JP6047861B2 - 焦点調節装置およびカメラボディ - Google Patents

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Description

本発明は、焦点調節装置およびカメラボディに関する。
従来より、焦点調節光学系を、予め設定されたサーチ開始位置まで初期駆動させた後に、サーチ開始位置からサーチ駆動を開始することで、光学系の焦点状態の検出を行う焦点調節装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
特開2008−83097号公報
しかしながら、静止画像の撮影を連続して行う場合など、初期駆動開始時に、焦点調節光学系が合焦位置近傍に位置する場合に、焦点調節光学系を予め設定されたサーチ開始位置まで初期駆動させてしまうと、使用するレンズ鏡筒の種類によっては、初期駆動開始位置からサーチ開始位置までの初期駆動量が大きくなり過ぎてしまい、焦点検出に要する時間が長くなってしまう場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、好適な焦点検出が可能な焦点調節装置及びカメラボディを提供することである。
本発明は、以下の解決手段によって上記課題を解決する。なお、以下においては、本発明の実施形態を示す図面に対応する符号を付して説明するが、この符号は発明の理解を容易にするためだけのものであって発明を限定する趣旨ではない。
[1]本発明に係る焦点調節装置は、フォーカスレンズを有する光学系による像を撮像し出力信号を出力する撮像部と前記フォーカスレンズを第1位置に移動させる制御と前記フォーカスレンズを前記第1位置から第1速度移動させるときに前記撮像部から出力された前記出力信号を用いてコントラストに関する評価値を算出する制御と、算出された前記評価値を用いて決定された合焦位置に前記フォーカスレンズ移動させる制御を行う制御部と前記フォーカスレンズの速度と前記フォーカスレンズの移動による像面の移動速度との関係を示す像面移動係数と、前記フォーカスレンズが移動可能な最大の速度である第2速度とを交換レンズから取得する取得部と、前記制御部が前記評価値を算出するときの最大の像面の移動速度である第3速度を演算し、前記像面移動係数と前記第3速度とを用いて前記制御部が前記評価値を算出するときに前記フォーカスレンズが移動可能な最大の速度である第4速度を演算する演算部と、を有し、前記制御部は、前記第2速度と前記第4速度とのうち遅い方の速度を前記第1速度とし、前記第1速度と前記撮像部のフレームレートとを用いて前記第1位置を決定する。
]本発明に係るカメラボディは、フォーカスレンズを有する光学系による像を撮像し出力信号を出力する撮像部と前記フォーカスレンズ第1位置まで移動させる制御と前記フォーカスレンズ前記第1位置から第1速度移動させるときに前記撮像部から出力された前記出力信号を用いてコントラストに関する評価値する制御と、算出された前記評価値を用いて決定された合焦位置に前記フォーカスレンズ移動させる制御を行う制御部と前記フォーカスレンズの速度と前記フォーカスレンズの移動による像面の移動速度との関係を示す像面移動係数と、前記フォーカスレンズが移動可能な最大の速度である第2速度とを交換レンズから取得する取得部と、前記制御部が前記評価値を算出するときの最大の像面の移動速度である第3速度を演算し、前記像面移動係数と前記第3速度とを用いて前記制御部が前記評価値を算出するときに前記フォーカスレンズが移動可能な最大の速度である第4速度を演算する演算部と、を有し、前記制御部は、前記第2速度と前記第4速度とのうち遅い方の速度を前記第1速度とし、前記第1速度と前記撮像部のフレームレートとを用いて前記第1位置を決定する。
本発明によれば、好適な焦点検出が可能な焦点調節装置及びカメラボディを提供できる。
図1は、本実施形態に係るカメラを示すブロック図である。 図2は、図1に示す撮像素子の撮像面における焦点検出位置を示す正面図である。 図3は、図2のIII部を拡大して焦点検出画素222a,222bの配列を模式的に示す正面図である。 図4は、撮像画素221の一つを拡大して示す正面図である。 図5(A)は、焦点検出画素222aの一つを拡大して示す正面図、図5(B)は、焦点検出画素222bの一つを拡大して示す正面図である。 図6は、撮像画素221の一つを拡大して示す断面図である。 図7(A)は、焦点検出画素222aの一つを拡大して示す断面図、図7(B)は、焦点検出画素222bの一つを拡大して示す断面図である。 図8は、図3のVIII-VIII線に沿う断面図である。 図9は、本実施形態に係るカメラの動作を示すフローチャートである。 図10は、本実施形態に係るカメラの動作例を説明するためのグラフである。 図11は、従来のカメラの動作例を説明するためのグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1を示す要部構成図である。本実施形態のデジタルカメラ1(以下、単にカメラ1という。)は、カメラ本体2とレンズ鏡筒3から構成され、これらカメラ本体2とレンズ鏡筒3はマウント部4により着脱可能に結合されている。
レンズ鏡筒3は、カメラ本体2に着脱可能な交換レンズである。図1に示すように、レンズ鏡筒3には、レンズ31,32,33、および絞り34を含む撮影光学系が内蔵されている。
レンズ32は、フォーカスレンズであり、光軸L1方向に移動することで、撮影光学系の焦点距離を調節可能となっている。フォーカスレンズ32は、レンズ鏡筒3の光軸L1に沿って移動可能に設けられ、エンコーダ35によってその位置が検出されつつフォーカスレンズ駆動モータ36によってその位置が調節される。
