JP2014074855A - 焦点調節装置および撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】好適な焦点調節制御を実現することができる焦点調節装置を提供する。
【解決手段】焦点調節光学系32を有する光学系による像を撮像し画像信号を出力する撮像部22と、前記画像信号に基づいて、前記光学系の焦点状態を検出する焦点検出部21と、所定の間隔で連写撮影を行う第1の連写撮影モードと、前記第1の連写撮影モードよりも短い撮像間隔で連写撮影を行う第2の連写撮影モードとを設定可能なモード設定部28と、前記焦点検出部の検出結果の履歴に基づいて前記被写体の像面位置を予測し、予測した像面位置に対応する前記焦点調節光学系のレンズ位置を算出する予測演算処理を実行し、前記焦点調節光学系を前記レンズ位置まで駆動させる制御部21とを備え、前記制御部は、前記第1連写モードが設定されている場合と前記第2連写モードが設定されている場合とで、前記予測演算処理における演算方法を異ならせる。
【選択図】図1
【解決手段】焦点調節光学系32を有する光学系による像を撮像し画像信号を出力する撮像部22と、前記画像信号に基づいて、前記光学系の焦点状態を検出する焦点検出部21と、所定の間隔で連写撮影を行う第1の連写撮影モードと、前記第1の連写撮影モードよりも短い撮像間隔で連写撮影を行う第2の連写撮影モードとを設定可能なモード設定部28と、前記焦点検出部の検出結果の履歴に基づいて前記被写体の像面位置を予測し、予測した像面位置に対応する前記焦点調節光学系のレンズ位置を算出する予測演算処理を実行し、前記焦点調節光学系を前記レンズ位置まで駆動させる制御部21とを備え、前記制御部は、前記第1連写モードが設定されている場合と前記第2連写モードが設定されている場合とで、前記予測演算処理における演算方法を異ならせる。
【選択図】図1
Description
本発明は、焦点調節装置および撮像装置に関する。
従来より、被写体に追従して、焦点調節光学系を被写体に対応するレンズ位置まで駆動させる際に、被写体の移動方向に応じてレンズ位置を補正し、補正したレンズ位置まで、焦点調節光学系を駆動させる技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
連写撮影を行う場合、連写撮影のモードによっては、一定時間で十分な数の焦点検出データが得られるために、被写体に対応するレンズ位置を高い精度で算出することができる場合がある一方、一定時間で十分な数の焦点検出データが得られないために、被写体に対応するレンズ位置を高い精度で算出することができない場合もあった。
本発明が解決しようとする課題は、好適な焦点調節制御を実現することができる焦点調節装置を提供することである。
本発明は、以下の解決手段によって上記課題を解決する。なお、以下においては、本発明の実施形態を示す図面に対応する符号を付して説明するが、この符号は発明の理解を容易にするためだけのものであって発明を限定する趣旨ではない。
[1]本発明に係る焦点調節装置は、焦点調節光学系(32)を有する光学系による像を撮像し、撮像した像に対応する画像信号を出力する撮像部(22)と、前記撮像部から出力された前記画像信号に基づいて、前記光学系の焦点状態を検出する焦点検出部(21)と、所定の撮像間隔で連写撮影を行う第1の連写撮影モードと、前記第1の連写撮影モードによる連写撮影よりも短い撮像間隔で連写撮影を行う第2の連写撮影モードとを設定可能なモード設定部(28)と、前記焦点検出部の検出結果の履歴に基づいて、前記被写体の像面位置を予測し、予測した前記被写体の像面位置に対応する前記焦点調節光学系のレンズ位置を算出する予測演算処理を実行し、前記焦点調節光学系を前記レンズ位置まで駆動させる制御をする制御部(21)と、を備え、前記制御部は、前記第1連写モードが設定されている場合と、前記第2連写モードが設定されている場合とで、前記予測演算処理における演算方法を異ならせることを特徴とする。
[2] 上記焦点調節装置に係る発明において、前記第1の連写撮影モードにおける連写撮影と、前記第2の連写撮影モードにおける連写撮影とは、前記撮像部(22)による信号出力モードの切り替えの有無、前記撮像部におけるブラックアウトの発生の有無、前記撮像部の出力を圧縮するか否か、絞り値の制限の有無、および消費電力の大きさのうち、少なくとも1つが異なるように構成することができる。
[3]上記焦点調節装置に係る発明において、前記制御部(21)は、前記被写体の像面位置を予測する際に用いる補正係数として、前記第1連写撮影モードが設定されている場合には、第1像面補正係数を用い、前記第2連写撮影モードが設定されている場合には、前記第1像面補正係数よりも小さい第2像面補正係数を用いるように構成することができる。
[4]上記焦点調節装置に係る発明において、前記制御部(21)は、前記予測した被写体の像面位置に対応する前記焦点調節光学系のレンズ位置を算出する際に用いる補正係数として、前記第1連写撮影モードが設定されている場合には、第1レンズ補正係数を用い、前記第2連写撮影モードが設定されている場合には、前記第1レンズ補正係数よりも小さい第2レンズ補正係数を用いるように構成することができる。
[5]上記焦点調節装置に係る発明において、前記制御部(21)は、前記被写体の像面位置を予測する際に用いる前記焦点検出部の検出結果の履歴として、前記第1連写撮影モードが設定されている場合には、第1検出時間前までに算出された前記検出結果の履歴を用い、前記第2連写撮影モードが設定されている場合には、前記第1検出時間よりも長い前記第2検出時間までに算出された前記検出結果の履歴を用いるように構成することができる。
[6]本発明に係る撮像装置は、上記焦点調節装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、好適な焦点調節制御を実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1を示す要部構成図である。本実施形態のデジタルカメラ1(以下、単にカメラ1という。)は、カメラ本体2とレンズ鏡筒3から構成され、これらカメラ本体2とレンズ鏡筒3はマウント部4により着脱可能に結合されている。
