JP6046145B2 - 死受容体5タンパク質に対するmrm/srmアッセイ - Google Patents

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Description

発明の背景
本明細書は、「死受容体5タンパク質に対するMRM/SRMアッセイ」と題する米国仮出願第61/538,096号(2011年9月22日出願)の利益を主張し、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
序論
死受容体5(Death Receptor 5)(DR5)タンパク質の下位配列に由来する特異ペプチドが提供されている。ペプチド配列および各ペプチドの断片化/遷移イオンは、質量分析ベースの選択反応モニタリング(SRM)アッセイで特に有用であり、これは多重反応モニタリング(MRM)アッセイとも呼ばれる。このようなアッセイは本明細書ではSRM/MRMと呼ばれる。DR5タンパク質のSRM/MRMによる定量分析に対するペプチドの使用が記述されている。
このSRM/MRMアッセイは、DR5タンパク質からの1つ以上の特異ペプチドの相対的または絶対的定量レベルの測定のために使用できる。これは、質量分析によって、生体試料から取得された所定のタンパク質調製品中のDR5タンパク質の量を測定する手段を提供する。
より具体的には、SRM/MRMアッセイは、ホルマリン固定がん患者組織などの患者組織サンプルから入手した細胞から調製された複合タンパク質溶解物中のこれらのペプチドを直接測定できる。ホルマリン固定組織からタンパク質サンプルを調製する方法は、米国特許第7,473,532号に記述されており、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。米国特許第7,473,532号に記述されている方法は、Liquid TissueTM試薬およびOncoPlexDx(旧Expression Pathology Inc.、メリーランド州ロックビル)から入手可能なプロトコルを使用して都合よく実施されうる。
タンパク質が個別または同時に分析されるSRM/MRMアッセイの結果は、組織(生体試料)が採取・保存された患者または被験者の特定組織サンプル(例えば、がん組織サンプル)中のこれらのタンパク質の正確・精密な量を関連付けるために使用できる。これは、がんについての診断情報を提供するだけでなく、これにより医師またはその他の医療専門家はがん患者に対して適切な治療を決定することが可能となる。罹患組織またはその他の患者サンプルのタンパク質発現レベルについての診断的で治療上重要な情報を提供するこのようなアッセイは、「コンパニオン診断」アッセイと呼ばれる。例えば、このようなアッセイは、がんの病期または程度を診断し、患者が反応する可能性の最も高い治療薬を決定するように設計されうる。
本明細書に記述のアッセイは、DR5タンパク質からの未修飾特異ペプチドの相対的または絶対的レベルを測定し、DR5タンパク質からの修飾特異ペプチドの絶対的または相対的レベルも測定できる。修飾の例には、ペプチドに存在するリン酸化アミノ酸残基(例えば、ホスホチロシン、ホスホセリンおよびホスホトレオニン)およびグリコシル化アミノ酸残基(例えば、グリコシル化アスパラギン残基)が含まれる。
DR5タンパク質の相対的定量レベルは、例えば、異なるサンプル中の個別DR5タンパク質のSRM/MRMの特徴ピーク面積(例えば、特徴ピーク面積または積分断片イオン強度)を比較するなど、SRM/MRM手法によって決定される。または、各ペプチドがそれ自体の特異的SRM/MRM特徴ピークを持つ場合、複数のDR5特徴的ペプチドに対する複数のSRM/MRM特徴ピーク面積を比較し、1つ以上の追加的または異なる生体試料中のDR5タンパク質含量で1つの生体試料中の相対的DR5タンパク質含量を決定することが可能である。このように、DR5タンパク質からの特定ペプチドの量、従ってDR5タンパク質の量が、同じ実験条件下の2つ以上の生体試料にわたる同じDR5タンパク質と比較して決定される。さらに、SRM/MRM手法で、そのペプチドの特徴ピーク面積を、同じ生体試料からの同じタンパク質調製品中の異なるタンパク質からの別の異なるペプチドの特徴ピーク面積と比較することによって、単一サンプル中のDR5タンパク質からの所定のペプチドに対して相対的定量を決定することができる。このように、DR5タンパク質からの特定のペプチドの量、従ってDR5タンパク質の量は、同じサンプル内で互いに対して決定される。これらのアプローチは、生体試料からのタンパク質調製品のDR5ペプチドの容積に対する絶対重量または重量に対する重量に関わらず、サンプル間およびピーク面積によって決定された量が互いに対するものであるサンプル内での、DR5タンパク質からの個別ペプチドの別のペプチドに対する定量をもたらす。異なるサンプル間の個別の特徴ピーク面積についての相対的定量データは、サンプルあたりの分析されたタンパク質量に対して正規化される。相対的定量は、単一サンプルおよび/または多くのサンプルにわたって、複数のタンパク質およびDR5タンパク質からの多くのペプチドにわたって同時に実施でき、1つのペプチド/タンパク質のその他のペプチド/タンパク質に対する相対的タンパク質量についての見識を得ることができる。
