示されている。このような表面に任意の模様を有する微小なフレークはタガント(taggant)と呼ばれ、肉眼では観察されない大きさであるため、偽造しにくい利点が
ある。同様に、特許文献3には、セグメント化された粒子を用いたナノバーコードによる識別方法が開示されている。
特開2011−203636号公報 特開2008−230228号公報 特表2003−529128号公報
特許文献2や3に開示された方法は微小な構造体を用いるため、その微小な構造体までを偽造するのは困難である。しかし、このような微小な構造体であっても、表面に形成された一定の構造を観察することが可能であるため、偽造することは可能である。
本発明は、上述の問題を解決するものであって、偽造の難易度を向上させた認証用微細構造体およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、可視光を反射し、赤外線を透過する第1の基材と、赤外線を反射し、少なくとも一部に赤外光を透過する領域を有する第1のパターンと、可視光を反射する第2の基材と、を備え、前記第1のパターンは、前記第1の基材と前記第2の基材との間に配設される認証用微細構造体が提供される。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体は、第1のパターンを、可視光を反射する第1の基材と第2の基材とが挟んで形成されるため、光学顕微鏡等を用いて第1のパターンを観察することはできない。一方、少なくとも第1の基材は赤外線を透過するため、赤外線を用いて第1のパターンを観察することができる。例えば、赤外線顕微鏡は特殊な装置であるため、第1のパターンを解析して偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供することができる。
前記認証用微細構造体は、前記第1のパターンと前記第2の基材との間に配設された第3の基材をさらに備えてもよい。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体は、薄く剛性の低い材料を第2の基材に用いた場合であっても、第1のパターンと第2の基材との間に第3の基材を配設することにより、第1のパターンの形状を外部から凹凸により認識することができないようにすることができる。
前記認証用微細構造体において、前記第1のパターンは、前記第1の基材と前記第2の基材との間の距離に相当する第1の高さを有する第1の部位と、前記第1の基材と前記第2の基材との間の距離よりも小さい第2の高さを有する第2の部位とを備えてもよい。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体は、第1のパターンが少なくとも二種類の高さを有することにより、赤外線を用いて第1のパターンを観察した場合でも、観察する焦点の深度により、第1のパターンが異なるパターンとして観察されるため、第1のパターンを解析して偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供することができる。
前記認証用微細構造体において、前記第1のパターンは、第1の高さを有する第1の部位と、前記第1の高さとは異なる第2の高さを有する第2の部位とを備えてもよい。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体は、第1のパターンが第1の高さを有する第1の部位と第1の高さとは異なる第2の高さを有する第2の部位を備えることにより、接着剤等を用いて第2の基材と貼り合わせることができる。
前記認証用微細構造体は、前記第3の基材は赤外線を反射し、前記第1のパターンと異なり、かつ前記第1のパターンに包摂される第2のパターンを有してもよい。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体は、第1の基材側に配設された第1のパターンと、第2の基材側に配設された第3の基材のパターンとが異なるため、観察する面により認識されるパターンが異なり、偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供することができる。
また、本発明の一実施形態によると、可視光を反射し、赤外線を透過する第1の基材に、第2の基材を配設して前記第2の基材に一部に赤外光を透過する領域を有する第1のパターンを形成し、前記第2の基材上に、可視光を反射する第3の基材を配設する認証用微細構造体の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、第1のパターンを形成する第2の基材を、可視光を反射する第1の基材と第3の基材とが挟んで形成されるため、光学顕微鏡等を用いて第1のパターンを観察することができない認証用微細構造体を提供することができる。一方、少なくとも第1の基材は赤外線を透過するため、赤外線を用いて第1のパターンを観察することができる。例えば、赤外線顕微鏡は特殊な装置であるため、第1のパターンを解析して偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供する認証用微細構造体を製造することができる。
前記認証用微細構造体の製造方法において、前記第2の基材と前記第3の基材との間に第4の基材をさらに配設してもよい。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、薄く剛性の低い材料を第3の
基材に用いた場合であっても、第2の基材と第3の基材との間に第4の基材を配設することにより、第2の基材の第1のパターンの形状を外部から凹凸により認識することができない認証用微細構造体を製造することができる。
前記認証用微細構造体の製造方法において、前記第1のパターンを形成する前記第2の基材の前記第3の基材側の一部をエッチングし、前記第1の基材と前記第3の基材との間の距離に相当する第1の高さを有する第1の部位と、前記第1の基材と前記第3の基材との間の距離よりも小さい第2の高さを有する第2の部位とを形成してもよい。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、第2の基材の第1のパターンが少なくとも二種類の高さを有するように形成することにより、赤外線を用いて第1のパターンを観察した場合でも、観察する焦点の深度により、第1のパターンが異なるパターンとして観察されるため、第1のパターンを解析して偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供する認証用微細構造体を製造することができる。
