JP6041442B2 - 酸化型グルタチオンアッセイ - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2010年9月1日に出願された米国特許出願第61/379,203号の利益を主張する。
本発明は、細胞中の酸化型グルタチオン(GSSG)の検出、及びGSHとGSSGの比率の決定のためのアッセイを提供する。
健康な状態を保つために、細胞、特に哺乳類細胞において、しばしばレドックス状態/電位と称される酸化状態と還元状態とのバランスを維持する必要がある。レドックス状態/電位を設定及び保持するために用いられる最も重要な機構のうちの1つは、細胞中の酸化型グルタチオン及び還元型グルタチオンの相対量の維持によって生じる。
グルタチオンは、グルタミン酸、システイン酸、及びグリシンの3つのアミノ酸からなるペプチドである。それは、他のタンパク質及びペプチドよりもはるかに高い濃度で細胞中に存在することが多い。グルタチオンは、複数の形態で細胞中に存在することができる。最も頻繁に細胞のレドックス状態/電位と関連すると考えられる2つの形態は、GSH及びGSSGである。還元型であるGSHは、グルタチオンが他の分子と結合していない場合に生じる。(Monostori et al.2009.J.Chromatography B 877:3331−3346)。酸化型であるGSSGは、2つのグルタチオン分子間にジスフィルド結合が存在する場合に生じる。GSHは、しばしば酸化的損傷に対する第1の防衛線であると考えられ、細胞から活性種を除去してGSSGを形成することができる。血漿中のGSSGの存在は、しばしばストレス管理の指標となる。GSH及びGSSGは、単純な酸化/還元反応を通して互いに関連しているため、それらは、細胞中にレドックス状態/電位を確立する。更に、典型的には、GSH及びGSSGを合わせると、細胞中で最も多いレドックス対を構成するため、通常、細胞中のGSH及びGSSGの量の決定が行われ、GSH対GSSGの比率が細胞のレドックス電位の目安として報告される。GSHとGSSGの比率における変化は、しばしば細胞中の酸化的損傷の尺度として用いられる。
したがって、細胞中のGSH対GSSGの比率を正確かつ迅速に決定する必要性が存在する。多くの報告により、アセトアミノフェン、タモキシフェン、イソニアジド、及びアモジアキン等の化合物が、GSH対GSSGの比率を劇的に減少させ、アポトーシス又は壊死による細胞死を引き起こすことが示されている(Srivastava et al.2010.Handb.Exp.Pharmacol 196:165−94)。GSH対GSSGの比率における変動が細胞死と関連していることが報告されているため、この比率を正確に決定することができる必要がある(Monostori et al.2009)。
サンプル中のGSHを測定するための複数の方法が存在するが、最も一般的に使用されるのは、グルタチオン還元酵素等の酵素とエルマン試薬の組み合わせ(Monostori et al. 2009)、及びクロマトグラフィー法、例えば、HPLC法(Monostori et al.2009)である。これらの方法は、グルタチオン測定のために試料を添加する前に、酸性化、沈殿によるタンパク質除去、中和、内部標準の添加、及びその他を含むいくつかの処理ステップを用いる(Monostori et al.2009)。GSHは、酸素への曝露等によって容易にGSSGに変換されるため、多くの処理ステップを必要とする技術を使用して、正確な比率測定のために試料中のGSSG及びGSHの初期量を保つことは困難である。したがって、これらの方法は、処理ステップの間に失われる及び酸化される材料の量の推定を可能にする内部標準の添加を必要とすることが多い。
上記方法を使用してサンプル中のGSSGレベルを測定することは、更により困難である。典型的に、GSSGは、試料中のGSHの小さな画分に過ぎないため、試料中のGSSGの量における比較的小さな変化が、GSH/GSSGの比率に劇的な変化をもたらし得る。例えば、実際のGSH/GSSGのモル比が100であり(GSHが10mM、GSSGが100μMの細胞濃度から)、GSSGにおける100μMの増加に伴ってGSHのレベルが10mMから9.8mMに低下した(2%の変化)場合[1モルのGSSGを生成するためには2モルのGSHが必要であるため]、GSSGレベルは100μMから200μMに変化し[100%の変化]、GSH対GSSGの比率は100から49に変化する[2倍の変化]。よって、GSH/GSSGの比率を正しく決定するためには、試料中のGSSGの量の正確な測定が必要不可欠である。
GSSGの決定のためのいくつかの方法が報告されている。多くのこれらの方法は、最初にGSHのレベルを測定し、次いで、全てのGSSGをGSHに還元した後でGSHのレベルを測定することによって、試料中のGSSGのレベルを算出する(Monostori et al.2009)。次いで、GSSGをGSHに還元した後のGSHのレベルの量から、GSHの初期測定で見出されたGSHの量を引くことによって、GSSGのレベルが推定される。こうして、2つの比較的大きな数字間の差を算出することによってGSSGのレベルが決定されるが、そのどちらもある程度の可変性を有し、したがって誤差が生じやすい。
GSSGを測定するための他の方法では、GSH測定反応においてシグナルを発しないように、最初にGSHが試料中で化学修飾されることが要求される。次いで、試料中のGSSGがGSHに還元され、最終的に、結果として得られたGSSGから生成されたGSHが測定される。そのような方法は理論においては正確であるかもしれないが、GSSGをGSHに還元する前にGSHをマスキングするために使用される材料を除去又は不活性化する必要がある。これを行わないと、形成されたGSHが直ちに修飾されてブロッキング剤によって生成される形態となり、試料中のGSSGのレベルが実際よりも低く推定される結果となる。そのような場合、GSH測定反応においてシグナルを発しない形態にGSHを迅速かつ不可逆的に修飾するためにN‐エチルマレイミド(NEM)等のアルキル化剤が使用される。残念ながら、これらの方法は、試料中に存在するいずれのスルフヒドリル試薬によってもシグナルを発する化学反応の使用に依存する。よって、通常、アルキル化試薬は、材料を消耗させる過剰なスルフヒドリル試薬の添加によって単純に消耗され得ない。この理由から、これらの方法は、最高9回まで溶液を抽出する必要性をもたらし、試料処理を大幅に複雑化し、GSHの損失の可能性を増大させる、過剰な試薬(NEM)の痕跡を全て除去しなければならない。
したがって、正確かつ迅速な様式でGSH、GSSGの量及び/又はGSH対GSSGの比率を決定するための方法の必要性が存在し、特に、たとえあったとしてもごく少ない処理ステップを要求する方法が必要とされる。本発明の方法は、試料中のGSHの量の測定のために、処理ステップを必要とせず、かつGSHの損失を防止する、酵素反応を使用する。
甲虫ルシフェリン(D‐ルシフェリン)の6員環(「A環」又は「環A」)、5員中心環(「B環」又は「環B」)、及び他の5員環(「C環」又は「環C」)の環原子の番号付けを示す。 グルタチオン‐S‐トランスフェラーゼ(GST)の基質として有用な例示的なルシフェリン誘導体を示す。 グルタチオン‐S‐トランスフェラーゼ(GST)の基質として有用な例示的なルシフェリン誘導体を示す。 GSTの基質として有用な例示的な蛍光化合物を示す。 ルシフェリン誘導体を使用した蛍光検出を示す。 ルシフェリン誘導体を使用した蛍光検出を示す。 ルシフェリン誘導体を使用した蛍光検出を示す。 ルシフェリン誘導体を使用した蛍光検出を示す。 ルシフェリン誘導体を使用した蛍光検出を示す。 クマリン誘導体を使用した蛍光検出を示す。 クマリン誘導体を使用した蛍光検出を示す。 GSHの標準曲線を示す。 細胞のGSH及びGSSG、培地のGSH及びGSSG、ならびにGSH及びGSSGの合計の平均RLUを示す。 細胞及び培地中のGSH体GSSGの比率を示す。
本発明の方法は、試料中のGSSGの量を測定するために酵素反応を使用する。本発明の方法は、試料、例えば、細胞(複数可)を含有する試料を、溶解剤及び修飾剤、例えば、N‐エチルマレイミド(NEM)等のスルフヒドリルアルキル化剤と接触させることを含む。試料、例えば、溶解した細胞(複数可)は、次いで、基質、グルタチオン‐S‐トランスフェラーゼ(GST)、及び過剰な還元剤と接触させられ、GSTと基質の相互作用によって生成されるシグナルが検出される。使用される特定の酵素反応は、還元型グルタチオン(GSH)に特異的であり、試料中に存在する可能性のある他のスルフヒドリルからのシグナルは発しない。酵素反応の特異性のために、はるかに過剰なアルキル化剤中にスルフヒドリル還元剤、例えばDTTを添加してアルキル化試薬を大いに圧倒することによって、活性なアルキル化試薬(例えば、NEM)を排除することができる。上記添加は、試料中のいずれのGSSGもGSHに還元し、過剰なアルキル化剤を不活性化してGSSGをGSHに還元し、これらの操作の各々のための別個のステップの必要性を排除するという付加的な利点も有する。また、本発明の方法において使用される濃度では、アルキル化剤(例えば、NEM)と還元剤との反応は本質的に瞬間的である(また、還元剤は、それ自体では、又は存在する酵素を用いてもしくは用いずに使用されるアルキル化試薬との組み合わせにおいて、シグナルを発しない)ため、還元剤をGSH検出反応に単純に添加することができ、それによってGSH検出のための別個のステップを排除する。更に、還元剤は、他の反応構成成分とともに添加されたときに、プレルシフェリンによって発光シグナルを発する種を形成しない。よって、試料中に存在するスルフヒドリル部分の量を超えるようなアルキル化剤(例えば、NEM)の量を添加し、いずれの過剰なアルキル化剤も直ちに不活性化され、試料中のいずれのGSSGもGSHに還元されることを確実にするようにスルフヒドリル還元剤(DTT等)の量を添加し、GSSGのレベルを検出するためにGSH検出剤を添加することにより、本発明の方法を試料中のGSSGのレベルの測定のために使用することができる。
本発明の方法の別の利点は、本方法がGSHに特異的なシグナルのみを生成するということであり、すなわち、本方法は、[エルマン試薬又は化学検出試薬、例えば、ブロモビマン等によってシグナルを発するもののように(Clin.Chem.1988.vol.44,pp.825−832及びBiochem J.2006.vol393,pp.575−582)]試料中の全てのSH基からのシグナルを発しないということであり、したがって、例えば、試料の酸性化によるタンパク質変性後に、遠心分離によって沈殿したタンパク質を除去することにより、試料からタンパク質を除去する必要がないということである。
上記特徴を組み合わせることにより、本発明の方法は、タンパク質沈殿又は過度の試料処理の必要なく、細胞抽出物、細胞培地、又は他の生物試料、例えば、血漿、血清、血液等の生理液中の非常に低レベルの酸化型グルタチオンの正確かつ迅速な測定を可能にする。本発明のステップの組み合わせは、非常に予測不可能である一方で、本方法が成功するように必要に応じて行われる多くの要因に依存する。例えば、
1.還元型グルタチオンからのシグナル生成のために使用される試薬は、試料中に存在する他のSH基からの実質的なシグナルを生成してはならない。
2.GSH検出反応の特異性も、試料中に存在するタンパク質上に存在するものを含む、反応中に存在する他のSH基の存在からはシグナルを生成しない。
3.アルキル化剤と試料中に存在する全てのSH基との反応は、本質的に即時的であり、非常に短期間のうちに完了しなければならず、よって、試薬がGSHに到達することができるとすぐに、試料中の既存のGSHを完全に排除することができる。
4.細胞からGSHを放出するために使用される物質は、アルキル化試薬を不活性化してはならないが、迅速かつ完全に細胞を溶解させることができなければならず、よって、試薬が添加されるとすぐに、試料からのGSHを完全に排除することができ、それによって試料中のあらゆるGSHのGSSGへの酸化を防止し、そうすることで試料中のGSSGのレベルを本質的に「凍結させる」。
5.添加される還元剤の添加は、それが、還元剤が試料中のGSSGから形成する可能性のあるいずれかのGSHを修飾することができる前にアルキル化剤を最初に不活性化しなければならないか、又はGSH検出酵素(この場合はGST)を不活性化させる。
6.ルシフェラーゼに基づく検出システムの感度は、試料中に存在するGSSGの量から生成された非常に低レベルのルシフェリンを正確に検出することができなければならない。
したがって、長年の間存在してきた問題を解決するためのこれら全ての要因の組み合わせは、新規であると同時に予期せぬものである。
定義
本明細書で使用される場合、以下の用語及び表現は、指示された意味を有する。本発明の化合物は、非対称に置換された炭素原子を含有し、光学活性形態又はラセミ形態に単離されてもよいことを認識されたい。ラセミ形態の分割による又は光学活性出発材料からの合成による等の光学活性形態の調製の仕方は、当該技術分野において周知である。ある構造の全てのキラル、ジアステレオ異性、ラセミ形態、及び全ての幾何異性体形態が、本発明の一部である。
ラジカル、置換基、及び範囲について以下に列挙する特定の値は、例示のためであるに過ぎず、それらは、他の規定値又はラジカル及び置換基に関する規定範囲内の他の値を除外するものではない。
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、「置換された」を使用した表現において指示された基上の1つ以上(例えば、1、2、3、4、又は5個、いくつかの実施形態において1、2、又は3個、他の実施形態において1又は2個)の水素が、指示された基(複数可)から選択される基又は当業者に既知の好適な基で置換されることを意味することを意図するが、但し、指示された原子の通常の原子価を超えず、その置換によって安定な化合物がもたらされるものとする。好適な指示される基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメチル、アシルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、複素環スルフィニル、複素環スルホニル、リン酸塩、硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル(アルキル)アミン、及びシアノを含む。更に、好適な指示される基は、例えば、−X、−R、−O-、−OR、−SR、−S-、−NR2、−NR3、=NR、−CX3、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO2、=N2、−N3、NC(=O)R、−C(=O)R、−C(=O)NRR、−S(=O)2-、−S(=O)2OH、−S(=O)2R、−OS(=O)2OR、−S(=O)2NR、−S(=O)R、−OP(=O)O2RR −P(=O)O2RR、−P(=O)(O)2、−P(=O)(OH)2、−C(=O)R、−C(=O)X、−C(S)R、−C(O)OR、−C(O)O、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(S)SR、−C(O)NRR、−C(S)NRR、−C(NR)NRR(式中、各Xは、独立してハロゲン(「ハロ」):F、Cl、Br、又はIであり、各Rは、独立してH、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、保護基、又はプロドラッグ部分である)を含んでもよい。当業者には容易に理解されるように、置換基がオキソ(=O)又はチオキソ(=S)等である場合、置換された原子上の2つの水素原子が置換される。