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1を示す要部構成図である。本実施形態のデジタルカメラ1(以下、単にカメラ1という。)は、カメラ本体2とレンズ鏡筒3から構成され、これらカメラ本体2とレンズ鏡筒3はマウント部4により着脱可能に結合されている。
レンズ鏡筒3は、カメラ本体2に着脱可能な交換レンズである。図1に示すように、レンズ鏡筒3には、レンズ31,32,33、および絞り34を含む撮影光学系が内蔵されている。
レンズ32は、フォーカスレンズであり、光軸L1方向に移動することで、撮影光学系の焦点距離を調節可能となっている。フォーカスレンズ32は、レンズ鏡筒3の光軸L1に沿って移動可能に設けられ、エンコーダ35によってその位置が検出されつつフォーカスレンズ駆動モータ36によってその位置が調節される。
このフォーカスレンズ32の光軸L1に沿う移動機構の具体的構成は特に限定されない。一例を挙げれば、レンズ鏡筒3に固定された固定筒に回転可能に回転筒を挿入し、この回転筒の内周面にヘリコイド溝(螺旋溝)を形成するとともに、フォーカスレンズ32を固定するレンズ枠の端部をヘリコイド溝に嵌合させる。そして、フォーカスレンズ駆動モータ36によって回転筒を回転させることで、レンズ枠に固定されたフォーカスレンズ32が光軸L1に沿って直進移動することになる。
上述したようにレンズ鏡筒3に対して回転筒を回転させることによりレンズ枠に固定されたフォーカスレンズ32は光軸L1方向に直進移動するが、その駆動源としてのフォーカスレンズ駆動モータ36がレンズ鏡筒3に設けられている。フォーカスレンズ駆動モータ36と回転筒とは、たとえば複数の歯車からなる変速機で連結され、フォーカスレンズ駆動モータ36の駆動軸を何れか一方向へ回転駆動すると所定のギヤ比で回転筒に伝達され、そして、回転筒が何れか一方向へ回転することで、レンズ枠に固定されたフォーカスレンズ32が光軸L1の何れかの方向へ直進移動することになる。なお、フォーカスレンズ駆動モータ36の駆動軸が逆方向に回転駆動すると、変速機を構成する複数の歯車も逆方向に回転し、フォーカスレンズ32は光軸L1の逆方向へ直進移動することになる。
フォーカスレンズ32の位置はエンコーダ35によって検出される。既述したとおり、フォーカスレンズ32の光軸L1方向の位置は回転筒の回転角に相関するので、たとえばレンズ鏡筒3に対する回転筒の相対的な回転角を検出すれば求めることができる。
本実施形態のエンコーダ35としては、回転筒の回転駆動に連結された回転円板の回転をフォトインタラプタなどの光センサで検出して、回転数に応じたパルス信号を出力するものや、固定筒と回転筒の何れか一方に設けられたフレキシブルプリント配線板の表面のエンコーダパターンに、何れか他方に設けられたブラシ接点を接触させ、回転筒の移動量(回転方向でも光軸方向の何れでもよい)に応じた接触位置の変化を検出回路で検出するものなどを用いることができる。
フォーカスレンズ32は、上述した回転筒の回転によってカメラボディ側の端部(至近端ともいう)から被写体側の端部(無限端ともいう)までの間を光軸L1方向に移動することができる。ちなみに、エンコーダ35で検出されたフォーカスレンズ32の現在位置情報は、レンズ制御部37を介して後述するカメラ制御部21へ送出され、フォーカスレンズ駆動モータ36は、この情報に基づいて演算されたフォーカスレンズ32の駆動位置が、カメラ制御部21からレンズ制御部37を介して送出されることにより駆動する。
絞り34は、上記撮影光学系を通過して撮像素子22に至る光束の光量を制限するとともにボケ量を調整するために、光軸L1を中心にした開口径が調節可能に構成されている。絞り34による開口径の調節は、たとえば自動露出モードにおいて演算された適切な開口径が、カメラ制御部21からレンズ制御部37を介して送出されることにより行われる。また、カメラ本体2に設けられた操作部28によるマニュアル操作により、設定された開口径がカメラ制御部21からレンズ制御部37に入力される。絞り34の開口径は図示しない絞り開口センサにより検出され、レンズ制御部37で現在の開口径が認識される。
一方、カメラ本体2には、上記撮影光学系からの光束L1を受光する撮像素子22が、撮影光学系の予定焦点面に設けられ、その前面にシャッター23が設けられている。撮像素子22はCCDやCMOSなどのデバイスから構成され、受光した光信号を電気信号に変換してカメラ制御部21に送出する。カメラ制御部21に送出された撮影画像情報は、逐次、液晶駆動回路25に送出されて観察光学系の電子ビューファインダ(EVF)26に表示されるとともに、操作部28に備えられたレリーズボタン(不図示)が全押しされた場合には、その撮影画像情報が、記録媒体であるカメラメモリ24に記録される。なお、カメラメモリ24は着脱可能なカード型メモリや内蔵型メモリの何れをも用いることができる。撮像素子22の構造の詳細は後述する。
カメラ本体2には、撮像素子22で撮像される像を観察するための観察光学系が設けられている。本実施形態の観察光学系は、液晶表示素子からなる電子ビューファインダ(EVF)26と、これを駆動する液晶駆動回路25と、接眼レンズ27とを備えている。液晶駆動回路25は、撮像素子22で撮像され、カメラ制御部21へ送出された撮影画像情報を読み込み、これに基づいて電子ビューファインダ26を駆動する。これにより、ユーザは、接眼レンズ27を通して現在の撮影画像を観察することができる。なお、光軸L2による上記観察光学系に代えて、または、これに加えて、液晶ディスプレイをカメラ本体2の背面等に設け、この液晶ディスプレイに撮影画像を表示させることもできる。
カメラ本体2にはカメラ制御部21が設けられている。カメラ制御部21は、マウント部4に設けられた電気信号接点部41によりレンズ制御部37と電気的に接続され、このレンズ制御部37からレンズ情報を受信するとともに、レンズ制御部37へデフォーカス量や絞り開口径などの情報を送信する。また、カメラ制御部21は、上述したように撮像素子22から画素出力を読み出すとともに、読み出した画素出力について、必要に応じて所定の情報処理を施すことにより画像情報を生成し、生成した画像情報を、電子ビューファインダ26の液晶駆動回路25やメモリ24に出力する。また、カメラ制御部21は、撮像素子22からの画像情報の補正やレンズ鏡筒3の焦点調節状態、絞り調節状態などを検出するなど、カメラ1全体の制御を司る。