このフォーカスレンズ32の光軸L1に沿う移動機構の具体的構成は特に限定されない。一例を挙げれば、レンズ鏡筒3に固定された固定筒に回転可能に回転筒を挿入し、この回転筒の内周面にヘリコイド溝(螺旋溝)を形成するとともに、フォーカスレンズ32を固定するレンズ枠の端部をヘリコイド溝に嵌合させる。そして、フォーカスレンズ駆動モータ36によって回転筒を回転させることで、レンズ枠に固定されたフォーカスレンズ32が光軸L1に沿って直進移動することになる。
上述したようにレンズ鏡筒3に対して回転筒を回転させることによりレンズ枠に固定されたフォーカスレンズ32は光軸L1方向に直進移動するが、その駆動源としてのフォーカスレンズ駆動モータ36がレンズ鏡筒3に設けられている。フォーカスレンズ駆動モータ36と回転筒とは、たとえば複数の歯車からなる変速機で連結され、フォーカスレンズ駆動モータ36の駆動軸を何れか一方向へ回転駆動すると所定のギヤ比で回転筒に伝達され、そして、回転筒が何れか一方向へ回転することで、レンズ枠に固定されたフォーカスレンズ32が光軸L1の何れかの方向へ直進移動することになる。なお、フォーカスレンズ駆動モータ36の駆動軸が逆方向に回転駆動すると、変速機を構成する複数の歯車も逆方向に回転し、フォーカスレンズ32は光軸L1の逆方向へ直進移動することになる。
フォーカスレンズ32の位置はエンコーダ35によって検出される。既述したとおり、フォーカスレンズ32の光軸L1方向の位置は回転筒の回転角に相関するので、たとえばレンズ鏡筒3に対する回転筒の相対的な回転角を検出すれば求めることができる。
本実施形態のエンコーダ35としては、回転筒の回転駆動に連結された回転円板の回転をフォトインタラプタなどの光センサで検出して、回転数に応じたパルス信号を出力するものや、固定筒と回転筒の何れか一方に設けられたフレキシブルプリント配線板の表面のエンコーダパターンに、何れか他方に設けられたブラシ接点を接触させ、回転筒の移動量(回転方向でも光軸方向の何れでもよい)に応じた接触位置の変化を検出回路で検出するものなどを用いることができる。
フォーカスレンズ32は、上述した回転筒の回転によってカメラボディ側の端部(至近端ともいう)から被写体側の端部(無限遠端ともいう)までの間を光軸L1方向に移動することができる。ちなみに、エンコーダ35で検出されたフォーカスレンズ32の現在位置情報は、レンズ制御部37を介して後述するカメラ制御部21へ送出され、フォーカスレンズ駆動モータ36は、この情報に基づいて演算されたフォーカスレンズ32の駆動位置が、カメラ制御部21からレンズ制御部37を介して送出されることにより駆動する。
絞り34は、上記撮影光学系を通過して撮像素子22に至る光束の光量を制限するとともにボケ量を調整するために、光軸L1を中心にした開口径が調節可能に構成されている。絞り34による開口径の調節は、たとえば自動露出モードにおいて演算された適切な開口径が、カメラ制御部21からレンズ制御部37を介して送出されることにより行われる。また、カメラ本体2に設けられた操作部28によるマニュアル操作により、設定された開口径がカメラ制御部21からレンズ制御部37に入力される。絞り34の開口径は図示しない絞り開口センサにより検出され、レンズ制御部37で現在の開口径が認識される。
一方、カメラ本体2には、上記撮影光学系からの光束L1を受光する撮像素子22が、撮影光学系の予定焦点面に設けられ、その前面にシャッター23が設けられている。撮像素子22はCCDやCMOSなどのデバイスから構成され、受光した光信号を電気信号に変換してカメラ制御部21に送出する。カメラ制御部21に送出された撮影画像情報は、逐次、液晶駆動回路25に送出されて観察光学系の電子ビューファインダ(EVF)26に表示されるとともに、操作部28に備えられたレリーズボタン(不図示)が全押しされた場合には、その撮影画像情報が、記録媒体であるメモリ24に記録される。メモリ24は着脱可能なカード型メモリや内蔵型メモリの何れをも用いることができる。なお、撮像素子22の撮像面の前方には、赤外光をカットするための赤外線カットフィルタ、および画像の折り返しノイズを防止するための光学的ローパスフィルタが配置されている。撮像素子22の構造の詳細は後述する。
カメラ本体2にはカメラ制御部21が設けられている。カメラ制御部21は、マウント部4に設けられた電気信号接点部41によりレンズ制御部37と電気的に接続され、このレンズ制御部37からレンズ情報を受信するとともに、レンズ制御部37へデフォーカス量や絞り開口径などの情報を送信する。また、カメラ制御部21は、上述したように撮像素子22から画素出力を読み出すとともに、読み出した画素出力について、必要に応じて所定の情報処理を施すことにより画像情報を生成し、生成した画像情報を、電子ビューファインダ26の液晶駆動回路25やメモリ24に出力する。また、カメラ制御部21は、撮像素子22からの画像情報の補正やレンズ鏡筒3の焦点調節状態、絞り調節状態などを検出するなど、カメラ1全体の制御を司る。
また、カメラ制御部21は、上記に加えて、撮像素子22から読み出した画素データに基づき、位相検出方式による撮影光学系の焦点状態の検出、およびコントラスト検出方式による撮影光学系の焦点状態の検出を行う。なお、具体的な焦点状態の検出方法については、後述する。
操作部28は、シャッターレリーズボタンや撮影者がカメラ1の各種動作モードを設定するための入力スイッチであり、オートフォーカスモード/マニュアルフォーカスモードの切換が行えるようになっている。この操作部28により設定された各種モードはカメラ制御部21へ送出され、当該カメラ制御部21によりカメラ1全体の動作が制御される。また、シャッターレリーズボタンは、ボタンの半押しでONとなる第1スイッチSW1と、ボタンの全押しでONとなる第2スイッチSW2とを含む。
次に、本実施形態に係る撮像素子22について説明する。
図2は、撮像素子22の撮像面を示す正面図、図3は、図2のIII部を拡大して焦点検出画素222a,222bの配列を模式的に示す正面図である。
