以下、本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10について、図1ないし図14に基づいて説明する。また、本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10と、熱線センサ付自動スイッチ10を操作可能な操作子器20とを備えた熱線センサ付自動スイッチシステム30について、図2および図15に基づいて説明する。なお、図中において、同じ部材に対しては、同じ番号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10は、図1および図2に示すように、人体から発せられる熱線を検出する熱線センサ部1と、熱線センサ部1の検出感度を設定する設定操作部7とを備えている。熱線センサ付自動スイッチ10は、手動にて操作された操作スイッチ2a(以下、第1操作スイッチ2aともいう)のオン/オフ操作を判別する入力判別部2入力判別部2(以下、第1入力判別部2ともいう)を備えている。熱線センサ付自動スイッチ10は、熱線センサ部1からのセンサ信号と入力判別部2からの判別信号とに基づいて照明負荷Lの点灯/消灯を制御する制御信号を出力する制御部4を備えている。熱線センサ付自動スイッチ10は、制御部4からの制御信号に基づいて照明負荷Lへの電力の供給を入切する開閉器5と、少なくとも制御部4と開閉器5とを内部に収納する器体11とを備えている。
本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10では、操作スイッチ2aは、正面視において、器体11の表面側に設けられた枠状のプレート9の枠内に配置され、手動にて押される手動操作部2a1を備えている。熱線センサ部1は、手動操作部2a1の一表面2abおよびプレート9の表面9abよりも突出し所定の角度の熱線を入射させる突出部位11kbを備えている。手動操作部2a1は、手動操作部2a1の一表面2abとプレート9の表面9abとを面一として器体11の表面に露出する設定操作部7を覆っている(図5を参照)。手動操作部2a1は、器体11側から手動操作部2a1を外す手掛かりとなる取手部2a2を備えている。取手部2a2は、手動操作部2a1と隣接する突出部位11kb側を手動操作部2a1の一表面2abから突出させ、突出部位11kbに重ねている。
これにより、本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10は、より取扱に優れた構成とすることが可能となる。
すなわち、熱線センサ付自動スイッチ10では、手動操作部2a1における蓋部2gの一表面2abを、プレート9の表面9abと面一することで、歩いている人などが手動操作部2a1を引き掛かってしまう不具合を減少させることが可能となる。また、本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10は、蓋部2gを外すときの手掛かりとなる取手部2a2を、熱線センサ部1の突出部位11kbに重ねるように配置することで、使用者が比較的簡単に手動操作部2a1の蓋部2gを外すことが可能となる。
以下、本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10を用いた熱線センサ付自動スイッチシステム30全体について先に詳述する。
熱線センサ付自動スイッチシステム30は、図2に示すように、本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10と、操作子器20とを有している。本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10は、人体から発せられる熱線を検出する熱線センサ部1と、手動にて操作された第1操作スイッチ2aのオン/オフ操作を判別する第1入力判別部2とを備えている。熱線センサ付自動スイッチ10は、操作子器20からの信号を受信する信号受信部3を好適に備えている。熱線センサ付自動スイッチ10は、熱線センサ部1からのセンサ信号と第1入力判別部2からの判別信号と信号受信部3が受信した信号とに基づいて照明負荷Lの点灯/消灯を制御する制御信号を出力する制御部4を備えている。熱線センサ付自動スイッチ10は、制御部4からの制御信号に基づいて照明負荷Lへの電力の供給を入切する開閉器5を備えている。熱線センサ付自動スイッチ10では、第1操作スイッチ2aのスイッチ操作ごとにモードが切り替わり、モード表示部6でモードを表示する(図3を参照)。
操作子器20は、手動にて操作された第2操作スイッチ22aのオン/オフ操作を判別する第2入力判別部22と、第2入力判別部22からの操作信号に基づいて熱線センサ付自動スイッチ10へ信号を送信する信号送信部23とを備えている。
熱線センサ付自動スイッチ10の制御部4は、熱線センサ部1からのセンサ信号に応じて照明負荷Lを点灯状態にさせ、所定の点灯保持時間の経過後に消灯状態となるように開閉器5を制御することができる(図15の時刻t1から時刻t2を参照)。この場合、熱線センサ付自動スイッチ10では、モード表示部6は、自動点灯消灯モードを表示している。また、本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10では、制御部4は、照明負荷Lが点灯状態において、信号受信部3が操作子器20から照明負荷Lを消灯させる信号を受信すると、点灯保持時間を短縮する。制御部4は、照明負荷Lが点灯状態において、信号受信部3が操作子器20から照明負荷Lを消灯させる信号を受信すると、熱線センサ部1からのセンサ信号による照明負荷Lの点灯を禁止することができる(図15の時刻t4から時刻t7を参照)。これにより、熱線センサ付自動スイッチシステム30は、より省エネルギ化が可能な構成としている。
以下、本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10のより具体的な構成について説明する。