また、カメラ制御部21は、上記に加えて、撮像素子22から読み出した画素データに基づき、位相検出方式による撮影光学系の焦点状態の検出、およびコントラスト検出方式による撮影光学系の焦点状態の検出を行う。なお、具体的な焦点状態の検出方法については、後述する。
操作部28は、シャッターレリーズボタンなどの撮影者がカメラ1の各種動作モードを設定するための入力スイッチであり、単写撮影/連写撮影の切換えや、オートフォーカスモード/マニュアルフォーカスモードの切換が行えるようになっている。また、本実施形態では、連写撮影において、第1連写撮影モードと第2連写撮影モードとの切換えも可能となっている。この操作部28により設定された各種モードはカメラ制御部21へ送出され、当該カメラ制御部21によりカメラ1全体の動作が制御される。また、シャッターレリーズボタンは、ボタンの半押しでONとなる第1スイッチSW1と、ボタンの全押しでONとなる第2スイッチSW2とを含む。
ここで、図2(A)は、第1連写撮影モードにおける連写撮影を説明するための図であり、図2(B)は、第2連写撮影モードにおける連写撮影を説明するための図である。本実施形態において、第1連写撮影モードが設定された場合に、撮像素子22は、全ての撮像素子221および焦点検出画素222a,222bから画像データを出力し、出力した画像データを、画像撮像用の画像データおよび焦点検出用の画像データとしてカメラ制御部21に送信する。たとえば、図2(A)に示す例では、60fpsのフレームレートにおいて、1秒間に15枚の画像を撮像する連写撮影を行う場面を例示しており、60fpsのフレームレートで出力した画像データを、焦点検出用の画像データとしてカメラ制御部21に送信している。また、カメラ制御部21は、各フレームにおいて出力した画像データを、4フレーム毎(たとえばN,N+4,N+8,N+12フレーム目)に、画像撮像用の画像データとしてカメラ制御部21に送信する。
一方、第2連写撮影モードが設定されている場合、図2(B)に示すように、撮像素子22は、2種類の画像データの出力モードを交互に繰り返して、画像データを出力する。具体的には、撮像素子22は、図2(B)に示すように、連写撮影時に静止画像を高品質で撮像するために、全ての撮像画素221を含む画素から画素データを出力する画像撮像モードと、連写撮影時における光学系の焦点状態を検出するために、焦点検出画素222a,222bを含む一部の画素から画像データを出力する焦点検出モードとを交互に繰り返して、画像データを出力する。
たとえば、図2(B)に示す例では、Nフレーム目において、画像撮像のために画像撮像モードによる画像データの出力が行われ、その後、撮像素子22の出力モードを、画像撮像モードから焦点検出モードに変更するモードチェンジが行われる。なお、モードチェンジでは、画像素子22の出力モードの変更の他、たとえば、画像撮像用の絞り値に応じた絞り34を焦点検出用の絞り値に応じた絞り34に変更する制御や、防振レンズ(不図示)の位置の調整などが行われ、この間、画像データの出力は行われない(ブラックアウト)。また、図2(B)に示す例では、N+1フレーム目において、焦点検出のために焦点検出モードによる画像データの出力が行われ、その後、撮像素子22の出力モードが、焦点検出モードから画像撮像モードに変更される(モードチェンジ)。そして、N+2フレーム目以降においても、同様に、画像撮像モードによる出力と、焦点検出モードによる出力とが交互に繰り返される。
このように、本実施形態において撮像素子22は2種類の連写撮影モードによる撮影が可能となっている。第1連写撮影モードでは、第2連写撮影モードと比べて、一定時間において焦点検出用の画像データの数が多く得られるため、焦点検出における検出精度を高めることができ、また後述するように、焦点検出用の画像データを用いて被写体の像面位置を予測する場合にも、被写体の像面位置の予測精度を高めることができる。さらに、第1連写撮影モードでは、撮像素子22の出力モードの切り替えによるブラックアウトが生じないため、その分、画像データを多く出力することができるため、連写撮影のコマ数の増加や、焦点検出における検出精度の向上などを図ることができる。
一方、第2連写撮影モードでは、焦点検出用の画像データを出力する際に、焦点検出画素222a,222bを含む一部の画素のみから画像データを出力するため、連写撮影時の電力消費を抑制することができる。また、第2連写撮影モードでは、画像撮像用の画像データの出力と焦点検出用の画像データの出力とを別に行うため、画像撮像時は、画像撮像用の絞り値を用いて画像撮像用の画像データを出力することができ、焦点検出時は、焦点検出用の絞り値を用いて焦点検出用の画像データを出力することができる。このように、第2連写撮影モードでは、焦点検出を行う際に、画像撮影用に設定された絞り値に制限されることなく、焦点検出に適した絞り値を用いて、焦点検出用の画像データを出力することができる。たとえば、画像撮像用の絞り値として適正露出が得られる絞り値が設定されている場合でも、焦点検出時には、焦点検出に適した絞り値(たとえば、適正露出よりも明るい露出が得られる絞り値)を設定して、焦点検出の画像データを取得することができる。
次に、本実施形態に係る撮像素子22の構成について説明する。
図3は、撮像素子22の撮像面を示す正面図、図4は、図3のIV部分を拡大して焦点検出画素222a,222bの配列を模式的に示す正面図である。
本実施形態の撮像素子22は、図4に示すように、複数の撮像画素221が、撮像面の平面上に二次元的に配列され、緑色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する緑画素Gと、赤色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する赤画素Rと、青色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する青画素Bがいわゆるベイヤー配列(Bayer Arrangement)されたものである。すなわち、隣接する4つの画素群223(稠密正方格子配列)において一方の対角線上に2つの緑画素が配列され、他方の対角線上に赤画素と青画素が1つずつ配列されている。このベイヤー配列された画素群223を単位として、当該画素群223を撮像素子22の撮像面に二次元状に繰り返し配列することで撮像素子22が構成されている。