前記認証用微細構造体の製造方法において、赤外線を反射する材料である前記第4の基材を配設し、前記第1のパターンと異なり、かつ前記第1のパターンに包摂される第2のパターンを形成してもよい。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、赤外線を反射する材料である第4の基材を配設し、第1のパターンと異なる第2のパターンを形成することにより、第3の基材側から赤外線を用いて観察すると、第1のパターンと第2のパターンが重なる部分は観察できず、第1のパターンの一部のみが観察される認証用微細構造体を製造することができる。一方、第1の基材側からは第1のパターンが観察されるため、観察する面により観察されるパターンが異なり、偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供する認証用微細構造体を製造することができる。
前記認証用微細構造体の製造方法において、前記第2の基材と前記第3の基材とを接合してもよい。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、第2の基材と第3の基材とを接合することにより、耐熱性を備えた認証用微細構造体を製造することができる。
前記認証用微細構造体の製造方法において、前記第3の基材に平坦化処理を行ってもよい。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、第3の基材に平坦化処理を行うことにより、第1のパターンに起因する凹凸が第3の基材の表面になくなり、外部から光学顕微鏡等により第1のパターンを読み取ることを防ぎ、偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供する認証用微細構造体を製造することができる。
前記認証用微細構造体の製造方法において、前記第4の基材に平坦化処理を行ってもよい。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、第4の基材に平坦化処理を行うことにより、第3の基材との密着性を向上することができる。
また、本発明の一実施形態によると、基体と、前記基体上に設けられ、可視光を反射し、赤外線を透過する第1の基材と、赤外線を反射し、少なくとも一部に赤外光を透過する領域を有する第1のパターンと、可視光を反射する第2の基材と、を備え、前記第1のパタ
ーンは、前記第1の基材と前記第2の基材との間に配設された認証用微細構造体と、を有する物品が提供される。
本発明の一実施形態に係る物品は、可視光を反射し、赤外線を透過する第1の基材と、赤外線を反射し、少なくとも一部に赤外光を透過する領域を有する第1のパターンと、可視光を反射する第2の基材と、を備え、第1のパターンは、第1の基材と第2の基材との間に配設された認証用微細構造体と、インクまたは塗料と、を一部に塗布することにより、認証用微細構造体の第1のパターンの特徴から、他の物品と区別したり、真正品であることを確認したりすることができる。
前記物品は、カード、有価証券、紙幣、認証用部材であってもよい。
本発明の一実施形態に係る物品は、カード、有価証券、紙幣、認証用部材であり、他の物品と区別したり、真正品であることを確認したりすることができる。したがって、偽造を防止することができる。
本発明によれば、偽造の難易度を向上させた認証用微細構造体およびその製造方法を提供することできる。
本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体100の模式図である。 本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体の断面図であり、(a)は認証用微細構造体200を示し、(b)は認証用微細構造体300を示す。 本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体400の模式図であり、(a)は認証用微細構造体300を断面図であり、(b)は(a)のAA’における第2の基材430のパターンの観察像であり、(c)は(a)のBB’における第2の基材430のパターンの観察像であり、(d)は(a)のCC’における第2の基材430のパターンの観察像である。 本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体500の模式図であり、(a)は認証用微細構造体500を断面図であり、(b)は第1の基材510側から観察した第1のパターン530であり、(c)は第2の基材550側から観察した第2のパターン570である。 本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体100の製造プロセスを示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体100の製造プロセスを示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体500の製造プロセスを示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体500の製造プロセスを示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体500の製造プロセスを示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る認証デバイス1000の模式図である。
本発明者らは、上述の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、認証用微細構造体の表面を観察しただけではパターンを認識することができないこと、特殊な方法を用いた時のみ内部に隠されたパターンを認識することができることの2つの手段を組み合わせることにより、偽造の難易度を向上させた認証用微細構造体を実現可能であることに想到した。この