本実施形態の撮像素子22は、図3に示すように、複数の撮像画素221が、撮像面の平面上に二次元的に配列され、緑色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する緑画素Gと、赤色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する赤画素Rと、青色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する青画素Bがいわゆるベイヤー配列(Bayer Arrangement)されたものである。すなわち、隣接する4つの画素群223(稠密正方格子配列)において一方の対角線上に2つの緑画素が配列され、他方の対角線上に赤画素と青画素が1つずつ配列されている。このベイヤー配列された画素群223を単位として、当該画素群223を撮像素子22の撮像面に二次元状に繰り返し配列することで撮像素子22が構成されている。
なお、単位画素群223の配列は、図示する稠密正方格子以外にも、たとえば稠密六方格子配列にすることもできる。また、カラーフィルタの構成や配列はこれに限定されることはなく、補色フィルタ(緑:G、イエロー:Ye、マゼンタ:Mg,シアン:Cy)の配列を採用することもできる。
図4は、撮像画素221の一つを拡大して示す正面図、図6は断面図である。一つの撮像画素221は、マイクロレンズ2211と、光電変換部2212と、図示しないカラーフィルタから構成され、図6の断面図に示すように、撮像素子22の半導体回路基板2213の表面に光電変換部2212が造り込まれ、その表面にマイクロレンズ2211が形成されている。光電変換部2212は、マイクロレンズ2211により撮影光学系の射出瞳(たとえばF1.0)を通過する撮像光束を受光する形状とされ、撮像光束を受光する。
また、撮像素子22の撮像面の中心、ならびに中心から左右対称位置の3箇所には、上述した撮像画素221に代えて焦点検出画素222a,222bが配列された焦点検出画素列22a,22b,22cが設けられている。そして、図3に示すように、一つの焦点検出画素列は、複数の焦点検出画素222aおよび222bが、互いに隣接して交互に、横一列(22a,22c,22c)に配列されて構成されている。本実施形態においては、焦点検出画素222aおよび222bは、ベイヤー配列された撮像画素221の緑画素Gと青画素Bとの位置にギャップを設けることなく密に配列されている。
なお、図2に示す焦点検出画素列22a〜22cの位置は図示する位置にのみ限定されず、何れか一箇所、二箇所にすることもでき、また、四箇所以上の位置に配置することもできる。また、実際の焦点検出に際しては、複数配置された焦点検出画素列22a〜22cの中から、撮影者が操作部28を手動操作することにより所望の焦点検出画素列を、焦点検出位置として選択することもできる。
図5(A)は、焦点検出画素222aの一つを拡大して示す正面図、図7(A)は、焦点検出画素222aの断面図である。また、図5(B)は、焦点検出画素222bの一つを拡大して示す正面図、図7(B)は、焦点検出画素222bの断面図である。焦点検出画素222aは、図5(A)に示すように、マイクロレンズ2221aと、半円形状の光電変換部2222aとから構成され、図7(A)の断面図に示すように、撮像素子22の半導体回路基板2213の表面に光電変換部2222aが造り込まれ、その表面にマイクロレンズ2221aが形成されている。また、焦点検出画素222bは、図5(B)に示すように、マイクロレンズ2221bと、光電変換部2222bとから構成され、図7(B)の断面図に示すように、撮像素子22の半導体回路基板2213の表面に光電変換部2222bが造り込まれ、その表面にマイクロレンズ2221bが形成されている。そして、これら焦点検出画素222aおよび222bは、図3に示すように、互いに隣接して交互に、横一列に配列されることにより、図2に示す焦点検出画素列22a〜22cを構成する。
なお、焦点検出画素222a,222bの光電変換部2222a,2222bは、マイクロレンズ2221a,2221bにより撮影光学系の射出瞳の所定の領域(たとえばF2.8)を通過する光束を受光するような形状とされる。また、焦点検出画素222a,222bにはカラーフィルタは設けられておらず、その分光特性は、光電変換を行うフォトダイオードの分光特性と、図示しない赤外カットフィルタの分光特性を総合したものとなっている。ただし、撮像画素221と同じカラーフィルタのうちの一つ、たとえば緑フィルタを備えるように構成することもできる。
また、図5(A)、図5(B)に示す焦点検出画素222a,222bの光電変換部2222a,2222bは半円形状としたが、光電変換部2222a,2222bの形状はこれに限定されず、他の形状、たとえば、楕円形状、矩形状、多角形状とすることもできる。
ここで、上述した焦点検出画素222a,222bの画素出力に基づいて撮影光学系の焦点状態を検出する、いわゆる位相差検出方式について説明する。
図8は、図3のVIII-VIII線に沿う断面図であり、撮影光軸L1近傍に配置され、互いに隣接する焦点検出画素222a−1,222b−1,222a−2,222b−2が、射出瞳34の測距瞳341,342から照射される光束AB1−1,AB2−1,AB1−2,AB2−2をそれぞれ受光していることを示している。なお、図8においては、複数の焦点検出画素222a,222bのうち、撮影光軸L1近傍に位置するもののみを例示して示したが、図8に示す焦点検出画素以外のその他の焦点検出画素についても、同様に、一対の測距瞳341,342から照射される光束をそれぞれ受光するように構成されている。