なお、単位画素群223の配列は、図示する稠密正方格子以外にも、たとえば稠密六方格子配列にすることもできる。また、カラーフィルタの構成や配列はこれに限定されることはなく、補色フィルタ(緑:G、イエロー:Ye、マゼンタ:Mg,シアン:Cy)の配列を採用することもできる。
図5(A)は、撮像画素221の一つを拡大して示す正面図、図5(D)は断面図である。一つの撮像画素221は、マイクロレンズ2211と、光電変換部2212と、図示しないカラーフィルタから構成され、図5(D)の断面図に示すように、撮像素子22の半導体回路基板2213の表面に光電変換部2212が造り込まれ、その表面にマイクロレンズ2211が形成されている。光電変換部2212は、マイクロレンズ2211により撮影光学系の射出瞳(たとえばF1.0)を通過する撮像光束を受光する形状とされ、撮像光束を受光する。
また、撮像素子22の撮像面の中心、ならびに中心から左右対称位置の3箇所には、上述した撮像画素221に代えて焦点検出画素222a,222bが配列された焦点検出画素列22a,22b,22cが設けられている。そして、図4に示すように、一つの焦点検出画素列は、複数の焦点検出画素222aおよび222bが、互いに隣接して交互に、横一列(22a,22c,22c)に配列されて構成されている。本実施形態においては、焦点検出画素222aおよび222bは、ベイヤー配列された撮像画素221の緑画素Gと青画素Bとの位置にギャップを設けることなく密に配列されている。
なお、図3に示す焦点検出画素列22a〜22cの位置は図示する位置にのみ限定されず、何れか一箇所、二箇所にすることもでき、また、四箇所以上の位置に配置することもできる。また、実際の焦点検出に際しては、複数配置された焦点検出画素列22a〜22cの中から、撮影者が操作部28を手動操作することにより所望の焦点検出画素列を、焦点検出エリアとして選択することもできる。
図5(B)は、焦点検出画素222aの一つを拡大して示す正面図、図5(E)は、焦点検出画素222aの断面図である。また、図5(C)は、焦点検出画素222bの一つを拡大して示す正面図、図5(F)は、焦点検出画素222bの断面図である。焦点検出画素222aは、図5(B)に示すように、マイクロレンズ2221aと、半円形状の光電変換部2222aとから構成され、図5(E)の断面図に示すように、撮像素子22の半導体回路基板2213の表面に光電変換部2222aが造り込まれ、その表面にマイクロレンズ2221aが形成されている。また、焦点検出画素222bは、図5(C)に示すように、マイクロレンズ2221bと、光電変換部2222bとから構成され、図5(F)の断面図に示すように、撮像素子22の半導体回路基板2213の表面に光電変換部2222bが造り込まれ、その表面にマイクロレンズ2221bが形成されている。そして、これら焦点検出画素222aおよび222bは、図4に示すように、互いに隣接して交互に、横一列に配列されることにより、図3に示す焦点検出画素列22a〜22cを構成する。
なお、焦点検出画素222a,222bの光電変換部2222a,2222bは、マイクロレンズ2221a,2221bにより撮影光学系の射出瞳の所定の領域(たとえばF2.8)を通過する光束を受光するような形状とされる。また、焦点検出画素222a,222bにはカラーフィルタは設けられておらず、その分光特性は、光電変換を行うフォトダイオードの分光特性と、図示しない赤外カットフィルタの分光特性を総合したものとなっている。ただし、撮像画素221と同じカラーフィルタのうちの一つ、たとえば緑フィルタを備えるように構成することもできる。
また、図5(B)、図5(C)に示す焦点検出画素222a,222bの光電変換部2222a,2222bは半円形状としたが、光電変換部2222a,2222bの形状はこれに限定されず、他の形状、たとえば、楕円形状、矩形状、多角形状とすることもできる。
ここで、上述した焦点検出画素222a,222bの画素出力に基づいて撮影光学系の焦点状態を検出する、いわゆる位相差検出方式について説明する。
図6は、図4のVI-VI線に沿う断面図であり、撮影光軸L1近傍に配置され、互いに隣接する焦点検出画素222a−1,222b−1,222a−2,222b−2が、射出瞳350の測距瞳351,352から照射される光束AB1−1,AB2−1,AB1−2,AB2−2をそれぞれ受光していることを示している。なお、図6においては、複数の焦点検出画素222a,222bのうち、撮影光軸L1近傍に位置するもののみを例示して示したが、図6に示す焦点検出画素以外のその他の焦点検出画素についても、同様に、一対の測距瞳351,352から照射される光束をそれぞれ受光するように構成されている。
ここで、射出瞳350とは、撮影光学系の予定焦点面に配置された焦点検出画素222a,222bのマイクロレンズ2221a,2221bの前方の距離Dの位置に設定された像である。距離Dは、マイクロレンズの曲率、屈折率、マイクロレンズと光電変換部との距離などに応じて一義的に決まる値であって、この距離Dを測距瞳距離と称する。また、測距瞳351,352とは、焦点検出画素222a,222bのマイクロレンズ2221a,2221bにより、それぞれ投影された光電変換部2222a,2222bの像をいう。
なお、図6において焦点検出画素222a−1,222b−1,222a−2,222b−2の配列方向は一対の測距瞳351,352の並び方向と一致している。
また、図6に示すように、焦点検出画素222a−1,222b−1,222a−2,222b−2のマイクロレンズ2221a−1,2221b−1,2221a−2,2221b−2は、撮影光学系の予定焦点面近傍に配置されている。そして、マイクロレンズ2221a−1,2221b−1,2221a−2,2221b−2の背後に配置された各光電変換部2222a−1,2222b−1,2222a−2,2222b−2の形状が、各マイクロレンズ2221a−1,2221b−1,2221a−2,2221b−2から測距距離Dだけ離れた射出瞳350上に投影され、その投影形状は測距瞳351,352を形成する。