本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10は、建築物の壁面などの施工面(図示していない)に設置された取付枠17(図4を参照)に取り付けられる。熱線センサ付自動スイッチ10は、施工面側に埋込配設する器体11を備えている。熱線センサ付自動スイッチ10は、取付枠17を介して、器体11と反対側に設けられた枠状のプレート9を備えている。熱線センサ付自動スイッチ10は、照明負荷Lの点灯と消灯とを制御可能な回路部16を器体11の内部に備えている(図4を参照)。回路部16は、たとえば、各種の電子部品16aaを実装した第1の回路基板16aを備えている。第1の回路基板16aは、外形が矩形の平板状のプリント配線板などにより形成している。回路部16は、第1の回路基板16aと、平板状の絶縁板16bを介して、第2の回路基板16cを備えている。第2の回路基板16cは、第1の回路基板16aと同様に、各種の電子部品16aaを実装している。回路部16は、第1の回路基板16aと第2の回路基板16cとを図示していない電線などにより電気的に接続している。第2の回路基板16cは、外形が矩形の平板状のプリント配線板などにより形成している。
熱線センサ付自動スイッチ10は、人体から発せられる熱線を検出する熱線センサ部1を備えている。熱線センサ部1は、センサ素子1aを備えている。センサ素子1aは、人体から発せられる熱線として、赤外線エネルギを検出することにより人体の存在の有無を検出可能な赤外線センサを用いて構成することができる。赤外線センサは、焦電素子を用いることができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、熱線センサ部1の検出感度を設定可能な設定操作部7を備えている。
設定操作部7は、熱線センサ部1の検出感度を設定可能なものである。設定操作部7は、熱線センサ部1の検出感度を設定可能なものだけに限れない。設定操作部7は、自動点灯消灯モードにおける点灯保持時間を設定することができる操作部を備えていてもよい。なお、本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10は、操作子器20から照明負荷Lを消灯させる信号を信号受信部3が受信すると、熱線センサ部1からのセンサ信号による照明負荷Lの点灯を所定の期間の間、禁止するマスク期間Mを設けている(図15を参照)。設定操作部7は、自動点灯消灯モードにおけるマスク期間Mを設定することができる操作部を備えていてもよい。すなわち、設定操作部7は、操作子器20からの信号を受信して短縮する点灯保持時間の長さを適宜に調整することもできる。
設定操作部7は、設定操作部7の一部を器体11の表面11bpに露出させている。熱線センサ付自動スイッチ10は、手動にて操作される第1操作スイッチ2a(図1を参照)のオン/オフ操作を判別する第1入力判別部2を、回路部16に形成している。熱線センサ付自動スイッチ10は、操作子器20からの信号を受信する信号受信部3を、回路部16に形成している。
信号受信部3は、操作子器20からの信号を受信可能なものである。信号受信部3は、操作子器20からの信号を有線で受信するものを用いることができる。信号受信部3は、操作子器20からの信号を有線で受信するものだけに限られず、各種波長の電波や可視光通信などを利用して無線で受信するものでもよい。
熱線センサ付自動スイッチ10は、熱線センサ部1からのセンサ信号と第1入力判別部2からの判別信号と信号受信部3が受信した信号とに基づいて照明負荷Lの点灯/消灯を制御する制御信号を出力する制御部4を、回路部16に形成している。制御部4は、マイクロコンピュータなどにより構成することができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、制御部4からの制御信号に基づいて照明負荷Lへの電力の供給を入切する開閉器5を回路部16に形成している。開閉器5は、開閉素子5aと開閉駆動部5bとを備えている。制御部4は、相補的な2個のサイリスタを逆並列に接続する双方向サイリスタのような開閉素子5bを、開閉駆動部5bを介してオンオフ可能に制御する。熱線センサ付自動スイッチ10は、商用電源ACを受けて直流定電圧を発生する直流安定化電源4cを回路部16に形成している。熱線センサ付自動スイッチ10は、商用電源ACと照明負荷Lとの直列回路を電気的に接続可能に構成している(図2を参照)。
回路部16は、たとえば、熱線センサ部1、第1入力判別部2、信号受信部3や制御部4を第1の回路基板16aに形成することができる。また、回路部16は、たとえば、直流安定化電源4cや開閉器5を第2の回路基板16cに形成することもできる。直流安定化電源4cは、熱線センサ付自動スイッチ10の電源端子11c1,11c2を介して、商用電源ACと電気的に接続している。開閉器5は、商用電源ACを接続する電源端子11c1と、照明負荷Lを接続する負荷端子11c4との間に電気的に接続している。
熱線センサ付自動スイッチ10では、熱線センサ部1からのセンサ信号と第1入力判別部2からの判別信号と信号受信部3が受信した操作子器20からの信号とが、制御部4に入力される。制御部4では、熱線センサ部1からのセンサ信号である熱線センサ部1の出力がA/D変換されて入力される。制御部4は、第1入力判別部2の出力がA/D変換されて入力される。制御部4は、信号受信部3の出力がA/D変換されて入力される。制御部4は、熱線センサ部1からのセンサ信号に基づいて、予め設定された検知エリア内における人体の存否を検知し、開閉器5を制御する制御信号を出力することができる。