ここで、射出瞳34とは、撮影光学系の予定焦点面に配置された焦点検出画素222a,222bのマイクロレンズ2221a,2221bの前方の距離Dの位置に設定された像である。距離Dは、マイクロレンズの曲率、屈折率、マイクロレンズと光電変換部との距離などに応じて一義的に決まる値であって、この距離Dを測距瞳距離と称する。また、測距瞳341,342とは、焦点検出画素222a,222bのマイクロレンズ2221a,2221bにより、それぞれ投影された光電変換部2222a,2222bの像をいう。
なお、図8において焦点検出画素222a−1,222b−1,222a−2,222b−2の配列方向は一対の測距瞳341,342の並び方向と一致している。
また、図8に示すように、焦点検出画素222a−1,222b−1,222a−2,222b−2のマイクロレンズ2221a−1,2221b−1,2221a−2,2221b−2は、撮影光学系の予定焦点面近傍に配置されている。そして、マイクロレンズ2221a−1,2221b−1,2221a−2,2221b−2の背後に配置された各光電変換部2222a−1,2222b−1,2222a−2,2222b−2の形状が、各マイクロレンズ2221a−1,2221b−1,2221a−2,2221b−2から測距距離Dだけ離れた射出瞳34上に投影され、その投影形状は測距瞳341,342を形成する。
すなわち、測距距離Dにある射出瞳34上で、各焦点検出画素の光電変換部の投影形状(測距瞳341,342)が一致するように、各焦点検出画素におけるマイクロレンズと光電変換部の相対的位置関係が定められ、それにより各焦点検出画素における光電変換部の投影方向が決定されている。
図8に示すように、焦点検出画素222a−1の光電変換部2222a−1は、測距瞳341を通過し、マイクロレンズ2221a−1に向う光束AB1−1によりマイクロレンズ2221a−1上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。同様に、焦点検出画素222a−2の光電変換部2222a−2は測距瞳341を通過し、マイクロレンズ2221a−2に向う光束AB1−2によりマイクロレンズ2221a−2上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
また、焦点検出画素222b−1の光電変換部2222b−1は測距瞳342を通過し、マイクロレンズ2221b−1に向う光束AB2−1によりマイクロレンズ2221b−1上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。同様に、焦点検出画素222b−2の光電変換部2222b−2は測距瞳342を通過し、マイクロレンズ2221b−2に向う光束AB2−2によりマイクロレンズ2221b−2上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
そして、上述した2種類の焦点検出画素222a,222bを、図3に示すように直線状に複数配置し、各焦点検出画素222a,222bの光電変換部2222a,2222bの出力を、測距瞳341と測距瞳342とのそれぞれに対応した出力グループにまとめることにより、測距瞳341と測距瞳342とのそれぞれを通過する焦点検出光束が焦点検出画素列上に形成する一対の像の強度分布に関するデータが得られる。そして、この強度分布データに対し、相関演算処理または位相差検出処理などの像ズレ検出演算処理を施すことにより、いわゆる位相差検出方式による像ズレ量を検出することができる。
そして、得られた像ズレ量に一対の測距瞳の重心間隔に応じた変換演算を施すことにより、予定焦点面に対する現在の焦点面(予定焦点面上のマイクロレンズアレイの位置に対応した焦点検出位置における焦点面をいう。)の偏差、すなわちデフォーカス量を求めることができる。
なお、これら位相差検出方式による像ズレ量の演算と、これに基づくデフォーカス量の演算は、カメラ制御部21により実行される。
また、カメラ制御部21は、撮像素子22の撮像画素221の出力を読み出し、読み出した画素出力に基づき、焦点評価値の演算を行う。この焦点評価値は、たとえば撮像素子22の撮像画素221からの画像出力の高周波成分を、高周波透過フィルタを用いて抽出し、これを積算して焦点電圧を検出することで求めることができる。また、遮断周波数が異なる2つの高周波透過フィルタを用いて高周波成分を抽出し、それぞれを積算して焦点電圧を検出することでも求めることができる。
そして、カメラ制御部21は、レンズ制御部37に制御信号を送出してフォーカスレンズ32を所定のサンプリング間隔(距離)で駆動させ、それぞれの位置における焦点評価値を求め、該焦点評価値が最大となるフォーカスレンズ32の位置を合焦位置として求める、コントラスト検出方式による焦点検出を実行する。なお、この合焦位置は、たとえば、フォーカスレンズ32を駆動させながら焦点評価値を算出した場合に、焦点評価値が、2回上昇した後、さらに、2回下降して推移した場合に、これらの焦点評価値を用いて、内挿法などの演算を行うことで求めることができる。
次いで、本実施形態に係るカメラ1の動作を説明する。図9は、本実施形態に係るカメラ1の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS1では、カメラ制御部21により、シャッターレリーズボタンの半押し(第1スイッチSW1のオン)がされたかどうかの判断が行われる。第1スイッチSW1がオンした場合はステップS2へ進み、第1スイッチSW1がオンしていない場合はステップS1で待機する。