すなわち、測距距離Dにある射出瞳350上で、各焦点検出画素の光電変換部の投影形状(測距瞳351,352)が一致するように、各焦点検出画素におけるマイクロレンズと光電変換部の相対的位置関係が定められ、それにより各焦点検出画素における光電変換部の投影方向が決定されている。
図6に示すように、焦点検出画素222a−1の光電変換部2222a−1は、測距瞳351を通過し、マイクロレンズ2221a−1に向う光束AB1−1によりマイクロレンズ2221a−1上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。同様に、焦点検出画素222a−2の光電変換部2222a−2は測距瞳351を通過し、マイクロレンズ2221a−2に向う光束AB1−2によりマイクロレンズ2221a−2上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
また、焦点検出画素222b−1の光電変換部2222b−1は測距瞳352を通過し、マイクロレンズ2221b−1に向う光束AB2−1によりマイクロレンズ2221b−1上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。同様に、焦点検出画素222b−2の光電変換部2222b−2は測距瞳352を通過し、マイクロレンズ2221b−2に向う光束AB2−2によりマイクロレンズ2221b−2上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
そして、上述した2種類の焦点検出画素222a,222bを、図4に示すように直線状に複数配置し、各焦点検出画素222a,222bの光電変換部2222a,2222bの出力を、測距瞳351と測距瞳352とのそれぞれに対応した出力グループにまとめることにより、測距瞳351と測距瞳352とのそれぞれを通過する焦点検出光束が焦点検出画素列上に形成する一対の像の強度分布に関するデータが得られる。そして、この強度分布データに対し、相関演算処理または位相差検出処理などの像ズレ検出演算処理を施すことにより、いわゆる位相差検出方式による像ズレ量を検出する。
そして、得られた像ズレ量に一対の測距瞳の重心間隔に応じた変換演算を施すことにより、予定焦点面に対する現在の焦点面(予定焦点面上のマイクロレンズアレイの位置に対応した焦点検出エリアにおける焦点面をいう。)の偏差、すなわちデフォーカス量を求めることができる。
なお、これら位相差検出方式による像ズレ量の演算、デフォーカス量の演算、および合焦駆動はカメラ制御部21により実行される。
また、カメラ制御部21は、撮像素子22の撮像画素221の出力を読み出し、読み出した画素出力に基づき、焦点評価値の演算を行う。この焦点評価値は、たとえば撮像素子22の撮像画素221からの画像出力の高周波成分を、高周波透過フィルタを用いて抽出することで求めることができる。また、遮断周波数が異なる2つの高周波透過フィルタを用いて高周波成分を抽出することでも求めることができる。
そして、カメラ制御部21は、レンズ制御部37に制御信号を送出してフォーカスレンズ32を所定のサンプリング間隔(距離)で駆動させ、それぞれの位置における焦点評価値を求め、該焦点評価値が最大となるフォーカスレンズ32の位置を合焦位置として求める、コントラスト検出方式による焦点検出を実行する。なお、この合焦位置は、たとえば、フォーカスレンズ32を駆動させながら焦点評価値を算出した場合に、焦点評価値が、2回上昇した後、さらに、2回下降して推移した場合に、これらの焦点評価値を用いて、内挿法などの演算を行うことで求めることができる。
次いで、本実施形態に係るカメラ1の動作例を説明する。図7は、本実施形態に係るカメラ1の動作を示すフローチャートである。なお、以下においては、第1連写撮影モードまたは第2連写撮影モードのうち、いずれか一方の連写撮影モードが設定されている場面におけるカメラ1の動作例を例示する。
ステップS101では、カメラ制御部21により、連写撮影モードが第1連写撮影モードに設定されているか、あるいは、第2連写撮影モードに設定されているかの判断が行われる。連写撮影モードが第1連写撮影モードに設定されている場合には、ステップS102に進み、カメラ制御部21により、被写体の像面位置を予測する際に用いる補正係数として、第1像面補正係数が取得される。一方、連写撮影モードが第2連写撮影モードに設定されている場合には、ステップS103に進み、被写体の像面位置を予測する際に用いる補正係数として、第1像面補正係数よりも値が小さい第2像面補正係数が取得される。なお、第1像面補正係数および第2像面補正係数については、後述する。
ステップS104では、カメラ制御部21により、デフォーカス量の履歴データに基づいて、被写体の像面位置が予測される。ここで、図8は、被写体の像面位置の予測方法を説明するための図である。たとえば、カメラ制御部21は、デフォーカス量の履歴データに基づいて、被写体の像面位置の移動速度および加速度を算出し、算出した被写体の像面位置の移動速度および加速度から、被写体の像面位置を予測する。以下においては、過去の被写体の像面位置を示すデフォーカス量の履歴データから、図8に示すように、現在時刻tcurにおける被写体の像面位置pcurを予測する場面を例示して説明する。なお、図8においては、現在時刻tcurにおける被写体の像面位置pcurを予測する構成を例示するが、これに限定されず、現在時刻tcurによりも将来の被写体の像面位置を予測する構成としてもよい。
ここで、デフォーカス量を算出する場合、撮像素子22で光束を受光して電荷を蓄積し、蓄積した電荷に応じた画像データをカメラ制御部21に転送し、転送された画像データに基づいてデフォーカス量が算出される。そのため、デフォーカス量が示す被写体の像面位置は、該デフォーカス量が算出された時刻の被写体の像面位置ではなく、該デフォーカス量の算出するために、被写体からの光束を受光している際の電荷蓄積時間の中心時刻における被写体の像面位置となる。このように、デフォーカス量が示す被写体の像面位置は、該デフォーカス量が算出される一時刻前における被写体の像面位置である。そのため、図8に示す場面例では、たとえば、最新のデフォーカス量が示す被写体の像面位置が時刻taにおける被写体の像面位置であるとした場合に、被写体の像面位置の移動速度および加速度に基づいて、時刻taから現在時刻tcurまでの被写体の像面位置の移動量を予測像面移動量Δpとして予測し、予測した予測像面移動量Δpを、最新のデフォーカス量が示す被写体の像面位置に加えることで、現在時刻tcurにおける被写体の像面位置pcurを予測する。