本明細書で使用される場合「アルキル」という用語は、例えば、1〜30個の炭素原子、しばしば1〜12個、又は1〜約6個の炭素原子を有する分岐鎖、非分岐鎖、又は環状の炭化水素を指す。その例は、限定されないが、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル(t−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−1−ブチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等を含む。アルキルは、非置換であってもよいか又は置換されていてもよい。また、アルキルは、任意で、部分的に又は完全に不飽和であってもよい。このため、アルキル基の列挙は、アルケニル基及びアルキニル基の両方を含む。アルキルは、上に記載及び例示したような一価の炭化水素ラジカルであってもよいか、又は二価の炭化水素ラジカル(すなわちアルキレン)であってもよい。
「アルケニル」という用語は、モノラジカルの分岐鎖又は非分岐鎖の部分不飽和炭化水素鎖(すなわち、炭素‐炭素、sp2二重結合)を指す。一実施形態において、アルケニル基は、2〜10個の炭素原子、又は2〜6個の炭素原子を有することができる。別の実施形態において、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を有する。その例は、限定されないが、エチレン又はビニル、アリル、シクロペンテニル、5−ヘキセニル等を含む。アルケニルは、非置換であってもよいか又は置換されていてもよい。
「アルキニル」という用語は、完全に不飽和である点(すなわち、炭素−炭素、sp三重結合)を有するモノラジカルの分枝鎖又は非分枝鎖炭化水素鎖を指す。一実施形態において、アルキニル基は、2〜10個の炭素原子、又は2〜6個の炭素原子を有することができる。別の実施形態において、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を有することができる。この用語は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、1−オクチニル等の基によって例示される。アルキニルは、非置換であってもよいか、又は置換されていてもよい。
「シクロアルキル」という用語は、単環式環又は多縮合環を有する3〜10個の炭素原子の環状アルキル基を指す。シクロアルキル環は、3〜7個の炭素原子又は5〜6個の炭素原子を有することができる。そのようなシクロアルキル基は、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル等の単環構造、又はアダマンタニル等の多環構造を含む。シクロアルキルは、非置換であってもよいか、又は置換されていてもよい。シクロアルキル基は、一価又は二価であってもよく、アルキル基について前述したように、任意で置換されてもよい。シクロアルキル基は、任意で1つ以上の不飽和の部位を含むことができ、例えば、シクロアルキル基は、例えば、シクロへキセン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン等の1つ以上の炭素‐炭素二重結合を含むことができる。
「アルコキシ」という用語は、基アルキル−O−(アルキルは本明細書に定義されるものである)を指す。一実施形態において、アルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシ等を含む。アルコキシは、非置換であってもよいか、又は置換されていてもよい。
本明細書で使用される場合、「アリール」又は「Ar」は、親芳香族環系の単一炭素原子から1つの水素原子を除去することに由来する芳香族炭化水素基を指す。ラジカルは、親環系の飽和炭素原子又は不飽和炭素原子に存在してもよい。アリール基は、6〜30個の炭素原子を有することができる。他の実施形態において、アリール基は、6〜12個の炭素原子を有することができる。アリール基は、単環(例えば、フェニル)又は多縮合(縮合)環を有することができ、少なくとも1つの環は芳香族(例えば、ナフチル、ジヒドロフェナントレニル、フルオレニル、又はアントリル)である。典型的なアリール基は、限定されないが、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル等に由来するラジカルを含む。アリールは、アルキル基について前述したように、非置換であってもよいか、又は任意で置換されていてもよい。
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。同様に、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。
「ハロアルキル」という用語は、同じか又は異なってもよい、本明細書に定義される1つ以上のハロ基によって置換された本明細書に定義されるアルキルを指す。一実施形態において、ハロアルキルは、1、2、3、4、又は5個のハロ基で置換されてもよい。別の実施形態において、ハロアルキルは、1、2、又は3個のハロ基で置換されてもよい。又はロアルキルという用語は、ペルフルオロ−アルキル基も含む。代表的なハロアルキル基は、例として、トリフルオロメチル、3−フルオロドデシル、12,12,12−トリフルオロドデシル、2−ブロモオクチル、3−ブロモ−6−クロロヘプチル、1Η,1Η−ペルフルオロオクチル等を含む。ハロアルキルは、アルキル基について前述したように、任意で置換されていてもよい。
「ヘテロアリール」という用語は、1個、2個、又は3個の芳香環を含有し、芳香環中に少なくとも1つの窒素、酸素、又は硫黄原子を含有し、「置換された」の定義において前述したように、非置換であってもよいか、又は、例えば1つ以上の、特に1〜3個の置換基で置換されていてもよい、単環式、二環式、又は三環式の環系として本明細書において定義される。典型的なヘテロアリール基は、1つ以上のヘテロ原子に加えて2〜20個の炭素原子を含有する。他の実施形態において、ヘテロアリール基は、1つ以上のヘテロ原子に加えて3〜15個の炭素原子を含有してもよいか、又は1つ以上のヘテロ原子に加えて4〜10個の炭素原子を含有してもよい。特定の実施形態において、ヘテロアリール環は、炭素及びヘテロ原子の両方を含む全部で5〜12個の環原子、又は5〜10個の環原子、又は5〜7個の環原子を含有する。ヘテロアリール基の例は、限定されないが、2H−ピロリル、3H−インドリル、4H−キノリジニル、アクリジニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾチアゾリル、β−カルボリニル、カルバゾリル、クロメニル、シンノリニル、ジベンゾ[b,d]フラニル、フラザニル、フリル、イミダゾリル、イミジゾリル、インダゾリル、インドリシニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサゾリル、ペリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリル、及びキサンテニルを含む。
一実施形態において、「ヘテロアリール」という用語は、炭素と、非過酸化物酸素、硫黄、及びN(Z)(Zは存在しないか、又はH、O、アルキル、アリール、もしくは(C1−C6)アルキルアリールである)から独立して選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子とを含有する5個あるいは6個の環原子を含有する単環式芳香環を意味する。別の実施形態において、ヘテロアリールは、ヘテロアリールに由来する約8〜10個の環原子のオルト縮合二環式複素環、特に、ベンゾ誘導体、又はプロピレン、トリメチレン、もしくはテトラメチレンジラジカルをそこに縮合させることによって誘導される誘導体を意味する。
「複素環」という用語は、酸素、窒素、及び硫黄の群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、任意で、「置換された」という用語の下に本明細書に定義される1つ以上の基で置換される、飽和又は部分的不飽和環系を指す。複素環は、1つ以上のヘテロ原子を含有する単環式、二環式又は三環式基であってもよい。いくつかの実施形態において、複素環は、全部で3〜20個の環原子、又は全部で5〜20個の環原子、又は5〜12個の環原子を含有する。特定の実施形態において、複素環は、1〜4個のヘテロ原子、又は1個、2個、3個、又は4個のヘテロ原子を含む。また、複素環基は、該環に結合したオキソ基(=O)又はチオキソ(=S)基を含有することができる。複素環基の非限定的な例は、1,3−ジヒドロベンゾフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、1,4−ジチアン、2H−ピラン、2−ピラゾリン、4H−ピラン、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソクロマニル、イソインドリニル、モルホリン、ピペラジニル、ピペリジン、ピペリジル、ピラゾリジン、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、及びチオモルホリンを含む。
「複素環」という用語は、限定ではなく例として、Paquette,Leo A.;Principles of Modern Heterocyclic Chemistry(W.A.Benjamin,New York,1968)、特に、Chapters1,3,4,6,7,及び9、The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A Series of Monographs''(John Wiley&Sons,New York,1950〜現在)、特にVolumes13,14,16,19,及び28、ならびにJ.Am.Chem.Soc.1960,82,5566に記載される複素環のモノラジカルを含むことができる。一実施形態において、「複素環」は、1つ以上(例えば、1、2、3、又は4個)の炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、又はS)で置換されている、本明細書において定義される「炭素環」を含む。
限定ではなく例示として、複素環の例はジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサンチニル2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、べンゾトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾオキサゾリニル、イサチノイル、及びビス−テトラヒドロフラニルを含む。
限定ではなく例として、炭素結合複素環は、ピリジンの2、3、4、5、又は6位、ピリダジンの3、4、5、又は6位、ピリミジンの2、4、5、又は6位、ピラジンの2、3、5、又は6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール又はテトラヒドロピロールの2、3、4、又は5位、オキサゾール、イミダゾール又はチアゾールの2、4、又は5位、イソオキサゾール、ピラゾール又はイソチアゾールの3、4、又は5位、アジリジンの2又は3位、アゼチジンの2、3、又は4位、キノリンの2、3、4、5、6、7、又は8、あるいはイソキノリンの1、3、4、5、6、7、又は8位に結合する。炭素結合複素環は、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル等を含む。
限定ではなく例として、窒素結合複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドール又はイソインドリンの2位、モルホリンの4位、及びカルバゾール又はβ‐カルボリンの9位に結合されてもよい。一実施形態において、窒素結合複素環は、1−アジリジル、1−アゼテジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、及び1−ピペリジニルを含む。
「炭素環」という用語は、単環として3〜8個の炭素原子、二環として7〜12個の炭素原子、及び多環として約30個までの炭素原子を有する飽和環、不飽和環、又は芳香環を指す。単環式炭素環は、典型的には3〜6個の環原子、更により典型的には5又は6個の環原子を有する。二環式炭素環は、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]もしくは[6,6]系として配置された7〜12個の環原子、又はビシクロ[5,6]もしくは[6,6]系として配置された9又は10個の環原子を有する。炭素環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペント−1−エニル、1−シクロペント−2−エニル、1−シクロペント−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロへクス−l−エニル、1−シクロへクス−2−エニル、1−シクロへクス−3−エニル、フェニル、スピリル、及びナフチルを含む。炭素環は、アルキル基について前述したように、任意で置換されていてもよい。
「アルカノイル」又は「アルキルカルボニル」という用語は、−C(=O)R(式中、Rは、以前に定義されたアルキル基である)を指す。
「アシルオキシ」又は「アルキルカルボキシ」という用語は、−O−C(=O)R(式中、Rは、以前に定義されたアルキル基である)を指す。アシルオキシ基の例は、限定されないが、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、及びペンタノイルオキシを含む。アシルオキシ基を形成するために、上で定義されたいずれのアルキル基を含む。