ような認証用微細構造体は、例えば、可視光を反射し、赤外線を透過するシリコンを用いてパターンを隠すこと、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の加工技術を適用してシリコンの基材にパターンを形成し、さらにパターンを他の基材で被覆することを組合せることにより実現可能であることを見出した。また、無機材料であるシリコンで形成した認証用微細構造体は、インクと混合して用いた場合に優れた耐性を有する。また、パターンを金属で形成する場合には、金属パターンとシリコンを金属接合により接合可能であり、有機材料である接着剤を用いる必要がないため、優れた耐熱性を実現可能であることに着目した。
以下、図面を参照して本発明に係る認証用微細構造体およびその製造方法について説明する。但し、本発明の認証用微細構造体およびその製造方法は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態及び実施例で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体100の模式図である。図1(a)は認証用微細構造体100を上面から見た透視図であり、図1(b)は図1(a)のAA’における断面図である。認証用微細構造体100は、第1の基材110、第1のパターン130および第2の基材150を備え、第1のパターン130は、第1の基材110と第2の基材150との間に配設される。
第1の基材110は、可視光を反射し、赤外線を透過する材料により形成された基板であって、例えば、シリコン基板を用いることができる。しかし、本発明においては、第1の基材110は、可視光を反射し、特定の波長の光を透過する基材であれば利用可能である。また、本発明においては、このような光透過特性を有し、後述する第1のパターン130の形成が可能な基材であれば利用可能である。シリコン以外の材料としては、例えば、ZnSe、Ge、CaF、BaF、MgF、ZnS、石英、サファイア、MgO、KRS−5、KCl及びGaAs等が挙げられる。これらの材料を用いる場合は、可視光を透過しない厚さの基板として用いる。
第1のパターン130は、認証用微細構造体100の認証用パターンを形成する基材である。第1のパターン130は、赤外線を反射して(透過しない)パターンを認識可能とする基材であり、例えば、金属や金属酸化物材料を用いることができる。第1のパターン130に利用可能な金属酸化物としては、例えば、クロム、金、銅、アルミニウム等の半導体やMEMSの製造に用いられる金属を挙げることができる。第1のパターン130に利用可能な金属酸化物としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)を用いることができる。また、酸化亜鉛(ZnO)や酸化スズ(II)(SnO)等を主成分とする化合物を挙げることができる。ただし、本発明においては、第1の基材110にパターン形成が可能であり、特定の波長の光を反射してパターンを認識可能とする基材であれば、金属や金属酸化物以外の材料を用いることもできる。
第2の基材150は、可視光を反射し、第1のパターン130を被覆する基材である。第2の基材150は、例えば、第1の基材110と同様に可視光を反射し、赤外線を透過する材料により形成された基材であってもよいが、金属や樹脂等の可視光及び赤外線を透過しない材料であってもよい。
第2の基材150として、第1の基材110と同様に可視光を反射し、赤外線を透過する材料により形成された基材を用いた場合には、第1の基材110側と第2の基材150側の両面から認証用微細構造体100の内部に配置された第1のパターン130を赤外線等
の特定の波長の光を用いることで認識することができる。したがって、特殊なパターン認識装置によらなければ、第1のパターン130を認識できない。
一方、第2の基材150として、金属や樹脂等の可視光および赤外線等の特定の波長の光のいずれも透過しない基材を用いた場合には、第1の基材110側からのみ、認証用微細構造体100の内部に配置された第1のパターン130を赤外線等の特定の波長の光を用いることで認識することができるが、第2の基材150側からのみ、認証用微細構造体100を観察した場合には、認証用微細構造体100内に認証用のパターンが含まれていることを発見することができない。したがって、第1の基材110側及び第2の基材150側の両方から認証用微細構造体100を観察することで、認証用のパターンを認識することができる。
以上のように、本実施形態においては、第2の基材150の材料により第1のパターン130の認識のされ方が異なるため、認証用微細構造体100の偽造の難易度を向上させることができる。
認証用微細構造体100は、例えば、縦の幅および横の幅が1μm以上100μm以下、高さ(基材の積層方向の値)が100μm以上である。加工のしやすさを考慮すると、高さ600μm以上であることがより好ましい。第1の基材110、第1のパターン130、第2の基材150は上記を満たすように適宜設定するとよい。また、認証用微細構造体100は、柱状、板状等の形状であってもよく、特に形状に制限はない。また、第1のパターン130が形成する認証用微細構造体100の認証用パターンは、幾何学模様、紋章、トレードマーク、不定形状等、任意のパターンであってよい。
以上説明したように、本実施形態に係る認証用微細構造体は、第1のパターンを、可視光を反射する第1の基材と第2の基材とが挟んで形成されるため、光学顕微鏡等を用いて第1のパターンを観察することはできない。一方、少なくとも第1の基材は赤外線等の特定の波長の光を透過するため、特定の波長の光を用いて第1のパターンを観察することができる。例えば、赤外線顕微鏡は特殊な装置であるため、第1のパターンを解析して偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供することができる。
(実施形態2)
実施形態2は、第1のパターンと第2の基材との間に配設された第3の基材をさらに備える点で実施形態1と異なる。図2は、本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体の断面図である。図2(a)は認証用微細構造体200を示し、図2(b)は認証用微細構造体300を示す。