熱線センサ付自動スイッチ10は、周囲の明るさを識別可能な明るさセンサ1sを好適に備えている。明るさセンサ1sは、たとえば、CdSやフォトダイオードなどの受光素子を用いて構成することができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、第1の回路基板16aに明るさセンサ1sの受光素子を実装している。制御部4は、明るさセンサ1sと電気的に接続している。明るさセンサ1sは、熱線センサ部1と一体的に構成してもよい。熱線センサ付自動スイッチ10は、制御部4の動作モードを表示するモード表示部6を好適に備えている(図3を参照)。熱線センサ付自動スイッチ10は、モード表示部6を構成する複数個(ここでは、3個)の発光ダイオード6aを、第1の回路基板16aに実装している。制御部4は、モード表示部6の各発光ダイオード6aそれぞれ電気的とに接続している。制御部4は、第1操作スイッチ2aが操作される度に、モードを遷移させる。制御部4は、第1操作スイッチ2aが操作される度に、遷移されたモードをモード表示部6に表示する。
制御部4は、自動点灯消灯モードにおいて、熱線センサ部1の検知エリアに人体が存在すると判断した場合、熱線センサ部1からのセンサ信号に応じて照明負荷Lを点灯状態にさせ所定の点灯保持時間の経過後に消灯状態にする。制御部4は、照明負荷Lが点灯する点灯保持時間を計時するためのタイマ部(図示していない)を内蔵している。制御部4は、点灯保持時間の計時中に熱線センサ部1からセンサ信号が再入力されると、センサ信号が再入力された時点から所定の点灯保持時間後に照明負荷Lを消灯状態にするように構成している。したがって、タイマ部は、センサ信号が再入力された時点から所定の点灯保持時間を計時できるようにリトリガブル・タイマを構成している。
制御部4は、制御部4の基本的な動作として、明るさセンサ1sの検出した明るさが予め設定された明るさの閾値よりも暗い状態で、熱線センサ部1に入射した熱線の変化に基づいて人体を検知すると、照明負荷Lを点灯させる。制御部4は、タイマ部が計時した所定の点灯保持時間の間、照明負荷Lの点灯状態を維持するように開閉器5を制御する。なお、熱線センサ付自動スイッチ10は、制御部4により照明負荷Lへの供給電力を調節し、照明負荷Lを所望の光出力で点灯させることもできる。熱線センサ付自動スイッチ10は、回路部16を器体11の内部に収納することにより、少なくとも制御部4と開閉器5とを器体11の内部に収納している。
器体11は、図4に示すように、ボディ体11aとカバー体11bとを備えている。ボディ体11aとカバー体11bとは、分離可能な構成としている。器体11は、直方体状であって、有底角筒状のボディ体11aと、有底角筒状のカバー体11bとで構成している。ボディ体11aとカバー体11bとは、ボディ体11aとカバー体11bとを嵌め合わせて内部が空洞な箱状体を構成している。ボディ体11aは、電気絶縁性の樹脂材料により形成している。ボディ体11aは、電気絶縁性の樹脂材料として、たとえば、ユリア樹脂などを用いて形成することができる。ボディ体11aは、たとえば、加熱溶融させた電気絶縁性の樹脂材料を金型内に射出注入し、冷却固化させる射出成形により一体成形品として形成することができる。カバー体11bは、電気絶縁性の樹脂材料により形成している。カバー体11bは、電気絶縁性の樹脂材料として、たとえば、ユリア樹脂などを用いて形成することができる。カバー体11bは、たとえば、加熱溶融させた電気絶縁性の樹脂材料を金型内に射出注入し、冷却固化させる射出成形により一体成形品として形成することができる。
なお、熱線センサ付自動スイッチ10は、器体11の寸法を埋込型配線器具の1個のモジュールの3個分に相当する1連のモジュールの大きさとしている。器体11は、正面視が長方形状の器体11の短手方向の寸法を、埋込配線器具用の取付枠17における窓孔17aaの短手方向の寸法より若干小さい大きさとしている。
ボディ体11aは、カバー体11b側と係合する係合突起部11acを備えている。係合突起部11acは、ボディ体11aの上下側(図4の紙面の上下側)それぞれの短手方向に沿って2個1組で設けている。ボディ体11aは、電源端子11c1,11c2、負荷端子11c3,11c4や子器接続端子11c5,11c6となる端子11cを収納する。すなわち、熱線センサ付自動スイッチ10は、電線(図示していない)が接続される端子11cを備えている。端子11cは、錠ばね11caと、錠ばね11caを収容する端子板11cbとを備えている。端子11cは、電線が挿入されると、電線と電気的に接続し端子板11cbと錠ばね11caとで電線が固定できるように構成している。錠ばね11caは、たとえば、銅や銅合金などの金属材料により構成された板材の折り曲げ加工により形成することができる。同様に、端子板11cbは、たとえば、銅や銅合金などの金属材料により構成された板材の折り曲げ加工により形成することができる。すなわち、端子11cは、絶縁被覆が剥がされた電線の芯線が挿入されることで、電線との電気的接続および機械的接続が行われる速結端子を構成している。
カバー体11bは、カバー体11bの上下側(図4の紙面の上下側)それぞれの短手方向に沿って、ボディ体11a側に突出する一対の突出片11bc、11bcを備えている。突出片11bcは、有底角筒状のカバー体11bにおける筒状部位に対して弾性変形が可能な構成としている。カバー体11bは、筒状部位と突出片11bcとを一体成形により形成することができる。突出片11bcは、外形がC字状となっており、筒状部位から突出して外部に露出する部位に係合孔11bfを形成している。カバー体11bは、突出片11bcの係合孔11bfと、ボディ体11aの係合突起部11acとを係合可能に構成している。
カバー体11bは、ボディ体11aの係合突起部11acと、係合突起部11acに対応する係合孔11bfとをそれぞれ係合させることによって、カバー体11bをボディ体11a側に位置決めして固定することができる。すなわち、器体11は、ボディ体11aとカバー体11bとを嵌め合わせて構成している。カバー体11bは、短手方向における側壁11bbに、側壁11bbから突出する取付爪11bdを備えている。カバー体11bは、取付枠17の器具取付孔17abと、取付爪11bdとを係合可能としている。