DR5タンパク質の絶対的定量レベルは、例えば、1つの生体試料中のDR5タンパク質からの個別ペプチドのSRM/MRM特徴ピーク面積が、外から加えられた「混入」内部標準のSRM/MRM特徴ピーク面積と比較される、SRM/MRM特徴ピーク面積手法で決定される。1つの実施形態では、内部標準は、1つ以上の重同位体で標識された1つ以上のアミノ酸残基を含む全く同一のDR5ペプチドの合成版である。適切な同位体標識内部標準は、質量分析で分析された時、各標準が、天然DR5ペプチド特徴ピークとは異なりかつ区別できるため対照ピークとして使用できる、予測可能で一貫性のあるSRM/MRM特徴ピークを生成するように合成される。従って、生体試料からのタンパク質調製品に既知量の内部標準が混入され、質量分析で分析される時、同じものからの天然ペプチドのSRM/MRM特徴ピーク面積を、内部標準ペプチドのSRM/MRM特徴ピークと比較することができる。この数的比較によって、生体試料からの最初のタンパク質調製品に存在する天然ペプチドの絶対モル濃度および/または絶対重量のいずれかが提供される。断片ペプチドの絶対的定量データは、サンプルあたりの分析されたタンパク質量に従って示されている。絶対的定量は、多くのペプチド、従ってタンパク質にわたって、単一サンプルおよび/または多くのサンプルにわたって同時に実施でき、個別の生体試料および個別サンプルのコホート全体の絶対的タンパク質量についての見識を得ることができる。
SRM/MRMアッセイ法は、例えば、ホルマリン固定組織などの患者由来組織中のがんの病期を直接診断するのに役立ち、また、その患者の治療に使用するために最も有利な治療薬の決定の一助として使用できる。腫瘍の部分的または全体の治療的除去などの手術によって、または疑われる疾患の有無を決定するために実施される生検方法のいずれかによって、患者から取り出されるがん組織を分析し、特異タンパク質がその患者組織に存在するかどうか、またどの形態のタンパク質が存在するかを決定する。さらに、タンパク質または複数のタンパク質の発現レベルを決定し、健常組織に見られる「正常」または参照レベルと比較できる。健常組織に見られるタンパク質の正常または参照レベルは、例えば、がんを持たない1人以上の人の関連組織から由来しうる。または、がんを持つ人の正常または参照レベルは、がんの影響を受けていない関連組織の分析によって得られうる。
または、がんを持つ人の正常または参照レベルは、がんの影響を受けていない関連組織の分析によって得られうる。タンパク質レベル(例えば、DR5レベル)のアッセイは、がんと診断された患者または被験者のがんの病期を、DR5レベルを使用して診断するためにも使用できる。個別DR5ペプチドのレベルは、分析されたタンパク質溶解物の合計量あたりのSRM/MRMアッセイによって決定されたペプチドのモル量として定義される。このようにDR5に関する情報は、DR5タンパク質(またはDR5タンパク質の断片ペプチド)のレベルを正常組織で見られたレベルと関連付けることによって、がんの病期または悪性度を決定するために使用できる。
タンパク質レベル(例えば、DR5レベル)のアッセイは、がんと診断された患者または被験者のがんの病期を、DR5レベルを使用して診断するためにも使用できる。タンパク質またはペプチドのレベルまたは量は、SRM/MRMアッセイで決定されたタンパク質またはペプチドの質量または重量である、モルで表される数量として定義される。レベルまたは量は、分析された溶解物中のタンパク質または別の成分の合計レベルまたは量に対して正規化されうる(例えば、タンパク質のマイクロモル/マイクログラムまたはタンパク質のマイクログラムで表される)。さらに、タンパク質またはペプチドのレベルまたは量は容積基準で決定でき、例えばマイクロモルまたはナノグラム/マイクロリットルで表される。SRM/MRMアッセイで決定されるタンパク質またはペプチドのレベルまたは量は、分析される細胞の数に対しても正規化できる。このようにDR5に関する情報は、DR5タンパク質(またはDR5タンパク質の断片ペプチド)のレベルを正常組織で見られたレベルと関連付けることによって、がんの病期または悪性度を決定するために使用できる。
がんの病期および/または悪性度、および/またはDR5タンパク質発現特性が決定されたら、その情報を、例えば、分析されたタンパク質(例えば、DR5)の異常発現を特徴とするがん組織を特に治療するために開発された治療薬(化学的および生物学的)のリストに適合させることができる。DR5タンパク質アッセイと、例えばDR5タンパク質またはそのタンパク質を発現する細胞/組織を特に標的とする治療薬のリストの適合情報は、疾患治療に対するオーダーメイド医療アプローチと呼ばれるものを定義する。本明細書に記述されたアッセイ法は、患者自身の組織からのタンパク質の分析を診断および治療決定のソースとして使用することによって、オーダーメイド医療アプローチの基礎を形成する。DR5タンパク質は、がんの診断および治療に対するオーダーメイド医療において、個別に、またはその他のタンパク質と組み合わせて分析できる。
本開示のこれらおよびその他の態様は、以下に記述される説明を考慮して当業者には明らかになる。
発明の具体的説明
選択反応モニタリング/多重反応モニタリング(SRM/MRM)アッセイはDR5タンパク質からの特異ペプチドの1つ以上の相対的または絶対的定量レベルを、個別に、組み合わせて、または同時に測定し、従って生体試料から得られた所定のタンパク質調製品のDR5タンパク質量を質量分析で測定する手段を提供するために使用できる。