ステップS2では、カメラ制御部21により、基準駆動速度Vstd_lnsの算出が行われる。ここで、基準駆動速度Vstd_lnsとは、コントラスト検出方式により合焦位置の検出が可能な、フォーカスレンズ32の駆動速度である。たとえば、基準駆動速度Vstd_lnsを、コントラスト検出方式により合焦位置の検出が可能なフォーカスレンズ32の駆動速度のうち最大の速度とすることもできるし、あるいは、コントラスト検出方式により合焦位置の検出が可能なフォーカスレンズ32の最大駆動速度よりも若干遅い速度とすることもできる。上述したように、コントラスト検出方式による焦点検出は、フォーカスレンズ32をサーチ駆動させながら、所定のサンプリング間隔で、焦点評価値を算出するものである。この焦点評価値のサンプリング間隔は、フォーカスレンズ32の駆動速度が速くなるほど大きくなるものであり、フォーカスレンズ32の駆動速度が所定速度を越えた場合には、焦点評価値のサンプリング間隔が大きくなり過ぎて、合焦位置を適切に検出することができなくなってしまう。基準駆動速度Vstd_lnsは、コントラスト検出方式により合焦位置の検出が可能な速度である。以下に、基準駆動速度Vstd_lnsの算出方法について説明する。
すなわち、カメラ制御部21は、まず、合焦位置を適切に検出することができる焦点評価値のサンプリング間隔のうち、最大のサンプリング間隔(最大サンプリング間隔ともいう)を取得する。この最大サンプリング間隔は、絞り値に応じた値であり、たとえば、絞り値がF2.8である場合には、最大サンプリング間隔が、像面移動量で200μm程度となる。なお、最大サンプリング間隔は、たとえば、カメラ制御部21が備える記憶部に、絞り値と対応付けて予め記憶しておくことができ、これにより、カメラ制御部21は、絞り値に基づいて、最大サンプリング間隔を取得することができる。
そして、カメラ制御部21は、取得した最大サンプリング間隔と、撮像素子22のフレームレートとに基づいて、像面移動量に基づく基準駆動速度Vstd_imgを算出する。たとえば、取得した最大サンプリング間隔が像面移動量で200μmであり、フレームレートが60fpsである場合には、カメラ制御部21は、基準駆動速度Vstd_imgを、200×60=12000(μm/s)=12(mm/s)として算出することができる。
なお、基準駆動速度Vstd_imgは像面移動速度に基づく速度であるため、カメラ制御部21は、像面移動速度に基づく基準駆動速度Vstd_imgを、フォーカスレンズ32の実際の駆動速度に基づく基準駆動速度Vstd_lnsに変換する。具体的には、カメラ制御部21は、レンズ制御部37から、フォーカスレンズ32の像面移動係数(フォーカスレンズ32の駆動に伴う像面移動速度/フォーカスレンズ32の実際の駆動速度)を含むレンズ情報を取得する。そして、カメラ制御部21は、取得した像面移動係数に基づいて、基準駆動速度Vstd_imgを基準駆動速度Vstd_lnsに変換する。なお、像面移動係数は、たとえば、レンズ制御部37が備える記憶部に記憶しておくことができる。
次いで、ステップS3では、カメラ制御部21により、フォーカスレンズ32の最大駆動速度Vmax_lnsの取得が行われる。ここで、最大駆動速度Vmax_lnsとは、フォーカスレンズ32が実際に駆動可能な速度のうち最大の速度であり、フォーカスレンズ駆動モータ36の性能やレンズ鏡筒2の駆動機構によって決定される速度である。フォーカスレンズ32のVmax_lnsは、たとえば、レンズ制御部37の記憶部に記憶されており、カメラ制御部21は、レンズ制御部37から、最大駆動速度Vmax_lnsを取得することができる。
ステップS4では、カメラ制御部21により、ステップS2で算出された基準駆動速度Vstd_lnsと、ステップS3で取得された最大駆動速度Vmax_lnsとの比較が行われる。比較の結果、最大駆動速度Vmax_lnsが基準駆動速度Vstd_lnsよりも小さいと判断された場合は、ステップS5に進み、ステップS5において、カメラ制御部21により、最大駆動速度Vmax_lnsが、フォーカスレンズ32のサーチ駆動速度Vsrchに設定される。一方、基準駆動速度Vstd_lnsが最大駆動速度Vmax_lns以下であると判断された場合は、ステップS6に進み、ステップS6において、カメラ制御部21により、基準駆動速度Vstd_lnsが、フォーカスレンズ32のサーチ駆動速度Vsrchに設定される。
ステップS7では、カメラ制御部21により、フォーカスレンズ32を、サーチ開始位置まで駆動させるための初期駆動量の算出が行われる。具体的には、カメラ制御部21は、ステップS5またはステップS6で設定したサーチ駆動速度Vsrchと、撮像素子22のフレームレートとに基づいて、下記式(1)に従って、初期駆動量を算出する。
Figure 0006047861
なお、上記式(1)において、kは、0.5よりも大きい実数であり、以下に説明するように設定することができる。
すなわち、上記式(1)において、サーチ駆動速度Vsrch×(1/撮像素子のフレームレート)は、焦点評価値のサンプリング間隔を表しており、たとえば、図10に示す例では、焦点評価値の取得が行われるP1の位置からP2の位置までの距離Δdや、P2の位置からP3の位置までの距離Δdを表している。そのため、上記式(1)において、kは、サーチ開始位置から初期駆動の開始位置までに算出される焦点評価値の数に対応するものとなり、たとえば、kを2に設定した場合は、図10に示すように、サーチ開始位置であるP1の位置から初期駆動の開始位置であるP3の位置までに、P1,P2,P3の3点で、焦点評価値が取得され、また、kを1に設定した場合は、サーチ開始位置がP2の位置となり、サーチ開始位置であるP2の位置から初期駆動の開始位置であるP3の位置までに、P2,P3の2点で、焦点評価値が取得される。