また、本実施形態において、カメラ制御部21は、ステップS102で取得した第1像面補正係数、または、ステップS103で取得した第2像面補正係数を用いて、現在時刻tcurにおける被写体の像面位置pcurを予測する。たとえば、カメラ制御部21は、時刻taから現在時刻tcurまでの被写体の像面位置の予測像面移動量Δpを算出する際に、被写体の像面位置の移動速度または加速度に、第1像面補正係数または第2像面補正係数を乗じることで、最終的に、現在時刻tcurにおける被写体の像面位置pcurを補正することができる。
ここで、第1像面補正係数とは、第1連写撮影モードで用いられる補正係数である。第1連写撮影モードは、図2(A)に示すように、第2連写撮影モードと比較して、一定時間における焦点検出用の画像データの出力回数が多く、そのため、一定時間において算出されるデフォーカス量の数も多くなる。そのため、第1連写撮影モードでは、第2連写撮影モードと比較して、多くの数のデフォーカス量で被写体の像面位置を予測することができ、これにより、たとえ1つのデフォーカス量が誤検出された場合でも、誤検出の影響が小さくなり、被写体の像面位置を高い精度で予測することができる。そこで、第1連写撮影モードにおいては、被写体の像面位置を予測する際に、予測した被写体の像面位置が、被写体の像面位置の変化して追従するように、第1像面補正係数を第2像面補正係数と比べて高い値に設定する。これにより、第1連写撮影モードにおいては、被写体の像面位置の変化を十分に加味した予測像面移動量が算出されることとなり、これにより、被写体の像面位置を被写体の像面位置の変化に応じて適切に予測することができる。たとえば、図8に示す例では、被写体の像面位置の変化を十分に加味した予測像面移動量Δpが算出され、現在時刻tcurの像面位置としてpcurが予測される。
一方、第2像面補正係数とは、第2連写撮影モードで用いられる補正係数である。第2連写撮影モードは、図2(B)に示すように、第1連写撮影モードと比較して、一定時間における焦点検出用の画像データの出力回数が少なく、そのため、一定時間において算出されるデフォーカス量の数も少ない。そのため、第2連写撮影モードでは、第1連写撮影モードと比較して、少ない数のデフォーカス量で被写体の像面位置を予測することとなり、そのため、たとえば1つのデフォーカス量が誤検出された場合に、予測した被写体の像面位置にも誤差が生じ易くなる。そこで、第2連写撮影モードにおいては、被写体の像面位置を予測する際に、実際に算出された被写体の像面位置に重みが置かれるように、第2像面補正係数を第1像面補正係数と比べて低い値に設定する。これにより、第1連写撮影モードにおいて、被写体の像面位置の変化に対する追従性が低くすることができ、これにより、たとえ1つのデフォーカス量が誤検出された場合でも、被写体の像面位置の予測精度を確保することができる。このように、第2像面補正係数を第1像面補正係数と比べて低い値に設定することで、たとえば図8に示す例では、第2連写撮影モードにおいて、実際に算出された被写体の像面位置に重みを置いた予測像面移動量Δp’が算出され、これにより、現在時刻tcurにおける被写体の像面位置としてpcur’が予測される。
さらに、本実施形態では、第2連写撮影モードにおいて被写体の像面位置を予測する場合には、被写体の像面位置の予測に用いるデフォーカス量の数を多くするために、第1連写撮影モードにおいて被写体の像面位置を予測する場合と比較して、被写体の像面位置の予測に用いるデフォーカス量の検出時間を広く設定することができる。たとえば、図8に示す場面例において、第1連写撮影モードが設定されている場合には、時刻taから現在時刻tcurまでの検出時間内で算出されたデフォーカス量に基づいて予測像面移動量を算出している場合には、第2連写撮影モードにおいては、たとえば、時刻taよりも過去の時刻ta’から現在時刻tcurまでの検出時間内で算出されたデフォーカス量に基づいて、予測像面移動量を算出することができる。これにより、第2連写撮影モードにおいて、被写体の像面位置の予測に用いるデフォーカス量の数を増やすことができ、多くの数のデフォーカス量で被写体の像面位置を予測することができるため、たとえ1つのデフォーカス量が誤検出された場合でも、予測した被写体の像面位置に与える影響を小さくすることができる。
ステップS105では、カメラ制御部21により、ステップS104で予測された被写体の像面位置に対応するフォーカスレンズ32のレンズ位置が算出される。たとえば、カメラ制御部21は、像面移動係数(フォーカスレンズ32の実際の駆動量/フォーカスレンズ32を駆動させた場合の像面の移動量)を用いて、被写体の像面位置に対応するフォーカスレンズ32のレンズ位置を算出することができる。
そして、ステップS106では、ステップS105で算出されたフォーカスレンズ位置まで、フォーカスレンズ32が駆動される。具体的には、カメラ制御部21は、被写体の像面位置に対応するレンズ位置まで駆動させるためのレンズ駆動量(パルス数)を算出し、算出したレンズ駆動量を、レンズ制御部37に出力する。そして、レンズ制御部37は、フォーカスレンズ駆動モータ36を介して、レンズ駆動量に基づいてフォーカスレンズ32を駆動し、フォーカスレンズ32を、予測した被写体の像面位置に対応するレンズ位置まで駆動する。
ステップS107では、カメラ制御部21により、連写撮影が終了したか否か判断が行われる。連写撮影が終了したと判断した場合には、このカメラ1の動作を終了する。一方、連写撮影が終了していないと判断された場合には、ステップS104に戻り、被写体の像面位置の予測、、予測した被写体の像面位置に対応するフォーカスレンズ位置の算出、およびフォーカスレンズ32の駆動と、連写撮影による画像の撮像とが繰り返される。