「アルコキシカルボニル」という用語は、−C(=O)OR(又は「COOR」)(式中、Rは、以前に定義されたアルキル基である)を指す。
「アミノ」という用語は、−NH2を指す。アミノ基は、「置換された」という用語について本明細書に定義されるように、任意で置換されていてもよい。
「アルキルアミノ」という用語は、−NR2(式中、少なくとも1つのRはアルキルであり、第2のRはアルキル又は水素である)を指す。「アシルアミノ」という用語は、N(R)C(=O)R(式中、Rは、独立して水素、アルキル、又はアリールである)を指す。
「中断された」という用語は、「中断された」という用語を使用した表現において言及される特定の炭素鎖の2つの隣接する炭素原子(及びそれらが付着している水素原子(例えば、メチル(CH3)、メチレン(CH2)、又はメチン(CH))間に別の基が挿入されることを意味するが、但し、指示された原子の各々の通常の原子価を超えず、その中断によって安定な化合物がもたらされるものとする。炭素鎖を中断することができる好適な基は、例えば、1つ以上の、非過酸化物オキシ(−O−)、チオ(−S−)、イミノ(−N(H)−)、メチレンジオキシ(−OCH2O−)、カルボニル(−C(=O)−)、カルボキシ(−C(=O)O−)、カルボニルジオキ(−OC(=O)O−)、カルボキシレート(−OC(=O)−)、イミン(C=NH)、スルフィニル(SO)、及びスルホニル(SO2)を有するものを含む。アルキル基は、前述の好適な基のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、又は約6)によって中断されてもよい。また、中断の部位は、アルキル基の炭素原子と、アルキル基が結合している炭素原子との間であってもよい。
「ルシフェラーゼ」という用語は、別途指定のない限り、天然に発生するルシフェラーゼ、組換えルシフェラーゼ、又は変異体ルシフェラーゼを指す。天然に発生する場合、ルシフェラーゼは、当業者によって生物から容易に得ることができる。ルシフェラーゼが、天然に発生するルシフェラーゼであるか、又は組換えもしくは変異体ルシフェラーゼである場合、すなわち、ルシフェラーゼ−ルシフェリン反応において、天然に発生するルシフェラーゼの活性を保持するルシフェラーゼである場合、それは、ルシフェラーゼをコードする核酸を発現するように形質転換された細菌、酵母、哺乳類細胞、昆虫細胞、植物細胞等の培養物から容易に得ることができる。更に、組換え又は変異体ルシフェラーゼは、ルシフェラーゼをコードする核酸を用いてインビトロの無細胞系から誘導することができる。ルシフェラーゼは、Promega Corporation、Madison,Wis.から入手可能である。
本明細書で使用される場合、「フルオロフォア」は、ある波長域でエネルギーを吸収することができ、その波長域以外の波長域ではエネルギーを放出することができる分子を含む。好適なフルオロフォアは、クマリン、フルオレセイン、ローダミン、又は任意の好適なキサンテン色素、レゾルフィン、もしくはクレシルバイオレットを含む。「励起波長」という用語は、フルオロフォアがエネルギーを吸収する波長の範囲を指す。「発光波長」という用語は、フルオロフォアがエネルギーを放出するか、又は蛍光を発する波長の範囲を指す。
本明細書で使用される場合、「生物発光アッセイ」又は「生物発光反応」又は「発光アッセイ」又は「発光反応」は、非ルシフェラーゼ酵素と、ルシフェリン、アミノルシフェリン、もしくはセレンテラジンの誘導体との反応の生成物がルシフェラーゼのための基質である反応、又はルシフェリン、アミノルシフェリン、もしくはセレンテラジンの誘導体を有する非酵素反応の生成物がルシフェラーゼのための基質である反応、又はルシフェラーゼと、ルシフェリン、アミノルシフェリン、もしくはセレンテラジンの誘導体との反応が生物発光性である、すなわち、測定可能な量の光を生成する反応を含む。
本明細書で使用される場合、「生物発光」又は「発光」は、光を発生する酵素と基質との反応の結果として生成される光である。そのような酵素(生物発光酵素)の例は、ホタルルシフェラーゼ、例えば、北米産ホタル又はペンシルバニアホタル、コメツキムシルシフェラーゼ、ウミシイタケルシフェラーゼ、ウミホタルルシフェラーゼ、発光エビルシフェラーゼ、例えば、トゲオキヒオドシエビ、エクオリン発光タンパク質、オベリン発光タンパク質等を含む。
「ルシフェラーゼ反応混合物」は、ルシフェラーゼ酵素と、ルシフェラーゼ酵素に光シグナルを生成する材料とを含有する。発光シグナルを生成するために必要な材料、ならびに該必要な材料の特定の濃度及び/又は量は、使用されるルシフェラーゼ酵素、及び行われるルシフェラーゼに基づくアッセイの種類に応じて異なる。一般に、ホタルルシフェラーゼの場合、これらの材料は、ATP、マグネシウム塩(塩化マグネシウム等)、ホタルルシフェラーゼ酵素、及びルシフェリンがホタルルシフェラーゼのための基質として使用された場合に光を発生することができるルシフェリンを含み得る。反応を適切なpHで維持するための緩衝液;ルシフェラーゼの活性を維持するのに役立つPRIONEX又はウシ血清アルブミン(BSA)等の添加剤;還元剤;界面活性剤等を含む他の材料が溶液に添加されることが多い。
本明細書で使用される場合、「ルシフェリンの誘導体」又は「アミノルシフェリンの誘導体」は、非ルシフェラーゼ酵素(例えば、GST)のための基質であって、ルシフェラーゼのプロ基質である分子か、又は非ルシフェラーゼ酵素(例えば、GST)のための基質であって、ルシフェラーゼのための基質である分子である。本発明の誘導体は、D−ルシフェリン又はアミノルシフェリン骨格の環のうちの1つ以上に結合する3つの環及び/又は置換基のうちの1つ以上に対する1つ以上の修飾を有する(図1を参照)。
「蛍光アッセイ」又は「蛍光反応」は、非ルシフェラーゼのタンパク非分解性酵素(GST等)とフルオロフォアの誘導体との反応の生成物が蛍光性である反応を含む。
「シグナル生成部分」又は「レポーター部分」は、フルオロフォア、又はルシフェラーゼのための基質、例えば、ルシフェリン、アミノルシフェリン、もしくはセレンテラジン、又は化学発光部分、例えば、アダマンチル1,2−ジオキセタンを含む。
使用方法
一態様において、本発明は、試料中のGSSGを検出する方法を提供する。別の態様において、本発明は、試料中のGSH対GSSGの比率を検出する方法を提供する。GSH対GSSGの比率は、しばしば細胞のレドックス状態をモニタリングするために使用されるため、本発明の方法は、細胞におけるレドックス状態を検出するために使用することができる。
一般的に、本発明の方法は、試料を溶解剤及び修飾剤と接触させることを含む。例えば、試料は、溶解した細胞を含んでもよく、それは、次いで、基質、グルタチオン‐S‐トランスフェラーゼ(GST)、及び過剰な還元剤と接触させられ、GSTと基質との相互作用によって生成されるシグナルが検出される。特定の実施形態において、シグナルは発光である。他の実施形態において、シグナルは蛍光である。基質が、ルシフェラーゼのための基質、例えば、ルシフェリン又はルシフェリンの誘導体である場合、ルシフェラーゼ反応混合物が添加され、発光が検出される。代替として、基質が、レポーター部分、例えば、フルオロフォアを含む場合、それは当業者に既知の適切な手段を使用して検出される。
試薬は、逐次的に又は同時に添加されてもよい。例えば、溶解剤及びスルフヒドリル修飾剤が、逐次的に又は同時に添加されてもよい。試薬が同時に添加される場合、それらは単一の溶液又は複数の溶液中に存在してもよい。
シグナルは、必要に応じて定量化されてもよい。シグナルは、標準曲線と比較することができる。シグナルの強度は、試料中のGSSG又はGSHの存在又は量の関数である。
好適な溶解剤は、標準的な溶解緩衝液を含む。動物細胞の場合、Triton X−100もしくはTergitol等の0.1〜1.0%の非イオン界面活性剤、又はイオン界面活性剤、例えば、DTAB、を含む緩衝液が典型的には適当である。細菌、植物、真菌、又は酵母の細胞は、通常、溶解させるのがより困難である。界面活性剤、凍結解凍サイクル、低張緩衝液、超音波処理、キャビテーション、又はそれらの方法の組み合わせが用いられてもよい。
好適なスルフヒドリル修飾剤は、N−エチルマレイミド(NEM)、4ビニルピリジン(4−VP)、及びヨードアセトアミド等のアルキル化剤を含む。本発明の方法において典型的に使用されるスルフヒドリル試薬の量は、予想される試料中の還元型グルタチオンのレベルよりも約2〜10倍高くあるべきである。例えば、96ウェルプレート中の約1,000〜20,000個の培養哺乳類細胞の処理には、50〜250μΜ NEM溶液の50μlの濃縮が必要である。
好適な還元剤は、スルフヒドリル基を含む還元剤、例えば、ジチオトレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール、システイン、及びシステインアミンである。本発明の方法において典型的に使用されるスルフヒドリル試薬の量は、試料に添加されるアルキル化剤の濃度よりも約2〜5倍高くあるべきである。例えば、96ウェル細胞培養プレート中の哺乳類細胞のウェルを処理するには、50μlの100〜1,250μΜ DTT溶液が必要である。
全てのアルキル化剤又は還元剤が水溶液中で高度に安定しているわけではないことに留意されたい。例えば、NEMは、加水分解して、スルフヒドリル基をアルキル化しない生成物を生成することができる。よって、使用する直前に試薬を作製した場合に最良の結果が達成される。
グルタチオン‐S‐トランスフェラーゼ(GST)の好適な源は、本質的にグルタチオンを含まない酵素調製物、例えば、Promega社製グルタチオン‐S‐トランスフェラーゼ(GST)酵素(カタログ番号V687)を含む。本発明の方法を行う場合、本質的にグルタチオンを含まないGST酵素調製物を使用することが非常に重要である。好適には、それは、GSTサブユニット1モル当たり1モル未満のGSHが存在することを意味する。多くのGST酵素の源は、酵素を生成するために使用される精製技術の結果として、高レベルのグルタチオンを含有する。そのような調製物は、少数の哺乳類細胞から放出されるグルタチオンのレベルを測定するために使用されたときに、許容できないほど高いバックグラウンド値を得るのに十分なグルタチオンを含有することが多い。本発明の方法において、試料中に存在するグルタチオンから効果的にシグナルを生成するのに十分な量でGSTが添加される必要がある。例えば、100μlの反応物の場合、約1〜10μgのGST酵素、より好ましくは2〜4μgの酵素の添加が、シグナルを生成するために必要である。
本発明は、任意の細胞、例えば、実験室で培養された細胞、又は動物から得られた細胞中の、GSSGの存在又は量を決定するために使用することができる。動物から得られた細胞は、組織、組織抽出物、組織溶解物、又はホモジネート等であってもよい。細胞は、真核細胞、例えば、酵母、鳥類、植物、昆虫、又は限定されないが、ヒト、サル、マウス、イヌ、ウシ、ウマ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、もしくはブタの細胞を含む哺乳類の細胞、あるいは原核細胞、あるいは2つ以上の異なる生物からの細胞、あるいはそれらの細胞溶解物又は上清であってもよい。細胞は、組換え技術によって遺伝子改変されていてもよい。特定の態様において、細胞は、動物、例えば、トランスジェニック動物中に、又は生理液、例えば、血液、血漿、尿、粘膜分泌等の中に存在してもよい。一実施形態において、本発明の方法は、インビトロで行われてもよい。別の実施形態において、本発明の方法は、インビボで行われてもよい。
更に、本明細書に記載される生物発光アッセイのうちのいずれかのために、限定されないが、ルシフェラーゼの不活性化を阻害もしくは防止するか、又はさもなければ、発光シグナルを延長もしくは増強する試薬を含む他の試薬が反応混合物に添加されてもよい。
基質は、ルシフェラーゼのためのプロ基質であるか、又はレポーター部分に連結された、非ルシフェラーゼ酵素(例えばGST)のための基質を含む。レポーター部分は、蛍光部分、例えば、クマリン及びフルオレセイン、化学発光部分、又は視覚的手段によってもしくはその吸光度によって検出され得る色を生成する部分であってもよい。
基質
好適な基質は、限定されないが、下の式(I)、(II)、及び(III)の化合物を含む。
式中、nが0であって、XがSであるか、又はnが1であって、XがCHであり、
Yは、O、OSO2、又はOP(O)OR(式中、Rは任意のアルキル又はアリールエステルである)であり、
1は、H、F、又はOHであり、
2は、H、アルキル、アリール、CH2Ar、又はCH2CH2OHであり、
3、R3’、R4は、独立して、NO2、CF3、又はHであり、
Zは、CH又はNである。
式中、nが0であって、XがSであるか、又はnが1であって、XがCHであり、
1は、H、F、又はOHであり、
2は、H、アルキル、アリール、CH2Ar、又はCH2CH2OHであり、
3、R3’、又はR4は、独立して、NO2、CF3、又はHである。
式中、Xは、N又はOであり、
1、R2、R3、R4、及びR5は、独立して、H、低級アルキル(C1−C6)、CF3、ハロゲン、NO2、CO2R(式中、Rは、HもしくはC1-6アルキルである)であるか、又は任意の2つの隣接するR1−R5が縮合環(例えば、ベンゾ、ナフト、複素環)を形成することができるが、但し、R1、R3、又はR5のうちの少なくとも1つはNO2であり、3つ全てがNO2ではないものとする。
更なる基質を図2A〜D及び3に示す。
本発明は、以下の非限定的な実施例によって更に説明される。
実施例1 6−(2ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェノキシ)キノリニル−ルシフェリン(GST−3)の合成
2−シアノ−6−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェノキシ)キノリンの合成 DMSO30ml中の2−シアノ−6−ヒドロキシキノリン(0.50g、2.94mmol)、2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゼンクロリド(0.67g、2.94mmol)、及び炭酸カリウム(0.41g、2.97mmol)の混合物を100℃まで30分加熱した。室温まで冷却してから、30mlの冷水に混合物を注ぎ入れ、塩化メチレンで3回抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。ヘプタン/塩化メチレン(1:2)を溶出剤として使用したフラッシュクロマトグラフィーにより、35%の収率で生成物を精製した。1H NMR(CD2Cl2):8.36(d,1H),8.25(dd,1H),7.94(dd,1H),7.75(d,1H),7.67(dd,1H),7.43(d,1H),7.31(d,1H).MS(ES)m/e(M+2):361.