認証用微細構造体200は、第1の基材210、第1のパターン230、第2の基材250および第3の基材270を備え、第3の基材270は、第1のパターン230と第2の基材250との間に配設される。第1の基材210および第1のパターン230は実施形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
認証用微細構造体200において、第2の基材250は、例えば、金属膜を用いることができる。薄く剛性の低い材料である金属膜等を第2の基材250として第1のパターン230上に被覆すると、金属膜は可視光を反射するため、第1のパターン230を直接認識することはできない。しかし、第1のパターン230に起因する凹凸が金属膜の表面にできて、第1のパターン230が認識される可能性がある。
認証用微細構造体200は、第3の基材270を第1のパターン230と第2の基材250との間に配設することにより、第1のパターン230に起因する凹凸が第2の基材25
0にできるのを防止する。第3の基材270としては、例えば、ガラス基板を用いることができる。
また、認証用微細構造体300は、第1の基材310、第1のパターン330、第2の基材350および第3の基材370を備え、第3の基材370は、第1のパターン330と第2の基材350との間を充填して配設される。第1の基材310および第1のパターン330は実施形態1と同様であり、第2の基材350は上述した第2の基材250と同様であるため、詳細な説明は省略する。
認証用微細構造体300においては、第3の基材370を第1のパターン330と第2の基材350との間に充填して配設することにより、第1のパターン330に起因する凹凸が第2の基材350にできるのを防止する。第3の基材370としては、例えば、樹脂を用いることができる。樹脂等を用いて第3の基材370を配設した場合には、第3の基材370の第1のパターン330と接する面は、平坦化することが好ましい。第3の基材370を平坦化することにより、第1のパターン330に起因する凹凸が第2の基材350にできるのを防止することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る認証用微細構造体は、薄く剛性の低い材料を第2の基材に用いた場合であっても、第1のパターンと第2の基材との間に第3の基材を配設することにより、第1のパターンの形状を外部から凹凸により認識することができないようにすることができる。
(実施形態3)
本実施形態においては、第1のパターンを複雑化した例を説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体400の模式図である。図3(a)は認証用微細構造体300を断面図である。図3(b)は図3(a)のAA’を含む平面における第1のパターン430である。図3(c)は図3(a)のBB’を含む平面における第1のパターン430である。図3(d)は図3(a)のCC’を含む平面における第1のパターン430である。
認証用微細構造体400は、第1の基材410、第1のパターン430および第2の基材450を備え、第1のパターン430は、第1の基材410と第2の基材450との間に配設される。本実施形態においては、第1のパターン430は、第1の基材410と第2の基材450との間の距離に相当する第1の高さを有する第1の部位431と、第1の基材410と第2の基材450との間の距離よりも小さい第2の高さを有する第2の部位433とを備える。図3(a)においては、第2の高さよりも小さい第3の高さを有する第3の部位435をさらに示しているが、認証用微細構造体400は第1のパターン430に、このような高さの異なる部位を任意に配設可能である。
図3(b)に示したように、第1の基材410の表面から第3の高さまでの深度(または観察基材からの焦点距離)で観察した場合は、第3の部位435を含む第1のパターン430全体が認識される。一方、第3の高さと第2の高さとの間の深度で観察した場合は、第3の部位435を除く、第1の部位431と第2の部位433とにより構成される第1のパターン430が認識される。さらに、第2の高さと第1の高さとの間の深度で観察した場合は、第1の部位431のみによる第1のパターン430が認識される。したがって、観察する深度により、認識される第1のパターン430が異なる。
なお、本実施形態において、第1の基材410、第1のパターン430および第2の基材450に利用可能な基材は実施形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、本実施形態において、実施形態2で説明した第3の基材をさらに配設してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る認証用微細構造体は、第1のパターンが二種類以上の高さを有することにより、赤外線を用いて第1のパターンを観察した場合でも、観察する焦点の深度により異なるパターンとして観察されるため、第1のパターンを解析して偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供することができる。
(実施形態4)
上述したように、本発明に係る認証用微細構造体は、第1の基材側または第2の基材側の何れかの面からもパターンを観察できるようにしてもよい。本実施形態においては、第1の基材側からパターンを観察する場合と、第2の基材側からパターンを観察する場合とで観察されるパターンが異なる例を説明する。
認証用微細構造体500は、第1の基材510、第1のパターン530、第2の基材550および第2のパターン570を備え、第2のパターン570は、第1のパターン530と第2の基材550との間に配設される。図4は、本発明の一実施形態に係る認証用微細構造体500の模式図である。図4(a)は認証用微細構造体500を断面図である。図4(b)は、第1の基材510側から観察した第1のパターン530である。図4(c)は、第2の基材550側から観察した第2のパターン570のパターンである。第1の基材510、第1のパターン530および第2の基材550は実施形態1と同様の基材を利用可能であるため、詳細な説明は省略する。