このように、kは、サーチ開始位置から初期駆動の開始位置までに算出される焦点評価値の数に対応するため、たとえば、図10に示すように、焦点評価値が、2回上昇した後、さらに、2回下降して推移した場合に、これら5点の焦点評価値を用いて焦点評価値のピーク位置(合焦位置)を求める場合には、kを2に設定することで、サーチ開始位置であるP1の位置から初期駆動開始時のP3の位置までに、焦点評価値を3点取得することができ、図10に示すように、必要最小限の数の焦点評価値、すなわち、P1〜P5における5点の焦点評価値で、焦点評価値のピークを検出することができる。これに対して、たとえば、kを3に設定した場合には、初期駆動量が大きくなり過ぎてしまい、P1の位置よりも至近側の位置(不図示)において余分な焦点評価値の検出が行われてしまうため、焦点検出に要する時間が長くなってしまう。また、kを1に設定した場合には、初期駆動量が小さくなり過ぎてしまい、P3の位置近傍で焦点評価値のピークを検出することができなくなってしまう。このような事情を考慮して、kは、合焦位置を適切に検出することができる、合焦位置の検出方法に応じた値に設定される。
たとえば、図10に示す例において、焦点評価値が、1回上昇した後、さらに、1回下降して推移した場合に、これらの焦点評価値を用いて焦点評価値のピーク位置を求める場合には、上記式(1)中のkを1に設定することで、P2の位置がサーチ開始位置に決定され,P2,P3,P4の3点で算出された焦点評価値に基づいて、P3の位置近傍で焦点評価値のピークを適切に検出することができる。さらに、焦点評価値が、1回上昇した後、さらに、1回下降して推移した場合に、これらの焦点評価値を用いて焦点評価値のピーク位置を求める場合では、サーチ開始位置を、たとえば、図10に示すP2とP3との中間位置よりも若干至近側の位置(若干P2の位置に近い位置)とした場合でも、算出される焦点評価値は、1回上昇した後、さらに、1回下降して推移するため、P3の位置近傍において、焦点評価値のピークを検出することができる。そのため、焦点評価値が、1回上昇した後、さらに、1回下降して推移した場合に、これらの焦点評価値を用いて焦点評価値のピーク位置(合焦位置)を求める場合では、kを1よりも小さく0.5よりも大きい実数に設定することもできる。
次いで、ステップS8では、カメラ制御部21により、初期駆動が実行される。具体的には、カメラ制御部21は、ステップS7で算出した初期駆動量を、レンズ制御部37を介して、フォーカスレンズ駆動モータ36に送信する。これにより、フォーカスレンズ駆動モータ36は、初期駆動量に基づいて、フォーカスレンズ32を、サーチ駆動を開始するための位置(サーチ開始位置)まで駆動させる初期駆動を行う。なお、フォーカスレンズ32の初期駆動は、無限端から至近端に向かって行なってもよいし、あるいは、至近端から無限端に向かって行なってもよい。
そして、ステップS9では、カメラ制御部21により、サーチ駆動が実行される。具体的には、カメラ制御部21は、レンズ制御部37にサーチ駆動開始指令を送出し、レンズ制御部37は、カメラ制御部21からの指令に基づき、フォーカスレンズ駆動モータ36を駆動させ、フォーカスレンズ32を光軸L1に沿ってサーチ駆動させる。
そして、カメラ制御部21は、フォーカスレンズ32を駆動させながら、所定間隔で、撮像素子22の撮像画素221から画素出力の読み出しを行い、これに基づき、焦点評価値を算出し、これにより、異なるフォーカスレンズ位置における焦点評価値を取得することで、コントラスト検出方式により合焦位置の検出を行う。
ステップS10では、カメラ制御部21により、サーチ駆動を行なった結果、合焦位置が検出できたか否かの判定が行なわれる。合焦位置が検出された場合には、ステップS12に進み、一方、合焦位置が検出されなかった場合には、ステップS11に進む。
ステップS11では、カメラ制御部21により、サーチ駆動を、フォーカスレンズ32の駆動可能範囲の全域について行なったか否かの判定が行なわれる。フォーカスレンズ32の駆動可能範囲の全域について、サーチ駆動を行なっていない場合には、ステップS10に戻り、フォーカスレンズ32をサーチ駆動させながら、コントラスト検出方式による合焦位置の検出を継続して行なう。一方、フォーカスレンズ32の駆動可能範囲の全域について、サーチ駆動が完了している場合には、ステップS14に進む。
そして、サーチ動作を実行した結果、ステップS10において、合焦位置が検出できたと判定された場合には、ステップS12に進み、検出された合焦位置に基づいて、フォーカスレンズ32を、合焦位置まで駆動させる合焦駆動が行なわれる。
フォーカスレンズ32の合焦位置への駆動が完了すると、ステップS13に進み、合焦表示が行なわれる。なお、ステップS13における合焦表示は、たとえば、電子ビューファインダ26により行われる。また、合焦表示を行なう際には、合焦動作が行われた旨をユーザに報知するための表示を併せて行なってもよい。
一方、ステップS11において、フォーカスレンズ32の駆動可能範囲の全域について、サーチ駆動が完了していると判定された場合には、ステップS14に進む。ステップS14では、サーチ駆動を行なった結果、焦点検出を行うことができなかったため、サーチ駆動の終了処理が行なわれ、次いで、ステップS15に進み、合焦不能表示が行なわれる。合焦不能表示は、たとえば、電子ビューファインダ26により行われる。
次いで、図10を参照して、本実施形態に係るカメラ1の動作例を説明する。図10に示す例では、初期駆動開始時に、フォーカスレンズ32が、合焦位置近傍のP3の位置にある場面を例示している。シャッターレリーズボタンが半押しされると(ステップS1=Yes)、まず、カメラ制御部21により、初期駆動量の算出が行われる。ここで、図10に示す例において、最大サンプリング間隔が像面移動量で200μmであり、また、撮像素子22のフレームレートが60fpsである場合、基準駆動速度Vstd_lnsは、像面移動速度で200(μm)×60(fps)=12mm/sとして算出される(ステップS2)。また、図10に示す例では、フォーカスレンズ32の最大駆動速度Vmax_lnsが、像面移動速度で6mm/sとして取得されるものとする(ステップS3)。この場合、最大駆動速度Vmax_lnsが、基準駆動速度Vstd_lnsよりも小さいため(ステップS4=Yes)、最大駆動速度Vmax_lnsが、サーチ駆動速度Vsrchに設定される(ステップS5)。そして、上記式(1)に従い、初期駆動量が算出される(ステップS7)。ここで、図10に示す例では、焦点評価値が、2回上昇した後、さらに、2回下降して推移した場合に、これらの焦点評価値を用いて焦点評価値のピーク位置を求めるため、サーチ開始位置から初期駆動開始時のフォーカスレンズ位置(図10に示すP3の位置)までに、焦点評価値を3点取得できるように、上記式(1)中のkは2に設定される。そして、サーチ駆動速度Vsrchが像面移動速度で6mm/sであり、撮像素子22のフレームレートが60fpsである場合に、初期駆動量は、像面移動量で6(mm/s)×(2/60(fps))=200μmとして算出される。