以上のように、第1実施形態に係るカメラ1は、第1連写撮影モードが行われている場合には、被写体の像面位置の変化に対する追従性が高くなるように、第1像面補正係数を高い値に設定して、被写体の像面位置を予測する。第1連写撮影モードでは、一定時間における焦点検出用の画像データの出力回数が多く、一定時間において算出されるデフォーカス量の数が多いため、たとえば1つのデフォーカス量が誤検出された場合でも、予測した被写体の像面位置に与える影響が小さくなる。そのため、第1像面補正係数を高い値に設定することで、被写体の移動速度や加速度に応じた予測像面移動量Δpを適切に算出することができ、その結果、被写体の像面位置を高い精度で予測することができる。また、反対に、第2連写撮影モードが行われている場合には、被写体の像面位置の変化に対する追従性が低くなるように、第2像面補正係数を低い値に設定して、被写体の像面位置を予測する。第2連写撮影モードでは、一定時間における焦点検出用の画像データの出力回数が少なく、一定時間において算出されるデフォーカス量の数が少ないため、たとえば1つのデフォーカス量が誤検出された場合に、予測した被写体の像面位置にも誤差が生じ易くなるが、このように、第2像面補正係数を低い値に設定することで、図8に示すように、予測像面移動量Δp’を小さくすることができ、被写体の像面位置の予測精度を確保することができる。
また、本実施形態では、第2連写撮影モードにおいて被写体の像面位置を予測する場合には、第1連写撮影モードにおいて被写体の像面位置を予測する場合と比較して、被写体の像面位置の予測に用いるデフォーカス量の履歴データの検出時間を広く設定する。これにより、第2連写撮影モードにおいて、被写体の像面位置の予測に用いるデフォーカス量の数を増やすことができ、多くの数のデフォーカス量で被写体の像面位置を予測することとができるため、たとえ1つのデフォーカス量が誤検出された場合でも、予測した被写体の像面位置に与える影響を小さくすることができる。
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。第2実施形態では、図1に示すカメラ1において、図9に示すように、カメラ1が動作すること以外は、第1実施形態と同様である。以下において、図9を参照して、第2実施形態に係るカメラ1の動作について説明する。なお、図9は、第2実施形態に係るカメラ1の動作を示すフローチャートである。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。第2実施形態では、図1に示すカメラ1において、図9に示すように、カメラ1が動作すること以外は、第1実施形態と同様である。以下において、図9を参照して、第2実施形態に係るカメラ1の動作について説明する。なお、図9は、第2実施形態に係るカメラ1の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS201では、第1実施形態のステップS101と同様に、連写撮影モードが第1連写撮影モードに設定されているか、あるいは、第2連写撮影モードに設定されているかの判断が行われる。連写撮影モードが第1撮影モードに設定されている場合には、ステップS202に進み、被写体の像面位置に対応するレンズ位置を算出する際に用いる補正係数として、第1レンズ補正係数が取得される。一方、連写撮影モードが第2撮影モードに設定されている場合には、ステップS203に進み、被写体の像面位置を予測する際に用いる補正係数として、第1レンズ補正係数よりも小さい第2レンズ補正係数が取得される。なお、第1レンズ補正係数および第2レンズ補正係数の詳細については、後述する。
そして、ステップS204では、第1実施形態のステップS104と同様に、被写体の像面位置の予測が行われる。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、被写体の像面位置の補正は行わない。
ステップS205では、カメラ制御部21により、ステップS204で予測した被写体の像面位置に基づいて、被写体に像面位置に対応するフォーカスレンズ32のレンズ位置が算出される。第2実施形態において、カメラ制御部21は、ステップS202で取得された第1レンズ補正係数、または、ステップS203で取得された第2レンズ補正係数に基づいて、被写体に像面位置に対応するフォーカスレンズ32のレンズ位置を算出する。
ここで、第1レンズ補正係数とは、第1連写撮影モードで用いられるフォーカスレンズ32のレンズ位置の補正係数であり、第2レンズ補正係数と比べて大きい値に設定されている。上述したように、第1連写撮影モードは、第2連写撮影モードと比較して、多い数のデフォーカス量で被写体の像面位置を予測するため、たとえば1つのデフォーカス量が誤検出された場合でも、予測した被写体の像面位置に与える影響は小さい。そのため、ステップS205で算出されるフォーカスレンズ32のレンズ位置に対応する像面位置が、ステップS204で予測した被写体の像面位置と同様に、被写体の像面位置の変化に対する追従性が高くなるように、第2レンズ補正係数が、第1レンズ補正係数と比べて高い値に設定されている。これにより、第1連写撮影モードにおいては、被写体の像面位置の変化を十分に加味した像面位置に対応するフォーカスレンズ位置を算出することができる。これにより、たとえば図10に示す例では、時刻taから現在時刻tcurまでに予測される被写体の像面移動量に応じたレンズ駆動量Δdを加味したレンズ位置dcurが算出されることとなる。
また、第2レンズ補正係数とは、第2連写撮影モードで用いられるフォーカスレンズ32のレンズ位置の補正係数であり、第2レンズ補正係数と比べて小さい値に設定されている。上述したように、第2連写撮影モードは、第1連写撮影モードと比較して、少ない数のデフォーカス量で被写体の像面位置を予測するため、たとえば1つのデフォーカス量が誤検出された場合に、予測した被写体の像面位置にも誤差が生じ易くなる。一方、第2実施形態では、ステップS204で被写体の像面位置を予測する際に、被写体の像面位置の変化に応じた予測像面移動量Δpを補正することなく、被写体の像面位置を予測しているため、予測した被写体の像面位置は、被写体の像面位置の変化に対する追従性が高く、たとえば1つのデフォーカス量が誤検出された場合に、予測した被写体の像面位置の精度が低くなってしまう。そこで、本実施形態では、ステップS205で算出されるフォーカスレンズ32のレンズ位置に対応する像面位置が、ステップS204で予測した被写体の像面位置と比べて、被写体の像面位置の変化に対する追従性が低くなるように、第1レンズ補正係数が、第2レンズ補正係数と比べて低い値に設定される。これにより、たとえば図10に示す例では、時刻taから現在時刻tcurまでに予測される被写体の像面移動量に応じたレンズ駆動量Δd’を加味したレンズ位置dcur’が算出されることとなる。