第2のパターン570は赤外線を反射する基材であり、第1のパターン530と異なる第2のパターンを形成する。第2のパターン570は実施形態1で説明した第1のパターン130と同様の材料を用いることができる。第2のパターン570としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)を用いることができる。また、酸化亜鉛(ZnO)や酸化スズ(II)(SnO)等を主成分とする化合物を挙げることができる。なお、上述したように、本発明においては、パターン形成が可能であり、特定の波長の光を反射してパターンを認識可能とする基材であれば、上述の材料以外の材料を用いることもできる。
本実施形態においては、第1のパターン530と、第2のパターン570が形成する第2のパターンとはパターンが異なり、認証用微細構造体500が内包するパターンを観察する面により、それぞれ異なるパターンが認識される。したがって、認証用微細構造体500は、第2のパターン570で第2のパターンを形成することのより、複雑性を高めることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る認証用微細構造体は、第2のパターン570で第2のパターンを形成することにより、第1の基材510側に配設された第1のパターン530と、第2の基材550側に配設された第2のパターン570のパターンとが異なるため、観察する面により認識されるパターンが異なり、偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供することができる。
(認証用微細構造体100の製造方法)
上述した認証用微細構造体100の製造方法について、以下に説明する。図5および図6は、本実施形態に係る認証用微細構造体100の製造プロセスを示す模式図である。認証用微細構造体100を製造するための第1の基材110を準備する。第1の基材110は、上述した第1の基材110に利用可能な可視光を反射し、特定の波長の光を透過する基板である。第1の基材110には、例えば、可視光を反射し、赤外線を透過するシリコン基板を用いることができる。第1の基材110は、必要に応じて研磨やエッチング等により厚みを薄くする前処理を行なってもよい。
第1の基材110の一方の面(上面)に第2の基材3を配設する(図5(a))。第2の基材3は、上述した特定の波長の光を反射する基材であって、エッチングによりパターン形成可能な材料を用いる。本実施形態においては、金属や金属酸化物材料を好適に用いることができる。第2の基材3の形成方法は、真空成膜や箔添付等、公知の方法を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
第2の基材3の上面に、レジスト材をスピンコートや吹付けにより塗布してプリベークし、レジスト層5を形成する(図5(b))。レジスト層5には、エッチングに用いる公知のレジスト材を用いることができ、第2の基材3をエッチングするエッチャントに応じて任意に選択可能である。
レジスト層5に対して、所定形状のパターンを有するマスクを用いて露光する。露光されたレジスト層5に対して現像およびリンス処理を施し、ポストベークすることにより、第2の基材3の上面にレジストマスク7を形成する(図5(c))。ここで形成するレジストマスク7は、上述したように、第2の基材3が所望のパターンを形成可能な任意のパターンである。
レジストマスク7を介して第2の基材3を厚み方向にエッチングして、第2の基材3にパターンを形成する(図5(d))。ここで、上述したように、エッチングに用いるエッチャントは、第2の基材3を構成する基材の種類により任意に選択可能である。
第1のパターン130上のレジストマスク7を除去する(図6(a))。可視光を反射する第3の基材150を第1のパターン130上に配設する(図6(b))。上述したように、第3の基材150は、第1の基材110と同様の基材であってもよく、金属や樹脂等の可視光を透過しない材料であってもよい。第1のパターン130を金属材料とし、第3の基材150をシリコン基板とした場合は、接合、特に金属接合により配設することができる。第1のパターン130を金属酸化物材料とし、第3の基材150をシリコン基板とした場合は、常温接合により配設することができる。また、金属酸化物材料で形成した第1のパターン130上に金属層をさらに配設した場合は、金属接合により第3の基材150と接合することができる。接合することにより、認証用微細構造体100に耐熱性を付与することができる。また、第3の基材150をシリコン基板で形成した場合は、接合後に必要に応じて研磨やエッチング等により厚みを薄くする処理を行なってもよい。その後、ダイシングすることにより、認証用微細構造体100を得ることができる(図6(c))。
なお、第3の基材150として金属酸化物や樹脂等を用いる場合は、第3の基材を平坦化することが好ましい。第3の基材150を平坦化することにより、第1のパターン130のパターンに起因する凹凸が第3の基材150の表面になくなり、外部から光学顕微鏡等により第1のパターン130のパターンを読み取ることを防ぐことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、第1のパターンを形成する第2の基材を、可視光を反射する第1の基材と第3の基材とが挟んで形成されるため、光学顕微鏡等を用いて第1のパターンを観察することができない認証用微細構造体を提供することができる。一方、少なくとも第1の基材は赤外線を透過するため、赤外線を用いて第1のパターンを観察することができる。例えば、赤外線顕微鏡は特殊な装置であるため、第1のパターンを解析して偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供する認証用微細構造体を製造することができる。
(認証用微細構造体200の製造方法)
認証用微細構造体200の製造方法は、第2の基材3をエッチングしてパターンを形成す
る工程までは、認証用微細構造体100の製造方法と同様である。認証用微細構造体200の製造方法は、第2の基材230と第3の基材250との間に第4の基材270をさらに配設する。本実施形態においては、第4の基材270と第2の基材230とを接合した後に第3の基材250を配設するか、第3の基材250を配設した第4の基材270と第2の基材230とを接合することにより製造することができる。