カバー体11bは、カバー体11bの側壁11bbに、一対の取付爪11bd,11bdが突設された部位の両側部に2本の切込溝11bg,11bgが厚み方向に沿って設けている。カバー体11bは、一対の取付爪11bd,11bdの間の部位に、厚み方向に可撓性を有する撓み片11beを設けている。カバー体11bは、撓み片11beをカバー体11bの内側に撓ませることが可能に構成している。
取付枠17は、取付枠17を構成する側片17aに配線器具を取り付け可能な器具取付孔17abを備えている。取付枠17は、カバー体11bの取付爪11bdを器具取付孔17abに係合させることにより、器体11を取付枠17に保持することができる。器体11は、器体11を取付枠17に取り付ける際、たとえば、カバー体11bの一方の側壁11bbの取付爪11bdを、取付枠17の一方の器具取付孔17abに挿入する。なお、取付枠17は、図4に示した枠状の金属体を用いた構成のものだけでなく、器体11を取り付けることができるものであれば、種々の構成のものを用いることができる。次に、器体11は、他方の側壁11bbの取付爪11bdを、カバー体11bの内側に撓むようにして、取付枠17の窓孔17aaにカバー体11bを挿入する。器体11は、取付枠17に埋め込まれるように挿入した後、カバー体11bの他方の側壁11bbの取付爪11bdを、取付枠17の他方の器具取付孔17abに挿入する。器体11は、取付爪11bdが器具取付孔17abに挿入されることにより、器体11が取付枠17に保持される。また、器体11は、器体11を取付枠17から取り外す場合、撓み片11beをカバー体11bの内側に押し込むようにする。器体11は、撓み片11beの撓みにより、取付爪11bdが器具取付孔17abから抜けて取付枠17から器体11を取り外すことができる。
なお、取付枠17は、取付枠17を構成する枠片17bに、固定螺子18を挿通するための長孔17acを備えている。取付枠17は、それぞれの長孔17acに挿通された固定螺子18が、たとえば、施工面に埋設された埋込ボックス(図示していない)のねじ部に螺合されることにより、取付枠17を施工面側に固定することができる。取付枠17は、枠片17bにプレート螺子用のねじ孔17adを備えている。取付枠17は、図示していないが、表面側で、矩形枠状のプレート枠(図示していない)とプレート螺子(図示していない)を用いてねじ止めされる。プレート枠は、プレート枠の表面側にプレート9が着脱自在に取着される。プレート9は、矩形板状に形成している。プレート9は、合成樹脂により形成することができる。
プレート9は、取付枠17の窓孔17aaよりも長寸かつ幅広の窓孔9aaを備えている。同様に、プレート枠は、取付枠17の窓孔17aaよりも長寸かつ幅広の孔を備えている。熱線センサ付自動スイッチ10は、第1操作スイッチ2aが、手動操作部2a1を備えている。手動操作部2a1は、プレート9の表面9abと略同一面となる蓋部2gを備えている(図1、図3、図4および図5を参照)。手動操作部2a1は、プレート9の枠内に、設定操作部7を覆う蓋部2gを配置している。手動操作部2a1は、蓋部2gを取り外し可能に保持するハンドル部2fを備えている(図4、図5、図11および図12を参照)。熱線センサ付自動スイッチ10は、プレート9の表面9abから手動操作部2a1の蓋部2gを取り外すことで、設定操作部7が外部に露出するように、ハンドル部2fに開口部2f1を形成している(図5および図12を参照)。手動操作部2a1は、蓋部2gの四隅に爪部位2g3を備えている(図13を参照)。手動操作部2a1は、蓋部2gの爪部位2g3と対応するハンドル部2fの位置に係止孔2f2を備えている(図5、図10、図11および図12を参照)。手動操作部2a1は、蓋部2gの爪部位2g3を、ハンドル部2fの係止孔2f2に着脱自在に係止可能に構成している。
カバー体11bは、カバー体11bの上側(図4の紙面の上側)において、平面視が円形状の窓孔11bh,11biを備えている。カバー体11bは、カバー体11bの中央部において、カバー体11bの短手方向に沿って、平面視が矩形状の窓孔11bjを3個備えている。カバー体11bは、カバー体11bの下側(図4の紙面の下側)において、カバー体11bの表面11bp側に突出する突台部11bkを備えている。カバー体11bは、突台部11bkに開口11bmを備えている。
さらに、カバー体11bは、手動操作部2a1のハンドル部2fを枢着するため、平面視において、カバー体11bの表面11bpの一方の側壁側(図4の紙面の左側)に突出した軸部11bnを備えている。軸部11bnは、カバー体11bの長手方向に沿って円柱状に形成している。カバー体11bは、カバー体11bの軸部11bnが金属製の板ばね2dにより手動操作部2a1のハンドル部2f側に押し圧される(図8および図9を参照)。言い換えれば、手動操作部2a1は、手動操作部2a1のハンドル部2fと板ばね2dとでカバー体11bの軸部11bnを狭持して、カバー体11b側に保持されている。また、カバー体11bは、平面視において、カバー体11bの表面11bpの中央部で端部が保持され、他端側(図4の右側)の先端がT字状となるように周部が切り欠かれた撓み部11brを備えている(図4および図14を参照)。撓み部11brは、ハンドル部2fからの押し圧により、器体11の内部に撓むように構成している。
第1操作スイッチ2aは、手動にて押される手動操作部2a1を備えている。第1操作スイッチ2aは、手動操作部2a1のハンドル部2fの一端部が器体11側に支持され他端部が揺動自在に押操作可能なピアノハンドルとなっている。すなわち、第1操作スイッチ2aは、ピアノハンドル式のスイッチを構成している。ピアノハンドル式のスイッチは、スイッチ本体2aaの前面側に取り付けられたピアノハンドルを、ピアノハンドルの一方の側端部を支点にして他方側が押圧回動されることにより、ピアノハンドルでスイッチ本体2aaのスイッチ機構を押圧作動可能なものである。ピアノハンドル式のスイッチは、ピアノハンドルのピアノタッチ操作でスイッチ操作を行うことができる。