より具体的には、SRM/MRMアッセイは、ホルマリン固定がん患者組織などの患者組織サンプルから入手した細胞から調製された複合タンパク質溶解物中のこれらのペプチドを直接測定できる。ホルマリン固定組織からタンパク質サンプルを調製する方法は、米国特許第7,473,532号に記述されており、その内容の全体は参照により本明細書に組み込まれる。米国特許第7,473,532号に記述されている方法は、Liquid TissueTM試薬およびOncoPlexDx(旧Expression Pathology Inc.、メリーランド州ロックビル)から入手可能なプロトコルを使用して都合よく実施されうる。
最も幅広く有利に入手できるがん患者組織からの組織形態は、ホルマリン固定、パラフィン包埋組織である。外科的に除去された組織のホルムアルデヒド/ホルマリン固定は、がん組織サンプルを保存するための世界でもはるかに最も一般的な方法であり、標準的病理技法の許容された慣習である。ホルムアルデヒドの水溶液はホルマリンと呼ばれる。「100%」ホルマリンは、ホルムアルデヒドの飽和水溶液(これは約40体積%または37質量%)と、少量の安定剤(通常は、酸化および重合の程度を制限するためのメタノール)から成る。組織が保存される最も一般的な方法は、組織全体を長時間(8時間〜48時間)ホルムアルデヒド水溶液(一般的には10%中性緩衝ホルマリンと呼ばれる)に浸し、次に固定された組織全体を、室温での長期保存のためにパラフィンワックス中に包埋することである。このように、ホルマリン固定がん組織を分析するための分子分析法は、がん患者組織の分析のために最も許容され多く利用される方法となるであろう。
原則として、例えば既知の特異性を持つプロテアーゼ(例えば、トリプシン)で消化されることによって調製されたDR5タンパク質から由来する任意の予測ペプチドを、サンプル中のDR5タンパク質の存在度を質量分析ベースSRM/MRMアッセイを使用して決定するための代理レポーターとして使用できる。同様に、DR5タンパク質で修飾されている可能性のあることが知られているアミノ酸残基を含む任意の予測ペプチド配列も、サンプル中のDR5タンパク質の修飾の程度を分析するために使用しうる可能性がある。
1つの実施形態によると、DR5断片ペプチドは、米国特許第7,473,532号に記述されているLiquid TissueTMを使用することを含め、さまざまな方法で生成されうる。Liquid TissueTMプロトコルおよび試薬は、組織/生体試料のタンパク質消化によって、ホルマリン固定パラフィン包埋組織から質量分析に適したペプチドサンプルを生成する。適切な試薬およびプロトコルは、OncoPlexDx(旧Expression Pathology Inc.、メリーランド州ロックビル)からも市販されている。
Liquid TissueTMプロトコルでは、タンパク質架橋結合を逆転または解除するために、組織/生体試料は緩衝液中長時間(例えば、約80°C〜約100°Cで約10分〜約4時間)加熱される。使用される緩衝液は、中性緩衝液(例えば、トリスベース緩衝液、または洗剤を含む緩衝液)である。熱処理に続いて、組織/生体試料は、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、およびエンドプロテイナーゼLys-Cを含むがこれに限定されない1つ以上のプロテアーゼで、前記の生体試料の組織および細胞構造を破壊し、サンプルを液化するのに十分な時間処理される。プロテアーゼ処理の模範的条件は、37°C〜65°Cの温度で約30分〜24時間である。有利なことに、同時または連続的のいずれかで使用されるエンドプロテアーゼ、および特に2つまたは3つのエンドプロテアーゼの組み合わせは、サンプルを液化するために用いられる。例えば、プロテアーゼの適切な組み合わせは、トリプシンとエンドプロテイナーゼLys-Cなど、トリプシン、エンドプロテイナーゼLys-Cおよびキモトリプシンの組み合わせを含みうるがこれに限定されない。加熱およびタンパク質消化の結果は、液体で可溶性の希釈可能な生体分子溶解物である。有利なことに、この液体溶解物は、遠心分離で溶解物から分離できる固体または粒子状物質を持たない。
驚くべきことに、DR5タンパク質からの多くの潜在的ペプチド配列は、すぐには明らかでない理由で、質量分析ベースのSRM/MRMアッセイでの使用には不適切または無効であることが判明した。MRM/SRMアッセイに対して最も適したペプチドを予測することは不可能であったので、実際のLiquid TissueTM溶解物中の修飾および未修飾ペプチドを実験的に特定して、DR5タンパク質の確実で正確なSRM/MRMアッセイを開発する必要があった。いかなる理論にも束縛されるものではないが、一部のペプチドは、例えば、うまくイオン化しないか、またはその他のタンパク質から生成されるものと異なる断片を生成しないために、質量分析で検出することが困難な場合があると考えられている。ペプチドは、分離(例えば、液体クロマトグラフィー)でうまく分割できないか、またはガラスもしくはプラスチック容器に接着することもあり、これはSRM/MRMアッセイの誤った結果につながる。