例えば、レジストマスク7を除去した第2の基材230と第4の基材270とを接合する。上述したように、第4の基材270としては、例えば、ガラス基板を好適に用いることができる。また、第4の基材270は、必要に応じて研磨やエッチング等により厚みを薄くする処理を行なってもよい。第4の基材270の上面には、第3の基材250として金属膜を形成する。第3の基材250の形成方法は、真空成膜や箔添付等、公知の方法を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
また、別の製造方法として、第4の基材270の1つの面に第3の基材250として金属
膜を形成する。第3の基材250の形成方法は上述したとおりである。その後、第3の基材250が形成されていない第4の基材270の反対側の面と、レジストマスク7を除去した第2の基材230とを接合する。このようにして、認証用微細構造体200を製造することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、薄く剛性の低い材料を第3の基材に用いた場合であっても、第2の基材と第3の基材との間に第4の基材を配設することにより、第2の基材の第1のパターンの形状を外部から凹凸により認識することができない認証用微細構造体を製造することができる。
(認証用微細構造体300の製造方法)
認証用微細構造体300の製造方法は、第2の基材3をエッチングしてパターンを形成する工程までは、認証用微細構造体100の製造方法と同様である。認証用微細構造体300の製造方法は、第2の基材330と第3の基材350との間に第4の基材370をさらに配設する。
レジストマスク7を除去した第2の基材330と第3の基材350との間に第4の基材370を充填して配設する。上述したように、第4の基材370としては、例えば、樹脂を好適に用いることができる。第2の基材330と接する第4の基材370の面は、平坦化することが好ましい。第4の基材370を平坦化することにより、第3の基材350との密着性を向上することができる。第4の基材370の上面には、第3の基材350として金属膜を形成する。第3の基材350の形成方法は、真空成膜や箔添付等、公知の方法を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、本実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、薄く剛性の低い材料を第3の基材に用いた場合であっても、第2の基材と第3の基材との間に第4の基材を配設することにより、第2の基材の第1のパターンの形状を外部から凹凸により認識することができない認証用微細構造体を製造することができる。
(認証用微細構造体400の製造方法)
認証用微細構造体400の製造方法は、第2の基材3の上面にレジスト層5を形成する工程までは、認証用微細構造体100の製造方法と同様である。認証用微細構造体400の製造方法は、パターンを形成する第2の基材3の第3の基材450側の一部をエッチングし、第1の基材410と第3の基材450との間の距離に相当する第1の高さを有する第1の部位と、第1の基材410と第3の基材450との間の距離よりも小さい第2の高さを有する第2の部位とを形成する。
認証用微細構造体400の製造方法においては、複数のマスクを用いて第2の基材3をエッチングすることにより、上述のパターンを有する第2の基材430を形成する。所定のパターンを形成した第2の基材430からレジストマスク7を除去し、認証用微細構造体100で説明した方法により第3の基材450を接合する。認証用微細構造体400は、第1の部位と第2の部位の高さが異なるため、接着剤を用いて第3の基材450と貼り合わせることもできる。また、上述したように、認証用微細構造体200や認証用微細構造体300と同様に、第4の基材をさらに配設してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、第2の基材の第1のパターンが少なくとも二種類の高さを有するように形成することにより、赤外線を用いて第1のパターンを観察した場合でも、観察する焦点の深度により、第1のパターンが異なるパターンとして観察されるため、第1のパターンを解析して偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供する認証用微細構造体を製造することができる。
(認証用微細構造体500の製造方法)
認証用微細構造体500の製造方法について、図7〜図9を参照して説明する。認証用微細構造体500を製造するための第1の基材510を準備する。第1の基材510は、上述した第1の基材110と同様の基板を用いることができるため、詳細な説明は省略する。第1の基材510の一方の面(上面)に第2の基材3を配設する(図7(a))。第2の基材3については、上述したため、詳細な説明は省略する。
第2の基材3の上面にさらに第3の基材17を配設する(図7(b))。第3の基材17は、上述した特定の波長の光を反射する基材であって、エッチングによりパターン形成可能な材料を用いる。本実施形態においては、酸化インジウムスズ(ITO)を用いることができる。また、酸化亜鉛(ZnO)や酸化スズ(II)(SnO)等を主成分とする化合物を挙げることができる。第3の基材17の形成方法は、電子ビーム蒸着法、物理気相成長法、スパッタ蒸着法等、公知の方法を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
第3の基材17の上面に、レジスト材をスピンコートや吹付けにより塗布してプリベークし、レジスト層21を形成する(図7(c))。レジスト層21には、エッチングに用いる公知のレジスト材を用いることができ、第3の基材17をエッチングするエッチャントに応じて任意に選択可能である。
レジスト層21に対して、所定形状の第2のパターンを有するマスクを用いて露光する。露光されたレジスト層21に対して現像およびリンス処理を施し、ポストベークすることにより、第3の基材17の上面にレジストマスク23を形成する(図7(d))。ここで形成するレジストマスク23は、上述したように、第3の基材17が所望のパターンを形成可能な任意のパターンである。