GST−3の合成 MeOH/CH2Cl2/水中の6−(2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)−2−シアノ−キノリン(1.079g、3.0mmol)及びD−システイン(0.53g、3.0mmol)の均一な溶液に、pHを7.5〜8に調整するのに十分な量のK2CO3を添加した。出発材料が完全に消費されたことがTLCによって示唆されるまで30分間混合物を撹拌した。次いで、酢酸を用いて溶液のpHを4〜5に調整し、CH2Cl2,で3回抽出し、Na2SO4上で有機層を乾燥した。溶媒を除去した後、塩化メチレン/メタノール(95:5)を溶出剤として使用したフラッシュクロマトグラフィーにより、20%の収率で化合物を精製した。1H NMR(d6−DMSO):8.55(s,1H),8.42(d,1H),8.19(m,2H),8.06(d,1H),7.82(s,1H),7.71(d,1H),7.46(d,1H),5.22(t,1H,CHCOO),3.45−3.75(m,2H,CH2).MS(ES)m/e(M+1):464.MeOH中λmax328nm,εmax9,900cm-1-1
実施例2 メチル6−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェノキシ)キノリニル−ルシフェリンエステル(GST−4)の合成


エーテル20ml中のKOHの混合物(40%、6ml)に、N−メチル−n,n−ニトロソウレア(2.0g、0.0194mol)を0℃で添加した。得られた混合物を更に5分間撹拌した。エーテル層を別のフラスコにデカントし、KOH上で0℃で乾燥した。THF5mL中のキノリンルシフェリン(0.2g)の溶液に、該溶液が濃黄色になるまで上記ジアゾメタンエーテル溶液を添加した。混合物を30分間撹拌し、酢酸(1ml)を添加することにより反応を停止した。水10mlを添加し、酢酸エチルで混合物を3回抽出し、Na2SO4上で乾燥した。ヘプタン/酢酸エチルを溶媒として使用したフラッシュカラムにより化合物を精製した。1H NMR(CD2Cl2):8.23(s,1H),8.0−8.2(m,3H),7.75(d,1H),7.50(d,1H),7.39(s,1H),7.15(d,1H),7.46(d,1H),5.42(t,1H,CHCOO),3.74(s,3H,CH3),3.58(d,2H,CH2).MS(ES)m/e(M+1):478.λmax(nm)/εmax(cm-1-1):MeOH中322/10,800;328/8,800.
実施例3 6−(4−ニトロフェノキシ)キノリニル−ルシフェリン(GST−5)の合成
GST−3の合成(実施例1)に使用したものと同様の方法を用いて化合物GST−5を調製した。1H NMR(d6−DMSO):8.39(d,1H),8.28(d,2H),8.19(m,2H),7.74(s,1H),7.60(d,1H),7.28(s,1H),5.37(t,1H,CHCOO),3.59(d,2H,CH2).MS(ES)m/e(M+2):397.MeOH中λmax328nm,εmax17,200cm-1-1
実施例4 6−(2−ニトロフェノキシ)キノリニル−ルシフェリン(GST−6)の合成
GST−3の合成(実施例1)に使用したものと同様の方法を用いて化合物GST−6を調製した。1H NMR(d6−DMSO):8.39(d,1H),8.13(m,3H),7.78(t,1H),7.63(d,1H),7.56(s,1H),7.48(t,1H),7.38(d,1H),5.37(t,1H,CHCOO),3.59(m,2H,CH2).MS(ES)m/e(M+2):397.λmax(nm)/εmax(cm-1-1):MeOH中323/10,400;327/9,500;337/8,300.
実施例5 6−(3−トリフルオロメチル−4−ニトロフェノキシ)キノリニル−ルシフェリン(GST−7)の合成
GST−3の合成(実施例1)に使用したものと同様の方法を用いて化合物GST−7を調製した。1H NMR(d6−DMSO):8.47(d,1H),8.15−8.30(m,3H),7.85(d,1H),7.78(d,1H),7.73(dd,1H),7.55(d,1H),5.45(t,1H,CHCOO),3.5−3.7(m,2H,CH2).MS(ES)m/e(M+1):464.MeOH中λmax321nm,εmax11,000cm-1-1
実施例6 6−(2−トリフルオロメチル−4−ニトロフェノキシ)キノリニル−ルシフェリン(GST−8)の合成
GST−3の合成(実施例1)に使用したものと同様の方法を用いて化合物GST−8を調製した。1H NMR(d6−DMSO):8.56(d,1H),8.47(d,2H),8.20(dd,2H),7.92(d,1H),7.72(dd,1H),7.33(d,1H),5.44(t,1H,CHCOO),3.5−3.7(m,2H,CH2).MS(ES)m/e(M+1):464.MeOH中λmax328nm,εmax10,100cm-1-1
実施例7 6−(5−トリフルオロメチル−2−ニトロフェノキシ)キノリニル−ルシフェリン(GST−9)の合成
GST−3の合成(実施例1)に使用したものと同様の方法を用いて化合物GST−9を調製した。MeOH中λmax(nm)/εmax(cm-1-1):321/10,400;328/8,300.
実施例8 6−(4−フルオロ−2−ニトロフェノキシ)キノリニル−ルシフェリン(GST−10)の合成
GST−3の合成(実施例1)に使用したものと同様の方法を用いて化合物GST−10を調製した。1H NMR(d6−DMSO):8.38(d,1H),8.02−8.2(m,3H),7.6−7.8(m,2H),7.5−7.6(m,2H,1H),5.34(t,1H,CHCOO),3.5−3.7(m,2H,SCH2).MS(ES)m/e(M+2):415.MeOH中λmax321nm,εmax10,600cm-1-1
実施例9 6−(2−ニトロ−4−メチルカルボキシルフェノキシ)キノリニル−ルシフェリン(GST−11)の合成
GST−3の合成(実施例1)に使用したものと同様の方法を用いて化合物GST−11を調製した。1H NMR(d6−DMSO):8.68(d,1H),8.15−8.30(m,2H),8.1−8.2(m,2H),7.64−7.74(m,2H),7.33(d,1H),5.42(t,1H,CHCOO),3.81(s,3H,CH3),3.5−3.7(m,2H,CH2).MS(ES)m/e(M+2):455.MeOH中λmax321nm,εmax16,200cm-1-1
実施例10 6−(2−ニトロ−ベンゼンスルホン酸)ルシフェリンエステル(GST−13)の合成
2−シアノ−6−(2−ニトロ−ベンゼンスルホン酸)ベンゾチオゾールの合成 無水塩化メチレン15ml中の6−ヒドロキシ−2−シアノベンゾチオゾール(0.50g、2.84mmol)及び2−ニトロベンゼン−スルホニルクロリド(0.63g、2.84mmol)の溶液にTEA(0.58g、5.68mmol)を添加した。得られた混合物を3時間撹拌した。ヘプタン/酢酸エチル/塩化メチレン(70/30/15)を溶出剤として使用したフラッシュクロマトグラフィーにより、55%の収率で生成物を精製した
GST−13の合成 ルシフェリンGST−3の合成(実施例1)に使用したものと同様の方法を用いてGST−13を調製した。1H NMR(d6−DMSO):8.14−8.26(m,2H),8.17(s,1H),8.07(td,J=7.5Hz,J=1.3Hz,1H),7.99(dd,J=8.0Hz,Hz,J=1.2Hz,1H),7.85(td,J=7.8Hz,J=1.2Hz,1H),7.34(dd,J=9.0Hz,J=2.4Hz,1H),5.44(t,J=9.0Hz,1H,C−COOH),3.6−3.9(m,2H,CH2).MS(ES):m/e(M+1),466.MeOH中λmax292nm,εmax19,100cm-1-1
実施例11 6−(4−ニトロ−ベンゼンスルホン酸)ルシフェリンエステル(GST−14)の合成
GST−13の合成(実施例10)に使用したものと同様の方法を用いて化合物GST−14を調製した。1H NMR(d6−DMSO):8.42(d,2H),8.17(m,3H),8.08(d,1H),7.25(dd,1H),5.44(t,1H,C−COOH),3.6−3.9(m,2H,CH2).MS(ES):m/e(M+1),466.MeOH中λmax292nm,εmax19,400cm-1-1
実施例12 6−(2−ニトロ−ベンゼンスルホン酸)キノリニル−ルシフェリンエステル(GST−15)の合成
GST−13の合成(実施例10)に使用したものと同様の方法を用いて化合物GST−15を調製した。1H NMR(d6−DMSO):8.54(d,1H),7.9−8.3(m,6H),7.85(t,1H),7.57(dd,1H),5.41(t,1H,C−COOH),3.5−3.7(m,2H,CH2).MS(ES):m/e(M+1),460.MeOH中λmax285nm,εmax9,010cm-1-1
実施例13 6−(4−ニトロ−ベンゼンスルホン酸)キノリニル−ルシフェリンエステル(GST−16)の合成
GST−13の合成(実施例10)に使用したものと同様の方法を用いて化合物GST−16を調製した。1H NMR(d6−DMSO):8.23(d,J=8.7Hz,1H),8.43(d,J=8.7Hz,2H),8.18(m,3H),8.13(d,J=9.3Hz,1H),7.89(d,J=2.7Hz,1H),7.51(dd,J=9.3Hz,J=3Hz,1H),5.42(dd,J=8.4Hz,J=8.4Hz,1H,CHCOO),3.5−3.7(m,2H,CH2).MS(ES)m/e(M+1):461.MeOH中λmax285nm,εmax12,400cm-1-1
実施例14 6−(2−ニトロ−4−トリフルオロベンゼンスルホン酸)ルシフェリンエステル(GST−17)の合成
GST−13の合成(実施例10)に使用したものと同様の方法を用いて化合物GST−17を調製した。1H NMR(d6−DMSO):8.82(s,1H),8.15−8.30(m,4H),7.43(d,1H),5.43(t,1H,CHCOO),3.6−3.9(m,2H,SCH2).MS(ES)m/e(M+1):534.MeOH中λmax292nm,εmax18,600cm-1-1
実施例15 7−(5−トリフルオロメチル−2−ニトロフェノキシ)−4−メチル−クマリンの合成
GST−3(実施例1)の前駆体の合成に使用したものと同様の方法を用いて化合物を調製した。1H NMR(CD2Cl2):8.37(s,1H),7.88(d,2H),7.70(m,2H),7.28(d,1H),7.05(d,1H),7.00(s,1H),6.25(s,1H),2.43(s,3H,CH3).MS(ES)m/e(M+2):367.MeOH中λmax320nm,εmax12,700cm-1-1
実施例16 bis(−(5−トリフルオロメチル−2−ニトロフェノキシ)−フルオレセインラクトンの合成
DMSO50ml中のフルオレセイン(2.0g、60mmol)、2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゼンクロリド(3.0g、13.3mmol)、及び炭酸カリウム(2.0g、14.5mmol)の混合物を100℃まで1時間加熱した。室温まで冷却してから、30mlの冷水に混合物を注ぎ入れ、塩化メチレンで3回抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。ヘプタン/塩化メチレン/酢酸エチル(7/3/0〜7/3/)を溶出剤として使用したフラッシュクロマトグラフィーにより、88%の収率で生成物を精製した。1H NMR(CD2Cl2):8.28(s,br,2H),8.05(d,1H),7.84(d,2H),7.66−7.82(m,2H),7.26(d,2H),7.03(d,2H),6.92(d,2H),6.84(dd,2H).