本開示のさまざまな実施形態で見られるDR5ペプチド(例えば、以下の表1および2)は、ホルマリン固定がん組織から生成された細胞から調製される複合Liquid TissueTM溶解物内のすべてのタンパク質のプロテアーゼ消化によって、DR5タンパク質から派生した。特に断りのない限り、各例でのプロテアーゼはトリプシンであった。Liquid TissueTM溶解物は次に質量分析で分析され、質量分析で検出・分析されるDR5タンパク質から派生するこれらのペプチドを決定した。質量分析のために好ましいペプチドの特定のサブセットの特定は、1)Liquid TissueTM溶解物の質量分析で、タンパク質からのどのペプチドが質量分析でイオン化するかについての実験的決定、および2)Liquid TissueTM溶解物の調製に使用されるプロトコルおよび実験条件で生き残るためのペプチドの能力に基づく。この後者の特定は、ペプチドのアミノ酸配列だけでなく、サンプル調製中に修飾された形態で生き残るためのペプチド内の修飾アミノ酸残基の能力にも及ぶ。
ホルマリン(ホルムアルデヒド)固定組織から直接生成された細胞からのタンパク質溶解物は、Liquid TissueTM試薬およびプロトコルを使用して調製された。これには、組織の顕微解剖によって試験管に細胞を採取し、その後Liquid TissueTM緩衝液中、細胞を長時間加熱することを伴う。ホルマリン誘導架橋結合が悪影響を受けると、次に組織/細胞は、トリプシンなどのプロテアーゼを使用して、予想可能な方法で最後まで消化される。当業者であれば、その他のプロテアーゼ、特にエンドプロテアーゼは、トリプシンの代わり、またはそれに加えて使用されうることを理解するであろう。各タンパク質溶解物は、無傷のポリペプチドのプロテアーゼまたはプロテアーゼの組み合わせを使用した消化によって一群のペプチドを調製するために使用された。各Liquid TissueTM溶解物は、ペプチドの複数の全体的プロテオーム調査を実施するために(例えば、イオントラップ質量分析によって)分析され、各タンパク質溶解物中にあるすべての細胞タンパク質の質量分析によって特定できる可能な限り多くのペプチドの同定としてデータが提示された。イオントラップ質量分析計または単一の複合タンパク質/ペプチド溶解物からできるだけ多くのペプチドの同定に対する全体的プロファイリングを実施できる別の形態の質量分析計を採用しうる。しかし、イオントラップ質量分析計が、ペプチドの全体的プロファイリングを実行するために最適なタイプの質量分析計でありうる。SRM/MRMアッセイは、MALDI、イオントラップ、または三連四重極を含む任意のタイプの質量分析計で開発・実施できるが、SRM/MRMアッセイのための機器プラットフォームは、多くの場合、三連四重極機器プラットフォームであると考えられる。
用いられた条件下での単一溶解物の単一質量分析で、できるだけ多くのペプチドが特定されると、次に特定されたペプチドのリストが照合され、その溶解物で検出されたタンパク質を決定するために使用された。このプロセスは、複数のLiquid TissueTM溶解物に対して反復され、非常に大きなリストのペプチドが単一のデータセットへと順に並べられた。結果得られたデータセットは、分析されたタイプの生体試料で(プロテアーゼ消化後に)、特に生体試料のLiquid TissueTM溶解物で検出できるペプチドを表し、従って、例えばDR5タンパク質などの特異タンパク質に対するペプチドを含む。
1つの実施形態では、DR5タンパク質の絶対的または相対的量の決定に有用であると特定されたDR5トリプシンペプチドには、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3のペプチドの1つ以上、2つ以上、または3つを含み、これらのそれぞれが表1に示されている。これらのペプチドのそれぞれは、ホルマリン固定、パラフィン包埋組織から調製されたLiquid TissueTM溶解物の質量分析によって検出された。このように、表1のペプチドのそれぞれ、またはそれらのペプチドの任意の組み合わせ(例えば、表1に記載されたペプチドの1つ以上、2つ以上、または3つ)は、ホルマリン固定患者組織への直接のものを含む、ヒト生体試料のDR5タンパク質に対する定量的SRM/MRMアッセイで使用するための候補である。表2は、表1に示されるペプチドに関する追加情報を示す。
Figure 0006046145
Figure 0006046145
表1に記載されているDR5トリプシンペプチドには、前立腺、結腸および胸部を含むヒトの異なる臓器の複数の異なるホルマリン固定組織のLiquid TissueTM溶解物から検出されたものを含む。これらのペプチドのそれぞれは、ホルマリン固定組織のDR5タンパク質の定量的SRM/MRMアッセイのために有用であると考えられる。これらの実験のさらなるデータ分析で、任意の特定臓器部位からのいかなる特異ペプチドに対しても優先傾向がないことが示された。従って、これらのペプチドのそれぞれは、任意の生体試料または身体の任意の臓器部位から由来する任意のホルマリン固定組織のLiquid TissueTM溶解物についてのDR5タンパク質のSRM/MRMアッセイの実施に適していると考えられる。