手動操作部2a1は、カバー体11bの表面11bpに設けられ操作子2acと対向する部位に設けられたT字状の撓み部11brと当接可能に構成している(図7を参照)。手動操作部2a1は、器体11側に支持された状態で、手動操作部2a1の背面側が撓み部11brと当接可能としている(図8を参照)。熱線センサ付自動スイッチ10は、手動操作部2a1が押操作されるとカバー体11b側に押される。熱線センサ付自動スイッチ10は、手動操作部2a1への押操作により、撓み部11brを介して、器体11の内部の操作子2acが押される。熱線センサ付自動スイッチ10は、操作子2acが押されると第1操作スイッチ2aがオンとなる。第1操作スイッチ2aは、たとえば、スイッチ本体2aaの操作子2aが押される度にオンとオフとが反転する位置保持型スイッチを用いることができる。位置保持型スイッチは、プッシュロックスイッチやプッシュオン/プッシュオフ・スイッチなどを用いることができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、押圧する力が手動操作部2a1からなくなると、手動操作部2a1が操作子2acの反力などを受けて元の位置に復帰する構成とすることができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、手動操作部2a1が元の位置に復帰すると、第1操作スイッチ2aがオフとなる。
本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10では、正面視が長方形状の手動操作部2a1において、手動操作部2a1の短手方向の中央部に複数個(ここでは、3個)の導光部材6aaが背面側に突出している(図10および図13を参照)。手動操作部2a1の蓋部2gは、押し圧操作される一表面2ab側に設けられた矩形平板状の表板2g1と、カバー体11b側に設けられた裏板2g2とを備えている(図13を参照)。表板2g1は、透光性を有しカバー体11b側に突出する導光部材6aaと一体的に形成している。手動操作部2a1は、熱線センサ部1の突出部位11kbと重なるように設けられた取手部2a2を備えている。取手部2a2は、指を引き掛けて蓋部2gの取り外しを行い易いように引掛凹所2a3を設けている(図1を参照)。手動操作部2a1は、手動操作部2a1の蓋部2gから突出する導光部材6aaが嵌め込まれる透孔2caを手動操作部2a1のハンドル部2fに備えている(図5を参照)。熱線センサ付自動スイッチ10は、手動操作部2a1から突出する導光部材6aaを、カバー体11bの窓孔11bjに挿脱可能に構成している。導光部材6aaは、透孔2caに嵌め込んだ状態で手動操作部2a1の背面側に取着される。導光部材6aaは、透光性を有する合成樹脂で形成することができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、器体11内に設けた発光ダイオード6aからの照射光を手動操作部2a1に保持された導光部材6aaを介して、外部に出射することができる。
発光ダイオード6aは、たとえば、色や点灯状態によって、熱線センサ付自動スイッチ10のモードを表示可能なモード表示部6を構成するものである。熱線センサ付自動スイッチ10では、照明負荷Lを連続的に点灯させる連続点灯モードで駆動させることができる。また、熱線センサ付自動スイッチ10では、熱線センサ部1からのセンサ信号に応じて照明負荷Lを点灯状態にさせ所定の点灯保持時間の経過後に消灯状態にする自動点灯消灯モードで駆動させることができる。さらに、熱線センサ付自動スイッチ10では、照明負荷Lを消灯する強制消灯モードで駆動させることができる。熱線センサ付自動スイッチ10では、制御部4は、手動操作部2a1への押操作により、連続点灯モードと、自動点灯消灯モードと、強制消灯モードとを切り替える。制御部4は、切り替えられた各モードを手動操作部2a1に設けたモード表示部6に表示することができる。
制御部4は、複数個の発光ダイオード6aと各別に電気的に接続している。制御部4は、複数個の発光ダイオード6aの点灯を各モードそれぞれに対応して各別に制御する。モード表示部6は、各モードそれぞれに対応する発光ダイオード6aからの発光で各モードを各別に表示することができる。より具体的には、熱線センサ付自動スイッチ10は、照明負荷Lへの給電を止め照明負荷Lを消灯する強制消灯モードの場合、たとえば、3つの発光ダイオード6aのうち、短手方向の一方側(図3の紙面の左側)に設けた発光ダイオード6aが点灯する。熱線センサ付自動スイッチ10は、たとえば、3つの発光ダイオード6aのうち、短手方向の一方側に設けた発光ダイオード6aを赤色に点灯させればよい。熱線センサ付自動スイッチ10は、自動点灯消灯モードの場合、たとえば、短手方向の中央部に設けた発光ダイオード6aが点灯する。熱線センサ付自動スイッチ10は、たとえば、3つの発光ダイオード6aのうち、短手方向の中央部に設けた発光ダイオード6aを緑色に点灯させればよい。熱線センサ付自動スイッチ10は、所定の点灯保持時間の間、中央部に設けた発光ダイオード6aを緑色に点滅させてもよい。熱線センサ付自動スイッチ10は、所定の点灯保持時間の残存時間が少なくなるにつれ、中央部に設けた発光ダイオード6aの点滅間隔を短くさせてもよい。熱線センサ付自動スイッチ10は、照明負荷Lを連続的に点灯させる連続点灯モードの場合、たとえば、3つの発光ダイオード6aのうち、短手方向の他方側(図3の紙面の右側)に設けた発光ダイオード6aが点灯する。熱線センサ付自動スイッチ10は、たとえば、3つの発光ダイオード6aのうち、短手方向の他方側の発光ダイオード6aを青色に点灯させればよい。