実施例17 PBI4146の合成
20mlのCH2Cl2中のp−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(0.63g、2.85mmol)及び7−ヒドロキシル−4−メチルクマリン(0.5g、2.84mmol)の溶液にTEA(0.29g、0.4ml)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌した。ヘプタン/CH2Cl2、及び酢酸エチルを溶出剤として使用したフラッシュクロマトグラフィーにより、87%の収率で化合物を精製した。1H NMR(CD2Cl2):8.4(d,2H),8.08(d,2H),7.6(d,1H),6.9−7.19(m,2H),6.27(s,1H),2.4(s,3H).MS(m+/z):362.0(M+1).
実施例18 PBI4153の合成
トリエチルアミン(0.18g、1.78mmol)を含むジクロロメタン(10ml)に7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン(0.17g、0.97mmol)を溶解した。4−ニトロナフタレン−l−スルホニルクロリド(0.33g、1.21mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を4時間撹拌し、酢酸エチル及び水で抽出した。有機相を回収し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。濾過後、溶媒を蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル:1/1)により残渣を精製し、生成物を得た(0.35g、87%)。1H NMR(300MHz,CD2Cl2,δ):8.95(m,1H),8.42(m,1H),8.24(d,J=9Hz,1H),7.97(m,3H),7.51(d,JMS(ESI)m/z412.1(M+1).
実施例19 GST−21の合成
2−メチル−4−ニトロベンゼン−l−スルホニルクロリド 濃縮HC1(30ml)及び酢酸(10ml)の混合物に、芳香族アミン(10.0g、65.7mmol)1部を室温で撹拌しながら添加した。白色の塩酸塩が直ちに形成され、得られた混合物を−15℃まで冷却した。温度を−5℃〜−10℃に維持しながら、水15ml中の亜硝酸ナトリウムの溶液(5.44g、78.9mmol)を滴下で加え、次いで、得られた混合物をこの温度範囲で45分間撹拌した。酸性の酸(70ml)により0℃で30分間二酸化硫黄を泡立たせた。溶液に塩化銅(I)(1.65g)を添加し、該溶液が淡青色に見えるまで(更に約30分間)、二酸化硫黄中、0℃で混合物を泡立たせ続けた。上記ジアゾニウム溶液を0℃で二酸化硫黄溶液に添加し、0℃で10分間撹拌した。次いで、混合物を氷水に注ぎ入れ、エーテルで3回抽出した。合わせた有機相をかん水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去した後、ヘプタン/塩化メチレン(7/3〜6/4)を溶出剤として使用したフラッシュクロマトグラフィーにより生成物を精製した(収率29%)。1H NMR(CD2Cl2)δ(ppm):8.12(d,J=8.1Hz,1H),7.67(s,1H),7.64(d,J=8.4Hz,1H).
2−シアノベンゾチアゾール−6−イル2−メチル−4−ニトロベンゼンスルホン酸塩 乾燥塩化メチレン10ml中のベンゼンスルホニルクロリド誘導体(0.7g、2.98mmol)及び2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール又は2−シアノ−6−ヒドロキシキノリン(2.84mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.58g、5.68mmol)を室温で添加し、得られた混合物を3時間撹拌した。ヘプタン/塩化メチレン(1/2)を溶出剤として使用したフラッシュクロマトグラフィーにより生成物を精製した(収率85%)。:1H NMR(CDCl3)δ(ppm):8.30(d,J=2.0Hz,1H),8.16(d,J=9.3Hz,1H),8.13(dd,J=8.7Hz,J=2.0Hz,1H),8.04(d,J=8.7Hz,1H),7.78(d,J=2.4Hz,1H),7.27(dd,J=9.0Hz,J=2.4Hz,1H),2.95(s,3H,CH3).MS(ES)m/e(M+1):376.
ルシフェリン2−メチル−4−ニトロベンゼンスルホン酸塩(GST−21)メタノール(20ml)、CH2CI2(10ml)及びH2O(5ml)中のニトロベンゼンスルホン酸塩誘導体(1.07mmol)及びD−システイン(1.28mmol)の溶液に、トリエチルアミン(1.6mmol)を添加した。混合物を室温で30〜60分間撹拌し、次いで、酸性の酸で弱酸性に中和した。真空下で有機溶媒を除去した後、濾過により固体を回収し、水で3回洗浄し、塩化メチレン/メタノール(90/10)を溶出剤として用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。冷エーテル中で生成物を固化し、濾過により白色粉末を回収し、真空下で乾燥した(収率62%)。1HNMR(d6−DMSO)δ(ppm):8.48(s,1H),8.1−8.2(m,2H),8.08(d,J=2.4Hz,1H),8.01(d,J=8.7Hz,1H),7.27(dd,J=8.7Hz,J=2.4Hz,1H),5.453(t,J=8.7,1H,C−COOH),3.6−3.9(m,2H,CH2),2.84(s,CH3,3H).MS(ES):m/e(M+1),480.MeOH中λmax293nm,εmax19,700cm-1-1
実施例20 GST−22の合成
GST−21(実施例19)の合成に使用したものと同様の方法を用いてGST−22を調製した。
2−ニトロ−4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(収率53%):1H NMR(CDCl3)δ(ppm):8.13(d,J=8.4Hz,1H),7.67(s,1H),7.61(d,J=8.1Hz,1H).
2−シアノベンゾチアゾール−6−yl2−ニトロ−4−メチルベンゼンスルホン酸塩(収率67%):1H NMR(CD2Cl2)δ(ppm):8.23(d,J=9.0Hz,1H),8.02(d,J=2.4Hz,1H),7.82(d,J=8.4Hz,1H),7.80(s,1H),7.5−7.6(m,2H),2.58(s,3H,CH3).MS(ES)m/e(M+1):376.
ルシフェリン−2−ニトロ−4−メチルベンゼンスルホン酸塩(GST−22)(収率62%):1H NMR(d6−DMSO)δ(ppm):8.18(d,J=9.0Hz,1H),8.16(d,J=2.4Hz,1H),8.06(s,1H),7.84(d,J=8.1Hz,1H),7.65(d,J=8.1Hz,1H),7.33(dd,J=9.0Hz,J=2.4Hz,1H),5.44(dd,J=8.7,J=8.7Hz,1H,C−COOH),3.6−3.9(m,2H,CH2),2.48(s、CH3、3H、DMSOと重複).MS(ES):m/e(M+1),480.MeOH中λmax292nm,εmax20,500cm-1-1
実施例21 GST−23の合成
GST−21の合成(実施例19)に使用したものと同様の方法を用いてGST−23を調製した。
2−シアノキノリン−6−yl2−ニトロ−4−メチルベンゼンスルホン酸塩(収率40%):1H NMR(CD2Cl2)δ(ppm):8.34(d,J=8.4Hz,1H),8.16(d,J=9.3Hz,1H),7.82(d,J=2.7Hz,1H),7.81(d,J=8.1Hz,1H),7.69(s,1H),7.66(dd,J=9.0Hz,J=2.7Hz,1H),7.47(d,J=8.1Hz,1H),2.52(s,CH3,3H).MS(ES)m/e(M+1):370.
キノリニル−ルシフェリン−2−ニトロ−4−メチルベンゼンスルホン酸塩(GST−23)(収率55%):1H NMR(de−DMSO)δ(ppm):8.55(d,J=8.4Hz,1H),8.19(d,J=8.4Hz,1H),8.13(d,J=9.0Hz,1H),8.07(s,1H),7.98(d,J=3.0Hz,1H),7.87(d,J=8.4Hz,1H),7.65(d,J=8.1Hz,1H),7.33(dd,J=9.3Hz,J=3.4Hz,1H),5.45(dd,J=8.7,J=8.7Hz,1H,C−COOH),3.5−3.8(m,2H,CH2),2.48(s、CH3,3H、DMSOと重複).MS(ES):m/e(M+1),474.MeOH中λmax286nm,εmax11,500cm-1-1
実施例22 GST−24の合成
GST−21の合成(実施例19)に使用したものと同様の方法を用いてGST−24を調製した。
2−ニトロ−5−メチルベンゼンスルホニルクロリド(収率33%):1H NMR(CD2Cl2)δ(ppm):1H NMR(CDCl3)δ(ppm):8.05(d,J=8.4Hz,1H),7.81(s,1H),7.68(d,J=8.1Hz,1H).
2−シアノベンゾチアゾール−6−yl2−ニトロ−5−メチルベンゼンスルホン酸塩(収率85%):1H NMR(CD2Cl2)δ(ppm):8.21(d,J=9.0Hz,1H),7.96(d,J=2.4Hz,1H),7.83(d,J=8.4Hz,1H),7.80(s,1H),7.66(d,J=8.4Hz,1H),7.52(dd,J=9.0Hz,J=2.4Hz,1H),2.46(s,CH3,3H).MS(ES)m/e(M+1):376.
ルシフェリン2−ニトロ−5−メチルベンゼンスルホン酸塩(GST−24)(収率48%):1H NMR(d6−DMSO)δ(ppm):8.18−8.22(m,2H),8.11(d,J=8.4Hz,1H),7.80−7.98(m,2H),7.36(dd,J=9.0Hz,J=2.4Hz,1H),5.44(dd,J=8.7,J=8.7Hz,1H,C−COOH),3.6−3.9(m,2H,CH2),2.42(s,CH3,3H).MS(ES):m/e(M+1),480.MeOH中λmax292nm,εmax19,700cm-1-1
実施例23 GST−25の合成
GST−21の合成(実施例19)に使用したものと同様の方法を用いてGST−25を調製した。
2−シアノキノリン−6−yl2−ニトロ−5−メチルベンゼンスルホン酸塩(収率56%):1H NMR(CD2Cl2)δ(ppm):8.34(d,J=8.1Hz,1H),8.18(d,J=9.3Hz,1H),7.80−7.86(m,3H),7.78(d,J=8.7Hz,1H),7.69(dd,J=9.6Hz,J=2.7Hz,1H),7.65(d,J=8.4Hz,1H),2.58(s,CH3,3H).MS(ES)m/e(M+1):370.