SRM/MRMアッセイを実施するための1つの考慮事項は、ペプチドの分析に用いられうる機器のタイプである。SRM/MRMアッセイは、MALDI、イオントラップ、または三連四重極を含む任意のタイプの質量分析計で開発・実施できるが、SRM/MRMアッセイのために最も有利な機器プラットフォームは、多くの場合、三連四重極機器プラットフォームであると考えられる。そのタイプの質量分析計は、細胞内に含まれるすべてのタンパク質からの、何百何千から数百万もの個別ペプチドから成りうる非常に複雑なタンパク質溶解物内の単一の分離標的ペプチドを分析するために最も適した機器であると考えられうる。
DR5タンパク質から由来する各ペプチドに対してSRM/MRMアッセイを最も効率的に実施するためには、分析のペプチド配列に加えて情報を利用することが望ましい。その追加情報は、質量分析計(例えば、三連四重極質量分析計)に指図・指示し、特異的標的ペプチドの分析を集中的に正しい方法で実施することで、アッセイが効率的に実施されるようにする。
標的ペプチド一般について、および特異DR5ペプチドについての追加情報には、ペプチドのモノアイソトピック質量、その前駆体の荷電状態、前駆体のm/z値、m/z遷移イオン、および各遷移イオンのイオン型の1つ以上を含みうる。DR5タンパク質に対するSRM/MRMアッセイを開発するために使用されうる追加的なペプチド情報が、表2に示されている。
下記の方法は、1)DR5タンパク質の質量分析ベースのSRM/MRMアッセイに使用できるDR5タンパク質から候補タンパク質を特定するため、2)がんに関連付けるために、DR5タンパク質からの標的ペプチドに対する個別SRM/MRMアッセイ、または多重アッセイを開発するため、および3)定量的DR5アッセイをがん診断および/またはがんに対する最適治療の選択に適用するために使用することができる。
アッセイ方法
I. DR5タンパク質に対するSRM/MRM候補断片ペプチドの特定:
a. タンパク質を消化するために、プロテアーゼ(トリプシンを含むことも含まないこともある)を使用してホルマリン固定生体試料からLiquid TissueTMタンパク質溶解物を調製する。
b. Liquid TissueTM溶解物のすべてのタンパク質断片をイオントラップタンデム質量分析計で分析し、個別の断片ペプチドがリン酸化またはグリコシル化などのいかなるペプチド修飾も含まない、DR5タンパク質からのすべての断片ペプチドを特定する。
c. Liquid TissueTM溶解物のすべてのタンパク質断片をイオントラップタンデム質量分析計で分析し、例えばリン酸化またはグリコシル化残基などのペプチド修飾を持つDR5タンパク質からのすべての断片ペプチドを特定する。
d. 全長DR5タンパク質の全体から特定の消化方法で生成されたすべてのペプチドを測定できる可能性があるが、SRM/MRMアッセイの開発に使用される好ましいペプチドは、ホルマリン固定生体試料から調製された複合Liquid TissueTMタンパク質溶解物で直接、質量分析によって特定されるものである。
e. 患者組織で特に修飾(リン酸化、グリコシル化など)され、ホルマリン固定生体試料からのLiquid TissueTM溶解物を分析する時、質量分析計内でイオン化され、そのため検出されるペプチドは、DR5タンパク質のペプチド修飾のアッセイのための候補ペプチドとして特定される。
II. DR5タンパク質からの断片ペプチドに対する質量分析アッセイ
a. Liquid TissueTM溶解物で特定された個別の断片ペプチドに対する三連四重極質量分析計でのSRM/MRMアッセイは、DR5タンパク質からのペプチドに適用される。
i. ゲル電気泳動、液体クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、ナノ逆相液体クロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィー、または逆相高性能液体クロマトグラフィーを含むがこれに限定されないものの最適なクロマトグラフィー条件のために、断片ペプチドの最適保持時間を決定する。
ii. 各ペプチドに対するSRM/MRMアッセイを開発するために、ペプチドのモノアイソトピック質量、各ペプチドの前駆体の荷電状態、各ペプチドの前駆体のm/z値、各ペプチドのm/z遷移イオン、および各断片ペプチドの各遷移イオンのイオン型を決定する。
iii. 次にSRM/MRMアッセイは、(i)および(ii)からの情報を使用して三連四重極質量分析計で実施できるが、ここで各ペプチドは固有のSRM/MRMアッセイを三連四重極質量分析計で実施したものとして正確に定義する特徴および固有SRM/MRM特徴ピークを持つ。
b. SRM/MRM分析を実施し、SRM/MRM質量分析からの固有SRM/MRM特徴ピーク面の関数として、検出されるDR5タンパク質の断片ペプチドの量が、特定のタンパク質溶解物中のDR5タンパク質の相対的および絶対的量の両方を示せるようにする。
i. 相対的定量は以下によって達成しうる。
1. 1つのホルマリン固定生体試料からのLiquid TissueTM溶解物中で検出される所定のDR5ペプチドからのSRM/MRM特徴ピーク面積を、少なくとも第二、第三、第四またはそれ以上のホルマリン固定生体試料からの少なくとも第二、第三、第四またはそれ以上のLiquid TissueTM溶解物中の同じDR5断片ペプチドの同じSRM/MRM特徴ピーク面積と比較することによって、DR5タンパク質の存在の増加または減少を決定する。