そして、算出された初期駆動量に基づいて、フォーカスレンズ32の初期駆動が行われ(ステップS8)、フォーカスレンズ32が、初期駆動開始時におけるP3の位置から、サーチ開始位置(図10に示すP1の位置)まで駆動される。初期駆動が完了すると、サーチ開始位置であるP1の位置からサーチ駆動が行われ、P1,P2,P3,P4,P5の各位置において、焦点評価値の取得が行われる。そして、フォーカスレンズ32がP5の位置まで駆動された時点で、算出された焦点評価値が、P2,P3において2回上昇した後、P4,P5で2回下降して推移しているため、内挿法により、P3の位置近傍において焦点評価値のピーク位置が合焦位置として検出され(ステップS10=Yes)、検出された合焦位置まで、フォーカスレンズ32を駆動するための合焦駆動(ステップS12)が行なわれる。
なお、上記においては、説明を容易にするため、基準駆動速度Vstd_lnsおよび最大駆動速度Vmax_lnsを像面移動速度で説明したが、本実施形態において、基準駆動速度Vstd_lnsおよび最大駆動速度Vmax_lnsは、フォーカスレンズ32の実際の駆動速度で算出される。また、同様に、初期駆動量を、像面移動量で説明したが、本実施形態において、初期駆動量は、フォーカスレンズ32の実際の駆動量で算出される。
以上のように、本実施形態に係るカメラ1では、フォーカスレンズ32の最大駆動速度Vmax_lnsと基準駆動速度Vstd_lnsとを比較して、最大駆動速度Vmax_lnsおよび基準駆動速度Vstd_lnsのうち小さい方の速度を、サーチ駆動速度Vsrchとして設定する。そして、設定したサーチ駆動速度Vsrchおよび撮像素子22のフレームレートに基づいて、フォーカスレンズ32の初期駆動量を算出し、初期駆動量に基づいて、サーチ駆動を開始するサーチ開始位置を決定する。これにより、本実施形態では、図10に示すように、静止画像の撮影を連続して行う場合など、初期駆動開始時に、フォーカスレンズ32が合焦位置近傍に位置する状態で、焦点調節を開始する場合において、サーチ開始位置から、焦点評価値のピークを検出するために必要最小限の焦点評価値の数で、焦点評価値のピークを検出することができるため、焦点検出に要する時間を短縮することができる。
一方、図11では、最大駆動速度Vmax_lnsと基準駆動速度Vstd_lnsとを比較することなく、基準駆動速度Vstd_lnsのみに基づいて、フォーカスレンズ32の初期駆動量を算出する場面を例示している。ここで、図10に示す例と同様に、基準駆動速度Vstd_lnsが像面移動速度で12mm/sであり、撮像素子22のフレームレートが60fpsである場合、図11に示す例においては、初期駆動量が、像面移動量で12(mm/s)×{2/60(fps)}=400μmとして算出され、図11に示すP11の位置が、サーチ開始位置として決定される。そして、図11に示す例では、サーチ開始位置であるP11の位置から、サーチ駆動が開始され、P11〜P17の各位置において、焦点評価値が算出され、フォーカスレンズ32がP17の位置まで駆動された時点で、初期駆動開始時のP15の位置近傍で、焦点評価値のピーク位置が検出される。このように、図11に示す例では、最大駆動速度Vmax_lnsよりも大きい基準駆動速度Vstd_lnsに基づいて、初期駆動量を算出しているため、図10に示す例と比べて、初期駆動量が大きくなり過ぎてしまい、焦点評価値のピークが検出されるまでに、焦点評価値が2つ余分に算出されることとなり(P11,P12の焦点評価値が余分に算出される)、焦点検出に要する時間が長くなってしまう。これに対して、本実施形態では、最大駆動速度Vmax_lnsと基準駆動速度Vstd_lnsとを比較して、初期駆動量を適切に算出することができるため、図10に示すように、焦点検出に要する時間を短縮することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述した実施形態では、静止画像を撮影する際のカメラ1の動作を例示したが、本発明は、動画像の撮影における焦点調節にも適用することができる。また、上述した実施形態では、初期駆動量を算出する際に、フォーカスレンズ32の最大駆動速度Vmax_lnsを用いているが、焦点調節動作における静音化のために、動画像撮影時のフォーカスレンズ32の最大駆動速度Vmax_lnsが、静止画像撮影時のフォーカスレンズ32の最大駆動速度Vmax_lnsと異なる場合がある。このような場合、静止画像を撮影している場合には、静止画像の撮影時のフォーカスレンズ32の最大駆動速度Vmax_lnsを用い、動画像を撮影している場合には、動画像の撮影時のフォーカスレンズ32の最大駆動速度Vmax_lnsを用いればよい。さらに、上述した実施形態では、初期駆動量を算出する際に、撮像素子22のフレームレートを用いているが、動画像の撮影時と、静止画像の撮影時とでは、撮像素子22のフレームレートが異なる場合がある。このような場合も、静止画像を撮影している場合には、静止画像撮影時のフレームレートを用い、動画像を撮影している場合には、動画像撮影時のフレームレートを用いるようにすればよい。