キノリニル−ルシフェリン2−ニトロ−5−メチルベンゼンスルホン酸塩(GST−25)(収率42%):1H NMR(d6−DMSO)δ(ppm):8.56(d,J=9.0Hz,1H),8.20(d,J=8.7Hz,1H),8.15(d,J=9.3Hz,1H),8.11(d,J=8.4Hz,1H),8.0(d,J=2.7Hz,1H),7.89(s,1H),7.85(d,J=8.1Hz,1H),7.59(dd,J=9.3Hz,J=2.7Hz,1H),5.45(dd,J=8.7,J=8.7Hz,1H,C−COOH),3.5−3.8(m,2H,CH2),2.49(s,CH3,3H).MS(ES):m/e(M+1),474.MeOH中λmax285nm,εmax11,600cm-1-1
実施例24 ルシフェリン誘導体を使用したグルタチオン‐S‐トランスフェラーゼ(GST)又は還元型グルタチオン(GSH)の測定
ルシフェリン誘導体GST−3をGSTのための基質として調製し、2段階形式でテストした。第1段階において、グルタチオンを含むか又は含まないGST酵素を含有する混合物にGST−3を添加した。反応開始後の異なる時点で、反応物の一部をルシフェラーゼ反応混合物と混合した。経時的に光の生成が増加した反応は、誘導体GST−3が、GSTのための基質であり、GST及び/又は還元型グルタチオン(GSH)を検出するためのアッセイにおいて使用できることを示唆する。
種々のGST酵素形態を使用して、GST又はGSHを検出するためのGSTのための基質としてのGST−3の使用をテストした。表1に示すように、個々の0.5ml微量遠心管に反応物を集めた。GST酵素を除く全ての構成成分を添加した。次いで、GST酵素の形態を表1に示す反応物に添加し、反応物を混合した。0.1、5、10、及び15分に、10μlの各反応物を90μlのルシフェリン検出溶液(P450−Glo Buffer(Promega)と混合したLuciferin Detection Reagent(Promega))と混合し、Turner TD 20/20 Luminometer(Promega)を使用して直ちに発光を検出した。発光値(RLU)を表2に示す。
グルタチオンを含まない反応物(1、3、5、及び7番)から得られた発光には、経時的に大きな増加が見られなかった。しかしながら、グルタチオン及びGSTの両方を含有する反応物(2、4、6、及び8番)の発光は、経時的に大幅に増加した。これは、グルタチオンと組み合わせたGSTの作用により、ルシフェリン誘導体GST−3が、ルシフェラーゼに基づく反応において使用することができるルシフェラーゼのための基質に変換されることを実証するものである。したがって、GST−3は、GSTのための基質であり、GST及び/又はGSHを検出するために使用することができる。
実施例25 ルシフェリン誘導体を使用したGSSGの蛍光検出
以下の実施例は、GSTのためのルシフェリン誘導体基質を使用してGSSGの蛍光検出を達成することができることを実証するものである。
96ウェル黒壁/透明底プレートに、10μlの1×Passive Lysis Buffer(PLB、Promega)を半分のウェルに添加し、10μlのN−エチルマレイミド(NEM、Sigma:1×PLB中で2.5mlに希釈されたDMSO中の50ulの50mM NEM)を残りの半分のウェルに添加した。
次いで、NEMの存在下又は非存在下(1×PLBのみ)で種々の条件をテストした。
1.滴定(0、5、10、15、20、及び25uM)還元型グルタチオン(GSH、Sigma:1mlの1×PLBに希釈された100mMの1ul)
2.滴定(0、5、10、15、20、及び25uM)酸化型グルタチオン(GSSG、Sigma:1mlの1×PLBに希釈された10mMの2ul)
3.滴定(0、5、10、15、20、及び25uM)酸化型グルタチオン(高濃度(25uM)の還元型グルタチオン/GSHの存在下)
4.グルタチオン対照なし
適切な混合物を適切なウェルに添加した後、DTT及びGST−22の混合物20μl(100mM HEPES(pH7.5)に希釈された100mMの150μl及び240μlのGST−22(Promega))を各試料に添加した。トランスイルミネーターによるUV励起(Alpha Innotech Corporation)を使用してAmbis System(Alpha Innotech Corporation)上で蛍光を画像化し、FluorChem 8000ソフトウェア(Alpha Innotech Corporation)を使用して分析した。
画像化後、20μlのGST(3mlの100mM HEPES(pH7.5)に希釈された450μlのGST(Promega))を全ての試料に添加した。いくつかの異なる時点(3、10、20、及び30分)で上記のようにプレートを再び画像化した。
蛍光読み取り値を確認するために、蛍光画像化後に発光読み取り値を計測した。40μlの各反応物を96ウェル照度計のプレートに移し、40μlのGSH−Glo Luciferin Assay Reagent(Promega)を全てのウェルに添加した。次いで、GloMax(登録商標)Luminometer(Promega)上で発光を検出した。相対発光量(RLU)で表した発光値を図4Aに示す。2通りのウェルの平均値を求め、図4B及びCに列挙する。図4B及びCでは、結果の解釈を簡略化するために、GSSGを含まない試料の結果を表中のゼロ濃度の位置に配した。
予想結果
還元型グルタチオンの滴定:
EMに曝露されていない場合、還元型グルタチオンの量の増加により、GSTの作用による経時的なルシフェリン濃度の増加がもたらされることが予想される。しかしながら、酵素を添加する前に還元型グルタチオンをNEMで処理した場合、NEMが還元型グルタチオンと反応し、プレルシフェリンをルシフェリンに変換するためにGSTによって使用されない新しい化学種を生成するため、シグナルは本質的に失われるはずである。これが正解である場合、時間の増加及びNEMを含有する試料中のグルタチオン濃度の増加に伴って蛍光の増加が見られるはずであり、また、グルタチオン濃度の増加に伴って発光の増加が予想される。その一方で、NEMを含有するウェルには、「化合物を含まない」試料を超えるごくわずかな蛍光又は発光が見られることが予想される。
酸化型グルタチオンの滴定:
各試料に還元剤(DTT)も添加することにより試料中のGSSGを減少させ、NEMを不活性化させるため、酸化型グルタチオンの量の増加によっても、GSTの作用による経時的なルシフェリン濃度の増加がもたらされることが予想される。GSSGはNEMによってアルキル化されないため、最初にGSHに還元されない限り、経時的に及びGSSGの濃度とともに、GSSGの滴定を含む試料において同様の光の増加が予想される。
高レベルの還元型グルタチオンの存在下における酸化型グルタチオンの滴定:
これらの試料には高レベルの還元型グルタチオンが添加されているため、NEMも含有しない試料は、非常に高いシグナルを発することが予想され、実際には、GSSGからの追加シグナルは還元型グルタチオンからのシグナルに加えられるため、GSSGの滴定においてさらなる蛍光又は発光の増加をあまり示さない可能性がある。NEM、大量のGSH、及び様々な量のGSSGを含有する試料は、NEMによって排除された還元型グルタチオンからのシグナルを有することが予想され、よって、蛍光及び発光の増加率は、還元型グルタチオンを添加せずにGSSGを添加した試料の増加率と同様であることが予想される。
実際の結果
NEMを添加していない還元型グルタチオンのウェル:
NEMを添加していない還元型グルタチオンの滴定を含む画像化プレートの試料は、予想されたように、時間及びグルタチオン依存性の蛍光増加率を示す。このことは、これらのウェルで生成されたルシフェリンは、蛍光を測定することによって検出することができ、蛍光のレベルが、溶液中に存在する還元型グルタチオンの量に比例することを裏付けるものである。また、予想されたように、添加するグルタチオンの量を増加させると、発光の増加が見られた(図4)。
NEMを添加した還元型グルタチオンのウェル:
GSHの添加によって生成されたシグナルをNEMが中和させることが予想されたため、NEMが存在する還元型グルタチオンの滴定を含む画像化プレートの試料は、予想されたように、ごくわずかな蛍光の増加を示した。また、予想されたように、GSHを含有しない試料と、最も高いレベルのGSHを含有する試料との間に、ごくわずかな発光の差が見られた(図4BとCを比較)。
NEMを添加したか又は添加していない、GSHを添加していない酸化型グルタチオンのウェル:
NEMの存在下又は非存在下で酸化型グルタチオンの滴定を含む画像化プレートの試料は、予想されたように、時間及びグルタチオン依存性の蛍光増加率を示す。このことは、これらのウェルで生成されたルシフェリンは、蛍光的に検出することができ、蛍光のレベルが、存在する酸化型グルタチオンの量に比例することを裏付けるものである。また、予想されたように、添加するグルタチオンの量を増加させると、これらの試料から発光の増加が見られた。また、NEMの非存在下で測定された値は、NEMの存在下で測定された値と同様である(図4BとCを比較)。
NEMの非存在下ではあるが、大量の還元型グルタチオンの存在下で滴定した酸化型グルタチオンのウェル:
NEMは用いないが、高濃度の還元型グルタチオンの存在下での酸化型グルタチオンの滴定を含む画像化プレートの試料は、時間依存性の蛍光の増加を示し、蛍光のレベルは、還元型グルタチオンの非存在下で酸化型グルタチオンの滴定に見られたものよりもはるかに高かった。これらのウェルにおけるシグナル生成のために存在するグルタチオンの合計レベルが非常に高いため、このことは予想された。また、予想されたように、これらの試料には非常に強い発光が認められた(図4)。
高レベルの還元型グルタチオン及びNEMの存在下で滴定された酸化型グルタチオンのウェル:
高レベルの還元型グルタチオン及びNEMの存在下で酸化型グルタチオンの滴定を含む画像化プレートの試料は、時間依存性の蛍光の増加を示し、蛍光のレベルは、GSHを添加していない酸化型グルタチオンの滴定を含むウェルに非常に類似していた。還元型グルタチオンのシグナルを生成する電位はNEMによって排除されているはずであり、よって、生成されたいずれのシグナルも、ウェルに添加された酸化型グルタチオンの結果であるはずであるから、このことは予想された。また、予想されたように、これらの試料からの発光は、酸化型グルタチオンを単独で添加したウェルからの発光と非常に類似しており(図4BとCを比較)、25μM GSHの存在下及びNEMの非存在下でGSSGを含有する試料から測定されたものよりもはるかに低い(図4)。
高度に蛍光性の化合物ではないものの、この結果は、ルシフェリン誘導体を使用してGSSGの蛍光検出を行うことができることを実証するものである。また、試料中のGSSGからのシグナルは、適切な試料処理を行った場合、高濃度のGSHを含有する試料において測定することができる。更に、本発明の方法を使用することにより、いずれのタンパク質除去ステップも必要とすることなく、そのような測定を迅速かつ容易に行うことができる。
実施例26 他のルシフェリン誘導体を用いたGSSGの測定
固体のGSTルシフェリン誘導体GST30及びGST28をDMSOに溶解して4mg/mlの溶液を作製した。
3つの異なる96ウェル照度計のプレート中に、酸化型グルタチオンを水中で10mMの原液から、0、0.1、0.5、及び2.5uMに段階希釈し、2通りの反応を行った。GST30原液の試料30μlをGSH Glo Reaction Buffer(Promega)で3mlに希釈し、プレートのうちの1つに25μlを添加した(「30」)。GST28の試料30μlをGSH Glo Reaction Bufferで3mlに希釈し、第2のプレートに25μlを添加した(「28」)。GST−22の試料110μLをGSH Glo Reaction Bufferで3mlに希釈し、第3のプレートに25μlを添加した(「GST−22」又は「NT」)。次いで、50μlのGSH Glo Reaction Bufferを各プレートの半分の試料に添加した。DTTを含む25μlのGSH Glo Reaction Buffer(150μlの100mM DTT対15mlのGSH Glo Reaction Buffer)を各プレートの残りの半分の試料に添加した。
GST(Promega)の試料60μlをGSH Glo Reaction Bufferで1mlに希釈し、各プレートの2つのカラムに50μlを添加した。室温で30分のインキュベーション後、100μlのGSH Glo Luciferin Assay Reagent(Promega)を各試料に添加し、照度計を使用して15分後に発光を読み取った。得られた発光を収集し、2つのカラムの平均値を求めた。3つのGSSG濃度からGSSGの非存在下で測定された発光を引き、得られた値を表に表す。
GST30又はGST28のいずれかによる反応は、反応物中に存在するGSSGの量に比例する強い発光を示したのに対し、酵素及びDTTを含まない、又は酵素を含まないがDTTを含む反応物では、発光にごくわずかな変化が見られたのみであった。よって、GST30及びGST28も、本発明の方法においてGSSGの測定のために使用することができる。
実施例27 クマリン誘導体を使用したグルタチオンの蛍光検出
この実施例では、GST及びグルタチオンの使用により、クマリン誘導体から蛍光シグナルを生成する。