熱線センサ付自動スイッチ10は、器体11の表面11bp側に化粧プレートとなる枠状のプレート9を取り付けている。熱線センサ付自動スイッチ10は、プレート9の枠内の窓孔9aaに第1操作スイッチ2aの手動操作部2a1を配置している。また、熱線センサ付自動スイッチ10は、手動操作部2a1の下側(図3の紙面の下側)に化粧カバー1dを備えている。化粧カバー1dは、カバー体11bの開口11bmに対向する位置に開口部位1dbを備えている。化粧カバー1dは、開口部位1dbに突台部11bkを挿通している。化粧カバー1dは、手動操作部2a1の一表面2abおよびプレート9の表面9abよりも突出するように突出部位11kbを備えている。突出部位11kbは、突台部11bkを保護するように、円弧状の形状をしている。
熱線センサ部1は、たとえば、焦電素子などのセンサ素子1aを備え、予め設定された検知エリア内に存在する人体からの熱線を検出可能ものである。熱線センサ部1のセンサ素子1aは、回路部16の第1の回路基板16aに実装することができる。
熱線センサ付自動スイッチ10は、センサ素子1aをセンサカバー1aaで覆っている。センサカバー1aaは、外形が半円筒状としている。熱線センサ部1は、人体から発せられる熱線を、センサカバー1aaを介してセンサ素子1aが検出する。センサカバー1aaは、赤外線を集光するフレネルレンズを構成してもよい。熱線センサ付自動スイッチ10は、器体11のカバー体11bと回路部16との間で、センサカバー1aaを挟持し器体11の内部に収納している。
熱線センサ付自動スイッチ10は、器体11のカバー体11bとセンサカバー1aaとの間に一対のシャッター1b,1bを備えている。各シャッター1bは、外形が弧状の基部1baと、基部1baの一端から立設する取手部位1bbとを一体に備えている。各シャッター1bは、センサカバー1aaの表面に沿って可動自在に構成している。各シャッター1bは、センサカバー1aaの一部を覆うことができる。各シャッター1bは、取手部位1bbを操作することによって、基部1baを移動させることができる。熱線センサ部1は、各シャッター1bの基部1baを移動させることにより、熱線センサ部1が人体を検出する検出領域を調整することができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、熱線センサ部1の検出領域を調整して、人体の検知エリアの最適化を行うことが可能となる。
第1の回路基板16aは、複数個(ここでは、3個)の発光ダイオード6aを実装している。モード表示部6は、発光ダイオード6aからの発光を外部に放出させる導光部材6aaを備えている。導光部材6aaは、手動操作部2a1の透孔2caに嵌め込まれている。手動操作部2a1は、手動操作部2a1の一表面2abとプレート9の表面9abとを面一として器体11の表面11bpに露出する設定操作部7を覆っている。導光部材6aaは、手動操作部2a1が器体11の設定操作部7を覆った状態で、器体11側の発光ダイオード6aと対応するように配置している。
熱線センサ付自動スイッチ10は、第1の回路基板16aに信号受信部3を構成する電子部品を実装している。また、第1の回路基板16aは、制御部4を構成するため電子部品を実装している。さらに、第1の回路基板16aは、ヒューズ、異常発熱抑制のための温度ヒューズや漏電防止用のリレーなどの各種の電子部品を実装してもよい。第1の回路基板16aは、開閉器5として、主スイッチ素子を構成する開閉素子5aと、開閉素子5aの駆動を制御する開閉駆動部5bとを実装している。第1の回路基板16aは、直流安定化電源4cを実装することができる。また、第1の回路基板16aは、発光ダイオード6a、コンデンサ、抵抗やリレーなどの電子部品を実装している。第1の回路基板16aには、図示していない配線パターンを形成しており、各種の電子部品と電気的に接続できるように構成している。発光ダイオード6aは、たとえば、赤色発光、緑色発光、青色発光の点灯や点滅の区別により、連続点灯モード、自動点灯消灯モード、強制消灯モードをモード表示部6で表示することができる。また、発光ダイオード6aは、熱線センサ付自動スイッチシステム30における信号受信部3の受信状態などを表示することもできる。
回路部16は、手動操作部2a1で押駆動される操作子2acを有する第1操作スイッチ2aのスイッチ本体2aaを、第1の回路基板16aに実装している。回路部16は、照明負荷Lの点灯保持時間を設定するための点灯保持時間設定部7aを構成するボリュームなどを、第1の回路基板16aに実装している。回路部16は、明るさセンサ1sが検知する明るさの程度を設定するための明るさセンサ調整部7bを構成するロータリボリュームなどを、第1の回路基板16aに実装している。熱線センサ付自動スイッチ10は、回路部16を器体11に収納している。
熱線センサ付自動スイッチ10は、手動操作部2a1の押圧により、器体11の内部側に撓んだ撓み部11brがスイッチ本体2aaの操作子2acを押駆動する。
点灯保持時間設定部7aは、たとえば、ボリュームの操作軸を回動できるようにツマミ7a1を備えている。点灯保持時間設定部7aは、器体11の窓孔11bhを介して、点灯保持時間設定部7aのツマミ7a1を器体11の表面11bp側に突出させている。点灯保持時間設定部7aは、自動点灯消灯モードにおいて、照明負荷Lを点灯させる点灯保持時間を設定可能なものである。熱線センサ付自動スイッチ10は、プレート9の表面9abと略同一面に設置された手動操作部2a1を取り外すと、設定操作部7が露出する。