2. ペプチド断片に対する2つのサンプル間のSRM/MRM特徴ピーク面積の比較が各サンプルで分析されたタンパク質の量に対して正規化される場合、1つのホルマリン固定生体試料からのLiquid TissueTM溶解物で検出された所定のDR5ペプチドからのSRM/MRM特徴ピーク面積を、異なる別の生体起源から由来するその他のサンプルのその他のタンパク質の断片ペプチドから作成されたSRM/MRM特徴ピーク面積と比較することによって、DR5タンパク質の存在の増加または減少を決定する。
3. さまざまな細胞条件下で発現レベルが変化しないその他のタンパク質に対してDR5タンパク質の変化するレベルを正規化するために、所定のDR5ペプチドに対するSRM/MRM特徴ピーク面積を、ホルマリン固定生体試料の同じLiquid TissueTM溶解物内の異なるタンパク質から由来するその他の断片ペプチドからのSRM/MRM特徴ピーク面積と比較することによって、DR5タンパク質の存在の増加または減少を決定する。
4. 修飾がリン酸化および/またはグリコシル化を含むがこれに限定されず、修飾ペプチドの相対的レベルが未修飾ペプチドの相対的量を決定するのと同じ方法で決定される場合、これらのアッセイは、DR5タンパク質の未修飾断片ペプチドおよび修飾断片ペプチドの両方に適用できる。
ii. 所定のペプチドの絶対的定量は、個別の生体試料のDR5タンパク質からの所定の断片ペプチドに対するSRM/MRM特徴ピーク面積を、その生体試料からのタンパク質溶解物に混入した断片ペプチド内部標準のSRM/MRM特徴ピーク面積と比較することによって達成されうる。
1. 内部標準は、調査しているDR5タンパク質からの断片ペプチドの標識合成版である。この標準は既知量をサンプルに混入し、またSRM/MRM特徴ピーク面積は、断片ペプチド内部標準および生体試料の天然断片ペプチドの両方に対して別々に決定でき、その後両方のピーク面積の比較ができる。
2. 修飾がリン酸化および/またはグリコシル化を含むがこれに限定されず、修飾ペプチドの絶対レベルが未修飾ペプチドの絶対レベルを決定するのと同じ方法で決定できる場合、これは、未修飾断片ペプチドおよび修飾断片ペプチドに適用できる。
III. がん診断および治療への断片ペプチド定量の適用
a. DR5タンパク質の断片ペプチドレベルの相対的および/または絶対的定量を実施し、がん分野でよく知られた、DR5タンパク質発現と患者腫瘍組織のがんの病期/悪性度/状態との以前に決定された関連性が確認されることを実証する。
b. DR5タンパク質の断片ペプチドレベルの相対的および/または絶対的定量を、個別に、組み合わせで、またはすべて同時に実施し、異なる治療戦略の臨床転帰との相関関係を実証するが、この相関関係は本分野ではすでに実証されているか、または患者のコホートおよびこれらの患者からの組織にわたる相関関係研究によって将来実証しうる。以前に確立された相関関係または将来生じる相関関係のいずれかがこのアッセイによって確認されたら、次にこのアッセイ方法を使用して最適な治療戦略を決定できる。
表2に示される情報は、三連四重極質量分析計でのDR5タンパク質の定量のためのSRM/MRMアッセイの開発に必要である。これらのDR5ペプチドについての特定および固有の特徴は、イオントラップおよび/または三連四重質量分析計でのすべてのDR5ペプチドの分析によって作成された。その情報には、ペプチドのモノアイソトピック質量、その前駆体の荷電状態、前駆体のm/z値、前駆体の遷移m/z値、および特定された遷移のそれぞれのイオン型を含む。その情報は、ホルマリン固定組織からのLiquid TissueTM溶解物で直接、すべての候補SRM/MRMペプチドに対して実験的に決定されなければならないが、その理由は、興味深いことに、DR5タンパク質からのすべてのペプチドが本明細書に記述されるSRM/MRMを使用して、このような溶解物中で検出できるわけではないからであり、検出されないDR5ペプチドは、ホルマリン固定組織からのLiquid TissueTM溶解物の直接的ペプチド/タンパク質定量で使用するためのSRM/MRMアッセイを開発するための候補ペプチドとは見なすことができないことを示す。
この情報を使用して、DR5タンパク質に対する定量的SRM/MRMアッセイを開発することができ、ホルマリン固定した患者由来の腫瘍組織の分析に基づいた組織内のDR5タンパク質レベルの評価は、それぞれの特定のがん患者についての診断、予後、および治療に関連する情報を提供しうる。
1つの実施形態で、本開示は生体試料中のDR5タンパク質のレベルを測定する方法を提供するが、方法には質量分析を用いて生体試料から調製されたタンパク質消化物中の1つ以上の修飾または未修飾DR5断片ペプチドの量を検出および/または定量すること、およびサンプル中の修飾または未修飾DR5タンパク質のレベルを計算することを含み、ここでレベルは相対的レベルまたは絶対的レベルである。別の実施形態では、本開示は1つ以上のDR5断片ペプチドの定量方法を提供するが、ここで方法は、既知量の追加内部標準ペプチドと比較することによって生体試料中のDR5断片ペプチドの1つ以上の量を決定することを含み、生体試料中のDR5断片ペプチドのそれぞれは、同じアミノ酸配列を持つ内部標準ペプチドと比較される。一部の実施形態では、内部標準は、18O、17O、34S 15N、13C、2Hまたはその組み合わせから選択される1つ以上の安定重同位体を含む同位体標識内部標準ペプチドである。