レジストマスク23を介して第3の基材17を厚み方向にエッチングして、第3の基材17に第2のパターンを形成する(図8(a))。ここで、上述したように、エッチングに用いるエッチャントは、第3の基材17を構成する基材の種類により任意に選択可能である。第2のパターン570上のレジストマスク23を除去する(図8(b))。
第2のパターン570及び第2の基材3の上面に、レジスト材をスピンコートや吹付けにより塗布してプリベークし、レジスト層31を形成する(図8(c))。レジスト層31には、エッチングに用いる公知のレジスト材を用いることができ、第2の基材3をエッチングするエッチャントに応じて任意に選択可能である。
レジスト層31に対して、所定形状の第1のパターンを有するマスクを用いて露光する。露光されたレジスト層31に対して現像およびリンス処理を施し、ポストベークすることにより、第2のパターン570の上面にレジストマスク33を形成する(図8(d))。ここで形成するレジストマスク33は、上述したように、第2の基材3が所望のパターンを形成可能な任意のパターンである。
レジストマスク33を介して第2の基材3を厚み方向にエッチングして、第2の基材3に第1のパターンを形成する(図9(a))。ここで、エッチングに用いるエッチャントは、第3の基材17をエッチングし、第2のパターン570をエッチングしないエッチャントから任意に選択可能である。このようなエッチャントを用いることにより、第2のパターン570がサイドエッチングされるのを防止し、微細なパターンニングが可能となる。その後、第2のパターン570上のレジストマスク33を除去する(図9(b))。
第1の基材510上に第1のパターン530及び第2のパターン570を積層して形成し、可視光を反射する第4の基材550を第2のパターン570上に配設する(図9(c))。第4の基材550は、上述した第3の基材150と同様の基材を用いることができるため、詳細な説明は省略する。また、第2のパターン570と第4の基材550の接合方法は、上述した第1のパターン130と第3の基材150の接合方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。その後、ダイシングすることにより、認証用微細構造体500を得ることができる(図6(c))。
なお、本実施形態に係る認証用微細構造体500の製造方法は、これに限定されるものではない。例えば、基板510の上面に第2の基材3を配設して、第1のパターン530を形成し、第4の基材550の上面に第3の基材17を配設して、第2のパターン570を形成し、第1のパターン530と第2のパターン570を接合してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る認証用微細構造体の製造方法は、赤外線を反射する材料である第4の基材を配設し、第1のパターンと異なる第2のパターンを形成することにより、第3の基材側から赤外線を用いて観察すると、第1のパターンと第2のパターンが重なる部分は観察できず、第1のパターンの一部のみが観察される認証用微細構造体を製造することができる。一方、第1の基材側からは第1のパターンが観察されるため、観察する面により観察されるパターンが異なり、偽造する難易度は極めて高く、高度なセキュリティを提供する認証用微細構造体を製造することができる。
(認証用微細構造体を用いた認証方法)
以下に、上述した認証用微細構造体を用いた認証方法について説明する。図10は、本実施形態に係る認証デバイス1000の模式図である。認証デバイス1000は、例えば、認証用微細構造体100をインクや塗料などの印刷用溶液1001と混合して印刷したデバイスである。なお、認証用微細構造体100は、粘着剤を介して認証デバイス1000となる基体に貼付されていてもよい。
図10に示したように、認証デバイス1000においては、認証用微細構造体100は任意の向きで配置される。認証デバイス1000中で、認証用微細構造体100は認証デバイス1000の奥行き方向にも任意の向きで配置される。したがって、本実施形態に係る認証デバイス1000を用いて認証を行うためには、認証デバイス1000の表面と平行に配置した認証用微細構造体100を選択して認識させることが好ましい。
本実施形態に係る認証方法は、製造された認証用微細構造体100について、事前に第1のパターン130をデータベース化する。認証デバイス1000中に含まれる認証用微細
構造体100の第1のパターン130と、データベースに格納されたパターンとを比較することにより、認証デバイス1000を認証することができる。
本実施形態に係る認証方法においては、第1のパターン130は可視光では認識できないため、特定の波長の光を認証デバイス1000に照射して、第1のパターン130を認識する。上述したように、シリコンは可視光を反射し、赤外線を透過する光学特性を備えるため、第1の基材110にシリコンを用いた場合は、赤外線顕微鏡を利用することで、第1のパターン130を認識することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る認証デバイス1000は印刷可能なものであれば、如何なる対象にも配設可能であり、MEMSの製造プロセスを用いた量産が可能なため、製造コストを抑制することができる。また、可視光を用いた表面観察では認識できない、偽造の難易度を向上させた認証用微細構造体を利用するため、幅広い分野での利用が可能である。また、認証用微細構造体200〜500も同様に利用することができる。
(実施例)
実施例として、認証用微細構造体500を製造した。第1の基材には、725μmの厚みのシリコン基板(100)を用いた。第1の基材を酸及びアルカリ溶液を用いて洗浄した。第1の基材の上面に第2の基材としてクロム(Cr)の膜をスパッタ成膜法により3000Åの膜厚で形成した。次にクロム膜の上面に第3の基材としてITO膜をスパッタ成膜法により2000Åの膜厚で形成した。
ITO膜の上面にレジスト(住友化学、PFI-58)を塗布し、1.2μmとした。第2のパターンを有するマスクを用いて露光し、現像液(東京応化、NMD-3)で現像して、レジス
トマスクを形成した。エッチャントとして塩化第二鉄水溶液を用いて、ITO膜をエッチングした。剥離液(東京応化、104)を用いて、レジストマスクを除去した。
上述した工程と同様の工程で、第1のパターンを有するレジストマスクを第2のパターンの上面に形成した。エッチャントとして硝酸カリウムアンモン系エッチング液を用いて、クロム膜をエッチングし、パターニング後に上述した工程によりレジストマスクを除去した。