さらに、上述した実施形態では、像面移動速度に基づく基準駆動速度Vstd_imgを、フォーカスレンズ32の実際の駆動速度に基づく基準駆動速度Vstd_lnsに変換し、フォーカスレンズ32の実際の駆動速度に基づく基準駆動速度Vstd_lnsと最大駆動速度Vmax_lnsとを比較しているが、この構成に限定されず、フォーカスレンズ32の実際の駆動速度に基づく最大駆動速度Vmax_lnsを、像面移動速度に基づく最大駆動速度Vmax_imgに変換し、像面移動速度に基づく基準駆動速度Vstd_imgと最大駆動速度Vmax_imgとを比較する構成としてもよい。
なお、上述した実施形態のカメラ1は特に限定されず、例えば、デジタルビデオカメラ、一眼レフデジタルカメラ、レンズ一体型のデジタルカメラ、携帯電話用のカメラなどのその他の光学機器に本発明を適用してもよい。
1…デジタルカメラ
2…カメラ本体
21…カメラ制御部
22…撮像素子
221…撮像画素
3…レンズ鏡筒
32…フォーカスレンズ
36…フォーカスレンズ駆動モータ
37…レンズ制御部

Claims (9)

  1. フォーカスレンズを有する光学系による像を撮像し出力信号を出力する撮像部と、
    前記フォーカスレンズを第1位置に移動させる制御と、前記フォーカスレンズを前記第1位置から第1速度で移動させるときに前記撮像部から出力された前記出力信号を用いてコントラストに関する評価値を算出する制御と、算出された前記評価値を用いて決定された合焦位置に前記フォーカスレンズを移動させる制御とを行う制御部と、
    前記フォーカスレンズの速度と前記フォーカスレンズの移動による像面の移動速度との関係を示す像面移動係数と、前記フォーカスレンズが移動可能な最大の速度である第2速度とを交換レンズから取得する取得部と、
    前記制御部が前記評価値を算出するときの最大の像面の移動速度である第3速度を演算し、前記像面移動係数と前記第3速度とを用いて前記制御部が前記評価値を算出するときに前記フォーカスレンズが移動可能な最大の速度である第4速度を演算する演算部と、を有し、
    前記制御部は、前記第2速度と前記第4速度とのうち遅い方の速度を前記第1速度とし、前記第1速度と前記撮像部のフレームレートとを用いて前記第1位置を決定する焦点調節装置。
  2. 請求項1に記載の焦点調節装置であって、
    絞り値により変化する前記評価値のサンプリング間隔を記憶する記憶部を有し、
    前記演算部は、前記サンプリング間隔と前記フレームレートとを用いて前記第4速度を演算する焦点調節装置。
  3. 請求項1または2に記載の焦点調節装置であって、
    前記制御部は、下記式(3)に基づいて、前記フォーカスレンズを前記第1位置まで移動させるための初期駆動量を算出する焦点調節装置。
    Figure 0006047861
    (式(3)中、kは0.5より大きい実数である。)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の焦点調節装置であって、
    前記フォーカスレンズを前記第1位置に移動する前の前記フォーカスレンズの位置と前記第1位置との距離は、前記フレームレートが高くなるほど短くなり、前記第1速度が速くなるほど長くなる焦点調節装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の焦点調節装置を有するカメラボディ。
  6. フォーカスレンズを有する光学系による像を撮像し出力信号を出力する撮像部と、
    前記フォーカスレンズを第1位置まで移動させる制御と、前記フォーカスレンズを前記第1位置から第1速度で移動させるときに前記撮像部から出力された前記出力信号を用いてコントラストに関する評価値する制御と、算出された前記評価値を用いて決定された合焦位置に前記フォーカスレンズを移動させる制御とを行う制御部と、
    前記フォーカスレンズの速度と前記フォーカスレンズの移動による像面の移動速度との関係を示す像面移動係数と、前記フォーカスレンズが移動可能な最大の速度である第2速度とを交換レンズから取得する取得部と、
    前記制御部が前記評価値を算出するときの最大の像面の移動速度である第3速度を演算し、前記像面移動係数と前記第3速度とを用いて前記制御部が前記評価値を算出するときに前記フォーカスレンズが移動可能な最大の速度である第4速度を演算する演算部と、を有し、
    前記制御部は、前記第2速度と前記第4速度とのうち遅い方の速度を前記第1速度とし、前記第1速度と前記撮像部のフレームレートとを用いて前記第1位置を決定するカメラボディ。
  7. 請求項6に記載のカメラボディであって、
    絞り値により変化する前記評価値のサンプリング間隔を記憶する記憶部を有し、
    前記演算部は、前記サンプリング間隔と前記フレームレートとを用いて前記第4速度を演算するカメラボディ。
  8. 請求項6または7に記載のカメラボディであって、
    前記制御部は、下記式(3)に基づいて、前記フォーカスレンズを前記第1位置まで移動させるための初期駆動量を算出するカメラボディ。
    Figure 0006047861
    (式(3)中、kは0.5より大きい実数である。)
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載のカメラボディであって、
    前記フォーカスレンズを前記第1位置に移動する前の前記フォーカスレンズの位置と前記第1位置との距離は、前記フレームレートが高くなるほど短くなり、前記第1速度が速くなるほど長くなるカメラボディ。
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