本明細書に記述された生体試料(またはその代理としての断片ペプチド)中のDR5タンパク質のレベルの測定方法は、患者または被験者のがんの診断指標として有用である。1つの実施形態では、DR5タンパク質のレベルの測定結果を用いて、組織で見られたDR5タンパク質のレベルと、正常および/またはがんもしくは前がん組織で見られたこれらのタンパク質レベルを関連付ける(例えば、比較する)ことにより、がんの診断病期/悪性度/状態を決定しうる。
実施形態:
1. 生体試料中のDR5タンパク質の量を測定する方法であって、質量分析を用いて生体試料から調製されたタンパク質消化物中の1つ以上の修飾または未修飾DR5断片ペプチドのレベルを検出および/または定量すること、およびサンプル中の修飾または未修飾DR5タンパク質のレベルを計算することを含み、前記量が相対的レベルまたは絶対的レベルである方法。
2. 1つ以上の修飾または未修飾DR5断片ペプチドのレベルを検出および/または定量する前に、タンパク質消化物を分画するステップをさらに含む、実施形態0の方法。
3. 分画ステップが、ゲル電気泳動、液体クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、ナノ逆相液体クロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィー、および逆相高性能液体クロマトグラフィーから成るグループから選択される、実施形態2の方法。
4. 生体試料のタンパク質消化物が、Liquid TissueTMプロトコルによって調製される、実施形態1〜3のいずれかの方法。
5. タンパク質消化物がプロテアーゼ消化物を含む、実施形態1〜3のいずれかの方法。
6. タンパク質消化物がトリプシン消化物を含む、実施形態5の方法。
7. 質量分析が、タンデム質量分析、イオントラップ質量分析、三連四重極質量分析、MALDI-TOF質量分析、MALDI質量分析、または飛行時間型質量分析、またはその任意の組み合わせを含む、実施形態1〜6のいずれかの方法。
8. 使用される質量分析のモードが、選択反応モニタリング(SRM)、多重反応モニタリング(MRM)、または多重選択反応モニタリング(mSRM)、またはその任意の組み合わせである、実施形態7の方法。
9. 1つ以上の修飾または未修飾DR5断片ペプチドが、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3として規定されるものから独立して選択される異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1〜8のいずれかの方法。
10. 生体試料が血液サンプル、尿サンプル、血清サンプル、腹水サンプル、喀痰サンプル、リンパ液、唾液サンプル、細胞、または固体組織である、実施形態0〜9のいずれかの方法。
11. 組織がホルマリン固定組織である、実施形態10の方法。
12. 組織がパラフィン包埋組織である、実施形態10または11の方法。
13. 組織が腫瘍から取得される、実施形態10の方法。
14. 腫瘍が原発腫瘍である、実施形態13の方法。
15. 腫瘍が二次腫瘍である、実施形態13の方法。
16. 修飾または未修飾DR5断片ペプチドを定量することをさらに含む、実施形態0〜15のいずれかの方法。
17. 修飾または未修飾断片ペプチドの定量に、1つの生体試料のSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3に示されるような約8〜約45のDR5のアミノ酸残基のアミノ酸配列を含む1つ以上のDR5断片ペプチドの量を、異なる別の生体試料の同じDR5断片ペプチドの量と比較することを含む、実施形態16の方法。
18. 1つ以上のDR5断片ペプチドの定量に、既知量の追加内部標準ペプチドと比較することによって、生体試料中の前記1つ以上のDR5断片ペプチドのそれぞれの量を決定することを含み、生体試料中のDR5断片ペプチドのそれぞれが、同じアミノ酸配列を持つ内部標準ペプチドと比較される、実施形態17の方法。
19. 内部標準ペプチドが同位体標識ペプチドである、実施形態18の方法。
20. 同位体標識内部標準ペプチドが、18O、17O、34S、15N、13C、および2H、またはその任意の組み合わせから成るグループから選択される1つ以上の安定重同位体を含む、実施形態19の方法。
21. タンパク質消化物中の1つ以上の修飾または未修飾DR5断片ペプチドの量の検出および/または定量が、修飾または未修飾DR5タンパク質の存在および被験者におけるがんとの関連性を示す、実施形態1〜20のいずれかの方法。
22. 1つ以上の修飾または未修飾DR5断片ペプチドの量、またはDR5タンパク質の量の検出および/または定量の結果を、がんの診断病期/悪性度/状態と関連付けることをさらに含む、実施形態21の方法。
23. 1つ以上の修飾または未修飾DR5断片ペプチド、またはDR5タンパク質の量の検出および/または定量の結果をがんの診断病期/悪性度/状態と関連付けることが、その他のタンパク質、またはその他のタンパク質からのペプチドの検出および/または定量された量と多重フォーマットで組み合わされて、がんの診断病期/悪性度/状態についての追加情報を提供する、実施形態22の方法。