熱線センサ付自動スイッチ10は、たとえば、10秒から30分までの範囲で点灯保持時間を適宜に設定することができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、点灯保持時間設定部7aにより、照明負荷Lの点灯保持時間を適宜に調整することが可能となる。明るさセンサ調整部7bは、たとえば、ロータリボリュームの操作軸を回動できるようにツマミ7b1を備えている。明るさセンサ調整部7bは、器体11の窓孔11biを介して、明るさセンサ調整部7bのツマミ7b1を器体11の表面11bp側に突出させている。明るさセンサ調整部7bは、たとえば、明るさセンサ1sの明るさ検知レベルを「暗め」(たとえば、5lx以下)から「明るめ」(たとえば、100lx以上)までの範囲で設定することができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、たとえば、明るさセンサ調整部7bを「切」に設定すると、明るさセンサ1sの機能を停止させることができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、明るさセンサ調整部7bを「切」に設定した場合、熱線センサ付自動スイッチ10の周囲が明るいときに宅内の照明負荷Lを点灯させることを防止することが可能となる。熱線センサ付自動スイッチ10は、周囲が明るいときに宅内の照明負荷Lを点灯させることを防止し、省エネルギ化を図ることが可能となる。
熱線センサ付自動スイッチ10は、たとえば、明るさセンサ調整部7bで、明るさのしきい値を調整することにより、結果として、熱線センサ部1が人の存在の有無を検知する検出感度が設定されたのと同様の効果を得ることができる。すなわち、熱線センサ付自動スイッチ10では、明るさセンサ調整部7bは、熱線センサ部1の検出感度を設定する設定操作部7を構成する。なお、熱線センサ付自動スイッチ10は、熱線センサ部1の検出感度を直接的に調整して設定する設定操作部7を備えていてもよい。
次に、本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10の動作について、図15を用いて詳述する。
熱線センサ付自動スイッチ10は、自動点灯消灯モードの場合、熱線センサ部1が熱線の変化を時刻t1で検出すると、熱線センサ部1がセンサ信号を出力する。熱線センサ付自動スイッチ10は、自動点灯消灯モードの場合、モード表示部6において、「自動」を表示させている。熱線センサ付自動スイッチ10は、熱線センサ部1からのセンサ信号に基づいて、制御部4が開閉器5を制御させて照明負荷Lを点灯状態にさせる。熱線センサ付自動スイッチ10では、制御部4のタイマ部が熱線センサ部1からのセンサ信号を受信してから所定の時間(図15の時刻t1から時刻t2を参照)が経過するまでカウンタの値を徐々に少なくする。熱線センサ付自動スイッチ10は、タイマ部のカウンタの値が「0」になる時刻t2後、制御部4が開閉器5を制御させて照明負荷Lを消灯状態にする。言い換えれば、熱線センサ付自動スイッチ10は、予め設定した点灯保持時間が経過するまで、照明負荷Lを点灯させる。
次に、熱線センサ付自動スイッチ10では、自動点灯消灯モードの場合、時刻t1と同様に、熱線センサ部1が熱線の変化を時刻t3で検出すると、熱線センサ部1がセンサ信号を出力する。熱線センサ付自動スイッチ10は、熱線センサ部1からのセンサ信号に基づいて、制御部4が開閉器5を制御させて照明負荷Lを点灯状態にさせる。熱線センサ付自動スイッチ10は、自動点灯消灯モードの場合、照明負荷Lが点灯状態において、操作子器20から照明負荷Lを消灯させる信号を時刻t4で信号受信部3が受信すると、照明負荷Lを点灯する点灯保持時間を短縮する。熱線センサ付自動スイッチ10は、熱線センサ部1からのセンサ信号により制御部4が照明負荷Lを点灯状態にする時刻t3からタイマ部のカウンタの値が「0」になる時刻t5よりも前の時刻t4で、制御部4が開閉器5を制御させて照明負荷Lを消灯状態にする。すなわち、熱線センサ付自動スイッチ10は、時刻t3から時刻t5までの点灯保持時間を、時刻t3から時刻t4までに短縮している。熱線センサ付自動スイッチ10は、操作子器20から照明負荷Lを消灯させる信号を信号受信部3が受信すると、マスク期間Mの間、熱線センサ部1からのセンサ信号による照明負荷Lの点灯を所定の期間の間、禁止し照明負荷Lの消灯状態を維持する。熱線センサ付自動スイッチ10は、たとえば、照明負荷Lを消灯状態にした時刻t4から時刻t7までのマスク期間M中において、時刻t6で熱線センサ部1からセンサ信号を制御部4が受けても照明負荷Lの消灯状態を継続させる。熱線センサ付自動スイッチ10では、消灯状態を継続させる場合、たとえば、モード表示部6において、「切」を表示させることができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、時刻t7でマスク期間Mの経過後、熱線センサ部1からのセンサ信号に応じて照明負荷Lを点灯可能なように自動点灯消灯モードに復帰する。熱線センサ付自動スイッチ10では、自動点灯消灯モードに復帰に伴い、モード表示部6において、再び「自動」を表示させることができる。
なお、熱線センサ付自動スイッチ10は、第1操作スイッチ2aが操作される度に、連続点灯モードと、自動点灯消灯モードと、強制消灯モードとを切り替える。モード表示部6は、連続点灯モードで「連続入」を表示する。モード表示部6は、自動点灯消灯モードで「自動」を表示する。モード表示部6は、強制消灯モードで「切」を表示する。熱線センサ付自動スイッチ10では、動作モードの切り替えに応じて、「切」、「自動」、「連続入」の順で各モードを遷移させることを繰り返している。
熱線センサ付自動スイッチシステム30は、たとえば、熱線センサ部1の検知エリア内に操作子器20が設けられていても、操作子器20を人が操作して照明負荷Lを消すことができる。また、熱線センサ付自動スイッチシステム30は、自動点灯消灯モードにおいて、照明負荷Lを点灯する点灯保持時間を短縮する。熱線センサ付自動スイッチシステム30は、熱線センサ部1が操作子器20を操作する人を検知して照明負荷Lを点灯することなく、省エネルギ化を図ることが可能となる。