第4の基材には、0.7mmの厚みのガラス基板を用いた。第2のパターンとガラス基板を常温接合により接合した。ダイシングにより個片化し、認証用微細構造体500を得た。
認証用微細構造体をインキに混合するには、5〜100μmの大きさに個片化することが適当であった。5μm以下ではパターンの認識が困難であった。また、1mmを超える認証用微細構造体は、接着剤等により貼り付けることができる。
このように製造した認証用微細構造体500は、シリコン基板面から赤外線顕微鏡で観察すると、クロムが赤外線を透過しないため、第1のパターンが観察された。また、ガラス基板面から光学顕微鏡により可視光で観察すると、ITOは可視光を透過するため、第1のパターンが観察された。一方、ガラス基板面から赤外線顕微鏡で観察すると、ITOは赤外線を透過しないため、第2のパターンが観察された。
3:第2の基材、5:レジスト層、7:マスク、100:認証用微細構造体、110:第1の基材、130:第1のパターン、150:第3の基材、200:認証用微細構造体、210:第1の基材、230:第2の基材、250:第3の基材、270:第4の基材、
300:認証用微細構造体、310:第1の基材、330:第2の基材、350:第3の基材、370:第4の基材、400:認証用微細構造体、410:第1の基材、430:第2の基材、431:第1の部位、433:第2の部位、435:第3の部位、450:第3の基材、500:認証用微細構造体、510:第1の基材、530:第2の基材、550:第3の基材、570:第2のパターン、1000:認証デバイス、1001:印刷用溶液

Claims (10)

  1. 可視光を反射し、赤外線を透過する第1の基材と、
    赤外線を反射し、少なくとも一部に赤外光を透過する領域を有する第1のパターンと、
    可視光を反射する第2の基材と、を備え、
    前記第1のパターンは、前記第1の基材と前記第2の基材との間に配設され、
    前記第1のパターンは、前記第1の基材と前記第2の基材との間の距離に相当する第1の高さを有する第1の部位と、前記第1の基材と前記第2の基材との間の距離よりも小さい第2の高さを有する第2の部位とを備えることを特徴とする認証用微細構造体。
  2. 前記第1のパターンと前記第2の基材との間に配設された第3の基材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の認証用微細構造体。
  3. 可視光を反射し、赤外線を透過する第1の基材と、
    赤外線を反射し、少なくとも一部に赤外光を透過する領域を有する第1のパターンと、
    可視光を反射する第2の基材と、を備え、
    前記第1のパターンは、前記第1の基材と前記第2の基材との間に配設され、
    前記第1のパターンと前記第2の基材との間に配設された第3の基材をさらに備え、
    前記第3の基材は赤外線を反射し、前記第1のパターンと異なり、かつ前記第1のパターンに包摂される第2のパターンを有することを特徴とする認証用微細構造体。
  4. 可視光を反射し、赤外線を透過する第1の基材に、赤外線を反射する第2の基材を配設し、
    第3の基材を配設する側の前記第2の基材の一部をエッチングし、
    前記第1の基材と前記第3の基材との間の距離に相当する第1の高さを有する第1の部位と、前記第1の基材と前記第3の基材との間の距離よりも小さい第2の高さを有する第2の部位とを形成し、
    前記第2の基材の一部に赤外光を透過する領域を有する第1のパターンを形成し、
    前記第2の基材上に、可視光を反射する第3の基材を配設することを特徴とする認証用微細構造体の製造方法。
  5. 前記第2の基材上に、前記第3の基材を配設するために、
    前記第2の基材上に第4の基材を配設し、前記第4の基材上に前記第3の基材を配設する、又は、
    前記第4の基材上に前記第3の基材を配設し、前記第3の基材を配設した前記第4の基材を前記第2の基材上に配設することを特徴とする請求項4に記載の認証用微細構造体の製造方法。
  6. 可視光を反射し、赤外線を透過する第1の基材に、赤外線を反射する第2の基材を配設し、
    第2の基材に、赤外線を反射する第3の基材を配設し、前記第3の基材の一部に赤外光を透過する領域を有する第1のパターンを形成し、
    前記赤外光を透過する領域を有し、前記第1のパターンと異なり、かつ前記第1のパターンを包摂する第2のパターンを前記第2の基材の一部に形成し、
    前記第の基材上に、可視光を反射する第4の基材を配設することを特徴とする認証用微細構造体の製造方法。
  7. 前記第2の基材と前記第3の基材とを接合して前記第2の基材上に、前記第3の基材を配設することを特徴とする請求項に記載の認証用微細構造体の製造方法。
  8. 基体と、
    基体上に設けられ、可視光を反射し、赤外線を透過する第1の基材と、赤外線を反射し、少なくとも一部に赤外光を透過する領域を有する第1のパターンと、可視光を反射する第2の基材と、を備え、前記第1のパターンは、前記第1の基材と前記第2の基材との間に配設され、前記第1のパターンは、前記第1の基材と前記第2の基材との間の距離に相当する第1の高さを有する第1の部位と、前記第1の基材と前記第2の基材との間の距離よりも小さい第2の高さを有する第2の部位とを備えた認証用微細構造体と、を有することを特徴とする物品。
  9. 基体と、
    基体上に設けられ、可視光を反射し、赤外線を透過する第1の基材と、赤外線を反射し、少なくとも一部に赤外光を透過する領域を有する第1のパターンと、可視光を反射する第2の基材と、を備え、前記第1のパターンは、前記第1の基材と前記第2の基材との間に配設され、前記第1のパターンと前記第2の基材との間に配設された第3の基材をさらに備え、前記第3の基材は赤外線を反射し、前記第1のパターンと異なり、かつ前記第1のパターンに包摂される第2のパターンを有する認証用微細構造体と、有することを特徴とする物品。
  10. 前記物品は、カード、有価証券、紙幣、認証用部材の何れかであることを特徴とする請求項8又は9に記載の物品。
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