200μlの10%Prionex(登録商標)(Sigma)と9.8mlの10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)を混合してPrionex(登録商標)溶液を作製し、96ウェルマイクロタイタープレート(「試料プレート」)の全てのウェルに75μlを添加した。GST酵素GST(Promega Corp.V689B)、GST A、GST B、及びGST P(タンパク質1モル当たり1モル未満のGSHを有するように精製した)の原液(2mg/ml)を、10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)/Prionex溶液150ulに12ulの酵素を添加することによって希釈した。次いで、これらの希釈した原液をウェルに添加した。75ulの希釈した原液を列Aのウェルに添加し、列Aから75ulから列Hに移すことで1:1の段階希釈した酵素溶液を生成した。
異なる96ウェルマイクロタイタープレートに、25μlの希釈したPBI4153(10mMリン酸カリウム(pH7.4)5mlを含むPBI4153のlmg/ml溶液25μl)をプレートのウェルA1〜H10に添加した(「4153」)。別の異なる96ウェルマイクロタイタープレートに、25μlの希釈したPBI4146(10mMリン酸カリウム(pH7.4)5mlを含むPBI4146の1mg/ml溶液25μl)をプレートのウェルA1〜H10に添加した(「4146」)。次いで、25μlの希釈した酵素溶液を添加した。
ルシフェリン誘導体を用いた以前の実験に基づいて、GSTが存在して反応を触媒しない限り、遊離する還元型グルタチオンがクマリン誘導体と反応して蛍光クマリン種を放出することができるとは予想されなかった。よって、GSTを含有しない試料において、蛍光の大きな変化は予想されなかった。GST酵素形態のうちの1つ以上が、グルタチオンの存在下でクマリン化合物を触媒することができた場合、GST酵素形態を含有する試料は蛍光の増加を有するであろう。GST酵素形態がクマリン誘導体を良好に利用できるほど、蛍光の増加がより急速となり、経時的に大幅な蛍光の増加をもたらすことができるために必要なGST酵素の濃度がより低くなる。
結果
図6は、GST酵素の添加後1、3、5、及び20分のプレート「4153」の画像を示す。緩衝液のみを有する試料(「対照ウェル」)の蛍光には明らかな増加は見られず、クマリン誘導体を含む還元型グルタチオンの存在のみでは蛍光種が生成されないことを裏付けている。しかしながら、含有するGST Mの量を減少させた試料には比較的急速な蛍光の増加が見られ、含有するGST Aの量を減少させた試料ではより緩やかな増加率、そしてGSTを含有する試料では更により緩やかな増加率であった。これらの結果は、GST Mが、蛍光クマリン誘導体を生成するための基質としてクマリン化合物を迅速に利用することができることを示している。GST Aも化合物を利用することができるが、より緩やかな速度である。Promega(V689B)からのGSTも化合物を利用したが、GST Aよりも更に緩やかな速度であった。GST Pでは、この酵素形態を含有するウェルには蛍光の増加が見られなかったことから、化合物を利用しなかったか、又は極々緩やかな速度で利用したかのいずれかであった。
図7は、GST添加後1、3、5、及び20分のプレート「4146」の画像を示す。緩衝液のみを有するウェル(「対照ウェル」A1〜F2)の蛍光には明らかな増加は見られず、クマリン誘導体を含む還元型グルタチオンの存在のみでは蛍光種が生成されないことを裏付けている。ウェルA7〜F8に蛍光の増加が見られ、A3〜F4ではより緩やかな速度であった。これらの結果は、GST Mが、蛍光クマリン誘導体を生成するためにクマリン化合物を迅速に利用することができることを示している。PromegaからのGSTも化合物を利用することができるが、GST Mよりも更に緩やかな速度である。GST A及びGST Pでは、これらの酵素形態を含有するウェルには蛍光の増加が見られなかったことから、化合物を利用しなかったか、又は極々緩やかな速度で利用したかのいずれかであった。
これらの結果は、種々のGST形態が、前蛍光性(pre−fluorescent)のクマリン誘導体を低濃度の還元型グルタチオンと合わせて利用して、蛍光シグナルを生成することができることを示している。予想しなかったわけではなかったが、GST形態のうちのいくつかは、化合物のうちのいくつかを他の形態よりも良好に利用し、よって、還元型グルタチオンを単独で測定するために好ましいか、又は本発明の方法における酸化型グルタチオンから生成される場合に好ましい。
実施例28 GSH:GSSGの比率の決定
本発明の方法は、接着性哺乳類細胞及び懸濁哺乳類細胞中の還元型グルタチオン(GSH)対酸化型グルタチオン(GSSG)の比率及び/又はGSSGのみを測定するように設計される。セクションBでは、試料中のGSHのモルをGSSGのモルで除すことにより、どのように比率が算出されるかを説明する。
A.GSSG及びGSHレベルの決定
i.接着性細胞の播種
アッセイは、ウェル当たり5,000〜10,000細胞のHeLa又はHepG2細胞、及び10,000〜20,000細胞/ウェルの肝細胞等の、低い細胞密度に最適化されている。HeLa又はHepG2細胞は、Corning Costar 3903 96ウェル平底組織培養プレート(白色に処理済み、透明底を有する)上に播種した。肝細胞は、BD BioCoat(商標)4650 96ウェルCollagen 1 Cellware上に播種した。業者の推奨する肝細胞培地を用いて肝細胞を培養した。透明な壁の組織培養プレートを使用する場合は、ルシフェラーゼ検出試薬(LDR)の添加後に、反応物を照度計のプレートに入れるための移動ステップが行われなければならない。細胞を播種し、5%CO2の培養インキュベータにて37℃で一晩インキュベートする。
ii.接着性細胞の処理
メナジオンは、反応性酸素種(ROS)誘導物質であり、陽性対照として使用される。クレブス・リンゲル液、クレブス・ヘンゼライト液、又はハンクス平衡塩(HBSS)緩衝液中で40μΜメナジオンを調製した。血清、フェノールレッド、及びシステイン等の細胞培養培地の構成成分は、アッセイ化学に干渉する可能性があるため、他の緩衝液がメナジオンを希釈するために使用されてもよい。メナジオンで細胞を処理するのと同時に細胞の培養培地を緩衝液+ビヒクルと交換することにより、処理対照(ビヒクルのみ)は行わなかった。
iii.懸濁細胞の播種及び処理
Jurkat又はHela細胞等の懸濁細胞をクレブス・リンゲル液、クレブス・ヘンゼライト液、又はハンクス平衡塩(HBSS)緩衝液中で洗浄し、培地及び血清の痕跡を除去した。次いで、細胞を数え、所望の密度で上記緩衝液のうちの1つに希釈した。Jurkat細胞の場合、10,000〜20,000細胞/ウェルを使用した。次いで、(所望の密度の)細胞懸濁液20μlを96ウェルプレートのウェルに添加した。化合物の処理、ビヒクルのみの処理、及び処理対照なしについてテストするために、十分な細胞をウェルに播種した。次いで、5μlのテスト化合物、例えば5×濃度のメナジオンを、テスト化合物で処理した細胞に添加し、5μlのビヒクルのみ、例えばDMSOを、ビヒクルのみで処理した細胞に添加した。次いで、5%CO2インキュベータにて、37℃で60分間細胞をインキュベートした。
iv.GSSGの反応のための酸化型グルタチオン試薬
GSSGの測定のために以下の試薬を調製した。溶液は、GSHをブロックするための250μΜ N−エチルマレイミド(NEM)及びプロルシフェリン基質GST−22を細胞溶解溶液中に含有する。96ウェルプレートの各ウェルは、50μlを必要とする。
iv.GSHの反応のための総グルタチオン試薬及びGSH標準曲線
GSHの測定のために以下の試薬を調製した。GSH溶液は、NEMを含有しない。96ウェルプレートの各ウェルは、50μlを必要とする。
v.全ての反応のためのルシフェリン生成試薬
ルシフェリン生成試薬は、GSH−Glo buffer(Promega、カタログ番号V6911)に希釈されたDTT及びグルタチオン−Sトランスフェラーゼ(Promega)を含有する。全てのアッセイウェルに試薬を添加した。96ウェルプレートの各ウェルは、50μlを必要とする。
vi.ルシフェリン検出試薬(LDR)
凍結乾燥したルシフェリン検出試薬(Promega、カタログ番号V859B)をエステラーゼを含有する再構成緩衝液(Promega、カタログ番号V144A)1瓶で再構成することにより、ルシフェリン検出試薬を調製した。96ウェルアッセイの各ウェルは、100μlのLDRを受容する。
vii.GSH標準曲線、0〜16μΜ
GSH標準曲線の包含により、発光(相対発光量又はRLU)の生成とGSH及びGSSGの濃度との相関が可能になる。5mMグルタチオンを水中で320μΜに希釈することにより、20×濃度のグルタチオンを調製した。例えば、32μlの5mM GSHを468μlの水に希釈した。250μlの320μΜ GSHを250μlの水に移すこと等によって段階希釈を行った。5μl/ウェルの各GSHを3回希釈した。例えば、5μlの320μΜ GSHは、標準曲線の16μΜ GSHに対応する。GSHの標準曲線は、接着性細胞アッセイ及び懸濁細胞アッセイの両方で同じであった。
viii.アッセイの手順
接着性細胞から化合物処理を除去し、廃棄した。GSSGの測定のために、25μl/ウェル又は50μl/ウェルの酸化型グルタチオン試薬を、それぞれ、懸濁細胞又は接着性細胞に添加した。GSHの測定のために、25μl/ウェル又は50μl/ウェルの総グルタチオン試薬を、それぞれ、懸濁細胞又は接着性細胞に添加した。GSHの標準曲線の測定のために、50μl/ウェルの総グルタチオン試薬を添加した。プレート振盪機上でプレートを5分間室温で振盪させ、50μl/ウェルのルシフェリン生成試薬を全てのウェルに添加した。再度、プレートを短時間振盪させ、室温で30分間インキュベートした後、100μl/ウェルのルシフェリン検出試薬を添加した。再度、プレートを短時間振盪させ、室温で10分間インキュベートして発光を読み取った。
B.GSSG:GSHの比率の算出
GSSG:GSHの比率は、試料中のGSHのモルを試料中のGSSGのモルで除すことによって算出される。GSSGの各モルは2モルのGSHを生成するため、また、アッセイは、GSSGの還元によって生成される全てのGSHからシグナルを生成するため、GSHの標準曲線によって定量化されるGSHのモル数には2倍の調整が必要である。
i.正味のRLUを用いた比率の算出
細胞を含まない対照から生成された発光(RLU)又は標準曲線から生成された0μΜのGSHをバックグラウンドに用いた。処理細胞及び未処理細胞について、処理細胞及び未処理細胞から生成されたRLUから、全てのウェルからのバックグラウンドの平均を引いて正味のRLU値を求めた。次の式を使用して、未処理細胞のGSH/GSSGの比率を算出した。
次の式を使用して、処理細胞のGSH/GSSGの比率を算出した。
ii.GSHの標準曲線を使用した比率の算出
発光(RLU)対GSHの濃度(μΜ)をプロットした。第2のプロットは、GSSGの濃度を決定するために作製した:X軸上に、GSH値を2で除すことによってGSSGの濃度を求めた。注)GSSG1モル当たり2モルのGSHなので、GSHの濃度を2で除すとGSSGの濃度が得られる。各標準曲線の直線部分によって生成された勾配(m)及び式(Y−B)/mを使用して、処理細胞及び未処理細胞の平均RLU(正味のRLUではない)値をGSSG及びGSHのμΜに変換した。細胞を含まない対照からのRLU値、すなわち、0μΜのGSHを、式(Y−B)/mにおいて「B」として使用した。したがって、未処理細胞のGSH/GSSGの比=未処理GSHのμΜ−未処理GSSのμΜ×2)/未処理GSSGのμΜであり、処理細胞のGSH/GSSGの比=処理GSHのμΜ−(処理GSSGのμΜ×2)/処理GSSGのμΜ(図7)である。
C.A及びBに記載した方法を使用した例
i.5,000細胞/ウェルのHeLa細胞を、40uMメナジオン又は0.1%DMSO(ビヒクル)で60分間処理した。Aに記載した方法によりGSSG及びGSHを検出した。Bに記載したようにGSH/GSSGの比率を算出した。
ii:20,000細胞/ウェルのラット肝細胞を、iのように処理した。Aに記載した方法によりGSSG及びGSHを検出した。Bに記載したようにGSH/GSSGの比率を算出した。
iii.5,000細胞/ウェルのHepG2細胞を、iのように処理した。Aに記載した方法によりGSSG及びGSHを検出した。Bに記載したようにGSH/GSSGの比率を算出した。
iv.10,000細胞/ウェル又は20,000細胞/ウェルのJurkat細胞を、iのように処理した。Aに記載した方法によりGSSG及びGSHを検出した。Bに記載したようにGSH/GSSGの比率を算出した。
実施例29 GSHを含まないGST(日本住血吸虫)酵素の精製
試薬
細胞再懸濁緩衝液:PBS、10mM DTT、2.5mM PMSF
カラム洗浄及び平衡化緩衝液:PBS、10mM DTT
10×緩衝液A:200mMリン酸ナトリウム、一塩基、pH4.0、5M NaCl
1×緩衝液A:20mMリン酸ナトリウム、一塩基、pH4.0、500mM NaCl
溶出緩衝液:20mMリン酸ナトリウム、一塩基、pH4.0、500mM NaCl、8M尿素
TEDG緩衝液:1×TE、1mM DTT、10%グリセロール
保存緩衝液:1×PBS、50%グリセロール
細胞の再懸濁
100gの細胞ペースト(大腸菌を発現する日本住血吸虫GST酵素)を600mlの細胞再懸濁緩衝液に再懸濁した(緩衝液6ml/細胞ペースト1g)。細胞懸濁液が均一になるまで溶液を混合し、次いで、溶液を氷上に置いた。