操作子器20は、熱線センサ付自動スイッチ10を操作可能なものである。操作子器20は、熱線センサ付自動スイッチ10を制御する信号を送信して熱線センサ付自動スイッチ10を操作する。操作子器20は、熱線センサ付自動スイッチ10を制御する信号を送信できればよく、手動にて操作された第2操作スイッチ22aのオン/オフ操作を判別する第2入力判別部22と、第2入力判別部22からの操作信号に基づいて信号送信部23を制御する子器制御部24とを備えて構成することができる。操作子器20は、第2入力判別部22からの操作信号に基づいて、熱線センサ付自動スイッチ10へ信号を送信する信号送信部23を制御する子器制御部24を備えていてもよい。操作子器20は、有線で信号を熱線センサ付自動スイッチ10へ送信するものでもよいし、無線で信号を熱線センサ付自動スイッチ10へ送信するものでもよい。熱線センサ付自動スイッチシステム30では、たとえば、熱線センサ付自動スイッチ10から離れた人が操作子器20を操作することで、照明負荷L側への給電および給電の停止を行うことができる。熱線センサ付自動スイッチ10は、たとえば、内部の信号受信部3が操作子器20からの信号を受信し、制御部4が、操作子器20からの信号に基づき照明負荷L側への給電と給電の停止とを切替える。
以下、本実施形態の熱線センサ付自動スイッチ10に用いられる各構成について、より詳細に説明する。
熱線センサ部1は、人体の存在の有無を検知可能なものである。熱線センサ付自動スイッチ10は、照明負荷Lへの給電と給電の停止とを人体の存在の有無で行うため、人感センサなどの熱線センサ部1を備えている。熱線センサ部1は、たとえば、人体からの熱線として、赤外線エネルギを検出することにより人体の存在を検知する赤外線センサを用いることができる。赤外線センサは、たとえば、焦電素子などのセンサ素子1aを備えた構成とすればよい。熱線センサ部1は、たとえば、CdSやフォトダイオードなどの明るさセンサ1sと一体に構成し、明るさセンサ1sによって周囲の明るさを識別可能に構成してもよい。熱線センサ部1は、回路部16の第1の回路基板16aに、センサ素子1aを実装することができる。熱線センサ部1は、視野角を確保するために第1操作スイッチ2aの正面よりも突出した突出部位11kbを備えている。突出部位11kbは、カバー体11bの表面11bp側に突出する突台部11bkを覆っている。
第1入力判別部2は、第1操作スイッチ2aからの信号が入力されるものである。第1操作スイッチ2aは、手動にて押すことにより、スイッチ動作を行うことが可能なものである。第1入力判別部2は、第1操作スイッチ2aからの信号が入力される。第1入力判別部2は、第1操作スイッチ2aのスイッチ動作により、オン/オフ操作を判断可能なものである。第1操作スイッチ2aは、手動にて押される手動操作部2a1を備えている。操作スイッチ2aは、手動操作部2a1の一端部が器体11側に支持され他端部が揺動自在に押操作可能なピアノハンドルとしている。
手動操作部2a1は、手動にて押される操作スイッチ2aの一部を構成している。手動操作部2a1は、蓋部2g、ハンドル部2f、カバー体11bを用いて構成することができる。蓋部2gは、押し圧操作される一表面2ab側に設けられた表板2g1と、カバー体11b側に設けられた裏板2g2とを備えて構成することができる。表板2g1は、透光性を有しカバー体11b側に突出する導光部材6aaと一体的に形成することができる。
手動操作部2a1は、モード表示部6を構成する導光部材6aaと表板2g1とを一体的に形成するものだけに限られず、別体として形成してもよい。手動操作部2a1は、熱線センサ部1の突出部位11kbと重なるように設けられた取手部2a2を備えている。取手部2a2は、指を引き掛けて蓋部2gの取り外しを行い易いように引掛凹所2a3を設けている。
制御部4は、少なくとも熱線センサ部1からのセンサ信号と、第1入力判別部2からの判別信号とに基づいて照明負荷Lの点灯/消灯を判断可能なものである。制御部4は、給電側と照明負荷L側との間の電気的な接続と電気的な接続解除とを行うように制御する。制御部4は、相補的な2個のサイリスタを逆並列に接続する双方向サイリスタなどの半導体スイッチ素子の導通および非導通を制御する機能を有している。また、制御部4は、手動操作部2a1への押操作により、熱線センサ付自動スイッチ10において、連続点灯モードと、自動点灯消灯モードと、強制消灯モードとの各モードを切り替え、モード表示部6の各発光ダイオード6aを点灯制御可能なものである。制御部4は、たとえば、CPU(CentralProcessing Unit)を備えたマイクロコンピュータなどを用いて構成することができる。
開閉器5は、制御部4からの制御信号に基づいて照明負荷Lを点灯または消灯可能なものである。開閉器5は、商用電源ACを接続する電源端子11c1と、照明負荷Lを接続する負荷端子11c4との間に電気的に接続している。開閉器5は、半導体スイッチ素子を主スイッチ素子とする電子スイッチの他、可動接点および固定接点を備えた機械スイッチなどであってもよい。
設定操作部7は、熱線センサ部1の検出感度を設定可能なものである。設定操作部7は、熱線センサ部1の検出感度を設定するものだけに限れない。設定操作部7は、自動点灯消灯モードにおける点灯保持時間を設定する操作部を備えていてもよい。また、設定操作部7は、操作子器20からの信号を受信して短縮する点灯保持時間の長さを適宜に調整するため、自動点灯消灯モードにおけるマスク期間Mを設定する操作部を備えていてもよい。
プレート9は、器体11の表面側に設けられプレート9の枠内に、手動にて押される手動操作部2a1を配置可能なものである。プレート9は、プレート9の枠内に、手動にて押される手動操作部2a1を配置可能であればよく、必ずしも外形が矩形状のものだけに限られない。プレート9は、たとえば、電気絶縁性の樹脂材料により形成することができる。
器体11は、熱線センサ部1、入力判別部2、制御部4や開閉器5を収納可能なものである。器体11は、熱線センサ部1、入力判別部2、制御部4や開閉器5を収納可能であればよく、種々の形状に形成することができる。また、器体11は、種々の材料によって形成することができ、たとえば、電気絶縁性の樹脂材料として、ユリア樹脂などを用いて形成することもできる。