ステップS206,S207では、第1実施形態のステップS106,S107と同様に、ステップS205で算出されたフォーカスレンズ位置まで、フォーカスレンズ32が駆動され(ステップS206)、その後、連写撮影が終了したか否か判断が行われる(ステップS207)。連写撮影が終了したと判断した場合には、このカメラ1の動作を終了し、一方、連写撮影が終了していないと判断された場合には、ステップS204に戻り、被写体の像面位置の予測、予測した被写体の像面位置に対応するレンズ位置の算出、算出したフォーカスレンズ位置へのフォーカスレンズ32の駆動が、連写撮影による画像の撮像ととともに繰り返される。
以上のように、第2実施形態では、第1レンズ補正係数を、第2レンズ補正係数よりも高い値に設定することで、第1連写撮影モードにおいて、被写体の像面位置の変化に追従して予測された被写体の像面位置に応じたフォーカスレンズ位置を算出することができる。これにより、第1連写撮影モードにおいて、予測した被写体の像面位置に対応した適切なフォーカスレンズ位置を算出することができ、その結果、連写撮影において被写体に適切にピントを合わせることができる。一方、第2レンズ補正係数を、第1レンズ補正係数よりも低い値に設定することで、第2連写撮影モードにおいては、実際に算出された被写体の像面位置に重みを置いたフォーカスレンズ位置を算出することができる。これにより、第2連写撮影モードにおいては、たとえば1つのデフォーカス量が誤検出され、予測した被写体の像面位置に誤差が生じる場合でも、被写体の像面位置の予測精度を確保することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
なお、上述した実施形態のカメラ1は特に限定されず、例えば、デジタルビデオカメラ、レンズ一体型のデジタルカメラ、携帯電話用のカメラなどのその他の光学機器に本発明を適用してもよい。
1…デジタルカメラ
2…カメラ本体
21…カメラ制御部
22…撮像素子
221…撮像画素
222a,222b…焦点検出画素
3…レンズ鏡筒
32…フォーカスレンズ
36…フォーカスレンズ駆動モータ
37…レンズ制御部
2…カメラ本体
21…カメラ制御部
22…撮像素子
221…撮像画素
222a,222b…焦点検出画素
3…レンズ鏡筒
32…フォーカスレンズ
36…フォーカスレンズ駆動モータ
37…レンズ制御部
Claims (6)
- 焦点調節光学系を有する光学系による像を撮像し、撮像した像に対応する画像信号を出力する撮像部と、
前記撮像部から出力された前記画像信号に基づいて、前記光学系の焦点状態を検出する焦点検出部と、
所定の撮像間隔で連写撮影を行う第1の連写撮影モードと、前記第1の連写撮影モードによる連写撮影よりも長い撮像間隔で連写撮影を行う第2の連写撮影モードとを設定可能なモード設定部と、
前記焦点検出部の検出結果の履歴に基づいて、前記被写体の像面位置を予測し、予測した前記被写体の像面位置に対応する前記焦点調節光学系のレンズ位置を算出する予測演算処理を実行し、前記焦点調節光学系を前記レンズ位置まで駆動させる制御をする制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1連写モードが設定されている場合と、前記第2連写モードが設定されている場合とで、前記予測演算処理における演算方法を異ならせることを特徴とする焦点調節装置。 - 請求項1に記載の焦点調節装置において、
前記第1の連写撮影モードにおける連写撮影と、前記第2の連写撮影モードにおける連写撮影とは、前記撮像部による信号出力モードの切り替えの有無、前記撮像部におけるブラックアウトの発生の有無、前記撮像部の出力を圧縮するか否か、絞り値の制限の有無、および消費電力の大きさのうち、少なくとも1つが異なることを特徴とする焦点調節装置。 - 請求項1または2に記載の焦点調節装置において、
前記制御部は、前記被写体の像面位置を予測する際に用いる補正係数として、前記第1連写撮影モードが設定されている場合には、第1像面補正係数を用い、前記第2連写撮影モードが設定されている場合には、前記第1像面補正係数よりも小さい第2像面補正係数を用いることを特徴とする焦点調節装置。 - 請求項1または2に記載の焦点調節装置において、
前記制御部は、前記予測した被写体の像面位置に対応する前記焦点調節光学系のレンズ位置を算出する際に用いる補正係数として、前記第1連写撮影モードが設定されている場合には、第1レンズ補正係数を用い、前記第2連写撮影モードが設定されている場合には、前記第1レンズ補正係数よりも小さい第2レンズ補正係数を用いることを特徴とする焦点調節装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の焦点調節装置において、
前記制御部は、前記被写体の像面位置を予測する際に用いる前記焦点検出部の検出結果の履歴として、前記第1連写撮影モードが設定されている場合には、第1検出時間前までに算出された前記検出結果の履歴を用い、前記第2連写撮影モードが設定されている場合には、前記第1検出時間よりも長い前記第2検出時間までに算出された前記検出結果の履歴を用いることを特徴とする焦点調節装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の焦点調節装置を備えた撮像装置。
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-
2012
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