細胞の破砕
細胞懸濁液を9000psiでマントンゴーリンに2回通過させることにより再懸濁した細胞を破砕し、氷塩浴中に置いたステンレススチール製バケツに可溶化液を回収した。2回目に通過させた後、100〜200mlの細胞再懸濁緩衝液でマントンゴーリンを洗浄し、可溶化液と合わせた。次いで、4℃で60分間、16,000×gで可溶化液を遠心分離した。
カラム精製
還元型グルタチオンを含むGST親和性樹脂及びSepharose CL−4Bゲル濾過媒体(Sigma)を使用して精製カラムを調製した。樹脂2ml/細胞ペースト1gの樹脂対細胞ペーストの比率で147mlのGST親和性樹脂をカラムに充填した。
9ml/分(27.5cm/時間)の流速で1000mlのカラム洗浄及び平衡化緩衝液を用いてカラムを平衡化した。次いで、カラムに1100mlの可溶化液を負荷し、9ml/分(27.5cm/時間)の速度で流した。次いで、9ml/分(27.5cm/時間)の流速で1500mlのカラム洗浄及び平衡化緩衝液を用いてカラムを洗浄した。
溶出緩衝液(高塩緩衝液)に対する1×緩衝液A(低塩緩衝液)の直線勾配溶出を用いて、精製したGSTをカラムから溶出した。最初に、375mlの1×緩衝液Aを0.47ms/cmの伝導率になるようにカラムに添加した。次いで、375mlの溶出バッファを0.6 6ms/cmの伝導率になるように添加した。各溶出の流速は、15ml/分(45.9cm/時間)であった。フラクションコレクターを1.3分/画分の速度で使用して、51個の20ml勾配画分を収集した。各勾配操作の後に、750ml(5カラム体積)の溶出緩衝液、次いで1500ml(10カラム体積)のカラム洗浄及び平衡化緩衝液を用いて洗浄を行った。
各画分のGST濃度を決定するために、4ulの各画分をCoomassie Plus Protein Assay Reagent(Pierce)1mlと混合し、製造者の指示に従ってタンパク質濃度を決定した。次いで、画分をプールし、4mg/mlの最終濃度を有するGST酵素溶液を作製した。
透析
最初に、プールした各GST酵素溶液を、20LのTEDG緩衝液(10〜20プール体積)中、4℃で2.5時間、それぞれ2回透析した。10Lの保存緩衝液(10プール体積)中でそれぞれ2回最終透析を行った:最初に4℃で25時間行い、2回目に4℃で15時間行った。次いで、それぞれの透析した画分を、保存緩衝液中で4mg/mlの濃度になるよう調整し、使用するまで酵素溶液を4℃で保存した。
実施例30 培地の試料抽出による反応性酸素の効果の検出
この実施例では、細胞中の反応性酸素種の生成に影響を与える可能性がある化合物(複数可)又は化学物質(複数可)を用いた処理の後に、細胞の健康をモニタリングするための方法を提供する。種々の研究者によって、哺乳類細胞が、細胞から酸化型グルタチオン(GSSG)を輸送するトランスポーターを発現することが同定されている(Minich,T.et.al,J.Neurochem.2006,vol97,p373−384)。GSSGの輸送は、細胞中に存在するGSSGのレベルと関連しているはずであり、したがって、化合物(複数可)又は化学物質(複数可)の輸送は、グルタチオン還元酵素等の酵素による細胞中のGSSGからのGSHの再生と競合する。よって、細胞外GSSGの増加を測定することによって、細胞中のGSSGレベルの増加を検出することが可能であり得る。
培地及び血清の多くの源は、相当なレベルのグルタチオンを含有するため、そのような測定を行うためには、細胞を処理する際に使用される細胞培地がグルタチオンを含有しないこと、及び血清が添加されていないことが有利である。ウシ胎仔血清を含むDMEM等の細胞培地が使用される場合、培地中のグルタチオンの出発レベルのために、輸送されるグルタチオンの測定がより困難となる。この理由から、本実施例における培地としてハンクス平衡塩(HBSS)が選択された。
10%ウシ胎仔血清を含む100ulのDMEM中の96ウェル組織培養プレートに、ウェル当たり5,000細胞の密度でA549細胞を播種し、10%CO2で48時間、37℃でインキュベートした。インキュベーション後、培地を除去して廃棄し、40uMメナジオンを含むか又は含まないHBSS緩衝液と交換した。次いで、10%CO2で1時間、37℃でプレートをインキュベートした。
1時間の処理後、細胞からのHBSS緩衝液を新しい96ウェルプレートに移した。次いで、100ulの新しいHBSS緩衝液と、NEMを含むか又は含まないPLBの濃縮溶液とを細胞に添加した。これらの操作から次の(3通りの)条件がもたらされた。
1.細胞の可溶化液から細胞のGSH及びGSSGを測定したが、溶解する前に、HBSS緩衝液を含むビヒクル又はメナジオン処理を除去した。
2.培地のGSH及びGSSGは、細胞から移したHBSS緩衝液から測定した。
3.GSH合計及びGSSG合計は、HBSS緩衝液で処理した細胞の可溶化液から測定したが、PLBを添加する前にHBSS緩衝液を除去しなかった。
GSSGの測定のために、GST−22、25mM NEM、及び1×Passive Lysis Bufferを含有する混合物を試料に添加した。GSHの測定のために、GST−22及び1×Passive Lysis Bufferを含有する混合物を試料に添加した。室温で5分間試料をインキュベートし、100mM DTT及びGSTを含む25μlのLDRを添加した。次いで、室温で30分間試料をインキュベートし、150μlのLDRを添加した。室温でのインキュベーションから15分後に、発光を検出した。
3つの条件からの平均RLU読み取り値を表11及び図9に示す。培地及び細胞からのグルタチオン種の合計は、ウェル測定値の合計とほぼ等しくなると予想できることに留意されたい。この計算を表11の3列目に示す。GSH対GSSGの比率も決定した(図10)。
11及び図9のデータから、培地のみのGSSG測定値でも、メナジオン処理が細胞に与えたある程度の影響が示唆されたことは明らかである。細胞の画分の溶解も培地のGSSG値を劇的に上昇させたかもしれないが、この場合、細胞溶解の測定値(LDH放出及びATPレベル)は、いずれかの溶解が起こったことを示唆しなかった(データは示さず)。
したがって、このデータは、本発明の方法を使用した細胞培地中のGSSG及びGSHの測定が、化合物(複数可)が細胞の健康に与える影響を検出するために使用できることを示唆するものである。多くの実験において、細胞培地は典型的に除去及び廃棄されるため、細胞の健康の尺度としての細胞培地の使用は、いずれの細胞又は細胞可溶化液も犠牲にすることなく行うことができ、単一試料からより多くの情報を得ることができるように、細胞に対する他のアッセイ、例えば、細胞生存アッセイ又は酵素アッセイを行うことができる。
全ての出版物、特許、及び特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。上記明細書において、本発明を、その特定の好ましい実施形態に関連して記載し、例示の目的で多くの詳細を記述してきたが、当業者には、本発明はさらなる実施形態を許容すること、及び本明細書に記載される詳細のうちのいくらかは、本発明の原則から逸脱することなく大幅に変更されてもよいことは明白であろう。

Claims (17)

  1. GSSGを検出するための方法であって、以下の工程、
    a.試料をスルフヒドリルアルキル化剤、及び任意で、溶解剤と接触させる工程と、
    b.前記試料を、過剰な還元剤と、グルタチオン‐S‐トランスフェラーゼと、GSH及びグルタチオン‐S‐トランスフェラーゼの存在下でシグナルを生成する化合物に変換される基質と、に接触させる工程であって、前記過剰の還元剤が、前記試料に添加される前記スルフヒドリルアルキル化剤の濃度よりも約2〜5倍高い工程と、
    c.シグナルを検出する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記シグナルが、定量化される、請求項1に記載の方法。
  3. GSH:GSSGの比率を決定するための方法であって、以下の工程、
    a.任意で試料を溶解剤と接触させる工程と、
    b.前記試料の一部を除去する工程と、
    c.残りの試料をスルフヒドリルアルキル化剤と接触させる工程と、
    d.前記残りの試料に、過剰な還元剤と、グルタチオン‐S‐トランスフェラーゼと、GSH及びグルタチオン‐S‐トランスフェラーゼの存在下でシグナルを生成する化合物に
    変換される基質と、を添加して第1の溶液を形成する工程であって、前記過剰の還元剤が、前記試料に添加される前記スルフヒドリルアルキル化剤の濃度よりも約2〜5倍高い工程と、
    e.前記第1の溶液のシグナルを測定する工程と、
    f.前記除去した試料を、グルタチオン‐S‐トランスフェラーゼと、GSH及びグルタチオン‐S‐トランスフェラーゼの存在下でシグナルを生成する化合物に変換される基質
    と、に接触させて第2の溶液を形成する工程と、
    g.前記第2の溶液のシグナルを測定する工程と、
    h.前記第2の溶液の前記シグナルを前記第1の溶液の前記シグナルと比較してGSH対GSSGの比率を決定する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  4. 試料中の酸化ストレスを決定する方法であって、以下の工程、
    a.前記試料をスルフヒドリルアルキル化剤、及び任意で、溶解剤と接触させる工程と、b.前記試料を、過剰な還元剤と、グルタチオン‐S‐トランスフェラーゼと、GSH及びグルタチオン‐S‐トランスフェラーゼの存在下でシグナルを生成する化合物に変換される基質と、に接触させる工程であって、前記過剰の還元剤が、前記試料に添加される前記スルフヒドリルアルキル化剤の濃度よりも約2〜5倍高い工程と、
    c.前記シグナルを測定する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  5. 前記試料が、細胞、培地、血漿、血清、血液、又は組織抽出物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記シグナルが、蛍光である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記シグナルが、発光である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記基質が、GSH及びグルタチオン‐S‐トランスフェラーゼの存在下でルシフェリンに変換されるルシフェリン誘導体である、請求項1〜5及び7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記基質が、式(III)、
    で示される化合物であり、
    式中、Xは、N又はOであり、
    1、R2、R3、R4、及びR5は、独立して、H、C1-6アルキル、CF3、ハロゲン、NO2、CO2Rであるか、又はいずれか2つの隣接するR1−R5が縮合環を形成することができるが、但し、R1、R3、又はR5のうちの少なくとも1つはNO2であって、3つ全てがNO2でなく、
    Rは、H又はC1-6アルキルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記基質が、下式、
    で示される化合物であり、
    式中、nが0であって、XがSであるか、又はnが1であって、XがCHであり、
    Yは、O、OSO2、又はOP(O)OR(Rは任意のアルキル又はアリールエステルである)であり、
    1は、H、F、又はOHであり、
    2は、H、アルキル、アリール、CH2Ar、又はCH2CH2OHであり、
    3、R3’、R4は、独立して、NO2、CF3、又はHであり、
    Zは、CH又はNである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記基質は、下式、
    で示される化合物であり、
    式中、nが0であって、XがSであるか、又はnが1であって、XがCHであり、
    1は、H、F、又はOHであり、
    2は、H、アルキル、アリール、CH2Ar、又はCH2CH2OHであり、
    3、R3’、又はR4は、独立して、NO2、CF3、又はHである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記縮合環が、ベンゾ、ナフト、又は複素環である、請求項9に記載の方法。
  13. 前記基質が、次式、
    の化合物である、請求項1〜5及び7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記ルシフェリンが、ルシフェラーゼによって検出される、請求項1〜5及び7〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記スルフヒドリルアルキル化剤が、NEMである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記還元剤が、DTTである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 少なくとも1つのステップが、自動化される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
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