24. 生体試料が取得される被験者に対して、1つ以上のDR5断片ペプチドの有無またはその量またはDR5タンパク質の量に基づいて治療を選択することをさらに含む、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の方法。
25. 生体試料が取得される患者に治療有効量の治療薬を投与することをさらに含み、治療薬および/または投与された治療薬の量が、1つ以上の修飾または未修飾DR5断片ペプチドの量またはDR5タンパク質の量に基づいている、実施形態1〜24のいずれか1つに記載の方法。
26. 治療または治療薬が、DR5タンパク質を発現しているがん細胞に対するものである、実施形態24または25の方法。
27. 生体試料が、Liquid TissueTMプロトコルおよび試薬を用いて、1つ以上の修飾または未修飾DR5断片ペプチドの量を定量するために処理されたホルマリン固定腫瘍組織である、実施形態1〜26のいずれかの方法。
28. 前記1つ以上の修飾または未修飾DR5断片ペプチドが、表1の1つ、2つ、またはそれ以上のペプチドである、実施形態1〜27のいずれかの方法。
29. 表2のペプチドの量の定量を含む、実施形態1〜28のいずれかの方法。
30. 表1のペプチドまたはそれに対する抗体の1つ、2つ、または3つを含む組成物であって、前記組成物がSEQ ID NO:1、2、および/または3のペプチドでないDR5の1つ、2つ、3つまたはそれ以上のペプチドを随意に除外する組成物。
31. 表2のペプチドまたはその抗体の2つ、または3つを含む、実施形態30の組成物。
模範的態様を示す際の、説明、具体的な例、実施形態およびデータは、例示のために与えられており、本開示を制限することを目的としないことが理解されるべきである。本開示内のさまざまな変更および修正が本明細書に含まれる考察、詳細説明、およびデータから当業者には明らかとなり、従って、本明細書の主題の一部と見なされる。SEQ ID NO:1、2、および/または3のペプチドでないDR5の1つ、2つ、3つまたはそれ以上のペプチドを随意に除外する。

Claims (13)

  1. ホルマリン固定組織のヒト生体試料中の死受容体5(DR5)タンパク質の量を測定する方法であって、質量分析を用いて、前記生体試料から調製されたタンパク質消化物中のDR5断片ペプチドのレベルを検出および定量すること、および前記生体試料中のDR5タンパク質のレベルを計算することを含み、ここで、前記DR5断片ペプチドが、SEQ ID NO:1を有するものであり、
    前記量が相対的レベルまたは絶対的レベルである方法。
  2. 前記DR5断片ペプチドのレベルを検出および定量する前に、タンパク質分解物を分画するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
  3. 前記タンパク質消化物がプロテアーゼ消化物を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ホルマリン固定組織がパラフィン包埋組織である、請求項に記載の方法。
  5. 前記組織が腫瘍から取得されたものである、請求項に記載の方法。
  6. 前記断片ペプチドの定量が、1つの生体試料のDR5断片ペプチドの量を、異なる別の生体試料の同じDR5断片ペプチドの量と比較することを含む、請求項に記載の方法。
  7. 前記DR5断片ペプチドの定量が、既知量の追加内部標準ペプチドとの比較によって生体試料の前記DR5断片ペプチドの量を決定することを含み、前記生体試料中の前記DR5断片ペプチドが、同じアミノ酸配列を持つ内部標準ペプチドと比較され、前記内部標準ペプチドが同位体標識ペプチドである、請求項に記載の方法。
  8. 前記タンパク質消化物中の前記DR5断片ペプチドの量の検出および定量が、DR5タンパク質の存在および被験者におけるがんとの関連性を示す、請求項1に記載の方法。
  9. 前記DR5断片ペプチドの量、またはDR5タンパク質の量の検出および定量の結果を、がんの診断病期/悪性度/状態と関連付けるための情報を提供することをさらに含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記DR5断片ペプチドの量、またはDR5タンパク質の量の検出および定量結果をがんの診断病期/悪性度/状態と関連付けるための情報と、その他のタンパク質、またはその他のタンパク質からのペプチドの検出および/または定量された量の情報とを多重フォーマットで組み合わせることにより、がんの診断病期/悪性度/状態についての追加情報を提供するための、請求項に記載の方法。
  11. 前記生体試料が取得される被験者に対して、前記DR5断片ペプチドの有無またはその量またはDR5タンパク質の量に基づいて治療を選択することを補助するための、請求項1に記載の方法。
  12. 前記生体試料が取得される患者に投与される治療薬および/または前記治療薬の量を、前記DR5断片ペプチドの量またはDR5タンパク質の量に基づいて選択することを補助するための、請求項1に記載の方法。
  13. 前記治療薬が、DR5タンパク質を発現しているがん細胞に対するものである、請求項12に記載の方法。
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